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特許7569637駐車場提携先マッチングシステム及びサービス情報通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】駐車場提携先マッチングシステム及びサービス情報通信システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241010BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241010BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16Y10/40
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020120073
(22)【出願日】2020-07-13
(65)【公開番号】P2022017020
(43)【公開日】2022-01-25
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181146
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(72)【発明者】
【氏名】菅原 佑允
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-037360(JP,A)
【文献】特開2013-105476(JP,A)
【文献】特開2017-102608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16Y 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場運営事業者から受入れ可能な店舗業務形態の情報を含む契約情報を受け付ける契約情報受付部と、
前記契約情報受付部で受け付けた情報に基づき作成した店舗向け駐車場情報を提示する情報提示部と、
前記契約情報と業務形態の情報を含む店舗からの提携条件の情報とに基づいて、駐車場と店舗との間で業務形態に関するマッチングを含んだマッチングを行うマッチング部と
を備える駐車場提携先マッチングシステム。
【請求項2】
前記情報提示部からの前記店舗向け駐車場情報を受信する店舗側端末を備え、
前記マッチング部は、前記店舗側端末から送信された前記提携条件を受け付けてマッチングを行う、請求項1に記載の駐車場提携先マッチングシステム。
【請求項3】
駐車場において、駐車管理を行うとともに、前記契約情報受付部に対して、前記契約情報を送信する駐車管理部を備える、請求項1及び2のいずれか一項に記載の駐車場提携先マッチングシステム。
【請求項4】
前記契約情報受付部は、駐車料金割引に関する料金体系、EV充電利用量、カーシェア利用料及びシェアサイクル利用料のいずれかを含む情報を、前記契約情報として受け付ける、請求項1~3のいずれか一項に記載の駐車場提携先マッチングシステム。
【請求項5】
前記情報提示部は、駐車場運営事業者の範囲を指定して店舗に提示する、請求項1~4のいずれか一項に記載の駐車場提携先マッチングシステム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の駐車場提携先マッチングシステムにおける前記マッチング部でのマッチング結果に基づいて店舗からのサービス情報の通信を行うサービス情報通信システムであって、
前記サービス情報を店舗から受信するサービス情報受信部と、
前記サービス情報受信部で受け付けた前記サービス情報を、対応する駐車場に送信するサービス情報送信部と
を備えるサービス情報通信システム。
【請求項7】
前記サービス情報受信部は、駐車料割引、EV充電利用可能量、カーシェア利用可能料及びシェアサイクル利用可能料のいずれかを含む情報を、前記サービス情報として受信する、請求項6に記載のサービス情報通信システム。
【請求項8】
店舗において、駐車場の利用客から駐車した車両を特定する車両特定情報を受け付けるとともに、前記サービス情報受信部に対して、前記車両特定情報に前記サービス情報を付与して送信する通信端末を備える、請求項6及び7のいずれか一項に記載のサービス情報通信システム。
【請求項9】
駐車場において、利用客に前記車両特定情報を含む二次元コードを提供する車両特定情報提供部を備える、請求項8に記載のサービス情報通信システム。
【請求項10】
駐車場において、前記サービス情報送信部から送信された前記サービス情報に基づいて駐車料金の精算を行う精算部を備える、請求項6~9のいずれか一項に記載のサービス情報通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場提携についてのマッチングを行う駐車場提携先マッチングシステム及び駐車場提携先マッチングシステムによるマッチングの結果を利用したサービス情報の通信を行うサービス情報通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、駐車料金の割引サービスの提供を容易に行うべく、駐車場の管理を行うもの(特許文献1参照)が知られている。
【0003】
しかしながら、例えば上記特許文献1に開示の技術は、割引サービスの提供を行う上で、提携駐車場の選択のみならず、駐車場の管理までを行える状態にした上でシステムの特徴的動作について示されるものであると考えられるため、割引サービスの提供を行うための前提となる提携駐車場の契約過程において、例えば、店舗側が適した利用体系となっている駐車場を簡易に見つけることができるか、といったことについては、不明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-37360号公報
【発明の概要】
【0005】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、店舗側がより柔軟な駐車場の選択を可能にするとともに、提携に際して、駐車場と店舗との適したマッチングを可能にする駐車場提携先マッチングシステム及び駐車場提携先マッチングシステムによるマッチングの結果を利用したサービス情報の通信を行うサービス情報通信システムを提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するための駐車場提携先マッチングシステムは、駐車場運営事業者から契約情報を受け付ける契約情報受付部と、契約情報受付部で受け付けた情報に基づき作成した店舗向け駐車場情報を提示する情報提示部と、契約情報と店舗からの提携条件の情報とに基づいて、駐車場と店舗とのマッチングを行うマッチング部とを備える。
【0007】
上記駐車場提携先マッチングシステムでは、駐車場運営事業者から契約情報を受け付け、受け付けた情報に基づき作成した店舗向け駐車場情報を店舗側に提示した上で、駐車場側との契約情報と店舗からの提携条件の情報とに基づくことで、駐車場と店舗との適したマッチングが可能になる。
【0008】
本発明の具体的な側面では、情報提示部からの店舗向け駐車場情報を受信する店舗側端末を備え、マッチング部は、店舗側端末から送信された提携条件を受け付けてマッチングを行う。この場合、店舗側端末との各種情報送受信により、迅速各官位にマッチング処理を行うことが可能になる。
【0009】
本発明の別の側面では、駐車場において、駐車管理を行うとともに、契約情報受付部に対して、契約情報を送信する駐車管理部を備える。この場合、駐車場管理部において、駐車管理を行いつつ、運営上の契約情報を取り扱うことができる。
【0010】
本発明のさらに別の側面では、契約情報受付部は、駐車料金割引に関する料金体系、EV充電利用量、カーシェア利用料及びシェアサイクル利用料のいずれかを含む情報を、契約情報として受け付ける。この場合、駐車場側で受け入れ可能な種々の料金割引適用に関する情報を、店舗側に提示できる。
【0011】
本発明のさらに別の側面では、情報提示部は、駐車場運営事業者の範囲を指定して店舗に提示する。この場合、例えば特定の駐車場運営事業者に制限して、一定の条件に見合う店舗との契約について独占的に行う(囲い込み)ことができる。
【0012】
上記目的を達成するためのサービス情報通信システムは、上記いずれかの駐車場提携先マッチングシステムにおけるマッチング部でのマッチング結果に基づいて店舗からのサービス情報の通信を行うサービス情報通信システムであって、サービス情報を店舗から受信するサービス情報受信部と、サービス情報受付部で受け付けたサービス情報を、対応する駐車場に送信するサービス情報送信部とを備える。
【0013】
上記サービス情報通信システムでは、駐車場提携先マッチングシステムでマッチングされた店舗と駐車場との間を仲立ちできる。
【0014】
本発明の具体的な側面では、サービス情報受信部は、駐車料割引、EV充電利用可能量、カーシェア利用可能料及びシェアサイクル利用可能料のいずれかを含む情報を、サービス情報として受信する。この場合、種々のサービス内容を利用客(利用者)に提供できる。
【0015】
本発明の別の側面では、店舗において、駐車場の利用客から駐車した車両を特定する車両特定情報を受け付けるとともに、サービス情報受信部に対して、車両特定情報にサービス情報を付与して送信する通信端末を備える。この場合、通信端末を利用して、簡易かつ迅速に駐車場の情報と店舗でのサービス適用とを紐づけてシステム側で管理することができる。
【0016】
本発明のさらに別の側面では、駐車場において、利用客に車両特定情報を含む二次元コードを提供する車両特定情報提供部を備える。この場合、利用客は、携帯端末等の特段の設備を所持する必要がなく、例えば駐車場の駐車証明書等に併せて印刷された二次元コードを店舗に提示すればよく、また、店舗側も広く普及している二次元コードリーダーによって車両特定情報を簡単に取得できる。
【0017】
本発明のさらに別の側面では、駐車場において、サービス情報送信部から送信されたサービス情報に基づいて駐車料金の精算を行う精算部を備える。この場合、駐車料金の精算において、駐車料金の割引等、店舗利用に応じたサービス適用を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(A)は、実施形態に係るサービス情報通信システムの概要を示す概念図であり、(B)は、サービス情報通信システムの一構成例を説明するためのブロック図である。
図2】駐車場及び店舗を利用する利用者とその際におけるサービス情報通信システムの処理動作の様子を示す概念図である。
図3】(A)及び(B)は、駐車場における車両特定情報の提供について一例を示す図である。
図4】サービス情報通信システムの機能面から見た一構成例について示すブロック図である。
図5】利用者へのサービス提供におけるサービス情報通信システムの一連の動作について説明するためのシーケンス図である。
図6】サービス情報通信システムを構築するための駐車場提携先マッチングシステムについて一構成例を説明するための概念図である。
図7】(A)及び(B)は、駐車場側の契約情報について一例を示すデータ表である。
図8】(A)及び(B)は、店舗側の希望条件申請について一例を示すデータ表であり、(C)及び(D)は、マッチングの結果提携関係にある店舗と駐車場とを示すデータ表である。
図9】マッチングに際しての駐車場提携先マッチングシステムの一連の動作について説明するためのシーケンス図である。
図10】利用者へのサービス提供に際してプラットフォームのデータベースに格納される各種情報について一例を示すデータ表である。
図11】駐車場提携先マッチングシステムを利用したサービス情報通信システムにおける各部の関係についてまとめた概要図である。
図12】一変形例の駐車場提携先マッチングシステムの一連の動作について説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1等を参照して、一実施形態に係る駐車場提携先マッチングシステムの一例及びこれを利用したサービス情報通信システムの一例について説明する。なお、図1図4は、駐車場提携先マッチングシステムによる駐車場と店舗との間でのマッチングが成立して、これを利用して構築されたサービス情報通信システム500について一例を説明するための図である。一方、図5以降は、上記のサービス情報通信システム500を構成するための前提となる駐車場提携先マッチングシステム100及びこれに基づくマッチング処理等についての一例を説明するための図である。
【0020】
以下では、まず、マッチングを成立させ、サービス情報の通信が行われている状態について説明する。具体的には、図1等を参照して、サービス情報通信システム500について説明する。ここで、サービス情報については、店舗を利用することで利用者USに与えられる駐車場において提供される割引サービスの適用に関する情報(特典情報)を意味し、内容としては、種々の態様が考えられるが、ここでは、代表的一例として、利用した店舗と提携関係にある駐車場において駐車料金が割り引かれるための情報等を指すものとする。
【0021】
図1(A)に概要を示すように、本実施形態では、複数の店舗α,β,γ,…と、駐車場A,B,C,…との間を、プラットフォームPFが結ぶ、すなわちプラットフォームPFが、例えば一の店舗からこれと提携している一の駐車場へサービス情報の受け渡しを行う。より具体的な一構成例としては、図1(B)に示すように、サービス情報通信システム500は、仲介役として機能するプラットフォームPFを構成するウェブサーバーSV及びデータベースDBのほか、各店舗α,β,γ,…側の設備としての通信端末TEと、各駐車場A,B,C,…側の設備としての駐車場機器(例えば精算機等)PEとを備える。各通信端末TEや、各駐車場機器PEがウェブサーバーSVと通信可能になっており、ウェブサーバーSVやデータベースDBによって各種情報処理がなされ、また、必要な情報が管理され、また、格納されることで、サービス情報通信システム500として機能する。
【0022】
以下、図2に示す概念図を参照して、駐車場及び店舗を利用する利用者(利用客)USとその際におけるサービス情報通信システム500の処理動作の様子について一例を説明する。
【0023】
図示のように、ここでは、利用者(利用客)USが、まず、駐車場Aに、自己が所有する車両VEを駐車させ、その後、店舗αにてサービス提供を受け、再度駐車場Aに戻って車両VEを引き取るまでの様子を示している。
【0024】
また、ここでは、前提として、プラットフォームPFでの事前のマッチングにより、店舗αと駐車場Aとが提携をしており、店舗αの利用に応じて、駐車場Aでの駐車料金の割引適用が受けられる態様となっているものとする。また、以上のような割引サービスの提供を実行するに際して必要な処理についても、プラットフォームPFが担っているものとする。
【0025】
なお、以上の場合、利用者USが、店舗αでサービス提供を受けるに際して駐車場Aを利用すれば、駐車料金の割引適用が受けられることを事前に知っていることも前提となる。これについては、例えば店舗αやサービス情報通信システム500を管理する管理事業者(プラットフォーマー)等が、予め宣伝広告等の周知活動を行っておく、といったことが考えられる。
【0026】
以下、図2を参照して、上記割引サービスの提供に際してのサービス情報通信システム500の処理動作について一例を説明する。なお、ここでは、一例として、駐車場Aが、ロックレス式のコインパーキングであるものとして説明するが、駐車場の形態については、これに限らず、種々の態様とすることができる。
【0027】
まず、利用者USが自己の車両VEを駐車場Aの所定の位置に駐車させると、対応箇所にあるポールPOに設けた各種センサーやカメラ等により、駐車位置の確認がなされ、駐車場機器PEとして現場に設置されている精算機TOに駐車がなされた旨の情報が対応するポールPOから出力される。また、利用者USは、駐車完了後、精算機TOについて適宜操作を行うことで、駐車証明書CEを取得する。ここで、本実施形態では、駐車証明書CEには、駐車に関する情報に加え、駐車場Aの提携店舗(例えば店舗α)において割引サービスの提供を受けるために駐車場Aに駐車した車両であることを特定する車両特定情報が含まれている。なお、車両特定情報の提供についての詳細な一例は、図3を参照して後述する。
【0028】
駐車場機器PEとしての精算機TOは、利用者USによる駐車場Aの利用に関する情報すなわち駐車証明書CEに示された各種情報を、例えば公衆回線IN等を経由してプラットフォームPFに送信する。見方を変えると、プラットフォームPFは、駐車場Aからの上記情報(車両特定情報を含む情報)を受け付けることで、利用者(利用客)USが駐車場Aを利用している者であることを特定できる。
【0029】
次に、利用者USが、駐車証明書CEを所持して目的の店舗αに向かい、サービス提供を受けるに際して駐車証明書CEを店舗α側に提示することで、店舗αは、利用者USが駐車料金についての割引サービスの提供を受ける対象であることを特定できる。
【0030】
ここでは、一例として、図示のように、専用アプリがインストールされたスマホ(スマートフォン)やタブレット端末等で構成される携帯型の通信端末TEを店舗αの店員CLが所持しており、利用者USは、店員CLに対して、駐車証明書CEを提示することで、駐車料金の割引サービスの適用を受けられる。すなわち、店員CLは、例えば通信端末TEに搭載されたカメラCA等を利用して駐車証明書CEに印刷された事項を読み取ることで、割引サービスの適用を受け付けるとともに、当該割引サービスの適用に関する情報(サービス情報)を、通信端末TEを介してプラットフォームPFのウェブサーバーSVに送信する。
【0031】
利用者USが、再び駐車場Aに戻り、出庫処理を行うと、この際、駐車場機器PEとしての精算機TOは、ウェブサーバーSVから送信されるサービス情報、すなわち店舗αを利用したことに伴う割引サービスの適用に関する情報に基づき、当該割引サービスに基づき減算された駐車料金を算出して、精算処理を行う。以上により、利用者USは、携帯端末等の特段の機器を所持する等の手間を要することなく、簡易かつ確実に駐車料金の割引サービスの提供を受けることができる。
【0032】
また、以上の場合、プラットフォームPFが仲介役を果たすことにより、店舗αと駐車場Aとの間においては、直接にやり取りを要することなく上記割引サービスを利用者USに対して提供することができる。
【0033】
さらに、店舗αも、汎用性の高いスマホに専用アプリをインストールすれば、上記通信端末TEとしてこれを利用できるので、設備に大きな費用負担を掛けずにシステムの導入ができる。
【0034】
以下、図3を参照して、上記のうち、駐車場機器PEとしての精算機TOについて一構成例を説明するとともに、駐車場における車両特定情報の提供について一例を説明する。
【0035】
図3(A)は、精算機TOの一構成例について説明するための概念的な正面図であり、図3(B)は、精算機TOにおいて発行され、利用者US(図2参照)に対して車両特定情報を提供する駐車証明書CEについて一例を示す概念図である。
【0036】
まず、図3(A)に示すように、精算機TOは、駐車料金の精算処理を行うためのインターフェース部IFとして、現金投入口10と、リーダライタ部20と、カード挿入部30と、発券ボタンBTを有するプリンター40と、テンキー部50と、表示部DSと、スピーカーSPとを備える。
【0037】
精算機TOのうち、現金投入口10は、貨幣用の投入口である貨幣投入口11や紙幣用の投入口である紙幣投入口12のほか、例えば貨幣受け口13等を有し、駐車料金支払いのための現金投入や、お釣りの支払い、払戻し等、現金の授受を行うための窓口である。
【0038】
リーダライタ部20は、電子マネーカードをタッチすることで、当該電子マネーカードの情報について読み書きを行って、精算処理を可能にするための近距離通信端末である。
【0039】
カード挿入部30は、クレジットカードによる決済を受け付けるためのカードの挿入口である。
【0040】
プリンター40は、領収書や駐車証明書等の各種印刷物を発行するための装置であり、印刷媒体としてのロール紙に領収書の印刷を行う。図示の例では、駐車証明書CEが印刷された状態を示している。また、各種印刷物の発行を実行するための発券ボタンBTが設けられており、利用者US(図2参照)により発券ボタンBTが押されることで、プリンター40は、各種印刷物の発行処理を受け付け、印刷及び発行を実行する。
【0041】
テンキー部50は、例えば0~9までの数字を示すボタン部を含んで構成され、駐車後の駐車証明書の発行や出庫時の精算処理において、利用者USが自己の駐車位置を示すための操作に利用される。
【0042】
表示部DSは、例えば液晶パネル等で構成される表示装置であり、図示の例では、駐車証明書CEが印刷されたことを表示により案内している状態を示している。
【0043】
スピーカーSPは、例えば表示部DSでの表示案内に対応する音声案内等を行う。すなわち、駐車証明書CEが印刷されたことを表示部DSでの表示動作に合わせて、音声により案内してもよい。
【0044】
また、表示部DS及びスピーカーSPは、駐車証明書CEを利用者USに発行させるべく、操作を行うことを促す案内を行うようにしてもよい。
【0045】
以上のような構成の精算機TOにおいて、利用者USが、駐車完了後に例えばテンキー部50及びプリンター40の発券ボタンBTを適宜操作することで、図3(B)に例示するような紙製の駐車証明書CEが発券される。
【0046】
図示のように、駐車証明書CEには、駐車位置や駐車時刻等の駐車状況に関する各種情報が印刷されているとともに、特に、駐車した車両VEを特定する車両特定情報を含むものとして、二次元コードの一態様であるQRコード(登録商標)が印刷されている。すなわち、精算機TOは、駐車場において、利用者(利用客)に車両特定情報を含む二次元コードを提供する車両特定情報提供部として機能する。利用者USは、これを目的の店舗αにおいて提示することで、割引サービスが受けられることになる。
【0047】
以下、図4のブロック図を参照して、上記態様を可能とするためのサービス情報通信システム500について、サービス情報の通信に関係する各部の機能面から説明する。
【0048】
図示のように、また、既述のように、サービス情報通信システム500は、プラットフォームPFを構成するウェブサーバーSV及びデータベースDBと、通信端末TEと、駐車場機器PE(精算機TO)とを備える。ここでの一例では、駐車場側において、駐車管理部PMにより、駐車管理が行われ、かつ、当該駐車管理部PMは、精算機TO等に代表される駐車場機器PEがコンピューター等の各種制御機器とともに組み込まれることで、構成されているものとする。
【0049】
サービス情報通信システム500のうち、駐車管理部PMは、図3等を参照して例示した各部を有するインターフェース部IFのほか、プラットフォームPFとの通信を行う通信部COcと、例えばCPU等で構成される主制御部MCcと、例えば各種ストレージデバイス等で構成される記憶部MEcとを備える。
【0050】
主制御部MCcは、上述したインターフェース部IFにおける各種動作の制御を行うとともに、駐車場管理のための時間管理や料金精算等の動作処理全般を担う。
【0051】
記憶部MEcは、主制御部MCcの各種動作に必要となる各種プログラムやデータ、また、主制御部MCcの各種動作に基づき発生する各種データ等を格納する。
【0052】
通信部COcは、プラットフォームPFとの通信を行うためのインターフェースとして機能する。例えば、通信部COcは、主制御部MCcからの指令に従って、インターフェース部IFのうちプリンター40で発行される駐車証明書CEに記載される内容に対応した駐車車両に関する各種情報を、駐車証明書CEの発行に合わせてプラットフォームPFに送信する。また、通信部COcは、各店舗で発生するサービス情報について、プラットフォームPFから受け取る。
【0053】
サービス情報通信システム500のうち、店舗側が保有する通信端末TEは、カメラCAのほか、プラットフォームPFとの通信を行う通信部COtと、例えばCPU等で構成される主制御部MCtと、例えば各種ストレージデバイス等で構成される記憶部MEtとを備え、駐車場の利用者(利用客)USから、駐車証明書CEを介して駐車した車両VEを特定する車両特定情報を受け付ける。また、このほか、通信端末TEは、例えば有機ELディスプレイ上にセンサー等を設けて構成されるタッチパネル部によって出力部及び入力部として機能する表示操作部DStを備える。
【0054】
カメラCAは、利用者USが持っている駐車証明書CEに印刷された事項であるQRコード(登録商標)すなわち二次元コードを読み取る二次元コードリーダーとして機能する。
【0055】
主制御部MCtは、上述したカメラCAによる二次元コードの読取り等の各種動作制御を行い、読み取った情報に基づき、サービス情報に関する各種処理を行う。具体的には、例えば読み取った二次元コードから車両が駐車している駐車場を特定し、特定した駐車場が割引サービスの対象である提携先の駐車場であれば、店舗の利用に応じた内容のサービス情報(例えば1時間分の駐車料金を無料にする等の割引情報)を、通信部COtを介してプラットフォームPFに送信する。
【0056】
記憶部MEtは、主制御部MCtの各種動作に必要となる各種プログラムやデータ、また、主制御部MCtの各種動作に基づき発生する各種データ等(例えば、上記サービス情報やサービス情報に対応する駐車場を特定する情報、サービス情報発生時刻等)を格納する。
【0057】
通信部COtは、プラットフォームPFとの通信を行うためのインターフェースとして機能し、例えば、主制御部MCtからの指令に従って、各種情報をプラットフォームPFに送信する。通信部COtは、例えば二次元コードの読取りから取得した車両特定情報に上記サービス情報を付与して送信する。
【0058】
サービス情報通信システム500のうち、プラットフォームPFは、既述のように、ウェブサーバーSVとデータベースDBとで構成され、このうち、ウェブサーバーSVは、駐車管理部PMや通信端末TEとの通信を行う通信部COpと、例えばCPU等で構成される主制御部MCpとを有する。
【0059】
主制御部MCpは、駐車管理部PMや通信端末TEから送信される各種情報の管理及び処理を行うデータ処理部として、これらの情報をデータベースDBの所定領域に格納し、一括管理する。
【0060】
通信部COpは、駐車管理部PMや通信端末TEからの情報を受け付けるとともに、必要に応じて各種情報の配信をする。通信部COpは、例えばサービス情報を店舗からすなわち通信端末TEから受信するサービス情報受信部Rsとして機能し、また、サービス情報受付部Rsで受け付けたサービス情報を、対応する駐車場に送信するサービス情報送信部Tsとしても機能する。
【0061】
以下、図5として示すシーケンス図を参照して、利用者USへのサービス提供におけるサービス情報通信システム500の一連の動作について説明する。ここでは、図2等の場合と同様、利用者USが、駐車場Aに自己の車両VEを駐車させて、駐車場Aと提携関係にある店舗αを利用する場合におけるサービス情報通信システム500の一連の動作についての一態様を説明する。
【0062】
まず、利用者USが、駐車場Aにおいて自己の車両VEを駐車させ、駐車場Aに設置された精算機TOを適宜操作して駐車処理を行うと、駐車証明書CEが発行され、利用者USは、これを取得する。この際、精算機TOは、駐車証明書CEの発行と並行して、プラットフォームPFに対して、利用者USによる駐車に対応した駐車情報を送信する。すなわち、駐車証明書CEに記載されているような駐車場名や駐車位置、駐車時刻の情報等の各種情報が、精算機TO(駐車場A)からプラットフォームPFに送信される。なお、精算機TOは、駐車証明書CEの発行内容やプラットフォームPFへの送信記録について記憶部MEcに併せて記憶するものとしてもよい。
【0063】
次に、駐車証明書CEを取得した利用者USが、目的の店舗αを利用して店舗αにおいて駐車証明書CEを提示し、店舗αの通信端末TEでの二次元コードの読取りによって割引適用についての受付がなされると、通信端末TEから受け付けた割引に関する内容を示す情報である割引情報(サービス情報)が、当該サービス情報の適用を受ける車両を特定する車両特定情報とともに、プラットフォームPFに送信される。
【0064】
プラットフォームPFは、通信端末TEからの上記各種情報を受信すると、データベースDBの所定領域に記録するとともに、受信した情報を解析して、該当する車両が駐車されている駐車場(駐車場A)に対して、当該サービス情報を該当車両の情報とともに送信する(割引情報提供)。
【0065】
次に、駐車証明書CEの提示により店舗αにおいて割引適用が受けつけられた利用者USが、自己の車両VEを引き取りに駐車場Aに戻り、精算機TOを適宜操作して駐車料金の精算を行うと、精算機TOは、精算処理を受け付けるとともに、これに伴う料金計算に際して、プラットフォームPFから送信された(提供された)割引情報(サービス情報)に基づく割引適用を行う。つまり、精算機TOは、駐車場Aにおいて、プラットフォームPFのサービス情報送信部Tsから送信されたサービス情報に基づいて駐車料金の精算を行う精算部として機能する。
【0066】
上記割引適用に基づく精算処理が完了すると、精算機TOは、当該割引適用がなされた旨の通知をプラットフォームPFに対して行い、これを受信したプラットフォームPFは、データベースDBの所定領域に割引適用済みであることを記録する。
【0067】
以上により、サービス情報通信システム500におけるサービス情報に関する一連の各種処理動作が完了する。
【0068】
以上のように、本実施形態に係るサービス情報通信システム500では、提携関係にある店舗と駐車場との間を仲立ちできる。
【0069】
ここで、上記のようなサービス情報通信システム500を構築する上で、すなわち割引サービスの提供を行う上で、各店舗と各駐車場との間での提携については、店舗側と駐車場側とでの希望に沿って結びつけ(マッチング)がなされることが望ましい。しかしながら、例えば、駅近くの繁華街等において、ビル等の建物にテナントとして出店している店舗では、専用の駐車場を構えることができず、その一方で近隣に点在する貸駐車場はあるものの、これらのうちから適切なものを見つけ出すことも、必ずしも容易ではない。また、かかる環境下で、町全体における駐車場と店舗の需給バランスを図りつつ、適正な駐車場提供を行うことは容易ではない。
【0070】
そこで、本実施形態では、プラットフォームPF等あるいはこれらの一部が、サービス情報通信システム500のようなシステムの構築を可能とするために、駐車場提携についてのマッチングを行う駐車場提携先マッチングシステム100として機能する。
【0071】
以下、図6に示す概念図を参照して、サービス情報通信システム500を構築するための駐車場提携先マッチングシステム100について一構成例を説明する。
【0072】
ここでは、駐車場提携先マッチングシステム100は、駐車場運営事業者から契約に関する申請(契約情報の申請)を受け付けるとともに、各店舗から駐車場との提携にあたっての提携条件の申請を受け付け、これらのマッチングを行うものとする。
【0073】
図示のように、駐車場提携先マッチングシステム100は、プラットフォームPFのウェブサーバーSVに設けた契約情報受付部CRと、情報提示部CKと、マッチング部MTとで構成される。
【0074】
契約情報受付部CRは、複数の駐車場運営事業者から、すなわち各駐車場A,B,C,…から駐車場ごとにそれぞれ異なる内容の契約情報を受け付ける。
【0075】
情報提示部CKは、契約情報受付部CRで受け付けた契約情報に基づき店舗向け駐車場情報を作成し、作成した店舗向け駐車場情報を、駐車場との提携を希望する各店舗α,β,γ,…に提示する。
【0076】
マッチング部MTは、各店舗α,β,γ,…からの提携条件を受け付けるとともに、各駐車場A,B,C,…からの契約情報と、各店舗α,β,γ,…からの提携条件の情報とに基づいて、駐車場と店舗とのマッチングを行う。
【0077】
なお、契約情報受付部CR、情報提示部CK及びマッチング部MTについては、例えばウェブサーバーSVを構成する主制御部MCp等の各部(図4参照)が、適宜プログラムを読み出したり、各種情報の通信動作を行ったりすることで、構成される。すなわち、ウェブサーバーSVが、必要に応じて、契約情報受付部CR、情報提示部CK及びマッチング部MTとして機能する。
【0078】
また、上記動作処理において取り扱われる契約情報や提携条件については、データベースDBの所定領域において一括管理される。
【0079】
駐車場提携先マッチングシステム100において、契約情報や提携条件を受け付ける態様については、種々の態様をとることができるが、ここでは、各種フォーマットにデータ記入する(必要事項を書き込む)ことで、契約情報や提携条件を受け付ける態様を、一例として示す。
【0080】
具体的には、まず、駐車場側の駐車管理部PMにおいて、例えばPC等で構成されてキーボード等の入力装置IDや出力装置ODを有する端末装置MMが設けられているものとする。端末装置MMは、ウェブサーバーSVと通信可能となっており、ウェブサーバーSVにより、例えばウェブブラウザ上において提供される契約条件に関するフォーマットに必要事項を端末装置MMの入力装置IDを操作して書き込むことで、駐車管理部PM(あるいは駐車場運営事業者)は、契約情報を作成し、ウェブサーバーSVに送信できる。
【0081】
次に、店舗側については、店舗側の通信端末TE(あるいは専用アプリを導入する前の通常のスマホ)が、ウェブサーバーSVと通信可能となっており、情報提示部CKで作成された店舗向け駐車場情報を、例えばウェブブラウザ上において確認できる。店舗側は、このような店舗向け駐車場情報に基づいて自ら駐車場を選択してもよいが、本実施形態では、この上で、さらに、通信端末TE(あるいは店舗事業者)は、ウェブサーバーSVにより、例えばウェブブラウザ上において提供されるフォーマットにおいて、必要事項を複数の提携希望条件のうちから適宜選択する、あるいは提携希望条件を記入することで、提携条件を作成し、ウェブサーバーSVに送信し、駐車場提携先マッチングシステム100がマッチングを行って、提携条件に合った提携先の候補を探し出すことができる。
【0082】
図7(A)及び図7(B)は、上記のようにして駐車場側からウェブサーバーSVに送信された契約情報の内容に関し、データベースDBでまとめて格納されたものについて一例を示すデータ表である。
【0083】
まず、図7(A)は、各駐車場A,B,C,…に固有の事項に関するデータをまとめたものであり、図示の例では、立地場所、駐車可能台数、駐車方式、料金体系のほか、受け入れ可能な店舗業務形態を挙げているが、これら以外のものを含めてもよく、また、逆に、これらのうちの一部については除外してもよい。
【0084】
一方、図7(B)は、プラットフォーマーとしての駐車場提携先マッチングシステム100側から提示したサービス情報の内容についての選択結果を例示するものである。図示の例では、サービス情報すなわち駐車場において提供される割引サービスとしてこれらのうち適用可能なものを各駐車場A,B,C,…が選択する構成となっている。なお、図示の例では、割引サービスの種別として、3種類の駐車料金割引プランのほかに、2種類のEV(Electric Vehicle)充電利用プラン、カーシェア利用料の割引及びシェアサイクル利用料の割引を挙げている。言い換えると、契約情報受付部CRは、駐車料金割引に関する料金体系、EV充電利用量、カーシェア利用料及びシェアサイクル利用料のいずれかを含む情報を、契約情報として受け付けている。なお、割引サービスについては、一例であり、これら以外のものを含めてもよく、また、逆に、これらのうちの一部については除外してもよい。
【0085】
なお、情報提示部CKは、上記のような一覧データに基づき店舗向け駐車場情報を作成する。例えば上記データ表をそのまま店舗向け駐車場情報として各店舗に提供することも考えられるが、これに限らず、例えば上記のうち一部の情報のみ提供する等、種々の態様とすることが考えられる。
【0086】
図8(A)及び図8(B)は、上記のようにして店舗側からウェブサーバーSVに送信された提携の希望条件の申請内容に関し、データベースDBでまとめて格納されたものについて一例を示すデータ表である。
【0087】
まず、図8(A)は、各店舗α,β,γ,…の環境に伴う固有の事情や要望に関するデータをまとめたものであり、図示の例では、立地場所(店舗からの距離)、駐車可能台数、駐車方式、料金体系のほか、業務形態を挙げているが、これら以外のものを含めてもよく、また、逆に、これらのうちの一部については除外してもよい。
【0088】
一方、図8(B)は、プラットフォーマーとしての駐車場提携先マッチングシステム100側から提示したサービス情報の内容についての選択結果を例示するものである。つまり、図7(B)に記載した事項に対応しており、これらの割引サービスのうち適用を希望するものについて選択する構成となっている。なお、図中〇(まる)は希望するもの、×(バツ)は、希望しないもの(採用不可)のものを示し、このほか、要、不要の選択が可能になっている。ただし、これは一例であり、これ以外の希望を受け付ける態様とすることも可能である。
【0089】
マッチング部MTは、上記のような一覧データに基づき、提携先の候補を選定する。選定方法については、単純に全条件を満たす駐車場のみを店舗側に提示するものとしてもよいが、例えば図8(A)及び図8(B)の各項目について必須か必須でないかを選定する態様としておき、必須でない事項について数値化することで、マッチング度合を定め、マッチング度合の高いものからランキング形式で候補を提示するようにしてもよい。なお、マッチングに関しては、最も適合性の高いもの1つのみを提示する場合だけでなく、要件を満たす複数のものを提示する態様としてもよい。
【0090】
以上のようにして、駐車場提携先マッチングシステム100は、例えば、図8(C)及び図8(D)に示すようなマッチング結果を得る。店舗側及び駐車場側の双方から契約内容についての承諾を得られれば、このマッチング結果が提携関係を示すものとなる。なお、図8(C)は、店舗側から見た提携先の駐車場を示す一覧表となっており、図8(D)は、駐車場側から見た提携先の店舗を示す一覧表となっている。
【0091】
以下、図9に示すシーケンス図を参照して、マッチングに際しての駐車場提携先マッチングシステム100の一連の動作について説明する。
【0092】
まず、ウェブサーバーSVで構成される駐車場提携先マッチングシステム100は、各駐車場A,B,C,…からすなわち各駐車管理部PMからの契約情報を受け付け、情報提示部CKとして、契約情報に基づく店舗向け駐車場情報を作成する。なお、駐車場提携先マッチングシステム100は、上記において常に新たな契約情報を受け付け、店舗向け駐車場情報の更新を行う。
【0093】
一方、駐車場提携先マッチングシステム100は、各店舗α,β,γ,…からの店舗向け駐車場情報の照会申請を常に受け付け、これに応じて最新の店舗向け駐車場情報を提供する。
【0094】
駐車場提携先マッチングシステム100は、以上のような契約情報の受付及びこれに伴う情報の更新と、店舗向け駐車場情報の照会受付を常時繰り返す。
【0095】
一方、駐車場提携先マッチングシステム100は、各店舗α,β,γ,…からすなわち各通信端末TEからの駐車場提携問合せを受け付けた場合、当該通信端末TEに対して、希望条件設定要求をする。通信端末TEでは、希望条件設定要求に応じて自己の希望条件設定がなされる。以上については、既述のように、例えばブラウザ上にフォーマットの画面表示がなされ、これに応じた操作により、提携希望条件に関する各種設定がなされる。
【0096】
次に、駐車場提携先マッチングシステム100は、通信端末TEからの提携希望条件を受け付けると、マッチング部MTとして、提携希望条件を提示した店舗について、データベースDB中から条件を満たす駐車場を検索するマッチング処理を行い、提携先の候補を通信端末TEに提示する。すなわち、駐車場提携先マッチングシステム100は、通信端末TEに対して、マッチング結果を送信する。
【0097】
マッチング結果を受けた通信端末TEすなわち店舗側は、マッチング結果に基づき提携先を決定し、決定結果の通知すなわち契約希望の内容を送信する。
【0098】
駐車場提携先マッチングシステム100は、通信端末TEからの契約希望を受け付けると、当該契約希望について、対応する駐車場に問い合わせ、当該駐車場から問合せに対する応答を受けると、その結果を、該当する店舗に通知する。
【0099】
以上の処理を、申し込みをした各店舗について行うことにより、駐車場提携先マッチングシステム100におけるマッチングに関する一連の各種処理動作が完了する。
【0100】
以上のように、本実施形態に係る駐車場提携先マッチングシステム100では、駐車場運営事業者から契約情報を受け付け、受け付けた情報に基づき作成した店舗向け駐車場情報を店舗側に提示した上で、駐車場側との契約情報と店舗からの提携条件の情報とに基づくことで、駐車場と店舗との適したマッチングが可能になる。
【0101】
なお、以上では、駐車場提携先マッチングシステム100は、主としてウェブサーバーSVにより構成されるものとしているが、店舗側の通信端末TEや、駐車場側の駐車管理部PMまで含めて、駐車場提携先マッチングシステム100が構成される、と捉えることもできる。
【0102】
より具体的には、駐車場提携先マッチングシステム100が、情報提示部CKからの店舗向け駐車場情報を受信する店舗側端末である通信端末TEを備え、マッチング部MTが、店舗側端末である通信端末TEから送信された提携条件を受け付けてマッチングを行うものである、としてもよい。
【0103】
あるいは、駐車場提携先マッチングシステム100が、駐車場において、駐車管理を行うとともに、契約情報受付部CRに対して、契約情報を送信する駐車管理部PMを備えるものである、としてもよい。また、通信端末TEと契約情報受付部CRとの双方を含めて駐車場提携先マッチングシステム100であることとしてもよい。
【0104】
以上のような駐車場提携先マッチングシステム100でのマッチングが成立することで、図1等を参照して説明したサービス情報通信システム500が構築される。
【0105】
以下、図10に示すデータ表を参照して、駐車場提携先マッチングシステム100でのマッチングにより構築されたサービス情報通信システム500における利用者へのサービス提供に際して、プラットフォームPFのデータベースDBに格納される各種情報について一例を説明する。
【0106】
図示のように、また、図2図5を参照して一例を示したように、サービス情報通信システム500としてのプラットフォームPFでは、上記態様において、まず、駐車完了時に駐車場側から送信される駐車情報が記録され、続いて、店舗利用に際して店舗側から送信されるサービス情報(割引情報)が記録され、最後に、精算処理に際して、割引の適用についての記録がなされる。
【0107】
図10の一例では、駐車完了時の駐車情報として、車両特定のための情報に加え、割引適用のために使用されるQRコード(登録商標)に関する情報や駐車時刻等の情報がプラットフォームPFに送信される。
【0108】
また、店舗利用に際してサービス情報(割引情報)として、当該サービス情報を送信した店舗(利用者USが利用した店舗)と駐車情報とが紐づけされるとともに、サービス情報の内容について併せて記録される。なお、図7(B)や図8(B)に例示したように、適用可能な割引サービスが複数存在する場合には、利用者が店舗にて割引適用に際して選択を行うことで、適用するサービス内容が確定するようにしてもよい。つまり、図4に示す一例において、プラットフォームPFのサービス情報受信部Rsが、駐車料割引、EV充電利用可能量、カーシェア利用可能料及びシェアサイクル利用可能料のいずれかを含む情報を、サービス情報として店舗の通信端末TEから受信する態様としてもよい。
【0109】
さらに、精算処理に際して、割引の適用がなされたか否かの確認とともに出庫時刻(あるいは精算完了時刻)が記録される。
【0110】
以上のように、プラットフォームPFにおいて、利用者USが割引適用を受けるに際して、サービス情報に加え、さらに他の情報を有していることで、プラットフォームPFは、サービス情報を取り扱う上で、種々の管理を行うことができる。例えば割引サービスの内容が駐車時間や店舗での利用料金によって異なる場合、上記各種情報をプラットフォームPFも有することで、割引サービスが適正に行われたかの確認等が可能になる。
【0111】
以下、図11に示す概要図を参照して、上記駐車場提携先マッチングシステム100を利用したサービス情報通信システム500における各部の関係、さらには、サービス情報通信システム500を利用したビジネス態様の全体外観について説明する。見方を変えると、本システムの運営を行うプラットフォーマーの役割について説明する。
【0112】
図示のように、また、既述のように、本実施形態の構成では、プラットフォーマーが管理あるいは運営するプラットフォームPFが、駐車場及び店舗に対して提携先駐車場の情報提供や店舗募集を行っており、さらに、図示のように、この際に発生する割引適用分の料金を店舗側から集金するとともに駐車場に対して入金を行っている。また、駐車場及び店舗は、以上のようなプラットフォーマーのサービス提供に対して、プラットフォーム利用料を支払っている。これにより、駐車場側と店舗側とでは、直接的に契約や送金等をすることなく、互いに希望の提携状態を維持できる。
【0113】
また、以上に加え、駐車場及び店舗を利用する利用者との関係としては、プラットフォームPFは、利用者USが、駐車場と店舗との提携関係を事前に知ることができるように、店舗の提携駐車場に関する宣伝や広告すなわち周知活動を行っている。なお、利用者と駐車場や店舗との関係については、既に説明した通りであり、利用者が駐車場及び店舗を利用するに際して、利用した店舗と提携関係にある駐車場の駐車料金の割引適用等をする。
【0114】
本実施形態に係る駐車場提携先マッチングシステム100及びこれを利用したサービス情報通信システム500により、上記のようなビジネス体系を構築、管理、維持することができる。
【0115】
以下、図12に示すシーケンス図を参照して、一変形例の駐車場提携先マッチングシステム100の一連の動作について説明する。なお、図12は、図9に対応する図である。
【0116】
図示のように、本変形例では、一連の動作のうち、店舗側からの店舗向け駐車場情報の照会の申請に対して、駐車場提携先マッチングシステム100が、情報提示部CKとして、駐車場運営事業者の範囲を指定して店舗に提示している点において、先の一例と異なっている。例えば一定の地域内に複数の駐車場を有する駐車場運営事業者が、特定の範囲についてターゲットとする業務形態の店舗との契約を独占的に行いたい(囲い込み)といった場合を想定する。この場合には、店舗向け駐車場情報の照会の申請に際して、プラットフォームPFが、店舗の所在地と業務形態とについて確認した上で、照会の申請を受け付けるようにして、所在地及び業務形態について特定の条件を満たす店舗からの申請に対しては、駐車場運営事業者の範囲を指定した店舗向け駐車場情報を、提示するようにしてもよい。なお、このような駐車場運営事業者の範囲指定を許容するにあたっては、例えば一定の要件を当該駐車場運営事業者に課すこと等によって、他の駐車場運営事業者や店舗、延いては利用者にとって不利益が生じないように配慮することが考えられる。
【0117】
〔その他〕
この発明は、上記の上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0118】
例えば、上記では、利用者に割引適用を受けるための情報源として、駐車場で発行したQRコード(登録商標)といった二次元コードを含む駐車証明書CEを所持させ、これを店舗にて提示することとしているが、サービス情報通信システム500において必要な情報伝達が維持可能であれば、これに限らず種々の態様とすることができる。例えば利用者がスマホ等の携帯型端末を保有する場合、当該スマホに対して上記二次元コードを付与する態様としてもよい。また、情報伝達媒体は、二次元コードに限らず、種々の態様が考えられる。
【0119】
また、上記では、店舗に配備する通信端末TEを携帯型のスマホ(スマートフォン)やタブレット端末等としているが、例えば通信型でかつ二次元コードリーダーを有する固定的な機器により、通信端末TEを構成する等してもよい。
【0120】
また、上記では、駐車場側については、有線接続でプラットフォームPFと接続している様子を図示しているが、これに限らず、無線接続としたり、また、複数の駐車場を一括管理する駐車管理サーバーが、プラットフォームPFと通信を行う態様としたりする態様等も想定される。
【0121】
また、上記のうち、駐車場提携先マッチングシステム100では、常に新たな契約情報を受け付け、店舗向け駐車場情報の更新を行うものとしているが、新たな契約情報を受け付けた結果、これまでにすでに契約がなされている店舗にとって最適なマッチングに変更が生じる可能性も考えられる。このような場合を想定して、駐車場から新たな契約情報を受け付けた場合に、再度各店舗の希望条件に基づいて再マッチングを行うようにしてもよい。
【0122】
また、プラットフォームPFの構成及びこれを含むビジネスモデル全体については、1つのプラットフォーマーがすべての管理及び運営を行う場合に限らず、いくつかのプラットフォーマーの集合体が結果として、上記プラットフォームPFを利用して、上記ビジネスモデルを構成するものであってもよい。
【符号の説明】
【0123】
10…現金投入口、11…貨幣投入口、12…紙幣投入口、13…貨幣受け口、20…リーダライタ部、30…カード挿入部、40…プリンター、50…テンキー部、100…駐車場提携先マッチングシステム、500…サービス情報通信システム、A,B,C…駐車場、BT…発券ボタン、CA…カメラ、CE…駐車証明書、CK…情報提示部、CL…店員、COc,COp,COt…通信部、CR…契約情報受付部、DB…データベース、DS…表示部、DSt…表示操作部、ID…入力装置、IF…インターフェース部、IN…公衆回線、MCc,MCp,MCt…主制御部、MEc,MEt…記憶部、MM…端末装置、MT…マッチング部、OD…出力装置、PE…駐車場機器、PF…プラットフォーム、PM…駐車管理部、PO…ポール、Rs…サービス情報受信部、Rs…サービス情報受付部、SP…スピーカー、SV…ウェブサーバー、TE…通信端末、TO…精算機、Ts…サービス情報送信部、US…利用者(利用客)、VE…車両、α,β,γ…店舗
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