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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/58 20060101AFI20241010BHJP
   F04D 29/60 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
F04D29/58 F
F04D29/58 S
F04D29/60 E
F04D29/60 H
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020192197
(22)【出願日】2020-11-19
(65)【公開番号】P2022080962
(43)【公開日】2022-05-31
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】山本 岳
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-008526(JP,A)
【文献】特開2003-222094(JP,A)
【文献】特開2013-122234(JP,A)
【文献】特開昭59-049397(JP,A)
【文献】特開2020-172923(JP,A)
【文献】特開2001-304198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/58
F04D 29/60
F04D 29/42
F04D 13/06
H02K 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中心軸線を中心に回転するロータと、
前記ロータの周囲に配置されたステータと、
前記ロータに対して前記回転中心軸線が延在する軸線方向の一方側に配置されたインペラと、
前記ステータを覆うとともに、前記軸線方向の他方側において開口する筒部を備える樹脂封止部材と、
前記筒部に収容され、前記ステータのコイルに接続された回路基板と、
前記筒部を前記他方側から覆うカバー部材とを有し、
前記カバー部材は、前記軸線方向に開口する開口部を備える樹脂製の枠部材と、前記開口部を覆う金属製の放熱部材とを備え、
前記枠部材と前記筒部との間には、前記枠部材と前記筒部とを接合する溶着部が設けられ
前記カバー部材は、前記枠部材と前記放熱部材との間に配置されたシール部材を備え、
前記枠部材は、前記開口部を備える円環部と、前記円環部から前記一方側に突出するとともに前記筒部の内側に嵌まる環状壁部とを備え、
前記放熱部材は、前記開口部を前記一方側から覆う遮蔽部と、前記遮蔽部の外周縁から前記一方側に屈曲して延びる周壁部と、前記周壁部の端縁から径方向外側に突出したフランジ部とを備え、
前記シール部材は、前記環状壁部と前記周壁部との径方向の全ての隙間に配置されるとともに、径方向に弾性変形した状態で、環状壁部の内周面および周壁部の外周面に密着し、
前記環状壁部は、前記フランジ部の外周端部を固定する爪部を備え、
前記爪部は、熱カシメにより形成されることを特徴とするポンプ装置。
【請求項2】
回転中心軸線を中心に回転するロータと、
前記ロータの周囲に配置されたステータと、
前記ロータに対して前記回転中心軸線が延在する軸線方向の一方側に配置されたインペラと、
前記ステータを覆うとともに、前記軸線方向の他方側において開口する筒部を備える樹脂封止部材と、
前記筒部に収容され、前記ステータのコイルに接続された回路基板と、
前記筒部を前記他方側から覆うカバー部材とを有し、
前記カバー部材は、前記軸線方向に開口する開口部を備える樹脂製の枠部材と、前記開口部を覆う金属製の放熱部材とを備え、
前記枠部材と前記筒部との間には、前記枠部材と前記筒部とを接合する溶着部が設けられ
前記カバー部材は、前記枠部材と前記放熱部材との間に配置されたシール部材を備え、
前記枠部材は、前記開口部を備える円環部と、前記円環部から前記一方側に突出するとともに前記筒部の内側に嵌まる環状壁部とを備え、
前記放熱部材は、前記開口部を前記一方側から覆う遮蔽部と、前記遮蔽部の外周縁から前記一方側に屈曲して延びる周壁部と、前記周壁部の端縁から径方向外側に突出したフランジ部とを備え、
前記シール部材は、前記環状壁部と前記周壁部との径方向の隙間に配置され、
前記放熱部材と前記回路基板との間には、前記放熱部材および前記回路基板に接触する熱伝達部材が配置され、
前記熱伝達部材は、前記回路基板に配置される電子素子に接触し、
前記遮蔽部は、前記電子素子と対向する対向部と、前記対向部を囲む平面部とを備え、
前記平面部の外周縁は、前記円環部に前記一方側から当接しており、
前記対向部は、前記平面部から前記一方側に突出しており、
前記平面部と前記回路基板との間には、前記回路基板上の導電材と前記平面部との接触を回避するための接触回避空間が設けられていることを特徴とするポンプ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のポンプ装置において、
前記溶着部は、前記枠部材および前記筒部の一方に設けられ前記軸線方向に突出した溶着用凸部と、前記枠部材および前記筒部の他方に設けられ前記溶着用凸部が内側に嵌る溶着用凹部とを備えることを特徴とするポンプ装置。
【請求項4】
請求項1から3のうち何れか一項に記載のポンプ装置において、
前記円環部は、前記遮蔽部に前記他方側から当接する当接部を備えることを特徴とするポンプ装置。
【請求項5】
請求項1から4のうち何れか一項に記載のポンプ装置において、
前記放熱部材は、前記フランジ部の外周縁を径方向内側に切り欠いた切欠き部を備え、
前記環状壁部は、径方向内側に突出する位置決め凸部を備え、
前記切欠き部に前記位置決め凸部が嵌まることにより、前記放熱部材が周方向に位置決めされることを特徴とするポンプ装置。
【請求項6】
請求項に記載のポンプ装置において、
前記放熱部材と前記回路基板との間には、前記放熱部材および前記回路基板に接触する熱伝達部材が配置されることを特徴とするポンプ装置。
【請求項7】
請求項に記載のポンプ装置において、
前記熱伝達部材は、前記回路基板に配置される電子素子に接触することを特徴とするポンプ装置。
【請求項8】
請求項に記載のポンプ装置において、
前記遮蔽部は、前記電子素子と対向する対向部と、前記対向部を囲む平面部とを備え、
前記平面部の外周縁は、前記円環部に前記一方側から当接しており、
前記対向部は、前記平面部から前記一方側に突出しており、
前記平面部と前記回路基板との間には、前記回路基板上の導電材と前記平面部との接触
を回避するための接触回避空間が設けられていることを特徴とするポンプ装置。
【請求項9】
請求項1から8のうち何れか一項に記載のポンプ装置において、
前記環状壁部は、前記フランジ部の外周端部を固定する爪部を備え、
前記爪部は、熱カシメにより形成されることを特徴とするポンプ装置。
【請求項10】
請求項5または8に記載のポンプ装置において、
前記環状壁部の内周面は、前記シール部材の前記他方側への移動を規制する段部を備えることを特徴とするポンプ装置。
【請求項11】
請求項1から10のうち何れか一項に記載のポンプ装置において、
前記円環部は、前記他方側を向く外面を備え、
前記外面は、前記軸線方向において前記環状壁部と重なる領域に配置される複数のゲート痕を備えることを特徴とするポンプ装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱部材を備えたポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ装置では、ポンプ室に配置されたインペラをモータで回転させる。この種のモータは、ポンプ室を区画する隔壁部材によって覆われたステータを備えており、ステータに対してインペラとは反対側には、モータに対する給電用の回路基板が配置される。
【0003】
このようなポンプ装置は、例えば特許文献1に記載されている。同文献では、モータは、軸線方向の一方側の端部にインペラが配置されたロータと、ロータを囲む固定子アセンブリーを備える。固定子アセンブリーの軸線方向の他方側には、モータを制御するドライバーが配置される。固定子アセンブリーは筒状のボディーカバーに覆われている。ロータの回転中心軸線が延在する軸線方向の一方側にインペラが配置されている。ドライバーは、ボディーカバーの後方端部を密閉するドライバーカバーに覆われている。ドライバーカバーは、ネジにより、ボディーカバーに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-108024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ポンプ装置のインペラとは反対側の端部に固定されるドライバーカバーが放熱性を有しており、モータを制御するドライバーの熱を逃がすことができる。しかしながら、ポンプ装置の回路基板を覆うカバー部材として放熱性がある部材を用いる場、従来、ダイキャスト製のカバー部材が用いられていたが、ダイキャスト製のカバー部材は製造コストが高い。また、ダイキャスト製のカバー部材を固定する場合には、ネジを用いるため、ネジ穴やネジ取付部をカバー部材およびカバー部材を固定する相手部材に形成する必要がある。このため、ポンプ装置が全体的に大きくなるという問題がある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、カバー部材の放熱性を高めた場合でも、低コストかつ小型化が可能なポンプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るポンプ装置は、回転中心軸線を中心に回転するロータと、前記ロータの周囲に配置されたステータと、前記ロータに対して前記回転中心軸線が延在する軸線方向の一方側に配置されたインペラと、前記ステータを覆うとともに、前記軸線方向の他方側において開口する筒部を備える樹脂封止部材と、前記筒部に収容され、前記ステータのコイルに接続された回路基板と、前記筒部を前記他方側から覆うカバー部材とを有し、前記カバー部材は、前記軸線方向に開口する開口部を備える樹脂製の枠部材と、前記開口部を覆う金属製の放熱部材とを備え、前記枠部材と前記筒部との間には、前記枠部材と前記筒部とを接合する溶着部が設けられることを特徴とする。
【0008】
本発明では、回路基板を収容する筒部を覆うカバー部材は、軸線方向に開口する開口部を備える樹脂製の枠部材と、開口部を覆う金属製の放熱部材とを備える。このため、カバー部材を全て金属で成形する場合と比べて、部品コストを抑制することができる。また、枠部材と筒部は、樹脂製であるので、カバー部材は、樹脂封止部材の筒部に溶着によって
固定することが可能である。従って、カバー部材の固定にネジ等を用いる必要がないので、カバー部材および筒部にネジ孔を設ける部位を形成する必要がない。従って、カバー部材および筒部の大型化を回避できるので、ポンプ装置を全体的にコンパクトにすることができる。
【0009】
本発明において、前記溶着部は、前記枠部材および前記筒部の一方に設けられ前記軸線方向に突出した溶着用凸部と、前記枠部材および前記筒部の他方に設けられ前記溶着用凸部が内側に嵌る溶着用凹部とを備えることが好ましい。このように構成すれば、凸部と凹部とを嵌合させることで枠部材と筒部とを位置合わせできるので、カバー部材と筒部の組立が容易である。また、凸部を凹部に溶着できるので、カバー部材を樹脂封止部材の筒部に固定することが容易である。
【0010】
本発明において、前記カバー部材は、前記枠部材と前記放熱部材との間に配置されたシール部材を備えることが好ましい。このように構成すれば、枠部材と放熱部材との密着性を向上させることができるので、放熱部材と枠部材とを別部材にしたことによる防水性の低下を抑制できる。
【0011】
本発明において、前記枠部材は、前記開口部を備える円環部と、前記円環部から前記一方側に突出するとともに前記筒部の内側に嵌まる環状壁部とを備え、前記放熱部材は、前記開口部を前記一方側から覆う遮蔽部と、前記遮蔽部の外周縁から前記一方側に屈曲して延びる周壁部と、前記周壁部の端縁から径方向外側に突出したフランジ部とを備え、前記シール部材は、前記環状壁部と前記周壁部との径方向の隙間に配置されることが好ましい。このように構成すれば、放熱部材と枠部材の径方向の寸法精度が低い場合や、温度変化により寸法精度が低下した場合などに、シール部材の弾性変形によって密閉性を確保することができる。
【0012】
本発明において、前記円環部は、前記遮蔽部に前記他方側から当接する当接部を備えることが好ましい。このように構成すれば、円環部に対する遮蔽部の軸線方向の位置を容易に定めることができ、枠部材に対して放熱部材を軸線方向に位置決めできる。
【0013】
本発明において、前記放熱部材は、前記フランジ部の外周縁を径方向内側に切り欠いた切欠き部を備え、前記環状壁部は、径方向内側に突出する位置決め凸部を備え、前記切欠き部に前記位置決め凸部が嵌まることにより、前記放熱部材が周方向に位置決めされることが好ましい。このように構成すれば、枠部材に対して放熱部材が回転することを規制することができる。
【0014】
本発明において、前記放熱部材と前記回路基板との間には、前記放熱部材および前記回路基板に接触する熱伝達部材が配置されることが好ましい。このように構成すれば、回路基板で発生した熱を熱伝達部材を介して放熱部材に伝達することができる。従って、放熱を早めることができ、回路基板の温度上昇を抑制できる。
【0015】
本発明において、前記熱伝達部材は、前記回路基板に配置される電子素子に接触することが好ましい。このように構成すれば、発熱する電子素子の熱を、直接熱伝達部材を介して放熱部材に伝達することができる。従って、放熱を早めることができ、電子素子の温度上昇を抑制できる。
【0016】
本発明において、前記遮蔽部は、前記電子素子と対向する対向部と、前記対向部を囲む平面部とを備え、前記平面部の外周縁は、前記円環部に前記一方側から当接しており、前記対向部は、前記平面部から前記一方側に突出しており、前記平面部と前記回路基板との間には、前記回路基板上の導電材と前記平面部との接触を回避するための接触回避空間が
設けられていることが好ましい。このように構成すれば、対向部と電子素子との距離を小さくすることができるので、対向部と電子素子との間に配置される熱伝達部材の厚みを薄くすることができる。これにより、熱伝達部材の熱抵抗が小さくなるので、電子素子の熱を放熱部材に容易に伝達することができる。また、平面部と回路基板との間には、接触回避空間を設けることができるので、遮蔽部と回路基板に設けられた半田等の導電材とが不用意に接触することを抑制することができる。これにより、回路基板が短絡することを抑制することができる。
【0017】
本発明において、前記環状壁部は、前記フランジ部の外周端部を固定する爪部を備え、前記爪部は、熱カシメにより形成されることが好ましい。このように構成すれば、放熱部材を枠部材に容易に固定することができる。
【0018】
本発明において、前記環状壁部の内周面は、前記シール部材の前記他方側への移動を規制する段部を備えることが好ましい。このように構成すれば、シール部材が他方側にズレることを抑制することができるので、環状壁部と周壁部との径方向の隙間の密閉性を高めることができる。
【0019】
本発明において、前記円環部は、前記他方側を向く外面を備え、前記外面は、前記軸線方向において前記環状壁部と重なる領域に配置される複数のゲート痕を備えることが好ましい。このように構成すれば、枠部材を射出成形した際に、環状壁部の成形不良を抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明において、カバー部材は、軸線方向に開口する開口部を備える樹脂製の枠部材と、開口部を覆う金属製の放熱部材とを備える。このため、カバー部材を金属ダイキャストで成形する場合と比べて、部品コストを抑制することができる。また、枠部材と筒部は、溶着により固定されるので、カバー部材および筒部にネジ孔を設ける部位を形成する必要がない。従って、ポンプ装置を全体的にコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明を適用したポンプ装置の斜視図である。
図2図1に示すポンプ装置を他方側から見た斜視図である。
図3図1に示すポンプ装置の断面図である。
図4図1に示すポンプ装置の他方側の端部を拡大した断面斜視図である。
図5】カバー部材の斜視図である。
図6】カバー部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いて、本発明に係るインペラを備えるポンプ装置について説明する。以下の説明において、回転中心軸線Lの延在方向を軸線方向として説明する。また、軸線方向において、一方側にはL1を付し、他方側にL2を付して説明する。また、以下の説明において、回転中心軸線を中心とする径方向および周方向を各々、単に「径方向」および「周方向」とする。
【0023】
(全体構成)
図1は、本発明を適用したポンプ装置1の斜視図である。図2は、図1に示すポンプ装置1を他方側L2から見た斜視図である。図3は、図1に示すポンプ装置1の断面図である。図4は、図1に示すポンプ装置1の他方側L2の端部を拡大した断面斜視図である。図5は、カバー部材の斜視図である。図6は、カバー部材の分解斜視図である。
【0024】
図1図3に示すように、ポンプ装置1は、ケース2と、ロータ5およびステータ6を備えたモータ3と、ロータ5に対して軸線方向の一方側L1に配置された樹脂製のインペラ4とを備える。ケース2は、インペラ4を収容し、ポンプ室20を区画する。モータ3は、ステータ6を覆う樹脂製の樹脂封止部材7と、ステータ6のコイル63に接続された回路基板8と、回路基板8を他方側L2から覆うカバー部材9とを備える。ポンプ装置1は、インペラ4がロータ5と一体に回転中心軸線Lを中心として回転することによりポンプ室20内の流体を移動させる。
【0025】
(ケース)
図3に示すように、ケース2は、樹脂封止部材7との間にポンプ室20を区画する。ケース2は、インペラ4に一方側L1で対向する対向壁23と、インペラ4の径方向外側において周方向に延在する側壁24とを備える。図1図2に示すように、ケース2は、軸線方向に沿って延在する吸入管21と、軸線方向に対して直交する方向に延在する吐出管22とを備える。吸入管21および吐出管22は各々、端部に吸入口21aおよび吐出口22aを備える。吸入管21および吸入口21aは、回転中心軸線Lに対して同心状に設けられている。吐出管22は、インペラ4の径方向外側に位置する。
【0026】
(インペラ)
インペラ4は、樹脂製である。図3に示すように、インペラ4は、円形の第1プレート41と、第1プレート41から一方側L1に突出するとともに周方向に一定の間隔で配置された複数の羽根部42と、羽根部42の他方側L2の先端部と当接する円形の第2プレート43とを備える。モータ3の駆動によってロータ5と一体にインペラ4が回転中心軸線Lを中心に回転すると、羽根部42によってポンプ室20内の流体が回転方向に流動する。これにより、流体は、遠心力を生じて、径方向内側は低圧、径方向外側は高圧となって、吸入口21aから吸入され、吐出口22aから吐出される。
【0027】
(モータ)
図3に示すように、ロータ5は、軸線方向に延びる円筒状のホルダ51と、ホルダ51の外周面に保持された円筒状の磁石10とを備える。ホルダ51は樹脂製である。ホルダ51は、外周面に磁石10を保持する小径部52と、磁石10の他方側L2の端部と当接する円形の当接部53と、当接部53の外周縁から一方側L1に突出する大径部54とを備えており、小径部52の外径寸法は、大径部54の外径寸法より小さい。小径部52と大径部54とは、同軸に設けられている。小径部52は、内部に軸受56を保持しており、ロータ5は、軸受56を介して支持軸11に回転可能に支持されている。
【0028】
図3に示すように、磁石10は、全体が樹脂のスキン層で覆われる。磁石10の外径寸法は、大径部54の外径寸法と略同一である。磁石10と小径部52との間に接着剤を塗布することにより、磁石10と小径部52とは接着されている。この際、磁石10は当接部53と当接することにより軸線方向に位置決めされる。磁石10は、フェライト磁石、ネオジムボンド磁石、サマリウム鉄窒素磁石などで構成される。本形態では、磁石10は、フェライト磁石である。なお、フェライト磁石である場合には、全体が樹脂のスキン層で覆われていなくてもよい。
【0029】
図3に示すように、ステータ6は、ステータコア61と、ステータコア61にインシュレータ62を介して巻回されたコイル63とを有している。詳細な説明を省略するが、ステータコア61は、ロータ5の周囲を囲む円環部と、円環部から径方向の内側へ突出する複数の突極とを備えている。コイル63は、突極を覆うインシュレータ62の径方向内側の第1鍔部621と径方向外側の第2鍔部622との間に巻回される。本形態において、モータ3は3相モータであり、コイル63には、U相コイル、V相コイル、およびW相コイルが含まれている。
【0030】
図3および図4に示すように、樹脂封止部材7は、ステータ6とインペラ4との間に介在する第1隔壁部71と、ステータ6と磁石10との間に介在する第2隔壁部72と、ロータ5の他方側L2の端面と対向する第3隔壁部73とを備える。第1隔壁部71はインペラ4に他方側L2で対向し、ケース2との間にポンプ室20を区画する。本形態において、樹脂封止部材7は、ステータ6を径方向外側および径方向内側から覆うととともに、および軸線方向の両側から覆う樹脂封止部材である。樹脂封止部材7の材質は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS:Poly Phenylene Sulfide)によってステータ6をインサート成形することによって形成されている。また、例えば、樹脂封止部材7は、BMC(Bulk Molding Compound)等によってステータ6をインサート成形することにより形成してもよい。
【0031】
図3に示すように、支持軸11は、金属製の棒状部材である。支持軸11の中心軸線がロータ5の回転中心軸線Lと一致する。支持軸11の他方側L2の端部は、第3隔壁部73に形成された孔部73aに圧入されている。支持軸11の一方側L1の端部には、円環状の板部材12が取り付けられている。板部材12は、軸受56の他方側L2の端部と当接する。
【0032】
樹脂封止部材7は、ポンプ装置1の他方側L2の端部において他方側L2に開口する筒部74を備える。本形態では、第3隔壁部73はロータ5の他方側L2から外周側へ拡がっており、ステータ6の他方側L2を覆う。筒部74は、第3隔壁部73と接続する小径部75と、小径部75の他方側L2の端部と接続する大径部76と、大径部76の他方側L2の端部より径方向外側に突出したフランジ部77とを備える。また、筒部74は、回路基板8と電気的に接続するコネクタピン82を覆うコネクタハウジング78を備える。小径部75は、円筒形状である。大径部76は、円筒形状であり、小径部75より外径寸法が大きい。大径部76の内部には、回路基板8が収容される。フランジ部77は、大径部76の全周に渡って設けられる。
【0033】
樹脂封止部材7は、回路基板8を載置するための載置部79を備える。載置部79は、第3隔壁部73から他方側L2に突出する。載置部79は、軸線方向から見た場合、円形形状であり、載置部79の中心軸線は、回転中心軸線Lと一致する。載置部79の他方側L2の端面には、回路基板8を固定するためのカシメ部791が設けられる。カシメ部791は、載置部79の他方側L2の端面から突出した突出部791aの先端を熱変形させることによって形成される。すなわち、カシメ部791は、熱カシメにより形成される。
【0034】
図3および図4に示すように、回路基板8は、コイル63に対して給電を制御する回路等が設けられている。回路基板8は、載置部79の他方側L2の端面に他方側L2から載置され、固定部材791により載置部79に固定される。より具体的には、回路基板8の中央には軸線方向から見て載置部79と重なる位置に貫通穴8aが設けられている。貫通穴8aに突出部791aを挿入した状態で、突出部791aの先端を熱カシメすることにより、回路基板8は、突出部791aの先端に形成されたカシメ部791により載置部79に固定される。回路基板8は、外周縁に不図示の係合部を備える。筒部74に係合部が係合することにより、回路基板8が周方向に位置決めされる。回路基板8の他方側L2の面には、電子素子81が実装されている。電子素子81は、給電を制御するICチップ等である。電子素子81は、コイル63に対して給電を制御する際、発熱する熱源となる。
【0035】
図3図6に示すように、カバー部材9は、樹脂封止部材7のフランジ部77に溶着により固定されて、筒部74を他方側L2から覆う。カバー部材9は、軸線方向に開口する開口部91aを備える樹脂製の枠部材91と、開口部91aを一方側L1から覆う金属製の放熱部材92と、枠部材91と放熱部材92との間に配置されたシール部材93とを備
える。また、放熱部材92と回路基板8との間には、放熱部材92と回路基板8とに接触することによって回路基板8の熱を放熱部材92に伝達する熱伝達部材15が配置される。
【0036】
枠部材91は、円形の開口部91aを備える板状の円環部911と、円環部911の径方向中央において円環部911から一方側L1に突出する環状の環状壁部912とを備える。円環部911の外形形状は、筒部74のフランジ部77の外形形状と同一形状である。円環部911は、他方側L2を向く外面913と、環状壁部912より径方向内側において一方側L1を向く内面内周部914と、環状壁部912より径方向外側において一方側L1を向く内面外周部915とを備える。外面913は、軸線方向において環状壁部912と重なる位置に、枠部材91を射出成形する際に形成される複数のゲート痕Gを備える。内面外周部915は、フランジ部77に他方側L2から対向する。
【0037】
図4に示すように、環状壁部912は、筒部74の大径部76の内側に位置する。環状壁部912の外周面は、筒部74の大径部76の内周面に当接する。図6に示すように、環状壁部912は、径方向内側に突出する位置決め凸部917を備える。位置決め凸部917は、軸線方向から見た場合、半円形状であり、軸線方向に延びている。位置決め凸部917は、周方向に等間隔で8箇所に設けられている。後述するように、各位置決め凸部917の一方側L1の先端には、爪部919が形成される。また、環状壁部912の内周面は、他方側L2に凹む段部918を備える。段部918は、環状壁部912の内周面に沿って全周に延びている。段部918は、シール部材93の他方側L2への移動を規制し、シール部材93を軸線方向に位置決めする。
【0038】
放熱部材92は、環状壁部912の径方向内側に位置する。放熱部材92は、一枚の金属板により構成される。放熱部材92は、銅、真鍮、アルミニウムなどの金属で構成される。放熱部材92は、軸線方向から見た場合、円形状である。放熱部材92は、開口部91aを一方側L1から覆う遮蔽部921と、遮蔽部921の外周縁から一方側L1に屈曲して軸線方向に延びる周壁部922と、周壁部922の端縁から径方向外側に突出するフランジ部923とを備える。
【0039】
遮蔽部921は、軸線方向から見た場合、円形形状をしており、開口部91aより外径寸法が大きい。遮蔽部921は、軸線方向において、内面内周部914に一方側L1から当接する。すなわち、内面内周部914は、遮蔽部921に他方側L2から当接する当接部であり、遮蔽部921を軸線方向に位置決めする位置決め部916として機能する。
【0040】
遮蔽部921は、回路基板8と対向する平面部924と、平面部924から一方側L1に突出する対向部925を備える。対向部925は、軸線方向から見た場合、四角形状をしており、軸線方向において、電子素子81と重なる。平面部924は、対向部925に対して他方側L2に後退した位置に配置されているので、平面部924と回路基板8との間には、回路基板8上の半田などの導電材と平面部924との接触を回避するため接触回避空間Sが形成される。
【0041】
放熱部材92は、フランジ部923の外周縁を内周側に切り欠いた切欠き部926を備える。切欠き部926は、軸線方向から見た場合、半円形状である。切欠き部926は、周方向に等間隔で8箇所に設けられている。放熱部材92を枠部材91に固定する際、放熱部材92の周壁部922を枠部材91の環状壁部912の内周側に挿入するが、この際、切欠き部926は、環状壁部912の内周面に設けられた位置決め凸部917に係合する。これにより、放熱部材92は、周方向に位置決めされる。
【0042】
図5図6に示すように、枠部材91は、環状壁部912の一方側L1の先端に設けら
れた爪部919を備える。爪部919は、軸線方向において、位置決め凸部917と重なる。爪部919は、環状壁部912の一方側L1の先端部から突出した変形部919aを熱変形させることによって形成される。すなわち、爪部919は、熱カシメにより形成されたカシメ部である。爪部919は、フランジ部923の外周縁を一方側L1から係止する。これにより、放熱部材92は、枠部材91に固定される。
【0043】
シール部材93は、枠部材91と放熱部材92との間に配置され、枠部材91および放熱部材92に密着する。本形態のシール部材93は、Oリングである。シール部材93は、環状壁部912と周壁部922との径方向の隙間に配置され、径方向に弾性変形した状態で、環状壁部912の内周面および周壁部922の外周面に密着している。また、シール部材93は、段部918によって、他方側L2への移動が規制されている。
【0044】
熱伝達部材15は、薄いシート状の伝熱部材であり、弾性を有している。なお、熱伝達部材15は、グリスなどであってもよい。本形態では、熱伝達部材15は、対向部925および電子素子81と接触するように配置されている。
【0045】
カバー部材9は、溶着により樹脂封止部材7の筒部74に固定される。本形態では、枠部材91と筒部74との間には、枠部材91と筒部74とを接合する溶着部94が設けられる。溶着部94は、筒部74の他方側L2の端部に設けられたフランジ部77と、枠部材91の円環部911とが軸線方向に対向する箇所に設けられている。図4に示すように、枠部材91は、円環部911の内面外周部915から一方側L1へ突出する溶着用凸部951を備える。溶着用凸部951は環状であり、環状壁部912の周囲を囲んでいる。フランジ部77は、溶着用凸部951に一方側L1から対向する環状の溶着用凹部952を備える。なお、枠部材91に他方側L2に凹んだ溶着用凹部を設け、フランジ部77に他方側L2に突出する溶着用凸部を設けた構成を採用してもよい。
【0046】
次に、カバー部材9を樹脂封止部材7に固定するための溶着方法について説明する。溶着方法としては、超音波溶着や振動溶着などが用いられる。本形態では、溶着用凸部951が溶着用凹部952に嵌った状態で、円環部911の外面913に溶着ヘッドを押し付けて、溶着用凸部951と溶着用凹部952とを溶着する。溶着の際、フランジ部77は、治具によって一方側L2から支持される。本形態では、樹脂封止部材7は、筒部74から径方向外側に突出するコネクタハウジング78を備えており、フランジ部77とコネクタハウジング78との間には、治具を挿入可能な軸線方向の隙間が形成されている。また、本形態では、枠部材91と筒部74との溶着量を調整することによって、熱伝達部材15を対向部925および電子素子81とに確実に接触させる。
【0047】
(作用効果)
以上のように、本形態のポンプ装置1は、回転中心軸線Lを中心に回転するロータ5と、ロータ5の周囲に配置されたステータ6と、ロータ5に対して回転中心軸線Lが延在する軸線方向の一方側L1に配置されたインペラ4と、ステータ6を覆うとともに、軸線方向の他方側L2において開口する筒部74を備える樹脂封止部材7と、筒部74に収容され、ステータ6のコイル63に接続された回路基板8と、筒部74を他方側L2から覆うカバー部材9とを有する。カバー部材9は、軸線方向に開口する開口部91aを備える樹脂製の枠部材91と、開口部91aを覆う金属製の放熱部材92とを備える。枠部材91と筒部74との間には、枠部材91と筒部74とを接合する溶着部94が設けられる。
【0048】
このように構成すれば、カバー部材9を全て金属で成形する場合と比べて、部品コストを抑制することができる。また、枠部材91と筒部74は、樹脂製であるので、カバー部材9は、樹脂封止部材7の筒部74に溶着によって固定することが可能である。従って、カバー部材9の固定にネジ等を用いる必要がないので、カバー部材9および筒部74にネ
ジ孔を設ける部位を形成する必要がない。従って、カバー部材9および筒部74の大型化を回避できるので、ポンプ装置1を全体的にコンパクトにすることができる。さらに、溶着により固定することにより、カバー部材9の軸線方向の位置を調整することが可能である。従って、カバー部材9に設けられている放熱部材92と回路基板8との軸線方向の距離を微調節することが可能である。また、放熱部材92に用いる金属の材質を変更することにより、放熱部材92の放熱効果を容易に変更することができる。例えば、放熱部材92の材質を銅製にすれば、放熱部材92の放熱効果を高めることができる。
【0049】
本形態において、溶着部94は、枠部材91に設けられ一方側L1に突出した溶着用凸部951と、筒部74に設けられ溶着用凸部951が内側に嵌る溶着用凹部952とを備える。従って、溶着用凸部951と溶着用凹部952とを嵌合させることで枠部材91と筒部74とを位置合わせできるので、カバー部材9と筒部74との組立が容易である。また、溶着用凸部951を溶着用凹部952に溶着できるので、カバー部材9を樹脂封止部材7の筒部74に固定することが容易である。
【0050】
本形態において、カバー部材9は、枠部材91と放熱部材92との間に配置されたシール部材93を備える。従って、枠部材91と放熱部材92との密着性を向上させることができるので、カバー部材9から筒部74内に水などが侵入することを抑制することができ、防水性を高めることができる。
【0051】
本形態において、枠部材91は、開口部91aを備える環状の円環部911と、円環部911の径方向中央において円環部911から一方側L1に突出するとともに筒部74の内側に嵌まる環状の環状壁部912とを備える。放熱部材92は、開口部91aを一方側L1から覆う遮蔽部921と、遮蔽部921の外周縁から一方側L1に屈曲して軸線方向に延びる周壁部922と、周壁部922の端縁から径方向外側に突出したフランジ部923とを備える。放熱部材92は、環状壁部912の径方向内側に位置し、シール部材93は、環状壁部912と周壁部922とのとの径方向の隙間に配置される。従って、放熱部材92と枠部材91の径方向の寸法精度が低い場合や、温度変化により寸法精度が低下した場合などに、シール部材93の弾性変形によって密閉性を確保することができる。
【0052】
本形態において、円環部911は、遮蔽部921に他方側L2から当接する当接部である内面内周部914を備えており、内面内周部914は、遮蔽部921を軸線方向に位置決めする位置決め部916として機能する。従って、円環部911に対する遮蔽部921の軸線方向の位置を容易に定めることができ、枠部材91に対して放熱部材92を軸線方向に位置決めできる。
【0053】
本形態において、放熱部材92は、フランジ部923の外周縁を径方向内側に切り欠いた切欠き部926を備える。環状壁部912は、径方向内側に突出する位置決め凸部917を備える。放熱部材92は、切欠き部926が位置決め凸部917に嵌まることによって周方向の位置が固定されるので、枠部材91に対して放熱部材92が回転することを抑制することができる。
【0054】
本形態において、放熱部材92と回路基板8との間には、放熱部材92と回路基板8とに接触する熱伝達部材15が配置される。従って、回路基板8で発生した熱を熱伝達部材15を介して放熱部材92に伝達することができる。よって、放熱を早めることができ、回路基板8の温度上昇を抑制できる。
【0055】
本形態において、熱伝達部材15は、回路基板8に配置される電子素子81に接触する。従って、発熱する電子素子81の熱を、直接熱伝達部材15を介して放熱部材92に伝達することができる。よって、放熱を早めることができ、電子素子81の温度上昇を抑制
できる。
【0056】
本形態において、遮蔽部921は、電子素子81と対向する対向部925と、対向部925を囲む平面部924とを備え、平面部924の外周縁は、枠部材91の円環部911に一方側L1から当接しており、平面部924と回路基板8との間には、回路基板8上の導電材と平面部924との接触を回避するための接触回避空間Sが形成される。従って、対向部925と電子素子81との距離が小さいので、対向部925と電子素子81との間に配置される熱伝達部材15の厚みを薄くすることができる。これにより、熱伝達部材15の熱抵抗が小さいので、電子素子81の熱を放熱部材92に容易に伝達することができる。また、平面部924と回路基板8との間には、接触回避空間Sを設けることができるので、遮蔽部921と回路基板8に設けられた半田等の導電材とが不用意に接触することを抑制することができる。これにより、回路基板8が短絡することを抑制することができる。
【0057】
本形態において、環状壁部912は、フランジ部923の外周端部を固定する爪部919を備え、爪部919は、先端部に設けられた変形部919aを熱変形させることにより形成される。従って、熱カシメによって放熱部材92を枠部材91に容易に固定することができる。
【0058】
本形態において、環状壁部912の内周面は、シール部材93の他方側L2への移動を規制する段部918を備えているので、シール部材93が他方側L2にズレることを抑制することができる。よって、環状壁部912と周壁部922との径方向の隙間の密閉性を高めることができ、防水性を高めることができる。
【0059】
本形態において、円環部911は、他方側L2を向く外面913を備える。外面913は、軸線方向において環状壁部912と重なる領域に配置される複数のゲート痕Gを備える。このような位置にゲートを設けることにより、枠部材91を射出成形する際に成形精度の低下を抑制できる。従って、環状壁部912の成形不良を抑制することができる。
【符号の説明】
【0060】
1…ポンプ装置、2…ケース、3…モータ、4…インペラ、5…ロータ、6…ステータ、7…樹脂封止部材、8…回路基板、8a…貫通穴、9…カバー部材、10…磁石、11…支持軸、12…板部材、15…熱伝達部材、20…ポンプ室、21…吸入管、21a…吸入口、22…吐出管、22a…吐出口、23…対向壁、24…側壁、41…第1プレート、42…羽根部、43…第2プレート、51…ホルダ、52…小径部、53…当接部、54…大径部、56…軸受、61…ステータコア、62…インシュレータ、63…コイル、71…第1隔壁部、72…第2隔壁部、73…第3隔壁部、73a…孔部、74…筒部、75…小径部、76…大径部、77…フランジ部、78…コネクタハウジング、79…載置部、81…電子素子、82…コネクタピン、91a…開口部、91…枠部材、92…放熱部材、93…シール部材、94…溶着部、621…第1鍔部、622…第2鍔部、791…カシメ部、791a…突出部、911…円環部、912…環状壁部、913…外面、914…内面内周部、915…内面外周部、916…位置決め部、917…位置決め凸部、918…段部、919…爪部、919a…変形部、921…遮蔽部、922…周壁部、923…フランジ部、924…平面部、925…対向部、926…切欠き部、951…溶着用凸部、952…溶着用凹部、G…ゲート痕、L…回転中心軸線、L1…一方側、L2…他方側、S…接触回避空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6