(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/127 20060101AFI20241010BHJP
G08G 1/01 20060101ALI20241010BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20241010BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20241010BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20241010BHJP
【FI】
G08G1/127 A
G08G1/01 F
G01C21/34
G08G1/13
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2021020857
(22)【出願日】2021-02-12
【審査請求日】2023-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 真一
(72)【発明者】
【氏名】西山 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】盛林 敏之
(72)【発明者】
【氏名】松井 涼
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-128635(JP,A)
【文献】特開2016-091411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/127
G08G 1/01
G01C 21/34
G08G 1/13
G06Q 50/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを備えた情報処理装置であって、
前記コンピュータは、
複数のイベント施設で開催されるイベントに関するイベント情報であって、複数の前記イベント施設ごとの前記イベントの終了予定時刻を含む複数のイベント情報を取得
し、
複数の前記イベント施設ごとの前記終了予定時刻同士の時間差が所定時間範囲内である場合、取得
した複数の前記イベント情報に基づ
き、複数の前記イベント施設の利用者に対する移動体の乗り場
が分散するように、前記乗り場の位置を決定する
、
情報処理装置。
【請求項2】
前記コンピュータは、
複数の前記イベント施設の位置を前記イベント情報として取得し、
複数の前記イベント施設の位置に基づいて複数の前記イベント施設同士の位置関係を求め、求められた前記位置関係に基づいて前記所定時間
範囲を設定し、複数の前記イベント施設ごとの前記終了予定時刻
同士の時間差が、設定された前記所定時間
範囲内である場合、前記乗り場の位置を決定する
、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記コンピュータは、
前記イベント施設の来場者数を前記イベント情報として取得し、
前記イベント施設の来場者数に基づいて前記所定時間
範囲を設定し、複数の前記イベント施設ごとの前記終了予定時刻
同士の時間差が、設定された前記所定時間
範囲内である場合、前記乗り場の位置を決定する
、
請求項
1または
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記コンピュータは、
複数の前記イベント施設の周辺の道路に関する道路情報を取得し、
取得
した前記道路情報に基づいて前記乗り場へ向かう前記移動体の経路を決定する
、
請求項1~
3のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記コンピュータは、
前記道路情報に基づき、前記乗り場へ向かう複数の前記移動体が同一の方向で走行して当該乗り場へ到着するように、前記移動体の前記経路を決定する
、
請求項
4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記コンピュータは、
複数の前記イベント施設の間の位置以外の位置を、前記乗り場の位置として決定する
、
請求項1~
5のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記コンピュータは、
前記移動体の配車を要求する配車要求を受け付
けた場合、複数の前記イベント
施設ごとの前記終了予定時刻
同士の時間差が
前記所定時間
範囲外であるときに決定される前記乗り場の位置とは異なる位置を、前記乗り場の位置として決定する
、
請求項1~
6のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記コンピュータは、
前記イベント施設の利用者の位置を示す位置情報に応じた前記乗り場への案内情報を提供する
、
請求項1~
7のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記移動体は、タクシーまたはバスである
、
請求項1~
8のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
複数のイベント施設で開催されるイベントに関するイベント情報であって、複数の前記イベント施設ごとの前記イベントの終了予定時刻を含む複数のイベント情報を取得
し、
複数の前記イベント施設ごとの前記終了予定時刻同士の時間差が所定時間範囲内である場合、取得
した複数の前記イベント情報に基づ
き、複数の前記イベント施設の利用者に対する移動体の乗り場
が分散するように、前記乗り場の位置を決定する
、
情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータが実行する情報処理プログラムであって、
複数のイベント施設で開催されるイベントに関するイベント情報であって、複数の前記イベント施設ごとの前記イベントの終了予定時刻を含む複数のイベント情報を取得し、
複数の前記イベント施設ごとの前記終了予定時刻同士の時間差が所定時間範囲内である場合、取得した複数の前記イベント情報に基づき、複数の前記イベント施設の利用者に対する移動体の乗り場が分散するように、前記乗り場の位置を決定する、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばコンサートなどのイベントが終了した後に、イベント施設から出てきたイベント施設の利用者や、利用者が利用するタクシーなどがイベント施設周辺に集中して混雑することを回避する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来技術にあっては、イベントの終了予定時刻などのイベント情報をタクシーなどの車両に送信することで、混雑回避可能な運行ルートの検討を支援するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、1つのイベント施設を対象にしているため、混雑の発生を回避することができないおそれがあった。すなわち、例えば対象のイベント施設から比較的近い場所に別のイベント施設があり、かかる別のイベント施設でもイベントが開催される場合がある。このような場合、別のイベント施設のイベントによる混雑の影響を受けて、対象のイベント施設周辺における混雑の発生を回避することができないおそれがあった。
【0005】
このように、従来技術には、複数のイベント施設でそれぞれイベントが開催される場合に、複数のイベント施設周辺における混雑の発生を回避するという点で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数のイベント施設でそれぞれイベントが開催される場合であっても、複数のイベント施設周辺における混雑の発生を回避することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、情報処理装置において、取得部と、決定部とを備える。取得部は、複数のイベント施設で開催されるイベントに関するイベント情報であって、複数の前記イベント施設ごとの前記イベントの終了予定時刻を含む複数のイベント情報を取得する。決定部は、前記取得部によって取得された複数の前記イベント情報に基づいて、複数の前記イベント施設の利用者に対する移動体の乗り場の位置を決定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のイベント施設でそれぞれイベントが開催される場合であっても、複数のイベント施設周辺における混雑の発生を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、イベント情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、所定時間情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、タクシー乗り場の位置の決定処理を説明する図である。
【
図11】
図11は、タクシー乗り場へ向かうタクシーの経路の決定処理を説明する図である。
【
図12】
図12は、情報処理装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する情報処理装置および情報処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
<情報処理方法の概要>
以下では先ず、実施形態に係る情報処理方法の概要について
図1を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す図である。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理方法は、例えば情報処理システム1に含まれる情報処理装置10によって実行される。情報処理装置10は、複数のイベント施設100に関する情報の処理や複数のイベント施設100周辺に関する情報の処理など各種の処理を実行可能なサーバである。なお、情報処理装置10は、例えばクラウドサーバとして実現されてもよいし、複数のサーバを用いた分散処理を行ってもよい。
【0013】
ここで、イベント施設100は、例えばスポーツの試合などのイベントが行われるスポーツ施設、コンサートや演劇などのイベントが開催される施設(会場)である。なお、
図1では、イベント施設100が第1イベント施設100aおよび第2イベント施設100bの2つである例を示しているが、これに限られず、3つ以上であってもよい。また、以下では、2つのイベント施設100のうち一方の第1イベント施設100aを「第1施設100a」、他方の第2イベント施設100bを「第2施設100b」と記載する場合があり、これらを特に区別せずに説明する場合には「施設100」と記載する。
【0014】
また、第1施設100aと第2施設100bとは、例えば比較的近い場所にあるものとする。一例としては、第1施設100aと第2施設100bとは、最寄りの駅が同じとなるような場所にあるものとする。言い換えると、第1施設100aと第2施設100bとは、対応する交通機関が同じとなるような場所にある。なお、上記では、第1施設100aおよび第2施設100bの最寄りの駅が同じであるとしたが、これに限定されるものではなく、第1施設100aの最寄りの駅と第2施設100bの最寄りの駅とが比較的近い駅であればよい。
【0015】
ところで、上記した第1施設100aおよび第2施設100bにおいては、それぞれイベントが開催され、かかるイベントが同じような時間帯で終了する場合がある。また、第1施設100aおよび第2施設100bの両方で、一つの大規模イベントが開催される場合がある。このような場合、イベントの終了に伴って、第1施設100aおよび第2施設100bを利用した利用者、すなわち観客(イベントの参加者)が同じようなタイミングで一斉に出てくる。そのため、施設100の周辺において混雑が発生しやすい。
【0016】
例えば、上記した利用者がタクシーなどの交通機関を利用して帰る場合、利用者が施設100の周辺にあるタクシーの乗り場に集中し、混雑が発生するおそれがある。以下、利用者を「ユーザ」、タクシーの乗り場を「タクシー乗り場」と記載する場合がある。
【0017】
図1に示す例では、想像線で示すように、第1施設100aと第2施設100bとの間の位置にタクシー乗り場200xがある場合、第1施設100aのユーザUと第2施設100bのユーザUとがタクシー乗り場200xに集中してしまい混雑が発生するおそれがある(矢印Ax参照)。なお、タクシー乗り場200xは、第1施設100aおよび第2施設100bの一方のみでイベントが開催されるような場合には、混雑が発生しにくい規模の乗り場であるものとする。
【0018】
また、タクシーCにおいても、第1、第2施設100a,100bのユーザUを乗せるため、比較的多くのタクシーCがタクシー乗り場200xに向かうこととなる。そのため、タクシーCがタクシー乗り場200x付近や、タクシー乗り場200xへ向かう道路に集中してしまい混雑が発生するおそれがある。
【0019】
このように、第1、第2施設100a,100bでそれぞれイベントが開催され、イベントが同じような時間帯で終了する場合に、第1施設100aのイベントに起因する混雑と第2施設100bのイベントに起因する混雑とが影響し合い、第1、第2施設100a,100b周辺においてユーザUやタクシーCの混雑が発生するおそれがあった。
【0020】
そこで、本実施形態に係る情報処理装置10にあっては、複数の施設100でそれぞれイベントが開催される場合であっても、複数の施設100周辺における混雑の発生を回避することができるような構成とした。
【0021】
以下、情報処理装置10の処理について具体的に説明すると、情報処理装置10は先ず、複数の施設100で開催されるイベントに関するイベント情報であって、複数の施設100ごとのイベントの終了予定時刻を含む複数のイベント情報を取得する(ステップS1)。すなわち、情報処理装置10は、複数の施設100でそれぞれ開催されるイベントの終了予定時刻を含む、複数のイベント情報を取得する。
【0022】
例えば、情報処理装置10は、第1施設100aを管理するサーバ(後述するイベント施設用情報処理装置60a(
図2参照))から、第1施設100aで開催されるイベントに関するイベント情報を取得する。また、情報処理装置10は、第2施設100bを管理するサーバ(後述するイベント施設用情報処理装置60b(
図2参照))から、第2施設100bで開催されるイベントに関するイベント情報を取得する。なお、イベント情報には、上記した終了予定時刻の他に、例えばイベントの来場者数などその他の情報が含まれてもよい。
【0023】
次いで、情報処理装置10は、複数のイベントの終了予定時刻が比較的近いか否かを判定する、具体的には、複数のイベントの終了予定時刻が所定時間内であるか否かを判定する(ステップS2)。言い換えると、情報処理装置10は、複数の施設100ごとのイベントの終了予定時刻同士の時間差が所定時間以内であるか否かを判定する。上記した所定時間は、任意の値に設定可能であり、例えば複数のイベントのうち、先に終了する予定のイベントが終了した後に、かかるイベントに起因する混雑が解消すると推定されるような経過時間に設定される。なお、所定時間の設定については後述する。
【0024】
従って、ステップS2の処理は、第1施設100aのイベントと第2施設100bのイベントのうちの一方のイベントが終了して、当該イベントに起因する混雑が解消すると推定される時間(所定時間)が経過する前に、他方のイベントの終了予定時刻が到来するか否かを判定する処理であるともいえる。
【0025】
次いで、情報処理装置10は、複数のイベントの終了予定時刻が所定時間内であると判定された場合、イベント情報に基づいてタクシー乗り場200の位置を決定する(ステップS3)。言い換えると、情報処理装置10は、複数のイベントの終了予定時刻が比較的近く第1施設100aのイベントに起因する混雑と第2施設100bのイベントに起因する混雑とが影響し合うと判定された場合、イベント情報に基づき、タクシー乗り場200が分散するように、タクシー乗り場200の位置を決定する。
【0026】
一例としては、情報処理装置10は、上記したタクシー乗り場200xに加えてあるいは代えて、第1施設100aから比較的近く、第2施設100bから比較的遠いような位置を、第1タクシー乗り場200aの位置として決定する(設定する)。また、情報処理装置10は、第1タクシー乗り場200aが設定される道路R1とは異なる道路R2沿いの位置であって、第2施設100bから比較的近く、第1施設100aから比較的遠いような位置を、第2タクシー乗り場200bの位置として決定する(設定する)。
【0027】
なお、以下では、第1タクシー乗り場200aおよび第2タクシー乗り場200bを区別せずに説明する場合には「タクシー乗り場200」と記載する。また、上記したタクシー乗り場200が設定される場所は、例えば施設100でイベントが開催されていないとき、あるいは第1施設100aおよび第2施設100bの一方のみでイベントが開催されるときなどには、タクシー乗り場ではない場所、言い換えるとタクシー乗り場として機能していない場所とされる。すなわち、タクシー乗り場200は、施設100周辺において仮想的に設定される乗り場であり、例えばイベントの終了前または終了後に新たに設定される乗り場である。なお、上記では、タクシー乗り場200が仮想的なタクシー乗り場であるとしたが、これに限られず、既存のタクシー乗り場であってもよい。
【0028】
情報処理装置10は、上記したタクシー乗り場200の位置が決定されると、例えばタクシー乗り場200の位置情報などを、タクシーCに搭載された車載装置50に提供してもよい。これにより、タクシーCは、タクシー乗り場200へ向けて移動して待機することができる。なお、情報処理装置10は、タクシー乗り場200までの適切な経路を示す経路情報を車載装置50に提供することができるが、これについては後述する。
【0029】
また、情報処理装置10は、タクシー乗り場200の位置情報を、例えば施設100の関係者やユーザUなどに提供してもよい。詳しくは、情報処理装置10は、タクシー乗り場200の位置情報を、施設100周辺でユーザUの交通整理を行う施設100の関係者(イベントスタッフ)や、ユーザUに提供してもよい。これにより、かかる関係者は、ユーザUをタクシー乗り場200へ適切に誘導することが可能になる。また、ユーザUは、タクシー乗り場200の位置情報を確認し、タクシー乗り場200へ移動することが可能になる。
【0030】
このように、タクシー乗り場200の位置が決定されることで、第1施設100aおよび第2施設100bのユーザUは、白抜きの矢印Aで示すように、第1、第2タクシー乗り場200a,200bに分散することとなる。例えば、第1施設100aのユーザUは第1タクシー乗り場200aへ、第2施設100bのユーザUは第2タクシー乗り場200bへ分散して移動することとなる。
【0031】
これにより、本実施形態にあっては、第1、第2施設100a,100bのユーザUが特定のタクシー乗り場(例えばタクシー乗り場200x)に集中しにくくなり、混雑の発生を回避することができる。
【0032】
また、タクシー乗り場200の位置が分散するように決定されるため、タクシーCも分散してタクシー乗り場200に向かうこととなる。これにより、タクシーCが特定のタクシー乗り場(例えばタクシー乗り場200x)付近や、特定のタクシー乗り場へ向かう道路に集中しにくくなり、混雑の発生を回避することができる。
【0033】
このように、本実施形態にあっては、複数の施設100でそれぞれイベントが開催される場合であっても、第1、第2施設100a,100b周辺においてユーザUやタクシーCが集中して混雑が発生することを回避することができる。これは、複数の施設100で一つの大規模イベントが開催される場合であっても、同様である。
【0034】
なお、
図1に示すタクシー乗り場200の位置や数は、あくまでも例示であって限定されるものではなく、任意の位置や数に変更可能である。
【0035】
また、タクシーCは、移動体の一例である。かかる移動体は、タクシーCに限られず、バスなどその他の種類の交通機関であってもよい。従って、例えば移動体がバスである場合、情報処理装置10は、イベント情報に基づいてバスの乗り場の位置を決定する。
【0036】
<情報処理システムの構成>
次に、本実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、情報処理システム1の構成例を示すブロック図である。
【0037】
図2に示すように、情報処理システム1は、上記した情報処理装置10と、端末装置40と、車載装置50と、イベント施設用情報処理装置60a,60bと、定点カメラ70とを含み、これらはインターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。なお、
図2では、図示の簡略化のため、端末装置40、車載装置50および定点カメラ70をそれぞれ1つ示したが、複数であってもよい。
【0038】
端末装置40は、ユーザに所持されて使用される装置である。なお、端末装置40としては、例えばスマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0039】
端末装置40には、例えばGPS(Global Positioning System)衛星からの信号に基づいてユーザの位置(正確には端末装置40の位置)を示す位置情報を検出するGPS受信機などが含まれる。端末装置40は、検出した位置情報を情報処理装置10へ送信することができる。また、端末装置40は、上記した情報処理装置10によって決定されたタクシー乗り場200の位置情報やタクシー乗り場200への案内情報などを受信することができる。
【0040】
ここで、端末装置40のユーザは、オンデマンドのタクシーの配車を所望することができる。オンデマンドのタクシーは、例えばユーザの配車要求に応じて、任意の位置(場所)に設定された仮想的なタクシー乗り場にユーザを迎えに行くタクシーである。従って、例えばユーザがオンデマンドのタクシーの配車を所望した場合、端末装置40は、ユーザの操作により、オンデマンドのタクシーの配車を要求する配車要求を情報処理装置10へ送信することができる。
【0041】
車載装置50は、上記したようにタクシーに搭載される装置である。車載装置50には、例えばGPS受信機が含まれ、GPS衛星からの信号に基づいてタクシーの位置を示す車両位置情報を検出する。車載装置50は、検出した車両位置情報を情報処理装置10へ送信することができる。
【0042】
車載装置50は、上記した車両位置情報の他に、タクシーの稼働状態を示す稼働状態情報を情報処理装置10へ送信することができる。タクシーの稼働状態とは、例えば「空車」や「実車」などのタクシーの状態(動態)を意味する。なお、車載装置50において「空車」および「実車」の切り替えは、運転手の操作によって行われる。
【0043】
車載装置50は、情報処理装置10によって決定されたタクシー乗り場200の位置情報を含む配車指示を受信することができる。すなわち、ここでの配車指示は、タクシー乗り場200への配車指示である。車載装置50で配車指示が受信されると、タクシーは、タクシー乗り場200へ向かって移動し、タクシー乗り場200で乗客(ユーザ)を乗せる。なお、配車指示には、上記したタクシー乗り場200までの経路を示す経路情報が含まれていてもよい。かかる場合、タクシーは、配車指示に含まれる経路を通ってタクシー乗り場200へ向かうこととなる。
【0044】
イベント施設用情報処理装置60aは、第1施設100aを管理するサーバであり、例えば第1施設100aで開催されるイベントを管理するサーバである。例えば、イベント施設用情報処理装置60aは、第1施設100aで開催されるイベントに関するイベント情報の処理など各種の処理を実行可能なサーバである。イベント施設用情報処理装置60aは、上記した第1施設100aのイベントの終了予定時刻やイベントの来場者数、第1施設100aの場所(位置)などの情報を含むイベント情報を情報処理装置10へ送信することができる。
【0045】
イベント施設用情報処理装置60bは、第2施設100bを管理するサーバであり、例えば第2施設100bで開催されるイベントを管理するサーバである。例えば、イベント施設用情報処理装置60bは、第2施設100bで開催されるイベントに関するイベント情報の処理など各種の処理を実行可能なサーバである。イベント施設用情報処理装置60bは、上記した第2施設100bのイベントの終了予定時刻やイベントの来場者数、第2施設100bの場所(位置)などの情報を含むイベント情報を情報処理装置10へ送信することができる。
【0046】
定点カメラ70は、施設100周辺や、施設100から最寄り駅までの移動経路などに複数台設置される。定点カメラ70は、施設100周辺や移動経路を撮像し、撮像されたカメラ画像を情報処理装置10へ送信することができる。なお、定点カメラ70のカメラ画像は、動画データであるが、これに限られず、静止画データなどであってもよい。かかるカメラ画像は、情報処理装置10において現在の混雑情報として取得されるが、これについては後述する。
【0047】
なお、定点カメラ70は、施設100周辺等の人を検知する人体検知センサを有していてもよい。人体検知センサとしては、例えば赤外線信号を用いた焦電センサなどを採用することができる。
【0048】
なお、上記において、情報処理装置10は、定点カメラ70のカメラ画像に基づいて現在の混雑情報を取得するようにしたが、これに限られず、例えばユーザの端末装置40の位置情報に基づいて現在の混雑情報を取得してもよい。かかる場合、言い換えると、定点カメラ70のカメラ画像が現在の混雑情報として利用されない場合、定点カメラ70は除去されてもよい。
【0049】
<情報処理装置の構成>
次いで、情報処理装置10の構成について
図3等を参照して具体的に説明する。
図3は、情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。なお、
図3のブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0050】
換言すれば、
図3のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0051】
図3に示すように、情報処理装置10は、通信部11と、制御部20と、記憶部30とを備える。
【0052】
通信部11は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、端末装置40、車載装置50、イベント施設用情報処理装置60a,60bおよび定点カメラ70等との間で情報の送受信を行う。
【0053】
制御部20は、受付部21と、取得部22と、決定部23と、提供部24とを備え、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0054】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20の受付部21、取得部22、決定部23および提供部24として機能する。
【0055】
また、制御部20の受付部21、取得部22、決定部23および提供部24の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0056】
また、記憶部30は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30には、イベント情報31、所定時間情報32、ユーザ情報33、人流情報34、道路情報35、乗り場情報36および各種プログラムなどが記憶される。
【0057】
イベント情報31は、複数の施設100でそれぞれ開催されるイベントに関する情報である。ここで、
図4を用いて、イベント情報31について説明する。
図4は、イベント情報31の一例を示す図である。
【0058】
図4に示すように、イベント情報31には、「イベントID」、「施設名」、「施設の場所」、「イベント名」、「来場者数」および「終了予定時刻」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0059】
「イベントID」は、イベント情報を識別する識別情報である。「施設名」は、イベントが開催される施設100の名称を示す情報である。例えば、「施設名」には、上記した第1施設100aや第2施設100bなどの施設名を示す情報が含まれる。
【0060】
「施設の場所」は、施設100の場所(位置)を示す位置情報である。なお、
図4に示す例では、便宜上、「施設の場所」を「場所E1」といったように抽象的な記載とするが、「場所E1」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0061】
「イベント名」は、イベントの名称を示す情報である。「来場者数」は、施設100に来場した人数、あるいは施設100に来場する予定の人数を示す情報である。例えば「来場者数」は、イベントのチケット販売数情報や実際に施設100に来場してカウントされた人数の情報などに基づいて登録される。「終了予定時刻」は、イベントの終了予定時刻を示す情報である。
【0062】
図4に示す例において、イベントID「D01」で識別されるイベント情報は、施設名が「第1施設」、施設100の場所が「場所E1」、イベント名が「イベントF1」、来場者数が「来場者数G1」、終了予定時刻が「時刻H1」であることを示している。
【0063】
図3の説明に戻ると、所定時間情報32は、上記した所定時間に関する情報である。具体的には、所定時間情報32は、例えば複数の施設100ごとのイベントの終了予定時刻同士の時間差と比較する所定時間に関する情報である。言い換えると、所定時間情報32は、例えば第1施設100aのイベントに起因する人流や混雑と、第2施設100bのイベントに起因する人流や混雑とが影響し合うか否かを判定する判定処理(後述)で用いられる情報である。
【0064】
ここで、
図5を用いて、所定時間情報32について説明する。
図5は、所定時間情報32の一例を示す図である。
図5に示すように、所定時間情報32には、「所定時間ID」、「位置関係」、「来場者数のレベル」および「所定時間」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。なお、
図5では、理解を容易にするため、「位置関係」、「来場者数のレベル」および「所定時間」について具体的な内容を示すが、これら具体的な内容は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
【0065】
「所定時間ID」は、所定時間を示す情報を識別する識別情報である。「位置関係」は、複数の施設100同士の位置関係を示す情報である。「位置関係」には、例えば複数の施設100同士の位置関係が「近い」、「遠い」などの情報が含まれる。例えば、複数の施設100について、互いの位置(場所)が比較的近い場合(例えば最寄りの駅が同じとなる場所にある場合や、施設100間の距離が予め設定された所定距離以下となる場所にある場合など)に、当該複数の施設100の位置関係は近いとされる。なお、所定距離は、任意の距離に設定可能である。また、例えば、複数の施設100について、互いの位置(場所)が比較的遠い場合(例えば最寄りの駅が異なり互いの最寄りの駅同士が比較的離れている場合や、施設100間の距離が所定距離より離れた場所にある場合など)に、当該複数の施設100の位置関係は遠いとされる。
【0066】
なお、上記した施設100の位置関係の「遠い」は、位置関係「近い」に比べて遠いことを意味し、詳しくは後述するように、来場者数のレベルによっては、イベントに起因する人流や混雑の影響を互いに受けるような位置関係を含むものとする。また、
図5の例では、施設100の位置関係が「近い」、「遠い」の2段階に分類されるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば3段階以上に分類されてもよい。
【0067】
「来場者数のレベル」は、施設100の来場者数のレベルを示す情報である。「来場者数のレベル」には、例えばイベントが大規模で来場者数が比較的多い場合を「大」、イベントが大規模より小さく来場者数が比較的少ない場合を「小」とする情報が含まれる。なお、
図5の例では、来場者数のレベルが「大」、「小」の2段階に分類されるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば3段階以上に分類されてもよい。
【0068】
「所定時間」は、例えば複数の施設100ごとのイベントの終了予定時刻同士の時間差と比較する時間を示す情報である。一例として「所定時間」は、複数の施設100における複数のイベントのうち、先に終了する予定のイベントが終了した後に、かかるイベントに起因する混雑が解消し、複数の施設100のイベントに起因する人流や混雑が互いに影響し合わなくなると推定されるような経過時間に設定される。また、「所定時間」は、上記した複数の施設100同士の位置関係や来場者数のレベルごとに設定される。
【0069】
図5に示す例において、所定時間ID「I01」で識別される所定時間情報は、位置関係が「近い」、来場者数のレベルが「大」の場合、所定時間が「60分」に設定されることを示している。すなわち、位置関係が近く、来場者数のレベルが大である複数の施設100で開催されるイベントの場合、複数のイベントの終了予定時刻同士の時間差が、所定時間である「60分」と比較されることを示している。なお、時間差が所定時間(60分)以内である場合、各イベントに起因する人流や混雑が互いに影響し合うと判定され、後述するタクシー乗り場200の決定処理等が行われる。他方、時間差が所定時間(60分)より長い場合、各イベントに起因する人流や混雑が互いに影響し合わない、あるいは影響しにくいと判定され、タクシー乗り場200の決定処理等は行われない。
【0070】
図3の説明に戻ると、ユーザ情報33は、ユーザに関する情報である。ここで、
図6を用いて、ユーザ情報33について説明する。
図6は、ユーザ情報33の一例を示す図である。
【0071】
図6に示すように、ユーザ情報33には、「ユーザID」、「ユーザ位置」および「配車要求」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0072】
「ユーザID」は、ユーザUを識別する識別情報である。「ユーザ位置」は、ユーザUの位置を示すユーザ位置情報である。「配車要求」は、タクシーの配車要求の有無を示す情報である。詳しくは、「配車要求」は、オンデマンドのタクシーの配車を要求する配車要求の有無を示す情報である。
【0073】
図6に示す例において、ユーザID「J01」で識別されるユーザUのデータは、ユーザ位置が「位置K1」、配車要求が「なし」であることを示している。また、ユーザID「J02」で識別されるユーザUのデータは、ユーザ位置が「位置K2」、配車要求が「あり」であることを示している。
【0074】
図3の説明に戻ると、人流情報34は、施設100周辺等における人の流れに関する情報である。例えば、人流情報34は、イベント終了後の施設100周辺等における人の流れを予測する人流のシミュレーションの結果を示す情報である。
【0075】
ここで、
図7を用いて、人流情報34について説明する。
図7は、人流情報34の一例を示す図である。
図7に示すように、人流情報34には、「地点」および「推定混雑度」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0076】
「地点」は、人流が推定された地点(場所)を示す情報である。「地点」には、例えば施設100周辺や、施設100から例えば最寄りの駅などの所定地点までの移動経路などの位置を示す情報が含まれる。
【0077】
「推定混雑度」は、推定された混雑度を示す情報である。混雑度は、施設100周辺等での混雑状況の度合いを示す指標値であり、例えば施設100周辺を移動すると推定される人の数等(人の密度)に応じた数段階のレベルで示される情報である。従って、推定混雑度は、施設100周辺等において推定される混雑状況を示す混雑情報であるともいえる。なお、人流情報34には、「推定混雑度」に加えてあるいは代えて、推定される施設100周辺等の人の移動速度や、施設100周辺等にいると推定される人の数の情報などが含まれてもよい。
【0078】
図7に示す例では、「地点L1」において、推定混雑度が「混雑度M1」であることを示している。
【0079】
図3の説明に戻ると、道路情報35は、複数の施設100周辺の道路に関する情報である。なお、ここでの「道路」には、タクシーなどの車両が走行する道路、および、ユーザなどの人(歩行者)が歩く道路が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0080】
ここで、
図8を用いて、道路情報35について説明する。
図8は、道路情報35の一例を示す図である。
図8に示すように、道路情報35には、「道路ID」、「道路の場所」、「道路形状」および「渋滞情報」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0081】
「道路ID」は、道路を識別する識別情報である。「道路の場所」は、道路の場所を示す情報である。「道路形状」は、道路の形状を示す情報である。例えば「道路形状」には、道路の道幅や車線数、勾配などの情報が含まれてもよく、さらには道幅が狭く一方通行しかできない道路形状や、道幅が広く混雑しにくい道路形状などの情報が含まれてもよい。
【0082】
「渋滞情報」は、道路の渋滞状況を示す情報である。なお、渋滞情報は、現在の渋滞情報に限られず、渋滞予測情報であってもよい。
図8に示す例において、道路ID「N01」で識別されるイベント情報は、道路の場所が「場所P1」、道路形状が「道路形状Q1」、渋滞情報が「渋滞情報R1」であることを示している。
【0083】
図3の説明に戻ると、乗り場情報36は、タクシー乗り場200に関する情報である。ここで、
図9を用いて、乗り場情報36について説明する。
図9は、乗り場情報36の一例を示す図である。
【0084】
図9に示すように、乗り場情報36には、「乗り場ID」および「乗り場の位置」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0085】
「乗り場ID」は、タクシー乗り場200を識別する識別情報である。「乗り場の位置」は、決定(設定)されたタクシー乗り場200の位置を示す位置情報である。
図9に示す例において、乗り場ID「T01」で識別されるタクシー乗り場200のデータは、乗り場の位置が「位置U1」であることを示している。
【0086】
図3の説明に戻ると、制御部20の受付部21は、端末装置40から送信される配車要求を受け付けることができる。受付部21は、オンデマンドのタクシーの配車を要求する配車要求を受け付けると、配車要求を受け付けたことを示す情報をユーザ情報33(
図6参照)に登録する。
【0087】
取得部22は、通信部11を介して各種の情報を取得する。例えば、取得部22は、複数の施設100で開催されるイベントに関するイベント情報であって、複数の施設100ごとのイベントの終了予定時刻を含む複数のイベント情報を取得する。すなわち、取得部22は、複数の施設100でそれぞれ開催されるイベントの終了予定時刻を含む、複数のイベント情報を取得する。
【0088】
例えば、取得部22は、第1施設100aで開催されるイベントに関するイベント情報をイベント施設用情報処理装置60aから取得する。情報処理装置10は、第2施設100bで開催されるイベントに関するイベント情報をイベント施設用情報処理装置60bから取得する。そして、取得部22は、取得された各施設100のイベント情報を記憶部30にイベント情報31(
図4参照)として登録する。なお、取得部22が取得するイベント情報には、施設100の施設名、施設の場所(位置)、イベント名、来場者数および終了予定時刻などの情報が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0089】
また、取得部22は、ユーザ位置情報を取得する。例えば、取得部22は、端末装置40から位置情報を取得し、記憶部30のユーザ情報33のユーザ位置情報として登録する。
【0090】
また、取得部22は、現在の混雑情報を取得する。例えば、取得部22は、定点カメラ70(
図2参照)のカメラ画像などに基づいて現在の混雑情報を取得してもよい。例えば、取得部22は、施設100周辺に設置された定点カメラ70から送信されたカメラ画像を解析して施設100周辺にいる人の数を計測し、計測された人数に応じた混雑度を含む混雑情報を、現在の施設100周辺の混雑情報として決定部23へ出力する。なお、取得部22は、定点カメラ70に加えて、あるいは代えて、例えば端末装置40の位置情報に基づいて混雑情報を取得してもよい。
【0091】
また、取得部22は、施設100周辺の道路に関する道路情報を取得し、記憶部30に道路情報35(
図8)として登録する。なお、道路情報は、例えば外部サーバ(図示せず)から送信されるが、これに限定されるものではなく、道路情報の一部あるいは全部が記憶部30に予め記憶されていてもよい。
【0092】
決定部23は、施設100のユーザに対するタクシーの乗り場(タクシー乗り場200)の位置を決定する決定処理を行うことができる。決定部23は、決定されたタクシー乗り場200の位置を示す情報を乗り場情報36(
図9参照)に登録する。
【0093】
例えば、決定部23は、決定処理に先立ち、先ず複数の施設100での各イベントの開催時、各イベントに起因する人流や混雑が互いに影響し合うか否かを判定する判定処理を行う。詳しくは、決定部23は、第1施設100aのイベントに起因する混雑と第2施設100bのイベントに起因する混雑とが影響し合って、第1、第2施設100a,100b周辺においてユーザやタクシーの混雑が発生するおそれがあるか否かを判定する判定処理を行う。なお、決定部23は、かかる判定処理で、各イベントに起因する人流や混雑が互いに影響し合うと判定された場合に決定処理を行う。
【0094】
以下、判定処理について詳しく説明すると、決定部23は、例えば複数の施設100同士の近さ、複数のイベントの終了予定時刻の近さ、複数の施設100の来場者数などに基づいて、各イベントに起因する人流や混雑が互いに影響し合うか否かを判定する。
【0095】
具体的には、決定部23は先ず、判定処理で用いられる所定時間を設定する、詳しくは、複数の施設100ごとのイベントの終了予定時刻同士の時間差と比較する所定時間を設定する。例えば、決定部23は、イベント情報および所定時間情報32(
図5参照)に基づいて、所定時間の設定を行う。
【0096】
例えば、決定部23は、イベント情報である複数の施設100の位置に基づいて、複数の施設100同士の位置関係を求める。位置関係は、上記したように、複数の施設100の最寄りの駅や施設100間の距離等に基づいて、複数の施設100の互いの位置(場所)が比較的近い場合に「近い」とされ、比較的遠い場合に「遠い」とされる。
【0097】
また、決定部23は、イベント情報である複数の施設100の来場者数に基づいて、複数の施設100における来場者数のレベルを求める。来場者数のレベルは、上記したように、イベントが大規模で来場者数が比較的多い場合に「大」とされ、イベントが大規模より小さく来場者数が比較的少ない場合に「小」とされる。
【0098】
続いて、決定部23は、上記のようにして求められた、複数の施設100同士の位置関係と、来場者数のレベルと、所定時間情報32(
図5参照)とに基づいて、所定時間を設定する。なお、
図5に示すように、所定時間は、位置関係が近くなるにつれて長く設定され、来場者数のレベルが大きくなるにつれて長く設定される。逆に言えば、所定時間は、位置関係が遠くなるにつれて短く設定され、来場者数のレベルが小さくなるにつれて短く設定される。
【0099】
そして、決定部23は、イベント情報である複数の施設100ごとの終了予定時刻が、設定された所定時間内であるか否かを判定する、詳しくは、複数の施設100ごとのイベントの終了予定時刻同士の時間差が、設定された所定時間以内であるか否かを判定する。
【0100】
ここで、決定部23は、複数の施設100ごとの終了予定時刻が所定時間内であると判定された場合、すなわち終了予定時刻同士の時間差が所定時間以内であると判定された場合、各イベントに起因する人流や混雑が互いに影響し合うと判定する。一方、決定部23は、複数の施設100ごとの終了予定時刻が所定時間内ではないと判定された場合、すなわち終了予定時刻同士の時間差が所定時間より長いと判定された場合、各イベントに起因する人流や混雑が互いに影響し合わない、あるいは影響しにくいと判定する。
【0101】
このように、本実施形態にあっては、複数の施設100同士の位置関係に基づいて所定時間を設定するようにしたので、所定時間を複数の施設100同士の位置関係に応じた適切な時間に設定することが可能になる。そして、本実施形態にあっては、かかる所定時間と複数の施設100ごとの終了予定時刻同士の時間差とを比較するようにしたので、複数の施設100での各イベントの開催時、各イベントに起因する人流や混雑が互いに影響し合うか否かを精度よく判定することができる。
【0102】
また、本実施形態にあっては、複数の施設100の来場者数に基づいて所定時間を設定するようにしたので、所定時間を複数の施設100の来場者数に応じた適切な時間に設定することが可能になる。そして、本実施形態にあっては、かかる所定時間と複数の施設100ごとの終了予定時刻同士の時間差とを比較するようにしたので、複数の施設100での各イベントの開催時、各イベントに起因する人流や混雑が互いに影響し合うか否かを精度よく判定することができる。
【0103】
なお、上記では、所定時間が、複数の施設100同士の位置関係および来場者数の両方に基づいて設定されるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、所定時間は、例えば複数の施設100同士の位置関係および来場者数のいずれかに基づいて設定されてもよいし、位置関係および来場者数に加えて、あるいは代えてその他の種類の情報に基づいて設定されてもよい。
【0104】
そして、決定部23は、上記した判定処理において、各イベントに起因する人流や混雑が互いに影響し合うと判定され、第1、第2施設100a,100b周辺においてユーザやタクシーの混雑が発生するおそれがある場合、タクシー乗り場200の位置を決定する。
【0105】
例えば、決定部23は、イベント情報に基づいてタクシー乗り場200の位置を決定する。このタクシー乗り場200の位置の決定について、
図10を参照して説明する。
図10は、タクシー乗り場200の位置の決定処理を説明する図である。
【0106】
図10に示すように、例えば決定部23は、第1施設100aから比較的近く、第2施設100bから比較的遠いような位置を、第1タクシー乗り場200aの位置として決定(設定)することができる。言い換えると、決定部23は、第1施設100aのユーザUが利用する第1タクシー乗り場200aを、第2施設100bのユーザUが利用しにくいような位置に決定する。
【0107】
これにより、第1タクシー乗り場200aには、第2施設100bのユーザUがあまり来ないため、第1タクシー乗り場200aを含む施設100周辺に混雑が発生することを回避することができる。
【0108】
また、決定部23は、第1タクシー乗り場200aが設定される道路R1とは異なる道路R2沿いの位置であって、第2施設100bから比較的近く、第1施設100aから比較的遠いような位置を、第2タクシー乗り場200bの位置として決定(設定)することができる。言い換えると、決定部23は、第2施設100bのユーザUが利用する第2タクシー乗り場200bを、第1施設100aのユーザUが利用しにくいような位置に決定する。
【0109】
これにより、第2タクシー乗り場200bには、第1施設100aのユーザUがあまり来ないため、第2タクシー乗り場200bを含む施設100周辺に混雑が発生することを回避することができる。
【0110】
また、決定部23は、複数の施設100の間の位置(
図10の例では、第1施設100aと第2施設100bと間の領域X)以外の位置を、タクシー乗り場の位置として決定するようにしてもよい。逆に言えば、決定部23は、複数の施設100の間の位置(領域X)を、タクシー乗り場の位置として決定しないようにしてもよい。
【0111】
これにより、第1、第2施設100a,100bのユーザUで混雑しやすい領域X以外の位置に、タクシー乗り場が設定されるため、施設100周辺の混雑の発生をより一層回避することが可能になる。
【0112】
また、決定部23は、道路R1において第1タクシー乗り場200aが設定される車線とは反対側の車線を、第3タクシー乗り場200cの位置として決定(設定)することができる。これにより、第2施設100bのユーザUは、第2タクシー乗り場200bや第3タクシー乗り場200cへ分散して移動することとなるため、第2、第3タクシー乗り場200b,200cを含む施設100周辺に混雑が発生することを回避することができる。また、第1、第3タクシー乗り場200a,200cにおけるタクシーの進行方向が逆になるため、施設100周辺におけるタクシーの混雑の発生も回避することができる。
【0113】
また、決定部23は、オンデマンドのタクシーの配車要求を受け付けた場合、複数のイベントの終了予定時刻が所定時間外であるときに決定されるタクシー乗り場の位置とは異なる位置を、タクシー乗り場200の位置として決定してもよい。
【0114】
具体的に説明すると、第1施設100aのイベントの終了予定時刻と第2施設100bのイベントの終了予定時刻とが所定時間外、すなわち所定時間内ではない場合、互いの混雑が影響し合わないため、施設100周辺は比較的混雑が少ない。そのため、決定部23は、例えば配車要求を行ったユーザUがいた施設100の出口付近をタクシー乗り場の位置に決定することができる。
【0115】
これに対し、第1施設100aのイベントの終了予定時刻と第2施設100bのイベントの終了予定時刻とが所定時間内である場合、互いの混雑が影響し合い、例えば配車要求を行ったユーザUがいた施設100の出口付近は混雑することが予測される。
【0116】
そこで、本実施形態に係る決定部23にあっては、複数のイベントの終了予定時刻が所定時間外であるときに決定されるタクシー乗り場の位置(上記では施設100の出口付近)とは異なる位置を、タクシー乗り場200の位置として決定する。例えば、決定部23にあっては、オンデマンドのタクシーの乗り場を、上記した第2タクシー乗り場200bや第3タクシー乗り場200cに決定する。これにより、施設100周辺の混雑の発生をより一層回避することが可能になる。
【0117】
また、決定部23は、イベントの終了予定時刻同士の時間差がある場合、時間の経過に伴ってタクシー乗り場200の位置を変更したり、タクシー乗り場200の数を増減させたりしてもよい。これにより、タクシー乗り場200の位置や数を時間の経過に即したものにすることが可能となり、よって施設100周辺に混雑が発生することを効果的に回避することができる。
【0118】
また、決定部23は、イベント情報に含まれる来場者数などに基づいてタクシー乗り場200の位置を決定してもよい。例えば、決定部23は、来場者数が多い方の施設100のユーザUが利用するタクシー乗り場200の数が、来場者数が少ない方の施設100のユーザUが利用するタクシー乗り場200の数より多くなるように、タクシー乗り場200の位置を決定してもよい。これにより、来場者数が多い方の施設100のユーザUが分散されやすくなり、よって施設100周辺に混雑が発生することを効果的に回避することができる。
【0119】
また、決定部23は、人流情報に基づいてタクシー乗り場200の位置を決定してもよい。例えば、決定部23は、複数のイベント情報などに基づいて、施設100周辺における人流情報を推定する。例えば、イベント後の人流情報を推定する場合、決定部23は、記憶部30のイベント情報31や道路情報35を読み出し、各イベントの来場者数、各イベントの終了予定時刻、道路の形状、道路の渋滞情報など各種の情報に基づいて、人流情報を推定する。言い換えると、決定部23は、複数のイベント情報等に基づいて施設100周辺における人流のシミュレーションを行って、イベント終了後の施設100周辺における人の流れを予測する。決定部23は、推定された人流情報を、記憶部30の人流情報34(
図7参照)として登録する。
【0120】
一例として、決定部23は、推定モデルを利用して人流情報を推定する。推定モデルは、複数のイベント情報等における静的および動的な各種の情報を入力することによって、施設100周辺における人流情報を推定して出力する予測モデルである。なお、推定モデルは、過去のイベントで計測結果として得られた人流データ、イベント情報、交通機関の情報や天候等の環境情報に基づき予め生成されて記憶部30に格納される。なお、上記した人流情報の推定手法は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
【0121】
そして、例えば決定部23は、人流情報に基づいて、イベント終了後、施設100周辺において推定される混雑度が比較的低い位置を、タクシー乗り場200の位置を決定してもよい。これにより、施設100から出てきたユーザUが混雑しにくいと推定される位置などに分散されやすくなり、よって施設100周辺に混雑が発生することを効果的に回避することができる。
【0122】
図3の説明を続けると、提供部24は、タクシー乗り場200への案内情報を提供する。例えば、提供部24は、ユーザの位置を示す位置情報に応じたタクシー乗り場200への案内情報を提供することができる。
【0123】
一例としては、提供部24は、ユーザの位置(正確には端末装置40の位置)が第1施設100a付近である場合、当該ユーザの端末装置40に対して個別に、第1施設100aに近い第1タクシー乗り場200aへの案内を示す案内情報を提供する。また、提供部24は、ユーザの位置が第2施設100b付近である場合、当該ユーザの端末装置40に対して個別に、第2施設100bに近い第2、第3タクシー乗り場200b,200cへの案内を示す案内情報を提供する。これにより、ユーザは、自身の位置に対応するタクシー乗り場200へスムーズに移動することが可能になり、よって施設100周辺に混雑が発生することを効果的に回避することができる。
【0124】
なお、上記では、提供部24は、ユーザの端末装置40に案内情報を提供するようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば施設100周辺に複数の案内表示機(図示せず)が予め設置され、提供部24は、かかる案内表示機の設置位置に応じた案内情報(例えば設置位置から近いタクシー乗り場200への案内情報など)を当該案内表示機へ提供してもよい。
【0125】
また、提供部24は、イベントの終了予定時刻同士の時間差がある場合、時間の経過に伴ってタクシー乗り場200への案内情報の内容を変更してもよい。一例として、第1施設100aのイベントが終了する一方、第2施設100bのイベントが未終了のとき、提供部24は、第1施設100aのユーザに対し、第1施設100aに近い第1タクシー乗り場200aおよび第2施設100bに近い第2、第3タクシー乗り場200b,200cの両方についての案内情報を提供する。なお、このとき、提供部24は、ユーザの位置や混雑状況などに応じて、案内するタクシー乗り場200を選択してもよい。
【0126】
そして、第2施設100bのイベントが終了したとき(好ましくは、イベントが終了する少し前のタイミングで)、提供部24は、第1施設100aのユーザに対し、第1施設100aに近い第1タクシー乗り場200aへの案内情報のみを提供する。他方、提供部24は、第2施設100bのユーザに対し、第2施設100bに近い第2、第3タクシー乗り場200b,200cへの案内情報を提供する。
【0127】
その後、第1施設100aのユーザがタクシー等で移動したり、最寄り駅へ移動したりして第1施設100a付近のユーザが少なくなると、提供部24は、第2施設100bのユーザに対し、第2、第3タクシー乗り場200b,200cに加え、第1施設100aに近い第1タクシー乗り場200aへの案内情報の提供を開始する。これにより、案内情報の内容を、例えばイベントの終了後の時間経過に応じた適切な内容にして提供することが可能になり、よって施設100周辺に混雑が発生することを効果的に回避することができる。
【0128】
また、決定部23は、上記したタクシー乗り場200の位置の決定に加え、タクシー乗り場200へ向かうタクシーの経路を決定することができる。このタクシーの経路の決定について、
図11を参照して説明する。
図11は、タクシー乗り場200へ向かうタクシーの経路の決定処理を説明する図である。
【0129】
図11に示すように、例えば決定部23は、道路情報に基づいてタクシー乗り場200(
図11の例では、第1タクシー乗り場200a)へ向かうタクシーの経路Waを決定することができる。そして、提供部24は、決定された経路Waをタクシー(正確にはタクシーの車載装置50)へ提供することができる。
【0130】
具体的には、決定部23は、道路情報に基づき、タクシー乗り場200(第1タクシー乗り場200a)へ向かうタクシーが同一の方向で走行してタクシー乗り場200(第1タクシー乗り場200a)へ到着するように、タクシーの経路Waを決定することができる。なお、同一の方向で走行する区間は、任意に設定可能であり、一例としては複数の施設100を挟む交差点Y1,Y2間に設定される。
【0131】
これにより、施設100周辺においてタクシーの混雑が発生することを効果的に回避することができる。すなわち、例えば仮に、道路R1において途中の経路Wb1や経路Wb2などからタクシーなどの車両が侵入すると、タクシーが第1タクシー乗り場200aに到着するまでに時間がかかるおそれがある。
【0132】
そこで、本実施形態に係る決定部23は、第1タクシー乗り場200aへ向かうタクシーが同一の方向で走行して第1タクシー乗り場200aへ到着するように、タクシーの経路Waを決定し、経路Wb1や経路Wb2などからタクシーなどの車両が侵入しないようにした。
【0133】
これにより、第1タクシー乗り場200aへ向かう全てのタクシーは、同一の方向の経路Waを通るため、タクシーが早期に第1タクシー乗り場200aに到着する。また、第1タクシー乗り場200aでユーザを乗車させた後も、タクシーは、第1タクシー乗り場200aからスムーズに発車することができる。そのため、施設100周辺においてタクシーの混雑が発生することを効果的に回避することができる。
【0134】
なお、提供部24は、決定されたタクシー乗り場200の位置情報や経路Waを、タクシーの稼働状態情報に関わらず、施設100付近を走行するタクシーへ提供してもよいし、稼働状態情報が「空車」のタクシーに対して提供してもよい。
【0135】
<情報処理装置の制御処理>
次に、情報処理装置10における具体的な処理手順の一例について
図12を用いて説明する。
図12は、情報処理装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0136】
図12に示すように、情報処理装置10の制御部20は、複数の施設100で開催されるイベントに関するイベント情報であって、複数の施設100ごとのイベントの終了予定時刻を含む複数のイベント情報を取得する(ステップS10)。次いで、制御部20は、複数の施設100同士の位置関係や、施設100の来場者数(例えば来場者数のレベル)などに基づいて所定時間を設定する(ステップS11)。
【0137】
次いで、制御部20は、複数の施設100ごとのイベントの終了予定時刻が、設定された所定時間内であるか否かを判定する(ステップS12)。制御部20は、イベントの終了予定時刻が所定時間内ではないと判定された場合(ステップS12,No)、以降の処理をスキップする。
【0138】
一方、制御部20は、イベントの終了予定時刻が所定時間内であると判定された場合(ステップS12,Yes)、既存のタクシー乗り場200x(
図1参照)が混雑する可能性があるか否かを判定する(ステップS13)。
【0139】
例えば、制御部20は、既存のタクシー乗り場200x(
図1参照)が複数の施設100の間に存在したり、複数の施設100にそれぞれ対応するタクシー乗り場から発車するタクシーの進行方向が同じであったりする場合、混雑する可能性があると判定する。
【0140】
制御部20は、タクシー乗り場200xが混雑する可能性がないと判定された場合(ステップS13,No)、以降の処理をスキップする。他方、制御部20は、タクシー乗り場200xが混雑する可能性があると判定された場合(ステップS13,Yes)、イベント情報などに基づいてタクシー乗り場200を決定する(ステップS14)。
【0141】
次いで、制御部20は、決定されたタクシー乗り場200の位置情報やタクシー乗り場200までの経路情報などをタクシーへ提供する、配車処理を実行する(ステップS15)。
【0142】
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置10は、取得部22と、決定部23とを備える。取得部22は、複数の施設100(イベント施設)で開催されるイベントに関するイベント情報であって、複数の施設100ごとのイベントの終了予定時刻を含む複数のイベント情報を取得する。決定部23は、取得部22によって取得された複数のイベント情報に基づいて、複数の施設100の利用者に対するタクシー(移動体の一例)の乗り場の位置を決定する。これにより、複数のイベント施設でそれぞれイベントが開催される場合であっても、複数のイベント施設周辺における混雑の発生を回避することができる。
【0143】
なお、上記では、情報処理装置10がタクシー乗り場200の位置の決定や経路の決定など各種の処理を行うようにしたが、各種の処理が行われる装置は、情報処理装置10に限定されるものではない。すなわち、情報処理装置10で行われる処理の一部あるいは全部が、端末装置40、車載装置50、イベント施設用情報処理装置60a,60bで行われるようにしてもよい。
【0144】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0145】
10 情報処理装置
20 制御部
21 受付部
22 取得部
23 決定部
24 提供部