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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、および表示方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20241010BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20241010BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20241010BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20241010BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241010BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20241010BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241010BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20241010BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G07C5/00 Z
G09B29/00 F
G06Q50/40
G16Y10/40
G16Y20/10
G16Y20/20
G16Y40/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021037470
(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公開番号】P2022137798
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】室井 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】北原 俊夫
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-297394(JP,A)
【文献】特開2011-239001(JP,A)
【文献】特開2002-092675(JP,A)
【文献】特開2003-294482(JP,A)
【文献】特開2014-096051(JP,A)
【文献】特開2019-200088(JP,A)
【文献】特開2020-083207(JP,A)
【文献】特開2020-140440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G07C 1/00-15/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G01C 1/00-15/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G09B 23/00-29/14
G06Q 50/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のイベントに関連するデータを取得して表示させる制御部を有し、
前記制御部は、前記車両のイベントが生じた地点を含む地図画像に前記車両のイベントが生じた地点と前記車両の走行軌跡とを表示させるとともに
前記走行軌跡を、前記車両に搭載されたカメラの画像から求められた信号機の灯火の色に応じた異なる種類ので時系列に沿って表示させる、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記車両のイベントに関連する複数の車両からデータを取得し、前記地図画像に前記車両のイベントが生じた地点と前記複数の車両の走行軌跡とを表示させるとともに、
前記複数の車両の前記走行軌跡を、前記複数の車両のカメラの画像から求められた信号機の灯火の色に応じた異なる種類ので時系列に沿って表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
記異なる種類の線は、車両の進行方向を示す矢印表示である、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置による表示方法であって、
車両のイベントに関連するデータを取得して表示させる工程を有し、
前記表示させる工程は、前記車両のイベントが生じた地点を含む地図画像に前記車両のイベントが生じた地点と前記車両の走行軌跡とを表示させるとともに
前記走行軌跡を、前記車両に搭載されたカメラの画像から求められた信号機の灯火の色に応じた異なる種類ので時系列に沿って表示させる、表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のイベント、例えば、車両事故などの原因を解析するために有効なデータを事故解析センタに送信する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-205368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、事故解析センタによって受信されたデータの表示態様について改善の余地がある。例えば、車両のイベントに対する確認作業について改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両のイベントに対する確認作業を効率化する情報処理装置、および表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る情報処理装置は、取得部と、指示部とを備える。取得部は、車両のイベントに関連するデータを取得する。指示部は、データに基づいて、イベントの発生要素を、発生要素の状態に応じた異なる表示形態によって表示部に表示される地図上に表示させる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、車両のイベントに対する確認作業を効率化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第1表示モードの信号表示形態における表示画面の一例である。
図4図4は、第1表示モードの速度表示形態における表示画面の一例である。
図5図5は、第1表示モードのブレーキ操作表示形態における表示画面の一例である。
図6図6は、第2表示形態における表示画面の一例である。
図7図7は、実施形態に係るデータ表示処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(情報処理システムの構成)
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る情報処理装置、および表示方法について詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、図1を用いて実施形態に係る情報処理システム1について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示すブロック図である。
【0011】
情報処理システム1は、データ収集装置2と、情報処理装置3とを備える。データ収集装置2と、情報処理装置3とは、インターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。なお、情報処理システム1では、情報処理装置3に対して、複数のデータ収集装置2が通信可能に接続される。
【0012】
データ収集装置2は、例えば、車載装置である。車載装置は、例えば、ドライブレコーダである。ここでは、データ収集装置2がドライブレコーダ2である場合を一例として説明する。
【0013】
ドライブレコーダ2は、車載カメラ(不図示)を含む。車載カメラは、例えば、レンズと、撮像素子とを備える。撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)である。車載カメラは、例えば、自車両の前方、後方、左側方および右側方の様子を撮像可能な位置に設けられる。車載カメラは、複数設けられてもよい。車載カメラは、車両の周囲を撮像する。車載カメラは、車両の周囲の画像を取得する。画像は、動画像である。
【0014】
ドライブレコーダ2は、車両のイベントに関連するデータを収集する。車両のイベントに関連するデータとは、車両事故に関連するデータ、および危険運転に関連するデータのうち少なくとも一方のデータを含む。
【0015】
車両事故には、自車両と他車両との接触事故、自車両の自損事故、および自車両と人との接触事故などが含まれる。
【0016】
危険運転は、車両事故には至らなかったが、車両事故につながるおそれがある運転である。例えば、危険運転には、急なブレーキ操作が行われた場合、および急なハンドル操作が行われた場合が含まれる。
【0017】
車両のイベントに関連するデータには、車両のイベントの発生要素となるデータが含まれる。車両のイベントの発生要素は、車両のイベントが発生した場合に、イベントの発生原因となりうる要素である。車両のイベントの発生要素は、例えば、信号機の灯火の色、車両の速度状態、および車両のブレーキ操作状態である。なお、車両のイベントの発生要素は、信号機の灯火の色、車両の速度状態、および車両のブレーキ操作状態のうち、少なくとも1つを含む。
【0018】
ドライブレコーダ2は、例えば、車載カメラによる撮像によって得られた画像データに基づき、所定の画像処理を実行することによって、信号機を識別し、さらに識別した信号機の灯火の色を識別する。
【0019】
ドライブレコーダ2は、例えば、CAN通信によって車速センサ(不図示)から車両の速度を取得する。ドライブレコーダ2は、取得した車両の速度に基づいて、車両が法定速度を遵守しているか否かを判定する。すなわち、ドライブレコーダ2は、車両の速度状態が法定速度以下である遵守状態であるか、車両の速度状態が法定速度よりも大きい違反状態であるかを判定する。ドライブレコーダ2は、車両の位置情報に基づいて、車両が走行している道路の法定速度を取得し、車両が法定速度を遵守しているか否かを判定する。車両の位置情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)装置から受信される。道路の法定速度は、例えば、マップ情報に紐付けられて記憶される。
【0020】
ドライブレコーダ2は、例えば、CAN通信によってブレーキセンサ(不図示)からブレーキ操作状態に関する信号を取得する。ブレーキ操作状態は、ブレーキペダルが踏み込まれた操作状態と、ブレーキペダルが踏み込まれていない無操作状態とを含む。例えば、ブレーキペダルの踏み込み量が、予め設定された所定踏み込み量よりも大きい場合、ブレーキ操作状態は、操作状態であると判定される。ブレーキペダルの踏み込み量が所定踏み込み量以下である場合、ブレーキ操作状態は、無操作状態であると判定される。
【0021】
ドライブレコーダ2は、車両のイベントに関連するデータを、データが取得された日時と紐付けて記憶する。ドライブレコーダ2は、所定記憶時間の車両のイベントに関連するデータを記憶する。所定記憶時間は、予め設定された時間であり、例えば、10秒である。ドライブレコーダ2は、新たな車両のイベントに関連するデータを取得すると、古い車両のイベントに関連するデータを順次消去し、所定記憶時間における車両のイベントに関連するデータを更新する。
【0022】
また、ドライブレコーダ2は、車両の環境データ、および車両の走行データを、データが取得された日時と紐付けて記憶する。ドライブレコーダ2は、所定記憶時間の車両の環境データ、および所定記憶時間の車両の走行データを記憶する。ドライブレコーダ2は、車両のイベントに関連するデータと同様に、車両の環境データ、および車両の走行データを更新する。
【0023】
車両の環境データには、天気情報、および車両周囲の明るさ情報が含まれる。ドライブレコーダ2は、例えば、外部の情報提供サーバ(不図示)から天気情報を取得する。また、ドライブレコーダ2は、例えば、CAN通信によって照度センサ(不図示)から車両周囲の明るさ情報を取得する。車両の環境データには、温度が含まれてもよい。
【0024】
車両の走行データには、車両のヘッドライト(不図示)の灯火状態、車両の速度情報、車両の加速度情報、および車両の位置情報が含まれる。ドライブレコーダ2は、例えば、CAN通信によってヘッドライトの灯火状態を検出するセンサからヘッドライトの灯火状態に関する信号を取得する。ドライブレコーダ2は、例えば、CAN通信によって加速度センサ(不図示)から車両の加速度に関する信号を取得する。
【0025】
ドライブレコーダ2は、所定の送信条件が成立した場合に、所定記憶時間分の車両のイベントに関連するデータ、所定記憶時間分の車両の環境データ、および所定記憶時間分の車両の走行データを、通信ネットワークNを介して情報処理装置3に送信する。ドライブレコーダ2は、車両のイベントに関連するデータなどを情報処理装置3に送信するための通信装置(不図示)を備える。ドライブレコーダ2は、所定の送信条件が成立した場合に、所定の送信条件が成立した時間の前後の所定記憶時間分の車両のイベントに関連するデータなどを情報処理装置3に送信する。
【0026】
具体的には、ドライブレコーダ2は、所定の送信条件が成立した場合に、所定記憶時間分の車両のイベントに関連するデータ、所定記憶時間分の車両の環境データ、および所定記憶時間分の車両の走行データ、各データが取得された日時、および所定記憶時間分の画像データを、ドライブレコーダ2に割り当てられた機器IDに紐付けて情報処理装置3に送信する。機器IDは、ドライブレコーダ2を識別する識別情報である。機器IDには、ドライブレコーダ2が搭載された車両情報や、車両の所有者の情報などが紐付けられてもよい。
【0027】
所定の送信条件は、車両にイベントが発生したと判定できる条件である。ドライブレコーダ2は、車両の加速度が、予め設定された所定加速度以上となると、車両事故が発生したと判定し、所定の送信条件が成立すると判定する。
【0028】
また、ドライブレコーダ2は、単位時間当たりのブレーキペダルの踏み込みの増加量が、予め設定された所定増加量以上である場合に、急なブレーキ操作がされ、危険運転が生じたと判定する。ブレーキペダルの踏み込みの増加量は、ブレーキペダルセンサから取得される信号に基づいて算出される。
【0029】
ドライブレコーダ2は、単位時間当たりのハンドルの操作量が、予め設定された所定操作量以上である場合に、急なハンドル操作がされ、危険運転が生じたと判定する。ハンドルの操作量は、例えば、舵角センサ(不図示)によって検出される。なお、ドライブレコーダ2は、車速が予め設定された所定車速以上であり、かつ単位時間当たりのハンドルの操作量が、予め設定された所定操作量以上である場合に、急なハンドル操作がされ、危険運転が生じたと判定してもよい。
【0030】
(情報処理装置の構成)
次に、情報処理装置3について、図2を参照し説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置3の構成例を示すブロック図である。
【0031】
情報処理装置3は、例えば、事故原因を解析するために設けられるサーバである。情報処理装置3は、解析結果を表示装置4(表示部)に表示させる。情報処理装置3は、無線、または有線によって表示装置4に接続される。表示装置4は、例えば、モニタである。表示装置4は、スマートフォンなどの端末装置であってもよい。
【0032】
情報処理装置3は、通信部10と、制御部11と、記憶部12とを備える。
【0033】
通信部10は、例えばNIC等によって実現される。通信部10は、通信ネットワークNを介して、ドライブレコーダ2から車両のイベントに関連するデータなどを受信する。
【0034】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリに対応する。RAMやフラッシュメモリは、各種プログラムの情報、および通信部10によって受信された車両のイベントに関連するデータなどを記憶する。
【0035】
制御部11は、取得部20と、設定部21と、生成部22と、指示部23とを備える。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0036】
コンピュータのCPUは、例えば、ROM等の記憶デバイスに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部11の取得部20、設定部21、生成部22、および指示部23として機能する。
【0037】
また、制御部11の取得部20、設定部21、生成部22、および指示部23の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。また、取得部20、設定部21、生成部22、および指示部23は、統合されてもよく、さらに複数に分けられてもよい。
【0038】
取得部20は、通信部10を介して車両のイベントに関するデータなどを取得する。取得部20は、キーボードなどを介して作業者の入力結果を受け付ける。作業者は、例えば、情報処理装置3を用いて車両のイベントにおける解析を行う者である。
【0039】
具体的には、取得部20は、解析対象の車両に関する入力を取得する。取得部20は、例えば、解析対象となる車両の機器IDに関する入力結果を受け付ける。入力結果は、機器IDに紐付けられた車両の情報、および所有者の情報などであってもよい。取得部20は、解析対象となる車両が複数ある場合には、複数の車両に関する入力結果を受け付けてもよい。また、取得部20は、後述する表示モードに関する入力結果を受け付ける。
【0040】
設定部21は、入力結果に基づいて、表示装置4に表示させる表示モードを第1表示モード、または第2表示モードに設定する。設定部21は、作業者が選択した表示モードに関する入力結果に基づいて、表示モードを、第1表示モード、または第2表示モードに設定する。
【0041】
第1表示モードは、車両のイベントの発生要素を、地図上に表示させるモードである。第2表示モードは、イベントの発生要素を、時系列に沿って表示装置4にグラフ表示させるモードである。表示モードは、第1表示モード、または第2表示モードに変更可能である。
【0042】
また、第1表示モードは、車両のイベントの発生要素毎の表示モードを含む。具体的には、第1表示モードは、信号表示モード、速度表示モード、およびブレーキ操作表示モードを含む。信号表示モードは、信号機の灯火の色を示す表示モードである。速度表示モードは、速度状態を示す表示モードである。ブレーキ操作表示モードは、ブレーキペダルの操作状態を示す表示モードである。
【0043】
設定部21は、表示モードが第1表示モードである場合、作業者が選択した表示モードに関する入力結果に基づいて、さらに表示モードを信号表示モード、速度表示モード、およびブレーキ操作表示モードのいずれか1つに設定する。
【0044】
なお、設定部21は、表示モードが第1表示モードである場合には、作業者が選択した表示モードに関する入力結果に基づいて、信号表示モード、速度表示モード、およびブレーキ操作表示モードのうち、複数の表示モードを設定してもよい。すなわち、設定部21は、作業者の選択に応じて、信号表示モード、速度表示モード、およびブレーキ操作表示モードのうち、複数の表示モードを同時に設定可能である。この場合、表示装置4には、複数の表示モードによる表示が行われる。
【0045】
生成部22は、入力結果に基づいて、表示装置4に表示させる表示データを生成する。表示データは、表示装置4に画像として表示されるデータである。表示データには、解析対象である車両のイベントに関連するデータなどが含まれる。生成部22は、入力結果に基づいて、解析対象となる車両のイベントに関連するデータなどを、記憶部12から読み出す。生成部22は、解析対象となる車両が複数ある場合には、解析対象となる各車両のイベントに関するデータなどを、記憶部12から読み出す。生成部22は、解析対象となる車両のイベントについて、第1表示モードの表示データ、および第2表示モードの表示データを生成する。
【0046】
例えば、表示データには、車両のイベントが生じた地点を含む地図画像を表示させるデータと、車両のイベントが発生した時間を含むカメラ画像を表示させるデータと、車両のイベントが発生した時間を表示させるデータとが含まれる。
【0047】
また、表示データには、車両のイベントが発生した際の天気を表示させるデータと、解析対象の車両の灯火状態を表示させるデータと、解析対象の車両の周囲における明るさを表示させるデータとが含まれる。
【0048】
第1表示モードの表示データには、信号表示モード、速度表示モード、およびブレーキ操作表示モードの選択状態を表示させるデータが含まれる。第1表示モードの表示データには、車両のイベントの発生要素の状態を、発生要素の状態に応じた異なる表示形態によって地図上に示すデータが含まれる。
【0049】
第2表示モードの表示データには、車両のイベントの発生要素の状態を、発生要素の時系列に沿ってグラフ表示させるデータが含まれる。
【0050】
指示部23は、設定部21によって設定された表示モードに応じた表示データを表示装置4に送信し、表示装置4に表示データを表示させる。
【0051】
具体的には、指示部23は、表示モードが、第1表示モードである場合には、車両のイベントの発生要素の状態に応じた異なる表示形態となるように、車両のイベントの発生要素を地図上に表示させる。
【0052】
また、指示部23は、表示モードが、第2表示モードである場合には、車両のイベントの発生要素を、車両のイベントの発生要素の状態に応じた異なる表示形態となるように、時系列に沿ってグラフ表示させる。
【0053】
(表示画像)
次に、表示データに基づいて表示装置4に表示される表示画像100について図3図6を参照し説明する。図3は、第1表示モードの信号表示形態における表示画像100の一例である。図4は、第1表示モードの速度表示形態における表示画像100の一例である。図5は、第1表示モードのブレーキ操作表示形態における表示画像100の一例である。図6は、第2表示形態における表示画像100の一例である。
【0054】
表示データに基づいて表示装置4に表示される表示画像100は、車両のイベントが生じた地点の地図30、ドライブレコーダ2によって撮影され、かつ車両のイベントが録画された映像31、および車両のイベントが発生した日時32を含む。また、表示データに基づいて表示装置4に表示される表示画像100は、車両のイベントが発生した際の天気33、解析対象の車両の灯火状態34、解析対象の車両の周囲における明るさ35を含む。表示装置4の表示画像100に、車両のイベントが発生した際の天気33などが表示されることによって、作業者は、車両のイベントの発生状況をより正確に知ることができる。
【0055】
なお、解析対象として複数の車両がある場合、車両の灯火状態34は、選択された車両における灯火状態が表示される。図3などでは、選択された車両を黒塗りで示す。
【0056】
また、第1表示モードの表示データに基づいた表示画像100は、信号表示モード、速度表示モード、およびブレーキ操作表示モードの選択状態40を含む。また、第1表示モードの表示データに基づいた表示画像100は、車両のイベントの発生要素を含む。第1表示モードにおける車両のイベントの発生要素は、発生要素の状態に応じた異なる表示形態によって地図上に表示される。
【0057】
第1表示モードが信号表示モードである場合、図3に示すように、車両のイベントに関連する信号機の灯火の色を示す線50a、50bが、信号機の灯火の色毎に異なる表示態様によって、地図上に表示される。信号機の灯火の色を示す線50a、50bは、信号機の灯火の色と、車両の位置とが関連づけられて地図上に表示される。
【0058】
信号機の灯火の色を示す線50a、50bは、信号機の灯火の色に応じた異なる種類に区別されて表示される。信号機の灯火の色を示す線50a、50bは、信号機の灯火の色に応じて、例えば、異なる種類の線によって表示される。なお、信号機の灯火の色を示す線50a、50bは、信号機の灯火の色に応じて、線の色、および線の太さなどによって区別されて表示されてもよい。
【0059】
第1表示モードが速度表示モードである場合、図4に示すように、車両のイベントに関連する車両の速度状態の線51a、51bが、速度状態に応じて異なる表示態様によって、地図上に表示される。車両の速度状態を示す線51a、51bは、車両の速度状態と、車両の位置とが関連付けられて地図上に表示される。
【0060】
車両の速度状態を示す線51a、51bは、車両の速度状態が、遵守状態であるか、違反状態であるかによって区別されて表示される。車両の速度状態を示す線51a、51bは、車両の速度状態に応じて、例えば、異なる種類の線によって表示される。なお、車両の速度状態を示す線51a、51bは、車両の速度状態に応じて、線の色、および線の太さなどによって区別されて表示されてもよい。
【0061】
第1表示モードがブレーキ操作表示モードである場合、図5に示すように、車両のイベントに関連する車両のブレーキ操作状態を示す線52a、52bが、ブレーキ操作状態に応じて異なる表示形態によって、地図上に表示される。車両のブレーキ操作状態を示す線52a、52bは、車両のブレーキ操作状態と、車両の位置とが関連付けられた線によって表示される。
【0062】
車両のブレーキ操作状態を示す線52a、52bは、車両のブレーキ操作状態が操作状態であるか、無操作状態であるかによって区別されて表示される。車両のブレーキ操作状態を示す線52a、52bは、車両のブレーキ操作状態に応じて、例えば、異なる種類の線によって表示される。なお、車両のブレーキ操作状態を示す線52a、52bは、車両のブレーキ操作状態に応じて、線の色、および線の太さなどによって区別されて表示されてもよい。
【0063】
第2表示モードの表示データに基づいた表示画像100は、車両の走行データの少なくとも一部が時系列に沿って表示されるグラフを含む。また、第2表示モードの表示データに基づいた表示画像100は、車両のイベントの発生要素が、発生要素の状態に応じて異なる表示形態によって時系列に沿って表示されるグラフを含む。
【0064】
例えば、図6に示すように、車両のイベントに関連する車両の速度、および加速度(G値)の変化が、時系列に沿ってグラフ表示される。なお、図6では、複数の車両のうち、選択された車両の速度、および加速度の変化のみがグラフ表示された図を示すが、これに限られることはなく、選択されていない車両の速度、および加速度の変化がグラフ表示されてもよい。また、車両のイベントに関連する車両の速度、および加速度の変化のうち、いずれか一方が時系列に沿ってグラフ表示されてもよい。すなわち、車両のイベントに関連する車両の速度、および加速度の変化のうち少なくとも1つが時系列に沿ってグラフ表示されればよい。
【0065】
また、車両のイベントに関連する信号機の灯火の色が、時系列に沿って異なる表示形態でグラフ表示される。信号機の灯火の色のグラフ表示は、信号機の灯火の色に応じた異なる種類の線によって区別されて表示される。なお、グラフ表示は、信号機の灯火の色に応じて、線の色、および線の太さなどによって区別され表示されてもよい。
【0066】
また、車両のイベントに関連する車両の速度状態が、時系列に沿って異なる表示形態でグラフ表示される。車両の速度状態は、遵守状態であるか、違反状態であるかによって、異なる種類の線によって区別されて表示される。なお、車両の度状態は、遵守状態であるか、違反状態であるかに応じて、線の色、および線の太さなどによって区別されて表示されてもよい。
【0067】
また、車両のイベントに関連する車両のブレーキ操作状態が、時系列に沿って異なる表示形態でグラフ表示される。車両のブレーキ操作状態は、操作状態であるか、無操作状態であるかによって、異なる種類の線によって区別されて表示される。なお、ブレーキ操作状態は、操作状態であるか、無操作状態であるかに応じて、線の色、および線の太さなどによって区別されて表示されてもよい。
【0068】
(データ表示処理)
次に、実施形態に係るデータ表示処理について図7のフローチャートを参照し説明する。図7は、実施形態に係るデータ表示処理を説明するフローチャートである。
【0069】
情報処理装置3は、解析対象の車両に関する入力を取得する(S100)。情報処理装置3は、取得された入力結果に基づいて、表示モードを設定する(S101)。具体的には、情報処理装置3は、入力結果に基づいて、表示モードを第1表示モード、または第2表示モードに設定する。
【0070】
情報処理装置3は、表示データを生成する(S102)。具体的には、情報処理装置3は、入力結果に基づいて、解析対象の車両のイベントに関連するデータなどを記憶部12から読み出し、表示データを生成する。
【0071】
情報処理装置3は、生成した表示データを表示装置4に送信する(S103)。これにより、表示装置4には、表示データに基づいた画像が表示される。
【0072】
なお、情報処理装置3は、第1表示モードの表示データ、および第2表示モードの表示データを生成し、作業者の入力に応じて、表示モードを、第1表示モード、または第2表示モードに適宜切り替え可能としてもよい。例えば、情報処理装置3は、解析対象の車両について、第1表示モードの表示データ、および第2表示モードの表示データを生成する。そして、情報処理装置3は、作業者による表示モードに切り替え操作に応じて、表示装置4に表示される画像を表示モードに応じて切り替えてもよい。
【0073】
(実施形態の効果)
次に、実施形態に係る情報処理装置3の効果について説明する。
【0074】
情報処理装置3は、取得部20と、指示部23とを備える。取得部20は、車両のイベントに関連するデータを取得する。指示部23は、表示モードが第1表示モードである場合、車両のイベントに関連するデータに基づいて、車両のイベントの発生要素を、イベントの発生要素の状態に応じた異なる表示形態によって表示装置4に表示される地図上に表示させる。
【0075】
これにより、作業者は、車両のイベントの発生要素を表示装置4に表示される地図上で確認することができ、車両のイベントの発生状況を容易に確認することができる。すなわち、情報処理装置3は、車両のイベントの発生状況に対する確認作業を効率化することができる。
【0076】
情報処理装置3は、表示モードが第1表示モードである場合、車両のイベントに関連する信号機の灯火の色を表示装置4に表示される地図上に表示させる。
【0077】
これにより、作業者は、車両のイベントが発生した際の信号機の灯火の色を、地図上で容易に確認することができる。そのため、情報処理装置3は、車両のイベントの発生状況に対する確認作業を効率化することができる。
【0078】
情報処理装置3は、表示モードが第1表示モードである場合、車両のイベントに関連する車両の速度状態を表示装置4に表示される地図上に表示させる。具体的には、情報処理装置3は、車両の速度状態が、遵守状態であるか、違反状態であるかを、表示装置4に表示される地図上に表示させる。
【0079】
これにより、作業者は、車両のイベントに対して、車両の速度状態が遵守状態であるか、違反状態であるかを容易に確認することができる。そのため、情報処理装置3は、車両のイベントの発生状況に対する確認作業を効率化することができる。
【0080】
情報処理装置3は、表示モードが第1表示モードである場合、車両のイベントに関連する車両のブレーキ操作状態を表示装置4に表示される地図上に表示させる。具体的には、情報処理装置3は、車両のブレーキ操作状態が、操作状態であるか、無操作状態であるかを、表示装置4に表示される地図上に表示させる。
【0081】
これにより、作業者は、車両のイベントに対して、車両のブレーキ操作状態が操作状態であるか、無操作状態であるかを容易に確認することができる。そのため、情報処理装置3は、車両のイベントの発生状況に対する確認作業を効率化することができる。
【0082】
情報処理装置3は、取得部20と、指示部23とを備える。取得部20は、車両のイベントに関連するデータを取得する。指示部23は、表示モードが第2表示モードである場合、車両のイベントに関連するデータに基づいて、車両のイベントの発生要素を、イベントの発生要素の状態に応じた異なる表示形態によって時系列に沿って表示装置4にグラフ表示させる。
【0083】
これにより、作業者は、車両のイベントの発生要素を時系列に沿ったグラフによって確認することができ、車両のイベントの発生状況を時系列に沿って容易に確認することができる。すなわち、情報処理装置3は、車両のイベントの発生状況に対する確認作業を効率化することができる。
【0084】
情報処理装置3は、表示モードが第2表示モードである場合、車両のイベントに関連する信号機の灯火の色を表示装置4にグラフ表示させる。
【0085】
これにより、作業者は、車両のイベントが発生した際の信号機の灯火の色を、時系列に沿って容易に確認することができる。そのため、情報処理装置3は、車両のイベントの発生状況に対する確認作業を効率化することができる。
【0086】
情報処理装置3は、表示モードが第2表示モードである場合、車両のイベントに関連する車両の速度状態をグラフ表示させる。具体的には、情報処理装置3は、車両の速度状態が、遵守状態であるか、違反状態であるかを、時系列に沿って表示させる。
【0087】
これにより、作業者は、車両のイベントが発生した際の車両の速度情報を、時系列に沿って容易に確認することができる。そのため、情報処理装置3は、車両のイベントの発生状況に対する確認作業を効率化することができる。
【0088】
情報処理装置3は、表示モードが第2表示モードである場合、車両のイベントに関連する車両のブレーキ操作状態をグラフ表示させる。具体的には、情報処理装置3は、車両のブレーキ操作状態が、操作状態であるか、無操作状態であるかを、表示装置4に表示される地図上に表示させる。
【0089】
これにより、作業者は、車両のイベントが発生した際の車両のブレーキ操作情報を、時系列に沿って容易に確認することができる。そのため、情報処理装置3は、車両のイベントの発生状況に対する確認作業を効率化することができる。
【0090】
情報処理装置3は、車両のイベントの発生要素を、車両の車速、および車両の加速度のうち少なくとも1つの時系列に沿ったグラフと合わせてグラフ表示させる。
【0091】
これにより、作業者は、車両の車速、および車両の加速度と、車両のイベントの発生要素とを時系列に沿って比較することができる。そのため、作業者は、車両のイベントの発生要素を、車両の車速、および車両の加速度の少なくとも1つに対して時系列に沿って容易に確認することができる。
【0092】
(変形例)
変形例に係る情報処理装置3は、第1表示モードにおける表示データ、および第2表示モードにおける表示データに基づいた表示を表示装置4に同時に行ってもよい。すなわち、変形例に係る情報処理装置3は、車両のイベントの発生要素を表示装置4に表示される地図上に表示させ、かつ車両のイベントの発生要素を時系列に沿ってグラフ表示させてもよい。例えば、変形例に係る情報処理装置3は、図6における地図30に、図3図5に示す地図30が表示されるように、表示データを生成し、表示データを表示装置4に送信する。
【0093】
これにより、変形例に係る情報処理装置3は、車両のイベントの発生状況に対する確認作業を効率化することができる。
【0094】
変家例に係る情報処理装置3は、表示モードとして、第1表示モード、または第2表示モードのいずれか一方のみを有してもよい。
【0095】
変形例に係る情報処理システム1は、或る車両のドライブレコーダ2によって取得された画像から、他の車両のイベントに関連するデータを推定してもよい。例えば、変形例に係る情報処理システム1は、或る車両のドライブレコーダ2によって取得された画像に写る他の車両から、他の車両の速度を算出し、他の車両の速度を推定してもよい。変形例に係る情報処理システム1は、例えば、或る車両のドライブレコーダ2によって取得された画像のカーブミラーに写る他の車両から、他の車両の速度を算出し、他の車両の速度を推定してもよい。また、変形例に係る情報処理システム1は、同様に、他の車両の進行方向における信号機の灯火の色などを推定してもよい。
【0096】
これにより、変形例に係る情報処理装置3は、イベントに関連するデータが他の車両から取得されない場合であっても、他の車両のイベントの発生要素を、表示装置4に表示させることができる。
【0097】
また、変形例に係る情報処理装置3は、他の車両のイベントに関連するデータを推定した場合、推定した他の車両のイベントの発生要素を、他の車両のドライブレコーダ2から実際に取得される場合の発生要素と区別して、表示装置4に表示させてもよい。変形例に係る情報処理装置3は、例えば、推定されたイベントの発生要素と、実際に取得されたイベント発生要素とを、異なる種類の表示態様によって表示させてもよい。
【0098】
これにより、変形例に係る情報処理装置3は、推定されたイベントの発生要素と、実際に取得されたイベントの発生要素とを区別して表示装置4に表示させることができる。そのため、作業者は、推定されたイベントの発生要素と、実際に取得されたイベントの発生要素との区別を容易に行うことができる。
【0099】
また、変形例に係る情報処理システム1は、情報処理装置3によって信号機の灯火の色に対する発生要素を識別してもよい。具体的には、変形例に係る情報処理装置3は、ドライブレコーダ2から送信された画像データに所定の画像処理を実行することによって、信号機を識別し、さらに識別した信号機の灯火の色を識別する。
【0100】
これにより、変形例に係る情報処理システム1は、ドライブレコーダ2における処理負荷を低減することができる。
【0101】
また、変形例に係る情報処理システム1は、データ収集装置2として、定点カメラを含んでもよい。定点カメラは、所定の撮影範囲を撮影する。定点カメラは、例えば、街灯や、道路脇などに設けられる。定点カメラは、例えば、レンズと、CCDやCMOSなどの撮像素子とを備える。定点カメラは、定点カメラの配置場所、および取得した画像を、通信ネットワークNを介して情報処理装置3に送信する。変形例に係る情報処理装置3は、定点カメラによって取得された画像から、車両のイベントの発生要素を取得する。
【0102】
これによって、変形例に係る情報処理装置3は、車両のイベントに対して多くの情報を集めることができる。そのため、作業者は、車両のイベントの状況をより正確に知ることができる。
【0103】
上記実施形態、および変形例は、組み合わされて適用されてもよい。
【0104】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 情報処理システム
2 データ収集装置(ドライブレコーダ)
3 情報処理装置
4 表示装置(表示部)
10 通信部
11 制御部
12 記憶部
20 取得部
22 生成部
23 指示部
30 地図
100 表示画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7