(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】車両支援装置、車両支援システム及び車両支援方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241010BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241010BHJP
B60Q 5/00 20060101ALI20241010BHJP
B60Q 1/26 20060101ALI20241010BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241010BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20241010BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/09 H
B60Q5/00 610Z
B60Q5/00 630B
B60Q1/26 Z
G16Y10/40
G16Y40/10
(21)【出願番号】P 2021041540
(22)【出願日】2021-03-15
【審査請求日】2023-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】明李 成博
(72)【発明者】
【氏名】中村 誠秀
(72)【発明者】
【氏名】千葉 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】費 霄霄
【審査官】秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-131897(JP,A)
【文献】特開2016-212716(JP,A)
【文献】特開2014-085869(JP,A)
【文献】国際公開第2018/092710(WO,A1)
【文献】特開2020-024570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
G08G 1/09
B60Q 5/00
B60Q 1/26
G16Y 10/40
G16Y 40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
停車状態にある車両についての発車を支援する処理を実行する車両支援装置において、
前記車両の周囲の物体を検出する装置から検出データを受け取るデータ受信部と、
前記車両の停車位置に基づいて、前記車両から一定の範囲に判定範囲を設定し、
前記検出データに基づいて、前記判定範囲よりも外側に存在する前記物体の移動状況を特定し、
前記物体の移動状況に基づいて、前記判定範囲への進入が予測される前記物体を進入予測物体として抽出し、及び
前記判定範囲を示す範囲データと、前記進入予測物体に対して前記判定範囲への注意を喚起する通知情報を含む通知データとを生成する
ことを実行するコントローラと、
前記範囲データ及び前記通知データを、前記車両の出力装置又は前記進入予測物体の出力装置に送信するデータ送信部と、を備え、
前記判定範囲は、
前記車両からユーザが降車するときに可動する車両可動部の可動範囲、及び、前記停車位置から前記車両が発車するときの走行予測進路に応じた前記車両の移動範囲の少なくとも一方を含
み、
前記進入予測物体の出力装置は、情報を表示するディスプレイを含み、
前記データ送信部は、前記進入予測物体の出力装置に前記範囲データを送信することで、前記ディスプレイにより前記判定範囲を表示させる
車両支援装置。
【請求項2】
前記車両の出力装置は、前記車両の周辺に光を投影して情報を表示する発光装置を含み、
前記データ送信部は、前記車両の出力装置に前記範囲データを送信することで、前記発光装置により前記判定範囲を表示させる
請求項1記載の車両支援装置。
【請求項3】
前記データ送信部は、前記車両の出力装置に前記通知データを送信することで、前記発光装置により前記通知情報を出力させる
請求項2記載の車両支援装置。
【請求項4】
前記データ送信部は、前記進入予測物体の出力装置に前記通知データを送信することで、前記ディスプレイにより前記通知情報を出力させる
請求項
1記載の車両支援装置。
【請求項5】
前記車両の出力装置は、音声又は音を出力するスピーカを含み、
前記データ送信部は、前記車両の出力装置に前記通知データを送信することで、前記スピーカにより前記通知情報を出力させる
請求項1、2及び
3いずれか一項記載の車両支援装置。
【請求項6】
前記進入予測物体の出力装置は、音声又は音を出力するスピーカを含み、
前記データ送信部は、前記進入予測物体の出力装置に前記通知データを送信することで、前記スピーカにより前記通知情報を出力させる
請求項1
または4記載の車両支援装置。
【請求項7】
前記コントローラは、所定の判定時間内に前記判定範囲への進入が予測される前記物体を前記進入予測物体として抽出し、
移動速度が速い前記進入予測物体に対して前記通知情報が通知される位置は、前記移動速度が遅い前記進入予測物体に対して前記通知情報が通知される位置よりも前記車両に対して遠くなる
請求項
3から
6いずれか一項記載の車両支援装置。
【請求項8】
前記通知情報の出力形態は、前記進入予測物体の属性に応じて変更される
請求項
5記載の車両支援装置。
【請求項9】
前記通知情報は、前記進入予測物体と前記車両との距離が近いほど強調して出力される
請求項
3から
6いずれか一項記載の車両支援装置。
【請求項10】
停車状態にある車両についての発車を支援する処理を実行する車両支援システムにおいて、
情報を出力する外部装置と、
前記外部装置と通信可能な車両支援装置と、を有し、
前記車両支援装置は、
前記車両の周囲の物体を検出する装置から検出データを受け取るデータ受信部と、
前記車両の停車位置に基づいて、前記車両から一定の範囲に判定範囲を設定し、
前記検出データに基づいて、前記判定範囲よりも外側に存在する前記物体の移動状況を特定し、
前記物体の移動状況に基づいて、前記判定範囲への進入が予測される前記物体を進入予測物体として抽出し、及び
前記判定範囲を示す範囲データと、前記進入予測物体に対して前記判定範囲への注意を喚起する通知情報を含む通知データとを生成する
ことを実行するコントローラと、
前記範囲データ及び前記通知データを、前記外部装置としての前記車両の出力装置又は前記進入予測物体の出力装置に送信するデータ送信部と、を備え、
前記判定範囲は、
前記車両からユーザが降車するときに可動する車両可動部の可動範囲、及び、前記停車位置から前記車両が発車するときの走行予測進路に応じた前記車両の移動範囲の少なくとも一方を含
み、
前記進入予測物体の出力装置は、情報を表示するディスプレイを含み、
前記データ送信部は、前記進入予測物体の出力装置に前記範囲データを送信することで、前記ディスプレイにより前記判定範囲を表示させる
車両支援システム。
【請求項11】
停車状態にある車両についての発車を支援する処理を実行するコントローラを用いた車両支援方法において、
前記コントローラが、
前記車両の停車位置に基づいて、前記車両から一定の範囲に判定範囲を設定し、
前記車両の周囲の物体を検出する装置から取得した検出データに基づいて、前記判定範囲よりも外側に存在する前記物体の移動状況を特定し、
前記物体の移動状況に基づいて、前記判定範囲への進入が予測される前記物体を進入予測物体として抽出し、
前記判定範囲を示す範囲データと、前記進入予測物体に対して前記判定範囲への注意を喚起する通知情報を含む通知データとを生成し、及び
前記車両の出力装置又は前記進入予測物体の出力装置と通信可能なデータ送信部を制御して、前記範囲データ及び前記通知データを前記車両の出力装置又は前記進入予測物体の出力装置に送信し、
前記判定範囲は、
前記車両からユーザが降車するときに可動する車両可動部の可動範囲、及び、前記車両が発車するときの走行予測進路に応じた前記車両の移動範囲の少なくとも一方を含
み、
前記進入予測物体の出力装置は、情報を表示するディスプレイを含み、
前記データ送信部は、前記進入予測物体の出力装置に前記範囲データを送信することで、前記ディスプレイにより前記判定範囲を表示させる
車両支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両支援装置、車両支援システム及び車両支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発進制御装置を備える自動運転車両が開示されている。発進制御装置は、降車後利用者が検出された後、発進条件が満たされるまで自動運転車両の停車状態を維持し、発進条件が満たされた場合に自動運転車両の発進を許可する。発進条件は、少なくとも降車後利用者が自動運転車両の周囲の移動判定領域の外に移動すること、あるいは、降車後利用者が移動判定領域の中にいるが一定時間以上同じ位置に留まっていることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された手法は、降車後の利用者を考慮しているものの、停車中の車両の周囲に存在する移動物体を考慮していない。車両に対して影響のある範囲に移動物体が存在すると、車両は上手く発車することができない。このため、車両の発車が遅くなり、周囲の交通へ与える影響が大きくなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、停車状態の車両が周囲の交通へ与える影響を抑制することができる車両支援装置、車両支援システム及び車両支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る車両支援装置は、停車中の車両から一定の範囲に判定範囲を設定し、判定範囲よりも外側に存在する物体の移動状況を特定し、判定範囲への進入が予測される物体を進入予測物体として抽出し、判定範囲を示す範囲データと進入予測物体に対して判定範囲への注意を喚起する通知情報を含む通知データとを生成し、範囲データ及び通知データを車両の出力装置又は進入予測物体の出力装置に送信する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、停車状態の車両が周囲の交通へ与える影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、車両支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、車両支援システムによる処理を示すフローチャートである。
【
図2B】
図2Bは、車両支援システムによる処理を示すフローチャートである。
【
図3A】
図3Aは、車両支援システムによる処理を示すフローチャートである。
【
図3B】
図3Bは、車両支援システムによる処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、確認範囲及び移動範囲を説明する図である。
【
図5】
図5は、車両の周囲に表示される確認範囲を示す図である。
【
図6】
図6は、確認範囲に対する進入予測物体を説明する図である。
【
図7】
図7は、確認範囲及び移動範囲を説明する図である。
【
図8】
図8は、車両の周囲に表示される確認範囲を示す図である。
【
図9】
図6は、確認範囲に対する進入予測物体を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
図1を参照して、本実施形態に係る車両支援システムの構成を説明する。本実施形態に係る車両支援システムは、停車状態の車両200についての発車を支援する処理を実行するシステムである。車両支援システムが発車を支援する車両200の停車とは、ユーザの乗車又は降車を目的とする停車をいう。しかしながら、車両支援システムが対象とする車両200の停車は、ユーザの乗車又は降車を目的として停車するものに限らず、荷物の積み卸しを目的として停車するもの、それ以外の目的をもって停車するものであってもよい。このような車両200の停車にあっては、周囲への交通環境を考慮して、車両200を路肩側に寄せて停車していることが一般的である。すなわち、車両支援システムは、路肩側に寄せて停車している車両200についての発車を支援する処理を実行する。
【0011】
車両支援システムは、サーバ1と、車両200に搭載された車載システム2と、車両200の周囲に存在する物体300が備える物体側システム3と、で構成されている。
【0012】
サーバ1と、車載システム2と、物体側システム3とは、ネットワーク5を介して相互に通信可能に構成されている。ネットワーク5は、例えばインターネットが挙げられる。ネットワーク5は、4G/LTE、又は5Gなどのモバイル通信機能を利用するものであってもよい。
【0013】
サーバ1は、停車状態の車両200についての発車を支援する処理を主体的に実行する車両支援装置である。サーバ1は、例えばサーバコンピュータ又はパーソナルコンピュータにより構成されている。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサと、メモリと、各種のインターフェースとを有している。メモリ、各種のインターフェースは、バスを介してハードウェアプロセッサに接続されている。
【0014】
通信インターフェース10は、1つ以上の有線又は無線の通信インタフェースユニットを含む。通信インターフェース10は、車載システム2及び物体側システム3との間で情報の送受信を可能にする。有線インターフェースとしては、例えば有線LANが使用される。また無線インターフェースとしては、例えば無線LANなどが使用される。通信インターフェース10は、車載システム2及び物体側システム3との間で、ネットワーク5により規定される通信プロトコルに従いデータ伝送を行う。
【0015】
通信インターフェース10は、車載システム2及び物体側システム3から各種のデータを受け取るデータ受信部として機能する。また、通信インターフェース10は、車載システム2又は物体側システム3に各種のデータを送信するデータ送信部として機能する。
【0016】
コントローラ15は、ハードウェアプロセッサと、メモリとから構成され、サーバ1の種々の機能を実現する1つ以上の情報処理回路として動作する。これらの機能は、ハードウェアプロセッサによってメモリに格納されたプログラムを実行させることにより実現される。
【0017】
コントローラ15は、1つ以上の情報処理回路として、範囲設定部15aと、物体特定部15bと、物体抽出部15cと、データ生成部15dと、出力制御部15eとを備えている。
【0018】
範囲設定部15aは、車両200の停車位置に基づいて、車両200から一定の範囲に判定範囲を設定する。物体特定部15bは、車両200の周囲の物体300を検出した検出データに基づいて、判定範囲よりも外側に存在する物体300の移動状況を特定する。物体抽出部15cは、物体300の移動状況に基づいて、判定範囲への進入が予測される物体300を進入予測物体として抽出する。データ生成部15dは、範囲データと、通知データとを生成する。範囲データは、判定範囲を示すデータであり、通知データは、進入予測物体に対して判定範囲への注意を喚起する通知情報を含むデータである。出力制御部15eは、通信インターフェース10を介して、範囲データ及び通知データを、車載システム2の出力装置22又は予測対象物体の出力装置32に出力する処理を行う。
【0019】
車載システム2は、車両200に搭載されるシステムである。車両200は、配車依頼に応じて、ユーザを乗車地から降車地まで輸送するサービス車両である。しかしながら、車両200は、サービス車両に限らず、個人的に利用する自家用車両でもよい。また、車両200は、ドライバが乗車しないで自動運転機能により走行する車両である。しかしながら、車両200は、ドライバの手動運転により走行する車両でもよいし、ドライバが乗車した上で自動運転機能により走行する車両でもよい。
【0020】
自動運転とは、例えば、ブレーキ、アクセル、ステアリングなどのアクチュエータのうち、少なくとも一つのアクチュエータが乗員の操作なしに制御されている状態のことを指す。そのため、その他のアクチュエータが乗員の操作により作動していたとしても構わない。また、自動運転とは、加減速制御、横位置制御などのいずれかの車両制御が実行されている状態であればよい。また、手動運転とは、例えば、ブレーキ、アクセル、ステアリングを乗員が操作している状態のことを指す。
【0021】
車載システム2は、範囲データ及び通知データに基づいて、車両200の周囲に存在する物体300に情報を報知する処理などを実行する。車載システム2は、例えばマイクロコンピュータにより構成されている。車載システム2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサと、メモリと、各種のインターフェースを有している。メモリ、各種のインターフェースは、バスを介してハードウェアプロセッサに接続されている。
【0022】
通信インターフェース20は、1つ以上の有線又は無線の通信インタフェースユニットを含む。通信インターフェース20は、サーバ1及び物体側システム3との間で情報の送受信を可能にする。通信インターフェース20は、サーバ1の通信インターフェース10と同様である。
【0023】
入出力インターフェース21には、車両200に搭載される出力装置22、位置推定装置23及び物体検出装置24が接続される。入出力インターフェース21は、位置推定装置23及び物体検出装置24から出力されたデータを受け取り、このデータをコントローラ25に出力する。また、入出力インターフェース21は、コントローラ25から出力された所定のデータを出力装置22へ出力して、データに従った情報を出力装置22から出力させる処理を行う。
【0024】
出力装置22は、車両200の周囲に情報を出力する装置である。出力装置22による情報の出力形態は、表示であるが、音又は音声を含んでもよい。本実施形態において、出力装置22は、発光装置22aと、スピーカ22bとを含んでいる。
【0025】
発光装置22aは、車両200の周辺、具体的には車両200の周囲の地面に光を投影して情報を表示する装置である。発光装置22aは、車両200に1つ以上搭載されており、車両200の周囲の全方位に対して情報を表示することができる。スピーカ22bは、車両200の周囲に音又は音声を出力する装置である。スピーカ22bは、車両200に1つ以上搭載されており、車両200の周囲の全方位に対して音又は音声を出力することができる。
【0026】
位置推定装置23は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)、オドメトリなどの位置推定技術を利用して、車両の位置を計測する。位置推定装置23には、GPS受信器、慣性航法装置、ブレーキペダル及びアクセルペダルに設けられたセンサ、車輪速センサ及びヨーレートセンサなど車両の挙動を取得するセンサ、レーザレーダ、カメラなどが含まれる。位置推定装置23は、これらの情報のうち1つの情報を用いて、或いは複数の情報を総合して、車両200の停車位置を計測する。位置推定装置23は、計測結果に基づいて車両200の停車位置を示す位置データを生成し、この位置データを出力する。
【0027】
物体検出装置24は、車両200に搭載された、複数の物体検出センサを備える。物体検出装置24は、複数の物体検出センサを用いて車両200の周囲に存在する物体300を検出する。物体300の検出結果には、物体300の位置、速度、移動方向、及び属性が含まれる。属性とは、自動車、自動二輪車、自転車、歩行者などといった物体300の特徴をいう。物体検出装置24は、車両200の周囲に存在する物体300を検出した検出データを生成し、この検出データを出力する。
【0028】
複数の物体検出センサは、例えばレーザレンジファインダを含む。レーザレンジファインダは、車両の周囲(例えば360度)を所定の範囲内でセンシングし、センシング結果のデータを出力する。センシング結果のデータは、例えばポイントクラウド形式で出力される。また、複数の物体検出センサは、カメラを含む。カメラは、車両の周囲(例えば360度)を撮影し、撮影した画像データを出力する。カメラは、車両の周囲を撮影できるように、複数設置されている。物体検出装置24は、レーザレンジファインダ、カメラ以外の種類のセンサを含んでもよい。
【0029】
なお、物体検出装置24は、物体側システム3と直接通信する、又はネットワーク5を介して物体側システム3と通信することにより、物体300自身から物体300の情報(位置、速度、移動方向、及び属性)を取得してもよい。
【0030】
コントローラ25は、ハードウェアプロセッサと、メモリとから構成され、車載システム2の種々の機能を実現する1つ以上の情報処理回路として動作する。これらの機能は、メモリに格納されたプログラムをハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0031】
本実施形態において、コントローラ25は、入出力インターフェース21を介して、物体検出装置24が検出した検出データを受け取ると、通信インターフェース20を介して、検出データをサーバ1に送信する処理を行う。また、コントローラ25は、通信インターフェース20を介して範囲データ及び通知データを受け取ると、入出力インターフェース21を介して範囲データ及び通知データを出力装置22に出力する処理を行う。
【0032】
コントローラ25は、図示しないCANインターフェースと接続され、車両200に関する情報である車両情報を取得することができる。コントローラ25は、車両情報に基づいて、車両200が停車したかどうか判断することができる。また、コントローラ25は、車両200に搭載された、自動運転機能を担う自動運転システムに対して各種の指示を行うことができる。
【0033】
物体側システム3は、物体300が備えるシステムである。物体300が自動車及び自動二輪車などの車両である場合、物体側システム3は、この車両に搭載される車載システム、あるいは、この車両に乗車するユーザが利用するユーザ端末(情報処理端末)が該当する。また、物体300が歩行者及び自転車などである場合、物体側システム3は、この歩行者及び自転車に乗車するユーザが利用するユーザ端末(情報処理端末)が該当する。
【0034】
物体側システム3は、範囲データ及び通知データに基づいて、車両200の周囲に存在する物体300に情報を報知する処理などを実行する。物体側システム3は、例えばマイクロコンピュータにより構成されている。物体側システム3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサと、メモリと、各種のインターフェースを有している。メモリ、各種のインターフェースは、バスを介してハードウェアプロセッサに接続されている。
【0035】
通信インターフェース30は、1つ以上の有線又は無線の通信インタフェースユニットを含む。通信インターフェース30は、サーバ1及び車載システム2との間で情報の送受信を可能にする。通信インターフェース30は、サーバ1の通信インターフェース10と同様である。
【0036】
入出力インターフェース31には、出力装置32が接続される。入出力インターフェース31は、コントローラ35から出力された所定のデータを出力装置32へ出力して、データに従った情報を出力装置32から出力させる処理を行う。
【0037】
出力装置32は、情報を出力する装置である。出力装置32による情報の出力形態は、表示であるが、音又は音声を含んでもよい。本実施形態において、出力装置32は、ディスプレイ32aと、スピーカ32bとを含んでいる。
【0038】
ディスプレイ32aは、情報を表示する装置であり、液晶又は有機EL(Electro Luminescence)などを用いた表示パネルを備えている。スピーカ32bは、音又は音声を出力する装置である。
【0039】
コントローラ35は、ハードウェアプロセッサと、メモリとから構成され、物体側システム3の種々の機能を実現する1つ以上の情報処理回路として動作する。これらの機能は、メモリに格納されたプログラムをハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0040】
本実施形態において、コントローラ35は、通信インターフェース30を介して範囲データ及び通知データを受け取ると、入出力インターフェース31を介して範囲データ及び通知データを出力装置32に出力する処理を行う。
【0041】
以下、
図2A乃至
図9を参照し、車両支援システムにおける処理の流れを説明する。車両支援システムにおいて、サーバ1の処理の主体はコントローラ15であり、車載システム2の処理の主体はコントローラ25であり、物体側システム3の処理の主体はコントローラ35である。
【0042】
まず、車載システム2が停車を判定すると(ステップS10)、車載システム2は、車両200の停車位置などを含む停車データをサーバ1に送信する(ステップS11)。
【0043】
サーバ1は、車両200の停車位置に基づいて、車両200から一定の範囲に判定範囲を設定する。ここで、判定範囲とは、ユーザの乗降、及び発車を行うにあたり車両200にとって影響がある範囲をいう。本実施形態において、判定範囲には、確認範囲500、危険範囲510、及び後述する移動範囲520の3つの範囲が含まれる。サーバ1は、個々の範囲を示す範囲データをそれぞれ生成する(ステップS12)。
【0044】
図4に示すように、サーバ1は、車両200の周囲全方位、且つ車両200から一定の範囲に確認範囲500を設定する。サーバ1は、車両200からユーザが降車するときに可動するドア201(車両可動部の一例)の可動範囲を含むように、確認範囲500を設定する。なお、サーバ1は、車両200の周囲全方位に確認範囲500を設定する必要はなく、車両200のドア201の位置に対応する箇所に確認範囲500を個別的に設定してもよい。また、サーバ1は、車両200の周囲のうち、ユーザが降車する側の範囲に限定して、確認範囲を500を設定してもよい。
【0045】
一方、サーバ1は、車両200の周囲全方位、且つ車両200から一定の範囲に危険範囲510を設定する。
図4に示す例では、サーバ1は、確認範囲500よりも狭い範囲、すなわち、車両200の近傍に危険範囲510を設定する。ただし、危険範囲510は、確認範囲500と同一であってよい。
【0046】
サーバ1は、車両200の車種、サイズ及びドア201の位置、並びに車両状態、例えば車両200の向きを考慮して、確認範囲500及び危険範囲510を設定することができる。
【0047】
サーバ1が確認範囲500を示す確認範囲データを車載システム2に送信すると、車載システム2が確認範囲データを受信する(ステップS14)。
【0048】
確認範囲データは、出力装置22の発光装置22aが確認範囲500を表示するデータを含んでいる。
図5に示すように、車載システム2は、出力装置22の発光装置22aにより、車両200周囲の地面に確認範囲500を表示する(ステップS15)。
【0049】
車両200が停車している地面の色と、発光装置22aにより表示される確認範囲500の色とが同系の場合、確認範囲500の認識が困難となる。そこで、サーバ1は、車両200が停車する地面の色を考慮して、地面とは異なる色で確認範囲500が表示されるように確認範囲データを生成することが好ましい。
【0050】
確認範囲500を表示すると、車載システム2は、物体検出装置24による物体検出を開始する(ステップS16)。
【0051】
サーバ1は、車載システム2から検出データを受け取ると(ステップS17)、検出データに基づいて、確認範囲500よりも外側に存在する物体300と、その物体300の移動状況とを特定する(ステップS18)。移動状況には、物体300の速度、移動方向が少なくとも含まれる。サーバ1は、物体300の移動状況に基づいて確認範囲500に近づく物体300を特定すると(ステップS19)、この物体300について確認範囲500への進入が予測されるかどうか判断する(ステップS20)。
【0052】
確認範囲500への進入が予測される物体300が存在しない場合(ステップS20:NO)、ステップS17の処理に戻る。一方、確認範囲500への進入が予測される物体300が存在する場合(ステップS20:YES)、サーバ1は、物体300から確認範囲500の外縁までの距離Lと、物体300が確認範囲500に進入するまでの時間tを計算する(ステップS21、S22)。
【0053】
サーバ1は、例えば数式(1)に基づいて時間tを計算する。ここで、αは、車両200の向きと物体300の向きとの角度である。
時間t=距離L/(速度×cosα)・・・数式(1)
【0054】
図2Bに示すように、時間tが予め設定された判定時間T以上の場合(ステップS23:NO)、物体300が確認範囲500に進入するまでには時間的な余裕が十分あるといえる。この場合、ステップS17に戻る。
【0055】
一方、時間tが予め設定された判定時間Tよりも小さい場合(ステップS23:YES)、物体300が確認範囲500に進入するまでには時間的な余裕があまりないといえる。この場合、サーバ1は、物体300を進入予測物体として抽出する(ステップS24)。すなわち、進入予測物体は、判定時間T内に確認範囲500への進入が予測される物体300に相当する。
【0056】
サーバ1は、進入予測物体に対して確認範囲500への注意を喚起する通知情報を含む通知データを生成する(ステップS25)。サーバ1が通知データを車載システム2及び物体側システム3に送信すると、車載システム2及び物体側システム3によって通知データを受信される(ステップS26、ステップS27)。車載システム2は、出力装置22により通知情報を出力し(ステップS28)、物体側システム3は、出力装置32によって通知情報を出力する(ステップS29)。
【0057】
車載システム2に送信される通知データは、出力装置22の発光装置22aが通知情報を表示するデータと、出力装置22のスピーカ22bが通知情報を音又は音声で出力するデータとを含んでいる。車載システム2は、発光装置22aにより車両200の周囲の地面に通知情報を表示させ、スピーカ22bにより通知情報を音又は音声で出力する。
【0058】
同様に、物体側システム3に送信される通知データは、出力装置32のディスプレイ32aが通知情報を表示するデータと、出力装置32のスピーカ32bが通知情報を音又は音声で出力するデータとを含んでいる。物体側システム3は、ディスプレイ32aにより通知情報を表示させ、スピーカ32bにより通知情報を音又は音声で出力する。
【0059】
図6に示すように、サーバ1は、判定時間T内に確認範囲500への進入が予測される物体300を進入予測物体として抽出している。したがって、通知情報の出力は、確認範囲500へ進入するタイミングよりも時間Tだけ先行したタイミングで開示される。この場合、移動速度V2が速い進入予測物体302に対して通知情報が出力される位置(確認範囲500からの距離L2)は、移動速度V1が遅い進入予測物体301に対して通知情報が出力される位置(確認範囲500からの距離L1)よりも車両200に対して遠くなる。
【0060】
通知情報の表示は、通知データに規定される表示態様に従って行われる。例えば、通知情報は、注意を促す文字又は記号などのシンボルによって表示される。シンボルは、一定時間に亘って恒常的に表示してもよいし、一定時間に亘って点滅させながら表示してもよい。車載システム2の発光装置22aにより通知情報を表示する場合、進入予測物体の進行方向において進入予測物体よりも前方の地面に通知情報を表示することが好ましい。また、確認範囲500の表示を点滅させることで、通知情報の表示としてもよい。
【0061】
通知情報は、進入予測物体301、302と車両200との距離が近くなるほど、強調して表示してもよい。通知情報を強調表示する方法としては、シンボルの点滅周期を早める、シンボルの種類を変更する、或いはシンボルの表示色を赤色に変更するといった如くである。
【0062】
一方、音又は音声による通知情報の出力は、通知データに規定される出力態様によって行われる。例えば、通知情報は、注意を促す音声又は警報音によって出力される。この場合、進入予測物体301、302と確認範囲500との距離が近くなるほど、通知情報を強調して出力してもよい。通知情報の強調出力する方法としては、注意を促す音声又は警報音の出力周期を早める、或いは注意を促す音声又は警報音の音量を大きくするといった如くである。
【0063】
また、物体側システム3を利用するユーザの使用言語又は国籍が分かる場合には、サーバ1は、ユーザが理解可能な言語を用いて通知情報を生成してもよい。
【0064】
再び
図2Bを参照するに、危険範囲510よりも外側に相当する安全範囲に進入予測物体が存在する場合(ステップS30:YES)、サーバ1は、車載システム2に準備指示を送信する(ステップS31)。準備指示が車載システム2によって受信されると(ステップS31)、車載システム2は、発車準備を行う旨の指示を、自動運転システムに出力する(ステップS32)。
【0065】
サーバ1から送信された停止指示が車載システム2によって受信されると(ステップS33)、車載システム2は、確認範囲500の表示を停止する(ステップS34)。
【0066】
一方、危険範囲510に進入予測物体が存在する場合(ステップS30:NO)、ステップS17の処理に戻る。
【0067】
以上に示す一連の処理は、車両200が停車してからユーザが降車するまでのシーンを想定している。以下、ユーザが降車を終えて、車両200が発車に至るまでのシーンを想定し、車両支援システムにおける一連の処理を説明する。
【0068】
車両200が停車した際(ステップS13)、サーバ1は、移動範囲520も設定している。
図7に示すように、移動範囲520は、停車位置から車両200が発車するときに車両200が移動する範囲を示すものであり、車両200の走行予測進路に応じて設定されている。また、サーバ1は、車両200の車種、サイズ及びドア201の位置、並びに車両状態、例えば車両200の向きを考慮して、移動範囲520を設定することができる。
【0069】
図3Aに示すように、サーバ1が移動範囲520を示す移動範囲データを車載システム2に送信すると、車載システム2が移動範囲データを受信する(ステップS35)。
【0070】
移動範囲データは、出力装置22の発光装置22aが表示を行うためのデータを含んでいる。
図8に示すように、車載システム2は、出力装置22の発光装置22aにより、車両200の周囲の地面に移動範囲520を表示する(ステップS36)。
【0071】
ステップS37からステップS50までの処理は、
図9に示すように移動範囲520を対象に通知情報を出力する処理を説明するものであるが、基本的な流れは、上述したステップS16からステップS29までの処理と同じである。よって、詳細な説明は省略する。
【0072】
なお、移動範囲520への進入が予測される進入予測物体には、歩行者及び自転車の他にも、自動車及び自動二輪車などの車両も含まれる。車両200に搭載されたスピーカ22bから通知情報を出力しても、通知情報が自動車及び自動二輪車のユーザに伝わりにくい可能性がある。そこで、サーバ1は、進入予測物体の属性に応じて、車載システム2の出力装置22から出力される通知情報の出力形態が変更されるように、通知データを生成してもよい。具体的には、進入予測物体が自動車及び自動二輪車などの車両の場合、出力装置22の発光装置22aのみから通知情報を出力する。一方、進入予測物体が歩行者及び自転車などの非車両の場合、出力装置22の発光装置22a及びスピーカ22bの双方から通知情報を出力する。
【0073】
図3Bを参照するに、ステップS51の処理では、先行するステップS41の処理で移動範囲520への進入が予測されているか否かを判断する。移動範囲520への進入が予測されている場合には、ステップS38の処理に戻る。
【0074】
先行するステップS41の処理で移動範囲520への進入が予測されていない場合(ステップS41:NO、又はステップS51:NO)、サーバ1は、車載システム2に停止指示を送信する(ステップS52)。サーバ1から送信された停止指示が車載システム2によって受信されると(ステップS52)、車載システム2は、移動範囲520の表示を停止する(ステップS53)。
【0075】
そして、進入予測物体について確認範囲500への進入が予測されない場合(ステップS54:NO)、サーバ1は、車載システム2に発車指示を送信する(ステップS55)。発車指示が車載システム2によって受信されると(ステップS55)、車載システム2は、発車が可能である旨の指示を、自動運転システムに通知する(ステップS56)。
【0076】
一方、進入予測物体について確認範囲500への進入が予測される場合(ステップS54:YES)、ステップS14の処理に戻る。
【0077】
このように本実施形態の車両支援装置であるサーバ1によれば、停車中の車両200にとって影響のある範囲に判定範囲(具体的には、確認範囲500及び移動範囲520)を設定することができる。そして、範囲データ及び通知データが、出力装置22を含む車載システム2及び出力装置32を含む物体側システム3に送信されるので、これらの出力装置22、32から、進入予測物体に対して判定範囲及び通知情報を報知することができる。これにより、進入予測物体が判定範囲に進入することを抑制することができるので、車両200をスムーズに発車させることができる。車両200の発車が遅くなることを抑制することができるので、周囲の交通へ与える影響を抑制することができる。
【0078】
本実施形態のサーバ1によれば、車載システム2の発光装置22aにより判定範囲を表示さることができる。これにより、進入予測物体は、車両200の周囲に判定範囲を視認することができるので、判定範囲を具体的に認識することができる。したがって、進入予測物体が判定範囲へ進入することを抑制することができる。なお、判定範囲の表示は、車載システム2の発光装置22aによって行うことに限らず、物体側システム3のディスプレイ32aにより行ってもよい。この場合、判定範囲のみならず、車両200を示すシンボル、進入予測物体を示すシンボルをそれぞれ表示することが好ましい。
【0079】
本実施形態のサーバ1によれば、車載システム2の発光装置22aにより、又は物体側システム3のディスプレイ32aにより、通知情報を出力させることができる。これにより、車両200の周囲、又は進入予測物体の近傍に通知情報が出力される。進入予測物体に対して判定範囲への進入について注意を喚起することができるので、進入予測物体が判定範囲へ進入することを抑制することができる。
【0080】
本実施形態のサーバ1によれば、車載システム2のスピーカ22b、又は物体側システム3のスピーカ32bにより、通知情報を出力させることができる。これにより、車両200の周囲、又は進入予測物体の近傍に通知情報が出力される。進入予測物体に対して判定範囲への進入について注意を喚起することができるので、進入予測物体が判定範囲へ進入することを抑制することができる。
【0081】
本実施形態のサーバ1によれば、進入予測物体が判定範囲へと進入するタイミングよりも一定時間だけ先行して、進入予測物体に対して通知情報を出力することができる。これにより、進入予測物体の移動速度に係わらず、進入予測物体が判定範囲へ進入することを適切に抑制することができる。
【0082】
本実施形態のサーバ1によれば、通知情報の出力形態は、進入予測物体の属性に応じて変更されている。進入予測物体の属性に応じた出力形態で、通知情報を出力することができるので、進入物体に対して通知情報を適切に報知することができる。
【0083】
本実施形態のサーバ1によれば、通知情報は、進入予測物体と車両200との距離が近いほど強調して出力される。進入予測物体に対して、判定範囲へと進入する蓋然性の高さを感覚的に認識させることができるので、進入予測物体が判定範囲へ進入することを効果的に抑制することができる。
【0084】
また、本実施形態に開示する車両支援システム及び車両支援方法によれば、サーバ1(車両支援装置)と同様、進入予測物体は、出力装置22、32から、判定範囲及び通知情報を認識することができる。これにより、進入予測物体が判定範囲に進入することを抑制することができるので、車両200をスムーズに発車させることができる。したがって、車両200の発車が遅くなることを抑制することができ、周囲の交通へ与える影響を抑制することができる。
【0085】
なお、上述した実施形態では、車両支援システムが、サーバ1、車載システム2、及び物体側システム3から構成されている。しかしながら、サーバ1を省略し、サーバ1のコントローラ15が実現する機能を、車載システム2のコントローラ25が担ってもよい。この場合、入出力インターフェース21が、車両200の周囲の物体を検出する装置から検出データを受け取るデータ受信部となる。また、通信インターフェース20及び入出力インターフェース21が、範囲データ及び前記通知データを、車両200の出力装置22又は進入予測物体の出力装置32に送信するデータ送信部となる。
【0086】
また、上述した実施形態では、サーバ1は、車両200に近づく物体300から進入予測物体を抽出し、その進入予測物体を対象とする通知情報を出力装置から出力している。しかしながら、サーバ1は、車両200から降車したユーザを対象に通知情報を出力してもよい。たとえば、車両200から降車したユーザが危険範囲510に存在する場合、出力装置から通知情報を出力するといった如くである。
【0087】
また、上述した実施形態では、車載システム2が物体検出装置24を備える構成となっている。しかしながら、物体検出装置24は、車両200の外部に設けられる装置であってもよい。
【0088】
また、上述した実施形態では、通知情報を車載システム2及び物体側システム3の双方から出力している。しかしながら、通知情報の出力は、車載システム2のみで行ってもよいし、物体側システム3のみで行ってもよい。
【0089】
また、上述した実施形態では、ソフトウェアによってコントローラが備える複数の情報処理回路を実現する例を示したが、もちろん、各情報処理回路の機能を実現するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
【0090】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0091】
1 サーバ(車両支援装置)
10 通信インターフェース(データ入力部、データ出力部)
15 コントローラ(範囲設定部(15a)、物体特定部(15b)、物体抽出部(15c)、データ生成部(15d)、出力制御部(15e))
2 車載システム
20 通信インターフェース
21 入出力インターフェース
22 出力装置(発光装置(22a)、スピーカ(22b))
23 位置推定装置
24 物体検出装置
3 物体側システム
30 通信インターフェース
31 入出力インターフェース
32 出力装置(ディスプレイ(32a)、スピーカ(32b))