(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】画像形成装置の操作設定方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20241010BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241010BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241010BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H04L67/00
B41J29/38 202
B41J29/38 203
G06F3/12 305
G06F3/12 353
G06F3/12 392
H04N1/00 127B
(21)【出願番号】P 2021049633
(22)【出願日】2021-03-24
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】佐枝 政夫
(72)【発明者】
【氏名】中井 康博
(72)【発明者】
【氏名】村上 光一
(72)【発明者】
【氏名】早野 康友
(72)【発明者】
【氏名】松尾 恵美子
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-086412(JP,A)
【文献】特開2019-207513(JP,A)
【文献】特開2020-172049(JP,A)
【文献】松浦 法子,LINE公式アカウント 集客・販促ガイド,初版,株式会社 翔泳社,2020年02月10日,p.163-170
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
B41J 29/38
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の操作方法をユーザが携帯端末からチャットボットにアクセスして質問する、画像形成装置の操作設定方法であって、
前記チャットボットから送信される、前記質問に対する回答を前記携帯端末で受信する受信ステップ、
前記受信した前記回答に付随する操作設定データを前記携帯端末から前記画像形成装置に送信する送信ステップ、および
前記画像形成装置において前記携帯端末から送信された操作設定データを設定する操作設定ステップを含む、画像形成装置の操作設定方法。
【請求項2】
前記画像形成装置は、前記ユーザが設定した操作設定データを記憶し、
前記携帯端末から送信された操作設定データと前記記憶している前記ユーザが設定した操作設定データとの重複を判定する判定ステップをさらに含み、
重複している操作設定データに関して、前記携帯端末から送信された操作設定データおよび前記記憶している前記ユーザが設定した操作設定データのどちらかを前記ユーザに選択させる選択ステップをさらに含む、請求項
1記載の画像形成装置の操作設定方法。
【請求項3】
前記画像形成装置において前記ユーザが希望するジョブを完了するための操作設定データの未設定項目を検知する検知ステップ、および
前記未設定項目を表示してユーザに設定させる未設定項目設定ステップをさらに含む、請求項1
または2記載の画像形成装置の操作設定方法。
【請求項4】
前記未設定項目設定ステップは、前記未設定項目をユーザに設定させるために、前記未設定項目を前記携帯端末に表示するステップを含む、請求項
3記載の画像形成装置の操作設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置の操作方法に関し、特にたとえば、チャットボットを利用してユーザを支援する、画像形成装置の操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の背景技術の一例が特許文献1に開示される。背景技術のメッセージサービスシステムは、ユーザが利用するユーザ端末およびチャットサービスサーバを含み、ユーザは、ユーザ端末を操作してクラウド上のチャットサービスサーバにアクセスし、チャットボットとメッセージをやり取りして、チャットボットに対してプリントサービス等のサービスを実行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術のようなチャットボットを用いたユーザサポートサービスでは、チャットボットを通じて操作設定を教えて貰うことはできるが、ジョブを実行するためには、ユーザは画像形成装置を再度操作する手間が掛かる、等の問題があった。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、画像形成装置の操作設定方法を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、チャットボットを用いたユーザサポートサービスにおいて、ユーザの手間を可及的減じることができる、画像形成装置の設定操作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の実施形態は、画像形成装置の操作方法をユーザが携帯端末からチャットボットにアクセスして質問する、画像形成装置の操作設定方法であって、チャットボットから送信される、質問に対する回答を携帯端末で受信する受信ステップ、携帯端末から受信した回答に付随する操作設定データを画像形成装置に送信する送信ステップ、および画像形成装置において携帯端末から送信された操作設定データを登録する操作設定ステップを含む、画像形成装置の操作設定方法である。
【0008】
第1の実施形態によれば、画像形成装置でのジョブの実行に必要な操作設定がチャットボットによって行われるので、ユーザの手間を可及的減じることができる。
【0010】
第2の実施形態は、第1の実施形態に従属する画像形成装置の操作方法であって、画像形成装置は、ユーザが設定した操作設定データを記憶し、携帯端末から送信された操作設定データと記憶しているユーザが設定した操作設定データとの重複を判定する判定ステップをさらに含み、重複している操作設定データに関して、携帯端末から送信された操作設定データおよび記憶しているユーザが設定した操作設定データのどちらかをユーザに選択させる選択ステップをさらに含む。
第2の実施形態によれば、チャットボットを通して携帯端末から受信した操作設定データと、ユーザが元々設定していた操作設定データとの重複がある場合、ユーザに選択させるので、ユーザが設定している操作設定データを優先的に設定することができ、ジョブにユーザの意図を反映し易い。
【0011】
第3の実施形態は、第1または第2の実施形態に従属する画像形成装置の操作設定方法であって、画像形成装置においてユーザが希望するジョブを完了するための操作設定データの未設定項目を検知する検知ステップ、および未設定項目を表示してユーザに設定させる未設定項目設定ステップをさらに含む。
第3の実施形態によれば、未設定項目をユーザに知らせ、必要ならユーザに設定させるようにしたので、ジョブを確実に実行することができる。
【0012】
第4の実施形態は、第3の実施形態に従属する画像形成装置の操作設定方法であって、未設定項目設定ステップは、未設定項目をユーザに設定させるために、未設定項目を携帯端末に表示するステップを含む。
第4の実施形態によれば、携帯端末で、未設定部分を表示するので、画像形成装置のディスプレイで表示するより、ユーザが見易くなるという利点がある。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、チャットボットを用いたユーザサポートサービスにおいて、画像形成装置でのジョブの実行に必要な操作設定がチャットボットによって行われるので、ユーザの手間を可及的減じることができる。
【0014】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1はこの発明の一実施例である画像処理システムの構成を示す図解図である。
【
図2】
図2は
図1に示す画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は
図1に示す携帯端末の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4はホーム画面の一例を示す図解図である。
【
図5】
図5は第1設定画面の一例を示す図解図である。
【
図6】
図6は接続用ウインドウを含む操作画面の一例を示す図解図である。
【
図7】
図7はチャット画面の一例を示す図解図である。
【
図8】
図8は質問入力後のチャット画面の一例を示す図解図である。
【
図9】
図9は
図2に示す画像形成装置のRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【
図10】
図10は
図3に示す携帯端末のRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【
図11】
図11は
図1に示すサーバのRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【
図15】
図15は第2実施例における切替選択ウインドウ(切替選択画面)の一例を示す図解図である。
【
図16】
図16は第2実施例における
図3に示す携帯端末の動作の一例を示すフロー図である。
【
図17】
図17は
図16実施例においてコールセンタ端末のオペレータとチャットする動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施例]
図1を参照して、この発明の一実施例の画像処理システム10はサーバ(情報処理装置)12、画像形成装置14、携帯端末16およびコールセンタ端末80を含む。サーバ12は、インターネットまたはLANのようなネットワーク18を介して、画像形成装置14、携帯端末16およびコールセンタ端末80と通信可能に接続される。
【0017】
サーバ12は、チャットボットを実行する汎用のサーバであり、CPU12a、RAM12bおよび通信モジュールなどのコンポーネントを備える。また、サーバ12は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROMなどの不揮発性メモリまたはSSDのような半導体メモリで構成される記憶部を備える。
【0018】
画像形成装置14は、複写(コピー)機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ(FAX)機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。この実施例では、画像形成装置14は、パブリックスペースに設置されて不特定多数の者(ユーザ)により使用される。パブリックスペースとしては、スーパーマーケット、レストランまたはコンビニエンスストアなどの店舗あるいは駅、バスターミナル、空港、役所または図書館などの公共施設などが考えられる。
【0019】
なお、コールセンタ端末80は、チャットボットによる質問と回答だけでは問題が解決しない場合に、コールセンタのオペレータが回答するときに使用する汎用のコンピュータ(端末)であり、たとえば、デスクトップPC、ノート(ラップトップ)PCおよびタブレットPCなどが該当する。このようなコールセンタ端末80は、図示しないが、入力装置としてキーボードやマウスを含み、出力装置としてディスプレイなどを含む。
【0020】
図2は
図1に示す画像形成装置14の電気的な構成を示すブロック図である。
図2を参照して、画像形成装置14はCPU22を含む。CPU22には、バス20を介してRAM24、補助記憶部26、入力制御回路28、表示制御回路30、符号読取部32、紙片用プリンタ34、写真用プリンタ36、近距離通信部38、画像読取部40、画像形成部42、記憶媒体接続部44、貨幣処理部46、人検出センサ48および通信部50が接続される。また、入力制御回路28には入力装置52が接続され、表示制御回路30にはディスプレイ54が接続される。
【0021】
CPU22は、画像形成装置14の全体的な制御を司る。RAM24は、CPU22の主記憶部であり、ワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
【0022】
補助記憶部26は、CPU22が画像形成装置14の各コンポーネントの動作を制御するための制御プログラムおよび各種データなどを記憶する画像形成装置14の補助記憶装置である。ただし、補助記憶部26としては、HDD等のメモリが用いられる。これらのことは、後述する補助記憶部66および補助記憶部86も同様である。
【0023】
入力装置52は、ユーザの入力操作(ユーザ操作)を受け付けるための装置であり、たとえばタッチパネルおよびハードウェアの操作ボタンないし操作キー(ハードウェアキー)等を含む。タッチパネルは、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。また、タッチパネルは、ディスプレイ54の表示面上に設けられても良いし、ディスプレイ54とは別に設けられてもよい。ただし、タッチパネルがディスプレイ54と一体的に形成されたタッチディスプレイが設けられてもよい。タッチパネルがディスプレイ54の表示面上に設けられる場合、ディスプレイ54には、アイコンなどのソフトウェアキーを含むグラフィカルユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)が表示され、GUIを介してユーザ操作を受け付ける。
【0024】
なお、ソフトウェアキーとは、たとえばディスプレイの表示面にソフトウェア的に再現されたキーまたはアイコンのことを言う。これに対して、ハードウェアキーとは、物理的な装置として設けられたキーまたは押しボタンのことを言う。
【0025】
入力制御回路28は、入力装置52の操作に応じた操作信号ないし操作データをCPU22に出力する。たとえば、入力制御回路28は、入力装置52に含まれるタッチパネルに必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネルのタッチ有効範囲内でタッチ操作(タッチ入力)が行われると、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU22に出力する。また、入力制御回路28は、入力装置52に含まれる操作ボタンまたはハードウェアキーの操作に応じた操作信号ないし操作データをCPU22に出力する。
【0026】
表示制御回路30は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU22の指示の下、GPUは、RAM24に記憶された画像生成データを用いてディスプレイ54に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイ54に出力する。ディスプレイ54としては、LCDまたはELディスプレイなどを用いることができる。
【0027】
符号読取部32は、たとえばレーザスキャナまたはカメラなどを含み、商品、カード、レシートなどに付された符号または携帯端末16の画面に表示された符号(符号画像)などを読み取ることができる。符号読取部32で読み取ることができる符号には、バーコード(1次元バーコード)または2次元コード(たとえばQRコード(登録商標)、マイクロQRコード、DataMATRIX、MaxiCODEおよびVeriCODEなど)などがある。
【0028】
紙片用プリンタ34は、たとえばサーマルプリンタ(感熱式プリンタ)またはドットインパクトプリンタであり、レシート、領収書、ジャーナルまたはクーポン券などの画像が印刷された紙片を発行する。具体的には、紙片用プリンタ34は、ロール紙上に各種の文字列、画像、コードパターン(バーコードなど)などを印刷し、印刷済の紙片を排出する。
【0029】
写真用プリンタ36は、たとえば昇華型プリンタまたはインクジェットプリンタであり、写真用の用紙(写真用紙)上に画像を印刷する。写真用プリンタ36で印刷された写真は、画像形成装置14の側面に設けられる写真排出部に排出される。ただし、用紙上に画像を形成するための画像データとしては、記憶媒体接続部44に接続された記憶媒体に記憶された画像データ、または外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。
【0030】
近距離通信部38は、たとえば、ISO/IEC18092等の通信規格(いわゆるNFC(Near Field Communication))等に従って、ICカード(身分証、会員証または社員証など)またはユーザ端末等の通信対象との間で無線による非接触のデータ通信を行うものである。近距離通信部38の通信可能距離は、数cm~数m程度である。たとえば、近距離通信部38は、通信対象に対して、通信対象に記憶されたデータの読み出しを指示する信号(読出し命令)を送信する。この場合、通信対象は、読出し命令に対する応答として所望のデータを近距離通信部38に送信する。また、近距離通信部38は、通信対象に書き込むデータ(書き込みデータ)とともに書き込みを指示する信号(書き込み命令)を送信する。この場合、通信対象は、書き込み命令に従って、受信した書き込みデータを通信対象の記憶部に書き込む(記憶する)。
【0031】
画像読取部40は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える。この画像読取部40は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度および色度が検出され、原稿表面の画像に基づく読取画像データが生成される。
【0032】
画像形成部(印刷装置)42は、汎用のレーザプリンタであり、感光体、帯電器、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置などを備え、印刷画像データに対応する画像(印刷画像)を記録紙(用紙)などに印刷する。ただし、画像形成部42は、レーザプリンタに限定されず、インクジェットプリンタで構成されてもよい。
【0033】
なお、詳細な説明は省略するが、画像形成部42は、カラーのプリント機能を備えており、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色について、感光体、帯電器および現像装置等を含む画像形成ステーションが構成される。
【0034】
記憶媒体接続部44は、各種の記憶媒体を装着するための装着部(たとえばドライブおよびメモリスロット)を含む。たとえば、記憶媒体は、光ディスク(たとえばCD-R、DVD-RおよびBD-Rなど)およびフラッシュメモリ(たとえばUSBメモリ、SDメモリカードおよびメモリースティックなど)などである。ただし、光ディスクは、ドライブに装着され、フラッシュメモリは、メモリスロットに装着される。
【0035】
貨幣処理部46は、貨幣投入部および硬貨返却口を含む。貨幣投入部は、硬貨投入口、紙幣投入口および釣銭返却レバー等を含む。硬貨投入口から投入された硬貨および紙幣投入口から投入された紙幣は、それぞれ種類毎に分類されて所定の貨幣格納部に収容される。貨幣格納部は、硬貨用の格納部および紙幣用の格納部を含む。硬貨または紙幣が投入されると、硬貨用の格納部に収容された硬貨の種類および枚数と、紙幣用の格納部に収容された紙幣の種類および枚数とに応じて、投入金額が算出される。画像形成装置14において所定のサービス等が実行されると、そのサービスの内容に応じた費用が投入金額から減算され、投入金額の残高が算出される。また、釣銭返却レバーが操作されると、投入金額の残高に応じて、硬貨または紙幣が返却される。ただし、硬貨は、硬貨返却口から返却され、紙幣は、紙幣投入口から返却される。
【0036】
人検出センサ48は、画像形成装置14の前方に設定される所定の領域(区域)に、人(ユーザ)が存在するかどうかを検出するためのセンサであり、たとえば距離センサである。たとえば、距離センサとしては、赤外線センサ、超音波センサおよびレーザ距離センサ等が用いられる。この距離センサは、距離データをCPU22に出力する。CPU22は、人検出センサ48から出力された距離データが示す距離が所定の領域を規定する所定距離以内であるかどうかに応じて、画像形成装置14の前方の所定領域に人が存在するかどうかを判断する。
【0037】
通信部50は、ネットワーク18に接続するための通信回路である。この通信部50は、有線通信回路または無線通信回路を含み、CPU22からの指示に従って、公知の通信規格に準拠した通信方式に基づき、ネットワーク18を介して、サーバ12、携帯端末16およびコールセンタ端末80等の外部コンピュータ(外部端末)と通信する。ただし、通信部50は、ネットワーク18を介さずに、無線(たとえば赤外線方式、WiFi(登録商標)方式またはブルートゥース(Bluetooth;登録商標)方式)で、携帯端末16などの他の外部コンピュータと直接通信することも可能である。
【0038】
なお、
図2に示す画像形成装置14の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定されない。
【0039】
携帯端末16は、たとえば、汎用のスマートフォン、フューチャーフォンまたはタブレットPCなどの持ち運びが可能な携帯型(可搬型)の端末(携帯端末)であり、たとえば通話機能、電子メール機能、ブラウザ機能などの様々な機能を備える。また、携帯端末16としては、ユーザが所持する端末に限定されず、画像形成装置14の設置場所(店舗等)に備え付けられる端末を用いることもできる。
【0040】
図3は
図1に示す携帯端末16の電気的な構成を示すブロック図である。
図3を参照して、携帯端末16はCPU62を含む。CPU62には、バス60を介してRAM64、補助記憶部66、タッチパネル制御回路68、表示制御回路70、カメラ72および通信部74が接続される。また、タッチパネル制御回路68にはタッチパネル76が接続され、表示制御回路70にはディスプレイ78が接続される。
【0041】
CPU62は、携帯端末16の全体的な制御を司る。RAM64は、CPU62のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。補助記憶部66は、携帯端末16の補助記憶装置である。
【0042】
タッチパネル制御回路68は、タッチパネル76に必要な電圧などを付与するとともに、タッチ入力が検出されると、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU62に出力する。
【0043】
表示制御回路70は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU62の指示の下、GPUは、RAM64に記憶された画像生成データを用いてディスプレイ78に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイ78に出力する。
【0044】
カメラ72は、撮像素子(イメージセンサ)および位置の調節が可能なフォーカスレンズを有し、撮像素子から取り込んだ可視光としての撮像光を、電気信号へと変換することによって撮像を行う。この撮像素子の例としては、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子が挙げられる。カメラ72から出力された撮影画像データは、RAM64に記憶される。
【0045】
通信部74は、ネットワーク18に接続するための無線通信回路を含み、CPU22からの指示に従って、ネットワーク18を介して、サーバ12、画像形成装置14およびコールセンタ端末80等の外部コンピュータと通信する。ただし、通信部74は、画像形成装置14の通信部90(
図2)と同じように、無線方式等で、携帯端末16などの他の外部コンピュータと直接通信することも可能である。ネットワーク18を介さずに、画像形成装置14などの他の外部コンピュータと直接通信することも可能である。また、通信部74は、携帯電話基地局との間で無線通信を行い、電話通信可能な他の端末装置との音声通話を実現させることも可能である。
【0046】
なお、
図3に示す携帯端末16の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。また、図示は省略するが、携帯端末16は、音声入出力部を含む。音声入出力部は、スピーカおよびマイク(マイクロフォン)を含む。スピーカは、電話の着信および電子メールの受信をユーザに報知するための着信音などのサウンドや、電話通信による音声通話時の相手側電話装置からの音声を出力する。マイクには、電話通信による音声通話時にユーザの音声が入力される。さらに、携帯端末16には、他の入力手段として、ハードウェアの操作ボタンが設けられることがある。
【0047】
上述したように、画像形成装置14は、ディスプレイ54に表示されるGUIを介して入力装置52へのユーザ操作を受け付ける。たとえば、画像形成装置14の動作条件を設定するための複数の操作画面(設定画面)をユーザに提示し、各操作画面で設定された内容(動作条件)に応じて、サービスが提供される。
【0048】
たとえば、画像形成装置14の主電源がオンされて、各機能を実行可能な待機状態にある場合、画像形成装置14のディスプレイ54には、
図4に示すようなホーム画面100が表示される。
【0049】
ホーム画面100は、実行されるサービスを選択するための操作画面である。このホーム画面100には、サービスを選択するための、ソフトウェアキーとして機能する複数の選択アイコン102が表示される。
【0050】
複数の選択アイコン102の各々には、「コピー」、「スマホからプリント」、「記録メディアからプリント」、「ファクス」、「スキャン」、「写真・文書プリント」、「ネットワークプリント」および「行政サービス」等の、画像形成装置14で提供可能なサービスが割り当てられている。
【0051】
なお、「スマホからプリント」のサービスは、スマートフォン等の携帯端末に記憶されている画像データを利用するプリントサービスのことであり、「記録メディアからプリント」のサービスは、記憶媒体に記憶された画像データを利用するプリントサービスのことであり、「ネットワークプリント」のサービスは、外部コンピュータ(ネットワークプリントサービス用のサーバ)から送信された画像データを利用するプリントサービスのことである。さらに、「行政サービス」は、行政証明書を印刷するプリントサービスのことである。また、コピーサービスには、書類などの原稿の画像を通常用紙にコピー(複写)するサービス(通常コピーサービス)、および写真の画像を写真用紙にコピーするサービス(写真コピーサービス)などが含まれる。
【0052】
ホーム画面100において選択アイコン102が操作された場合、すなわち、実行されるサービスが選択された場合、ディスプレイ54には、選択されたサービスの動作条件を設定するための複数の操作画面が順次表示される。以下、コピーサービスが選択された場合を例に挙げて説明する。
【0053】
ホーム画面100においてコピーサービスが割り当てられた選択アイコン102が操作される(コピーサービスが選択される)と、ディスプレイ54には、コピーサービスの動作条件(コピー条件)の設定を行うための複数の操作画面(コピー設定画面)が順次表示される。
図5に示す第1設定画面120は、コピー設定画面の一例であり、コピーサービスの動作条件の設定を行うための複数の操作画面のうちの1つの画面(たとえば最初に表示される画面)である。
【0054】
第1設定画面120は、コピーサービスにおけるカラーモード(カラー条件)を設定するための画面であり、通知文122、設定部124および遷移アイコン126を含む。
【0055】
通知文122は、たとえば「カラーの種類を選んで、「つぎへ」を押してください。」のように、ユーザに、コピーサービスにおけるカラー条件の設定(選択)およびカラー条件が設定された場合に次の画面への遷移を促すためのメッセージである。
【0056】
設定部124は、コピーサービスにおけるカラー条件(カラー/白黒)を設定するために設けられており、互いに異なるカラー条件(カラー/白黒)が割り当てられた複数の設定アイコンを含む。これらの設定アイコンのいずれかが操作されることによって、コピーサービスにおけるカラー条件が設定される。
【0057】
遷移アイコン126は、次の操作画面に進む(画面遷移する)ための操作アイコンである。遷移アイコン126が操作されると、ディスプレイ54にはそれまで表示されていた操作画面の次の操作画面が表示される。
【0058】
たとえば、第1設定画面120では、遷移アイコン126が操作されると、ディスプレイ54には、カラー条件以外のコピーサービスの動作条件(用紙サイズ、倍率、部数等)の設定を行うための種々の操作画面が順次表示される。各操作画面に割り当てられたコピーサービスの動作条件が設定され、コピーサービスの動作条件の設定が完了し、ソフトウェアキーまたはハードウェアキーとして設けられるスタートキーが押下されると、各設定画面で設定された動作条件に従って、コピーサービスが実行される。
【0059】
以上、コピーサービスが選択された場合を例に挙げて説明したが、コピーサービス以外のサービスが選択された場合も同様に、動作条件の設定を行うための種々の操作画面が順次表示される。
【0060】
ここで、画像形成装置14に不慣れなユーザは、画像形成装置14のサービス内容または操作方法が分からないことがある。このようなユーザを支援するためのサービスとして、チャットボット(chatbot)機能によるユーザ支援サービス(チャットボットサービス)がある。なお、チャットとは、テキストのやりとりによってリアルタイムに対話を行うことを意味し、チャットボットサービスとは、人工知能等のAI技術を用いることによって、ユーザの問い合わせ内容(質問)に対しチャットボットが自動的に応答するサービスのことである。このようなチャットボット機能は、自動会話機能、自動応答機能、あるいは自動対応機能などと呼ばれることもある。
【0061】
また、AI技術を用いたチャットボットは、「機械学習型」と呼ばれ、日々学習していくので統計的データ、アルゴリズムから最適な回答を返す。また、人間の話し言葉である自然言語や、似たような言葉の揺れにも対応可能である。
【0062】
一方、AIを搭載していないチャットボットは「シナリオ型」と呼ばれ、予め設定したシナリオに沿って回答を返す。
【0063】
自動的に応答するのが困難な質問や、シナリオに一致しない質問への回答ができないケースも想定されるが、そのような場合においては、オペレータが代わりに直接質問への回答を行うことで対応できる。
【0064】
図1実施例の画像処理システム10では、チャットボットサービスを開始(起動)させるための所定の操作(以下、「起動操作」ということがある。)があった場合またはチャットボットサービスの起動条件を満たした場合に、
図6に示すように、チャットボットサービスを起動するための接続用ウインドウ138がディスプレイ54に表示される。接続用ウインドウ138は、ディスプレイ54にそれまで表示されていた操作画面の前面に重なって、ディスプレイ54の表示領域の中央部に表示される。すなわち、接続用ウインドウ138は、ポップアップで表示される。なお、
図6は、第1設定画面120の前面に接続用ウインドウ138が表示される場合を示している。
【0065】
起動操作としては、各操作画面に設けられる操作アイコン(たとえば設定部124および遷移アイコン126)以外の部分における所定のタッチ操作が該当する。起動操作としてのタッチ操作には、所定時間以上のロングタップ(長押し)、スライド(ドラッグ)、フリック、ダブルタッチ、ピンチインおよびピンチアウト等が含まれる。また、チャットボットサービスの起動条件としては、ユーザが画像形成装置14の周囲の所定範囲内に留まっており、かつ、画像形成装置14の各部のいずれも操作されない状態が所定時間継続すること等が該当する。なお、ユーザが画像形成装置14の周囲の所定範囲内に留まっているかどうかは、人検出センサ48の出力(距離データ)に応じて判断される。
【0066】
接続用ウインドウ138には、通知文140、符号画像142および接続先情報144が表示される(設けられる)。ただし、接続用ウインドウ138は、表示された時点から所定時間(たとえば180~300秒)経過したときに、非表示にされる。
【0067】
通知文140は、たとえば「チャットボットのコードを読み取るか、チャットボットのURLにアクセスしてください。」のように、符号画像142を携帯端末16で読み取ることまたは接続先情報144が示す接続先にアクセスすることを促すためのメッセージである。なお、接続先情報144は、チャットボット機能を有する(チャットボットサービスを提供する)サーバ12のURL(Uniform Resource Locator)を示す文字列等を含む。
【0068】
符号画像142は、たとえばバーコードまたは2次元コードである。この符号画像142には、起動用データが埋め込まれている。起動用データには、チャットボットサービスを提供するサーバ(本実施例ではサーバ12)にアクセスするための接続用データおよび画像形成装置14の識別情報のデータ(画像形成装置識別データ)等が含まれる。接続用データとしては、たとえばサーバ12のURLのデータ等が該当する。画像形成装置識別データとしては、他の装置ないし端末で画像形成装置14を識別するための情報、たとえば画像形成装置14のIDのデータまたは画像形成装置14の配置場所の情報のデータ等が該当する。
【0069】
接続用ウインドウ138がディスプレイ54に表示された状態で、携帯端末16において符号画像142を読み取るための所定のアプリケーションが起動され、カメラ72で符号画像142が撮影されると、携帯端末16は、撮影画像から符号画像142を抽出して、抽出された符号画像142を復号する。
【0070】
携帯端末16は、符号画像142を復号すると、符号画像142に埋め込まれた起動用データを取得し、起動用データに従って、チャットボットサービスを提供するサーバ12へのアクセスを開始する。すなわち、携帯端末16とサーバ12との通信が開始される。
【0071】
携帯端末16とサーバ12との通信が開始されると、携帯端末16は、サーバ12の記憶部にアクセスして、チャットボットサービスの操作画面のデータ(操作画面データ)を取得する。携帯端末16がチャットボットサービスの操作画面データを取得すると、
図7に示すように、携帯端末16のディスプレイ78には、チャットボットサービスの操作画面(チャット画面)180が表示される。
【0072】
チャット画面180は、チャットボットとのテキストのやりとりを行うための画面であり、通知文182、および質問入力部(文字入力部)184を含む。
【0073】
通知文182は、たとえば「質問を入力してください。自動で回答します。」のように、ユーザに質問の入力を促し、質問に対し自動で回答することを通知するためのメッセージである。質問入力部184は、ユーザが質問の内容(質問文)を入力するための入力欄(テキストボックス)である。質問入力部184に質問の内容が入力された状態で、所定の操作(文字入力アプリケーションに含まれるエンターキーの操作等)を受け付けると、質問が確定する。
【0074】
なお、この実施例では、チャットボットでの質問に対する回答文に付随する、操作設定データを画像形成装置14にそのまま設定できるようにしているので、通知文182として、さらに「チャットボットからの操作設定データを設定することを希望するときは、下のボタンを操作してください。」という文言を表示する。
【0075】
そこで、チャット画面180は、さらに、設定ボタン186が表示される。したがって、ユーザは、チャットボットからの操作設定データを画像形成装置14にそのまま設定することを希望するときは、この設定ボタン186を操作すればよい。他方、この設定ボタン186が操作されていないときには、チャットボットから回答文に付随する操作設定データがあっても、その操作設定データが画像形成装置14に設定されることはない。
【0076】
また、チャット画面180には、ユーザの疑問が解消したとき、つまり追加の質問がないとき、そのことをユーザが示すために操作する、遷移アイコン187が設定(表示)される。
【0077】
質問入力部184に質問が入力され、質問が確定されると、質問のデータ(質問データ)が携帯端末16からサーバ12に送信され、サーバ12において質問に対する回答(回答文)が生成される。質問に対する回答が生成されると、回答のデータ(回答データ)がサーバ12から質問元の携帯端末16に送信(返信)される。
図8に示すように、携帯端末16は、回答データを受信すると、回答データに従って回答文188を表示する。なお、複数の質問がされた場合には、それぞれの質問に対して回答文188が表示される。
【0078】
なお、入力された質問に対してチャットボットが自動的に回答する方法については、本件出願人による特開2019‐128914号公報に記載されているので、参照されたい。簡単に説明すると、まず、想定し得る質問文(登録文)と、各登録文に対する回答文を予めQ&Aデータベース504d(
図11)に登録(記憶)しておく。その上で、ユーザによって入力された質問文から、質問文の主語または目的語である話題語と、当該話題語に対応する述語とを抽出し、質問文に話題語が含まれている場合、話題語、述語、及び当該話題語及び述語の関連語を検索ワードとして、ユーザの質問文に関連する登録文を検索し、検索ワードに対し最も関連度が高い登録文に対する回答文をユーザの質問文に対する回答文として選択する。
【0079】
なお、この実施例では、サーバ12は、上記のような回答文に付随して、画像形成装置14において質問のあったジョブを実行するために必要な操作設定データも上述のQ&Aデータベース504d(
図11)から抽出して、回答文とともに返送するようにしている。
【0080】
簡単にいうと、この実施例では、たとえばパブリックスペースに設置されている画像形成装置14のユーザが自分が実行したいジョブについて、操作方法がわからないとき、自分の携帯端末16からチャットボットへアクセスし、サーバ12からの回答文を受信する。このとき、その回答文に操作設定データが付随して送信され、携帯端末16で受信される。その受信した操作設定データが選択的に画像形成装置14の操作設定データとして設定されることによって、上記ジョブを実行されるのである。
【0081】
図9は
図2に示す画像形成装置14のRAM24のメモリマップ300の一例を示す図解図である。
図9に示すように、RAM24は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。RAM24のプログラム記憶領域302には、上述したように、OS(Operating System)を含む画像形成装置用の制御プログラムが記憶される。この画像形成装置用の制御プログラムは、通信プログラム302a、操作検出プログラム302b、表示プログラム302c、起動用データ生成プログラム302dおよび符号画像生成プログラム302eを含む。
【0082】
通信プログラム302aは、ネットワーク18を介して、サーバ12、携帯端末16およびコールセンタ端末80等の外部コンピュータないし他の機器とデータを通信(送受信)するためのプログラムである。また、通信プログラム302aに従って、画像形成装置14は、無線方式等で、携帯端末16と直接通信することもできる。
【0083】
操作検出プログラム302bは、入力装置52に含まれる操作ボタンおよびタッチパネルへのユーザの操作入力を検出するためのプログラムである。CPU22は、操作検出プログラム302bに従って、ユーザが操作ボタンを操作したことによる操作データないし操作信号を検出したり、タッチパネルを操作したことにより入力されるタッチ座標データを検出したりする。
【0084】
表示プログラム302cは、後述する画像生成データ304bを用いて、表示画像データ、すなわち、上述した各種の操作画面などの画面データを生成し、ディスプレイ54に出力するためのプログラムである。また、表示プログラム302cは、後述する符号画像データに従って符号画像をディスプレイ54に出力するためのプログラムでもある。
【0085】
起動用データ生成プログラム302dは、携帯端末16等においてチャットボットサービスを起動するための、接続用データおよび画像形成装置識別データ等を含む起動用データを生成するためのプログラムである。
【0086】
符号画像生成プログラム302eは、起動用データが埋め込まれた符号画像を生成するためのプログラムである。
【0087】
さらに、操作設定プログラム302fは、後述するように、(チャットボット)サーバ12から携帯端末16を通して入力される操作設定データに含まれる必要な操作設定データを操作設定データ304g(後述)として設定するためのプログラムである。
【0088】
この操作設定プログラム302fは、携帯端末16を通してサーバ12から送信される設定データをそのまま操作設定データ304gとして設定するのではなく、元々ユーザが設定していた操作データを優先する。そのために、この操作設定プログラム302fは、ユーザが元々設定していた操作設定データとチャットボットで受け取った操作設定データの重複の有無を判定する機能を有する。たとえば、操作設定プログラム302fは、操作設定データ304aとしてユーザが元々設定していた操作設定データを抽出し、その抽出した操作設定データとチャットボットで受け取った操作設定データを比較して、重複の有無を判定する。
【0089】
操作設定プログラム302fは、さらに、チャットボットで受け取った操作設定データとユーザがもともと設定していた操作設定データを対比して表示し、ユーザによって未設定の操作設定データを選択できるようにした選択画面(図示せず)をディスプレイ54(
図2)に表示させる。
【0090】
操作設定プログラム302fは、また、そのときユーザが希望しているジョブを実行するために必要な操作設定データが設定されているかどうかを判断する機能も有し、もし未設定の操作設定データがあるときには、ディスプレイ54に未設定の操作画面(図示せず)を表示することによって、ユーザに未設定の操作設定データを設定させるようにしている。
【0091】
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、符号読取部32を制御して、レーザスキャナまたはカメラによって撮影された撮影画像から符号画像を抽出し、抽出した符号画像を復号するための符号読取プログラム、紙片用プリンタ34を制御して、ロール紙上に文字列、画像、バーコードなどを印刷するための紙片印刷プログラム、写真用プリンタ36を制御して、写真用紙上に画像を印刷するための写真印刷プログラム、近距離通信部38を制御して、通信対象(たとえば身分証、会員証または電子マネー媒体など)との間でのデータ通信を実現するための近距離通信プログラム、画像読取部40を制御して、原稿の画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像信号(送信画像)を出力するための画像読取プログラム、画像形成部42を制御して、印刷データに応じて多色または単色の印刷画像を用紙に印刷するための画像形成プログラム、記憶媒体接続部44に装着された各種の記録媒体へのデータの書込みおよび各種の記録媒体からのデータの読み出しを制御するための記憶媒体接続プログラム、画像形成装置14におけるサービス等の料金を設定するためのプログラム、貨幣処理部46を制御して、投入金額を算出し、投入金額から所定のサービス等の料金を差し引いて残った残額に応じて、硬貨を硬貨返却口46bから返却したり、紙幣を紙幣投入口から返却したりするためのプログラムおよび画像形成装置14が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0092】
また、RAM24のデータ記憶領域304には、上述した操作設定データ304a、画像生成データ304b、接続用データ304c、画像形成装置識別データ304d、起動用データ304eおよび符号画像データ304fなどが記憶される。
【0093】
操作設定データ304aは、操作検出プログラム302bに従って検出された入力装置52(
図2)の操作データおよび/またはタッチ座標データを含む操作設定データである。操作設定データ304aは、さらに、上述のようにチャットボットを通して受信した操作設定データを含む。
【0094】
画像生成データ304bは、ディスプレイ54に表示する各種の画面に対応する表示画像データを生成するためのポリゴンデータまたはテクスチャデータ等のデータである。
【0095】
接続用データ304cは、チャットボットサービスを提供するサーバ(実施例ではサーバ12)にアクセスするためのデータである。画像形成装置識別データ304dは、他の装置ないし端末で画像形成装置14を識別するための情報のデータである。
【0096】
起動用データ304eは、起動用データ生成プログラム302dに従って生成される、携帯端末16等においてチャットボットサービスを起動するためのデータである。起動用データ304eは、たとえば接続用データ304cおよび画像形成装置識別データ304d等を含む。
【0097】
符号画像データ304fは、符号画像生成プログラム302eに従って生成される、起動用データが埋め込まれた符号画像のデータである。
【0098】
操作設定データ304gは、ユーザがチャットボットへ質問するまでに元々設定していた操作設定データだけでなく、チャットボットを通して得られた操作設定データを含み、ユーザがそのとき設定したジョブに必要なすべての操作設定データを含む。
【0099】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、画像形成装置用の制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、画像形成装置用の制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
【0100】
図10は
図3に示す携帯端末16のRAM64のメモリマップ400の一例を示す図解図である。
図10に示すように、RAM64は、プログラム記憶領域402およびデータ記憶領域404を含む。RAM64のプログラム記憶領域402には、上述したように、OSを含む携帯端末用の制御プログラムが記憶される。この携帯端末用の制御プログラムは、通信プログラム402a、操作検出プログラム402b、表示プログラム402c、撮影プログラム402d、復号プログラム402e、接続プログラム402f、受信プログラム402g、送信プログラム402hおよび通話プログラム402iを含む。
【0101】
通信プログラム402aは、ネットワーク18を介して、サーバ12、画像形成装置14およびコールセンタ端末80などの外部コンピュータないし他の機器とデータを通信するためのプログラムである。また、携帯端末16は、通信プログラム402aに従って、無線方式等で、画像形成装置14と直接通信することもできる。さらに、通信プログラム402aは、携帯電話基地局との間での無線通信を制御するためのプログラムでもある。
【0102】
操作検出プログラム402bは、タッチパネル76へのユーザの操作入力を検出するためのプログラムである。表示プログラム402cは、後述する画像生成データ404bを用いて、各種の操作画面などの画面データを生成し、ディスプレイ78に出力するためのプログラムである。
【0103】
撮影プログラム402dは、カメラ72を制御して、撮影画像を生成するためのプログラムである。復号プログラム402eは、撮影画像から符号画像を抽出して、抽出された符号画像を復号するためのプログラムである。
【0104】
接続プログラム402fは、符号画像を復号することによって得られる起動用データ(接続用データ)に従って、チャットボット機能を有するサーバ12に接続(アクセス)するためのプログラムである。
【0105】
受信プログラム402gは、サーバ12から送信される回答データやそれに付随する操作設定データを受信するためのプログラムである。ただし、これらのデータを受信する場合には、通信プログラム402aに従って通信処理が実行される。
【0106】
送信プログラム402hは、チャットボットサービスにおいてユーザが入力した質問のデータ(質問データ)をサーバ12に送信したり、サーバ12から受信した操作設定データ404hをサーバ12に送信したりするためのプログラムである。ただし、データを送信する場合には、通信プログラム402aに従って通信処理が実行される。
【0107】
通話プログラム402iは、音声通話処理を実行するためのプログラムである。ただし、音声通話処理を実行する場合には、通信プログラム402aに従って通信処理が実行される。
【0108】
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域402には、携帯端末16が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0109】
また、RAM84のデータ記憶領域404には、操作データ404a、画像生成データ404b、撮影画像データ404c、起動用データ404d、質問データ404e、回答データ404f、携帯端末識別データ404gおよび操作設定データ404hなどが記憶される。
【0110】
操作データ404aは、操作検出プログラム402bに従って検出されたタッチ座標データを含む操作入力データである。画像生成データ404bは、ディスプレイ78に表示する各種の画面に対応する表示画像データを生成するためのポリゴンデータまたはテクスチャデータ等のデータである。
【0111】
撮影画像データ404cは、撮影プログラム402dに従ってカメラ72で撮影された撮影画像のデータである。
【0112】
起動用データ404dは、符号画像を復号することによって得られるデータであり、チャットボットサービスを提供するサーバにアクセスするための接続用データおよび起動用データを生成した画像形成装置14を識別するための画像形成装置識別データを含む。
【0113】
質問データ404eは、チャットボットサービスにおいてユーザが入力した質問のデータである。回答データ404fは、サーバ12から送信される、質問に対する回答のデータである。
【0114】
携帯端末識別データ404gは、携帯端末16自身の識別情報のデータである。
【0115】
操作設定データ404hは、サーバ12からチャットボットの質問に対する回答データに含まれる画像形成装置14のための操作設定データである。この操作設定データ404hは、上述の送信プログラム402hに従って、画像形成装置14に送信される。
【0116】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域404には、携帯端末用の制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、携帯端末用の制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
【0117】
図11は
図1に示すサーバ12のRAM12bのメモリマップ500の一例を示す図解図である。
図11に示すように、RAM12bは、プログラム記憶領域502およびデータ記憶領域504を含む。RAM12bのプログラム記憶領域502には、上述したように、OSを含むサーバ用の制御プログラムが記憶される。このサーバ用の制御プログラムは、通信プログラム502a、受信プログラム502b、回答生成プログラム502cおよび送信プログラム502dを含む。
【0118】
通信プログラム502aは、ネットワーク18を介して、画像形成装置14、携帯端末16およびコールセンタ端末80などの外部コンピュータないし他の機器とデータを通信するためのプログラムである。
【0119】
受信プログラム502bは、携帯端末16から送信される質問データ等を受信するためのプログラムである。また、受信プログラム502bは、携帯端末16から送信される履歴送信指示データを受信するためのプログラムでもある。ただし、データを受信する場合には、通信プログラム502aに従って通信処理が実行される。
【0120】
回答生成プログラム502cは、質問データが示す質問に対する回答およびそれに付随する操作設定データを自動的に生成するためのプログラムである。この回答生成プログラム502cは、質問データを受け付けたとき、Q&Aデータベース504d(後述)を参照して、その質問データに対する回答データを生成する。このとき、そのようにして生成した回答データに付随する、画像形成装置14のための操作設定データをこのQ&Aデータベース504dから抽出して、回答データに含ませる。
【0121】
送信プログラム502dは、回答生成プログラム502cに従って生成された回答のデータ(回答データとそれに付随する操作設定データ)を携帯端末16に送信するためのプログラムである。なお、データを送信する場合には、通信プログラム502aに従って通信処理が実行される。
【0122】
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域502には、サーバ12が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0123】
また、RAM12bのデータ記憶領域504には、質問データ504a、回答データ504b、操作設定データ504cおよびQ&Aデータベース504dなどが記憶される。
【0124】
質問データ504aは、携帯端末16から送信される、チャットボットサービスにおいてユーザが入力した質問のデータである。回答データ504bは、回答生成プログラム502cに従って生成される、受信した質問データが示す質問に対する回答のデータである。この回答データには、それに付随する、画像形成装置14のための操作設定データが含まれる。
【0125】
操作設定データ504cは、携帯端末16からチャットボットのアクセスを受けたとき、携帯端末16から受信した操作設定データである。
【0126】
Q&Aデータベース504dは、先に説明したように、想定の質問文に対する回答文を予め登録したデータベースであり、さらに、その回答文に付随して、画像形成装置14において質問のあったジョブを実行するために必要な操作設定データも上述のQ&Aデータベース504d(
図11)に、回答文に紐づけて、登録されている。
【0127】
たとえば、質問文「カラーのコピーをしたい。」に対しては、「原稿を原稿台に載せて、用紙サイズを選択し、カラーモードに設定してください。」という回答文とそれに付随して、用紙サイズ「A4」およびカラーモード「フルカラー」という操作設定データを予め登録している。
【0128】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域504には、サーバ用の制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、サーバ用の制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
図12は、
図2に示す画像形成装置14の動作の一例を示すフロー図である。この情報処理は、起動操作を受け付けたときまたはチャットボットサービスの起動条件を満たしたときに開始される。
【0129】
図12に示すように、画像形成装置14のCPU22は、ステップS1で、接続用データおよび画像形成装置識別データを含む起動用データを生成して、ステップS3で、起動用データが埋め込まれた符号画像を生成して、ステップS5で、符号画像を含む接続用ウインドウ138を表示する。
【0130】
なお、ユーザがチャットボットを利用して質問する場合、上述のように、ユーザは、携帯端末16によって符号画像142を復号させる。応じて、符号画像142に埋め込まれた起動用データを取得する。このとき、起動用データとともに、そのときまでにユーザが画像形成装置14に設定している操作設定データ304g(
図9)が携帯端末16に吸い上げられる。
【0131】
ステップS5の後、ステップS7で、動作を終了するかどうかを判断する。たとえば、ステップS7では、接続用ウインドウ138が表示された時点から所定時間経過したかどうかを判断する。ステップS7で“YES”であれば、動作を終了する。
【0132】
一方、ステップS7で“NO”を判断したときは、CPU22は、続くステップS9で、携帯端末16から操作設定データを受信したかどうか、判断する。この判断は、操作設定プログラム302f(
図9)に従って、行われる。
【0133】
ステップS9で“NO”を判断したとき動作は終了し、ステップS9で“YES”を判断したとき、次のステップS11で、操作設定プログラム302fに従って、CPU22は、チャットボットを通して携帯端末16から受信した操作設定データと、ユーザが元々設定していた操作設定データとの重複があるかどうか判断する。たとえば、先の例でいうと、ユーザがすでにサイズ「A4」を設定していたとし、チャットボットを通してサイズ「A4」およびカラーモード「フルカラー」の操作設定データが入力された場合、「A4」が重複していると判断する。
【0134】
ステップS11で“YES”を判断すると、CPU22は次のステップS13で、上述した選択画面(図示せず)をディスプレイ54に表示して、ユーザによって未設定の操作設定データを選択させる。
【0135】
ステップS13は、ステップS15で選択が完了したと判断するまで、継続的に選択画面(図示せず)をディスプレイ54に表示する。選択画面では、チャットボットで得た操作設定データがそれぞれ表示されていて、ユーザがそれらを選択すると、当該操作設定データにチェックマークがつけられ、必要な操作設定データの選択が終わると、たとえば「OK」ボタン(図示せず)を操作する。したがって、選択が完了したかどうかは、選択画面に表示された「OK」ボタンが操作されたかどうかで判断する。
【0136】
このようにして、チャットボットを通して携帯端末16から受信した操作設定データと、ユーザが元々設定していた操作設定データとの重複がある場合、ユーザに選択させるので、ユーザが設定している操作設定データを優先的に設定することができ、ジョブにユーザの意図を反映し易い。
【0137】
ステップS15で選択完了を判断すると、ステップS17で、操作設定が完了したかどうか、判断する。具体的には、このステップS17は、そのときユーザが設定していたジョブ(たとえば、「写真のカラーコピー」)を実行するために必要なすべての操作設定データが設定されたかどうかを判断する。
【0138】
たとえば、ステップS1で起動用データを生成するとき、CPU22は、ユーザが実行したいジョブとそれまでにユーザによって設定されている操作設定データを把握していて(操作設定データ304g)。同時に、CPU22は、ステップS9‐S15において、チャットボットを通してどのような操作設定データが設定されたかも知っているので、未設定の操作設定データがあるかどうかを容易に判断することができる。ここで、「未設定の操作設定データ」とは、初期設定の状態からユーザが変更していない項目を意味する。これによって、上記のジョブを実行するために必要な操作設定データが設定されているかどうか容易に判断することができる。
【0139】
そして、このステップS17で“YES”を判断したとき、CPU22は、ステップS19でジョブを実行する。
【0140】
なお、先のステップS17で“NO”を判断したとき、つまり、ジョブ実行に必要な設定が完了していないとき、ステップS21で、未設定データの操作画面(図示せず)をディスプレイ54に表示する。たとえば、先に例示したジョブ「写真をカラーコピーする」では、用紙サイズ「A4」およびカラーモード「フルカラー」が設定されたものの、部数の設定が未だ行われていない、などの場合がある。その場合、CPU22は、コピー部数を設定させるための操作画面をディスプレイ54に表示する。また、未設定データとしては、写真のコピーの場合の用紙設定(たとえば、普通紙か写真用紙か)なども考えられる。
【0141】
そして、ステップS23で設定完了かどうか、ステップS17と同様にして、判断する。“YES”の場合、先のステップS19に進み、“NO”の場合、ステップS21に戻る。つまり、ステップS21の未設定操作表示画面はステップS23で“YES”が判断されるまで、繰り返し表示される。
【0142】
ステップS19でのジョブ実行が終了すると、画像形成装置14の動作が終了する。
【0143】
図13は携帯端末16の動作の一例を示すフロー図である。この
図13に示す動作は、起動用データ(もしあれば、操作設定データも)を取得した場合に開始される。
【0144】
図13に示すように、携帯端末16のCPU62は、動作を開始すると、ステップS31で、起動用データに含まれる接続用データに従って、チャットボットサービスを提供するサーバ12へのアクセスを開始して、ステップS33で、サーバ12からチャットボットサービスの操作画面のデータを取得して、チャットボットサービスの操作画面(チャット画面)をディスプレイ78に表示する。
【0145】
ステップS31でサーバ12にアクセスするとき、先のステップS5(
図12)で画像形成装置14から取得している操作設定データをサーバ12に送信する。
そして、ステップS35で、質問が確定したかどうかを判断する。ここでは、質問入力部184(
図7)に質問が入力され、質問を確定するための操作を受け付けたかどうかを判断する。
【0146】
ステップS35で“NO”であれば、つまり、質問が確定していないと判断した場合は、ステップS37で所定時間が経過したかどうか判断し、このステップS37で“YES”と判断した場合には、動作を終了する。
【0147】
ステップS37で所定時間が経過する前にステップS35で“YES”を判断したとき、次のステップS39で、質問を示すデータ(質問データ)をサーバ12に送信して、ステップS41で、サーバ12から回答データを受信したかどうかを判断する。
【0148】
ステップS39で“NO”であれば、つまり、サーバ12から回答データを受信していないと判断した場合は、ステップS43で所定時間経過したかどうか判断し、このステップS43で“NO”の場合には、ステップS41に戻る。ただし、ステップS43で所定時間の経過を判断した場合には、動作を終了する。
【0149】
一方、ステップS41で“YES”であれば、つまり、回答データを受信したと判断した場合は、ステップS45で、回答データが示す回答の内容をディスプレイ78(
図3)に表示して、ステップS45に進む。
【0150】
回答データは、この実施例では、たとえば、『写真をカラーでコピーする場合カラーモードで「フルカラー」を設定してください。』のような、テキストデータである。
【0151】
続いて、ステップS45で、CPU62は、たとえばユーザの操作を受けて、質問した疑問が解消したかどうか判断する。たとえば、
図7および
図8に示すチャット画面180において、遷移アイコン187が操作されたとき、CPU62は、このステップS45“YES”を判断する。
【0152】
ステップS45で“YES”を判断したとき、CPU62は、次のステップS47で、先のステップS41で受信したチャットボットの回答文のデータに付随する操作設定データ(上の例でいえば、「フルカラー」)を、画像形成装置14に送信するかどうか判断する。このステップS47は、たとえば、
図7または
図8に示すチャット画面180に表示される設定ボタン186が操作されているかどうかに応じて判断する。たとえば、その設定ボタン186が操作されている場合、このステップS47で“YES”が判断できる。
【0153】
ステップS47で“YES”を判断したとき、CPU62は、通信プログラム402aを利用して、画像形成装置14に、先のステップS41で受信したチャットボットの回答文のデータに付随する操作設定データを送信する。
【0154】
図14はサーバ12の動作の一例を示すフロー図である。
図14に示すように、サーバ12のCPU12aは、携帯端末16からのアクセス(
図13:ステップS31)があると、携帯端末16から受信している操作設定データ(画像形成装置14にそのとき設定されている)をデータ記憶領域504(
図11)に記憶するとともに、チャット画面180(
図7)を携帯端末16で表示するためのチャットボット表示設定を実行する。
【0155】
そして、次のステップS63で、携帯端末16からチャットボットの質問を受信したかどうか判断する。質問を受信するとステップS63で“YES”が判断され、次のステップS65に進む。
【0156】
ステップS65では、Q&Aデータベース504dを参照して、この質問に対する回答文(回答データ)を作成して、ステップS67で携帯端末16へ送信する。
【0157】
次のステップS69では、先のチャット画面180(
図7、
図8)の設定ボタン186が操作されているかどうかに基づいて、次のステップS69で、CPU62は、上記回答文に付随する操作設定データを送信すべきかどうか判断する。つまり、ユーザが設定ボタン186を操作していなければステップS69で“NO”が判断し、そのまま動作を終了する。ユーザが設定ボタン186操作していれば、ステップS69で“YES”が判断される。
【0158】
ステップS69で“YES”が判断すると、次のステップS71でCPU62は、ステップS65で作成した回答データから、操作設定データを抽出し、ステップS73で、携帯端末16に送信すべき操作設定出データのセットを作成する。このとき、先のステップS61で受信している、ユーザが既に画像形成装置14に設定していた操作設定データを含ませてもよい。
【0159】
そして、ステップS75で、その操作設定データを携帯端末16へ送信する。したがって、先に説明したように、ステップS49(
図13)で、携帯端末16から画像形成装置14へ送信する。
【0160】
この第1実施例によれば、ユーザがチャットボットによって携帯端末16からサーバ12に質問し、サーバ12から回答データが携帯端末16に返送され、その回答文に付随する操作設定データが携帯端末16から画像形成装置14に送信され、画像形成装置14において、その操作設定データが操作設定データ304g(
図9)として設定される。そのため、画像形成装置でのジョブの実行に必要な操作設定がチャットボットによって行われるので、ユーザの手間を可及的減じることができる。ただし、チャットボットから取得した操作設定データの1またはそれ以上がユーザが既に設定している操作設定データと重複する場合には、ユーザの選択に応じて、ユーザの既設定の操作データかもしくはチャットボットで得た操作データが設定される(
図12、ステップS11‐S15)。
[第2実施例]
第2実施例の画像処理システム10では、
図1のコールセンタ端末80を利用してオペレータとチャットして、質問に対する回答文およびそれに付随する操作設定データを取得する。
【0161】
チャットボットサービスでは、チャットボットが回答できない質問があったり、問題が解決できなかったりする場合には、チャットボットに代わってコールセンタのオペレータが応対する。たとえば、初めてコピーを行うような、操作方法が全く分からないユーザが使用する場合や、組み合わせて使用すると正常なコピーの結果が得られないような組み合わせの場合については、予めユーザが選択できないようになっているが、それを分からずにユーザが設定しようとして、なぜ設定できないのか理解できずに質問することもあり、そのようなオペレータの応対に切り替える所定の条件(切替条件)を満たした場合には、
図15に示すように、オペレータの応対に切り替えるための切替選択ウインドウ(切替選択画面)190がディスプレイ78に表示される。
【0162】
切替条件としては、ユーザが画像形成装置14の周囲の所定範囲内に留まっており、かつ、画像形成装置14の各部のいずれも操作されない状態が所定時間継続すること等が該当する。また、チャット画面180に、オペレータの応対に切り替えるための(切替選択ウインドウ190を表示させるための)操作アイコンを設け、この操作アイコンが操作されることを切替条件としてもよい。
【0163】
切替選択ウインドウ190には、通知文192、第1選択アイコン194、第2選択アイコン196および閉じるアイコン198が表示される(設けられる)。
【0164】
通知文192は、たとえば「オペレータに切り替えますか?」のように、チャットボットの応対に代わってオペレータの応対に切り替えるかどうかの選択を促すためのメッセージである。
【0165】
第1選択アイコン194は、オペレータとの音声通話を行うための操作アイコンである。図示は省略するが、第1選択アイコン194が操作されると、通話機能が有効にされ、コールセンタ用の通話装置に自動的に接続され、ユーザとコールセンタのオペレータとが通話を行うことが可能な状態となる。
【0166】
携帯端末16とコールセンタ用の通話装置とが接続された場合、コールセンタ用の通話装置の液晶ディスプレイには、携帯端末16の識別情報が表示される。携帯端末16の識別情報は、たとえば、電話回線を利用した音声通話であれば電話番号、ネットワーク18を利用した音声通話であれば端末の名称、通話アプリにおけるユーザのIDなどである。したがって、コールセンタのオペレータは、コールセンタ用の通話装置に接続された携帯端末16を特定できる。
【0167】
第2選択アイコン196は、オペレータとのチャットを行うための操作アイコンである。図示は省略するが、第2選択アイコン196が操作されると、ディスプレイ54にはそれまで表示されていたチャット画面180に代えて、オペレータとのチャットを行うための(人同士のチャットを行うための)画面が表示される。したがって、ユーザは、テキストのやりとりによってオペレータと対話を行うことができる。また、第2選択アイコン196が操作されると、携帯端末16の識別情報がコールセンタ端末80に送信される。
【0168】
閉じるアイコン198は、切替選択ウインドウ190を閉じる(オペレータの応対に切り替えない)ための操作アイコンである。閉じるアイコン198が操作されると、切替選択ウインドウ190が閉じられ(非表示にされ)、切替選択ウインドウ190が表示される前に表示されていた操作画面に戻る。
【0169】
このような切替選択ウインドウ190は、チャット画面180(
図7)でユーザの質問が決まらなかった場合、たとえば
図16のステップS35で“NO”を判断したとき、ステップS51で携帯端末16のディスプレイ78(
図2)に表示される。
【0170】
このステップS51では、
図17に示すように、最初のステップS53で、オペレータの応対に切り替える切替条件を満たすかどうかが判断する。ステップS53で“NO”であれば、つまり、切替条件を満たさないと判断した場合は、チャットボットサービスを終了する。
【0171】
一方、ステップS53で“YES”であれば、つまり、つまり、切替条件を満たすと判断した場合は、ステップS55で、切替選択ウインドウ190(
図15)をディスプレイ78に表示して、ステップS57で、オペレータの応対に切り替えるかどうかを判断する。ステップS57で“NO”であれば、つまり、オペレータの応対に切り替えないと判断した場合は、ステップS45に進む。
【0172】
一方、ステップS57で“YES”であれば、つまり、オペレータの応対に切り替えると判断した場合は、ステップS59で、履歴送信指示のデータ(履歴送信指示データ)をサーバ12に送信し、したがって、サーバ12からコールセンタ端末80へ履歴データを送信する。
【0173】
そして、ステップS61で、オペレータの応対(音声通話またはオペレータとのチャット)に切り替える。
【0174】
その後は、ユーザは音声チャットでオペレータに質問し、オペレータは、キーボードなどの入力装置(図示せず)を用いて、テキストデータで回答文を作成し、携帯端末16へ送信する。
【0175】
そして、携帯端末16では、
図41以降の処理を実行し、結果的に、ステップS49でその回答文とそれに付随する操作設定データが画像形成装置14に送信される。
【0176】
この第2実施例においても、ユーザがチャットボットによってコールセンタ端末80のオペレータに質問し、オペレータがコールセンタ端末80から回答データが携帯端末16に返送され、その回答文に付随する操作設定データが携帯端末16から画像形成装置14に送信され、画像形成装置14において、その操作設定データが操作設定データ304g(
図9)として設定される。
[第3実施例]
上述の実施例では、
図12のステップS21において、未設定の操作設定データがあるとき、画像形成装置14で未設定の操作設定データを設定させるようにしたが、第3実施例では、未設定項目の操作設定は、携帯端末16上で設定する
この場合、画像形成装置14がステップS17で、ジョブを完了するために必要な操作未設定項目の有無を検知し、未設定部分を画像形成装置14から、携帯端末16へ送信し、携帯端末16は、この送信された操作設定データに基づいて、チャットボット上で、未設定部分のダイジェスト表示し、操作設定することを可能とする。ただし、「ダイジェスト表示」とは、チャットボット上で、すなわち携帯端末16のディスプレイ78上で画像形成装置14の操作設定項目のすべてを表示するとディスプレイ78の画面が小さいので、ユーザが見にくくなるため、テキスト表示(簡略化)することである。
【0177】
このように、未設定部分を画像形成装置14から、携帯端末16へ送信し、携帯端末16によって、この送信された操作設定データに基づいて、チャットボット上で、未設定部分のダイジェスト表示し、ユーザに設定させるようにすれば、画像形成装置のディスプレイで表示するより、ユーザが見易くなるという利点がある。
【0178】
たとえば、たとえばコンビニ等に設置されている画像形成装置の印刷条件設定として、一般的には下記3項目があり、携帯端末16上でテキスト表示されている設定項目を単に選択させるようにした。
[設定項目]
1.倍率:等倍(100%、拡大(110%)、縮小(90%)
2.印刷モード:カラー/モノクロ
3.用紙サイズ:A4/A3/葉書
この場合において、たとえば、倍率のみが設定されている場合、下記の2項目が携帯端末16上に選択可能に表示される。
[未設定項目]
1.印刷モード: カラー/モノクロ
2.用紙サイズ: A4/A3/葉書
ユーザは、この未設定項目をみて、所望する設定を選択すればよい。
【0179】
ただし、画像形成装置14において未設定項目を設定される場合にも、このように未設定項目のみをディスプレイ54に表示するようにしてもよい。
【0180】
さらに、携帯端末16上で未設定項目をユーザに設定させるとき、ユーザがその未設定項目の設定方法がわからないことも想定されるが、その場合には、チャットボットでさらに質問できるようにしてもよい。
【0181】
このように、未設定項目をユーザに知らせ、必要ならユーザに設定させるようにすれば、未設定項目をなくしてジョブを確実に実行することができる。このような利点は、ステップS21‐S23を実行する前述の実施例においても同様に期待できる。
【0182】
なお、上述の実施例において、チャットボットを通して取得した操作設定データを携帯端末16から画像形成装置14に送信する方法は、ネットワーク18を通して送信する以外に、近距離通信(NFC)または赤外線通信を利用して送信する方法が採用されてもよい。
【0183】
さらに、操作設定データを2次元コード画像に変換して携帯端末16から画像形成装置14に送信するようにしてもよい。そうすれば、通信するデータ量を少なくすることができる。
【0184】
また、上述の実施例で挙げた具体的な構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。さらにまた、上述の実施例で示したフロー図の各ステップは、同じ結果が得られるのであれば、処理される順番は適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0185】
10 …画像処理システム
12 …サーバ
14 …画像形成装置
16 …携帯端末