(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/494 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A61F13/494 110
(21)【出願番号】P 2021101946
(22)【出願日】2021-06-18
【審査請求日】2024-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 建偉
(72)【発明者】
【氏名】蔵前 亮太
(72)【発明者】
【氏名】恩田 藍子
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-6246(JP,A)
【文献】特開2012-183134(JP,A)
【文献】特開2013-252323(JP,A)
【文献】特開2004-89491(JP,A)
【文献】特開2021-87776(JP,A)
【文献】特開2016-120018(JP,A)
【文献】特開2013-252324(JP,A)
【文献】特開2016-83122(JP,A)
【文献】特開2002-85452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の前後方向に対応する長手方向とこれに直交する幅方向とを有し、表面シート、裏面シート及び吸収体を備える吸収性本体と、長手方向に延びる防漏カフとを備えた吸収性物品であって、
前記防漏カフは、長手方向に沿って延び且つ長手方向に伸縮可能な一対の内側防漏カフと、長手方向に沿って延び且つ長手方向に伸縮可能な外側防漏カフとを有し、
各防漏カフはいずれも、対向する一対の不織布と、該不織布の間に長手方向に沿って延びるように伸長状態で配置された弾性部材とを有し、
前記吸収性物品の最大伸長状態での平面視において、前記内側防漏カフは、前記吸収体の肌対向面及び非肌対向面のそれぞれにおいて該吸収体と重なる領域を有し、
前記内側防漏カフは液不透過性シートを更に備え、
前記液不透過性シートは、
前記吸収性物品の最大伸長状態での平面視において、前記内側防漏カフと前記吸収体の肌対向面とが重なる領域の少なくとも一部に位置するように、前記内側防漏カフに配されているとともに、
前記吸収性物品の最大伸長状態での平面視において、前記内側防漏カフと前記吸収体の非肌対向面とが重なる領域の全域に位置するように、前記内側防漏カフに配されて
おり、
前記外側防漏カフは前記吸収性本体の非肌対向面側に配されており、
前記裏面シートが、前記内側防漏カフと前記外側防漏カフとの間に配されており、
前記液不透過性シートは、前記内側防漏カフに配された第1液不透過性シートと、前記裏面シートの幅方向両端から延在した第2液不透過性シートとを有し、
第2液不透過性シートが前記裏面シートから幅方向外方に延在するように一体となって構成されており、
前記内側防漏カフは、起立端となる基端部と、自由端を含む自由端部との間に、該自由端部が幅方向外方に折り曲げられた折り曲げ部が形成されており、
第2液不透過性シートの端部の位置は、第1液不透過性シートの幅方向内方側に位置する端部の位置と平面視において重なるか、又は
第1液不透過性シートの幅方向内方側に位置する端部よりも幅方向内方に位置する、吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性物品の最大伸長状態での断面視において、前記第2液不透過性シートの端部が、第1液不透過性シートの幅方向内方側端部よりも幅方向外方に位置する、請求項
1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記内側防漏カフは、長手方向に沿って二つ折りされて対向する不織布によって形成されている、請求項1
又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記液不透過性シートは、前記内側防漏カフにおける前記不織布の間に配された部位を有する、請求項
3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記自由端部は、前記液不透過性シートが存在しない部位を有する、請求項1~
4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記折り曲げ部において幅方向外方に折り曲げられて、前記基端部側に位置する下方域と、前記自由端側に位置する上方域とに区分されている、請求項1~
5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品は、典型的には、パルプや吸水性ポリマー等の吸水性材料を主体とする吸収体と、防漏カフとを含んで構成されている。
本出願人は、中央吸収体、一対のサイド吸収体及び切離部を有する吸収体と、吸収体の全体を被覆する被覆シートとを備えた使い捨ておむつであって、切離部における肌当接面側に位置する被覆シートと非肌当接面側に位置する被覆シートとの間が、接着剤により接合固定されている使い捨ておむつを提案した(特許文献1参照)。
【0003】
また、本出願人は、吸収性コアを含む吸収性本体と、該吸収性本体の両側に配された内側立体ギャザー部及び該内側立体ギャザー部よりも幅方向外方にある外側立体ギャザー部とを有し、吸収性コアの非肌当接面側から各ギャザー部までに撥水性フィルムが連続的に配されている吸収性物品を提案した(特許文献2参照)。
【0004】
特許文献3には、トップシートを物品本体の両側部から裏面側に巻き込んで防水フィルムの端部外面に貼着し、且つ立体ギャザーの固定端部を裏面側に巻き込んだトップシートの端部外面に貼着した吸収性物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-247363号公報
【文献】特開2013-252323号公報
【文献】特開2005-65729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に記載の吸収性物品は、横漏れ防止性能や防漏性が良好なものであるが、ギャザー部のごわつきに起因する脚部への違和感を低減することに関して改善の余地があった。また、特許文献3に記載の吸収性物品は、防漏性の向上及び違和感の低減を両立しがたいものであった。
【0007】
したがって、本発明は、体液の横漏れ防止の向上と、着用時の違和感の低減とを両立した吸収性物品を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、着用者の前後方向に対応する長手方向とこれに直交する幅方向とを有し、表面シート、裏面シート及び吸収体を備える吸収性本体と、長手方向に延びる防漏カフとを備えた吸収性物品であって、
前記防漏カフは、長手方向に沿って延び且つ長手方向に伸縮可能な一対の内側防漏カフと、長手方向に沿って延び且つ長手方向に伸縮可能な外側防漏カフとを有し、
各防漏カフはいずれも、対向する一対の不織布と、該不織布の間に長手方向に沿って延びるように伸長状態で配置された弾性部材とを有し、
前記吸収性物品の最大伸長状態での平面視において、前記内側防漏カフは、前記吸収体の肌対向面及び非肌対向面のそれぞれにおいて該吸収体と重なる領域を有し、
前記内側防漏カフは液不透過性シートを更に備え、
前記液不透過性シートは、
前記吸収性物品の最大伸長状態での平面視において、前記内側防漏カフと前記吸収体の肌対向面とが重なる領域の少なくとも一部に位置するように、前記内側防漏カフに配されているとともに、
前記吸収性物品の最大伸長状態での平面視において、前記内側防漏カフと前記吸収体の非肌対向面とが重なる領域の全域に位置するように、前記内側防漏カフに配されている、吸収性物品を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、体液の横漏れ防止の向上と、着用時の違和感の低減とを両立した吸収性物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの弛緩状態を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す吸収性物品の展開且つ最大伸長状態における肌対向面側(表面シート側)を模式的に示す展開平面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す吸収性物品のI-I線での断面を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、
図2に示す吸収性物品の弛緩状態における、I-I線での断面を模式的に示す断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の吸収性物品の弛緩状態での別の実施形態を模式的に示す断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の吸収性物品の弛緩状態での更に別の実施形態を模式的に示す断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の吸収性物品の弛緩状態での更に別の実施形態を模式的に示す断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の吸収性物品の弛緩状態での更に別の実施形態を模式的に示す断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の吸収性物品の弛緩状態での更に別の実施形態を模式的に示す断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の吸収性物品の弛緩状態での更に別の実施形態を模式的に示す断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の吸収性物品の弛緩状態での更に別の実施形態を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1~
図4には、本発明の吸収性物品の好適な実施態様であるパンツ型使い捨ておむつの一実施形態が示されている。
【0012】
図1及び
図2に示すように、吸収性物品としてのパンツ型使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」ともいう。)1は、その着用時に着用者の腹側に配される腹側領域F及び背側に配される背側領域Rと、腹側領域F及び背側領域Rの領域の間に位置する股下領域Mと有する。おむつ1は、着用者の前後方向に対応して、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる長手方向Xと、これに直交する幅方向Yとを有している。腹側領域F、股下領域M及び背側領域Rは、着用者の前後方向である長手方向Xに沿って連続して延びている。股下領域Mは、おむつ1の着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部(図示せず)を有している。
【0013】
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、すなわち着用者の肌から相対的に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面、すなわち着用者の肌から相対的に遠い側である。なお、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、すなわち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
【0014】
図1及び
図2に示すように、おむつ1は、排泄物の吸収保持が可能な吸収性本体2と、該吸収性本体2の非肌対向面側に配される外装体10とを備えている。外装体10は、おむつ1の外形を形成する部材である。外装体10の周縁は、おむつ1の腹側領域F及び背側領域Rの輪郭線をそれぞれ形成している。外装体10は、幅方向Yに延び、腹側領域Fに配されている腹側外装体10Fと、これとは別体で、幅方向Yに延び、背側領域Rに配されている背側外装体10Rとを備える。つまり、本実施形態におけるおむつ1は、分割タイプとして知られるパンツ型の使い捨ておむつである。吸収性本体2は、腹側領域Fから背側領域Rまでの全域に長手方向Xに延在しており、長手方向Xに所定間隔を置いて配された腹側外装体10Fと背側外装体10Rとの間に架け渡されるように配置されている。本実施形態に代えて、外装体10は、おむつ1外面における腹側領域F、股下領域M及び背側領域Rの全域を連続して配された形態となっていてもよい。
【0015】
おむつ1は、腹側外装体10Fの幅方向Yにおける両側部と、背側外装体10Rの幅方向Yにおける両側部とが互いに接合された一対のサイドシール部S,Sが形成されている。これによって、各外装体10F,10Rが環状に連結されている。また、おむつ1は、着用者の胴が通されるウエスト開口部WH、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部LHが形成されている。サイドシール部Sは、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の接合方法によって形成されている。
【0016】
本明細書において、吸収性物品あるいはおむつ1の「最大伸長状態」とは、おむつ1をサイドシール部Sで切り離して展開状態とし、その展開状態のおむつ1を各部の弾性部材を最大伸長させて、設計寸法、すなわち弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に拡げたときの寸法と同じとなるまで拡げた状態をいう。また、吸収性物品(おむつ1)の「弛緩状態」とは、吸収性物品に配されている各弾性部材に外力を加えずに、吸収性物品を伸長させていない状態であることを意味する。
【0017】
吸収性本体2は、着用者の肌から相対的に近い位置に配置された液透過性の表面シート3、着用者の肌から相対的に遠い位置に配置された液不透過性若しくは液難透過性(以下、これらを総称して「液抵抗性」ともいう。)又は撥水性の裏面シート4、及び両シート3,4間に介在配置された吸収体5を含んで構成されている。吸収性本体2を構成するこれらの部材どうしは、接着剤等の公知の接合方法により一体とされている。
【0018】
表面シート及び裏面シートとしてはそれぞれ、使い捨ておむつなどの吸収性物品に従来用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シートとしては各種の不織布等を用いることができる。裏面シートとしては、液抵抗性又は撥水性の不織布や、樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。また、コアラップシートとして、表面シートと同様のものを用いることができる。また、防漏カフ形成用のシートとしては、裏面シートと同様のものを用いることができる。
【0019】
表面シート3は、
図3及び
図4に示すように、吸収体5の肌対向面側を幅方向Yに横断し、且つ表面シート3における吸収体5の長手方向Xに沿う両側縁からの延出部3Eが、吸収体5の非肌対向面側に巻きかけられている。
【0020】
本実施形態では、表面シート3の一対の延出部3E,3Eは、それぞれ、後述する内側防漏カフ8の第1基端部81にて、吸収体5と後述する防漏カフ形成用シート80との間に固定されている。表面シート3は、吸収体5の非肌対向面の全域を覆ってはおらず、吸収体5の非肌対向面の幅方向Yの中央部(一対の第1基端部81,81の間に位置する部分)は、表面シート3で覆われていない。
【0021】
本実施形態では、表面シート3は、吸収体5の肌対向面の全域を被覆可能な大きさを有し、吸収体5の肌対向面及び吸収体5の長手方向Xに沿う両側縁をそれらの全域にわたって被覆し、更に、吸収体5の非肌対向面における該両側縁から幅方向Yの内方に所定範囲にわたる領域を被覆している。本実施形態における表面シート3は凹凸形状を有しない平坦なシートであるが、これに代えて、表面に複数の凸部と、該凸部の周辺に位置する凹部とを含んで形成された凹凸形状を有するシートを用いてもよい。
【0022】
吸収体5は、典型的には、単層構造又は積層構造の吸収性コア6と、吸収性コア6を被覆するコアラップシート(図示せず)とを含んで構成される。吸収体5は、少なくとも股下領域Mに配されており、股下領域Mに加えて、腹側領域F及び背側領域Rのうち少なくとも一方に連続的に配されている。本実施形態では、
図2に示すように、吸収体5は平面視矩形状であり、吸収体5の長手方向をおむつ1の長手方向Xと一致させた状態で、腹側領域F、股下領域M及び背側領域Rの全域に配されている。
【0023】
吸収性コア6は、例えば、パルプ繊維等の吸水性天然繊維の積繊体、吸水性天然繊維と吸水性ポリマーとを含む混合積繊体、及び/又は、同一の若しくは異なる2枚の繊維シートと、該繊維シート間に配された吸水性ポリマーの粒子とを備えた吸収性シートの少なくとも一種を含んで構成される。吸収性コアとして積繊体及び吸収性シートの双方を含んで構成される場合、その平面視における大きさは同一であってもよく、異なっていてもよい。コアラップシートは、ティッシュペーパーや透水性の不織布からなる。コアラップシートは、好ましくは吸収性コアの肌対向面側及び非肌対向面側の全体を被覆している。
【0024】
本実施形態のおむつ1は、防漏カフとして、吸収性本体2の長手方向Xに沿う両側に、一対の内側防漏カフ8,8が吸収性本体2とは別個に設けられている。内側防漏カフ8は、長手方向Xに延び且つ長手方向に伸縮可能に構成されている。
【0025】
各内側防漏カフ8は、それぞれ独立して、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性の一対の防漏カフ形成用シート80を含んで構成されている。一対の防漏カフ形成用シート80は、一枚の該シート80が長手方向に沿って二つ折りされて対向した部分を含んで構成されていてもよく、2枚以上の該シート80によって構成されていてもよい。本実施形態における内側防漏カフ8は、長手方向に沿って二つ折りされて対向する一枚の防漏カフ形成用シート80によって形成されている。各内側防漏カフ8はそれぞれ長手方向Xに沿って延び、吸収性本体2の長手方向Xの略全長にわたって、吸収性本体2の長手方向Xに沿う側部に沿って連続的に配されている。
【0026】
防漏カフ形成用シート80としては、不織布等のこの種の吸収性物品において防漏カフの素材として用いられているものを特に制限無く用いることができ、例えば、単層又は多層の撥水性不織布、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート材等を用いることができる。
【0027】
内側防漏カフ8は、防漏カフ形成用シート80が他の部材に固定された第1基端部81と、該シート80が着用者側に起立する第1起立部82とを有している。第1起立部82は内側防漏カフ8の自由端部を構成し、防漏カフ形成用シート80における他の部材との非固定部である。第1起立部82は、少なくとも股下領域Mに存在する。
【0028】
第1基端部81は、おむつ1の着用時に第1起立部82が着用者の肌側に向かって起立する際の起立端となる部分であり、不織布等の防漏カフ形成用シート80が、接着剤又は熱融着等の公知の固定方法によって、他の部材、具体的には吸収性本体2の構成部材及び/又は外装体10に固定された部分である。第1基端部81は、防漏カフ形成用シート80の長手方向Xの略全長にわたって長手方向Xに連続又は不連続に延在している。第1基端部81は、吸収体5の非肌対向面側に位置している。
【0029】
第1起立部82は、長手方向Xに延び且つ長手方向に伸縮可能に構成されている。
本実施形態では、
図2及び
図3に示すように、第1起立部82の自由端部における自由端に近い側に、複数本の防漏カフ形成用弾性部材83が、長手方向Xに沿って延びるように伸長状態で配置されている。各弾性部材83は、例えば、長手方向Xに沿って二つ折りされて対向した防漏カフ形成用シート80,80間に伸長状態で接着剤等の固定方法により固定されている。各弾性部材83はそれぞれ独立して、少なくとも股下領域Mに配されている。本実施形態では、各弾性部材83は、これらの両端部がそれぞれ独立して、内側防漏カフ8の長手方向Xの両端部まで延在しており、腹側領域F、股下領域M及び背側領域Rに連続して配されている。
弾性部材83の数は特に制限されず、それぞれ独立して、1本でも複数本でもよい。
【0030】
上述の構成を有することによって、内側防漏カフ8は、少なくとも弾性部材83が配されている自由端部において長手方向Xに伸縮性を有する領域が形成される。また上述の構成を有することによって、おむつ1をその最大伸長状態において平面視したときに、第1基端部81は、吸収体5の非肌対向面側に位置しており、第1起立部82における少なくとも弾性部材83が配されている自由端部は吸収体5の肌対向面側に位置する。つまり、おむつ1の最大伸長状態において平面視したときに、内側防漏カフ8は、吸収体5の肌対向面及び非肌対向面のそれぞれにおいて、吸収体5と重なる領域を有する。
【0031】
図4に示すとおり、内側防漏カフ8は、第1基端部81と第1起立部82の自由端との間において、長手方向Xに沿って延びる折り曲げ部8fにおいて幅方向Yの外方に折り曲げられて、第1基端部81側に位置する下方域8bと、第1起立部82の自由端側に位置する上方域8uとに区分されていることが好ましい。これによって、第1起立部82の自由端部は、吸収性物品の弛緩状態において、幅方向Yの外方に張り出すように形成される。弾性部材83は上方域8uにおける幅方向Yの外方に張り出した部位に配されており、上方域8uが長手方向に伸縮性を有する。このような構成となっていることによって、上方域8uを着用者の肌と面接触させることができるので、体液が内側防漏カフを超えておむつ外部に漏れ出すことを低減することができる。
【0032】
図4に示す実施形態では、少なくとも股下領域Mにおいて、折り曲げ部8fにおいて折り曲げられた内側防漏カフ8は、折り曲げ部8fが、第1起立部82の自由端よりも幅方向Yの内方に位置している。したがって、おむつ1の弛緩状態では、内側防漏カフ8は、折り曲げ部8fにおいて屈曲して、第1起立部82の自由端を含む自由端部が幅方向Yの外方に張り出している。下方域8b及び上方域8uはいずれも長手方向Xに沿って延びており、平面視においていずれも略矩形をしている。
【0033】
図2に示すように、内側防漏カフ8の長手方向Xの両端部には、防漏カフ形成用シート80の起立が阻害された部分である起立阻害部88が形成されていることが好ましい。起立阻害部88は腹側領域F及び背側領域Rにそれぞれ一対形成されており、両起立阻害部88,88に挟まれた長手方向に沿う部分が第1起立部82である。起立阻害部88は、典型的には防漏カフ形成用シート80が吸収性本体2の肌対向面に位置する表面シート3に固定されることによって形成されている。
【0034】
内側防漏カフ8の長手方向Xの両端部に一対の起立阻害部88が形成されていることで、おむつ1の着用時において、両起立阻害部に挟まれた部分である第1起立部82が、防漏カフ形成用弾性部材83の収縮力により、第1基端部81を起立基端として着用者の肌側に向かって起立する。このような内側防漏カフ8の起立状態では、起立した第1起立部82が、着用者が排泄した尿等の体液の幅方向Yの外方への移動を堰き止めるため、特に股下領域Mにおける横漏れが効果的に抑制される。
また、図示していないが、内側防漏カフ8の起立状態では、防漏カフ形成用弾性部材83の収縮力により、おむつ1の全体が、吸収性本体2の長手方向Xの中央部が非肌対向面側(裏面シート4側)に凸となるように湾曲変形するため、おむつ1が着用者の身体形状にフィットしやすくなる。
【0035】
おむつ1は、防漏カフとして、少なくとも股下領域Mにおける幅方向Yの両側部域に、長手方向に延びる一対の外側防漏カフ9を有する。
図2及び
図3に示すおむつの展開且つ最大伸長状態において、外側防漏カフ9は、内側防漏カフ8よりも幅方向Yの外方に別個に位置しており、長手方向Xに延び且つ長手方向に伸縮可能に構成されている。外側防漏カフ9は、おむつの最大伸長状態において、内側防漏カフ8とそれぞれ互いに平行になるように形成されている。各外側防漏カフ9は、吸収性本体2の非肌対向面側に配されている。
【0036】
外側防漏カフ9は、それぞれ独立して、内側防漏カフ8と同様に、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性の不織布等の外側防漏カフ形成用シート90を含んで構成されている。一対の外側防漏カフ形成用シート90は、本実施形態に示すように一枚の該シート90が長手方向に沿って二つ折りされて対向した部分を含んで構成されていてもよく、これに代えて、2枚以上の該シート90によって構成されていてもよい。各外側防漏カフ9は、吸収性本体2の幅方向Yの両側部において、少なくとも股下領域Mの全域に長手方向に連続的に配されている。
【0037】
外側防漏カフ9は、内側防漏カフ8と同様に、外側防漏カフ形成用シート90が他の部材に固定された第2基端部91と、該シート90が着用者側に起立可能な第2起立部92とを有している。第2起立部92は、外側防漏カフ形成用シート90における他の部材との非固定部である。第2起立部92は、少なくとも股下領域Mに存在する。
【0038】
第2基端部91は、おむつ1の着用時に第2起立部92が着用者の肌側に向かって起立する際の起立基端となる部分であり、不織布等の外側防漏カフ形成用シート90が、他の部材、具体的には吸収性本体2の非肌対向面側に接合された部分である。第2基端部91は、外側防漏カフ形成用シート90の長手方向Xの略全長にわたって長手方向Xに連続又は不連続に延在している。本実施形態では、第2基端部91は、第1基端部81と平面視で重なる位置に形成されている。
【0039】
第2起立部92は、長手方向Xに延び且つ長手方向に伸縮可能に構成されている。
本実施形態では、
図3に示すように、第2起立部92の自由端部(以下、これを「第2自由端部」ともいう。)に、一本又は複数本の外側防漏カフ形成用弾性部材93が、長手方向Xに沿って延びるように伸長状態で配置されている。各弾性部材93は、長手方向Xに沿って二つ折りされて対向した外側防漏カフ形成用シート90の間に伸長状態で接着剤等の固定方法により固定されている。本実施形態では、弾性部材93はそれぞれ、その一方の端部が腹側領域Fに位置し、他方の端部が背側領域Rに位置しており、各弾性部材93は、腹側領域F、股下領域M及び背側領域Rに連続して配されている。
これによって、第2起立部92は、少なくとも弾性部材93が配されている自由端部において長手方向Xに伸縮性を有する領域となっている。
【0040】
このように、外側防漏カフ9が形成されていることで、内側防漏カフ8と同様に、おむつ1の着用時において、第2起立部92が、防漏カフ形成用弾性部材93の収縮力により、第2基端部91を起立基端として着用者の肌側に向かって起立する。外側防漏カフ9の起立状態では、起立した第2起立部92が、起立した内側防漏カフ8よりも幅方向Yの外方へ意図せず移動してしまった排泄された体液(排泄液)の吸収性物品外部への漏れを効果的に防ぐことができる。その結果、特に股下領域Mにおける横漏れが効果的に抑制される。
【0041】
内側防漏カフ8に関する説明に戻ると、内側防漏カフ8は、防漏カフ形成用シート80とは別に、液不透過性シート85を更に備えることが好ましい。これによって、体液の横漏れを防止して、吸収体に体液を効率的に吸収させることができる。液不透過性シート85は、例えば防漏カフ形成用シート80と同様の液抵抗性又は撥水性で且つ通気性の不織布等の繊維シートや、樹脂フィルムなどを用いることができる。
【0042】
おむつ1の最大伸長状態での平面視において、液不透過性シート85は、内側防漏カフ8と吸収体5の肌対向面とが重なる領域の少なくとも一部に位置するように、且つ、内側防漏カフ8と吸収体5の非肌対向面とが重なる領域の全域に位置するように、内側防漏カフ8に配されていることが好ましい。つまり、おむつ1の最大伸長状態において平面視したときに、液不透過性シート85は、吸収体5の肌対向面及び非肌対向面のそれぞれにおいて、吸収体5と重なっていることが好ましい。
【0043】
液不透過性シート85の配置形態の一例が
図3及び
図4に示されている。液不透過性シート85は、内側防漏カフ8に配された第1液不透過性シート86と、第1液不透過性シート86とは別体のものであり且つ裏面シート4の幅方向Y両端から延在した第2液不透過性シート87とによって構成されている。各液不透過性シート86,87はそれぞれ独立して、少なくとも股下領域Mに配されており、内側防漏カフ8と同様に、長手方向Xの両端縁まで延在して、腹側領域F、股下領域M及び背側領域Rに連続して配されていることが好ましい。各液不透過性シート86,87はいずれも、防漏カフ形成用シート80に少なくとも接合されている。本発明の効果が奏される限りにおいて、各液不透過性シート86,87と防漏カフ形成用シート80との接合方法及び接合部位に特に制限はない。
【0044】
第1液不透過性シート86は、内側防漏カフ8における不織布等の防漏カフ形成用シート80の間に配された部位を有することが好ましく、本実施形態に示すように、第1液不透過性シート86の全てが内側防漏カフ8における不織布等の防漏カフ形成用シート80の間に配されていることがより好ましい。このような構成となっていることによって、第1液不透過性シート86が着用者の肌に接触することに起因する違和感を低減しつつ、体液の横漏れ防止を更に向上させることができる。
【0045】
また、本実施形態における第2液不透過性シート87は、裏面シート4と一体となっている。本実施形態における裏面シート4は、内側防漏カフ8と外側防漏カフ9との間に配されている。このような構成となっていることによって、体液が排泄される股下領域Mだけでなく、腹側領域F及び背側領域Rについても、内側防漏カフ8を透過するような横漏れを低減することができ、おむつ1全体の横漏れ防止性能が更に向上する。
【0046】
本実施形態のように、液不透過性シート85が裏面シート4から延在するように一体となって構成されている部位が存在する場合、裏面シート4は、幅方向Yの中央域に位置し、一対の第2基端部91,91の間に配されたシートとする。また、液不透過性シート85は、第2基端部91から幅方向Y外方に位置するシートとする。この説明は本明細書において共通である。
【0047】
本実施形態のように、液不透過性シート85として、第1液不透過性シート86と第2液不透過性シート87とがそれぞれ配されている場合、
図3及び
図4に示すように、おむつ1の最大伸長状態での断面視において、第2液不透過性シート87の端部4eが、第1液不透過性シート86の幅方向Y内方側に位置する端部8sよりも幅方向Y外方に位置することが好ましい。このような構成となっていることによって、各液不透過性シート86,87が平面視で重なる部分を形成して、体液が内側防漏カフ8の内側からおむつ外部に染み出して漏れだすことを更に低減することができ、おむつ1全体の横漏れ防止性能がより一層向上する。
【0048】
液不透過性シート85として、第1液不透過性シート86と第2液不透過性シート87とがそれぞれ配されている場合、おむつ1の最大伸長状態での平面視において、各液不透過性シート86,87が平面視において重なる部分の幅方向Yの長さW1(
図4参照)は、それぞれ独立して、好ましくは1mm以上、より好ましくは5mm以上であり、好ましくは50mm以下、より好ましくは30mm以下である。
【0049】
液不透過性シート85が内側防漏カフ8における不織布等の防漏カフ形成用シート80の間に配された部位を有する場合、内側防漏カフ8における自由端部は、液不透過性シート85が存在しない部位を有することが好ましく、該自由端部における自由端を含む端部域に液不透過性シート85が存在しない部位を有することがより好ましい。本実施形態では、第1液不透過性シート86の幅方向Y外方側に位置する端部8gが、内側防漏カフ8の自由端まで達していないように配されていることによって、内側防漏カフ8における自由端を含む端部域に、液不透過性シート85が存在しない部位が形成されている。内側防漏カフ8における自由端を含む端部域は、少なくとも股下領域Mに形成されており、自由端から幅方向Y内方に所定の幅を有し且つ長手方向Xに延びている。
内側防漏カフ8における自由端は着用者の肌に触れやすい部分であるので、このような構成となっていることによって、内側防漏カフ8の柔軟性を更に高めて、吸収性物品の着用時の違和感を更に低減することができる。
【0050】
内側防漏カフ8及び液不透過性シート85に関する別の実施形態が
図5ないし
図11に示されている。いずれの形態であっても、液不透過性シート85は、吸収性物品の最大伸長状態での平面視において、内側防漏カフ8と吸収体5の肌対向面とが重なる領域の少なくとも一部に位置し、且つ内側防漏カフ8と吸収体5の非肌対向面とが重なる領域の全域に位置するものである。
図5ないし
図11に示す実施形態では、説明の便宜上、幅方向における一方の内側防漏カフ8及び外側防漏カフ9を主に図示しているが、図示された各実施形態は他方の内側防漏カフ8及び外側防漏カフ9についても同様に適用可能である。
【0051】
図5に示す実施形態では、液不透過性シート85が裏面シート4から幅方向Y外方に延在するように一体となって構成されている。本実施形態では、液不透過性シート85が各内側防漏カフ8における不織布等の防漏カフ形成用シート80の間に配されている。一方の内側防漏カフ8における液不透過性シート85と、他方のおむつ1の内側防漏カフ8における液不透過性シート85とは、幅方向Y中央域に位置する裏面シート4を介して一体となって配されている。この形態に代えて、第1液不透過性シート86と、裏面シート4から延在した第2液不透過性シート87とが別体となってそれぞれ防漏カフ形成用シート80の間に配されていてもよい。本実施形態の内側防漏カフ8は、折り曲げ部8fにおいて幅方向Y外方に折り曲げられて、下方域8bと上方域8uとに区分されている。上方域8uにおいて、第1液不透過性シート86が防漏カフ形成用シート80の間に配された部位を有する。このような構成であっても、防漏性及び着用時の違和感低減の効果は十分に奏される。
【0052】
図6に示す実施形態では、
図4に示す実施形態と同様に、内側防漏カフ8に配された第1液不透過性シート86と、該シート86と別体の第2液不透過性シート87とを有する。第2液不透過性シート87が裏面シート4から幅方向Y外方に延在するように一体となって構成されている。本実施形態では、内側防漏カフ8は、折り曲げ部8fが形成されておらず、内側防漏カフ8の自由端部は幅方向Y外方に張り出していない。第2液不透過性シート87の端部4eは、第1液不透過性シート86の幅方向Y内方側に位置する端部8sよりも幅方向Y外方に位置する。第1液不透過性シート86の幅方向Y外方側に位置する端部8gは弾性部材83が配された領域まで達しているが、内側防漏カフ8の自由端までは達していない。このような構成であっても、防漏性及び着用時の違和感低減の効果は十分に奏される。
【0053】
図7に示す実施形態では、
図4に示す実施形態と同様に、内側防漏カフ8に配された第1液不透過性シート86と、該シート86と別体の第2液不透過性シート87とを有する。第2液不透過性シート87が裏面シート4から幅方向Y外方に延在するように一体となって構成されている。本実施形態の内側防漏カフ8は、折り曲げ部8fにおいて幅方向Y外方に折り曲げられて、下方域8bと上方域8uとに区分されている。第2液不透過性シート87の端部4eは、第1液不透過性シート86の幅方向Y内方側に位置する端部8sよりも幅方向Y外方に位置する。第1液不透過性シート86の幅方向Y外方側に位置する端部8gは弾性部材83が配された領域よりも幅方向Y内方に位置している。このような構成であっても、防漏性及び着用時の違和感低減の効果は十分に奏される。
【0054】
図8に示す実施形態では、
図4に示す実施形態と同様に、内側防漏カフ8に配された第1液不透過性シート86と、第2液不透過性シート87とを有する。第2液不透過性シート87が裏面シート4から幅方向Y外方に延在するように一体となって構成されている。本実施形態では、本実施形態の内側防漏カフ8は、折り曲げ部8fにおいて幅方向Y外方に折り曲げられて、下方域8bと上方域8uとに区分されている。第2液不透過性シート87の端部4eの位置は、第1液不透過性シート86の幅方向Y内方側に位置する端部8sの位置と平面視において重なるか、又は端部8sよりも幅方向Y内方に位置する。このような構成であっても、防漏性及び着用時の違和感低減の効果は十分に奏される。
【0055】
また、
図9に示す実施形態では、内側防漏カフ8に配された第1液不透過性シート86と、該シート86と別体の第2液不透過性シート87とを有する。おむつの弛緩状態において、第1液不透過性シート86は、内側防漏カフ8の幅方向Yの内方の面に露出した部分を有するように配されている。本実施形態の内側防漏カフ8は、折り曲げ部8fにおいて幅方向Yの外方に折り曲げられて、下方域8bと上方域8uとに区分されており、上方域8uにおいて、第1液不透過性シート86が防漏カフ形成用シート80の間に配された部位を有する。このような構成であっても、防漏性及び着用時の違和感低減の効果は奏される。
【0056】
図10に示す実施形態では、
図9に示す実施形態と同様に、内側防漏カフ8に配された第1液不透過性シート86と、該シート86と別体の第2液不透過性シート87とを有する。おむつの弛緩状態において、第1液不透過性シート86は、内側防漏カフ8の幅方向Yの内方の面に露出した部分を有するように配されている。本実施形態の内側防漏カフ8は、折り曲げ部8fにおいて幅方向Yの外方に折り曲げられて、下方域8bと上方域8uとに区分されている。上方域8uにおいては、第1液不透過性シート86が防漏カフ形成用シート80の間に配されていない。このような構成であっても、防漏性及び着用時の違和感低減の効果は奏される。
【0057】
図11に示す実施形態では、2枚の防漏カフ形成用シート80を対向するように配し、該シート80間に第1液不透過性シート86が配された形態となっている。その他の構成は
図3及び
図4に示す実施形態の説明が適宜適用される。このような構成であっても、防漏性及び着用時の違和感低減の効果は十分に奏される。
【0058】
着用者へのフィット性を更に向上させる利点、内側防漏カフ8の上部を超えたり、内側防漏カフ8の構成部材を透過して染み出したりすることに起因する体液の横漏れを一層効果的に防止する利点、及び吸収性物品の着用時における柔軟性を高め、ごわつきなどの違和感を効果的に低減する利点を兼ね備えて発現させる観点から、
図3及び
図4に示す内側防漏カフ8及び液不透過性シート85の配置形態を採用することがより一層好ましい。
【0059】
上述のとおり、おむつ1は吸収性コア6の非肌対向面側に配された外装体10を有する。本実施形態における外装体10は、腹側領域Fに配された腹側外装体10Fと、これとは別体に且つ背側領域Rに配された背側外装体10Rとを有している。外装体10は、
図2に示すおむつ1の展開且つ最大伸長状態において、背側領域Rに対応する長手方向Xの両端部域が、長手方向Xよりも幅方向Yの長さが長い長方形形状を有し、且つ股下領域Mに対応する長手方向Xの中央域では、該中央域の長手方向Xに沿う両側縁部が湾曲するように配されている。
【0060】
外装体10は、吸収体5から相対的に遠い位置に配置され、おむつ1の外面を形成する外層シート11と、吸収体5から相対的に近い位置に配置され、おむつ1の内面を形成する内層シート12とを含んで構成されている。両シート11,12どうしは、接着剤や融着等によって互いに接合され一体化されている。
【0061】
本実施形態では、腹側領域F及び背側領域Rに胴周りギャザーが形成されている。前記胴周りギャザーは、外装体10と、外装体10に固定された複数の胴周りギャザー形成用弾性部材13とを含んで構成されている。複数の弾性部材13は、それぞれ幅方向Yに延在し、長手方向Xに間欠配置されている。前記胴周りギャザーは、外装体10を構成する外層シート11と内層シート12との間に、弾性部材13を幅方向Yに伸長させた状態で固定した後、弾性部材13を伸長状態から解放することで作製されている。これによって、外装体10は幅方向Yに伸縮性を発現できるようになっている。また、おむつ1の着用時には、弾性部材13の収縮により、おむつ1の全周にわたって実質的に連続した環状の前記胴周りギャザーが形成される。
【0062】
本実施形態では、一対のレッグ開口部LH,LHそれぞれの開口縁部を形成するレッグ縁部にレッグギャザーが形成されている。前記レッグギャザーは、外装体10と、外装体10に固定されたレッグギャザー形成用弾性部材14とを含んで構成されている。前記レッグギャザーは、外装体10を構成する外層シート11と内層シート12との間に、弾性部材14を伸長状態で固定した後、弾性部材14を伸長状態から解放することで作製されている。おむつ1の着用時には、弾性部材14の収縮により、レッグ開口部LHの開口縁部の全周にわたって実質的に連続した環状の前記レッグギャザーが形成される。弾性部材14は1本でも複数本でもよい。
【0063】
外装体10を構成する両シート11,12は、互いに同種のシートでもよく、あるいは異種のシートでもよい。シート11,12は、伸縮性、特に幅方向Yに伸縮性を有していてもよい。シート11,12としては、各種製法による不織布を用いることができ、具体的には、例えば、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等からなる単層の不織布又は2層以上の積層不織布が挙げられる。また、シート11,12は、これらの不織布とフィルムとが積層一体化された複合シートであり得る。
【0064】
図2に示すように、吸収性物品(おむつ1)の最大伸長状態において、内側防漏カフ8に含まれる防漏カフ形成用弾性部材83と、外側防漏カフ9に含まれる外側防漏カフ形成用弾性部材93とは、互いに非交差状態となるように配されていることが好ましい。本実施形態では、おむつ1の最大伸長状態において、外側防漏カフ9が、内側防漏カフ8の幅方向Y両側部に両防漏カフ8,9が互いに重ならないように位置している。このような構成となっていることによって、内側防漏カフ8と外側防漏カフ9とがそれぞれ独立に起立して、着用者の肌に密着しやすくなるので、排泄液の防漏性が更に向上する。
【0065】
おむつ1における各種の弾性部材の素材としては、特に断らない限り、この種の吸収性物品に通常用いられる各種公知の弾性材料を特に制限なく用いることができる。例えば、スチレン-ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等が挙げられる。各弾性部材の形態としては、それぞれ独立して、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状(糸ゴム等)若しくは帯(平ゴム等)のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。
【0066】
また、外側防漏カフ9は、
図4に示すように、内側防漏カフ8の形態と同様に、起立端である第2基端部91と、第2起立部92の自由端を含む自由端部とを有するところ、弾性部材93を含む第2起立部92の自由端部は、吸収性物品の弛緩状態において、幅方向Yの外方に張り出すように形成されていることが好ましい。このような構成を有することによって、外側防漏カフ9の幅方向Yの外方に張り出した部分を着用者の肌へ面接触させることができるので、防漏カフの密着性を向上させて、内側防漏カフ8から意図せず流出してしまった排泄液の漏れを一層効果的に低減することができる。
【0067】
図4に示すとおり、外側防漏カフ9は、第2基端部91と第2起立部92の自由端との間において、長手方向Xに沿って延びる第2折り曲げ部9fにおいて幅方向Yの外方に折り曲げられて、第2基端部91側に位置する第2下方域9bと、第2起立部92の自由端側に位置する第2上方域9uとに区分される。この形態は
図5ないし
図11に示す形態においても同様に適用可能である。
【0068】
おむつ1の弛緩状態では、少なくとも股下領域Mにおいて、第2折り曲げ部9fにおいて折り曲げられた外側防漏カフ9は、第2折り曲げ部9fが、第2起立部92の自由端よりも幅方向Yの内方に位置している。弾性部材93は第2上方域9uにおける幅方向Yの外方に張り出した部位に配されている。したがって、おむつ1の弛緩状態では、外側防漏カフ9は、第2折り曲げ部9fにおいて屈曲して、第2起立部92の自由端部が幅方向Yの外方に張り出している。第2下方域9b及び第2上方域9uはいずれも長手方向Xに沿って延びており、平面視においていずれも略矩形をしている。
【0069】
上述した各実施形態におけるおむつ1は、吸収体5に伸縮可能な領域が設けられていない形態として説明したが、必要に応じて、吸収体5に弾性部材を配するなどして、吸収体5が伸縮性を有するように構成されていてもよい。
このような形態としては、例えば、吸収体5における吸収性コア6の長手方向Xに沿う両側縁に、吸収体5の幅方向両側部を起立させやすくするための一対の側部弾性部材を伸長状態で配置した形態が挙げられる。このような側部弾性部材は、好ましくは少なくとも股下領域Mに配され、より好ましくは側部弾性部材の両端部が吸収性コア6の長手方向Xの両端縁まで延在して腹側領域F、股下領域M及び背側領域Rに連続して配されている。側部弾性部材は、その少なくとも両端部が少なくとも吸収体5に接着剤等の公知の固定方法により固定されている。側部弾性部材は、1本でもよく複数本でもよい。
吸収体5の幅方向Yの両側部に側部弾性部材が伸長状態で固定されていることで、おむつ1の着用時において、この吸収体5の幅方向Yの両側部が、着用者の肌側に向かって起立する。この起立部が、体液の幅方向Yへの移動をせき止めて、体液の横漏れを防止することができる。
【0070】
吸収性コア6は、その幅方向Y両側部の内方の位置に、長手方向Xに沿って延びる屈曲誘導部を有することが好ましい。屈曲誘導部は、おむつの弛緩状態において、吸収性コア6の幅方向側部が着用者の肌側に向けて起立する際の可撓軸として機能する部位であり、吸収性コア6を含む吸収体5の起立起点と同一の部分である。屈曲誘導部は、例えば、吸収性コア6において剛性差又は密度差が生じるように構成することによって形成することができる。これによって、吸収体5の起立性を高め、排泄液の幅方向への移動を低減して、液の吸収性能をより一層高めることができる。
【0071】
上述した好適な実施形態を有するおむつ1は、吸収性物品の着用時において、吸収性物品のフィット性や柔軟性を更に高めて、おむつの着用時におけるごわつきなどの違和感を低減したものとなる。
【0072】
上述した実施形態のおむつ1では、外装体10が腹側外装体と背側外装体とに分離して形成された形態であったが、これに代えて、外装体10は、腹側領域Fから背側領域Rにわたって連続的に延在する形態であってもよい。
【0073】
内側防漏カフ8の屈曲性を高めて、着用者へのフィット性を更に向上させる観点から、第1起立部82の自由端と第1基端部81との中間域に、一本又は複数本の第2の防漏カフ形成用弾性部材が更に配されていることが好ましい。この場合、第2の防漏カフ形成用弾性部材は、長手方向Xに沿って延びるように配置され、対向した一対の防漏カフ形成用シート80間に伸長状態で接着剤等の固定方法により固定されている。第2の防漏カフ形成用弾性部材は、好ましくは少なくとも股下領域Mに配されている。
【0074】
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。また、上述した各実施形態は、すべて適宜相互に組み合わせて利用できる。
【0075】
上述した実施形態に関し、更に以下の吸収性物品を開示する。
<1>
着用者の前後方向に対応する長手方向とこれに直交する幅方向とを有し、表面シート、裏面シート及び吸収体を備える吸収性本体と、長手方向に延びる防漏カフとを備えた吸収性物品であって、
前記防漏カフは、長手方向に沿って延び且つ長手方向に伸縮可能な一対の内側防漏カフと、長手方向に沿って延び且つ長手方向に伸縮可能な外側防漏カフとを有し、
各防漏カフはいずれも、対向する一対の不織布と、該不織布の間に長手方向に沿って延びるように伸長状態で配置された弾性部材とを有し、
前記吸収性物品の最大伸長状態での平面視において、前記内側防漏カフは、前記吸収体の肌対向面及び非肌対向面のそれぞれにおいて該吸収体と重なる領域を有し、
前記内側防漏カフは液不透過性シートを更に備え、
前記液不透過性シートは、
前記吸収性物品の最大伸長状態での平面視において、前記内側防漏カフと前記吸収体の肌対向面とが重なる領域の少なくとも一部に位置するように、前記内側防漏カフに配されているとともに、
前記吸収性物品の最大伸長状態での平面視において、前記内側防漏カフと前記吸収体の非肌対向面とが重なる領域の全域に位置するように、前記内側防漏カフに配されている、吸収性物品。
【0076】
<2>
前記吸収性物品の最大伸長状態での平面視において、前記液不透過性シートは、前記吸収体の肌対向面及び非肌対向面のそれぞれにおいて、前記吸収体と重なるように配されている、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記内側防漏カフの長手方向の両端部に、前記不織布の起立が阻害された部分である起立阻害部が形成されている、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記外側防漏カフは前記吸収性本体の非肌対向面側に配されており、
前記裏面シートが、前記内側防漏カフと前記外側防漏カフとの間に配されている、前記<1>~<3>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<5>
前記液不透過性シートは、前記内側防漏カフに配された第1液不透過性シートと、前記裏面シートの幅方向両端から延在した第2液不透過性シートとを有し、
前記吸収性物品の最大伸長状態での断面視において、前記第2液不透過性シートの端部が、第1液不透過性シートの幅方向内方側端部よりも幅方向外方に位置する、前記<1>~<4>のいずれか一に記載の吸収性物品。
【0077】
<6>
前記吸収性物品の最大伸長状態での平面視において、各液不透過性シートが平面視において重なる部分の幅方向の長さW1は、それぞれ独立して、好ましくは1mm以上、より好ましくは5mm以上であり、
前記長さW1は好ましくは50mm以下、より好ましくは30mm以下である、前記<5>に記載の吸収性物品。
<7>
各液不透過性シートはそれぞれ独立して、前記股下領域に少なくとも配されている、前記<5>又は<6>に記載の吸収性物品。
<8>
各液不透過性シートは、長手方向の両端縁まで延在して、前記腹側領域、前記股下領域及び前記背側領域に連続して配されている、前記<5>~<7>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<9>
第1液不透過性シートの全てが前記内側防漏カフにおける前記不織布の間に配されている、前記<5>~<8>のいずれか一に記載の吸収性物品。
【0078】
<10>
前記液不透過性シートは、前記内側防漏カフに配された第1液不透過性シートと、前記裏面シートの幅方向両端から延在した第2液不透過性シートとを有し、
第2液不透過性シートが前記裏面シートから幅方向外方に延在するように一体となって構成されている、前記<1>~<9>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<11>
前記内側防漏カフは、起立端となる基端部と、自由端を含む自由端部との間に、該自由端部が幅方向外方に折り曲げられた折り曲げ部が形成されておらず、
第2液不透過性シートの端部は、第1液不透過性シートの幅方向内方側に位置する端部よりも幅方向外方に位置するように配されており、
第1液不透過性シートの幅方向外方側に位置する端部は、前記内側防漏カフにおける弾性部材が配された領域まで達しており、且つ前記内側防漏カフの自由端までは達しないように配されている、前記<10>に記載の吸収性物品。
<12>
前記内側防漏カフは、起立端となる基端部と、自由端を含む自由端部との間に、該自由端部が幅方向外方に折り曲げられた折り曲げ部が形成されており、
第2液不透過性シートの端部は、第1液不透過性シートの幅方向内方側に位置する端部よりも幅方向外方に位置するように配されており、
第1液不透過性シートの幅方向外方側に位置する端部は、前記内側防漏カフにおける弾性部材が配された領域よりも幅方向内方に位置している、前記<10>に記載の吸収性物品。
【0079】
<13>
前記内側防漏カフは、起立端となる基端部と、自由端を含む自由端部との間に、該自由端部が幅方向外方に折り曲げられた折り曲げ部が形成されており、
第2液不透過性シートの端部の位置は、第1液不透過性シートの幅方向内方側に位置する端部の位置と平面視において重なるか、又は
第1液不透過性シートの幅方向内方側に位置する端部よりも幅方向内方に位置する、前記<10>に記載の吸収性物品。
<14>
前記内側防漏カフは、起立端となる基端部と、自由端を含む自由端部との間に、該自由端部が幅方向外方に折り曲げられた折り曲げ部が形成されており、
吸収性物品の弛緩状態において、第1液不透過性シートは、前記内側防漏カフの幅方向の内方の面に露出した部分を有するように配されており、
第1液不透過性シートが前記内側防漏カフの自由端部における前記不織布の間に配された部位を有する、前記<10>に記載の吸収性物品。
<15>
前記内側防漏カフは、起立端となる基端部と、自由端を含む自由端部との間に、該自由端部が幅方向外方に折り曲げられた折り曲げ部が形成されており、
吸収性物品の弛緩状態において、第1液不透過性シートは、前記内側防漏カフの幅方向の内方の面に露出した部分を有するように配されており、
第1液不透過性シートが、前記内側防漏カフの自由端部における前記不織布の間に配されていない部位を有する、前記<10>に記載の吸収性物品。
【0080】
<16>
前記裏面シートから幅方向外方に延在するように構成された前記液不透過性シートが前記各内側防漏カフにおける前記不織布の間に配されており、
一方の前記内側防漏カフにおける前記液不透過性シートと、他方の前記内側防漏カフにおける前記液不透過性シートとが、前記裏面シートを介して一体となっている、前記<1>~<4>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<17>
前記各液不透過性シートが前記内側防漏カフにおける前記不織布の間に配されている、前記<16>に記載の吸収性物品。
<18>
前記内側防漏カフは、長手方向に沿って二つ折りされて対向する不織布によって形成されている、前記<1>~<17>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<19>
前記内側防漏カフは、2枚の前記不織布を対向するように配することによって形成されている、前記<1>~<17>のいずれか一に記載の吸収性物品。
【0081】
<20>
前記液不透過性シートは、前記内側防漏カフにおける前記不織布の間に配された部位を有する、前記<1>~<19>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<21>
前記内側防漏カフは、起立端となる基端部と、自由端部とを有し、
前記自由端部は、前記液不透過性シートが存在しない部位を有する、前記<1>~<20>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<22>
前記自由端部における自由端を含む端部域に、前記液不透過性シートが存在しない部位を有する、前記<21>に記載の吸収性物品。
<23>
前記内側防漏カフにおける自由端を含む端部域は、前記股下領域に少なくとも形成されており、且つ
前記自由端から幅方向内方に所定の幅を有し且つ長手方向に延びている、前記<22>に記載の吸収性物品。
【0082】
<24>
前記内側防漏カフは、起立端となる基端部と、自由端を含む自由端部と、該基端部と該自由端との間に位置し且つ長手方向に延びる折り曲げ部を有し、
前記折り曲げ部において幅方向外方に折り曲げられて、前記基端部側に位置する下方域と、前記自由端側に位置する上方域とに区分されている、前記<1>~<23>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<25>
前記内側防漏カフの前記基端部と前記自由端との中間域に、一本又は複数本の弾性部材が不織布間に伸長状態で配されている、前記<24>に記載の吸収性物品。
<26>
吸収性物品の弛緩状態において、前記内側防漏カフにおける前記自由端部は、幅方向の外方に張り出すように形成されている、前記<24>又は<25>に記載の吸収性物品。
<27>
前記内側防漏カフにおける弾性部材は、前記上方域における幅方向外方に張り出した部位に配されており、
前記上方域が長手方向に伸縮性を有するように形成されている、前記<26>に記載の吸収性物品。
【0083】
<28>
前記液不透過性シートは、前記内側防漏カフに配された第1液不透過性シートと、前記裏面シートの幅方向両端から延在した第2液不透過性シートとを有し、
前記上方域において、第1液不透過性シートが前記内側防漏カフにおける前記不織布の間に配された部位を有する、前記<24>~<27>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<29>
前記吸収性物品の最大伸長状態において、前記内側防漏カフにおける弾性部材と、前記外側防漏カフにおける弾性部材とは、互いに非交差状態となるように配されている、前記<1>~<28>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<30>
前記外側防漏カフは、起立端となる第2基端部と、自由端を含む第2自由端部とを有し、
吸収性物品の弛緩状態において、第2自由端部は幅方向の外方に張り出すように形成されている、前記<1>~<29>のいずれか一に記載の吸収性物品。
【0084】
<31>
前記吸収体は、少なくとも前記股下領域に配された弾性部材を更に有し、該吸収体が伸縮性を有するように構成されている、前記<1>~<30>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<32>
前記吸収体は吸収性コアを備え、
前記吸収性コアの長手方向に沿う両側縁に、一対の側部弾性部材を伸長状態で配置されていることによって、前記吸収体が伸縮性を有するように構成されている、前記<1>~<31>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<33>
前記吸収体は吸収性コアを備え、
前記吸収性コアは、その幅方向Y両側部の内方の位置に、長手方向Xに沿って延びる屈曲誘導部を有し、
前記屈曲誘導部は、前記吸収性物品の弛緩状態において、吸収性コア6の幅方向側部が着用者の肌側に向けて起立する際の可撓軸として機能させるためのものである、前記<1>~<32>のいずれか一に記載の吸収性物品。
【符号の説明】
【0085】
1 パンツ型使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 吸収性本体
3 表面シート
4 裏面シート
5 吸収体
8 内側防漏カフ
85 液不透過性シート
9 外側防漏カフ
10 外装体
X 長手方向
Y 幅方向
F 腹側領域
M 股下領域
R 背側領域