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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】作業支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0635 20230101AFI20241010BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20241010BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20241010BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20241010BHJP
【FI】
G06Q10/0635
G06Q50/08
G06Q50/04
G06Q10/20
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021167538
(22)【出願日】2021-10-12
(65)【公開番号】P2023057838
(43)【公開日】2023-04-24
【審査請求日】2023-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000233055
【氏名又は名称】株式会社日立ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武藤 耕多
(72)【発明者】
【氏名】奈良 雅雄
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-123577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が作業現場において実施する作業を支援する作業支援システムであって、
前記作業者が使用する作業者端末上において、前記作業者が確認すべき確認項目を作業項目ごとに記述した確認項目リストを提示する、確認項目提示部、
前記作業者端末上において前記確認項目リスト内の確認項目がマーキングされたことを検出するマーキング検出部、
前記作業者が前記確認項目リスト内の確認項目を理解したか否かを確認する条件を記述した確認条件データを格納する記憶部、
前記確認条件データが記述している前記条件にしたがって、前記作業者が前記確認項目リスト内の確認項目を理解したか否かを確認する、理解度確認部、
を備え、
前記確認条件データは、
前記作業者が前記確認項目リスト内の確認項目を理解したか否かを確認するために前記作業者端末上で提示する確認質問を記述した質問データ、
前記確認項目が、前記作業者が前記マーキングと前記確認質問に対する回答いずれも要さない第1分類に該当するか否か、前記作業者が前記マーキングを実施することを要する第2分類に該当するか否か、または、前記作業者が前記マーキングと前記確認質問に対する回答をともに実施することを要する第3分類に該当するか否か、について前記確認項目ごとに規定した項目分類データ、
を有し、
前記理解度確認部は、前記第2分類に属する前記確認項目については、前記マーキングが実施されていない場合は前記作業者端末上でその旨の警告を提示し、
前記理解度確認部は、前記第3分類に属する前記確認項目については、前記マーキングが実施されていないかまたは前記確認質問に対して前記作業者が正解を回答していないかのうち少なくともいずれかに該当する場合は前記作業者端末上でその旨の警告を提示する
ことを特徴とする作業支援システム。
【請求項2】
前記確認条件データは、前記作業者端末上で前記マーキングを実施する際に前記作業者端末の画面上で画面ポインタが移動する速度として許容される上限速度を記述しており、
前記理解度確認部は、前記作業者端末の画面上で前記画面ポインタが実際に移動した実移動速度を取得し、
前記理解度確認部は、前記第2分類または前記第3分類に属する前記確認項目については、前記実移動速度が前記上限速度を超えている場合は、前記作業者端末上でその旨の警告を提示する
ことを特徴とする請求項1記載の作業支援システム。
【請求項3】
前記確認条件データは、前記作業者が実施すべき作業内容を文字列によって記述した作業内容データを有し、
前記質問データは、前記確認質問に対する回答の選択肢として、前記作業内容データが記述している前記作業内容の一部を正解回答として規定するとともに、前記正解回答とは異なる文字列を誤回答として規定しており、
前記理解度確認部は、前記質問データが規定している前記正解回答と前記質問データが規定している前記誤回答を、前記確認質問として前記作業者端末上で提示し、
前記理解度確認部は、前記確認質問に対する回答として前記正解回答が選択された場合のみ、前記確認質問に対して前記作業者が正解を回答したとみなす
ことを特徴とする請求項1記載の作業支援システム。
【請求項4】
前記確認項目提示部は、第1作業項目のなかに含まれる確認項目のうち、前記第2分類に属する全ての確認項目について前記作業者が前記マーキングを実施し終えるとともに、前記第3分類に属する全ての確認項目について前記作業者が前記マーキングと前記正解を回答することを実施し終えるまで、前記第1作業項目に続く第2作業項目のなかに含まれる確認項目を提示しない
ことを特徴とする請求項1記載の作業支援システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記確認質問に対する正解履歴を前記作業者ごとに集計した集計データを格納しており、
前記作業支援システムはさらに、前記集計データが記述している集計結果にしたがって前記作業者が前記作業現場において作業を開始することを許可するか否かを判断する開始許可部を備え、
前記開始許可部は、前記作業現場における作業を開始する許可を求めるリクエストを受け取ったとき、前記リクエストの直前の所定期間内における前記作業者の前記確認質問に対する正解率が第1閾値以上である場合は前記リクエストを許可し、
前記開始許可部は、前記リクエストを受け取ったとき、前記所定期間内における前記作業者の前記確認質問に対する正解率が前記第1閾値未満である場合は、前記第1閾値以上である場合とは異なる条件によって、前記リクエストを許可するか否かを判断する
ことを特徴とする請求項1記載の作業支援システム。
【請求項6】
前記集計データは、前記集計を開始した以降の全期間にわたる前記作業者の前記確認質問に対する正解率の累積集計結果を記述しており、
前記開始許可部は、前記リクエストを受け取ったとき、前記累積集計結果が第2閾値以上である場合は前記リクエストを許可し、
前記開始許可部は、前記リクエストを受け取ったとき、前記累積集計結果が前記第2閾値未満である場合は、前記第2閾値以上である場合とは異なる条件によって、前記リクエストを許可するか否かを判断する
ことを特徴とする請求項5記載の作業支援システム。
【請求項7】
前記集計データは、前記集計を開始した以降の全期間にわたって前記リクエストを許可した割合を表す累積許可率を記述しており、
前記開始許可部は、前記リクエストを受け取ったとき、前記累積許可率が第3閾値以上である場合は前記リクエストを許可し、
前記開始許可部は、前記リクエストを受け取ったとき、前記累積許可率が前記第3閾値未満である場合は、前記確認質問を改めて提示して前記作業者が正解を回答した割合が基準値以上である場合のみ、前記リクエストを許可する
ことを特徴とする請求項6記載の作業支援システム。
【請求項8】
前記開始許可部は、前記所定期間内における前記確認質問に対する正解率、前記累積集計結果、または前記累積許可率のうち少なくともいずれかが基準値未満である前記作業者を前記集計データから特定して提示する
ことを特徴とする請求項7記載の作業支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が作業現場において実施する作業を支援する作業支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、現場作業のデジタル化が進んでおり、従来の紙による作業手順書からスマートデバイス上に表示される電子作業手順書を参照しながら作業するケースが増えてきた。電子作業手順書は、手順自体の作成容易性、作業証跡の取得、報告業務の効率化、作業データの利用(分析など)などメリットが多く、今後あらゆる分野で浸透していくものと思われる。
【0003】
作業手順に従って作業をする上で、注意点(特に安心・安全や品質などに関わる重要事項)を作業者がきちんと理解して作業することが重要となる。紙の作業手順書の場合は注意事項一覧を添付し、電子作業手順書の場合は作業者が注意事項を読んだことを端末画面上でチェックする仕掛けを設けるなど、作業者が重要事項を確実に理解することを促す取り組みがなされている。
【0004】
下記特許文献1は、装置が備える画面上でチェック項目に対する確認を実施する技術を記載している。同文献は、『所定の表示画面を備えた表示装置と、この表示装置の表示画面上に積層一体化されて上記表示画面に対して指示された位置を検出する位置入力装置と、前記表示装置を用いて表示して確認を促す為のチェック項目の情報を入力する手段と、入力されたチェック項目の情報を記憶してその入力チェック項目の情報を前記表示装置の表示画面上に表示する手段と、表示されたチェック項目に対して指示された位置を前記位置入力装置にて検出してその指示入力位置が示すチェック項目を識別判定する手段と、この判定結果に従って前記位置入力装置にて検出された指示位置のチェック項目に該当する前記表示画面上の領域に所定のマーカを表示する手段と、マーカが付されたチェック項目に対するチェック指示の解除がなされたとき該当チェック項目のマーカを消去する手段と、所定のチェック項目の全てにマーカが付されたか否かを判定してチェックの終了判定を行なう手段とを具備したことを特徴とするチェック装置。』という技術を記載している(請求項1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第2735254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1が記載しているように、チェック項目を電子端末上で確認する仕組みを提供する場合においても、例えば作業者が重要事項を十分理解することなくチェックボックスに対してチェック済である旨を入力するなどによって、チェックが有効に作用しない可能性がある。これにより依然として、重要事項を理解しなかったことによる作業ミス等が発生するケースが見られる。
【0007】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、作業現場における作業者の作業を支援する際に、作業者が作業上の重要項目を確実に理解することを促進できる、作業支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る作業支援システムは、作業者端末上で提示する確認項目を、端末上でマーキングを要する分類とマーキングおよび確認質問に対する回答を要する分類とに分類し、その分類にしたがって、作業者がマーキングを完了しまたはマーキングと回答をともに完了したか否かをチェックする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る作業支援システムによれば、作業現場における作業者の作業を支援する際に、作業者が作業上の重要項目を確実に理解することを促進することができる。本発明のその他の課題、構成、利点、などについては、以下の実施形態を参照することによって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係る作業支援システム1の構成図である。
図2A】確認条件データ15が保持している確認項目カテゴリテーブル151の構成とデータ例を示す。
図2B】確認条件データ15が保持している確認項目テーブル152の構成とデータ例を示す。
図3】設定データ16の構成とデータ例を示す。
図4】作業支援システム1の全体動作を説明するフローチャートである。
図5】S402の詳細を説明するフローチャートである。
図6】S406の詳細を説明するフローチャートである。
図7】S407の詳細を説明するフローチャートである。
図8】確認項目登録部11が提供する確認項目登録画面の例である。
図9】確認項目提示部12が提供する確認項目画面の例である。
図10】理解度確認部14が提示する理解度チェック画面の例である。
図11】実施形態2に係る作業支援システム1の構成図である。
図12】集計データ18の構成とデータ例である。
図13】実施形態2において作業支援システム1が作業現場に対する入場リクエストを処理する手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る作業支援システム1の構成図である。作業支援システム1は、作業者が作業現場において実施する作業を支援するシステムである。作業者は作業者端末31を保持して作業現場へ赴き、作業者端末31上に表示される作業手順書を見ながら作業を実施する。作業手順書は、電子作業手順書システム2から作業者端末31に対して、例えばWebコンテンツなどの形式によって提供される。本実施形態1においては、作業支援システム1と電子作業手順書システム2を別システムとして記載したが、これらは一体のシステムとして構成してもよい。
【0012】
作業支援システム1は、作業手順における確認項目を作業者端末31に対して提示することにより、作業者がその確認項目を確実に理解することを促す。理解を促すための具体的な仕組みについては後述する。確認項目は、作業手順そのものとは別に、作業者が理解しておくべき重要事項として、作業者端末31上で提示されるものである。
【0013】
作業支援システム1は、例えば演算装置と記憶装置を備えるコンピュータによって構成することができる。作業支援システム1は、確認項目登録部11、確認項目提示部12、マーキング検出部13、理解度確認部14、確認条件データ15、設定データ16を備える。確認条件データ15と設定データ16は、作業支援システム1が備える記憶装置に格納される。
【0014】
確認項目登録部11は、管理者端末32からの指示にしたがって、作業者端末31上で提示する確認項目を確認条件データ15内に記録する。確認項目提示部12は、確認項目を作業者端末31に対して(例えばWebコンテンツなどの形式によって)提示する。マーキング検出部13は、作業者端末31の画面上でマーキングされた箇所を検出する。理解度確認部14は、作業者が確認項目を理解したか否かをチェックするための理解度チェックを作業者端末31に対して提示する。確認条件データ15は、確認項目を記述している。設定データ16は、理解度チェックにおける動作設定などを記述している。これらの詳細は後述する。
【0015】
図2Aは、確認条件データ15が保持している確認項目カテゴリテーブル151の構成とデータ例を示す。確認項目カテゴリテーブル151は、1以上の確認項目を集約した項目名(換言すると大項目名)を列挙したデータテーブルである。それぞれの確認項目カテゴリは、固有の識別子によって識別される。
【0016】
図2Bは、確認条件データ15が保持している確認項目テーブル152の構成とデータ例を示す。確認項目テーブル152は、作業者端末31上で提示する確認項目を記述した文字列を列挙したデータテーブルである。確認項目は、確認項目カテゴリテーブル151上の確認項目カテゴリごとに、1以上が列挙されている。例えばカテゴリ識別子「C001」については3つの確認項目が列挙されている。
【0017】
確認項目に対して作業者がどの程度の確認をすればよいのかは、確認項目の重要度などに応じて異なる。そこで確認項目テーブル152は、確認を要する程度を表す「レベル」を確認項目ごとに規定している。レベルが高いほどより慎重に確認する必要があることを意味する。後述の画面例において例示するように、ここではレベル1~3の3段階のレベルが規定されているものとする。
【0018】
本実施形態1において、レベル2の確認項目については、作業者が作業者端末31の画面上で確認項目をマーキングすることを求める。マーキングの具体例、およびマーキングを実施する確認項目の画面例については後述する。
【0019】
本実施形態1において、レベル3の確認項目については、作業者が確認チェックをパスすることを求める。確認チェックは、作業者に対して提示する確認質問によって構成されている。確認質問は、例えば正しい選択肢を選ばせる選択問題形式によって提示することができる。図2Bの例においては、確認項目を記述した文字列の一部を正解回答とし、これとは異なる文字列を不正解回答とする2つの選択肢によって確認質問を構成した例を示した。
【0020】
図3は、設定データ16の構成とデータ例を示す。設定データ16は、作業者端末31上において作業者が確認項目をマーキングする際の上限速度を規定する。ここでいうマーキングは、確認項目として作業者端末31の画面上で表示されている文字列を、画面ポインタ(例えばマウスポインタ)によってドラッグする動作を想定している。ただしこれに限らず、作業者が確認項目をマーキングする動作とそれ以外の動作を識別できれば、その他の動作であってもよい。
【0021】
マーキング動作は、確認項目として表示されている部分を一端から他端まで画面上でなぞる動作をともなうので、画面ポインタが移動する。その移動速度があまりにも速過ぎると、作業者はその確認項目をよく読んでいないのではないかという懸念が生じる。そこで設定データ16は、マーキング動作時において画面ポインタが移動する上限速度を規定することとした。
【0022】
設定データ16はその他に、マーキング動作によって作業者端末31の画面をマーキングする際のマーカ色を規定する。作業者端末31が確認項目を提示する際におけるその他適当なパラメータを併せて規定してもよい。
【0023】
図4は、作業支援システム1の全体動作を説明するフローチャートである。記載の便宜上、電子作業手順書システム2も部分的に本フローチャートと関与している。以下図4の各ステップについて説明する。
【0024】
図4:ステップS401)
手順書作成者は、電子作業手順書システム2上で、電子作業手順書を作成する。本ステップは作業支援システム1の動作とは別に実施することができるが、記載の便宜上、本フローチャート上においてS402と併記した。
【0025】
図4:ステップS402)
手順書作成者は、確認項目登録部11によって、確認項目を作業支援システム1(すなわち確認条件データ15)に登録する。本ステップの詳細は後述の別フローチャートにおいて説明する。
【0026】
図4:ステップS403)
手順書作成者は、作成した作業手順と確認項目を紐付ける。まず作業手順書上でどの確認項目を提示するかを少なくとも指定する。さらに、作業手順書上のどの作業項目においてどの確認項目を提示するかを指定する。図2A図2Bの例を用いて説明すると、養生作業を実施する作業項目において、確認項目C001-1からC001-3までを提示することを指定する。
【0027】
図4:ステップS403:補足)
電子作業手順書と確認項目をともにWebコンテンツとして提示する場合、これらのWebコンテンツの間でハイパーリンクを用いた接続関係を形成することにより、両者を対応付けることができる。その他の形式でこれらを提示する場合は、例えば両者を一体にしてパッケージングしたデータを作業者端末31に対して提供することにより、両者を対応付けることができる。その他適当な手法を用いてもよい。
【0028】
図4:ステップS404)
作業者は、作業者端末31を保持して作業現場に赴く。作業者端末31は、電子作業手順書システム2から作業手順書を取得するとともに、作業支援システム1からその作業手順書と対応付けられた確認項目を取得する。作業者は、作業者端末31の画面上で作業手順書を表示しながら、これにしたがって作業項目を実施する。
【0029】
図4:ステップS405)
確認項目は作業項目ごとに対応付けられているので、作業項目によっては確認項目が存在しないものもある(例:重要事項がない作業項目)。確認事項がなければS408を介して次の作業項目に進む。確認事項がある場合はS406へ進む。
【0030】
図4:ステップS406)
確認項目提示部12は、作業者端末31に対して確認項目を提示する。例えば電子作業手順書と確認項目がWebコンテンツとして提示されている場合、作業者が電子作業手順書上で現在の作業項目を完了した旨を指定すると、作業者端末31はリンク先として指定されている確認項目を作業支援システム1に対してリクエストし、確認項目提示部12はそのリクエストに応じて確認項目を提示する。作業者は、作業者端末31の画面上で確認項目を確認する。確認項目を確認する具体的手順は、後述のフローチャートにおいて改めて説明する。
【0031】
図4:ステップS407)
作業者は、確認項目を確認し終えると、作業者端末31の画面上で次の項目を提示するように指示する。確認項目のなかにレベル3のものが含まれている場合、理解度確認部14は作業者端末31に対して確認質問を提示する。確認項目と確認質問との間のリンクについてはS406と同様である。作業者は、作業者端末31の画面上で確認質問に対して回答する。確認質問の具体的手順は、後述のフローチャートにおいて改めて説明する。
【0032】
図4:ステップS408)
作業者は、作業者端末31の画面上で、次の項目を提示するように指示する。次の作業項目があればS404へ戻り、なければ本フローチャートを終了する。確認項目を確認し終えていないのに次の項目を提示するように作業者が指示した場合は、次の項目を提示することなく、確認項目を全て確認し終えるように促す警告を画面上で提示してもよい。
【0033】
図5は、S402の詳細を説明するフローチャートである。以下図5の各ステップについて説明する。
【0034】
図5:ステップS501)
手順書作成者は、例えば管理者端末32を用いて、作業支援システム1に対してアクセスし、確認項目を登録するための画面をリクエストする。確認項目登録部11は、そのリクエストに応じて、確認項目登録画面を提示する。
【0035】
図5:ステップS502)
確認項目登録画面は、以下の項目を入力するように構成されている:(a)確認項目カテゴリ;(b)確認項目;(c)レベル;(d)理解度チェックの正解文言;(e)理解度チェックの不正解文言。手順書作成者は、確認項目登録画面に対してこれらを入力する。
【0036】
図5:ステップS503)
確認項目登録部11は、入力内容に不備がないかチェックする。不備があればS502へ戻る。不備がなければS504へ進む。チェック対象は例えば、確認項目カテゴリが入力済であるか否か、レベル3の確認項目に対して確認質問の正解と不正解がそれぞれ入力されているか否か、などである。
【0037】
図5:ステップS504)
確認項目登録部11は、カテゴリ識別子と項目識別子を自動採番して、入力内容とともに確認条件データ15へ記録する。
【0038】
図6は、S406の詳細を説明するフローチャートである。以下図6の各ステップについて説明する。
【0039】
図6:ステップS601)
確認項目提示部12は、作業者端末31に対して確認項目を提示する。
【0040】
図6:ステップS602)
マーキング検出部13は、作業者が作業者端末31の画面上で画面ポインタを用いて実施したマーキング動作とその速度を検出する。マーキング動作は、例えばマウスポインタを用いたドラッグ動作である。あるいは作業者端末31がタッチパネルによって構成されている場合はその指タッチを検出してもよい。
【0041】
図6:ステップS602:補足その1)
確認項目がWebコンテンツとして提示されている場合、例えばWebブラウザ上で動作するスクリプトを用いてマウスイベントを検出することにより、マウスポインタの軌跡をトラッキングするとともに、マウスボタンの押下を検出することができる。マーキング検出部13は、その検出結果をWebブラウザから受け取ることにより、作業者端末31の画面上におけるマーキング動作を検出できる。
【0042】
図6:ステップS602:補足その2)
Webコンテンツに対してマーカを追加するためには、例えば文字列のスタイルをスクリプトによって動的に変更する、マーカタグをスクリプトによって動的に追加する、などの適当な手法を用いることができる。あるいは透明なCANVASオブジェクト(HTML5において新たに追加されたHTML要素)を画面上にあらかじめ重畳して配置しておき、マーキング動作時にCANVAS上でマーキング描画をすることにより、マーキング効果を画面上で重ねるようにしてもよい。
【0043】
図6:ステップS603)
作業者がレベル2またはレベル3の確認項目をマーキングした場合はS604へ進む。それ以外であればS606へスキップする。どの確認項目がマーキングされたかを検出するためには、例えば確認項目ごとにオブジェクトIDを付与しておき、そのオブジェクトに対するマウスダウンイベントをスクリプトによって捕捉すればよい。その他適当な方法を用いてもよい。
【0044】
図6:ステップS604)
理解度確認部14は、作業者が確認項目をマーキングしたときのマーキング速度が、設定データ16によって規定されている上限速度以下であるか否かをチェックする。上限速度以下であればS606へ進む。上限速度を超えていればS605へ進む。
【0045】
図6:ステップS604:補足その1)
マーキング動作(ドラッグ動作)の開始時刻、終了時刻、開始座標、終了座標をスクリプト上で特定することにより、ドラッグ動作において画面ポインタが移動した単位時間当たりのピクセル数(すなわちピクセル換算の移動速度)を取得できる。さらに、確認項目の文字数と、その文字のフォントサイズ(ピクセルまたはポイント)とから、確認項目の文字列が画面上で占めるサイズを計算できる。この画面上サイズと画面ポインタの移動速度から、マーキングした文字数を計算できる。以上の計算手順により、マーキング動作における単位時間当たりのマーキング文字数を計算できる。この計算結果を、設定データ16が規定する上限速度と比較すればよい。
【0046】
図6:ステップS604:補足その2)
確認項目の文字列のうち一部のみがマーキングされたような場合は、マーキングがなされていないとみなすことが望ましい。例えば、ドラッグ動作によって画面ポインタが移動した文字数と、その確認項目の文字数とを比較することにより、確認項目の文字列が全てマーキングされたか否かを判断できる。確認項目の文字列数は、確認項目テーブル152から取得できる。あるいはマーキング動作にともなって文字列がマウスポインタによって選択されるので、その選択した文字列をJavaScriptのgetSelectionメソッドを介して取得し、その文字数をカウントしてもよい。次の補足3においても同様である。
【0047】
図6:ステップS604:補足その3)
マーキング速度を取得する際に、マーキング動作の開始座標と終了座標を取得することにより、確認項目の文字列が全てマーキングされたか否かを、併せて判定することができる。理解度確認部14は、例えばWebブラウザ上のスクリプトが取得したマーキング動作の検出結果を取得し、これを用いて本ステップの判定を実施した上で、その結果を作業者端末31に対して返信すればよい。
【0048】
図6:ステップS605)
理解度確認部14は、マーキング速度が上限速度を超えている旨の警告を、作業者端末31上で画面表示する。例えば理解度確認部14からの返信内容に応じて警告ダイアログを表示するように、確認項目画面をあらかじめ構成しておけばよい。
【0049】
図6:ステップS606)
理解度確認部14は、作業者がレベル2またはレベル3の確認項目を全てマーキングしたか否かを確認する。全て完了した場合は本フローチャートを終了する。未完了である場合はS602へ戻る。全てマーキング完了したか否かは、例えば確認項目に対するマーキングが完了するごとにその旨を理解度確認部14が記憶しておき、同じカテゴリ識別子に属する全ての確認項目に対してマーキング完了したか否かを、マーキング完了ごとにチェックすればよい。
【0050】
図6:ステップS606:補足)
レベル2または3の確認質問全てについてマーキングがされていない状態で、作業者が作業者端末31上の次の画面へ進もうとした場合、S605と同様に警告を表示した上でS602へ戻ってもよい。
【0051】
図7は、S407の詳細を説明するフローチャートである。S407はレベル3の確認項目に対して実施されるので、図7における確認項目はレベル3のものであることを想定している。以下図7の各ステップについて説明する。
【0052】
図7:ステップS701)
理解度確認部14は、作業者端末31に対して理解度チェック画面(確認質問)を提示する。確認質問画面は、確認項目ごとに1つ提示してもよいし、1つの確認質問画面内で2以上の確認項目についての確認質問をまとめて提示してもよい。作業者に対して過度な負担を課さないようにするためには、1画面内で全ての確認質問を表示するほうが望ましいと考えられる。
【0053】
図7:ステップS702)
理解度確認部14は、確認項目の文字列のうち正解文言と合致する部分をブランクに置き換えたものを、確認質問として提示する。さらに、回答選択肢として、正解文言と不正解文言を提示する。
【0054】
図7:ステップS703~S705)
理解度確認部14は、各確認質問に対する回答を取得し(S703)、その回答を確認項目テーブル152内の正解文言と照合する。理解度確認部14は、全ての回答が正解であるか否かを確認する(S704)。全て正解であれば本フローチャートを終了する。不正解があれば確認質問を再トライするように促す警告を作業者端末31上で提示し(S705)、S703へ戻る。
【0055】
図8は、確認項目登録部11が提供する確認項目登録画面の例である。確認項目登録画面は、S502における各項目を入力するための画面である。確認項目カテゴリと確認項目は、文字列によって入力する。作業者がマーキングすることを要する確認項目についてはレベル2を選択し、マーキングと確認質問への回答を要する確認項目についてはレベル3を選択する。レベル3の確認項目については、確認項目の文字列のうち一部を正解文言として指定し、不正解文言としてこれとは異なる文言を入力する。確認項目を増減する場合はプラスボタンまたはマイナスボタンを用いる。確認項目の順序を前後させる場合は矢印ボタンを用いる。
【0056】
図9は、確認項目提示部12が提供する確認項目画面の例である。ここでは、確認項目カテゴリ「養生ポイント」(C001)に対応付けて記録されている3つの確認項目(C001-1~C001-3)を表示した例を示している。確認項目C001-1はレベル2なので、作業者はこれに対してマーキングした。レベル1についてもマーキングしてもよいが、本実施形態1においては、マーキングしなかった場合に警告を表示するのはレベル2と3のみで足りることとした。
【0057】
図10は、理解度確認部14が提示する理解度チェック画面の例である。ここでは確認項目C001-2についての確認質問を例示した。作業者は正解であると考える選択肢を選んでチェックボタンを押す。確認項目の内容を再確認してから改めて確認質問へ回答したい場合は、いったん確認事項へ戻ってもよい。
【0058】
<実施の形態1:まとめ>
本実施形態1に係る作業支援システム1は、作業者がマーキングを実施すべき第2分類(レベル2)の確認項目と、作業者がマーキングおよび確認質問への回答を実施すべき第3分類(レベル3)の確認項目とをあらかじめ規定しており、第2分類についてはマーキングが実施されていなければその旨を警告し、第3分類についてはマーキングと正解回答がいずれも実施されていなければその旨を警告する。これにより、作業者が作業上の重要項目を確実に理解することを促進できる。特に第3分類については、確認質問に対して正解することが必要だからである。
【0059】
本実施形態1に係る作業支援システム1は、マーキングの上限速度をあらかじめ規定しており、作業者がマーキングを実施した際の画面ポインタの移動速度がその上限速度を超えている場合は、その旨を警告する。これにより、確認質問に対する回答を要さない第2分類の確認項目であっても、作業者はある程度慎重に重要事項を確認することを促されることになる。したがって、単にチェックボックスなどによって確認する場合よりも、重要事項についてより確実に作業者が理解することが促される。
【0060】
<実施の形態2>
作業現場によっては、作業上の重要事項を十分理解した作業者のみ立ち入りを許可すべき特性を有する場合が考えられる。実施形態1で説明した作業支援システム1により、作業者は重要事項を理解することを促される。このことを利用して、作業者が重要事項を理解しているか否かを統計的に把握し、その統計上の集計結果を用いて、作業現場に対する立ち入りを許可するか否かを判定することができると考えられる。本発明の実施形態2ではその構成例を説明する。ただし後述するように、本実施形態2は、作業現場に対する立ち入りに限るものではなく、作業開始を許可するか否かにおける判断に際して一般的に用いることができる。
【0061】
図11は、本実施形態2に係る作業支援システム1の構成図である。作業支援システム1は、実施形態1で説明した構成に加えて、開始許可部17と集計データ18を新たに備える。開始許可部17は、集計データ18にしたがって、作業者が作業現場に対して立ち入ることを許可するか否かを判定する。集計データ18は、作業支援システム1が備える記憶装置に格納されたデータであり、具体例は後述する。
【0062】
図12は、集計データ18の構成とデータ例である。集計データ18は、作業者が過去に回答した確認質問に対する不正解率を集計した結果を記述したデータテーブルである。集計データ18は、確認質問に対する最新の不正解率を、作業者ごとに保持している。ここでいう最新の不正解率とは、例えば当該作業者に対してその作業現場において直前に実施した確認質問の不正解率であってもよいし、現時点から遡って所定期間内に当該作業者に対してその作業現場において実施した確認質問の不正解率であってもよい。少なくとも後述の累積不正解率よりも直近の傾向を反映したものであれば、その他のものであってもよい。
【0063】
集計データ18はさらに、不正解率の集計を開始した以後から累積した不正解率(総合不正解率)を、作業者ごとに保持している。集計データ18はさらに、入場許可リクエストの回数と許可回数を、作業者ごとにそれぞれ保持している。
【0064】
集計データ18は、例えば作業現場ごとに設けることができる。この場合、各不正解率は、その作業現場において過去に実施した確認質問に対する成績を、作業者ごとに保持することになる。これに代えて全ての作業現場における成績を集計した結果を集計データ18として保持することもできる。この場合における集計データ18は、確認質問全般に対する取り組みの程度を作業者ごとに集計したデータとしての性質を有する。
【0065】
図13は、本実施形態2において作業支援システム1が作業現場に対する入場リクエストを処理する手順を説明するフローチャートである。作業支援システム1は、作業者が作業現場に対して入場することを許可するように要求するリクエストを受け取ると、本フローチャートを開始する。以下図13の各ステップについて説明する。
【0066】
図13:ステップS1301~S1302)
開始許可部17は、集計データ18のうち当該作業者に関するレコードを取得する。開始許可部17は、最新の不正解率を読み取る(S1301)。最新の不正解率が50%未満である場合(S1302:No)、その作業者は重要事項を十分理解していると考えられるので、S1309を介して入場を許可する。最新の不正解率が50%以上である場合は、S1303以降のさらなるチェックを実施する。不正解率の数値は1例であり、その他の閾値を用いてもよい。以下のステップも同様である。
【0067】
図13:ステップS1303~S1304)
開始許可部17は、集計データ18のうち総合不正解率を読み取る(S1303)。総合不正解率が50%未満である場合(S1304:No)、その作業者は累積的には重要事項を十分理解していると考えられるので、S1309を介して入場を許可する。総合不正解率が50%以上である場合は、S1305以降のさらなるチェックを実施する。
【0068】
図13:ステップS1305~S1306)
開始許可部17は、集計データ18のうち入場リクエスト回数と許可回数を読み取る(S1305)。入場許可率(許可回数/入場リクエスト回数×100)が50%未満である場合(S1306:Yes)、その作業者は累積的には重要事項を十分理解していない可能性があるので、S1307においてさらなるチェックを実施する。入場許可率が50%以上である場合、その作業者は累積的には重要事項を十分理解していると考えられるので、S1309を介して入場を許可する。
【0069】
図13:ステップS1307~S1308)
理解度確認部14は、入場リクエストに対応する作業現場の確認質問を提示することにより、当該作業者の重要事項に対する理解度を再確認する(S1307)。開始許可部17は、その結果にしたがって、入場可否を判断する(S1308)。
【0070】
図13:ステップS1307:補足)
本ステップにおける確認質問は、例えば以下のようなもののなかから選択して出題することができる:
(a)作業者が入場しようとしている作業現場において過去に実施された確認質問;
(b)作業者に対して過去に実施された確認質問(当該作業現場以外のものを含む);
(c)作業者がその作業現場において当日実施する予定になっている作業に関する確認質問。
【0071】
図13:ステップS1308:補足)
開始許可部17は、例えばS1307における正解率が総合不正解率以上である場合は入場を許可する、などのような適当な判断基準によって、入場を許可するか否かを判断する。
【0072】
図13:ステップS1309)
開始許可部17は、作業者からの入場リクエストを許可する。例えば作業現場において設置されている入場ゲートに対して、入場許可する旨を返信する。
【0073】
図13:ステップS1309:補足)
開始許可部17による以上の処理は、作業現場に対する入場許可に限らず、作業を開始することを許可するか否か一般に対して適用することができる。例えば作業者と監督者が集まって実施するミーティング時において作業者の集計データ18を参照し、その作業者が作業を開始することを許可するか否かを本フローチャートにしたがって判断することができる。上述の入場許可処理も、同様にミーティング時において作業現場に対して立ち入ることを許可する際に用いることもできるので、広義の作業開始許可とみなすことができる。
【0074】
<実施の形態2:まとめ>
本実施形態2に係る作業支援システム1は、作業者が作業を開始する許可を求めるリクエストを受け取ると、直近の所定期間内における当該作業者の確認質問に対する正解率(最新の不正解率)が閾値以上であれば作業開始を許可し、閾値未満であれば別の判断基準を用いて許否を判断する。これにより、確認項目を十分確認しない傾向がある作業者が作業を開始することをあらかじめ阻止できる。したがって、確認不足にともなう事故などを事前に抑制できる。
【0075】
本実施形態2に係る作業支援システム1は、確認質問に対する直近の正解率が閾値未満である場合であっても、累積正解率(総合不正解率)、累積許可率(入場許可回数)、理解度再確認などの別基準を満たす場合は、作業開始を許可する。これにより、確認質問に対する過去の成績が良好な作業者については、直近の正解率が低い場合であっても、許可条件を緩和することができる。すなわち、過去の成績が良好であれば確認事項を十分確認する傾向があると仮定し、そのような作業者に対する許可条件を緩和することにより、作業者にとっての利便性に配慮することができる。
【0076】
<本発明の変形例について>
実施形態2において、集計データ18は、確認項目を十分確認しない傾向がある作業者をピックアップするために用いることもできる。例えば開始許可部17は、最新不正解率/総合不正解率/入場許可回数のうち少なくともいずれか(これらの組み合わせであってもよい)が基準値未満である作業者を集計データ18から抽出し、管理者端末32上で提示してもよい。これにより、例えばその作業者に対して確認項目をあらかじめ指導するなどの対処を別途実施できる。
【0077】
以上の実施形態において、マーキング速度の上限として、単位時間当たりのマーキング文字数を例示したが、その他の数値を用いてもよい。例えば作業者端末31の画面上で画面ポインタが単位時間当たりに移動するピクセル数などが考えられる。
【0078】
以上の実施形態において、確認質問は確認項目の文字列のうち一部を正解回答として規定することを説明したが、確認項目の内容に対する理解度をチェックすることができれば必ずしもこれに限るものではない。ただし理解度チェックを難解にし過ぎると、作業者に対して過度な負担をかけ、確認項目に対する取り組みが却って疎かになってしまう懸念がある。したがって、確認項目の文字列そのものを理解度チェックのために用いるのが好適であると考えられる。
【0079】
以上の実施形態において、作業支援システム1が備える機能部のうちいずれか2以上を一体の機能モジュールとして構成してもよいし、図1に示すようにそれぞれ異なる機能モジュールとして構成してもよい。
【0080】
以上の実施形態において、確認項目登録部11、確認項目提示部12、マーキング検出部13、理解度確認部14は、これらの機能を実装した回路デバイスなどのハードウェアによって構成することもできるし、これらの機能を実装したソフトウェアを作業支援システム1の演算装置が実行することによって構成することもできる。
【符号の説明】
【0081】
1:作業支援システム
11:確認項目登録部
12:確認項目提示部
13:マーキング検出部
14:理解度確認部
15:確認条件データ
16:設定データ
17:開始許可部
18:集計データ
2:電子作業手順書システム
31:作業者端末
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13