IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ディ.テク.ター・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータの特許一覧

特許7569800産業生産ラインで品質管理を操作するための装置、対応する方法及びコンピュータプログラム製品
<>
  • 特許-産業生産ラインで品質管理を操作するための装置、対応する方法及びコンピュータプログラム製品 図1a)
  • 特許-産業生産ラインで品質管理を操作するための装置、対応する方法及びコンピュータプログラム製品 図1b)
  • 特許-産業生産ラインで品質管理を操作するための装置、対応する方法及びコンピュータプログラム製品 図2
  • 特許-産業生産ラインで品質管理を操作するための装置、対応する方法及びコンピュータプログラム製品 図3
  • 特許-産業生産ラインで品質管理を操作するための装置、対応する方法及びコンピュータプログラム製品 図4
  • 特許-産業生産ラインで品質管理を操作するための装置、対応する方法及びコンピュータプログラム製品 図5
  • 特許-産業生産ラインで品質管理を操作するための装置、対応する方法及びコンピュータプログラム製品 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】産業生産ラインで品質管理を操作するための装置、対応する方法及びコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/223 20060101AFI20241010BHJP
   G01N 21/35 20140101ALI20241010BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G01N23/223
G01N21/35
G01N21/27 B
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021560277
(86)(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 IB2020052687
(87)【国際公開番号】W WO2020194165
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】102019000004671
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521439981
【氏名又は名称】ディ.テク.ター・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】DE.TEC.TOR S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ピッタ,ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】ラ・ローザ,ヴァネッサ
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-194360(JP,A)
【文献】特開2019-032214(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0086901(US,A1)
【文献】国際公開第2019/049000(WO,A1)
【文献】特開昭62-064977(JP,A)
【文献】特開2013-070867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00-23/2276
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/61
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ1またはそれ以上の測定信号(Y1,Y2,Y3;YZ)を供給する産業生産ライン(10)の製品サンプル(C)の特性の測定のための1またはそれ以上の装置(30,40,50;HZ)を備える、産業生産ライン(10)の品質管理を実行する装置(20)であって、前記装置(20)は、1またはそれ以上の前記測定信号(Y1,Y2,Y3;YZ)を処理し、前記製品サンプル(C)の特性(60)を得るように構成された処理モジュール(600)を備え、前記品質管理は、前記製品サンプル(C)の前記特性(60)の関数として実行され、製品サンプル(C)の特性の測定のための1またはそれ以上の前記装置(30,40,50,HZ)は、
-測定環境で前記製品サンプルに向かって第1のX線ビーム(XB,XBC)を放出するX線源(331)と、前記製品サンプル(C)によって散乱される第2のX線ビーム(XBR)を受け入れ、それぞれ前記1またはそれ以上の測定信号(Y1,Y2,Y3,YZ)のセット内に供給された第1の受信信号(Y1)を発生するように構成された粒子検出器(335)と、を備える蛍光X線(XRF)装置(30)を備え、
さらに、前記装置(20)は、
-製品サンプル(C)に向かって第1の光放射ビームを放出する光放射源と、前記製品サンプル(C)によって散乱される第2の放射ビームを受け入れ、それぞれ前記1またはそれ以上の測定信号(Y1,Y2,Y3;YZ)のセット内に供給される第2の受信信号(Y2)を発生するための光学センサと、を備える光学分光装置(40)を備え、
前記蛍光X線装置(30)が第1のX線ビーム(XB,XBC)を放出するように、前記光学分光装置(40)で発生された前記第2の受信信号(Y2)を用いて前記蛍光X線装置(30)の動作を駆動するように構成され、
前記蛍光X線装置(30)が、前記測定環境の前記製品サンプル(C)の画像を取得し及び処理し、前記製品サンプル(C)を分類する及び/または前記蛍光X線装置(30)を駆動するために分析される第3の受信信号(Y3)を発生するように構成された画像取得及び処理システムを含む、人工視覚装置(50)を備える、装置(20)。
【請求項2】
前記製品サンプル(C)の特性(60)を得る及び前記特性(60)の関数として前記品質管理を実行するために処理されるそれぞれ1またはそれ以上の前記測定信号(Y1,Y2,Y3;YZ)のセット内の前記第2の受信信号(Y2)を供給するように構成された、請求項1に記載の装置(20)。
【請求項3】
それぞれ前記製品サンプル(C)に向かってX線ビーム(XB)と、1つの同時に同じ前記製品サンプルに向かって光放射ビームを放出するように前記X線源(331)と前記光放射源を駆動するように構成される、請求項1または2に記載の装置(20)。
【請求項4】
次の、
-前記測定環境に光を当てるように構成された単色環境光源と、
-前記単色環境光源を駆動するように構成されたモジュールと、の少なくとも1つを備える請求項に記載の装置(20)。
【請求項5】
青単色の環境光源である、前記測定環境に光を当てるように構成された単色環境光源を備える請求項に記載の装置(20)。
【請求項6】
サンプル(C)の遠位面を超えて及び前記第1のX線ビーム(XB,XBC)及び/または第2のX線ビーム(XBR)の軌跡に沿って配置された高原子番号及び/または放射性発光材料を備える材料で作られたターゲット(HZ)を備える、請求項1乃至のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記蛍光X線装置(30)は、
次の動作の、
-前記第1のX線ビーム(XB,XBC)の焦点の深さ及び水平位置などの位置を修正するために、前記第1のX線ビーム(XB)の軸と前記検出器(35)の観測軸の間の角度(α)を修正するステップと、
-ビーム(XB)の軸と製品サンプル(C)の表面に垂直な軸(P)の間の計算された入射角を変えるステップと、の少なくとも1つを駆動するように構成されたXRF制御モジュール(300)を備え、
前記第1のX線ビーム(XB)の軸と独立して前記観測軸を移動して、垂直軸(P)に対する観察角を変化させる、請求項1乃至のいずれか1項に記載の装置(20)。
【請求項8】
前記蛍光X線装置(30)は、
次の動作の、
-前記第1のX線ビーム(XB,XBC)の強度を修正するために電流の強度を修正するステップと、
-前記第1のX線ビーム(XB,XBC)一部または全体を遮断するように構成された可動要素の位置を修正するステップと、の少なくとも1つを駆動するように構成されたXRF制御モジュール(300)を備える、請求項1乃至のいずれか1項に記載の装置(20)。
【請求項9】
前記光学分光装置(40)が近赤外の周波数帯域で動作する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の装置(20)。
【請求項10】
-請求項1乃至のいずれか1項に記載の装置(20)を提供するステップと、
-所定の時間間隔で処理される製品の1またはそれ以上のサンプル(C,C’,12)の識別ができる重要なパラメータのセットを定義するステップと、
-前記第1の受信信号(Y1)、前記第2の受信信号(Y2)、及び第3の受信信号(Y3,YZ)の中から少なくとも2つの信号を受信するステップと、
-前記重要なパラメータ(60)のセットの関数として前記少なくとも2つの受信信号(Y)を分析するステップと、
を備える、産業生産ラインの品質管理方法。
【請求項11】
次の、
-前記人工視覚装置(50)によって測定されるオブジェクトの幾何的寸法の長さの値と、
-オブジェクトの組成であって、オブジェクトの存在または欠如が光学分光装置(40)によって検出される、オブジェクトの組成と、の少なくとも1つによって前記蛍光X線装置(30)を制御する(300)、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の受信信号(Y1)、前記第2の受信信号(Y2)、及び第3の受信信号(Y3;YZ)の中からの前記少なくとも2つの信号(Y)の関数として、前記第1のX線ビーム(XB)の強度を変更するために、電流強度を制御する(300)、請求項10または請求項11に記載の方法。
【請求項13】
-前記測定環境に光を当てるように構成された単色環境光源を駆動するステップと、
-前記第2の受信信号(Y2)と第3の受信信号(Y3;YZ)をフィルタリングするステップであって、前記フィルタリングするステップは、バックグラウンドを取り除くステップを備える、フィルタリングするステップを備える、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
青単色の環境光で、前記測定環境に光を当てるように構成された前記単色環境光源を駆動するステップを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
それぞれ製品サンプル(C)に向かってX線ビーム(XB,XBC)と1つの同時に製品サンプル(C)に向かって光放射ビームを放出するように前記X線源(331)及び前記光放射源を駆動する、請求項10乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記製品(C,C’,12)は、食料製品であり、
前記産業生産ライン(10)は、食品包装ラインである、請求項10乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記製品が少なくとも1つの処理装置で実行されるとき、請求項10乃至16のいずれか1項に記載の方法のステップを実行するために、少なくとも1つの処理装置のメモリにロードされ、ソフトウェアコードの部分を含む、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、様々な波長(X線、赤外-IR-及び/または近赤外-NIRまたは可視光)における分光技術及び任意に人工視覚による品質管理のための方法に関する。
【0002】
1またはそれ以上の実施形態は、例えば産業包装ラインなど、特に産業生産ラインの適合性の検証と材料の品質管理の背景で適用される。
【背景技術】
【0003】
様々な産業分野の製品の製造フロー、例えば、食品包装または食品自体または使用される原材料の製造フローなどは、サンプルチェック、すなわち、例えば破壊的な技術を用いて研究室で実行される化学分析など、生産ラインから取られる製品のある割合の分析を想定される。
【0004】
図1は、
図1の部分a)に例示されるように、破壊的サンプルチェックの段階と、
図1の部分b)に例示されるように、前の段階で行われたサンプルチェックに基づいて準拠及び非準拠の選択の段階と、を備える生産ライン10の従来の品質管理手順100の例である。
【0005】
図1に描かれるように、サンプルCは、生産ライン10からランダムに取られ、研究室Lに送られる。分析に続いて、研究室Lは、サンプルCの生産パラメータへの適合性またはその他の指示を提供する。
【0006】
その後の段階において、サンプルが取られたロット12は、そのサンプルCに関する研究室による好意的な意見に基づいて、「準拠」と標識付けされる。
【0007】
しかしながら、研究室分析Lから適切であると見なされたサンプルCは、非準拠サンプルC’を含むロット12に含まれ、この非準拠サンプルC’は、誤って準拠12’として標識付けされる。
【0008】
そのような品質管理手順100は、チェックにもかかわらず、それらが、サンプルCで実行される研究室分析Lによって準拠と見なされる生産ライン10の1またはそれ以上のロット12’に属する限り、非準拠製品C’,12’は、市場に出る可能性がある事実によって示される限界を有する。
【0009】
それぞれの単一の製品がその後の生産段階に進む前または市場に導入される前に分析されることを保証するために、このため
-製品を識別する、及び
-様々な生産段階で製品の生産履歴管理を支持する、ことが望ましい。
【0010】
いくつかの分光技術は、生産の部分支持として、非破壊分析技術として用いられる。この枠組みにおいて、異なる波長の電磁波が照射されるサンプルは、そのような分光技術で分析される特性電磁放射を放出することにより刺激に応答する。
【0011】
特に、上記分光技術の中から、放出された電磁放射の分析によってサンプルの元素組成を知ることができる、携帯接触装置を使用して用いられる蛍光X線(XRF)を用いることが知られている。
【0012】
分析は、測定のために準備されたサンプルに実行される。XRF分光光度分析は、例えば、静止サンプル、すなわち、接触して室温で動かないサンプルで通常実行される。さらに、測定を実行するためのサンプルの前処理が必要である場合がある。
【0013】
非破壊的な分析技術の適用は、そのため化学または分子分析が連続生産フローで実行されることができない、生産ラインと並行して固定される材料のサンプルテストの実行に制限される。
【0014】
分析されるべき製品は、異なる形状、様々な厚さ、及び異なる材料で特徴付けられる。製品は、また、例えばその包装内の食品製品の場合のように、ある厚さの層構造を示す。
【0015】
したがって、室温で及び接触して生産ラインに並行して材料固定で実行されるサンプルテストになる既知の解決法は、化学分析が連続生産フローで実行されることができない制限を示す。
【発明の概要】
【0016】
本明細書に記載された実施形態の目的は、前に説明されたように従来技術に従う装置と方法を改善することである。
【0017】
様々な実施形態は、続く特許請求の範囲に再び記載される特性を有する装置によって上記目的を達成する。
【0018】
特許請求の範囲は、本発明に関連して本明細書に提供される技術教示の不可欠な部分を形成する。
【0019】
特に1またはそれ以上の実施形態に従って、そのような目的は、産業生産ラインの品質管理のための装置によって達成される。
【0020】
1またはそれ以上の実施形態は、例えば電磁スペクトルの1またはそれ以上の部分など、量の1またはそれ以上のセットの同時測定のための分光技術(可視、NIR及びXRF)の1またはそれ以上のセットを備える手順が想定される。
【0021】
1またはそれ以上の実施形態は、対応する産業生産ラインの品質管理を操作(または実行)する方法に関する。
【0022】
1またはそれ以上の実施形態は、それぞれ1またはそれ以上の測定信号を供給する当該産業生産ラインの製品サンプルの特性の測定のための1またはそれ以上の装置を備える、産業生産ラインの品質管理を実行する装置を備え、当該装置は、当該1またはそれ以上の測定信号を処理し、当該製品サンプルの特性を得るように構成された処理モジュールを備え、当該品質管理は、当該製品サンプルの当該特性の関数として実行され、製品サンプルの特性の測定のための1またはそれ以上の当該装置は、
-測定環境で当該製品サンプルに向かって第1のX線ビームを放出するX線源と、当該製品サンプルによって散乱された第2のX線ビームを受け入れ、それぞれ当該1またはそれ以上の測定信号内に供給された第1の受信信号を発生するように構成された粒子検出器とを含む、蛍光X線装置を備える。
【0023】
そのような装置は、さらに、製品サンプルに向かって第1の放射ビームを放出する赤外光学放射源と、当該製品サンプルによって散乱される(例えば生物システムのインビボ研究のための水溶液で直接測定を促進するようなラマン散乱によって)光学放射の第2のビームを受け入れ、それぞれ当該1またはそれ以上の測定信号内に供給される第2の受信信号を発生する光学センサとを備える、例えば近赤外(NIR)など、特に赤外(IR)で動作する光学分光装置を備える。例えば、上記光学分光装置は、赤外(IR)タイプであり、すなわち700nmから1mm(1nm=1ナノメートル=10-9m;1mm=1ミリメートル=10-3m)である、光学放射の波長帯で動作する。光学分光装置は、近赤外(NIR)と呼ばれる、すなわち、700nmから2500mmである電磁放射の波長帯の電磁スペクトルの範囲で動作することが好ましい。
【0024】
IR/NIR光学分光法の枠組みで主に議論されるものは、また分析化学の分野で用いられる電磁スペクトルの他の周波数帯の光学分光に適用されることが留意されるべきである。例えば、200nmから700nmの可視光または紫外(UV)光のスペクトルの領域のソースの使用は、例えば、遷移金属、共役化合物、及び生体高分子のイオンなどの分析物の定量分析を容易にする。
【0025】
実施形態は、さらに、例えばビデオカメラ及び対応する制御及び画像処理システムを備える、画像取得及び処理する「視覚」システムを備える。
【0026】
1またはそれ以上の実施形態は、
-上記装置の1またはそれ以上の実施形態を提供するステップと、
-所定の時間間隔で処理される製品の1またはそれ以上の当該サンプルの識別ができる重要なパラメータのセットを定義するステップと、
-例えば第1の信号、第2の信号、及び第3の信号など、少なくとも2つの信号を受信するステップと、
-当該重要なパラメータのセットの関数として少なくとも2つの当該信号を分析するステップと、を含む産業生産ラインの品質管理を実行する方法を備える。
【0027】
1またはそれ以上の実施形態は、異なる深さでサンプルの移動の間、サンプルの非破壊測定をすることを容易にし、例えばデータを包装及び包装の内容の両方において得ることができる。
【0028】
1またはそれ以上の実施形態は、少なくとも1つの処理回路(例えばコンピュータ)のメモリにロードされ、製品が少なくとも1つの処理回路で実行されたとき、方法のステップを実行するためのソフトウェアコードの一部を備えるコンピュータプログラム製品を備える。本明細書で用いられるように、そのようなコンピュータプログラムへの参照は、1またはそれ以上の実施形態に従う方法の実施を統合するために処理システムを制御する指示を含む、コンピュータ読み取り可能媒体への参照と等価であることが理解される。「少なくとも1つのコンピュータ」への参照は、モジュール式の及び/または分配された形態で実行される1またはそれ以上の実施形態の可能性を強調する意図がある。
【0029】
特許請求の範囲は、実施形態を参照して本明細書に提供される技術教示の不可欠な部分を形成する。
【0030】
1またはそれ以上の実施形態は、ここから添付された図面を参照して純粋に例として記載される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】前に説明される。
図2】本明細書に説明されるように品質管理装置の図を示す。
図3図2の装置の動作原理を示す。
図4】本明細書に記載された品質管理装置の制御システムの例である。
図5】本明細書に記載された1またはそれ以上の代わりの実施形態の図を示す。
図6】本明細書に記載された1またはそれ以上の代わりの実施形態の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
続く記載において、1またはそれ以上の特定の詳細は、本記載の実施形態の例の深い理解を可能にするために描かれる。実施形態は、特定の詳細の1またはそれ以上なく、または他の方法、組成、材料などと共に得られる。他のケースにおいて、既知の動作、材料、または構造は、実施形態のある態様が、不明瞭でないように詳細に描かれずまたは記載されない。
【0033】
本明細書のフレームワークで「1つの実施形態」(a embodiment)または「1つの実施形態」(one embodiment)への参照は、実施形態へ参照して記載される特定の形態、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを示すことを意図する。このため、本明細書の1またはそれ以上の点で出現する「1つの実施形態において」(in a embodiment)または「1つの実施形態において」(in one embodiment)などの語句は、必ずしも正確に1つの同じ実施形態を指す必要はない。
【0034】
さらに、特定の形態、構造、または特性は、1またはそれ以上の実施形態で任意の適切な方法で組み合わせられる。
【0035】
本明細書で用いられる符号は、単に便宜上、提供され、このため保護の範囲または実施形態の範囲を定義しない。
【0036】
図2は、適合性を確認し、様々な波長の分光技術及び装置20に一体化される産業視覚30,40,50の技術のセットを用いる品質管理のための装置20の図を例示する。この図は、生産ライン10が設置される空間の点に対応する観察点から示される。
【0037】
そのような装置20は、生産ライン10に沿って動く製品の化学及び分子組成並びに場合によっては巨視的な欠陥の検出を容易にする。装置20は、例えば描かれた技術のフルセットまたは減らされたサブセットなど、次に描かれる可変数のシステム及び対応する技術を備える。
【0038】
ある数の技術を備える装置の形態が次に説明されることに留意すべきである。しかしながら、これらの技術は、異なる瞬間で用いられ、必ずしも全て一緒でなく、同様に成分は、異なる段階に存在することに留意すべきである。
【0039】
例えば図2に観察されるように、上記装置20の実施形態は、
-X線源331及びX線検出器335を含む簡単なXRF装置30の蛍光X線分光装置と、
-赤外(好ましくは近赤外)光学分光装置40と、を備える。
【0040】
主にNIRスペクトルの、光学分光は、一般的に生産ラインと並行して配置された卓上器具を使用して用いられ、放出された電磁放射の研究を通じてサンプルの分子組成の分析を容易にする。
【0041】
実施形態は、さらに例えばビデオカメラ並びに対応する制御及び画像処理システムを備える、画像取得及び処理システム50を備える。例えば2次元(2D)視覚器具など、視覚器具を備えるシステムは、動くサンプルの巨視的な欠陥の存在の適切な識別ができる。それにもかかわらず、生産ライン自体の制御システムのこれらの視覚システムの使用により、製品の外側の分析にのみ基づき、化学タイプの分析に基づかずに、非準拠によりサンプルを捨てることができる。
【0042】
光学分光装置40は、一般的に、
-例えば、近赤外として識別された電磁スペクトルの周波数帯の、電磁スペクトルの1またはそれ以上の帯の光源を含む、光学ヘッドと、
-サンプルによって放出された信号を受信するように構成された、例えば、光ファイバなど、光学センサと、
-ソースからの電磁放射を備える放射に続いてサンプルによって放出される放射を分析するように構成された分光計と、を備える。
【0043】
例えば、分光装置は、例えばNIR帯で動作する光ファイバ分光計を備える。図2及び3において、符号40は、光信号を送り、反射された光信号を集めるために用いられ、その後、分光計に運ぶ光ファイバの一部を指定する。
【0044】
描かれた視覚装置50は、オブジェクトの幾何的特性を追跡及び/または決定する、例えば専用の画像取得及び処理システムを含む人工視覚システムを備える少なくとも1つのビデオカメラを備える。1つまたはそれ以上の実施形態において、視覚装置50は、例えば赤外放射に感度を有するものなど、異なる特性及び視覚システムを備える複数のビデオカメラを備える。
【0045】
図2及び3の例に描かれるように、XRF装置30は、運搬方向Mの例えばコンベアベルトなど生産ライン10によって運ばれる製品サンプルCに向かって、ビーム軸に沿ってX線ビームXBを放出する、特にX線管31のX線源331を備える。
【0046】
この種のX線ビームXBまたは焦点を合わされたビームXBCは、製品サンプルに到達し、観察軸Oに沿って反射X線ビームXBRに反射され、さらに正確に散乱される。反射X線ビームは、集められ、エネルギ分散固体粒子検出器335によって測定され、例においてエネルギ分散固体粒子検出器の観察軸Oは、観察軸Oと揃えられる。1つまたはそれ以上の実施形態において、X線源331及び検出器335は、ソース及び出力の間に、それぞれの出力と製品サンプルCに面するその入力端子部を閉じる図3に描かれないそれぞれのベリリウムウィンドウを通って製品サンプルCに面する、それぞれの真空チャンバを備える。X線管31または検出器335の下流において、X線ビームXBは、実質的にポリキャピラリレンズを備える、ポリキャピラリレンズ光学モジュールを通り、ポリキャピラリレンズの主軸は、ビームの軸と揃えられ、焦点を合わせられたビームXBCにX線ビームXBの焦点合わせを実行するように構成される。
【0047】
XRF装置30は、さらに、実質的にソース331と検出器335のそれぞれの回転軸の周りで入射及び観察軸を回転させるように構成されるソース331と検出器335の間の角度αの変動のためのシステム38を備え、これは、それぞれ前述のソース-検出器角度αを変えるように、図の平面に垂直で、ソース331と検出器335の終端部を通る。
【0048】
ソース-検出器角度αを変えることによって、これらが表面材料の望まれない層の下に配置される場合においてさえ、器具からターゲットへの距離を修正する必要なく分析されるべきサンプルCに存在する原子を励起し、連続方法で製品サンプルCと接触することなく測定の実行を容易にするように、測定焦点Fの位置の深さdを修正することができる。
【0049】
XRF装置30は、さらに、
-特に光学干渉計である、製品サンプルCの表面の深さを測定するモジュールと、
-X線源331と測定環境の間に配置され、X線XB、XBC、XBRの一部または全体を遮断するように構成された可動要素(例えばシャッタスライド)を備える、遮蔽システムと、
-例えば液体及び/またはエアブレード冷却システムなど、冷却システムと、を備える。
【0050】
干渉計は、その測定軸が、例えば製品サンプルCの平面に垂直にPによって指定され、製品サンプルCの表面のプロファイルの深さを測定するために用いられる。表面31と検出器35の間の角度を変えるための当該干渉計36とシステム38の製品サンプルCの表面のプロファイルに関する情報を組み合わせて使用することによって、例えば食品製品の包装または製品Cが動いているとき測定の過程で変わる金属トレイの表面凹凸として理解される欠陥など、サンプルの欠陥の関数としてソース-検出器角度αを変えることができる。
【0051】
XRF装置30は、移動軸Mに沿って製品Cに続くように構成される。
【0052】
装置20のXRF装置30の移動の様式が図2及び3に示される。
【0053】
移動軸Mに平行な水平軸X及び垂直軸Zが示される(軸Yは、シートの平面から出て図示されない)図3において、どのようにそのような関節ピン及びこのため末端が、サンプルCの表面上の例えば、約1cmの短い距離で配置されるかに留意する。
【0054】
この第1のモードに従って、ソース331は、X線ビームXBの入射軸が回転によって入射軸Iと測定軸Pの間に計算されたその入射角度θの角度を変えるように、動かすことが可能である。同様に、検出器335は、それ自体の観察軸Oを観察方向θと揃え、ビームの反射方向及びこのため反射軸の傾斜のその結果生じる変動に続くように、移動することができる。このため図3a及び3bを参照して記載された第1のモードに従って、入射角θ及び観察角θを変えることが予測され、その合計は、対称に、すなわち、それらが同じ値を仮定するように、ソースから検出器の角度αを決定する。この方法で、焦点Fは、軸Zに沿ってそれ自体の位置を変え、そのためサンプルCの焦点Fの深さdを変えるが、水平座標として測定軸Pに沿ったままである。
【0055】
第2のモードに従って、互いに独立に、入射角θ及び観察角θを変えることができる。
【0056】
図3cに描かれるように、これにより、焦点Fは、深さdに配置されるが、角度が図2のように対称であるとき、測定軸Pの位置に対して長さWによって移動される。
【0057】
この方法で、例えば、異なる位置を得るために異なる方法で観察軸を移動し傾斜することができる。図3bに描かれるように、入射角θと観察角θの合計であるソース-検出器角度αを変えることによって、焦点を合わせられたX線ビームXBCが焦点Fに焦点を合わせられるならば、この焦点Fの深さdは、変えることができる。
【0058】
図2及び3に例示されるように管から検出器の角度αを変える及び方向Mの生産ライン10に沿ってサンプルCの移動を利用することによって、測定焦点Fの異なる深さにおける異なる測定のセットの実行が、測定角度を変えることなく、分析されるべきサンプル及びそれを含む可能な包装のそれらに存在する原子を励起し、非接触測定をなす可能性を確実にする目的と共に、容易にされる。
【0059】
装置20は、XRF装置30、光学分光装置40及び任意にビデオカメラ50の中からそれぞれ1つの構成要素のために事前に取り決められた位置を有する筐体を備えることが好ましい。これらの事前の取り決めは、測定に最も低い外乱の量を導入するようなものである。例えば、場合によってビデオカメラ50のための筐体は、これがXRF検出器35に対応する位置に配置されず、むしろ放出された可能性な限り最も低量のX線を構成し、そのためいかなる損傷を受けることを避けるように配置されるようである。
【0060】
XRF装置30、光学分光装置40、及び人工視覚装置50の幾何的配置は、これが次に説明されるように、同時に2以上の同時信号で処理されるとき、サンプルによって放出される信号の増幅現象を利用することができるように、専用の筐体に提供される。
【0061】
図4は、本明細書に記載される装置20の使用の背景を概略的に示す。
【0062】
装置20は、制御システム200の制御下で動作し、
-XRFシステム30、すなわち、特にソース331、検出器335、干渉計、及び角度αを変えるシステムの動作を制御するように構成されたXRF制御モジュール300と、
-光学分光システム40、すなわち、特に光学ヘッド、光学センサ、及び分光器の動作を制御するように構成された、光学分光制御モジュール400と、
-専用の画像処理段階を備える、ビデオカメラ50を制御する制御モジュール500と、
-XRFモジュール、光学分光モジュール、及びビデオカメラによってなされる測定のデータを運び、それらを処理する、データ処理モジュール600と、
-例えば装置を囲う環境の照明を制御する、関連システムを制御する任意の制御モジュール900と、を備える。
【0063】
データ処理モジュール600は、XRF装置30、光学分光装置40、及び画像処理装置50の中から及び/またはそれぞれの制御モジュール300,400,500からの少なくとも1つによって集められたデータを備え、例えば調べられる要素の分子及び化学組成及び/または幾何的特性など、集められ及び/または処理されたデータを、例えばユーザインターフェースによってユーザ段階に供給するように構成される装置20から少なくとも1つの測定信号Yを受信する。
【0064】
データ処理モジュール600は、示されたように装置20の測定信号Yを受信し、生産ラインに沿って進む製品サンプルCの化学組成60を得るためにそれを分析するソフトウェア分析モジュール661を備える。
【0065】
測定信号Yは、それぞれの装置30,40,50から来る測定信号のセット、例えば、
-XRF装置30から来る第1の測定信号Y1、
-NIR光学分光装置40から来る第2の測定信号Y2、
-ビデオカメラ50から来る第3の測定信号Y3を備える。
【0066】
生産ライン10に沿ってサンプルC,C’,12の動作速度に適合して、動いているターゲットに短い時間で測定をする重要性を考えると、データ処理モジュール600は、準拠及び非準拠サンプルになされる測定のデータベースCDBの一部によって訓練されて提供される人工ニューラルネットワーク処理段階を備える。
【0067】
例えば、ソフトウェア分析モジュール661は、例えば1日、1週間、または1月にわたる、例えば所定の期間を参照する、生産ライン10で処理される製品を認識するために重要な化学元素または(例えばNIR帯の)スペクトルのリストLSを入力において受け入れる。一般的にこのリストLSは、装置20によって識別される化学元素のセットに対して縮小したセットを指し、このリストがデータベースCDBに格納されることも可能である。
【0068】
ソフトウェア分析モジュール661は、データベースCDBにアクセスの関係で接続され、対応する時間間隔で処理されるまたは生産ラインで処理される製品でなされた測定は、データベースの記録に格納される。
【0069】
データベースCBDのデータと測定信号Yの比較に基づいてソフトウェアモジュール661は、製品Cのタイプを識別し、それに基づいて行動を実行するように生産ライン10にコマンドを発行する、決定モジュール662にそれを供給する。例えば、進むサンプルC’が期待されない(または非準拠)タイプであるならば、装置20が期待されない(非準拠)製品またはいずれにせよ異なるタイプの製品と期待された(または準拠)製品の混合を防ぐように、不合格分岐に向かって期待されない(または非準拠)製品C’を選択及び/または運ぶために動作する、検査点の下流の分岐点を管理することができる。
【0070】
制御システム200は、また生産ラインから同期信号Tを受信する、言い換えると、例えば信号は、サンプルが生産ラインの時間と測定動作を同期できるようにライン10に出現するタイミングを提供する。
【0071】
これに関連して、制御システム200は、また生産ライン10の測定と動作の要求に従って、生産ライン10に沿って例えば装置20の向きと位置を変えることによって装置20を動かすロボットマニピュレータを例えば決定モジュール662によって制御するように構成される。
【0072】
記載された装置20によって、関節接合の存在において、例えば製品処理の開始または終了時など、生産ライン10の任意の点で、例えばライン10を制御するモジュール200によって制御を実行することができる。一般的に、いずれにせよラインに用いられる検査点の数に制限はない。
【0073】
制御システム200は、さらにデータを表示する及びコマンドを送る両方のための制御システム200と通信するためのアプリケーションを備える、端末80、パーソナルコンピュータ、及び/またはスマートフォン及び/またはタブレットに、インターネットまたはモバイルフォンネットワークまたは他のタイプの通信ネットワークであるネットワーク70を通して接続される。
【0074】
ソフトウェア分析モジュール661は、一般的に測定信号Yに次の関数
-取得、
-修正、
-平滑化、
-ノイズ除去、
-測定信号Yから得られるスペクトルの特性ピークの検出、
-スペクトルのデータのフィッティングの非線形操作、
-ピークの積分、
-ピーク積分の値から、測定されたサンプルの化学組成を決定するために化学元素の濃度の計算、
-特に製品のタイプCを認識するために、データベースDCBに格納された組成と測定された化学組成cの比較、
を実行するように構成される。
【0075】
同様な方法で、測定信号Y1のスペクトルから得られた情報は、所定の要素を含む分子の存在を排除または確認するために用いられる。
【0076】
本明細書に記載された解決法の可変な実施形態において、説明された全ての動作は、必ずしも分析に存在しない。たとえば、修正、ノイズ平滑化、及びノイズ除去の動作の1またはそれ以上は、存在しない。これにもかかわらず、可能な実施形態は表示の順番で上記に参照された動作を備える。
【0077】
このため、記載された装置20は、それぞれ異なる処理ラインの開始及び/または終了において、例えばそれぞれの分岐の前の様々な処理ラインに沿って生産ライン10に設置される。
【0078】
言及されたように、装置20は、化学及び分子分析並びに動くターゲットの認識を実行するタスクを容易にする。そのため短時間で測定を完遂する必要がある。
【0079】
この目的のために、化学及び分子元素が処理される異なるタイプの製品Cを識別するのに重要である指標、すなわちリストLSを測定前の装置20に提供することが想定される。これにより、処理される製品のタイプの認識を短時間で実行し、そのため異なるタイプの製品の間の混合の問題を防ぐことができる。
【0080】
例えば、硫黄など所定の原子番号を備える元素を含む分子の存在などを確認するべき場合を例えば考える。調べられる分子のスペクトルは、励起信号が分子を検出するのに不適切な出力を有するので、(NIR)光学分光装置40によって取得されるスペクトル、すなわち第2の信号Y2の十分に明確な輪郭を描かないかもしれない。このため、XRF制御モジュール300によるXRFシステムの稼働が想定できる。したがって、XRF装置30から来る第1の測定信号Y1の分析が、硫黄の存在または欠如を確認するならば、その後、調べられる元素及び分子の存在または欠如をより確実に確認することができる。
【0081】
他の実施例に従って、人工視覚システム50を備える装置によって、(IR及び/またはNIR)光学分光装置40は、例えば重いまたは軽いマトリックスを備えるものなど、マトリックスのタイプまたは分子組成を、処理モジュール600によって第2の測定信号Y2に作用することによって検出するために用いられる。
【0082】
このため、光学分光装置40(特に、IR/NIR帯で動作する)は、異なる関数群の分析を通して、例えば:再利用プロセスで用いられる異なるプラスチック材料(PE、PP、PVC、PS、PET)を分離するステップと、その起源を識別するために食品の栄養内容物(タンパク質、脂肪、水)を識別するステップと、食品マトリクスの及び食品目的のプラスチックの有機汚染物質及びマイコトキシンを識別するステップとにおいて用いられる。
【0083】
食品包装ラインは、本明細書で説明された解決法の用途の非限定の例である。この用途は、純粋に例として適用され、保護の範囲を制限するものではない。
【0084】
同時に、人工視覚装置50は、ビデオカメラ500の制御モジュール500によって処理される測定信号Y3に基づいて形状の指示を提供する。例えば、製品の厚さを検出するように構成される。したがって、XRF装置は、バックグラウンドノイズの減少の最適化を容易にし、測定焦点Fを配置するように、エネルギ及び電流の値を設定することによって、XRF制御モジュール300によって配置される。同じ最適化オブジェクトにおいて、例えば振幅値、電力分布などさらなる値が設定される。
【0085】
理解されるように、制御モジュール200は、それぞれ制御モジュール300,400によってXRF源331及び光学放射源40を駆動するように構成され、その結果それらは1つの同じ期間または1つの同じ瞬間にそれぞれのスペクトル放射帯の放射を放出する。この方法で、光学放射源40から来る放射によって刺激された分子の振動によって発生される第2の測定信号Y2は、これらの分子の原子から電子を引き抜くXRF源331によって放出されるX線による分子の刺激によって増幅される。このため、特にNIR周波数帯で動作するとき、光学分光装置40によって供給される第2の測定信号Y2の信号対雑音比は、当該共刺激の欠如で放出されるNIR放出を変更するX線信号をサンプルに同時放射することによって改善される。言い換えると、装置20は、特にそのモジュール200によって、製品サンプルCに向かってX線ビームXBと1つの同時に同じ製品サンプルCに向かってNIR放射ビームを放出するようにX線源331とNIR放射源を駆動するように構成される。
【0086】
したがって、説明されたものに基づいて、産業生産ライン10の品質管理を実行する装置20は、それぞれ1またはそれ以上の測定信号、すなわち、Y1,Y2,Y3,YZを供給する前述の産業生産ライン10の製品サンプルCの特性の測定のための1またはそれ以上の装置30,40,50,HZ及び測定信号Y1,Y2,Y3,YZを処理し、当該製品サンプルCの例えば化学組成60または寸法パラメータなど特性を得るように構成された例えばモジュール600または複数の処理モジュールなど処理モジュールを備える。品質管理は、製品サンプルCの上記特性の関数として実行される。測定装置30,40,50,HZは、その後、特にモジュール600に対してそれぞれの当該1またはそれ以上の測定信号Y1,Y2,Y3,YZのセット内に供給される、第1の受信信号Y1、すなわち、測定信号を発生する蛍光X線装置30を備える。さらに、1つの実施形態において、また装置は、製品サンプルCに向かって第1の放射ビームを放出する近赤外で動作する例えば光源など、放射源を含む、近赤外で好ましくは動作する少なくとも1つの光学分光装置40と、当該製品サンプルCによって散乱された(例えばラマン反射または散乱)第2の放射ビーム(例えば、NIR帯の)を受け入れ、それぞれ当該1つまたはそれ以上の測定信号Y1,Y2,Y3のセット内に供給される、したがって第2の受信信号Y2、すなわち、測定信号を発生する光学センサとを備える。
【0087】
描かれたように、装置は、当該製品サンプルCの例えば化学及び/または分子組成及び/または寸法などの特性60を得て、当該特性60の関数として、例えば所定のパラメータの値に対して準拠の確認など品質管理を実行するためのそれぞれ当該処理測定信号Y1,Y2,Y3のセット内の第2の受信信号Y2を供給するように構成される。さらにまたは代替として、描かれたように、第2の受信信号Y2は、蛍光X線装置30を駆動するために用いられ、すなわち、特に例えば受信信号Y2によって推定される所定の値の関数として、当該蛍光X線装置30による(例えばソースを稼働する/動作を停止することによって)放出ができる。当該できることは、述べられたように、シャッタの開放を想定する。
【0088】
前に述べられたように、それぞれ当該測定信号Y1,Y2,Y3のセット内の第2の受信信号Y2の供給の間、当該共刺激の欠如に得られる、特にIRまたはNIR帯の光学放出を変更するX線信号とサンプルの同時の放射を、述べられたように、実行することによって装置30及び40の存在を組み合わせて及び同時に利用することができる。
【0089】
ビデオカメラ50から受け入れられた第3の測定信号Y3と共に、光学分光装置40から来る第2の測定信号Y2の処理600は、サンプルの材料のタイプ及びサンプルCの例えば厚さなど、幾何的特性の複合分析の実施を容易にする。この処理動作によって作り出された信号は、その後XRF装置300の制御システムに供給され、例えば測定の性能を改善し、サンプル自体を超えて伝達される放射及び対応するドーズを減らすためにX線管の例えば強度及び/またはエネルギ及び/または電流及び/または電力分布などパラメータの最適化を容易にする。この戦略は、また視覚装置50の完全性の保護を容易にする。例えば、装置40の第2の測定信号Y2を分析することは、製品が、マトリックスのタイプから軽いまたは重いマトリックスまたは予見さえ有するかどうか、製品の元素は、大きいまたは小さい原子番号を有するかどうか検出することを容易にし、一方で、第3の測定信号Y3から、製品の厚さを得ることができる。
【0090】
このため、1つの実施形態において、記載された装置は、次の
-視覚装置50によって測定されるオブジェクトの幾何寸法の長さの値、
-好ましくはIR及び/またはNIR帯で動作する光学分光装置40によって測定されたオブジェクトの(期待される)原子番号の桁、の少なくとも1つによってXRF装置30をモジュール300によって制御するステップを備える。
【0091】
光学分光装置40から来る第2の測定信号Y2は、生産ライン10のサンプルCが効果的に存在する期間に電離X線放射の放出の制限ができるように、XRF装置30のシャッタスライドの開閉を引き起こす信号としてXRF制御モジュール300に供給される。
【0092】
描かれる方法に従う自己遮蔽の方法で装置20を動作することは、1つの実施形態において、
-XRF制御モジュール300に測定信号Y2を供給し、そのためサンプルCの通過を検出するステップと、
-XRF制御システム300に人工視覚システム50から来る測定信号Y3を供給し、そのため例えば厚さなど、サンプルCの幾何的特性に関する情報を提供するステップと、
-信号Y2の値が、例えば所定の位置にサンプルCがあることを示す、すなわち、光学分光装置40のソースによって発生されるビームに沿って介入され、例えば特にあらかじめ設定されたしきい値以下の透過率の突然の低下を引き起こすとき、光学分光装置40から来る測定信号Y2の関数としてXRF制御モジュール300によってXRF装置30のシャッタの開放を管理するステップ300と、
-例えば放射がサンプルによって吸収され、ビデオカメラ50によって寄生的に受信されないX線放射の減少を好み、そのためそのかく乱を減少する環境において望まれない方法で伝播しないように、例えばサンプルCの厚さの関数としてXRF装置30のX線源331の例えば強度(またはエネルギ、電力分布、電流など)など、パラメータを設定するステップと、を備える。
【0093】
ビデオカメラ50及び/または光学分光装置40の性能は、装置20に含まれる全ての測定装置で同じである、測定環境内に存在する光の量によって著しく影響される。
【0094】
特に、光学分光装置40の性能は、環境光がない状態、すなわち暗闇状態で改善することに留意すべきである。代わりに、ビデオカメラ50の性能は、可視性を好む良い環境光の状態で改善する。本明細書に望まれる解決法は、例えば青色光など、測定環境で放出される単色環境光を供給する、例えば装置の外部の及び/または装置と一体化された環境光源を、駆動するために付属品制御モジュール900が管理される可能性を備える。環境に照射するための単色光900の供給は第2の測定信号Y2のスペクトルから容易にフィルタされる、例えば引かれるバックグラウンドノイズ信号を導入し、同時に、人工視覚装置50による画像の良い処理ができる。
【0095】
可変の実施形態において、図5及び6に例示されるように、装置20は、サンプルCの遠位面を超えて、放射ビームXBC及び/または検出ビームXBRの軌道に沿って配置される高原子番号HZを備える少なくとも1つのさらなるターゲットを備える。
【0096】
サンプルCの後方に配置された高原子番号及び/または放射性発光ターゲットHZの存在により、この場合、この過剰な一次放射がターゲットHZに当たるようになるため、一次放射がサンプルC自体を超えて望まれない方法で散乱されたかどうかの決定ができる。ターゲットHZに当たる可能性があるこの過剰放射は、例えば、
-過剰放射の特性スペクトル線を含む信号YZを検出する、検出器335と、
-例えば放射性発光現象の利点によって、人工視覚装置50と、によって検出される。
【0097】
言い換えると、装置は、製品サンプルCを横切った第1のX線ビームBCの少なくとも一部を吸収し、蛍光X線装置30を駆動するために分析されるそれぞれの受信信号YZを発生するように構成された高原子番号HZを備える材料または放射性蛍光材料を備える。
【0098】
この状態で検出器によって検出された信号YZは、フィードバック信号として制御モジュール300にもう一度供給され、サンプルCを超える効果的なフォトンXがないことを確認するために放射線防護インターロックを提供する。
【0099】
XRF制御モジュール300によって、XRF管30の電流強度の調整は、このため放射がターゲット要素HZに当たらなくなるまで、例えば放射の強度を減らすことによって、環境で消失させられるX線放射を減らすように、促進される。
【0100】
根底にある原則を損なうことなく、詳細及び実施形態は、これが添付された特許請求の範囲に記載されたように、保護の範囲から逸脱することなく、純粋に例として、本明細書に記載されたものに対して、相当であっても変わることができる。
【0101】
既に言及されたように、本明細書に記載された産業生産ラインの品質管理を実行する装置は、好ましくはNIR範囲で動作する光周波数の範囲の周波数帯で動作する光学分光装置を用いる。しかしながら、この光学分光装置は、品質管理を受けるべき製品サンプルの分子結合に関する情報(タイプ及び場合によってはその量)を同様な方法で得るために分析化学の分野で用いられる電磁スペクトルの他の周波数帯で動作でき、これらの周波数帯は、紫外(UV)から近赤外である。例えば、200nmから700nmの可視光または紫外光のスペクトルの領域のソースの使用は、分析物の定量分析を容易にし、その中には例えば、遷移金属、共役化合物及び生体高分子のイオンがある。
【0102】
このため、光学分光装置は、NIR帯でのみ動作することが好ましいが、代わりにまた、200nmから700nmの間の可視光または紫外光のスペクトルの帯域または領域で動作するまたは、200nmから700nmの可視光または紫外光のスペクトルの帯域または領域及びNIR帯の両方で動作する。
図1a)】
図1b)】
図2
図3
図4
図5
図6