(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】抱卵後の卵を鶏舎の床に移送するための移送機及び鶏舎でのその利用
(51)【国際特許分類】
A01K 31/18 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A01K31/18
(21)【出願番号】P 2021565908
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(86)【国際出願番号】 IB2020054801
(87)【国際公開番号】W WO2020240355
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-04-18
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】518393311
【氏名又は名称】ヴェルヴァーク - ベラヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルヴァーク,スティーブン
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/007741(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/195128(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0118130(US,A1)
【文献】特開昭60-232322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 31/18
A01K 31/16
A01K 41/00
A01K 43/00
A01K 45/00
B65B 23/02
B65B 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鶏舎において、抱卵後の卵で満たされたトレイ(3)から鶏舎の床(1)に該抱卵後の卵(2)を移送するための移送機であって、
鶏舎の床(1)を走行する運搬システム(6)上に設置されたフレーム(5)と、
抱卵後の卵(2)で満たされた前記トレイ(3)を当該移送機に挿入すると共に、そこから空にされたトレイ(3)を取り外すための出し入れシステム(8)と、
当該移送機に挿入された前記トレイ(3)から前記鶏舎の床(1)に卵(2)を移送するための移送システム(9)と、を備えており、
前記移送システム(9)は、前記フレーム(5)に、最上部位置と最下部位置との間で少なくとも上下に移動可能に取り付けられた第1のサブフレーム(30)に設けられた一群の卵ピックアップ部材(28)を備え、前記卵ピックアップ部材(28)によって抱卵後の卵(2)を前記鶏舎の床(1)に配置する、移送機において、
前記第1のサブフレーム(30)は、第2のサブフレーム(31)に上下に移動可能に取り付けられており、
前記第2のサブフレーム(31)は、前記フレーム(5)に対し、
前記一群の卵ピックアップ部材(28)が挿入され且つ卵で満たされた前記トレイ(3)の上方に配置される第1の位置と、前記一群の卵ピックアップ部材(28)が鶏舎の床(1)の上方に位置すると共に前記最上部位置と最下部位置の間で上下に移動することができる第2の位置との間で、前後に移動可能に取り付けられており、
少なくとも1つのガイド(33,34)が、このガイド(33,34)に沿って前記第1のサブフレーム(30)を上下に案内するべく、前記第2のサブフレーム(31)に設けられている、ことを特徴とする移送機。
【請求項2】
少なくとも1つの追加のガイド(41)が前記フレーム(5)に設けられ、この追加のガイドは、前記第2のサブフレーム(31)の前記第2の位置において、前記第2のサブフレームの前記ガイド(33,34)につながり、前記第1のサブフレーム(30)を前記第1のサブフレーム(30)の最下部位置まで上下に誘導するものであり、その最下部位置では、前記卵ピックアップ部材(28)が前記床(1)の上の最下位置にある、ことを特徴とする請求項1に記載の移送機。
【請求項3】
前記ガイド(33,34)が、第1のガイド(33)及び第2のガイド(34)を含み、前記追加のガイド(41)が、第3のガイド(41)及び第4のガイド(41)を含み、前記第2のサブフレーム(31)の前記第2の位置において、前記第3のガイド(41)が前記第1のガイド(33)につながり、前記第4のガイド(41)が前記第2のガイド(34)につながる、ことを特徴とする請求項2に記載の移送機。
【請求項4】
前記第1のガイド(33)、第2のガイド(34)、第3のガイド(41)、及び第4のガイド(41)はそれ
ぞれ、レールを備え、
前記第1のサブフレーム(30)
には、前記レールに沿って上下に動く車輪(32)が設けられている、ことを特徴とする
請求項3に記載の移送機。
【請求項5】
少なくとも1つのガイド(40)が前記フレーム(5)に設けられており、このガイド(40)に沿って前記第2のサブフレーム(31)を前
後に誘導する、ことを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の移送機。
【請求項6】
前記出し入れシステム(8)は、第1の搬送機構(10)を備え、
前記第1の搬送機構(10)は、抱卵後の卵で満たされた前記トレイ(3)を第1の方向(11)に移動させて、これらのトレイ(3)を当該移送機に挿入するように構成されていると共に、空にされたトレイ(3)も前記第1の方向(11)に移動させて、これらのトレイ(3)を前記第1の搬送機構(10)から取り外すように構成されている、ことを特徴とする請求項1~
5のいずれか一項に記載の移送機。
【請求項7】
前記第1の搬送機構(10)は、抱卵後の卵で満たされた2つのトレイ(3)を前記卵ピックアップ部材(28)の下に配置するように構成されており、
前記移送システム(9)は、これら2つのトレイ(3)を同時に空にするように構成されている、ことを特徴とする
請求項6に記載の移送機。
【請求項8】
前記出し入れシステム(8)は、
前記第1の搬送機構(10)の下側に延在する第2の搬送機構(13)と、
前記第1の搬送機構(10)から取り出された空のトレイ(3)を受け取り、これら空のトレイを前記第2の搬送機構(13)に運ぶための転回システム(15)と、を備える
ことを特徴とする
請求項6又は7に記載の移送機。
【請求項9】
前記転回システム(15)が、空にされたトレイ(3)を1つずつ受け取ると共に、それらを1つずつ前記第2の搬送機構(13)に運ぶように構成されている、ことを特徴とする
請求項8に記載の移送機。
【請求項10】
前記転回システム(15)は、前記フレーム(5)上に、第1及び第2の傾斜位置の間で傾斜するように取り付けられた第3の搬送機構(15)を備え、
前記第1の傾斜位置では、前記第3の搬送機構(15)は前記第1の搬送機構(10)の延長に延在して前記空にされたトレイ(3)を受け取り、
前記第2の傾斜位置では、前記第3の搬送機構(15)は前記第2の搬送機構(13)に向かって斜めに傾斜して、前記第3の搬送機構(15)によって受け取られた前記空にされたトレイ(3)を前記第2の搬送機構(13)へ運ぶ、
ことを特徴とする
請求項9に記載の移送機。
【請求項11】
前記第2の搬送機構(13)は、前記空にされたトレイ(3)を、前記第1の方向(11)とは反対の第2の方向(19)に移動させるように構成されており、
当該移送機は、一方の側に、抱卵後の卵で満たされたトレイ(3)を移送機に挿入するための挿入開口部(21)を有し、同じ側に、空にされたトレイ(3)を移送機から取り出すための取り出し開口部(22)を有している、ことを特徴とする
請求項8~10のいずれか一項に記載の移送機。
【請求項12】
当該移送機に鶏舎内を移動させるために前記運搬システム(6)を駆動するモータ(7)を備える、ことを特徴とする請求項1~
11のいずれか一項に記載の移送機。
【請求項13】
抱卵後の卵(2)で満たされたトレイ(3)から鶏舎の床(1)に抱卵後の卵(2)を移すための、請求項1~
12のいずれか一項に記載の移送機の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鶏舎内で、抱卵後の卵で満たされたトレイから鶏舎の床へ抱卵後の卵を移送するための移送機に関する。
【背景技術】
【0002】
請求項1の前文(おいて書き)に示される特徴を示す移送機が、先行技術に既に開示されている。この移送機は、鶏舎の床上を走行するために運搬機構上に載置されるフレームと、抱卵後の卵で満たされたトレイを移送機に挿入し、空にされたトレイを移送機から再び取り出すための出し入れ機構と、移送機に挿入されたトレイから鶏舎の床に卵を移送するための移送機構と、を備える。移送機構自体は、機械上部にあるトレイから卵を取り出し、鶏舎の床上の機械下部に置くために、フレーム上に少なくとも上下に動かせるように取り付けられた第1のサブフレームに取り付けられた卵ピックアップ部材のセット(一群)を備えている。
【0003】
このような機械は、特許文献1から既に公知となっている。この公知の移送機では、移送機構(移送システム)は、サブフレーム上に設けられた卵ピックアップ部材、より具体的には吸引カップ、のセット(一群)によって形成されている。このサブフレームは、垂直ガイドを介してこの機械のフレーム上を上下に動けるように直接取り付けられている。抱卵後の卵で満たされたトレイの出し入れ機構(出し入れシステム)は、満たされたトレイをこの機械に送り込むだけでなく、機械内を前後に移動し、移送機構の垂直経路で満たされたトレイを出し入れする。これは、移送機構は上下に移動するだけでよいことを意味する。この利点は、抱卵後の卵は殻ももろいため、卵を傷つけないように鶏舎の床に移送できることである。実際、十分注意して卵を移送しないと、その孵化率が大幅に低下することは既に知られていた。さらに詳しく言うと、卵を注意深く移送しないと微細なひび割れが生じる可能性があり、微細なひび割れのある卵の孵化率は、ひび割れのない卵よりも約15%低くなる。
【0004】
特許文献2は、特許文献1に最も近い先行技術として記載されており、ロボットアームを使用してトレイから卵を取出して、それらを鶏舎の床に移送する移送機を以前より開示していた。そのような機械の利点は、単独の作業者(または複数の作業者)が、満杯のトレイを連続して機械に置き、そこから空のトレイを取り外すことができることである。したがって、この方法で、最大の移送容量を達成することができる。しかしながら、特許文献1に記載されているように、ロボットアームの使用は、その揺動運動のために、鶏舎の床に十分注意して卵を置くことができず、その結果、微細なひび割れや他の損傷を生じる可能性が非常に高いという欠点を有する。
【0005】
特許文献3では、移送中の抱卵後の卵の損傷問題にも対処がされている。この場合、卵の移送もロボットアームによって行われる。ただし、卵は地面に置かれるのではなく、引き続いて孵化できるように容器に入れられる。卵への損傷を防ぐために、これらの容器の下部から垂直方向の空気流が作られる。もちろん、このような垂直方向の気流は、鶏舎の床を横切って生成することはできないし、また、少なくとも多額の投資なしにはできない。
【0006】
上記のように、特許文献1による移送機は、抱卵後の卵の損傷を回避するためにロボットアームは使用しないものの、移送機構(移送システム)の動きを単なる上下移動に限定している。したがって、この場合、卵で満たされたトレイは、卵ピックアップ部材がそれらの最上位置にあるときに、出し入れ機構(出し入れシステム)によって卵ピックアップ部材の下に配置する必要がある。次に、卵ピックアップ部材は、トレイから卵をピックアップする必要がある。その後、空にされたトレイは、卵ピックアップ部材の下から取り外す必要がある。それによって初めて、鶏舎の床に卵を置くために、卵ピックアップ部材を機械の下に下降させることができる。
【0007】
このような機械の欠点は、サイクル時間が比較的長いことである。したがって、使用される機械の各サイクルの間に、各150個の卵入りの2つのトレイがトレイから鶏舎の床に同時に移送されるという事実にもかかわらず、機械の移送能力はかなり制限される。この公知の機械のさらなる欠点は、卵ピックアップ部材がトレイから卵をピックアップするときに、卵ピックアップ部材の下の位置に出し入れ機構が移動するときは、単独の作業者(または複数の作業者)は、トレイを出し入れ機構上に配置することも取り外すこともできないことである。決定的な欠点は、安全上の理由から、移送能力を低下させずに移送機を保護することができないことである。実際、単独の作業者(または複数の作業者)は、この場合、空にされたトレイをそこから取り外すことができるようになる前に、出し入れ機構の戻りを待つ必要さえある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】ベルギー特許第1024985号明細書
【文献】ベルギー特許第1023719号明細書
【文献】オランダ特許第2004696号明細書
【発明の概要】
【0009】
それ故、本発明の目的は、より短いサイクル時間を可能とする新たな移送機を提供することにある。
【0010】
この目的のために本発明による移送機は、次の点を特徴とする、即ち:
第1のサブフレームが、第2のサブフレーム上を上下に動けるように取り付けられ、
第2のサブフレームが、卵ピックアップ部材のセットが挿入済みの満たされたトレイの上方にある第1の位置と、卵ピックアップ部材が鶏舎の床の上方に位置すると共に、最上位置と最下位置との間で上下に移動することができる第2の位置との間で、フレーム上を前後に動けるように取り付けられ、
少なくとも1つのガイドが、第1のサブフレームをこのガイドに沿って上下に誘導(案内)するために第2のサブフレーム上に設けられている、ことを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、フレームと第1のサブフレームとの間に、フレーム上を前後に移動することができる第2のサブフレームを設けることによって、サイクル時間を大幅に短縮することができることが分かった。ベルギー特許第1024985号明細書から知られている移送機では、最初に、卵ピックアップ部材は、その最上位置において、満たされたトレイが卵ピックアップ部材の下に配置されるまで、ある時間待たねばならず、それから卵をトレイから取り出すことができる。その後、卵ピックアップ部材は、満たされたトレイが卵ピックアップ部材の下から取り外されるまでさらに時間を待たねばならず、それから卵を鶏舎の床に置くことができる。これらの2つの待機時間はサイクル時間のかなりの部分を占めており、実際、より具体的には約25~30%になる。本発明によれば、卵ピックアップ部材を上下に移動させるだけでなく、フレーム上で前後に移動させることを可能にすることによってサイクル時間を大幅に短縮することができ、その結果、トレイ自体をフレーム上で前後に移動させる必要がなくなることが分かった。卵は卵ピックアップ部材によって保持されるため、処理中に卵を損傷することなく、これらの卵ピックアップ部材を、バラ詰めの卵を含むトレイよりも速く前後に移動させることが可能であることが実証されている。しかも、既知の移送機では、その重量と、出し入れ機構が満たされたトレイを卵ピックアップ部材の下に正確に位置決めしなければならないという事実のせいで、出し入れ機構を同じくらい迅速に前後に移動させることは不可能である。
【0012】
本発明による移送機のさらなる利点は、単独の作業者(または複数の作業者)が、出し入れ機構が戻るのを待ってから再び満たされたトレイを置くことができるようになるまでの待ち時間をより短くできることである。これで、また、作業者は、より高い移送能力で対処できるようになる。
【0013】
本発明による移送機の一実施形態では、少なくとも1つのさらなるガイドがフレームに設けられ、さらなるガイドは、第2のサブフレームの第2の位置において、そのガイドにつながり、第1のサブフレームを第1のサブフレームの最下位置まで上下にさらに誘導(案内)するものであって、その最下位置では卵ピックアップ部材は、床上で最も低い位置にくる。
【0014】
この実施形態では、第2のフレームは、その上に提供されるガイドが機械の下部まで伸びる必要がないので、コンパクトに保つことができる。第2のフレームのガイドは、その高さが制限されているため、特にそれらがより高い位置にあるため、トレイの出し入れ機構に干渉することはあり得ないので、両端に設けることも可能である。
【0015】
この実施形態では、前記ガイドは、好ましくは、第1及び第2のガイドを備え、前記さらなるガイドは、第3及び第4のガイドを備え、第3のガイドは、第2のサブフレームの第2の位置において、その第1のガイドにつながり、第4のガイドは、第2のガイドにつながる。さらに、第3及び第4のガイドは、移送機の両側にあることがより好ましい。
【0016】
いずれの場合も2つのガイドを設けることで、第2のサブフレームは、大きな構造を必要とせずに、簡単な方法で吊り下げて安定して誘導(案内)することができる。ガイドは、実際、第2のフレームが実質的に平衡状態で吊り下げられるように、第2のフレームに対して中央に配置することができる。
【0017】
好ましくは、第1、第2、第3及び第4のガイドはそれぞれ、好ましくは実質的に垂直に伸びるレールを備え、第1のサブフレームには、好ましくはこのレールに沿って上下に移動するための車輪が設けられる。
【0018】
このようにして、第1のサブフレーム及びその上に取り付けられた卵ピックアップ部材の機械内での安定した懸架を容易に得ることができる。
【0019】
本発明による移送機の一実施形態では、好ましくは、実質的に水平に、これに沿って前後に第2のサブフレームを誘導(案内)するための少なくとも1つのガイドがフレームに設けられる。
【0020】
このようにして、第1サブフレームを搭載した第2サブフレームの機械内での安定した懸架を容易に得ることができる。
【0021】
本発明による移送機の一実施形態では、出し入れ機構(出し入れシステム)は、第1の搬送装置(搬送機構)を備え、当該第1の搬送装置は、抱卵後の卵で満たされたトレイを第1の方向に移動させてこれらのトレイを移送機に挿入するように構成されると共に、空にされたトレイも第1の方向に移動させてこれらのトレイを当該第1の搬送装置(搬送機構)から取り外すように(さらに)構成されている。
【0022】
この実施形態の利点は、移送機構(移送システム)がトレイから卵を取り出すとすぐに、空にされたトレイが他方の側を通って、この第1の搬送装置(搬送機構)を離れるので、単独の作業者(または複数の作業者)は、新しく満たされたトレイを第1の搬送装置に直ちに配置することができることである。これにより、移送能力をさらに上げることができる。
【0023】
好ましくは、第1の搬送装置(搬送機構)は、抱卵後の卵で満たされた2つのトレイを卵ピックアップ部材の下に配置するように構成され、移送機構(移送システム)は、これら2つのトレイを同時に空にするように構成されている。
【0024】
毎回、2つのトレイの卵が同時に移送されるので、移送能力は、1つのトレイからの卵のみが毎回移送されるとした場合の2倍になる。安定したこれらガイドにより、かなり大きな表面積を占めるこの比較的多数の卵を、鶏舎の床上に十分な注意を払って配置することが可能になる。
【0025】
好ましくは、出し入れ機構(出し入れシステム)は、第1の搬送装置(搬送機構)の下に伸びる第2の搬送装置(搬送機構)と、第1の搬送装置から取り出された空にされたトレイを受け取り、これらの空にされたトレイを第2の搬送装置に運ぶための転回機構(転回システム)とをさらに備える。
【0026】
したがって、空にされたトレイは、作業者がすぐにそれらを取る必要はなく、満たされたトレイを第1の搬送装置(搬送機構)上に連続的に配置し続け、空にされたトレイは第2の搬送装置(搬送機構)から取り外すことを続けられるように、第2の搬送装置に直ちに移送される。転回機構(転回システム)はまた、移送機を小型に保つことを可能にし、トレイを機械の同じ側に挿入し、そこから再び取り外すことができる。また、空にされたトレイが、他方の側で、移送機から地面に落ちることはない。汚染の可能性があるため、これは実際に回避しなければならない。
【0027】
好ましくは、前記転回機構(転回システム)は、空にされたトレイを1つずつ受け取り、それらを1つずつ第2の搬送装置(搬送機構)に運ぶように構成される。
【0028】
その結果、この転回機構(転回システム)も小型に保つことができる。より具体的には、移送機が幅広になりすぎることもなく、第1の搬送装置及び転回機構を、移送機の横方向、すなわち移送機の運転方向に対して横断する向きに次々と配置することができる。
【0029】
好ましくは、前記転回機構(転回システム)は、フレーム上の第1の傾斜位置と第2の傾斜位置との間で傾斜するように取り付けられた第3の搬送装置(搬送機構)を備え、第1の傾斜位置では、第3の搬送装置(搬送機構)は、空にされたトレイを受け入れるために第1の搬送装置(搬送機構)の延長部に伸び、第2の傾斜位置では、第3の搬送装置(搬送機構)は、第3の搬送装置によって受け入れられた空にされたトレイを第2の搬送装置(搬送機構)に運ぶために第2の搬送装置に向かって斜めに傾斜する。
【0030】
このような傾斜機構は、容易に実装することができ、トレイを第1の搬送装置(搬送機構)からその真下に位置する第2の搬送装置(搬送機構)に確実かつ迅速に移送することができる。
【0031】
好ましくは、第2の搬送装置(搬送機構)は、空にされたトレイを第1の方向とは反対の第2の方向に移動させるように構成され、(ここで)移送機は、片側に、抱卵後の卵で満たされたトレイを移送機に挿入するための挿入開口部と、同じ側に、空にされたトレイを移送機から取り出すための取り出し開口部とを有する。
【0032】
したがって、単独の作業者(または複数の作業者)は、移送機の同じ側面で満たされたトレイを移送機に挿入し、その側面で空のトレイを簡単に再び取り外すことができる。したがって、機械の片側のみで操作する必要があるので、移送能力を高めることができる。ともかく、畜舎の床に帯状に卵が存在するため、機械の一方の側から他方の側に移動することが難しい。鶏舎内の温かな条件にもかかわらず、抱卵後の卵をさらに孵化させるためには温度を十分に高くしなければならず、休みを入れる必要もなく数万個の卵で一気に満たすことが可能である。
【0033】
本発明による移送機の一実施形態では、この機械は、鶏舎を通して移送機を動かすために運搬機構(運搬システム)を駆動するためのモータを備える。
【0034】
したがって、機械は、単独で畜舎を動き、畜舎の内外を走行することができる。卵を移送するとき機械が畜舎を通って走行する速度は遅いため、機械は卵が床に置かれるたびに停止するのが好ましく、作業者自身もまた、移送機が畜舎を正しく通って走行するのを徹底できるように、機械を連続的に操縦する必要はない。移送機には自動操舵駆動装置を設けることもでき、自動操舵駆動装置は自動的に正しい運転方向を維持し、好ましくは、障害物がある場合は停止する。
【0035】
本発明はまた、抱卵後の卵で満たされたトレイから鶏舎の床に抱卵後の卵を移送するための本発明に従う移送機の使用に関する。
【0036】
本発明のさらなる特徴及び利点は、本発明による移送機の特定の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。この説明は、例としてのみ与えられており、特許請求の範囲によって決定される保護の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に記載されている参照番号は、添付の図面に関連しており、以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明による移送機の一実施形態の斜視図を概略的に示し、いくつかの部品は省略されているものの、移送機の側面及び後面を含む。
【
図2】
図1による移送機の最も重要な部分の背面図であって、卵で満たされたトレイの上に卵ピックアップ部材が配置されている。
【
図3】
図2と同じ図であるが、卵ピックアップ部材が卵の上に下げられ、吸引によって卵をピックする(持ち上げる)。
【
図4】
図3と同じ図であるが、持ち上げられた卵を含む卵ピックアップ部材が上方に移動し、空にされたトレイが横方向に排出される。
【
図5】
図4と同じ図であるが、空にされたトレイがさらに排出され、新たな満杯のトレイが当該移送機に挿入される。
【
図6】卵で満たされたトレイの上に卵ピックアップ部材が配置された状態の、
図1による移送機の最も重要な部分の側面図である。
【
図7】
図6と同じ図であるが、卵ピックアップ部材が卵の上に下げられ、吸引によって卵をピックする(持ち上げる)。
【
図8】
図7と同じ図であるが、持ち上げられた卵を含む卵ピックアップ部材が上方に移動されている。
【
図9】
図8と同じ図であるが、持ち上げられた卵を含む卵ピックアップ部材が移送機の前方に移動される。
【
図10】
図9と同じ図であるが、卵を持ち上げた状態の卵ピックアップ部材が移送機の下側に移動され、卵が鶏舎の床上の敷き藁の中に置かれる。
【
図11】
図10と同じ図であるが、卵ピックアップ部材は卵を床に置いて、再び移送機の上側へ移動する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は概ね、鶏舎内で、抱卵後の卵で満たされたトレイ3から鶏舎の床1に抱卵後の卵2を移送するための移送機に関する。卵2は、異なる種類の家禽、特に鶏のものであってよい。床1は、載置中の卵への損傷を防ぎ、必要に応じて卵をある程度断熱してやるために、少なくとも卵2を置くための空間/帯状の場所で、敷き藁4の層によって覆われている。
【0039】
これらの図は、本発明に従う機械(移送機)の可能な実施形態を、異なる位置で、いくつかの部品を省略して概略的に示している。
【0040】
これらの図に示す機械(移送機)は、鶏舎の床1の上を走行するために運搬機構(運搬システム)上に載置されるフレーム5を備える。運搬機構は、複数の車輪6を備え、そのうちの2つの後側の車輪は各々、電気モータ7によって駆動される。この機械は、2つの前輪で操縦することができる。
【0041】
抱卵後の卵2で満たされたトレイ3を移送機に挿入すると共に、空にされたトレイ3を再び移送機から取り出すために、出し入れ機構(出し入れシステム)8が当該機械のフレーム5に取り付けられている。さらに、移送機に挿入されたトレイ3から鶏舎の床1に卵を移送するために、移送機構(移送ステム)9が当該機械のフレーム5に取り付けられている。
【0042】
出し入れ機構(出し入れシステム)8は、第1の搬送ベルトを有する第1の搬送装置(搬送機構)10を備え、第1の搬送ベルトは、
図2に矢印11で示された第1の方向に抱卵後の卵で満たされたトレイ3を移動させ、これらトレイ3を移送機に送り込むように構成されると共に、矢印11で示された第1の方向に空にされたトレイ3も移動させて、これらトレイ3を第1の搬送装置10から取り外すようにさらに構成されている。第1の搬送ベルトは、トレイ3の長手方向の縁の下でトレイを支える2本のエンドレスベルト12によって構成される。
【0043】
出し入れ機構(出し入れシステム)8は、第1の搬送装置(搬送機構)10の下に延設された、第2の搬送ベルトを有した第2の搬送装置(搬送機構)13をさらに備えており、この第2の搬送ベルトは、トレイ3の長手方向の縁の下でトレイを支える2本のエンドレスベルト14によって再び構成されている。出し入れ機構8は、さらに、第1の搬送装置10から取り外された空にされたトレイ3を受け取って、これら空にされたトレイを第2の搬送装置13に運ぶための転回機構(転回システム)15を備える。転回機構15は、空にされたトレイ3を1つずつ受け取り、それらを1つずつ第2の搬送装置13に運ぶように構成されている。
【0044】
転回機構(転回システム)15は、第1の傾斜位置と第2の傾斜位置との間で軸16を中心に傾斜(傾動)するようにフレーム5に取り付けられた第3の搬送装置(搬送機構)15によって構成される。
図2から
図4に示された第1の傾斜位置では、この第3の搬送装置15は、第1の搬送装置(搬送機構)10の延長部内に伸びて、空にされたトレイ3を受け取る。
図5に示された第2の傾斜位置では、第3の搬送装置15は、第2の搬送装置(搬送機構)13に向かって斜めに傾斜して、第3の搬送装置によって受け取られた空にされたトレイ3を第2の搬送装置13に運ぶ。
【0045】
第3の搬送装置(搬送機構)15は、(複数の)ホイール18が2つの対向する側面に設けられると共に、その上でトレイ3がトレイの長手方向の縁部で転がることができるフレーム枠17を備える。第1の傾斜位置では、フレーム枠17は、このフレーム枠17の上に配置されたトレイ3が重力の作用で移送機の外側へ転がるように、移送機の外側に向かって下方に傾斜する。第2の傾斜位置では、フレーム枠17は、このフレーム枠17の上に配置されたトレイ3が重力の作用で移送機の内側へ、より具体的には第2の搬送装置13の運搬ベルトへ、転がるように、移送機の内側に向かって下方に傾斜する。次いで、この第2の搬送装置13は、
図2の矢印19によって示されるように、トレイ3を移送機の反対側に搬送して戻す。
【0046】
第2の搬送装置(搬送機構)13は、実際には、空にされたトレイ3を矢印19で示された第2の方向に移動させるように構成されており、矢印11で示された第1の方向とは逆である。移送機は、片側、すなわち
図2から
図5に表示されるように左側に、抱卵後の卵で満たされたトレイ3を移送機に挿入するための供給開口部21を有する。供給開口部21は、より具体的には、第1の搬送装置(搬送機構)10の搬送ベルトに通じており、満杯のトレイ3を、その上に手動で容易に置くことができる。同じ側、すなわち同様の左側に、移送機は、空にされたトレイ3を移送機から取り出すための取り出し開口部22を有する。この取り出し開口部22は、空にされたトレイ3が第2の搬送装置13によって取り出し開口部21に自動的に運ばれるように、第2の搬送装置13の高さで、供給開口部21の下に配置される。トレイ3は、好ましくは、それらを容易に拾い上げて取り外せるように、移送機から少しの長さにわたって突き出ている。供給開口部21及び取り出し開口部22には、好ましくは、取り外し可能な付属装置(アタッチメント)23が移送機の側面に装着される。この付属装置(アタッチメント)は、一方では、満杯のトレイ3の挿入を容易にするための追加の誘導(ガイダンス)を提供し、他方では、移送機から出てくるトレイ3のための追加の支持(サポート)を提供する、その結果、トレイ3は、当該機械からさらに突き出ることができ、したがって、より容易かつ迅速に取り外すことができる。
【0047】
付属装置(アタッチメント)23は、当該機械の幅をより狭くできるという利点を提供する。当該機械の反対側では、転回装置(転回システム)15のフレーム枠17も一部分だけ引き込めたり引き出したりでき、転回装置は、
図2から
図5に示された伸長位置で当該機械の側面から突き出ている。したがって、この格納式転回装置15も、当該機械をより狭くすることを可能にする。
【0048】
出し入れ装置(出し入れシステム)8の動作は、
図2から
図5に示された連続した位置から明らかになる。
【0049】
図2では、2つの満杯のトレイ3が、第1の運搬機構(運搬システム)10によって矢印11の方向に当該機械に挿入されている。この場合、第1のトレイ3は、第2のトレイ3が第1のトレイに当たっている間は、流体圧で作動するストッパ24によって停止される。第1の運搬機構10の両方のベルト12は、トレイ3が停止したときにトレイ3の下(側)で回転し続けることができるように、滑らかな上面を有する。
【0050】
図3では、卵2は移送機構(移送システム)9によってトレイ3から取り出され、その後、空にされたトレイ3は、
図4に示すように、第1の搬送装置(搬送機構)10によって転回機構(転回システム)15を介して第2の搬送装置(搬送機構)13に移送される。このために、ストッパ24は、両方のトレイ3が第1の搬送装置10によってさらに搬送されるように引き込められる。第1のトレイ3が外側に傾斜している転回機構15に到達すると、第1のトレイ3は、固定ストッパ25に達するまで自動的に外側へ転がり続ける。第2のトレイ3は、
図5に示すように、この第2のトレイ3が第1のトレイの回転を妨げないように、下から上に引き出されたストッパ26によって遅れずに停められる。転回機構15の傾斜により、第1のトレイは、第2の搬送装置13の上に自動的に転がり、当該機械の他方の側、より具体的には取り出し開口部22へ第1のトレイを搬送する。第1のトレイは、付属装置(アタッチメント)23内の固定ストッパ27によって停められ、第2の搬送装置13のベルト14もまた、第2のトレイを転回装置15から第2の搬送装置13に運ぶために回転し続けることができるように、滑らかな上面を有する。このように、2つのトレイを第2の搬送装置13に保管することができ、それから作業者によってトレイを取り外す必要がある。トレイは第1の搬送装置10から第2の搬送装置13へ自動的に運ばれるため、この運搬中に作業者自身が新たな満杯のトレイを第1の運搬機構(搬送システム)10上に先に配置することができる。移送機構(移送システム)9がトレイから卵を取り出すとき、作業者は空のトレイを第2の搬送装置13から取り出すことができる。これにより、作業者は連続的に作業することができ、最大の移送能力を達成することができる。
【0051】
移送機構(移送システム)9自体は、好ましくは、真空ポンプ29によって作り出した真空によって卵を吸引することができる吸引カップによって構成された一セット(一群)の卵ピックアップ部材28を備える。卵が吸引されるとき、吸引カップは、好ましくは、卵を敷き藁4に移すときに再び伸長して卵を敷き藁4の中に押し込むことができるように、一緒に引き込まれる。
【0052】
卵ピックアップ部材28は、第1のサブフレーム30に取り付けられており、第1のサブフレームは、上下に移動できるように第2のサブフレーム31に取り付けられている。このために、第1のサブフレーム30の両端には、第2のサブフレーム31に設けられた第1のガイド33及び第2のガイド34にそれぞれ位置する2つの車輪32が設けられている。第1のガイド33及び第2のガイド34は、U字状のレールであることが好ましい。第1のガイド33及び第2のガイド34は、卵ピックアップ部材28が第1のサブフレーム30によって第1の搬送装置(搬送機構)10上のトレイ内の卵の上に下降されるのに十分な長さである。第1のサブフレーム30の上下運動は、第2のサブフレームに支持されたプーリ37を備えた車軸36を駆動する電気モータ35によって行われる。ベルト38は、車軸36の回転によってこれらのプーリ37上で上下に巻かれ、サブフレーム30を昇降させるためにサブフレームに固定されている。
【0053】
また、第2のサブフレーム31も、両端に2つの車輪39を備えている。これらの車輪39は、移送機の片側に設けられたガイド40内にそれぞれ配置されている。特に実質的に水平なレールで構成されたガイド40を介して、第2のサブフレーム31は、当該機械内のフレーム5上を前後に、より具体的には、卵ピックアップ部材28のセットが第1の搬送装置(搬送機構)10の上方に位置した、
図1及び
図6から
図8に示される第1の位置と、卵ピックアップ部材28のセットが鶏舎の床1の上方に位置した、
図9から
図11に示される第2の位置と、の間を移動することができ、
図10に示されるように床のすぐ上方の下部位置と、
図9に示される上部位置との間で上下に移動することができる。第2のサブフレーム31を前後に移動させるために、フレーム5には電気モータ43が設けられ、フレーム5に支持された車軸44を駆動する。車軸44上には、歯付きプーリと機械の後部のプーリ46との間に水平に伸びるエンドレスベルト45のための2つの歯付きプーリが設けられている。第2のサブフレーム31は、電気モータ43によって前後に引っ張られ得るようにベルト45の一方の側に固定されている。
【0054】
第2のサブフレーム31の第1の位置及び第2の位置の両方において、垂直ベルト38は、電気モータ35によって上下に巻くことができ、卵ピックアップ部材28が取り付けられる第1のサブフレーム30を確実に上下に動かすことができる。第2のサブフレーム31の第2の位置では、第1のサブフレーム30は、比較的長い距離、すなわち、その最上位置からその最下位置まで移動することができる。この大きな移動量は、第2のサブフレーム31に設けられた第1のガイド33及び第2のガイド34を十分に長くすることによって達成し得るが、その際、これらのレールは、その動作と干渉しないように出し入れ機構(出し入れシステム)8の側面に設けられなければならない。図に示すような移送機では、第1のガイド33及び第2のガイド34と同様に垂直レールによって形成されるさらなるガイド41を、フレーム5上に設けることによって、第1のサブフレーム30の大きな垂直移動が可能になる。
図9から
図11に示す第2のサブフレーム31の第2の位置において、フレーム5上に設けられた、これらのさらなるガイド41が、第2のサブフレーム31上に設けられた第1のガイド33及び第2のガイド34につながっており、第1のサブフレーム30をその下部位置へ上下にさらに誘導(案内)する、そこで卵ピックアップ部材28が、床上のその下部位置に位置することになる。
【0055】
図10に示すように、卵ピックアップ部材28から真空が解除されると、卵はこれらの卵ピックアップ部材28によって敷き藁4内にわずかに押し込まれ、その結果、卵は実質的に直立したままとなる。好ましくはセンサ42が当該機械に設けられ、敷き藁の床の高さを測定するために使用される。それから、この測定した高さに応じて、卵ピックアップ部材28を下げなければならない高さが、卵を最適に敷き藁4の中に押し込むことができるように決定される。
【0056】
移送機構(移送システム)9の動作は、
図6から
図11に示された連続した位置によって明確に示されている。
【0057】
図6では、第2のサブフレーム31はその第1の位置にあり、第1のサブフレーム30はその最上位置にあり、第1の搬送装置(搬送機構)10の上方にあって、その上に卵2が満たされたトレイ3を有する。
【0058】
図7では、第1のサブフレーム30は、電気モータ35によって卵の上に下げられており、卵2は、卵ピックアップ部材28によって吸引されている。
【0059】
図8では、第1のサブフレーム30は、電気モータ35によってその最上位置まで引き上げられている。
【0060】
図9では、第2のサブフレーム31は、電気モータ43によって第2の位置に引っ張られており、卵ピックアップ部材28は、第1の搬送装置(搬送機構)10の上ではなく鶏舎の床の上に配置されている。この移動中に、卵の列の間の距離は、卵がトレイ3内のときよりも敷き藁4内では互いにより離れた距離となるように広げられるのが好ましい。
【0061】
図10では、第1のサブフレーム30は、センサ42によって決定された敷き藁4の上方の一定の高さまで電気モータ35によって下げられている。次に、真空が卵ピックアップ部材28から解除され、卵ピックアップ部材は、そのばね作用により一定した力で卵を敷き藁4の中に押し込むようになっている。
【0062】
図11では、第1のサブフレーム30は、その後、電気モータ35によって再び引き上げられる。
【0063】
上記の説明から、添付の特許請求の範囲の保護の範囲を超えることなく、例として説明した当該移送機に様々な変更を加えることが可能であることは明らかであろう。
【符号の説明】
【0064】
3 トレイ
5 フレーム
6 運搬機構(運搬システム)/車輪
8 出し入れ機構(出し入れシステム)
9 移送機構(移送システム)
10 第1の搬送装置(第1の搬送機構)
13 第2の搬送装置(第2の搬送機構)
15 転回機構(転回システム)/第3の搬送装置(第3の搬送機構)
21 供給開口部(挿入開口部)
22 取り出し開口部
30 第1のサブフレーム
31 第2のサブフレーム