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特許7569810射出成形工具用ギブおよび射出成形環境内の汚染を低減する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】射出成形工具用ギブおよび射出成形環境内の汚染を低減する方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/38 20060101AFI20241010BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20241010BHJP
   B23Q 1/44 20060101ALN20241010BHJP
【FI】
B29C33/38
B29C45/26
B23Q1/44 D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021574966
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 US2020038247
(87)【国際公開番号】W WO2020257361
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】62/862,478
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513295076
【氏名又は名称】アンソニー サーニグリア
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー サーニグリア
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-087637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/38
B29C 45/26
B23Q 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形工具用ギブであって、
第1の表面と第2の表面とを有する金属基材と、
前記金属基材上に配置されたアタッチメントとを備え、
前記アタッチメントは、前記金属基材の前記第1の表面に配置された第1の機能表面を含み、
前記第1の機能表面は、軸受面として構成されることを特徴とする、ギブ。
【請求項2】
前記アタッチメントは、繊維樹脂複合材料で形成された繊維樹脂複合体である、請求項1に記載のギブ。
【請求項3】
前記繊維樹脂複合体は、前記金属基材の前記第2の表面に配置された第2の機能表面をさらに含み、
前記第2の機能表面は、前記第1の機能表面と隣接して配置されるように構成されている、請求項2に記載のギブ。
【請求項4】
前記ギブは、前記繊維樹脂複合体が1つ以上の可動部品と相互作用する際に、潤滑剤を使用することなく、前記ギブに対する前記可動部品の軸方向または直線方向の運動を容易案内するように構成される、請求項2に記載のギブ。
【請求項5】
前記第1の機能表面は案内面として構成され、
前記第2の機能表面は保持面として構成される、請求項3に記載のギブ。
【請求項6】
前記繊維樹脂複合体は、前記可動部品との接触を回避するように構成された端面を含むことができる、請求項4に記載のギブ。
【請求項7】
前記金属基材および前記アタッチメントは、複数の機械的ファスナで接合される、請求項1に記載のギブ。
【請求項8】
前記金属基材および前記アタッチメントは、接着材料で結合される、請求項1に記載のギブ。
【請求項9】
前記金属基材および前記可動部品は、直接接触していない、請求項4に記載のギブ。
【請求項10】
前記金属基材は、前記第1の表面の反対面に配置された第3の表面を含み、
前記アタッチメントは、前記金属基材の前記第3の表面に配置された第2の機能表面を含み、前記第2の機能表面の端面は、前記金属基材の前記第2の表面と同一平面上に構成される、請求項1に記載のギブ。
【請求項11】
前記第1の機能表面および前記第2の機能表面は、連続して形成される、請求項10に記載のギブ。
【請求項12】
射出成形環境内の汚染を低減する方法であって、
金属基材と、案内面および保持面として前記金属基材上に配置される繊維樹脂複合体と、を含む射出成形工具用ギブを、射出成形可動部品の案内面および保持面として使用するステップと、
前記ギブおよび前記射出成形可動部品への潤滑剤の塗布を必要としないで、前記射出成形可動部品を作動するステップとを備える、射出成形環境内の汚染を低減する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造部品および製造方法に関し、より具体的には、ギブの構造、方法、ならびに塗布された潤滑剤およびその結果生じた生産環境内の汚染を除去するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ギブ(Gib)またはその方法として、工業的に利用されるものの製造部品および製造方法は、典型的には潤滑剤を塗布する必要がある。塗布された潤滑剤は、生産環境内の汚染をもたらすおそれがある。そのような生産環境は、製造方法で射出成形を行うことによるものである。射出成形は、無数の様々な製品、たとえば、おもちゃ、携帯電話ケースなどの単純なものから水筒のプリフォーム、医療機器、自動車装置などの製造にまで、幅広く使用されている。
【0003】
本開示は、射出成形プロセスを参照して説明するが、他の製造プロセスも同様に、塗布された潤滑剤の除去による利益を得ることができることに留意されたい。塗布された潤滑剤は、たとえば、微粒子および空中浮遊汚染物質を引きつけたり、経時的な性能低下、耐用年数の制限、および潤滑剤の流出(migration)の要因となったり、一般的な全体メンテナンスが必要となるなど、多くの負の性質を有している。
【0004】
多くの製造プロセスと同様に、一般的で幅広い説明には、いくつかのサブカテゴリがある。そのようなサブカテゴリの一つは、クリーンルーム製造であろう。クリーンルーム製造は、その名称が示唆するように、靴カバー、白衣、フェースカバー、ゴーグル、ひげネットおよびヘアネットなどを、すべての人員に着用を要求することで、有機汚染物質を低減するよう制御された環境にある。同様に、クリーンルーム内で稼働させる必要のある製造工具および装置は、汚染物質を最小限に抑えるクリーンルームのプロトコルに準拠するように構成されなければならない。
【0005】
多くの生産用金型工具は、金型工具を開閉する際に横方向に移動またはスライドする、可動部材を有している。可動部材は一般に、スライドまたはサイドアクションと呼ばれる。これらのスライドは、機械的に駆動されることが多く、角度ピンまたは製造領域に応じた他の同様の名称で業界内で知られている部材によって駆動される。メカニズムまたはメカニズムの駆動方法にかかわらず、クリーンルームのプロトコルでは、生産部品へ潤滑剤が流出するリスクを最小限に抑えるために、生産プロセスにおける潤滑剤の使用は最小限とすることが要求されている。
【0006】
潤滑剤の流出は、審美的または機能的に分類する際に、不合格品と分類される。審美的な不合格品は、最終製品の外観または視覚的審美性に影響を及ぼすか、またはそれを害するものである。機能的な不合格品は、最終製品の機能または性能に影響を及ぼすか、またはそれを害するものである。典型的には、機能的な不具合が生産中に発見されない場合、破滅的な不具合が生じ得る。審美的な不具合の一例は、射出成形されたハウジング又は他の部品が、欠陥に対処するための塗装又は他のコーティングのような二次プロセスを必要とする場合である。機能的な不具合の一例は、自動車エアバッグを展開するための電気接点を有する自動車センサであり、センサに作動不能または欠陥がみられる場合である。
【0007】
金型工具は、クリーンルーム環境に配置される際、しばしばFDA認可の食品グレードまたは食用グリスで潤滑される。これらの潤滑剤は、典型的には制限的な性能特性しか有しておらず、特定の鋳型または工業的条件には適していない。このような制限のある潤滑剤は、潤滑剤の流出および変質の原因となることがある。
【0008】
潤滑剤の流出は、塗布方法、潤滑剤の種類、熱条件、加速度、力、直線運動、回転運動、または潤滑剤が受けることができる配向のうちのいずれか1つまたは2つ以上の要因が組合せられた結果として生じることがある。任意の流出した潤滑剤は、その形状に関わらず、成型物上に配置されていれば、不合格品を作り出すことになる。最終用途を意図した部品は、その不具合が破滅的なものであるか審美的なものであるかを判断する。
【0009】
それにもかかわらず、不合格品は、しばしば根本原因の分析、発見、および是正処置プロセスを動作させるように設定される。このプロセスは、典型的には「8規律レポート」と呼ばれ、不具合の本質を調べ、発生原因を分析することがチームに要求される。この種のレポートの最終的な規律は、異なる方法で表現されているが、通常、同じ原因による不具合を起こさないか、または繰り返さないことを保証するための解決策を提供することが求められる。現在、潤滑剤の流出による不具合に対する唯一の解決策は、全ての部品について、100%検査する及び/又は洗浄工程を行う策を受けさせることである。
【0010】
また、塗布された潤滑剤は、操作上の欠陥を有する。塗布された潤滑剤は、かじりの危険性を最小限にするために利用される。かじりは、一般的には工業的に致命的な不具合(nemesis)とされる。かじりは、少なくとも1つの可動部品と、可動部品がその表面を横切る二次部品との間に生じた破滅的な欠陥について使用される用語である。そのような運動および表面間接触は、局所的な摩擦熱を発生させる。摩擦熱は、1つの構成要素を著しく軟化させ、接合する構成要素が溶接したような状態となることがある。
【0011】
当分野における潤滑剤の使用は、構成部品が支障なく運動することを容易にする。技術的に熟練した製造業者が使用する「経験則」による材料選択、推奨される硬度、熱処理の仕様、承認された又は好適なコーティング、堆積物、潤滑皮膜、エアロゾル潤滑剤、油、ペースト、乾燥または固形潤滑剤、又はその他の材料に不足はない。
【0012】
さらに、これらの塗布された潤滑剤は、性能が経時的に低下および劣化するため再塗布が必要となるという意味で、永久的ではない。再塗布の頻度は、塗布された潤滑剤が晒される環境に依存する。ある硬質コーティングは、より高い荷重下または不注意な衝撃下における、欠けおよび亀裂の防止に役立つ。さらに、これらのコーティングは、製造時およびコーティングを使用するプロセスにおいて、その厚さを考慮する必要がある。通常、この要求は、完成品の寸法を適切にするために、過剰な厚さを適用したり、別の仕上げプロセスを行うことで対処する。
【0013】
これらの余分なステップおよびプロセスを行うことには、時間および費用を要する。ソフトコーティングは、強い衝撃を受入れながら、典型的には早期に摩耗するため、部品のライフサイクルが短くなる。塗布された潤滑剤に立ち戻って言及すると、これらの製品は本質的に、浮遊粉塵および微粒子を引きつける。潤滑剤が汚染物質および微粒子を含むにつれて、予防保守プロセスを計画する必要が生じる。これにより、すべての劣化および汚染された潤滑剤を除去するために、工具を製造から取り外し、分解し、洗浄しなければならない。その後、新しい潤滑剤を塗布して、工具を再度組立てなければならない。このプロセスは、たとえば、損失/中断時間、人員、溶剤、および装置などに関して、予防保守を実施するための費用がかかるが、これらに限定されない。さらに、必要なプロセス中に構成要素に損傷を与える危険性があるプロセスは、分解、洗浄、再組立などを含むが、これらに限定されない。
【0014】
さらなる損失は、製造時間の損失である。予防保守手続きには、数万ドルの費用がかかることがある。失われた製造収益は、再組立てが何らかの理由で不十分である場合には、製造を再開する前に分解及び再組立てプロセスを繰り返すことが是認されるため、その額の2倍又は3倍以上となることがある。
【0015】
さらに重要なことは、幅広い射出成型工具および前述したクリーンルームの外にある、射出成型金型の作動パラメータをさらに調べるための特定の要件について説明することである。作動パラメータは、主に金型内で処理される樹脂の種類により決定される。ある樹脂は、鋳型温度が室温または室温以下であることを必要とする一方、他の樹脂は、450°Fまたはそれ以上の鋳型温度を必要とする。ある金型は、補聴器を構成する部品のように非常に小さな部品の金型であるが、他の金型は、自動車、トラック、農機具部品のように、非常に大きな部品の金型である。これらの範囲を識別することは、潤滑剤、コーティング、または他の摩擦減速機を理解して選択する際に役立ち、特定の状態にある工具内の可動部品を注意深く考慮するのに役立つ。
【0016】
現行の材料および方法の妥当性を考慮すると、補聴器部品を作製するための可動鋳型構成要素は、潤滑剤として非常に軽いグリスを必要とする。一方で、可動大型自動車工具を作製するための大型の可動鋳型構成要素は、より高い負荷を維持するために高圧グリスを必要とする場合がある。いずれの場合も、上述した全ての欠点を考慮しても、潤滑剤を必要としていることは依然として明らかである。金型が作動する温度範囲、具体的にはより高温の金型で作動する温度範囲を拡大すると、ある潤滑剤は生産温度を満たす熱耐範囲を有し得る。しかしながら、これらの高温用潤滑剤は、金型にとって不適切な他の性能基準を有していることがある。
【0017】
射出成形金型は、非常に精密に構成されており、作動クリアランスは最小限である。これらのクリアランスは、グリス型潤滑剤よりも油型潤滑剤に当てはまる。しかしながら、プラスチック射出成形金型は、油の使用を許容するための密閉システムを有していない。さらに、油は、その粘度がある温度範囲から逸脱するにつれて、非常に迅速に流出する。また、可動部品は、重力によって流出する潤滑剤が金型キャビティに引き寄せ有られる位置上に配置される必要がある。これらの理由のために、油タイプではなくグリスタイプの潤滑剤が使用される。これらのタイプの潤滑剤は、より正確な厚さまたは薄さに塗布することで、意図された潤滑剤の能力を妨げることがある。上述したように、グリス型潤滑剤を十分に薄く塗布し、射出成形品のように長時間高温を受けると、これらの潤滑剤はむしろ速やかに劣化し、適宜機能しなくなる。したがって、劣化した潤滑剤に注意し、可動構成要素の破滅的なかじりを防止するために、定期的な停止が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
当分野において、破滅的なかじり破壊の危険性を排除するとともに、塗布された潤滑剤または特定のコーティングがなくても機能することのできる可動構成要素に関する、現実的な解決策が必要とされている。
【0019】
本発明が開示する解決策は、塗布された潤滑剤を除去するとともに、可動部品が内部で作動するのに必要とされる温度および圧力範囲を満たすことができるものである。したがって、本発明が開示する解決策は前述の課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一態様に係る低摩擦ギブは、第1の表面および第2の表面を有する金属基材を含み、金属基材上に配置されたアタッチメントを含む。アタッチメントは、金属基材の第1の表面上に配置された第1の機能表面を含む。第1の機能表面は、軸受面として構成される。
【0021】
一例では、アタッチメントは、第1の機能表面と、第1の機能表面に対して移動可能な別の隣接する構成要素との間の摩擦を低減するように構成された材料で形成され得る。
【0022】
一例では、アタッチメントは、繊維樹脂複合材料で形成され得る。
【0023】
一例では、アタッチメントは、金属基材の第2の表面上に配置された第2の機能表面を含む繊維樹脂複合体とされ得る。第2の機能表面は、第1の機能表面に隣接して配置されるように構成され得る。
【0024】
一例では、アタッチメントまたは繊維樹脂複合体は、潤滑剤を使用せずに1つまたは複数の可動部品と相互作用する際に、ギブに対する軸方向または直線運動を容易にまたは案内するように構成され得る。
【0025】
一例では、第1の機能表面は案内面として構成され、第2の機能表面は保持面として構成されることができる。
【0026】
一例では、ギブは射出成形工具用とすることができる。
【0027】
一例では、アタッチメントは繊維樹脂複合体であり、可動構成要素との接触を回避するように構成された端面を含むことができる。
【0028】
一例では、金属基材および繊維樹脂複合材アタッチメントは、複数の機械的ファスナでつなぎ合わされることができる。
【0029】
一例では、金属基材および繊維樹脂複合材アタッチメントが、接着材料で結合され得る。
【0030】
一例では、アタッチメントが間に配置された結果として、金属基材と可動構成要素との間が直接接触していなくてもよい。
【0031】
一例では、金属基材は、第1の機能表面の反対面に配置された第3の表面を含むことができる。第2の機能表面は、金属基材の第3の表面と揃うように構成され、第2の機能表面の端面は、金属基材の第3の表面と同一平面となるよう構成されることができる。
【0032】
一例では、第1の機能表面および第2の機能表面が、1つの連続した形態として構成されることができる。
【0033】
本発明の一態様に係る方法によれば、製造環境内の汚染を低減する方法は、可動部品の案内面および保持面としてギブを使用するステップを含む。ギブは、金属基材と、金属基材上の案内面および保持面として配置された繊維樹脂複合体と、を含む。方法は、ギブおよび可動構成要素に潤滑剤を塗布することなく、可動構成要素を作動させることを含む。
【0034】
本開示は一般的な工業用装置、より具体的には、当分野内で一般にギブとして知られているものを提供する。ギブは装置であり、一対で使用される場合、典型的には金型部品などの機械に取り付けられ、案内としてまたは保持および案内する方法としての機能を果たす。ギブは、それらの意図された機能を果たすためによく一対で使用される。ギブは何十年もの間使用されてきており、特定の環境および用途の必要性のために、使用される範囲内において絶えず開発されている。
【0035】
本開示は、射出成形用金型への適用だけでなく、さらに他の工業的用途への適応にも留意されたい。本開示は、製造環境内におけるギブおよび可動構成要素に関するものであり、潤滑剤の必要性を排除する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本明細書で提供される図面は、本開示の1つまたは複数の例または実施形態を示している。したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではない。本開示は本発明の目的を達成するために等しく有効な他の例および実施形態を含み、これらは本開示の範囲内に含まれることができる。本開示の目的、特徴、および利点は、図面と併せて以下の説明を読むことによって明らかになるだろう。
図1図1は、先行技術または公知のギブの一例を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態にかかるギブを示す上面斜視図である。
図3図3は、図2のギブを示す底面斜視図である。
図4図4は、本発明の一実施形態にかかるスライドを示す上面斜視図である。
図5図5は、図4のスライドを組み込んだ本実施の形態にかかる角度ピンを有する金型の一部を示す断面図であり、金型は閉位置にある。
図6図6は、図5の金型部分を示す断面図であり、角度ピンおよびスライドを含み、金型は開位置にある。
図7図7は、図2および図3に示されるような一対のギブと、図4に示されるようなスライドと、を含む金型のハウジングアセンブリを示す上面斜視図であり、ハウジングアセンブリは、本開示の教示に従って構成される。
図8図8は、本実施の形態の一態様に係るギブおよびスライドのうちの1つを含む図7に記載のハウジングアセンブリを示す上面斜視図である。
図9図9は、図7に記載のハウジングアセンブリの一部を示す底面斜視図である。
図10図10は、本実施の形態の一形態に係る、図8および図9に記載のギブおよびスライドを示す斜視図である。
図11図11は、本実施の形態の一形態に係る、図2図3図8、および図9に記載のギブのための、繊維樹脂複合体で形成されたアタッチメントを示す斜視図である。
図12図12は、本実施の形態の他の形態に係るギブを示す斜視図である。
図13図13は、本実施の形態の他の形態に係るギブを示す斜視図である。
図14図14は、本実施の形態の他の形態に係るギブを示す斜視図である。
図15図15は、本実施の形態の他の形態に係るギブを示す斜視図である。
図16図16は、本実施の形態の他の形態に係るギブを示す斜視図である。
図17図17は、本実施の形態の他の形態に係るギブを示す斜視図である。
図18図18は、本実施の形態の他の形態に係るギブを示す斜視図である。
図19図19は、本実施の形態の他の形態に係るギブを示す斜視図である。
図20図20は、本実施の形態の他の形態に係るギブを示す斜視図である。
図21図21は、本実施の形態の他の形態に係るギブを示す斜視図である。
図22図22は、本実施の形態の他の形態に係るギブを示す斜視図である。
図23図23は、本実施の形態の他の形態に係るギブを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本明細書が開示するギブは、公知のギブおよび可動機械構成要素が有する1つまたは複数の既出及び/又は他の課題および欠点を、解決または改善する。図1は、先行技術または公知のギブ30の一例を示す。この例におけるギブ30は、細長い矩形本体32を有しており、その外側に1つまたは複数の軸受面34を画定することができる。本体32は、ギブ30を別の工具または機械要素に固定するために使用される1つまたは複数の孔36を含んでもよい。本実施の形態では、各軸受面34は平坦表面である。各軸受面34は、非円筒形の工具又は機械要素の直線運動が要求される際に、案内機能及び保持機能を、案内し、保持し、又は組み合わせるように構成及び配置されることができる。各軸受面34は、工具又は機械要素上の、平坦に等しい面と接触するだろう。従来では、塗布された潤滑剤が、ギブの接触面に対応する各々の面と、工具または機械要素との間で利用されていた。
【0038】
本実施の形態に係るギブおよび方法は、従来のギブの機能性を拡張したものであり、固体、フィルム、ペースト、液体、乾燥、エアロゾル、またはその他の形態の潤滑剤であろうとなかろうと、いずれかの形態における潤滑剤を塗布する必要性を排除するための包括的な解決策を提供する。
【0039】
さらに、本明細書で開示されるギブおよび方法は、ギブまたは工具または機械要素に施される、任意の種類のコーティング、めっき、処理などの必要性を排除すると同時に、かじりも排除する。
【0040】
本発明は、任意の潤滑剤、特別なコーティングまたは製造停止を要しない。また、本発明が対象とするギブは、作動温度、多様な支持構造、洗浄度などに関連する多様な環境で機能する汎用ギブ製品であるが、これらに限定されない。開示されたギブ製品は、当分野において新規なものであり、優れた解決策を提供する。
【0041】
図2および図3は、本実施の形態の一態様に従って構成されたギブ40の一例を示す。本実施の形態に係るギブ40は、ギブ30と本質的に同様な形状であり、接触面44と締結孔46とを有する本体42を含む。図1及び図2の各々において、ギブ本体32,42は、強度、剛性、及び耐久性のために金属基材とすることができる。
【0042】
本実施の形態ではまた、ギブ40は、本体42に取り付けられたアタッチメント48を含む。アタッチメント48は、たとえばフィットメント、アダプタなどである。アタッチメント48は、本体42の少なくとも各接触面44を覆うように構成することができる。したがって、本実施の形態では、アタッチメント48は、2つの細長い矩形形状の板様または平らな部材(板状部材)50を含み、これらは互いに接合し、断面視L字形状を有している。
【0043】
アタッチメント48は、外側に面する露出面52を含み、板状部材50の各々は、露出面52が露出するようにギブ40の本体42に取り付けられる。露出面52は、工具または機械要素の対応する面と接触する際に、低摩擦接触面または摩擦低減特性を提供することを意図している。
【0044】
本実施の形態に係るアタッチメント48は、繊維樹脂複合材料で形成することができる。繊維樹脂複合材料は、摩擦低減品質を提供する一方で、優れた摩耗特性および強度または圧縮特性を有することができる。アタッチメント48は、本体42及び使用中に当接する工具又は機械要素の大きさ及び形状に応じて、大きさ及び形状を変更することができる。アタッチメント48は、それが意図される工具または機械用途に応じて、ギブ本体42の1つの表面のみに重なるように構成されてもよいし、ギブ本体の2つ以上の表面に重なるように構成されてもよい。ギブ40は、強度及び剛性のための金属ギブ基材と、機能表面のための繊維樹脂複合材とを組み合わせることによって、潤滑剤フリーな動作及び産業への堅牢なサポートを達成するよう構成される。
【0045】
図3を参照して、アタッチメント48は、板状部材50の1つに開口54を有することができる。開口部54は、ギブ40の本体42の締結孔46と一致し、かつファスナがギブ40を通過してギブ40を工具または機械要素に固定できるように、構成することができる。ギブ40または射出成形工具内で使用されるギブは、実際には、保持し、案内し、典型的には2つの表面上のベアリングとして機能することができる。
【0046】
本実施の形態におけるギブ40は、2つの機能表面または支持表面を有している。すなわち、ギブ40は、本体42上にアタッチメント48の外面52を有している。各外面52は、案内面および/または保持面として識別することができる。各外面52は、ギブに対する可動工具または機械要素の運動を案内することができる。また各外面52は、可動工具または機械要素を含む、工具または機械内の別の部品に対する1つの部品の相対的な位置を保持することができる。
【0047】
他の実施形態および実施例によれば、ギブは1つの軸受または機能表面を有しているだけでもよく、または2つ以上の軸受または機能表面を有していてもよい。これらの表面は、可動構成要素と共に使用される際に隣接するように構成されていてもよい。参考までに、これらの機能表面の各々は、保持面および/または案内面として識別されてもよい。
【0048】
図4は、本実施の形態の一態様に従うツールスライド60またはサイドアクションの一例を示す。スライド60は、前述の可動工具または機械要素と同等のものと見做すことができる。スライドまたはサイドアクションは、射出成形産業において公知の一般的な構成要素である。スライド60は、金型内の可動構成要素として構成される。スライド60はまた、ギブ本体42と同様に、金属基材として形成されてもよい。本実施の形態のスライド60は、幅の広い基部64と幅の狭い上部66とを有する本体62を有する。基部64と上部66との間の本体62を横切る幅の差によって、上向きの段差、すなわち肩が形成される。すなわち、基部64上にはかかと部68が形成される。かかと部68の上方に隣接して位置する本体62の上部64は、対向するスライド軸受面70を画定することができる。
【0049】
本実施の形態に係るスライド60の本体62はまた、角度ピンボア72を含んでいてもよい。角度ピンボア72は、下方向にまたは本体を略垂直に貫通して形成されるが、後述するように、垂直に対して所定の角度を有して形成される。スライド60はまた、以下に説明するように、本体62の一端から水平に延びるコアリングピン74を有していてもよい。
【0050】
図5および図6は、本実施の形態の一態様に従って構成された、一般的な簡略化された金型80を示す側面断面図である。本実施の形態の金型80は、図4に示すスライド60と、図2および図3に示す一対のギブ40とを組み込んでいる。多くの射出成形部品は、成形部品の射出経路からコアリングまたはキャビティ形状を除去するために、サイドアクションまたはスライドを必要とする。可動コアリングまたはキャビティ形状の横方向運動を作動させる一般的な方法は、スライド上に要素を設け、次いで当分野においてアングルピンとして公知のものを利用してスライドを移動させることである。これにより、可動コアリングおよびキャビティ形状が横方向に動くことができる。このようなアングルピン部材は、他の一般的な用語として、製造領域に応じてたとえばカムピン、ホーンピン、ペッカーピンなどと呼ばれる。
【0051】
図5及び図6を参照して、本実施の形態における金型80は、ハウジングアセンブリ82の一部としての下側プラテン78と、上側プラテン84とを含む。図7は、ハウジングアセンブリ82を示す上面斜視図である。
【0052】
本実施の形態のスライド60は、ハウジングアセンブリ82の下側プラテン78のスライド85凹部内に担持されている。角度ピン86は、上側プラテン84に対して所定の角度を有して固定される。角度ピン86の角度又は延在方向は、スライド60の本体62を貫通する角度ピンボア72の角度又は延在方向と一致する。角度ピン86は、金型80が図5に示す閉位置にある状態で、角度ピンボア72内に受け入れられる。
【0053】
ハウジングアセンブリ82の下側プラテン78は、その内部における金型キャビティ88の実質的な部分を画定する。図5に示す閉位置にある状態で、上側プラテン84の表面90は金型キャビティ88を覆う。図5に示す閉位置において、スライド60は左側にスライドまたは移動する。また、コアリングピン74は、キャビティ内に形成された成形部品に孔を形成するために、金型キャビティ88内を延在する。閉位置において、角度ピン86の自由端は、スライド本体62を完全に貫通し、下部ハウジング82のピン凹部92に位置する。
【0054】
図6を参照して、金型80を開位置とする際、上側プラテン84は持ち上げられる。角度ピン86も同様に、上側プラテン84と共に垂直に上昇する。図6に示すように、角度ピン86の垂直運動は、角度ピンおよび角度ピンボア74の延在方向が垂直運動に対し平行または垂直でないことを利用して、スライド60を右側に移動させる。スライド60の移動により、コアリングピン74は金型キャビティ88から引き出される。したがって、成形部品は、コアリングピン74と干渉することなく、キャビティ88から取り外すことができる。
【0055】
図7を参照して、スライド60は下側プラテン78のスライド凹部85内に受け入れられ、金型キャビティ88に向かうように、そして金型キャビティ88から離れるように、水平方向にスライドすることができる。スライド凹部85は、凹部の両側に沿う一対のポケット94を含む。各ポケット94は、ポケットの幅を規定する側面96を有し、ポケットの垂直方向の深さを規定する底面98を有する。ポケット94は、一対のギブ間にスライド60が配置された状態のギブ40を受け入れるように寸法決めされることで構成される。
【0056】
本発明は、ファスナ(図示せず)を使用して、ファスナ孔46を通過するギブ40をポケット94の底面98に固定することができる。底面98の幅及び一対の側面96間の間隔は、下向きの軸受面44及び外面52の一部が、ポケットを越えて凹部85内に張り出すように、各ギブ40を配置する。各ギブ40の張り出し部の大きさまたは寸法は、スライド60のかかと部68の幅寸法に対応する。
【0057】
図8図10を参照して、アタッチメント48は、ギブ本体42とスライド60表面との間に配置されている。より具体的には、下向き外面52の張り出し部は、各ギブ40上に設けられたアタッチメント48を構成する部材のうちの1つである板状部材50であり、スライド60上の対応するかかと部68と当接する。各アタッチメント48の当該部分は、ギブ本体42とともに、スライド60をスライド凹部85内に垂直に保持する。また、ギブ本体42と、かかと部68の各表面との間における低摩擦軸受面(ギブ面44上のアタッチメント面52)を提供する。
【0058】
各ギブ40上のアタッチメント48の他の板状部材50の内側外面52は、その全面がスライド本体62の上部66の対応する側部支持面70と当接する。各アタッチメント48の当該当接部分は、ギブ本体42とともに、スライド60をスライド凹部85内に横方向に保持する。また、ギブ本体42と、スライド60の各側方ベアリング面70との間に低摩擦軸受面(ギブ面44上のアタッチメント面52)を提供する。したがって、上述のように、低摩擦アタッチメント48を含むギブ40は、保持機能及び案内機能を提供する。
【0059】
角度ピンという名称が示唆するように、角度ピン86は、金型の分離可能な運動に対して所定の角度を有して設けられ、コアリングピン74を成形品からはずすためにスライド60を平行移動させる。角度ピン86がスライド60と係合すると、スライドの横方向運動に対する抵抗が生じる。これは通常、但し常にではないが、スライドの形状に接着する硬化プラスチック樹脂の表面張力から生じる。
【0060】
図5および図6を再度参照して、一旦、かかと部68の接触面における保持力またはギブ40の張り出し面が角度ピン86を持ち上げることで形成された場合、容易にスライド60を横方向に移動して、成形品からはずすことができる。その結果、保持面または張り出し面は、ギブ40の機能表面の1つとして構成される。
【0061】
図5図10に示す構成では、アタッチメント48の下向き部分50の外面52が、主として保持面として説明することができる。また、図10に示すように、アタッチメント48の内側外面52が、主として案内面として説明することができる。
【0062】
本実施の形態に係るギブ40は、典型的にはスライド運動を容易にするために、一対または複数で使用される。一対のギブ40の各々は、保持面を含む。スライド60は、ギブ40の保持面と密接するように構成されたかかと部68を含む。かかと部及びギブ保持面は、ギブに対するスライドの横方向の動きを可能にし、スライドが金型80のキャビティ88に向かったり離れたりするように構成される。ギブ40の第2の機能表面である案内面は、ギブの第1の機能表面である保持面に隣接している。案内面は、成型シーケンス中にスライド60が動く際に、スライド60を案内する。
【0063】
図11は、ギブ基材から取り外され、板状部材50の隣接する2つの機能面52を含むアタッチメント48の一例を示す。本実施の形態に係るアタッチメント48は、繊維樹脂複合体から形成され、剛性ギブの基材または本体42に取り付けられる。繊維および樹脂タイプの複合材料は、それらの表面に特定の性能特性を有する。このような材料は、典型的にはその端面において、その特性を欠いている。ギブ40の機能面44及び繊維樹脂複合体アタッチメント48の機能面52を認識する際、繊維樹脂複合体の端面は、可動構成要素とのいかなる接点をも有することを排除するように配置されることが明らかになる。
【0064】
ギブの構造及び機能、並びに複合機能面配向の全てを完全に理解することにより、本明細書に開示された構造のギブは、既知の又は既存のギブ技術を改善し、使用中の潤滑剤の必要性を排除することが明らかとなるだろう。
【0065】
ギブの金属基材は、所望のまたは所要の工業的強度および剛性を有している。ギブの基材または本体の形状および構成は、種々の用途に応じて適宜変更することができる。
【0066】
軸受面(すなわち、保持面および/または案内面)の数は、種々の用途に応じて、1からNまで適宜変更することができる。したがって、アタッチメントの互換性のある形状および構成は、ギブ基材を収容するように変更することもできる。アタッチメントは、ギブ基材上の軸受面の所望の表面外面(surface overlay)を提供するために、形状を変更することができる。
【0067】
開示された繊維樹脂複合体アタッチメントは、潤滑剤を必要としない。繊維樹脂複合材料は機能面を提供し、連続した方法で形成されることとしてもよいが、必須でない。これにより端面は、可動構成要素との相互作用から除外されることとしてもよい。機能面52は、1つの連続的な形態であってもよい。開示された繊維樹脂複合体の代わりに、開示されたギブアタッチメント用の他の摩擦低減材料を利用することができる。材料は、意図された製造環境に適し、所望の摩擦低減特性を提供する一方で、塗布された潤滑剤の必要性を排除すべきである。
【0068】
本開示で提示した低摩擦ギブの解決策は、現在の方法論を超える明らかな性能向上に関して、特に有用性について説明している。しかしながら、本明細書で開示されたギブは、可動部材、スライド、および他のそのような工具または機械部品が、現在回避しているおよび/またはまだ考慮していない代替材料から製造されることを可能にする。
【0069】
本明細書で開示されたギブは、可動部品に使用可能な代替材料として開発されることもできる。この場合においても、本開示のギブは、潤滑剤を使用しないため、製造において破滅的な故障を引き起こすかも知れないかじりまたは粘着の危険がない。本明細書で開示されたギブは、潤滑剤塗布、分解、洗浄、再組立の各々のメンテナンスの必要性、および先述した危険性やコストを排除する。本明細書で開示されたギブはまた、ギブ基材にエキゾチックなコーティングおよび現実の塗装コスト以上に高価で特殊な材料をメッキする必要性を排除する。
【0070】
図10を再度参照して、金属基材および形成された繊維樹脂複合アタッチメントは、1つ以上のリベット、接着剤などの機械的ファスナで互いに固定され得る。一実施形態では、保持面がその露出端面が案内面に対向する金属基材面と同一平面上になるように、完全に延在するように構成されてもよい。このように形成された繊維樹脂複合体を延長すると、ギブ取付けファスナのためのクリアランスを提供しながら、接着剤または機械的ファスナが破損した場合であっても繊維樹脂複合体を適所に確実に留まらせることができる。ギブをスライドに固定する締結具は、ギブ本体とスライドとの間の適所にアタッチメントを保持する。
【0071】
図12~23は、本実施の他の形態に係るギブ構成および機械的ファスナのいくつかの例を示すものである。なお、機械的ファスナは、金属基材と、形成された繊維樹脂複合アタッチメントとを結合するために使用されるものである。これらの実施例は、ギブのサイズ、形状、構成などの単なる変更を提供してもよい。アタッチメントもまた、本開示の意図される範囲内において適宜変更されてもよいことを示すために提供される。
【0072】
図12は、接着剤を介してギブ本体42の表面44に接着されたアタッチメント48を有するギブ40を示す。図13は、ギブ100の他の実施の形態を示し、アタッチメント102は、アタッチメントを貫通する機械的ファスナ104を使用してギブ基材に結合されている。
【0073】
図14は、ギブ110の他の実施の形態を示し、ギブ110は、段差部116を有する一側面114を含むギブ本体112を備える。ギブ110は、断面視L字状のアタッチメント118と、一側面114の一部を覆う1つの長断面120と、段差部116を覆う短断面122とを含む。本実施の形態では、アタッチメント118が接着剤を使用してギブの基材または本体112に接着される。図15は、図14と同形状のギブ基材を有するが、リベット様ファスナ134を用いてギブ基材に接着されたアタッチメント132を有するギブ130を示す。
【0074】
図16は、2つの側面144を有する段差部146を含むギブ本体142を備えるギブ140の別の実施形態を示す。ギブ140は、断面視L字形状であり、一側面144の一部を覆う長断面150と、段差部146を覆う短断面152とを有する、アタッチメント148を2つ含む。本実施の形態では、アタッチメント148が接着剤を使用してギブ基材または本体142に接着される。
【0075】
図17は同じ形状のギブ基材を有するが、リベット様ファスナ164を使用してギブ基材に接着されたアタッチメント162を有する、図16と同様のギブ160を示す。
【0076】
図18は、上述したギブ本体42と同様のギブ本体172を有する、ギブ170の別の態様を示す。本実施の形態に係るギブ170は、ギブの基材または本体172の底部と重なる底部176と、本体の対向する側部と重なる2つの離間した側部178と、を含む3つの部分を有する、U字形アタッチメント174を含む。本実施の形態では、アタッチメント174が接着剤を使用してギブ基材または本体172に接着される。
【0077】
図19は、図18と同形状のギブ基材を有するが、リベット様ファスナ184を使用してギブ基材に接着されたアタッチメント182を有する、図18と同様のギブ180を示す。
【0078】
図20は、先述したギブ本体172と同様のギブ本体192を有する、ギブ190の別の態様を示す。本実施の形態に係るギブ190は、ギブの基材または本体192の頂部と重なる頂部196と、本体の対向する側部と重なる2つの離間した側部198と、を含む3つのセクションを有する、逆U字形アタッチメント194を含む。本実施の形態では、アタッチメント194が接着剤を使用してギブ基材または本体192に結合される。
【0079】
図21は、図20と同形状のギブ基材を有するが、リベットなどのファスナ204を使用してギブ基材に接着されたアタッチメント202を有する、図20と同様のギブ200を示す。
【0080】
図22は、段差部216を有する2つの側面214を含み、図16,17のギブ本体と同様のギブ本体212を備えるギブ210の別の態様を示す。本実施の形態におけるギブ210は、頂部220と、2つの側部222と、を有する1つのアタッチメント218を含む。各側部は、断面視L字形状であり、1つの長部224が対応する側面214の一部を覆い、短部226が段差部216を覆う。本実施の形態では、アタッチメント218が接着剤を使用してギブの基材または本体212に接着される。
【0081】
図23は、図22と同形状のギブ基材を有するが、リベット様アタッチメント234を使用してギブ基材に結合されたアタッチメント232を有する、図22と同様のギブ230を示す。
【0082】
本開示は、現在の方法を超える新規な改善を記載していることは明らかであろう。本開示は、その複数の利点を有する普遍的な解決策を記載する。これらの利点は、様々な範囲の金型温度、様々な金型サイズ、質量、および圧力要件、クリーンまたはホワイト・ルーム環境などを含むが、これらに限定されない。すなわちこれらの利点は、任意の射出成形環境内で作動する本明細書で開示されたギブの能力に関連し得る。
【0083】
本開示は、様々な荷重を支持するための強固な基礎を提供する剛性基材と、非機能面が可動部品と相互作用することを排除するように形成された複合体との組合せである。
【0084】
本開示は、可動金属構成要素と他の金属構成要素との間に接触が全くないため、かじりの可能性を排除でき、明らかに多くのコストを節約することができる。機能のために1つまたは複数のギブが必要とされる潤滑に関連するすべての予防保守を排除することによって、射出成形産業にとって、より多くの有意なコスト節約が実現される。さらに、潤滑剤消費、化学洗浄溶剤、およびそれらに関連する環境への影響の必要性を低減することによって、より一層のコスト節約が得られる。
【0085】
本明細書では本開示の教示に従って、ある種の装置および方法を説明してきたが、本開示の包含する範囲はこれに限定されない。これに対し本開示は、許容可能な均等物の範囲内に含まれ得る本開示の教示のすべての実施形態を包含する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23