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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】物品収容容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/16 20060101AFI20241010BHJP
   B65D 77/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B65D43/16 300
B65D77/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022131559
(22)【出願日】2022-08-22
(65)【公開番号】P2024029353
(43)【公開日】2024-03-06
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】牧田 拓朗
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-083495(JP,A)
【文献】登録実用新案第3076648(JP,U)
【文献】特開2004-249455(JP,A)
【文献】実開平05-037292(JP,U)
【文献】特開平08-107981(JP,A)
【文献】特開2002-248277(JP,A)
【文献】特開2011-170396(JP,A)
【文献】特開2011-255916(JP,A)
【文献】特開2013-227064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/30
B65D 6/02
B65D 43/04
B65D 43/16
B65D 77/00
A63F 9/00
A63H 33/00
G07F 9/00
G07F 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品収容容器セットであって、
物品収容容器と、前記物品収容容器に収容可能な物品と、を備え、
前記物品収容容器は、球型形状を成している本体部を含み、前記本体部は、第1外殻部と、前記第1外殻部に連結可能な第2外殻部を含み、前記第1外殻部、及び前記第2外殻部には、その外表面において、収容した物品一部を保持可能であって形状が異なる複数の貫通孔が形成され
前記物品は、複数の角部を含み、前記角部は、前記物品が前記物品収容容器に収容されている状態において、前記貫通孔から突出可能に構成されている、
物品収容容器セット
【請求項2】
請求項1に記載の物品収容容器セットであって、
前記第1外殻部、及び前記第2外殻部は、その内部が中空の半球型形状を成している、
物品収容容器セット
【請求項3】
請求項2に記載の物品収容容器セットであって、
前記第1外殻部、及び前記第2外殻部に形成されている前記貫通孔は、収容している前記物品の通り抜けが不可能に構成されている、
物品収容容器セット
【請求項4】
請求項3に記載の物品収容容器セットであって、
前記第1外殻部、及び前記第2外殻部は、前記物品の一部が前記貫通孔から突出した状態において、転動可能に構成されている、
物品収容容器セット
【請求項5】
請求項4に記載の物品収容容器セットであって、
前記第1外殻部、及び前記第2外殻部の前記貫通孔は、収容された前記物品に応じた位置、及び形状に形成されている、
物品収容容器セット
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の物品収容容器セットであって、
前記本体部、及び前記貫通孔から突出した前記物品を包み込むように包装する包装部をさらに備える、
物品収容容器セット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カプセル内部に物品を収納して自動販売機で販売されるカプセル型の物品収容容器がある。例えば特許文献1においては、カプセルは、第一収容部と、第二収容部と、第一ヒンジ部と、ヒンジ式の留め具と、留め具を係止可能な第一係止部と、を備える。ヒンジ式の留め具は、留め具が第一係部に係止された状態で、第一収容部と第二収容部との何れか他方の外面に沿う外側に向かって突出する突起部を備える。第一収容部と第二収容部との何れか他方は、留め具が第一係止部に係止された状態で、突起部を収容して留め具が第一係止部から外れる方向への変位を弾性的に規制する第二係止部7を備える構造が、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-150055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、輸送時や撹拌時に意図せず開放してしまうことを抑制できるとともに、収容された商品を取り出す際には容易に開放することが可能なカプセルを提供する構成である。しかしながら、この場合、収容されている商品がカプセル内でガタ付く問題については何ら検討されていない。また、従来のカプセル型の物品収容容器においては、収容される商品の寸法は、当然のことながらその収容空間の寸法に制約受けるのが現状であった。
【0005】
本発明は、物品のガタ付きを抑え、また大きな物品を収容可能な取り扱い性の良い物品収容容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の物品収容容器は、物品収容容器であって、球型形状を成している本体部を備え、本体部は、第1外殻部と、前記第1外殻部に連結可能な第2外殻部を含み、第1外殻部、及び第2外殻部には、その外表面において、収容した物品の一部が突出可能な貫通孔が形成されている、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、物品のガタ付きを抑え、また大きな物品を収容可能な取り扱い性の良い物品収容容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の物品収容容器の物品収容状態における一態様を示す第1の側面図である。
図2図1に示す物品収容容器の物品収容状態における第2の側面図である。
図3図1に示す物品収容容器の収容状態における第3の側面図である。
図4図1に示す物品収容容器を開いた状態の外表面側から見た斜視図である。
図5】物品収容容器が球形状態において1つの貫通孔を通して反対の壁面を見た状態を示す斜視図である。
図6図1に示す物品収容容器の内部を示す斜視図である。
図7】物品と貫通孔との係合状態の一例を示す拡大斜視図である。
図8】貫通孔の形状の種類を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の物品収容容器の一態様について、図を参照して説明する。
図1は、物品収容容器の物品収容状態における一態様の第1の側面図であり、図2は、物品収容状態における第2の側面図、図3は、物品収容状態における第3の側面図である。なお、図2は、図1に対して90度回転した状態の側面を示し、図3は、図2に対して90度回転した状態の側面を示している。
【0010】
図1図3に示すように、物品収容容器1は、第1外殻部11と第2外殻部12とからなる球型形状(球形のカプセル)の本体部10を備えている。すなわち、後述するように連結可能に構成された半球形状の両外殻部11,12(図4参照)は、外観と共に収容空間SP1,SP2も半球型形状を成した構成となっている。また、第1外殻部11、及び第2外殻部12の外表面10sには、貫通孔18がそれぞれ複数個設けられている。
【0011】
収容空間SPに収容された物品50は、その一部である第1角部51、2つの第2角部52、及2つの第3角部53が貫通孔18から突出した状態で収容されている。更に、本体部10の外表面10sから突出した各角部51,52,53は、その外側を外表面10sと共に包み込む、例えば透明な包装部60にて覆われている。なお、貫通孔18からの物品50の突出の程度としては、物品供給装置から物品収容容器1を供給するに際し、物品収容容器1の転動を阻害しない程度の突出である。
【0012】
本体部10を構成する第1外殻部11及び第2外殻部12は、例えば合成樹脂を素材として形成され適宜剛性を備えており、物品50を収容した略球形状の状態において、それ自体が転がり易い転動可能な構成であり、物品供給装置からの供給・販売形態をとることができる。なお、物品供給装置は、物品を収容した物品収容容器1をランダムな配置で複数収容可能な収容部と、収容部から一つずつ物品収容容器1を無作為に選択して供給可能な供給部と、供給部をロックするロック部と、代価の支払いを条件としてロック部のロックを解除し供給部を回転すべく操作可能な操作部と、収容部から供給口へと物品収容容器1を転動可能に通過させる通路部とを備えている。
【0013】
第1外殻部11、及び第2外殻部12の貫通孔18は、収容された物品50に応じた位置、及び形状に形成されている。例えば、第1外殻部11には、矩形の1つの第1種別の貫通孔18Aと、楕円形の2つの第2種別の貫通孔18Bと、が第1外殻部11の頂部11tを三点で囲む配置で設けられている。一方、第2外殻部12には、略台形状の2つの第3種別の貫通孔18Cが第2外殻部12の頂部12tを挟むようにして設けられている。
【0014】
ここで、貫通孔18は、前掲の如く3種類の形状があり、第1種別の貫通孔18Aとは、直線、又は直線の組合せで構成された形状(図4参照)であり、第2種別の貫通孔18Bとは、湾曲線、又は湾曲線の組合せで構成された形状(図4参照)であり、第3種別の貫通孔18Cとは、直線、及び湾曲線を含む形状で構成(図4参照)されているものを言う。なお、第1種別の貫通孔18A、及び第3種別の貫通孔18Cにおいては、直線部分の端部の内角部18dは、丸みを帯びた形状に構成されている。なお、物品50に対する貫通孔18の大きさとしては、物品50及び物品50を構成しているパーツが通り抜けできない程度の大きさである。また、貫通孔18は、カプセルを飲み込んでしまった場合の気道確保や通気を目的として従来のカプセルに形成されていた円形の極小の孔を除くものである。
【0015】
また、第1種別の貫通孔18Aは、矩形形状であるが、これは第1角部51の形状に対応した形状である。また、第2種別の貫通孔18B、及び第3種別の貫通孔18Cについても、第2角部52,及び第3角部53の形状に適宜対応した形状となっている。したがって、物品50は、貫通孔18を通り抜けずに当該貫通孔18の縁部に引っ掛かる。本態様においては、5つの貫通孔18に当該物品50の主要角部が外表面10sから外に出るように収容されている。このように物品50が収容されることで、当該物品50は、収容空間SP内に確りと保持される。また、物品50は、収容空間SPの内径サイズよりも大きなものを収容・保持することができる。なお、本体部10に対する物品50の大きさとしては、貫通孔18が形成されていない本体部10であれば、物品50の一部(例えば突部や角部等)が本体部10の内壁に接触して、第1外殻部11及び第2外殻部12を閉じることが出来ない程度の大きさである。
【0016】
図4は、物品収容容器1を開いた状態の外表面10s側から見た斜視図である。
図4に示すように、貫通孔18は、両外殻部11,12の開口端部11e,12e近傍には形成されていない。例えば、数センチ程度の大きさの物品収容容器1において、最も開口端部12eに近い第3種別の貫通孔18Cと開口端部12eとの距離dは、当該開口端部12eから頂部12t方向に5ミリメートル以上離れた位置に形成されている。また、貫通孔18は、第1外殻部11、及び第2外殻部12の頂部11t,12t、及び当該頂部11t,12tの近傍には形成されていない。また、貫通孔18の形成箇所及び形状については、特定の規則性を有するものではなく、物品50の形状に合わせて不規則な位置・形状で形成されている。
【0017】
第1外殻部11、及び第2外殻部12は、図4に示すように、貫通孔18が形成されている領域の面積は、当該貫通孔18が形成されていない領域の面積よりも小さくなるように構成されている。また、第1外殻部11においては、第1種別の貫通孔18A、及び第2種別の貫通孔18Bが形成されている領域の面積は、第2外殻部12において第3種別の貫通孔18Cが形成されている領域の面積よりも小さくなるように構成されている。すなわち、第2外殻部12は、第1外殻部11に比べて貫通孔面積が大きくなっており少し変形し易い構成である。
【0018】
第1外殻部11と第2外殻部12とは、開口端部11e,12eに設けられた連結部30を介して連結されている。したがって、両外殻部11,12は、分離できない構成となっている。また、第1外殻部11と第2外殻部12とを組み合わせた状態に係止する構成として、開口端部11e,12eには、連結部30と反対側に第1係止部31が設けられ、また、連結部30に対して90度離れた位置には、第2係止部32が一対(図6参照)設けられている。
また、第1外殻部11の開口端部11eには、外表面10sよりも内側において第2外殻部12側に突出する嵌入突片11fが設けられている。この嵌入突片11fは、第2外殻部12の開口端部12eの内側に嵌り込むことで、開閉時のガイド機能を有し、且つ第1外殻部11と第2外殻部12とが、両方の開口端部11e,12eにおいて位置ずれすることなく確実に連結される。
【0019】
図5は、物品収容容器1が球形状態において貫通孔18を通して反対の壁面を見た状態を示す斜視図である。
第1外殻部11、及び第2外殻部12は、図5に示すように連結された球形状態において、例えば、第1種別の貫通孔18Aに対面する位置、すなわち、物品収容容器1の仮想中心点Cpを挟んで反対側の位置には、対面壁部Owを有する構成となっている。この構成は、貫通孔18同士が仮想中心点Cpを挟んで完全に一致した位置で向き合わないようになっている。このように、貫通孔18同士が仮想中心点Cpを挟んで対称な位置に設けられていないことで、物品収容容器1において、特定の方向における強度低下を回避できる。
【0020】
図6は、物品収容容器1の内部を示す斜視図である。
前掲の第1係止部31、及び第2係止部32についてより詳細に説明する。第1係止部31は、第2外殻部12側には、第1外殻部11側に突出する突片部12bに嵌合孔12dが形成されており、第1外殻部11側には、外表面10sに嵌合孔12dに嵌合する突起部11bが設けられている。第2係止部32は、第2外殻部12側には、係止片部12aを形成するように内表面10is側から外表面10sに連通する嵌合口12cが形成されており、第1外殻部11側には、嵌合口12cに嵌合する嵌入突部11aが設けられている。
【0021】
物品50を物品収容容器1内に収容する際には、例えば、図6に示すように、第1外殻部11と第2外殻部12とを開いた状態として置き、第2外殻部12内に物品50を入れる。このとき、物品50の、例えば、第3角部53を一対の第3種別の貫通孔18C内に入れる向きに設置する。その後、第1外殻部11を閉じる。この閉じ操作は、第1係止部31においては、突起部11bを嵌合孔12dに嵌合させ、更に、第2係止部32においては、嵌入突部11aの先端係止部11cを係止片部12aに引っ掛かるようにする。これにより、第1角部51は、第1種別の貫通孔18Aに保持され、第2角部52は、第2種別の貫通孔18Bに保持される。
【0022】
図7は、物品50と貫通孔18との係合状態の一例を示す拡大斜視図である。
図6に示すように、物品50を物品収容容器1内収容したとき、物品50の一部が貫通孔18の縁部に当接するようにして保持される。例えば、第3角部53は、図7に示すように、その端縁53eが第3種別の貫通孔18Cの縁部18eの接触点18gに当接している。この当接状態においては、縁部18eは、端縁53eによって押されて初期の位置(一点鎖線にて示す位置)から弾性変形して容器外側へ移動する。このときの当接力は、例えば、第3角部53とは反対側の第1角部51又は第2角部52等における物品50との係合によって生じている。このように第3種別の貫通孔18Cが変形(第2外殻部12が変形)することにより、物品50は、収容空間SP内にてガタ付くことなく保持される。
【0023】
なお、貫通孔18の変形は、第2外殻部12側のみに生じるものではなく、第1外殻部11側も同じ当接力を受けることで変形する。しかし、前掲のように第1外殻部11は、第2外殻部12よりも変形し難い構成(貫通孔面積が小さい)であるので、第2外殻部12よりも小さい変形となる。
【0024】
図8は、貫通孔18の形状の種類を示す平面図である。
前掲したように、貫通孔18には3種類のものがあるが、第1種別の貫通孔18Aは、図8(a)に示す平行四辺形、及び(b)に示す三角形など種々の多角形とすることができる。また、第2種別の貫通孔18Bは、図8(c)に示す楕円形以外に、縁部が内側に向って膨らむような湾曲線であっても良い。また、第3種別の貫通孔18Cは、図8(e)に示すように縁部が内側に向って膨らむ湾曲線に限らず、図8(f)に示すように外側に向って膨らむ湾曲線でもよく、更に、これらの組合せ形状であっても良い。
【0025】
以上述べたように、本態様の物品収容容器1は、本体部10が球型形状を成すことで、本体部10内に形成された収容空間SPに物品50を収容したときに、外観を球形にすることができる。これにより、物品50を転動する形状とし、物品供給装置にて自動供給し易い形態にできる。また、貫通孔18から外表面10sの外側に突出するように物品50を収容することで、収容空間SPよりも大きい物品50の収容が可能になる。勿論、収容空間SPよりも小さい物品50の収容も可能であり、物品50の幅広いサイズに対応することが可能になる。
【0026】
また、本態様の物品収容容器1では、第1外殻部11、及び第2外殻部12は、その内部が半球型形状の収容空間SP1,SP2とされていることで、収容空間SPを大きくすることができ、更に、両外殻部11、12の組合せ部分である開口端部11e、12eが円形となることで、組合せがし易い構成とすることができる。
【0027】
また、本態様の物品収容容器1では、貫通孔18から物品50が通り抜けできない構成であることで、物品50を貫通孔18に係合して物品収容容器1内に収容可能である。
【0028】
本態様の物品収容容器1では、両外殻部11,12に貫通孔18を設けた孔開き構造とすることで、本体部10の素材量を減らすことができる。合わせて、収容空間SPに収容する物品50を貫通孔18の縁部に係合させた状態で収容可能となる。
【0029】
本態様の物品収容容器1では、貫通孔18の形成位置や形状を物品50に対応した構造とすることで、本体部10による物品50の保持が正確になり、物品50の収容・取出しをし易くできる。
【0030】
本態様の物品収容容器1は、弾性変形可能であることで、物品50の収容に際して、弾性変形によって物品50をよりしっかり保持することができる。
【0031】
本態様の物品収容容器1においては、物品収容容器1の閉じ状態における全球面の表面積において、貫通孔18の合計面積よりも非貫通孔(壁面部分)の面積が大きく構成されていることで、物品収容容器1の強度を良好に保つことができる。
【0032】
本態様の物品収容容器1では、貫通孔18の大きさを変えることで、第1外殻部11の剛性を第2外殻部12の剛性よりも強くすることができる。これにより、物品50を収容した際に一方側(第2外殻部12)が変形し易い構成とされる一方、他方(第1外殻部11)が変形し難い構成となる。これにより、変形し易い部分と変形し難い部分を、物品50の係合部分によって使い分けることができる。
【0033】
本態様の物品収容容器1は、両外殻部11,12は開口端部11e,12eにおいて、組み合わせて連結することが可能に構成されているので、収容空間SPを大きく開いて物品50を取り出し易くできる。
【0034】
また、本態様の物品収容容器1においては、貫通孔18は、開口端部11e,12eから所定の距離以上離れた位置に形成されることで、連結部分の剛性を維持することができ、物品50の保護機能を維持することができる。
【0035】
本態様の物品収容容器1では、貫通孔18が頂部11t,12t又はその近傍に設けられていないことで、両外殻部11,12の半球型形状の要部分の剛性が維持され、もって、当該外殻部11,12の剛性を維持することができる。
【0036】
本態様の物品収容容器1では、貫通孔18が両外殻部11,12に夫々複数設けられることで、両外殻部11,12によって物品50を確りと保持することができる。
【0037】
本態様の物品収容容器1によれば、貫通孔18の形状(平面視における形状)において、その縁部が直線形状や湾曲線形状を備えていると共に、多様な形状(第1種別~第3種別の貫通孔)を備えていることで、当該縁部の外力に対する変形の仕方を多様化することができる。これは、貫通孔18を複数設けた場合でも、外力に対して応力の分散が可能であり、特定の箇所への応力の集中を回避して外力に対して容器の強度を維持することができる。
【0038】
本態様の物品収容容器1によれば、第1種の貫通孔18Aにおいて、その内角部18dが丸みを帯びた形状となっているので、内角部18dへの応力の集中を避けることができ、割れにくい貫通孔18Aとすることができ、取り扱い性の良い物品収容容器1を提供できる。
【0039】
本態様の物品収容容器1の球形状において、貫通孔18に対して容器中心(仮想中心点Cp)を挟んで対面する位置には、当該貫通孔18の少なくとも一部に対面する対面壁部Owが存在するように構成されていることで、容器中心から見て対称位置に壁面が無い状態をなくすことができる。これにより、物品収容容器1の球体として見た時の貫通孔18の形成位置の不規則化ができ、外力に対する球体としての応力の集中領域の分散化ができ強度低下を抑制できる。また、貫通孔18が規則的、例えば、同じ形状でパターン化した形状となっていないことで、応力の分散がし易くなり、貫通孔18の形成による剛性低下を抑えることができる。
【0040】
本態様の物品収容容器1によれば、第1外殻部11と第2外殻部12とが連結部30にて連結されていることで、両外殻部11,12を開いた状態でも当該外殻部11,12は分離されず、取り扱い性が向上する。
【0041】
本態様の物品収容容器1によれば、本体部10から物品50の一部分が突出した状態で包装部60にて覆うことで、物品50を保護できると共に、本体部10の外観形状を角張った部分を無くして全体的になだらかな湾曲面形状とすることができる。
【0042】
以上、本発明の一態様について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記態様においては、物品50の一部が貫通孔18の縁部に当接する構成としたが、この構成に限るものではなく、例えば、物品50によって本体部10が変形しないように物品50を収容する構成であっても良い。
【0043】
以上説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0044】
(1)
物品収容容器であって、
球型形状を成している本体部を備え、
上記本体部は、第1外殻部と、上記第1外殻部に連結可能な第2外殻部を含み、
上記第1外殻部、及び上記第2外殻部には、その外表面において、収容した物品の一部が突出可能な貫通孔が形成されている、
物品収容容器。
【0045】
(2)
(1)に記載の物品収容容器であって、
上記第1外殻部、及び上記第2外殻部は、その内部が中空の半球型形状を成している、
物品収容容器。
【0046】
(3)
(1)又は(2)に記載の物品収容容器であって、
上記第1外殻部、及び上記第2外殻部に形成されている上記貫通孔は、収容している上記物品の通り抜けが不可能に構成されている、
物品収容容器。
【0047】
(4)
(1)~(3)のいずれかに記載の物品収容容器であって、
上記第1外殻部、及び上記第2外殻部は、上記物品の一部が上記貫通孔から突出した状態において、収容した上記物品を保持可能に構成されている、
物品収容容器。
【0048】
(5)
(1)~(4)のいずれかに記載の物品収容容器であって、
上記第1外殻部、及び上記第2外殻部の上記貫通孔は、収容された上記物品に応じた位置、及び形状に形成されている、
物品収容容器。
【0049】
(6)
(1)~(5)のいずれかに記載の物品収容容器であって、
上記第1外殻部、及び上記第2外殻部は、収納された上記物品のサイズに応じて、少なくとも一部が変形可能に構成されている、
物品収容容器。
【0050】
(7)
(1)~(6)の何れかに記載の物品収容容器であって、
上記第1外殻部、及び上記第2外殻部は、上記貫通孔が形成されている領域の面積が、上記貫通孔が形成されていない領域の面積よりも小さくなるように構成されている、
物品収容容器。
【0051】
(8)
(1)~(7)の何れかに記載の物品収容容器であって、
上記第1外殻部において上記貫通孔が形成されている領域の面積は、上記第2外殻部において上記貫通孔が形成されている領域の面積よりも小さくなるように構成されている、
物品収容容器。
【0052】
(9)
(1)~(8)の何れかに記載の物品収容容器であって、
上記第1外殻部、及び上記第2外殻部は、各々の開口端部において連結可能に構成されている、
物品収容容器。
【0053】
(10)
(9)に記載の物品収容容器であって、
上記貫通孔は、上記開口端部近傍には形成されていない、
物品収容容器。
【0054】
(11)
(9)又は(10)に記載の物品収容容器であって、
上記貫通孔は、上記開口端部から頂部方向に5ミリメートルの範囲内において形成されていない、
物品収容容器。
【0055】
(12)
(1)~(11)の何れかに記載の物品収容容器であって、
上記貫通孔は、上記第1外殻部、及び上記第2外殻部の頂部及び頂部近傍には形成されていない、
物品収容容器。
【0056】
(13)
(1)~(12)の何れかに記載の物品収容容器であって、
上記貫通孔は、上記第1外殻部、及び上記第2外殻部にそれぞれ複数形成されている、
物品収容容器。
【0057】
(14)
(1)~(13)の何れかに記載の物品収容容器であって、
上記第1外殻部、及び上記第2外殻部には、規則的ではない位置に上記貫通孔が形成されている、
物品収容容器。
【0058】
(15)
(1)~(14)の何れかに記載の物品収容容器であって、
上記貫通孔は、第1種別の貫通孔と第2種別の貫通孔とを含み、上記第1種別の貫通孔は、直線の形状、又は直線の組合せ形状に構成され、上記第2種別の貫通孔は、湾曲線の形状、又は湾曲線の組合せ形状に構成されている、
物品収容容器。
【0059】
(16)
(1)~(15)の何れかに記載の物品収容容器であって、
上記貫通孔は、さらに第3種別の貫通孔を含み、上記第3種別の貫通孔は、直線、及び湾曲線を含む形状に構成されている、
物品収容容器。
【0060】
(17)
(15)に記載の物品収容容器であって、
上記第1種別の上記貫通孔は、その内角が丸みを帯びた形状に構成されている、
物品収容容器。
【0061】
(18)
(1)~(17)の何れかに記載の物品収容容器であって、
上記第1外殻部、及び上記第2外殻部は、連結されている状態において、上記貫通孔に対面する位置に、その貫通孔の少なくとも一部分に対面する対面壁部を有するように構成されている、
物品収容容器。
【0062】
(19)
(1)~(18)の何れかに記載の物品収容容器であって、
上記第1外殻部、及び上記第2外殻部は、連結部(ヒンジ)を介して連結され、互いに分離不可能に構成されている、
物品収容容器。
【0063】
(20)
(1)~(19)の何れかに記載の物品収容容器であって、
上記本体部、及び上記貫通孔から突出した上記物品を包み込むように包装する包装部をさらに備える、
物品収容容器。
【符号の説明】
【0064】
1 物品収容容器
10 本体部
10s 外表面
11 第1外殻部
11t、12t 頂部
12 第2外殻部
18 貫通孔
18A 第1種別の貫通孔
18B 第2種別の貫通孔
18C 第3種別の貫通孔
30 連結部
50 物品
60 包装部
Ow 対面壁部
SP 収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8