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特許7569829車両におけるオペレーティングシステム投影のための自動無線接続
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】車両におけるオペレーティングシステム投影のための自動無線接続
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20241010BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20241010BHJP
   H04W 4/48 20180101ALI20241010BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/10 110
H04W4/48
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022169210
(22)【出願日】2022-10-21
(65)【公開番号】P2023067798
(43)【公開日】2023-05-16
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】17/452,848
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リシャブ・バラドワジ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・スカリャ
(72)【発明者】
【氏名】ベルント・ホルツアイ
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-104098(JP,A)
【文献】特開2019-186671(JP,A)
【文献】特開2016-105080(JP,A)
【文献】特表2017-512037(JP,A)
【文献】特表2016-513391(JP,A)
【文献】特開2015-097314(JP,A)
【文献】特開2013-021632(JP,A)
【文献】特開2013-012825(JP,A)
【文献】特開2013-005213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスが、車両ヘッドユニットから、デバイス間無線通信プロセスを介して、前記車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークを識別する接続情報を受信するステップと、
前記コンピューティングデバイスが、前記接続情報に基づいて、前記車両ヘッドユニットによって提供される前記無線ネットワークへの無線ネットワーク接続を自動的に確立するステップと、
前記コンピューティングデバイスが、前記無線ネットワーク接続を介して、前記コンピューティングデバイスによって実行される車両オペレーティングシステムによる表示を、前記車両ヘッドユニットによって実行されるローカル組み込み車両オペレーティングシステムの表示のために前記車両ヘッドユニットへ投影するステップとを含み、
前記ローカル組み込み車両オペレーティングシステムは、アプリケーションのローカル実行のための車両オペレーティングシステムとは別の完全な実行環境を提供し、
前記車両オペレーティングシステムによる表示を投影するステップは、前記コンピューティングデバイスが、前記無線ネットワーク接続を介して前記車両オペレーティングシステムによる表示を、前記車両ヘッドユニットによって実行される前記ローカル組み込み車両オペレーティングシステムの表示のために前記車両ヘッドユニットへ投影する投影アプリケーションを実行するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記接続情報を受信するステップは、前記コンピューティングデバイスが、前記車両ヘッドユニットによって表示されるバーコードの画像を取り込むステップを含み、前記バーコードは前記接続情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接続情報を受信するステップは、前記コンピューティングデバイスが、前記車両ヘッドユニットから、近距離無線通信セッションを介して、前記接続情報を受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記接続情報を受信するステップは、前記コンピューティングデバイスが、前記車両ヘッドユニットから、超広帯域通信セッションを介して、前記接続情報を受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記接続情報を受信するステップは、前記コンピューティングデバイスが、前記接続情報を受信する前に前記車両ヘッドユニットとのパーソナルエリアネットワーク接続を確立することを控えるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記接続情報は、前記無線ネットワークを識別するサービスセット識別子と、前記無線ネットワーク接続を確立するための認証情報とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記接続情報はまた、
前記コンピューティングデバイスによって投影される前記車両オペレーティングシステムを受け付けるために前記車両ヘッドユニットによって提示される、サーバに関連付けられたインターネットプロトコルアドレスおよびポートと、
前記車両ヘッドユニットとのパーソナルエリアネットワーク接続を確立するために使用される、前記車両ヘッドユニットのためのパーソナルエリアネットワークメディアアクセス制御アドレスとを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記車両オペレーティングシステムを投影するステップは、
前記無線ネットワーク接続を介して、前記サーバに関連付けられた前記インターネットプロトコルアドレスおよび前記ポートに基づいて、前記車両ヘッドユニットによって提示される前記サーバとの投影セッションを、前記無線ネットワーク接続を通して確立するステップと、
前記コンピューティングデバイスが、前記無線ネットワーク接続を通して確立された前記サーバとの前記投影セッションを介して、前記車両オペレーティングシステムを、前記車両ヘッドユニットによる表示のために前記車両ヘッドユニットへ投影するステップとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記接続情報を受信するステップは、前記コンピューティングデバイスによって実行される投影アプリケーションが、前記車両ヘッドユニットによって表示されるバーコードの画像を取り込むステップを含み、前記バーコードは前記接続情報を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
コンピューティングデバイスであって、
車両ヘッドユニットから、デバイス間無線通信プロセスを介して、前記車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークを識別する接続情報を受信するように構成された1つ以上のプロセッサと、
前記接続情報に基づいて、前記車両ヘッドユニットによって提供される前記無線ネットワークへの無線ネットワーク接続を自動的に確立するように構成されたネットワークインターフェイスとを含み、
前記1つ以上のプロセッサは、前記無線ネットワーク接続を介して、車両オペレーティングシステムによる表示を、前記車両ヘッドユニットによって実行されるローカル組み込み車両オペレーティングシステムの表示のために前記車両ヘッドユニットへ投影するように構成され、
前記ローカル組み込み車両オペレーティングシステムは、アプリケーションのローカル実行のための車両オペレーティングシステムとは別の完全な実行環境を提供し、
前記1つ以上のプロセッサは、前記車両オペレーティングシステムを投影するように構成された場合、前記無線ネットワーク接続を介して前記車両オペレーティングシステムによる表示を、前記車両ヘッドユニットによって実行される前記ローカル組み込み車両オペレーティングシステムの表示のために前記車両ヘッドユニットへ投影する投影アプリケーションを実行するように構成され、
前記コンピューティングデバイスはさらに、
前記接続情報を格納するように構成されたメモリを含む、コンピューティングデバイス
【請求項11】
前記1つ以上のプロセッサは、前記接続情報を受信するように構成された場合、前記車両ヘッドユニットによって表示されるバーコードの画像を取り込むように構成され、前記バーコードは前記接続情報を含む、請求項10に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記1つ以上のプロセッサは、前記接続情報を受信するように構成された場合、前記車両ヘッドユニットから、近距離無線通信セッションを介して、前記接続情報を受信するように構成される、請求項10に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサは、前記接続情報を受信するように構成された場合、前記車両ヘッドユニットから、超広帯域通信セッションを介して、前記接続情報を受信するように構成される、請求項10に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記1つ以上のプロセッサは、前記接続情報を受信するように構成された場合、前記接続情報を受信する前に前記車両ヘッドユニットとのパーソナルエリアネットワーク接続を確立することを控えるように構成される、請求項10に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記接続情報は、前記無線ネットワークを識別するサービスセット識別子と、前記無線ネットワーク接続を確立するための認証情報とを含む、請求項10に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項16】
前記接続情報はまた、前記コンピューティングデバイスによって投影される前記車両オペレーティングシステムを受け付けるために前記車両ヘッドユニットによって提示される、サーバに関連付けられたインターネットプロトコルアドレスおよびポートを含む、請求項15に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記1つ以上のプロセッサは、前記車両オペレーティングシステムを投影するように構成された場合、
前記無線ネットワーク接続を介して、前記サーバに関連付けられた前記インターネットプロトコルアドレスおよび前記ポートに基づいて、前記車両ヘッドユニットによって提示される前記サーバとの投影セッションを、前記無線ネットワーク接続を通して確立し、
前記無線ネットワーク接続を通して確立された前記サーバとの前記投影セッションを介して、前記車両オペレーティングシステムを、前記車両ヘッドユニットによる表示のために前記車両ヘッドユニットへ投影するように構成される、請求項16に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項18】
1つ以上のプロセッサに、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法を実行させるための、コンピュータプログラム
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
車両は、多くの異なる理由で無線ネットワークを提供する場合がある。いくつかの事例では、車両によって提供される無線ネットワークは、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートグラス、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ポータブルゲーミングシステムなどといった乗員デバイスが、車両内に含まれる車両ヘッドユニットとインターフェイス接続することを可能にし得る。乗員デバイスは一例として、無線ネットワークを介して車両ヘッドユニットとインターフェイス接続してオペレーティングシステムを車両ヘッドユニットへ投影し、車両ヘッドユニットはそれを、車両ヘッドユニットに通信可能に結合されたディスプレイを介して提示し得る。
【0002】
オペレーティングシステムを投影するために、車両の乗員は、デバイスとインターフェイス接続して、デバイスと車両ヘッドユニットとの間のパーソナルエリアネットワーク(personal area network:PAN)接続を開始し得る。デバイスはまず、PAN接続を確立して、デバイスと車両ヘッドユニットとの間で認証情報をネゴシエートする。PAN接続を介して認証情報をネゴシエートした後で、デバイスは、(PANとは異なる)無線ネットワークとの接続を確立して、無線ネットワーク接続を介してオペレーティングシステムを車両ヘッドユニットへ投影し始め得る。
【0003】
概要
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一般に、この開示で述べられる手法のさまざまな局面は、車両におけるオペレーティングシステム投影のための自動無線接続に向けられる。接続問題、ユーザエラー、信号劣化、互換性がないPAN実現などが起こりやすいPAN接続を確立する代わりに、手法のさまざまな局面は、車両ヘッドユニットが、車両ヘッドユニットによってホストされる無線ネットワークを識別する接続情報を提供するためにデバイス間無線通信プロセスを行なうことを可能にする。デバイス間無線通信プロセスは、接続情報を提供するクイックレスポンス(quick response:QR)コード(登録商標)を含むマトリックスバーコードの提示を含む場合があり、乗員デバイスがQRコード(登録商標)の画像を取り込み、それにより、車両ヘッドユニットによってホストされる無線ネットワークを介した車両ヘッドユニットとの無線ネットワーク接続を自動的に確立することを可能にする。無線ネットワーク接続を確立した後で、乗員デバイスは次に、オペレーティングシステムを、車両ヘッドユニットによる表示のために車両ヘッドユニットへ投影し得る。
【0005】
そのため、手法のさまざまな局面は、乗員デバイスが、PAN接続の確立に関わる複雑なペアリングプロセスに頼る必要なくオペレーティングシステムを投影する目的のために、車両ヘッドユニットとの無線ネットワーク接続を自動的に確立することを可能にし得る。すなわち、PAN接続の確立は、オペレーティングシステムの無線投影に関わるユーザ体験を著しく損ない得るユーザエラーおよび/またはフラストレーション、(一例として干渉に起因する)接続問題、障害があるかまたは互換性がない実現などの影響を受けやすい複数の異なるステップを伴い得る。
【0006】
また、PAN接続の確立を繰り返し試みることは、プロセッサ、メモリ、メモリバス、および無線機を動作させることに関連付けられたプロセッササイクル、メモリ記憶空間、メモリバス帯域幅、および/または電力といった、乗員デバイスのかなりのコンピューティングリソースを消費し得る。潜在的により優れ、より確立された無線ネットワーク接続(たとえば、電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers:IEEE)802.11準拠の無線ローカルエリアネットワーク規格)を確立するために、より単純明快なQRコードを選択して、PAN接続を確立することを避けるかまたは控えることによって、乗員デバイスの動作自体が、より効率的な動作を通して向上し得る。
【0007】
一例では、手法の局面は、コンピューティングデバイスが、車両ヘッドユニットから、デバイス間無線通信プロセスを介して、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークを識別する接続情報を受信するステップと、コンピューティングデバイスが、接続情報に基づいて、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークへの無線ネットワーク接続を自動的に確立するステップと、コンピューティングデバイスが、無線ネットワーク接続を介して、車両オペレーティングシステムを、車両ヘッドユニットによる表示のために車両ヘッドユニットへ投影するステップとを含む、方法に向けられる。
【0008】
別の例では、手法の局面は、コンピューティングデバイスであって、車両ヘッドユニットから、デバイス間無線通信プロセスを介して、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークを識別する接続情報を受信するように構成された1つ以上のプロセッサと、接続情報に基づいて、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークへの無線ネットワーク接続を自動的に確立するように構成されたネットワークインターフェイスとを含み、1つ以上のプロセッサは、無線ネットワーク接続を介して、車両オペレーティングシステムを、車両ヘッドユニットによる表示のために車両ヘッドユニットへ投影するように構成され、コンピューティングデバイスはさらに、接続情報を格納するように構成されたメモリを含む、コンピューティングデバイスに向けられる。
【0009】
別の例では、手法の局面は、そこに命令が格納された非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体に向けられており、当該命令が実行されると1つ以上のプロセッサに車両ヘッドユニットから、デバイス間無線通信プロセスを介して、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークを識別する接続情報を受信させ、接続情報に基づいて、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークへの無線ネットワーク接続を自動的に確立させ、無線ネットワーク接続を介して、車両オペレーティングシステムを、車両ヘッドユニットによる表示のために車両ヘッドユニットへ投影させる。
【0010】
別の例では、手法の局面は、コンピューティングデバイスが、車両ヘッドユニットから、デバイス間無線通信プロセスを介して、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークを識別する接続情報を受信するための手段と、コンピューティングデバイスが、接続情報に基づいて、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークへの無線ネットワーク接続を自動的に確立するための手段と、コンピューティングデバイスが、無線ネットワーク接続を介して、車両オペレーティングシステムを、車両ヘッドユニットによる表示のために車両ヘッドユニットへ投影するための手段とを含む、装置に向けられる。
【0011】
1つ以上の例の詳細が、添付図面および以下の説明で述べられる。この開示の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、ならびに請求項から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この開示で説明される手法のさまざまな局面に従った、ユーザアカウントを意識したパーソナルエリアネットワーク結合を提供するように構成された例示的なコンピューティングシステムを示すブロック図である。
図2】この開示で説明される自動無線接続手法のさまざまな局面を行なう際の、図1のホストコンピューティングデバイスの例示的な動作を示す図である。
図3】この開示で説明される自動無線接続手法のさまざまな局面を行なう際の、図1の例に示されるシステムの例示的な動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
図1は、この開示で説明される手法のさまざまな局面に従った、ユーザアカウントを意識したパーソナルエリアネットワーク結合を提供するように構成された例示的なコンピューティングシステムを示すブロック図である。図1の例に示されるように、コンピューティングシステム100は、ホストコンピューティングデバイス102と、クライアントコンピューティングデバイス202とを含む。車両に関して説明されるものの、コンピューティングシステム100は、スタンドアロンコンピューティングシステム(ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーションなどを含む)、ゲーミングシステム、携帯電話(いわゆる「スマートフォン」を含む)、メディアシステム(ストリーミングメディアシステムを含む)、音響/映像(audio/visual:A/V)受信機、テレビ(いわゆる「スマートテレビ」を含む)、スマートスピーカ、スマートウォッチ、サーモスタット(いわゆる「スマートサーモスタット」を含む)、スマートグラス、または任意の他のコンピューティングシステムを含む、異なる状況で利用され得る。
【0014】
いずれにせよ、ホストコンピューティングデバイス102は、ヘッドユニットまたは他の車両コンピューティングシステム(電子制御ユニット(electronic control unit:ECU)など)といった、車両コンピューティングデバイスの一例である。図1は、ホストコンピューティングデバイス102のほんの1つの特定の例を示しており、ホストコンピューティングデバイス102の他の多くの例が他の事例において使用されてもよく、例示的なコンピューティングデバイス102に含まれるコンポーネントの部分集合を含んでいてもよく、または、図1の例に示されていない追加のコンポーネントを含んでいてもよい。
【0015】
図1の例に示されるように、ホストコンピューティングデバイス102は、存在感知ディスプレイ112と、1つ以上のプロセッサ140と、1つ以上の通信ユニット142と、1つ以上の入力コンポーネント144と、1つ以上の出力コンポーネント146と、1つ以上のストレージデバイス148とを含む。ホストコンピューティングデバイス102のストレージデバイス148は、オペレーティングシステム(operating system:OS)126およびOS投影アプリケーション(「OS投影アプリ」)128などのソフトウェアモジュールを格納し得る(または、他の態様で含み得る)。
【0016】
通信チャネル150は、コンポーネント112、140、142、146、および/または148の各々をコンポーネント間通信のために(物理的に、通信可能に、および/または動作可能に)相互接続し、それにより、コンポーネント112、140、142、146、および148が互いに通信することを可能にし得る。いくつかの例では、通信チャネル150は、データ(情報とも呼ばれる)を通信するための、システムバス、ネットワーク接続、1つ以上のプロセス間通信データ構造、または任意の他のコンポーネントを含み得る。コンポーネント112、140、142、146、および148を含むとして示されているが、ホストコンピューティングデバイス102は、図示されたもの以外のコンポーネント、または図示されたものよりも少ないコンポーネントを含んでいてもよく、そのようなコンポーネントは、テレマティック制御ユニット(telematic control unit:TCU)などの他の制御ユニットに含まれていてもよい。
【0017】
ホストコンピューティングデバイス102の1つ以上の通信ユニット142は、データを送信および/または受信することによって外部デバイスと通信し得る。たとえば、ホストコンピューティングデバイス102は、通信ユニット142のうちの1つ以上を使用して、セルラー無線ネットワークなどの無線ネットワーク上で無線信号を送信および/または受信し得る。いくつかの例では、通信ユニット142は、全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)ネットワークなどの衛星ネットワーク上で衛星信号を送信および/または受信し得る。通信ユニット142の例は、情報を送信および/または受信することができる、ネットワークインターフェイスカード(たとえばイーサネット(登録商標)カード)、光学送受信機、無線周波数送受信機、GPS受信機、または任意の他のタイプのデバイスを含む。通信ユニット142の他の例は、モバイルデバイスだけでなくユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)コントローラなどにも見られる、短波無線機(たとえば、近距離無線通信(near field communication:NFC)、パーソナルエリアネットワーク、たとえばブルートゥース(登録商標)、およびその異なるプロファイル、たとえばブルートゥース・ロー・エナジー(Bluetooth(登録商標) low energy:BLE)など)、GPS、3G、4G、5G、および、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network:WLAN)無線機(そのようなWLAN無線機は、ワイファイ(登録商標)規格とも呼ばれ得る電気電子技術者協会(IEEE)802.11規格に準拠し得る)を含み得る。図1の例では、通信ユニット142は、別のコンピューティングデバイス(たとえばクライアントコンピューティングデバイス202)との無線ローカルエリアネットワーク接続を確立し得るWLANインターフェイスとパーソナルエリアネットワーク(PAN)インターフェイスとの双方を実現すると仮定される。
【0018】
ホストコンピューティングデバイス102の1つ以上の入力コンポーネント144は、入力を受信し得る。入力の例は、ほんの数例を挙げると、触覚入力、音声入力、運動入力、および光学入力である。ホストコンピューティングデバイス102の入力コンポーネント144は、一例では、人間またはマシンからの入力を検出するための、マウス、キーボード、タッチパッド、音声応答システム、ビデオカメラ、ボタン、スクロールホイール、ダイヤル、コントロールパッド、マイク、または任意の他のタイプのデバイスを含む。入力コンポーネント144はカメラを含み得る。いくつかの例では、入力コンポーネント144は存在感知入力コンポーネントであってもよく、それは、存在感知ディスプレイ112とは別の存在感知スクリーン、タッチ感知スクリーンなどを含んでいてもよい。
【0019】
ホストコンピューティングデバイス102の1つ以上の出力コンポーネント146は、出力を生成し得る。出力の例は、触覚出力、音声出力、およびビデオ出力である。ホストコンピューティングデバイス102の出力コンポーネント146は、いくつかの例では、人間またはマシンへの触覚出力、音声出力、および/または視覚出力を生成するための、(存在感知ディスプレイ112とはおそらく別の)存在感知スクリーン、サウンドカード、ビデオグラフィックスアダプタカード、スピーカ、陰極線管(cathode ray tube:CRT)モニタ、液晶ディスプレイ(liquid crystal display:LCD)、有機発光ダイオード(organic light emitting diode:OLED)、または任意の他のタイプのデバイスを含む。
【0020】
いくつかの例では、ホストコンピューティングデバイス102の存在感知ディスプレイ112は、入力コンポーネント144および/または出力コンポーネント146の機能性を含み得る。図1の例では、存在感知ディスプレイ112は、存在感知スクリーンまたはタッチ感知スクリーンなどの存在感知入力(presence-sensitive input:PSI)コンポーネント104(「PSIコンポーネント104」)を含み得る。いくつかの例では、存在感知入力コンポーネント104は、存在感知入力コンポーネントにある、および/またはその近くにある物体を検出し得る。1つの例示的な範囲として、存在感知入力コンポーネント104は、存在感知入力コンポーネント104の2インチ以下以内にある指またはスタイラスなどの物体を検出し得る。存在感知入力コンポーネント104は、物体が検出された存在感知入力コンポーネントの位置(たとえば(x,y)座標)を判定し得る。別の例示的な範囲では、存在感知入力コンポーネント104は、存在感知入力コンポーネント104から2インチ以下の物体を検出してもよく、他の範囲も可能である。存在感知入力コンポーネント104は、容量性認識手法、誘導性認識手法、および/または光学認識手法を使用して、ユーザの指によって選択された存在感知入力コンポーネント104の位置を判定し得る。
【0021】
いくつかの例では、存在感知ディスプレイ112はまた、出力コンポーネント146に関して説明されたような触覚刺激、音声刺激、またはビデオ刺激を使用して出力をユーザに提供し得る。たとえば、存在感知ディスプレイ112は、グラフィカルユーザインターフェイスを表示するディスプレイコンポーネント103を含み得る。ディスプレイコンポーネント103は、出力コンポーネント146に関して説明されたような視覚出力を提供する任意のタイプの出力コンポーネントであってもよい。ホストコンピューティングデバイス102の内蔵コンポーネントとして示されているものの、存在感知ディスプレイ112は、いくつかの例では、入力および出力を受信および/または送信するためにホストコンピューティングデバイス102の他のコンポーネントとデータ経路または情報経路を共有する外部コンポーネントであってもよい。
【0022】
たとえば、存在感知ディスプレイ112は、ホストコンピューティングデバイス102の外部パッケージング内に位置し、当該外部パッケージングに物理的に接続された、ホストコンピューティングデバイス102の内蔵コンポーネント(たとえば、車両のダッシュボードに搭載された車載スクリーン)であってもよい。別の例では、存在感知ディスプレイ112は、ホストコンピューティングデバイス102のパッケージングの外側に位置し、当該パッケージングから物理的に分離された、ホストコンピューティングデバイス102の外部コンポーネント(たとえば、車両の電子制御ユニットと有線および/または無線データ経路を共有するモニタ、プロジェクタなど)であってもよい。いくつかの例では、存在感知ディスプレイ112は、ホストコンピューティングデバイス102のパッケージングの外側に位置し、当該パッケージングから物理的に分離されている場合、入力を受信するための存在感知入力コンポーネント104と、出力を提供するためのディスプレイコンポーネント103という、2つの別個のコンポーネントによって実現されてもよい。
【0023】
ホストコンピューティングデバイス102内の1つ以上のストレージコンポーネント148は、ホストコンピューティングデバイス102の動作中に処理するための情報を記憶し得る(たとえば、コンピューティングデバイス102は、ホストコンピューティングデバイス102での実行中にモジュール126~136によってアクセスされたデータを記憶し得る)。いくつかの例では、ストレージコンポーネント148は一時メモリである。つまり、ストレージコンポーネント148の主な目的は長期記憶ではない。ホストコンピューティングデバイス102上のストレージコンポーネント148は、揮発性メモリとして情報の短期記憶のために構成され、したがって、電源がオフにされると記憶された内容を保持しない場合がある。揮発性メモリの例は、ランダムアクセスメモリ(random access memory:RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory:DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory:SRAM)、および、当該技術分野において公知である他の形態の揮発性メモリを含む。
【0024】
ストレージコンポーネント148はまた、いくつかの例では、1つ以上のコンピュータ読取可能記憶媒体を含む。ストレージコンポーネント148は、いくつかの例では、1つ以上の非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体を含む。ストレージコンポーネント148は、揮発性メモリによって典型的に記憶されるものよりも大量の情報を記憶するように構成され得る。ストレージコンポーネント148はさらに、不揮発性メモリ空間として情報の長期記憶のために構成され、電源オン/オフサイクル後に情報を保持し得る。不揮発性メモリの例は、磁気ハードディスク、光ディスク、フラッシュメモリ、もしくは、電気的プログラマブルメモリ(electrically programmable memory:EPROM)または電気的消去可能プログラマブル(electrically erasable and programmable:EEPROM)メモリの形態を含む。ストレージコンポーネント148は、モジュール126~128に関連付けられたプログラム命令および/または情報(たとえばデータ)を記憶し得る。ストレージコンポーネント148は、モジュール126~128に関連付けられたデータまたは他の情報を記憶するように構成されたメモリを含み得る。
【0025】
1つ以上のプロセッサ140は、ホストコンピューティングデバイス102に関連付けられた機能性を実現し、および/または命令を実行し得る。プロセッサ140の例は、プロセッサ、処理ユニット、または処理デバイスとして機能するように構成された、アプリケーションプロセッサ、ディスプレイコントローラ、補助プロセッサ、1つ以上のセンサハブ、および他のハードウェアを含む。モジュール126~128は、ホストコンピューティングデバイス102のさまざまなアクション、動作、または機能を行なうためにプロセッサ140によって動作可能であり得る(または、言い換えれば、実行され得る)。すなわち、モジュール126~128は、実行されるとここに説明される手法のさまざまな局面に従った特定の動作をプロセッサ140に行なわせる(および、それにより、ホストコンピューティングデバイス102が、特定の動作を行なう専用コンピュータになるようにする)、実行可能なバイトコードを形成し得る。たとえば、ホストコンピューティングデバイス102のプロセッサ140は、モジュール126~128に帰するここに説明される動作をプロセッサ140に行なわせる、ストレージコンポーネント148によって記憶された命令を検索し、実行し得る。命令は、プロセッサ140によって実行されると、ホストコンピューティングデバイス102に、情報をストレージコンポーネント148内に記憶させ得る。
【0026】
クライアントコンピューティングデバイス202は、ホストコンピューティングデバイス102に似たコンポーネントを含み得る。図1の例にさらに示されるように、クライアントコンピューティングデバイス202は、1つ以上のプロセッサ240と、1つ以上の通信ユニット242と、1つ以上の入力コンポーネント244と、1つ以上の出力コンポーネント246と、1つ以上のストレージデバイス284とを含み得る。コンポーネント212~284の各々は、上述されたようなそれぞれのコンポーネント112~184に、かなりよく似ているとまではいかないにせよ、似ている場合がある。クライアントコンピューティングデバイス202はまた、モジュール240~284を相互接続する通信チャネル250を含む。通信チャネル250は、より詳細に上述された通信チャネル150に、かなりよく似ているとまではいかないにせよ、似ている場合がある。さらに、ストレージデバイス284はOS226およびOS投影アプリ228を格納し得るが、それらは、それぞれのOS126およびOS投影アプリ128に、かなりよく似ているとまではいかないにせよ、似ている場合がある。
【0027】
ホストコンピューティングデバイス102は、車両内に組み込まれるかまたは他の態様で含まれ得る。車両は、自転車、三輪車、一輪車、自動車、農機具(トラクター、コンバインなど)、建設機器(ダンプカー、クレーンなど)、軍用車両または機器(タンク、兵器など)、トラック、セミトラクター(または、言い換えれば、セミトレーラー)、航空機器(航空機など)、船舶機器(船、運搬船など)、または任意の他のタイプの乗物、のうちの1つ以上を含み得る。
【0028】
この点で、ホストコンピューティングデバイス102は、車両のダッシュボードまたは他のコンポーネントに組み込まれた車両ヘッドユニットを表現し得る。ここで、ホストコンピューティングデバイス102は代替的に、車両ヘッドユニット102、ホスト車両ヘッドユニット102、および/またはメインコンピューティングデバイス102と呼ばれ得る。この状況では、プロセッサ140は、OS126を検索して実行し得、当該OS126は、十分な機能を有するアプリケーション実行環境を提供する完全に規定されたOSであり、OS126によって提供される実行環境内では、ローカルアプリケーション(いわゆる「アプリ」(例示を簡単にするために図示せず))が(たとえばストレージデバイス184にとって)ローカルに格納され、プロセッサ140によって実行され得る点で、組み込みOSと呼ばれ得る。
【0029】
OS126は、この状況では、アプリケーションと、プロセッサ140、通信ユニット142、入力コンポーネント144、出力コンポーネント146、存在感知ディスプレイ112、および/またはストレージデバイス184などの基盤ハードウェアとの間の対話をサポートするカーネルを含み得る。カーネルは、アプリケーションが実行されるアプリケーション環境をサポートするいわゆるユーザ空間と別の、いわゆるカーネル空間(権限を与えられたOSレベル実行環境を指す)で実行され得る。カーネルは、基盤ハードウェアとインターフェイス接続するために、ユーザ空間(およびそこで実行されるアプリケーション)が制限された態様で(たとえば、カーネルよりも小さい権限を有して)カーネル空間にアクセスし得るためのインターフェイス(アプリケーションプログラミングインターフェイス(application programming interface:API)など)を公開し得る。
【0030】
OS126は、言い換えれば、別のクライアントコンピューティングデバイス202が実行するOS226といった、別のデバイスが実行するOSからの出力をミラーリングするための投影、キャスト(型変換)、または他のプロセスをサポートするシンクライアントを表わしていない。OS126は代わりに、クライアントコンピューティングデバイス202による実行中にOS226内のアプリケーションをストリーミングするのではなく、上述のように、アプリケーションのローカルの(たとえば、ホストコンピューティングデバイス102上での)実行を容易にする、クライアントコンピューティングデバイス202(または任意の他の別のデバイス)が実行するOS226とは別の完全な実行環境を提供する。
【0031】
埋め込まれたOS126(OS126の別の呼び方)のこの状況では、OS126は、ホストコンピューティングデバイス102とクライアントコンピューティングデバイス202(または、ホストコンピューティングデバイス102とそのようなクライアントコンピューティングデバイスとの間の無線通信のためのPANリンクをサポートする任意の他のクライアントコンピューティングデバイス)との間のPANリンクを可能にし得る。OS126は、OS126のネイティブ機能としてPANスタックを実現し(カーネル空間内にあることを意味する)、それにより、OS126(および/または、ユーザ空間内で実行される1つ以上のアプリケーション)が、クライアントコンピューティングデバイス202などの外部デバイスとのPANリンクを(場合によっては、OS126がローカルに実行するアプリケーションのためのカーネルAPIを介して)確立することを可能にする。
【0032】
PANリンクを確立するために、OS126はPANスタックを呼び出し、それは、PANスタックが、着信する接続要求を受け付けるように通信ユニット142を構成するための発見プロセスを含む。車両の運転者は、たとえば存在感知ディスプレイ112を介してOS126とインターフェイス接続して、PANスタックが、着信する接続要求を受け付けるように通信ユニット142(それはまたPANインターフェイスを実現し、したがって、PANインターフェイス142と呼ばれ得る)を構成する発見プロセスを開始し得る。
【0033】
車両の運転者は次に、たとえば存在感知ディスプレイ212を介してクライアントコンピューティングデバイス202とインターフェイス接続して、OS226に同様のPANスタックを呼び出させ、クライアントコンピューティングデバイス202をホストコンピューティングデバイス102に結合(または、言い換えればペアリング)するために接続要求を送信するペアリングプロセスを開始するように、通信ユニット242(それはまたPANインターフェイスを実現し、そのため、PANインターフェイス242と呼ばれ得る)を構成し得る。運転者は次に、(通常、存在感知ディスプレイ112および/または存在感知ディスプレイ212を介して提示されたユーザインターフェイス要素の選択を介して)ペアリングが起こるはずであることを確認し得る。クライアントコンピューティングデバイス202(より具体的にはPANインターフェイス242)とホストコンピューティングデバイス102(より具体的にはPANインターフェイス142)とのペアリングは、PANインターフェイス142とPANインターフェイス242との間に確立されるべきPANリンクを介した通信を暗号化するかまたは他の態様で安全にするために使用されるセキュリティキーの交換を含み得る。
【0034】
この態様でのペアリングは、PANインターフェイス142とPANインターフェイス242との間の半永久的結合をもたらす。つまり、ペアリングがユーザ認可を得てホストコンピューティングデバイス102またはクライアントコンピューティングデバイス202のいずれかを介して明確に除去されるまで、クライアントコンピューティングデバイス202はホストコンピューティングデバイス102とペアリングされる。このペアリングはまた、ユーザアカウントに依存しないものであってもよく、他のユーザアカウントは、それらのユーザアカウントがクライアントコンピューティングデバイス202に関連付けられていなくても、このペアリングを、起こったとして識別し得る。
【0035】
OS126は、多くの異なる目的のために、PANリンクを確立するためのペアリングをサポートし得る。たとえば、OS126は、ホストコンピューティングデバイス102が、クライアントコンピューティングデバイス202によって生じるセルラー音声電話、クライアントコンピューティングデバイス202によって生じる音楽および他の音声のストリーミングなどのためのコンジットとして作用することを可能にするために、ペアリングをサポートし得る。しかしながら、PANリンクは、ビデオデータの表示、オペレーティングシステムの投影などといった、よりデータ集約的なさまざまな使用事例にとって好適ではないかもしれない。なぜなら、PANリンクは典型的には、電力の消費を避けるように低帯域幅接続である(それは、バッテリーまたは他の限られた電源に頼るスマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、スマートグラス、または任意の他のコンピューティングデバイスといった、電力制限デバイスにとって有用であり得る)ためである。
【0036】
オペレーティングシステムを投影する状況では、OS126は、OS投影アプリ128の実行をサポートし得る。OS投影アプリ128は、ホストコンピューティングデバイス102を介した、クライアントコンピューティングデバイス202などの別のコンピューティングデバイスによって投影されたオペレーティングシステムの表示および当該オペレーティングシステムとの対話を容易にするアプリケーションを表わし得る。OS投影アプリ128は、(ビデオデータの1つ以上のフレームのシーケンスとしての)投影されたOSを受信し、投影されたOSとの対話を、投影されたOSを提供するコンピューティングデバイスへ戻すための投影セッションを確立し得る。
【0037】
投影セッションを確立するために、OS投影アプリ128は、ホストコンピューティングデバイス102の操作者に、まず、ホストコンピューティングデバイス102とクライアントコンピューティングデバイス202との間の低帯域幅通信のために、ホストコンピューティングデバイス102とクライアントコンピューティングデバイス202との間にPAN接続を確立するよう促し得る。PAN接続は、クライアントコンピューティングデバイス202が、上述のセキュリティキーの交換を通してホストコンピューティングデバイス102を認証し、それにより、クライアントコンピューテングデバイス202がホストコンピューティングデバイス102との通信を認証されることを確立することを可能にし得る。PAN接続はローカル(たとえば30フィート以内)であるため、PAN接続は、クライアントコンピューティングデバイス202がホストコンピューティングデバイス102にとって同様にローカルであることも保証し得る。
【0038】
PAN接続を確立した後で、OS投影アプリ128は、車両の乗員に、ホストコンピューティングデバイス102とクライアントコンピューティングデバイス202との間に高帯域無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)接続を確立するよう促し得る。OS126はさらに、通信ユニット142をWLANインターフェイスとして動作るように構成する(そのため、WLANインターフェイス142と呼ばれ得る)ためのWLANスタックをネイティブにサポートし得る。WLANインターフェイス142は、ホストコンピューティングデバイス102が提供するWLANの名前を識別するサービスセット識別子(service set identifier:SSID)をブロードキャストし得る。
【0039】
クライアントコンピューティングデバイス102のOS226も、通信ユニット242をWLANインターフェイスとして動作するように構成する(ここでも、通信ユニット242はWLANインターフェイス242と呼ばれ得る)ためのWLANスタックをネイティブにサポートし得る。車両の乗員は、クライアントコンピューティングデバイス202とインターフェイス接続して、WLANインターフェイス242とホストコンピューティングデバイス102のWLANインターフェイス142との間のWLAN接続を開始し得る。このWLAN接続は、以前に確立されたPAN接続と比較して、かなりより大きい帯域幅を有し得る(たとえば、PAN接続については800キロビット/秒(kilobits per second:Kbps)であるのに対して、11メガビット/秒(megabits per second:Mbpsである)。
【0040】
PAN接続およびWLAN接続のうちの1つ以上を構成した後で、乗員は、OS投影アプリ128およびOS投影アプリ228のいずれかまたは双方とインターフェイス接続して、OS投影アプリ128とOS投影アプリ228との間で投影セッションを開始し得る。OS投影アプリ228は、OS投影アプリ128と同様に、存在感知ディスプレイ112を介した表示のためのホストコンピューティングデバイス102へのOS226の無線投影を容易にするように構成されたアプリケーションを表わし得る。OS投影アプリ228は、投影セッションを介して、OS226を表わすビデオデータを提供し、OS投影アプリ128はそれを受信し、OS126を介して乗員への表示のために存在感知ディスプレイ112に提供する。
【0041】
ホストコンピューティングデバイス102が、更新が困難な、および/または高くつく時代遅れのハードウェアを有し得る(なぜなら、ホストコンピューティングデバイス102は車両のダッシュボードまたは他の部分に組み込まれ得るためである)ことを特に考慮すると、OS126もしばしば、時代遅れになり、更新が困難である。OS226が常に開発され、より定期的に更新され、乗員への追加料金なくセルラーデータを提供し、更新されたアプリケーション(たとえば、道路、交通量などに関しておおむね最新であるナビゲーションアプリケーション)などを提供することを考慮すると、OS投影アプリ128とOS投影アプリ228との間に確立された投影セッションを介したOS226の投影は、乗員にとってより現代的な体験を可能にし得る。また、クライアントコンピューティングデバイス202は、ホストコンピューティングデバイス102の時代遅れのハードウェアが良好に実行できないかもしれない、計算上の要求が厳しいアプリケーションおよび使用事例によりよく対処する、より更新されたハードウェアを提供し得る。
【0042】
OS226の投影はよりよいユーザ体験を提供し得るものの、OS投影アプリ128とOS投影アプリ228との間の投影セッションを構成するためにPAN接続およびWLAN接続を確立するプロセスをうまくナビゲートすることは、乗員にとって難しいかもしれない。すなわち、OS126は、PANスタックを完全には実現しないかもしれず、または、PANスタックの安定性に影響を与える1つ以上の問題を有するかもしれない一方で、OS226は、OS126によるPANスタックの実現と互換性がない更新されたPANスタックを提供するかもしれない。良好に実現されたPANスタックであっても、OS126およびOS226のPANスタックがどのように実現されるかについて違いがあるかもしれず、ユーザ体験を、ナビゲートすることが乗員にとって難しい状態のままにし、それにより、OS226を投影する能力を著しく損なう可能性がある。
【0043】
この開示で述べられた手法のさまざまな局面によれば、ホストコンピューティングデバイス102は、車両におけるオペレーティングシステム投影のための自動無線(たとえばWLAN)接続を容易にし得る。接続問題、ユーザエラー、信号劣化、互換性がないPAN実現などが起こりやすいPAN接続を確立する代わりに、手法のさまざまな局面は、ホストコンピューティングデバイス102が、ホストコンピューティングデバイス102によってホストされるWLANネットワークを識別する接続情報を提供するためにデバイス間無線通信プロセスを行なうことを可能にする。デバイス間無線通信プロセスは、接続情報を提供するクイックレスポンス(QR)コードなどのバーコードの提示を含む場合があり、クライアントコンピューティングデバイス202(または別の乗員デバイス)がQRコードなどのバーコードの画像を取り込み、それにより、ホストコンピューティングデバイス102によってホストされるWLANを介したホストコンピューティングデバイス102とのWLAN接続を自動的に確立することを可能にする。WLAN接続を確立した後で、クライアントコンピューティングデバイス102は次に、OS226を、存在感知ディスプレイ112を介した表示のためにホストコンピューティングデバイス102へ投影し得る。
【0044】
動作時、クライアントコンピューティングデバイス202は、ホストコンピューティングデバイス102から、デバイス間無線通信プロセスを介して、ホストコンピューティングデバイス102によって提供されるWLANを識別する接続情報を受信し得る。接続情報は、WLANのSSIDと、WLAN接続を確立するための認証情報(パスワードなど)とを含み得る。そのような接続情報はたとえば、クイックレスポンス(QR)コードに埋め込まれ得る。
【0045】
図1の例では、OS投影アプリ128は、OS126を介して乗員によっていったん呼び出されると、存在感知ディスプレイ112を介してQRコード130を提示し得る。そのため、デバイス間無線通信プロセスは、存在感知ディスプレイ112を介したQRコード130の提示を含み得る。接続情報を受信するために、クライアントコンピューティングデバイス202は、QRコード130の画像を取り込むことができるOS投影アプリ228または何らかの他のアプリ(たとえばQRコードリーダアプリ、カメラアプリなど)を呼び出し得る。QRコード130がどのように取り込まれるかにかかわらず、OS投影アプリ228は、接続情報を受信するためにQRコード130を復号し得る。
【0046】
QRコード130に関して説明されてきたが、バーコード、グラフィック、画像などを含む、接続情報の他のタイプの視覚表現が表示され、その後取り込まれ得る。また、接続情報の視覚表現に関して説明されてきたが、デバイス間無線通信プロセスは、接続情報を受信するための近距離無線通信(NFC)通信セッション、超広帯域(ultrawideband:UWB)通信セッション、または、任意の他のローカル(たとえば30フィート以下以内)無線通信プロセスを含み得る。デバイス間無線通信プロセスは、近くにいる認可されていない人がデバイス間無線通信プロセスを介してWLANに自動的にアクセスすることができないことを保証するように、ローカルなままであり得る。
【0047】
いずれにせよ、OS投影アプリ228は、接続情報に基づいて、ホストコンピューティングデバイス102によって提供されるWLANへのWLAN接続を自動的に確立し得る。いくつかの事例では、QRコード130によって提供される接続情報は、上述の投影セッションをホストする(たとえば、OS投影アプリ128によって少なくとも部分的に実現される)サーバに関連付けられたインターネットプロトコル(Internet protocol:IP)アドレスおよびポートを含み得る。この事例では、OS投影アプリ228はまた、WLAN接続を介して、サーバに関連付けられたIPアドレスおよびポートに基づいて、(先と同様にOS投影アプリ128によって少なくとも部分的に実現される)サーバとの投影セッションを、WLAN接続を通して確立し得る。
【0048】
OS投影アプリ228は、(WLAN接続を通して確立された)投影セッションを介して、(存在感知ディスプレイ112を介したOS226の表示のためのさまざまな規制に対処するために異なるようにフォーマットされ得る)OS226を、存在感知ディスプレイ112による表示のためにホストコンピューティングデバイス102へ投影し得る。OS226が存在感知ディスプレイ112によっていったん投影され表示されると、乗員はOS226とインターフェイス接続して、アプリを開き、通知を受信し、(たとえば音声コマンドを介して)通知に応答することなどを行ない得る。OS投影アプリ128は、これらの対話を受信し、そのような対話を投影セッションを介してOS投影アプリ228に提供し得る。OS投影アプリ228は、これらの対話に基づいてOS226を適合させ、それにより、さまざまな対話を反映するようにOS226を更新し得る。OS投影アプリ228は、更新されたOS226を、存在感知ディスプレイ112を介した表示のために(投影セッションを介して)OS投影アプリ128へ戻すように投影し得る。OS投影アプリ128およびOS投影アプリ228は、OS226の投影を容易にするように、この態様で動作し得る。
【0049】
そのため、手法のさまざまな局面は、クライアントコンピューティングデバイス202が、PAN接続の確立に関わる複雑なペアリングプロセスに頼る必要なくOS226を投影する目的のために、ホストコンピューティングデバイス102とのWLAN接続を自動的に確立することを可能にし得る。すなわち、クライアントコンピューティングデバイス202は、WLAN接続を自動的に確立するために使用される接続情報を受信する前にホストコンピューティングデバイス102とのPAN接続を確立することを控え得る。PAN接続の確立は、ユーザエラー、(一例として干渉に起因する)接続問題、障害があるかまたは互換性がない実現などの影響を受けやすい複数の異なるステップを伴い得るため、このPAN接続を確立せざるを得ない状態を避けることは、OS226の無線投影に関わるユーザ体験を著しく向上させ得る。
【0050】
また、PAN接続の確立を繰り返し試みることは、プロセッサ、メモリ、メモリバス、および無線機を動作させることに関連付けられたプロセッササイクル、メモリ記憶空間、メモリバス帯域幅、および/または電力といった、クライアントコンピューティングデバイス202のかなりのコンピューティングリソースを消費し得る。潜在的により優れ、より確立されたWLAN接続(たとえば、電気電子技術者協会(IEEE)802.11準拠のWLAN規格)を確立するために、より単純明快なQRコード130を選択して、PAN接続を確立することを避けるかまたは控えることによって、クライアントコンピューティングデバイス202の動作自体が、より効率的な動作を通して向上し得る。
【0051】
図2は、この開示で説明される自動無線接続手法のさまざまな局面を行なう際の、図1のホストコンピューティングデバイスの例示的な動作を示す図である。特に、図2は、ホストコンピューティングデバイス102の存在感知ディスプレイ112によって提示されるユーザインターフェイス300Aを示す。
【0052】
図2の例に示されるように、ユーザインターフェイス300Aは、複数のアプリケーションアイコン302A~302Eを含み得る。アプリケーションアイコン302Aは、乗員が携帯電話で電話をかけるための電話アプリケーションを表わす。アプリケーションアイコン302Bは、乗員が車両音響システムを介して音楽を再生するための音楽アプリケーションを表わす。アプリケーションアイコン302Cは、乗員が行き先を選択し、車両の現在位置から行き先までの方向を受信し得るためのナビゲーション(「ナビ」)アプリケーションを表わす。アプリケーションアイコン302Dは、乗員がテキストメッセージなどのメッセージを閲覧し、おそらく送信し得るためのメッセージアプリケーションを表わす。アプリケーションアイコン302Eは、OS226をホストコンピューティングデバイス102へ投影するためのOS投影アプリ128を表現する。
【0053】
図2の例に示されるように、クライアントコンピューティングデバイス202などのクライアントコンピューティングデバイスが現在、ホストコンピューティングデバイス102に接続されていないと仮定される場合でも、アプリケーションアイコン302Eはディスエーブルにされず、または他の態様でグレーアウトされない。言い換えれば、クライアントコンピューティングデバイス202に、アプリケーションアイコン302Eをイネーブルにする前にPAN接続およびWLAN接続の双方を介して接続されることを要求する代わりに、ユーザインターフェイス300Aは、WLAN接続を自動的に確立する前にPAN接続がもはや必要とされないことを考慮して、アプリケーションアイコン302Eを、イネーブルにされてアクティブであるように提示する。
【0054】
代わりに、乗員がアプリケーションアイコン302Eを選択すると、OS126はOS投影アプリ128を呼び出してもよく、それはユーザインターフェイス300Bへ移行する。図2の例にさらに示されるように、ユーザインターフェイス300Bは、接続情報を含むQRコード130を提示する。乗員は次にクライアントコンピューティングデバイス202とインターフェイス接続して、(おそらく、QRコード130のスキャンを行ない得るOS投影アプリ228をロードし、それにより、QRコード130に埋め込まれた接続情報を受信することによって)コードをスキャンし得る。上述のように、接続情報はまた、投影セッションを確立するために使用される情報(たとえば、サーバのIPアドレスおよびポート)を含み得る。また、接続情報は、PAN接続などの他の接続を自動的に確立するために必要な情報を提供し得る。
【0055】
このように、乗員は、デバイスマネージャを識別するためにホストコンピューティングデバイス102のOS126によって提示されたユーザインターフェイスをナビゲートすることと、次に、クライアントコンピューティングデバイス202とホストコンピューティングデバイス102との間にPAN接続を確立するためにデバイスマネージャによって提示された命令に従うこととを伴い得る、PAN接続を形成するためにクライアントコンピューティングデバイス202をホストコンピューティングデバイス102とペアリングする複雑なプロセスを回避し得る。このペアリングプロセスはまた、ホストコンピューティングデバイス102とのPAN接続を確立するために、クライアントコンピューティングデバイス202のOS226によって提示されたユーザインターフェイスをナビゲートすることを伴い得る。乗員は次に、OS226をOS投影アプリ228を介してホストコンピューティングデバイスのOS投影アプリ128へ無線で投影し始めるために、追加でOS投影アプリ128へ戻らなければならないかもしれない。
【0056】
これらの追加のステップのすべては、乗員が車両を運転している可能性がある間に周囲への注意をそらすおそれがあり、乗員および近くの人々および/または他の車両の双方に著しい危害を提示する注意散漫をもたらす。この点で、手法のさまざまな局面は、ホストコンピューティングデバイス102とクライアントコンピューティングデバイス202との間の接続をシームレスに自動化することによって注意散漫を減少させ、乗員は、無線OS投影の開始に先立って、アプリケーションアイコン302Eを選択し、次に、クライアントコンピューティングデバイス202とインターフェイス接続してQRコード130をスキャンするだけでよい。その結果、この開示で説明される手法のさまざまな局面は、ホストコンピューティングデバイス102およびクライアントコンピューティングデバイス202双方のより効率的な動作を容易にするだけでなく、これらの手法は注意散漫を減少させ、それにより、車両のより安全な運転を促進し得る。
【0057】
図3は、この開示で説明される自動無線接続手法のさまざまな局面を行なう際の、図1の例に示されるシステムの例示的な動作を示すフローチャートである。上述のように、ホストコンピューティングデバイス102は、車両におけるオペレーティングシステム投影のための自動無線(たとえばWLAN)接続を容易にし得る。接続問題、ユーザエラー、信号劣化、互換性がないPAN実現などが起こりやすいPAN接続を確立する代わりに、手法のさまざまな局面は、ホストコンピューティングデバイス102が、ホストコンピューティングデバイス102によってホストされるWLANネットワークを識別する接続情報を提供するためにデバイス間無線通信プロセスを行なうことを可能にする。
【0058】
図2の例に関して上述されたように、ホストコンピューティングデバイス102のOS126は、OS投影アプリ128を表わすアプリケーションアイコン302Eを含むユーザインターフェイス300Aを提示し得る(そのようなアプリケーションアイコン302Eは「投影アプリケーションアイコン302E」として表わされ得る)(400)。OS126は、(車両の乗員による)投影アプリケーションアイコン302Eの選択を受信してもよく、それはOS126にOS投影アプリ128を呼び出させる。OS投影アプリ128は、存在感知ディスプレイ112を介して、QRコード130を含むユーザインターフェイス300Bを提示し得る(402)。
【0059】
乗員は次に、クライアントコンピューティングデバイス202とインターフェイス接続してOS投影アプリ228を呼び出し(404)、それは、上述の接続情報を受信するためにQRコード130をスキャンする(406)ように構成され得る。上述のように、コンピューティングデバイス202は、QRコード130をスキャンするために、専用QRコードアプリケーション、カメラアプリケーションなどといった異なるアプリケーションを呼び出し得る。この点で、クライアントコンピューティングデバイス202は、ホストコンピューティングデバイス102から、デバイス間無線通信プロセス(すなわち、この例ではQRコードスキャニングプロセス)を介して、ホストコンピューティングデバイス102によって提供されるWLANを識別する接続情報を受信し得る。接続情報は、WLANのSSIDと、WLAN接続を確立するための認証情報(パスワードなど)とを含み得る。そのような接続情報はたとえば、クイックレスポンス(QR)コードに埋め込まれ得る。
【0060】
いずれにせよ、OS投影アプリ228は、接続情報に基づいて、ホストコンピューティングデバイス102によって提供されるWLANへのWLAN接続を自動的に確立し得る(408)。いくつかの事例では、QRコード130によって提供される接続情報は、上述の投影セッションをホストする(たとえば、OS投影アプリ128によって少なくとも部分的に実現される)サーバに関連付けられたインターネットプロトコル(IP)アドレスおよびポートを含み得る。この事例では、OS投影アプリ228はまた、WLAN接続を介して、サーバに関連付けられたIPアドレスおよびポートに基づいて、(先と同様にOS投影アプリ128によって少なくとも部分的に実現される)サーバとの投影セッションを、WLAN接続を通して自動的に確立し得る(410)。
【0061】
OS投影アプリ228はまた、接続情報に基づいて、(ハンズフリープロファイル(hands-free profile:HFP)のために使用され得る)PAN接続を自動的に確立し得る(412)。すなわち、接続情報は、車両ヘッドユニットを識別するPANメディアアクセス制御(media access control:MAC)アドレスを含み得る。OS投影アプリ228は、車両ヘッドユニット102を識別するPAN MACアドレスに基づいて、クライアントコンピューティングデバイス202と車両ヘッドユニット102との間にPAN接続を確立するためのPANインターフェイスとして作用するように、通信ユニット242を構成し得る。
【0062】
OS投影アプリ228は、(WLAN接続を通して確立された)投影セッションを介して、(存在感知ディスプレイ112を介したOS226の表示のためのさまざまな規制に対処するために異なるようにフォーマットされ、そのため、車両オペレーティングシステムを表わし得る)OS226を、存在感知ディスプレイ112による表示のためにホストコンピューティングデバイス102へ投影し得る(414)。OS投影アプリ128は、投影セッションを介してOS226を受信し、存在感知ディスプレイ112を介して提示する(416)。
【0063】
このように、この開示に説明される手法のさまざまな局面は、以下の例を可能にし得る。
【0064】
例1:コンピューティングデバイスが、車両ヘッドユニットから、デバイス間無線通信プロセスを介して、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークを識別する接続情報を受信するステップと、コンピューティングデバイスが、接続情報に基づいて、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークへの無線ネットワーク接続を自動的に確立するステップと、コンピューティングデバイスが、無線ネットワーク接続を介して、車両オペレーティングシステムを、車両ヘッドユニットによる表示のために車両ヘッドユニットへ投影するステップとを含む、方法。
【0065】
例2:接続情報を受信するステップは、コンピューティングデバイスが、車両ヘッドユニットによって表示されるバーコードの画像を取り込むステップを含み、バーコードは接続情報を含む、例1に記載の方法。
【0066】
例3:接続情報を受信するステップは、コンピューティングデバイスが、車両ヘッドユニットから、近距離無線通信セッションを介して、接続情報を受信するステップを含む、例1に記載の方法。
【0067】
例4:接続情報を受信するステップは、コンピューティングデバイスが、車両ヘッドユニットから、超広帯域通信セッションを介して、接続情報を受信するステップを含む、例1に記載の方法。
【0068】
例5:接続情報を受信するステップは、コンピューティングデバイスが、接続情報を受信する前に車両ヘッドユニットとのパーソナルエリアネットワーク接続を確立することを控えるステップを含む、例1~4の任意の組合せに記載の方法。
【0069】
例6:接続情報は、無線ネットワークを識別するサービスセット識別子と、無線ネットワーク接続を確立するための認証情報とを含む、例1~5の任意の組合せに記載の方法。
【0070】
例7:接続情報はまた、コンピューティングデバイスによって投影される車両オペレーティングシステムを受け付けるために車両ヘッドユニットによって提示されるサーバに関連付けられたインターネットプロトコルアドレスおよびポートを含む、例6に記載の方法。
【0071】
例8:車両オペレーティングシステムを投影するステップは、無線ネットワーク接続を介して、サーバに関連付けられたインターネットプロトコルアドレスおよびポートに基づいて、車両によって提示されるサーバとの投影セッションを、無線ネットワーク接続を通して確立するステップと、コンピューティングデバイスが、無線ネットワーク接続を通して確立されたサーバとの投影セッションを介して、車両オペレーティングシステムを、車両ヘッドユニットによる表示のために車両ヘッドユニットへ投影するステップとを含む、例7に記載の方法。
【0072】
例9:車両オペレーティングシステムを投影するステップは、コンピューティングデバイスが、無線ネットワーク接続を介して車両オペレーティングシステムを車両ヘッドユニットによる表示のために車両ヘッドユニットへ投影する投影アプリケーションを実行するステップを含む、例1~8の任意の組合せに記載の方法。
【0073】
例10:接続情報を受信するステップは、コンピューティングデバイスによって実行される投影アプリケーションが、車両ヘッドユニットによって表示されるバーコードの画像を取り込むステップを含み、バーコードは接続情報を含む、例9に記載の方法。
【0074】
例11:コンピューティングデバイスであって、車両ヘッドユニットから、デバイス間無線通信プロセスを介して、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークを識別する接続情報を受信するように構成された1つ以上のプロセッサと、接続情報に基づいて、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークへの無線ネットワーク接続を自動的に確立するように構成されたネットワークインターフェイスとを含み、1つ以上のプロセッサは、無線ネットワーク接続を介して、車両オペレーティングシステムを、車両ヘッドユニットによる表示のために車両ヘッドユニットへ投影するように構成され、コンピューティングデバイスはさらに、接続情報を格納するように構成されたメモリを含む、コンピューティングデバイス。
【0075】
例12:1つ以上のプロセッサは、接続情報を受信するように構成された場合、車両ヘッドユニットによって表示されるバーコードの画像を取り込むように構成され、バーコードは接続情報を含む、例11に記載のコンピューティングデバイス。
【0076】
例13:1つ以上のプロセッサは、接続情報を受信するように構成された場合、車両ヘッドユニットから、近距離無線通信セッションを介して、接続情報を受信するように構成される、例11に記載のコンピューティングデバイス。
【0077】
例14:1つ以上のプロセッサは、接続情報を受信するように構成された場合、車両ヘッドユニットから、超広帯域通信セッションを介して、接続情報を受信するように構成される、例11に記載のコンピューティングデバイス。
【0078】
例15:1つ以上のプロセッサは、接続情報を受信するように構成された場合、接続情報を受信する前に車両ヘッドユニットとのパーソナルエリアネットワーク接続を確立することを控えるように構成される、例11~14の任意の組合せに記載のコンピューティングデバイス。
【0079】
例16:接続情報は、無線ネットワークを識別するサービスセット識別子と、無線ネットワーク接続を確立するための認証情報とを含む、例11~15の任意の組合せに記載のコンピューティングデバイス。
【0080】
例17:接続情報はまた、コンピューティングデバイスによって投影される車両オペレーティングシステムを受け付けるために車両ヘッドユニットによって提示されるサーバに関連付けられたインターネットプロトコルアドレスおよびポートを含む、例16に記載のコンピューティングデバイス。
【0081】
例18:1つ以上のプロセッサは、車両オペレーティングシステムを投影するように構成された場合、無線ネットワーク接続を介して、サーバに関連付けられたインターネットプロトコルアドレスおよびポートに基づいて、車両によって提示されるサーバとの投影セッションを、無線ネットワーク接続を通して確立し、無線ネットワーク接続を通して確立されたサーバとの投影セッションを介して、車両オペレーティングシステムを、車両ヘッドユニットによる表示のために車両ヘッドユニットへ投影するように構成される、請求項17に記載のコンピューティングデバイス。
【0082】
例19:1つ以上のプロセッサは、車両オペレーティングシステムを投影するように構成された場合、無線ネットワーク接続を介して車両オペレーティングシステムを車両ヘッドユニットによる表示のために車両ヘッドユニットへ投影する投影アプリケーションを実行するように構成される、例11~18の任意の組合せに記載のコンピューティングデバイス。
【0083】
例20:実行されると1つ以上のプロセッサに動作を行なわせる命令が格納された、非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体であって、動作は、車両ヘッドユニットから、デバイス間無線通信プロセスを介して、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークを識別する接続情報を受信することと、接続情報に基づいて、車両ヘッドユニットによって提供される無線ネットワークへの無線ネットワーク接続を自動的に確立することと、無線ネットワーク接続を介して、車両オペレーティングシステムを、車両ヘッドユニットによる表示のために車両ヘッドユニットへ投影することとを含む、非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体。
【0084】
1つ以上の例では、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実現されてもよい。ソフトウェアで実現される場合、機能は、1つ以上の命令またはコードとして、コンピュータ読取可能媒体に格納されるかまたはコンピュータ読取可能媒を通して送信されてもよく、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行されてもよい。コンピュータ読取可能媒体はコンピュータ読取可能記憶媒体を含んでいてもよく、それは、データ記憶媒体などの有形的媒体、または、たとえば通信プロトコルに従った、ある位置から別の位置へのコンピュータプログラムの転送を容易にするあらゆる媒体を含む通信媒体に対応する。このように、コンピュータ読取可能媒体は概して、(1)非一時的である有形的コンピュータ読取可能記憶媒体、または(2)信号または搬送波などの通信媒体に対応してもよい。データ記憶媒体は、この開示で説明される手法の実現のための命令、コード、および/またはデータ構造を検索するために、1つ以上のコンピュータまたは1つ以上のプロセッサによってアクセスされ得る、利用可能なあらゆる媒体であってもよい。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ読取可能媒体を含んでいてもよい。
【0085】
限定のためではなく例示のために、そのようなコンピュータ読取可能記憶媒体は、所望のプログラムコードを命令またはデータ構造の形式で格納するために使用され、コンピュータによってアクセスされ得る、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、または他の磁気記憶デバイス、フラッシュメモリ、または任意の他の記憶媒体を含み得る。また、任意の接続が、適切にコンピュータ読取可能媒体と称される。たとえば、命令が、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(digital subscriber line:DSL)、または、赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、当該同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または、赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術は、媒体の定義に含まれる。しかしながら、コンピュータ読取可能記憶媒体およびデータ記憶媒体は、接続、搬送波、信号、または他の一時的媒体を含まず、代わりに、非一時的な有形的記憶媒体に向けられる、ということが理解されるべきである。使用されるようなディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(compact disc:CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(digital versatile disc:DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイ(登録商標)ディスク、ウルトラブルーレイなどを含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、一方、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上述のものの組合せも、コンピュータ読取可能媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0086】
命令は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(digital signal processor:DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(field programmable logic array:FPGA)、もしくは、他の同等の集積または離散論理回路といった、1つ以上のプロセッサによって実行されてもよい。したがって、使用されるような「プロセッサ」という用語は、説明される手法の実現にとって好適な前述の構造または任意の他の構造のいずれを指してもよい。加えて、いくつかの局面では、説明される機能性は、専用ハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュール内に提供されてもよい。また、手法は、1つ以上の回路または論理素子において完全に実現され得る。
【0087】
この開示の手法は、無線ハンドセット、集積回路(IC)、または1組のIC(たとえばチップセット)を含む多種多様のデバイスまたは装置において実現されてもよい。さまざまなコンポーネント、モジュール、またはユニットが、開示された手法を行なうように構成されたデバイスの機能的局面を強調するためにこの開示で説明されているが、それらは必ずしも異なるハードウェアユニットによる実現を必要とはしない。むしろ、上述のように、好適なソフトウェアおよび/またはファームウェアとともに、さまざまなユニットが、ハードウェアユニットにおいて組合されてもよく、または、上述のような1つ以上のプロセッサを含む相互動作ハードウェアユニットの集合によって提供されてもよい。
【0088】
さまざまな実施形態が説明されてきた。これらのおよび他の実施形態は、請求の範囲内にある。
図1
図2
図3