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特許7569844鋸工具、工作機械システム、及び、鋸工具を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】鋸工具、工作機械システム、及び、鋸工具を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   B23D 61/02 20060101AFI20241010BHJP
   B23D 45/16 20060101ALI20241010BHJP
   B23P 15/28 20060101ALI20241010BHJP
   B23K 20/00 20060101ALN20241010BHJP
【FI】
B23D61/02 A
B23D45/16
B23P15/28 Z
B23K20/00 310L
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022513286
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2020074543
(87)【国際公開番号】W WO2021043872
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】102019213382.7
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ローバー,ハインリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ダクリー ネンダズ,ゲラルド
(72)【発明者】
【氏名】ムーサー,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ブルグナー,セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】アンサマッテン,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】インボーデン,マルティン
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202004007929(DE,U1)
【文献】特開昭53-001609(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102017007351(DE,A1)
【文献】国際公開第2016/132320(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102011103880(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 61/02
B23D 45/16
B23P 15/28
B23K 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの、鉄を含む支持体(12a;12b)と、帯状部材接続縁(16a;16b)を有する、少なくとも1つの、タングステンを含む超硬合金帯状部材(14a;14b)と、を備え、前記少なくとも1つの超硬合金帯状部材(14a;14b)が、熱供給によって少なくとも1つの拡散区分(18a;18b)が形成される拡散接合により、前記帯状部材接続縁(16a;16b)において前記支持体(12a;12b)と物質結合的に接続されている、工作機械(44a;44b)のための鋸工具(10a;10b)において、
前記帯状部材接続縁(16a;16b)が、少なくとも実質的に曲げて形成されており、
前記拡散接合によって形成された前記拡散区分(18a;18b)が、少なくともタングステン、コバルトおよび鉄からなる金属合金として形成され、該拡散接合によって形成された該拡散区分(18a;18b)のタングステン割合が、1%~25%である
ことを特徴とする、鋸工具。
【請求項2】
前記帯状部材接続縁(16a;16b)は、少なくとも15°のセグメント角度(20a;20b)にわたって延在する
ことを特徴とする、請求項1に記載の鋸工具。
【請求項3】
前記拡散区分(18a;18b)は、前記帯状部材接続縁(16a;16b)の最大延在の端領域に配置されている2つの終端縁(22a、22a’;22b、22b’)を有し、前記終端縁(22a、22a’;22b、22b’)は、少なくとも実質的に同じ長さを有する
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の鋸工具。
【請求項4】
前記帯状部材接続縁(16b)は、少なくとも実質的に波形に形成されている
ことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の鋸工具。
【請求項5】
前記少なくとも1つの超硬合金帯状部材(14a;14b)は、前記少なくとも1つの帯状部材接続縁(16a;16b)の向かい側に位置していて鋸歯(40a;40b)が配置されている少なくとも1つの切断縁(24a;24b)を有する
ことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の鋸工具。
【請求項6】
前記切断縁(24a;24b)は、少なくとも15°のセグメント角度(20a;20b)を有する円セグメントにわたって延在する
ことを特徴とする、請求項5に記載の鋸工具。
【請求項7】
前記切断縁(24a;24b)と前記帯状部材接続縁(16a;16b)が平均して少なくとも実質的に互いに平行に延び、前記帯状部材接続縁(16a;16b)は、前記切断縁(24a;24b)よりも小さい最大延在を有する
ことを特徴とする、請求項5または6に記載の鋸工具。
【請求項8】
前記少なくとも1つの支持体(12a;12b)は、少なくとも1つの支持体接続縁(34a;34b)を有し、前記支持体接続縁(34a;34b)によって、前記少なくとも1つの支持体(12a;12b)が前記少なくとも1つの超硬合金帯状部材(14a;14b)と接続され、前記少なくとも1つの支持体接続縁(34a;34b)は、少なくとも15°のセグメント角度(20a;20b)を有する円セグメントにわたって延在する一貫する曲がった形状を有する
ことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の鋸工具。
【請求項9】
少なくとも1つの前記工作機械(44a;44b)と、請求項1から8までのいずれか1項に記載の少なくとも1つの鋸工具(10a;10b)と、を備える
工作機械システム。
【請求項10】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の鋸工具(10a;10b)を製造する方法において、
少なくとも1つの方法ステップにおいて、入熱がコントロールされつつ前記拡散区分(18a;18b)が形成されて、前記少なくとも1つの超硬合金帯状部材(14a;14b)が前記少なくとも1つの支持体(12a;12b)と接続される
ことを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの方法ステップにおいて、前記拡散接合を達成するために、前記少なくとも1つの超硬合金帯状部材(14a;14b)における空間的に不均一な合金粒子の欠乏化が行われる
ことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの、鉄を含む支持体と、帯状部材接続縁を有する、少なくとも1つの、タングステンを含む超硬合金帯状部材と、を備え、少なくとも1つの超硬合金帯状部材が、少なくとも1つの拡散区分を有する拡散接合により、帯状部材接続縁において支持体と物質結合的に接続されている、工作機械、特に振動駆動可能な多機能工作機械のための鋸工具、特に鋸刃に関する。
【背景技術】
【0002】
鋸工具は、特許文献1からすでに知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許発明第102011103880号明細書
【文献】欧州特許出願公開第3027361号明細書
【文献】欧州特許出願公開第3027362号明細書
【文献】欧州特許出願公開第3027367号明細書
【発明の概要】
【0004】
帯状部材接続縁が、特に円弧に沿って少なくとも実質的に曲げて形成されていることが提案される。縁および/または外輪郭が少なくとも「実質的に曲げて」形成されているとは、特に、縁および/または外輪郭が、特に2つの円および/または2つの楕円の第1および第2の想定される弧セグメントの範囲内に特に完全に配置されていることと解されるべきであり、想定される第1の弧セグメントの第2の弧セグメントからの弧の距離は、より大きい弧セグメントの円または楕円の中心点からの距離の最大25%、好ましくは最大15%、全く特に好ましくは最大12.5%であり、弧セグメントは、特に互いに平行に延びる。第1の想定される円弧の半径と第2の想定される円弧の半径は、大きいほうの円弧の半径の5%未満、特に1%未満相違すると考えられる。
【0005】
殊に、支持体は、特に拡散区分から離反した領域に、工作機械、特に振動駆動可能な多機能工作機械と接続するための機械インターフェースを有する。機械インターフェースが、工作機械の工具収容部、特に振動駆動可能な多機能工作機械の工具収容部と接続するために企図されていることが好ましい。工具収容部は、少なくとも1つの工具、特に鋸工具と接続するための工作機械のインターフェースとして形成されている。
【0006】
殊に、工作機械の工具収容部は、少なくとも1つの工具装着面を有し、この工具装着面に鋸工具を装着することができる。工具収容部が、工具装着面への鋸工具の、特に力結合および/または形状結合的な軸方向の固定ための少なくとも1つの軸方向固定要素を備えることが好ましい。殊に、工具収容部は、鋸工具にトルクを伝達するための少なくとも1つのトルク伝達要素を備えている。トルク伝達要素を、例えば工具装着面から突出する少なくとも1つのピンとして形成することができる。殊に、工具収容部は、複数の、例えば8、10、または12個のトルク伝達要素を有する。工具収容部が、連結されるべき物体に磁力を加えるために設けられている少なくとも1つの軸方向固定要素を有することも考えられる。工具収容部が、磁力を加えるように方向合わせおよび/または配置されている少なくとも1つの永久磁石を備えることが考えられる。特に、工具収容部を、特許文献2、特許文献3、特許文献4に記載の工具収容部と同様に形成することができる。
【0007】
殊に、機械インターフェースは、工作機械の工具収容部の少なくとも1つのピンを収容するための少なくとも1つの、特に複数の接続要素、特に切欠きを有している。殊に、機械インターフェースは、支持体に少なくとも1つの切欠き、特に貫通部として形成されている。殊に、機械インターフェースは、特に少なくとも1つの切欠きよりも大きく形成されている中央切欠きを有する。殊に、機械インターフェースは、特に工作機械の工具収容部とぴったり合う接続のために形成されている。殊に、機械インターフェースは、工作機械と着脱可能に接続するために設けられている。機械インターフェースと工具収容部とが、回動させる、および/もしくはずらすことにより、ならびに/または互いに差し込むことにより接続するように形成されていることが考えられる。機械インターフェースの中心点は、例えば円および/または楕円の中心点、特に円弧の中心を形成することができ、特にこれを中心として帯状部材接続縁、特に支持体接続縁が曲げて形成されている。特に、機械インターフェースを非対称に形成した場合、円および/または楕円の中心点、特に円弧の中心が機械インターフェースの中心点から距離をおいて配置されることが考えられる。
【0008】
殊に、支持体は、超硬合金帯状部材の方向に、少なくとも実質的に曲げて形成されている支持体接続縁を有する。殊に、支持体接続縁と帯状部材接続縁とは実質的に、特に少なくとも部分的に互いに平行に配置されている。「実質的に平行に」とは、特に、特に一平面上での基準方向に相対する方向の向きと解されるべきであり、方向は、基準方向に対して特に8°未満、有利には5°未満、特に有利には2°未満の偏差を有する。
【0009】
殊に、超硬合金帯状部材は、少なくとも10%、好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも70%、全く特に好ましくは少なくとも80%のタングステン割合を有している。殊に、超硬合金帯状部材は、少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、全く特に好ましくは少なくとも10%のコバルト割合を有している。殊に、超硬合金帯状部材は、75%よりも多い、特に少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%の炭化タングステン割合を有する。殊に、超硬合金帯状部材は、0.4μm~30μmの炭化タングステン粒度の炭化タングステン割合を有する。殊に、超硬合金帯状部材は、炭化タングステン割合とともに少なくとも実質的に超硬合金帯状部材全体を形成する、例えばコバルトまたはニッケルなどのバインダを有する。殊に、炭化タングステン割合とともに少なくとも実質的に超硬合金帯状部材全体を形成する特にバインダとしてのコバルト割合を有する。超硬合金帯状部材が、最大2%の、特にバインダとしてのクロム割合またはチタン割合を有することが考えられる。超硬合金帯状部材が、最大2%の炭化クロム割合または炭化チタン割合など、特にバインダとしてさらなる炭化物を有することが考えられる。殊に、バインダは、4%~30%の細粒のコバルト粉末またはニッケル粉末から形成されている。超硬合金帯状部材が、炭化バナジウム割合、炭化クロム割合、または他の金属硬質物質を特別な合金元素として含むことが考えられる。殊に、支持体は、少なくとも10%、好ましくは少なくとも70%、特に好ましくは少なくとも90%の鉄割合を有する。支持体および/または超硬合金帯状部材が、特に少なくとも0.2%、好ましくは少なくとも0.5%、特に好ましくは少なくとも1%、特に最大5%、好ましくは最大2.1%、好ましくは最大50%の炭素割合を有することが考えられる。
【0010】
殊に、超硬合金帯状部材は、帯状部材接続縁に対して垂直方向に、実質的に最大2cm、好ましくは最大1cm、特に好ましくは最大0.5cm、全く特に好ましくは最大0.2cmである最大延在を有する。殊に、少なくとも1つの超硬合金帯状部材と少なくとも1つの支持体とは、特にこれらの主延在平面に対して垂直方向に、実質的に同じ最大材料厚さを有する。延在もしくは値が「実質的に[定義された値]である」、および/または延在もしくは値が「実質的に[定義された値]に等しい」とは、特に、延在または値が、製造公差および組立公差を除いて、規定値に相当する/等しいと解されるべきである。少なくとも1つの超硬合金帯状部材と少なくとも1つの支持体とが、特にこれらの主延在平面に対して垂直方向に互いに異なる最大材料厚さを有することが考えられる。少なくとも1つの超硬合金帯状部材および少なくとも1つの支持体の、特に異なる最大材料厚さは、帯状部材接続縁において拡散接合により互いに接続され、拡散接合の少なくとも1つの拡散区分が、少なくとも1つの超硬合金帯状部材の方に向いた少なくとも1つの帯状部材領域を有し、かつ少なくとも1つの支持体の方に向いた少なくとも1つの支持体領域を有する。殊に、少なくとも1つの拡散区分は、少なくとも1つの帯状部材領域において最大材料厚さ、特に、少なくとも1つの超硬合金帯状部材と同じ最大材料厚さを有し、この最大材料厚さは、支持体の最大材料厚さに実質的に等しい。少なくとも1つの拡散区分が、少なくとも1つの帯状部材領域において最大材料厚さ、特に少なくとも1つの超硬合金帯状部材と同じ最大材料厚さを有し、この最大材料厚さは、少なくとも1つの支持体領域における最大材料厚さ、特に、少なくとも1つの支持体の最大材料厚さと同じ最大材料厚さとは異なることが考えられる。殊に、拡散区分は、少なくとも実質的に均一な材料厚さを有する。殊に、超硬合金帯状部材、支持体、および拡散区分はそれぞれ、最大1cm、好ましくは最大0.5cm、特に好ましくは最大0.3cmの最大材料厚さを有する。物体の「主延在平面」とは、特に、物体をかろうじて完全に包囲する最小の想定される直方体の最大側面に対して平行の平面と解されるべきである。
【0011】
殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁から支持体接続縁の方向に最大3cm、好ましくは最大0.5cm、特に好ましくは最大0.3cm、全く特に好ましくは最大0.2cmの最大延在を有する。拡散区分が帯状部材接続縁から支持体接続縁の方向に、最大0.15cmまたは最大0.12cmの最大延在を有することが考えられる。殊に、拡散区分が帯状部材接続縁から支持体接続縁の方向に、少なくとも実質的に均一な、特に同じ延在を、特に帯状部材接続縁の最大延在にわたって有する。
【0012】
殊に、少なくとも1つの拡散区分が少なくともタングステン、コバルト、および鉄からなる金属合金として形成され、少なくとも1つの拡散区分におけるタングステン割合は、特に1%~25%、好ましくは6%~22%、特に好ましくは4%~19%である。拡散区分が、最大850HV0.5である最大の平均硬さを有することが考えられる。拡散区分が、少なくとも5%の最小平均タングステン割合を有することが考えられる。拡散区分がさらなる元素、特に非金属元素を有することが考えられる。殊に、拡散接合、特に拡散区分は、例えば半田付けプロセス、溶接プロセス、特にレーザ溶接プロセス、アーク溶接プロセス、電子ビーム溶接プロセス、または保護ガス溶接プロセスなどの熱継合プロセスで熱処理、特に熱供給によって形成されている。殊に、拡散区分は、特に少なくとも0.2%、好ましくは少なくとも0.5%、特に好ましくは少なくとも1%、および特に最大5%、好ましくは最大2.1%の炭素割合を有する。「炭素割合」、特に「元素割合」とは、特に、重量パーセントでの炭素の割合と解されるべきである。殊に、拡散区分は、特に少なくとも0.1%、好ましくは少なくとも0.5%、特に好ましくは少なくとも0.9%、特に最大5%、好ましくは最大2.5%のコバルト割合を有する。殊に、拡散区分は、少なくとも1つの超硬合金帯状部材と少なくとも1つの支持体との間に、少なくとも100μm、好ましくは少なくとも200μm、特に好ましくは少なくとも300μm、全く特に好ましくは少なくとも400μmの最小延在を有する。殊に、拡散区分は、超硬合金帯状部材から支持体の方向に低下する、特に超硬合金帯状部材からの距離の増加とともに対数的に低下するタングステン割合プロファイルを有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して最大0.2mmの最大距離をおいて、19%の最大のタングステン割合を有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して最大0.2mmの最大距離をおいて、少なくとも14%の最小タングステン割合を有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して0.2mm~0.35mmの最大距離をおいて、少なくとも4%の最小タングステン割合を有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して0.2mm~0.35mmの距離をおいて、最大8%の最大タングステン割合を有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して0.35mm~0.41mmの距離をおいて、少なくとも1%の最小タングステン割合を有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して0.35mm~0.41mmの距離をおいて、最大4%の最大タングステン割合を有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して0.2mm~0.30mmの最大距離をおいて、4%~15%のタングステン割合を有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して0.2mm~0.30mmの最大距離をおいて、0.9%~2.5%のコバルト割合を有する。
【0013】
殊に、拡散区分は、特に最大893HV0.5の最大硬さを有する。殊に、拡散区分は、特に少なくとも427HV0.5の最小硬さを有する。殊に、拡散区分は、超硬合金帯状部材から支持体の方向に、特にHV0.5で測定される硬さの上昇するプロファイルを有する。殊に、拡散区分は、超硬合金帯状部材から支持体の方向に、硬さが少なくとも実質的に一定である少なくとも2つのプラトー領域を有する硬さの上昇するプロファイルを有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して最大0.17mmの最大距離をおいて、少なくとも427HV0.5の最小硬さを有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して最大0.17mmの最大距離をおいて、最大441HV0.5の最大硬さを有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して少なくとも0.26mmおよび最大0.41mmの距離をおいて、少なくとも851HV0.5の最小硬さを有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して少なくとも0.26mmおよび最大0.41mmの距離をおいて、最大893HV0.5の最大硬さを有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して少なくとも0.17mmおよび最大0.26mmの距離をおいて、少なくとも427HV0.5の最小硬さを有する。殊に、拡散区分は、帯状部材接続縁に対して少なくとも0.17mmおよび最大0.26mmの距離をおいて、最大893HV0.5の最大硬さを有する。殊に、拡散区分は、少なくとも0.17mmおよび最大0.26mmの距離をおいて、特にHV0.5で測定される硬さの上昇する、特に少なくとも実質的に直線的に上昇するプロファイルを有する。殊に、拡散区分は、0.2mmの距離をおいて、硬さが特に最大760HV0.5である0.23mmの距離におけるよりも小さい、特に最大600HV0.5の硬さを有する。殊に、超硬合金帯状部材はその外縁、特に切断縁および帯状部材接続縁に同じ、特にHV0.5で測定される硬さを有する。超硬合金帯状部材が、外縁、特に切断縁および帯状部材接続縁に、特に切断縁と帯状部材接続縁との間の超硬合金帯状部材の最小延在が5mmより大きい場合に、特にHV0.5で測定される、異なった硬さを有することが考えられる。
【0014】
本発明による鋸工具の実施形態によって、超硬合金帯状部材と支持体との間に有利な接合特性を達成することができる。超硬合金帯状部材と支持体との有利な耐久性のある接続を形成することができる。
【0015】
さらに、帯状部材接続縁が少なくとも15°のセグメント角度にわたって延在することが提案される。少なくとも1つの帯状部材接続縁が少なくとも17.5°、好ましくは少なくとも25°、特に好ましくは少なくとも30°、全く特に好ましくは少なくとも45°のセグメント角度を有する円セグメントにわたって、特に平行に延在することが考えられる。帯状部材接続縁において、特に鋸引き角度に依存して90°未満の角度を形成する、特に拡散接合の接合力の有利な向きを形成することができる。
【0016】
さらに、拡散区分が、帯状部材接続縁の最大延在の端領域に配置されている2つの終端縁を有し、終端縁が少なくとも実質的に同じ、特に最大の長さを有することが提案される。「終端縁が少なくとも実質的に同じ長さを有する」とは、終端縁が、最大0.5cm、好ましくは最大0.2cm、特に好ましくは最大0.05cm、全く特に好ましくは最大0.02cmを除いて同じ、特に最大の長さを有することと解されるべきである。
【0017】
拡散区分が、帯状部材接続縁の最大延在の端領域に配置されている2つの終端縁を有し、終端縁が異なった、特に1cmを超える最大長さを有することが考えられる。殊に、終端縁は、帯状部材接続縁をかろうじて完全に包囲する最小の幾何学的直方体の最長辺の長さの分だけ互いに離間して配置されている。殊に、終端縁は、帯状部材接続縁の、最大延在に対して特に垂直方向にまっすぐに形成されている。殊に、終端縁は、それぞれ1つの主延在平面を有する。殊に、終端縁の主延在平面は、互いに、特に少なくとも15°の少なくとも1つのセグメント角度を形成する。終端縁が、特にそれぞれもう一方の終端縁に対して曲げられ、特に少なくとも実質的に凹状または凸状に形成されていることが考えられる。終端縁が対称に曲げて形成されていることが考えられる。終端縁が非対称に曲げて形成され、特にただ1つの曲率半径でなく形成されていることが考えられる。終端縁が、想定回転によって同じに成形され、特に少なくとも実質的に同じ対称性で形成されていることが考えられる。拡散区分が帯状部材接続縁から支持体接続縁の方向の延在を有し、この延在が1つまたは2つの終端縁の周辺で、終端縁の周辺間の領域におけるよりも長く形成されていることが考えられる。
【0018】
拡散区分は、帯状部材接続縁の最大延在にわたって終端縁間に延在する、殊に2つの主終端縁を有する。主終端縁は、殊に、拡散区分の外面に配置されている。主終端縁が少なくとも実質的に同じ、特に最大の長さを有することが考えられる。拡散区分の主終端縁が、拡散区分の終端縁と同様に形成されていることが考えられる。外側領域、特に側方領域が均一に形成されている有利にも安定した拡散接合を形成することができる。鋸工具の鋸引き過程において有利な一様な負荷を達成することができる。特に、少なくとも15°のセグメント角度にわたって延在する鋸工具の場合に、鋸引き過程において負荷応力の有利な低減を達成することができる。有利にも統一的な外観を達成することができる。
【0019】
さらに、少なくとも1つの超硬合金帯状部材が少なくとも1つの帯状部材接続縁の向かい側に位置し、少なくとも15°のセグメント角度を有する円セグメントにわたって延在する、鋸歯が配置されている少なくとも1つの切断縁を有することが提案される。殊に、少なくとも1つの切断縁は、実質的に曲げて形成されている。殊に、少なくとも1つの切断縁は、実質的に、特に少なくとも部分的に、帯状部材接続縁に対して平行に延びる。殊に、少なくとも1つの切断縁は、帯状部材接続縁に対して最大5cm、好ましくは最大2cm、特に好ましくは最大1cm、全く特に好ましくは最大0.5cmの最大距離を有する。殊に、超硬合金帯状部材は、超硬合金帯状部材とワンピース、特に一体に形成されている鋸歯を有する。「ワンピース」とは、特に、例えば溶接プロセスおよび/または接着プロセスなどにより物質結合的に接続された、特に有利には、流し込み成形(Guss)で製造することによって、および/または1成分射出成形法もしくは多成分射出成形法で一体成形されたと解されるべきである。鋸歯が超硬合金帯状部材において表面構造として切断縁に、例えば型押しプロセス、打抜きプロセス、または研削プロセスなどの変形成形プロセスによって形成されていることが考えられる。少なくとも1つの切断縁が、少なくとも15°、好ましくは少なくとも25°、特に好ましくは少なくとも30°、全く特に好ましくは少なくとも45°のセグメント角度を有する円セグメントにわたって、特に帯状部材接続縁に対して平行に延在することが考えられる。殊に、切断縁は、帯状部材接続縁と同じセグメント角度にわたって延在する。有利な鋸引き特性を達成することができる。特に、例えば物体を細かく鋸引きするために、鋸刃の、有利には低周波数での周期的な揺動を達成することができる。特に、特に機械インターフェースにおける摩耗に対する有利な耐性を達成することができる。特に鋸工具の低周波数の揺動によって有利にもエネルギー節約的な鋸工具を達成することができる。
【0020】
これに加えて、帯状部材接続縁が少なくとも実質的に波形に形成されていることが提案される。帯状部材接続縁が、少なくとも実質的にジグザグ形状および/または鋸歯形状、またはそれに類するものを形成することが考えられる。帯状部材接続縁が、特に少なくとも1つの支持体との接続面を形成するために部分的に、まっすぐな、曲がった、または構造化されたなど、様々な形状を形成することが考えられる。帯状部材接続縁が、様々な形状の組み合わせを有することが考えられ、帯状部材接続縁は、殊に最大3cm、好ましくは最大2cm、特に好ましくは最大1cmの最大距離を有する2つの想定される、特に平行の弧セグメント間に延びる。殊に、帯状部材接続縁/支持体接続縁の波谷と支持体接続縁/帯状部材接続縁の波山との特にぴったり合う接続のために、支持体接続縁は、帯状部材接続縁に対して相応にずらして波形に成形して形成されている。特に直線的に弧セグメントに従う帯状部材接続縁よりも、有利にも長く形成された帯状部材接続縁を達成することができる。有利にも、それによって帯状部材の接合に沿う拡散接合の安定性を高く形成することができる。
【0021】
さらに、少なくとも1つの超硬合金帯状部材が少なくとも1つの帯状部材接続縁の向かい側に位置する少なくとも1つの切断縁を有し、切断縁と帯状部材接続縁とが平均して少なくとも実質的に互いに平行に延び、帯状部材接続縁が切断縁よりも小さい最大延在を有することが提案される。2つの縁が互いに「平均して(...)平行に」に延びるとは、特に、2つの縁の平均プロファイルが互いに、特に少なくとも実質的に、平行に延びることと解されるべきである。縁の「平均プロファイル」とは、特に、縁のすべての部分に対してきわめて小さい二乗距離を有する想定線と解されるべきである。切断縁は、殊に帯状部材接続縁と少なくとも同じ、特に帯状部材接続縁よりも大きいセグメント角度にわたって延在する。殊に、帯状部材接続縁は、切断縁よりも少なくとも0.1cm、好ましくは0.2cm、特に好ましくは0.5cm、全く特に好ましくは少なくとも1cm小さい最大延在を有する。帯状部材接続縁が、切断縁よりも大きい最大延在を有することが考えられる。帯状部材接続縁が、切断縁よりも大きいセグメント角度にわたって延在することが考えられる。鋸工具の有利な長い切断縁を達成することができる。鋸引き過程における曲がった鋸工具への、特に曲がった拡散接合への力の作用の有利な向きを達成することができる。拡散接合に対して垂直方向の有利な力の作用分布を達成することができる。
【0022】
さらに、少なくとも1つの超硬合金帯状部材が少なくとも1つの帯状部材接続縁の向かい側に位置する少なくとも1つの切断縁を有し、少なくとも1つの切断縁が、少なくとも1つの帯状部材接続縁に対して少なくとも実質的に平行に形成されている一貫する曲がった形状を有し、少なくとも1つの帯状部材接続縁と少なくとも1つの切断縁とがそれぞれ、少なくとも15°のセグメント角度を有する円セグメントにわたって延在することが提案される。殊に、少なくとも1つの切断縁と少なくとも1つ帯状部材接続縁とは、少なくとも22°、好ましくは少なくとも25°、特に好ましくは少なくとも30°、全く特に好ましくは少なくとも45°のセグメント角度を有する円セグメントにわたって、特に少なくとも実質的に互いに平行に延在する。有利にも大きい、安定的に接続された負荷可能な鋸工具を達成することができる。特に、鋸引き過程による鋸工具の摩耗低減を達成することができる。
【0023】
さらに、少なくとも1つの支持体が、少なくとも1つの支持体を少なくとも1つの超硬合金帯状部材と接続するための少なくとも1つの支持体接続縁を有し、少なくとも1つの支持体接続縁が、少なくとも15°のセグメント角度を有する円セグメントにわたって延在する一貫する曲がった形状を有することが提案される。殊に、支持体接続縁は、帯状部材接続縁と同じセグメント角度を有する円セグメントにわたって延在する。
【0024】
殊に、支持体接続縁と帯状部材接続縁とは互いに平行に形成されている。殊に、帯状部材接続縁と支持体接続縁とは拡散接合を介して互いに接続されている。殊に、帯状部材接続縁と支持体接続縁とは相補的に、特に逆向きに、例えば波形の縁の場合、それぞれ互いに波山と波谷に形成されている。少なくとも1つの支持体接続縁が、少なくとも15°、好ましくは少なくとも20°、特に好ましくは少なくとも30°、全く特に好ましくは少なくとも45°のセグメント角度を有する円セグメントにわたって、特に帯状部材接続縁に対して平行に延在することが考えられる。少なくとも1つの支持体と少なくとも1つの超硬合金帯状部材との特に有利な接続、特に拡散接合を達成することができる。少なくとも1つの支持体を少なくとも1つの超硬合金帯状部材と接続するために帯状部材接続縁全体を利用できることが有利である。
【0025】
さらに、少なくとも1つの工作機械、特に振動駆動可能な多機能工作機械と、鋸工具とを備える工作機械システムが提案される。殊に、工作機械システムは、工作機械に電気エネルギーを供給するために企図されている少なくとも1つの充電ユニットを備える。「企図されている」とは、特に、特別に設定された、特別に設計された、および/または特別に装備されたと解されるべきである。物体が特定の機能のために企図されているとは、特に、物体が少なくとも1つの適用状態および/または動作状態でこの特定の機能を果たす、および/または実施することと解されるべきである。充電ユニットを、直接電力供給するためのケーブルとして形成することができる。工作機械は、工作機械のモータに電気エネルギーを供給するための蓄電ユニットを備えることができる。充電ユニットを、工作機械の蓄電ユニットのための充電ステーションまたは充電ケーブルとして形成することができる。有利にも正確に鋸工具に合わせて調整された工作機械システムを達成することができる。有利にも、鋸工具を使用するために工作機械の組み合わせを利用可能にでき、この組み合わせは、特に、エネルギー節約的および/または低摩耗の鋸引き過程のために鋸工具を駆動することができる電力を提供することができる。
【0026】
さらに、鋸工具を製造する方法が提案され、少なくとも1つの方法ステップにおいて、少なくとも1つの超硬合金帯状部材が少なくとも1つの支持体と接続される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、少なくとも1つの超硬合金帯状部材が熱供給下での継合プロセス、特に半田付け、および/または溶接によって少なくとも1つの支持体と接続される。殊に、少なくとも1つの超硬合金帯状部材が、少なくとも1つの方法ステップにおいて、帯状部材接続縁に沿って少なくとも1つの支持体の支持体接続縁と接続される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、帯状部材接続縁と支持体接続縁との間に拡散区分が形成される。少なくとも1つの方法ステップにおいて、拡散区分における、タングステン割合を、特に重量パーセントで、特に超硬合金帯状部材に対する重量パーセントに依存してコントロールできることが考えられる。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、少なくとも1つの超硬合金帯状部材と少なくとも1つの支持体との間に少なくとも100μm、好ましくは少なくとも200μm、特に好ましくは少なくとも300μm、および全く特に好ましくは少なくとも400μmの最小延在を有する拡散区分が形成される。
【0027】
殊に、特に少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が超硬合金帯状部材から支持体の方向に、低下する、特に超硬合金帯状部材からの距離が増加するにつれて対数的に低下するタングステン割合のプロファイルで形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して最大0.2mmの最大距離をおいて、19%の最大タングステン割合で形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して最大0.2mmの最大距離をおいて、少なくとも14%の最小タングステン割合で形成される。
【0028】
殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して0.2mm~0.35mmの最大距離をおいて少なくとも4%の最小タングステン割合で形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して0.2mm~0.35mmの距離をおいて最大8%の最大タングステン割合で形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して0.35mm~0.41mmの距離をおいて少なくとも1%の最小タングステン割合で形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して0.35m~0.41mmの距離をおいて最大4%の最大タングステン割合で形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して0.2mm~0.30mmの最大距離をおいて4%~15%のタングステン割合で形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して0.2mm~0.30mmの最大距離をおいて0.9%~2.5%のコバルト割合で形成される。
【0029】
殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、特に最大893HV0.5の最大硬さで形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、特に少なくとも427HV0.5の最小硬さで形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、超硬合金帯状部材から支持体の方向に上昇する、特にHV0.5で測定される硬さのプロファイルで形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、超硬合金帯状部材から支持体の方向に、硬さが少なくとも実質的に一定である少なくとも2つのプラトー領域を有する硬さの上昇プロファイルで形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して最大0.17mmの最大距離をおいて、少なくとも427HV0.5の最小硬さで形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して最大0.17mmの最大距離をおいて、最大441HV0.5の最大硬さで形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して少なくとも0.26mmおよび最大0.41mmの距離をおいて、少なくとも851HV0.5の最小硬さで形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して少なくとも0.26mmおよび最大0.41mmの距離をおいて最大893HV0.5の最大硬さで形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して少なくとも0.17mmおよび最大0.26mmの距離をおいて少なくとも427HV0.5の最小硬さで形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、帯状部材接続縁に対して少なくとも0.17mmおよび最大0.26mmの距離をおいて最大893HV0.5の最大硬さで形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、少なくとも0.17mmおよび最大0.26mmの距離をおいて、特にHV0.5で測定される硬さの上昇する、特に少なくとも実質的に直線的に上昇するプロファイルで形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲がった拡散区分が、0.2mmの距離をおいて、硬さが特に最大760HV0.5である0.23mmの距離におけるよりも小さい、特に最大600HV0.5の硬さで形成される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、超硬合金帯状部材がその外側縁、特に切断縁および帯状部材接続縁において、特にHV0.5で測定される同じ硬さで形成される。少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に切断縁と帯状部材接続縁との間の超硬合金帯状部材の最小延在が5mmよりも大きい場合に、超硬合金帯状部材がその外側縁、特に切断縁および帯状部材接続縁において、特にHV0.5で測定される様々な硬さで形成されることが考えられる。
【0030】
少なくとも1つの支持体と少なくとも1つの超硬合金帯状部材との間に有利にも大きい、特に曲がった拡散接合を達成することができる。
【0031】
これに加えて、少なくとも1つの方法ステップにおいて、拡散接合を達成するために、少なくとも1つの超硬合金帯状部材における空間的に不均一な合金粒子の欠乏化(Verarmung)が行われることが提案される。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、タングステンおよび/またはコバルトなどの合金粒子が、特に熱供給によって少なくとも1つの超硬合金帯状部材から拡散接合の拡散区分に運ばれる。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、鉄などの合金粒子が、特に熱供給によって少なくとも1つの支持体から拡散接合の拡散区分に運ばれる。殊に、少なくとも1つの方法ステップにおいて、タングステンおよび/またはコバルトなどの合金粒子が、特に熱供給によって、少なくとも1つの超硬合金帯状部材の帯状部材接続縁の方に向いた合金領域から拡散接合の拡散区分に運ばれる。殊に、合金領域は、最大で、帯状部材接続縁から切断縁の方向に、少なくとも1つの超硬合金帯状部材の最大70%、好ましくは最大50%、特に好ましくは最大30%、全く特に好ましくは最大20%を含む。殊に、合金領域は、少なくとも部分的に、特に切断縁に配置されている切断領域に比べて合金粒子、特にタングステンおよび/またはコバルトを欠乏化して形成されている。殊に、切断領域は、切断縁から帯状部材接続縁の方向に、少なくとも1つの超硬合金帯状部材の少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも70%、全く特に好ましくは少なくとも80%を含む。殊に、超硬合金帯状部材は、帯状部材接続縁から切断縁の方向に、タングステンおよび/またはコバルトなどの合金要素の上昇する割合を有する。切断縁と帯状部材接続縁との間の、特に垂直方向の超硬合金帯状部材の延在に関して、一方の側に有利にも安定した拡散接合と、反対側に有利にも堅牢な切断縁を有する、有利にも幅の狭い超硬合金帯状部材を達成することができる。
【0032】
この場合、本発明による鋸工具、本発明による工作機械システム、および/または本発明による鋸工具を製造する方法は、上記の適用および実施形態に限定されるべきでない。特に、本発明による鋸工具、本発明による工作機械システムおよび/または本発明による鋸工具を製造する方法は、本明細書中に記載された機能を果たすために、本明細書中に挙げられた数の個々の要素、部品、およびユニット、または方法ステップとは異なる数を有することができる。これに加えて、本開示に値の範囲が記載される場合、記載される限界値の範囲内の値も開示され、かつ任意に使用できるものとみなされるべきである。
【0033】
他の利点は、以下の図面の説明から明らかになる。本発明の2つの実施例が図面に示される。図面、明細書、および請求項は、多数の特徴の組み合わせを含む。当業者は、これらの特徴を目的に合わせて個別に考察し、統合して有意義な別の組み合わせとするだろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明による工作機械と鋸工具とを有する工作機械システムの模式図である。
図2】本発明による鋸工具の模式図である。
図3】本発明による鋸工具を製造する本発明による方法の模式図である。
図4】代替的な本発明による鋸工具の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1において、少なくとも1つの工作機械44aと少なくとも1つの鋸工具10aとを有する工作機械システム46aが示される。工作機械44aは、特に振動駆動可能な多機能工作機械によってなる。
【0036】
工作機械システム46aは、少なくとも1つの鋸工具10aを備える。鋸工具10aは、特に鋸刃として形成されている。鋸工具10aは、工作機械44a、特に振動駆動可能な多機能工作機械用に形成されている。
【0037】
図2は、少なくとも1つの、鉄を含む支持体12aと、少なくとも1つの、タングステンを含む超硬合金帯状部材14aとを有する鋸工具を示す。支持体12aは、例えば少なくとも部分的に鋼、カーバイド、鉄合金、または鉄含有セラミック金属から製作されている。超硬合金帯状部材14aは、例えば少なくとも部分的にカーバイド、タンクグステン含有および/またはコバルト含有セラミック金属、特にセラミック超硬合金、またはそれに類するものから製作されている。支持体12aは、機械インターフェース26aを有する。機械インターフェース26aは、支持体12aを通る複数の切欠き28aとして形成されている。切欠き28aは、支持体12aの主延在平面に対して垂直方向に支持体12aを通るそれぞれ1つの貫通部をなす。切欠き28aは、それぞれ同じ大きさに寸法設定された外輪郭を有する。切欠き28aは、中央切欠き30aの周りに対称に配置されている。中央切欠き30aは、少なくとも実質的に星形の外輪郭を有する。少なくとも1つの支持体12aは、少なくとも1つの支持体接続縁34aを有する。少なくとも1つの支持体接続縁34aは、一貫する曲がった形状を有する。支持体接続縁34aは、少なくとも15°のセグメント角度20aを有する円セグメントにわたって延在する。
【0038】
超硬合金帯状部材14aは帯状部材接続縁16aを有する。帯状部材接続縁16aは、特に円弧に沿って少なくとも実質的に曲げて形成されている。帯状部材接続縁16aは、少なくとも15°のセグメント角度20aにわたって延在する。図2は、帯状部材接続縁16aが円弧に沿って曲げて形成されていることを示す。帯状部材接続縁16aが楕円に沿って曲げて形成されていることが考えられ、円は、特に楕円の特殊ケースに相当する。材料インターフェース26aの中央切欠き30aの中心点32aが、例えば円および/または楕円の中心点32aをなし、特にこの円および/または楕円の周りに帯状部材接続縁16a、特に支持体接続縁34aが曲げて形成されている。特に、中央切欠き30aの中心点32aは点を有し、この点の周りに切欠き28aが点対称に配置されている。特に、中央切欠き30aの中心点32aは、帯状部材接続縁16a、特に支持体接続縁34aが延在するセグメント角度20aの先端を形成する。中心点32aは、特に駆動中心を形成し、ここから、特に鋸工具10aを工作機械44aによって駆動することができる。特に非対称に形成された機械インターフェース26aの場合、円および/または楕円の中心点32aが機械インターフェース26aの中心点から距離をおいて形成されている。
【0039】
少なくとも1つの超硬合金帯状部材14aは、少なくとも1つの切断縁24aを有する。切断縁24aは、少なくとも1つの帯状部材接続縁16aの向かい側に位置するように配置されている。切断縁24aには鋸歯40aが配置されている。切断縁24aは、少なくとも15°のセグメント角度20aを有する円セグメントにわたって延在する。少なくとも1つの切断縁24aは、少なくとも1つの帯状部材接続縁16aに対して少なくとも実質的に平行に形成されている一貫する曲がった形状を有する。少なくとも1つの帯状部材接続縁16aと少なくとも1つの切断縁24aは、それぞれ少なくとも15°のセグメント角度20aを有する円セグメントにわたって延在する。図2は、切断縁24aと帯状部材接続縁16aとが平均して少なくとも実質的に互いに平行に延びることを示す。帯状部材接続縁16aは、切断縁24aよりも小さい最大延在を有する。
【0040】
超硬合金帯状部材14aは、拡散接合により、帯状部材接続縁16aにおいて支持体12aと物質結合的に接続されている。少なくとも1つの支持体12aは、支持体接続縁34aで帯状部材接続縁16aにおいて少なくとも1つの超硬合金帯状部材14aと特に物質結合的に接続されている。拡散接合は拡散区分18aを有する。拡散区分18aは、超硬合金帯状部材14a、特に帯状部材接続縁16aと、支持体12a、特に支持体接続縁34aとの間に配置されている。拡散区分18aは、合金粒子の材料接続部として形成されている。拡散区分18aは、支持体12aおよび超硬合金帯状部材14aの材料結合部として形成されている。拡散区分18aは、支持体12aおよび超硬合金帯状部材14aとワンピース、特に一体に形成されている。拡散区分18aは、超硬合金帯状部材14aおよび支持体12aの部分、特に拡散粒子から、特に、超硬合金帯状部材14aの合金領域36aおよび支持体12aの支持体合金領域38aから部分的な粒子エロージョン(Partikelerosion)によって形成されている。合金領域36aは、帯状部材接続縁16aの方に向いた端で、超硬合金帯状部材14aの最大延在に沿って超硬合金帯状部材14aに配置されている。支持体合金領域38aは、支持体接続縁34aの方に向いた端で、支持体接続縁34aの最大延在に沿って支持体12aに配置されている。支持体合金領域38aは、超硬合金帯状部材14aの最大延在に対して垂直方向、および支持体12aの材料厚みに対して垂直方向に、超硬合金帯状部材14aの合金領域36aよりも小さい延在を有する。
【0041】
超硬合金帯状部材14aの合金領域36aは超硬合金帯状部材14aの部分領域を含み、この部分領域は、合金領域36aに隣接する超硬合金帯状部材14aの部分よりも少なくとも3%少ない合金粒子を有する。少なくとも1つの超硬合金帯状部材14aの合金領域36aにおいて、タングステンおよび/またはコバルトなどの合金粒子の、特に少なくとも3%の欠乏化が形成されている。合金領域36aにおける合金粒子の欠乏化が、少なくとも1つの超硬合金帯状部材14aへの熱供給によって、少なくとも1つの超硬合金帯状部材14aにおいて空間的に不均一な、特に下降勾配として形成されていることが考えられる。合金領域36aにおける合金粒子の欠乏化が、切断縁24aの周囲に配置されている超硬合金帯状部材14aの切断領域42aの方向に下降勾配として形成されていることが考えられる。切断領域42aがタングステンおよび/またはコバルトなどの合金粒子の欠乏化をせずに形成されていることが考えられる。
【0042】
拡散区分18aは、2つの終端縁22a、22a’を有する。終端縁22a、22a’は、帯状部材接続縁16aの最大延在の各端領域に配置されている。終端縁22a、22a’は、少なくとも実質的に同じ長さを有する。終端縁22a、22a’の長さが的確に形成され得ることが考えられる。終端縁22a、22a’の長さが、特に、超硬合金14aと支持体12aとの拡散接合を達成するために、特に空間的に均一な、ならびに/または特に空間的および/もしくは時間的に収束された入熱によって的確に形成され得ることが考えられる。終端縁22a、22a’が、特に入熱の精度に依存して異なった長さを有することが考えられる。終端縁22a、22a’が、半田付けプロセスおよび/または溶接プロセスで、非常に短い、時間的に収束された熱パルスによって少なくとも実質的に同じ長さに形成されていることが考えられる。終端縁22a、22a’が、空間的に収束された熱パルスによって、半田付けプロセスおよび/または溶接プロセスで、特にマイクロ半田付け工具および/またはマイクロ溶接工具によって少なくとも実質的に同じ長さに形成されていることも考えられる。終端縁22a、22a’が、入熱のために空間的に収束された光パルスによって少なくとも実質的に同じ長さに形成されていることも考えられる。終端縁22a、22a’が、超硬合金帯状部材14aおよび/または支持体12aへの時間的および/または空間的にコントロールされた熱供給により、少なくとも実質的に同じ長さに形成されている長さを有することが考えられる。
【0043】
拡散区分18aは、2つの主終端縁56a、56a’を有する。主終端縁56a、56a’は、帯状部材接続縁16aの最大延在に沿って配置されている。主終端縁56a、56a’は、少なくとも実質的に同じ長さ、特に帯状部材接続縁16aから支持体接続縁34aへの延在を有する。主終端縁56a、56a’の長さは、特に、帯状部材接続縁16aから支持体接続縁34aへの主終端縁56a、56a’の最大延在である。主終端縁56a、56a’の長さ、特に帯状部材接続縁16aから支持体接続縁34aへの延在が的確に形成され得ることが考えられる。主終端縁56a、56a’の長さが、特に、超硬合金帯状部材14aと支持体12aとの拡散接合を達成するために、特に空間的に均一な、ならびに/または特に空間的および/もしくは時間的に収束された入熱によって的確に形成され得ることが考えられる。主終端縁56a、56a’が、特に入熱の精度に依存して異なった長さを有することが考えられる。主終端縁56a、56a’が、半田付けプロセスおよび/または溶接プロセスで非常に短い、時間的に収束された熱パルスによって、少なくとも実質的に同じ長さに形成されていることが考えられる。主終端縁56a、56a’が、空間的に収束された熱パルスによって、特に半田付けプロセスおよび/または溶接プロセスでマイクロ半田付け工具および/またはマイクロ溶接工具によって少なくとも実質的に同じ長さに形成されていることも考えられる。主終端縁56a、56a’が、入熱のために空間的に収束された光パルスによって、少なくとも実質的に同じ長さに形成されていることも考えられる。主終端縁56a、56a’が、超硬合金帯状部材14aおよび/または支持体12aへの時間的および/または空間的にコントロールされた熱供給により少なくとも実質的に同じ長さに形成されている長さを有することが考えられる。
【0044】
超硬合金帯状部材14aが切断縁24aに、切断縁24に対して垂直方向に、帯状部材接続縁16aにおけるよりも大きい延在、特に厚みを有することが考えられる。超硬合金帯状部材14aが切断縁24aに、切断縁24aに対して垂直方向に、帯状部材接続縁16aにおけるよりも小さい、または同じ大きさの延在、特に厚みを有することも考えられる。
【0045】
超硬合金帯状部材14aが切断縁24aに、帯状部材接続縁16a、特に合金領域36aの剛性とは異なる剛性を有することが考えられる。超硬合金帯状部材14aが終端縁22a、22a’においてエロージョンされ(erodiert)、特に合金元素が欠乏化して形成されていることが考えられる。終端縁22a、22a’が、それぞれ他方の終端縁22a、22a’と、0.5cmを除いて同じ長さに形成されていることが考えられる。特に長いほうの終端縁22a、22a’における超硬合金帯状部材14aの合金領域36aの部分領域からは、合金領域36aの他の部分領域からよりも大きいタングステンの割合が拡散区分18aに拡散されていることが考えられる。超硬合金帯状部材14aが終端縁22a、22a’において完全にエロージョンされ、特に折り曲げて形成され、長いほうの終端縁22a、22a’に隣接することも考えられる。
【0046】
図3は、鋸工具10aを製造する方法を示す。少なくとも1つの方法ステップ、特に曲げステップ50aにおいて、超硬合金帯状部材14aが、特に機械的変形プロセスによって曲げて形成される。殊に、超硬合金帯状部材14aは、少なくとも1つの方法ステップ、特に1つの曲げステップ50aにおいて、その主延在全体にわたって、楕円に沿って、特に円に沿って曲げられ、特に少なくとも15°、好ましくは少なくとも20°、特に少なくとも45°のセグメント角度20aにわたって形成される。図2は、約100°のセグメント角度20aを示す。殊に、少なくとも1つの超硬合金帯状部材14aは、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に曲げステップ50aにおいて、唯一の曲げ加工プロセスでその主延在全体にわたって曲げて形成される。少なくとも1つの方法ステップ、特に少なくとも1つの曲げステップ50aにおいて、曲がりやすくするために、超硬合金帯状部材14aへの入熱が行われることが考えられる。超硬合金帯状部材14aが、少なくとも1つの方法ステップ、特に少なくとも1つの曲げステップ50aにおいて、時間的にずらして、特に超硬合金帯状部材14aがその主延在全体にわたって曲げて形成されるまで部分ごとに曲げて形成されることが考えられる。
【0047】
少なくとも1つの方法ステップ、特に接続ステップ52aにおいて、少なくとも1つの超硬合金帯状部材14aが少なくとも1つの支持体12aと接続される。少なくとも1つの方法ステップ、特に少なくとも1つの接続ステップ52aにおいて、少なくとも1つの超硬合金帯状部材14aが少なくとも1つの支持体12aと、例えば半田付けおよび/または溶接などの継合プロセスによって接続される。少なくとも1つの方法ステップ、特に少なくとも1つの接続ステップ52aにおいて、特に帯状接続縁16aからの拡散区分18aの距離に依存して、拡散区分18aにおけるタングステン割合を正確に、特に最大1%の精度偏差で達成するために、入熱がコントロールされる。少なくとも1つの方法ステップ、特に少なくとも1つの接続ステップ52aにおいて、拡散区分18aにおける特に重量パーセントのタングステン割合が、特に最大0.02mmの精度許容差で、特に超硬合金帯状部材14aからの拡散区分18aの距離に依存して的確にコントロールされる。少なくとも1つの方法ステップ、特に少なくとも1つの接続ステップ52aにおいて、拡散区分18aにおける特にHV0.5で測定される硬さが、特に拡散区分18aと超硬合金帯状部材14aとの距離に依存して、特に最大0.02mmの精度で的確にコントロールされる。少なくとも1つの方法ステップ、特に接続ステップ52aにおいて、拡散接合を達成するために、少なくとも1つの超硬合金帯状部材14aにおける合金粒子の空間的に不均一な欠乏が形成される。少なくとも1つの方法ステップ、特に接続ステップ52aにおいて、少なくとも1つの超硬合金帯状部材14aにおいて少なくとも1つの帯状部材接続縁16aの向かい側に配置されている切断縁領域が、合金粒子を少なくとも実質的に欠乏化せずに形成される。少なくとも1つの方法ステップ、特に少なくとも1つの接続ステップ52aにおいて、少なくとも1つの超硬合金帯状部材14aが、溶接プロセスによって少なくとも1つの支持体12aと、半田ワイヤ、殊にスズ成分を有する半田ワイヤなどの半田付け要素なしに接続されることが考えられる。
【0048】
少なくとも1つの方法ステップ、特に歯付けステップ(Zahnschritt)54aにおいて、例えば旋削プロセス、穿孔プロセス、打抜きプロセス、研削プロセス、および/またはフライスプロセスなどの変形加工プロセスによって、鋸歯40aが超硬合金帯状部材14aに設けられる。少なくとも1つの方法ステップ、特に歯付けステップ54aにおいて、鋸歯40aが超硬合金帯状部材14aの切断縁24aにおいて超硬合金帯状部材14aに設けられる。少なくとも1つの方法ステップ、特に歯付けステップ54aにおいて、鋸歯40aが、切断縁24aにおいて少なくとも15°、好ましくは少なくとも45°のセグメント角度20aにわたって設けられる。少なくとも1つの方法ステップ、特に歯付けステップ54aにおいて、少なくとも5個、特に少なくとも10個、殊に少なくとも14個、特に好ましくは少なくとも20個の鋸歯40aが超硬合金帯状部材14aに設けられる。
【0049】
少なくとも1つの方法ステップ、特に接続ステップ52aにおいて、特に拡散区分18aにおける6%~25%のタングステン割合を確保するために、超硬合金帯状部材14aの領域において超硬合金帯状部材14aの、特にHV0.5で測定される硬さ、特に剛性を低下させるべく入熱がコントロールされることが考えられる。
【0050】
図4において、本発明の別の実施例が示される。以下の説明および図面は、実質的に実施例間の違いに限定され、同じ名称の部品については、特に同じ参照符号を有する部品に関しては、基本的に他の実施例、特に図1および図2の図面および/または説明も参照されたい。実施例を区別するために、図1および図2の実施例の参照符号には文字aが後置されている。図の実施例では文字aが文字bに置き換えられる。
【0051】
において、鋸工具10bの別の実施例が示される。図は、特に、帯状部材接続縁16bが少なくとも実質的に波形に形成されていることを示す。支持体接続縁34bは、少なくとも実質的に波形に形成されている。帯状部材接続縁16および支持体接続縁34は、それぞれ平均プロファイル、特に二乗平均を有する。帯状部材接続縁16bと支持体接続縁34bとはぴったりと合い、特に互いに相補的に形成されている。特に、帯状部材接続縁16bの波山と支持体接続縁34bの波谷とは向かい合わせに配置されている。特に帯状部材接続縁16bの波谷と支持体接続縁34bの波山とは向かい合わせに配置されている。図は、切断縁24bと帯状部材接続縁16bとが平均して少なくとも実質的に互いに平行にのびることを示す。帯状部材接続縁16bおよび支持体接続縁34bの平均プロファイル、特に二乗平均は、少なくとも実質的に互いに平行に延びる。
【符号の説明】
【0052】
10a、10b 鋸工具
12a、12b 支持体
14a、14b 超硬合金帯状部材
16a、16b 帯状部材接続縁
18a、18b 拡散区分
20a、20b セグメント角度
22a、22a’ 終端縁
22b、22b’ 終端縁
24a、24b 切断縁
26a 機械インターフェース
28a 切欠き
30a 中央切欠き
32a 中心点
34a、34b 支持体接続縁
38a 支持体合金領域
40a、40b 鋸歯
42a 切断領域
44a、44b 工作機械
46a 工作機械システム
50a 曲げステップ
52a 接続ステップ
54a 歯付けステップ
56a、56a’ 主終端縁
56b、56b’ 主終端縁
図1
図2
図3
図4