(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】宝石用原石スクリーニングのための発光撮像
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20241010BHJP
G01N 21/87 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
G01N21/87
(21)【出願番号】P 2022576033
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 US2021034368
(87)【国際公開番号】W WO2021252195
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-02-24
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517340921
【氏名又は名称】ジェモロジカル インスティテュート オブ アメリカ インコーポレイテッド(ジーアイエー)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ツン-ハン
【審査官】横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-519516(JP,A)
【文献】国際公開第2020/025031(WO,A1)
【文献】中国実用新案第209342610(CN,U)
【文献】特表2018-511807(JP,A)
【文献】特表2020-504673(JP,A)
【文献】国際公開第2017/212238(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/62 - G01N 21/74
G01N 21/84 - G01N 21/958
G01N 33/00 - G01N 33/46
G02B 27/00 - G02B 30/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの宝石用原石の発光画像を取り込みおよび分析する方法であって、
第1の光源で第1セットの発光励起ビームパルスを生成するステップと、
第1のフィルタを通して第1のダイクロイックビームスプリッタおよび第2のダイクロイックビームスプリッタに前記第1セットの発光励起ビームパルスを向けるステップであって、
前記第1のダイクロイックビームスプリッタが、前記第1セットの発光励起ビームパルスの波長を反射し、前記サンプルの宝石用原石からの発光励起の波長を通過させるように構成され、
前記第2のダイクロイックビームスプリッタが、前記第1セットの発光励起ビームパルスの波長を通過させるように構成される、第1セットの発光励起ビームパルスを向けるステップと、
コンピュータプロセッサおよびメモリを有するカメラで、ステージ上の前記サンプルの宝石用原石から第1の励起発光画像を受信するステップであって、前記励起された第1の発光画像が、前記第1のダイクロイックビームスプリッタおよび前記第2のダイクロイックビームスプリッタを通過する、第1の励起発光画像を受信するステップと、
第2の光源で第2の発光励起ビームを生成するステップと、
第2のフィルタを通して前記第2のダイクロイックビームスプリッタに前記第2の発光励起ビームを向けるステップであって、
前記第2のダイクロイックビームスプリッタが、前記第2の発光励起ビームの波長を反射し、前記サンプルの宝石用原石からの発光励起の波長を通過させるようにさらに構成される、前記第2の発光励起ビームを向けるステップと、
コンピュータプロセッサおよびメモリを有するカメラで、ステージ上の前記サンプルの宝石用原石から第2の励起発光画像を受信するステップであって、
前記励起された第2の発光画像が、前記第2のダイクロイックビームスプリッタおよび前記第1のダイクロイックビームスプリッタを通過し、
前記第1の励起発光画像および前記第2の励起発光画像は、前記第1セットの発光励起ビームパルスをオフにした後に前記第1の励起発光画像を取り込
み、そして、前記第1の励起発光画像の取り込み後に前記第2の励起発光画像を取り込むように、固定トリガ遅延時間に応答して前記カメラによって取り込まれる、第2の励起発光画像を受信するステップと、
前記カメラコンピュータによって、前記サンプルの宝石用原石の前記受信された第1の発光画像および前記受信された第2の発光画像をデジタル化するステップと、
前記カメラコンピュータによって、前記サンプルの宝石用原石テーブルのデジタル化画像をコンピュータデータ記憶装置に送信するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の光源で前記第1の発光励起ビームを生成するステップが、前記第1の光源、第2の光源、およびカメラと通信するコンピュータによってトリガされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の光源および前記第2の光源が各々、長波長UV光、短波長UV光、または広帯域UV光のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記デジタル化画像が、白色光画像、および長波長UV光によって励起された蛍光のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記デジタル化画像が、2つの異なる短波長UV光によって励起された蛍光、およびUV光からの燐光のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
プロセッサおよびメモリを有するバックエンドコンピュータによって、前記サンプルの宝石用原石が天然ダイヤモンドであるか、合成ダイヤモンドであるか、またはダイヤモンドではないかを判定するために、前記記憶されたデジタル化画像を分析するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ダイクロイックビームスプリッタが、前記第1の光源の波長を反射し、400nmより長い波長を通過させるように構成される、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピュータによって、前記デジタル化画像に基づいて、異なる発光特徴の色、輝度、および減衰を定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記コンピュータが、前記デジタル化画像を使用して、色、輝度、および減衰に基づいて天然ダイヤモンドを合成ダイヤモンドおよびダイヤモンド類似石から区別する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
宝石用原石の分析のためのシステムであって、
2つの光源を有する光学レイアウトであって、前記光源が両方ともステージを照明するように構成され、
前記2つの光源が、異なる波長である、光学レイアウトと、
前記ステージ上で分析中の宝石用原石の発光特徴の画像を取り込むように構成された、前記光学レイアウト内のトップビューイングカメラであって、
前記カメラが、前記2つの光源のうちの第1の光源が向けられている第1のダイクロイックビームスプリッタ、および前記2つの光源のうちの第2の光源が向けられている第2のダイクロイックビームスプリッタを通って前記ステージを見るように構成された、トップビューイングカメラと、
前記2つの光源およびカメラと通信するコンピュータであって、前記カメラが、前記第1の光源をオンにトリガし、前記第1の光源をオフにトリガし、前記第1の光源がオフにトリガされた後に第1の画像を取り込み、そして、前記第1の画像の取り込み後に第2の画像を取り込み、前記第2の光源をオンにトリガし、前記第2の光源をオフにトリガし、前記第2の光源がオフにトリガされた後に第3の画像を取り込み、そして、前記第3の画像の取り込み後に第4の画像を取り込むように構成される、コンピュータと、を備える、システム。
【請求項11】
前記2つの光源が各々、紫外線(UV)発光ダイオード(LED)、レーザ、レーザ駆動光源LDLS、およびキセノンフラッシュランプのうちの少なくとも1つである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンピュータが、前記コンピュータの外部トリガ遅延、または前記カメラの内部トリガ遅延を使用して、前記光源が異なる遅延時間でオフになった後の分析中の宝石用原石の燐光発光特徴の画像を取り込むようにさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記画像が、白色光画像、および長波長UV光によって励起された蛍光のうちの1つである、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記画像が、2つの異なる短波長UV光によって励起された蛍光、およびUV光からの燐光のうちの1つである、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の光源および前記第2の光源が各々、長波長UV光、短波長UV光、または広帯域UV光のうちの1つである、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記コンピュータが、異なる発光特徴の色、輝度、および減衰を定義するように構成される前記画像に基づいてさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記コンピュータが、前記画像を使用して、色、輝度、および減衰に基づいて天然ダイヤモンドを合成ダイヤモンドおよびダイヤモンド類似石から区別するようにさらに構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第2のダイクロイックビームスプリッタ反射/透過カットオフ値が、前記第1のダイクロイックビームスプリッタ反射/透過カットオフ値よりも短い、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
宝石用原石を分析するための方法であって、
第1の光源によってステージ上の宝石用原石を照明するステップであって、第1の照明が、前記第1の光源から第2のダイクロイックビームスプリッタを通して前記ステージ上の前記宝石用原石に放射を反射するように構成される第1のダイクロイックビームスプリッタに向けられる、前記第1の光源によって前記ステージ上の前記宝石用原石を照明するステップと、
カメラによって、前記第1のダイクロイックビームスプリッタおよび前記第2のダイクロイックビームスプリッタを通して前記ステージ上の前記宝石用原石に向けられる第1の画像セットを受信するステップであって、前記第1の画像セットは、異なる照明積分時間で取り込まれ、且つ、前記第1の光源をオフにした後に前記第1の画像セットを取り込むように、第1の時間遅延を特定する第1のトリガに応答して前記カメラによって取り込まれる、受信するステップと、
第2の光源によってステージ上の前記宝石用原石を照明するステップであって、前記第2の光源が、前記第2の光源から前記ステージ上の前記宝石用原石に放射を反射するように構成される第2のダイクロイックビームスプリッタに向けられる、前記第2の光源によって前記ステージ上の前記宝石用原石を照明するステップと、
前記カメラによって、前記第1のダイクロイックビームスプリッタおよび前記第2のダイクロイックビームスプリッタを通して前記ステージ上の前記宝石用原石に向けられる第2の画像セットを受信するステップであって、前記第2の画像セットは、異なる照明積分時間で取り込まれ、且つ、前記第2の光源をオフにした後に前記第2の画像セットを取り込むように、第2の時間遅延を特定する第2のトリガに応答して前記カメラによって取り込まれる、受信するステップと、を含む、方法。
【請求項20】
前記第1の照明が、波長が365nmから400nmである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の光源がバンドパスフィルタを有する紫外線(UV)色発光ダイオード(LED)であり、前記第1の画像セットが、長波長UV光下の宝石用原石の蛍光応答の色および輝度を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の画像セットが、0.5msから200msの間の照明積分時間中に取り込まれる5枚の画像を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の光源が、フィルタを有するキセノンフラッシュランプであり、前記第2の画像セットが、短波長UV光下の宝石用原石の蛍光応答の色および輝度を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記フィルタが227nm以下の波長をフィルタリングする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の画像セットが、50msから500msの間の照明積分時間中に取り込まれる3枚の画像を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の光源が239nmフィルタを有するキセノンフラッシュランプであり、前記第2の画像セットが別のUV波長下の宝石用原石の蛍光応答の色および輝度を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の画像セットが、50ms、200ms、および500msの照明積分時間中に取り込まれる3枚の画像を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の光源によって、ステージ上の前記宝石用原石を照明するステップであって、前記第2の光源が、前記第2の光源から前記ステージ上の前記宝石用原石に放射を反射するように構成される第2のダイクロイックビームスプリッタに向けられる、前記第2の光源によって前記ステージ上の前記宝石用原石を照明するステップと、
前記カメラによって、前記第1のダイクロイックビームスプリッタおよび前記第2のダイクロイックビームスプリッタを通して前記ステージ上の前記宝石用原石に向けられる第3の画像セットを受信するステップと、をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記第2の光源がパルス広帯域キセノンフラッシュランプであり、前記第3の画像セットが、短波長UV光下で連続的に取り込まれる宝石用原石の燐光画像を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記カメラが、50msの測定値で画像を取り込むように構成される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年6月10日に出願された米国仮出願第63/037,497号に関連し、その優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
この分野は、ダイヤモンドまたは他の宝石用原石を分析するために様々な光源および画像取り込みを利用することを含む。
【背景技術】
【0003】
研究所製造ダイヤモンドおよびダイヤモンド類似石は、天然ダイヤモンドと比較して異なる発光特徴を有する場合がある。従来、宝石鑑定士は、紫外線発光する蛍光灯の下で目視によりこれらの特徴を評価していた。そのような観察は、発光特徴が通常は微弱であり、周囲の光に邪魔される、または圧倒されることがあるため、暗い環境を使用することを必要とする。残念ながら、ダイヤモンドをスクリーニングするために従来のプロトコルを使用することは、精度、再現性、および速度の面で制限があるために実用的ではない。人間の視覚は、サンプル間のわずかな違いを検出するのは得意であるが、色および輝度を定量化するのは苦手であるため、発光の色および輝度を正確に記録することは非常に困難である。観察後、暗い環境で確認された天然ダイヤモンドの微小サンプルを局在化し、標識することもまた非常に困難である場合がある。人間の作業者はまた、すべてのサンプルを確実に局在化させるためにプロセスを複数回繰り返さなければならない場合がある。これらの制限により、研究所製造ダイヤモンドおよびダイヤモンド類似石から天然ダイヤモンドを確実にスクリーニングするために発光特徴を使用する用途は限られる。
【0004】
したがって、宝石用原石の体系的で容易に再現可能な分析方法が必要とされている。宝石用原石の価値は、それが実際に宝石用原石であるか否か、どの宝石用原石であるか、およびそれが研究所製造のものか、又は天然のものかの分析に依存する場合がある。1つの単一の検査では、人間の分析者またはコンピュータがこれらの判定のすべてを行うことができない可能性があるため、最適かつ最も裏付けのある判定を行うには、検査のセットが必要な場合がある。現在の分析環境では、分析中の宝石用原石が天然か合成か、およびその組成を判定するために、一度に複数の宝石用原石について、ましてや多くの複数の検査を実行できる単一の構成やシステムは存在しない。さらに、ルースの宝石用原石および取り付けられた宝石用原石の両方を検査することは困難な場合がある。本明細書に記載のシステムおよび方法は、これらの欠点に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載のシステムおよび方法は、複数の光源を使用して1つまたは複数の宝石用原石を分析し、容易に再現可能な装置で宝石用原石を分析し、信頼性の高い結果を生成する方法を提供するために使用される可能性がある。
【0006】
本明細書に記載のサンプルの宝石用原石の発光画像を取り込みおよび分析するシステムおよび方法は、第1の光源で第1の発光励起ビームを生成することと、第1のフィルタを通して第1のダイクロイックビームスプリッタおよび第2のダイクロイックビームスプリッタに第1の発光励起ビームを向けることであって、いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第1のダイクロイックビームスプリッタは、第1の発光励起ビームの波長を反射し、サンプルの宝石用原石からの発光励起の波長を通過させるように構成され、いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第2のダイクロイックビームスプリッタは、第1の発光励起ビームの波長を通過させるように構成される、第1の発光励起ビームを向けることと、コンピュータプロセッサおよびメモリを有するカメラで、ステージ上のサンプルの宝石用原石から第1の励起発光画像を受信することであって、励起された第1の発光画像は第1のダイクロイックビームスプリッタおよび第2のダイクロイックビームスプリッタを通過する、第1の励起発光画像を受信することと、第2の光源で第2の励起ビームスプリッタを生成することと、第2のフィルタを通して第2のダイクロイックビームスプリッタに第2の発光励起ビームを向けることであって、いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第2のダイクロイックビームスプリッタは、第2の発光励起ビームの波長を反射し、サンプルの宝石用原石からの発光励起の波長を通過させるようにさらに構成される、第2の発光励起ビームを向けることと、コンピュータプロセッサおよびメモリを有するカメラで、ステージ上のサンプルの宝石用原石から第2の励起発光画像を受信することであって、励起された第2の発光画像は、第2のダイクロイックビームスプリッタおよび第1のダイクロイックビームスプリッタを通過する、第2の励起発光画像を受信することと、カメラコンピュータによって、サンプルの宝石用原石の受信された第1および第2の発光画像をデジタル化することと、カメラコンピュータによって、サンプルの宝石用原石テーブルのデジタル化画像をコンピュータデータストレージに送信することとを含む。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第1の光源で第1の発光励起ビームを生成することは、第1の光源、第2の光源、およびカメラと通信するコンピュータによってトリガされる。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第1の光源および第2の光源は各々、長波長UV光、短波長UV光、または広帯域UV光のうちの1つである。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、デジタル化画像は、白色光画像、および長波長UV光によって励起された蛍光のうちの1つである。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、デジタル化画像は、2つの異なる短波長UV光によって励起された蛍光、およびUV光からの燐光のうちの1つである。
【0007】
いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、システムおよび方法はまた、プロセッサおよびメモリを有するバックエンドコンピュータによって、サンプルの宝石用原石が天然ダイヤモンドであるか、合成ダイヤモンドであるか、またはダイヤモンドではないかを判定するために、記憶されたデジタル化画像を分析することを含んでもよい。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、ダイクロイックビームスプリッタは、第1の光源の波長を反射し、400nmよりも長い波長を通過させるように構成される。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、コンピュータによって、デジタル化画像に基づいて、異なる発光特徴の色、輝度、および減衰を定義する。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、コンピュータによって、デジタル化画像上で使用し、色、輝度、および減衰に基づいて天然ダイヤモンドを合成ダイヤモンドおよびダイヤモンド類似石から区別する。
【0008】
本明細書に記載の宝石用原石の分析のためのシステムおよび方法は、2つの光源を有する光学レイアウトを含んでもよく、光源は両方ともステージを照明するように構成され、いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、2つの光源は異なる波長であり、光学レイアウト内のトップビューイングカメラは、ステージ上で分析中の宝石用原石の発光特徴の画像を取り込むように構成され、いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、カメラは、第1の光源が向けられる第1のダイクロイックビームスプリッタ、および第2の光源が向けられる第2のダイクロイックビームスプリッタを通ってステージを見るように構成され、少なくとも2つの光源およびカメラはコンピュータと通信し、カメラは、所定の積分時間およびカメラゲインを使用してステージ上で分析中の宝石用原石の画像を取り込むように構成される。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、2つの異なる光源は、紫外線(UV)発光ダイオード(LED)、レーザ、レーザ駆動光源LDLS、およびキセノンフラッシュランプのうちの少なくとも1つである。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、コンピュータは、コンピュータの外部トリガ遅延、またはカメラの内部トリガ遅延を使用して、光源が異なる遅延時間でオフになった後の分析中の宝石用原石の燐光発光特徴の画像を取り込むようにさらに構成される。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、デジタル化画像は、白色光画像、および長波長UV光によって励起された蛍光のうちの1つである。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、デジタル化画像は、2つの異なる短波長UV光によって励起された蛍光、およびUV光からの燐光のうちの1つである。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第1の光源および第2の光源は各々、長波長UV光、短波長UV光、または広帯域UV光のうちの1つである。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、コンピュータは、異なる発光特徴の色、輝度、および減衰を定義するように構成されるデジタル化画像に基づいてさらに構成される。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、コンピュータは、デジタル化画像を使用して、色、輝度、および減衰に基づいて天然ダイヤモンドを合成ダイヤモンドおよびダイヤモンド類似石から区別するようにさらに構成される。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第2のダイクロイックビームスプリッタ反射/透過カットオフ値は、第1のダイクロイックビームスプリッタ反射/透過カットオフ値よりも短い。
【0009】
本明細書に記載の宝石用原石を分析するためのシステムおよび方法は、第1の光源によってステージ上の宝石用原石を照明することであって、第1の照明が、第1の光源から第2のダイクロイックビームスプリッタを通してステージ上の宝石用原石に放射を反射するように構成される第1のダイクロイックビームスプリッタに向けられる、第1の光源によってステージ上の宝石用原石を照明することと、カメラによって、第1のダイクロイックビームスプリッタおよび第2のダイクロイックビームスプリッタを通してステージ上の宝石用原石に向けられる第1の画像セットを受信することと、第2の光源によってステージ上の宝石用原石を照明することであって、第2の光源が、第2の光源からステージ上の宝石用原石に放射を反射するように構成される第2のダイクロイックビームスプリッタに向けられる、第2の光源によってステージ上の宝石用原石を照明することと、カメラによって、第1のダイクロイックビームスプリッタおよび第2のダイクロイックビームスプリッタを通してステージ上の宝石用原石に向けられる第2の画像セットを受信することとを含んでもよい。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第1の照明は波長が365nmから400nmである。波長385nm。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第1の光源は、バンドパスフィルタを有する紫外線(UV)色発光ダイオード(LED)であり、第1の画像セットは、長波長UV光下の宝石用原石の蛍光応答の色および輝度を含む。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第1の画像セットは、0.5から200msの間の照明積分時間中に取り込まれる3つの画像を含む。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第2の光源は、フィルタを有するキセノンフラッシュランプであり、第2の画像セットは、短波長UV光下の宝石用原石の蛍光応答の色および輝度を含む。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、フィルタは227nm未満の波長をフィルタリングする。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第2の画像セットは、50、200および500msの照明積分時間中に取り込まれる3つの画像を含む。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第2の光源は、239nmフィルタを有するキセノンフラッシュランプであり、第2の画像セットは、別のUV波長下の宝石用原石の蛍光応答の色および輝度を含む。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第2の画像セットは、50、200および500msの照明積分時間中に取り込まれる3つの画像を含む。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、システムおよび方法は、第2の光源によって、ステージ上の宝石用原石を照明することであって、第2の光源が、第2の光源からステージ上の宝石用原石に放射を反射するように構成される第2のダイクロイックビームスプリッタに向けられる、照明することと、カメラによって、第1のダイクロイックビームスプリッタおよび第2のダイクロイックビームスプリッタを通してステージ上の宝石用原石に向けられる第3の画像セットを受信することとを含む。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、第2の光源は、パルス広帯域キセノンフラッシュランプであり、第3の画像セットは、短波長UV光下で連続的に取り込まれる宝石用原石の燐光画像を含む。いくつかの例では、単独で、または組み合わせて、カメラは50msの測定値で画像を取り込む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本出願に記載された実施形態のより良い理解のために、以下の図面と併せて、以下の詳細な説明を参照するべきであり、図全体を通して同様の参照番号は対応する部分を指す。
【0011】
【
図1】本明細書に記載の特定の態様による例示的な分析システムを示す。
【0012】
【
図2】本明細書に記載の特定の態様による例示的なフロー図を示す。
【0013】
【
図3】本明細書に記載の特定の態様による例示的なタイミング図を示す。
【0014】
【
図4】本明細書に記載の特定の態様による複数の照明例を示す例である。
【0015】
【
図5】本明細書に記載の特定の態様による複数の照明例を示す別の例である。
【0016】
【
図6】本明細書に記載の特定の態様による別の例示的なフロー図を示す。
【0017】
【
図7】本明細書に記載の特定の態様による例示的なネットワークシステムを示す。
【0018】
【
図8】本明細書に記載の特定の態様による例示的なコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。以下の詳細な説明では、本明細書に提示される主題の十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかし、これらの具体的な詳細なしで主題を実施できることは、当業者には明らかであろう。さらに、本明細書に記載の特定の実施形態は、例として提供されており、特定の実施形態の範囲を限定するために使用されるべきではない。他の例では、本明細書の実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、周知のデータ構造、タイミングプロトコル、ソフトウェア動作、手順、および構成要素は詳細に説明されていない。
【0020】
概要
【0021】
いくつかの例では、宝石用原石が、それが作られていると主張される原料で作られているか、合成であり、研究所で製造されているか、および/または天然であり、土中から採掘されたものであるかを判定するために、複数の検査が必要とされる場合がある。例えば、天然に作られたダイヤモンドは、長波長UV蛍光波長を使用して84%、短波長UV蛍光波長に基づいて14%が検出されることがある。この分析後も、天然ダイヤモンドの約2%が適切に検出されない。
【0022】
本明細書に記載のシステムおよび方法は、テーブル、ホルダ、および/またはステージ上に配置されたダイヤモンドなどの多くの様々な宝石用原石の画像取り込みに使用してもよい。いくつかの例は、光源、レンズ、カメラ、フィルタ、および宝石用原石のステージのすべてを備えた単一の構成を利用して、光を生成することと向けることの両方を行い、異なる光源からの異なる光波長をダイクロイックビームスプリッタから宝石用原石に通過させ、同じダイクロイックビームスプリッタを通して分析のために反射画像を取り込むことによって、宝石用原石の画像を取り込む。複数のダイクロイックビームスプリッタ装置は、複数の光源を利用することを可能にし、同じカメラは、多くの異なるサンプルのためのカメラ機器の移動、変更、または調整を最小限に抑えながら複数の宝石用原石を見ることがある。さらに、ダイクロイックビームスプリッタ装置は、分析のための均一な照明環境を生成してもよい。
【0023】
様々な目的を達成するために、本明細書に記載の構成または同様のものを使用して様々な方法を使用してもよい。1つの例示的な方法は、ダイヤモンドなどの対象の宝石用原石をスクリーニングしてダイヤモンドが合成であるか否かを判定するために、本明細書に記載の構成を使用してもよい。別の例示的な方法は、本明細書に記載の設定を使用して、宝石用原石の取り込まれたデジタル化画素化画像を分析してもよい。そのような分析は、天然ダイヤモンドのダイヤモンド過成長を検出し、合成ダイヤモンドにそのような過成長がないことを検出するために使用されてもよい。そのような例では、蛍光画像の色を使用して過成長を検出してもよい。例えば、研究所で成長させたダイヤモンド層は、天然ダイヤモンドから青色ではなく赤色蛍光を生成する可能性がある。また、そのような層は、天然ダイヤモンド部分の成長パターンをブロックする可能性がある。デジタル化画像のそのような画素分析には、コンピュータアルゴリズムを使用してもよい。そのような解析はまた、保存された画像と新たに取り込まれる画像との間の比較分析を含んでもよい。上記の任意の組み合わせ、または本明細書に記載された任意の他の分析は、記載されるように単一のハードウェア装置に組み合わせてもよい。
【0024】
発光例
【0025】
本明細書に記載のシステムおよび方法は、撮像システムの視野内で宝石用原石のサンプルを最初に自動的に局在化し、その後異なる励起波長下でサンプルの蛍光および燐光の色および輝度を取り込みおよび分析するために使用されてもよい。システムは、異なる照明条件による発光特徴を組み合わせて、個々のサンプルの各々が天然ダイヤモンドであるか否かを判定してもよい。
【0026】
白色発光ダイオード(LED)などの白色可視光を使用して、サンプルの局在化のための画像を生成し、各サンプルの色分析の境界を識別してもよい。強い反射スペックルを回避し、宝石用原石のサンプルの輪郭をより良く表すために、光源とサンプルとの間に光拡散器を使用して、サンプルの周りに均一な照明を生成してもよい。いくつかの例では、浅い光入射角を使用して、カメラへの直接反射を低減してもよい。
【0027】
本明細書に記載の方法は、記載されているように、対応する発光特徴を収集するために、任意の数の励起波長の下で、例えば少なくとも3つの異なる励起波長下で宝石用原石のサンプルを別々に測定するために使用されてもよい。撮像システムは、励起中または励起後にこれらの発光特徴を検出してもよく、必要に応じて光およびカメラのタイミングを利用してもよい。
【0028】
蛍光は、露光を終了した直後に発光が停止することがある発光の一種である。蛍光を取り込むために、サンプルは光源によって照明されることがあり、その波長がサンプルの既知の吸収帯のうちの1つと重複する。蛍光は、励起後ナノ秒単位で減衰する短いタイムスケールの発光を有することがあるので、サンプルは、その蛍光信号をオーバーサーブするために絶えず照明される必要があることがある。励起光がカメラ検出器に入り、発光を圧倒するのを防ぐために、光学フィルタを使用して励起光を遮断し、および/または蛍光信号のみを検出器に入れることができる。
【0029】
燐光は、露光を終了した後でも発光が残存することがある別の種類の発光である。燐光を取り込むために、サンプルは最初に光によって照明されてもよく、カメラセンサは、励起光および蛍光信号から燐光を分離するために露光を終了した直後に発光の収集を開始する。燐光の1つの考慮事項は、信号分解の速度/比率である。この特徴を監視する1つの方法は、光源が完全にオフになった後に連続測定値を収集し、異なるフレーム間の輝度比を比較することである。
【0030】
各励起波長下で、積分時間、ゲインまたはカメラ遅延などの複数のカメラ設定を使用して、代表的な発光色を取り込むことができる。色情報は、色相、彩度、および/または明度に変換することができる。輝度は、色分析からの明度、カメラの積分時間、および/またはカメラ遅延の組み合わせによって計算することができる。色および輝度データは、発光特徴を分類するために分析することができる。
【0031】
ハードウェア構成例
【0032】
図1は、宝石用原石の発光信号を収集するために撮像レンズを有する色撮像カメラを使用して、
図2または本明細書に記載の方法を使用するために利用されてもよい機器の例示的なハードウェア構成100を示す。この例では、多くの複数の構成部品が1つの装置全体に含まれてもよい。この装置は、カメラ装置116、複数の光源装置102、162、118、宝石用原石のステージ108と、本明細書に記載の対応するフィルタおよびレンズとの両方を含んでもよい。これらのすべては、
図8に記載されているが
図1には示されていない構成部品などのコンピュータと通信する構成部品を有してもよい。このようにして、単一のシステムは、本明細書に記載されるような宝石用原石106を分析するのに有用であることがある様々な照明条件下で宝石用原石106をより効率的に取り込むために、本明細書に記載されるような画像取り込みおよび照明ならびに光タイミングおよび画像取り込みタイミングを調整し命令できるように収容してもよい。
【0033】
図1に示すように、発光ビーム120、164の焦点は、ステージ108内/上に配置された1つ以上の宝石用原石106である。作業者は、分析のためにホルダ内またはステージ108上に任意の数のサンプルの宝石用原石106を単に配置し、その後テーブルステージ108および/またはシステム100の残りの部分を移動させて、ステージ108上またはステージ108内に配置されてもよい宝石用原石106を見ることがある。いくつかの例では、ステージ108は、手動で制御されるか、またはコンピューティングシステムと通信する様々なモータのいずれかを使用して、三次元、X、Y、Z運動、および/または回転運動の能力を有する並進ステージである。
図1の装置は、多くの複数のサンプルの迅速かつ容易な分析を可能にし、そうでなければ各異なる石のサンプルの分析のために一度に1つずつ新しい宝石用原石106を装填しなければならない作業者のプロセスを大幅に単純化することができる。
【0034】
励起波長を誘導してサンプルを均一に誘導するために、システム例では2つのダイクロイックビームスプリッタ130、140が使用されている。本明細書に記載のシステムにおいてダイクロイックビームスプリッタを使用する1つの利点は、そのような装置が使用されない場合よりもシステム全体がよりコンパクトになることがある。ダイクロイックビームスプリッタの使用により、宝石用原石のステージ108への1つ以上の入射光ビーム120、164および宝石用原石のステージ108からの画像128が同じ構成部品130、140を通過することを可能にし、これにより、そのような装置が研究所の作業空間を占める空間の量を最小限に抑える。さらに、この装置は、広げられたシステムよりも容易にコンパクトなシステムを操作、運搬、操縦、および/または再配置することができる作業者による使用を容易にする。
【0035】
この例では、カメラ110および撮像レンズ112が配置されている。いくつかの例では、撮像レンズ112は、固定倍率撮像レンズ、(歪みを少なくするための)マクロレンズ、(長い作業距離のための)テレセントリックレンズ、(視野を変更するための)手動または電動の調整可能な倍率撮像レンズであってもよい。撮像レンズはまた、手動または(デジタル一眼レフカメラ(DSLR)のように)電動フォーカスを含んでもよい。
【0036】
いくつかの例では、フィルタ114は撮像レンズ112の前に配置される。いくつかの例では、フィルタ114は蛍光フィルタである。そのようなカメラ装置116は、本明細書に記載の他の配置された特徴を有する単一のハウジングまたは構造に収容されてもよい。いくつかの例では、このカメラ装置116は、焦点距離を調整するために調整可能であってもよく、固定されていてもよく、またはシステム100全体から取り外し可能であってもよい。いくつかの例では、カメラ装置116は、ステージ108のプラットフォーム、テーブル、ホルダ、または他の宝石用原石106の支持体を見るように配置されてもよい。いくつかの例では、LEDパネル118などの光源は、その上またはその中に配置されることがある宝石用原石106を照明するのを助けるために、ステージ108を囲み、部分的に囲み、近似し、その下に配置され、および/またはその近くに配置されてもよい。いくつかの例では、ステージ108は、ガラス、サファイア、石英、または光を通過させることができる他の原料で作られた透明カバー150を含んでもよい。
【0037】
いくつかの例では、ステージ108は、カメラ116の視野が設定される予め配置された領域を含んでもよい。ステージ108上のこの予め配置された領域に、分析用のサンプル106を配置されてもよく、それによってカメラ116の視野に含まれる。
【0038】
いくつかの例では、カメラ装置116は、視野がダイクロイックビームスプリッタ130を通って宝石用原石106ステージ108を含むように配置されてもよい。いくつかの例では、2つのダイクロイックビームスプリッタ130、140は、視野がダイクロイックビームスプリッタ130、140とその後のステージ108の両方を通ってカメラ装置116が配置されるように、並べて配置されてもよい。限定はしないが、1つ、2つ、3つ(不図示)、4つ(不図示)、5つ(不図示)、6つ(不図示)、またはそれ以上などの任意の数のダイクロイックビームスプリッタを同様に配置してもよい。そのような装置は、カメラ116が、本明細書に記載されるように、ステージ108に向かって異なる波長の光を反射することができる任意の数のダイクロイックビームスプリッタを通って、ステージ108上またはステージ108内に配置された任意の宝石用原石を見ることを可能にすることができる。
【0039】
ダイクロイックビームスプリッタ130、140を使用して、特定の光波長帯域を反射し、他の光波長帯域を通過させることを可能にする。そのような例では、ダイクロイックビームスプリッタは、同数の光源102、162からの光を反射するように配置されてもよい。そのような例では、それぞれの光源102、162からの光120、164が生成され、ビームはダイクロイックビームスプリッタ130、140から宝石用原石106ステージ108に向かって反射するように向けられてもよい。そのようにして、異なる光源からの光は、ステージ108に向かって反射され、それによってステージ108上の任意の宝石用原石106を励起してもよい。そのような例では、励起光は、撮像のために、2つのダイクロイックビームスプリッタ130、140を通ってカメラ116に戻ることができる。
【0040】
1つ以上のダイクロイックビームスプリッタ140、130は、異なる方向に偏光された光に対して異なる吸収係数を有することができ、他の光を反射しながら狭い波長範囲の光を選択的に通過させるために使用することができる。いくつかの例では、第1のスプリッタ130は、395nm未満の波長を反射し、400nmを超える波長を通過させる長波長UV光をサンプルに誘導することができる。いくつかの例では、第2のスプリッタ140は、短波長UV光をサンプルに誘導することができ、260nm未満の波長を反射し、270nmを超える波長を通過させる。そのような例では、平均反射比は約100:1であり得、これは励起を誘導し、発光信号をリレーするのに十分であり得る。いくつかの例では、この反射光は、波長が400から700nmである場合がある。宝石用原石106からの励起光は特定の波長(400nmから700nm)である場合があるため、元の深UVビーム120、164が反射したように反射する代わりに、1つ以上のダイクロイックビームスプリッタ140、130を通過することができる。
【0041】
いくつかの例では、ダイクロイックビームスプリッタ130、140は、300nm未満の波長を有する光を反射し、300nmを超える波長を有する光を通過させることができる。いくつかの例では、励起波長は10nmから400nmである。
【0042】
いくつかの例では、第1の光源102は紫外線(UV)発光ダイオード(LED)光源であってもよい。いくつかの例では、光源102によって生成され、ダイクロイックビームスプリッタ130に向けられる光の焦点を合わせるために、様々なフィルタおよびレンズが配置されてもよい。いくつかの例では、長波長UVフィルタ122は、第1のレンズ104および第2のレンズ107の後に配置されてもよい。いくつかの例では、単一のレンズ104を使用してもよい。いくつかの例では、別個のレンズを使用しなくてもよい。
【0043】
2つのダイクロイックビームスプリッタを使用する例では、2つのダイクロイックビームスプリッタ間の関係が調整されてもよい。このような例では、下側ダイクロイックビームスプリッタ140の反射/透過カットオフ値は、上側ダイクロイックビームスプリッタ130よりも短くてもよい。
【0044】
フィルタが指定される例では、下側ダイクロイックビームスプリッタ140のカットオフは350nmより短くてもよい。すなわち、350nmよりも短いものが反射され、350nmよりも長いものが通過する。いくつかの例では、325nmのカットオフを使用してもよい。そのような例では、第1の光源102のLEDは350nmから410nmの間であってもよい。いくつかの例では、385nmの光源を使用してもよい。
【0045】
この設計は、励起波長および発光信号の経路に平行であり、カメラ110と光源102、162との間の角度に起因する輝度偏差を無視することができる。
【0046】
光源フィルタ166を使用する例では、複数の異なるフィルタを使用してもよい。そのような例では、一方のフィルタは227nmのショートパスフィルタであり、他方のフィルタは239nmのバンドパスフィルタであってもよい。これらのフィルタまたは他のフィルタの任意の組み合わせを使用してもよい。いくつかの例では、227nmフィルタは、227nmよりも短く、通過帯域を除いて200から780を遮断する任意のショートパスフィルタまたはバンドパスフィルタに置き換えてもよい。いくつかの例では、239nmフィルタは、227から250の間の通過帯域と、通過帯域を除く200から780の遮断帯域とに置き換えてもよく、フィルタは通過帯域を有する。
【0047】
いくつかの例では、第2の光源162はキセノン(Xe)フラッシュランプであってもよい。いくつかの例では、第2の光源は、第2の光源162によって生成されたビーム164がダイクロイックビームスプリッタ140および宝石用原石106のステージ108に向けられ、通過するフィルタ166と共に配置されてもよい。いくつかの例では、レンズ163は、第2の光源162とフィルタ166との間に配置されてもよい。いくつかの例では、フィルタ166は、取り外し可能な短波長UVのものであってもよく、いくつかの例では、227nmのショートパスフィルタであってもよく、いくつかの例では、239nmのバンドパスフィルタであってもよく、いくつかの例では、フィルタを使用しなくてもよい。
【0048】
UV-LED光源、LED光源、キセノンフラッシュランプ、および350nmから410nmの波長を有するレーザは、利用され得る唯一の光源ではないことに留意されたい。UV-LEDおよびキセノンフラッシュランプの例は、単に非限定的な例である。他の種類の光源は、任意の数および任意の順序で、対応するダイクロイックビームスプリッタと共に配置されてもよい。いくつかの例では、光源102は、レーザ駆動光源(LDLS)である。いくつかの例では、光源102は重水素ランプであってもよい。いくつかの例では、光源102は、224.3nmのHeAgレーザであってもよい。いくつかの例では、LDLSまたはHeAgレーザは、第2の光源としてキセノンフラッシュランプ162を置き換えることができる。
【0049】
いくつかの例では、コンピュータシステムは照明システムと通信している。そのような例では、コンピュータは、光源102、162の通電、すなわちオンまたはオフのいずれかのタイミングを制御して、異なる時間に異なる組み合わせの光をステージ108に向け、それによってそこに配置されることがある宝石用原石106を照明/励起することがある。放射その後、カメラ116は、宝石用原石106によって発光された励起光128を取り込むことができ、宝石用原石は、2つのダイクロイックビームスプリッタ140、130を通ってカメラレンズ112および画像取り込みカメラ110に向かって戻る。
【0050】
どんなに多くの別個の光ビームが宝石用原石106のステージ108に向けられるとしても、それらは128を励起し、どんなに多くのダイクロイックビームスプリッタ140、130が配置され、フィルタ114を通るとしても、カメラレンズ112および画像取り込みカメラ110がある場合には、光ビームはフィルタ114を通って戻る。
【0051】
これにより、宝石用原石の反射ビーム128は、カメラ装置116へと続き、かつ/または任意選択のミラー(不図示)に到達し、その後カメラ構成116へ続くことが可能になる。カメラレンズ112は、より良い分析のために反射光128のビームスポットを狭めるのに役立つ場合がある。いくつかの例では、反射光128は、1つ以上のサンプル106から来る任意の光、例えば反射光、透過光、または発光光である場合がある。白色光の下では、128は反射光または透過光である場合がある。光源102または162の下では、光が反射、透過、および発光されるが、光源102および162からの反射光は、フィルタ114および/またはビームスプリッタによって遮断される。カメラ110は、光感度色カメラであってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、カメラ110のレンズ112の前に追加フィルタ114を配置してもよい。そのような例では、追加フィルタ114は、宝石用原石の蛍光画像のパターンまたは特徴のコントラストを強調することができる。追加フィルタ114は、ロングパスフィルタ、バンドパスフィルタ、ショートパスフィルタ、および偏光感受(偏光子と波長板との組み合わせ)フィルタの任意の1つまたは組み合わせであってもよい。
【0052】
任意の組み合わせおよび順列で、任意の数のフィルタ114、122、166をシステム100上に配置してもよい。いくつかの例では、フィルタ114、122、166は、深UV光のみを通過させる深UVフィルタ、いくつかの例では、偏光感受フィルタ、宝石用原石の画像のパターンまたは特徴のコントラストを高める偏光子と波長板の組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の種類のフィルタであってもよい。
【0053】
発光信号から反射励起信号をさらに分離するために、ロングパスフィルタ114を撮像カメラ110の前に配置して、410nmよりも長い波長のみを通過させ、その後撮像カメラ110によって収集してもよい。いくつかの例では、フィルタ114は、短波長UV蛍光測定中に光をフィルタリングし、燐光信号の輝度を増加させるために燐光測定中に除去される取り外し可能な短波長UVフィルタであってもよい。
【0054】
さらに、いくつかの例では、ステージ108を囲んでいるか、そうでなければステージの近くのLED光パネル118を利用して、宝石用原石106も照明してもよい。いくつかの例では、118は、400nmから700nmの波長をカバーすることがある白色光LEDであってもよい。白色光LEDの色温度は、2,800Kから6,500K、いくつかの例では5,000Kとすることができる。演色評価数(CRI)値は、80から98とすることができる。いくつかの例では、CRI>90の白色LEDを使用することができる。
【0055】
その後、このカメラ110は、本明細書に記載の分析のために、1つ以上の宝石用原石106の励起画像をデジタル的に受信および/または取り込んでもよい。そのようにして、カメラ撮像システム110は、光源102、162を自動的に制御し、励起下または励起後に画像を測定することによって、白色光画像、任意の長波長蛍光画像、任意の短波長蛍光画像、および/または燐光画像を連続的に収集/取り込みをしてもよい。代表的な色および輝度は、本明細書に記載の蛍光画像および燐光画像から計算することができる。これらの発光特徴を共に使用して、天然ダイヤモンドから合成ダイヤモンドおよびダイヤモンド類似石をスクリーニングすることができる。
【0056】
そのような画像は、本明細書に記載の宝石用原石の蛍光画像を表す色画素化データを含んでもよい。カメラ110は、例えば
図7および
図8に記載されるようなコンピュータ構成要素を含んでもよく、また、カメラ画像取り込みのタイミング、画素化デジタル画像の処理、宝石用原石のテーブルの画素化デジタル画像の保存、記憶、送信、および/または他の方法での分析もしくは操作のために、本明細書に記載の他のコンピュータ構成要素と通信してもよい。
【0057】
タイミング例
【0058】
図1の構成を使用して、宝石用原石の多くの様々な画像を、特定の所定の時間に多くの様々な照明条件下で取り込むことができる。いくつかの例では、これらの画像取り込みのタイミングおよび光の照明のタイミングは、様々なアルゴリズム、プログラム、および/または命令を使用してコンピュータシステムプログラムによって調整することができる。
図2および
図3は、照明および画像取り込みのタイミングを調整するためにシステムおよび関連するコンピュータによって使用されることがあるタイミングアルゴリズムの例を示す。
【0059】
例えば、いくつかの状況では、宝石用原石の分析は、サンプルの石を励起する指向性放射を利用してもよく、その結果、石は蛍光、燐光、または他の可視または識別可能な特性を示す。その励起は経時的に変化し得、励起放射の量および持続時間に依存する速度で減衰する場合がある。宝石用原石の分析は、その最高励起点またはその最高励起点に近いが指向性励起放射自体の画像ではない宝石用原石の取り込まれた画像に依存する場合があるため、励起照明およびカメラ画像取り込みの両方のタイミングが分析に影響を及ぼす場合がある。したがって、照明およびカメラ画像取り込みの両方のタイミングを決定し、分析のためにサンプルに適用してもよい。
【0060】
そのような一例では、UV光がサンプル石に適用され、励起されると石は発光を示し始める。UV励起光がオンの石の分析は分析を変更する場合があるため、UV励起光はカメラ画像に取り込まれることを意味しない。また、UV励起光がオフにされると、石は蛍光を放射することがあるが、その蛍光発光は燐光として経時的に減衰し始める。したがって、異なる分析例では、画像取り込みは、UV励起光を直接取り込まないが、UV励起光がオフになった後に減衰し始めるほど高い点で蛍光を示す石を取り込みするようにタイミングを調整することができる。また、そのような例で使用される様々なカメラ撮像機器は、トリガされてから画像取り込みまでの間にそれら自体の遅延時間を有することができる。励起照明および画像取り込みのこのタイミングおよび位置合わせについては、以下でより詳細に説明する。
【0061】
いくつかの例では、センサを飽和させる低SN比信号または強い信号を回避するために、特定の信号範囲内の一連の測定値から代表的な色および輝度を選択してもよい。信号が低すぎても強すぎても、色値がずれる可能性がある。色分析における明度とカメラからの赤、緑、および青の生の画素値の組み合わせを使用して、代表的な色を選択してもよい。発光色は、明らかなほこりおよび不均一な色要素をフィルタリングした後、各サンプルの色データを平均化することによって計算してもよい。
【0062】
発光測定のための第1の励起波長は、長波長UV範囲、場合により365nmから400nm、いくつかの例では385nmであってもよい。光源は、バンドパスフィルタを使用して可視光成分を遮断し、レンズを使用してビームスポットを制御する紫外線(UV)色LEDであってもよい。カメラは、微弱から非常に強い発光信号で宝石用原石をカバーするために、UV光露光中に異なる積分時間設定でいくつかの画像を取り込むために使用されてもよい。例えば、0.5、2、10、50、および200msなどの5つの異なる積分時間を使用してもよい。いくつかの例では、0.5msから200msの範囲の積分時間を使用してもよい。画像の色および輝度は、長波長UV光下での宝石用原石の蛍光応答を表してもよい。
【0063】
第2の励起波長は、200nmから230nmの短波長UV範囲であってもよい。光源は、バンドパスフィルタまたはショートパスフィルタによってフィルタリングされたキセノンフラッシュランプであってもよく、場合により227nm未満であってもよい。カメラは、微弱から非常に強い発光信号で宝石用原石をカバーするために、UV光露光中に異なる積分時間設定でいくつかの画像を取り込むために使用されてもよい。例えば、50、200msおよび500msなどの3つの異なる積分時間を使用することができる。いくつかの例では、50から500msの積分時間を使用してもよい。画像の色および輝度は、短波長UV光下での宝石用原石の蛍光応答を表してもよい。
【0064】
任意選択の励起波長の1つは、230nmから250nmの短波長UV範囲である。光源は、場合により239nmのバンドパスフィルタによってフィルタリングされたキセノンフラッシュランプであってもよい。カメラは、微弱から非常に強い発光信号で宝石用原石をカバーするために、UV光露光中に異なる積分時間設定でいくつかの画像を取り込むために使用されてもよい。例えば、50、200msおよび500msなどの3つの異なる積分時間を使用することができる。いくつかの例では、画像からの色および輝度は、別の短波長UV光下での宝石用原石の蛍光応答を表す。
【0065】
最後の励起波長は、例えば200nmから250nmの波長を有する短波長UV成分を含むパルス広帯域光であってもよい。光源は、キセノンフラッシュランプまたは他の光源であってもよい。電気トリガ信号発生器を使用して、光源がサンプルを励起している距離およびカメラが燐光画像を連続的に取り込み始める時間を正確に制御することができる。いくつかの例では、このトリガ信号は、コンピュータ化されたプログラムから来てもよい。光源の長さは、高温高圧処理CVDの研究所製造ダイヤモンドからの燐光を最大化し、高温高圧(HPHT)の研究所製造ダイヤモンドからの燐光を最小化するように選択してもよい。光源が完全にオフになった後、またはカメラによって検出できなくなった後、カメラに固定トリガ遅延時間を適用して連続的な測定を開始することができる。各連続測定は、同じ積分時間およびゲイン設定を有することができる。非限定的な一例では、積分時間は50msであってもよく、測定数は3、4、または5であってもよい。適切な色は、信号範囲要件を満たす連続画像のうちの1つから計算することができる。画像の色および輝度は、燐光応答を表すことができる。最後に、異なる燐光画像間の輝度の比は、燐光信号の応答時間を表すことができる。
【0066】
図2は、本明細書に記載のシステムおよび方法が様々な照明条件下で、および様々な照明源による励起後に分析のために宝石用原石の画像をどのように取り込むことができるかの例を説明する例示的なフローチャートを示す。
【0067】
図2に見られるように、光源およびカメラは、宝石用原石の分析のための特定の光環境を提供するために光設定が予め決定され、かつ/または宝石用原石の励起を取り込むことができる特定の時間にカメラが画像を取り込むように同期させることができる。この例では、白色光は400nmから700nmの波長を有する光であり得、長波長UV-LED光は350nmから410nmであってもよく、キセノン光は200nmから900nmであってもよい。いくつかの例では、フィルタは、227nm未満、またはそれを超える波長の光をフィルタリングすることができる。いくつかの例では、異なる光源が本明細書または他の方法で任意の組み合わせで使用されてもよく、キセノン、LEDおよび白色LEDの例は単なる例であり、限定することを意図するものではない。
【0068】
この例では、最初に、光源はすべての光202をオフにし、カメラは暗い背景212を取り込む。
【0069】
次に、光源が白色LEDライトをオンにし220、カメラが白色光画像を取り込む222。
【0070】
次に、光源は、短透過385nmLED光をオンにし230、カメラは、異なる積分時間で長波長UV蛍光画像を取り込む232。
【0071】
次に、光源は、227nmフィルタを有するキセノンフラッシュランプをオンにし240、カメラは異なる積分時間で短波長UV蛍光画像を取り込む(242)。
【0072】
次に、光源は、239nmフィルタを有するキセノンフラッシュランプをオンにし243、カメラは異なる積分時間で短波長UV蛍光画像を取り込む(244)。
【0073】
次に、光源は、フィルタなしのキセノンフラッシュランプをオンにする250。
【0074】
図3はコンピューティングシステム、照明システム、およびカメラシステムの間の通信として示されたバイナリデジタル信号に関する別の例示的なタイミング図である。キセノンフラッシュランプなどの発光体の応答時間のために、光源によって励起された後にサンプルの宝石用原石が燐光を示しているときなど、所定の条件でカメラで画像を取り込むために、コンピュータ化されたタイミングが、光のオン/オフおよびカメラの取り込み・継続の両方のためにシステムにプログラムされてもよい。いくつかの例では、照明源がオンである間にサンプルの宝石用原石の画像を取り込むことは有用ではなく、むしろ光源自体を取り込むのではなく、燐光発光を表示する宝石用原石の励起のために、光源がオフになっている時間に近い場合がある。そして、そのような燐光は経時的に減衰することがあるため、画像取り込みは、具体的に決定された分析のためにタイミングを調整することがある。いくつかの例では、10ms(0.01秒)毎にトリガが設定され、ランプが完全に通電および/または非通電になる、および/または完全通電状態から完全非通電状態に減衰するのに20.6μsかかる。この遅延時間のために、様々なトリガおよび待機時間をシステムにプログラムして、分析に必要な画像を取り込んでもよい。
【0075】
1つのタイミング例304から開始すると、トリガ1は、光源306がオンになるためのコンピュータシステムからのトリガ信号である。トリガ1が高くなると322、光源306はパルスをオンにする320。その後、光源は、光源トリガ304が高い限り322、パルスする324、326、328。タイミング例は、燐光測定(
図2、250および260)でのみ使用されてもよい。他の蛍光および白色光の測定は、光が点灯している間に画像を取り込む。
【0076】
いくつかの例では、光源は約500ミリ秒(ms)の間オンである。いくつかの例では、間隔は約50パルスである。いくつかの例では、光源は10から10,000msにわたって通電される。
【0077】
励起光がオフであるが石の減衰が依然として高いかまたは可能な限り高い状態で、カメラが正しい条件で画像を取り込むために、画像取り込みのタイミングは、図示のように光源の起動および停止と位置合わせしてもよい。
【0078】
したがって、トリガ1が発生すると、コンピュータシステムから光源に送信されるトリガ1は、光源をオフにするために高から低に進み330、最後の光源パルスが発生し328、いくつかの例では、第2のトリガ信号340が送信される前に約130μsの待機時間が発生し332、コンピュータシステムからカメラへのトリガ308は高になる340。いくつかの例では、待機時間は130μsになるようにプログラムされてもよい。いくつかの例では、待機時間は、0μsから1000μsの間になるようにプログラムされてもよい。カメラ310が第2のトリガ308信号が高になること340に応答する応答時間342は、約数μs(344)である。カメラ310はオンになると、複数の連続した50msの測定値で画像350を取り込む。いくつかの例では、カメラ310は、50msの測定値で画像350を取り込む。いくつかの例では、カメラ310は、1~1000msの測定値で画像350を取り込む。その後、これらの取り込まれた燐光画像は、本明細書に記載の分析方法ステップで使用される。
【0079】
ハードウェア較正例
【0080】
いくつかの例では、本明細書に開示されるハードウェアを較正することが有用である場合がある。そのような例では、
図1の光源102および162のすべてを使用して、撮像システム116によって提供される視野以上のビームスポットを生成してもよい。ビームスポットは、レンズ104、107または光源102、162の位置を宝石用原石のサンプル106に近づけたり遠ざけたりすること(サンプルに対する相対距離)によって調整することができる。視野が撮像システムよりも小さい場合、全視野の一部のみが使用されてもよい。撮像システムは、サンプル106に焦点を合わせる必要がある場合もあれば、サンプル画像が適度に鮮明である必要がある場合もある。サンプルの焦点が合っていない場合、システムは、ステージの鉛直(Z)位置を調整してもよい。既知の発光特徴を有するサンプルを使用して、
図3の332で説明したように、積分時間、カメラゲイン、および初期トリガ遅延を含むカメラ設定を較正する。
【0081】
分析ステップの例
【0082】
本明細書のシステムおよび方法を使用して、説明したように画像が取り込まれると、それらの分析を行って、R、G、Bから色相、彩度および本明細書に記載の分析ステップを使用して色分析のための値への変換を含むことがある宝石用原石の色を決定してもよい。いくつかの例では、カメラによって取り込まれる、異なる励起特性を示す異なる照明条件下での宝石用原石の画素化画像は、色相、彩度、および/または明度の分析を含む、色判定および/またはそれによって宝石用原石が天然であるか否かの判定を行うための分析をされてもよい。
【0083】
例えば、各画像画素の赤(R)、緑(G)、青(B)の値を色相(0から360°のスケール)、飽和(0から100%のスケール)、および「HSL」とも呼ばれる明度(0から100%のスケール)に変換することができる。いくつかの例では、検出器の飽和は、255のR、G、Bであり、これは回避されるべきである。
【0084】
いくつかの例では、画素が255カウントを超える信号を受信すると、その最大値に達する。そのようにして、より多くの信号を受信しても読み取り値は増加しない。このような飽和状況は、誤った色(色相、彩度および明度)を生成する場合がある。
【0085】
燐光画像取り込みの場合、いくつかの例では、適切な積分時間/カメラ遅延を有する画像の選択を利用してもよい。いくつかの例では、明度画像の閾値を設定することができ、その所定の閾値を下回る任意の画像は信号なしと見なされ、分析に利用されない。いくつかの例では、燐光および/または蛍光のHSL値を利用してもよい。いくつかの例では、HSL値および対応する積分時間/カメラ遅延に基づく分析を使用して、宝石用原石をスクリーニングし、それらが天然であるか天然ではない、および/またはそれらの色を判定することができる。
図4は、例えば、402はH:39.7、S:58.6、L:6.85、時間0.5msである、図示した4つのサンプルの右上のサンプル450から取られた異なるHSL値を有する石を同じグループにした例を示す。例えば、404はH:37.8の404;S:53.4;L:22.3、時間:2msである。例えば、406はL>50の閾値を有し、例えば、408は、H:50.8、S:97.9、L:69.5、時間:10msである。例えば、410はH:0、S:0、L:100、時間:50msである。例えば、412はH:0、S:0、L:100、時間:200msである。この分析を使用して、L閾値を選択してもよい。いくつかの例では、L閾値406の選択を支援するために、サンプル中の石のうちの1つを優先させるか、または分析することができる。
【0086】
例えば、画像のすべてが本明細書に記載のシステムおよび方法によって取り込まれた後、画像は、それらを天然の宝石用原石として通過させるか、または天然の宝石用原石ではない可能性があるとしてより多くの検査のためにそれらを参照するために、特定のシーケンスで分析されてもよい。画素化デジタル化画像の画像分析は、合格/不合格基準の例としてなることがある所定の例および/または閾値との比較として行うことができる。
【0087】
以下は、分析のために本明細書のシステムおよび方法で使用することができる1つの例示的なプロトコルである。そのような例では、高圧高温(HPHT)処理化学気相成長(CVD)合成ダイヤモンドは、強く急速に分解する燐光信号を有してもよい。燐光画像の第1のフレームは、中間レベルの「明度」値を有してもよい。燐光信号は急速に分解する場合があり、第4のフレームおよび第5のフレームでは検出不可能である場合がある。この種類のサンプルは、黄緑色に近い色を有し、その色相値は約100である。
【0088】
CVD合成ダイヤモンドは、検出可能で急速に分解する燐光信号を示すことができる。信号は、第1のフレームでは弱く、他のフレームでは検出不可能である場合がある。この種類のサンプルは橙赤色に近い色を有し、その色相値は約0である。
【0089】
ガラスダイヤモンド類似石は、2つの種類の燐光信号を示すことができる。第1の種類は、非常に強いが急速に分解する燐光信号を有する場合がある。燐光画像の第1のフレームは、非常に高い「明度」値を有する場合があるが、他のフレームでは検出不可能となる場合がある。この種類のサンプルは、エアロブルーに近い色を有する場合があり、その色相値は150に近い。他の種類のガラス燐光特徴は、CVD合成ダイヤモンドと同様である。
【0090】
図5は、本明細書に記載の燐光画像取り込みの一例を示し、疑わしい燐光結果を参照する必要がある場合がある例を示す。この例では、HPHT合成ダイヤモンドが示されている。HPHT合成ダイヤモンドは、非常に強くゆっくりと分解する燐光信号を有する。燐光画像の第1のフレームは、通常、非常に高い「明度」値を有する。長時間持続する燐光信号が適用されてもよく、結果は、最初の燐光画像502では高い明度であり、次の504では少し低く、次の506では少し低く、次の508では少し低い。第5のフレーム燐光画像510でさえ、適度に高い「明度」値を有することができる。この種類のサンプルはアクアブルーに近い色を有し、その色相値は180に近い。疑わしい短波長UV励起蛍光特徴を有するサンプルは、さらなる検査のために参照されるべきである。
【0091】
HPHT処理CVD合成ダイヤモンドは、短波長UV下で中程度の輝度の緑色蛍光信号を有することがある。この色相値は約100である。CVD合成ダイヤモンドは、短波長UV下で中程度の輝度のオレンジ色の蛍光信号を有することある。この色相値は約30である。キュービックジルコニア(CZ)は、短波長UV下で弱い輝度の青色蛍光信号を有することがある。この信号は、227nm励起下よりも239nm励起下で強くなることがある。この色相値は約210である場合がある
【0092】
第3に、天然ダイヤモンドの長波長または短波長のUV励起蛍光特徴を有するサンプルは、天然ダイヤモンドとして合格することができる。天然ダイヤモンドは、色相値が220に近く、「彩度」値が35を超える青色蛍光を示すことができる。いくつかの天然ダイヤモンドは、35から325の間の色相値を有する強い黄色または白色の蛍光を示すことがある。必要な積分時間は、通常50ms以下である。いくつかの天然ダイヤモンドは、長波長UV下では非常に弱いまたは色のない蛍光を示すが、短波長UV励起下では検出可能な青色蛍光を示すことがある。この色相値は、190と230との間、飽和は30を超えてもよい。いくつかの例では、上記の群の1つによって分類することができないサンプルは、さらなる検査のために参照されるべきである。
【0093】
特定の種類のサンプルをより良く識別するために、追加の励起波長を追加することができる。例えば、キュービックジルコニアは、227nm励起下よりも240nm励起下でより強い特徴的な蛍光を示すが、弱い短波長UV蛍光を有するダイヤモンドはこの波長に対して不活性であり、蛍光を示さないことがある。
【0094】
撮像システムの処理装置は、各宝石用原石のサンプルの位置を自動的に局在化することによって結果を要約し、サンプルが天然ダイヤモンドであるか、高度な試験のために参照されるべきかを決定することができる。サンプルの局在化は、白色光画像内の関心のある領域を選択またはクロッピングすることによって、使用者によって達成することもできる。最終結果は、カメラシステムと通信するコンピュータによって分析されてもよく、画面に表示されてもよい。
【0095】
図6は、天然か否かの判定を行うための1つのそのような例示的な方法ステップセットを示す例示的なフローチャートを示す。方法ステップを示すフローチャートでは、最初に602(燐光分析:(異なる遅延時間の信号の比を使用することによって)疑わしい色および信号減衰速度の検出)を実行して、それが失敗した場合、604(さらなる分析について参照)を実行する。サンプルは、HPHT、CVD、ガラス、または他のサンプルであってもよい。合格した場合、次のステップ606(短波長UV蛍光分析:疑わしい色および輝度の検出)に進む。失敗した場合、608(さらなる分析について参照)を実行する。サンプルは、HPHT、CVD、ガラス、CZ、または他のサンプルであってもよい。合格した場合、次のステップ610(長波長UV蛍光分析:疑わしい色および輝度の検出)に進む。失敗した場合、612(さらなる分析について参照)を実行する。サンプルは、CVDまたは他のサンプルであってもよい。合格した場合、次のステップ614(長波長および短波長UV蛍光分析:天然ダイヤモンドの色および輝度の検出)に進む。失敗した場合、616(さらなる分析について参照)を実行する。合格した場合、次のステップ618(検査対象は天然ダイヤモンドである)に進む。
【0096】
ネットワーク例
【0097】
ここで利用することができるネットワーク化されたコンピューティング装置の一例を
図7に示す。
図7において、カメラからの画像を処理するために使用されるコンピュータ702(
図1の142)は、取り込まれた画像の画素データを含むデータを生成することができる。コンピュータ702は、カメラ自体、光源自体、および/またはカメラおよび/またはライトコンピュータ構成要素、およびいくつかの例では、ステージモータおよび/またはカメラレンズモータと通信する別のコンピュータ装置に含まれるものなど、単独で、または組み合わせて、任意の数の種類のコンピュータであり得るが、ラップトップ、デスクトップ、タブレット、ファブレット、スマートフォン、またはデジタル化データを処理および送信するために使用される、これらに限定されない任意の他の種類の装置を含み得る。そのようなコンピュータ702を使用して、本明細書に記載のカメラ780および/または光発生装置790を制御してもよい。コンピュータ702、追加または代替の例は、
図8に記載されている。
【0098】
図7に戻ると、システムの任意の態様のコンピュータリソースは、ネットワーク720を介してネットワーク化または分散化された形式で存在してもよい。さらに、どのコンピュータ702からの画素化画像について取り込まれたデータも、保存および分析のためにバックエンドコンピュータ730および関連するデータストレージ732に送信してもよい。いくつかの例では、この送信は、関連するルータおよびハブを用いたセルラまたはWiFi送信による無線710であってもよい。いくつかの例では、この送信は有線接続712を介してもよい。いくつかの例では、この送信は、インターネット720などのネットワークを介してバックエンドサーバコンピュータ730および関連するデータストレージ732に送信されてもよい。バックエンドサーバコンピュータ730および関連データ記憶装置732では、画素化画像データを記憶し、分析し、マッチングのために以前に記憶された画像データと比較し、または任意の他の種類の画像データ分析をしてもよい。いくつかの例では、画像データの記憶、分析、および/または処理は、元の画像取り込みに関与するコンピュータ702で達成することができる。いくつかの例では、データの記憶、分析、および/または処理は、ローカルコンピュータ702とバックエンドコンピューティングシステム730との間で分割されてもよい。ネットワーク化されたコンピュータリソース730は、そうでなければローカルコンピュータ702において利用可能であり得るよりも多くのデータ処理能力が利用されることを可能にする可能性がある。そのようにして、画像データの処理および/または記憶は、ネットワーク上で利用可能なリソースを計算するためにオフロードされてもよい。いくつかの例では、ネットワーク化されたコンピュータリソース730は、クラウドインフラストラクチャ内の仮想マシンであってもよい。いくつかの例では、ネットワーク化されたコンピュータリソース730は、クラウドインフラストラクチャによって多くの複数のコンピュータリソースにわたって分散されてもよい。単一のコンピュータサーバ730の例は、限定することを意図するものではなく、本明細書に記載のシステムおよび方法によって利用されることがある計算リソースの一例にすぎない。
【0099】
例示的なコンピュータ装置
【0100】
説明したように、任意の数のコンピューティング装置を、本明細書に記載のシステムの様々な構成部品に配置または接続することができる。例えば、カメラシステムは、それら自体のコンピューティングシステムを含むことができ、照明システムは、それら自体のコンピューティングシステムを含むことができ、カメラ画像からのデータは、コンピューティングシステムを使用して収集、記憶、および分析することができる。そのようなシステムは、本明細書および
図7に記載されたシステムとローカル接続かつ直接接続されてもよい。いくつかの例では、コンピューティングリソースのいくつかは、本明細書に記載の光学システムと必ずしも同じ場所に配置されないように、ネットワーク化されてもよく、またはネットワークを介して通信してもよい。いずれの場合でも、ここで使用されるコンピューティングシステムのいずれも、
図8に記載されているものなどの構成部品を含むことができる。
【0101】
図8は、本明細書に記載のシステムおよび方法で使用することができる例示的なコンピューティング装置800を示す。例示的なコンピュータ800では、CPUまたはプロセッサ810は、バスまたは他の通信812によってユーザインターフェース814と通信している。ユーザインターフェースは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ボタン、ジョイスティック、または他の1つ以上のユーザ入力装置などの例示的な入力装置を含む。ユーザインターフェース814はまた、画面などの表示装置818を含む。
図8に示すコンピューティング装置800はまた、CPU820および他の構成要素と通信するネットワークインターフェース820を含む。ネットワークインターフェース820は、コンピューティング装置800が他のコンピュータ、データベース、ネットワーク、ユーザ装置、または任意の他のコンピューティング可能な装置と通信することを可能にすることができる。いくつかの例では、通信の方法は、WiFi、セルラ、Bluetooth Low Energy、有線通信、または任意の他の種類の通信を介してもよい。いくつかの例では、例示的なコンピューティング装置800は、プロセッサ810とも通信する周辺機器824を含む。いくつかの例では、周辺機器は、通信に使用されるアンテナ826を含む。いくつかの例では、周辺機器824は、カメラ機器828を含んでもよい。いくつかの例示的なコンピューティング装置800では、メモリ822はプロセッサ810と通信している。いくつかの例では、このメモリ822は、オペレーティングシステム832、ネットワーク通信モジュール834、他の命令836、アプリケーション838(画像をデジタル化するアプリケーション840、画像画素を処理するアプリケーション842などのアプリケーション)、データ記憶装置858(データテーブル860、トランザクションログ862、サンプルデータ864、暗号化データ870、または任意の他の種類のデータなどのデータ)などのソフトウェアを実行する命令を含んでもよい。
【0102】
結論
【0103】
本明細書に開示されるように、本実施形態と一致する特徴は、コンピュータハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアを介して実装されてもよい。例えば、本明細書で開示されるシステムおよび方法は、例えば、データベース、デジタル電子回路、ファームウェア、ソフトウェア、コンピュータネットワーク、サーバも含むコンピュータなどのデータプロセッサを含む様々な形態で、またはそれらの組み合わせで実施されてもよい。さらに、開示される実装のいくつかは、本明細書の技術革新と一致する特定のハードウェア構成要素、システム、および方法を記載しているが、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの任意の組み合わせで実装されてもよい。さらに、本明細書の技術革新の上記の特徴、他の態様、および原理は、様々な環境で実装されてもよい。そのような環境および関連するアプリケーションは、実施形態による様々なルーチン、プロセスおよび/または動作を実行するために特別に構築されてもよく、またはそれらは、必要な機能を提供するためにコードによって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータまたはコンピューティングプラットフォームを含んでもよい。本明細書で開示されるプロセスは、いかなる特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境、または他の装置にも本質的に関連せず、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの適切な組み合わせによって実施されてもよい。例えば、様々な汎用マシンを、実施形態の教示によって書かれたプログラムと共に使用することができ、あるいは必要な方法および技術を実行するための専用の装置またはシステムを構築することがより便利であり得る。
【0104】
ロジックなどの本明細書に記載の方法およびシステムの態様は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、プログラマブルアレイロジック(「PAL」)装置、電気プログラマブルロジック装置およびメモリ装置などのプログラマブルロジック装置(「PLD」)、標準セルベースの装置、および特定用途向け集積回路を含む、様々な回路のいずれかにプログラムされた機能として実装されてもよい。態様を実装するためのいくつかの他の可能性としては、メモリ装置、メモリ付きマイクロコントローラ(EEPROMなど)、組み込みマイクロプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェアなどが挙げられる。さらに、態様は、ソフトウェアベースの回路エミュレーション、ディスクリートロジック(シーケンシャルおよび組み合わせ)、カスタム装置、ファジー(ニューラル)ロジック、量子装置、および上記の装置の種類のいずれかのハイブリッドを有するマイクロプロセッサにおいて実施されてもよい。基礎となる装置技術は、例えば、相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)のような金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)技術、エミッタ結合ロジック(「ECL」)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(例えば、ケイ素共役ポリマーおよび金属共役ポリマー-金属構造)、アナログとデジタルの混合など、様々な構成要素の種類で提供されてもよい。
【0105】
本明細書で開示される様々なロジックおよび/または機能は、それらの挙動、レジスタ転送、ロジックコンポーネント、および/または他の特性に関して、ハードウェア、ファームウェアの任意の数の組み合わせを使用して、および/または様々なマシン可読媒体またはコンピュータ可読媒体で具現化されるデータおよび/または命令として可能になることがあることにも留意されたい。そのようなフォーマットされたデータおよび/または命令を実施されることがあるコンピュータ可読媒体は、これらに限定されるものではないが、様々な形態の不揮発性記憶媒体(例えば、光学、磁気記憶媒体または半導体記憶媒体)、ならびに無線、光、もしくは有線の信号媒体またはそれらの任意の組み合わせを介してそのようなフォーマットされたデータおよび/または命令を転送するために使用することができる搬送波を含む。搬送波によるそのようなフォーマットされたデータおよび/または命令の転送の例には、1つまたは複数のデータ転送プロトコル(例えば、HTTP、FTP、SMTPなど)を介したインターネットおよび/または他のコンピュータネットワークを介した転送(アップロード、ダウンロード、電子メールなど)が含まれるが、これらに限定されない。
【0106】
文脈が明らかにそうでないことを必要としない限り、明細書および特許請求の範囲を通して、「含む、備える(comprise)」、「含む、備える(comprising)」などの単語は、排他的または網羅的な意味とは対照的に包括的な意味で解釈されるべきである(すなわち、「限定されないが」という意味である)。または複数を使用する単語はまた、それぞれ複数または単数を含む。さらに、「本明細書に記載の、本明細書の(herein)」、「以下(hereunder)」、「上記(above)」、「以下(below)」という単語、および同様の意味の単語は、本出願全体を指し、本出願の特定の部分を指すものではない。単語「または(or)」が2つ以上の項目のリストを参照して使用される場合、その単語は、その単語の以下の解釈、すなわち、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目のすべて、およびリスト内の項目の任意の組み合わせのすべてを網羅する。
【0107】
本明細書では、説明の特定の現在好ましい実施態様を具体的に説明したが、本明細書に示され説明された様々な実施態様の変形および修正が、実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく行われ得ることは、本明細書に係る当業者には明らかであろう。したがって、実施形態は、適用される法規によって要求される範囲にのみ限定されることが意図されている。
【0108】
本実施形態は、これらの方法を実施するための方法および装置の形態で実施されてもよい。本実施形態はまた、フロッピーディスケット、CD-ROM、ハードドライブ、または任意の他のマシン可読記憶媒体などの有形媒体で実施されたプログラムコードの形態で実施されてもよく、プログラムコードがコンピュータなどのマシンにロードされて実行されると、マシンは実施形態を実施するための装置になる。本実施形態はまた、例えば、記憶媒体に記憶されているか、マシンにロードされているおよび/もしくはマシンによって実行されているか、または電気配線もしくはケーブル配線などの何らかの送信媒体を介して、光ファイバを介して、もしくは電磁放射線を介して送信されているかにかかわらず、プログラムコードの形態となることができ、プログラムコードがコンピュータなどのマシンにロードされて実行されると、マシンは実施形態を実施するための装置になる。汎用プロセッサ上に実装されると、プログラムコードセグメントはプロセッサと結合して、特定のロジック回路と同様に動作する固有の装置を提供する。
【0109】
ソフトウェアは、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理的な送信媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとることができるマシン可読媒体に記憶される。不揮発性記憶媒体は、例えば、任意の1つ以上のコンピュータなどの記憶装置のいずれかなどの光ディスクまたは磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形送信媒体は同軸ケーブル、コンピュータシステム内にバスを備える配線を含む、銅線および光ファイバを含む。搬送波送信信媒体は、電気信号、電磁信号、または無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されるような音響波もしくは光波の形態をとることができる。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、ディスク(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、フレキシブルディスク)もしくは任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVDまたはDVD-ROM、任意の他の光学媒体、任意の他の物理的記憶媒体、RAM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップ、データもしくは命令を搬送する搬送波、そのような搬送波を搬送するケーブルもしくはリンク、もしくはコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取ることができる任意の他の媒体を含む。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のために1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスをプロセッサに搬送することに関与することができる。
【0110】
上記の説明は、説明を目的として、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、上記の例示的な説明は、網羅的であること、または実施形態を開示される正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正および変形が可能である。実施形態は、実施形態の原理およびその実際の用途を最もよく説明し、それによって、他の当業者が、企図される特定の用途に適した様々な変更を伴う様々な実施形態を最もよく利用することを可能にするために選択および説明された。