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特許7569887ケーブル保持構造体およびそのようなケーブル保持構造体を備える電子装置
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  • 特許-ケーブル保持構造体およびそのようなケーブル保持構造体を備える電子装置 図1
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  • 特許-ケーブル保持構造体およびそのようなケーブル保持構造体を備える電子装置 図6a
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  • 特許-ケーブル保持構造体およびそのようなケーブル保持構造体を備える電子装置 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ケーブル保持構造体およびそのようなケーブル保持構造体を備える電子装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/00 20060101AFI20241010BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20241010BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20241010BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20241010BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20241010BHJP
【FI】
H05K7/00 T
H05K7/00 Q
H04N23/57
G03B15/00 S
G03B17/02
G03B17/56 A
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023089534
(22)【出願日】2023-05-31
(65)【公開番号】P2023179375
(43)【公開日】2023-12-19
【審査請求日】2024-07-01
(31)【優先権主張番号】22177537
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208205
【氏名又は名称】アクシス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】セーデルゴード, オーケ
(72)【発明者】
【氏名】ペーション, ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン, ヨエル
(72)【発明者】
【氏名】ボクヴィスト, マルテ
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2012-0098337(KR,A)
【文献】特開2017-027865(JP,A)
【文献】特開平10-224053(JP,A)
【文献】実開昭51-150496(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/00
H04N 23/57
G03B 15/00
G03B 17/02
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置内部から電子装置外部まで伸びるケーブル(16)を備えた監視カメラなどの電子装置(21)のためのケーブル保持構造体であって、当該ケーブル保持構造体が、
ベース部材(2)と、前記ベース部材(2)に対し解放可能に取り付け可能な取付け部材(3)とを備え、
前記ベース部材(2)は、ケーブル(16)を受容するように構成された溝(6)であって、前記取付け部材(3)が前記ベース部材(2)に取り付けられた前記ケーブル保持構造体の組み立てられた状態で、前記取付け部材(3)と対向するように構成された前記ベース部材(2)の表面(7)に配置された前記溝(6)を備え、
前記溝(6)は、ケーブル導入口(8)とケーブル出口(13)との間に伸び、前記ケーブル導入口(8)における第1の屈曲部と前記ケーブル出口(13)における第2の屈曲部とを備える延伸部を有する前記ケーブル(16)を受容するように構成され、
前記ケーブル導入口(8)は、前記ベース部材(2)の外周部に設けられた凹部(10)に対向し、前記凹部(10)は、前記ベース部材(2)の横方向に開放しており、
前記取付け部材(3)は、前記ベース部材(2)の前記表面(7)から離れるように伸びるケーブル引込み部(15)が形成されるように、前記ケーブル保持構造体の前記組み立てられた状態で前記ベース部材の前記凹部(10)に受容されるように構成された突部(14)を備え、
前記取付け部材(3)は、前記溝(6)の前記ケーブル出口(13)が前記溝(6)とスリット(11)との交差箇所に画定されるように、前記ケーブル保持構造体の前記組み立てられた状態で前記溝(6)を横断する方向に伸びるように構成された前記スリット(11)を備える、ケーブル保持構造体。
【請求項2】
前記ケーブル導入口(8)は、前記ベース部材(2)の外周部に配置されている、請求項1に記載のケーブル保持構造体。
【請求項3】
前記ケーブル出口(13)を画定する前記交差箇所は前記ベース部材(2)の中央部に配置されている、請求項1に記載のケーブル保持構造体。
【請求項4】
前記溝(6)は直線状延伸部を有しており、前記スリット(11)は直線状延伸部を有しており、前記スリット(11)は、前記ケーブル保持構造体の前記組み立てられた状態で、90°以上の角度Aで前記溝(6)を横断している、請求項1に記載のケーブル保持構造体。
【請求項5】
前記スリット(11)は、前記取付け部材(3)の側縁とスリット端(12)との間に伸びており、前記スリット端(12)は、前記ケーブル保持構造体の前記組み立てられた状態で前記ケーブル出口(13)を画定する前記交差箇所と一致するように構成されている、請求項1に記載のケーブル保持構造体。
【請求項6】
前記スリット端(12)は円弧に沿う湾曲部を有する、請求項5に記載のケーブル保持構造体。
【請求項7】
前記溝(6)は、前記ケーブル導入口(8)と溝端(9)との間に伸びており、前記溝端(9)は、前記ケーブル保持構造体の前記組み立てられた状態で前記ケーブル出口(13)を画定する前記交差箇所と一致するように構成されている、請求項1に記載のケーブル保持構造体。
【請求項8】
前記ケーブル導入口(8)は円弧に沿う湾曲部を有する、請求項1に記載のケーブル保持構造体。
【請求項9】
前記取付け部材(3)は、前記ベース部材(2)に対するスナップフィット取付け用に構成されている、請求項1に記載のケーブル保持構造体。
【請求項10】
前記ベース部材(2)は金属材料から作られる、請求項1に記載のケーブル保持構造体。
【請求項11】
ケーブル(16)と、請求項1から10のいずれか一項に記載のケーブル保持構造体(1)とを備える電子装置であって、前記ケーブル(16)は、前記電子装置の内部から前記電子装置の外部まで伸びており、前記ケーブル保持構造体の前記溝(6)は、前記ケーブル導入口(8)における第1の屈曲部と、前記ケーブル出口(13)における第2の屈曲部とを有する延伸部を有する前記ケーブル(16)を受容する、電子装置。
【請求項12】
前記電子装置は監視カメラである、請求項11に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル保持構造体およびそのようなケーブル保持構造体を備える電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラなどの電子装置は、一般に、電力および/またはデータ転送のためのケーブルを備える。
【0003】
ケーブルは、例えば、電子装置内部に収容された回路基板にはんだ付けすることにより、電子装置に固定して取り付けてもよい。代替的に、ケーブルは、回路基板の対応するコネクタに対し押圧されることにより取り付けられるコネクタを備えてもよい。
【0004】
電子装置の組立て、取付け、または使用などの操作の間、例えば、ケーブルが引かれるか、または捻られるかしてケーブルが電子装置から外れてしまうことがある。これは、いくつかの組立部品を備えることがあり、天井もしくは壁などアクセスが難しい場所に設置可能であり、かつ、使用中に回転および/または傾斜するように構成可能な監視カメラの形態を取る電子装置に関して特に当てはまる。
【0005】
この問題を解決するため、ケーブルをクランプして接続の信頼性を確保することが知られている。しかし、そのようなケーブルのクランプにより、ケーブルが応力に曝され、ケーブルを損傷させる可能性がある。
【0006】
その他の関連する先行技術の解決策は、米国特許出願公開第2020/0026163(A1)号またはKR20120098337Aに見出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願公開第2020/0026163(A1)号
【文献】KR20120098337A
【発明の概要】
【0008】
上記を考慮して、本発明の目的は、改良されたケーブル保持構造体およびそのようなケーブル保持構造体を備える電子装置を提供することにある。もう1つの目的は、組立て、取付け、および/または使用の間、ケーブルを応力に曝すことなく、電子装置からケーブルが意図せず外れることを防止するそのようなケーブル保持構造体を提供することにある。
【0009】
上記目的および、以下の説明から明白となる他の目的のうち少なくとも1つを達成するため、請求項1に定義される特徴を有するケーブル保持構造体および請求項13に定義される特徴を有する電子装置が本発明によって提供される。好適な実施形態は従属請求項から明らかとなる。
【0010】
より具体的には、本発明の第1の態様によれば、ベース部材と、ベース部材に対し解放可能に取り付け可能な取付け部材とを備える、監視カメラなどの電子装置のためのケーブル保持構造体であって、ベース部材が、ケーブルを受容するように構成された溝であって、取付け部材がベース部材に取り付けられたケーブル保持構造体の組み立てられた状態で取付け部材と対向するように構成されたベース部材の表面に配置された溝を備え、溝はケーブル導入口とケーブル出口との間に伸びており、取付け部材は、溝のケーブル出口が溝とスリットとの交差箇所に画定されるように、ケーブル保持構造体の組み立てられた状態で、溝を横断する方向に伸びるように構成されたスリットを備える、ケーブル保持構造体が提供される。
【0011】
これによって、改良されたケーブル保持構造体が提供される。
【0012】
ベース部材は電子装置の一部を形成してもよく、ケーブル導入口とケーブル出口との間に伸びる溝を備える。したがって、前記ベース部材を備える電子装置を組み立てる際、電子装置の内部から伸びる電子装置のケーブルを、溝に受容されるように配置することができる。
【0013】
取付け部材はベース部材に対し解放可能に取り付け可能であると共に、スリットを備える。したがって、ケーブルの自由端がコネクタを備えていても、ケーブルを取付け部材のスリットに挿入することができる。
【0014】
取付け部材をベース部材に取り付けると、スリットは溝を横断する方向に伸びるように構成されているので、交差箇所にケーブル出口が画定される。したがって、ケーブル保持構造体の組み立てられた状態で、溝に受容されたケーブルは、前記ケーブル出口においてケーブル保持構造体を出ることができる。
【0015】
結果として、ケーブル保持構造体は、溝に受容されるようにケーブルを配置し、続いて、ケーブルを取付け部材のスリットに挿入した状態で取付け部材をベース部材に取り付けることによりケーブルを固定するために使用できる。ケーブルはケーブル導入口を経由して溝に入り、溝とスリットとの交差箇所に形成されたケーブル出口を経由して溝から出る。よって、ケーブル保持構造体の構成により、ケーブル導入口における第1の屈曲部と、ケーブル出口における第2の屈曲部とを有する延伸部を有するケーブルを配置することが可能になる。このような配置によって、摩擦把持を用いてケーブルを固定することができる。摩擦把持により、限られた量のケーブルの移動が許容される場合があっても、ケーブルが意図せず外れることを防止するために、なお十分にケーブルが固定される。よってケーブルの固定は不動なものではなく、ケーブルの限定された移動の自由により、使用中のケーブルに対する損傷の危険が低減される。
【0016】
一実施形態によれば、ケーブル導入口は、ベース部材の外周部に設けられた凹部であって、ベース部材の横方向に開放した凹部に対向することができる。ケーブル導入口に隣接して凹部を設けると、溝内にケーブルを配置することが容易になる。これによって、ケーブルの自由端がコネクタを備える場合でも、溝がケーブルを容易に受容することができる。取付け部材はさらに、ベース部材の前記表面から離れるように伸びるケーブル引込み部が形成されるように、ケーブル保持構造体の組み立てられた状態でベース部材の凹部に受容されるように構成された突部を備えてもよい。表面から離れるように伸びるケーブル引込み部が形成されているので、ケーブル導入口を経由して溝に入る前に屈曲部を有することによりケーブル保持構造体にケーブルを固定する摩擦把持をさらに強化する延伸部を有するケーブルを配置することが可能になる。
【0017】
別の実施形態によれば、ケーブル導入口をベース部材の外周部に配置してもよい。ケーブル導入口を外周部に設けると、ケーブルの摩擦固定を向上させるため屈曲部を有する溝に受容されたケーブル延伸部を配置することが容易になる。
【0018】
さらに別の実施形態によれば、ケーブル出口を画定する交差箇所はベース部材の中央部に配置してもよい。ケーブル出口をベース部材の中央部に設けると、移動可能に配置された電子装置にケーブル保持構造体を連結した場合にケーブルの取扱いが容易になる。例えば、回転可能、パン動作可能、かつ傾斜可能な光学ユニットを備えた監視カメラの形態を取る電子装置に関して、ベース部材の中央部にあるケーブル出口によって、動作中のケーブルのケーブル移動を最小化することができる。
【0019】
さらに別の実施形態によれば、溝は直線状延伸部を有してもよく、スリットは直線状延伸部を有してもよく、スリットは、ケーブル保持構造体の組み立てられた状態で、90°以上の角度で溝を横断してもよい。溝とスリットとを少なくとも90°の角度で配置することにより、ケーブルを損傷させる危険がある鋭角の角部なしにケーブル出口を形成することができる。
【0020】
さらに別の実施形態によれば、スリットは、取付け部材の側縁と、ケーブル保持構造体の組み立てられた状態でケーブル出口を画定する交差箇所と一致するように構成されたスリット端との間に伸びてもよい。これによって、スリットの長さを最小化することにより、取付け部材の構造的保全性を向上させることができる。スリット端は、半径R1を有してもよい。スリット端が半径を有することにより、ケーブル保持構造体内に配置されたケーブルに対し有益な形状を有するケーブル出口を確実に形成できる。
【0021】
さらに別の実施形態によれば、溝は、ケーブル導入口と、ケーブル保持構造体の組み立てられた状態でケーブル出口を画定する交差箇所と一致するように構成された溝端との間に伸びてもよい。これによって、ケーブル保持構造体におけるケーブル配置方式を明確に誘導する構造体が提供される。
【0022】
さらに別の実施形態によれば、ケーブル導入口は半径R2を有してもよい。ケーブル導入口が半径を有することにより、前記ケーブル導入口に屈曲部を有する延伸部を備えたケーブルを配置することが容易になり、その結果、ケーブルの摩擦固定が改善される。
【0023】
さらに別の実施形態によれば、取付け部材は、ベース部材に対するスナップフィット取付け用に構成されてもよい。
【0024】
さらに別の実施形態によれば、ベース部材は金属材料から作られてもよい。
【0025】
本発明の第2の態様によれば、ケーブルと、上記によるケーブル保持構造体とを備える電子装置が提供される。ケーブルは電子装置の内部から電子装置の外部まで伸びており、ケーブル保持構造体の溝は、ケーブル導入口における第1の屈曲部と、ケーブル出口における第2の屈曲部とを有する延伸部を有するケーブルを受容する。
【0026】
一実施形態によれば、電子装置は監視カメラであってもよい。
【0027】
一般的に、特許請求の範囲で用いられるすべての用語は、本明細書において明示的な別段の定めのない限り、当該技術分野におけるその通常の意味に従って解釈すべきである。「ある/当該[要素、装置、部品、手段、工程等]」に対するすべての参照は、明示的な別段の定めのない限り、前記要素、装置、部品、手段、工程等の少なくとも一例に対する参照として公然に解釈すべきである。本明細書で開示されるいかなる方法の工程も、明示的な記載のない限り、開示された通りの順序で実施する必要はない。
【0028】
上記、ならびに本発明の付加的な目的、特徴および利点は、同じ参照数字は同様の要素に対し使用される附属の図面を参照して、以下に述べる本発明の好適な実施形態の例証的かつ非限定的で詳細な説明を通じて、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】ケーブル保持構造体のベース部材の斜視図である。
図2】ケーブル保持構造体の取付け部材の斜視図である。
図3】組み立てられた状態のケーブル保持構造体の斜視図である。
図4図3の線A-Aに沿った断面図である。
図5】ケーブル保持構造体の上方からの平面図である。
図6a】ケーブル保持構造体を組み立てる工程を示す斜視図である。
図6b】ケーブル保持構造体を組み立てる工程を示す斜視図である。
図6c】ケーブル保持構造体を組み立てる工程を示す斜視図である。
図6d】ケーブル保持構造体を組み立てる工程を示す斜視図である。
図7】ケーブル保持構造体を備える電子装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の現在好適な実施形態が図示された添付図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実施することができ、かつ、本明細書で述べる実施形態に限定されるものと理解すべきではなく、これらの実施形態は、徹底性および完全性を期して提供されており、当業者に対し本発明の範囲を十全に伝達するものである。
【0031】
図1および2は、本発明の一実施形態による電子装置用のケーブル保持構造体1のベース部材2および取付け部材3をそれぞれ示している。ケーブル保持構造体1は、図3において、組み立てられた状態で図示されている。
【0032】
取付け部材3は、ベース部材2に対し解放可能に取り付け可能であり、図示の実施形態では、取付け部材3は、ベース部材2に対する取付け部材3のスナップフィット取付けのため、ベース部材2の周縁に配置された開口5と係合するように構成された、周縁に配置された突起4を備えている。
【0033】
ベース部材2は、金属材料または高分子材料から成ってもよい。取付け部材3は、金属材料または高分子材料から成ってもよい。ベース部材2および取付け部材3は、同じ種類の材料から成ってもよく、または代替的に、異なる種類の材料から成ってもよい。
【0034】
ベース部材2は、金属材料から成ってもよく、かつ、ケーブル保持構造体1が連結した電子装置のためのヒートシンクとして作用するように構成してもよい。
【0035】
図示の実施形態では、ベース部材2は、基本的に円形状を有し、ケーブル保持構造体1の組み立てられた状態で取付け部材3と対向するように構成された表面7に配置された溝6を備えている。溝6は、ケーブル導入口8と溝端9との間に伸びている。図示の実施形態では、溝6は、直線状延伸部を有している。ケーブル導入口8は、ベース部材2の外周部に配置され、図3の線A-Aに沿った断面図である図4により明瞭に示される半径R2を有している。
【0036】
溝6は、ケーブル(図示せず)を受容するように構成され、ケーブルの受容に適した深さおよび幅を有している。
【0037】
図示の実施形態では、溝6のケーブル導入口8は、ベース部材2の外周部に設けられた凹部10に対向している。凹部10は、ベース部材2の横方向または外方向に開放されている。横方向に開放された凹部10が設けられているので、凹部10を介した挿入により、ケーブルをケーブル導入口に配置することができる。これにより、ケーブルの自由端にコネクタを備えたケーブルの操作が容易になり得る。
【0038】
取付け部材3は、取付け部材3の側縁からスリット端12まで伸びるスリット11を備えている。
【0039】
スリット11は、ケーブルを受容するように構成されている。スリット11は、取付け部材3の側縁から伸びているため、外方向または横方向に開放されている。その結果、ケーブルの自由端がコネクタを備えても、ケーブルをスリット11で容易に受容することができる。
【0040】
図示の実施形態では、スリット11は直線状延伸部を有している。
【0041】
スリット端12は半径R1を有している。
【0042】
スリット11は、ケーブル保持構造体1の組み立てられた状態で溝6を横断する方向に伸びるように構成されている。溝6とスリット11との交差箇所に、ケーブルが溝6から出られるように構成されたケーブル出口13が画定されている。
【0043】
スリット端12の半径R1により、ケーブル出口13を経由してケーブル保持構造体1を出るケーブルに対して損傷を及ぼす危険を低減する形状を有するケーブル出口13が確実に形成される。
【0044】
ケーブル出口13は図3および4に示されており、図示の実施形態では、交差箇所、したがってケーブル出口13が溝端9およびスリット端12の双方と一致している。しかしながら、実際にはこれに限らず、溝6および/またはスリット11は交差箇所を越えて延在してよいものと理解される。ケーブル出口13は、ベース部材2の中央部に配置してもよい。
【0045】
スリット11は、ケーブル保持構造体1の組み立てられた状態で、90°以上の角度Aで溝6を横断してもよい。これによって、ケーブル出口13における、より精密なケーブルの定位を実現できる。ケーブル保持構造体1の組み立てられた状態で、少なくとも90°の角度Aで溝6およびスリット11が配置されることで、ケーブル出口13を鋭角の角部なしに形成し、その結果、ケーブル出口を経由して溝6を出るケーブルに対する損傷の危険を低減することも可能となる。ここでさらに参照する図5は、約120°の角度Aで溝6を横断するスリット11を示す、ケーブル保持構造体1の上方からの平面図である。溝6は、破線によって示されている。角度が90°未満であると、鋭角の角部を有するケーブル出口が形成され、ケーブル出口を経由して溝を出るケーブルに損傷を及ぼし得るものと理解される。
【0046】
取付け部材3はさらに、ケーブル保持構造体1の組み立てられた状態でベース部材2の凹部10に受容されるように構成されたタブまたは突部14を備える。突部14は、取付け部材3の側縁に配置され、下/外方向に伸びている。突部14が凹部10に受容されると、ベース部材2の表面7から離れるように伸びるケーブル引込み部15が形成される。溝6のケーブル導入口8までのケーブル引込み部15により、溝6に受容されたケーブルが、ケーブル導入口8の前に屈曲部を有する延伸部を有することができる。
【0047】
ここで参照する図6a~6dでは、ケーブル16を固定するための上述のケーブル保持構造体1の使用が図示されている。
【0048】
図6aは、ベース部材2およびケーブル16を示している。ケーブル16は、ケーブル16の第1の自由端18における第1のコネクタ17と、ケーブル16の第2の自由端20における第2のコネクタ19とを備えている。第1のコネクタ17は、電子装置(図示せず)に接続することができる。
【0049】
ケーブル16は、ケーブル16の一部分が溝6のケーブル導入口8に配置されるように移動させられ、ケーブルのこの移動は、横方向に開放した凹部10により容易になる。より具体的には、横方向に開放した凹部10が設けられているので、凹部10を介した挿入により、ケーブル16をケーブル導入口に配置することができる。
【0050】
図6bでは、ケーブル16は取付け部材3のスリット11に挿入されている。図面からは、ケーブル導入口8における第1の屈曲部と、ケーブル出口13における第2の屈曲部とを有するケーブル16の延伸部の形成が観察できる。
【0051】
図6cでは、取付け部材3の突起4をベース部材2の開口5と合わせ、かつ、取付け部材3の突部14をベース部材2の凹部10と合わせるように取付け部材3が回転されている。
【0052】
図6dでは、取付け部材3がベース部材2に対し解放可能に取り付けられている。より具体的には、取付け部材3はベース部材2に向けて動かされ、その結果、ベース部材2に対する取付け部材3のスナップフィット取付けのため、取付け部材3の突起4がベース部材2の開口5と係合する一方、突部14はケーブル引込み部15形成のため凹部10に受容されるようになっている。結果として、延伸部がケーブル導入口8における第1の屈曲部とケーブル出口13における第2の屈曲部とを備えて、ケーブル16がベース部材2の溝6に押し込まれる。これにより、ケーブル16を固定する摩擦把持が確立される。摩擦把持は完全でなくてもよく、ケーブル16にわずかな移動が許容されてもよい。そのようなわずかな移動により、使用中にケーブル16を損傷させる危険を低減することができる。
【0053】
図7には、監視カメラの形態を取る電子装置21が示されている。電子装置21は、上述した種類のケーブル保持構造体1を備えている。より具体的には、ケーブル保持構造体1のベース部材2は、電子装置21のハウジング22に取り付けられている。図示の実施形態では、ベース部材2の開口5は、ベース部材2をハウジング22に取り付けるために用いられ、取付け部材3をベース部材2にスナップフィットで取り付けると、取付け部材3の突起4がハウジング22に対するベース部材2の取付けも固定するように構成される。
【0054】
本発明は、図示の実施形態に限定されないものと認識されるであろう。そのため、附属する特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲内で、いくつかの変形および変更が考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図7