(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20241010BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20241010BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023124692
(22)【出願日】2023-07-31
(62)【分割の表示】P 2021561715の分割
【原出願日】2020-06-08
【審査請求日】2023-07-31
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】フォースター, マーク
(72)【発明者】
【氏名】イングランド, ウィル
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, ルーク
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-504667(JP,A)
【文献】国際公開第2018/224677(WO,A2)
【文献】特表2019-510470(JP,A)
【文献】中国実用新案第207236075(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第105341993(CN,A)
【文献】国際公開第2017/194762(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/082056(WO,A1)
【文献】特表2014-504852(JP,A)
【文献】特表2010-506594(JP,A)
【文献】特表2014-519850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
前記エアロゾル生成材料を受け入れるための加熱チャンバと、
使用セッション時に前記エアロゾル生成材料を加熱するための少なくとも1つの加熱装置と、
前記加熱チャンバを前記エアロゾル供給デバイスの外部と流体的に接続する開口と、
前記開口を前記加熱チャンバに流体的に接続する入口導管と、を備え、
前記開口は、前記エアロゾル供給デバイスの遠位端に配置され、前記遠位端は、前記エアロゾル供給デバイスの口端と反対側の端であり、
前記開口が非円形であり、前記開口の重心を通るように測って、0.65mm以下の最小寸法を有し、
前記開口は、使用中に前記エアロゾル供給デバイスから凝縮物が漏れるリスクを低減するように構成される、
エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記開口が3.40mm以下の周囲長さを有する、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記開口が0.65mm
2以下の面積を有する、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの加熱装置が誘導加熱装置である、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
各開口が0.60mm
2以下の面積を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
各開口が0.55mm
2以下の面積を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記開口が正多角形として形づくられた、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記開口が不整多角形として形づくられた、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記開口が、前記開口の重心を通るように測って、1.20mm以下の最大寸法を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記最大寸法が、前記入口導管の軸線に対して定められたとき、半径方向よりも周方向に近い方向にある、請求項9に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記開口が複数の開口のうちの1つである、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記複数の開口のうちのいくつかの開口が前記入口導管の長手方向軸線の周りを周方向に分配されている、請求項11に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記複数の開口のうちのいくつかの開口が実質的に等距離の間隔で配置されている、請求項11又は12に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記複数の開口のうちのいくつかの開口がリング状の配列に配置されている、請求項11、12、及び13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記複数の開口のうちのいくつかの開口が4.00mm
2以下の、組み合わせた面積を有する、請求項11~14のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
前記複数の開口のうちのいくつかの開口が3.50mm
2以下の、組み合わせた面積を有する、請求項11~15のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
前記複数の開口が少なくとも4つの開口を備え、又は、
前記複数の開口が多くとも8つの開口を備える、
請求項11~16のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
前記複数の開口の各開口が実質的に同じ形状を有する、請求項11~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスを使用してエアロゾルを生成する方法。
【請求項20】
請求項1~18のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料とを備える、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイス、このエアロゾル供給デバイスを使用してエアロゾルを生成する方法、及びこのエアロゾル供給デバイスを備えるエアロゾル生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコなどの物品は、使用時にタバコを燃焼させてタバコの煙を生じさせる。燃焼させずに化合物を放出する製品を作り出すことによって、タバコを燃焼させるこれらのタイプの物品の代替品を提供する試みがなされている。典型的には、喫煙材を燃やさずに又は燃焼させずに吸引することができるエアロゾルを形成するために、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させる装置が知られている。このような装置は、ときどき、「非燃焼加熱式」装置、又は「タバコ加熱製品」(THP:tobacco heating product)、又は「タバコ加熱デバイス」、又はこれらに類似するものとしても記述される。喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための様々な異なる構成体が知られている。
【0003】
その材料は、例えば、タバコでもよいし、他の非タバコ製品でもよいし、ブレンドされた混合物等の組合せでもよく、それらは、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【発明の概要】
【0004】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、本デバイスは、エアロゾル生成材料を受け入れるための加熱チャンバと、使用セッション時にエアロゾル生成材料を加熱するための少なくとも1つの加熱装置と、加熱チャンバをエアロゾル供給デバイスの外部と流体的に接続する開口とを備え、開口は非円形であり、開口の重心を通るように測って、0.65mm以下の最小寸法を有する。
【0005】
本開示の第2の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、本デバイスは、エアロゾル生成材料を受け入れるための加熱チャンバと、使用セッション時にエアロゾル生成材料を加熱するための少なくとも1つの加熱装置と、加熱チャンバをエアロゾル供給デバイスの外部と流体的に接続する開口とを備え、開口は3.40mm以下の周囲長さを有する。
【0006】
本開示の第3の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、本デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に配置され、エアロゾル生成材料を受け入れるための加熱チャンバと、使用セッション時にエアロゾル生成材料を加熱するための少なくとも1つの誘導加熱装置と、加熱チャンバをエアロゾル供給デバイスの外部と流体的に接続する開口とを備え、開口は0.65mm2以下の面積を有する。
【0007】
本開示の第4の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、本デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に配置され、エアロゾル生成材料を受け入れるための加熱チャンバと、使用セッション時にエアロゾル生成材料を加熱するための少なくとも1つの誘導加熱装置と、複数の開口であって、特定の開口又は各開口が、加熱チャンバをエアロゾル供給デバイスの外部と流体的に接続する、複数の開口とを備え、複数の開口は4.00mm2より小さい、組み合わせた全面積を有する。
【0008】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照して単なる例として挙げる本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】エアロゾル供給デバイスの例の前面図である。
【
図2】エアロゾル供給デバイス内の加熱アセンブリの拡大断面図である。
【
図3】
図1のエアロゾル供給デバイスの入口の平面図である。
【
図4】外側カバーを外した、
図1のエアロゾル供給デバイスの前面図である。
【
図5】
図1のエアロゾル供給デバイスの断面図である。
【
図6】
図4のエアロゾル供給デバイスの分解図である。
【
図7】
図7A(Fig.7A)は、エアロゾル供給デバイス内の加熱アセンブリの断面図である。
図7B(Fig.7B)は、
図7Aの加熱アセンブリの一部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
使用時にエアロゾルの形成を容易にするために、エアロゾル供給デバイス用のエアロゾル生成材料(例えば、タバコ加熱製品)は通常、燃焼可能な喫煙品内の喫煙材より多くの水及び/又はエアロゾル生成剤を含む。水及び/又はエアロゾル生成剤がこのように多く含まれていることは、使用時にエアロゾル供給デバイス内、特に加熱ユニット(複数可)から離れた位置で、凝縮物が集まる危険性を増大させ得る。
【0011】
本発明者は、閉じ込められた加熱チャンバを有するデバイスでは、この問題が大きくなることがあると考える。いくつかのこのようなデバイスでは、加熱チャンバは、例えば、デバイスに入る空気の流れを調整することができるいくつかの開口によって、デバイスの外部と並行に流体的に接続されていることがある。
【0012】
このような開口を有するデバイスの試験結果を検討したところ、本発明者は、これらの開口は、デバイス内に凝縮物が集まることの原因となる重要な因子であり得ると考える。さらに、本発明者は、デバイス内に溜まるいかなる凝縮物も開口を通って漏れ出ることがあるという危険性を予見する(このような漏れはデバイスの使用者に不便をかける)。
【0013】
しかしながら、適切に構成された開口は、デバイスから凝縮物がこのように漏れる危険性を下げることができると本発明者は確定した。
【0014】
これに関して、エアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイス100の一例の前面図である
図1を参照する。概略的に述べると、デバイス100は、エアロゾル生成媒体を備える交換可能な物品110を加熱して、デバイス100の使用者によって吸引されるエアロゾル又は他の吸引可能な媒体を生成するために使用することができる。
【0015】
デバイス100は、デバイス100の様々な構成部品を取り囲み、収容する(外側カバーの形態の)ハウジング102を備える。デバイス100は、一端に開口104を有し、物品110を、この開口104を通して、加熱アセンブリによって加熱するために挿入することができる。使用時、物品110は、加熱アセンブリ内に完全に、又は部分的に挿入することができ、ここで、物品110をヒーターアセンブリの1つ又は複数の構成部品によって加熱することができる。
【0016】
図2は、
図1のデバイス100内の加熱アセンブリ及び隣接の構成部品の断面図である。図示のように、デバイス100は、エアロゾル生成材料110aを受け入れるための加熱チャンバ101を含む。デバイス100は、これに加えて、いくつかの開口141を含む。明らかなように、開口141は、加熱チャンバ101をデバイス100の外部と並行に流体的に接続する。
【0017】
開口141は、デバイスに入る空気の流れに対して適切なインピーダンスを与えて、デバイス100を通る空気の流れを調整することができる。しかしながら、このようなインピーダンスは、凝縮物が、デバイス100内、例えば、入口導管103内に集まる危険性も同様に増大させることがある。これに加えて、上記のように、このように溜まった凝縮物がデバイスから漏れて、使用者に不便をかける危険性がある。それにもかかわらず、デバイス100の構成によって、この開示の態様のいずれによっても、凝縮物がデバイス100から漏れる危険性を実質的に減少させることができる。
【0018】
図2にまた示すように、デバイス100は、エアロゾル生成材料110aを加熱するために2つの加熱装置161、162を含む。図示の例は2つの加熱装置161、162を含むが、これは決して本質的なことではなく、デバイス100は、必要に応じて、加熱装置を1つだけ含むことができる、又は3つ以上含むこともできることを理解すべきである。
【0019】
本発明者は、
図1及び
図2のデバイス100に類似した構造のデバイスの試験結果を検討した。これらの試験結果に基づいて、本発明者は、凝縮物がデバイス100内に集まる特定の危険性を予見する。可能性のある関係する要因としては、多くの場合、凝縮物形成物質がデバイス100を出るということは、使用時に開口141を通って、デバイス100に入る空気の流れとは反対方向にそれらが移動するということを意味するということである。さらなる関係する要因としては、入口導管103をデバイスの外部と流体的に接続する開口141は、デバイスに入る空気の流れに対する抵抗又はインピーダンスを与えており、その結果、デバイス100を通る空気の流れを調整するが、このような抵抗/インピーダンスは、凝縮物形成物質が入口導管103から開口141を通って出ることを妨げることである。
【0020】
さらに、上記のように、凝縮物がデバイス内に溜まる場合、それがデバイスから漏れ出て、使用者に不便をかける危険性がある。
【0021】
それにもかかわらず、本発明者は、試験結果を検討することによって、凝縮物がデバイス100から漏れる危険性を減少させるように開口141を構成するための適切な手法を決定したと信じる。
【0022】
第1の手法によれば、デバイス100の開口141は非円形であり、それぞれ、(当該開口の重心を通るように測ったときの)最小寸法が0.65mm以下であるように構成されてもよい。このような開口を有するデバイスは凝縮物の漏れを防ぐのに有効であることを試験は示している。
【0023】
理論に縛られたくはないが、凝縮物が所与の開口を通過することを妨げる流体抵抗力は、少なくともいくつかの場合、開口の最小寸法に関係し得ると信じられる。というのは、例えば、この最小寸法が毛管力を示すからである。したがって、0.65mm以下の最小寸法を有する非円形の開口を有するデバイスは、そのような毛管力の結果として、デバイス内に凝縮物を保持するのに適切なレベルのインピーダンスを与えることができる。一方では、開口の他の寸法は、例えば、空気流に対して所望のレベルのインピーダンスになるように、開口に対して適切な面積を与えるように選ばれてもよい。
【0024】
実験結果に基づいて、本発明者は、多くの場合、0.625mm以下の最小寸法は、凝縮物の漏れの危険性を著しく低減させるのに十分であり得ると考える。それにもかかわらず、いくつかの場合には、開口は、最小寸法が0.60mm以下で構成されてもよい。
【0025】
第2の手法によれば、デバイス100の開口141は3.40mm以下の周囲長さを有するように構成されてもよい。このような開口を有するデバイスは凝縮物の漏れを防ぐのに有効であることを試験は示している。この場合もまた、理論に縛られたくはないが、多くの場合、所与の開口を通過する液体が受ける摩擦力は、開口の周囲長さに関係し得ると信じられる。したがって、比較的短い周囲長さを有する開口は凝縮物の漏れを防ぐのに有効であり得る。
【0026】
実験結果に基づいて、本発明者は、多くの場合、3.40mm以下の周囲長さは、凝縮物の漏れの危険性を著しく低減させるのに十分であり得ると考える。それにもかかわらず、いくつかの場合には、開口は、周囲長さが3.25mm以下、他の場合には、3.00mm以下で構成されてもよい。
【0027】
第3の手法によれば、デバイスの開口141は0.65mm2以下の面積を有するように構成されてもよい。このような開口を有するデバイスは凝縮物の漏れを防ぐのに有効であることを試験は示している。この場合もまた、理論に縛られたくはないが、(例えば、重力の結果として)所与の圧力が液体内に存在する場合、圧力がかかる面積が小さいほど、流体に与えられる力全体は小さくなるので、液体が所与の開口を通過する能力は、その開口の面積と逆の関係になり得ると信じられる。したがって、比較的小さな面積を有する開口は凝縮物の漏れを防ぐのに有効であり得る。
【0028】
実験結果に基づいて、本発明者は、多くの場合、0.65mm2以下の面積は、凝縮物の漏れの危険性を著しく低減させるのに十分であり得ると考える。それにもかかわらず、いくつかの場合には、開口は、面積が0.60mm2以下、他の場合には、0.55mm2以下で構成されてもよい。
【0029】
所与の開口を構成するとき、上の手法を組み合わせて使用することができることは理解されよう。例えば、開口は、それぞれが0.65mm以下の最小寸法、及び/又は、3.40mm以下の周囲長さ、及び/又は、0.65mm2以下の面積を有するように構成されてもよい。
【0030】
次に、
図2に戻ると、図示の特定の例示的なデバイスでは、加熱装置161、162が誘導加熱装置であることに気付くことができる。誘導加熱装置はエアロゾル生成材料を急速に加熱することができる。しかしながら、例えば、誘導加熱装置は、開口141を通して凝縮物形成物質を運び出すことができる速度よりも速く凝縮物形成物質を生成し得るので、このような急速な加熱は、凝縮物が溜まる危険因子になり得ると本発明者は考える。
【0031】
図2に示した特定の例示的なデバイス100では、各誘導加熱装置161、162は、それぞれのコイル124、126、及びそれぞれの加熱要素134、136を備える。図示の特定の例では、2つの加熱装置161、162の導電性加熱要素134、136は単一の金属管132のそれぞれの部分に対応する。しかしながら、他の例では、各加熱要素は異なる別個の構造体であってもよい。
【0032】
一般に、誘導加熱装置のコイルは、例えば、1つ又は複数の導電性加熱要素の加熱を引き起こすように構成され、その結果、例えば、熱エネルギーはこのような導電性加熱要素からエアロゾル生成材料に伝導可能であり、以て、エアロゾル生成材料の加熱を引き起こし得る。誘導加熱装置は、少なくとも1つの加熱要素に侵入する変動磁場をコイルに生じさせ、以て、少なくとも1つの加熱要素の誘導加熱を引き起こすように構成されてもよい。
図2に示したデバイス100では、各誘導加熱装置161、162のコイル124、126は、対応する導電性加熱要素134、136の加熱を引き起こす。次いで、各加熱要素134、136は、エアロゾル生成材料110aに熱を伝導する。
【0033】
理解されるように、他の例では、誘導加熱装置以外の加熱装置を使用してもよい。例えば、本装置は1つ又は複数の抵抗加熱装置を含んでもよい。一例として、抵抗加熱装置は、誘導加熱装置161、162のそれぞれの代わりに用いることができる。抵抗加熱装置は、1つ又は複数の抵抗加熱要素を備えてもよい(又は実質的に1つ又は複数の抵抗加熱要素から構成されてもよい)。「抵抗加熱要素」は、電圧を要素に印加すると要素内に電流が流れ、要素の電気抵抗によって、電気エネルギーが、エアロゾル生成物質を加熱する熱エネルギーに変換されることを意味する。抵抗加熱要素は、例えば、抵抗ワイヤ、メッシュ、コイル、及び/又は複数のワイヤの形態であってもよい。熱源は薄膜ヒーターであってもよい。
【0034】
図2からまた明らかなように、図示の特定のデバイス100は、加熱チャンバ101をデバイス100の外部と流体的に接続する入口導管103をさらに含む。使用時、空気は、開口141を通ってデバイス100に引き込まれてから入口導管103に沿って流れ、それから加熱チャンバ101に流れることができる。したがって、開口141は、入口導管103(及び加熱チャンバ101)をデバイス100の外部と並行に流体的に接続する。
【0035】
図2に示した特定の例では、入口導管103の遠位端は開口141と隣り合い、したがって、各開口141は、一方の側で、入口導管103の遠位端に通じ、反対側で、デバイス100の外部に通じていることにさらに気付くことができる。
【0036】
次に、開口141が形成されているデバイス100の部分の平面図である
図3を参照すると、デバイスのその部分は入口であるが、任意の他の構成部品であってもよい。
【0037】
図示の特定の例では、デバイス100は6つの開口141を含む。しかしながら、任意の適切な数の開口が複数の開口として含まれてもよく、例えば、いくつかの実施形態は4つの開口しか有しないことがあるが、他の実施形態は8又は10個もの開口141を有してもよい。これに代えて、単一の開口を設けてもよい。
【0038】
図3に示すように、開口141は、入口導管103の長手方向軸線1035周りに周方向に分配されてもよい。より詳細には、開口141はリング状の配列に配置されている。図示の例では、リング状の配列の中心は、入口導管103の軸線1035、任意選択的に入口導管103の長手方向軸線によって定められる。
【0039】
図3から明らかなように、
図3に示した特定の例では、開口141は実質的に等距離の間隔で配置されている。これによって、例えば、空気は、確実に、デバイス100に滑らかに安定して流入することができる。しかしながら、これは決して本質的なことではなく、他の実施形態では、開口141のグループが一緒に密集していてもよい。
【0040】
図3からまた明らかなように、各開口141は、開口の重心を通るように測ったとき、概ね周方向を向く(すなわち、入口導管103の長手方向軸線1035に対して定められたとき、半径方向よりも周方向に近い方向にある)最大寸法143を有する。このような配置によって、例えば、流入空気が螺旋状の流れパターンになる傾向にすることができ、いくつかの場合、それによって、滑らかで安定した空気がデバイス100に流入することができる。最大寸法143は、開口の重心を通るように測って、1.20mm以下であってもよい。
【0041】
開口141のそれぞれが正多角形として形づくられていることにさらに気付くことができる。しかしながら、他の実施形態では、開口141は不整多角形として形づくられてもよい。
【0042】
さらに、デバイスの各開口141は実質的に同じ形状であってもよいが、これは決して本質的なことではなく、他の実施形態では、開口のグループが2つ以上設けられてもよく、この場合、1つのグループの開口すべてが実質的に同じ形状を有する。開口が1つだけの場合、上記のような形状であってもよい。
【0043】
次に、
図1~
図3のデバイスの構造及び動作の様々な特徴を示す
図4~
図7を参照する。
【0044】
まず、
図4を参照すると、図示のように、デバイス100は第1の端部部材106を備えてもよく、第1の端部部材106は、定位置に物品110がないときに開口104を閉じるために第1の端部部材106に対して移動可能な蓋108を備える。
図1では、蓋108は、開いた配置で示されているが、蓋108は閉じた配置に動くことができる。例えば、使用者は、蓋108を矢印「A」の方向に滑らすことができる。
【0045】
デバイス100はまた、押すとデバイス100を作動させるボタン又はスイッチなど、使用者が操作可能な制御要素112を含んでもよい。例えば、使用者はスイッチ112を操作することによってデバイス100を作動させることができる。
【0046】
デバイス100はまた、デバイス100のバッテリーを充電するためにケーブルを受け入れることができるソケット/口114などの電気構成部品を備えてもよい。例えば、ソケット114は、USB充電口などの充電口でもよい。
【0047】
図4は、外側カバー102を外し、物品110がない、
図1のデバイス100を示す。デバイス100は長手方向軸線180を定める。
【0048】
図4に示すように、第1の端部部材106は、デバイス100の一端に配置され、第2の端部部材116は、デバイス100の反対側の端部に配置される。第1及び第2の端部部材106、116は一緒に、デバイス100の端面を少なくとも部分的に画定する。例えば、第2の端部部材116の底面はデバイス100の底面を少なくとも部分的に画定する。外側カバー102の縁もまた、端面の一部分を画定してもよい。この例では、蓋108もまた、デバイス100の頂面の一部分を画定する。
【0049】
開口104に最も近いデバイスの端部は、使用時に使用者の口に最も近いので、デバイス100の近位端(又は口側端部)として知られていることがある。使用時、使用者は、物品110を開口104に挿入し、使用者制御部112を操作してエアロゾル生成材料の加熱を始めて、デバイスに生成されたエアロゾルを吸う。これによって、エアロゾルは、デバイス100の近位端に向かって流路に沿ってデバイス100の中を流れる。
【0050】
開口104から最も遠くに離れたデバイスの他の端部は、使用時に使用者の口から最も遠くに離れているので、デバイス100の遠位端として知られていることがある。使用者がデバイスに生成されたエアロゾルを吸うと、エアロゾルは、デバイス100の遠位端から流れ去る。
【0051】
デバイス100は、電源118をさらに備えてもよい。電源118は、例えば、再充電可能なバッテリー又は再充電できないバッテリーなどのバッテリーでもよい。適切なバッテリーの例には、例えば、リチウム電池(リチウムイオン電池など)、ニッケル電池(ニッケル-カドミウム電池など)、及びアルカリ電池が含まれる。バッテリーは、必要時に、コントローラ(図示せず)の制御下で電力を供給してエアロゾル生成材料を加熱するために加熱アセンブリに電気的に結合される。この例では、バッテリーは、バッテリー118を定位置に保持する中央支持部120に接続される。
【0052】
デバイスは、少なくとも1つの電子機器モジュール122をさらに備えてもよい。電子機器モジュール122は、例えば、プリント回路基板(PCB:printed circuit board)を備えてもよい。PCB122は、プロセッサなどの少なくとも1つのコントローラ及びメモリを支持してもよい。PCB122はまた、デバイス100の様々な電子構成部品を互いに電気的に接続するために1つ又は複数の電気線路を備えてもよい。例えば、電力をデバイス100全体に分配することができるように、バッテリー端子はPCB122に電気的に接続されてもよい。ソケット114もまた、電気線路を経由してバッテリーに電気的に結合されてもよい。
【0053】
上記のように、例示的なデバイス100では、加熱アセンブリは誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスによってエアロゾル生成材料110aを加熱するために様々な構成部品を備えている。誘導加熱は、電磁誘導によって導電性物体(サセプタなど)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導要素、例えば、1つ又は複数のインダクタコイルと、誘導要素に交流電流などの変動電流を流すためのデバイスとを備えることがある。誘導要素の変動電流は変動磁場を生じさせる。変動磁場は、誘導要素に対して適切に配置されたサセプタに侵入し、サセプタ内部に渦電流を生成する。サセプタは、渦電流に対して電気抵抗を有し、したがって、この抵抗に抗する渦電流の流れによって、サセプタがジュール加熱によって加熱される。サセプタが、鉄、ニッケル、又はコバルトなどの強磁性材料を含む場合、サセプタの磁気ヒステリシス損失によっても、すなわち、磁性材料内の磁気双極子の向きが、変動磁場と合う結果として変動することによっても、熱を生成することができる。誘導加熱では、例えば、伝導による加熱と比較すると、熱はサセプタ内部で生成され、それによって急速な加熱が可能になる。さらに、誘導ヒーターとサセプタとの間に何ら物理的な接触を必要とせず、それは、構造及び用途の自由度を大きくすることができる。
【0054】
例示的なデバイス100の誘導加熱アセンブリは、サセプタ構成体132(本明細書では「サセプタ」と称する)と、第1のインダクタコイル124と、第2のインダクタコイル126とを備える。第1及び第2のインダクタコイル124、126は導電性材料から作られる。この例では、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、螺旋状に巻かれたリッツワイヤ/ケーブルから作られて螺旋インダクタコイル124、126を提供する。リッツワイヤは、個々に絶縁されて互いに撚り合わされて単一のワイヤを形成する複数の個別ワイヤを備える。リッツワイヤは、導体の表皮効果損失を低減するように設計されている。例示的なデバイス100では、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、矩形断面を有する銅リッツワイヤから作られる。他の例では、リッツワイヤは、円形などの他の形状の断面を有することができる。
【0055】
第1のインダクタコイル124は、サセプタ132の第1の部分134を加熱するために第1の変動磁場を生成するように構成され、第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の第2の部分136を加熱するために第2の変動磁場を生成するように構成される。したがって、
図2を参照して上で論じたように、第1のインダクタコイル124及びサセプタ132の第1の部分134は第1の加熱装置161の一部と考えることができ、この場合、サセプタ132の第1の部分134は加熱要素として機能して、エアロゾル生成材料に伝達される熱を生成する。対照的に、第2のインダクタコイル126及びサセプタ132の第2の部分136は第2の加熱装置162の一部と考えることができ、この場合、サセプタ132の第2の部分136は加熱要素として機能して、エアロゾル生成材料に伝達される熱を生成する。
【0056】
図4に示す例では、第1のインダクタコイル124は、デバイス100の長手方向軸線180に沿う方向に第2のインダクタコイル126と隣り合っている(すなわち、第1のインダクタコイル124と第2のインダクタコイル126は重なっていない)。サセプタ構成体132は、単一のサセプタを備えてもよいし、2つ以上の別々のサセプタを備え。第1及び第2のインダクタコイル124、126の端部130は、PCB122に接続することができる。
【0057】
いくつかの例では、第1のインダクタコイル124と第2のインダクタコイル126は、互いに異なる少なくとも1つの特性を有してもよいことは理解されるであろう。例えば、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる少なくとも1つの特性を有してもよい。より詳細には、一例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なるインダクタンス値を有してもよい。
図2では、第1のインダクタコイル124と第2のインダクタコイル126は異なる長さのものであり、その結果、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126よりも小さなサセプタ132の部分に巻かれている。したがって、(個々の巻きの間の間隔が実質的に同じであると仮定して)第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる巻き数を備えてもよい。さらに別の例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる材料から作られてもよい。いくつかの例では、第1のインダクタコイル124と第2のインダクタコイル126は実質的に同一であってもよい。
【0058】
この例では、第1のインダクタコイル124と第2のインダクタコイル126は反対方向に巻かれている。これは、インダクタコイルが異なるときに動作しているとき、有用になり得る。例えば、最初、第1のインダクタコイル124が物品110の第1の部分を加熱するように動作してもよく、その後、第2のインダクタコイル126が物品110の第2の部分を加熱するように動作してもよい。コイルを反対方向に巻くことは、特定のタイプの制御回路とともに使用されるとき、動作していないコイルに誘導される電流を低減する助けになる。
図4では、第1のインダクタコイル124は右巻き螺旋であり、第2のインダクタコイル126は左巻き螺旋である。しかしながら、別の実施形態では、インダクタコイル124、126は同じ方向に巻かれてもよいし、第1のインダクタコイル124は左巻き螺旋であってもよいし、第2のインダクタコイル126は右巻き螺旋であってもよい。
【0059】
この例のサセプタ132は中空であり、したがって、内部にエアロゾル生成材料を受け入れる加熱チャンバを画定する。例えば、物品110は、サセプタ132内に挿入することができる。この例では、サセプタ120は、断面が円形の管状である。
【0060】
サセプタ132は1つ又は複数の材料から作られてもよい。任意選択的に、サセプタ132は、ニッケル又はコバルトをコーティングされた炭素鋼を含む。
【0061】
いくつかの例では、サセプタ132は、少なくとも2つの材料を選択的にエアロゾル化するために2つの異なる周波数で加熱することができる少なくとも2つの材料を含んでもよい。例えば、(第1のインダクタコイル124によって加熱される)サセプタ132の第1の部分は第1の材料を含んでよく、第2のインダクタコイル126によって加熱されるサセプタ132の第2の部分は異なる第2の材料を含んでよい。別の例では、第1の部分は、第1及び第2の材料を含んでもよく、第1のインダクタコイル124の動作に基づいて、第1及び第2の材料を異なるように加熱することができる。第1の材料と第2の材料は、サセプタ132によって定められた軸線に沿って隣り合っていてもよいし、サセプタ132内で異なる層を形成してもよい。同様に、第2の部分は、第3及び第4の材料を含んでもよく、第2のインダクタコイル126の動作に基づいて、第3及び第4の材料を異なるように加熱することができる。第3の材料と第4の材料は、サセプタ132によって定められた軸線に沿って隣り合っていてもよいし、サセプタ132内で異なる層を形成してもよい。例えば、第3の材料は第1の材料と同じであってもよく、第4の材料は第2の材料と同じであってもよい。これに代えて、材料のそれぞれは異なっていてもよい。例えば、サセプタは炭素鋼又はアルミニウムを含んでもよい。
【0062】
図4のデバイス100は、概ね管状でサセプタ132を少なくとも部分的に取り囲むことができる絶縁部材128をさらに備える。絶縁部材128は、例えば、プラスチックなどの絶縁材料から構成されてもよい。この特定の例では、絶縁材料はポリエーテルエーテルケトン(PEEK:polyether ether ketone)から構成される。絶縁材料128は、サセプタ132に生成される熱からデバイス100の様々な構成部品を絶縁する助けとなり得る。
【0063】
絶縁部材128はまた、第1及び第2のインダクタコイル124、126を完全に、又は部分的に支持することができる。例えば、
図4に示すように、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、絶縁部材128の周りに配置され、絶縁部材128の半径方向外向きの表面と接触している。いくつかの例では、絶縁部材128は、第1及び第2のインダクタコイル124、126と当接しない。例えば、絶縁部材128の外面と、第1及び第2のインダクタコイル124、126の内面との間には小さな隙間があってもよい。
【0064】
特定の例では、サセプタ132、絶縁部材128、並びに第1及び第2のインダクタコイル124、126は、サセプタ132の中央長手方向軸線の周りに同心である。
【0065】
図5は、デバイス100の断面図である。この例では外側カバー102は存在している。第1及び第2のインダクタコイル124、126の矩形断面形状がより明瞭に見える。
【0066】
デバイス100は、図示の特定の例では、サセプタ管132の一端と係合してサセプタ管132を定位置に保持する入口導管支持構成部品131をさらに備える。入口導管支持構成部品131は第2の端部部材116に接続される。
【0067】
デバイスはまた、制御要素112内に関連した第2のプリント回路基板138を備えてもよい。
【0068】
デバイス100は、デバイス100の遠位端の方に配置された第2の蓋/キャップ140及びばね142をさらに備える。ばね142によって第2の蓋140を開けることができて、サセプタ管132にアクセスすることができる。使用者は第2の蓋140を開けて、サセプタ管132及び/又は入口導管103の内面をきれいにすることができる。
【0069】
デバイス100は、サセプタ132の近位端からデバイスの開口104の方へ延在する膨張チャンバ144をさらに備える。物品110がデバイス100内に受け入れられたときに物品110に当接して保持するために、膨張チャンバ144内に保持クリップ146が少なくとも部分的に配置される。膨張チャンバ144は端部部材106に接続される。
【0070】
図6は、外側カバー102を省いた、
図1のデバイス100の分解図である。
【0071】
図7の
図7A(Fig.7A)は、
図4のデバイス100の一部分の断面を示す。
図7の
図7B(Fig.7B)は、
図7Aの1つの領域の拡大図である。
図7A及び
図7Bは、サセプタ132内に受け入れられた物品110を示し、ここでは、物品110は、物品110の外面がサセプタ132の内面と当接するような寸法である。これは、この加熱が最も効率的であることを確実にする。この例の物品110はエアロゾル生成材料110aを備える。エアロゾル生成材料110aはサセプタ132内に配置される。物品110はまた、フィルタ、包装材料及び/又は冷却構造体などの他の構成部品を備えてもよい。
【0072】
図7Bは、サセプタ132の外面が、インダクタコイル124、126の内面から、サセプタ132の長手方向軸線158に垂直な方向に測って距離150だけ間隔を置いて配置されていることを示す。1つの特定の例では、距離150は、約3mm~4mm、約3~3.5mm、又は約3.25mmである。
【0073】
図7Bは、絶縁部材128の外面が、インダクタコイル124、126の内面から、サセプタ132の長手方向軸線158に垂直な方向に測って距離152だけ間隔を置いて配置されていることをさらに示す。1つの特定の例では、距離152は約0.05mmである。別の例では、距離152は実質的に0mmであり、その結果、インダクタコイル124、126は絶縁部材128と当接し接触する。
【0074】
一例では、サセプタ132は約0.025mm~1mm又は約0.05mmの壁厚154を有する。
【0075】
一例では、サセプタ132は、約40mm~60mm、約40mm~45mm、又は約44.5mmの長さを有する。
【0076】
一例では、絶縁部材128は、約0.25mm~2mm、0.25mm~1mm、又は約0.5mmの壁厚156を有する。
【0077】
本明細書では、「使用セッション」は、使用者によるエアロゾル供給デバイスの使用の単一期間を指す。使用セッションは、加熱アセンブリにある少なくとも1つの加熱装置に電力がはじめに供給される時点から始まる。デバイスは、使用セッションの開始からある時間経過した後に、使用の準備ができている。使用セッションは、エアロゾル供給デバイスの加熱要素のいずれにも電力が供給されなくなった時点で終わる。使用セッションの終了は、喫煙品が使い尽くされた時点(各パフでの粒子状物質の全発生量(mg)が使用者によって容認しがたいほど低いと思われる時点)で起こってもよい。セッションは複数のパフの期間を有する。前記セッションは、7分、又は6分、又は5分、又は4分30秒、又は4分、又は3分30秒より短い期間を有してもよい。いくつかの実施形態では、使用セッションは、2~5分、又は3~4.5分、又は3.5~4.5分、又は好適には4分の期間を有してもよい。セッションは、使用者がデバイスのボタン又はスイッチを作動させて、少なくとも1つの加熱要素の温度を上げ始めることによって始められてもよい。
【0078】
上の実施形態は、本発明の説明のための例として理解されたい。本発明のさらなる実施形態は考えられる。任意の1つの実施形態に関して説明された任意の特徴は、単独で使用されてもよく、又は、説明された他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、また、実施形態のうちの任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせて使用されてもよく、又は実施形態のうちの任意の他の実施形態の任意の組合せにおいて使用されてもよいことを理解されたい。さらに、上で説明していない等価物及び修正物もまた、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱しなければ使用することができる。