(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】菓子
(51)【国際特許分類】
A23G 1/50 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A23G1/50
(21)【出願番号】P 2023129618
(22)【出願日】2023-08-08
【審査請求日】2024-01-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】片野 裕太
(72)【発明者】
【氏名】土田 優花
【審査官】高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-097736(JP,A)
【文献】特開2007-209310(JP,A)
【文献】実開昭60-049788(JP,U)
【文献】サンリオキャラクターズ キャラパキ(キャラクター大賞 Ver.),BANDAY Candy[オンライン],[2024年4月19日検索],2023年03月28日,https://www.bandai.co.jp/candy/products/2023/4549660821199234.html
【文献】サンリオキャラクターズ キャラパキ,BANDAY Candy[オンライン],[2024年4月19日検索],2023年03月23日,https://www.bandai.co.jp/candy/products/2023/4549660821199233.html
【文献】サンリオキャラクターズ キャラパキ,BANDAY Candy[オンライン],[2024年4月19日検索],2023年03月23日,https://www.bandai.co.jp/candy/products/2022/4549660821199000.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の本体部と、
前記本体部に形成され、複数のパーツ部を含んでいるキャラクター部と、
前記本体部に形成されている背景部と、
を備え、
前記背景部は、第1の厚みに形成されている第1背景部と、前記第1の厚みとは異なる第2の厚みに形成されている第2背景部と、を含み、
前記パーツ部は、
前記第1の厚みに形成されている第1パーツ部と、前記第2背景部と連続し
、前記第2の厚みに形成されている
第2パーツ部とを含んでいる、菓子。
【請求項2】
請求項1に記載の菓子であって、
前記第1の厚みは、前記第2の厚みよりも厚く形成されている、菓子。
【請求項3】
請求項
2に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、その厚みが前記第1の厚みに形成されている部分を有する、菓子。
【請求項4】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第2背景部と連続して形成されている前記パーツ部は、前記キャラクター部を構成している顔部の一部である、菓子。
【請求項5】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第2背景部と連続して形成されている前記パーツ部は、細長い形状に形成されている、菓子。
【請求項6】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第2背景部は、第1系統色で形成され、
前記第2背景部と連続して形成されている前記パーツ部は、前記第1系統色で形成されている、菓子。
【請求項7】
請求項
6に記載の菓子であって、
前記第1背景部は、前記第1系統色とは異なる系統色で形成されている、菓子。
【請求項8】
請求項
7に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、前記第1系統色を含む複数の系統色で形成されている、菓子。
【請求項9】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第1背景部は、前記本体部の一方端部及び他方端部の少なくとも何れかを含むように形成され、
前記第2背景部は、前記一方端部及び前記他方端部の少なくとも何れかを除く部位に形成されている、菓子。
【請求項10】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第2背景部は、前記第1背景部及び前記キャラクター部を除く部位に形成されている、菓子。
【請求項11】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、その全周囲において第1溝部が形成されている、菓子。
【請求項12】
請求項
11に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、その内部において第2溝部が形成されている、菓子。
【請求項13】
請求項
12に記載の菓子であって、
前記第1溝部は、前記第2溝部よりも深い溝に形成されている、菓子。
【請求項14】
請求項
13に記載の菓子であって、
前記本体部は、前記第1溝部、及び前記第2溝部において分割可能に構成され、
前記第1溝部は、前記第2溝部よりも分割容易に形成されている、菓子。
【請求項15】
請求項
14に記載の菓子であって、
前記第1溝部は、第1系統色で形成され、
前記第2溝部は、前記第1系統色とは異なる系統色で形成されている、菓子。
【請求項16】
請求項
15に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、複数のパーツ部を含み、
前記第1溝部は、前記パーツ部同士の間に形成されている、菓子。
【請求項17】
請求項
16に記載の菓子であって、
前記第1溝部は、その厚みが前記第2背景部の厚みよりも厚くないように形成されている、菓子。
【請求項18】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記本体部は、ベース部を含み、
前記キャラクター部、及び前記第1背景部は、前記ベース部への積層により形成され、
前記第2背景部は、前記ベース部のみで形成されている、菓子。
【請求項19】
請求項
18に記載の菓子であって、
前記ベース部は、パフ入りチョコレートで構成され、
前記キャラクター部、及び前記第1背景部は、パフ無しチョコレートで構成されている、菓子。
【請求項20】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記キャラクター部、前記第1背景部、及び前記第2背景部は、同一の系統色であれば
同じ味、異なる系統色であれば異なる味に構成されている、菓子。
【請求項21】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、その一部が前記第1背景部に入り込んで形成されている、菓子。
【請求項22】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、その表面積が前記第1背景部及び前記第2背景部の合計の表面積よりも小さく形成されている、菓子。
【請求項23】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第1背景部及び前記第2背景部の少なくとも何れかには、文字部が形成されている、菓子。
【請求項24】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、真正面を除く向きの態様で形成されている、菓子。
【請求項25】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、動きを表現した態様で形成されている、菓子。
【請求項26】
請求項1~
3の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第1背景部には、第1の模様が形成され、前記第2背景部には、第2の模様が形成されている、菓子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菓子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、菓子として、例えば特許文献1においては、溶融チョコレートを型に流し込み、型内に従う周縁形状と、型内底面に沿う立体的形状・模様の表面と、所要の厚みを持つチョコレート菓子を固化形成し、このチョコレート菓子を所要の間隔で縦方向と横方向とから交叉して設けられる切抜傷線によって所要数個の箇片に平面分割されることを特徴とするパズルチョコレート、の構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、チョコレート菓子において、切抜傷線を設けてパズルにしたチョコレートが開示されている。しかし、この菓子は、所定図柄を切抜傷線で切り分け、元の図柄に組み上げるなどの遊び方があるだけので、遊び方の種類も少なくその興趣性には課題を有していた。
【0005】
本発明は、興趣性を向上させた菓子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の菓子は、板状の本体部と、本体部に形成され、複数のパーツ部を含んでいるキャラクター部と、本体部に形成されている背景部と、を備え、背景部は、第1の厚みに形成されている第1背景部と、第1の厚みとは異なる第2の厚みに形成されている第2背景部と、を含み、パーツ部は、その一部が第2背景部と連続して形成されているものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性を向上させた菓子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】
図1におけるA-A線に沿った部分の断面図である。
【
図4】
図1におけるB-B線に沿った部分の断面図である。
【
図5】本体部を分割した状態でキャラクター部の分割・切り出しに成功したときの態様を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一態様である菓子について、図を参照して説明する。
図1は、菓子1の平面図である。
図1に示す菓子1は、例えばチョコレートを素材にしたもので、長方形で4つの端部20a,20b,20c,20d(縦の左右端部20b,20d、及び横の上下端部20a,20c)の板状の本体部10を備えている。本体部10には、その略中央に、例えば走るように躍動するキャラクター部20が形成され、キャラクター部20の周りには背景部30が設けられている。
【0010】
背景部30は、本態様においては、例えば、図中において上下に互いに隣接し横方向に延びる複数本(本態様では4本)の帯状部分の区画を有する構成となっており、各帯状部分の色合いや図柄などが適宜異なってキャラクター部20を飾るようになっている。この帯状部分の背景部30は、大別するとその突出高さ(
図2及び
図3参照)によって第1背景部31と第2背景部32に分かれている。第1背景部31は、第1の厚みに形成されており、第2背景部32は、第1の厚みよりも薄く形成された第2の厚みとなっている。
【0011】
図1において上側の2つの第1背景部31(31a,31b)、及び下側から二番目の第1背景部31(31c)は、すべて色合いが異なると共に図柄も異なっている。例えば、第1背景部31においては、例えば、点々模様、雲模様、及び楕円模様などの第1の模様が形成されている。また、上から3番目の第2背景部32(32a)、及び一番下側の第2背景部32(32b)は、第1背景部31とは異なる色合いであると共に図柄が異なる構成となっている。例えば、第2背景部32においては、レンガ模様、花模様などの第2の模様が形成されている。
【0012】
ここで、第2背景部32は、例えばチョコレートの茶色い色などの第1系統色で形成されている。また、キャラクター部20の輪郭を表す後述する第1溝部41も第1系統色で形成されている。一方、第1背景部31は、第1系統色とは異なる、例えば、青色、白色、桃色、薄茶色などの系統色にて形成されている。この各系統色は、そのチョコレートに含まれる味素材を反映して色分けされている。本態様においては、4種類~5種類の色に区分けされ、その味も色ごとに4~5種類となっている。
【0013】
キャラクター部20は、例えば、頭部21、顔部22、腕部23、手部24、胴部25(脚部を含む)、及び足部26などの複数のパーツ部を含んで構成されている。そして、各パーツ部間にはその輪郭線を構成する第1溝部41が設けられている。第1溝部41は、背景部30に対してキャラクター部20が浮き彫りになるように全周囲に形成されている。
【0014】
キャラクター部20は、その手部24、胴部25、及び足部26は、複数の背景部30に跨るように描かれている。例えば、背景部30は、空を描いた部分(第1背景部31b)、レンガ風の壁を描いた部分(第2背景部32a)、石畳風の道を描いた部分(第1背景部31c)、及び植え込み風の道端を描いた部分(第2背景部32b)、となっており、この全ての背景部30の中に正面を向いていないキャラクター部20が入り込むように描かれている。これにより、キャラクター部20が背景からはみ出す動きのある演出がなされている。また、この背景部30の表面積は、キャラクター部20の表面積よりも大きく形成されており、この大きい面積の背景部30がキャラクター部20の動きの演出上重要な描画となっている。
【0015】
図2は、菓子1の斜視図である。
本体部10は、
図2に示すように、本体部10の底側にはベース部50を有している。そして、キャラクター部20、及び第1背景部31は、ベース部50の一方側(上側)に他の素材(色及び味が異なる素材)が、適宜厚みにて積層されている。
【0016】
本体部10は、前述のごとく矩形状であるが、背景部30を区画する第1溝部41は、
図2に示すように、左右端部20b,20d間にわたって形成されている。また、第1溝部41は、その溝深さがベース部50まで届く深さとなっている。また、キャラクター部20の表面20sは、
図2に示すように、第2背景部32の表面32sよりも高く構成され、第1背景部31の表面31sと略同じ高さに構成されている。
【0017】
また、各パーツ部において、例えば、頭部21には、帽子の鍔の根元部分ライン、顔部22には口、目の形、胴部25には脚部やズボンのライン、手部24には、手の形或いは手袋の形、及び足部26には靴の形、などを模る第2溝部42が設けられている。この第2溝部42の深さ(キャラクター部20の表面20sから見た深さ)は、第1溝部41よりも浅く形成されている。このように、溝部としては、例えば第1溝部41、第2溝部42という異なる深さのものが設けられている。
【0018】
また、背景部30においては、第1背景部31、第2背景部32の少なくとも何れかには、文字38が形成されており、当該文字38を使用してキャラクターを強調した演出となっている。なお、文字38は、溝にて形成されているが、下側の素材と異なる色の素材を重ねるような構成であってもよい。
【0019】
図3は、
図2におけるA-A線に沿った部分の断面図であり、
図4は、
図2におけるB-B線に沿った部分の断面図である。
図3に示すように、本体部10には、前述したように、キャラクター部20、及び第1背景部31がベース部50上に積層されている。そして、キャラクター部20と第1背景部31とは同じ厚みとなっている。一方、第2背景部32a,32bは、第1背景部31a,31b,31cよりも薄くなっている。本態様においては、第2背景部32a,32bは、ベース部50のみで構成されている。
【0020】
第1背景部31は、その厚みが第2背景部32の厚みよりも厚く形成され、その厚みは特に限定するものではないが、例えば、5.5~9.0mmの間の厚み(t1)に形成することができる。この場合、第2背景部32は、3.0~5.4mmの間の厚み(t2)に形成することができる。このように厚み差を有していることで、第2背景部32は、キャラクター部20、及び第1背景部31よりも分割が容易となる。
【0021】
また、本体部10は、板状のチョコレートとして構成されているので、適宜箇所において分割することができる。特に、第1溝部41の部分の厚み(t3)は、第1溝部41以外の部分(厚みt1、及び厚みt2の部分)よりも薄く構成されていることから分割・分離が容易である。したがって、本体部10からキャラクター部20の輪郭形状で分割・割り出しを行える。ここで、背景部30には、前述のように、横方向に左右端部20b,20dまで貫通した4本の第1溝部41が形成されているので、キャラクター部20の分割・割り出しを開始するときに当該第1溝部41を利用できる。
【0022】
ベース部50は、
図3に示すように、パフ60入りチョコレートで構成されている。一方、キャラクター部20、及び第1背景部31は、パフ60無しチョコレートで構成されている。これにより、菓子1は、部分によって味が異なるだけでなく、第1背景部31においては、食感が第2背景部32とは異なる。
【0023】
なお、パフ60は、ベース部50の下側(底面側)に多く含まれており、ベース部50の裏面側(図中において下側)の底面は若干凸凹した形状となっている。しかし、ベース部50の表面側(図中において上側)は、パフ60による凸凹は殆ど形成されずにチョコレートからなる略平らな面を構成している。
【0024】
また、キャラクター部20の顔部22においては、ひげ部22a、及びもみあげ部22bは、顔部22の他の部分よりも薄く構成されている。例えば、
図4に示すように、ベース部50が細長い形状で露出するようになっている。すなわち、ひげ部22a、及びもみあげ部22bは、第2背景部32と第1溝部41を介して連続した構成となっており、その色も第2背景部32と同じ色となっている。
【0025】
図5は、本体部10を分割した状態を示す平面図であって、キャラクター部20の分割・切り出しが成功したときの状態を示す平面図である。
図5に示す割り出し状態は、キャラクター部20の割り出しに関して成功した一例である。この場合は、キャラクター部20と背景部30との間の第1溝部41、すなわち、キャラクター部20の外周部分において背景部30が上手く分離されている状態である。この場合においては、キャラクター部20の、例えば、首部分や手部24などが割れてしまった失敗例とは異なり、本体部10の持ち方(力の入れる場所)、力の入れる方向、曲げ方、力の強さ、等が上手く行った例である。
【0026】
なお、本態様における菓子1の本体部10は、チョコレートを主な材料として構成されているので、パフ60の混入量やパフ60のサイズによって本体部10の割れ方が変化し、さらに、本体部10の温度によっても割れ方が微妙に変化する。
【0027】
また、
図5に示しように、キャラクター部20の割り出しが上手く行った場合とは異なり、いろんなところで割れてしまった場合、その割れた菓子片には、キャラクター部20や背景部30が混じった状態となっている。この結果、菓子片の味、香り、食感、は、菓子片ごとに変わり、それを楽しむことができ、キャラクター部20の分離・切り出しの失敗があるが故の味、香り、食感等を楽しむことができる。
【0028】
以上述べたように、本態様の菓子1は、キャラクター部20が設けられた板状の菓子1において、背景部30が複数の厚みに構成されていることで、立体的な演出をすることができる。また、キャラクター部20のパーツ部の一部が第2背景部32と連続する構成となっていることで、キャラクター部20の図柄において第2背景部32を利用することができる。
【0029】
また、本態様の菓子1では、分割し易さが第1背景部31と第2背景部32で異なる構成であるので、単一の背景部30とは異なり、背景部30の割り方の難しさを演出することができる。
【0030】
本態様の菓子1では、キャラクター部20には、第1背景部31と同じ厚みの部分と第2背景部32と同じ厚みの部分が形成されているので、キャラクター部20を立体的に表現することができ、特に、顔部の微妙な表情の演出が可能である。また、溝部が溝深さの異なる第1溝部41、及び第2溝部42を有していることで、キャラクター部20の絵柄のより複雑な表現をすることができる。
【0031】
本態様の菓子1では、第2背景部32と連続した一部(ひげ部22a)が細長い形状に構成されていることで、例えば、この細長い部分が割れ易い構造となりキャラクター部20の割り出しを難しくすることができる。
【0032】
本態様の菓子1では、第1背景部31、及び第2背景部32の系統色を変えることで、菓子1の色を楽しむことができる。また、第1溝部41の色をキャラクター部20とは異なる、例えば第2背景部32の系統色にすることで、キャラクター部20の輪郭を明確にすることができる。また、キャラクター部20をパーツ部で色を変える構成とすることで、キャラクター部20をカラフルに演出することができる。
【0033】
本態様の菓子1では、第1背景部31は、本体部10の一方端部(上端部)及び他方端部(下端部)の少なくとも何れかを含むように形成されていることで、キャラクター部20を割り出すときに、本体部10の端部の第1背景部31から割り出しを開始することができる。
【0034】
本態様の菓子1では、キャラクター部20の周囲を囲む第1溝部41が深い溝に構成されていることで、キャラクター部20の輪郭形状の割り出しがし易い。
【0035】
また、本態様の菓子1では、キャラクター部20の複数のパーツ部が第1溝部41により別れた構成となっているので、キャラクター部20全体を切り出すときに、切り出しを難しいものとしている。この結果、キャラクター部20の切り出しを難しい作業として楽しむことができる。
【0036】
本態様の菓子1では、第1溝部41は、その厚みが第2背景部32の厚みよりも厚くないように形成されているので、キャラクター部20の割り出しに際して、第1溝部41を割れ易くできる。
【0037】
本態様の菓子1では、キャラクター部20、及び第1背景部31は、ベース部50への積層により形成されているので、ベース部50とその上の積層素材とにより味や色の違いを作り出すことができる。また、キャラクター部20は、ベース部50上に形成するので、異なった多数のキャラクターを形成場合も同じベース部50を利用して形成することができる。
【0038】
また、本態様の菓子1では、分割線として第1溝部41が設けられているので、キャラクター部20を綺麗に分離することを楽しむことができる。また、本体部10は、第1溝部41が深く形成されて割れやすく構成されてはいるものの、第1溝部41以外の部位も割れる構成であるので、力のかけ具合によって第1溝部41の部分以外も割れてしまいキャラクター部20の形状を切り出しが難しくなっており、キャラクター部20を綺麗に切り出し出来たときの達成感を演出できる。
【0039】
本態様の菓子1では、第1背景部31と第2背景部32とが異なる味になっていることで、分割するときの過程と味の変化を同時に楽しむことができる。特に、いつも同じように割れることがないので、分割片上に残される色、味は常に変化してそれを楽しむことができる。
また、本体部10がパフ60入りのベース部50を含んでいることで、味と合わせて食感を楽しむことができる。また、同じ色については同じ味がするように形成されているので、色による味の予測を楽しむことができる。
【0040】
本態様の菓子1では、キャラクター部20は、その表面積が第1背景部31及び第2背景部32の合計の表面積よりも小さく形成されているので、背景部30による演出をし易い構成となっている。
【0041】
また、本態様の菓子1においては、背景部30に文字38が形成されていることで、文字38による強調演出をすることができる。
【0042】
本態様の菓子1では、キャラクター部20は、真正面を向いた構成となっていない、例えば走っているような動きを表現した態様で形成されているので、キャラクターの躍動感を演出することができる。
【0043】
本態様の菓子1では、第1背景部31には、第1の模様が形成され、第2背景部32には、第2の模様が形成されているので、第1背景部31と第2背景部32は異なる背景演出をすることができる。
【0044】
以上、本発明の一態様について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記態様においては、キャラクター部20の厚みに対して背景部30が2つの異なる厚みを有する構成としたが、この構成に限るものではなく、3種類以上の厚みを備えた構成であっても良い。
【0045】
また、上記態様においては、第1溝部41の深さ、及び第2溝部42の深さについては、それぞれ一種類の深さにて構成したが、これに限るものではなく、例えば、第1溝部41の深さを複数の深さとすると共に、第2溝部42の深さも複数に構成してもよい。
【0046】
また、上記態様においては、チョコレートを主たる原料にした菓子であるがこのような構成に限るものではなく、例えば、クッキーなどある程度固まる材料であれば特に制限するものではない。
【0047】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が記載されている。
【0048】
(1)
板状の本体部と、
上記本体部に形成され、複数のパーツ部を含んでいるキャラクター部と、
上記本体部に形成されている背景部と、
を備え、
上記背景部は、第1の厚みに形成されている第1背景部と、上記第1の厚みとは異なる第2の厚みに形成されている第2背景部と、を含み、
上記パーツ部は、その一部が上記第2背景部と連続して形成されている、菓子。
【0049】
(2)
(1)に記載の菓子であって、
上記第1の厚みは、上記第2の厚みよりも厚く形成されている、菓子。
【0050】
(3)
(1)又は(2)に記載の菓子であって、
上記第2背景部と連続して形成されている上記パーツ部は、上記第2の厚みに形成されている、菓子。
【0051】
(4)
(1)~(3)の何れかに記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、その厚みが上記第1の厚みに形成されている部分を有する、菓子。
【0052】
(5)
(1)~(4)の何れかに記載の菓子であって、
上記第2背景部と連続して形成されている上記パーツ部は、上記キャラクター部を構成している顔部の一部である、菓子。
【0053】
(6)
(1)~(5)の何れかに記載の菓子であって、
上記第2背景部と連続して形成されている上記パーツ部は、細長い形状に形成されている、菓子。
【0054】
(7)
(1)~(6)の何れかに記載の菓子であって、
上記第2背景部は、第1系統色で形成され、
上記第2背景部と連続して形成されている上記パーツ部は、上記第1系統色で形成されている、菓子。
【0055】
(8)
(7)に記載の菓子であって、
上記第1背景部は、上記第1系統色とは異なる系統色で形成されている、菓子。
【0056】
(9)
(7)又は(8)に記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、上記第1系統色を含む複数の系統色で形成されている、菓子。
【0057】
(10)
(1)~(9)の何れかに記載の菓子であって、
上記第1背景部は、上記本体部の一方端部及び他方端部の少なくとも何れかを含むように形成され、
上記第2背景部は、上記一方端部及び上記他方端部の少なくとも何れかを除く部位に形成されている、菓子。
【0058】
(11)
(1)~(10)の何れかに記載の菓子であって、
上記第2背景部は、上記第1背景部及び上記キャラクター部を除く部位に形成されている、菓子。
【0059】
(12)
(1)~(11)の何れかに記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、その全周囲において第1溝部が形成されている、菓子。
【0060】
(13)
(12)に記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、その内部において第2溝部が形成されている、菓子。
【0061】
(14)
(13)に記載の菓子であって、
上記第1溝部は、上記第2溝部よりも深い溝に形成されている、菓子。
【0062】
(15)
(13)又は(14)に記載の菓子であって、
上記本体部は、上記第1溝部、及び上記第2溝部において分割可能に構成され、
上記第1溝部は、上記第2溝部よりも分割容易に形成されている、菓子。
【0063】
(16)
(13)~(15)の何れかに記載の菓子であって、
上記第1溝部は、第1系統色で形成され、
上記第2溝部は、上記第1系統色とは異なる系統色で形成されている、菓子。
【0064】
(17)
(13)~(16)の何れかに記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、複数のパーツ部を含み、
上記第1溝部は、上記パーツ部同士の間に形成されている、菓子。
【0065】
(18)
(12)~(17)の何れかに記載の菓子であって、
上記第1溝部は、その厚みが上記第2背景部の厚みよりも厚くないように形成されている、菓子。
【0066】
(19)
(1)~(18)の何れかに記載の菓子であって、
上記本体部は、ベース部を含み、
上記キャラクター部、及び上記第1背景部は、上記ベース部への積層により形成され、
上記第2背景部は、上記ベース部のみで形成されている、菓子。
【0067】
(20)
(19)に記載の菓子であって、
上記ベース部は、パフ入りチョコレートで構成され、
上記キャラクター部、及び上記第1背景部は、パフ無しチョコレートで構成されている、菓子。
【0068】
(21)
(1)~(20)の何れかに記載の菓子であって、
上記キャラクター部、上記第1背景部、及び上記第2背景部は、同一の系統色であれば同じ味、異なる系統色であれば異なる味に構成されている、菓子。
【0069】
(22)
(1)~(21)の何れかに記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、その一部が上記第1背景部に入り込んで形成されている、菓子。
【0070】
(23)
(1)~(22)の何れかに記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、その表面積が上記第1背景部及び上記第2背景部の合計の表面積よりも小さく形成されている、菓子。
【0071】
(24)
(1)~(23)の何れかに記載の菓子であって、
上記第1背景部及び上記第2背景部の少なくとも何れかには、文字部が形成されている、菓子。
【0072】
(25)
(1)~(24)の何れかに記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、真正面を除く向きの態様で形成されている、菓子。
【0073】
(26)
(1)~(25)の何れかに記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、動きを表現した態様で形成されている、菓子。
【0074】
(27)
(1)~(26)の何れかに記載の菓子であって、
上記第1背景部には、第1の模様が形成され、上記第2背景部には、第2の模様が形成されている、菓子。
【符号の説明】
【0075】
1 菓子
10 本体部
20 キャラクター部
22 顔部(パーツ部)
22a ひげ部(パーツ部の一部)
22b もみあげ部(パーツ部の一部)
23 腕部(パーツ部)
24 手部(パーツ部)
25 胴部(パーツ部)
26 足部(パーツ部)
30 背景部
31 第1背景部
32 第2背景部
41 第1溝部(溝部)
42 第2溝部(溝部)
50 ベース部
60 パフ
【要約】
【課題】興趣性を向上させた菓子を提供する。
【解決手段】菓子1は、板状の本体部10と、本体部10に形成され、複数のパーツ部を含んでいるキャラクター部20と、本体部10に形成されている背景部30と、を備え、背景部30は、第1の厚みに形成されている第1背景部31と、第1の厚みとは異なる第2の厚みに形成されている第2背景部32と、を含み、パーツ部は、その一部が第2背景部32と連続して形成されている。これにより、背景部30が複数の厚みに構成されていることで、立体的な演出をすることができ、また、キャラクター部20のパーツ部の一部が第2背景部32と連続する構成となっていることで、第2背景部32を利用したキャラクター部20を構成することができる。
【選択図】
図2