IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グーグル インコーポレイテッドの特許一覧

特許7569926ディスプレイ導波路破損安全システムのレーザーエネルギー積分器
<>
  • 特許-ディスプレイ導波路破損安全システムのレーザーエネルギー積分器 図1
  • 特許-ディスプレイ導波路破損安全システムのレーザーエネルギー積分器 図2
  • 特許-ディスプレイ導波路破損安全システムのレーザーエネルギー積分器 図3
  • 特許-ディスプレイ導波路破損安全システムのレーザーエネルギー積分器 図4
  • 特許-ディスプレイ導波路破損安全システムのレーザーエネルギー積分器 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ディスプレイ導波路破損安全システムのレーザーエネルギー積分器
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20241010BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023516260
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 US2022043444
(87)【国際公開番号】W WO2023140899
(87)【国際公開日】2023-07-27
【審査請求日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】17/578,032
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローガン,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ワシリシン,ドウェイン・エイ
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/140757(WO,A1)
【文献】特表2014-524046(JP,A)
【文献】特開2011-164483(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0035087(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0109353(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109088302(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01 - 27/02
H04N 5/64
H04N 13/344
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタによって投影された複数の画像フレーム内の複数のサンプリング点において、エネルギーを測定することと、
前記複数の画像フレームの各々の瞳孔領域の最高エネルギーを、前記瞳孔領域によって包含される前記複数のサンプリング点のサブセットに基づいて推定することと、
前記複数の画像フレームの各々の前記最高エネルギーを加算して、累積最高エネルギーを生成することと、
前記累積最高エネルギーを閾値と比較することと、
前記累積最高エネルギーが前記閾値を超えていることに応答して、前記プロジェクタのパワー出力を調整することとを備える、方法。
【請求項2】
前記閾値は、クラス1レーザー光の最大許容エネルギー出力に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロジェクタの前記パワー出力を調整することは、
前記プロジェクタの前記パワー出力を低減させる信号を、前記プロジェクタに送信すること、
前記複数の画像フレームのコンテンツを調整する信号を、プロジェクタに送信すること、または、
電源を切断する信号を前記プロジェクタに送信することのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記累積最高エネルギーが前記閾値を超えていないことに応答して、所定時間が経過したかどうかを判定することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記所定時間が経過したと判定することに応答して、前記複数の画像フレーム内の次の画像フレームにおいて、エネルギーを測定することをさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
複数の画像フレームを形成する光を放射するように構成されたプロジェクタと、
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成された安全システムとを備える、システム。
【請求項7】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)システムであって、
複数の画像フレームを形成する光を放射するように構成されたプロジェクタと、
安全システムとを備え、前記安全システムは、
前記複数の画像フレーム内の複数のサンプリング点において、前記プロジェクタから放射される前記光の少なくとも一部のエネルギーを測定するように構成された少なくとも1つのエネルギー監視構成要素と、
安全プロセッサとを備え、前記安全プロセッサは、
前記複数の画像フレームの各々の瞳孔領域の最高エネルギーを、前記瞳孔領域によって包含される前記複数のサンプリング点のサブセットに基づいて推定し、
前記複数の画像フレームの各々の推定最高エネルギーを加算することによって、累積最高エネルギーを生成し、
前記累積最高エネルギーを閾値と比較し、
前記累積最高エネルギーが前記閾値を超えていることに応答して、表示コントローラまたは前記プロジェクタの一方に信号を送信するように構成され、前記信号は、前記プロジェクタから放射される前記光を調整する指示を伝達する、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)システム。
【請求項8】
前記閾値は、クラス1レーザー光の最大許容エネルギー出力に基づく、請求項7に記載のヘッドマウントディスプレイ(HMD)システム。
【請求項9】
前記プロジェクタから放射される前記光を調整する命令を伝達する前記信号は、
前記プロジェクタのパワー出力を低減させる命令、
前記複数の画像フレームのコンテンツを調整する命令、または、
前記プロジェクタの電源を切断する命令のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載のヘッドマウントディスプレイ(HMD)システム。
【請求項10】
前記安全プロセッサはさらに、前記累積最高エネルギーが前記閾値を超えていないことに応答して、所定時間が経過したかどうかを判定するように構成されている、請求項7~9のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ(HMD)システム。
【請求項11】
前記安全プロセッサはさらに、前記所定時間が経過したと判定することに応答して、前記複数の画像フレーム内の次の画像フレームにおいて、エネルギーを測定するように構成されている、請求項10に記載のヘッドマウントディスプレイ(HMD)システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
レーザーは、人の眼および皮膚に障害を与える可能性があるかどうかに基づいて分類される。可視光レーザーには4つの主要なクラスがあり、クラス1が最も安全で、クラス4が最も安全ではない。クラス1レーザーは、一般に、エネルギー出力が低いか、通常動作時にユーザがレーザー光にアクセスできないような筐体に収められているため、ほとんどまたは全ての使用条件下で安全である。クラス2レーザーは、ユーザがまばたきせずに長時間ビームを凝視しない限り、比較的安全である。クラス3レーザーは一般に、特にビーム径または出力密度を変化させる光学素子と組み合わせて使用する場合、眼に対して危険であると考えられている。クラス4レーザーは、ビーム径および/または出力密度を変える光学素子がないと危険とされる高い光出力を発する。ヘッドマウントディスプレイ(head-mounted display:HMD)とも呼ばれるニアアイ画像表示デバイスには、レーザープロジェクタを使って導波路を通して像を投影し、ユーザが像を見ることができるものがある。最も安全なHMDデバイスは、クラス1レーザー製品に相当するよりも大きいものにユーザの眼をさらさないように、アクセス可能な最大露出が管理されている。
【0002】
レーザーベースの画像表示デバイスでは、レーザーは、表示画像の画素を定義する光を発する。各画素は、赤色光、緑色光および青色光の組み合わせによって定義され得る。画素の輝度は、赤色光、緑色光および青色光の組み合わせのレーザーエネルギーに関連している。クラス1の眼の安全限界は、通常、100秒間の許容エネルギーの尺度である。クラス1の眼の安全限界は、波長ごとの光の許容量を規定する。青色光は通常、許容量が最も少なく、緑色光、赤色光と続く。ニアアイディスプレイの最大輝度は、網膜に投影される光の量を知ることに基づいていなければならない。そのため、ディスプレイの輝度は、ディスプレイの面積または曲線因子によって制限される。一部のHMDでは、最大画素エネルギーは、100秒あたり3.9ミリジュール(mJ)というクラス1の眼の安全限界を安全に下回るために、フレームの割合(たとえば、25%)を100秒間フルホワイトでレンダリングできるレベルに固定されている。しかしながら、一部のHMDの導波路は壊れやすく、落としたり乱暴に扱ったりすると壊れることが当然予想される。このような破損により、クラス1の安全基準を超えるエネルギーレベルのレーザー光が、HMDから投影される可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実施形態の概要
本開示の一態様によれば、方法は、プロジェクタによって投影された複数の画像フレーム内の複数のサンプリング点において、エネルギーを測定することと、複数の画像フレームの各々の瞳孔領域の最高エネルギーを、瞳孔領域によって包含される複数のサンプリング点のサブセットに基づいて推定することと、複数の画像フレームの各々の最高エネルギーを加算して、累積最高エネルギーを生成することと、累積最高エネルギーを閾値と比較することと、累積最高エネルギーが閾値を超えていることに応答して、プロジェクタのパワー出力を調整することとを備える。
【0004】
この方法はさらに、個別にまたはさまざまな組み合わせで、以下の特徴の1つまたは複数を含み得る。閾値は、クラス1レーザー光の最大許容エネルギー出力に基づく。プロジェクタのパワー出力を調整することは、プロジェクタのパワー出力を低減させる信号をプロジェクタに送信すること、複数の画像フレームのコンテンツを調整する信号を、プロジェクタに送信すること、または、電源を切断する信号をプロジェクタに送信することのうちの少なくとも1つを含む。累積最高エネルギーが閾値を超えていないことに応答して、所定時間が経過したかどうかを判定する。所定時間が経過したと判定することに応答して、複数の画像フレーム内の次の画像フレームにおいて、エネルギーを測定する。
【0005】
別の態様によれば、システムは、複数の画像フレームを形成する光を放射するように構成されたプロジェクタと、上述の方法を実行するように構成された安全システムとを備える。
【0006】
さらに別の態様によれば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)システムは、上述のシステムを備える。
【0007】
本開示は、添付の図面を参照することによって、よりよく理解され、その多数の特徴および利点が当業者に明らかになり得る。異なる図面における同じ参照符号の使用は、類似または同一の項目を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】いくつかの実施形態に係る、ユーザにコンテンツを表示するための、1つまたは複数の安全システムおよび技術を実施する表示システムの例を示す図である。
図2】いくつかの実施形態に係る、図1の表示システムなどのウェアラブルヘッドアップディスプレイまたは他の表示システムで実装することができるレーザー投影システムを示すブロック図である。
図3】いくつかの実施形態に係る、安全システムによって測定されるサンプリング点を有する、図2の投影システムなどの投影システムのレーザー光走査パターンの例を示す図である。
図4】いくつかの実施形態に係る、図2の投影システムなどの投影システムからの光出力を監視して、光エネルギー出力が安全閾値を超えるのを防止する安全システムを採用する方法を示す図である。
図5】いくつかの実施形態に係る、図2の投影システムなどの投影システムからの光エネルギー出力を監視して、安全閾値を超えるとプロジェクタの電源を切断するために、安全システムを採用する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
HMDで画像を表示する場合、過大な量の光エネルギーを視聴者の眼に向けると、眼に不快感または害を引き起こす可能性がある。そのため、このような表示デバイスの光パワー出力にエネルギー閾値を設定する安全ガイドラインが施行されている。このような電力閾値は、通常、エネルギー限界と閾値時間とを規定する。たとえば、エネルギー閾値は、100秒の閾値時間にわたって3.9mJを超えないエネルギーとして規定されることがある。このエネルギー閾値は例示的なものであり、他のエネルギー閾値も使用されることが想定される。いくつかの例では、100秒あたり3.9mJは、クラス1レーザー光への眼の露出の安全限界に相当する。
【0010】
HMDは、光源(たとえば、プロジェクタ)からユーザの眼に光を伝える効率がやや悪いため、ユーザに十分明るい画像が確実に表示されるように、光源は一般に、システムから失われる光を補うために大量の光を出力する。その結果、HMDの導波路が破損した場合、特に光が導波路に入射する場所付近では、ユーザまたは傍観者がクラス1の限界を超える光エネルギーにさらされる可能性がある。ユーザおよび傍観者の傷害を防止するため、HMDは、破損時に光源の電源を切断するか、または電力を低減させる安全スイッチを含んでおり、このスイッチは通常、エネルギー閾値を超えるか、または機械的一体性が依然として無傷かどうかを監視することによって検出される。このようなスイッチは、ハードウェアで、機械読取可能命令で、またはハードウェアと機械読取可能命令との組み合わせを使用して、実装可能である。
【0011】
安全でない量の光にユーザがさらされるのを防ぐためにハードウェアによって実装されるアプローチの例では、HMDの光源から放射される光の輝度を単純に制限して、導波路が破損してもアクセス可能な光の放射がクラス1限界を下回るようにする。しかしながら、このアプローチではディスプレイ全体の輝度が低下するため、ユーザエクスペリエンスにも悪影響を及ぼす可能性がある。別のアプローチは、導波路の破損を判定することに応答してディスプレイ光源の動作停止を開始する破損プロセッサに結合された、導波路内のセンサまたは導電性ループなどの導波路完全性機能を含むことである。このアプローチの欠点は、導波路の製造工程が追加されるため、ただでさえ高価な部品のコストが上昇することであり、一般的なHMDのスペースが制約されていることを考えると、完全性機能をシステムの残りの部分に確実に接続することが複雑になる可能性がある。
【0012】
一般に、主要なシステムコードに統合されたソフトウェアベースの安全システムは、大規模なソフトウェアプラットフォームの文脈でその堅牢性および信頼性を検証することが困難であるため、安全コミュニティから一般的に高く評価されていない。さらに、システムソフトウェアは頻繁に更新されることが多いため、ソフトウェア安全システムの完全な検証を更新ごとに実施しなければならない。事実上、システムソフトウェアはレーザー安全システムの重要な一部となるため、リリースごとに同じ厳密さおよび検証が必要とされる。それゆえ、分離された専用の安全システムが一般に好まれる。
【0013】
HMDの導波路の破損を検出し、破損の結果として導波路から投影される潜在的に有害なレベルの光にユーザおよび/または傍観者をさらすリスクを最小化するために、図1図5は、光源(すなわちプロジェクタ)からの光エネルギーの放出をフィールドの位置および時間の関数として追跡する連続監視安全システムを実装するための技術を示す。開示されたシステムおよび技術によって、表示された画像のより高い輝度および曲線因子、ならびに/またはデバイスのより長い電源オン時間も可能になる。開示された技術は、プロジェクタから出射する光の一部を測定するフォトダイオード、または光源内の各レーザーダイオードの電圧および/もしくは電流を測定する電気監視構成要素のいずれかを使用する安全システムに適用可能であるが、これらに限定されるわけではない。
【0014】
一般に、導波路破損時に人間の眼に入射する可能性のある光エネルギーの放出を評価するために、7mmサイズの(人間の平均的な拡張瞳孔サイズに基づく)瞳孔が使用される。7mmの瞳孔は、放射される可能性のある表示光の一部しか集めることができないため、放射光の全てを評価するよりも、潜在的に有害な光エネルギーレベルのより現実的な測定値を表す。安全性の計算に関係するのは、この光の一部である(放出される総エネルギーではない)。たとえば、安全システムのフォトダイオードは、表示フレーム全体にわたってさまざまな場所でプロジェクタによって導波路に投影される光エネルギーを推定するために使用される。次に、推定または測定された導波路インカップリング効率を使用して、特定の1つまたは複数の表示画像について、7mmの瞳孔による最悪の事態を想定した総収集可能エネルギーを推定し、専用の安全ハードウェア(たとえば、安全プロセッサ)に格納する。安全システムは次に、特定の1つまたは複数の表示画像の任意の連続した100秒間にわたって理論的に7mmの瞳孔に入射したであろう最高総エネルギー量を監視して、それが許容安全限界を超えているかどうかを判定する。1つまたは複数の表示画像がエネルギー安全限界を超えている場合、安全システムはレーザーを無効にする。
【0015】
いくつかの実施形態では、安全システムは、許容エネルギー安全限界の何分の一か(たとえば、50%)に達すると、安全システムが、閾値を満たしたことを表示コントローラに通知し、表示コントローラは、エネルギー安全限界を超えるのを防止するためにプロジェクタのピーク輝度を下げるか表示コンテンツを変更するように、設計されている。事実上、導波路が破損したかのように安全システムは常に動作し、安全システムは、アクセス可能な光がクラス1限界を下回ることを保証している。
【0016】
図1は、いくつかの実施形態に係る、1つまたは複数の安全システムおよび技術を実施する表示システム100の例を示す。表示システム100は、フレーム106を含む支持構造体104を有する光結合器102を採用し、このフレームは、結合器102における視野(field of view:FOV)領域108に表示されるとユーザが投影像を認識するように、ユーザの眼に向かって像を投影するように構成されたプロジェクタ(図1には示されていない)を収容する。支持構造体104は、支持構造体104をユーザの眼の前の位置に装着することを可能にする構成要素も含む。そのような構成要素の例は、ユーザの耳によって支持されるアーム110および112(「メガネのつる」とも呼ばれる)である。ユーザの頭の周りに、および/または頭に接して装着されるように構成された1つまたは複数のストラップ(図示せず)は、支持構造体104をユーザの眼の前に固定するために、いくつかの実施形態においてアームの1つまたは複数の代わりに使用され得る。いくつかの実施形態では、表示システム100は、レンズ要素114が結合器でもあり、プロジェクタがフレーム106のアーム112に近接する部分に収容されてレンズ要素114内のFOV領域に像を投影するように、対称に構成されている。いくつかの実施形態では、プロジェクタは、レンズ要素114内のFOV領域に像を投影するために、フレーム106の鼻梁部分120に収容され得る。
【0017】
図示された例では、表示システム100は、支持構造体104がユーザの頭部に装着されるように構成され、眼鏡フレームの一般的な形状および外観(すなわち「フォームファクタ」)を有するHMDの形態のニアアイ表示システムである。支持構造体104は、図2を参照して以下でより詳細に説明されるプロジェクタといった、ユーザの眼に向かってそのような像を投影することを容易にするためのさまざまな構成要素を収容するか、他の態様では、それらを含む。いくつかの実施形態では、支持構造体104はさらに、1つまたは複数の前面カメラ、背面カメラ、他の光センサ、モーションセンサおよび加速度計などのさまざまなセンサを含む。支持構造体104はさらに、BLUETOOTH(登録商標)インターフェイスおよびWI-FI(wireless fidelity、登録商標)インターフェイスなどの1つもしくは複数の無線周波数(radio frequency:RF)インターフェイス、または他の無線インターフェイスを含み得る。さらに、いくつかの実施形態では、支持構造体104はさらに、表示システム100の、処理システムの1つまたは複数のプロセッサなどの電気および処理構成要素に電力を供給するための1つもしくは複数の電池または他の携帯用電源を含む。いくつかの実施形態では、表示システム100のこれらの構成要素の一部または全部は、支持構造体104の領域116におけるアーム110内およびフレーム106の一部内などの支持構造体104の内部体積内に、完全にまたは部分的に収容される。いくつかの実施形態では、表示システム100のこれらの構成要素の一部または全部は、フレーム106の鼻梁部分120内に完全にまたは部分的に収容される。フォームファクタの例が図示されているが、他の実施形態では、表示システム100は、図1に示された眼鏡フレームとは異なる形状および外観を有し得ることが理解されるであろうことに留意されたい。
【0018】
図示された実施形態では、結合器102は、表示システム100によって使用されて、レンダリングされたグラフィックコンテンツが、結合器102を介してユーザによって認識される実世界ビューの上に重畳され得るか、他の態様ではそれと組み合わせて提供され得る、拡張現実(augmented reality:AR)ディスプレイを提供する。たとえば、認識可能な像または一連の像を形成するために使用される光は、結合器102に少なくとも部分的に形成された導波路、およびプロジェクタと導波路との間に配置された1つもしくは複数のレンズならびに/またはフィルタなどの一連の光学要素を介して、表示システム100のプロジェクタによってユーザの眼に投影され得る。光結合器102は、導波路のインカプラによって受光された表示光を導波路のアウトカプラに送る導波路の少なくとも一部を含み、表示システム100のユーザの眼に向かって表示光を出力する。さらに、光結合器102は、画像が実世界環境の少なくとも一部の上に重なって見えるように、ユーザの実世界環境の視野を提供するために、ユーザが結合器102を通して見ることができるように十分に透明である。
【0019】
ユーザの快適性ならびに装着性のために表示システム100の重量およびサイズを最小化するために、光結合器102は、典型的にはかなり薄く(たとえば、2~6mmの厚さ)なるように設計されるが、これによって、物体によって落下させられたまたは衝撃を受けた場合に、亀裂または破損に対して脆弱になる可能性がある。したがって、上述した処理構成要素は、プロジェクタ内の各レーザーダイオードの電圧を測定する電気監視構成要素、または各レーザーダイオードから投影される光強度の割合を測定するフォトダイオードのいずれかを使用する安全システム(図2に示す)を含み得る。いくつかの実施形態では、安全システムは、ディスプレイ導波路の破損、亀裂、安全限界を超える光放射、または他の何らかの不連続性を判定することに応答して、プロジェクタの動作を停止させ始める。
【0020】
図2は、図1の表示システム100のような、ウェアラブルヘッドアップディスプレイまたは他の表示システムを実装することができる投影システム200を示すブロック図である。投影システム200は、プロジェクタ202と、光スキャナ204と、導波路205とを備える。光スキャナ204は、第1の走査ミラー206と、第2の走査ミラー208と、光リレー210とを含む。導波路205は、インカプラ212とアウトカプラ214とを含み、アウトカプラ214は、本例では、ユーザの眼216と光学的に位置合わせされている。
【0021】
プロジェクタ202は、レーザー光218(たとえば、赤色レーザー光、青色レーザー光、緑色レーザー光などの可視レーザー光、およびいくつかの実施形態では、赤外レーザー光などの非可視レーザー光)を生成ならびに出力するように構成された1つまたは複数のレーザー光源を含む。いくつかの実施形態では、プロジェクタ202は、コントローラ226に結合され、コントローラまたはドライバによってそれに結合されたコンピュータプロセッサから受信された命令に従って、プロジェクタ202のレーザー光源からのレーザー光の発光タイミングおよび発光強度を制御して、ユーザの眼216の網膜に出力されると画像として認識されるようにレーザー光218を変調する。プロジェクタ202は、放射されたレーザー光のエネルギーを監視するために、上述した安全システム220に結合されている。
【0022】
投影システム200の動作中、それぞれ異なる波長を有する複数のレーザー光線が、プロジェクタ202のレーザー光源によって出力され、その後、ビームコンバイナ(図示せず)を介して結合されてから、ユーザの眼216に向けられる。プロジェクタ202は、結合されたレーザー光が画像の一連の画素を反射するように、レーザー光線のそれぞれの強度を変調し、任意の時点における各レーザー光線の特定の強度が、その時点で結合されたレーザー光によって表される画素内の対応する色コンテンツおよび輝度の量に寄与する。いくつかの実施形態では、プロジェクタ202は、特定の色のレーザー光218を放射するさまざまなエッジ発光レーザー(edge-emitting laser:EEL)を含み、光リレー210は、第1の方向(たとえば、レーザー光218のビームプロファイルの半長軸)またはその半長軸もしくは半短軸に沿った第2の方向(たとえば、レーザー光218のビームプロファイルの半短軸)のうちの1つまたは両方に沿って、レーザー光218を拡大もしくは最小化して、第2の走査ミラー208にレーザー光218が収束する前に、レーザー光218を円形化する。
【0023】
光スキャナ204の第1の走査ミラー206および第2の走査ミラー208の一方または両方は、いくつかの実施形態では、微小電気機械システム(microelectromechanical system:MEMS)ミラーである。たとえば、第1の走査ミラー206および第2の走査ミラー208は、投影システム200のアクティブ動作中にそれぞれの作動電圧によって駆動されて振動して、第1の走査ミラー206および第2の走査ミラー208にレーザー光218を走査させるMEMSミラーである。第1の走査ミラー206の振動によって、プロジェクタ202によって出力されたレーザー光218は、光リレー210を介して、第2の走査ミラー208の表面を横切って走査される。第2の走査ミラー208は、第1の走査ミラー206から受光したレーザー光218を導波路205のインカプラ212に向かって走査する。いくつかの実施形態では、第1の走査ミラー206は、レーザー光218が第2の走査ミラー208の表面を横切って1次元でのみ(すなわち、線状に)走査されるように、第1の軸219の周りで振動するか、または他の態様では回転する。いくつかの実施形態では、第2の走査ミラー208は、第2の軸221の周りで振動するか、または他の態様では回転する。いくつかの実施形態では、第1の軸219は、第2の軸221に対して斜めである。
【0024】
いくつかの実施形態では、インカプラ212は、実質的に矩形のプロファイルを有し、レーザー光218を受光し、レーザー光218を導波路205に導くように構成されている。インカプラ212は、小さい方の寸法(すなわち、幅)と大きい方の直交する寸法(すなわち、長さ)とによって定義される。一実施形態において、光リレー210は、第1の走査ミラー206によって第1の次元で走査されたレーザー光218(たとえば、インカプラ212の小さい寸法に対応する第1の次元)を受光し、レーザー光218を第2の走査ミラー208に送り、第2の走査ミラー208を越えて光リレー210の射出瞳面に第1の次元でレーザー光218に(たとえば、コリメーションによって)収束を導入するライン走査型光リレーである。
【0025】
投影システム200の導波路205は、インカプラ212およびアウトカプラ214を含む。本明細書で使用する「導波路」という用語は、内部全反射(total internal reflection:TIR)、特殊フィルタまたは反射面のうちの1つまたは複数を使用して、インカプラ(インカプラ212など)からアウトカプラ(アウトカプラ214など)へ光を転送する結合器を意味すると理解されるであろう。一部のディスプレイ用途では、光はコリメートされた像であり、導波路は、コリメートされた像を眼に転送し複製する。一般に、「インカプラ」および「アウトカプラ」という用語は、回折格子、ホログラム、ホログラフィック光学素子(たとえば、1つもしくは複数のホログラムを用いた光学素子)、体積回折格子、体積ホログラム、表面レリーフ回折格子、または表面レリーフホログラムを含むが、それらに制限されない任意のタイプの光学格子構造を指すと理解されるであろう。いくつかの実施形態では、所与のインカプラまたはアウトカプラは、インカプラまたはアウトカプラが光を透過させ、透過中に設計された光学機能(複数可)を光に適用する透過型格子(たとえば、透過型回折格子または透過型ホログラフィック格子)として構成されている。いくつかの実施形態では、所与のインカプラまたはアウトカプラは、インカプラまたはアウトカプラが光を反射し、反射中に、設計された光学機能(複数可)を光に適用する反射型格子(たとえば、反射型回折格子または反射型ホログラフィック格子)である。本例では、インカプラ212で受光されたレーザー光218は、TIRを用いて導波路205を介してアウトカプラ214に中継される。その後、レーザー光218は、アウトカプラ214を介してユーザの眼216に出力される。上述のように、いくつかの実施形態では、導波路205は、眼鏡フォームファクタを有し、かつ投影システム200を採用する表示システム100の光結合器102(図1)などの光結合器の一部として実装されている。
【0026】
ユーザまたは傍観者の眼に入射する光の安全監視を容易にするために、安全システム220は、プロジェクタの各レーザーダイオードから投影される光の一部を測定するように構成された、または各レーザーダイオードにおける電圧もしくは電流を測定するように構成されたエネルギー監視構成要素(図示せず)を備える。安全システム220によって収集された情報は、所定の期間にわたって7mmの瞳孔によって収集されるであろうエネルギーの総量が安全閾値を超えるかどうかを判定するために、安全プロセッサ224に提供される。すなわち、安全プロセッサ224は、所定時間(たとえば、100秒)にわたって収集された安全システム220からの光強度を表す測定値を受信し、測定値の累計を、クラス1レーザー光の安全閾値などの第1の閾値と比較する。測定された光エネルギーの総計が所定時間内の任意の時間に閾値を超える場合、安全プロセッサ224は、ユーザまたは傍観者の潜在的な怪我を防止するように、プロジェクタ202を停止させる(すなわち、その動作を停止する、またはその電力を削減する)指示を伝達する信号を、プロジェクタ202に供給する。いくつかの実施形態では、安全システム220は、システムが第1の閾値を超えそうになった場合に安全システムがコントローラ226に信号を送信するように、測定値の累計を第1の閾値よりも小さい第2の閾値(たとえば、クラス1レーザー光の安全閾値の50%)と比較し、第1の閾値を超えないようにプロジェクタ202から放射される光のピーク強度を低減させる、または投影画像のコンテンツを変更することができる。
【0027】
図3は、安全システム220によって測定されるサンプリング点302を有する、投影システム200などの投影システムの光走査パターン300の例を示す。図2を参照して上述したように、投影システム200からの光218は、プロジェクタ202からMEMSミラー206および208などの走査構成要素に提供されて画像フレーム304を形成し、これはその後、HMDのユーザが見るために、導波路205などの導波路のさまざまな構成要素によって伝達、拡大、および出力される。走査パターン300は、画像フレーム304内のフィールド位置(ピクセルで測定)の関数として、プロジェクタ202からの光218の放射を示す。サンプル点302は、安全システム220によって測定値が収集される位置を示す。たとえば、図3では、各サンプル点302で1つずつ、3つの測定値が、走査線(たとえば、走査線306)ごとに採取される。安全システム220は、各測定が実質的に、走査線のある部分のローパスフィルタリング測定であり、その間隔のおおよその時間平均値を表すように、サンプリング点302で特定の帯域幅の光をサンプリングするように構成されている。瞳孔領域308は、瞳孔領域308によって包含されるサンプリング点302で採取された測定値を加算することに基づいて、フレーム304内の任意の所与の位置で所与のサイズ(たとえば、7mm)の瞳孔によって収集可能である潜在的な光を表す。画像フレーム304ごとに、測定値を加算して、導波路205が破損した場合、すなわち、光が導波路のアウトカプラに達する前に導波路の外部に投影された場合に、瞳孔エリア308で表される、瞳孔によって収集可能であったであろう最大光を判定する。安全システム220によって採取された測定値は、図2を参照して上述したように、安全プロセッサ224およびコントローラ226に提供され、以下でより詳細に説明するように処理される。
【0028】
図4は、投影システム200などの投影システムからの光エネルギー出力(すなわち、エネルギー)を監視して、光エネルギー出力が安全閾値を超えるのを防止する安全システム220などの安全システムを採用する方法400を示す。ブロック402において、安全システム220が測定値を採取する光(たとえば、約450nmの波長を有する青色光)の波長が選択される。次に、ブロック404において、プロジェクタ202からの選択された帯域幅での光出力の測定値が、画像フレーム304内のサンプリング点302において収集される。次に、ブロック406において、フレーム内のさまざまな瞳孔領域308で測定された最高可能エネルギーを推定することによって、フレーム304の最悪シナリオが推定される。いくつかの実施形態では、推定最高エネルギーは、所与の瞳孔領域によって包含されるサンプリング点302の全ての測定されたエネルギーを加算し、次にフレームの最高総エネルギーを有する瞳孔領域308を求めることによって、計算される。次に、ブロック408において、画像フレーム304ごとの最高総エネルギーは、安全プロセッサ224に提供される。ブロック410において、サンプリングされた画像フレーム304の最高エネルギーの累計が、閾値(たとえば、クラス1レーザーの安全閾値の50%)と比較され、累計が閾値を超えていると判明した場合、安全プロセッサ224は、ブロック412において、プロジェクタ202のパワー出力を低減させる命令を伝える信号を、コントローラ226に送信する。いくつかの実施形態では、コントローラ226は、投影光218の強度を低減させることによって、または投影コンテンツを調整することによって、プロジェクタ202のパワー出力を低減させる。プロジェクタのパワー出力が低減されたことに応答して、ユーザが単に投影システム200の電源を入れてから再び切断するのを防止するために、累計は、投影システム200の電力循環を通して保持される。累計が閾値を超えていない場合、ブロック414において、所定のサンプリング時間(T)(たとえば、100秒)に到達したかどうかについての判定が行われる。時間Tに到達していない場合、安全システム220は、画像フレーム304の測定値を採取し、最高エネルギー推定値を累計に加算し続ける。時間Tに到達している場合、システムは、新しい監視サイクルを開始するために、次の画像フレームに移動する。
【0029】
図5は、投影システム200などの投影システムからの光出力を監視して、安全閾値を超えるとプロジェクタ202の電源を切断する、安全システム220などの安全システムを採用する方法500を示す。ブロック502において、安全システム220が測定値を採取する光の帯域幅が選択される。次に、ブロック504において、プロジェクタ202からの選択された帯域幅での光出力の測定値が、画像フレーム304内のサンプリング点302において収集される。次に、ブロック506において、フレーム内のさまざまな瞳孔領域308において最高可能エネルギーを推定することによって、フレーム304の最悪シナリオが推定される。いくつかの実施形態では、推定最高エネルギーは、所与の瞳孔領域によって包含されるサンプリング点302の全てについて測定されたエネルギーを加算し、次に最高総エネルギーを有する瞳孔領域を判定することによって、計算される。次に、ブロック508において、画像フレーム304ごとの最高総エネルギーは、安全プロセッサ224に提供される。ブロック510において、サンプリングされた画像フレーム304の最高エネルギーの累計が閾値(たとえば、クラス1レーザーの安全閾値)と比較され、累計が閾値を超えていることが判明した場合、ブロック512において、安全プロセッサ224が、シャットダウンして光の放射を停止する指示を伝達する信号をプロジェクタ202に送信する。プロジェクタがシャットダウンされたことに応答して、ユーザが投影システム200の電源を入れるのを防止するために、累計は、投影システム200の電源サイクルを通して保持される。累計が閾値を超えていない場合、ブロック514において、所定のサンプリング時間(T)(たとえば、100秒)に到達したかどうかについての判定が行われる。時間Tに到達していない場合、システムは、画像フレーム304の測定値を採取し、最高エネルギー推定値を累計に加算し続ける。時間Tに到達している場合、システムは、新しい監視サイクルを開始するために、次の画像フレームに移動する。
【0030】
いくつかの実施形態において、上述した技術のいくつかの態様は、ソフトウェアを実行する処理システムの1つまたは複数のプロセッサによって実装されてもよい。ソフトウェアは、非一時的なコンピュータ読取可能記憶媒体に格納された、または他の態様では有形に具体化された、実行可能命令の1つまたは複数のセットを含む。ソフトウェアは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、上述の技術の1つまたは複数の態様を実行するように1つまたは複数のプロセッサを操作する命令および何らかのデータを含み得る。非一時的なコンピュータ読取可能記憶媒体は、たとえば、磁気または光ディスク記憶装置、フラッシュメモリ、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他の1つもしくは複数の不揮発性メモリデバイス等のソリッドステート記憶装置などを含み得る。非一時的なコンピュータ読取可能記憶媒体に格納された実行可能命令は、ソースコード、アセンブリ言語コード、オブジェクトコード、または1つもしくは複数のプロセッサによって解釈されるか、または他の態様では実行可能な他の命令フォーマットであってもよい。
【0031】
コンピュータ読取可能記憶媒体は、命令および/またはデータをコンピュータシステムに提供するために使用中にコンピュータシステムによってアクセス可能な任意の記憶媒体または記憶媒体の組み合わせを含み得る。そのような記憶媒体は、光学媒体(たとえばコンパクトディスク(compact disc:CD)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disc:DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク)、磁気媒体(たとえば、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、もしくは磁気ハードドライブ)、揮発性メモリ(たとえば、ランダムアクセスメモリ(random access memory:RAM)またはキャッシュ)、不揮発性メモリ(たとえば、読出専用メモリ(read-only memory:ROM)もしくはフラッシュメモリ)、または微小電気機械システム(MEMS)ベースの記憶媒体を含み得るが、それらに限定されない。コンピュータ読取可能記憶媒体は、コンピューティングシステム(たとえば、システムRAMまたはROM)に埋め込まれてもよく、コンピューティングシステム(たとえば磁気ハードドライブ)に固定的に装着されてもよく、コンピューティングシステム(たとえば、光ディスクまたはユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)ベースのフラッシュメモリ)に取り外し可能に装着されてもよく、または有線もしくは無線ネットワーク(たとえば、ネットワークアクセス可能ストレージ(network accessible storage:NAS))を介してコンピュータシステムに結合されてもよい。
【0032】
一般的な説明において上述したアクティビティまたは要素の全てが必要なわけではなく、特定のアクティビティまたはデバイスの一部が必要ではない場合があり、記載されているものに加えて1つもしくは複数のさらに他のアクティビティが実行されてもよい、または要素が含まれてもよいことに、留意されたい。さらに、アクティビティが列挙される順序は、必ずしもそれらが実行される順序ではない。また、概念は、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、当業者は、以下の請求項に記載される本開示の範囲から逸脱することなく各種修正および変更を行い得ることを理解している。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示されたものとみなされる必要があり、全てのそのような修正は、本開示の範囲に含まれることが意図されている。
【0033】
利益、その他の利点、および問題の解決策は、具体的な実施形態に関して上述した通りである。しかしながら、上述の利益、利点、問題の解決策、および、何らかの利益、利点、または解決策をもたらし得る、もしくはより顕著なものにし得るいかなる特徴も、請求項のうちのいずれかまたは全ての、重要な、必要な、または必須の特徴として解釈されてはならない。さらに、開示されている主題は、本明細書における教示の利益を享受する当業者には明白である、異なるが同等の態様で修正および実施され得るので、開示された上述の具体的な実施形態は例示にすぎない。以下の請求項に記載されているもの以外の、本明細書に示される構造または設計の詳細に対する限定は意図されていない。それゆえ、開示された上述の具体的な実施形態は変更または修正されてもよく、全てのそのような変形が、開示されている主題の範囲に含まれると考えられることは、明らかである。したがって、本明細書において求める保護は、以下の請求項に記載されている通りである。
図1
図2
図3
図4
図5