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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】早期UEパネル切り替え報告
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/28 20090101AFI20241010BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20241010BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20241010BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W88/02 140
H04W24/10
H04B7/06 102
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023519807
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 EP2021076210
(87)【国際公開番号】W WO2022069341
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】63/085,761
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】ロム,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】カポラル デル バリオ,サマンサ
(72)【発明者】
【氏名】ムース アビナデル ジュニア,フアド
(72)【発明者】
【氏名】ハコラ,サミ-ユッカ
(72)【発明者】
【氏名】デゲール,マサ
(72)【発明者】
【氏名】エネスク,ミハイ
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】MediaTek Inc.,Enhancement on multi-beam operation[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2005619,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2005619.zip>,2020年08月08日
【文献】vivo,Discussion on multi-beam enhancement[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2005363,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2005363.zip>,2020年08月08日
【文献】Apple Inc.,On Beam Management Enhancement[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2006499,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2006499.zip>,2020年08月08日
【文献】CATT,Discussion on enhancement on multi-beam operation[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2005683,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2005683.zip>,2020年08月08日
【文献】Asia Pacific Telecom,Discussion on Enhancements for Multi-beam Operation[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2006636,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2006636.zip>,2020年08月08日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/06
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナパネルと、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザ機器に、
前記複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルから複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルへの前記ユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルにおける潜在的変化を識別するステップと、
アクティブアンテナパネルにおける前記潜在的変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを、前記ユーザ機器にサービスを提供する基地局に送信するステップと、
受信信号ブロックに基づいて、前記複数のアンテナパネルのうちの前記第1のアンテナパネルに対する第1の受信信号電力と、前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルに対する第2の受信信号電力との間の差を推定するステップと、
前記推定された差に基づいて、前記ユーザ機器における前記アクティブアンテナパネルの前記潜在的変化を識別するステップと、
を実行させることを特徴とするユーザ機器。
【請求項2】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ユーザ機器に、前記アクティブアンテナパネルを前記複数のアンテナパネルのうちの前記第1のアンテナパネルから前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルに切り替えさせることを特徴とする請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項3】
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、
(i)前記複数のアンテナパネルのうちの前記第1のアンテナパネルに対する第1の受信信号電力と、複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルに対する第2の受信信号電力との差、
(ii)前記アクティブアンテナパネルが前記複数のアンテナパネルのうちの前記第1のアンテナパネルから前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルに切り替えるまでの推定時間、
(iii)前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルのための選択されたダウンリンク参照信号の指示、または
(iv)前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルのための送信ビームの数の指示、
の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のユーザ機器。
【請求項4】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記推定された差がパネルスイッチ閾値未満であることに応答して、前記ユーザ機器に、前記ユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルの前記潜在的変化を識別させるステップを実行させることを特徴とする請求項に記載のユーザ機器。
【請求項5】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ユーザ機器に、
前記推定された差がパネルスイッチ閾値未満であると判定するステップと、
前記推定された差がパネルスイッチ閾値未満であるという判定に応答して、パネルスイッチ遅延を計算するステップとを実行させ、
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、前記パネルスイッチ遅延を含むことを特徴とする請求項に記載のユーザ機器。
【請求項6】
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、L1シグナリングまたはL2シグナリングを介して送信されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項7】
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、少なくとも1つの物理アップリンク共有チャネルメッセージであることを特徴とする請求項に記載のユーザ機器。
【請求項8】
前記少なくとも1つの物理アップリンク共有チャネルメッセージは、
L1シグナリングを介して送信されるアップリンク制御情報(UCI)メッセージ、または、
L2シグナリングを介して送信されるMAC制御要素、
の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項に記載のユーザ機器。
【請求項9】
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、L1シグナリングを介して物理アップリンク制御チャネル上で送信されるアップリンク制御情報(UCI)メッセージを含むことを特徴とする請求項に記載のユーザ機器。
【請求項10】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ユーザ機器に、
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを送信するためのスケジューリング要求を送信するステップと、
前記スケジューリング要求に応答して送信されるスケジューリング許可に応答して、前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを送信するステップと、
を実行させることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項11】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ユーザ機器に、
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを周期的に送信させ、それぞれの早期パネルスイッチ検出メッセージは、(i)前記複数のアンテナパネルのうちの前記第1のアンテナパネルに対する第1の受信信号電力と、前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルに対する第2の受信信号電力との差、または(ii)前記アクティブアンテナパネルが前記複数のアンテナパネルのうちの前記第1のアンテナパネルから前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルに変化するまでの推定時間のうちの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項12】
前記複数のアンテナパネルの少なくとも2つは同時にアクティブであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項13】
ユーザ機器によって、複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルから複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルへの前記ユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルにおける潜在的変化を識別するステップと、
アクティブアンテナパネルにおける前記潜在的変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを、前記ユーザ機器にサービスを提供する基地局に送信するステップと、
受信信号ブロックに基づいて、前記複数のアンテナパネルのうちの前記第1のアンテナパネルに対する第1の受信信号電力と、前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルに対する第2の受信信号電力との間の差を推定するステップと、
前記推定された差に基づいて、前記ユーザ機器における前記アクティブアンテナパネルの前記潜在的変化を識別するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える無線アクセスネットワーク要素であって、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記無線アクセスネットワーク要素に、
第1のアンテナパネルから第2のアンテナパネルへのユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルの次の潜在的変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを受信するステップと、
前記受信された少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージに基づいて、前記ユーザ機器に反復して参照信号を送信するステップと、
を実行させることを特徴とする無線アクセスネットワーク要素。
【請求項15】
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、
(i)前記第1のアンテナパネルに対する第1の受信信号電力と前記第2のアンテナパネルに対する第2の受信信号電力との差、
(ii)前記アクティブアンテナパネルが前記第1のアンテナパネルから前記第2のアンテナパネルに変化するまでの推定時間、
(iii)前記無線アクセスネットワーク要素における前記第2のアンテナパネルのための選択されたダウンリンク参照信号の指示、
(iv)前記第2のアンテナパネルのための送信ビームの数の指示、
の少なともいずれかであることを特徴とする請求項14に記載の無線アクセスネットワーク要素。
【請求項16】
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、L1シグナリングまたはL2シグナリングを介して受信されることを特徴とする請求項14または15に記載の無線アクセスネットワーク要素。
【請求項17】
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、
L1シグナリングを介した物理アップリンク共有チャネルまたは物理アップリンク制御チャネル上で送信される少なくとも1つのアップリンク制御情報(UCI)メッセージ、または
L2シグナリングを介して前記物理アップリンク共有チャネル上で送信される少なくとも1つのMAC制御要素であることを特徴とする請求項16に記載の無線アクセスネットワーク要素。
【請求項18】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記無線アクセスネットワーク要素に、前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを送信するためのスケジューリング要求に応答してスケジューリング許可を送信させるように構成されることを特徴とする請求項14乃至17のいずれか1項に記載の無線アクセスネットワーク要素。
【請求項19】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記無線アクセスネットワーク要素に、
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージに基づいて、前記アクティブアンテナパネルが前記第1のアンテナパネルから前記第2のアンテナパネルに変更される予定の推定時間を決定するステップと、
前記推定時間に基づいて反復して前記参照信号を送信するステップと、
を実行させることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか1項に記載の無線アクセスネットワーク要素。
【請求項20】
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、複数の早期パネルスイッチ検出メッセージを含み、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記無線アクセスネットワーク要素に、前記複数の早期パネルスイッチ検出メッセージに基づいて、前記アクティブアンテナパネルが前記第1のアンテナパネルから前記第2のアンテナパネルに変化すべき前記推定時間を決定させる、
ことを特徴とする請求項19に記載の無線アクセスネットワーク要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1つまたは複数の例示的な実施形態は、ワイヤレス通信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代(5G)無線通信ネットワークは、次世代の移動通信ネットワークである。5G通信ネットワークの規格は、現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって開発されている。これらの規格は、3GPP新無線(NR)規格として知られている。
【発明の概要】
【0003】
様々な例示的な実施形態に求められる保護の範囲は、独立請求項によって示される。独立請求項の範囲に入らない本明細書に記載される例示的な実施形態および/または特徴は、存在する場合、様々な実施形態を理解するのに有用な例として解釈されるべきである。
【0004】
1つまたは複数の例示的な実施形態は、第3世代パートナーシッププロジェクト新無線(3GPP NR)規格、たとえば、FR2などのミリ(mm)波帯域またはより高い範囲の周波数に基づく。
【0005】
例示的な実施形態によれば、ユーザ機器(UE)は、フィードバックをgNBに提供して、gNBが、UEにおける狭ビーム精緻化のために反復オンで非周期的チャネル状態情報参照シンボル(CSI-RS)をいつ送信すべきかを決定することを可能にし、それによって、CSI-RSのオーバーヘッドを低減し、および/またはUEにおけるパネル切替えに起因するスループット劣化を抑制および/または防止することができる。
【0006】
例示的な実施形態によれば、UEは、アクティブパネルが切り替わる可能性、ならびにスキャン状態(スキャン期間中)におけるL1 RSRP測定値に基づく切り替えの近似タイミングを推定することができ、したがって、UEにおいてアクティブパネルを切り替えるという決定は、UEおよび/またはネットワーク/gNBの観点からランダムではない。
【0007】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、複数のアンテナパネル、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えるユーザ機器を提供する。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザ機器に、複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルから複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルへのユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルの潜在的(または代替として、今後または将来の)変化を識別するステップと、アクティブアンテナパネルの潜在的変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを、ユーザ機器にサービスを提供する基地局に送信するステップとを実行させる。
【0008】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、複数のアンテナパネルと、複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルから複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルへのユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルにおける潜在的変化を識別するための手段と、アクティブアンテナパネルにおける潜在的変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを、ユーザ機器にサービスを提供する基地局に送信するための手段とを含むユーザ機器を提供する。
【0009】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルから複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルへのユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルにおける潜在的変化を識別するステップと、アクティブなアンテナパネルにおける潜在的変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを、ユーザ機器にサービスを提供する基地局に送信するステップとを含む方法を提供する。
【0010】
少なくとも1つの他の例示的な実施形態は、ユーザ機器に方法を実行させるコンピュータ実行可能命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、ユーザ機器における少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルから複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルへのユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルにおける潜在的変化を識別するステップと、アクティブアンテナパネルにおける潜在的変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを、ユーザ機器にサービスを提供する基地局に送信するステップとを含む。
【0011】
例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザ機器に、アクティブアンテナパネルを複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルから複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルに切り替えさせるように構成され得る。
【0012】
少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、(i)複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルに対する第1の受信信号電力と、複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルに対する第2の受信信号電力との差、(ii)アクティブアンテナパネルが複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルから複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルに切り替えるまでの推定時間、(iii)複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルのための選択されたダウンリンク参照信号の指示、または(iv)複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルのための送信ビームの数の指示、のうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザ機器に、受信信号ブロックに基づいて、複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルに対する第1の受信信号電力と、複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルに対する第2の受信信号電力との差を推定するステップと、推定された差に基づいて、ユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルの潜在的な変化を識別するステップとを実行させる。
【0014】
少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、推定された差がパネルスイッチ閾値未満であることに応答して、ユーザ機器に、ユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルの潜在的な変化を識別させる。
【0015】
少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザ機器に、推定された差がパネルスイッチ閾値未満であると判定するステップと、推定された差がパネルスイッチ閾値未満であると決定したことに応答して、パネルスイッチ遅延を計算するステップとを実行させる。少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージはパネルスイッチ遅延を含み得る。
【0016】
少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、L1シグナリングまたはL2シグナリングを介して送信され得る。
【0017】
少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、少なくとも1つの物理アップリンク共有チャネルメッセージであり得る。
【0018】
少なくとも1つの物理アップリンク共有チャネルメッセージは、L1シグナリングを介して送信されるUCI(Uplink Control Information)メッセージ、または、L2シグナリングを介して送信されるMAC制御要素であり得る。
【0019】
少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、L1シグナリングを介して物理アップリンク制御チャネル上で送信されるアップリンク制御情報(UCI)メッセージを含み得る。
【0020】
少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザ機器に、少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを送信するためのスケジューリング要求を送信するステップと、スケジューリング要求に応答して送信されたスケジューリング許可に応答して、少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを送信するステップとを実行させる。
【0021】
少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザ機器に、少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを周期的に送信させるように構成され得、各早期パネルスイッチ検出メッセージは、(i)複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルに対する第1の受信信号電力と、複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルに対する第2の受信信号電力との差、または(ii)アクティブアンテナパネルが複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルから複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルに変化するまでの推定時間のいずれかを含み得る。
【0022】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える無線アクセスネットワーク要素を提供する。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線アクセスネットワーク要素に、第1のアンテナパネルから第2のアンテナパネルへのユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルの潜在的な次の変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを受信するステップと、受信された少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージに基づいて、ユーザ機器に繰り返して参照信号を送信するステップとを実行させる。
【0023】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、無線アクセスネットワーク要素であって、第1のアンテナパネルから第2のアンテナパネルへのユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルの潜在的な次の変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを受信するための手段と、受信された少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージに基づいて、ユーザ機器に反復して参照信号を送信するための手段とを含み得る。
【0024】
少なくとも1つの他の例示的な実施形態は、第1のアンテナパネルから第2のアンテナパネルへのユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルの潜在的な次の変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを受信するステップと、受信された少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージに基づいて、ユーザ機器に反復して参照信号を送信するステップとを含む方法を提供し得る。
【0025】
少なくとも1つの他の例示的な実施形態は、無線アクセスネットワーク要素において少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、無線アクセスネットワーク要素に方法を実行させるコンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、第1のアンテナパネルから第2のアンテナパネルへのユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルの潜在的な次の変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを受信するステップと、受信された少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージに基づいて、ユーザ機器に反復して参照信号を送信するステップとを実行させる。
【0026】
例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、(i)第1のアンテナパネルに対する第1の受信信号電力と第2のアンテナパネルに対する第2の受信信号電力との差、(ii)アクティブアンテナパネルが第1のアンテナパネルから第2のアンテナパネルに変化するまでの推定時間、(iii)無線アクセスネットワーク要素における第2のアンテナパネルのための選択されたダウンリンク参照信号の指示、または(iv)第2のアンテナパネルのための送信ビームの数の指示、
のいずれかを含み得る。
【0027】
少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、L1シグナリングまたはL2シグナリングを介して受信され得る。
【0028】
少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、物理アップリンク共有チャネルまたは物理アップリンク制御チャネル上でL1シグナリングを介して送信される少なくとも1つのアップリンク制御情報(UCI)メッセージ、または、L2シグナリングを介して物理アップリンク共有チャネル上で送信される少なくとも1つのMAC制御要素であり得る。
【0029】
少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線アクセスネットワーク要素に、少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを送信するためのスケジューリング要求に応答してスケジューリング許可を送信させるように構成され得る。
【0030】
少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線アクセスネットワーク要素に、少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージに基づいて、アクティブアンテナパネルが第1のアンテナパネルから第2のアンテナパネルに変更される予定の推定時間を決定するステップと、推定された時間に基づいて繰り返して参照信号を送信するステップとを実行させる。
【0031】
少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、複数の早期パネルスイッチ検出メッセージを含む。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線アクセスネットワーク要素に、複数の早期パネルスイッチ検出メッセージに基づいて、アクティブアンテナパネルが第1のアンテナパネルから第2のアンテナパネルに変化すべき推定時間を決定させるように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
例示的な実施形態は、本明細書の以下の詳細な説明および添付の図面からより完全に理解され、同様の要素は、同様の参照番号によって表され、これらの参照番号は、例示のためにのみ与えられ、したがって、本開示を限定するものではない。
【0033】
図1】マルチパネルユーザ機器(MPU)仮定の例示的な放射パターンを示す。
図2】複数のパネルが同時にアクティブである他のMPUE仮定のための例示的な放射パターンを示す。
図3】例示的なビーム整列手順を示す。
図4】UEにおけるパネルスイッチ制御のための例示的なタイミングを示す図。
図5】UEにおけるビーム整列の遅延の例を示す。
図6】連続的な狭ビーム掃引を連続的に実行する複数のUEの例を示す。
図7】例示的実施形態による、UEにおける早期パネルスイッチ検出および後続パネルスイッチの概略図である。
図8A】例示的な実施形態による方法を示すフローチャートである。
図8B】例示的な実施形態による別の方法を示すフローチャートである。
図9】例示的な実施形態によるさらに別の方法を示すフローチャートである。
図10】例示的実施形態による、次のパネル切り替え通知メッセージのための例示的メッセージ構造を示す。
図11】例示的実施形態による、メディアアクセス制御(MAC)制御要素(MAC CE)コンテナ内の値のベクトルを含む、例示的メッセージ構造を示す。
図12】例示的な実施形態を説明するために、3GPP(3rd Generation Partnership Project)NR(New Radio)アクセス展開の一部分の簡略図を示す。
図13】UEの例示的な実施形態を示すブロック図を示す。
図14】例示的な実施形態による4ステップRACH手法を示す信号フロー図である。
図15】例示的な実施形態による2ステップRACH手法を示す信号フロー図である。
【0034】
これらの図は、いくつかの例示的な実施形態において利用される方法、構造、および/または材料の全体的な特徴を示すこと、ならびに以下で提供される記述を補足することを意図していることに留意されたい。しかしながら、これらの図面は、縮尺通りではなく、任意の所与の実施形態の正確な構造または性能特性を正確に反映し得ず、例示的実施形態によって包含される値または特性の範囲を定義または限定するものとして解釈されるべきではない。様々な図面における類似または同一の参照番号の使用は、類似または同一の要素または特徴の存在を示すことを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ここで、いくつかの例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照して、様々な例示的な実施形態をより完全に説明する。
【0036】
詳細な例示的な実施形態が本明細書に開示される。しかしながら、本明細書に開示される特定の構造的および機能的詳細は、例示的な実施形態を説明する目的で代表的なものにすぎない。しかしながら、例示的実施形態は、多くの代替形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0037】
例示的な実施形態を開示された特定の形態に限定する意図はないことを理解されたい。それどころか、例示的な実施形態は、本開示の範囲内に入るすべての修正形態、均等物、および代替形態を包含するもの。同様の番号は、図の説明を通して同様の要素を指す。
【0038】
1つまたは複数の例示的な実施形態は、無線ネットワーク要素(たとえば、gNB)、ユーザ機器(UE)などの観点から説明され得るが、本明細書で説明する1つまたは複数の例示的な実施形態は、適用可能なデバイスにおける1つまたは複数のプロセッサ(または処理回路)によって実行され得ることを理解されたい。たとえば、1つまたは複数の例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのメモリは、コンピュータプログラムコードを含むかまたは記憶することができ、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、無線ネットワーク要素(またはユーザ機器)に本明細書で説明する動作を実行させるように構成され得る。
【0039】
本明細書で論じられるように、「1つまたは複数」および「少なくとも1つ」という用語は、互換的に使用され得る。
【0040】
本明細書で説明するように、gNBは、基地局、アクセスポイント、拡張ノードB(eノードB)、またはより一般的には、無線アクセスネットワーク要素またはネットワークノードと呼ばれることもある。UEはまた、本明細書では移動局と呼ばれることがあり、携帯電話、携帯電話、スマートフォン、ハンドセット、携帯情報端末(PDA)、タブレット、ラップトップコンピュータ、ファブレットなどを含み得る。
【0041】
いくつかの例示的な実施形態を組み合わせて使用することができることが理解されよう。
【0042】
周波数帯域は、ミリ波(mmWave)(たとえば、FR2)またはより高い範囲の周波数などを含み、UEは、ビームステアリングをサポートする指向性アンテナアレイのパネルを備え得る。
【0043】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)において、多くの異なるタイプのマルチパネル配置、位置、および向きが提案および研究されている。1つの例示的なエッジ設計は、スマートフォンなどのUEの各エッジに配置された3~4つのパネルを含む。
【0044】
マルチパネル配置の場合、3GPPは、一度に1つのアクティブなパネルと同時にアクティブであるすべてのパネルとの間でサポートする異なるタイプのマルチパネルUE(MPU)仮定を提案している。具体的には、3GPPは、以下の3つのタイプのMPUE仮定を提案している。
MPUE-仮定1(MPUE1):複数のパネルがUE上に実装され、一度に1つのパネルのみがアクティブ化される。
MPUE-仮定2(MPUE2):複数のパネルがUE上に実装され、複数のパネルが同時にアクティブ化され得、1つまたは複数のパネルが同時に送信のために使用され得る。
MPUE-仮定3(MPUE3):複数のパネルがUE上に実装され、複数のパネルが一度にアクティブ化され得るが、1つのパネルのみが一度に送信のために使用され得る。
【0045】
図1は、一度に1つのパネルのみがアクティブであるMPUE-Assumption MPUE1の例示的な放射パターンを示す。図2は、MPUE仮定MPUE2およびMPUE3の例示的な放射パターンを示す図であって、複数のパネルは、所与の時間に同時にアクティブとなる。
【0046】
本明細書に記載される議論は、MPUE仮定MPUE1およびMPUE3をサポートするUEに焦点を当て、1つのパネルが一度に送信に使用される。しかしながら、例示的な実施形態は、本明細書で論じられる例示的な実施形態のみに限定されるべきではない。
【0047】
3GPP規格3GPP TS38.300は、UEにおけるアクティブパネル選択の2つの状態(スキャン状態およびアクティブ状態)に対する入力選択を記述する。パネルスキャン状態は、UEにおけるSSBバースト受信(スキャン期間)中に発生する。アクティブ状態は、制御チャネルおよびデータチャネルの他のすべての受信中に発生する。
【0048】
スキャン状態中(SSBバースト受信中)において、UEは、各パネルについて、gNBからの最良のビームに対するL1参照信号受信電力(RSRP)を測定し、各パネルにおける最良のビームに対する測定されたL1RSRPを比較して、最も高いL1RSRPを有するパネルをアクティブ状態のパネル(アクティブパネル)として識別する。
【0049】
gNB/ネットワーク側では、ビーム整列手順が、gNBとUEにおける指定されたアクティブパネルとの間の完全なビーム利得を得るために利用される。この手順は、ステップP1、P2およびP3を含む3ステップアプローチに依存する。
【0050】
ステップP1は、約20msの推奨周期性を有する粗いgNBビームの周期的SSBバースト送信に基づく。
【0051】
ステップP2は、gNBにおける狭ビーム精緻化のためのCSI-RSに基づく。
【0052】
ステップP3は、UEにおける狭ビーム精緻化のための反復CSI-RS(反復を伴うCSI-RS)に基づく。
【0053】
図3は、ステップP1、P2、およびP3の各々を、UEにおけるビームb1、b2、b3、b4のための関連付けられたアンテナビーム位置合わせ利得とともに示す。UEにおける狭いビーム掃引(パネルに対するUE受信(RX)ビーム精緻化/トレーニング)(ステップP3)の前提条件は、UEが同じアクティブパネルを維持することである。
【0054】
図3に示す例では、UEにおけるダウンリンク(DL)L1 RSRPは、完了したステップP2およびP3に対して約6dBの利得のステップを経験し得、合計約12dBの利得をもたらす。
【0055】
上記で同様に述べたように、SSBバースト送信中に、UEは、そのパネルを監視し、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)などの(たとえば、DL)送信の受信のためのデータ送信中に、(やはりアクティブパネルスイッチ閾値を上回る)最高のL1 RSRPを有するパネルをアクティブ化する。UEが、非アクティブ(ターゲット)パネルのL1 RSRPが現在のアクティブパネルのL1 RSRPよりも大きい(またアクティブパネルスイッチ閾値よりも大きい)ことを検出する場合、UEは、次のデータ送信期間の間、ターゲットパネルをアクティブパネルにする。
【0056】
このパネルスイッチ制御タイミングの一例を図4に示す。図4では、SSBバースト時のスキャン状態とアクティブ状態の両方を示している。スキャン状態(SSBバースト)の間、UEは、SSB-Burst間のアクティブ状態のためのアクティブパネルとして指定するために最良のパネルをスキャンする。図4において、UEは、第3の(右端の)SSBバーストに基づいてベストパネルが変化したと判断し、したがって、その後、異なる最良のパネルがアクティブパネルとして指定される。
【0057】
従来、パネルスイッチがランダムに見えないように(例えば、gNBにおいて)、UEがUEにおけるアクティブパネル内の次の(潜在的な)スイッチをgNBにシグナリングするメカニズムはない。むしろ、UEは、新しい最良のアクティブパネルにおいて広い低利得ビームを適用するか、または約10msの周期性を有する周期的な非ゼロ電力チャネル状態情報基準シンボル(NZP-CSI-RS)を有する狭いビーム掃引を利用するかのいずれかであり得る。
【0058】
新しい最良のパネルに対して広い低利得ビームを適用することに関して、これは、アップリンク(UL)およびDLの両方において、4パッチアレイに対して既知の6dB低い性能をもたらし、8パッチアレイに対して9dB低い性能をもたらし得る。
【0059】
周期的NZP-CSI-RSを伴う狭いビーム掃引に関して、ビーム整合は、比較的に低速であり得、付加的オーバーヘッドをもたらし得る。加えて、たとえUEが周期的トラッキング基準シンボル(TRS)を復号するように構成されるとしても、各TRSリソースは2つのシンボルを有し、UEは、TRSを使用してチャネル推定フィルタを更新する(たとえば、平均遅延、遅延拡散、ドップラー拡散などを推定する)必要があるので、TRSからのRXビーム精緻化を実行することは期待されない。数値的な例は、8つの狭いビームのセットを有するUEであり、3タップL1 FIRフィルタは、RXビーム精緻化なしでさえ、パネル切り替え後に完全な狭いビーム掃引を実行するために、合計約240msを与える約10msの分離を有する8×3=24サンプルを必要とする。
【0060】
さらに、UE狭ビーム掃引中に、送受信されるデータおよび制御メッセージは、位置合わせ不良の狭UEビームに対して約6dB~9dBを超えてさらに劣化するリスクがある。この場合、UEは、(ビームが変化しているときに)異なるチャネル上で報告する可能性があり、gNBは、たとえば電力制御コマンドおよび/または変調方式を誤って適応させる可能性がある。
【0061】
図5は、NZP-CSI-RSを使用するUEにおけるビーム位置合わせの遅延が、UEにおけるリンク不良をもたらし、性能を劣化させ得る、例示的な場合を示す。
【0062】
図5に示すように、パネルスイッチが有効になった後、gNBがUEにおいてパネルスイッチを通知された場合、UEにおいて狭いビームが揃っていない期間が長くなる。パネルスイッチがUEにおいて発生する時点からP3整列ビームの確立まで、比較的不良な準最適ULビームパターンがUEにおいて使用される(たとえば、整列されたP3ULビームの場合よりも少なくとも6dB悪い)。したがって、この遅延は、スループットおよび/または性能を低下させ得る。
【0063】
たとえば、各UEがパネル切替え後に狭いビーム掃引を実行するためにNZP-CSI-RSを必要とするので、UE狭ビーム整合に関する問題は、より多くのアクティブなUEが同じサービングセル中でパネルを切替えているとき、さらに増加し得る。mmWaveの実装形態の場合、gNBパネルは、一度に1つのアクティブビーム(たとえば、アナログビームフォーミングアーキテクチャ)しか利用し得ず、したがって、CSI-RSリソースは時分割多重化され、これは、増加する数のUEにサービスする独立したgNBビームの数に比例するオーバーヘッドを生成し得る。gNBは、「反復オン」で追加の非周期的NZP-CSI-RSを送信して、UEに狭いビーム整列を支援することを決定し得るが、狭いビーム整列をより必要とするUEをより優先するための明確な方法を有さず、これは、正確な狭いビームスキャンを実行する各UEの遅延をさらに増加させ、それによってスループットを劣化させ得る。
【0064】
図6は、複数のUE MT1、MT2及びMT3についての連続的な狭ビーム掃引(ステップP2およびP3)をより詳細に示す。
【0065】
図6に示すように、UE MT1、MT2及びMT3に対する狭ビーム掃引(ステップP2及びP3)は、順次実行される。その結果、UE MT2及びMT3の各々のための狭いビーム掃引を完了するための時間遅延Δtが遅延され、次いで、これは、これらのUEがP3ビーム整合を完了することを遅延させ、それによって、UEMT2およびMT3の各々のためのスループットを劣化させ得る。
【0066】
例示的な実施形態は、UEにおけるアクティブパネルにおける潜在的なスイッチの早期検出(事前検出)(早期パネルスイッチ検出と呼ばれることもある)のための機構を提供する。ひとたび検出されると、UEは、この早期パネルスイッチ検出をgNBにシグナリングすることができる。早期パネル検出に応答して、gNBは、たとえば、UEにおけるスループット劣化を抑制するために、適切な時間に狭いビーム掃引のための反復でCSI-RSをトリガすることができる。
【0067】
図7は、例示的実施形態による、UEにおける早期パネルスイッチ検出および後続パネルスイッチの実施例を図示する。
【0068】
図7を参照すると、この例では、現在のアクティブパネルはUEパネル3であり、ターゲットパネルはUEパネル0であり得る。示されるように、時間tEPSにおいて、UEは、UEパネル3からUEパネル0への潜在的なパネルスイッチを検出し、潜在的なパネルスイッチをgNBに報告する。その後、時間tSにおいて、UEは、UEパネル0のL1-RSRPが、パネルスイッチ閾値(例えば、約3dB)よりも大きい相対ギャップを有するUEパネル3のL1-RSRPを超えるとき、アクティブパネルをUEパネル3からUEパネル0に切り替える。この場合、tEPS(early panel detection)からtS(panel switch)までの時間は約2.5秒である。
【0069】
図12は、例示的な実施形態をより詳細に説明するための、3GPP(3rd Generation Partnership Project)NR(New Radio)アクセス展開の一部分の簡略図である。
【0070】
図12を参照すると、3GPP NR無線アクセス展開は、送信および受信ポイント(TRP)102A、102B、102Cを有するgNB102を含む。各TRP102A、102B、102Cは、例えば、地理的エリア内でデータを送信および受信するための、少なくとも、例えば、無線周波数(RF)アンテナ(または複数のアンテナ)またはアンテナパネルと、無線送受信機とを含む、例えば、遠隔無線ヘッド(RRH)または遠隔無線ユニット(RRU)であってもよい。この点に関して、TRP102A、102B、102Cは、地理的カバレージエリア内のユーザ機器(UE)(たとえば、UE106)のためのセルラーリソースを提供する。場合によっては、ベースバンド処理は、第5世代(5G)セル中のTRP102A、102B、102CとgNB102との間で分割され得る。あるいは、ベースバンド処理は、gNB102において実行されてもよい。図12に示す例では、TRP102A、102B、102Cは、1つまたは複数の送信(TX)/受信(RX)ビームペアを介してUE106と通信するように構成される。gNB102は、3GPP NRにおいてNew Coreと呼ばれるコアネットワークと通信する。
【0071】
TRP102A、102B、102Cは、独立したスケジューラを有することができ、またはgNB102は、TRP102A、102B、102Cの間でジョイントスケジューリングを実行することができる。
【0072】
図12には単一のUE106のみが示されており、gNB102およびTRP102A、102B、102Cは、TRP102A、102B、102Cのカバレッジエリア内の比較的多数のUEに通信サービスを提供することができる。例示的な実施形態を明確にするために、通信サービス(無線信号の送信および受信を含む)は、gNB102とUE106との間のものとして説明される。しかしながら、信号は、UE106とTRP102A、102B、102Cのうちの1つまたは複数との間で送信され得ることを理解されたい。
【0073】
UE106は、ULおよびDL上でgNB102との間でデータを送受信するための複数のパネル1062,1064,1066,1068を含む。図12には4つのアンテナパネルのみが示されているが、例示的な実施形態はこの例に限定されるべきではない。UE106の例示的な機能および動作について、以下でより詳細に説明する。
【0074】
以下の説明では、複数のパネル1062,1064,1066,1068のうちの1つだけが、UE106におけるDL送信(たとえば、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel))の受信のために一度にアクティブであると仮定する。アクティブパネルはまた、現在の最良のパネル(最も直近のSSBバースト中に測定された最も高いL1 RSRPを有するビームを有するパネル)と見なされる。しかし、例示的な実施形態は、この例に限定されるべきではない。さらに、例示的な実施形態はDL送信に関して論じられ得るが、例示的な実施形態はこの例に限定されるべきではない。むしろ、例示的な実施形態は、UE106からgNB102へのUL送信に等しく適用可能であり得る。
【0075】
(SSBバースト受信中の)スキャン状態では、UE106は、各パネルについて、gNB102からのベストビームのためのL1 RSRPを測定する。次いで、UE106は、各パネルについて最も高い測定されたL1 RSRPに基づいて(たとえば、それらの間の比較に基づいて)早期パネルスイッチ検出を実行する。ターゲットパネルの測定されたL1 RSRPが現在のアクティブパネルの測定されたL1 RSRP(例えば、後続のスキャン状態で得られる各パネルについて測定されたL1 RSRPの比較に基づく)を超えることをUE106が決定すると、UE106は、アクティブパネル(例えば、ターゲットパネルをアクティブパネルにする)を切り替えてgNB102と通信する。
【0076】
UE106は、(アクティブパネルのための)最高のL1 RSRPと(非アクティブまたはターゲットパネルのための)次の最高のL1 RSRPとの間の差がUEにおける早期パネルスイッチ検出のための閾値を下回るときを検出することによって、早期パネルスイッチ検出を実行し得る。本明細書で説明するように、(アクティブパネルのための)最高のL1 RSRPと次の最高のL1 RSRPとの間の差は、パネルスイッチギャップ(PSG)と呼ばれることがある。UE106における早期パネルスイッチ検出のための閾値は、本明細書ではPSG閾値と呼ばれることがあり、実装固有であるか、またはネットワークもしくはネットワークオペレータによって構成され得る(例えば、経験的証拠および/またはデータに基づいている)。
【0077】
UE106において潜在的な次のパネルスイッチを検出すると、UE106は、1つまたは複数の次のパネル切り替え通知メッセージをgNB102に送信(またはシグナリング)することができる。
【0078】
一例では、次のパネル切り替え通知メッセージは、とりわけ、PSG(本明細書ではPSG手法と呼ばれることがある)を含み得る。別の例では、次のパネル切り替え通知メッセージは、とりわけ、UEがアクティブパネルを切り替え得る推定時間を示す切り替えまでの時間(TTSP)(本明細書ではTTSP手法と呼ばれることがある)を含み得る。この推定値は、パネル切り替えが行われる前のサブフレームの数の指示の形態であり得る。次のパネル切り替え通知メッセージの例示的なフォーマットについては、後述する。
【0079】
一例では、次のパネル切り替え通知メッセージ(シグナリング)は、PSGがPSG閾値を下回った後に定期的に(たとえば、のみ)送信され得る。この場合、UEは、PSGがPSG閾値を下回った後に開始する、更新されたPSGおよび/またはTTSPをそれぞれ含む、複数/反復的(たとえば、周期的)の次のパネル切り替え通知メッセージを提供し得る。gNB102は、次いで、UE106からの次のパネル切り替え通知メッセージに含まれる情報に基づいて、パネル切り替えが発生することをいつ予期すべきか(パネル切り替えタイミング)を決定することができる。
【0080】
gNB102は、任意の適切な方法でパネルスイッチタイミングを推定することができ、これは実装固有であり得る。例えば、次のパネル切り替え通知メッセージに含まれるPSGのサイズは、アクティブパネル間の切り替えが差し迫っていることを示してもよく、gNB102は、パネル切り替えタイミングを推定するために、何らかの予測フィルタ(Kalman)、人工知能(AI)、または他の既知の方法を用いてgNB102に構築された知能への外挿を伴う線形補間を利用してもよい。
【0081】
gNB102は、次いで、パネル切替えが発生すると予想される時間に基づいて、UE106における新しいアクティブパネルの狭ビーム位置合わせのための反復とともにCSI-RSを送り得る。
【0082】
別の例において、UE106は、PSGおよび/またはTTSPを含む単一の次のパネル切り替え通知メッセージを送信することができる。この例では、gNB102は、次のパネル切り替え通知メッセージに基づいて、UE106においてパネル切り替えをいつ予期すべきかを決定することができる。この場合、gNB102はまた、パネル切替えが発生すると予想される時間に基づいて、UE106における新しいアクティブパネルの狭ビーム整列のための反復とともにCSI-RSを送信し得る。
【0083】
次のパネル切り替え通知メッセージは、好ましいTXビームがUE106のための現在のサービングビームと異なる場合、gNB102からの好ましいTXビーム、新たにアクティブなパネルのための受信RXビームの数、および/または(UEがどのパネルに切り替えているかに応じて)位置合わせを実行するために必要とされる反復の数をさらに含み得る。gNB102は、非周期的UE狭ビーム精緻化(上記で論じたステップP3)などの後続のアクションにおいてこの追加情報を考慮に入れることができる。gNB102から好ましいTXビームを提供する際に、UE106は、ネットワーク構成閾値に基づいて、または仕様に基づいて、好ましいTXビームを含めるべきかどうかを決定し得る。一例では、構成された閾値は、約1、2、または3dBであり得る。
【0084】
UE106からの新しいアクティブパネルのためのRXビームの数の動的指示は、gNB102がUE106のためのCSI-RSの反復の数を改善および/または最適化することを可能にし得る。UEにおけるパネルは、すべて同じサイズである必要はなく、同じ数のサポートされるビームを有する必要はないことに留意されたい。むしろ、UEは、異なるパネルサイズおよび対応して異なる数のサポートされるビームを装備することができる。
【0085】
ネットワーク側では、同様に上述したように、gNB102は、1つまたは複数の次のパネル切り替え通知メッセージに基づいて、潜在的なパネル切り替えがUE106においていつ起こり得るかを推定し、次いで、潜在的なパネル切り替えが起こり得る推定時間に基づいて適切な時間に、UE106において狭ビーム精緻化のための反復とともにCSI-RSを送信する。gNB102は、パネル切り替えがUE106において行われた後にCSI-RS反復を送信し得る。一例では、gNB102は、CSI-RS反復の適切なタイミングを推定するためにUE106からのフィードバックを利用するビルトインインテリジェンスを有し得る。この点に関して、gNB102は、任意の適切な方法でCSI-RS反復の適切なタイミングを推定することができる。
【0086】
早期パネルスイッチ検出および狭ビーム精緻化のための方法が、ここで、図8A、8B、および9に関してより詳細に議論されるであろう。
【0087】
図8Aは、例示的な実施形態による、UEにおける早期パネルスイッチ検出のための方法を示すフローチャートである。例示目的のため、図8Aに示される例示的な実施形態は、図12に示される3GPP NR展開に関して論じられる。しかし、例示的な実施形態は、この例に限定されるべきではない。
【0088】
図8Aを参照すると、S802において、UE106は、gNB102から早期パネルスイッチ検出および報告に関する構成情報を受信する。例示的な実施形態によれば、構成情報は、報告タイプ(たとえば、非周期的、周期的など)、ならびに閾値および値のタイプ、ならびに報告されるべきデータのタイプ(たとえば、dB、サブフレームオフセット、両方など)を含み得る。一例では、構成情報は、無線リソース制御(RRC)シグナリングを介してgNB102からUE106に送信され得る。
【0089】
RRCシグナリングに関して、構成情報は、CSI報告と同様の構造を使用して送信され得る。一例では、gNB102は、報告タイプ(たとえば、非周期的、周期的など)を構成するとともに、閾値および値のタイプならびに報告されるべきデータのタイプ(たとえば、dB、サブフレームオフセット、両方など)を構成することができる。
【0090】
構成情報を含むRRCメッセージのための例示的な構造を以下に示す。この例では、報告されるデータのタイプは、dBおよびサブフレームオフセット情報の両方を含む。
EPS-ReportConfig::=SEQUENCE{}
ReportConfigId EPS-ReportConfigId
キャリアServCellIndex OPTIONAL
ResourceForChannelMeasurement EPS-ResourceConfigId
ReportConfigT ype CHOICE{
周期的配列{
reportSlotConfig EPS-ReportPeriodicityAndOffset、
},
semiPersistentOnPUCCH SEQUENCE{
reportSlotConfig EPS-ReportPeriodicityAndOffset、
},
semiPersistentOnPUSCH SEQUENCE{
reportSlotConfig ENUMERATED{sl5,sl10,sl20,sl40,sl80,sl160,sl320}
reportSlotOffsetList SEQUENCE(SIZE(1..maxNrofUL-Allocations))OF INTEGER(0.32)
},
非周期的配列{
reportSlotOffsetList SEQUENCE(SIZE(1..maxNrofUL-Allocations)) OF INTEGER(0.32)

},
reportQuantity CHOICE{
NULLなし、
DB値NULL、
Slotoffset値NULL
},
【0091】
例示的な実施形態は、上述の例示的なRRCメッセージに限定されるべきではない。
【0092】
さらに図8Aを参照すると、ステップS804においてスキャン状態でSSBバーストを受信したことに応答して、UE106は、ステップS806において、現在のアクティブパネル(ビームが最も高いL1 RSRPを有する)と次に高いL1-RSRPを有するパネルとの間のPSGを計算(または推定)する。上記で説明したように、PSG(デルタパネルRSRPギャップとも呼ばれる)は、最良の(アクティブな)パネルのL1 RSRPとUE106における2番目に強いパネルのL1 RSRPとの間の差である。
【0093】
ステップS808において、UE106は、PSGをPSG閾値と比較することによって、PSGがPSG閾値未満であるかどうかを判定する。一例では、PSG閾値は約5dBであり得、経験的証拠に基づいてネットワークまたはネットワーク事業者によって構成され得る。
【0094】
PSGがPSG閾値より小さくない(PSG≧PSG閾値)とUE106が決定した場合、プロセスはステップS804に戻り、UE106は次のSSBバーストを待つ。
【0095】
ステップS808に戻ると、PSGがPSG閾値未満である(PSG<PSG閾値)場合、ステップS810において、UE106は、1つ以上の次のパネル切り替え通知メッセージ(早期パネルスイッチ検出メッセージまたは指示とも呼ばれる)をgNB102に送信する。その後、処理はステップS804に戻り、gNB102からの次のSSBバーストを待つ。
【0096】
上記で同様に説明したように、ステップS810において、UE106は、PSGがPSG閾値を下回った後、1つまたは複数の次のパネル切り替え通知メッセージを周期的に送信することができる。この場合、UE106は、PSGがPSG閾値を下回った後に開始する、更新されたPSGをそれぞれ含む、複数/反復的(たとえば、周期的)の次のパネル切り替え通知メッセージを提供し得る。別の例では、UE106は、PSGがPSG閾値を下回ることを検出した後に、単発パネル切り替え通知メッセージをgNB102に送信することができる。
【0097】
図8Bは、例示的な実施形態による、UEにおける早期パネルスイッチ検出のための別の方法を示すフローチャート。例示の目的のために、図8Aと同様に、図8Bに示される例示の実施形態は、図12に示される3GPP NR展開に関して論じられる。しかし、例示的な実施形態は、この例に限定されるべきではない。
【0098】
図8Bを参照すると、ステップS802、S804、S806、及びS808の各々は、図8Aに関して上述したものと同じである。したがって、ここでは詳細な説明を省略する。
【0099】
図8Bに示される少なくとも例示的な実施形態によれば、PSGがPSG閾値未満であると決定すると、ステップS910において、UE106は、UE106における潜在的な次のパネルスイッチについてのスイッチ推定時間(TTSP)(本明細書ではパネルスイッチ遅延とも呼ばれる)を計算する。
【0100】
一例では、再び図7を参照すると、たとえば、UE106は、新しい最良のパネル(たとえば、図7のパネル0)のL1-RSRPの勾配が現在の最良のパネル(たとえば、図7のパネル3)のL1-RSRPを横切る時点を予測することによってTTSPを計算することができる、パネルスイッチ閾値を含む。UE106によるこの予測は、スロープ交差予測のための信号処理に基づき得る。
【0101】
一例では、TTSPは、潜在的なパネル切り替えがUE106において行われることになるまで、いくつかのサブフレームの形態であり得る。
【0102】
ステップS911において、UE106は、1つ以上の次のパネル切り替え通知メッセージをgNB102に送信する。UE106は、次のパネル通知メッセージが(たとえば、PSGに加えて)TTSPを含むことを除いて、図8AのステップS810に関して上で論じられたのと同じまたは実質的に同じ方法で、1つまたは複数の次のパネル切り替え通知メッセージをgNB102に送ることができる。
【0103】
次に、プロセスは、ステップS804に戻り、上記で論議されるように継続する。
【0104】
図8Bには示されていないが、UE106は、TTSPを追跡し、gNB102に周期的に送信される1つまたは複数のパネル切り替え通知メッセージにパネルスイッチ遅延のカウントダウンを減少させることを含むことができる。
【0105】
1つ以上の例示的な実施形態によれば、UE106は、L1シグナリングまたはL2シグナリングを介して、(たとえば、PSGおよび/またはTTSPを含む)1つまたは複数の次のパネル切り替え通知メッセージをgNB102に送ることができる。一例では、早期パネル切り替え通知メッセージは、専用/共有周期的(または半永続的)物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースを使用して通信され得る。別の例示的な実施形態では、早期パネル切り替え通知メッセージは、PUSCHリソース上のアップリンク制御情報(UCI)の形態の条件付き許可(CG)リソース、またはPUSCHリソースを介して送信されるUL MAC制御要素(CE)などの周期的PUSCHリソースを使用して通信され得る。
【0106】
上記の情報要素または構造は、専用/共有(またはセミパーシステント)PUCCHリソースまたはPUSCH上で多重化されるUCIの一部上でL1シグナリングを使用してシグナリングされ得る。UE106が、情報要素のシグナリングのためのPUCCHまたはPUSCHリソースを有しない場合、UE106は、スケジューリング要求(SR)または以下でより詳細に論じられるようなRACH手順のいずれかを使用して、PUSCHリソースを要求するための手順を開始し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、UE106は、必要に応じて、次のパネル切り替え通知メッセージのための特定のSRリソースを構成することができる。
【0107】
L2シグナリングに関して、次のパネル切り替え通知メッセージのペイロードは、PSG(例えば、0.5dBの粒度で0dBと3dBとの間の値を示すために3ビットまでである)およびslot_offset/subframe_offset(例えば、sl5とsl40との間の値を示すために3ビットまでである)を含むように設計された2フィールドコンテナであり得る。デバイスID(例えば、デバイスを一意に識別するためのC-RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier))は、暗黙的(シグナリング/指示を搬送するための専用アップリンクリソースを有することによる)であってもよく、またはペイロードに含まれてもよい。
【0108】
上述のように、次のパネル切り替え通知メッセージはMAC CEであり得る。この例では、予約ビットは、ペイロードがPSGまたはslot_offset/subframe_offset値または両方を含むことを示し得る。タイムスタンプは、フレーム番号オフセット、サブフレーム番号オフセット、またはスロットオフセットで与えられ得る。次のパネル切り替え通知メッセージはまた、参照のための電力値(たとえば、L1-SINRまたはRSRP)を含み得る。別個に論じられるが、上記の任意の組み合わせもまた、報告構成に応じて可能であり、C-RNTIはまた、ペイロードの一部であってもよい。
【0109】
図10は、例示的実施形態による、次のパネル切り替え通知メッセージのための例示的メッセージ構造を示す。
【0110】
より詳細には、図10は、PSG(dB_value)と、スロットオフセット(slot_offset)と、DL RSRPと、C-RNTIとを含む例示的なMAC CEメッセージ構造を示す。
【0111】
より予測可能なシナリオでは、UE106はまた、次のパネル切り替え通知メッセージとして値のベクトルを送信し得る。この場合、UE106は、MAC CEコンテナ内でベクトルを送信することができる。
【0112】
図11は、MAC CEコンテナ中の値のベクトルを含む例示的なメッセージ構造を示す図である。
【0113】
図11を参照すると、MAC CEコンテナのペイロードは、PSG値のベクトル(dB_value1、dB_value2、...、dB_value3)と、スロットオフセットのベクトル(slot_offset1、slot_offset2、...、slot_offset3)と、RSRP値のベクトル(DL RSRP1、DL RSRP2、...、DL RSRP3)と、デバイスID(C-RNTI)とを含み得る。TTSPを含む次のパネル切り替え通知メッセージの場合、値は、時間インデックス(たとえば、スロットオフセット)に関連付けられ得る。デバイスIDに関して説明されるが、例示的な実施形態はまた、(例えば、デバイスIDの代わりに)パネルIDを組み込んでもよい。
【0114】
さらにL2シグナリングの例を参照すると、次のパネル切り替え通知メッセージをgNB102に送信するためにスケジューリング許可が提供されない場合、UE106は、L2シグナリングを介して送信および送信するためのデータ(たとえば、PSGおよび/またはTTSP)をUE106が有することを示すSRを送信し得る。gNB102は、次のパネル切り替え通知メッセージを送信するためのスケジューリング許可をUE106に出力することができる。UE106は、次いで、スケジュールされたリソース上で、次のパネル切り替え通知メッセージを送信し得る。SRは、PHY速度で送信され、これは、たとえば、UE106が回転している場合、またはチャネルが(たとえば、非常に急速に)変化している場合に有益であり得る。代替として、UE106は、ビット制限されないように、次のパネル切り替え通知メッセージをフォーマット2、3、および4でPUCCH上で送信することができる。
【0115】
さらに別の例において、UE106は、RACHメッセージのペイロードとして、次のパネル切り替え通知メッセージを送信することができる。一例では、UE106は、4ステップRACHアプローチではMsg3のペイロードとして、2ステップRACHアプローチではMsgAのPUSCH上で、次のパネル切り替え通知メッセージを送信することができる。4ステップおよび2ステップRACHアプローチは一般に知られているので、簡潔な議論のみが提供される。
【0116】
図14は、例示的な実施形態による4ステップRACH手法を示す信号フロー図である。図15は、例示的な実施形態による2ステップRACH手法を示す信号フロー図である。
【0117】
図14を参照すると、図示のように、次のパネル切り替え通知メッセージを含むMsg3が、4ステップRACHアプローチにおける競合解決中に送信される。
【0118】
図15を参照すると、図示のように、次のパネル切り替え通知メッセージを含むPUSCH上のMsg Aは、2ステップRACHアプローチにおけるRARウィンドウおよび競合解決中に送信される。
【0119】
次に、例示的な実施形態によるgNB102の例示的な動作について、図9に関して説明する。
【0120】
図9は、例示的実施形態による、UEにおける早期パネルスイッチ検出に応答して、狭ビーム整合のための方法を図示する。例示目的のため、図9に示される例示的な実施形態は、図12に示される3GPP NR展開に関して論じられる。しかし、例示的な実施形態は、この例に限定されるべきではない。
【0121】
図9を参照すると、ステップS1002において、gNB102は、構成情報をUE106に送信する。構成情報は、図8A及び図8BのステップS802に関して上述したものと同じである。
【0122】
ステップS1004において、gNB102は、SSBバーストをUE106に送信する。
【0123】
ステップS1006において、gNB102は、ステップS1004で送信されたSSBバーストに応答して、少なくとも1つの次のパネル切り替え通知メッセージがUE106から受信されたかどうかを判定する。
【0124】
少なくとも1つの次のパネル切り替え通知メッセージがUE106から受信されていない場合、処理はステップS1004に戻り、gNB102は次のSSBバーストを出力するために次のスキャン状態を待つ。
【0125】
ステップS1006に戻ると、gNB102が少なくとも1つの次のパネル切り替え通知メッセージを受信した場合、ステップS1008において、gNB102は、次のパネル切り替え通知メッセージに含まれるPSGおよび/またはTTSPに基づいて、潜在的なパネル切り替えがUE106において発生するべき時間を推定する。
【0126】
少なくとも1つの次のパネル切り替え通知メッセージがTTSPを含む場合、gNB102は、その中に含まれるTTSPに基づいて潜在的なパネル切り替えが生じ得る時間を決定することができ、TTSPは、いくつかのサブフレーム(たとえば、8、5、2など)の形態であり得る。別の例では、少なくとも1つの次のパネル切り替え通知メッセージが(TTSPなしの)PSGを含む場合、gNB102は、UE106からの少なくとも1つの次のパネル切り替え通知メッセージに含まれるPSGに基づいて、潜在的なパネルスイッチがいつ発生し得るかを決定することができる。一例では、gNB102は、UE106からの3つの直近の次のパネル切り替え通知メッセージに含まれるPSG値およびそれに関連するタイムスタンプに基づいて、潜在的なパネルスイッチがいつ発生し得るかを決定することができる。上述のように、gNB102は、任意の適切な方法でパネルスイッチタイミングを推定することができ、これは実装固有であり得る。例えば、次のパネル切り替え通知メッセージに含まれるPSGのサイズは、アクティブパネル間の切り替えが差し迫っていることを示してもよく、gNB102は、パネル切り替えタイミングを推定するために、何らかの予測フィルタ(Kalman)、人工知能(AI)、または他の既知の方法を用いてgNB102に構築された知能への外挿を伴う線形補間を利用してもよい。
【0127】
ステップS1010において、gNB102は、パネル切り替えが起こるべきである推定時間に基づいて、適切な時間に繰り返してCSI-RSを送信する。上述のように、gNB102は、パネルスイッチがgNB102において発生した後に繰り返してCSI-RSを出力することができる。一例では、gNB102は、CSI-RS反復の適切なタイミングを推定するためにUE106からのフィードバックを利用するビルトインインテリジェンスを有し得る。この点に関して、gNB102は、任意の適切な方法でCSI-RS反復の適切なタイミングを推定することができる。
【0128】
図13は、図12に示すUE106の例示的な実施形態を示す。
【0129】
示されるように、UE106は、メモリ740と、メモリ740に接続されるプロセッサ720と、プロセッサ720に接続される様々なインターフェース760と、様々なインターフェース760に接続される1つまたは複数の(たとえば、複数の)アンテナまたはアンテナパネル765とを含み得る。様々なインターフェース760およびアンテナ765は、1つまたは複数のワイヤレスビームを介してgNB102との間で、または複数のTRP102A、102B、102Cなどとの間でデータを送信/受信するためのトランシーバを構成することができる。理解されるように、UE106の実装形態に応じて、UE106は、図13に示す構成要素よりも多くの構成要素を含み得る。しかしながら、例示的な実施形態を開示するために、これらの概して従来の構成要素のすべてを示す必要はない。
【0130】
メモリ740は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、および/またはディスクドライブなどの永久大容量記憶デバイスを概して含むコンピュータ可読記憶媒体であり得る。メモリ740はまた、プロセッサ720によって実行されるUE106(例えば、UEの機能、例示的な実施形態による方法などである。)の機能を提供するためのオペレーティングシステムおよび任意の他のルーチン/モジュール/アプリケーションを記憶する。これらのソフトウェア構成要素はまた、駆動機構(図示せず)を使用して、別個のコンピュータ可読記憶媒体からメモリ740にロードされ得る。そのような別個のコンピュータ可読記憶媒体は、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ、メモリカード、または他の同様のコンピュータ可読記憶媒体(図示せず)を含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、ソフトウェア構成要素は、コンピュータ可読記憶媒体を介してではなく、様々なインターフェース760のうちの1つを介してメモリ740にロードされ得る。
【0131】
プロセッサ720は、システムの算術演算、論理演算、および入力/出力演算を実行することによってコンピュータプログラムの命令を実行するように構成され得る。命令は、メモリ740によってプロセッサ720に提供され得る。
【0132】
様々なインターフェース760は、プロセッサ720をアンテナ765とインターフェースする構成要素、または他の入力/出力構成要素を含み得る。理解されるように、UE106の専用機能を記載するためにメモリ740に記憶された様々なインターフェース760およびプログラムは、UE106の実装形態に応じて変化することになる。
【0133】
インターフェース760はまた、1つまたは複数のユーザ入力デバイス(たとえば、キーボード、キーパッド、マウスなど)と、ユーザ出力デバイス(たとえば、ディスプレイ、スピーカーなど)とを含み得る。
【0134】
本明細書では具体的に論じられないが、図13に示される構成は、とりわけ、TRP102A、102B、102C、gNB102、他の無線アクセスおよびバックホールネットワーク要素および/またはデバイスを実装するために利用され得る。この点に関して、たとえば、メモリ740は、プロセッサ720によって実行されるべきTRP、gNBなどの機能(たとえば、これらの要素の機能、例示的な実施形態による方法など)を提供するためのオペレーティングシステムおよび任意の他のルーチン/モジュール/アプリケーションを記憶することができる。
【0135】
第1、第2などの用語は、様々な要素を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意のおよび全ての組み合わせを含む。
【0136】
ある要素が別の要素に「接続される」または「結合される」と言及される場合、それは、他の要素に直接接続または結合されることができ、または介在要素が存在してもよい。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続される」または「直接結合される」と称される場合、介在要素は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の語は、同様の様式で解釈されるべきである(例えば、「間に」、「直接間に」、「隣接する」、「直接隣接する」など)。
【0137】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明確に別段の指示がない限り、複数形も含むものとする。さらに、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含む(including)」という用語は、本明細書で使用する場合、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素の存在または追加を排除しないことが理解されよう、および/またはその群であり得る。
【0138】
また、いくつかの代替実装形態では、記載された機能/動作は、図面に記載された順序とは異なる順序で生じ得る。例えば、連続して示される2つの図は、実際には、関与する機能/動作に応じて、実質的に同時に実行されてもよく、または場合によっては逆の順序で実行されてもよい。
【0139】
以下の説明では、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために具体的な詳細が提供される。しかしながら、例示的な実施形態はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には理解されよう。例えば、システムは、不必要な詳細において例示的な実施形態を不明瞭にしないようにブロック図で示され得る。他の事例では、周知のプロセス、構造、および技法は、例示的実施形態を不明瞭にすることを回避するために、不必要な詳細を伴わずに示される場合がある。
【0140】
本明細書で説明するように、例示的な実施形態は、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むプログラムモジュールまたは機能プロセスとして実装され得る動作の行為および記号表現(たとえば、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、ブロック図などの形態の)を参照して説明される、それらは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データタイプを実装し、たとえば、既存のユーザ機器、基地局、eNB、RRH、gNB、フェムト基地局、ネットワークコントローラ、コンピュータなどにおいて既存のハードウェアを使用して実装され得る。そのような既存のハードウェアは、1つ以上のプロセッサ、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、1つ以上のコントローラ、1つ以上の算術論理ユニット(ALU)、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、1つ以上のマイクロコンピュータ、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等であるが、それらに限定されない、処理または制御回路であってもよい、1つまたは複数のシステムオンチップ(SoC)、1つまたは複数のプログラマブル論理ユニット(PLU)、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、または定義された方法で命令に応答し、命令を実行することが可能な任意の他の1つまたは複数のデバイスであり得る。
【0141】
フローチャートは動作を逐次プロセスとして説明することがあるが、動作の多くは並列に、同時に、または同時に実行され得る。加えて、動作の順序は並べ替えられ得る。プロセスは、その動作が完了したときに終了されてもよいが、図に含まれない追加のステップを有してもよい。プロセスは、方法、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。プロセスが関数に対応するとき、その終了は、呼び出し関数またはメイン関数への関数の戻りに対応し得る。
【0142】
本明細書で開示されるように、「記憶媒体」、「コンピュータ可読記憶媒体」、または「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、コアメモリ、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体を含む、データを記憶するための1つまたは複数のデバイスを表し得る。フラッシュメモリデバイスおよび/または情報を記憶するための他の有形の機械可読媒体。用語「コンピュータ可読媒体」は、ポータブルまたは固定記憶デバイス、光学記憶デバイス、ならびに命令および/またはデータを記憶、含有、または搬送することが可能な種々の他の媒体を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0143】
さらに、例示的な実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組合せによって実装され得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実装されるとき、必要なタスクを実行するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、コンピュータ可読記憶媒体などの機械可読媒体またはコンピュータ可読媒体に記憶され得る。ソフトウェアで実装される場合、1つまたは複数のプロセッサが必要なタスクを実行する。たとえば、上述のように、1つまたは複数の例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのメモリは、コンピュータプログラムコードを含むかまたは記憶することができ、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ネットワーク要素またはネットワークデバイスに必要なタスクを実行させるように構成することができる。さらに、プロセッサ、メモリ、および例示的なアルゴリズムは、コンピュータプログラムコードとして符号化され、本明細書で論じる動作の実行を提供または引き起こすための手段として働く。
【0144】
コンピュータプログラムコードのコードセグメントは、手順、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、または命令、データ構造もしくはプログラムステートメントの任意の組合せを表し得る。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータまたはメモリ内容を渡し、かつ/または受け取ることによって、別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合され得る。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージ受け渡し、トークンパッシング、ネットワーク送信などを含む任意の適切な技法を介して受け渡し、転送し、又は送信することができる。
【0145】
本明細書で使用される用語「含む(including)」および/または「有する(having)」は、含む(comprising)(すなわち、オープンランゲージ)として定義される。本明細書で使用される「結合された」という用語は、必ずしも直接的ではなく、必ずしも機械的ではないが、接続されたものとして定義される。用語「指示する」(例えば、「指示する」および「指示する」)から導出される用語は、指示されているオブジェクト/情報を通信または参照するために利用可能なすべての様々な技法を包含することが意図されている。すべてではないが、示されているオブジェクト/情報を通信または参照するために利用可能な技法のいくつかの例は、示されているオブジェクト/情報の搬送、示されているオブジェクト/情報の識別子の搬送、示されているオブジェクト/情報を生成するために使用される情報の搬送、示されているオブジェクト/情報のいくつかの部分または部分の搬送を含む。オブジェクト/情報の何らかの導出の伝達が示され、オブジェクト/情報を表す何らかの記号の伝達が示される。
【0146】
例示的な実施形態によれば、ユーザ機器、基地局、eNB、RRH、gNB、フェムト基地局、ネットワークコントローラ、コンピュータなどは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアを実行するハードウェア、またはそれらの任意の組合せであり得る(またはそれらを含み得る)。そのようなハードウェアは、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のCPU、1つ以上のコントローラ、1つ以上のALU、1つ以上のDSP、1つ以上のマイクロコンピュータ、1つ以上のFPGA、1つ以上のSoC、1つ以上のPLU、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のASIC等であるが、それらに限定されない、処理または制御回路を含んでもよい、または、定義された方法で命令に応答し、命令を実行することができる任意の他のデバイス(単数または複数)であり得る。利益、他の利点、および問題に対する解決策は、本発明の特定の実施形態に関して上述されている。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、およびそのような利益、利点、または解決策を引き起こすか、またはもたらし得るか、またはそのような利益、利点、または解決策をより顕著にさせ得る任意の要素は、いずれかまたは全ての請求項の重要な、必要な、または必須の特徴または要素として解釈されるべきではない。
【0147】
1. 複数のアンテナパネルと、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記ユーザ機器に、
前記複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルから複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルへの前記ユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルにおける潜在的変化を識別するステップと、
アクティブなアンテナパネルにおける前記潜在的変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを、前記ユーザ機器に提供する基地局に送信するステップと、
を実行させることを特徴とするユーザ機器。
2. 前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ユーザ機器に、前記アクティブアンテナパネルを前記複数のアンテナパネルのうちの前記第1のアンテナパネルから前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルに切り替えさせることを特徴とするユーザ機器。
3. 前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、
(i)前記複数のアンテナパネルのうちの前記第1のアンテナパネルに対する第1の受信信号電力と、複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルに対する第2の受信信号電力との差、
(ii)前記アクティブアンテナパネルが前記複数のアンテナパネルのうちの前記第1のアンテナパネルから前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルに切り替えるまでの推定時間、
(iii)前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルのための選択されたダウンリンク参照信号の指示、または
(iv)前記複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルのための送信ビームの数の指示、
の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のユーザ機器。
4. 前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ユーザ機器に、
受信信号ブロックに基づいて、前記複数のアンテナパネルのうちの前記第1のアンテナパネルに対する第1の受信信号電力と、前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルに対する第2の受信信号電力との間の差を推定するステップと、
前記推定された差に基づいて、前記ユーザ機器における前記アクティブアンテナパネルの潜在的変化を識別するステップと、
を実行させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のユーザ機器。
5. 前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記推定された差がパネルスイッチ閾値未満であることに応答して、前記ユーザ機器に、前記ユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルの潜在的変化を識別させるステップを実行させることを特徴とする請求項4に記載のユーザ機器。
6. 前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ユーザ機器に、
前記推定された差がパネルスイッチ閾値未満であると判定するステップと、
前記推定された差がパネルスイッチ閾値未満であるという判定に応答して、パネルスイッチ遅延を計算するステップとを実行させ、
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、前記パネルスイッチ遅延を含むことを特徴とする請求項4に記載のユーザ機器。
7. 前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、L1シグナリングまたはL2シグナリングを介して送信されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のユーザ機器。
8. 前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、少なくとも1つの物理アップリンク共有チャネルメッセージであることを特徴とする請求項7に記載のユーザ機器。
9. 前記少なくとも1つの物理アップリンク共有チャネルメッセージは、
L1シグナリングを介して送信されるアップリンク制御情報(UCI)メッセージ、または、
L2シグナリングを介して送信されるMAC制御要素、
の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項8に記載のユーザ機器。
10. 前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、L1シグナリングを介して物理アップリンク制御チャネル上で送信されるアップリンク制御情報(UCI)メッセージを含むことを特徴とする請求項7に記載のユーザ機器。
11. 前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ユーザ機器に、
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを送信するためのスケジューリング要求を送信するステップと、
前記スケジューリング要求に応答して送信されるスケジューリング許可に応答して、前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを送信するステップと、
を実行させることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のユーザ機器。
12. 前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ユーザ機器に、
少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを周期的に送信させ、それぞれの早期パネルスイッチ検出メッセージは、(i)前記複数のアンテナパネルのうちの前記第1のアンテナパネルに対する第1の受信信号電力と、前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルに対する第2の受信信号電力との差のうちの少なくとも1つを含み、または(ii)前記アクティブアンテナパネルが前記複数のアンテナパネルのうちの前記第1のアンテナパネルから前記複数のアンテナパネルのうちの前記第2のアンテナパネルに変化するまでの推定時間であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のユーザ機器。
13. ユーザ機器によって、複数のアンテナパネルのうちの第1のアンテナパネルから複数のアンテナパネルのうちの第2のアンテナパネルへの前記ユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルにおける潜在的変化を識別するステップと、
アクティブアンテナパネルにおける潜在的な変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを、前記ユーザ機器にサービスを提供する基地局に送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
14. 少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備ええる無線アクセスネットワーク要素であって、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記無線アクセスネットワーク要素に、
第1のアンテナパネルから第2のアンテナパネルへのユーザ機器におけるアクティブアンテナパネルの次の潜在的変化を示す少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを受信するステップと、
前記受信された少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージに基づいて、前前記ユーザ機器に反復して参照信号を送信するステップと、
を実行させることを特徴とする無線アクセスネットワーク要素。
15. 前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、
(i)前記第1のアンテナパネルに対する第1の受信信号電力と前記第2のアンテナパネルに対する第2の受信信号電力との差、
(ii)前記アクティブアンテナパネルが前記第1のアンテナパネルから前記第2のアンテナパネルに変化するまでの推定時間、
(iii)前記無線アクセスネットワーク要素における前記第2のアンテナパネルのための選択されたダウンリンク参照信号の指示、
(iv)前記第2のアンテナパネルのための送信ビームの数の指示、
の少なともいずれかであることを特徴とする請求項15に記載の無線アクセスネットワーク要素。
16. 前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、L1シグナリングまたはL2シグナリングを介して受信されることを特徴とする請求項15または16に記載の無線アクセスネットワーク要素。
17. 前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、
L1シグナリングを介した物理アップリンク共有チャネルまたは物理アップリンク制御チャネル上で送信される少なくとも1つのアップリンク制御情報(UCI)メッセージ、または
L2シグナリングを介して前記物理アップリンク共有チャネル上で送信される少なくとも1つのMAC制御要素であることを特徴とする請求項17に記載の無線アクセスネットワーク要素。
18. 前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記無線アクセスネットワーク要素に、前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージを送信するためのスケジューリング要求に応答してスケジューリング許可を送信させるように構成されることを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記載の無線アクセスネットワーク要素。
19. 前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記無線アクセスネットワーク要素に、
前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージに基づいて、前記アクティブアンテナパネルが前記第1のアンテナパネルから前記第2のアンテナパネルに変更される予定の推定時間を決定するステップと、
前記推定時間に基づいて反復して前記参照信号を送信するステップと、
を実行させることを特徴とする請求項15乃至19のいずれか1項に記載の無線アクセスネットワーク要素。
20. 前記少なくとも1つの早期パネルスイッチ検出メッセージは、複数の早期パネルスイッチ検出メッセージを含み、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記無線アクセスネットワーク要素に、前記複数の早期パネルスイッチ検出メッセージに基づいて、前記アクティブアンテナパネルが前記第1のアンテナパネルから前記第2のアンテナパネルに変化すべき前記推定時間を決定させる、
ことを特徴とする請求項20に記載の無線アクセスネットワーク要素。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15