(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】車両の巡回運行経路生成方法、車両の巡回運行経路生成装置及び車両の巡回運行経路生成方法を実行させるプログラムが記録された記録媒体
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
G01C21/34
(21)【出願番号】P 2023540207
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 KR2021018854
(87)【国際公開番号】W WO2022145804
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0186329
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522471858
【氏名又は名称】フォーティートゥドット インク
【氏名又は名称原語表記】42DOT INC.
【住所又は居所原語表記】9th Floor, 2621, Nambusunhwan-ro Gangnam-gu Seoul 06267 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ジ、スンヒョン
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-245630(JP,A)
【文献】特開平10-103996(JP,A)
【文献】特開2001-091284(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0088146(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0066836(KR,A)
【文献】独国特許出願公開第102018216042(DE,A1)
【文献】特開平10-049047(JP,A)
【文献】特開2015-046186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G09B 23/00 - 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)経路生成装置が、巡回対象道路リストを複数のグループにグループ化するステップと、
(b)前記経路生成装置が、前記複数のグループにおける車両走行順序を決定するステップと、
を含
み、
前記(a)ステップは、
(a1)前記経路生成装置が、前記巡回対象道路リストを巡回対象道路の分岐点情報に基づいて前記巡回対象道路リストを一次グループ化するステップと、
(a2)前記経路生成装置が、1次グループ化された道路リストグループを道路分岐点における優先走行方向情報に基づいて2次グループ化するステップと、
を含む、車両の巡回運行経路生成方法。
【請求項2】
前記(a)ステップの前に、
前記経路生成装置が、前記
巡回対象道路リストの情報または車両の出発地及び目的地情報を含む巡回運行経路生成要求を入力されるステップ
をさらに含む、請求項1に記載の車両の巡回運行経路生成方法。
【請求項3】
前記(b)ステップは、
(b1)前記経路生成装置が、前記複数のグループのうち第1グループの出口位置から第2グループの入口位置までの走行に所要する走行コストを算出するステップと、
(b1)前記経路生成装置が、算出された前記走行コストに基づいて前記複数グループにおける車両走行順序を決定するステップと、
を含む、請求項1に記載の車両の巡回運行経路生成方法。
【請求項4】
巡回対象道路リストを複数のグループにグループ化し、前記複数のグループにおける車両走行順序を決定する演算部
を含
み、
前記演算部は、前記巡回対象道路リストを巡回対象道路の分岐点情報に基づいて前記巡回対象道路リストを1次グループ化し、1次グループ化された道路リストグループを道路分岐点における優先走行方向情報に基づいて2次グループ化する経路生成装置。
【請求項5】
前記
巡回対象道路リストの情報または車両の出発地及び目的地情報を含む巡回運行経路生成要求を受信する受信部
をさらに含む、
請求項4に記載の経路生成装置。
【請求項6】
前記演算部は、前記複数のグループのうち第1グループの出口位置から第2グループの入口位置までの走行に所要する走行コストを算出し、算出された前記走行コストに基づいて前記複数のグループにおける車両走行順序を決定する、
請求項4に記載の経路生成装置。
【請求項7】
請求項1~
請求項3のうちいずれかにおける前記方法を実行させる、プログラムが記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の巡回運行経路生成方法、車両の巡回運行経路生成装置及び車両の巡回運行経路生成方法を実行させるプログラムが記録された記録媒体に関するものであり、詳細には道路マップの構築、映像データ確保、または道路整備作業などの特定の目的のために予め定められた道路リストを全て経由して運行する必要がある車両のための最適な巡回運行経路を効率的に生成することができ、予め定められた道路リストを車両の運行目的に応じて所定回数だけ繰り返し運行する必要がある車両のための最適な巡回運行経路を生成できるようになり、運転者が選択した走行距離、走行時間などの様々な走行コスト算出基準に基づいて算出された走行コストを考慮して最適な巡回運行経路を生成できるようになるだけでなく、運転者が選択した優先走行方向情報に基づいて道路リストをグループ化することにより、車両の運行目的に合う最適な巡回運行経路を生成できるようにする車両の巡回運行経路生成方法、車両の巡回運行経路生成装置及び車両の巡回運行経路生成方法を実行させるプログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
道路マップを構築したり、映像データを取得するために特定の道路区間を運行する必要があるデータ収集用車両や、特定の道路区間での清掃、除雪などの道路整備作業を行う整備車両のための運行経路を提供するためには、これらの車両が作業のために必須的に運行しなければならない道路リストを全て経由する運行経路を提供しなければならない。
【0003】
一方、従来の技術によれば、例えば10,000個の道路リストを全て経由する運行経路を探索するためには、10,000個の道路リストが経由地情報として全て入力された状態で最適経路を探索しなければならないため、経由地の運行順序を最適化するに当たって相当な演算時間がかかるという問題がある。
【0004】
具体的には、経由地運行順序の最適化演算は、非決定論的多項式時間問題(Non-deterministic Polynomial time Problem:NP-Problem)であるため、最適な運行順序を算出するためには全ての場合の数を計算しなければならないが、これは現実的に不可能であるという問題がある。
【0005】
そのため、経由地運行順序の最適化演算のためにヒューリスティック方式(TSP Solve Algorithm)を提案することができるが、この方式もまた、経由地の数に応じて経由地順序を最適化するに当たって過度に時間がかかるという限界がある。
【0006】
また、道路マップを構築したり、映像データを取得するために特定の道路区間を運行する必要があるデータ収集用車両の場合、特定の道路区間を予め定められた必要な回数だけ繰り返し運行する必要がある場合があるが、従来の技術によれば同じ経由地を2回以上重複運行する経路の生成は対応できないという限界がある。
【0007】
また、従来の技術によれば、道路マップ構築、映像データ確保、道路整備などの車両運行の様々な目的に合う運行経路の生成に対応できないという限界がある。
【0008】
具体的に例えば、映像データ取得を目的として車両運行を行う場合には、右折、左折、ユーターン等の回転走行を最小化し、なるべく直進方向に車両を運行しなければ良質なデータを取得することができないが、従来の単純経由地方式による場合には、このような優先走行方向を考慮した運行経路の生成が不可能であるという技術的限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、道路マップ構築、映像データ確保、または道路整備作業などの特定の目的のために予め定められた道路リストを全て経由して運行する必要がある車両のための最適な巡回運行経路を効率的に生成できるようにする車両の巡回運行経路生成方法、車両の巡回運行経路生成装置及び車両の巡回運行経路生成方法を実行させるプログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
【0010】
さらに、本発明のまた他の目的は、予め定められた道路リストを車両の運行目的に応じて所定回数だけ繰り返し運行する必要がある車両のための最適な巡回運行経路を生成できるようにする車両の巡回運行経路生成方法、車両の巡回運行経路生成装置及び車両の巡回運行経路生成方法を実行させるプログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
【0011】
さらに、本発明のまた他の目的は、運転者が選択した走行距離、走行時間などの様々な走行コスト算出基準に応じて算出された走行コストを考慮して最適な巡回運行経路を生成できるようにする車両の巡回運行経路生成方法、車両の巡回運行経路生成装置及び車両の巡回運行経路生成方法を実行させるプログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
【0012】
さらに、本発明のまた他の目的は、運転者が選択した優先走行方向情報に基づいて道路リストをグループ化することにより、車両の運行目的に合う最適な巡回運行経路を生成できるようにする車両の巡回運行経路生成方法、車両の巡回運行経路生成装置及び車両の巡回運行経路生成方法を実行させるプログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するための本発明に係る車両の巡回運行経路生成方法は、(a)経路生成装置が、巡回対象道路リストを複数のグループにグループ化するステップと、(b)前記経路生成装置が、前記複数のグループにおける車両走行順序を決定するステップと、を含む。
【0014】
好ましくは、前記(a)ステップの前に、前記経路生成装置が、前記巡回対象道路リスト情報または車両の出発地及び目的地情報を含む巡回運行経路生成要求を入力されるステップをさらに含む。
【0015】
また、前記(a)ステップは、(a1)前記経路生成装置が、前記巡回対象道路リストを巡回対象道路の分岐点情報に基づいて前記巡回対象道路リストを一次グループ化するステップと、(a2)前記経路生成装置が、一次グループ化された道路リストグループを道路分岐点における優先走行方向情報に基づいて二次グループ化するステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記(b)ステップは、(b1)前記経路生成装置が、前記複数のグループのうち第1グループの出口位置から第2グループの入口位置までの走行に所要する走行コストを算出するステップと、(b1)前記経路生成装置は、算出された前記走行コストに基づいて前記複数のグループにおける車両走行順序を決定するステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
*17また、前記走行コストは、第1グループの出口位置から第2グループの入口位置までの走行に所要する走行時間、第1グループの出口位置から第2グループの入口位置までの走行に所要する走行距離及び第1グループの出口位置から第2グループの入口位置までの走行過程における回転運行情報のうち少なくとも1つに基づいて算出されることを特徴とする。
【0018】
また、(c)前記経路生成装置が、決定された前記複数のグループにおける車両走行順序、前記巡回対象道路の繰り返し走行回数情報及び車両の走行可能時間情報に基づいて車両の巡回運行経路を生成するステップをさらに含む。
【0019】
一方、本発明に係る経路生成装置は、巡回対象道路リストを複数のグループにグループ化し、前記複数のグループにおける車両走行順序を決定する演算部を含む。
【0020】
好ましくは、前記巡回対象道路リスト情報または車両の出発地及び目的地情報を含む巡回運行経路生成要求を受信する受信部をさらに含む。
【0021】
また、前記演算部は、前記巡回対象道路リストを巡回対象道路の分岐点情報に基づいて前記巡回対象道路リストを1次グループ化し、1次グループ化された道路リストグループを道路分岐点における優先走行方向情報に基づいて2次グループ化することを特徴とする。
【0022】
また、前記演算部は、前記複数のグループのうち第1グループの出口位置から第2グループの入口位置までの走行に所要する走行コストを算出し、算出された前記走行コストに基づいて前記複数のグループにおける車両走行順序を決定することを特徴とする。
【0023】
また、前記走行コストは、第1グループの出口位置から第2グループの入口位置までの走行に所要する走行時間、第1グループの出口位置から第2グループの入口位置までの走行に所要する走行距離及び第1グループの出口位置から第2グループの入口位置までの走行過程における回転運行情報のうち少なくとも1つに基づいて算出されることを特徴とする。
【0024】
また、前記演算部は、決定された前記複数のグループにおける車両走行順序、前記巡回対象道路の繰り返し走行回数情報及び車両の走行可能時間情報に基づいて車両の巡回運行経路を生成することを特徴とする。
【0025】
一方、本発明に係る記録媒体は、前記方法を実行させるプログラムが記録されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、道路マップ構築、映像データ確保、または道路整備作業などの特定の目的のために予め定められた道路リストを全て経由して運行する必要がある車両のための最適な巡回運行経路を効率的に生成できるようになる。
【0027】
さらに、本発明によれば、予め定められた道路リストを車両の運行目的に応じて所定回数だけ繰り返し運行する必要がある車両のための最適な巡回運行経路を生成できるようになる。
【0028】
また、本発明によれば、運転者が選択した走行距離、走行時間などの様々な走行コスト算出基準に応じて算出された走行コストを考慮して最適な巡回運行経路を生成できるようになる。
【0029】
また、本発明によれば、運転者が選択した優先走行方向情報に基づいて道路リストをグループ化することにより、車両の運行目的に合う最適な巡回運行経路を生成できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成システムの構成図であり;
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る経路生成装置の構造を示す機能ブロック図であり;
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成方法の実行過程を説明する手順のフローチャートであり;
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成方法の実行過程における巡回対象道路リストのグループ化過程を説明する手順のフローチャートであり;
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成方法の実行過程における車両走行順序決定過程を説明する手順のフローチャートであり;
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成方法の実行過程における道路リストのグループ化処理過程を説明する図であり;
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成方法の実行過程における道路リストのグループ化処理過程を説明する図であり;
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成方法の実行過程における道路リストのグループ化処理過程を説明する図であり;
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成方法によって生成された車両の巡回運行経路を示す図であり;
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成方法の実行過程における道路リストのグループ間走行コストを算出する原理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図面上、同じ構成要素はできる限りどこでも同じ符号で示していることに留意しなければならない。また、本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができる公示機能及び構成に対する詳細な説明は省略する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成システムの構成図である。
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成システムは、車両端末50及び経路生成装置400を含む。
【0033】
車両端末50は、経路生成装置400によって生成される車両の巡回運行経路に応じて運行される車両10に設けられているナビゲーション端末または車両運転者が所持しているスマートフォンなどであってもよく、このような車両端末50は、運転者の操作に応じて巡回運行経路生成要求を経路生成装置400に送信する。
【0034】
一方、本発明を実施するにあたって、車両端末50から経路生成装置400に送信される巡回運行経路生成要求は、車両10の出発地情報、車両10の目的地情報、巡回対象道路リスト情報、巡回対象道路の繰り返し走行回数情報、道路分岐点における優先走行方向情報及び車両10の運行可能時間情報を含むことができるだろう。
【0035】
また、本発明を実施するにあたって、車両端末50には、本発明に係る車両の巡回運行経路生成及び提供サービスを利用するのに必要なナビゲーションプログラム等のアプリケーションプログラムがインストールされることが好ましいだろう。
【0036】
経路生成装置400は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成方法を実行する装置であり、本発明を実施するにあたって、経路生成装置400は車両端末50から受信される巡回運行経路生成要求に応じて車両の巡回運行経路を生成し、生成された巡回運行経路を車両端末50に送信することにより、車両の巡回運行経路生成及び提供サービスを提供するサービス提供サーバになることもできるだろう。
【0037】
具体的には、経路生成装置400は、道路マップを構築したり、映像データを確保するために特定の道路区間を所定の回数だけ繰り返し運行する必要がある車両10または特定の道路区間での清掃、除雪などの道路整備作業を行う整備車両10等のための最適な巡回運行経路を生成する。
【0038】
このために、経路生成装置400は、巡回対象道路リストを複数のグループにグループ化し、複数のグループ間での車両走行順序を決定し、決定された車両走行順序に基づいて車両の巡回運行経路を生成する。
【0039】
一方、本発明を実施するにあたって、経路生成装置400は、運転者の要請に応じて車両の運行経路を案内する通常のナビゲーションサービスも併せて提供することができるだろう。
【0040】
図2は、本発明の一実施形態に係る経路生成装置400の構造を示す機能ブロック図である。
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る経路生成装置400は、受信部410、記憶部430、検索部450、演算部470及び送信部490を含む。
【0041】
経路生成装置400の受信部410は、車両端末50から車両10の出発地情報、車両10の目的地情報、巡回対象道路リスト情報、巡回対象道路の繰り返し走行回数情報、道路分岐点における優先走行方向情報及び車両10の運行可能時間情報を含む巡回運行経路生成要求を受信する。
【0042】
経路生成装置400の記憶部430には、本発明に係る車両の巡回運行経路生成サービスが提供される地域における各道路リストを含む道路ネットワークデータが記憶されており、検索部450は、車両端末50から受信した巡回対象道路リスト情報を記憶部430に記憶されている道路ネットワークデータを通じて検索する。
【0043】
経路生成装置400の演算部470は、巡回対象道路リストを複数のグループにグループ化し、複数のグループにおける車両走行順序を決定し、決定された車両走行順序に基づいて車両の巡回運行経路を生成する。
【0044】
一方、経路生成装置400の送信部490は、演算部470によって生成された車両の巡回運行経路を車両端末50に送信する。
【0045】
図3は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成方法の実行過程を説明する手順のフローチャートである。以下では、
図1~
図3を参照し、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成方法の実行過程を説明する。
【0046】
まず、経路生成装置400の受信部410を介して車両運転者からの巡回運行経路生成要求が入力されるS310。具体的には、運転者が車両端末50に設けられたナビゲーションプログラムなどのアプリケーションプログラムを実行した後、車両10の出発地情報、車両10の目的地情報、巡回対象道路リスト情報、巡回対象道路の繰り返し走行回数情報、道路分岐点における優先走行方向情報及び車両10の運行可能時間情報を入力することにより、車両端末50は前記入力された情報を含む巡回運行経路生成要求を経路生成装置400に送信する。
【0047】
一方、本発明を実施するにあたって、運転者が出発地情報を直接入力しない場合、車両端末50に設けられたGPSモジュールによって測定された車両10の現在位置情報が出発地情報として自動入力されるようにすることが好ましいだろう。
【0048】
これにより、経路生成装置400の受信部410は車両端末50から巡回運行経路生成要求を受信することになり、経路生成装置400の演算部470は巡回運行経路生成要求に含まれた巡回対象道路リストを複数のグループにグループ化処理するS330。
【0049】
図4は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成方法の実行過程における巡回対象道路リストのグループ化過程を説明する手順のフローチャートである。
【0050】
経路生成装置400が巡回対象道路リストを複数のグループにグループ化処理することにあたって、経路生成装置400の検索部450は、巡回運行経路生成要求に含まれた巡回対象道路リスト情報100、101、..、105、200、201、..、203、300、301、302を記憶部430に記憶されている道路ネットワークデータを通じて検索し、その結果、
図6のような検索結果を提供されるS331。
【0051】
一方、本発明を実施するにあたって、巡回運行経路生成要求に巡回対象道路リスト情報が含まれていない場合、経路生成装置400の検索部450は、巡回運行経路生成要求に含まれている車両10の出発地情報と目的地情報に基づいて、出発地から目的地までの移動経路を構成する各位置から所定の半径(例えば、5km)範囲内にある一定等級(例えば、一般国道)以上の道路リストを道路ネットワークデータを通じて全て検索し、検索された道路リストを巡回対象道路リストとして生成することもできるだろう。
【0052】
その後、経路生成装置400の演算部470は、検索結果、
図6のように確認される巡回対象道路の分岐点情報に基づいて巡回対象道路リストを
図7のように一次的にグループ化処理するS333。
【0053】
具体的には、経路生成装置400の演算部470は、道路ネットワークデータ上において前方に連続して繋がっている道路リストを1つのグループにグループ化するが、巡回対象道路の分岐点以前までのみを単一グループにグループ化し、分岐点以後は、それぞれ新しいグループに分けてグループ化することにより、複数のグループへの一次グループ化を実行する。
【0054】
そして、経路生成装置400の演算部470は、1次グループ化されている複数のグループを、前述したS310ステップで入力された道路分岐点における優先走行方向情報に基づいて2次的にグループ化するS335。
【0055】
すなわち、経路生成装置400の演算部470は、巡回対象道路の分岐点における走行方向(すなわち、2次グループ化方向)を運転者が選択した優先走行方向情報に応じて決定することにより、1次グループ化処理された複数のグループに対する2次グループ化処理を実行することになる。
【0056】
具体的には、経路生成装置400の演算部470は、1次グループ化された第1道路区間100、101と繋がることにより、第1道路区間100、101と共に2次グループ化されることができる道路区間である第2道路区間102、..、105と第3道路区間200、..、203のうち前述したS310ステップで入力された道路分岐点での優先走行方向情報が「直進」である場合は、
図8のように第2道路区間102、..、105を第1道路区間100、101と共にグループ化することにより、2次グループ化100、..、105処理を実行することになる。
【0057】
参考として、車両10が道路での映像データ収集のために運行される場合であれば、前述したS310ステップにおいて、運転者は優先走行方向情報を「直進」に選択して入力することにより、映像データの歪みを最小化することが好ましいだろう。
【0058】
もし、前述したS310ステップで入力された道路分岐点における優先走行方向情報が「右折」である場合、経路生成装置400の演算部470は第3道路区間200、..、203を第1道路区間100、101と共にグループ化することにより、2次グループ化処理を実行することになる。
【0059】
このように、本発明では、経路生成装置400が車両運行の目的に応じた優先走行方向情報に基づいて道路リストをグループ化することにより、車両運行の目的に合う車両の巡回運行経路を生成できるようになる。
【0060】
一方、本発明を実施するにあたって、前述したS310ステップでの巡回運行経路生成要求に道路分岐点における優先走行方向情報が含まれていなくてもよく、この場合、経路生成装置400の演算部470は、既定の道路分岐点における優先走行方向情報に基づいて前述したように2次グループ化処理を実行することができるだろう。
【0061】
このような2次グループ化過程を通じて巡回対象道路リストに対する最終的なグループ化が完了し、これに経路生成装置400の演算部470は、
図8のように最終的にグループ化された複数のグループ間での最適な車両走行順序を決定することになるS350。
【0062】
図5は、本発明の一実施形態に係る車両の巡回運行経路生成方法の実行過程における車両走行順序決定過程を説明する手順のフローチャートである。
【0063】
例えば、
図8のように最終的にグループ化された3つのグループにおける最適な車両走行順序を決定するために、経路生成装置400の検索部450は、各グループの入口位置と出口位置を道路ネットワークデータを通じて検索し、経路生成装置400の演算部470は、複数のグループのうち任意の1つのグループの出口位置から複数のグループのうち任意の他の1つのグループの入口位置までの走行に所要するグループ間走行コストを下記の表1に示すように算出することができるだろうS351。
【0064】
【0065】
本発明を実施するにあたって、表1におけるグループ間走行コストは、グループ間走行距離またはグループ間走行時間となることができ、グループ間走行過程での右折、左折、ユーターン等による運行負担程度を数値化したスコアになることもできるだろう。
【0066】
一方、本発明を実施するにあたって、前述したS310ステップでの巡回運行経路生成要求には、グループ間走行コストの算出基準(走行距離、走行時間、運行負担程度のうち少なくとも1つ)に対する運転者の選択情報が含まれることができ、経路生成装置400の演算部470は、運転者が選択したグループ間走行コストの算出基準に応じて前記表1のグループ間走行コストを算出することができるだろう。
【0067】
このように本発明によれば、車両運行の目的に応じて運転者が選択した走行距離、走行時間などの走行コストの算出基準に応じて算出された走行コストに基づいて車両の巡回運行経路を生成できるようになる。
【0068】
具体的には、経路生成装置400の演算部470は、合計3つのグループ間での1回の循環走行を完了するのに所要するグループ間の合計走行コストを下記表2に示すように算出することができるだろうS353。
【0069】
【0070】
これにより、経路生成装置400の演算部470は、前記表2に示すように算出された合計走行コストのうち、最も小さい合計走行コストに該当するグループ走行順序を複数のグループにおける車両走行順序として決定することができるだろうS355。
【0071】
一方、経路生成装置400の演算部470は、前記のように決定された複数のグループにおける車両走行順序に基づいて車両の巡回運行経路を生成し、生成された巡回運行経路を車両端末50へ送信することになるS370。
【0072】
具体的には、経路生成装置400の演算部470は、前述したS310ステップでの巡回運行経路生成要求に含まれた巡回対象道路の繰り返し走行回数(例えば、3回)に達するまで、前記表2を通じて決定された複数のグループにおける車両走行順序(例えば、3→1→2→3)に応じて車両10の繰り返し巡回運行経路を生成することができるだろう。
【0073】
一方、本発明を実施するにあたって、前述したS310ステップでの巡回運行経路生成要求に巡回対象道路の繰り返し走行回数情報が含まれていなくてもよく、この場合、経路生成装置400の演算部470は既定の繰り返し走行回数情報に基づいて前記のように車両10の繰り返し巡回運行経路を生成することができるだろう。
【0074】
なお、本発明を実施するにあたって、経路生成装置400の演算部470は、前記表2を通じて決定された複数のグループにおける車両走行順序(例えば、3→1→2→3)に応じて、車両10の繰り返し巡回運行経路を生成するとともに、生成された巡回運行経路を車両10が運行するのに所要する合計運行時間を各グループ内での運行所要時間が含まれるように算出し、このように算出された合計運行時間が前述したS310ステップでの巡回運行経路生成要求に含まれた車両10の運行可能時間を超えるか否かを判断し、算出された合計運行時間が車両10の運行可能時間を超える場合、車両10の繰り返し巡回運行経路の追加生成を中止することが好ましいだろう。
【0075】
一方、本発明を実施するにあたって、前述したS310段階で運転者が個人事情に応じた車両10の運行可能時間情報(例えば、2時間)を車両端末50に直接入力することもできるが、車両端末50にインストールされたアプリケーションプログラムが車両10の制御装置から受信した車両10の残りの燃料情報に基づいて算出した車両10の走行可能時間情報が運行可能時間情報として自動入力されることもできるだろう。
【0076】
なお、本発明を実施するにあたって、経路生成装置400の演算部470は、前記表2を通じて決定された複数のグループにおける車両走行順序(例えば、3→1→2→3)に応じて、車両10の繰り返し巡回運行経路に応じた運行距離を算出し、このように算出された運行距離が前述したS310ステップでの巡回運行経路生成要求に含まれた車両10の運行可能距離を超えるか否かを判断し、算出された運行距離が車両10の運行可能距離を超える場合、車両10の繰り返し巡回運行経路の追加生成を中止することが好ましいだろう。
【0077】
このために運転者は前述したS310ステップで車両10の残りの燃料の程度に応じて車両10の計器盤に表示される走行可能距離情報を車両端末50に追加入力するか、車両端末50にインストールされたアプリケーションプログラムが車両10の制御装置から受信した車両10の残りの燃料情報に基づいて算出した走行可能距離情報が前述したS310ステップでの巡回運行経路生成要求に自動的に含まれるようにすることができるだろう。
【0078】
これにより、経路生成装置400は、
図9のように生成された車両の巡回運行経路を車両端末50に送信することにより、車両運転者は経路生成装置400から提供された車両の巡回運行経路に応じて車両10を運行できるようになる。
【0079】
このように本発明によれば、巡回対象道路リストをグループ化することにより、道路マップ構築、映像データ確保、道路整備作業等のために定められた道路リストを全て経由して運行する必要がある車両のための最適な巡回運行経路を効率的に生成できるようになる。
【0080】
一方、本発明によれば、上述したように巡回対象道路リストをグループ化した状態で、前記表1に示すようにグループ間走行コストを算出することにより、
図10(a)のように第1グループの出口位置から第2グループの入口位置までの走行コスト(b)を算出することができるだけでなく、
図10(b)のように第1グループの出口位置から第1グループの入口位置までの走行コスト(a)も算出できるようになることによって、第1グループに該当する道路区間を繰り返して運行する必要がある車両のための巡回運行経路を生成できるようになる。
【0081】
また、本発明を実施するにあたって、経路生成装置400が生成された巡回運行経路を車両端末50に送信する前に、車両の巡回運行経路を構成する各道路リストのうち、前述したS310ステップで運転者入力した出発地情報と最も近い距離にある道路リストを道路ネットワークデータを通じて検索し、車両10の出発地から最も近い距離にある道路リストまでの移動経路を生成した後、それを車両端末50に先に送信することによって、車両10が巡回運行経路に入ることができるようにすることが好ましいだろう。
【0082】
また、本発明を実施するにあたって、巡回運行経路に応じた車両運行が終了される場合、経路生成装置400は、運行終了時点の車両位置から前述したS310ステップで運転者が入力した目的地までの移動経路を生成した後、それを車両端末50に送信することによって、巡回運行を完了した車両10の目的地(例えば、家)までの運行を追加案内することが好ましいだろう。
【0083】
一方、本発明を実施するにあたって、本発明に係る車両の巡回運行経路生成方法を実行させるプログラムは、本発明に係る車両の巡回運行経路生成装置400にインストールされたり、コンピュータで読み取り可能な各種記録媒体に記録されたり、またはネットワークを通じて該当プログラムを送信するサーバに記憶されることができるだろう。
【0084】
本発明で使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに別段の意味を持たない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、本明細書に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、1つまたは複数の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものの存在または追加の可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0085】
以上では、本発明の好ましい実施形態及び応用例について図示して説明したが、本発明は上述した特定の実施例及び応用例に限らず、請求の範囲で請求する本発明の要旨を外れることなく、当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能なのはもちろん、このような変形実施は本発明の技術的思想や展望から個別に理解されてはならない。