(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241010BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241010BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 912
H04N1/00 E
B41J29/38 201
B41J29/42 F
B41J29/38 202
(21)【出願番号】P 2024004193
(22)【出願日】2024-01-15
(62)【分割の表示】P 2021205361の分割
【原出願日】2021-12-17
【審査請求日】2024-01-15
(31)【優先権主張番号】P 2021054210
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】長尾 剛士
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-130747(JP,A)
【文献】特開2014-082717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、
表示部と、
画像処理装置
を識別する識別情報を含む装置情報を生成する装置情報生成部と、
端末装置から送信されたコピージョブ実行にかかる設定情報に基づき、コピージョブを所定の設定で実行するコピージョブ実行部と、を備え、
前記制御部は、
前記装置情報を
前記表示部に表示し、
前記表示した装置情報を読み取った前記端末装置から送信されたコピージョブ実行に係る設定情報をネットワークサービスを介して取得し、取得した前記設定情報に基づき前記コピージョブ実行部を制御して前記コピージョブを実行し、
認証モードが有効時にユーザログイン後、前記ネットワークサービスから一定の期間、前記設定情報が得られなかった場合にログアウトすること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記画像処理装置の起動のタイミング、スリープモード復旧のタイミング、オートクリアのタイミング、又は認証モード有効の場合はユーザログインのタイミングの何れかのタイミングで前記装置情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記ネットワークサービスに対し、前記識別情報に対応する前記設定情報の取得要求を定期的に送信することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記装置情報は、
クイックレスポンスコード、バーコード、記号、及び英数字のうちの1つまたは複数で符号化されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、印刷モード、スキャンモード、ファクスモード、E-mailモードといった複数のモードを1台の装置で実現可能な複合機は、モード選択や、選択したモードの設定値の入力・選択を受け付けるための操作画面を備えるものが多い。
【0003】
最近は、ユーザに対して各種情報を表示するためのディスプレイと、当該ディスプレイに重ねて配置され、ユーザの指で押圧された位置を検出するタッチパネルとからなるタッチパネルディスプレイを操作画面として採用することが主流となっている。ユーザはディスプレイに表示された各種情報を確認しながら、タッチパネルを操作することにより、モード選択や、選択したモードの設定値の入力・選択を直感的かつ容易に行うことができる。
【0004】
ところで、新型コロナウィルスの流行に伴い、感染リスク低減を図るため、不特定多数の者との高頻度接触を回避する必要が高まってきている。
【0005】
例えば、職場内における共有複合機や、コンビニエンスストア等に設置された多目的複合機の操作画面を介した操作も例外ではなく、高頻度接触を回避するための早急な対策が求められている。
【0006】
複合機等の操作画面に対する直接接触を回避する一例として、例えば、特許文献1には、複合機端末などの文書処理装置に情報を手作業で入力することなく文書ジョブを作成するための手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示の目的は、操作画面に直接接触することなく、ジョブの実行が可能な画像処理装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため。本開示に係る画像処理装置は、制御部と、装置の識別情報を含む装置情報を生成する装置情報生成部と、端末装置から送信されたジョブ実行にかかる設定情報に基づき、ジョブを所定の設定で実行するジョブ実行部とを備え、前記制御部は、生成した前記装置情報を端末装置に対して表示し、前記表示した装置情報を読み取った前記端末装置から送信されたジョブ実行に係る設定情報に基づき、前記ジョブ実行部を制御して前記ジョブを所定の設定で出力することを特徴としている。
【0010】
また、本開示に係る出力システムは、端末装置と、画像処理装置と、ネットワークサービスとを含むジョブの出力システムであって、前記端末装置は、制御部と、前記画像処理装置を識別するための識別情報を含む装置情報を取得する装置情報取得部とを備え、ユーザによる要求に基づき、前記画像処理装置でのジョブ実行に係る設定を受け付けるユーザインタフェースを生成し、前記ユーザインタフェースを介して設定されたジョブ実行に係る設定情報と取得した前記識別情報とを前記ネットワークサービスに送信し、前記ネットワークサービスは、制御部と、前記設定情報と前記識別情報とを関連付けて記憶する記憶部とを備え、前記画像処理装置からの要求に応じて、前記識別情報に対応する前記設定情報を前記画像処理装置に送信し、前記画像処理装置は、制御部と、装置の前記識別情報を含む前記装置情報を生成する装置情報生成部と、前記設定情報に基づき、前記ジョブを所定の設定で出力するジョブ実行部とを備え、生成した前記装置情報を前記端末装置に対して表示し、前記表示した装置情報を読み取った前記端末装置から送信された前記設定情報に基づき、前記ジョブ実行部を制御して前記ジョブを所定の設定で出力することを特徴としている。
【0011】
また、本開示に係る端末装置は、制御部と、画像処理装置を識別するための識別情報を含む装置情報を取得する装置情報取得部とを備え、前記制御部は、ユーザによる要求に基づき、前記画像処理装置でのジョブの出力方法の設定を受け付けるユーザインタフェースを生成し、前記ユーザインタフェースを介して設定された設定情報と取得した前記識別情報とをネットワークサービスに送信することを特徴としている。
【0012】
また、本開示に係る出力方法は、画像処理装置によるジョブの出力方法であって、装置の識別情報を含む装置情報を生成する装置情報生成工程と、生成した前記装置情報を端末装置に対して表示し、前記表示した装置情報を読み取った前記端末装置から送信されたジョブ実行に係る設定情報に基づき、前記ジョブを所定の設定で出力するジョブ出力工程とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、操作画面に直接接触することなく、ジョブの実行が可能な画像処理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る出力システムの全体構成を概略的に説明する図である。
【
図2】第1実施形態に係る複合機の機能構成を説明する図である。
【
図4】第1実施形態に係る端末装置の機能構成を説明する図である。
【
図5】端末装置が送信する設定情報と識別情報との組み合わせの一構成例を説明する図である。
【
図6】第1実施形態に係るネットワークサービスの機能構成を説明する図である。
【
図7】ネットワークサービスが記憶する設定情報と識別情報との組み合わせの一構成例を説明する図である。
【
図8】第1実施形態に係る全体処理を説明するフローチャートである。
【
図9】第1実施形態に係る複合機の処理を説明するフローチャートである。
【
図10】第1実施形態に係る端末装置の処理を説明するフローチャートである。
【
図11】第1実施形態に係るネットワークサービスの処理を説明するフローチャートである。
【
図12】複合機が表示する表示画面の一構成例を説明する図である。
【
図13】複合機が表示するホーム画面の一構成例を説明する図である。
【
図14】複合機が表示するジョブ実行画面の一構成例を説明する図である。
【
図15】複合機が表示するジョブ完了画面の一構成例を説明する図である。
【
図16】端末装置が表示するアプリケーション画面の一構成例を説明する図である。
【
図17】端末装置が表示するコピージョブ実行画面の一構成例を説明する図である。
【
図18】端末装置が表示するスキャンジョブ実行画面の一構成例を説明する図である。
【
図19】端末装置が表示する装置情報取得画面の一構成例を説明する図である。
【
図20】第2実施形態に係る端末装置の処理を説明するフローチャートである。
【
図21】第2実施形態に係る端末装置が表示するコピージョブ実行画面の一構成例を説明する図である。
【
図22】第3実施形態に係る端末装置が表示するアプリケーション画面の一構成例を説明する図である。
【
図23】第3実施形態に係る端末装置が表示するアプリケーション画面の一構成例を説明する図である。
【
図24】第4実施形態に係る複合機の機能構成を説明する図である。
【
図25】第4実施形態に係る複合機の処理を説明するフローチャートである。
【
図26】第4実施形態に係る複合機の処理を説明するフローチャートである。
【
図27】第4実施形態に係る複合機の処理を説明するフローチャートである。
【
図28】第4実施形態に係る複合機の処理を説明するフローチャートである。
【
図29】複合機が表示するログイン画面の一構成例を説明する図である。
【
図30】複合機が表示する他のログイン画面の一構成例を説明する図である。
【
図31】複合機が表示する表示画面の一構成例を説明する図である。
【
図32】複合機が表示する他の表示画面の一構成例を説明する図である。
【
図33】複合機が表示するホーム画面の一構成例を説明する図である。
【
図34】複合機が表示するメッセージ表示領域の一構成例を説明する図である。
【
図35】複合機が表示する表示画面の一構成例を説明する図である。
【
図36】端末装置が表示するアプリケーション画面の一構成例を説明する図である。
【
図37】その他の形態に係る端末装置の処理を説明するフローチャートである。
【
図38】端末装置が表示するアプリケーション画面の一構成例を説明する図である。
【
図39】端末装置が表示するアプリケーション画面の一構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。本開示では、コピーモード、スキャンモードの何れかのモードを実行可能な複合機10を画像処理装置の一例として説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した説明の技術的範囲が以下の記載に限定されるものではない。
【0016】
[1 第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る出力システム100の全体構成を概略的に説明する図である。出力システム100は、複合機10と、端末装置30と、ネットワークサービス50とを含む。なお、第1実施形態に係る出力システム100においては、複合機10に対するユーザ認証を行う不図示の外部認証サーバ等を別途設けることも可能である。
【0017】
複合機10は、図中実線で示すネットワーク(NW)を介してネットワークサービス50と通信可能に接続されている。端末装置30は、ネットワーク(NW)を介してネットワークサービス50と通信可能に接続されている。また、端末装置30は複合機10から後述する装置情報を取得することが可能となるように構成されている(図中点線)。
【0018】
[1.1 機能構成]
[1.1.1 複合機10について]
複合機10は、例えば、印刷原稿をスキャンし、記録媒体としての用紙に画像形成することで印刷物として出力することができる画像処理装置である。また、複合機10は、印刷原稿のスキャンデータに基づき、所定のフォーマット形式(例えば、PDF(Portable document format)形式)の電子データとして出力することができる画像処理装置でもある。なお、入力物としては、印刷原稿に限定されるものではなく、例えば、外部記憶媒体や外部装置から入力された電子データであってもかまわない。
【0019】
図2は、複合機10の機能構成図である。複合機10は、制御部11と、表示部13と、操作入力部15と、出力部17と、通信部19と、記憶部21とを備える。
【0020】
制御部11は、複合機10全体を制御する。制御部11は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU(Central processing unit)等)により構成される。制御部11は、記憶部21に記憶された各種プログラムを読み出して実行することによりその機能を実現する。
【0021】
表示部13は、各種情報をユーザ等に対して表示する。表示部13は、例えば、LCD(Liquid crystal display)や有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等により構成することができる。なお、表示部13は後述する識別情報を含んだ装置情報を表示する。
【0022】
操作入力部15は、ユーザ等により情報の入力を受け付ける。操作入力部15は、ハードキー(例えば、テンキー)やボタン等で構成することができる。なお、操作入力部15は、表示部13を介しての入力が可能なタッチパネルディスプレイとして構成することができる。この場合、タッチパネルディスプレイへの入力方式としては、例えば、抵抗膜式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等を採用することができる。
【0023】
出力部17は、画像形成部171と画像読取部173とを含む。画像形成部171は、画像データ(印刷原稿のスキャンにより生成した画像データや、外部装置より入力された画像データ)に基づく画像を記録媒体としての用紙に形成して出力する。画像形成部171は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成することができる。画像形成部171は、トナー色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応した不図示のトナーカートリッジから供給されるトナーを用いて画像形成を行う。
【0024】
画像読取部173は、読取対象の印刷原稿(原稿画像)を走査して読み取ることにより、画像データを生成して出力する。画像読取部173は、例えば、CCD(Charge coupled device)、CIS(Contact image sensor)等のイメージセンサを備えたスキャナ装置として構成することができる。画像読取部173は、印刷原稿からの反射光像をイメージセンサで読み取ることで、画像データを出力する構成であれば、その構成に制限はない。
【0025】
通信部19は、LAN(Local area network)、WAN(Wide area network)、インターネット、電話回線、ファクス回線等を介して他装置との通信を行うための有線/無線の何れか又はその両方のインタフェースを備える。
【0026】
記憶部21は、複合機10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部21は、例えば、RAM(Random access memory)、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid state drive)、ROM(Read only memory)等の記憶装置により構成することができる。
【0027】
第1実施形態において、記憶部21は、出力部制御プログラム211と、表示処理プログラム213と、装置情報生成プログラム215と、設定情報取得プログラム217とを記憶し、装置設定値記憶領域219を確保する。
【0028】
出力部制御プログラム211は、画像形成部171、画像読取部173等の出力部17を制御する際に制御部11が読み出すプログラムである。出力制御プログラム211を読み出した制御部11は、後述する設定情報を取得した場合は、当該設定情報に基づき、出力部17を制御し、画像形成部171による印刷出力又は画像読取部173による画像データ出力を行う。
【0029】
表示処理プログラム213は、例えば、ホーム画面や各モードに基づく実行画面等の表示部13における表示処理を行う際に制御部11が読み出すプログラムである。また、表示処理プログラム213を読み出した制御部11は、装置起動時、スリープモード復旧時、オートクリア時、又は認証モード有効の場合はユーザログイン時の何れかのタイミングで装置情報を含む表示画面を表示部13に表示する。なお、本開示に係るオートクリアとは、ジョブ自体を取止める場合や、設定値の入力・選択を取り消す場合に実行される処理である。一般的に、オートクリアは表示画面に設けられた不図示の“オートクリアボタン”等の押下により実行することができる。
【0030】
装置情報生成プログラム215は、複合機10の識別情報を含む装置情報を生成する際に制御部11が読み出すプログラムである。本開示に係る装置情報は、少なくとも、端末装置30における設定情報の入力に必要な複合機10の設定に関する項目や、複合機10の識別情報、セッションキー等のネットワークサービス50に対する接続に関する項目を含む。装置情報生成プログラム215を読み出した制御部11は、これらの情報をクイックレスポンス(QR)コード、バーコード、記号、及び英数字のうちの1つまたは複数で符号化した符号化情報として生成する。なお、制御部11は、定期・不定期を問わず装置情報を更新する。例えば、制御部11は、複合機10のドライバプログラムが更新され、追加された新機能に対応するため、装置情報を更新することがある。また、制御部11は、ネットワークサービス50への接続に関する情報が更新・変更されたり、複合機10の設置場所が変更された場合等に装置情報を更新する。
【0031】
ここで
図3を用いて本開示に係る装置情報の一構成例について説明する。
図3で例示する装置情報は、インタフェース(I/F)関連項目として、“名称”、“種類”、“バージョン”、複合機関連項目として、“カラーモード”、“パンチ”、“ステープル”、“OCR(Optical character recognition)”等、接続関連項目として、“デバイスID”、“セッションキー”、“設置国”等の項目を特定のフォーマット形式で記述したものである。端末装置30は、符号化された装置情報を読み取り、復号化することで装置情報を取得することができる。端末装置30は、取得した装置情報の接続関連項目(デバイスID、セッションキー)に基づき、ネットワークサービス50に接続することができる。
【0032】
なお、
図3で例示した装置情報項目とその値は、あくまでも例示であり、本開示に係る装置情報が
図3の記載に限定されるものではない。例えば、端末装置30でのジョブ実行指示の際に、複合機10に対する認証動作が必要な場合、PIN(Personal identification number)や、トークンで生成されたワンタイムパスワード等を装置情報に含めることも可能である。
【0033】
再び
図2に戻り、設定情報取得プログラム217は、ネットワークサービス50から端末装置30において設定された設定情報を取得する際に制御部11が読み出すプログラムである。設定情報取得プログラム217を読み出した制御部11は、ネットワークサービス50に対して、例えば、HTTPS(Hyper text transfer protocol secure)ロングポーリング通信を行い、端末装置30から当該複合機10に対するジョブが送信された場合、当該ジョブに係る設定情報を取得する。
【0034】
装置設定値記憶領域219は、装置情報生成に係る装置設定値を記憶する記憶領域である。装置情報生成プログラム215を読み出した制御部11は、装置設定値記憶領域219に記憶された装置設定値(例えば、“カラーモード”、“パンチ”、“ステープル”、“OCR”等)を読み出すことにより、複合機関連項目に係る装置情報を生成する。
【0035】
[1.1.2 端末装置30について]
本開示に係る端末装置30は、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話、ノートパソコン等の所謂、モバイル端末装置として構成することができる。端末装置30は、少なくとも、(グラフィカル)ユーザインタフェースと相互作用する機能と、通信のための機能と、モバイル端末装置特有の機能とを兼ね備えた装置として構成される。
【0036】
図4は、端末装置30の機能構成図である。端末装置30は、制御部31と、表示部33と、操作入力部35と、装置情報取得部37と、通信部39と、記憶部41とを備える。
【0037】
制御部31は、端末装置30全体を制御する。制御部31は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU等)により構成される、制御部31は、記憶部41に記憶された各種プログラムを読み出して実行することによりその機能を実現する。
【0038】
表示部33は、各種情報をユーザ等に表示する。表示部33は、例えば、LCDや有機ELディスプレイ等により構成することができる。
【0039】
操作入力部35は、ユーザ等により情報の入力を受け付ける。操作入力部35は、表示部33を介しての入力が可能なタッチパネルディスプレイとして構成することができる。この場合、タッチパネルディスプレイへの入力方式としては、例えば、抵抗膜式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等を採用することができる。
【0040】
装置情報取得部37は、複合機10の表示部13に表示された装置情報(符号化情報)を取得する。装置情報取得部37としては、例えば、カメラ等の撮像装置やレーザー光を用いた走査装置等を挙げることができる。なお、装置情報取得部37は複合機10の装置情報を取得することが可能な構成であれば、特に制限はなく、無線通信(例えば、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線)を用いて装置情報を取得してもかまわない。また、装置情報取得部37は、端末装置30が直接備える構成でなくとも、例えば、撮像機能、走査機能等を備えた外付け装置であってもよい。
【0041】
通信部39は、LAN、WAN、インターネット、電話回線等を介して他装置との通信を行うための有線/無線の何れか又はその両方のインタフェースを備える。
【0042】
記憶部41は、端末装置30の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部41は、例えば、RAM、HDD、SSD、ROM等の記憶装置により構成することができる。
【0043】
第1実施形態において、記憶部41は、装置情報取得プログラム411と、表示処理プログラム413と、設定情報生成プログラム415とを記憶し、装置情報記憶領域417と、設定値記憶領域419とを確保する。
【0044】
装置情報取得プログラム411は、複合機10の装置情報を取得する際に制御部11が読み出すプログラムである。装置情報取得プログラム411を読み出した制御部31は、装置情報取得部37を制御することにより、装置情報を取得する。
【0045】
表示処理プログラム413は、複合機10で実行させるジョブモードの選択、設定値の入力・選択を受け付けるユーザインタフェース等を表示部33に表示する際に制御部31が読み出すプログラムである。
【0046】
設定情報生成プログラム415は、表示部33に表示されたユーザインタフェースを介して入力・選択された設定値に基づき、設定情報を生成する際に制御部31が読み出すプログラムである。設定情報生成プログラム415を読み出した制御部31は、ユーザインタフェースを介して入力・選択され、設定値記憶領域419に記憶された各種設定値から設定情報を生成する。そして、制御部31は生成した設定情報を複合機10の識別情報(デバイスID)と共にネットワークサービス50に送信する。
【0047】
ここで、
図5は、端末装置30がネットワークサービス50に送信する設定情報と識別情報(デバイスID)との組み合わせの一構成例を表す図である。
図5は、 ユーザインタフェースを介して入力・選択された“モード”、“部数”、“給紙トレイ”、“両面コピー”、“裏面の向きを180度回転”、“カラーモード”、“パンチ”、“ステープル”の群を含む設定情報と、複合機10の識別情報(デバイスID)として“jv6Ou3QBGv8w6yNtGt”とが組み合わされて送信される例である。
【0048】
再び
図4に戻り、装置情報記憶領域417は、複合機10から取得した装置情報を記憶する記憶領域である。また、設定値記憶領域419は、ユーザによりユーザインタフェースを介して入力・選択された設定値を記憶する記憶領域である。
【0049】
[1.1.3 ネットワークサービス50について]
ネットワークサービス50は、所謂、クラウドと称され、例えば、ウェブ・ブラウザ等を介して、処理リソース、記憶リソース、配信リソース等の所定のサービスを提供するコンピューティング・システムである。ネットワークサービス50で提供されるサービスは、伝送制御プロトコル、インターネットプロトコル、他のプロトコル等のデータ通信プロトコルの何れかを使用し、ネットワーク(NW)を介して複合機10又は端末装置30からアクセスして利用することができる。ネットワークサービス50は、ハードウェアとして1つ又は複数のネットワーク装置50aを含む。なお、以下の説明において、特別にハードウェア構成を示さない場合は、単にネットワークサービス50として説明する。
【0050】
図6は、ネットワークサービス50に含まれるネットワーク装置50aの機能構成図である。ネットワーク装置50aは、制御部51と、表示部53と、操作入力部55と、通信部57と、記憶部59とを備える。
【0051】
制御部51は、ネットワークサービス50全体を制御する。制御部51は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU等)により構成される、制御部51は、記憶部59に記憶された各種プログラムを読み出して実行することによりその機能を実現する。
【0052】
表示部53は、各種情報をユーザ等に表示する。表示部33は、例えば、LCDや有機ELディスプレイ等により構成することができる。
【0053】
操作入力部55は、ユーザ等により情報の入力を受け付ける。操作入力部55は、例えば、キーボード、マウス等の入力手段を用いることができる。
【0054】
通信部57は、LAN、WAN、インターネット、電話回線等を介して他装置との通信を行うための有線/無線の何れか又はその両方のインタフェースを備える。
【0055】
記憶部59は、ネットワークサービス50の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部59は、例えば、RAM、HDD、SSD、ROM等の記憶装置により構成することができる。
【0056】
第1実施形態において、記憶部59は、端末装置認証プログラム591と、設定情報送信プログラム593とを記憶し、識別情報・設定情報記憶領域595を確保する。
【0057】
端末装置認証プログラム591は、端末装置30との接続を認証する際に制御部51が読み出すプログラムである。端末装置認証プログラム591を読み出した制御部51は、端末装置30から識別情報と設定情報とが送信された場合に、併せて送信されたセッションキーに基づき、端末装置30との接続を認証する。
【0058】
設定情報送信プログラム593は、複合機10に対して設定情報を送信する際に制御部51が読み出すプログラムである。設定情報送信プログラム593を読み出した制御部51は、複合機10からのHTTPSロングポーリングに対し、当該複合機10の識別情報(デバイスID)に付されたジョブIDを検索する。当該ジョブIDに設定情報が関連づけられている場合、複合機10との接続を確立し、当該設定情報を送信する。
【0059】
識別情報・設定情報記憶領域595は、
図7に示すように、制御部51が、端末装置30から送信された複合機10の識別情報と設定情報とを関連付けた上でジョブIDを付して記憶する記憶領域である。制御部51は、識別情報(デバイスID)と設定情報とを関連付けた情報をジョブIDで管理する。なお、ジョブIDは、端末装置30側で付することも可能である。この場合、端末装置30は、複合機10の識別情報と設定情報とを関連付けた上でジョブIDを付してネットワークサービス50に送信すればよい。制御部51は、ジョブIDが付された複合機10の識別情報と設定情報とを識別情報・設定情報記憶領域595に記憶する。
【0060】
[1.2 処理の流れ]
[1.2.1 全体処理について]
次に、第1実施形態に係る全体処理について
図8のフローチャートを用いて説明する。まず、複合機10は、装置起動時、スリープモード復旧時、オートクリア時、又は認証モード有効の場合はユーザログイン時の何れかのタイミングで装置情報を含む表示画面を表示部13に表示する(ステップS10)。
【0061】
ユーザは、複合機10に(印刷)原稿をセットし、端末装置30にジョブアプリケーションの起動指示を入力する(ステップS100)。端末装置30は、ジョブアプリケーションの起動指示を受け、当該ジョブアプリケーションを起動する(ステップS102)。
【0062】
ユーザは、表示部33に表示されたユーザインタフェースを介して複合機10に実行させるジョブを選択し、選択したジョブに係る設定値を入力・選択する(ステップS104)。
【0063】
端末装置30は、入力指示を受けた設定値を受け付け、当該設定値を設定値記憶領域419に記憶する(ステップS106)。
【0064】
ユーザはスタートキーを押下する(ステップS108)。スタートキーの押下後、端末装置30の制御部31は、装置情報取得プログラム411を読み出し、複合機10の表示部13に表示されている装置情報を取得する(ステップS110)。
【0065】
端末装置30は、設定値記憶領域419に記憶された各種設定値から設定情報を生成し、複合機10の識別情報と共にネットワークサービス50に送信する(ステップS112)。
【0066】
ネットワークサービス50は、端末装置30から送信された複合機10の識別情報と設定情報とを関連付けた上でジョブIDを付して識別情報・設定情報記憶領域595に記憶する(ステップS114)。
【0067】
複合機10は、ネットワークサービス50に対してHTTPSロングポーリングを行い、複合機10の識別情報に対応する設定情報が存在するか否かを問合せする(ステップS116)。
【0068】
複合機10の識別情報に対応する設定情報が存在する場合、ネットワークサービス50は、複合機10との接続を確立し、設定情報を送信する(ステップS118)。
【0069】
複合機10は、受信した設定情報に基づきジョブを実行する(ステップS120)。
【0070】
[1.2.2 複合機10の処理について]
次に、複合機10の処理について
図9のフローチャートを用いて説明する。複合機10の制御部11は、装置状態が、装置起動又はスリープモードからの復旧であるか否かを判定する(ステップS200)。
【0071】
制御部11は、装置起動又はスリープモードからの復旧であると判定した場合、装置起動処理を行う(ステップS200;Yes→ステップS210)。
【0072】
一方、制御部11は、装置起動又はスリープモードからの復旧ではないと判定した場合、オートクリアの入力であるか否かを判定する(ステップS200;No→ステップS220)。
【0073】
制御部11は、オートクリアの入力であると判定した場合、処理をステップS230に移す(ステップS220;Yes→ステップS230)。一方、オートクリアの入力ではないと判定した場合、制御部11は、処理をステップS300に移す。
【0074】
ステップS210における装置起動処理後、制御部11は、例えば、ドライバプログラム、ネットワークサービス50への接続に関する情報等が更新されているか判定する(ステップS230)。更新情報等がある場合、制御部11は、装置情報生成プログラム215を読み出し、更新情報に基づいて装置情報を更新する(ステップS230;Yes→ステップS240)。
【0075】
そして、制御部11は、表示処理プログラム213を読み出すことにより、ステップS230にて更新した装置情報を含む表示画面を表示部13に表示する(ステップS250)。
【0076】
一方、更新情報等が無い場合、制御部11は装置情報の更新は行わず、当該装置情報を表示部13に表示する(ステップS230;No→ステップS250)。
【0077】
次に、制御部11は、装置情報を含む表示画面に設けられた“閉じるボタン”が押下されたか否かを判定する(ステップS260)。“閉じるボタン”が押下されていない場合、制御部11は、設定情報の取得要求を行う(ステップS260;No→ステップS270)。すなわち、制御部11は、設定情報取得プログラム217を読み出すことにより、ネットワークサービス50に対してHTTPSポーリング通信を行う。なお、ネットワークサービス50に対するHTTPSポーリング通信は、ステップS260に係る“閉じるボタン”の押下を受ける前、例えば、ステップS210の装置起動処理後に継続的に行う形態であってもよい。
【0078】
そして、制御部11は、設定情報を取得したか否かを判定する(ステップS280)。ネットワークサービス50から設定情報を取得すると、制御部11は取得した設定情報に基づくジョブを実行し、処理を終了する(ステップS280;Yes→ステップS290)。なお、認証モードが有効時にユーザログイン後、ネットワークサービス50から一定の期間、設定情報が得られなかった場合、制御部11は自動的にログアウト処理してもよい。これにより、ユーザ認証有効時に無操作状態などの放置状態が継続した場合に自動的にログアウトすることで不正利用を防止することができる。
【0079】
ところで、“閉じるボタン”が押下された場合、制御部11は、ホーム画面を表示する(ステップS260;Yes→ステップS300)。この場合、制御部11は、端末装置30から送信され、ネットワークサービス50を介して取得した設定情報に基づくジョブの出力は行わない。
【0080】
そして、制御部11は、ホーム画面を介してジョブの実行指示を受けたか否かを判定する(ステップS310)。ユーザによりホーム画面を介したジョブの実行指示が入力されたと判定した場合、制御部11は当該ジョブを実行し、処理を終了する(ステップS310;Yes→ステップS320)。
【0081】
[1.2.3 端末装置30の処理について]
次に、端末装置30の処理について
図10のフローチャートを用いて説明する。端末装置30の制御部31は、ユーザによるジョブアプリケーションの起動指示を受けたか否かを判定する(ステップS400)。
【0082】
ジョブアプリケーションの起動指示を受けたと判定した場合、制御部31は表示処理プログラム413を読み出すことにより、ユーザインタフェースとしてのアプリケーション画面を表示部33に表示する(ステップS400;Yes→ステップS410)。
【0083】
次いで、制御部31は、ユーザによりアプリケーション画面を介してコピージョブが選択されたか否かを判定する(ステップS420)。ユーザによりコピージョブが選択されたと判定した場合、制御部31は、コピージョブ実行画面を表示部33に表示する(ステップS420;Yes→ステップS430)。一方、ユーザによりコピージョブが選択されていないと判定した場合、制御部31は、スキャンジョブ実行画面を表示部33に表示する(ステップS420;No→ステップS440)。
【0084】
制御部31は、ステップS430で表示したコピージョブ実行画面又はステップS440で表示したスキャンジョブ実行画面の何れかを介して設定値の入力を受け付ける(ステップS450)。そして、制御部31は、受け付けた設定値を設定値記憶領域419に記憶する(ステップS460)。
【0085】
制御部31は、ユーザにより“スタートボタン”が押下されたか否かを判定する(ステップS470)。ユーザにより“スタートボタン”が押下されたと判定した場合、制御部31は、複合機10から装置情報を取得する(ステップS470;Yes→ステップS480a)。すなわち、制御部31は、スタートキーの押下後、装置情報取得プログラム411を読み出し、複合機10の表示部13に表示されている装置情報を取得する(ステップS480a)。
【0086】
次いで、制御部31は、設定情報生成プログラム415を読み出し、設定値記憶領域419に記憶された各種設定値から設定情報を生成する(ステップS480b)。そして、制御部31は、生成した設定情報を複合機10の識別情報と共にネットワークサービス50に送信し、処理を終了する(ステップS490)。
【0087】
[1.2.4 ネットワークサービス50の処理について]
次に、ネットワークサービス50の処理について
図11のフローチャートを用いて説明する。ネットワークサービス50の制御部51は、端末装置30から識別情報と設定情報とを取得したか否かを判定する(ステップS500)。この場合、制御部51は、端末装置認証プログラム591を読み出し、端末装置30との接続を認証したか否かで、識別情報と設定情報とを取得したか否かを判定すればよい。
【0088】
制御部51は、端末装置30から識別情報と設定情報とを取得したと判定した場合、当該識別情報と設定情報とを関連付けた上でジョブIDを付して識別情報・設定情報記憶領域595に記憶する(ステップS500;Yes→ステップS510)。
【0089】
次いで、制御部51は、複合機10から設定情報の取得要求を受けたか否かを判定する(ステップS520)。複合機10から設定情報の取得要求を受けたと判定した場合、制御部51は、当該複合機10の識別情報に対応する設定情報を記憶しているか否かを判定する(ステップS520;Yes→ステップS530)。この場合、制御部51は、複合機10からのHTTPSロングポーリングに対し、当該複合機10の識別情報(デバイスID)に付されたジョブIDを検索する。当該ジョブIDに設定情報が関連づけられている場合、制御部51は、当該複合機10の識別情報に対応する設定情報を記憶していると判定する。
【0090】
識別情報に対応する設定情報を記憶している場合、制御部51は、複合機10との接続を確立する(ステップS530;Yes→ステップS540)。そして、制御部51は、設定情報送信プログラム593を読み出し、設定情報をジョブとして複合機10に送信し、処理を終了する(ステップS550)。
【0091】
[1.3 動作例]
次に、第1実施形態に係る動作例について説明する。
図12は、複合機10が表示部13に表示する表示画面W10の一構成例である。なお、本動作例は、
図9のステップS250の処理に対応するものであって、表示画面W10は、装置起動時、スリープモード復旧時、オートクリア時、又は認証モード有効の場合はユーザログイン時の何れかのタイミングで表示される。
【0092】
表示画面W10は、操作手順表示領域R10と、閉じるボタンB10とを備える。操作手順表示領域R10は、第1実施形態に係る出力方法の操作手順をイラスト又はアニメーションにより説明するための領域である。
図12の例示では、(1)原稿セット、(2)端末装置での設定、(3)ジョブ実行の順で操作手順が説明されている。
【0093】
操作手順表示領域R10は、複合機10の装置情報を表示する装置情報表示領域R11を含む。第1実施形態では、装置情報を表す符号化情報としてクイックレスポンス(QR)コードを採用した例について説明する。QRコード(登録商標)は、グラフィカル形式でデータを表すための2次元コードである。なお、装置情報としては、QRコード以外にも、バーコード、記号、及び英数字のうちの1つまたは複数で符号化した情報を用いることも可能である。
【0094】
端末装置30は、カメラ等の撮像装置やレーザー光を用いた走査装置によって、当該QRコードを読み取ることでジョブを実行させることができる。
【0095】
閉じるボタンB10は、本開示に係る出力方法を用いず、通常のホーム画面を介してのジョブの実行をユーザが所望する場合に、押下を受け付けるボタンである。閉じるボタンB10が押下されると、制御部11は次図で説明するホーム画面を表示部13に表示する。
【0096】
図13は、第1実施形態に係るホーム画面W20の一構成例である。なお、本動作例は、
図9のステップS300の処理に対応する。ホーム画面W20は、例えば、ユーザによるジョブの選択や、各種機能表示の選択を受け付ける基本画面である。ホーム画面W20は、ジョブ・機能選択ボタンB12と、表示送りボタンB16と、ジョブ状況ボタンB18とを備える。
【0097】
ジョブ・機能選択ボタンB12は、ユーザが所望するジョブ、機能表示等の選択を受け付ける。例えば、ユーザは、ジョブ・機能選択ボタンB12において、“簡易コピー”ボタンを押下すると、制御部11は、当該“簡易コピー”の設定を行うための不図示のジョブ実行画面を表示する。また、第1実施形態におけるジョブ・機能選択ボタンB12は、
図12で例示した表示画面W10に画面を遷移するための、リモートオペレーションボタンB14を含む。ユーザによりリモートオペレーションボタンB14が押下されると、制御部11は、画面表示を表示画面W10に遷移し、本開示に係る出力方法を利用することが可能となる。なお、
図13のジョブ・機能選択ボタンB12の表示構成例はあくまでも例示であり、表示送りボタンB16の押下により表示されていないジョブ、機能表示ボタンを表示させることができる。
【0098】
ジョブ状況ボタンB18は、複合機10が実行しているジョブの進行状況、予約状況等の報知指示入力を受け付ける。ユーザによりジョブ状況ボタンB18が押下されると、制御部11は、不図示のジョブの進行状況や予約状況等を表示する。
【0099】
図14は、複合機10がネットワークサービス50から設定情報を受信し、当該設定情報に基づくジョブを実行中に表示部13に表示する実行画面の一構成例である。なお、本動作例は、
図9のステップS290の処理に対応する。実行画面W30は、ジョブが実行中である旨を表すメッセージ表示領域R12と、実行中のジョブの種類(
図14の例示はコピージョブ)をイラスト又はアニメーションで表示する実行ジョブ表示領域R14とを備える。
【0100】
図15は、複合機10がジョブを完了した際に表示部13に表示する完了画面の一構成例である。なお、本動作例は、
図9のステップS290以降の処理に対応する。完了画面W40は、ジョブが完了した旨を表すメッセージ表示領域R16と、ジョブの完了をイラスト又はアニメーションで表示する完了ジョブ表示領域R18とを備える。
【0101】
図16は、ユーザによりジョブアプリケーションの起動指示を受け、表示部33に表示するアプリケーション画面の一構成例である。なお、本動作例は、
図10のステップS400からステップS410の処理に対応する。アプリケーション画面W50は、メニュー表示領域R20と、お気に入りリスト表示領域R22とを備える。
【0102】
メニュー表示領域R20は、コピージョブ選択ボタンB20とスキャンジョブ選択ボタンB22とを備える。コピージョブ選択ボタンB20はユーザによるコピージョブの選択を受け付ける。コピージョブ選択ボタンB20の押下を受けると、制御部31は、ユーザによりコピージョブが選択されたと判定することができる。コピージョブ選択ボタンB20の押下を受けると、制御部31は、コピージョブ実行画面を表示部33に表示する。
【0103】
一方、スキャンジョブ選択ボタンB22はユーザによりスキャンジョブの選択を受け付ける。スキャンジョブ選択ボタンB22の押下を受けると、制御部31は、ユーザによりスキャンジョブが選択されたと判定することができる。スキャンジョブ選択ボタンB22の押下を受けると、制御部31は、スキャンジョブ実行画面を表示部33に表示する。
【0104】
お気に入りリスト表示領域R22は、ユーザにとって使用頻度が高い項目をリスト形式で表示する。お気に入りリストは、ソートボタンB24により昇順/降順表示を切り替えることができる。
【0105】
図17は、ユーザによりコピージョブが選択された場合に、表示部33に表示されるコピージョブ実行画面の一構成例である。本動作例は、
図10のステップS420、ステップS430及びステップ450の処理に対応する。コピージョブ実行画面W60aは、設定値設定領域R24と、スタートボタンB26とを備える。
【0106】
設定値設定領域R24は、ジョブ実行に係る設定値の入力・選択を受け付ける。設定値は、例えば、“部数”、“給紙トレイ”、“両面コピー”、“裏面の向きを180度回転する”、“カラーモード”といったようにコピージョブに係る設定値毎に入力・選択することができる。
【0107】
例えば、コピージョブ実行画面W60bは、 “部数”の設定値がタップ操作等により選択された場合に表示される部数設定画面の一構成例である。コピージョブ実行画面W60bは、コピー部数の設定値の入力を受け付けるモーダルM10と、設定値入力ボタンB28とを備える。
【0108】
図17に示す様に、モーダルM10が表示されている場合、制御部31は、他の設定値をグレー表示し、設定値の入力を行うことができないように制限する。ユーザは、設定値入力ボタンB28を用いてコピー部数の入力を行う。所定のコピー部数の入力後、“決定”ボタンを押下することで、部数に係る設定値を確定することができる。なお、“決定”若しくは“キャンセル”ボタンが押下されると、画面はコピージョブ実行画面W60aに戻る。
【0109】
図18は、ユーザによりスキャンジョブが選択された場合に、表示部33に表示されるスキャンジョブ実行画面の一構成例である。本動作例は、
図10のステップS420、ステップS440及びステップ450の処理に対応する。スキャンジョブ実行画面W70aは、設定値設定領域R26と、スタートボタンB26とを備える。
【0110】
設定値設定領域R26は、ジョブ実行に係る設定値の入力・選択を受け付ける。設定値は、例えば、“アドレスを入力”、“自分宛てに送信”、“読み込み設定”、“画像の向き”、“カラーモード”といったようにスキャンジョブに係る設定値毎に入力・選択することができる。
【0111】
例えば、スキャンジョブ実行画面W70bは、設定値として、“自分宛てに送信”の設定値がタップ操作等により選択された場合に表示される自分宛て送信先設定画面の一構成例である。スキャンジョブ実行画面W70bは、自分宛てに送信の設定値の入力を受け付けるモーダルM12と、設定値入力ボタンB30とを備える。
【0112】
図18に示す様に、モーダルM12が表示されている場合、制御部31は、他の設定値をグレー表示し、設定値の入力を行うことができないように制限する。ユーザは、設定値入力ボタンB30を用いて自分宛てに送信の送信先入力を行う。所定の送信先の入力後、“決定”ボタンを押下することで、送信先に係る設定値を確定することができる。なお、“決定”若しくは“キャンセル”ボタンが押下されると、画面はスキャンジョブ実行画面W70aに戻る。
【0113】
図19は、
図17のコピージョブ実行画面W60a又は
図17のスキャンジョブ実行画面W70aのスタートボタンB26が押下され、複合機10に表示中の装置情報を取得する際に、制御部31が表示する装置情報取得画面の一構成例である。装置情報取得画面W80aは、装置情報取得領域R28と、ステータス表示領域R30とを備える。
【0114】
装置情報取得領域R28は、
図19での例示のように、取得する装置情報がQRコード等の符号化情報である場合、当該符号化情報が撮像装置又は走査装置の読取領域内に収まるようにユーザを誘導するガイドラインとして構成することができる。ユーザは装置情報取得領域R28内にQRコード等の符号化情報が収まるように端末装置30を操作する。装置情報が取得されると、制御部31は装置情報取得画面W80aを装置情報取得画面W80bに遷移する。
【0115】
ステータス表示領域R30は、ユーザに対して操作又はジョブの進行状況(ステータス)を表示する領域である。例えば、装置情報取得画面W80aに係るステータス表示領域R30には、QRコードを装置情報取得領域R28に収め、当該QRコードを読み取らせる旨のメッセージが表示された例である。
【0116】
QRコード等の符号化情報が読み取られると、装置情報取得画面W80bには、複合機10にジョブ(設定情報)を送信している旨がステータス表示領域R32に表示される。
【0117】
複合機10へのジョブの送信が完了すると、制御部31は表示画面を装置情報取得画面W80cに遷移する。装置情報取得画面W80cでは、ジョブの送信が完了した旨がステータス表示領域R34に表示される。
【0118】
以上のように、第1実施形態によれば、端末装置上で画像処理装置が実行するジョブの設定値を設定することが可能であるため、画像処理装置の操作画面に直接接触することなく、ジョブを実行させることができる。
【0119】
[2 第2実施形態]
第1実施形態では、設定情報の設定後に装置情報を取得する形態であった。第2実施形態では、装置情報の取得後に設定情報の設定を行う点が第1実施形態と異なる。
【0120】
第2実施形態に係る機能構成は、第1実施形態と同一とすることができる。したがって、第1実施形態と同一構成については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0121】
複合機10の処理並びにネットワークサービス50の処理についても、第1実施形態と同一とすることが出来るため、ここでの説明は省略する。
【0122】
端末装置30の処理について
図20のフローチャートを用いて説明する。端末装置30の制御部31は、ユーザによるジョブアプリケーションの起動指示を受けたか否かを判定する(ステップS600)。ジョブアプリケーションの起動指示を受けたと判定した場合、制御部31は表示処理プログラム412を読み出すことにより、ユーザインタフェースとしてのアプリケーション画面を表示部33に表示する(ステップS600;Yes→ステップS610)。
【0123】
制御部31は、複合機10から装置情報を取得する(ステップS680a)。
【0124】
次いで、制御部31は、ユーザによりアプリケーション画面を介してコピージョブが選択されたか否かを判定する(ステップS620)。ユーザによりコピージョブが選択されたと判定した場合、制御部31は、コピージョブ実行画面を表示部33に表示する(ステップS620;Yes→ステップS630)。一方、ユーザによりコピージョブが選択されていないと判定した場合、制御部31は、スキャンジョブ実行画面を表示部33に表示する(ステップS620;No→ステップS640)。
【0125】
制御部31は、ステップS630で表示したコピージョブ実行画面又はステップS640で表示したスキャンジョブ実行画面の何れかを介して設定値の入力を受け付ける(ステップS650)。このとき、ステップS680aで取得した装置情報に基づき、制御部31は、複合機10で実施不可な機能については設定値の入力・選択を不可とする。
【0126】
そして、制御部31は、受け付けた設定値を設定値記憶領域419に記憶する(ステップS660)。
【0127】
制御部31は、ユーザにより“スタートボタン”が押下されたか否かを判定する(ステップS670)。ユーザにより“スタートボタン”が押下されたと判定した場合、制御部31は、設定値記憶領域419に記憶された各種設定値から設定情報を生成する(ステップS680b)。そして、制御部31は、生成した設定情報を複合機10の識別情報と共にネットワークサービス50に送信し、処理を終了する(ステップS690)。
【0128】
図21は、ユーザによりコピージョブが選択された場合に、表示部33に表示されるコピージョブ実行画面の一構成例である。本動作例は、
図20のステップS620、ステップS630及びステップ650の処理に対応する。コピージョブ実行画面W60cは、設定値設定領域R24と、スタートボタンB26とを備える。
【0129】
コピー実行画面W60cにおける設定値設定領域R24と、スタートボタンB26の構成・機能については、
図17で例示したコピージョブ実行画面W60aと同一である。しかしながら、第2実施形態に係るコピージョブ実行画面W60cでは、先に取得した装置情報に基づき、複合機10で実施不可な機能(例えば、“裏面の向きを180度回転する”)に係る設定値ついては、暗転表示され入力・選択が不可な状態で表示される。
【0130】
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、ジョブを実行させるが奏処理装置において実施不可な機能については、予め入力・選択が不可な状態で表示されるため、実行不可な設定値の設定に伴う手間を省くことができる。
【0131】
[3 第3実施形態]
第1実施形態及び第2実施形態では、本開示に係る発明を複合機に適用した形態について説明した。第3実施形態では、複合機と表示装置(ディスプレイ装置)との何れかが選択可能な形態について説明する。
【0132】
第3実施形態に係る機能構成は、第1実施形態又は第2実施形態と同一とすることができる。したがって、第1実施形態又は第2実施形態と同一構成については同一の符号を付してその説明は両略する。また、処理の流れについても共通する点については説明を省略する。
【0133】
第3実施形態では、
図10のステップS410又は
図20のステップS610において表示部33に表示するアプリケーション画面の構成が第1実施形態又は第2実施形態とは異なる。
【0134】
図22は、第3実施形態にて制御部31が表示部33に表示するアプリケーション画面の一構成例である。アプリケーション画面W51は、メニュー表示領域R36と、お気に入りリスト表示領域R22とを備える。
【0135】
メニュー表示領域R36は、複合機選択ボタンB32と表示装置選択ボタンB34とを備える。複合機選択ボタンB32はユーザによる複合機の選択を受け付ける。複合機選択ボタンB32の押下を受けると、制御部31は、ユーザにより複合機が選択されたと判定する。複合機選択ボタンB32の押下を受けると、制御部31は、
図16で例示した複合機用のアプリケーション画面W50を表示部33に表示する。
【0136】
一方、表示装置選択ボタンB34はユーザによる表示装置の選択を受け付ける。表示装置選択ボタンB34の押下を受けると、制御部31は、ユーザにより表示装置が選択されたと判定する。表示装置選択ボタンB34の押下を受けると、制御部31は、表示装置用の不図示のアプリケーション画面を表示部33に表示する。
【0137】
ところで、アプリケーション画面W51を介して選択された複合機又は表示装置が複数台存在する場合、ユーザが所望する出力装置の選択を更に受け付ける選択画面を設けてもよい。
図23は、ユーザによりアプリケーション画面W51において、出力装置として複合機が選択され、ジョブを実行可能な複合機が複数台(MFP1~MFP3)存在する場合に、更に複合機の選択を促すメニュー表示領域R38を備えたアプリケーション画面W52の一構成例である。
【0138】
ユーザは、アプリケーション画面W52を介して複数台数存在する複合機から所望の複合機を選択することができる。
【0139】
以上のように、第3実施形態によれば、第1実施形態又は第2実施形態と同様な効果が得られるとともに、複合機以外の表示装置を他の出力装置として選択することができる。また、複数台数の出力装置(複合機)が利用可能な状況であったとしても、ユーザはジョブを実行させる出力装置を容易に選択することができる。
【0140】
[4 第4実施形態]
第4実施形態は、ユーザ認証結果に基づきジョブの出力を制御する形態である。
【0141】
[4.1 機能構成]
[4.1.1 複合機90について]
第4実施形態に係る複合機の機能構成は、第1実施形態に係る複合機10と略同一構成とすることができる。したがって、第1実施形態に係る複合機10と同一な構成については、同一の符号を付して説明は省略し、異なる箇所について説明する。
【0142】
図24は、第4実施形態に係る複合機90の機能構成図である。複合機90は、認証情報取得部23と、複合機10が備える記憶部21に替えて記憶部91を備える。
【0143】
認証情報取得部23は、ユーザ認証のための認証情報を取得する。認証情報取得部23は、例えば、ユーザに対して配布されているIC(Integrated Circuit)カード、磁気カード等のID(Identity/Identification Card)カードを読み取るカードリーダーとして構成することができる。IDカードが非接触式ICカードである場合、カードリーダーは非接触式ICカードリーダーとなる。認証情報取得部23は、IDカードを読み込むことで、当該IDカードに記録されたユーザの認証情報(ユーザ識別情報や接続ID等)を取得する。なお、認証情報取得部23は、カードリーダーに限定されるものでなく、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線、NFC(Near Field Communication)、RFID(Radio Frequency Identification)等の近距離無線通信プロトコルを介しての通信が可能であって、ユーザ認証のための認証情報を取得可能であれば、その構成に制限は特にない。さらに、指紋認証、顔認証等による生体認証に対応するため、スキャナ装置やカメラ等の撮像装置を含めることも可能である。
【0144】
第4実施形態において、記憶部91は、出力部制御プログラム211と、表示処理プログラム213と、装置情報生成プログラム215と、設定情報取得プログラム217と、認証プログラム911とを記憶し、装置設定値記憶領域219を確保する。
【0145】
認証プログラム911は、複合機90にログインするユーザを認証する際に制御部11が読み出すプログラムである。認証プログラム911を読み出した制御部11は、認証機能がオンである場合、認証情報取得部23や、後述するログイン画面を介して入力を受付けた認証情報に基づきユーザ認証を行う。なお、ユーザ認証は、認証情報取得部23を介した所有物認証や、ログインユーザ名とログインパスワードとの組み合わせといった知識認証に加え、生体認証等によって行うことも可能である。
【0146】
なお、端末装置30、ネットワークサービス50の機能構成については、第1実施形態と略同一とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0147】
[4.2 処理の流れ]
第4実施形態に係る全体処理、端末装置30に係る処理、及びネットワークサービス50に係る処理については、第1実施形態と略同一とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0148】
[4.2.1 複合機90の処理について]
複合機90の処理について
図25のフローチャートを用いて説明する。なお、第1実施形態の
図9のフローチャートで説明した処理と同一の処理とすることができる処理については同一のステップ番号を付してその説明は省略する。
図25で説明する処理は、ステップS210における装置起動処理後、ログイン(ユーザ認証)処理を行う点と、ステップS280において、設定情報が得られなかった場合に、処理をステップS260に戻す点が
図9で説明した処理とは異なる。以下に説明する。
【0149】
ステップS210において、装置起動処理終了後、制御部11は、認証プログラム911を読み出すことにより、ログイン処理(認証処理)を実行する(ステップS330)。ログイン処理が終了すると、制御部11は、処理をステップS230に移行する。なお、ログイン処理については、
図26で説明する。
【0150】
また、ステップS280において、ネットワークサービス50から設定情報が得られなかった場合、制御部11は処理をステップS260に戻す。そして、制御部11は、ステップS260以降の処理を実行する。
【0151】
次に、
図25のステップS330に係るログイン処理(認証処理)について説明する。なお、ここでは、認証結果が不可であった場合に取り得る態様に応じて
図26から
図28を用いて説明する。
【0152】
[4.2.2 認証結果が不可であった場合に認証処理を繰り返す態様について]
認証結果が不可であった場合、認証処理を繰り返す態様について
図26のフローチャートを用いて説明する。
【0153】
ログイン処理を開始すると、制御部11は認証モードが有効(ON)であるか無効(OFF)であるかを判定する(ステップS3310)。この場合、制御部11は、例えば、システム設定等を介して予め設定された認証モードの有効/無効に係る設定値を参照することで、認証モードが有効であるか無効であるかを判定することができる。
【0154】
認証モードが有効であると判定した場合、制御部11は認証情報を受付けるための準備を開始する(ステップS3310;Yes→ステップS3320)。この場合、制御部11は、認証情報取得部23の初期化や、後述するログイン画面を表示部13に表示することで、ユーザによる認証情報の入力に備える。
【0155】
一方、制御部11は認証モードが無効であると判定すると、ログイン処理を終了する(ステップS3310;No)。なお、ログイン処理の終了に当たり、制御部11は、認証モードが無効に設定されているため、処理を終了した旨を表示部13に表示してもよい。
【0156】
認証情報入力の準備が整うと、制御部11は、ユーザにより認証情報が入力されたか否かを判定する(ステップS3320→ステップS3330)。
【0157】
認証情報取得部23又はログイン画面を介して認証情報が入力されたと判定すると、制御部11は入力された認証情報を受付ける(ステップS3330;Yes→ステップS3340)。一方、認証情報が入力されていないと判定すると、制御部11は認証情報が入力されるまで待機する(ステップS3330;No)。
【0158】
入力された認証情報を受付けると、制御部11は、受付けた認証情報について認証処理を行う(ステップS3340→ステップS3350)。例えば、ログイン画面を介して入力された認証情報に基づいて認証処理を行う場合、制御部11は、ログインユーザ名とログインパスワードとを予め関連付けて記憶しておく。そして、ログイン画面を介して入力された認証情報としてのログインユーザ名とログインパスワードとを照合することで、ユーザ認証を行うことができる。
【0159】
認証が成功したと判定すると、制御部11は、ログイン処理を終了する(ステップS3350;Yes)。そして、制御部11は処理を
図25のステップS230に移行する。
【0160】
一方、認証が失敗したと判定した場合、制御部11は、処理をステップS3330に戻し、認証が成功するまで、認証情報入力の受付けを繰り返す(ステップS3350;No→ステップS3330)。
【0161】
[4.2.3 誤った認証情報の入力回数が制限回数以上となった場合に複合機90による処理を終了する態様について]
誤った認証情報の入力回数が制限回数以上となった場合に、複合機90による処理を終了し、ジョブの出力を制限する態様について
図27のフローチャートを用いて説明する。
図27で説明する処理は、
図26で説明したステップS3330に係る処理とステップS3340に係る処理との間に認証情報の入力回数が制限回数以上となったか否かを判定する処理を加えたものである。
【0162】
図26で説明した態様と同様に、制御部11は、認証が失敗したと判定した場合、処理をステップS3330に戻し、ユーザにより認証情報が入力されたか否かを判定する(ステップS3350;No→ステップS3330)。
【0163】
認証情報が入力されたと判定すると、制御部11は、当該認証情報の入力回数が所定の制限回数以上となったか否かを判定する(ステップS3330;Yes→ステップS3360)。
【0164】
認証情報の入力回数が所定の制限回数以上であると判定した場合、制御部11は、複合機90による処理を終了する(ステップS3360;Yes→“終了”)。
【0165】
なお、認証情報の入力回数が所定の制限回数に満たないと判定した場合、制御部11は、入力された認証情報を受付ける(ステップS3360;No→ステップS3340)。
【0166】
入力された認証情報を受付けると、制御部11は、受け付けた認証情報について認証処理を行う(ステップS3340→ステップS3350)。
【0167】
認証が成功したと判定すると、制御部11は、ログイン処理を終了する(ステップS3350;Yes)。そして、制御部11は処理を
図25のステップS230に移行する。
【0168】
一方、認証が失敗したと判定した場合、制御部11は、処理をステップS3330に戻す(ステップS3350;No→ステップS3330)。
【0169】
[4.2.4 認証結果が不可であった場合に複合機90の装置機能を制限する態様について]
認証結果が不可であった場合に複合機90の装置機能を制限する態様について
図28のフローチャートを用いて説明する。
図28で説明する処理は、
図26で説明したステップS3350に係る認証処理において、制御部11が認証が失敗したと判定した場合に、複合機90の装置機能制限を決定する処理を加えたものである。
【0170】
ここで、装置機能制限とは、例えば、コピー、スキャン、ファクス、E-mail等の特定のジョブ種によるジョブの実行や、履歴情報の参照、動作モードの変更といった、複合機90が本来実現可能な機能を制限することによって、認証不可とされたユーザが実行可能な装置機能を制限することをいう。装置機能制限の対象としては、例えば、ファクスやE-mail等の特定のジョブ種によるジョブの実行自体を制限してもよいし、ジョブに含まれる一部の機能を機能制限の対象として指定することも可能である。装置機能制限を決定すると、制御部11は対象とされた装置機能を制限する。
【0171】
ステップS3350において、制御部11は、認証が失敗したと判定した場合、装置機能を制限する決定を行い、処理を終了する(ステップS3350;No→ステップ3370)。また、ステップS3310において、認証モードが無効であると判定した場合においても、制御部11は、装置機能を制限する決定を行い、処理を終了する(ステップS3310;No→ステップ3370)。なお、装置機能を制限する当たり、制御部11は、認証モードが無効又は認証が失敗したため、装置機能が制限された旨を表示部13に表示してもよい。
【0172】
ところで、上記[4.2.2]、[4.2.3]、及び[4.2.4]で例示したログイン処理は、それぞれ独立して実施してもよいし、組み合わせて実施することも可能である。例えば、[4.2.4]で例示したログイン処理において、認証情報の入力回数が所定の制限回数以上となった場合に、装置機能制限を決定する構成とすることも可能である。また、認証情報の入力回数が所定の制限回数以上となった場合に、複合機90による処理を終了するか又は装置機能制限を決定するかを選択可能に構成することも無論可能である。
【0173】
[4.3 動作例]
次に、第4実施形態に係る動作例について説明する。
図29は、制御部11が認証プログラム911を読み出すことにより、表示部13に表示するログイン画面W90の一構成例を説明する図である。
【0174】
ログイン画面W90は、ログインユーザ名入力ボックスBx10と、ログインパスワード入力ボックスBx12と、ログインボタンB36と、キャンセルボタンB38とを備える。
【0175】
ログインユーザ名入力ボックスBx10は、複合機90にログインを試みるユーザのログインユーザ名の入力を受付けるボックスである。
【0176】
ログインパスワード入力ボックスBx12は、複合機90にログインを試みるユーザのログインユーザ名と関連付けられたログインパスワードの入力を受付けるボックスである。
【0177】
ログインボタンB36は、ユーザによるログインユーザ名入力ボックスBx10及びログインパスワード入力ボックスBx12への入力内容の確定指示を受付けるボタンである。キャンセルボタンB38は、ログイン処理のキャンセル指示の入力を受付けるボタンである。ユーザは、ログインユーザ名入力ボックスBx10にログインユーザ名とログインパスワード入力ボックスBx12にログインパスワードとを入力した上で、ログインボタンB36を選択することで、ログイン処理の実行指示を入力することができる。
【0178】
図30は、ログイン画面の他の態様を説明する図である。ログイン画面W100は、複合機90にログインを試みるユーザ毎に割り振られた選択ボタンを表示する選択ボタン表示領域R40を備える。
【0179】
選択ボタン表示領域R40に示される選択ボタンは、不図示のユーザ追加/編集画面を介して登録されたユーザの認証情報(例えば、ログインユーザ名、E-mailアドレス、ログインパスワード等)に基づきユーザ毎にアイコンとして作成される。
【0180】
複合機90にログインを試みるユーザは、自身を表すアイコン(選択ボタン)を選択する。そして、アイコンの選択によって表示された、不図示のログインパスワード入力画面を介してログインパスワードを入力することにより、ログイン認証を行うことができる。ログイン画面W100は、自身を表すアイコンを選択することで、ログインユーザ名の入力を省くことができ、簡便かつ迅速にログイン処理を実行させることができる。
【0181】
図31は、複合機90が表示部13に表示する表示画面W110の一構成例である。なお、本動作例は、
図25のステップS250に対応するものである。表示画面W110は、第1実施形態に係る表示画面W10と同一構成とすることができるが、ログインユーザ名表示領域R42を備える点が表示画面W10とは異なる。
図31は、ログインユーザ名“ユーザ G”を有するユーザが複合機90へのログインに成功した例示である。なお、ログインユーザ名表示領域R42は、複合機90からのログアウトが可能となるように選択ボタンとして構成されている。
【0182】
図32は、複合機90が表示部13に表示する表示画面の他の態様を説明する図である。
図32は、
図31の例示とは異なり、表示画面W112をホーム画面W20に重畳して表示した例示である。この場合、制御部11は、ホーム画面W20上のジョブ・機能選択ボタンB12がユーザによって誤って選択されないように、ホーム画面W20全域をグレーアウト表示する。
【0183】
図31及び
図32で例示するように、表示画面W110又は表示画面W112の画面上に複合機90にログイン中のログインユーザ名を表示可能とすることで、装置情報の読み取りを行うユーザは、複合機90にログイン中のログインユーザを把握することができる。
【0184】
図33は、
図31で例示した表示画面W110又は
図32で例示した表示画面W112の閉じるボタンB10の選択により、制御部11が表示部13に表示するホーム画面W22の一構成例を説明する図である。ホーム画面W22は、
図13で例示したホーム画面W20と同一構成とすることができるが、ログインユーザ名表示領域R42を備える点がホーム画面W20とは異なる。なお、
図32で例示した表示画面W112の閉じるボタンB10が選択された場合、当該表示画面W112に表示されていたログインユーザ名表示領域R42は、ホーム画面W22上に継続して表示される。このように、表示画面からホーム画面への画面遷移に応じてログインユーザ名表示領域R42が継続して表示される構成であるため、ユーザは、本開示に係る出力方法を用いず、通常のホーム画面を介してのジョブの実行を所望する場合であっても、複合機90にログイン中のログインユーザ名を正確に把握することができる。
【0185】
図34は、誤った認証情報の入力回数が制限回数以上となった場合に、制御部11が通知するメッセージ表示領域R44の一構成例を説明する図である。
【0186】
制御部11は、誤った認証情報の入力回数が制限回数以上となった場合、複合機90による処理を終了し、ジョブの出力を制限することができる。このとき、制御部11は、例えば、“入力制限回数以上となったので、リモートオペレーションは使用できません。”といったようなメッセージをホーム画面W20上に表示することで、ユーザに対して複合機90による処理が終了した旨を通知することができる。このとき、ジョブ・機能選択ボタンB12が選択不可である旨を強調するために、当該ボタンをグレーアウト表示としてもよい。
【0187】
図35は、認証結果が不可であって、複合機90の装置機能を制限する場合に、制御部11が表示する表示画面W114の一構成例である。なお、本動作例は、
図28のステップS3370に対応するものである。表示画面W114は、第1実施形態に係る表示画面W10と同一構成とすることができるが、装置機能が制限されている旨を表示する機能制限表示領域R46を備える点が表示画面W10とは異なる。
【0188】
また、このとき、端末装置30の制御部31は、
図36に示す様に、複合機90の装置機能が制限されているメッセージを表すモーダルM20を表示部33に表示してもよい。この場合、複合機90は、装置機能を制限している旨を含めた装置情報を生成する。そして、端末装置30の制御部31は、当該装置情報を読み取ることで、複合機90の装置機能が制限されていることを把握することができる。
【0189】
モーダルM20は、複合機90の一部(又は全部)が制限されている旨を表す“一部の機能が制限されています。ジョブを実行しますか?”といった内容のメッセージをユーザに対して表示する。ユーザは、一部の機能が制限されていてもジョブの実行に問題が無ければ、はいボタンを選択する。一方、ジョブの続行を取り止める場合は、ユーザはキャンセルボタンを選択する。このとき、
図36の例示のように、制限されている機能の参照指示を受付ける受付手段等(例えば、“制限されている機能を見る”ボタン)をモーダルM20に設けてもよい。
【0190】
以上のように、第4実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、ユーザ認証結果に基づき、ジョブの出力を制御することができる。
【0191】
[5 その他の形態]
第1実施形態では、端末装置30のアプリケーション画面を介してコピージョブとスキャンジョブとの何れかが選択可能な構成について説明した。ここでは、その他の形態として、コピージョブ及びスキャンジョブ以外のその他のジョブを選択する場合の形態について説明する。ここで、その他のジョブとは、例えば、コピージョブ、スキャンジョブ以外のジョブであって、アプリケーション画面を介しての設定が可能なジョブであれば、特に限定はなく、例えば、スキャン保存ジョブや、ファクスジョブ等を挙げることができる。
【0192】
その他の形態に係る端末装置30の処理について
図37を用いて説明する。その他の形態に係る端末装置30の処理は、
図10のフローチャートで説明したステップS420からステップS440に係る処理をステップS420aからステップS445に置き換えたものである。なお、
図10と同一の処理とすることができる処理については、同一のステップ番号を付してその説明は省略する。
【0193】
制御部31は、ユーザによりアプリケーション画面を介してコピージョブが選択されたか否かを判定する(ステップS420a)。ユーザによりコピージョブが選択されたと判定した場合、制御部31は、コピージョブ実行画面を表示部33に表示する(ステップS420a;Yes→ステップS430)。一方、ユーザによりコピージョブが選択されていないと判定した場合、制御部31は、スキャンジョブが選択されたか否かを判定する(ステップS420a;No→ステップS420b)。
【0194】
ユーザによりスキャンジョブが選択されたと判定した場合、制御部31は、スキャンジョブ実行画面を表示部33に表示する(ステップS420b;Yes→ステップS440)。一方、ユーザによりスキャンジョブが選択されていないと判定した場合、制御部31は、その他のジョブが選択されたか否かを判定する(ステップS420b;No→ステップS420c)
【0195】
ユーザによりその他のジョブが選択されたと判定した場合、制御部31は、その他のジョブ実行画面を表示部33に表示する(ステップS420c;Yes→ステップS445)。一方、ユーザによりその他のジョブが選択されていないと判定した場合、制御部31は、処理をステップS410に戻し、アプリケーション画面を表示する(ステップS420c;No→ステップS410)。
【0196】
制御部31は、ステップS430で表示したコピージョブ実行画面、ステップS440で表示したスキャンジョブ実行画面、又はステップS445で表示したその他のジョブ実行画面の何れかを介して設定値の入力を受付ける(ステップS450)。そして、制御部31は、受け付けた設定値を設定値記憶領域419に記憶する(ステップS460)。ステップS470以降の処理は、
図10と同様に行うことができる。
【0197】
図38は、ユーザによりジョブアプリケーションの起動指示を受け、表示部33に表示するアプリケーション画面W55の一構成例である。アプリケーション画面W55は、第1実施形態に係るアプリケーション画面W50(例えば、
図16等)と同一構成とすることができるが、その他のジョブの選択を受付けるための選択手段(3点リーダL10)を含む点がアプリケーション画面W50とは異なる。なお、
図38ではその他のジョブの選択を受け付ける選択手段として3点リーダL10を例示したが、当該選択手段は、アプリケーション画面W50を介して実行可能なジョブを選択することが可能な構成であれば、3点リーダL10に限定されるものではない。
【0198】
図39は、
図38のアプリケーション画面W55の3点リーダL10の選択を受けて、制御部31が表示するメニュー表示領域R48の一構成を説明する図である。
【0199】
制御部31は、3点リーダL10の選択指示を受付けると、アプリケーション画面W55を介して実行可能なジョブのジョブ選択ボタンB40(
図39の例示では、スキャン保存ジョブ選択ボタン)を表示する。この場合、制御部31は、コピージョブ選択ボタンB20及びスキャンジョブ選択ボタンB22を表示可能なメニュー表示領域R20の表示領域を、
図39で例示するメニュー表示領域R48まで表示領域を拡張した上でジョブ選択ボタンB40を表示する。
【0200】
以上の様に、その他の形態によれば、コピージョブ及びスキャンジョブ以外の他のジョブもアプリケーション画面を介して選択することが可能であるため、実行可能なジョブ種別を拡張することができる。
【0201】
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0202】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
【0203】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。実施形態では、マルチタスク処理により、複数のプログラムが必要に応じて同時に実行される装置を想定している。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0204】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray Disk(登録商標)等))、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0205】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0206】
10、90 複合機
11 制御部
13 表示部
15 操作入力部
17 出力部
171 画像形成部
173 画像読取部
19 通信部
21、91 記憶部
211 出力部制御プログラム
213 表示処理プログラム
215 装置情報生成プログラム
217 設定情報取得プログラム
219 装置設定記憶領域
23 認証情報取得部
911 認証プログラム
30 端末装置
31 制御部
33 表示部
35 操作入力部
37 装置情報取得部
39 通信部
41 記憶部
411 装置情報取得プログラム
413 表示処理プログラム
415 設定情報生成プログラム
417 装置情報記憶領域
419 設定値記憶領域
50 ネットワークサービス
50a ネットワーク装置
51 制御部
53 表示部
55 操作入力部
57 通信部
59 記憶部
591 端末装置認証プログラム
593 設定情報送信プログラム
595 識別情報・設定情報記憶領域
100 出力システム