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特許7569960情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20241010BHJP
【FI】
G06Q30/0207
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2024128995
(22)【出願日】2024-08-05
【審査請求日】2024-08-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】馬場 一
(72)【発明者】
【氏名】大石 祥行
(72)【発明者】
【氏名】奥田 航
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 涼真
(72)【発明者】
【氏名】近藤 聡史
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特許第7329160(JP,B1)
【文献】特開2015-185150(JP,A)
【文献】特開2005-189938(JP,A)
【文献】特開2021-163305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレジットカードの加盟店において利用者がクレジットカードを利用したことに応じて送信される決済に関するクレジット決済情報を取得する取得部と、
前記クレジット決済情報に含まれる前記利用者を識別するための第1利用者識別情報に対応する第1特典を付与するサービスにおいて管理されている第2利用者識別情報を特定し、
前記クレジット決済情報に含まれる前記加盟店を識別するための第1加盟店識別情報に対応する前記サービスにおいて管理されている第2加盟店識別情報を特定し、
前記サービスにおいて前記第2利用者識別情報に前記第2加盟店識別情報の加盟店での前記クレジットカードの決済で適用される前記第1特典が対応付けられている場合、前記クレジット決済情報の決済に対して前記第1特典を適用する処理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、
前記第1利用者識別情報と、前記第2利用者識別情報とが対応付けられた第1対応情報を参照して、前記第1利用者識別情報に対応する前記第2利用者識別情報を特定し、
前記第1加盟店識別情報と、前記第2加盟店識別情報とが対応付けられた第2対応情報を参照して、前記第1加盟店識別情報に対応する前記第2加盟店識別情報を特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記サービスは、前記クレジットカードのサービスとは異なる前記第1特典を提供するサービスである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記サービスは、前記クレジットカードの電子決済とは異なる電子決済を提供する電子決済サービスである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記電子決済サービスの加盟店の端末装置または利用者の端末装置から、前記電子決済サービスの加盟店の第2加盟店識別情報および前記第2利用者識別情報を含む電子決済情報を取得し、
前記処理部は、
記憶部において前記第2利用者識別情報に前記第2加盟店識別情報の加盟店での電子決済サービスの決済で適用される第2特典が対応付けられている場合、前記電子決済情報の決済に対して前記電子決済サービスの決済で適用される前記第2特典を適用する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、
前記クレジットカードの加盟店における前記クレジットカードを利用した決済で適用される前記第1特典、および前記電子決済サービスの加盟店における前記電子決済サービスの決済で適用される前記第2特典を発行する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記第1特典と前記第2特典との一方または双方を含むインターフェース画面を表示部に表示させ、
前記利用者の操作に応じて、前記第1特典が獲得された場合に第1コンテンツを表示部に表示させ、前記第2特典が獲得された場合に前記第1コンテンツとは異なる第2コンテンツを表示部に表示部に表示させる、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1コンテンツは、クレジットカードを利用した決済を行うことで前記第1特典が適用されることを示す情報を含み、
前記第2コンテンツは、前記電子決済サービスを利用した支払い画面に遷移させるためのボタンまたは前記支払い画面を含む、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記クレジット決済情報は、クレジットカードを利用した決済に応じて取得される情報であり、
前記電子決済情報は、電子決済サービスで利用されるコード情報を利用した決済に応じて取得される情報であり、
前記コード情報を利用した決済は、電子決済サービスの利用者のチャージ残高またはクレジット払いを利用した決済である、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取得部は、前記クレジット決済情報に含まれる前記第1加盟店識別情報を取得し、
前記処理部は、前記第1加盟店識別情報と、前記サービスが発行または管理する前記第2加盟店識別情報とを対応付けることで、前記第2対応情報を生成する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記クレジット決済情報の決済に対して前記第1特典が適用された場合、前記サービスと連携する前記利用者の端末装置にインストールされたアプリケーションプログラムと連携して、前記クレジット決済情報の決済に関する情報と前記第1特典が適用されたことを示す情報とを、前記端末装置の表示部に表示させる、
請求項1から10のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが、
クレジットカードの加盟店において利用者がクレジットカードを利用したことに応じて送信される決済に関するクレジット決済情報を取得し、
前記クレジット決済情報に含まれる前記利用者を識別するための第1利用者識別情報に対応する第1特典を付与するサービスにおいて管理されている第2利用者識別情報を特定し、
前記クレジット決済情報に含まれる前記加盟店を識別するための第1加盟店識別情報に対応する前記サービスにおいて管理されている第2加盟店識別情報を特定し、
前記サービスにおいて前記第2利用者識別情報に前記第2加盟店識別情報の加盟店での前記クレジットカードの決済で適用される前記第1特典が対応付けられている場合、前記クレジット決済情報の決済に対して前記第1特典を適用する、
情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
クレジットカードの加盟店において利用者がクレジットカードを利用したことに応じて送信される決済に関するクレジット決済情報を取得させ、
前記クレジット決済情報に含まれる前記利用者を識別するための第1利用者識別情報に対応する第1特典を付与するサービスにおいて管理されている第2利用者識別情報を特定させ、
前記クレジット決済情報に含まれる前記加盟店を識別するための第1加盟店識別情報に対応する前記サービスにおいて管理されている第2加盟店識別情報を特定させ、
前記サービスにおいて前記第2利用者識別情報に前記第2加盟店識別情報の加盟店での前記クレジットカードの決済で適用される前記第1特典が対応付けられている場合、前記クレジット決済情報の決済に対して前記第1特典を適用させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の決済手段を用いた決済処理に連動して自動的に適用されるクーポンを獲得可能なユーザの属性を示す属性情報を受け付ける受付部と、前記受付部により受け付けられた属性情報が示す属性のユーザのみが獲得可能なクーポンを提供する提供部と、を有することを特徴とする管理装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-057772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、クレジットカードを利用した決済に対して十分なサービスを利用者に提供することができないことがあった。このため、利用者の利便性が低い場合あった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、利用者の利便性を向上させることができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。例えば、利用者は、クレジットカードを利用することで特典を受けたり、利用したりすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、クレジットカードの加盟店において利用者がクレジットカードを利用したことに応じて送信される決済に関するクレジット決済情報を取得する取得部と、前記クレジット決済情報に含まれる前記利用者を識別するための第1利用者識別情報に対応する第1特典を付与するサービスにおいて管理されている第2利用者識別情報を特定し、前記クレジット決済情報に含まれる前記加盟店を識別するための第1加盟店識別情報に対応する前記サービスにおいて管理されている第2加盟店識別情報を特定し、前記サービスにおいて前記第2利用者識別情報に前記第2加盟店識別情報の加盟店での前記クレジットカードの決済で適用される前記第1特典が対応付けられている場合、前記クレジット決済情報の決済に対して前記第1特典を適用する処理部と、を備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、利用者の利便性を向上させることができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
図4】実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
図7】特典情報173の一例を示す図である。
図8】クレジット決済情報178の一例を示す図である。
図9】対応情報180の一例を示す図である。
図10】店舗の種別と、特典の適用との関係について説明するための図である。
図11】インターフェース画面IM1を示す図である。
図12】クレジット払い(コード情報を利用したクレジット払い)で適用される特典を獲得した場合に表示されるインターフェース画面IM2を示す図である。
図13】クレジットカード払いで適用される特典を獲得した場合に表示されるインターフェース画面IM3を示す図である。
図14】電子決済システムにより実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図15】決済サーバにより実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16】利用者端末装置10の表示部に提供されるインターフェース画面IM4の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下に登場する「サーバ」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者(クラウドサーバの提供者)と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御されてもよい。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現される電子決済システムの構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。電子決済サービスを実現する電子決済システムは、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、一以上の第2店舗端末装置70、決済サーバ100、カード用店舗端末装置200、アクワイアラサーバ300、およびカードサーバ400を備える。これらの装置は、例えばネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置、クレジットカードなどの決済システムのネットワークなどを含む。電子決済システムに含まれる機能構成の一部または全部は、任意の形態で複数の装置に分散されてもよいし、任意の装置に統合されてもよい。アクワイアラサーバ300は、省略されてもよい。
【0011】
電子決済システムまたは決済サーバ100は「情報処理装置」の一例である。決済サーバ100の一部の機能構成は、カードサーバ400に含まれていてもよい。この場合、決済サーバ100とカードサーバ400とを合わせた機能構成は「情報処理装置」の一例である。決済サーバ100の全部の機能構成は、カードサーバ400に含まれていてもよい。この場合、カードサーバ400は「情報処理装置」の一例である。
【0012】
[利用者端末装置]
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0013】
[第1店舗端末装置]
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0014】
[第2店舗端末装置]
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0015】
[カード用店舗端末装置]
カード用店舗端末装置200は、クレジットカードの加盟店で利用される端末装置である。カード用店舗端末装置200は、利用者に提示されたクレジットカードの情報を取得し、取得した情報や自装置の情報をアクワイアラサーバ300に送信する。
【0016】
[アクワイアラサーバ]
アクワイアラサーバ300は、例えば、加盟店契約会社が管理するサーバ装置である。アクワイアラサーバ300は、カード用店舗端末装置200により提供された情報をカードサーバ400に提供する。
【0017】
[カードサーバ]
カードサーバ400は、例えば、クレジットカード発行会社(イシュアー)のサーバ装置である。クレジットカード発行会社は、電子決済サービスと関連がある会社であってもよい。カードサーバ400は、アクワイアラサーバ300から取得した情報に対して所定の処理を行ったり、アクワイアラサーバ300から取得した情報を決済サーバ100に送信したりする。
【0018】
カードサーバ400は、クレジットカードの加盟店において利用者がクレジットカードを利用したことに応じて送信されるクレジットカードを利用した取引の承認に関するオーソリ情報を取得する。カードサーバ400は、クレジットカードの利用に対する売上の確定が行われたことを示す売上情報を取得する。カードサーバ400は、これらの情報またはこれらの情報を加工した情報を決済サーバ100に提供する。
【0019】
[決済サーバ]
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0020】
図2および図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0021】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0022】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0023】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0024】
[決済サーバの機能構成]
図4は、決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、情報処理部150と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、SOC(System On Chip)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0025】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、特典情報173を含む利用者情報172、コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176、クレジット決済情報178、対応情報180などの情報が格納される。これらの情報の一部は、利用者端末装置10の記憶部に記憶されていてもよい。各情報の詳細については後述する。
【0026】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0027】
コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。コンテンツ提供部120は、コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。上記のコンテンツは、決済アプリ20が生成してもよい。この場合、コンテンツ提供部120は、コンテンツの生成に必要な情報を決済アプリ20に提供する。
【0028】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0029】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、クレジット払い設定、クレジット払い枠、クレジット払い利用額、クレジット払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0030】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。クレジット払い設定は、決済アプリ20を利用したクレジット払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。クレジット払い枠は月ごとに利用可能なクレジット払いの限度額であり、クレジット払い利用額は、当月に既に利用されたクレジット払いの金額であり、クレジット払い利用可能額は、クレジット払い枠からクレジット払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能なクレジット払いの金額である。図ではクレジット払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方がクレジット払い枠に設定されてよい。クレジット払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、クレジット払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0031】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0032】
情報管理部140は、他のサーバ装置や端末装置、カードサーバ400により提供された情報を取得する。情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172および加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。情報管理部140は、カードサーバ400から取得した情報を管理する。カードサーバ400から取得した情報は、例えばクレジット決済情報178として管理される。
【0033】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0034】
決済処理部130は、「設定情報」が「クレジット払い(コード情報を利用したクレジット払い)」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。クレジット払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による支払い手法であり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、クレジット払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なおクレジット払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。クレジット払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、クレジット払い利用額に決済金額を加算し、クレジット払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額がクレジット払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0035】
情報処理部150は、各種情報処理を実行する。情報処理部150は、例えば、カードサーバ400から取得した情報(オーソリ情報、売上情報)に含まれる情報に基づいて、決済に係る利用者や店舗を特定する。情報処理部150の処理の詳細については後述する。オーソリ情報、または売上情報は「クレジットカード決済情報」の一例である。
【0036】
[概要]
利用者がクレジットカードを店舗で利用して決済を行った場合、決済サーバ100は、クレジットカードの利用で適用できる特典を利用者が保有していれば、当該決済に対して特典を適用する。以下、決済サーバ100が保有する情報、および、この処理の詳細について説明する。
【0037】
[特典情報173]
図7は、特典情報173の一例を示す図である。特典情報173は、利用者が保有する特典の情報である。特典とは、割引やポイント付与など利用者に与えられる恩典である。特典は、例えば、予め設定された店舗(クレジットカードの加盟店または電子決済サービスの加盟店)において、予め設定された決済方法で決済がされた場合に適用される。特典によっては、店舗と、決済方法との一方または双方は設定されずに、どの店舗においても適用されてもよいし、どの決済方法によっても適用されてもよい。図7の例では、例えば、特典Aは、どの決済方法でも、店舗Aで適用される。特典Bは、残高払いで、店舗Bで適用される。特典Cは、クレジット払い(コード情報を利用したクレジット払い)で、店舗Cで適用される。特典Dは、クレジットカードを利用した支払いで(クレジットカード払い)、店舗Dで適用される。店舗は複数設定されていてもよい。
【0038】
[クレジットカード決済情報]
図8は、クレジット決済情報178の一例を示す図である。クレジット決済情報178は、クレジットカードの利用によって送信されるオーソリ情報に対応する情報であってもよいし、オーソリ情報の決済を確定する売上情報であってもよい。または、これらとは異なる情報であってもよい。本実施形態では、一例としてクレジット決済情報178はオーソリ情報から得られた情報として説明する。
【0039】
クレジット決済情報178は、例えば、クレジットカードの情報を取得した店舗のカード用店舗端末装置200の端末識別情報、加盟店名称、店舗識別情報、加盟店コード、業種コード、およびクレジットカード番号(或いは利用者またはクレジットカード番号を特定するための情報)を含む。決済サーバ100は、利用者情報172を参照して、クレジットカード番号から電子決済サービスの利用者を特定することができる。クレジット決済情報178は、クレジットカードが利用された店舗を識別するための情報(第1店舗識別情報)と、クレジットカードを利用した利用者を識別するための情報(第1利用者情報)とを含んでいればよい。端末識別情報、加盟店名称、店舗識別情報、または加盟店コードは「第1店舗識別情報」の一例である。クレジットカード番号は「第1利用者識別情報」の一例である。なお、売上情報にも、「第1店舗識別情報」、「第1利用者識別情報」が含まれる。
【0040】
[対応情報]
図9は、対応情報180の一例を示す図である。対応情報180は、端末識別情報と、加盟店名称と、加盟店IDと、店舗IDと、加盟店名と、店舗名とが互いに対応付けられた情報である。端末識別情報と、加盟店名称とは、クレジット決済情報178に含まれる情報である。端末識別情報と、加盟店名称とは、クレジットカードのサービスで利用されている情報である。クレジットカードのサービスで利用されている情報には、店舗識別情報や、加盟店コード、業種コードなどの情報が含まれていてもよい。その他の情報は、電子決済サービスで管理または利用されている店舗(加盟店)の情報である。
【0041】
決済サーバ100は、対応情報180を参照することで、クレジット決済情報178に含まれる情報から、クレジットカードが利用された店舗に対応する電子決済サービスの店舗(または加盟店)を特定することができる。対応情報180には、加盟店のアイコンなど加盟店に関する他の情報が対応付けられていてもよい。
【0042】
対応情報180は、決済サーバ100(情報処理部150)または他の装置により生成された情報である。例えば、決済サーバ100は、クレジット決済情報に含まれる第1加盟店識別情報を取得する。決済サーバ100は、第1加盟店識別情報と、電子決済サービスが発行または管理する第2加盟店識別情報とを対応付けることで、対応情報180を生成する。これにより、後述するようにクレジット決済情報178から加盟店を特定可能な情報が生成される。
【0043】
例えば、電子決済サービスの加盟店の場合、新たな加盟店登録を行うことなく、対応情報180の生成に必要な情報(端末識別情報、加盟店名称など)と、電子決済サービスで利用されている情報とを対応付けることで対応情報180を生成して、クレジットカードを利用した決済に対して特典を適用することができる。例えば、電子決済サービスの加盟店でない場合、新たな加盟店登録を行うことで、対応情報180の生成に必要な情報(端末識別情報、加盟店名称など)と電子決済サービスで利用される情報とを対応付けることで対応情報180を生成して、クレジットカードを利用した決済に対して特典を適用することができる。例えば、決済サーバ100は、申請に応じて、加盟店IDや、店舗IDなどを発行することで非加盟店を電子決済サービスの加盟店として登録する。このように決済サーバ100は、電子決済サービスの加盟店、非加盟店について、対応情報180に基づいてクレジットカードを利用した決済に対する特典を適用させることができる。
【0044】
[特典の適用例]
図10は、店舗の種別と、特典の適用との関係について説明するための図である。
(1)利用者が電子決済サービスの残高払いで適用される特典を有し、当該特典が利用可能な電子決済サービスの加盟店で、残高払いで決済を行うと、当該特典が適用される。
(2)利用者が電子決済サービスのクレジット払い(コード情報を利用したクレジット払い)で適用される特典を有し、当該特典が利用可能な電子決済サービスの加盟店で、クレジット払いで決済を行うと、当該特典が適用される。
(3)利用者がクレジットカードを利用した支払い(クレジットカード払い)で適用される特典を有し、当該特典が利用可能な電子決済サービスの加盟店(クレジットカードの加盟店)で、クレジットカード払いで決済を行うと、当該特典が適用される。
(4)利用者がクレジットカード払いで適用される特典を有し、当該特典が利用可能な店舗(電子決済サービスの非加盟店且つクレジットカードの加盟店)で、クレジットカード払いで決済を行うと、当該特典が適用される。
【0045】
上記の例において、クレジットカードの加盟店は、(A)電子決済サービスの加盟店である場合もあれば、(B)電子決済サービスの加盟店でない場合もある。上記の(A)の加盟店の場合、電子決済サービスの決済およびクレジットカードを利用した決済が可能であり、それぞれに対応する特典が適用可能である。上記の(B)の場合、クレジットカードを利用した決済に対応する特典が適用可能である。なお、特典の適用が確定するタイミングは、オーソリ情報を取得したときでなく、売上情報を取得したときであってもよい。
【0046】
上記のように、本実施形態では、クレジットカードが店舗で利用された場合、その店舗が電子決済サービスの加盟店であっても、電子決済サービスの非加盟店であっても、特典が適用される場合がある。
【0047】
[特典を獲得するためのインターフェース]
利用者は、決済アプリ20と決済サーバ100とが協働して利用者端末装置10の表示部に特典を獲得するためのインターフェース画面IM1を表示させる。図11は、インターフェース画面IM1を示す図である。インターフェース画面IM1は、利用者が決済アプリを操作することで表示される画面である。インターフェース画面IM1には、例えば、利用者が獲得可能な特典の一覧が含まれる。例えば、情報処理部150が、クレジットカードの加盟店におけるクレジットカードを利用した決済で適用される特典(第1特典)および電子決済サービスの加盟店における電子決済サービスの決済で適用される特典(第2特典)を発行することで、これらの特典が一覧に表示される。電子決済サービスの決済で適用される特典は、例えば、クレジット払い(コード情報を利用したクレジット払い)で利用できる特典、チャージ残高できる特典、これらを問わずに利用できる特典である。
【0048】
利用者は、獲得したい特典を選択する操作を行うことで特典を獲得することができる。上記の操作によって、決済サーバ100は、利用者情報172において当該特典を利用者の識別情報に対応付けることで、利用者が特典を獲得し、電子決済において利用可能となる。
【0049】
特典には、利用の制限が設けられていてもよい。例えば、利用可能な店舗が限定されていてもよいし、利用可能な決済方法が限定されていなくてもよい。特典は、上記の制限が設けられていなくてもよい。前述したように、決済アプリ20を利用したクレジット払い(コード情報を利用したクレジット払い)の決済方法で適用される特典や、クレジットカードを利用した決済方法で適用される特典などがある。
【0050】
[特典を獲得した場合に表示されるインターフェース画面]
決済サーバ100は、利用者が特典を獲得した場合、獲得した特典の種別に応じて表示部に表示させるコンテンツを変更する。コンテンツ提供部120は、クレジットカードの決済で利用可能な特典と電子決済サービスの決済で利用可能な特典との一方または双方を含むインターフェース画面を表示部に表示させる。コンテンツ提供部120は、利用者の操作に応じて、クレジットカードの決済で利用可能な特典が獲得された場合に第1コンテンツを表示部に表示させ、電子決済サービスの決済で利用可能な特典が獲得された場合に第1コンテンツとは異なる第2コンテンツを表示部に表示部に表示させる。第1コンテンツは、クレジットカードを利用した決済を行うことで第1特典が適用されることを示す情報を含む(図13参照)。第2コンテンツは、電子決済サービスを利用した支払い画面に遷移させるためのボタンまたは支払い画面を含む(図12参照)。なお、第1コンテンツは、コード情報を利用した決済では利用できずにクレジットカードを利用した決済で利用可能な特典が獲得された場合に表示されてもよい。第2コンテンツは、コード情報を利用した決済およびクレジットカードを利用した決済で利用可能な特典が獲得された場合に表示されてもよい。
【0051】
図12は、クレジット払い(コード情報を利用したクレジット払い)で適用される特典を獲得した場合に表示されるインターフェース画面IM2を示す図である。インターフェース画面IM2には、クレジット払いを利用するためのボタンB1およびクレジット払いの決済で特典が利用できることを示す情報が含まれる。ボタンB1を操作すると、決済アプリ20は、コード情報を含む支払い画面を表示部に表示させる。この時に設定される決済方法は特典を利用可能な決済方法(クレジット払い)であってもよいし、利用者が設定している決済方法であってもよい。
【0052】
図13は、クレジットカード払いで適用される特典を獲得した場合に表示されるインターフェース画面IM3を示す図である。インターフェース画面IM3には、当該特典が、クレジットカード払いの決済で特典が利用できることを示す情報や、コード決済(チャージ残高およびクレジット払いの決済)で利用ができないことを示す情報が含まれる。
【0053】
上記のように、利用者が特典を獲得した場合に、決済サーバ100は、特典が利用できる決済方法を利用者が認識したり、特典が利用できる決済方法の決済に利用者を誘導したりする。これにより、利用者が、適切に特典を利用することを支援することができる。なお、上記のように特典を獲得する操作が行われなくても、決済に応じた特典が自動で利用者に付与されてもよい。
【0054】
[シーケンス図]
図14は、電子決済システムにより実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まずは全体の流れについて説明し、各処理の詳細について、後述する。シーケンス図においてアクワイアラサーバ300は省略されてもよい。
【0055】
まず、利用者が、カード用店舗端末装置200にクレジットカードを提示(または挿入)すると、カード用店舗端末装置200は、クレジットカードの情報を取得して、取得した情報と共に承認(オーソリゼーション)の依頼をアクワイアラサーバ300に送信する(S100)。アクワイアラサーバ300は、S100で送信された情報を取得すると、取得した情報に基づいて当該クレジットカードが利用できるクレジットカードである否かを判定して、利用できると判定した場合、承認することを示す承認情報をカード用店舗端末装置200に送信し(S102)、更にオーソリ情報をカードサーバ400に送信する(S104)。
【0056】
次に、カードサーバ400は、オーソリ情報を取得する(S106)。次に、カードサーバ400は、S106で特定したオーソリ情報を決済サーバ100に送信する(S108)。次に、決済サーバ100は、オーソリ情報を取得する(S110)。次に、決済サーバ100は、オーソリ情報に基づいて、特典を適用して決済を実行し、更にコンテンツを生成する(S112)。次に、決済サーバ100は、生成したコンテンツを決済アプリ20に提供する(S114)。次に、決済アプリ20は、提供されたコンテンツを表示部に表示する(S116)。
【0057】
コンテンツは、リアルタイムで提供され、オーソリ情報と、対応情報180とに基づいて特定される加盟店名や加盟店のアイコン、利用金額、適用された特典を含む。この加盟店名や加盟店のアイコンは、電子決済サービスで管理または利用されている情報である。決済サーバ100は、対応情報180を参照して、オーソリ情報からクレジットカードが利用された加盟店名(電子決済サービスで利用されている加盟店名)を特定して、特定した加盟店名をコンテンツに含める。電子決済サービスで管理または利用されている加盟店名は、オーソリ情報の加盟店名称よりも詳細な情報である。
【0058】
上記の処理が行われた後、アクワイアラサーバ300が、所定の端末装置(例えば加盟店のサーバなど)から送信された売上情報を取得すると(S200)、売上情報をカードサーバ400に送信する(S202)。次に、カードサーバ400は、売上情報と、オーソリ情報とを照合して(S204)、これらが整合するか否かを判定し、判定の結果に応じた情報を決済サーバ100に送信する(S206)。
【0059】
決済サーバ100は、判定の結果に応じたコンテンツを生成し(S208)、生成したコンテンツを決済アプリ20に提供する(S210)。次に、決済アプリ20は、提供されたコンテンツを表示部に表示する(S212)。コンテンツは、売上が確定したことを示す情報や、売上に係る金額や対象の店舗の情報などである。
【0060】
これにより、上述したオーソリ情報に対応する売上が確定したことを、利用者は容易に認識することができる。
【0061】
[クレジットカードが利用された際の処理]
決済サーバ100は、クレジットカードの加盟店において利用者がクレジットカードを利用したことに応じて送信される決済に関するクレジット決済情報178を取得する。クレジット決済情報178に含まれる利用者を識別するための第1利用者識別情報に対応する第1特典を付与するサービスにおいて管理されている第2利用者識別情報を特定する。決済サーバ100は、クレジット決済情報178に含まれる加盟店を識別するための第1加盟店識別情報に対応するサービスにおいて管理されている第2加盟店識別情報を特定する。決済サーバ100は、サービスにおいて第2利用者識別情報に第2加盟店識別情報の加盟店でのクレジットカードの決済で適用される第1特典が対応付けられている場合、クレジット決済情報178の決済に対して第1特典を適用する。なお、上記の第1加盟店識別情報と第2加盟店識別情報とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。上記の処理の一部または全部は、カードサーバ400で行われてもよい。
【0062】
上記のサービスは、クレジットカードの電子決済とは異なるサービス(例えば電子決済)を提供するサービス(例えば電子決済サービス)である。
【0063】
決済サーバ100は、第1利用者識別情報と、第2利用者識別情報とが対応付けられた第1対応情報(利用者情報172)を参照して、第1利用者識別情報に対応する第2利用者識別情報を特定する。決済サーバ100は、第1加盟店識別情報と、第2加盟店識別情報とが対応付けられた第2対応情報(対応情報180)を参照して、第1加盟店識別情報に対応する第2加盟店識別情報を特定する。
【0064】
図15は、決済サーバにより実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、決済サーバ100は、オーソリ情報を取得したか否かを判定する(S300)。オーソリ情報を取得した場合、決済サーバ100は、対応情報180を参照して、クレジットカードの加盟店識別情報から電子決済サービスの加盟店識別情報を特定する(S302)。例えば、決済サーバ100は、対応情報180において、カードサーバ400から取得した情報(端末識別情報や加盟店名称、店舗識別情報、加盟店コード、業種コード)から特定できる店舗に一致する店舗(電子決済サービスで利用されている情報の店舗)を特定する。次に、決済サーバ100は、利用者情報172を参照して、クレジットカード番号から利用者が保有する特典を特定する(S304)。
【0065】
次に、決済サーバ100は、当該クレジットカード払いの決済に適用可能な特典を利用者が保有しているか否かを判定する(S306)。クレジットカード払いの決済に適用可能な特典を利用者が保有していない場合、S310の処理に進む。クレジットカード払いの決済に適用可能な特典を利用者が保有している場合、決済サーバ100は、決済に対して特典を適用する(S308)。次に、決済サーバ100は、決済に応じたコンテンツを生成する(S310)。決済に応じたコンテンツは、決済アプリ20に提供され、利用者端末装置10の表示部に表示される。これにより、本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。
【0066】
[クレジットカードを利用した電子決済が行われた場合のインターフェース画面(1)]
クレジット決済情報178の決済に対して第1特典が適用された場合、サービスと連携する利用者端末装置10にインストールされたアプリケーションプログラム(例えば決済アプリ20)と連携して、クレジット決済情報178の決済に関する情報と特典が適用されたことを示す情報を、利用者端末装置10の表示部に表示させる。
【0067】
決済サーバ100は、クレジットカードを利用した決済が行われた場合、決済アプリ20を介してオーソリ情報に基づくインターフェース画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる。図16は、利用者端末装置10の表示部に提供されるインターフェース画面IM4の一例を示す図である。インターフェース画面IM4は、例えば、情報IF1から情報IF6を含む。情報IF1は、クレジットカードで電子決済が行われた加盟店の名称と、当該加盟店に対する支払いが受け付けられたことを示す情報である。
【0068】
上記の加盟店の名称は、例えば、オーソリ情報に含まれる名称ではなく、対応情報180を参照して、オーソリ情報から特定した電子決済サービスで管理されている店舗または加盟店の名称(対応情報180に登録されて加盟店名または店舗名)であってもよい。また、電子決済サービスで管理されている店舗または加盟店の名称は、オーソリ情報および対応情報180から特定された加盟店IDまたは店舗IDを用いて、加盟店/店舗情報176から得られた加盟店名または店舗名であってもよい。
【0069】
情報IF2は、当該電子決済が行われた日時である。情報IF3は、当該電子決済に係る金額である。情報IF4は、当該電子決済のステータス情報である。情報IF5は、特典が適用されたことを示す情報や、適用された特典の内容などである。情報IF6は、当該電子決済のステータス情報の詳細である。
【0070】
ステータス情報とは、オーソリ情報が送信された状態(支払い受付がされた状態)であるか、当該オーソリ情報に応じた売上情報が送信された状態(支払い完了がされた状態)であるかを示す情報である。ステータス情報の詳細は、例えば、決済の日時や金額などである。
【0071】
上記のように、決済サーバ100は、クレジットカードを利用した電子決済が行われた場合に、利用者にとって有益な情報を提供することができる。
【0072】
決済サーバ100は、クレジットカードを利用した決済が行われた場合、決済アプリ20を介して売上情報に基づくインターフェース画面を利用者端末装置10の表示部に表示させてもよい。この場合、情報IF1の「支払い受付」から「支払い」に変更されたり、情報IF6の「支払い受付」が「支払い完了」に変更されたりする。
【0073】
上記のように、決済サーバ100は、オーソリ情報に対応する売上情報に応じたコンテンツを利用者に提供することができる。これにより利用者は、クレジットカードの利用状況のステータスを認識することができる。
【0074】
上記のように、利用者は、決済アプリ20を利用して、クレジットカードの利用に関する情報を、当該クレジットカードの利用に対して遅延することなくリアルタイムで閲覧することができる。
【0075】
なお、上記の例では、クレジットカードを利用した決済に応じて取得されるクレジット決済情報に基づいて特典が適用される処理について説明した。これに加え、図10で説明したように電子決済サービスで利用されるコード情報を利用した決済に応じて取得される電子決済情報に基づいて特典が適用される。コード情報を利用した決済は、電子決済サービスの利用者のチャージ残高またはクレジット払いを利用した決済である。
【0076】
決済サーバ100は、電子決済サービスの第1店舗端末装置50または利用者端末装置10から、電子決済サービスの加盟店の加盟店の識別情報(第2加盟店識別情報)および利用者の識別情報(第2利用者識別情報)を含む電子決済情報を取得し、利用者の識別情報に加盟店の識別情報の加盟店での電子決済サービスの決済で適用される特典(第2特典)が対応付けられている場合、電子決済情報の決済に対して電子決済サービスの決済で適用される特典(第2特典)を適用する。このようにクレジットカードを利用した場合も、電子決済サービスを利用した場合も利用者に特典が付与される。
【0077】
上述した処理は、クレジットカードに限らず、バーチャルクレジットカードであってもよい。本実施形態における処理は、クレジットカードがネットショッピングで利用された際に実施されてもよい。
【0078】
本実施形態のクレジットカード払いは、コード決済を利用したクレジット払いで利用されるクレジットカードとは異なるクレジットカードが利用されてもよい。この場合、利用者情報172に上記の異なるクレジットカードの識別情報が含まれる。
【0079】
本実施形態では、電子決済サービスが、クレジットカードの利用に係る特典を適用する例について説明したが、これに代えて(加えて)、電子決済サービスとは異なるサービスが、本実施形態のクレジットカードの利用に係る特典を適用する処理を行ってもよい。例えば、電子決済サービスを提供せずに、特典を提供するサービスのサーバ装置が、本実施形態の処理を実行してもよい。上記のサービスは、クレジットカードのサービスとは異なる第1特典を提供するサービスである。この場合、決済アプリ20に代えて、上記のサービスと連携するアプリケーションプログラムが利用されてもよい。具体的には、ポイントなどの特典を利用者に付与する事業者のサーバ装置が、本実施形態の処理を実行してもよい。この場合、サーバ装置は、クレジット決済情報に含まれる利用者を識別するための第1利用者識別情報に対応する第1特典を付与する事業者の提供するサービスにおいて管理されている第2利用者識別情報を特定し、クレジット決済情報に含まれる加盟店を識別するための第1加盟店識別情報に対応する上記のサービスにおいて管理されている第2加盟店識別情報(上記のサービスの加盟店)を特定する。サーバ装置は、上記のサービスにおいて第2利用者識別情報に第2加盟店識別情報の加盟店でのクレジットカードの決済で適用される第1特典が対応付けられている場合、クレジット決済情報の決済に対して第1特典を適用する。上記のように、電子決済サービスとは異なるサービスにおいて、本実施形態の処理が適用されてもよい。
【0080】
例えば、上記の特典は、上記の事業者または事業者に関する対象で利用可能な特典であってもよい。また、上記の特典は、クレジットカードでの決済(クレジットカードの加盟店での決済)には利用できず、上記の事業者または事業者の加盟店で利用できる特典であってもよい。例えば、クレジットカード会社は、特典の付与を上記の事業者など他社に委託することができ、利用者は、複数のクレジットカードの電子決済による特典を一つにまとめることができ、更に特典を付与する事業者の加盟店で広く利用することができるため、利用者の利便性が向上する。
【0081】
また、クレジットカードに代えて、デビットカードの利用で適用される特典について、本実施形態の処理が適用されてもよい。
【0082】
上記のようにクレジットカードの決済において、クレジットカードのサービスとは、別のサービス(例えば電子決済サービスや特典提供サービス)にて特典を付与できる仕組みを実現する。クレジットカードなどの決済サービスにおいて、決済に基づいて特典を付与する場合、クレジットカードサービス側で特典を付与することがある。例えば共通特典を付与するサービスである場合、連携する様々な店舗での決済情報を特典発行サービス側で取得して、特典を付与することがある。しかし、店舗等に紐づく特典を利用する場合は、特典に関する会員証を提示して店舗側で読み込む必要がある。また、特典発行サービスが決済手段も提供している場合は、その決済手段で決済すれば、ポイントカード等の提供なしに、その決済情報を基に利用者を特定して特典を付与することも出来るが、その場合はその特典発行サービスが提供する決済手段での決済に限定されてしまう。
【0083】
本実施形態では、特典を発行するサービスとは別の事業者が提供する決済サービスの加盟店である場合に、特典を発行するサービス側(決済サービス)で特典を発行でき、利用者は会員証を提示することなく、特典発行対象のクレジットカードを用いて対象店舗で決済するのみで、特典が適用される。これにより、利用者の利便性が向上する。
【0084】
更に、本実施形態では、サービス(例えば決済サービス)側が提供するサービスの加盟店がクレジットカードの利用の特典を提供する場合は、新たに加盟店登録などを行う必要はない。例えば、決済サーバ100が、クレジットカードのサービスで登録している端末識別情報と加盟店名称とを、サービス側の決済サービスの加盟店情報と紐づけて対応情報180を生成することで容易に特典の発行が可能となる。
【0085】
本実施形態では、サービス(例えば決済サービス)側が提供するサービスの非加盟店がクレジットカードの利用の特典をサービス側(決済サービス)で適用する場合、決済サーバ100は、例えば、クレジットカードのサービスで利用される端末識別情報や加盟店名称など店舗を特定するための情報を取得し、この情報と、電子決済サービスで管理する情報とを対応付けて、対応情報180を生成することで、特典の提供が可能とある。このように種々の店舗は容易にクレジットカードの利用で特典を提供することができるサービスを提供することができる。
【0086】
以上説明した実施形態によれば、決済サーバ100が、クレジットカードを利用した決済がされた場合に、クレジットカードの利用者が他のサービスにおいて当該クレジットカードの利用で適用される特典を保有しているとき、特典を適用することにより、利用者の利便性を向上させることができる。
【0087】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0088】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
100 決済サーバ
120 コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
150 情報処理部
400 カードサーバ
【要約】
【課題】利用者の利便性を向上させること。
【解決手段】クレジットカードの加盟店において利用者がクレジットカードを利用したことに応じて送信される決済に関するクレジット決済情報を取得する取得部と、前記クレジット決済情報に含まれる前記利用者を識別するための第1利用者識別情報に対応する第1特典を付与するサービスにおいて管理されている第2利用者識別情報を特定し、前記クレジット決済情報に含まれる前記加盟店を識別するための第1加盟店識別情報に対応する前記サービスにおいて管理されている第2加盟店識別情報を特定し、前記サービスにおいて前記第2利用者識別情報に前記第2加盟店識別情報の加盟店での前記クレジットカードの決済で適用される前記第1特典が対応付けられている場合、前記クレジット決済情報の決済に対して前記第1特典を適用する処理部と、を備える情報処理装置。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16