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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】接点装置及び電磁継電器
(51)【国際特許分類】
   H01H 1/26 20060101AFI20241011BHJP
   H01H 50/56 20060101ALI20241011BHJP
   H01H 50/24 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
H01H1/26 C
H01H50/56 B
H01H50/24 V
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020095673
(22)【出願日】2020-06-01
(65)【公開番号】P2021190341
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 麗
(72)【発明者】
【氏名】喜多見 航
【審査官】荒木 崇志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-181655(JP,A)
【文献】実開昭52-103754(JP,U)
【文献】登録実用新案第3037053(JP,U)
【文献】特開2006-023123(JP,A)
【文献】実開昭53-101276(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 1/06 - 1/66
H01H 45/00 - 45/14
H01H 50/00 - 50/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定接点を有する固定接点部と、
第1方向において前記固定接点と対向する可動接点を有し、前記固定接点に接触する閉位置と、前記固定接点から離れる開位置と、の間で前記可動接点を移動させる可動接点部と、
前記第1方向において前記可動接点部に対して前記固定接点部と反対側に位置し、前記第1方向と交差する第2方向における第1端部が取付部を介して前記可動接点部に固定されており、前記第2方向における第2端部への前記第1方向からの力を前記可動接点部に伝達する伝達部材と、
前記第1方向と交差する特定平面内での、前記可動接点部に対する前記伝達部材の回転を規制する回転規制部と、
前記伝達部材に前記力を与える接極子と、を備え、
前記接極子は、前記伝達部材との接触部分に、前記第1方向において前記伝達部材から離れる向きに傾斜する傾斜面が設けられている、
接点装置。
【請求項2】
前記取付部は、前記可動接点部にかしめ固定される前記可動接点を含み、
前記回転規制部は、前記可動接点とは別の位置で前記可動接点部に前記伝達部材を固定する少なくとも1つの固定部を含む、
請求項1に記載の接点装置。
【請求項3】
前記回転規制部は、複数の前記固定部を含む、
請求項2に記載の接点装置。
【請求項4】
前記複数の固定部は、前記第1方向及び前記第2方向の両方と交差する第3方向において前記可動接点の両側に位置する、
請求項3に記載の接点装置。
【請求項5】
前記固定部は、前記第1方向及び前記第2方向の両方と交差する第3方向から見て、前記可動接点の少なくとも一部と重なっている、
請求項2~4のいずれか1項に記載の接点装置。
【請求項6】
前記固定部は、前記第2方向において前記取付部に対して前記伝達部材の前記第2端部と反対側に位置する、
請求項2~4のいずれか1項に記載の接点装置。
【請求項7】
前記伝達部材は、前記第2端部において前記可動接点部と反対側に凸となる凸部を有する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の接点装置。
【請求項8】
前記固定接点部は、
前記固定接点としての第1固定接点及び第2固定接点を有し、
前記可動接点部は、
前記可動接点としての第1可動接点及び第2可動接点と、
板ばねからなる第1可動部材及び第2可動部材と、を有し、
前記第1可動接点は、前記第1可動部材の前記第2方向における第1端部に固定され、前記第1方向において前記第1固定接点と対向し、前記第1固定接点に接触する前記閉位置としての第1閉位置と、前記第1固定接点から離れる前記開位置としての第1開位置と、の間で移動し、
前記第2可動接点は、前記第2可動部材の前記第2方向における第1端部に固定され、前記第1方向において前記第2固定接点と対向し、前記第2固定接点に接触する前記閉位置としての第2閉位置と、前記第2固定接点から離れる前記開位置としての第2開位置と、の間で移動し、
前記第2可動部材は、前記第1方向において前記第1可動部材と前記固定接点部との間に位置し、前記第2方向における第2端部が締結部材を介して前記第1可動部材の前記第2方向における第2端部に固定されており、
前記第1可動接点及び前記第2可動接点は、前記第1可動部材の移動に連動して移動するように構成され、
前記伝達部材は、前記取付部を介して前記第1可動部材の前記第1端部に固定されている、
請求項1~7のいずれか1項に記載の接点装置。
【請求項9】
前記第1可動接点が前記第1固定接点に接触し、かつ前記第2可動接点が前記第2固定接点に接触した状態において、前記第1可動部材における前記第1端部と前記第2端部との間の中間部が前記固定接点部側に撓められる、
請求項8に記載の接点装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の接点装置と、
コイル及び前記接極子を有し、前記コイルへの通電にて前記接極子の一部が前記伝達部材側に移動することにより前記伝達部材に前記力を与える電磁石装置と、を備える、
電磁継電器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に接点装置及び電磁継電器に関し、より詳細には、可動接点と固定接点とを有する接点装置、及び当該接点装置を備える電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、固定接点を有する固定接点部と、可動接点を有する可動接点部と、接極子からの力を可動接点部に伝達する伝達部材(伝達ばね)と、を備える接点装置が記載されている。伝達部材は、可動接点部にかしめ固定されている。
【0003】
特許文献1に記載の接点装置では、接極子からの力を伝達部材が可動接点部に伝達することにより、可動接点が固定接点に接触する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-181655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の接点装置では、特定の条件下で可動接点部に対して伝達部材が回転する可能性があった。
【0006】
本開示の目的は、可動接点部に対する伝達部材の回転を規制することが可能な接点装置及び電磁継電器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る接点装置は、固定接点部と、可動接点部と、伝達部材と、回転規制部と、接極子と、を備える。前記固定接点部は、固定接点を有する。前記可動接点部は、第1方向において前記固定接点と対向する可動接点を有する。前記可動接点部は、前記固定接点に接触する閉位置と、前記固定接点から離れる開位置と、の間で前記可動接点を移動させる。前記伝達部材は、前記第1方向において前記可動接点部に対して前記固定接点部と反対側に位置する。前記伝達部材は、前記第1方向と交差する第2方向における第1端部が取付部を介して前記可動接点部に固定されている。前記伝達部材は、前記第2方向における第2端部への前記第1方向からの力を前記可動接点部に伝達する。前記回転規制部は、前記第1方向と交差する特定平面内での、前記可動接点部に対する前記伝達部材の回転を規制する。前記接極子は、前記伝達部材に前記力を与える。前記接極子は、前記伝達部材との接触部分に、前記第1方向において前記伝達部材から離れる向きに傾斜する傾斜面が設けられている
【0008】
本開示の一態様に係る電磁継電器は、前記接点装置と、電磁石装置と、を備える。前記電磁石装置は、コイル及び接極子を有する。前記電磁石装置は、前記コイルへの通電にて前記接極子の一部が前記伝達部材側に移動することにより前記伝達部材に前記力を与える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、可動接点部に対する伝達部材の回転を規制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る接点装置及び電磁継電器の分解斜視図である。
図2図2は、同上の電磁継電器からカバーを取り外した状態の正面図である。
図3図3は、同上の接点装置の可動接点部の分解斜視図である。
図4図4は、同上の接点装置の固定接点部の分解斜視図である。
図5図5Aは、同上の接点装置の要部を示す斜視図である。図5Bは、図5AのA1-A1断面図である。
図6図6Aは、同上の接点装置の第1状態を示す正面図である。図6Bは、同上の接点装置の第2状態を示す正面図である。図6Cは、同上の接点装置の第3状態を示す正面図である。
図7図7は、実施形態の変形例1に係る接点装置の要部を示す斜視図である。
図8図8は、実施形態の変形例2に係る接点装置の要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
以下、実施形態に係る接点装置及び電磁継電器について、図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、下記の実施形態及び変形例に限定されない。下記の実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
また、下記の実施形態等において説明する各図は、いずれも模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0013】
(1)接点装置及び電磁継電器の概要
まず、本実施形態に係る接点装置A1及び電磁継電器100の概要について、図1及び図2を参照して説明する。
【0014】
本実施形態に係る接点装置A1及び電磁継電器100は、例えば、自動車のバッテリから負荷(例えば、モータ等)への直流電力の供給状態を切り替えるための装置である。本実施形態に係る電磁継電器100では、バッテリから負荷への直流電力の供給路に接点装置A1が挿入され、接点装置A1を開閉することによってバッテリから負荷への直流電力の供給状態を切り替えることが可能となる。本実施形態のように、負荷が自動車用のモータである場合には、数百A以上の負荷電流が接点装置A1に流れることになる。
【0015】
ところで、上述した従来の接点装置では、伝達部材は、可動接点部を構成する第1可動部材の長手方向の一端部において第1可動接点にてかしめ固定されている。すなわち、従来の接点装置では、伝達部材は、第1可動部材に対して1箇所で固定されている。そのため、接極子から伝達部材への力の向きや大きさによっては、第1可動部材に対して伝達部材が回転する可能性があった。
【0016】
本実施形態に係る接点装置A1及び電磁継電器100は、可動接点部15に対する伝達部材8の回転を規制することが可能となるように、以下の構成を採用している。
【0017】
本実施形態に係る接点装置A1は、図1及び図2に示すように、固定接点部20と、可動接点部15と、伝達部材8と、回転規制部160(図3参照)と、を備える。固定接点部20は、固定接点13A,13Bを有する。可動接点部15は、第1方向において固定接点13A,13Bと対向する可動接点14A,14Bを有する。可動接点部15は、固定接点13A,13Bに接触する閉位置(図6C参照)と、固定接点13A,13Bから離れる開位置(図6A参照)と、の間で可動接点14A,14Bを移動させる。伝達部材8は、第1方向において可動接点部15に対して固定接点部20と反対側に位置する。伝達部材8は、第1方向と交差する第2方向における第1端部801が取付部18を介して可動接点部15に固定されている。伝達部材8は、第2方向における第2端部802への第1方向からの力を可動接点部15に伝達する。回転規制部160は、第1方向と交差する特定平面内での、可動接点部15に対する伝達部材8の回転を規制する。本実施形態では一例として、第1方向は上下方向であり、第2方向は左右方向である。また、本実施形態では一例として、特定平面は上下方向と直交する平面である。
【0018】
また、本実施形態に係る電磁継電器100は、図1及び図2に示すように、接点装置A1と、電磁石装置B1と、を備える。電磁石装置B1は、コイル2及び接極子6を有し、コイル2への通電にて接極子6の一部(第1板61)が伝達部材8側へ移動することにより伝達部材8に上記力を与える。
【0019】
本実施形態に係る接点装置A1及び電磁継電器100では、伝達部材8は、取付部18を介して可動接点部15に固定されている。さらに、伝達部材8は、回転規制部160によって可動接点部15に対する回転が規制されている。
【0020】
(2)接点装置及び電磁継電器の構成
次に、本実施形態に係る接点装置A1及び電磁継電器100の構成について、図1図4を参照して説明する。
【0021】
本実施形態では、第1固定接点13Aと第1可動接点14Aとが並ぶ方向、言い換えると、第1固定接点13Aと第1可動接点14Aとが対向する方向が第1方向(上下方向)である。また、第1可動接点14Aと第2可動接点14Bとが並ぶ方向、言い換えると、第1方向と交差する方向が第2方向(左右方向)である。さらに、第1方向と第2方向との両方に交差する方向が第3方向(前後方向)である。
【0022】
なお、図1図7には、これらの方向(上、下、左、右)を表す矢印を示しているが、これらの矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、これらの方向は電磁継電器100の使用形態を限定する趣旨ではない。
【0023】
本実施形態に係る電磁継電器100は、いわゆるヒンジ型リレーである。本実施形態に係る電磁継電器100は、図1に示すように、接点装置A1と、電磁石装置B1と、ケースC1と、を備えている。
【0024】
(2.1)接点装置
まず、本実施形態に係る接点装置A1の構成について、図1図4を参照して説明する。
【0025】
本実施形態に係る接点装置A1は、図1及び図2に示すように、第1端子板11と、第2端子板12と、第1固定接点13Aと、複数(図示例では2つ)の第2固定接点13Bと、第1可動接点14Aと、複数(図示例では2つ)の第2可動接点14Bと、可動接点部15と、伝達部材8と、を備えている。
【0026】
第1端子板11は、導電性材料(例えば、銅)により正面視の形状がL字状となるように形成されている。第1端子板11は、図3に示すように、第1横板111と、第1縦板112と、を有している。第1横板111及び第1縦板112は、いずれも矩形状である。第1横板111の長手方向(左右方向)の中間部における下面には、下向きに突出する一対の突起114が設けられている。一対の突起114は、前後方向において所定の間隔を空けて並んでいる。一対の突起114は、可動接点部15を第1端子板11の第1横板111に固定するために用いられる。
【0027】
第1縦板112は、第1横板111の長手方向(左右方向)の一端(左端)から下方に突出している。第1縦板112は、第1端子部113を有している。第1端子部113は、左右方向に長い矩形の板状である。第1端子部113は、第1縦板112の長手方向(上下方向)の一端部(下端部)から右方に突出している。第1端子部113には、ねじ等が挿入される円形の第1端子孔115が設けられている。
【0028】
第2端子板12は、導電性材料(例えば、銅)により正面視の形状がL字状となるように形成されている。第2端子板12は、図4に示すように、第2横板121と、第2縦板122と、を有している。第2横板121及び第2縦板122は、いずれも矩形状である。第2横板121の長手方向(左右方向)の中間部には、厚さ方向(上下方向)に貫通する複数(図示例では3つ)の取付孔124が設けられている。3つの取付孔124のうちの2つの取付孔124は、第2横板121の左寄りの位置に設けられ、残りの1つの取付孔124は、第2横板121の右寄りの位置に設けられている。
【0029】
右寄りに位置する1つの取付孔124には、第1固定接点13Aの軸部131が挿入される。そして、軸部131が第2端子板12の第2横板121にかしめられることにより、第1固定接点13Aが第2端子板12に固定される。また、左寄りに位置する2つの取付孔124には、2つの第2固定接点13Bの軸部131がそれぞれ挿入される。そして、各軸部131が第2端子板12の第2横板121にかしめられることにより、2つの第2固定接点13Bが第2端子板12に固定される。なお、第1固定接点13A及び2つの第2固定接点13Bは、第2端子板12と一体に形成されていてもよい。
【0030】
第2縦板122は、第2横板121の長手方向の一端(右端)から下方に突出している。第2縦板122は、第2端子部123を有している。第2端子部123は、左右方向に長い矩形の板状である。第2端子部123は、第2縦板122の長手方向(上下方向)の一端部(下端部)から左方に突出している。第2端子部123には、ねじ等が挿入される円形の第2端子孔125が設けられている。本実施形態では、第1固定接点13A及び2つの第2固定接点13Bが取り付けられる第2端子板12により固定接点部20が構成されている。すなわち、本実施形態に係る接点装置A1では、固定接点部20は、固定接点(第1固定接点13A及び第2固定接点13B)を有する。
【0031】
第1端子部113は、例えば、ねじ止めにより、バッテリと負荷(ここでは、モータ)との一方が電気的に接続される。また、第2端子部123は、例えば、ねじ止めにより、バッテリと負荷との他方が電気的に接続される。
【0032】
可動接点部15は、図3に示すように、1枚の第1可動部材16と、複数枚(図示例では3枚)の第2可動部材17と、を有している。第1可動部材16は、導電性材料(例えば、銅)により左右方向に長い板状に形成されている。複数の第2可動部材17の各々は、導電性材料(例えば、銅)により左右方向に長い板状に形成されている。第1可動部材16及び複数の第2可動部材17の各々は、例えば、板ばねからなる。第1可動部材16は、左右方向において第2可動部材17よりも長い。
【0033】
第1可動部材16の長手方向(左右方向)の一端部(右端部)である第1端部1601には、厚さ方向(上下方向)に貫通する取付孔161が設けられている。取付孔161には、第1可動接点14Aの軸部141が挿入される。そして、軸部141が第1可動部材16にかしめられることにより、第1可動接点14Aが第1可動部材16に固定される。なお、第1可動接点14Aは、第1可動部材16と一体に形成されていてもよい。
【0034】
また、第1可動部材16の第1端部1601における取付孔161の左方には、一対の固定部162が設けられている。一対の固定部162は、前後方向(第3方向)において所定の間隔を空けて並んでいる。本実施形態では、一対の固定部162は、第3方向において第1可動接点14Aの両側に位置している。一対の固定部162の各々は、第1可動部材16に対してバーリング加工を行うことにより形成された立壁部1621(図3参照)を含む。立壁部1621は、第1可動部材16の表面(上面)から上方に突出している。ここで、上方に突出している部分の形状は、例えば、円筒形状をしている。一対の固定部162は、後述の伝達部材8を第1可動部材16に固定するために用いられる。本実施形態では、一対の固定部162により回転規制部160が構成されている。具体的には、回転規制部160は、複数(一対)の固定部162を含む。回転規制部160は、複数の固定部162により伝達部材8を第1可動部材16に固定することにより、第1方向と交差する特定平面において、第1可動部材16に対する伝達部材8の回転を規制する。特定平面は、例えば、第1可動部材16の上面に沿った平面である。
【0035】
さらに、第1可動部材16の第1端部1601における一対の固定部162の左方には、厚み方向(上下方向)に貫通する一対の位置決め孔163が設けられている。一対の位置決め孔163は、前後方向において所定の間隔を空けて並んでいる。一対の位置決め孔163は、第1可動部材16に対して伝達部材8を位置決めするための孔である。
【0036】
第1可動部材16の長手方向(左右方向)の他端部(左端部)である第2端部1602には、厚さ方向(上下方向)に貫通する一対の固定孔164が設けられている。一対の固定孔164は、前後方向において所定の間隔を空けて並んでいる。一対の固定孔164は、第1可動部材16を第1端子板11の第1横板111に固定するために用いられる。
【0037】
また、第1可動部材16の第2端部1602における一対の固定孔164の右方には、一対の位置決め孔165が設けられている。一対の位置決め孔165は、前後方向において所定の間隔を空けて並んでいる。一対の位置決め孔165は、第1可動部材16に対して第2可動部材17を位置決めするための孔である。
【0038】
複数の第2可動部材17の各々は、図3に示すように、主部171と、段差部172と、を有している。主部171は、左右方向に長い矩形の板状である。主部171の長手方向(左右方向)の一端部(左端部)である第2端部1702には、厚さ方向(上下方向)に貫通する一対の固定孔174が設けられている。一対の固定孔174は、前後方向において所定の間隔を空けて並んでいる。一対の固定孔174は、第1可動部材16と共に、第2可動部材17を第1端子板11の第1横板111に固定するために用いられる。
【0039】
また、複数の第2可動部材17の各々の第2端部1702における一対の固定孔174の右方には、一対の位置決め孔176が設けられている。一対の位置決め孔176は、前後方向において所定の間隔を空けて並んでいる。そして、第1方向において、第1可動部材16の一対の位置決め孔165と第2可動部材17の一対の位置決め孔176とが重なるように、第1可動部材16と第2可動部材17とを組み合わせることにより、第2可動部材17が第1可動部材16に対して位置決めされる。
【0040】
段差部172は、主部171の長手方向の他端(右端)から、厚さ方向(上下方向)において第1可動部材16から離れる向き(下方)に突出している。言い換えると、第2可動部材17は、第2方向(左右方向)の他端部(右端部)である第1端部1701に、第1方向(上下方向)において第1可動部材16から離れる方向に突出する段差部172を有している。
【0041】
段差部172は、上下方向(第1方向)と左右方向(第2方向)との両方に交差する前後方向(第3方向)において、複数(図示例では2つ)の第2可動接点用分割片173に分割されている。複数の第2可動接点用分割片173の各々には、厚さ方向(上下方向)に貫通する取付孔175が設けられている。各取付孔175には、一対の第2可動接点14Bのうちの一方の軸部141が挿入される。そして、軸部141が第2可動接点用分割片173にかしめられることにより、第2可動接点14Bが第2可動接点用分割片173に固定される。すなわち、第2可動接点14Bは、第2可動部材17の第2方向(左右方向)における第1端部1701に固定されている。このように、第3方向に分割された複数の第2可動接点用分割片173の各々に第2可動接点14Bを設けることで、複数の第2可動接点14Bの接触圧のばらつきを抑えることができる。なお、一対の第2可動接点14Bは、第2可動部材17と一体に形成されていてもよい。
【0042】
また、複数の第2可動部材17のうち上下方向において最下部に配置される第2可動部材17は、一対の第1かしめ片177と、一対の第2かしめ片178と、を更に有している(図5A参照)。一対の第1かしめ片177は、主部171の左端部において前後方向の両側に設けられている。また、一対の第2かしめ片178は、主部171の長手方向(左右方向)の中間部において前後方向の両側に設けられている。一対の第1かしめ片177は、複数の第2可動部材17を重ねた状態で互いに近づく向きに折り曲げることにより、複数の第2可動部材17を一体に組み付ける。一対の第2かしめ片178は、一体に組み付けられた複数の第2可動部材17と第1可動部材16とを重ねた状態で互いに近づく向きに折り曲げることにより、複数の第2可動部材17と第1可動部材16とを一体に組み付ける。
【0043】
上述したように、本実施形態に係る接点装置A1では、第1可動接点14Aは第1可動部材16の第1端部1601に固定されており、第2可動接点14Bは第2可動部材17の第1端部1701に固定されている。すなわち、可動接点部15は、可動接点(第1可動接点14A及び第2可動接点14B)を有する。
【0044】
本実施形態では、上下方向に重ね合わせた複数枚(図示例では3枚)の第2可動部材17と、1枚の第1可動部材16と、で可動接点部15が構成されている。そして、第1可動部材16の一対の固定孔164及び各第2可動部材17の一対の固定孔174を重ね合わせて、これらの固定孔164,174に第1端子板11の一対の突起114を挿入してかしめる。これにより、1枚の第1可動部材16及び複数枚の第2可動部材17が第1端子板11に固定される(図2参照)。この場合において、第1可動部材16の枚数と第2可動部材17の枚数との少なくとも一方を異ならせることにより、可動接点部15を流れる電流の電流容量を任意に設定することが可能となる。本実施形態では、突起114により締結部材が構成されている。具体的には、第2可動部材17は、第2方向における第2端部1702が締結部材(突起114)を介して第1可動部材16の第2方向における第2端部1602に固定されている。また、第2可動部材17は、図2に示すように、ケースC1に組み込まれた状態では、第1方向(上下方向)において第1可動部材16と固定端子部20との間に位置する。
【0045】
可動接点部15(第1可動部材16及び第2可動部材17)は、電磁石装置B1によって駆動されることにより、第1端子板11への固定部位(第1横板111の突起114)を支点として、第1可動接点14A及び一対の第2可動接点14Bを開位置と閉位置との間で移動させる。具体的には、第1可動接点14Aは、第1固定接点13Aに接触する第1閉位置(図6C参照)と、第1固定接点13Aから離れる第1開位置(図6A参照)との間で移動する。また、第2可動接点14Bは、第2固定接点13Bに接触する第2閉位置(図6C参照)と、第2固定接点13Bから離れる第2開位置(図6A参照)との間で移動する。すなわち、第1可動接点14A及び第2可動接点14Bは、可動接点部15(第1可動部材16)の移動に連動して移動するように構成されている。
【0046】
また、図2に示すように、ケースC1に組み込まれた状態では、第1可動接点14Aは、第1方向(上下方向)において第1固定接点13Aと対向し、第2可動接点14Bは、第1方向において第2固定接点13Bと対向している。
【0047】
第1可動接点14Aが第1閉位置にあり、かつ一対の第2可動接点14Bが第2閉位置にあるとき、つまり接点装置A1のオン状態では、第1端子板11と第2端子板12とが可動接点部15を介して短絡する。したがって、接点装置A1のオン状態では、第1端子板11と第2端子板12との間が導通し、バッテリから負荷へ直流電力が供給される。第1可動接点14Aが第1開位置にあり、かつ一対の第2可動接点14Bが第2開位置にあるとき、つまり接点装置A1のオフ状態では、第1端子板11と第2端子板12との間が開放されるので、バッテリから負荷へ直流電力が供給されない。
【0048】
伝達部材8は、電磁継電器100が組み立てられた状態では、図2に示すように、上下方向において接極子6と第1可動部材16との間に設けられている。言い換えると、伝達部材8は、第1方向(上下方向)において可動接点部15に対して固定接点部20と反対側に位置する。伝達部材8は、接極子6と第1可動部材16との間で力を伝達する(図2参照)。つまり、本実施形態では、接極子6から伝達部材8を介して第1可動部材16に力が伝達され、第1可動部材16から伝達部材8を介して接極子6に力が伝達される。
【0049】
伝達部材8は、図1に示すように、例えば、ステンレス鋼(SUS)等により形成されている。伝達部材8は、主部81と、凸部82と、が一体に形成されている。
【0050】
主部81は、左右方向に長い矩形の板状である。主部81の左右方向の一端部(右端部)である第1端部801には、厚さ方向(上下方向)に貫通する取付孔811が設けられている。本実施形態では、第1可動部材16の取付孔161に通された第1可動接点14Aの軸部141を取付孔811に挿入し、軸部141を主部81にかしめることにより、伝達部材8が第1可動部材16に固定される。すなわち、伝達部材8は、第1可動接点14Aにて第1可動部材16に固定されており、第1可動接点14Aにより取付部18が構成されている。要するに、取付部18は、可動接点部15(第1可動部材16)にかしめ固定される第1可動接点14Aを含む。このように、伝達部材8は、取付部18を介して第1可動部材16の第1端部1601に固定されている。なお、取付部18は、第1可動接点14Aに限らず、例えば、第1可動部材16に設けられた突起からなり、この突起により伝達部材8を第1可動部材16にかしめ固定してもよい。
【0051】
伝達部材8の第1端部801における取付孔811の前後両側には、一対の固定孔812が設けられている。一対の固定孔812には、第1可動部材16に設けられた一対の固定部162の立壁部1621が通される。そして、各固定孔812に通された各立壁部1621を主部81にかしめることにより、伝達部材8が第1可動部材16に固定される。すなわち、伝達部材8は、取付部18としての第1可動接点14A、及び一対の固定部162により第1可動部材16に固定される。
【0052】
また、伝達部材8の第1端部801における一対の固定孔812の左方には、一対の位置決め孔813が設けられている。一対の位置決め孔813は、前後方向において所定の間隔を空けて並んでいる。そして、第1方向において、第1可動部材16の一対の位置決め孔163と伝達部材8の一対の位置決め孔813とが重なるように、第1可動部材16と伝達部材8とを組み合わせることにより、伝達部材8が第1可動部材16に対して位置決めすることを容易にできる。
【0053】
凸部82は、主部81の長手方向(左右方向)の他端部(左端部)である第2端部802において主部81と一体に形成されている。凸部82は、前後方向(第3方向)から見て、可動接点部15と反対側(上方)に凸となる三角形状である。すなわち、伝達部材8は、伝達部材8の第2端部802において可動接点部15と反対側に凸となる凸部82を有する。
【0054】
(2.2)電磁継電器
次に、本実施形態に係る電磁石装置B1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
【0055】
本実施形態に係る電磁石装置B1は、図1及び図2に示すように、コイル2と、ボビン3と、固定子4と、継鉄5と、接極子6と、復帰ばね7と、を備えている。固定子4と、継鉄5と、接極子6とは、いずれも磁性材料により形成されている。
【0056】
コイル2は、ボビン3の外周面に電線(例えば、銅線)を巻き付けることで構成されている。コイル2は、電線の第1端と第2端とがそれぞれ電気的に接続される一対のコイル端子21を有している。コイル2は、一対のコイル端子21を介して電流が供給されることで通電し、磁束を発生する。ボビン3は、例えば、合成樹脂等の電気絶縁性を有する材料により左右方向に長い角筒状に形成されている。ボビン3は、その軸方向が左右方向となるように配置されている。
【0057】
固定子4は、左右方向に長い楕円柱状に形成された鉄心である。固定子4は、その長手方向(左右方向)の両端をボビン3から露出させた状態で、ボビン3の中空部31に挿入されている。以下では、固定子4の長手方向の第1端(右端)を「吸引部41」という。吸引部41は、左右方向において接極子6と対向している。また、固定子4の長手方向の第2端(左端)は、継鉄5に磁気的に結合されている。
【0058】
継鉄5は、固定子4及び接極子6と共に、コイル2の通電時に生じる磁束が通る磁路を形成する。継鉄5は、左右方向に長い矩形状の板の中間部が折り曲げられることで、正面視の形状がL字状となるように形成されている。継鉄5は、図1に示すように、第1板51と、第2板52と、を有している。第1板51及び第2板52は、いずれも矩形状である。第1板51は、コイル2の軸方向(左右方向)の一端側(左側)に配置されている。第2板52は、コイル2の下側に配置されている。
【0059】
接極子6は、左右方向に長い矩形状の板の中間部が折り曲げられることで、正面視の形状がL字状となるように形成されている。接極子6は、図1に示すように、第1板61と、第2板62と、を有している。第1板61及び第2板62は、いずれも矩形状である。また、第1板61の幅方向の寸法は、第2板62の幅方向の寸法よりも小さくなっている。ここで、幅方向とは、上下方向及び左右方向のいずれとも略直交する方向(前後方向)である。
【0060】
接極子6の第1板61は、図1に示すように、その先端部(左端部)における一面(下面)に傾斜面611を有している。傾斜面611は、第1板61の先端に近づくほど第1板61の厚さが薄くなるように傾斜している。すなわち、傾斜面611は、第1方向において伝達部材8から離れる向きに傾斜している。本実施形態では、傾斜面611が、伝達部材8に対して力を与える接極子6における伝達部材8との接触部分である。本実施形態に係る接点装置A1では、接極子6の第1板61の傾斜面611が伝達部材8の凸部82の頂部に接触することにより、接極子6からの力が第1可動部材16に伝達される。
【0061】
接極子6は、その中間部を支点として、第2板62が固定子4の吸引部41に接触する第1位置と、第2板62が固定子4の吸引部41から離れる第2位置との間で回転可能に構成されている。接極子6が第1位置にあるとき、接極子6の第1板61は、伝達部材8を介して第1可動部材16を下向きに押している。また、接極子6が第2位置にあるとき、接極子6の第1板61は、伝達部材8を介して第1可動部材16から上向きに押されている。すなわち、本実施形態に係る電磁石装置B1では、コイル2への通電にて接極子6の一部(第1板61)が伝達部材8側(下方)に移動することにより伝達部材8に力を与える。
【0062】
復帰ばね7は、金属製の板ばねにより正面視の形状がL字状となるように形成されている。復帰ばね7は、一対の第1片71と、第2片72とが一体に形成されている。一対の第1片71は、いずれも継鉄5の第2板52に固定されている。第2片72は、接極子6の第2板62に固定されている。復帰ばね7は、接極子6が第1位置にあるときに撓むように構成されている。そして、復帰ばね7は、元の状態に復帰しようとすることで、接極子6を第1位置から第2位置へと移動させる向きの力を、接極子6に作用させる。つまり、復帰ばね7は、その弾性力によって、接極子6を第1位置から第2位置へと移動させる向きの力を接極子6に作用させるように構成されている。
【0063】
(2.3)ケース
ケースC1は、例えば、合成樹脂等の電気絶縁性を有する材料により箱状に形成されている。ケースC1は、ベースC11と、カバーC12とを、例えば、熱硬化性樹脂の接着剤を用いた接着等で結合することにより構成されている。ケースC1は、接点装置A1及び電磁石装置B1を収納する。なお、図2に示すように、接点装置A1のうち第1端子板11の第1端子部113と、第2端子板12の第2端子部123とが、ケースC1から露出している。また、図2に示すように、電磁石装置B1のうち一対のコイル端子21の各々の一部が、ケースC1から露出している。
【0064】
(3)伝達部材の取付構造
次に、伝達部材8の取付構造について、図5A及び図5Bを参照して説明する。
【0065】
伝達部材8は、上述したように、第1可動部材16の第1端部1601において第1可動接点14Aと共に第1可動部材16にかしめ固定されている。ここで、第1可動接点14Aのみで伝達部材8が第1可動部材16に取り付けられている場合、接極子6から伝達部材8への力の向きや大きさによっては、第1可動部材16に対して伝達部材8が回転する可能性がある。
【0066】
そこで、本実施形態に係る接点装置A1では、更に、一対の固定部162にて伝達部材8を第1可動部材16に固定している。一対の固定部162は、上述したように、第1方向(上下方向)及び第2方向(左右方向)の両方と交差(直交)する第3方向(前後方向)において第1可動接点14Aの両側に位置している。また、一対の固定部162は、第3方向から見て、第1可動接点14Aの少なくとも一部と重なっている。これにより、伝達部材8における支点(伝達部材8と第1可動部材16との接触箇所)から作用点(凸部82の頂部)までの距離を所定値以上とすることができ、伝達部材8から第1可動部材16に適切な力を与えることが可能となる。
【0067】
一対の固定部162の各々は、上述したように、立壁部1621を有している。そして、一対の固定部162の立壁部1621を伝達部材8に設けられた一対の固定孔812にそれぞれ通した後、各立壁部1621の上端部周囲を伝達部材8の主部81にかしめることにより、伝達部材8が第1可動部材16に固定される(図5B参照)。すなわち、立壁部1621により第1可動部材16に伝達部材8をかしめ固定している。
【0068】
本実施形態に係る接点装置A1では、伝達部材8は、上述したように、第1可動接点14Aにて第1可動部材16にかしめ固定されると共に、一対の固定部162(回転規制部160)にて第1可動部材16にかしめ固定されている。したがって、伝達部材8が第1可動接点14Aのみで第1可動部材16に固定されている場合に比べて、第1方向(上下方向)と交差する特定平面(例えば、上下方向と直交する平面)内での、第1可動部材16に対する伝達部材8の回転を規制することが可能となる。
【0069】
(4)接点装置及び電磁継電器の動作
次に、本実施形態に係る接点装置A1及び電磁継電器100の動作について、図2及び図6A図6Cを参照して説明する。図2及び図6A図6Cでは、第2固定接点13B及び第2可動接点14Bがそれぞれ1つずつしか図示されていないが、実際には、第2固定接点13B及び第2可動接点14Bは、それぞれ第3方向(紙面に垂直な方向)に2つずつ設けられている。
【0070】
まず、接点装置A1の閉動作について説明する。
【0071】
図6Aに示すように、接点装置A1のオフ状態において、コイル2が通電されると、コイル2が磁束を発生する。すると、接極子6の第2板62と固定子4の吸引部41との間に磁気吸引力が生じることで、復帰ばね7の弾性力に抗って第2板62が吸引部41に引き寄せられる。これにより、接極子6が反時計回りに回転し、第2位置から第1位置へ移動する。
【0072】
接極子6の第1位置への移動に伴って、接極子6の第1板61が伝達部材8の凸部82を下向きに押す。このとき、接極子6の第1板61は、伝達部材8との対向面に形成された傾斜面611にて凸部82に接触している。伝達部材8は、接極子6から第1可動部材16へと力を伝達する。第1可動部材16は、伝達部材8からの力を受けて下向きに押されることにより、第1端子板11への固定部位(突起114)を支点として時計回りに回転する。このとき、第1可動部材16と共に第1端子板11に固定された第2可動部材17も、第1可動部材16の回転に連動して時計回りに回転する。つまり、この場合には、第1可動接点14A及び一対の第2可動接点14Bは、第1可動部材16の移動(回転)に連動して移動(回転)することになる。ここで、上下方向における第1可動部材16の変位量は、先端(右端)に近づくほど大きくなるので、第1可動部材16が時計回りに回転することにより、第1可動接点14Aと第1固定接点13Aとが最初に接触することになる(図6B参照)。これにより、接点装置A1がオン状態となり、第1固定接点13A及び第1可動接点14Aを介して第1端子板11と第2端子板12との間が導通する。
【0073】
接極子6の第1位置への移動に伴って、接極子6の第1板61が伝達部材8の凸部82を更に下向きに押すと、伝達部材8からの力によって第1可動部材16が時計回りに更に回転する。その結果、一対の第2可動接点14Bが一対の第2固定接点13Bにそれぞれ接触する。つまり、この状態では、第1可動接点14Aが第1固定接点13Aに接触し、かつ一対の第2可動接点14Bが一対の第2固定接点13Bに接触する(図6C参照)。このように、第1可動部材16及び第2可動部材17は、閉動作時において、第1可動接点14Aを第1固定接点13Aに接触させた後、一対の第2可動接点14Bを一対の第2固定接点13Bに接触させるように構成されている。
【0074】
次に、接点装置A1の開動作について説明する。
【0075】
図6Cに示すように、接点装置A1のオン状態において、コイル2の通電を解除すると、コイル2は磁束を発生しなくなる。すると、接極子6の第2板62と、固定子4の吸引部41との間の磁気吸引力も失われる。そして、接極子6は、復帰ばね7の弾性力によって時計回りに回転し、第1位置から第2位置へ移動する。
【0076】
接極子6の第2位置への移動に伴って、接極子6の第1板61が伝達部材8を介して第1可動部材16を下向きに押す力が弱まる。このため、第1可動部材16は、自身の弾性力によって、下向きに撓められた状態が解除され、上記固定部位(突起114)を支点として反時計回りに回転する。この場合、閉動作時とは逆に、一対の第2可動接点14Bが一対の第2固定接点13Bから離れた後、第1可動接点14Aが第1固定接点13Aから離れる。このように、第1可動部材16及び第2可動部材17は、開動作時において、一対の第2固定接点13Bから一対の第2可動接点14Bを離した後に、第1固定接点13Aから第1可動接点14Aを離すように構成されている。
【0077】
接極子6が第2位置(図2に示す位置)に復帰して接極子6の移動が完了すると、接極子6が第2位置で固定される。このため、伝達部材8の凸部82は、接極子6の第1板61と第1可動部材16とで挟まれる。このように、伝達部材8は、接極子6の第1板61に接触した状態で、第1可動接点14Aが第1開位置にあり、かつ一対の第2可動接点14Bが第2開位置にある。
【0078】
伝達部材8の凸部82が元の状態に復帰しようとする弾性力が、第1可動部材16に作用することにより、第1可動部材16が減速する。このため、第1可動部材16の振動が伝達部材8により抑えられて収束し、第1可動部材16の移動が完了する。
【0079】
なお、伝達部材8を第1可動部材16に作用させるときに、伝達部材8が弾性変形しなくともよい。
【0080】
ところで、第1可動接点14Aが第1固定接点13Aに接触し、かつ第2可動接点14Bが第2固定接点13Bに接触した閉状態では、第1可動部材16は、図6Cに示すように、第1端部1601と第2端部1602との間の中間部1603が固定接点部20側(下方)に撓められている。これにより、第1可動部材16からの弾性力によって第1固定接点13Aと第1可動接点14Aとの接圧(接触圧力)、及び第2固定接点13Bと第2可動接点14Bとの接圧を高めることが可能となる。ここでいう「中間部」は、第1端部と第2端部との間であればよく、第1端部と第2端部との間のほぼ真ん中の位置であってもよいし、第1端部寄りの位置、又は第2端部寄りの位置であってもよい。
【0081】
本実施形態に係る接点装置A1では、閉動作時において、第1可動接点14Aを第1固定接点13Aに接触させた後に、一対の第2可動接点14Bを一対の第2固定接点13Bに接触させている。また、この接点装置A1では、開動作時において、一対の第2可動接点14Bを一対の第2固定接点13Bから離した後に、第1可動接点14Aを第1固定接点13Aから離している。この構成によれば、第1固定接点13A及び第1可動接点14Aの材料と、第2固定接点13B及び第2可動接点14Bの材料とを別々に選択することができる。
【0082】
この場合、第1固定接点13Aと第1可動接点14Aとの間に溶着、転移等が生じる可能性があるため、第1固定接点13A及び第1可動接点14Aは、第2固定接点13B及び第2可動接点14Bよりも溶着、転移等に強い材料で形成されていることが好ましい。また、第2固定接点13B及び第2可動接点14Bについては、第1固定接点13A及び第1可動接点14Aよりも大きな電流を流すことができるように、導電率の高い材料で形成されていることが好ましい。ここに、本実施形態では、第1固定接点13Aと第1可動接点14Aとの組が第1接点部32であり、第2固定接点13Bと第2可動接点14Bとの組が第2接点部33である。
【0083】
このように、第1固定接点13A及び第1可動接点14Aの材料と、第2固定接点13B及び第2可動接点14Bの材料とを別々に選択することで、第1接点部32及び第2接点部33の設計の自由度を高めることができる。
【0084】
また、本実施形態に係る接点装置A1では、上述したように、伝達部材8は、第2端部802において可動接点部15と反対側に凸となる凸部82を有している。さらに、接極子6における伝達部材8との接触部分には、第1方向において伝達部材8から離れる向きに傾斜する傾斜面611が設けられている。これにより、接極子6の傾斜面611は、図6A図6Cに示すように、伝達部材8の凸部82の頂部に接触することになるため、伝達部材8に対する接極子6の接触抵抗を低減することが可能となる。
【0085】
(5)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0086】
(5.1)変形例1
実施形態の変形例1に係る接点装置A1について、図7を参照して説明する。なお、変形例1に係る接点装置A1に関し、上述の実施形態に係る接点装置A1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0087】
変形例1に係る接点装置A1では、回転規制部160を構成する一対の固定部162が、伝達部材8の第1端部801において取付部18よりも先端寄りに位置している点で、上述の実施形態に係る接点装置A1と相違する。すなわち、一対の固定部162は、第2方向(左右方向)において取付部18(第1可動接点14A)に対して伝達部材8の第2端部802と反対側に位置している。これにより、伝達部材8における支点から作用点までの距離を変えることができ、第1可動部材16に対して適切な力を与えることが可能となる。
【0088】
(5.2)変形例2
実施形態の変形例2に係る接点装置A1について、図8を参照して説明する。なお、変形例2に係る接点装置A1に関し、上述の実施形態に係る接点装置A1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0089】
変形例2に係る接点装置A1では、回転規制部160が、第1可動部材16の幅方向(前後方向)の両端に設けられた一対の突片166により構成されている点で、上述の実施形態に係る接点装置A1と相違する。
【0090】
第1可動部材16は、図8に示すように、一対の突片166を有している。一対の突片166は、第1可動部材16の第1端部1601において幅方向(前後方向)の両端に設けられている。一対の突片166は、図8に示すように、第1可動部材16に対して斜め上向きに折り曲げることにより、上下方向と直交する平面内での、第1可動部材16に対する伝達部材8の回転を規制することが可能となる。すなわち、変形例2に係る接点装置A1では、一対の突片166により回転規制部160が構成されている。
【0091】
(5.3)その他の変形例
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。
【0092】
上述の実施形態では、1枚の第1可動部材16と3枚の第2可動部材17とで可動接点部15が構成されているが、第1可動部材16の枚数及び第2可動部材17の枚数はこれに限らない。第1可動部材16及び第2可動部材17は、それぞれ1枚以上であればよい。また、第1可動部材16の枚数と第2可動部材17の枚数とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0093】
上述の実施形態では、第2可動部材17が板ばねであるが、第2可動部材17は板ばねでなくてもよい。すなわち、第1可動部材16が板ばねであれば、第2可動部材17は厚み方向において強度を有する板材であってもよい。
【0094】
上述の実施形態では、第2可動接点用分割片173が2つであるが、3つ以上であってもよい。また、第2可動部材17の代わりに第1可動部材16が分割されていてもよいし、第1可動部材16及び第2可動部材17の両方が分割されていてもよい。第1可動部材16が分割されている場合には、その分割数は2以上であればよい。さらに、第1可動部材16及び第2可動部材17の両方が分割されている場合には、第1可動部材16の分割数と第2可動部材17の分割数とが同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0095】
上述の実施形態では、第1可動部材16と第2可動部材17とを上下方向(第1方向)において密着させているが、例えば、第1可動部材16と第2可動部材17との間にスペーサ等が挿入されていてもよい。すなわち、第2可動部材17は、第1方向において、第1可動部材16と固定接点部20との間に配置されていればよい。
【0096】
上述の実施形態では、第1固定接点13Aと第1可動接点14Aとの組を第1接点部32とし、第2固定接点13Bと第2可動接点14Bとの組を第2接点部33としているが、逆であってもよい。すなわち、第2固定接点13Bと第2可動接点14Bとの組を第1接点部とし、第1固定接点13Aと第1可動接点14Aとの組を第2接点部としてもよい。この場合、閉動作時には、第2可動接点14Bが第2固定接点13Bに接触した後に、第1可動接点14Aが第1固定接点13Aに接触する。また、開動作時には、第1可動接点14Aが第1固定接点13Aから離れた後に、第2可動接点14Bが第2固定接点13Bから離れる。
【0097】
上述の実施形態では、第2固定接点13B及び第2可動接点14Bの各々が2つであるが、第2固定接点13B及び第2可動接点14Bの各々は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、上述の実施形態では、第1固定接点13A及び第1可動接点14Aの各々が1つであるが、第1固定接点13A及び第1可動接点14Aの各々は、2つ以上であってもよい。
【0098】
上述の実施形態の電磁継電器100は、a接点リレー、b接点リレー、c接点リレーのいずれにも用いることができる。例えば、電磁継電器100をc接点リレーとして用いる場合、第1固定接点13A及び第2固定接点13Bとは別に、開位置において第1可動接点14A及び第2可動接点14Bにそれぞれ接触する複数の固定接点が設けられていればよい。この構成では、コイル2の通電、非通電に応じて、第1電路と第2電路とを切り替えることができる。第1電路は、閉位置において、第1可動接点14Aと第1固定接点13Aとが接触し、かつ第2可動接点14Bと第2固定接点13Bとが接触して形成される電路である。また、第2電路は、開位置において、第1固定接点13A及び第2固定接点13Bとは別の複数の固定接点に第1可動接点14A及び第2可動接点14Bがそれぞれ接触して形成される電路である。
【0099】
上述の実施形態では、回転規制部160を構成する固定部162が2つであるが、これに限らない。固定部162は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0100】
上述の実施形態では、第3方向(前後方向)から見た伝達部材8の凸部82の形状が三角形状であるが、これに限らない。凸部82の形状は、可動接点部15と反対側に凸となるような形状であればよく、例えば、半円形状、又は半楕円形状であってもよい。
【0101】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る接点装置(A1)は、固定接点部(20)と、可動接点部(15)と、伝達部材(8)と、回転規制部(160)と、を備える。固定接点部(20)は、固定接点(13A,13B)を有する。可動接点部(15)は、第1方向(例えば、上下方向)において固定接点(13A,13B)と対向する可動接点(14A,14B)を有する。可動接点部(15)は、固定接点(13A,13B)に接触する閉位置と、固定接点(13A,13B)から離れる開位置と、の間で可動接点(14A,14B)を移動させる。伝達部材(8)は、第1方向において可動接点部(15)に対して固定接点部(20)と反対側に位置する。伝達部材(8)は、第1方向と交差する第2方向(例えば、左右方向)における第1端部(801)が取付部(18)を介して可動接点部(15)に固定されている。伝達部材(8)は、第2方向における第2端部(802)への第1方向からの力を可動接点部(15)に伝達する。回転規制部(160)は、第1方向と交差する特定平面(例えば、上下方向と直交する平面)内での、可動接点部(15)に対する伝達部材(8)の回転を規制する。
【0102】
この態様によれば、可動接点部(15)に対する伝達部材(8)の回転を規制することが可能となる。
【0103】
第2の態様に係る接点装置(A1)では、第1の態様において、取付部(18)は、可動接点部(15)にかしめ固定される可動接点(14A)を含む。回転規制部(160)は、可動接点(14A)とは別の位置で可動接点部(15)に伝達部材(8)を固定する少なくとも1つの固定部(162)を含む。
【0104】
この態様によれば、可動接点部(15)に対する伝達部材(8)の回転を規制することが可能となる。
【0105】
第3の態様に係る接点装置(A1)では、第2の態様において、回転規制部(160)は、複数の固定部(162)を含む。
【0106】
この態様によれば、固定部(162)が1つの場合に比べて可動接点部(15)に対する伝達部材(8)の回転をより確実に規制することが可能となる。
【0107】
第4の態様に係る接点装置(A1)では、第3の態様において、複数の固定部(162)は、第1方向及び第2方向の両方と交差する第3方向(例えば、前後方向)において可動接点(14A)の両側に位置する。
【0108】
この態様によれば、固定部(162)が1つの場合に比べて可動接点部(15)に対する伝達部材(8)の回転をより確実に規制することが可能となる。
【0109】
第5の態様に係る接点装置(A1)では、第2~第4の態様のいずれか1つにおいて、固定部(162)は、第1方向及び第2方向の両方と交差する第3方向から見て、可動接点(14A)の少なくとも一部と重なっている。
【0110】
この態様によれば、可動接点部(15)に対して適切な力を与えることが可能となる。
【0111】
第6の態様に係る接点装置(A1)では、第2~第4の態様のいずれか1つにおいて、固定部(162)は、第2方向において取付部(18)に対して伝達部材(8)の第2端部(802)と反対側に位置する。
【0112】
この態様によれば、可動接点部(15)に対して適切な力を与えることが可能となる。
【0113】
第7の態様に係る接点装置(A1)では、第2~第6の態様のいずれか1つにおいて、固定部(162)は、可動接点部(15)に対してバーリング加工を行うことにより形成された立壁部(1621)を含む。
【0114】
この態様によれば、可動接点部(15)に対する伝達部材(8)の回転を抑制しつつ部品点数の増加を抑制することが可能となる。
【0115】
第8の態様に係る接点装置(A1)では、第7の態様において、立壁部(1621)は、可動接点部(15)に伝達部材(8)をかしめ固定する。
【0116】
この態様によれば、可動接点部(15)に対する伝達部材(8)の回転を抑制しつつ部品点数の増加を抑制することが可能となる。
【0117】
第9の態様に係る接点装置(A1)では、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、伝達部材(8)は、第2端部(802)において可動接点部(15)と反対側に凸となる凸部(82)を有する。
【0118】
この態様によれば、伝達部材(8)に対する接触抵抗を低減することが可能となる。
【0119】
第10の態様に係る接点装置(A1)では、第1~第9の態様のいずれか1つにおいて、伝達部材(8)に上記力を与える接極子(6)における伝達部材(8)との接触部分(61)に、第1方向において伝達部材(8)から離れる向きに傾斜する傾斜面(611)が設けられている。
【0120】
この態様によれば、伝達部材(8)に対する接極子(6)の接触抵抗を低減することが可能となる。
【0121】
第11の態様に係る接点装置(A1)では、第1~第10の態様のいずれか1つにおいて、固定接点部(20)は、固定接点としての第1固定接点(13A)及び第2固定接点(13B)を有する。可動接点部(15)は、可動接点としての第1可動接点(14A)及び第2可動接点(14B)と、板ばねからなる第1可動部材(16)及び第2可動部材(17)と、を有する。第1可動接点(14A)は、第1可動部材(16)の第2方向における第1端部(1601)に固定されている。第1可動接点(14A)は、第1方向において第1固定接点(13A)と対向し、第1固定接点(13A)に接触する上記閉位置としての第1閉位置と、第1固定接点(13A)から離れる上記開位置としての第1開位置と、の間で移動する。第2可動接点(14B)は、第2可動部材(17)の第2方向における第1端部(1701)に固定されている。第2可動接点(14B)は、第1方向において第2固定接点(13B)と対向し、第2固定接点(13B)に接触する上記閉位置としての第2閉位置と、第2固定接点(13B)から離れる上記開位置としての第2開位置と、の間で移動する。第2可動部材(17)は、第1方向において第1可動部材(16)と固定接点部(20)との間に位置する。第2可動部材(17)は、第2方向における第2端部(1702)が締結部材(114)を介して第1可動部材(16)の第2方向における第2端部(1602)に固定されている。第1可動接点(14A)及び第2可動接点(14B)は、第1可動部材(16)の移動に連動して移動するように構成されている。伝達部材(8)は、取付部(18)を介して第1可動部材(16)の第1端部(1601)に固定されている。
【0122】
この態様によれば、大電流の通電が可能となる。
【0123】
第12の態様に係る接点装置(A1)では、第11の態様において、第1可動接点(14A)が第1固定接点(13A)に接触し、かつ第2可動接点(14B)が第2固定接点(13B)に接触した状態において、第1可動部材(16)における第1端部(1601)と第2端部(1602)との間の中間部(1603)が固定接点部(20)側に撓められる。
【0124】
この態様によれば、第1可動部材(16)の中間部(1603)を固定接点部(20)側に撓ませることで、第1可動接点(14A)と第1固定接点(13A)との間の接圧、及び第2可動接点(14B)と第2固定接点(13B)との間の接圧を高めることが可能となる。
【0125】
第13の態様に係る電磁継電器(100)は、第1~第12の態様のいずれか1つの接点装置(A1)と、電磁石装置(B1)と、を備える。電磁石装置(B1)は、コイル(2)及び接極子(6)を有し、コイル(2)への通電にて接極子(6)の一部(61)が伝達部材(8)側に移動することにより伝達部材(8)に上記力を与える。
【0126】
第13の態様によれば、可動接点部(15)に対する伝達部材(8)の回転を規制することが可能となる。
【0127】
第2~第12の態様に係る構成については、接点装置(A1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0128】
2 コイル
6 接極子
8 伝達部材
13A 第1固定接点(固定接点)
13B 第2固定接点(固定接点)
14A 第1可動接点(可動接点)
14B 第2可動接点(可動接点)
15 可動接点部
16 第1可動部材
17 第2可動部材
18 取付部
20 固定接点部
61 第1板(接触部分)
82 凸部
100 電磁継電器
114 突起(締結部材)
160 回転規制部
162 固定部
611 傾斜面
801 第1端部
802 第2端部
1601 第1端部
1602 第2端部
1603 中間部
1701 第1端部
1702 第2端部
1621 立壁部
A1 接点装置
B1 電磁石装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8