(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】管理システム、管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20241011BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20241011BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20241011BHJP
H04M 11/04 20060101ALI20241011BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
G08B17/00 C
G08B25/10 A
H04M11/00 301
H04M11/04
H04Q9/00 311H
(21)【出願番号】P 2023038543
(22)【出願日】2023-03-13
(62)【分割の表示】P 2018226079の分割
【原出願日】2018-11-30
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀晃
(72)【発明者】
【氏名】珍坂 舞
(72)【発明者】
【氏名】田中 敬一
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/104044(WO,A1)
【文献】特開2015-041351(JP,A)
【文献】特開2018-014044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00-17/12
G08B 19/00-31/00
H04M 1/00
H04M 1/72- 1/72516
H04M 11/00-11/10
H03J 9/00- 9/06
H04Q 9/00- 9/16
H04W 4/00-99/00
H04L 12/28
H04L 12/44-12/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内の複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の検知器の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する取得部と、
第1端末と前記施設に設置されている第2端末を少なくとも含む出力先端末のそれぞれに前記取得部が取得した前記検知器情報を出力する出力部とを備え、
前記複数の検知器の各々は、火災を検知する火災検知器であり、
前記出力部は、前記取得部が取得した前記検知器情報のうち前記出力先端末ごとに前記検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の
前記検知器情報を、前記出力対象の
前記検知器情報の取得元である前記検知器の識別情報及び前記設置場所に関する場所情報の少なくとも一方と対応付けて前記出力先端末に出力する、
管理システム。
【請求項2】
施設内の複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の検知器の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する取得部と、
第1端末と前記施設に設置されている第2端末を少なくとも含む出力先端末のそれぞれに前記取得部が取得した前記検知器情報を出力する出力部とを備え、
前記出力部は、前記取得部が取得した前記検知器情報のうち前記出力先端末ごとに前記検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の前記検知器情報を、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の識別情報及び前記設置場所に関する場所情報の少なくとも一方と対応付けて前記出力先端末に出力し、
前記検知器情報は前記検知器において異常が発生しているか否かを示す第1情報と、前記異常の前駆症状に関する第2情報とを含み、
前記出力部は、前記第1情報と前記第2情報を前記第1端末に出力し、前記第1情報を前記第2端末に出力する、
管理システム。
【請求項3】
前記検知器情報は前記検知器において異常が発生しているか否かを示す第1情報と、前記異常の前駆症状に関する第2情報を含み、
前記出力部は、前記第1情報と前記第2情報を前記第1端末に出力し、前記第1情報を前記第2端末に出力する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記施設に設置されている前記検知器以外の電気機器の動作に関する機器情報を取得する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記取得部は、前記複数の検知器のうち少なくとも一部の前記検知器から前記第2端末を介して前記検知器情報又は前記機器情報のいずれか一方を取得する、
請求項4に記載の管理システム。
【請求項6】
施設内の複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の検知器の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する取得処理と、
第1端末と前記施設に設置されている第2端末を少なくとも含む出力先端末のそれぞれに前記取得処理で取得した前記検知器情報を出力する出力処理とを含み、
前記複数の検知器の各々は、火災を検知する火災検知器であり、
前記出力処理では、前記取得処理で取得した前記検知器情報のうち前記出力先端末ごとに前記検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の前記検知器情報を、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の識別情報及び前記設置場所に関する場所情報の少なくとも一方と対応付けて前記出力先端末に出力する、
管理方法。
【請求項7】
施設内の複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の検知器の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する取得処理と、
第1端末と前記施設に設置されている第2端末を少なくとも含む出力先端末のそれぞれに前記取得処理で取得した前記検知器情報を出力する出力処理とを含み、
前記出力処理では、前記取得処理で取得した前記検知器情報のうち前記出力先端末ごとに前記検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の前記検知器情報を、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の識別情報及び前記設置場所に関する場所情報の少なくとも一方と対応付けて前記出力先端末に出力し、
前記検知器情報は前記検知器において異常が発生しているか否かを示す第1情報と、前記異常の前駆症状に関する第2情報とを含み、
前記出力処理では、前記第1情報と前記第2情報を前記第1端末に出力し、前記第1情報を前記第2端末に出力する、
管理方法。
【請求項8】
コンピュータシステムに、
施設内の複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の検知器の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する取得処理と、
第1端末と前記施設に設置されている第2端末を少なくとも含む出力先端末のそれぞれに前記取得処理で取得した前記検知器情報を出力する出力処理とを実行させ、
前記複数の検知器の各々は、火災を検知する火災検知器であり、
前記出力処理では、前記取得処理で取得した前記検知器情報のうち前記出力先端末ごとに前記検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の前記検知器情報を、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の識別情報及び前記設置場所に関する場所情報の少なくとも一方と対応付けて前記出力先端末に出力する、
プログラム。
【請求項9】
コンピュータシステムに、
施設内の複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の検知器の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する取得処理と、
第1端末と前記施設に設置されている第2端末を少なくとも含む出力先端末のそれぞれに前記取得処理で取得した前記検知器情報を出力する出力処理とを実行させ、
前記出力処理では、前記取得処理で取得した前記検知器情報のうち前記出力先端末ごとに前記検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の前記検知器情報を、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の識別情報及び前記設置場所に関する場所情報の少なくとも一方と対応付けて前記出力先端末に出力し、
前記検知器情報は前記検知器において異常が発生しているか否かを示す第1情報と、前記異常の前駆症状に関する第2情報とを含み、
前記出力処理では、前記第1情報と前記第2情報を前記第1端末に出力し、前記第1情報を前記第2端末に出力する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理システム、管理方法、及びプログラムに関する。より詳細には、本開示は、複数の検知器の動作状態を管理する管理システム、管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、特許文献1に記載の火災警報器(検知器)を例示する。この火災警報器は、動作時間のカウントが火災警報器の交換時期に達したことを検出すると、表示音や音声によって警報を行う警報部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された火災警報器では、当該火災警報器の動作時間が交換時期に達すると、警報部が警報を発しているが、動作時間が交換時期に達したという1つの情報(検知器情報)を出力するのみであった。そのため、特許文献1の火災感知器では、動作時間が交換時期に達するまで、火災警報器の動作状態を把握できず、使い勝手が悪かった。
【0005】
本開示の目的は、使い勝手を向上可能な管理システム、管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の管理システムは、取得部と、出力部とを備える。前記取得部は、施設内の複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の検知器の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する。前記出力部は、第1端末と前記施設に設置されている第2端末を少なくとも含む出力先端末のそれぞれに前記取得部が取得した前記検知器情報を出力する。前記出力部は、前記取得部が取得した前記検知器情報のうち前記出力先端末ごとに前記検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の前記検知器情報を、識別情報及び場所情報の少なくとも一方と対応付けて前記出力先端末に出力する。前記複数の検知器の各々は、火災を検知する火災検知器である。前記識別情報は、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の識別情報である。前記場所情報は、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の前記設置場所に関する場所情報である。
本開示の一態様の管理システムは、取得部と、出力部とを備える。前記取得部は、施設内の複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の検知器の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する。前記出力部は、第1端末と前記施設に設置されている第2端末を少なくとも含む出力先端末のそれぞれに前記取得部が取得した前記検知器情報を出力する。前記出力部は、前記取得部が取得した前記検知器情報のうち前記出力先端末ごとに前記検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の前記検知器情報を、識別情報及び場所情報の少なくとも一方と対応付けて前記出力先端末に出力する。前記識別情報は、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の識別情報である。前記場所情報は、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の前記設置場所に関する場所情報である。前記検知器情報は前記検知器において異常が発生しているか否かを示す第1情報と、前記異常の前駆症状に関する第2情報とを含み、前記出力部は、前記第1情報と前記第2情報を前記第1端末に出力し、前記第1情報を前記第2端末に出力する。
【0007】
本開示の一態様の管理方法は、取得処理と、出力処理とを含む。前記取得処理では、施設内の複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の検知器の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する。前記出力処理では、第1端末と前記施設に設置されている第2端末を少なくとも含む出力先端末のそれぞれに前記取得処理で取得した前記検知器情報を出力する。前記出力処理では、前記取得処理で取得した前記検知器情報のうち前記出力先端末ごとに前記検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の前記検知器情報を、識別情報及び場所情報の少なくとも一方と対応付けて前記出力先端末に出力する。前記複数の検知器の各々は、火災を検知する火災検知器である。前記識別情報は、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の識別情報である。前記場所情報は、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の前記設置場所に関する場所情報である。
本開示の一態様の管理方法は、取得処理と、出力処理とを含む。前記取得処理では、施設内の複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の検知器の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する。前記出力処理では、第1端末と前記施設に設置されている第2端末を少なくとも含む出力先端末のそれぞれに前記取得処理で取得した前記検知器情報を出力する。前記出力処理では、前記取得処理で取得した前記検知器情報のうち前記出力先端末ごとに前記検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の前記検知器情報を、識別情報及び場所情報の少なくとも一方と対応付けて前記出力先端末に出力する。前記識別情報は、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の識別情報である。前記場所情報は、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の前記設置場所に関する場所情報である。前記検知器情報は前記検知器において異常が発生しているか否かを示す第1情報と、前記異常の前駆症状に関する第2情報とを含み、前記出力処理では、前記第1情報と前記第2情報を前記第1端末に出力し、前記第1情報を前記第2端末に出力する。
【0008】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータシステムに、取得処理と、出力処理とを実行させるためのプログラムである。前記取得処理では、施設内の複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の検知器の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する。前記出力処理では、第1端末と前記施設に設置されている第2端末を少なくとも含む出力先端末のそれぞれに前記取得処理で取得した前記検知器情報を出力する。前記出力処理では、前記取得処理で取得した前記検知器情報のうち前記出力先端末ごとに前記検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の前記検知器情報を、識別情報及び場所情報の少なくとも一方と対応付けて前記出力先端末に出力する。前記複数の検知器の各々は、火災を検知する火災検知器である。前記識別情報は、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の識別情報である。前記場所情報は、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の前記設置場所に関する場所情報である。
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータシステムに、取得処理と、出力処理とを実行させるためのプログラムである。前記取得処理では、施設内の複数の設置場所にそれぞれ設置された複数の検知器の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する。前記出力処理では、第1端末と前記施設に設置されている第2端末を少なくとも含む出力先端末のそれぞれに前記取得処理で取得した前記検知器情報を出力する。前記出力処理では、前記取得処理で取得した前記検知器情報のうち前記出力先端末ごとに前記検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の前記検知器情報を、識別情報及び場所情報の少なくとも一方と対応付けて前記出力先端末に出力する。前記識別情報は、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の識別情報である。前記場所情報は、前記出力対象の前記検知器情報の取得元である前記検知器の前記設置場所に関する場所情報である。前記検知器情報は前記検知器において異常が発生しているか否かを示す第1情報と、前記異常の前駆症状に関する第2情報とを含み、前記出力処理では、前記第1情報と前記第2情報を前記第1端末に出力し、前記第1情報を前記第2端末に出力する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、使い勝手を向上可能な管理システム、管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る管理システムを含めた全体システムのブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の管理システムの管理対象である検知器のブロック図である。
【
図3】
図3は、同上の管理システムに用いられる第1端末のブロック図である。
【
図4】
図4は、同上の管理システムに用いられる第2端末のブロック図である。
【
図5】
図5は、同上の管理システムの動作を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する実施形態は、本開示の種々の実施形態の一つに過ぎない。本開示の実施形態は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外も含み得る。また、下記の実施形態は、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(実施形態)
(1)概要
本実施形態の管理システム1は、
図1に示すように、複数の設置場所L1にそれぞれ設置された検知器20の動作状態を管理するためのシステムである。
【0013】
管理システム1は、取得部111と、出力部114とを備える。
【0014】
取得部111は、複数の設置場所L1にそれぞれ設置された複数の検知器20の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する。
【0015】
出力部114は、複数の出力先端末(以下の実施形態では第1端末50及び第2端末30)のそれぞれに、取得部111が取得した検知器情報を出力する。出力部114は、取得部111が取得した検知器情報のうち出力先端末ごとに検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の検知器情報を、識別情報及び場所情報の少なくとも一方と対応付けて出力先端末に出力する。識別情報は、出力対象の検知器情報の取得元である検知器20の識別情報である。場所情報は、出力対象の検知器情報の取得元である検知器20の設置場所L1に関する場所情報である。
【0016】
ここにおいて、複数の設置場所L1の各々は、検知器20が設置された施設であり、以下の実施形態では複数の設置場所L1の各々が戸建て住宅である場合を例に説明する。なお、複数の設置場所L1の各々は戸建て住宅に限定されず、集合住宅の各住戸でもよい。また、設置場所L1は住宅用の施設に限定されず、非住宅の施設、例えば、オフィスビル、商業ビル、公共施設、工場等でもよい。なお、以下の説明において、複数の設置場所L1のそれぞれを特定して説明する場合、設置場所L11,L12,L13と記載する場合もある。
【0017】
検知器20は、複数の設置場所L1のうち対応する設置場所L1に設置され、検知対象の物理量を検出する。検知器20は、当該検知器20の動作状態に関する検知器情報を取得部111に出力する。ここで、検知器情報とは、検知器20の検知結果に関する情報と、検知器20の保守作業に利用される情報(以下、保守関連情報と言う。)との少なくとも一方を含む。保守関連情報は、検知器20において異常が発生しているか否かを示す第1情報と、異常の前駆症状に関する第2情報とを含む。第1情報は、検知器20の電源である電池25(
図2参照)の電池切れを示す情報、検知器20の累積の使用時間が使用期限に達したことを示す情報、及び検知器20で発生した各種の異常の異常内容を示す情報(例えばエラーコード等)の少なくとも1つを含む。第2情報は、異常に至るまでの前駆症状に関する情報であり、例えば、検知器20の累積の使用時間に関する情報、電池25の電池電圧に関する情報、及び異常の原因となる事象の発生を示すコード番号の少なくとも1つを含む。また、複数の検知器20にはそれぞれ固有の識別情報(例えば、MACアドレス、又は、管理システム1が各検知器20に割り当てたアドレス等)が割り当てられている。
【0018】
本実施形態では管理システム1が検知器情報を出力する出力先端末が第1端末50と第2端末30とを含んでいる。
【0019】
第1端末50は、例えば、複数の設置場所L1にそれぞれ設置された複数の検知器20に関わる事業を行う事業者B1の端末である。複数の事業者B11,B12が存在する場合、複数の事業者B11,B12の各々は、各事業者の担当者が使用する第1端末50を備えている。ここで、複数の事業者B11,B12は、例えば、検知器20の保守作業を行う保守サービス事業者、検知器20の代替品を販売する販売事業を行う販売事業者、又は設置場所L1の施設の建設又は修繕を行うハウスメーカ等である。以下では、事業者B1が、検知器20の保守作業を行う保守サービス事業者である場合を例に説明する。
【0020】
第2端末30は、例えば、複数の設置場所L1のそれぞれに設置される。第2端末30は、当該第2端末30が設置された設置場所L1の施設を利用する施設利用者(例えば住人等)によって使用される。
【0021】
出力部114は、取得部111が複数の検知器20から取得した複数の検知器情報のうち、出力先端末ごとに検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の検知器情報を出力先端末(本実施形態では第1端末50又は第2端末30)に出力する。検知器情報は、第1端末50を使用する事業者50の担当者のみで使用される情報と、第1端末50を使用する事業者50の担当者及び第2端末30を使用する施設利用者の両方で使用される情報と、を含む。また、検知器情報は、第2端末30を使用する施設利用者のみで使用される情報を含んでもよい。
【0022】
このように、複数の出力先端末のユーザごとに利用する検知器情報が異なるため、出力部114は、取得部111が複数の検知器20から取得した複数の検知器情報のうち出力先端末ごとに検知器情報の内容に応じて出力対象の検知器情報を選択する。そして、出力部114は、出力先端末ごとに選択した出力対象の検知器情報に、識別情報及び場所情報の少なくとも一方を対応付けて、出力先端末に出力する。したがって、出力部114は、複数の出力先端末のそれぞれに、複数の出力先端末を使用するユーザ(事業者B1の担当者、又は、設置場所L1を利用する施設利用者)が必要とする検知器情報を提供できる。そして、出力先端末を使用するユーザは、管理システム1から出力された出力対象の検知器情報と、識別情報及び場所情報の少なくとも一方とに基づいて、出力対象の検知器情報の取得元である検知器20の動作状態と、識別情報又は場所情報を確認できる。よって、本実施形態では、複数の検知器20の動作状態を管理可能な管理システム1を提供でき、使い勝手を向上可能な管理システム1を提供できる。
【0023】
なお、以下の実施形態では、出力部114は、出力対象の検知器情報に識別情報と場所情報とを対応付けて出力先端末に出力するが、出力部114は、出力対象の検知器情報に識別情報及び場所情報の一方のみを対応付けて出力先端末に出力してもよい。
【0024】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る管理システム1を含めた全体システムを
図1~
図4に基づいて説明する。
【0025】
管理システム1は、複数の設置場所L1(L11~L13)に設置された検知器20の動作状態を管理する。複数の設置場所L1には、出力部114から出力対象の検知器情報が出力される第2端末30が設置されている。第2端末30は、管理システム1と検知器20との間の通信を中継する中継器としての機能も有している。以下、管理システム1を含む全体システムの各部の構成について説明を行う。
【0026】
(2.1)検知器
検知器20は、設置場所L1に設置され、設置場所L1において検知対象の物理量を検出する。本実施形態では、検知器20は、例えば防災の対象となる事象が発生したことを検知する。検知器20は、例えば、設置場所L1である施設内の部屋の天井又は壁の上部等に設置される。本実施形態の検知器20は、例えば、防災の対象となる事象として火災が発生したことを検知する検知機能と、火災の発生を検知した場合に報知する警報機能とを有した、火災警報器である。検知器20は、例えば、火災の発生時に警報音等の音を出力する。ただし、防災の対象となる事象は、火災に限定されず、水害、地震等でもよい。また防災の対象となる事象は、ガス漏れ、又は不完全燃焼によるCO(一酸化炭素)の発生等でもよい。
【0027】
検知器20は、
図2に示すように、制御部21と、送受信部22と、検知部23と、警報部24と、電池25とを備える。
【0028】
制御部21は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部21として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。なお、制御部21のメモリには、検知器20に割り当てられた識別情報が記憶されている。
【0029】
送受信部22は、設置場所L1に設けられた第2端末30との間で無線通信を行う通信インタフェースを有している。ここにおいて、送受信部22と第2端末30との間の通信方式は、例えば、920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信である。
【0030】
検知部23は、検知対象の事象である火災に関する情報を検知する。検知部23は、一例として、煙を検知する光電式のセンサである。したがって、火災に関する上記情報とは、例えば、煙に関する情報を含む。ただし、検知部23は、光電式のセンサに限定されず、例えば熱を検知する定温式のセンサでもよい。
【0031】
警報部24は、検知器20が火災の発生を検知した場合に、火災の発生を例えば音により報知する。警報部24は、音(音声)を出力するスピーカを有している。警報部24は、検知器20が火災の発生を検知した場合に、火災の発生を報知するための警報音と音声メッセージとの少なくとも一方をスピーカから出力させる。なお、警報部24は、火災の発生を光により報知してもよい。例えば、警報部24が発光ダイオード等の光源を備え、検知器20が火災の発生を検知した場合に、警報部24が光源を点灯又は点滅させることで、火災の発生を報知してもよい。また、警報部24は、火災の発生を音と光との両方で報知してもよい。
【0032】
電池25は、例えばリチウム電池等の電池である。電池25は、制御部21、送受信部22、検知部23、及び警報部24等に動作に必要な電力を供給する。
【0033】
なお、1つの設置場所L1に1つの検知器20が設置されていてもよいが、1つの設置場所L1に複数の検知器20が設置されていてもよい。1つの設置場所L1に複数の検知器20が設置される場合、例えば、複数の検知器20のうちの1つが親機、複数の検知器20のうち親機以外の検知器20が子機となるように各検知器20が構成されていてもよい。複数の検知器20の各々は、各検知器20に割り当てられた識別情報を用いて送信先及び送信元を特定することによって相互に無線通信を行う。
【0034】
例えば、親機である検知器20が火災の発生を検知した場合、親機である検知器20の制御部21は、警報部24を制御して火災の発生を報知し、送受信部22から子機である検知器20に検知信号を送信する。子機である検知器20の送受信部22が、親機である検知器20から検知信号を受信すると、子機である検知器20の制御部21は警報部24を制御して火災の発生を報知する。
【0035】
また、子機である検知器20が火災の発生を検知した場合、子機である検知器20の制御部21は、警報部24を制御して火災の発生を報知し、送受信部22から親機である検知器20に検知信号を送信する。親機である検知器20の送受信部22が、子機である検知器20から検知信号を受信すると、親機である検知器20の制御部21は警報部24を制御して火災の発生を報知し、送受信部22から発報元以外の子機である検知器20に検知信号を送信する。発報元以外の子機である検知器20の送受信部22が、親機である検知器20から検知信号を受信すると、発報元以外の子機である検知器20の制御部21は警報部24を制御して火災の発生を報知する。
【0036】
このように、1つの設置場所L1に複数の検知器20が設置されている場合に、複数の検知器20のいずれかで火災の発生を検知すると、当該設置場所L1に設置された複数の検知器20の全てが火災の発生を報知することができる。
【0037】
また、検知器20は、管理システム1から検知器情報の送信を要求する要求信号を受信すると、当該検知器20の動作状態に関する検知器情報を作成して、管理システム1に送信する。ここで、1つの設置場所L1に複数の検知器20が設置されている場合、親機となる検知器20が、子機となる検知器20から検知器情報を収集してもよい。そして、親機となる検知器20が、管理システム1から要求信号を受信すると、親機となる検知器20の検知器情報と子機となる検知器20の検知器情報とを管理システム1に送信すればよい。親機となる検知器20は、親機となる検知器20の検知器情報と子機となる検知器20の検知器情報とに、各検知器20の識別情報と、親機となる検知器20の場所情報とを対応付けて管理システム1に送信すればよい。この場合、親機となる検知器20のメモリには、親機となる検知器20の場所情報と、同じ設置場所L1に設置された子機の検知器20の識別情報とが記憶されていればよい。場所情報が、設置場所L1内の部屋等のより細かい場所を示す情報を含む場合、親機となる検知器20のメモリには、親機となる検知器20の場所情報とは別に、子機となる検知器20の場所情報が記憶されていてもよい。なお、親機となる検知器20が、親機となる検知器20の検知器情報と子機となる検知器20の検知器情報とを管理システム1に送信することは必須ではなく、1つの設置場所L1にある複数の検知器20の各々が管理システム1に検知器情報を送信してもよい。
【0038】
(2.2)管理システム
管理システム1は、
図1に示すように、複数の設置場所L1に設置された複数の検知器20を管理する管理事業者が運用するサーバ10によって実現される。
【0039】
管理システム1を構成するサーバ10は、制御部11と、送受信部12と、記憶部13とを備える。
【0040】
制御部11は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部11として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0041】
制御部11は、例えば取得部111、判断部112、期間設定部113及び出力部114等の機能を有する。
【0042】
取得部111は、複数の設置場所L1に設置された複数の検知器20の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する。取得部111は、送受信部12から検知器20に検知器情報を要求する要求信号を定期的に送信させ、要求信号に応じて検知器20から送信された検知器情報を取得する。なお、取得部111は、所定のイベントの発生をトリガとして、送受信部12から検知器20に検知器情報を要求する要求信号を送信させ、要求信号に応じて検知器20から送信された検知器情報を取得してもよい。
【0043】
また、本実施形態では、取得部111は、複数の設置場所L1に設置された複数の検知器20から中継器となる第2端末30を介して検知器情報を取得している。例えば、1つの設置場所L1内で、親機となる検知器20が子機となる検知器20から検知器情報を収集している場合、取得部111は、第2端末30を介して親機となる検知器20から、親機となる検知器20の検知器情報と子機となる検知器20の検知器情報とを取得する。なお、取得部111は、第2端末30を介して複数の検知器20の各々から検知器情報を取得してもよい。また、取得部111が、1つの設置場所L1内にある複数の検知器20の全てから中継器(第2端末30)を介して検知器情報を所得することは必須ではない。取得部111は、複数の検知器20の少なくとも一部の検知器20から中継器(第2端末30)を介して検知器情報を取得すればよい。これにより、複数の検知器20の各々が管理システム1と通信する通信インタフェースを備える必要がないという利点がある。
【0044】
なお、検知器20が管理システム1と通信する通信インタフェースを備えていれば、管理システム1は検知器20と直接通信して検知器情報を取得してもよく、この場合は中継器を省略できる。例えば、1つの設置場所L1内では、親機となる検知器20が、子機となる検知器20の検知器情報を収集し、親機となる検知器20が、親機となる検知器20の検知器情報と子機となる検知器20の検知器情報とを管理システム1に送信すればよい。なお、管理システム1の取得部111が、親機となる検知器20から、親機となる検知器20及び子機となる検知器20の検知器情報を取得することは必須ではなく、取得部111は1つの設置場所L1内にある複数の検知器20から検知器情報を直接取得してもよい。
【0045】
判断部112は、取得部111が複数の検知器20の各々から取得した検知器情報の優先度を判断する。例えば、検知器情報が異常の前駆症状に関する情報を含む場合、判断部112は、検知器情報に含まれる前駆症状が示す異常のレベルに応じて優先度を判断する。判断部112は、取得部111が各検知器20から取得した検知器情報について緊急性の度合いを複数のレベルにレベル分けし、緊急性の度合いが高いほど優先度が高くなるように、検知器情報の優先度を判断する。
【0046】
期間設定部113は、取得部111が複数の検知器20の各々から取得した検知器情報に対して対応期間を設定する。ここで、対応期間とは、取得部111が検知器20から検知器情報を取得してから、検知器20を管理する管理者が、検知器情報に基づいた対応処置を実行するまでの時間的な猶予を示す期間である。例えば、検知器情報が、検知器20の保守作業に関する保守関連情報である場合、対応期間は、検知器情報に基づいた保守作業を実行するまでの猶予期間である。したがって、検知器20を管理する管理者は、対応期間が経過するまでの間に、検知器20の保守作業等の対応処置を実行すればよい。
【0047】
出力部114は、取得部111が複数の検知器20の各々から取得した検知器情報の中から、出力先端末(第1端末50又は第2端末30)に出力する出力対象の検知器情報を選択する。出力部114は、出力対象の検知器情報に、出力対象の検知器情報の取得元である検知器20の識別情報及び場所情報を対応付けて、出力先端末(第1端末50又は第2端末30)に出力する。
【0048】
送受信部12は、例えば、イーサネット(登録商標)の通信規格に準拠した通信インタフェースを備える。送受信部12は、インターネットのような通信ネットワークN1を介して、事業者B1が備える第1端末50、及び、複数の設置場所L1にそれぞれ設置された第2端末30と通信を行う。
【0049】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。記憶部13は、複数の設置場所L1にそれぞれ設置された複数の検知器20から取得した検知器情報を、各検知器20の識別情報及び設置場所を示す場所情報と対応付けて記憶する。
【0050】
(2.3)第1端末
第1端末50は、検知器20の保守サービス事業を行う事業者B1が備える端末である。第1端末50は、事業者B1の担当者(例えば、保守サービスを行う担当者等)によって使用される端末であり、例えばスマートフォン又は通信機能を有するタブレット型のコンピュータ端末である。
【0051】
第1端末50は、
図3に示すように、制御部51と、送受信部52と、表示部53と、操作部54と、記憶部55とを備える。
【0052】
制御部51は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部51として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0053】
送受信部52は、例えば、イーサネット(登録商標)の通信規格に準拠した通信インタフェースを備える。送受信部52は、例えばブロードバンドルータを介して、インターネットのような通信ネットワークN1に接続され、ブロードバンドルータ及び通信ネットワークN1を介して、管理システム1のサーバ10と通信を行う。
【0054】
表示部53は、液晶ディスプレイ等の表示ディスプレイである。表示部53は、例えば管理システム1の出力部114から出力された出力対象の検知器情報等を表示する。
【0055】
操作部54は、表示部53を構成する表示ディスプレイに設けられたタッチスイッチを有する。操作部54は、第1端末50を使用する担当者の操作を受け付け、操作に応じた信号を制御部51に出力する。
【0056】
記憶部55は、ROM、RAM、又はEEPROM等から選択されるデバイスで構成される。記憶部55は、管理システム1の出力部114から出力された出力対象の検知器情報等を記憶する。
【0057】
(2.4)第2端末
複数の設置場所L1の各々には第2端末30が設置されている。第2端末30は、当該第2端末30が設置されている設置場所L1で使用されるエネルギーを管理するHEMS(home energy management system)のコントローラである。第2端末30は、当該第2端末30が設置されている設置場所L1の施設を利用する施設利用者によって使用される。第2端末30は、当該第2端末30と同じ設置場所L1に設置されている検知器20と管理システム1との間の通信を中継する中継器の機能も有している。
【0058】
第2端末30は、
図4に示すように、制御部31と、第1送受信部32と、第2送受信部33と、表示部34と、操作部35と、記憶部36とを備える。
【0059】
制御部31は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部31として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0060】
第1送受信部32は、設置場所L1に設けられた検知器20との間で無線通信を行う通信インタフェースを有している。第1送受信部32は、検知器20の送受信部22と同じ通信方式で無線通信を行う。設置場所L1に通信機能を有する電気機器40が設置されている場合、第1送受信部32は電気機器40とも通信が可能である。
【0061】
第2送受信部33は、例えば、イーサネット(登録商標)の通信規格に準拠した通信インタフェースを備える。第2送受信部33は、設置場所L1に設けられたブロードバンドルータを介して、インターネットのような通信ネットワークN1に接続される。第2送受信部33は、ブロードバンドルータ及び通信ネットワークN1を介して、管理システム1のサーバ10と通信を行う。
【0062】
表示部34は、液晶ディスプレイ等の表示ディスプレイである。表示部34は、管理システム1の出力部114から出力された検知器情報を表示する。また、表示部34は、設置場所L1である施設でのエネルギーの使用量等を表示する。
【0063】
操作部35は、表示部34を構成する表示ディスプレイに設けられたタッチスイッチを有する。操作部35は、ユーザ(例えば設置場所L1を使用する施設利用者)の操作を受け付け、操作に応じた信号を制御部31に出力する。
【0064】
記憶部36は、ROM、RAM、又はEEPROM等から選択されるデバイスで構成される。記憶部36は、当該第2端末30が設置された設置場所L1を示す場所情報、及び当該第2端末30と同じ設置場所L1の施設に設置された検知器20及び電気機器40の識別情報等を記憶する。
【0065】
(3)動作
(3.1)検知器の登録
まず、設置場所L1に設置される検知器20を管理システム1に登録する動作について説明する。
【0066】
例えば、検知器20を設置場所L1に設置する際に、検知器20に電池25を入れて、電池25から制御部21への電力供給を開始すると、制御部21が、当該検知器20を管理システム1に登録する登録モードで動作する。
【0067】
検知器20の制御部21は、登録モードで動作を開始すると、管理システム1への登録を要求する登録要求と、自機の識別情報とを含む無線信号を送受信部22から送信する。検知器20の送受信部22から送信された登録要求と識別情報とを含む無線信号は、検知器20と同じ設置場所L1に設置された第2端末30によって受信される。第2端末30の第1送受信部32が、検知器20から送信された登録要求と識別情報とを含む無線信号を受信すると、第2端末30の制御部31は、当該検知器20の識別情報を記憶部36に記憶する。また、第2端末30の制御部31は、検知器20から受信した登録要求と当該検知器20の識別情報と当該検知器20が設置された設置場所L1の場所情報とを含む信号を、第2送受信部33から通信ネットワークN1を介して管理システム1に送信する。管理システム1の送受信部12が、第2端末30から送信された信号(検知器20からの登録要求と当該検知器20の識別情報及び場所情報を含む信号)を受信すると、制御部11は、当該検知器20を管理対象として登録する。具体的には、管理システム1の制御部11は、管理対象として登録する検知器20の識別情報及び場所情報を記憶部13に記憶する。
【0068】
これにより、管理システム1のサーバ10に、設置場所L1に設置された検知器20が管理対象として登録される。
【0069】
なお、上述した検知器20の登録方法は一例であり、適宜変更が可能である。例えば、第2端末30の操作部35を操作して第2端末30の動作モードを登録モードに設定した状態で、検知器20に電池25を入れると、検知器20を第2端末30及び管理システム1に登録する処理が行われてもよい。
【0070】
また、検知器20の設置場所を示す場所情報は、設置場所L1である施設の場所を示す情報でもよいし、設置場所L1である施設内の部屋等のより細かい場所を示す情報でもよい。例えば、施工作業者が検知器20を第2端末30に登録する際に、施工作業者が、第2端末30の操作部35を用いて、設置場所L1内のより細かい場所を特定する場所情報を入力すると、操作部35を用いて入力された場所の場所情報が第2端末30に登録される。第2端末30の制御部31は、当該検知器20の識別情報と場所情報と登録要求とを管理システム1に送信することで、当該検知器20を管理対象として管理システム1に登録することができる。
【0071】
(3.2)検知器の管理動作
管理システム1に、管理対象として設置場所L11,L12,L13に設置された検知器20が登録されている場合に、管理システム1が設置場所L11,L12,L13に設置された検知器20の動作状態を管理する動作について
図5に基づいて説明する。
【0072】
管理システム1の取得部111が各検知器20から検知器情報を前回取得した時点から所定の周期T1が経過すると(S1)、取得部111は、複数の検知器20の各々に検知器情報の送信を要求する要求信号を送受信部12から送信させる(S2)。ここで、管理システム1の送受信部12から送信された要求信号は、通信ネットワークN1と第2端末30とを介して、送信対象の検知器20によって受信される(S3,S4)。すなわち、取得部111は、複数の検知器20の各々に、検知器情報の送信を要求する要求信号を定期的に出力する。
【0073】
管理対象の検知器20の送受信部22が管理システム1から送信された要求信号を受信すると、検知器20の制御部21は、当該検知器20の動作状態に関する検知器情報を送受信部22から送信させる(S5)。ここにおいて、制御部21は、検知器20の保守作業に関する保守関連情報(例えば、検知器20において異常が発生しているか否かを示す第1情報、及び、異常の前駆症状に関する第2情報を含む)を作成する。制御部21は、当該保守関連情報を含む検知器情報を送受信部22から送信させる。検知器20の送受信部22から送信された検知器情報は第2端末30を介して管理システム1に入力される(S6,S7)。管理システム1の送受信部12が、要求信号に応じて検知器20から送信された検知器情報を受信すると、取得部111は、送受信部12が受信した検知器20の検知器情報を、当該検知器20の識別情報及び場所情報と対応付けて記憶部13に記憶させる。これにより、取得部111によって、管理対象の検知器20から検知器情報が取得される(S8)。なお、
図5では1つの設置場所L1にある第2端末30及び検知器20のみを図示しているが、管理システム1は、管理対象の全ての検知器20に対して要求信号を送信し、管理対象の全ての検知器20から検知器情報を取得する。
【0074】
以上のように、管理システム1の取得部111は、周期T1が経過するごとに、複数の設置場所L1に設置された複数の検知器20から検知器情報を取得する取得処理を行う。管理システム1の取得部111は、複数の検知器20から取得した検知器情報と識別情報と場所情報とを対応付けて記憶部13に蓄積する。
【0075】
その後、出力先端末である第1端末50を使用する事業者B1の担当者(例えば、検知器20の保守作業を行う担当者)が、管理対象の検知器20の動作状態を知りたい場合、第1端末50の操作部54を用いて、検知器情報の送信を要求する操作を行う(S9)。第1端末50の制御部51は、担当者の操作に応じて操作部54から入力された信号に基づいて、検知器情報の送信を要求する送信要求信号と第1端末50の識別情報とを送受信部52から通信ネットワークN1経由で管理システム1に送信させる(S10)。管理システム1の送受信部12が、第1端末50から送信された送信要求信号と識別情報とを受信すると、管理システム1の出力部114は、出力先端末である第1端末50に応じて、記憶部55に記憶された検知器情報から送信対象の検知器情報を抽出する。ここでは、出力先端末が、保守作業を行う担当者が使用する第1端末50であるので、出力部114は、検知器情報に含まれる保守関連情報の第1情報及び第2情報を出力対象の検知器情報として抽出する。そして、出力部114は、第1情報及び第2情報を含む出力対象の検知器情報と、出力対象の検知器情報の取得元である検知器20の識別情報及び場所情報とを関連付けた情報を、送受信部12から要求元の第1端末50に送信させる(S11)。出力部114から出力された情報は通信ネットワークN1を介して第1端末50に送信され(S12)、第1端末50の送受信部52によって受信される。第1端末50の送受信部52が管理システム1から送信された情報を受信すると、制御部51が、送受信部52が受信した情報を表示部53に表示させる(S13)。これにより、第1端末50を使用する事業者B1の担当者は、第1端末50の表示部53に表示された情報をもとに、管理対象の検知器20の動作状態を確認することができる。本実施形態では、第1端末50を使用する事業者B1の担当者は、第1情報に加えて第2情報も確認できるので、異常の前駆情報に基づいて、異常が発生する前に、異常の発生を予防するための処理、又は異常の発生に備えた処理を実行できる。
【0076】
一方、出力先端末である第2端末30のユーザ(例えば、検知器20の設置場所L1を使用する施設利用者)が、同じ設置場所L1に設置された検知器20の動作状態を知りたい場合、第2端末30の操作部35を用いて、検知器情報の送信を要求する操作を行う。第2端末30の制御部31は、施設利用者の操作に応じて操作部35から入力された信号に基づいて、検知器情報の送信を要求する送信要求信号と第2端末30の識別情報とを第2送受信部33から通信ネットワークN1経由で管理システム1に送信させる。
【0077】
管理システム1の送受信部12が、第2端末30から送信された送信要求信号と識別情報とを受信すると、管理システム1の出力部114は、出力先端末である第2端末30に応じて、記憶部55に記憶された検知器情報から送信対象の検知器情報を抽出する。ここでは、出力先端末が、検知器20が設置された設置場所L1にある第2端末30であるので、出力部114は、要求元の第2端末30と同じ設置場所L1にある検知器20についての検知器情報を出力対象の検知器情報として抽出する。また、出力部114は、要求元の第2端末30と同じ設置場所L1にある検知器20の検知器情報(保守関連情報)のうち第1情報のみを出力対象の検知器情報として抽出する。すなわち、検知器20の検知器情報(保守関連情報)のうち、第2情報は施設利用者には利用できない無意味な情報である。よって、出力部114は、第2端末30に対しては、検知器20において異常が発生しているか否かを示す第1情報のみを出力対象の検知器情報として出力する。
【0078】
そして、出力部114は、要求元の第2端末30と同じ設置場所L1にある検知器20の検知器情報から抽出した出力対象の検知器情報と当該検知器20の識別情報及び場所情報とを関連付けた情報を、送受信部12から要求元の第2端末30に送信させる。出力部114から出力された情報は通信ネットワークN1を介して第2端末30に送信され、第2端末30の第2送受信部33によって受信される。第2端末30の第2送受信部33が管理システム1から送信された情報を受信すると、制御部31が、第2送受信部33が受信した情報を表示部34に表示させる。これにより、第2端末30を使用する施設利用者は、第2端末30の表示部34に表示された情報(検知器情報、識別情報、及び場所情報)をもとに、同じ設置場所L1にある検知器20の動作状態を確認することができる。ここで、出力部114から第2端末30に出力される検知器情報(第1情報)は、例えば電池25の電池切れを示す情報である。したがって、第2端末30を使用する施設利用者は、第1情報に基づいて、当該施設利用者が利用する設置場所L1にある検知器20の異常を確認することができる。
【0079】
このように、本実施形態の管理システム1では、出力部114が、出力先端末に応じて、取得部111が複数の検知器20から取得した検知器情報の中から出力対象の検知器情報を選択しているので、出力先端末に応じて選択される検知器情報を出力できる。例えば、出力部114は、検知器20と同じ設置場所L1に設置された第2端末30には、異常の前駆症状に関する第2情報は出力せず、異常が発生したか否かを示す第1情報を出力する。一方、出力部114は、事業者B1が備える第1端末50には、第1情報と、異常の前駆症状に関する第2情報とを出力するので、第1端末50を使用する事業者B1の担当者は、検知器20での異常の前兆を把握することができる。よって、事業者B1の担当者は、検知器20での異常の前兆に基づいて、異常が発生するよりも早い段階で検知器20の保守作業を行ったり,検知器20の交換を提案したりする行動をとることができる。なお、出力部114が、第1端末50と第2端末30とにそれぞれ出力する検知器情報は一例であり、適宜変更が可能である。
【0080】
本実施形態において、出力部114は、出力対象の検知器情報と、識別情報及び場所情報の少なくとも一方とをリスト化した情報を出力先端末(第1端末50)に出力してもよい。本実施形態では、出力部114は、所定の抽出条件に基づいて選択した出力対象の検知器情報と、識別情報と、場所情報とをリスト化した情報を出力先端末(第1端末50)に出力する。
【0081】
例えば、出力部114は、取得部111が複数の検知器20から取得した検知器情報のうち、出力先端末である第1端末50を備える事業者B1の保守サービスの対象である検知器20のみの検知器情報を出力対象の検知器情報として抽出する。そして、出力部114は、出力対象の検知器情報と、出力対象の検知器情報の取得元である検知器20の識別情報及び場所情報とをリスト化した情報を第1端末50に出力する。これにより、第1端末50を使用する事業者B1の担当者は、保守サービスの対象である検知器20の検知器情報と識別情報と場所情報とを容易に確認できる。また、第1端末50を使用する事業者B1の担当者は、出力対象の検知器情報に対応付けられた識別情報及び場所情報を用いて、出力対象の検知器情報の取得元である検知器20を特定することができる。
【0082】
また、出力部114は、取得部111が複数の検知器20から取得した検知器情報のうち、特定の設置場所L1(例えば事業者B1の担当者が訪問する予定の設置場所L1)にある検知器20の検知器情報を出力対象の検知器情報として抽出してもよい。出力部114は、出力対象の検知器情報と、出力対象の検知器情報の取得元である検知器20の識別情報及び場所情報とをリスト化した情報を第1端末50に出力する。これにより、第1端末50を使用する事業者B1の担当者は、訪問先の設置場所L1にある検知器20の検知器情報を確認した上で、訪問先の設置場所L1を訪問することが可能になり、検知器20の保守作業等を円滑に行うことができる。なお、特定の設置場所L1は、1つの設置場所L1に限らず、複数の設置場所L1であってもよい。
【0083】
また、出力部114は、取得部111が複数の検知器20から取得した検知器情報のうち、異常が発生している検知器20の検知器情報を出力対象の検知器情報として抽出してもよい。出力部114は、出力対象の検知器情報と、出力対象の検知器情報の取得元である検知器20の識別情報及び場所情報とをリスト化した情報を第1端末50に出力する。これにより第1端末50を使用する事業者B1の担当者は、異常が発生している検知器20を容易に確認でき、また識別情報及び場所情報を用いて異常が発生している検知器20を特定できるので、異常が発生している検知器20への対応を円滑に実施できる。
【0084】
また、出力部114は、取得部111が複数の検知器20から取得した検知器情報のうち、抽出対象の種類に属する検知器20の検知器情報を出力対象の検知器情報として抽出してもよい。出力部114は、出力対象の検知器情報と、出力対象の検知器情報の取得元である検知器20の識別情報及び場所情報とをリスト化した情報を第1端末50に出力する。これにより、第1端末50を使用する事業者B1の担当者は、抽出対象の種類に属する検知器20の動作状態を容易に確認できる。また、第1端末50を使用する事業者B1の担当者は、出力対象の検知器情報に対応付けられた識別情報及び場所情報を用いて、抽出対象の種類に属する検知器20の設置場所L1等を容易に特定できる。
【0085】
また、出力部114は、出力対象の検知器情報に、判断部112によって判断された優先度の情報を対応付けて出力先端末に出力してもよい。ここで、出力部114は、出力対象の検知器情報に、検知器情報の内容に基づいて優先度を設定すればよい。例えば、検知器情報が保守関連情報である場合、出力部114は、検知器20に対して行う保守、点検の内容及びその緊急性に基づいて、優先度を設定すればよい。本実施形態では、出力部114は、事業者B1の担当者が使用する第1端末50(出力先端末)に出力対象の検知器情報を出力する場合に、出力対象の検知器情報に優先度の情報を対応付けた情報を出力する。したがって、事業者B1の担当者は、第1端末50に入力された情報に含まれる優先度の情報に基づいて、優先的に対応すべき検知器20を容易に判断することができる。
【0086】
また、出力部114は、出力対象の検知器情報に、期間設定部113が設定した対応期間の情報を対応付けて、出力先端末に出力してもよい。ここで、期間設定部113は、出力対象の検知器情報に、検知器情報の内容に基づいて対応期間を設定すればよく、検知器情報が保守関連情報であれば、検知器20に対して保守、点検等を行う最終の期限等に基づいて対応期間を設定すればよい。本実施形態では、出力部114は、事業者B1の担当者が使用する第1端末50(出力先端末)に出力対象の検知器情報を出力する場合に、出力対象の検知器情報に対応期間の情報を対応付けた情報が出力する。したがって、事業者B1の担当者は、第1端末50に入力された情報に含まれる対応期間の情報に基づいて、指示された対応期間内に検知器20に対する処理を行うことができる。
【0087】
また、本実施形態において、取得部111は、中継器となる第2端末30を介して、第2端末30と同じ設置場所L1にある電気機器40から当該電気機器40の動作状態に関する機器情報を取得している。例えば、取得部111は、送受信部12から電気機器40に対して機器情報の送信を要求する要求信号を定期的に送信する。電気機器40は、管理システム1から送信された要求信号を第2端末30を介して受信すると、当該電気機器40の動作状態に関する機器情報を第2端末30を介して管理システム1に送信する。これにより、管理システム1は、電気機器40の機器情報を定期的に取得することができる。なお、取得部111は、所定のイベントの発生をトリガとして電気機器40に機器情報の送信を要求する要求信号を送信してもよく、任意のタイミングで機器情報を取得できる。ここにおいて、機器情報とは、電気機器40の累計の使用時間の情報、電気機器40で異常が発生しているか否かを示す情報、及び電気機器40で起こりうる異常の前駆症状に関する情報のうち少なくとも1つを含む。
【0088】
そして、出力部114は、取得部111が取得した機器情報を出力先端末(第1端末50又は第2端末30)に出力する。例えば、管理システム1の送受信部12が出力先端末からの送信要求を受信すると、出力部114は、送信要求を受けた出力先端末に応じて選択された電気機器40の機器情報を送受信部12から出力先端末に送信させる。
【0089】
例えば、管理システム1の送受信部12が事業者B1の第1端末50から送信要求を受信した場合、出力部114は、事業者B1の保守サービスの対象である検知器20と同じ設置場所L1にある電気機器40の機器情報を抽出して第1端末50に送信する。これにより、事業者B1の担当者は、管理対象の検知器20と同じ設置場所L1にある電気機器40の動作状態を把握できる。
【0090】
また、管理システム1の送受信部12が第2端末30から送信要求を受信した場合、出力部114は、第2端末30と同じ設置場所L1にある電気機器40の機器情報を抽出して第2端末30に送信する。これにより、設置場所L1を使用する施設利用者は、当該設置場所L1に設置された第2端末30を用いて、当該設置場所L1に設置された電気機器40の動作状態を確認できる。
【0091】
(4)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、管理システム1と同様の機能は、管理方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る管理方法は、取得処理と、出力処理とを含む。取得処理では、複数の設置場所L1にそれぞれ設置された複数の検知器20の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する。出力処理では、複数の出力先端末(第1端末50及び第2端末30)のそれぞれに取得処理で取得した検知器情報を出力する。出力処理では、取得処理で取得した検知器情報のうち出力先端末(第1端末50及び第2端末30)ごとに検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の検知器情報を、識別情報及び場所情報の少なくとも一方と対応付けて出力先端末(第1端末50及び第2端末30)に出力する。識別情報及び場所情報は、出力対象の検知器情報の取得元である検知器20の識別情報及び設置場所L1に関する場所情報である。また、一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムに、取得処理と、出力処理と、を実行させるためのプログラムである。
【0092】
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。なお、以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
【0093】
本開示における管理システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における管理システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0094】
また、管理システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは管理システム1に必須の構成ではなく、管理システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、管理システム1の少なくとも一部の機能、例えば、管理システム1が備える取得部111、判断部112、期間設定部113、及び出力部114の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0095】
上記の基本例では、第1端末50を使用する事業者B1が、検知器20の保守作業を行う保守サービス事業者であったが、事業者B1は保守サービス事業者に限定されない。事業者B1はハウスメーカでもよく、ハウスメーカの担当者が、第1端末50を用いて、当該ハウスメーカが建てた施設に設置されている検知器20又は電気機器40の動作状態を確認できる。また、事業者B1は検知器20又は電気機器40を販売する販売事業者でもよく、販売事業者の担当者は、第1端末50を用いて、当該販売事業者が販売した検知器20又は電気機器40の動作状態を確認できる。また、販売事業者の担当者は、第1端末50を用いて、検知器20又は電気機器40の点検や更新等の提案を行うことができる。
【0096】
上記の基本例では、取得部111が、複数の検知器20から取得した検知器情報のそれぞれに対して、検知器情報の内容に基づいて検知器情報を出力する出力先端末の情報を設定している。そして、出力部114は、取得部111によって設定された出力先端末の情報に基づいて、出力先端末ごとに出力対象の検知器情報を選択している。なお、出力部114は、出力先端末が管理システム1にアクセスする際に使用するID又はパスワードと、検知器情報の内容とに基づいて、複数の検知器情報の中から出力対象の検知器情報を選択してもよい。
【0097】
上記の基本例において、各設置場所L1に設置された第2端末30が、同じ設置場所L1に設置された検知器20から定期的又は不定期に検知器情報を収集し、検知器20から収集した検知器情報を記憶部36に蓄積してもよい。ここで、第2端末30は、親機となる検知器20から親機となる検知器20及び子機となる検知器20の検知器情報を収集してもよいし、複数の検知器20の各々から検知器情報を収集してもよい。そして、第2端末30が、管理システム1から検知器情報の送信を要求する要求信号を受信すると、記憶部36に蓄積している検知器情報を管理システム1に送信してもよい。この場合、管理システム1の取得部111は、第2端末30が収集していた検知器情報を、第2端末30から取得することによって、各検知器20の検知器情報を取得する。取得部111は、第2端末30が予め収集していた検知器情報を取得するので、検知器情報を短時間で取得できる。なお、第2端末30が、管理システム1から送信された要求信号を受信すると、同じ設置場所L1に設置された検知器20から検知器情報を収集して、管理システム1に送信してもよい。すなわち、管理システム1が第2端末30に要求信号を送信すると、第2端末30が、既に検知器20から収集している検知器情報、もしくは要求信号の受信をトリガにして検知器20から収集した検知器情報を管理システム1に送信すればよい。
【0098】
なお、各設置場所L1に設置された第2端末30は、同じ設置場所L1に設置された電気機器40から定期的又は不定期に機器情報を収集し、電気機器40から収集した機器情報を記憶部36に蓄積してもよい。そして、第2端末30が、管理システム1から機器情報の送信を要求する要求信号を受信すると、記憶部36に蓄積している機器情報を管理システム1に送信してもよい。すなわち、管理システム1が第2端末30に要求信号を送信すると、第2端末30が、既に電気機器40から収集している機器情報、もしくは要求信号の受信をトリガにして電気機器40から収集した機器情報を管理システム1に送信すればよい。
【0099】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る管理システム(1)は、取得部(111)と、出力部(114)とを備える。取得部(111)は、複数の設置場所(L1)にそれぞれ設置された複数の検知器(20)の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する。出力部(114)は、複数の出力先端末(30,50)のそれぞれに取得部(111)が取得した検知器情報を出力する。出力部(114)は、取得部(111)が取得した検知器情報のうち出力先端末(30,50)ごとに検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の検知器情報を、識別情報及び場所情報の少なくとも一方と対応付けて出力先端末(30,50)に出力する。識別情報及び場所情報は、出力対象の検知器情報の取得元である検知器(20)の識別情報及び設置場所(L1)に関する場所情報である。
【0100】
この態様によれば、複数の出力先端末(30,50)のそれぞれには、当該出力先端末(30,50)に応じて選択された出力対象の検知器情報と、識別情報及び場所情報の少なくとも一方が出力部(114)から出力される。したがって、複数の出力先端末(30,50)をそれぞれ使用する複数のユーザに、出力先端末(30,50)ごとに検知器情報の内容に応じて選択された出力対象の検知器情報を提供できる。よって、複数の出力先端末(30,50)を使用する複数のユーザのそれぞれで検知器(20)の動作状態を確認できるようになり、使い勝手を向上可能な管理システム(1)を提供できる。
【0101】
第2の態様に係る管理システム(1)では、第1の態様において、取得部(111)は、複数の検知器(20)の各々に、検知器情報の送信を要求する要求信号を定期的に出力する。
【0102】
この態様によれば、取得部(111)は、複数の検知器(20)の各々から検知器情報を定期的に取得できる。
【0103】
第3の態様に係る管理システム(1)では、第1又は第2の態様において、出力部(114)は、出力対象の検知器情報と、識別情報及び場所情報の少なくとも一方とをリスト化した情報を出力先端末(30,50)に出力する。
【0104】
この態様によれば、複数の出力先端末(30,50)を利用する複数のユーザのそれぞれは、出力対象の検知器情報と識別情報と場所情報とのうち2つ以上の情報をリスト化した情報に基づいて、複数の検知器(20)の動作状態を確認できる。
【0105】
第4の態様に係る管理システム(1)は、第1~第3のいずれかの態様において、取得部(111)が取得した検知器情報の優先度を判断する判断部(112)を更に備える。出力部(114)は、出力対象の検知器情報に、優先度の情報を対応付けて、出力先端末(30,50)に出力する。
【0106】
この態様によれば、出力対象の検知器情報には優先度の情報が対応付けられているので、複数の出力先端末(30,50)を利用する複数のユーザのそれぞれは複数の検知器(20)の動作状態を確認しやすくなるという利点がある。
【0107】
第5の態様に係る管理システム(1)は、第1~第4のいずれかの態様において、取得部(111)が取得した検知器情報に対して対応期間を設定する期間設定部(113)を更に備える。出力部(114)は、出力対象の検知器情報に、対応期間の情報を対応付けて、出力先端末(30,50)に出力する。
【0108】
この態様によれば、出力対象の検知器情報には対応期間の情報が対応付けられているので、複数の出力先端末(30,50)を利用する複数のユーザのそれぞれは出力対象の検知器情報に対応する期間を確認しやすくなる。
【0109】
第6の態様に係る管理システム(1)では、第1~第5のいずれかの態様において、取得部(111)は、複数の検知器(20)のうち少なくとも一部の検知器(20)から中継器(30)を介して検知器情報を取得する。
【0110】
この態様によれば、取得部(111)は、検知器(20)から中継器(30)を介して検知器情報を取得することができる。
【0111】
第7の態様に係る管理システム(1)では、第6の態様において、取得部(111)は、中継器(30)を介して、検知器(20)以外の電気機器(40)から当該電気機器(40)の動作状態に関する機器情報を取得する。出力部(114)は、取得部(111)が取得した機器情報を出力先端末(30,50)に出力する。
【0112】
この態様によれば、複数の出力先端末(30,50)を利用する複数のユーザのそれぞれは、出力先端末(30,50)を用いて、取得部(111)が電気機器(40)から取得した機器情報を確認することができる。
【0113】
第8の態様に係る管理システム(1)では、第1~第7のいずれかの態様において、検知器情報は、検知器(20)の保守作業に利用される情報を含む。
【0114】
この態様によれば、出力先端末(50)のユーザは、検知器情報に含まれる情報を保守作業に役立てることができる。
【0115】
第9の態様に係る管理方法は、取得処理と、出力処理とを含む。取得処理では、複数の設置場所(L1)にそれぞれ設置された複数の検知器(20)の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する。出力処理では、複数の出力先端末(30,50)のそれぞれに取得処理で取得した検知器情報を出力する。出力処理では、取得処理で取得した検知器情報のうち出力先端末(30,50)ごとに検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の検知器情報を、識別情報及び場所情報の少なくとも一方と対応付けて出力先端末(30,50)に出力する。識別情報及び場所情報は、出力対象の検知器情報の取得元である検知器(20)の識別情報及び設置場所(L1)に関する場所情報である。
【0116】
この態様によれば、複数の出力先端末(30,50)のそれぞれには、当該出力先端末(30,50)に応じて選択された出力対象の検知器情報と、識別情報及び場所情報の少なくとも一方が出力部(114)から出力される。したがって、複数の出力先端末(30,50)をそれぞれ使用する複数のユーザに、出力先端末(30,50)ごとに検知器情報の内容に応じて選択された出力対象の検知器情報を提供できる。よって、複数の出力先端末(30,50)を使用する複数のユーザのそれぞれで検知器(20)の動作状態を確認できるようになり、使い勝手を向上可能な検知器(20)の管理方法を提供できる。
【0117】
第10の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、取得処理と、出力処理とを実行させるためのプログラムである。取得処理では、複数の設置場所(L1)にそれぞれ設置された複数の検知器(20)の各々から動作状態に関する検知器情報を取得する。出力処理では、複数の出力先端末(30,50)のそれぞれに取得処理で取得した検知器情報を出力する。出力処理では、取得処理で取得した検知器情報のうち出力先端末(30,50)ごとに検知器情報の内容に応じて選択した出力対象の検知器情報を、識別情報及び場所情報の少なくとも一方と対応付けて出力先端末(30,50)に出力する。識別情報及び場所情報は、出力対象の検知器情報の取得元である検知器(20)の識別情報及び設置場所(L1)に関する場所情報である。
【0118】
この態様によれば、複数の出力先端末(30,50)のそれぞれには、当該出力先端末(30,50)に応じて選択された出力対象の検知器情報と、識別情報及び場所情報の少なくとも一方が出力部(114)から出力される。したがって、複数の出力先端末(30,50)をそれぞれ使用する複数のユーザに、出力先端末(30,50)ごとに検知器情報の内容に応じて選択された出力対象の検知器情報を提供できる。よって、複数の出力先端末(30,50)を使用する複数のユーザのそれぞれで検知器(20)の動作状態を確認できるようになり、管理システム(1)の使い勝手を向上可能なプログラムを提供できる。
【0119】
上記態様に限らず、上記実施形態に係る管理システム(1)の種々の構成(変形例を含む)は、管理方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化可能である。
【0120】
第2~第8の態様に係る構成については、管理システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0121】
1 管理システム
20 検知器
30 第2端末(出力先端末、中継器)
40 電気機器
50 第1端末(出力先端末)
111 取得部
112 判断部
113 期間設定部
114 出力部
L1 設置場所