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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】医療用吸引器具
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/14 20060101AFI20241011BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
A61M25/14 512
A61M25/00 534
A61M25/00 650
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020195783
(22)【出願日】2020-11-26
(65)【公開番号】P2022084123
(43)【公開日】2022-06-07
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】510097747
【氏名又は名称】国立研究開発法人国立がん研究センター
(73)【特許権者】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】吉永 繁高
(72)【発明者】
【氏名】谷内田 真一
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 道男
(72)【発明者】
【氏名】山辺 悦朗
(72)【発明者】
【氏名】山本 弘明
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-033112(JP,A)
【文献】実開平02-136645(JP,U)
【文献】特許第6211241(JP,B1)
【文献】特開2003-275322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/14
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺な管状本体を備え、
前記管状本体は、
互いに並列な配置でそれぞれ当該管状本体の長手方向に沿って形成されている送液用の第1ルーメン及び吸引用の第2ルーメンと、
当該管状本体の外周面に開口していて前記第1ルーメンの先端部から液体を吐出する吐液孔と、
前記吐液孔よりも先端側において当該管状本体の外周面に開口しているとともに前記第2ルーメンと連通している周面吸引孔と、
を有し、
前記第1ルーメン及び前記吐液孔を介した液体の吐出と、前記周面吸引孔及び前記第2ルーメンを介した液体の吸引と、が可能となっており、
前記周面吸引孔は、前記管状本体の周方向における複数箇所にそれぞれ配置されており、
前記管状本体は、
前記第1ルーメンと前記第2ルーメンとを相互に仕切る隔壁と、
前記吐液孔よりも先端側において前記第1ルーメンの先端部に充填されていて当該第1ルーメンの先端部を閉塞している閉塞部材と、
を有し、
前記隔壁は、前記閉塞部材よりも先端側に延出している延出部を有し、
前記周面吸引孔には、前記延出部を間に挟んで互いに反対側に位置する第1周面吸引孔と第2周面吸引孔とが含まれ、
前記延出部には、前記第1ルーメンと前記第2ルーメンとを相互に連通させる連通孔が形成されており、
前記第1周面吸引孔は、前記第1ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分と前記連通孔とを介して、前記第2ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分に対して連通しており、
前記第2周面吸引孔は、前記第2ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分に対して直に連通しており、
前記管状本体は、当該管状本体の先端側の端面であって前記長手方向における遠位側を向く先端面に開口している先端吸引孔を有し、
前記先端吸引孔には、前記第1ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分の先端に開口している第1先端吸引孔と、前記第2ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分の先端に開口している第2先端吸引孔と、が含まれ、
前記第1先端吸引孔と、前記第1ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分と、前記連通孔と、前記第2ルーメンと、を介した液体の吸引と、
前記第2先端吸引孔及び前記第2ルーメンを介した液体の吸引と、
が可能となっている医療用吸引器具。
【請求項2】
前記管状本体の前記先端面は楕円形状であり、
前記第1先端吸引孔及び前記第2先端吸引孔の各々の形状は、前記管状本体の前記先端面の前記楕円形状を長軸方向において分割した半楕円形状である請求項1に記載の医療用吸引器具。
【請求項3】
前記第1ルーメン及び前記第2ルーメンの各々の内腔断面形状は、楕円を長軸方向において分割した半楕円形状である請求項に記載の医療用吸引器具。
【請求項4】
前記管状本体は、前記隔壁とともに前記第1先端吸引孔及び前記第2先端吸引孔を画定している周壁部を有し、
前記管状本体の前記先端面における前記隔壁の厚み寸法が、前記周壁部において前記管状本体の前記先端面の前記楕円形状の長軸上に位置する部位の厚み寸法よりも、大きい請求項2又は3に記載の医療用吸引器具。
【請求項5】
前記周面吸引孔は、前記管状本体の長手方向における複数箇所にそれぞれ配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載の医療用吸引器具。
【請求項6】
前記管状本体には、前記吐液孔の配置領域を示す第1マーキング部が形成されている請求項1からのいずれか一項に記載の医療用吸引器具。
【請求項7】
前記第1マーキング部は、前記管状本体の外面に形成されているとともに、前記管状本体の周方向において前記吐液孔と対応する領域に選択的に配置されている請求項に記載の医療用吸引器具。
【請求項8】
前記管状本体の長手方向において、前記第1マーキング部の先端位置は、前記吐液孔の先端位置と一致しており、前記第1マーキング部の基端位置は、前記吐液孔の基端位置よりも基端側に位置している請求項又はに記載の医療用吸引器具。
【請求項9】
前記管状本体には、前記周面吸引孔の配置領域を示す第2マーキング部が形成されている請求項からのいずれか一項に記載の医療用吸引器具。
【請求項10】
当該医療用吸引器具は、内視鏡のチャンネルに挿通して用いられるものであり、
前記管状本体には、前記第1マーキング部よりも基端側に、第3マーキング部が形成されており、
前記第2マーキング部から前記第3マーキング部までの前記管状本体の長さ寸法は、前記内視鏡の前記チャンネルの長さ寸法と対応している請求項に記載の医療用吸引器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用吸引器具に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用吸引器具としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。
特許文献1の医療用吸引器具(同文献には、内視鏡手術用送水・吸引洗浄管と記載)は、長尺の管状本体(同文献には、内筒と記載)と、管状本体の内部に形成されているルーメン(同文献には、第2の中空孔と記載)と、を備えており、当該ルーメンを介して、液体の吐出と液体の吸引とがそれぞれ可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-049364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者等の検討によれば、特許文献1の技術は、生体から体液を吸引する構造について、なお改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、生体から体液をより良好に吸引することが可能な構造の医療用吸引器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、長尺な管状本体を備え、
前記管状本体は、
互いに並列な配置でそれぞれ当該管状本体の長手方向に沿って形成されている送液用の第1ルーメン及び吸引用の第2ルーメンと、
当該管状本体の外周面に開口していて前記第1ルーメンの先端部から液体を吐出する吐液孔と、
前記吐液孔よりも先端側において当該管状本体の外周面に開口しているとともに前記第2ルーメンと連通している周面吸引孔と、
を有し、
前記第1ルーメン及び前記吐液孔を介した液体の吐出と、前記周面吸引孔及び前記第2ルーメンを介した液体の吸引と、が可能となっており、
前記周面吸引孔は、前記管状本体の周方向における複数箇所にそれぞれ配置されており、
前記管状本体は、
前記第1ルーメンと前記第2ルーメンとを相互に仕切る隔壁と、
前記吐液孔よりも先端側において前記第1ルーメンの先端部に充填されていて当該第1ルーメンの先端部を閉塞している閉塞部材と、
を有し、
前記隔壁は、前記閉塞部材よりも先端側に延出している延出部を有し、
前記周面吸引孔には、前記延出部を間に挟んで互いに反対側に位置する第1周面吸引孔と第2周面吸引孔とが含まれ、
前記延出部には、前記第1ルーメンと前記第2ルーメンとを相互に連通させる連通孔が形成されており、
前記第1周面吸引孔は、前記第1ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分と前記連通孔とを介して、前記第2ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分に対して連通しており、
前記第2周面吸引孔は、前記第2ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分に対して直に連通しており、
前記管状本体は、当該管状本体の先端側の端面であって前記長手方向における遠位側を向く先端面に開口している先端吸引孔を有し、
前記先端吸引孔には、前記第1ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分の先端に開口している第1先端吸引孔と、前記第2ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分の先端に開口している第2先端吸引孔と、が含まれ、
前記第1先端吸引孔と、前記第1ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分と、前記連通孔と、前記第2ルーメンと、を介した液体の吸引と、
前記第2先端吸引孔及び前記第2ルーメンを介した液体の吸引と、
が可能となっている医療用吸引器具が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、生体から体液をより良好に吸引することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る医療用吸引器具の全体構成を示す図である。
図2】実施形態に係る医療用吸引器具における管状本体の側面図である。
図3】実施形態に係る医療用吸引器具における管状本体の縦断面図である。
図4】実施形態に係る医療用吸引器具における管状本体の先端の正面図である。
図5図5(a)、図5(b)、図5(c)及び図5(d)は実施形態に係る医療用吸引器具の横断面図であり、このうち図5(a)は図2に示すA-A線に沿った断面図、図5(b)は図2に示すB-B線に沿った断面図、図5(c)は図2に示すC-C線に沿った断面図、図5(d)は図2に示すD-D線に沿った断面図である。
図6図6(a)から図6(g)は実施形態に係る医療用吸引器具における連結部を形成する手順の一例を説明するための一連の工程図である。
図7】実施形態における内視鏡の模式図であり、挿入部及び操作部の各々を図示している。
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図1から図7を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
また、本発明の医療用吸引器具100の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要は無く、一つの構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
また、以下において、医療用吸引器具100の遠位側を先端側、その近位側を基端側ともいう。また、遠位端部(先端部)は、遠位端(最先端)およびその周辺を含む範囲を意味し、近位端部(基端部)とは、近位端(最基端)およびその周辺を含む範囲を意味するものとする。
また、以下において、管状本体10の軸方向を単に軸方向と称したり、管状本体10の径方向を単に径方向と称したり、管状本体10の周方向を単に周方向と称したりする場合がある。
【0010】
図1から図5(d)のいずれかに示すように、本実施形態に係る医療用吸引器具100は、長尺な管状本体10を備え、管状本体10は、互いに並列な配置でそれぞれ当該管状本体10の長手方向に沿って形成されている送液用の第1ルーメン21及び吸引用の第2ルーメン22と、当該管状本体10の外周面に開口していて第1ルーメン21の先端部10aから液体を吐出する吐液孔13と、吐液孔13よりも先端側において当該管状本体10の外周面に開口しているとともに第2ルーメン22と連通している周面吸引孔14と、を有する。
第1ルーメン21及び吐液孔13を介した液体の吐出と、周面吸引孔14及び第2ルーメン22を介した液体の吸引と、が可能となっている。
【0011】
本実施形態の場合、医療用吸引器具100は、生体管腔への生理食塩水等の液体の吐出、及び、生体管腔からの体液(典型的には体液を希釈したもの)の吸引に用いられる。
【0012】
本実施形態によれば、送液用の第1ルーメン21及び吐液孔13によって、生理食塩水等の液体が流動する送液用の流路が構成されており、吸引用の第2ルーメン22及び周面吸引孔14によって、生体管腔からの体液等が流動する吸引用の流路が構成されている。すなわち、送液用の流路と吸引用の流路とが互いに独立しているので、生体への液体(以下、希釈用液体)の吐出と生体からの液体(以下、吸引液体)の吸引との両方を、医療用吸引器具100によって良好に行うことができる。
より詳細には、医療用吸引器具100によって、生体管腔内に希釈用液体を吐出した後に、生体管腔内から吸引液体を吸引することも可能であり、生体管腔内に希釈用液体を吐出しつつ、生体管腔内から吸引液体を吸引することも可能である。
このため、例えば、生体から分泌された体液の量が十分ではない、もしくは当該体液の粘度が高い場合においても、吐液孔13を介して生体管腔の内部に希釈用液体を吐出し、当該体液を希釈用液体と混合させ希釈することにより得られる液体(吸引液体)を吸引することによって、生体管腔から体液をより良好に吸引することができる。
【0013】
本実施形態の場合、管状本体10は、長尺な中空の管状部材である。管状本体10は、第1ルーメン21と第2ルーメン22とを内部に有する。
図2及び図3に示すように、第1ルーメン21及び第2ルーメン22の各々は、管状本体10の全長に亘って形成されている。なお、図3は、図4に示すA-A線に沿った断面図である。
第1ルーメン21及び第2ルーメン22の各々の遠位端は、管状本体10の遠位端において開口している。また、第1ルーメン21の近位端は送液用枝管31(図1参照)と連通されており、第2ルーメン22の近位端は吸引用枝管32(図1参照)と連通されている。
【0014】
図2及び図3に示すように、管状本体10は、例えば、第1ルーメン21と第2ルーメン22とを相互に仕切る隔壁16と、吐液孔13よりも先端側において第1ルーメン21の先端部に充填されていて当該第1ルーメン21の先端部を閉塞している閉塞部材18(図5(b)等参照)と、を有する。
そして、隔壁16は、例えば、閉塞部材18よりも先端側に延出している延出部17を有する。
より詳細には、隔壁16は、管状本体10の軸心を通り、且つ、管状本体10の先端(遠位端)から基端(近位端)に亘って形成されている。隔壁16の一対の壁面は、互いに反対向きとなっており、それぞれ径方向を向いている。隔壁16は、第1ルーメン21と第2ルーメン22とを径方向において仕切っている。
図2図3及び図5(a)に示すように、管状本体10は、例えば、周壁部19と隔壁16とを有しており、周壁部19は、隔壁16とともに第1ルーメン21を確定している第1周壁部19aと、隔壁16とともに第2ルーメン22を画定している第2周壁部19bと、を含む。
図4に示すように、先端側から視た周壁部19の全体の形状は、例えば、楕円環状である。周壁部19の内部において、周壁部19の短軸方向に沿って隔壁16が架設されている。したがって、隔壁16は、長軸方向において第1ルーメン21と第2ルーメン22とを互いに分割している。
閉塞部材18は、第1ルーメン21において、吐液孔13よりも先端側に位置している。また、閉塞部材18は、例えば、周面吸引孔14よりも基端側に位置している。より詳細には、閉塞部材18の先端18a及び基端18bの各々は、吐液孔13よりも先端側に位置しているとともに、周面吸引孔14よりも基端側に位置している。
閉塞部材18は、第1ルーメン21において、閉塞部材18よりも基端側の部分と閉塞部材18よりも先端側の部分を互いに分断している。すなわち、延出部17に沿って延在する部分21a(図2及び図3参照)と、隔壁16における延出部17よりも基端側の領域に沿って延在する部分21b(図2及び図3参照)と、を互いに分断している。
また、管状本体10において、閉塞部材18の形成領域と対応している箇所には、例えば、管状本体10の外周面に開口している開口部11が形成されている。閉塞部材18の一部分は、例えば、当該開口部11を介して管状本体10の外部に露出している。
閉塞部材18は、例えば、接着剤である。閉塞部材18は、シリンジによって当該接着剤を第1ルーメン21の内腔に開口部11を介して局所的に充填することにより形成されている。
ただし、例えば、予め別体に成形された閉塞部材18を、第1ルーメン21の内腔に押し込むことによって、第1ルーメン21の先端部を閉塞していてもよい。
【0015】
図5(a)から図5(d)に示すように、第1ルーメン21及び第2ルーメン22の各々の内腔断面形状は、例えば、楕円を長軸方向において分割した半楕円形状である。換言すると、第1ルーメン21及び第2ルーメン22の各々の横断面形状は、例えば、楕円を長軸方向において分割した半楕円形状である。
第1ルーメン21と第2ルーメン22とは、軸心を基準として、互いに対称形状となっている。
ただし、第1ルーメン21及び第2ルーメン22の各々の内腔断面形状は特に限定されず、例えば、円形や楕円形であってもよい。
第1ルーメン21の直径(円相当径)と第2ルーメン22の直径(円相当径)とは、例えば、互いに同等の寸法に設定されている。
また、第1ルーメン21の直径(円相当径)及び第2ルーメン22の直径(円相当径)の各々は、例えば、管状本体10の軸心方向における位置にかかわらず均一である。ただし、第1ルーメン21の直径(円相当径)及び第2ルーメン22の直径(円相当径)の各々は、例えば、軸心方向における位置に応じて異なっていてもよい。また、第1ルーメン21の直径(円相当径)と第2ルーメン22の直径(円相当径)とは、例えば、互いに異なる寸法に設定されていてもよい。
【0016】
図5(c)に示すように、吐液孔13は、例えば、第1周壁部19aを貫通している。すなわち、吐液孔13は、医療用吸引器具100の外部と第1ルーメン21の内部空間とを相互に連通させている。第1ルーメン21に注入された希釈用液体は、吐液孔13から生体管腔に排出される。なお、図5(c)において、希釈用液体の動きを矢印で示している。
図2図3及び図5(c)に示すように、本実施形態の場合、吐液孔13の数は、例えば、1つである。
軸方向において、吐液孔13の中心から管状本体10の先端面12までの長さ寸法は、例えば、20mm以上60mm以下であることが好ましく、30mm以上50mm以下であることがより好ましい。
また、吐液孔13の直径は、例えば、0.5mm以上1.2mm以下であることが好ましく、0.7mm以上1.0mm以下であることがより好ましい。
なお、本発明において、吐液孔13の数は特に限定されず、例えば、複数であってもよい。吐液孔13の数が複数である場合、吐液孔13は、例えば、周方向における複数の箇所に配置されていてもよいし、長手方向における複数の箇所に配置されていてもよい。また、各吐液孔13の直径は、例えば、互いに同等の寸法であってもよいし、互いに異なる寸法であってもよい。
【0017】
図5(a)に示すように、周面吸引孔14は、例えば、第1周壁部19a又は第2周壁部19bを貫通している。すなわち、周面吸引孔14は、医療用吸引器具100の外部と第2ルーメン22の内部空間とを相互に連通させている。生体管腔内の吸引液体は、周面吸引孔14から第2ルーメン22に吸引される。なお、図5(a)において、吸引液体の動きを矢印で示している。
【0018】
ここで、本実施形態の場合、周面吸引孔14は、管状本体10の長手方向における複数箇所にそれぞれ配置されている。
管状本体10に複数の周面吸引孔14が長手方向において形成されているため、長手方向におけるいずれかの周面吸引孔14が生体組織によって塞がれていたとしても、その他の周面吸引孔14から良好に吸引液体を吸引することができる。
【0019】
更に、本実施形態の場合、周面吸引孔14は、管状本体10の周方向における複数箇所にそれぞれ配置されている。
管状本体10に複数の周面吸引孔14が周方向において形成されているため、周方向におけるいずれかの周面吸引孔14が生体組織によって塞がれていたとしても、その他の周面吸引孔14から良好に吸引液体を吸引することができる。
【0020】
より詳細には、図2及び図3に示すように、本実施形態の場合、周面吸引孔14には、延出部17を間に挟んで互いに反対側に位置する第1周面吸引孔14aと第2周面吸引孔14bとが含まれる。
また、隔壁16の延出部17には、例えば、第1ルーメン21と第2ルーメン22とを相互に連通させる連通孔17a(図2及び図5(a)参照)が形成されている。
第1周面吸引孔14aは、第1ルーメン21において延出部17に沿って延在する部分21aと連通孔17aとを介して、第2ルーメン22において延出部17に沿って延在する部分22a(図2及び図3参照)に対して連通しており、第2周面吸引孔14bは、第2ルーメン22において延出部17に沿って延在する部分に対して直に連通している。
よって、第1周面吸引孔14a及び第2周面吸引孔14bのうち一方が生体組織によって塞がれていたとしても、第1周面吸引孔14a及び第2周面吸引孔14bのうち他方から良好に吸引液体を吸引することができる。
より詳細には、上述のように、閉塞部材18によって、延出部17に沿って延在する部分21aと、隔壁16における延出部17よりも基端側の領域に沿って延在する部分21bと、が互いに分断されている。よって、第1周面吸引孔14aから吸引された吸引液体は、第1ルーメン21における吐液孔13と連通している領域(隔壁16における延出部17よりも基端側の領域に沿って延在する部分21b)に流入することなく、第1ルーメン21において延出部17に沿って延在する部分21aと連通孔17aとを介して、第2ルーメン22に流入し、後述する吸引器具に更に吸引される。また、第2周面吸引孔14bから吸引された吸引液体は、直に第2ルーメン22に流入し、吸引器具に吸引される。
このように、医療用吸引器具100は、第1周面吸引孔14aと第2周面吸引孔14bとの両方から吸引液体を吸引することができる。
【0021】
図5(a)に示すように、第1周面吸引孔14aは、例えば、第1周壁部19aを貫通している。
また、図2に示すように、第1周面吸引孔14aは、例えば、2つ形成されており、2つの第1周面吸引孔14aは、管状本体10の長手方向において互いに異なる位置に配置されているとともに、周方向において互いに同じ位置に配置されている。また、2つの第1周面吸引孔14aは、例えば、周方向において、それぞれ吐液孔13の1と互いに同じ位置に配置されている。
図5(a)に示すように、第2周面吸引孔14bは、例えば、第2周壁部19bを貫通している。
第2周面吸引孔14bは、例えば、2つ形成されており、2つの第2周面吸引孔14bは、管状本体10の長手方向において互いに異なる位置に配置されているとともに、周方向において、互いに同じ位置に配置されている。
換言すると、周面吸引孔14は、管状本体10の長手方向における2箇所に配置されているとともに、管状本体10の周方向における2箇所に配置されている。
ここで、図5(a)に示すように、基端側の第1周面吸引孔14aと、基端側の第2周面吸引孔14bとは、周方向において互いに180度対向して配置されている。同様に、先端側の第1周面吸引孔14aと、先端側の第2周面吸引孔14bとは、周方向において互いに180度対向して配置されている。
これにより、例えば、管状本体10を軸回りに回転させることにより、吐液孔13の向き(開口の向き)を360度回転させながら、各周面吸引孔14(第1周面吸引孔14a及び第2周面吸引孔14b)を介して生体管腔内から吸引液体を吸引することができる。したがって、生体管腔内に希釈用液体を良好に散布しつつ、吸引液体を吸引することができる。
また、図5(a)に示すように、第1周面吸引孔14aの直径と第2周面吸引孔14bの直径とは、例えば、互いに同等の寸法に設定されている。なお、図2に示すE-E線に沿った断面図は、図5(a)と同様の断面図となるため図示を省略している。
【0022】
連通孔17aは、例えば、延出部17において、基端側の第1周面吸引孔14a及び基端側の第2周面吸引孔14bの各々と対応している部分と、先端側の第1周面吸引孔14a及び先端側の第2周面吸引孔14bの各々と対応している部分と、にそれぞれ形成されている。
各連通孔17aは、例えば、延出部17を径方向に貫通している貫通孔であり、第1ルーメン21と第2ルーメン22とを相互に連通させている。
【0023】
軸方向において、先端側の第1周面吸引孔14aの中心から管状本体10の先端面12までの長さ寸法(先端側の第2周面吸引孔14bの中心から管状本体10の先端面12までの長さ寸法)は、例えば、1mm以上3mm以下であることが好ましい。
また、軸方向において、基端側の第1周面吸引孔14aの中心から管状本体10の先端面12までの長さ寸法(基端側の第2周面吸引孔14bの中心から管状本体10の先端面12までの長さ寸法)は、例えば、4mm以上6mm以下であることが好ましい。
各周面吸引孔14の直径は、例えば、0.5mm以上1.2mm以下であることが好ましく、0.7mm以上1.0mm以下であることがより好ましい。また、周面吸引孔14の直径と吐液孔13の直径とは、一例として、互いに同等の寸法に設定されているが、周面吸引孔14の直径と吐液孔13の直径とは、例えば、互いに異なる寸法に設定されていてもよい。
【0024】
更に、図4に示すように、管状本体10は、当該管状本体の先端面12に開口している先端吸引孔15を有し、先端吸引孔15及び第2ルーメン22を介した液体(吸引液体)の吸引が可能となっている。
ここで、以下の説明において、周面吸引孔14(第1周面吸引孔14a及び第2周面吸引孔14b)と先端吸引孔15とを総称して吸引孔とする場合がある。
上述の構成によれば、管状本体10の外周面と先端面12との両方に吸引孔(周面吸引孔14又は先端吸引孔15)が形成されているため、周面吸引孔14及び先端吸引孔15のうち一方が生体組織によって塞がれていたとしても、残りの吸引孔から良好に吸引液体を吸引することができる。
より詳細には、先端吸引孔15は、第1ルーメン21の先端側の開口によって構成されている第1先端吸引孔15aと、第2ルーメン22の先端側の開口によって構成されている第2先端吸引孔15bと、を有する。
第1先端吸引孔15aから吸引された吸引液体は、第1ルーメン21において延出部17に沿って延在する部分と連通孔17aとを介して、第2ルーメン22に流入し、吸引器具に吸引される。また、第2先端吸引孔15bから吸引された吸引液体は、第2ルーメン22に吸引される。
【0025】
ここで、本実施形態の場合、一例として、医療用吸引器具100は、内視鏡300(図7参照)のチャンネル320(図7参照)に挿通して用いられるものである。なお、図7において、操作部330の基端部の図示を省略している。また、図7において、チャンネル320の軸心を一点鎖線で示している。
内視鏡300は、例えば、生体管腔に挿入される挿入部310と、挿入部310の近位端に接続されている操作部330と、を有している。
操作部330を操作することによって、挿入部310の屈曲操作を行うことができる。
挿入部310は、中空の長尺な管状部材であり、ルーメン310aを内部に有する。ルーメン310aは、挿入部310の全長に亘って形成されている。
操作部330の内部には、貫通孔330aが形成されており、当該貫通孔330aは、内視鏡300の外部と挿入部310のルーメン310aとを相互に連通させている。より詳細には、貫通孔330aの先端は、ルーメン310aの基端と接続されており、貫通孔330aの基端側の開口は操作部330の外周面に開口している。
チャンネル320は、例えば、貫通孔330aの内腔と挿入部310のルーメン310aとによって構成されている。より詳細には、チャンネル320の先端側の開口320aは、例えば、ルーメン310aの先端側の開口によって構成されており、チャンネル320の基端側の開口320bは、例えば、操作部330の貫通孔の基端側の開口によって構成されている。したがって、チャンネル320の先端側の開口320aは、挿入部310の先端において開口しており、チャンネル320の基端側の開口320bは、操作部330の外周面に開口している。
管状本体10は、例えば、チャンネル320の基端側の開口320bからチャンネル320に挿入され、管状本体10の先端部10aはチャンネル320の先端側の開口320aからチャンネル320の外部に露出(突出)する。
また、図7において、貫通孔330aの長さ寸法(貫通孔330aの軸方向における長さ寸法)を寸法L2で示しており、ルーメン310aの長さ寸法(挿入部310の軸方向における長さ寸法)を寸法L3で示している。そして、本実施形態の場合、内視鏡300のチャンネル320の長さ寸法は、例えば、寸法L2と寸法L3との合計値である。
なお、挿入部310は、例えば、ルーメン310a以外にも、図示しない複数のルーメンを内部に有している場合がある。
【0026】
図1及び図2に示すように、管状本体10には、例えば、吐液孔13の配置領域を示す第1マーキング部41が形成されている。なお、図1及び図2において、第1マーキング部41の形成箇所には、ドットの網掛けを付している。また、図5(c)において、周壁部19の外周面の外径線を確定している部分のうち、第1マーキング部41と対応している箇所については、その他の部分よりも太い線としている。
第1マーキング部41の位置を指標とすることにより、例えば、内視鏡による撮影画像を介して生体管腔内における吐液孔13の位置を適確に認識することができる。
【0027】
更に、図5(c)に示すように、第1マーキング部41は、管状本体10の外面に形成されているとともに、管状本体10の周方向において吐液孔13と対応する領域に選択的に配置されている。
第1マーキング部41の位置を指標とすることにより、例えば、内視鏡による撮影画像に基づいて生体管腔内における吐液孔13の向き(開口の向き)を適確に認識することができる。よって、吐液孔13を介して生体管腔内に希釈用液体を良好に吐出することができる。
ここで、管状本体10の周方向において吐液孔13と対応する領域とは、吐液孔13を中心として、周方向における双方向に伸びた領域を意味している。したがって、上記領域は、吐液孔13の形成範囲を含む所定の角度範囲である。本実施形態の場合、第1マーキング部41は、周方向における1/3の領域(120度の範囲)に形成されている。
【0028】
また、管状本体10の長手方向において、例えば、第1マーキング部41の先端位置は、吐液孔13の先端位置と一致しており、第1マーキング部41の基端位置は、吐液孔13の基端位置よりも基端側に位置している。
これにより、例えば、第1マーキング部41の基端がチャンネル320の先端側の開口320aから露出する深さまで、管状本体10をチャンネル320に挿入することによって、吐液孔13の全体をチャンネル320からより確実に露出させることができるので、良好に希釈用液体を吐出することができる。
なお、第1マーキング部41の先端位置は、例えば、吐液孔13の先端位置よりも先端側に位置していてもよいし、第1マーキング部41の基端位置は、例えば、吐液孔13の基端位置と一致していてもよい。
【0029】
また、図1及び図2に示すように、管状本体10には、例えば、周面吸引孔14の配置領域を示す第2マーキング部42が形成されている。なお、図1及び図2において、第2マーキング部42の形成箇所には、ドットの網掛けを付している。また、図5(a)において、周壁部19の外周面の外径線を確定している部分のうち、第2マーキング部42と対応している箇所については、その他の部分よりも太い線としている。
第2マーキング部42の位置を指標とすることにより、例えば、内視鏡による撮影画像に基づいて生体管腔内における周面吸引孔14の位置を適確に認識することができる。
より詳細には、第2マーキング部42は、管状本体10の外面に形成されているとともに、管状本体10の周方向において各周面吸引孔14と対応する領域に選択的に配置されている。すなわち、第2マーキング部42は、第1周面吸引孔14aと対応する領域に選択的に配置されている第2マーキング部42aと、第2周面吸引孔14bと対応する領域に選択的に配置されている第2マーキング部42bと、を含む。
ここで、管状本体10の周方向において周面吸引孔14と対応する領域とは、周面吸引孔14を中心として、周方向における双方向に伸びた領域を意味している。したがって、上記領域は、周面吸引孔14の形成範囲を含む所定の角度範囲である。
本実施形態の場合、第2マーキング部42a及び第2マーキング部42bは、それぞれ周方向における1/3の領域(120度の範囲)に形成されている。
第2マーキング部42の位置を指標とすることにより、例えば、内視鏡による撮影画像に基づいて生体管腔内における各周面吸引孔14の向き(開口の向き)を適確に認識することができる。よって、周面吸引孔14を介して生体管腔から吸引液体を良好に吸引することができる。
管状本体10の長手方向において、第2マーキング部42aの先端位置は、例えば、先端面12の位置と一致しており、第2マーキング部42aの基端位置は、基端側の第1周面吸引孔14aの基端位置と一致している。
同様に、管状本体10の長手方向において、第2マーキング部42bの先端位置は、例えば、先端面12の位置と一致しており、第2マーキング部42bの基端位置は、基端側の第2周面吸引孔14bの基端位置と一致している。
また、周方向において、第2マーキング部42aは、第1マーキング部41と同様の領域に形成されている。
【0030】
また、図1及び図2に示すように、管状本体10には、例えば、第1マーキング部41よりも基端側に、第3マーキング部43が形成されており、第2マーキング部42から第3マーキング部43までの管状本体10の長さ寸法は、内視鏡300のチャンネル320の長さ寸法と対応している。なお、図1及び図2において、第3マーキング部43の形成箇所には、ドットの網掛けを付している。
これにより、内視鏡300のチャンネル320の基端側の開口320bに対する第3マーキング部43の位置を確認することによって、内視鏡300のチャンネル320の先端側の開口320aに対する第2マーキング部42の位置を認識することができる。すなわち、第3マーキング部43を基端側の開口320bに対して位置合わせすることによって、先端側の開口320aに対する管状本体10の先端部10aの位置を調整することができる。これにより、周面吸引孔14をチャンネル320の先端側の開口320aから容易に露出(突出)させることができるので、周面吸引孔14を介して吸引液体をスムーズに吸引することができる。
より詳細には、本実施形態の場合、第2マーキング部42の先端から第3マーキング部43の基端までの管状本体10の長さ寸法(図2に示す寸法L1)は、例えば、内視鏡300のチャンネル320の長さ寸法(寸法L2と寸法L3との合計値)と第2マーキング部42の長さ寸法(軸方向における長さ寸法)との合計値と同等もしくはそれよりも長い寸法に設定されている。このため、例えば、第3マーキング部43が内視鏡300のチャンネル320の基端側の開口320bよりも先端側に位置する深さまで管状本体10をチャンネル320に挿入すると、各吸引孔(先端吸引孔15、第1周面吸引孔14a及び第2周面吸引孔14b)がそれぞれ先端側の開口320bから露出(突出)することとなる。よって、各吸引孔を介して吸引液体をスムーズに吸引することができる。
図2及び図5(d)に示すように、第3マーキング部43は、管状本体10の外面に形成されている。なお、図5(d)において、周壁部19の外周面の外径線を確定している部分のうち、第3マーキング部43と対応している箇所については、その他の部分よりも太い線としている。
本実施形態の場合、第3マーキング部43は、周方向における1/3の領域(120度の範囲)に形成されている。また、周方向において、第3マーキング部43は、第1マーキング部41及び第2マーキング部42aと同様の領域(角度範囲)に形成されている。
【0031】
本実施形態の場合、一例として、内視鏡300は、上部消化管に用いられるタイプのものであり、そのチャンネル320の長さ寸法は、例えば、1000mm以上1100mm以下である。したがって、第2マーキング部42から第3マーキング部43までの管状本体10の長さ寸法L1は、例えば、1100mm以上1300mm以下であることが好ましい。
ただし、第2マーキング部42から第3マーキング部43までの管状本体10の長さ寸法L1は、使用する内視鏡300のチャンネル320の長さ寸法に応じて適宜設定することができる。
また、軸方向における第1マーキング部41の長さ寸法は、例えば、4.0mm以上6.0mm以下であることが好ましい。
また、軸方向における第2マーキング部42の長さ寸法は、例えば、4.0mm以上6.0mm以下であることが好ましい。
また、軸方向における第3マーキング部43の長さ寸法は、例えば、4.0mm以上6.0mm以下であることが好ましい。
【0032】
第1マーキング部41から第3マーキング部43は、例えば、それぞれインクを塗布することによって形成されている。インクの色は特に限定されないが、一例として、黒色である。ただし、第1マーキング部41から第3マーキング部43は、互いに異なる色のインクによって形成されていてもよい。
本実施形態の場合、一例として、第1マーキング部41から第3マーキング部43は、吐液孔13及び各周面吸引孔14が形成された後に形成される。よって、吐液孔13及び各周面吸引孔14の各内周面にも上記インクが塗布されている。
また、例えば、医療用吸引器具100がX線(放射線)観察下で用いられる場合、第1マーキング部41から第3マーキング部43は、それぞれ白金やタングステンなどのX線不透過性の材料によって構成されており、管状本体10に埋設されていたり、管状本体10の外面に設けられていたりしてもよい。
【0033】
管状本体10は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン及びポリアミドなどの樹脂材料によって構成されている。管状本体10をポリ塩化ビニル、ポリウレタン及びポリアミドなどの樹脂材料で構成することにより、管状本体10の加工性が良好となる。
【0034】
管状本体10の外周面には、例えば、親水層(不図示)が形成されていることも好ましい。このようにすることにより、医療用吸引器具100が生体管腔に挿入される際の摺動抵抗を低減することができる。
親水層は、管状本体10の全長に亘って形成されていてもよく、または管状本体10の遠位端側の部分において、軸方向における一部の領域に形成されていてもよい。
親水層の材料は、特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)などの無水マレイン酸系ポリマーやその共重合体、ポリビニルピロリドンなどの親水性の樹脂材料であることが挙げられる。
【0035】
管状本体10の直径は、特に限定されないが、2mm以上5mm以下であることが好ましい。また、管状本体10の全長は、特に限定されないが、1500mm以上2000mm以下であることが好ましい。
また、管状本体10の最遠位端部の外径は、例えば、遠位側に向けて僅かに拡大していてもよい。
【0036】
図1に示すように、医療用吸引器具100は、例えば、希釈用液体を第1ルーメン21に供給するための送液用枝管31と、不図示の吸引器具と接続される吸引用枝管32と、を有する。送液用枝管31及び吸引用枝管32の各々は、連結部30を介して管状本体10の近位端に対して連結されている。
【0037】
送液用枝管31は、送液用枝管31の先端側の開口を介して第1ルーメン21と連通している。送液用枝管31の近位端には、送液用コネクタ31a(図1参照)が設けられている。送液用コネクタ31aには、送液用シリンジ(不図示)が装着される。
本実施形態の場合、送液用シリンジから送液用コネクタ31aに希釈用液体を供給することによって、送液用枝管31と、第1ルーメン21と、吐液孔13とを通じて当該希釈用液体を生体の内部に注入することができる。
【0038】
吸引用枝管32は、吸引用枝管32の先端側の開口を介して第2ルーメン22と連通している。吸引用枝管32の近位端には、吸引用コネクタ32a(図1参照)が設けられている。吸引用コネクタ32aには、例えば、吸引用シリンジ(不図示)や吸引器具(不図示)が装着される。
本実施形態の場合、吸引器具を介して医療用吸引器具100を吸引用シリンジや吸引源(不図示)と接続することにより、周面吸引孔14及び先端吸引孔15の各々と、第2ルーメン22と、吸引用枝管32とを通じて吸引液体を生体管腔から吸引器具に吸引することができる。
【0039】
連結部30は、例えば、筒状に形成されている第1チューブ36と、第1チューブ36に対して外挿されている第2チューブ37と、を有する。
管状本体10の基端部10bは、第1チューブ36の遠位端側の開口を介して第1チューブ36に対して挿入されており、送液用枝管31及び吸引用枝管32の各々の遠位端部は、第1チューブ36の近位端側の開口を介して第1チューブ36に対して挿入されている。したがって、管状本体10と、送液用枝管31と、吸引用枝管32と、はそれぞれ第1チューブ36によって一体的に結束されている。
この状態において、管状本体10における第1ルーメン21を構成している部分の近位端は、送液用枝管31の遠位端に対して接続されており、管状本体10における第2ルーメン22を構成している部分の近位端は、吸引用枝管32の遠位端に対して接続されている。
また、第1チューブ36の遠位端部の内周面は、管状本体10の外周面に沿って配置されており、第1チューブ36の近位端部の内周面は、送液用枝管31及び吸引用枝管32の各々の外周面に沿って配置されている。一方、軸方向における第1チューブ36の中間部(上記遠位端部及び近位端部を除いた部分)の内周面と管状本体10の外周面との間には間隙が形成されており、当該間隙には、接着剤220が充填されている。これにより、送液用枝管31及び吸引用枝管32の各々が、管状本体10の近位端と接続している状態を良好に維持することができる。
接着剤220は、特に限定されないが、例えば、ウレタン系接着剤である。
【0040】
第2チューブ37の遠位端部は、第1チューブ36の遠位端よりも遠位側に位置しているとともに、その内周面は管状本体10の外周面に沿って配置されている。同様に、第2チューブ37の近位端部は、第1チューブ36の近位端よりも近位端側に位置しているとともに、送液用枝管31及び吸引用枝管32の各々の外周面に沿って配置されている。また、軸方向における第2チューブ37の中央部(遠位端部及び近位端部を除いた部分)の内周面は、例えば、第1チューブ36の外周面に沿って配置されている。したがって、第2チューブ37が第1チューブ36の全体を覆っている状態で、第2チューブ37は第1チューブ36に対して外挿されている。
【0041】
次に、図6(a)から図6(g)を用いて、連結部30を形成する手順の一例について説明する。なお、図6(a)から図6(g)の各々は、図1のA部(一点鎖線で囲まれた領域)の軸方向に沿った断面図である。
先ず、図6(a)に示すように、管状本体10の基端部10bにおいて、例えば、第2ルーメン22を構成している部分における近位端を含む領域を選択的に除去する。これにより、管状本体10において、例えば、第2ルーメン22を構成している部分の近位端は、第1ルーメン21を構成している部分の近位端よりも、先端側に配置されている状態となる。
次に、第1ルーメン21及び第2ルーメン22の各々に、それぞれ中芯210を挿入する。第1ルーメン21に挿入されている中芯210の近位端部は、第1ルーメン21の近位端側の開口を介して外部に露出(突出)しており、第2ルーメン22に挿入されている中芯210の近位端部は、第2ルーメン22の近位端側の開口を介して外部に露出(突出)している。そして、図6(b)に示すように、第1ルーメン21に挿入されている中芯210の近位端部に対して送液用枝管31を外挿し、第2ルーメン22に挿入されている中芯210の近位端部に対して吸引用枝管32を外挿する。続いて、管状本体10における第1ルーメン21を構成している部分の近位端を、送液用枝管31の遠位端と接続させ、管状本体10における、第2ルーメン22を構成している部分の近位端を、吸引用枝管32の遠位端と接続させる。
続いて、図6(c)に示すように、管状本体10の基端部10bと送液用枝管31との繋ぎ目(境界部)と、管状本体10の基端部10bと吸引用枝管32との繋ぎ目(境界部)と、をそれぞれ一体的に覆うように、基端部10b、送液用枝管31及び吸引用枝管32の各々に対して外挿する。第1チューブ36の遠位端は、管状本体10における第2ルーメン22を構成している部分の近位端よりも遠位端側に配置され、第1チューブ36の近位端は、送液用枝管31の遠位端及び吸引用枝管32の遠位端の各々よりも近位端側に配置される。
更に、図6(d)に示すように、第1チューブ36の遠位端部を選択的に熱収縮させることにより、当該遠位端部の内周面を管状本体10の外周面に対して固定する。更に、第1チューブ36の内周面と管状本体10の外周面との間隙に接着剤220を注入する。ここで、第1チューブ36の遠位端部が管状本体10に対して固定されているため、接着剤220を第1チューブ36の内周面と管状本体10の外周面との間隙に良好に貯留させることができる。また、第1ルーメン21及び第2ルーメン22には、それぞれ中芯210が挿入されているので、第1ルーメン21及び第2ルーメン22の各々に接着剤220が流入してしまうことを抑制できる。同様に、送液用枝管31及び吸引用枝管32には、それぞれ中芯210が挿入されているので、送液用枝管31及び吸引用枝管32の各々の内腔に接着剤220が流入してしまうことを抑制できる。
次に、図6(e)に示すように、第1チューブ36の全体を熱収縮させることによって、第1チューブ36を介して、送液用枝管31及び吸引用枝管32をそれぞれ管状本体10の近位端に対して固定する。この際に、管状本体10における第1ルーメン21を構成している部分の近位端と、送液用枝管31の遠位端とは、互いに液密に熱融着される。同様に、管状本体10における、第2ルーメン22を構成している部分の近位端と、吸引用枝管32の遠位端とは、互いに液密に熱融着される。また、この状態において、第1チューブ36の遠位端部の内周面は、管状本体10の外周面に沿って配置されており、第1チューブ36の近位端部の内周面は、送液用枝管31及び吸引用枝管32の各々の外周面に沿って配置されている。
続いて、図6(f)に示すように、第1ルーメン21及び送液用枝管31に挿入されている中芯210を抜去するとともに、第2ルーメン22及び送液用枝管31に挿入されている中芯210を抜去する。そして、管状本体10の基端部10bと、送液用枝管31と、吸引用枝管32と、第1チューブ36と、をそれぞれ一体的に覆うように、第1チューブ36に対して第2チューブ37を外挿する。この状態において、第2チューブ37の遠位端は、第1チューブ36の遠位端よりも遠位端側に配置され、第2チューブ37の近位端は、第1チューブ36の近位端よりも近位端側に配置される。
なお、中芯210を抜去するタイミングは、例えば、第2チューブ37を熱収縮させた後であってもよい。
次に、図6(g)に示すように、第2チューブ37の全体を熱収縮させる。この状態において、第2チューブ37の遠位端部は、第1チューブ36の遠位端よりも遠位側に位置しているとともに、その内周面は管状本体10の外周面に沿って配置されている。同様に、第2チューブ37の近位端部は、第1チューブ36の近位端よりも近位端側に位置しているとともに、送液用枝管31及び吸引用枝管32の各々の外周面に沿って配置されている。また、軸方向における第2チューブ37の中央部(遠位端部及び近位端部を除いた部分)の内周面は、第1チューブ36の外周面に沿って配置されている。
このようにして、送液用枝管31及び吸引用枝管32の各々を管状本体10に対して連結している連結部30を形成することができる。
【0042】
ここで、第1チューブ36は、例えば、透明な(可視光に対して透明な)樹脂材料によって構成されていることが好ましい。このようにすることにより、第1チューブ36が、基端部10bと、送液用枝管31と、吸引用枝管32と、第1チューブ36と、をそれぞれ一体的に覆っている状態において、基端部10bの近位端の位置と、送液用枝管31の遠位端の位置と、吸引用枝管32の遠位端の位置と、をそれぞれ容易に視認することができる。よって、管状本体10における第1ルーメン21を構成している部分の近位端が、送液用枝管31の遠位端と接続されており、管状本体10における第2ルーメン22を構成している部分の近位端が、吸引用枝管32の遠位端と接続されているかどうかを、容易に確認することができる。
また、第2チューブ37は、例えば、不透明な(可視光に対して不透明な)樹脂材料によって構成されていることが好ましい。このようにすることにより、管状本体10の基端部10bと送液用枝管31との繋ぎ目と、管状本体10の基端部10bと吸引用枝管32との繋ぎ目と、第1チューブ36と、をそれぞれ外部から視認できないようにすることができるので、連結部30の外観が良好となる。
【0043】
以下では、一例として、医療用吸引器具100が膵液に含まれるRNAの採取に用いられる例について説明する。
なお、予め内視鏡300の挿入部310の少なくとも先端部は十二指腸の内部に留置されており、内視鏡300の操作部330は生体の外部に配置されている状態から説明する。
【0044】
先ず、医療用吸引器具100の管状本体10の先端部10aを、内視鏡300のチャンネル320の基端側の開口320bから当該チャンネル320に挿入する。この際に、第3マーキング部43が基端側の開口320bよりも先端側に位置する深さまで、管状本体10をチャンネル320に挿入する。これにより、先端の周面吸引孔14をチャンネル320の先端側の開口320aから容易に露出(突出)させることができる。
次に、生理食塩水などの希釈用液体が充填された送液用シリンジ(不図示)を送液用コネクタ31aに装着する。術者は、送液用シリンジから送液用コネクタ31aに希釈用液体を注入する。注入された希釈用液体は、送液用枝管31と第1ルーメン21とを通って、吐液孔13から十二指腸の内部に注入され、膵液を含む十二指腸内の体液と混合される。
続いて、吸引器具(不図示)を介して医療用吸引器具100と接続されている吸引用シリンジ(不図示)による吸引、又は、吸引源(不図示)を稼働させると、希釈用液体と当該体液との混合液、すなわち吸引液体が吸引孔(周面吸引孔14及び先端吸引孔15)から、第2ルーメン22と吸引用枝管32とを通って、吸引器具の集液部(不図示)に吸引される。
このようにして、本実施形態に係る医療用吸引器具100によれば、分泌された膵液の量や、膵液の粘度にかかわらず、十分な量の膵液を容易に吸引することができる。
なお、本実施形態の場合、吸引液体は、必ずしも希釈用液体を含んでいなくてもよい。また、吸引液体は、胆汁や十二指腸の分泌液を含んでいてもよい。また、希釈用液体と膵液との混合比率は特に限定されない。
【0045】
ここで、内視鏡300の挿入部310の先端部が、例えば、十二指腸の内壁面に向けて屈曲した状態となっており、管状本体10の先端部10aが当該内壁面に対して略面直方向にチャンネル320の先端側の開口320aから突出している場合がある。この場合、管状本体10の先端面12が当該内壁面によって閉塞されていたとしても、医療用吸引器具100は管状本体10の外周面に開口している周面吸引孔14を介して吸引液体を吸引することができる。
また、内視鏡300の挿入部310の先端部が、例えば、真っ直ぐな状態(屈曲していない状態)となっており、管状本体10の先端部10aが十二指腸の内壁面の面方向に沿って先端側の開口320aから突出している場合もある。この場合、第1周面吸引孔14a又は第2周面吸引孔14bのいずれかが当該内壁面によって閉塞されていたとしても、医療用吸引器具100は管状本体10の先端面12に開口している先端吸引孔15、及び、第1周面吸引孔14a又は第2周面吸引孔14bのいずれかを介して吸引液体を吸引することができる。
このように、本実施形態によれば、内視鏡300の挿入部310の屈曲角度にかかわらず、十二指腸の内部から吸引液体を良好に吸引することができる。
更に、上述のように、周面吸引孔14は、管状本体10の長手方向における複数箇所にそれぞれ配置されているとともに、管状本体10の周方向における複数箇所にそれぞれ配置されている。よって、例えば、医療用吸引器具100とは別の処置器具が挿入部310に挿入されており、当該処置器具と干渉することによって、いずれかの吸引孔(周面吸引孔14及び先端吸引孔15)が閉塞されていたとしても、そのほかの吸引孔から良好に吸引液体を吸引することができる。
【0046】
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0047】
例えば、上記においては、第2マーキング部42から第3マーキング部43までの管状本体10の長さ寸法が、内視鏡300のチャンネル320の長さ寸法と対応している例を説明したが、第1マーキング部41から第3マーキング部43までの管状本体10の長さ寸法が、内視鏡300のチャンネル320の長さ寸法と対応していてもよい。この場合、第3マーキング部43が内視鏡300のチャンネル320の基端側の開口320bよりも先端側に位置する深さまで管状本体10を内視鏡に挿入すると、吐液孔13及び各周面吸引孔14の各々がチャンネル320の先端側の開口320aから露出(突出)することとなる。
【0048】
また、上記においては、第1ルーメン21と連通している第1周面吸引孔14aが形成されており、閉塞部材18が、第1ルーメン21において、延出部17に沿って延在する部分21aと、隔壁16における延出部17よりも基端側の領域に沿って延在する部分21bと、を互いに分断している例を説明した。ただし、当該第1周面吸引孔14aを管状本体10に形成しない場合、閉塞部材18は、例えば、管状本体10の先端の近傍まで充填されていてもよい。
【0049】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)長尺な管状本体を備え、
前記管状本体は、
互いに並列な配置でそれぞれ当該管状本体の長手方向に沿って形成されている送液用の第1ルーメン及び吸引用の第2ルーメンと、
当該管状本体の外周面に開口していて前記第1ルーメンの先端部から液体を吐出する吐液孔と、
前記吐液孔よりも先端側において当該管状本体の外周面に開口しているとともに前記第2ルーメンと連通している周面吸引孔と、
を有し、
前記第1ルーメン及び前記吐液孔を介した液体の吐出と、前記周面吸引孔及び前記第2ルーメンを介した液体の吸引と、が可能となっている医療用吸引器具。
(2)前記周面吸引孔は、前記管状本体の長手方向における複数箇所にそれぞれ配置されている(1)に記載の医療用吸引器具。
(3)前記周面吸引孔は、前記管状本体の周方向における複数箇所にそれぞれ配置されている(1)又は(2)に記載の医療用吸引器具。
(4)前記管状本体は、
前記第1ルーメンと前記第2ルーメンとを相互に仕切る隔壁と、
前記吐液孔よりも先端側において前記第1ルーメンの先端部に充填されていて当該第1ルーメンの先端部を閉塞している閉塞部材と、
を有し、
前記隔壁は、前記閉塞部材よりも先端側に延出している延出部を有し、
前記周面吸引孔には、前記延出部を間に挟んで互いに反対側に位置する第1周面吸引孔と第2周面吸引孔とが含まれ、
前記延出部には、前記第1ルーメンと前記第2ルーメンとを相互に連通させる連通孔が形成されており、
前記第1周面吸引孔は、前記第1ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分と前記連通孔とを介して、前記第2ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分に対して連通しており、
前記第2周面吸引孔は、前記第2ルーメンにおいて前記延出部に沿って延在する部分に対して直に連通している(3)に記載の医療用吸引器具。
(5)前記管状本体は、当該管状本体の先端面に開口している先端吸引孔を有し、前記先端吸引孔及び前記第2ルーメンを介した液体の吸引が可能となっている(1)から(4)のいずれか一項に記載の医療用吸引器具。
(6)前記第1ルーメン及び前記第2ルーメンの各々の内腔断面形状は、楕円を長軸方向において分割した半楕円形状である(1)から(5)のいずれか一項に記載の医療用吸引器具。
(7)前記管状本体には、前記吐液孔の配置領域を示す第1マーキング部が形成されている(1)から(6)のいずれか一項に記載の医療用吸引器具。
(8)前記第1マーキング部は、前記管状本体の外面に形成されているとともに、前記管状本体の周方向において前記吐液孔と対応する領域に選択的に配置されている(7)に記載の医療用吸引器具。
(9)前記管状本体の長手方向において、前記第1マーキング部の先端位置は、前記吐液孔の先端位置と一致しており、前記第1マーキング部の基端位置は、前記吐液孔の基端位置よりも基端側に位置している(7)又は(8)に記載の医療用吸引器具。
(10)前記管状本体には、前記周面吸引孔の配置領域を示す第2マーキング部が形成されている(1)から(9)のいずれか一項に記載の医療用吸引器具。
(11)当該医療用吸引器具は、内視鏡のチャンネルに挿通して用いられるものであり、
前記管状本体には、前記第1マーキング部よりも基端側に、第3マーキング部が形成されており、
前記第2マーキング部から前記第3マーキング部までの前記管状本体の長さ寸法は、前記内視鏡の前記チャンネルの長さ寸法と対応している(10)に記載の医療用吸引器具。
【符号の説明】
【0050】
10 管状本体
10a 先端部
10b 基端部
11 開口部
12 先端面
13 吐液孔
14 周面吸引孔
14a 第1周面吸引孔
14b 第2周面吸引孔
15 先端吸引孔
15a 第1先端吸引孔
15b 第2先端吸引孔
16 隔壁
17 延出部
17a 連通孔
18 閉塞部材
19 周壁部
19a 第1周壁部
19b 第2周壁部
21 第1ルーメン
21a 第1ルーメンにおいて延出部に沿って延在する部分
21b 隔壁における延出部よりも基端側の領域に沿って延在する部分
22 第2ルーメン
22a 第2ルーメンにおいて延出部に沿って延在する部分
30 連結部
31 送液用枝管
31a 送液用コネクタ
32 吸引用枝管
32a 吸引用コネクタ
36 第1チューブ
37 第2チューブ
41 第1マーキング部
42 第2マーキング部
43 第3マーキング部
100 医療用吸引器具
210 中芯
220 接着剤
300 内視鏡
310 挿入部
310a ルーメン
320 チャンネル
320a 先端側の開口
320b 基端側の開口
330 操作部
330a 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7