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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】システムおよびプログラム等
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/14 20100101AFI20241011BHJP
   G01S 19/43 20100101ALI20241011BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
G01S19/14
G01S19/43
G07C5/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020139583
(22)【出願日】2020-08-20
(65)【公開番号】P2022035341
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】柏田 春光
(72)【発明者】
【氏名】野口 康一
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
【審査官】東 治企
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-275560(JP,A)
【文献】特開2003-098245(JP,A)
【文献】特開2017-220728(JP,A)
【文献】特開2018-041259(JP,A)
【文献】特開2006-347493(JP,A)
【文献】特開2008-233992(JP,A)
【文献】特開2009-139125(JP,A)
【文献】特開2011-257849(JP,A)
【文献】特開2008-286986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 19/00-19/55
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G07C 5/00-5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体とともに移動し、衛星測位システムにおける衛星からの信号である衛星信号を受信する機能を備えた機器を有し、前記衛星信号に含まれる、計算前の位置を特定するための第1の情報を記録する機能と、
前記機器の周囲の映像を録画する録画機能を備え、
前記第1の情報は、搬送波位相情報と、前記衛星を特定する情報と、受信した時刻を特定する情報を有し、
前記第1の情報と前記映像を関連づけて記録する
システム。
【請求項2】
移動体とともに移動し、衛星測位システムにおける衛星からの信号である衛星信号を受信する機能を備えた機器を有し、前記衛星信号に含まれる、計算前の位置を特定するための第1の情報を記録する機能と、
その記録した前記第1の情報と、前記移動体と別の位置で受信した前記第1の情報に基づき、前記衛星信号を受信したときの前記移動体の位置を求める機能を備え、
前記第1の情報は、搬送波位相情報と、前記衛星を特定する情報と、受信した時刻を特定する情報を有し、
前記移動体は車両であり、前記車両の寸法形状に関する情報と、前記車両に対する前記機器の設置位置に関する情報を取得し、前記車両と車線の位置関係を求める機能を備える
システム。
【請求項3】
前記車両と前記車線の位置関係を表示するに際し、前記車両の幅がわかるように表示する機能を備える。
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
移動体とともに移動し、衛星測位システムにおける衛星からの信号である衛星信号を受信する機能を備えた機器を有し、前記衛星信号に含まれる、計算前の位置を特定するための第1の情報を記録する機能と、
その記録した前記第1の情報と、前記移動体と別の位置で受信した前記第1の情報に基づき、前記衛星信号を受信したときの前記移動体の位置を求める機能と、
前記機器が、受信した前記衛星信号に基づいて算出した現在位置を記録する機能を備え、
前記第1の情報は、搬送波位相情報と、前記衛星を特定する情報と、受信した時刻を特定する情報を有し、
位置情報を表示する際に前記第1の情報に基づいて求めたものか、前記機器が算出したものかを判別可能にして表示する位置情報表示機能を備える
システム。
【請求項5】
録画した前記機器の周囲の映像とともに、その映像を録画した位置を表示する機能を備え、
前記録画した位置の表示は、前記位置情報表示機能が行い、前記第1の情報に基づいて求めたものか、前記機器が算出したものかを判別可能に表示する
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
請求項1からのいずれかに記載のシステムに用いられる機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばシステムおよびプログラム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位装置)衛星が発するGPS信号を受信し、その受信信号に基づいて現在位置を決定する技術として、例えば、特許文献1の段落[0047]には、「GPS受信部で受信したGPS信号に基づいて、一定時間間隔ごと(例えば、1秒ごと)に地表面上における、移動体の現在位置(経度、緯度)を計算し、計算し終えると一定のフォーマット(例えば、NMEA0183仕様)で位置記憶部に出力する機能を有する。」と記載されている。そしてこの特許文献1の段落[0085]には、「画像取得部によって稼働中は移動体の前方(進行方向)を連続的に撮影し、撮影した画像をHDDなどからなる大記憶容量の記憶装置に保存するようにすれば、この画像取得部をそのまま運転記録装置(ドライブレコーダー)などとして利用することも可能となる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-177681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
受信したGPS信号に基づいてドライブレコーダーのGPS受信部が算出する現在位置は、例えば数メートル~数十メートル程度の誤差が生じる場合がある。例えば移動体が停止している状態であっても、時間経過とともに逐次算出した現在位置が異なり、移動体の移動軌跡を求めた場合、実際には停止中であってもあたかも移動していたようになる場合がある。このように、算出した位置の精度が低いと、移動体の位置が正しく特定できず、問題となる場合もあり得る。このため、移動体の位置情報を高精度に求める技術が望まれる。
【0005】
また、算出した位置情報を記録するNMEAデータは、テキストデータであるので、例えば、記録後に容易にその内容を書き換えることが可能となる。そして、移動体の存在していた位置情報を事後的に改変することは、当該位置情報の一種の改ざんともいえ、望ましくない場合もあり得ると考えられる。本発明の目的の一つは、移動体の位置に関する情報の取得または利用に関する技術を提案することである。
【0006】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はない。本願の発明の目的はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、この課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題も開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)移動体とともに移動し、衛星測位システムにおける衛星からの信号である衛星信号を受信する機能を備えた機器を有し、前記衛星信号に含まれる、計算前の位置を特定するための第1の情報を記録する機能を有するようにした。本システムで記録する第1の情報は、例えば衛星信号を受信する機能が所定の演算処理をして求めた位置情報(例えば、経度・緯度等)ではなく、計算前の受信した情報そのものである。このような第1の情報を記録することで、その第1の情報を利用して例えば精度の良い位置情報を求めることができる。移動体は、例えば車両や人などとするとよい。機器は、例えばGPS信号その他の衛星信号を受信する機能部分やその他の各処理を行う部分を同一の筐体内に実装してもよいし、複数の筐体で構成してもよい。また、別の機器は、例えば固定設置されて絶対位置がわかるものや、例えば移動体とともに移動し絶対位置が不明なものでもよい。
【0008】
(2)前記第1の情報は、別の場所で同時刻に別の機器が受信した第1の情報を用いて前記受信した位置を求めることができる情報とするとよい。このようにすると、別の場所で同時刻に別の機器が受信した第1の情報を用い、例えば測量の技術などにより高精度に衛星信号を受信した位置を求めることができる。求めた位置は、誤差も少なく、証拠力が高くなる。
【0009】
(3)前記第1の情報は、搬送波位相情報と、前記衛星を特定する情報と、受信した時刻を特定する情報を有するようにするとよい。この搬送波位相情報等は、改ざんされにくいフォーマットで出力することができるので、記憶した第1の情報が改ざんされにくくなり、証拠力が高くなる。この搬送波位相情報等を用いることで、例えば誤差を数cm以内などに抑えることができる。
【0010】
(4)前記機器は、受信した前記衛星信号に基づいて現在位置を算出する機能を有し、前記記録する機能は、前記第1の情報を記録する機能に加え、その算出した現在位置に関する第2の情報を記録するとよい。第2の情報は、衛星信号を受信した機器が求めた位置情報であり、第1の情報に基づいて求める位置情報よりは誤差が大きく精度が劣るものの、このようにすると、機器は第2の情報によりリアルタイムで位置情報を取得でき、例えば第1の情報に基づき後処理で精度の良い位置を求めることもできる。また、第1の情報と第2の情報は、それぞれ記録し、それそれに基づいて位置情報を求めたり、求めた位置情報を出力したりするとよいが、第1の情報と第2の情報を関連付けて記録するとよい。このようにすると、例えば、第2の情報に基づく位置を、第1の情報に基づいて求めた位置情報により修正するなどすることができる。例えば、第1の情報と第2の情報を記録する際に関連付けを行ってもよいが、例えば、それぞれの情報を後で紐付け可能な情報、例えば受信した時刻情報等をあわせて記録するとよい。
【0011】
(5)前記機器の周囲の映像を録画する録画機能を備え、前記第1の情報と前記映像を関連づけて記録するとよい。このようにすると、例えば映像を改変したとしても第1の情報が関連づけられていると第1の情報に基づいて求めた位置情報等との整合性がとれなくなり、改変したことがわかる。よって、改ざんの抑止効果が働き、証拠力が高くなる。
【0012】
(6)前記録画する機能は、前記映像を第1のフォーマットで録画するもので、前記第1のフォーマットは、第2のフォーマットに変換可能で、前記第2のフォーマットから変換不可能なフォーマットとするとよい。このようにすると、第1のフォーマットで記録されている映像は、改変されていないことが保証され証拠力が高くなる。また第1のフォーマットで記録した映像であっても、第2のフォーマットに変換することはできるので、変換してSNSへのアップや、再生・修正等が容易に行える。
【0013】
(7)前記録画機能は、イベント録画を行う場合には前記第1のフォーマットで録画するとよい。イベント録画は、例えば衝撃を受けたりするなど特別な状況下で行われることがあり、かかる場合に録画した映像の証拠力が高く維持されるので良い。イベント録画は、所定のイベント(事象の一例)の発生を契機に行われる録画のことである。イベント録画は、ユーザにより明示的に録画開始の指示がなされない場合でも、所定のイベントの発生を契機に行われる。
【0014】
(8)前記録画機能は、前記イベント録画と異なる録画を前記第2のフォーマットで録画するとよい。このようにすると、イベント録画では第1のフォーマットのため検証や証拠として採用しやすくなる。一方、イベント録画以外の録画の一例である常時録画では、証拠として利用すること可能性が低く、映像を加工したりSNSにアップしたりするなどといった普段使いの可能性の高いため、第2のフォーマットにすることで使い勝手が良くなる。
【0015】
(9)前記機器は、第1の車両に搭載されたドライブレコーダーであり、所定の事象の発生を検知した場合、前記事象が発生した時点を含む所定の期間に、第2の車両に搭載された他のドライブレコーダーで記録された映像を取得し、取得した映像を記憶手段に記録するとよい。所定の事象は、他のドライブレコーダーで記録された映像を必要とする事象であればよい。所定の事象は、例えば、第1の車両が衝突や急ブレーキ等を原因として衝撃を受けたこと、カメラで人が道路に飛び出す等の所定の映像の撮影されたこと、人や他車両等の障害物が撮影されたこと、ユーザが録画ボタンをおしたこと等がある。カメラの映像を用いて行われる場合は、所定の事象は、その映像から画像認識技術を用いて検知されてもよい。このようにすると、例えば第1の車両では記録できなかった死角や例えば事故前後の周囲の状況を様々な角度から確認ができ、事故の検証等に役立つ情報が得られる。取得した映像を記録する記憶手段は、例えば、機器内でもよいし、サーバー等の外部のものでもよい。
【0016】
(10)前記機器はドライブレコーダーであり、ドライバーを撮影する機能と、通信機能を備え、事故を検出した際に、ドライバーを撮影した映像に基づく情報を、前記通信機能を用いて外部に通知するとよい。通知を受けた人等は、予めドライバーの状況等がわかるので迅速で適正な対応が可能となる。撮影した映像に基づく情報は、映像そのものでもよいし、例えば映像から求めた心拍数など映像以外の情報とするとよい。
【0017】
(11)前記移動体は、車両であり、前記衛星信号を受信する機能と、前記第1の情報を記録する機能を備えた前記機器を少なくとも3台備え、その3台の機器は、同一直線上に並ばないように配置されるとよい。このようにすると、車両の向きを特定するための情報を取得できる。
【0018】
(12)前記3台の機器のうちの第1機器は前記車両の前方を撮影するドライブレコーダーであり、第2機器は前記車両の後方を撮影するドライブレコーダーであり、第3機器は、前記第1機器と前記第2機器を結ぶ線上から離れた位置に配置するようにするとよい。前方を撮影するカメラと後方を撮影するカメラを備えた2カメラのドライブレコーダーシステムが用いられるケースがある。このような利用態様で、第1機器と前記第2機器を結ぶ線上から離れた位置に第3機器を配置することで、車両の向きを特定できる情報を容易にとれる。第3機器は、例えば室内を撮影するドライブレコーダーとするとよい。
【0019】
(13)(1)から(12)のいずれか1つに記載のシステムが記録した第1の情報と、前記移動体と別の位置で受信した第1の情報に基づき、前記衛星信号を受信したときの前記移動体の位置を求める機能を有するとよい。このようにすると、別の位置で受信した第1の情報を取得することで、移動体の位置を高精度に求めることができる。このシステムは、(1)から(12)のシステムと同じでもよいし、別のものでもよい。
【0020】
(14)前記衛星信号を受信したときの前記移動体の位置を求める処理は、国土地理院の電子基準データを利用して後処理により求めるとよい。国土地理院のデータは、翌日等タイムラグがありリアルタイムで取得できない場合があるが、リアルタイムで求める必要がない場合には例えば無料で取得できるので好ましい。国土地理院の電子基準点は、日本国中に設置されているので、移動体がどの場所にいても利用できるので良い。
【0021】
(15)前記機器が、受信した前記衛星信号に基づいて算出した現在位置を記録する機能を備える場合、その記録した現在位置に基づいて取得する前記電子基準データを決定する機能を備えるとよい。利用する別の機器は、衛星信号を受信した位置と近い方が良いので、適切な電子基準データを容易に決定できるのでよい。
【0022】
(16)前記移動体は車両であり、前記車両の寸法形状に関する情報と、前記車両に対する前記機器の設置位置に関する情報を取得し、前記車両と車線の位置関係を求める機能を備えるとよい。このようにすると、例えば車両が白線を越えていたか否かなどを精度よく特定できるのでよい。
【0023】
(17)前記機器は、第1のフォーマットで録画する機能と、第2のフォーマットで録画する機能を備えるドライブレコーダーであり、前記録画した映像を再生する再生機能を有し、前記再生機能は、再生中の映像を録画した際のフォーマットの種類がわかるように再生し、前記第1のフォーマットは、前記第2のフォーマットに変換可能で、前記第2のフォーマットから変換不可能なフォーマットとするとよい。このようにすると、再生中の映像が、例えば証拠として利用可能か、或いは加工したりSNSにアップしたりするなどの普段使いがすぐに行えるものかが理解できるのでよい。
【0024】
(18)前記機器が、受信した前記衛星信号に基づいて算出した現在位置を記録する機能を備え、位置情報を表示する際に第1の情報に基づいて求めたものか、前記機器が算出したものかを判別可能にして表示するとよい。このようにすると、表示されている現在位置の確度が容易に理解できるので良い。
【0025】
(19)前記移動体は車両であり、前記機器はドライブレコーダーであり、他の車両を特定し、前記他の車両に搭載されたシステムが記憶した第1の情報を用い、前記車両と前記他の車両との相対距離を求める機能を備えるとよい。このようにすると、自車両と他の車両の車間距離を精度良く求めることができ、時系列で求めることで、接近離反の状況を精度良く求めることができ、例えば事故時の検証等を容易かつ精度良く行うことができる。周辺車両の特定は、例えば自車両のドライブレコーダーが撮影した映像や、第1の情報等に基づいて求めた位置情報等から求めるとよい。
【0026】
(20)前記移動体は車両であり、前記機器はドライブレコーダーであり、他の車両を特定し、前記他の車両に搭載されたドライブレコーダーが記録した映像を取得する機能を備えるとよい。このようにすると、自車両のドライブレコーダーの映像のみならず、他の車両のドライブレコーダーの映像も抽出でき、例えば道路状況を死角無く記録したり、事故やトラブルが起きた際に正確な検証等を行えたりするのでよい。
【0027】
(21)前記移動体は、人であり、前記機器は、ゴルフプレイヤーがゴルフ場で携帯し、受信した衛星信号に基づいて算出した現在位置を利用して所定位置までの距離計測を行うゴルフナビゲーションシステムとするとよい。ゴルフナビゲーションシステムは、ショット位置や移動軌跡などを記録する機能を備えるものがあり、第1の情報を記録することで、それらの位置情報を精度良く求めることができる。
【0028】
(22)請求項21に記載の前記ゴルフナビゲーションシステムが記録した前記第1の情報と、プレイした前記ゴルフ場と別の位置で受信した第1の情報に基づき、前記衛星信号を受信したときの前記移動体の位置を求める位置補正機能を備え、前記位置補正機能により、ショット位置と、前記人の移動軌跡の少なくとも一方を補正し、その結果を表示する機能を備えるとよい。このようにすると、ゴルフナビゲーションシステムのユーザは、プレイ中に記録した各位置の位置情報を高精度に求めることができ、例えば各ショット位置やクラブの飛距離を正しく求めることができる。
【0029】
(23)衛星測位システムにおける衛星からの信号を受信する受信部と、所定のデータを生成する機能と、前記衛星から受信された信号に含まれる位置を計算するために用いられる第1の情報と、前記生成する機能により生成されたデータとを関連付けて所定の出力先に出力する機能と、を有するシステムを提供する。このようにすると、移動体の位置に関する情報の取得または利用に関する技術を提案することができる。
【0030】
(24)(1)から(23)のいずれか1のシステムの機能をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供されるとよい。
【0031】
上述したシステムは、1つの装置から構成してもよいし、複数の装置から構成してもよい。
【0032】
上述した(1)から(23)の発明は、任意に組み合わせることができる。例えば(1)に示した発明の全部または一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。本願出願人は、これらの構成を含むものについても、補正・分割出願・意匠登録出願への変更出願等により特許権・意匠権等を取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、移動体の位置に関する情報の取得または利用に関する技術を提供することができる。例えば本発明によれば、第1の情報を用いると、高精度な位置情報を得ることができる。この仕組みは、例えばリアルタイム性がいらない状況下で、位置情報という形式でデータを記録したいとか、高精度な位置情報を得たいとか、画を取らないシステムにも使える。第1の情報に基づいて位置を算出する際に使用するデータをリアルタイムで取得できる場合には、リアルタイムで高精度に位置を求めることができる。求めた位置情報の精度が高く、証拠力が高まる。また、第1の情報は、改変しにくいフォーマットで記録することで、改ざんに強くなる。
【0034】
本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明に係るシステムの好適な一実施形態を示すブロック図である。
図2】人がドライブレコーダー2を保持した状態で、駐車場内を移動した経路を示す図である。
図3】(a)は、図2に示す経路で移動したときに第1の情報に基づいて求めた移動軌跡であり、(b)は第2の情報に基づいて求めた移動軌跡である。
図4】ドライブレコーダーを搭載した車両が走行した経路を示す図である。
図5図4中の地点Aにおける第1の情報と第2の情報に基づく位置情報の移動履歴を示す図である。
図6図4中の地点Bにおける第1の情報と第2の情報に基づく位置情報の移動履歴を示す図である。
図7図4中の地点Cにおける第1の情報と第2の情報に基づく位置情報の移動履歴を示す図である。
図8】録画した映像データを位置情報とともに再生した表示画面の一例を示す図である。
図9】車両と車線の関係を求める図である。
図10】ゴルフナビゲーションシステムで収集したデータを利用したスコア管理サービスにおける表示画面の一例を示す図である。
図11】独自フォーマットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成や形状等は単なる説明例であり、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。以下の説明における、第1、第2という数値を用いたラベリングは各要素を識別するためのもので、要素の数を定めるものではない。
【0037】
[本願の発明の着想に至った経緯]
現在のドライブレコーダーは、映像を記録することに集中していて、位置情報は例えば数十メートル程度の誤差を含む適当な記録をしているものがある。例えば車対車の事故など、停車していたかどうかが重要な場面やスピード取り締まりの簡易設置化による速度の誤測定も増えると思われるので、正確な位置を記録することが重要になると予想できる。また、現在のドライブレコーダーは、GPSモジュールからはMMEAという計算済の座標のみがテキストで出力される。テキストデータのため改ざんが簡単に行える。よって、証拠力が低下することがあり得る。またこの種の課題は、ドライブレコーダー以外の移動体とともに移動する機器等においても生じる。以下の実施の形態は、このような課題を解決するための実施の形態の一例である。
【0038】
[システムの一実施形態の基本構成]
図1は、システムの好適な一実施形態を示している。本実施形態のシステム1は、電子機器,車載機器の一態様であるドライブレコーダー2と、ドライブレコーダー2ひいてはそれが実装された車両が存在した位置を求める位置決定装置3等を備える。また、ドライブレコーダー2や位置決定装置3は、それぞれ単体で本願のシステムの一実施形態を構成する。
【0039】
ドライブレコーダー2は、本実施形態では、移動体の一形態である車両に対して後から設置される機器である。車両は、例えば自家用の自動車や事業用の自動車があり、車種も乗用車、バス、トラック、フォークリフト等の特殊自動車、電車やモノレール、リニアモーターカー等の公共交通機関における車両等の各種のものがある。ドライブレコーダー2は、車両の所定位置に取り付けられ、車両とともに移動する。ドライブレコーダー2は、画像(例えば、撮影した映像)その他のデータを生成する機能と、生成したデータを出力する機能とを備える。データの出力は、記憶領域に当該データを記録するための出力、通信による当該データの出力(つまり送信)、データ出力端子を介した外部の機器への出力等がある。
【0040】
ドライブレコーダー2は、カメラ11、マイク12、異常検知センサ13、GPSモジュール14、操作ボタン15、制御部16、一時記憶メモリ17、モニタ18、スピーカ19、メモリカードスロット20等を備える。カメラ11は、例えば車両の前方等の所定の領域を撮影する。マイク12は、例えば周囲の音を集音する。マイク12は、例えば車内に乗車している人の音声その他の車室内で発生している音等や、車両に物体が衝突した際の衝撃音などを集音する。異常検知センサ13は、例えば加速度センサ又は6軸センサ(3軸加速度、3軸角速度一体型)であり、車両に加わる衝撃、車両の加速度、傾きなどの車両の状態を検知する。制御部16は、異常検知センサ13の検出値が閾値を超えたり、例えば衝撃が生じたことを示す所定の時間的変化を示したりした場合に、事故(衝突)発生と推定する。また、制御部16は、事故発生以外にも、急ブレーキ・急ハンドル、急発進、急ブレーキなどの運転状況を検出し、その履歴を記録するのに利用するとよい。
【0041】
GPSモジュール14は、測位に基づきGPS信号を受信する。GPSは、衛星測位システムである全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の一例である。GNSSによる測位は、一般にはGPS測位として慣用されている。GPS信号は、GPS衛星から受信可能な信号である。GPSモジュール14は、その受信したGPS信号から独自のアルゴリズムにより現在位置の位置情報(経度,緯度)を求める。そしてGPSモジュール14は、その求めた現在位置の位置情報(経度,緯度)を例えばNMEA(National Marine Electronics Association)のフォーマットで作成されたデータ(以下、「NMEAデータ」とも称する)で出力する。このNMEAデータには、位置情報のほかにも、例えば、GPS信号を受信した日時を特定する情報(日付情報、時刻情報等)などの各種の情報を含むようにするとよい。そしてNMEAデータは、各種の情報を所定の順番で記述したテキストデータである。制御部16は、例えば、定期的(例えば1秒ごと)に、NMEAデータを取得するとよい。
【0042】
操作ボタン15は、制御部16に対して各種の指示を与えるボタンであり、例えば録画開始指示を与える機能を備える。この操作ボタン15が押下されたことを契機に、制御部16は、カメラ11で撮影した映像並びにマイク12で集音した音等を録画開始するイベント録画を行うとよい。また操作ボタン15は、録画停止指示を与える機能を備えるとよい。録画開始指示と、録画停止指示は、例えばそれぞれの指示を与えるための異なるボタンとしてもよいが、同一のボタンに対する異なる操作により行うようにするとよい。このようにすると、ボタンの設置数を少なくし、ドライブレコーダー2の小型化が図れるのでよい。
【0043】
一時記憶メモリ17は、例えばカメラ11で撮像した映像データ等を一時的に記憶する、例えばRAMである。制御部16は、少なくとも現在から一定時間以上過去までに撮像した映像データ等を常時記憶する。記憶容量は有限であるため、制御部16は、一定の基準で古い映像データ等は削除する。一定の基準は、例えば、一定時間以上前に記憶した映像データ等や、記憶するメモリ容量が一定以上となった場合などとするとよい。本実施形態では、一時記憶メモリ17は、例えばリングバッファにより構成するとよい。
【0044】
モニタ18は、画像を表示する表示部である。制御部16は、例えば、カメラ11で撮像した映像データ等をリアルタイムでモニタ18に表示する。スピーカ19は音を出力する。制御部16は、所定の記録時、警報時及び操作時等に所定の音をスピーカ19から出力する。制御部16は、例えば、操作ボタン15における操作音や、各種のメッセージ(ガイド・警報等)を、スピーカ19を用いて報知する。
【0045】
メモリカードスロット20は、例えばマイクロSDカード21を着脱可能である。制御部16は、マイクロSDカード21を装着した状態では、そのマイクロSDカード21に対してデータの読み書きを行う。マイクロSDカード21は、ドライブレコーダー2により映像や位置情報等のデータが記録される記憶媒体である。マイクロSDカード21は、メモリカードスロット20に着脱可能な外部記憶手段であるが、これに代えてまたは組み合わせて、ドライブレコーダー2の内部記憶手段(例えば、ハードディスクやEEPROM)やその他の記憶手段が用いられてもよい。ただし、ドライブレコーダー2が不特定多数の者がアクセス可能な環境(例えば、クラウドコンピューティングの環境)を利用しないで、データを記録可能なシステムにアクセスできるようにすると、記憶手段に記憶されたデータの保護を図る上で望ましい。
【0046】
制御部16は、CPU,ROM,RAM,不揮発性メモリ、I/O等を備えるマイコンであり、上記の各種の入力機器(カメラ11、マイク12、異常検知センサ13、GPSモジュール14、操作ボタン15、一時記憶メモリ17、メモリカードスロット20等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(一時記憶メモリ17、モニタ18、スピーカ19、メモリカードスロット20等)を利用して所定の情報を出力する。ドライブレコーダー2の機能は、制御部16に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部16のEEPROM上に格納され、これを制御部16に有するコンピュータが実行することで実現される。制御部16の有するプログラムによってコンピュータが実現する機能としては、ドライブレコーダー2における各種制御を行う機能を有する。制御部16は、例えば映像や位置に関する情報等のデータを記録する機能、データを出力する機能、画像(映像)を表示する機能などがある。
【0047】
制御部16は、ドライブレコーダー2の基本機能を実現するための回路であり、カメラ11で撮影された映像データを映像ファイルとして一時記憶メモリ17に記憶したり、異常検知センサ13からの検出信号や操作ボタン15の押下に基づき、上記の撮像した映像ファイルを不揮発性メモリに格納したりする。本実施形態では、不揮発性メモリとして、メモリカードスロット20に装着したマイクロSDカード21を用いる。このマイクロSDカード21を取り外し、パソコンに接続したメモリカードリーダ等に装着することで、当該パソコンにデータを取り込み、パソコンにインストールしたビューアを用いて当該映像ファイルの再生可能とする。また、記録した映像等は、上記のようにマイクロSDカード21を着脱して外部に取り出すことに限らず、有線通信或いは無線通信によるデータ伝送等により行うようにするとよい。また、有線通信を行うためには、ドライブレコーダー2の本体に、通信ケーブルを接続するためのコネクタやUSB等を備えるとよい。
【0048】
この映像データを記録する機能(録画機能)をさらに詳しく説明する。カメラ11は、例えば常時自車の周辺状況等を撮像する。制御部16は、カメラ11が撮影した映像データをリングバッファ等の一時記憶メモリ17に記憶する。この一時記憶メモリ17に記憶する映像は、逐次最新のものに更新され、設定された時間分だけ過去の映像データが保持される。
【0049】
そして、例えば事故や急ブレーキ・急ハンドル時に発生する衝撃を異常検知センサ13の出力値が閾値を超えた場合または所定の時間的変化を示した場合、制御部16は、その衝撃検出時点より前の一定期間の映像データを一時記憶メモリ17から読み出して不揮発性メモリ、例えば、マイクロSDカード21に格納するとともに、閾値を超えた時点以降はその後に撮像したカメラ11の映像をマイクロSDカード21に直接或いは一時記憶メモリ17を経由して記録する。これにより、衝撃前及び衝撃後の所定時間にわたる映像が、不揮発性メモリたるマイクロSDカード21に保存される。また、このとき、制御部16は、マイク12で集音した周囲の音も、映像データに関連付けて録音する。制御部16は、この録音も、一時記憶メモリ17に一時的に記憶し、映像データをマイクロSDカード21に格納する際に、その録音した音声データもマイクロSDカード21に格納する。
【0050】
制御部16は、録画する映像データとして、所定の単位時間毎に1つのファイルを作成し記録する。よって、1つのファイルは、所定のフレームレートで取得された複数枚のフレームを有する。各フレームが記録された順に時系列に管理され、その順で出力再生する。このファイルに同一タイミングで集音された音声データも格納する。
【0051】
さらに制御部16は、映像等のデータを一時記憶メモリ17、マイクロSDカード21に記憶する際に、データの記録時を示す現在の時刻を関連づけて記憶する。時刻は、日付を含むとよい。データの記録時を示す日時情報は、例えば各フレームに関連づけてもよいし、ファイル全体で録画時刻を記録するようにしてもよい。
【0052】
上記の記録する時刻は、例えば、GPSモジュール14で検出し出力されるGPS信号に基づく時刻を用いたり、内部時計を有する場合にはその内部時計の時刻を用いたりするとよく、両方とも記録するとよりよい。また、内部時計の時刻は、適宜のタイミングでNMEAデータの時刻情報に基づいて修正をするとよい。また、ドライブレコーダー2において、例えば電源ONの起動直後や、トンネルなどのGPS信号を受信できない場合には、GPS信号に基づく時刻も取得できないため、係る場合、制御部16はGPS信号に基づく時刻の格納エリアを空欄にしたり、受信できないことを示す情報を記録したりするとよい。
【0053】
さらに制御部16が映像のデータに関連づけて記憶する情報として、上述したように時刻に限らず、例えばNMEAデータとして取得した位置情報、センサの出力値、センサ出力値が閾値を超えた時刻または所定の時間的変化を示した時刻等がある。センサ出力値は、例えば閾値を超えた場合または所定の時間的変化を示した場合に記録し、超えない場合および所定の時間的変化を示さない場合には記録しないようにするとよい。
【0054】
ドライブレコーダー2におけるマイクロSDカード21へのデータの格納は、上記のように異常検知センサ13の検出信号を契機として行うものに限らない。制御部16は例えば、操作ボタン15の押下を契機として行う機能を備えるとよい。このようにすると、ユーザが録画したい状況が発生した場合に、映像録画をすることができる。さらに、マイクロSDカード21への録画は、例えば異常検知センサ13の出力に基づく事故等の発生時や、操作ボタン15の押下のように記録開始条件を満たした場合に行うイベント録画モードに限らず、例えば、ドライブレコーダー2が電源ONしてからOFFするまでマイクロSDカード21へ録画する常時録画モードを備えるとよい。常時録画モードは、イベント録画以外の録画の一例である常時録画を行うモードである。常時録画モードを備える場合、制御部16は、カメラ11から出力される映像データや、マイク12から出力される音データの記録先を、一時記憶メモリ17では無く直接マイクロSDカード21に記録するようにするとよい。そのようにマイクロSDカード21へ直接記録することで、一時記憶メモリ17に一度書き込む処理が不要となるのでよい。また、マイクロSDカード21へ直接映像データ等を書き込む場合であって、常時録画モードとイベント録画モードを備える場合には、制御部16はイベントの記録開始条件を満たした場合には、その満たしたときから過去の区間のデータは、常時録画として記録しているデータを用いるとよい。そして制御部16はイベント録画では、例えば、常時録画のファイルと別のファイルとして記録するとよい。イベント録画モードは、イベント録画を行うモードである。イベント録画は、所定のイベント(事象の一例)の発生を契機に行われる録画のことである。イベント録画は、ユーザにより明示的に録画開始の指示がなされない場合でも、所定のイベントの発生を契機に行われる。
【0055】
例えば常時録画モードで動作中に録画停止指示のための操作ボタン15の操作があった場合、制御部16は、マイクロSDカード21への記録を停止する。また、イベント録画モードで動作中に録画停止指示のための操作ボタン15の操作があった場合、制御部16は一時記憶メモリ17等への記録を停止する。常時録画モードが動作せずイベント録画モードのみ動作中であっても、イベント発生前の映像を記録する必要から、一時記憶メモリ17等に常時一定時間分の映像等を上書き式等で記録する処理を行う。録画停止指示のための操作ボタン15の操作があった場合には、制御部16はイベント発生前の映像を記録するために一定時間分の映像等を記憶保持する必要が無いので、上述したように記録を停止する。この録画停止は、例えば、例えば、マイクロSDカードの着脱、モード設定などの操作を行う場合や、ユーザの意思で録画が不要な場合などに行われる。
【0056】
[位置を特定するための情報の記憶機能]
本実施形態のGPSモジュール14は、GPS衛星から受信した計算前の搬送波位相情報を含んだRAWデータを、例えばRINEX(Receiver Independent Exchange Format)等の標準フォーマットで出力する。制御部16は、そのRAWデータを取得するとともに、例えばマイクロSDカード21等の記憶手段に記憶する。搬送波位相情報とともに記憶する情報としては、例えば、受信したRAWデータを発信したGPS衛星を特定する衛星情報、受信時を特定する時刻情報なども備えるとよい。これらの搬送波位相情報、衛星情報、時刻情報等は、GPS衛星から受信した計算前の位置を特定するための第1の情報の一例である。
【0057】
この搬送波位相情報は、異なる場所で同じGPS衛星から同一時刻に受信した搬送波位相情報を用い、RTK(Real Time Kinematic)を利用して当該他の場所との間の相対距離や相対位置関係を精度良く求めることができる情報である。このRTKを利用することで、算出した位置の誤差は数cm以内に収まる。よって、当該他の場所の絶対位置(経度、緯度等)がわかると、ドライブレコーダー2ひいては車両の正確な位置を求めることができる。当該他の場所として、例えば、国土地理院が日本中に設定した電子基準点の基準局を用いるとよい。この各基準局では、GPS信号のRAWデータを受信するとともに記録する。そして、その記録したデータは、国土地理院のWebサイトにおいて無料で公開されている。各基準局の絶対位置は既知で正確なため、差分で現在位置の正確な座標を算出することができる。また、異なる場所の位置が不明の場合、当該異なる場所との相対距離や相対位置関係を精度良く求めることができる。
【0058】
上述したように本実施形態のドライブレコーダー2は、位置を特定するための情報の1つとして、GPSモジュール14が算出し、NMEAデータとして出力される位置情報(第2の情報の一例)を記憶する機能を備える。このように本実施形態では、位置を特定するための情報として、第1の情報と第2の情報の2種類を記憶するようにした。そして、位置を特定するための情報は、第2の情報のように具体的な現在位置(緯度・経度)を表すものと、第1の情報のようにそれ自身は位置を示さないが別の情報と組み合わせて位置を求めることができる情報等がある。第1の情報の誤差は、例えば数cm以内と高精度であるのに対し、第2の情報の誤差は数mから十数mになることもあり第1の情報に比べて精度は低い。一方、第2の情報に基づく現在位置はリアルタイムで算出するが、第1の情報に基づく現在位置は別の場所、例えば基準局から同時刻に受信した搬送波位相情報を取得する必要があり、一定のタイムラグを生じる。よって、第1の情報は、リアルタイム性がいらない状況下で、高精度位置情報を得るのに適した情報となる。この仕組みは、位置情報という形式でデータを記録したいとか、高精度な位置情報を得たい場合に利用できる。本実施形態では、RAWデータを記録しているため、必要なタイミングでRTKを利用して正確な位置情報を求めることができる。
【0059】
上述したように、本実施形態では、RAWデータ等の第1の情報と、NMEAデータの第2の情報の両方を記録するようにしている。これらRAWデータやNMEAデータ等は、映像データに比べる容量が小さいので、記憶容量の問題はなく両方のデータを記録することができる。
【0060】
また、RAWデータ等の第1の情報を記憶する場合、NMEAデータの記録を行わないようにしてもよいが、本実施形態のように第1の情報と第2の情報を記録するようにするとよい。両方記録することで、例えば第2の情報によりリアルタイムで現在位置を知ることができ、第1の情報に基づいて後で正確な位置を知ることができるのでよい。
【0061】
後述するように、第1の情報に基づいて正確な位置を求めるためには、基準局で同時刻に受信したRAWデータ等を取得し、所定の演算処理を実行して算出する必要がある。よって、正確な位置を知らなくてもよい場合には、第2の情報のNMEAデータで記録された位置情報に基づいて、移動軌跡を求め表示することができる。また、例えば、ユーザの設定により、一方のみを記録したり、両方を記録したりする機能を備えるとよい。
【0062】
制御部16は、この第1の情報も映像のデータに関連づけて記憶する。映像データと関連付けることで、映像が撮影された位置を精度良く特定することができる。一方、上述したように、制御部16は、事故(衝突)発生、急ブレーキ・急ハンドル、急発進、急ブレーキなどの運転状況の履歴を記録している。これらの情報と、第1の情報に基づく位置情報を関連付けることで、どの場所でそれらの現象が発生したか等の検証を行うことができ、例えば精度の良い運行管理を行うことができる。そして、第1の情報に基づく位置情報は高精度のため、例えば映像がなくても発生位置を精度良く特定でき、映像を撮影しないシステムにも適用が可能となる。
【0063】
上述したように、RAWデータは1秒ごとに出力するので、映像データを構成する各フレームに直接関連付けて記録するのではなく、例えばGPS信号の受信時刻と映像の撮影時刻のように時刻情報を介して関連付けるなどするとよい。
【0064】
[独自フォーマットの映像記録機能]
撮影した映像データを記録するに際し、汎用フォーマットではない独自フォーマットで記録する機能を備えるとよい。独自フォーマットは、ドライブレコーダー2またはその提供者(例えば、製造者または販売者)が独自に採用するフォーマットで、第1のフォーマットの一例である。独自フォーマットは、例えば、ドライブレコーダー2またはその提供者が提供する映像再生用のソフトウェア(専用ソフト、専用ブラウザと呼ばれるものでもよい。)とするとよい。この映像再生用のソフトウェアを用いた独自フォーマットの映像データに対する処理は、再生(早送り/巻き戻し/一時停止/スロー含む)のみとするように、映像データに基づく処理が特定の処理に制限されているとよい。汎用フォーマットは、独自フォーマットとは異なるフォーマットで、第2のフォーマットの一例である。汎用フォーマットは、例えばビューアその他の映像再生機能を有するソフトウェアに汎用的に対応しているフォーマットで、例えばMPEGやMP4等のフォーマットがある。汎用フォーマットは、市販のPCその他の情報処理装置に標準搭載されているソフトウェアや、いわゆるフリーソフトでも映像再生可能なフォーマットであってもよい。汎用フォーマットの映像データは、再生以外にも、複製、編集その他の処理が可能であってよい。本実施形態では、独自フォーマットは、汎用フォーマットからの変換が不可能なフォーマットとする。独自フォーマットから汎用フォーマットへの変換は可能であるとよいが、不可能であってもよい。データの変換が不可能な場合は、典型的には、独自フォーマットと汎用フォーマットとの間に互換性がない場合である。また、データの変換が不可能な場合として、データ構造上の問題等により技術的に不可能な場合、当該変換の機能を有するソフトウェアが開発又は提供されていない場合、特定の情報(例えばフラグ)の当該データへの埋め込みその他の方法による付加により変換が禁じられている場合、及びその他の場合ある。
【0065】
例えば、汎用フォーマットで記録した映像データは、各種の動画再生ソフトで再生が可能であり、修正(例えば編集)も可能である。そこで、例えばドライブレコーダー2により撮影され記録された映像データを再生した場合に、現在記録されていて映像データが改変されている可能性がある。つまり、再生している映像が、録画したままのものである保証はない。そのため、例えば、自動車事故などを起こした際に、ドライブレコーダー2で記録した映像データ等を証拠として採用しようとした場合に、その証拠能力の有無・証拠の信頼度は裁判員、裁判官等によって変わるため、証拠力が低下することがありうる。よって、せっかく記録した映像等が役に立たない場合もありうる。
【0066】
本実施形態では、記録された映像は独自フォーマットのために編集することができず、また、専用ブラウザ等の専用ソフトを用いないと再生できない。よって、専用ブラウザなどで再生中の映像は、ドライブレコーダー2で撮影し、記録した映像であり改変されていないことが保証され、証拠能力を有する。これにより、例えば裁判での証拠として提出することが可能となり、例えば一時停止をしていたか否かや、信号を無視していたか否かなどの警察の誤認交通違反に対する対策や、事故保険の支払い等にも有効に利用できる。
【0067】
例えば、独自フォーマットから汎用フォーマットに変換は可能にするとよいが、汎用フォーマットから独自フォーマットに戻すことはできない不可逆変換可能にするとよい。このようにすると、独自フォーマットで記録した映像データを汎用フォーマットに変換することで編集が可能になり、また、映像の再生も容易に行える。そして、一度独自フォーマットから汎用フォーマットに変換した映像は、独自フォーマットに戻す手段がないため、独自フォーマットの映像であれば、改変されていないことになり証拠力が担保できる。
【0068】
また、例えば、汎用フォーマットに変換した後で編集した動画を、ドライブレコーダー2で撮影し直すことで編集した映像を独自フォーマットで記録することは可能である。しかし、例えばモニタに表示された再生中の動画を撮影した映像と、車両内外の撮影領域をドライブレコーダー2で撮影した映像とでは、例えば画像の質等が異なったり、本実施形態では、映像データとともに第1の情報や第2の情報等の位置に関する情報や、異常検知センサ13の検出値等を関連付けて記録しているため、改変された映像であることがわかる。よって、上述したように、改変のない独自フォーマットの映像データの証拠力が担保される。
【0069】
本実施形態では、改変・改ざん防止としてパスワードを用いるのではなく、編集ができない独自フォーマットによる記録を行うようにした。これにより、パスワードの漏洩による改変、改ざんの可能性がなく、高い証拠力が保てる。
【0070】
さらに上述したように、制御部16は、撮影した映像データを不揮発性メモリに格納する機能を有し、イベント録画モードと常時録画モードを備えた場合には、例えば各モードによる録画のファイルを別にして記録する。そこで、本実施形態では、イベント録画モードで記録する映像データは独自フォーマットで記録し、常時録画モードで記録する映像データは汎用フォーマットで記録するとよい。
【0071】
このようにすると、例えば事故発生時や、あおり運転時等のトラブル時に行う操作ボタン15の操作時等の証拠として提供する可能性が高い映像データは、独自フォーマットで記録することで、再生には専用のソフトが必要になり、改変ができないため、証拠力を有する。このようにイベント録画の場合にはセキュリティに強く改ざんされにくいものとすることで証拠力が高くなる。これにより、ドライブレコーダーの存在意義が高まる。
【0072】
一方、例えばSNSにアップロードしたいケースや、個人的に記録、再生する可能性が高い常時録画モードで記録する映像データは、汎用フォーマットで記録することで、その記録した映像を、例えば、すぐにパーソナルコンピュータ等にマイクロSDカード21をセットし、汎用のプレイヤーで再生したり、その記録した映像を編集したりすることが容易に行える。ユーザにとって使い勝手の良い映像データの記録を行える。
【0073】
例えば全ての映像データを独自フォーマットにしてもよいが、そのようにすると、例えば映像を確認したりSNSにUPしたりするなどのユーザにとって普段使いが不便になる。一方、証拠力が必要なのは、イベント録画モードで記録する映像データである。そこで、本実施形態のように、イベント録画モードによる記録のみ独自フォーマットによる記録を行うとよりよい。
【0074】
また、例えば常時録画はしないでイベント録画のみを行う場合、リングバッファに対しても独自フォーマットで記録していき、イベント発生時の前後所定時間を独自フォーマットで記録するとよい。このようにすると、イベント発生前の映像データがリングバッファに独自フォーマットで記録されているので、そのまま利用できるのでよい。
【0075】
[第1の情報に基づく位置決定機能]
位置決定装置3は、処理装置31と、入力装置32と、出力装置33と、記憶装置34等を備える。処理装置31は、パーソナルコンピュータその他の演算処理能力を有するコンピュータ等であり、PCビューア等の実装されたアプリケーションプログラムを実行する機能、インターネットにアクセスする機能(通信インタフェース,Webブラウザ等)等を備える。入力装置32は、例えばキーボード、マウス、タッチパネルなどの処理装置31に対して情報,命令を入力する装置である。出力装置33は、例えば、モニタ装置である。記憶装置34は、処理装置31内のハードディスクその他の内部記憶装置でもよいし、処理装置31に接続される外付けの外部記憶装置でもよい。
【0076】
処理装置31は、ドライブレコーダー2の制御部16が記録した搬送波位相情報を含むRAWデータや受信時刻並びに衛星情報等の第1の情報を取得し、記憶装置34に記録する。また、処理装置31は、ドライブレコーダー2がRAWデータ等を受信した位置から近い基準局で同時刻に受信したGPS信号のRAWデータ等を用いて精度の良い位置検出を行き、記録する機能を備える。
【0077】
上記のドライブレコーダー2の制御部16が記録した搬送波位相情報を含むRAWデータの取得は、例えば、マイクロSDカード21を用いて行うとよい。例えばユーザは、マイクロSDカード21をドライブレコーダー2のメモリカードスロット20から取り出すとともに、処理装置31が有するカードスロットに装着する。そして、処理装置31は、例えば入力装置32から与えられる指示に従い、装着されたマイクロSDカード21にアクセスし、指定されたRAWデータ等の第1の情報を読み取り、処理装置31が有するRAM等の内部メモリや記憶装置34等に記録する。このとき取得するRAWデータ等は、1または複数のファイルに格納された車両の走行に伴い移動した位置の履歴データとするとよい。さらに処理装置31は、RAWデータ等の第1の情報以外にも、それに関連付けられた映像データ、第2の情報、加速度等の運転状況等を併せて取得するとよい。
【0078】
上述した第1の情報の取得処理に前後して、処理装置31は、例えばユーザ操作に伴う入力装置32からの指示に従い、例えば国土地理院のWebサイトの電子基準データ提供サービスのページ(https://terras.gsi.go.jp/index.php)にアクセスし、GPS信号を受信した際のドライブレコーダー2の存在位置から近い電子基準点を1または複数点指定し、そのGPS信号を受信した時刻を含む時間帯と同じ衛星を指定し、基準局で受信したRAWデータ等の所定のデータファイルをダウンロードする。ドライブレコーダー2が受信した位置と近い電子基準点のデータを使用することで、算出した位置情報の精度が向上する。
【0079】
この所定の電子基準点で記録したデータの取得処理は、例えば処理装置31がビューア等の所定のアプリケーションプログラムを実行し、自動的に行うようにするとよい。GPS信号を受信した際のドライブレコーダー2の存在位置から近い電子基準点の特定は、例えば、ユーザからの入力を受け付け、それに基づいて行うようにしてもよいが、例えば第2の情報を記憶している場合には、その第2の情報で特定される位置情報(緯度・経度)に基づいて行うとよい。このように第2の情報に基づいて近い電子基準点を特定するため、例えば、記憶装置34に全国の電子基準点の位置(緯度・経度)の情報を記録しておき、その記録した情報を利用するとよい。
【0080】
処理装置31は、電子基準点等の絶対位置が機知の基準局の位置情報を記録しておき、ユーザが例えば走行した位置を特定する住所、地名等のおおよその情報を処理装置31に設定すると、処理装置が付近の基準局を特定し、そこから必要な情報をダウンロードし正確な位置を求めるようにするとよい。このようにすると、ユーザは、具体的に基準局を指定しなくてもよく、煩雑さが低減する。
【0081】
処理装置31は、取得した第1の情報とダウンロードした基準局のRAWデータ等に基づき、RTKLIBを用いて後処理基線解析を行い、ドライブレコーダー2が記録した第1の情報のRAWデータを受信した時刻におけるドライブレコーダー2の存在位置を精度良く求める。第1の情報は、1秒ごとに記録されているため、車両の走行中に記録したすべての第1の情報についてそれぞれ正確な位置を求めることで、ドライブレコーダー2ひいては車両の移動軌跡を精度良く求めることができる。この求めた位置の履歴情報は、記憶装置34に記録する。この記録に際し、例えば第1の情報を受信した時刻等と関連付けて記録するとよい。このように時刻等と関連付けて記録することで、移動軌跡の各地点の通過時刻や車速等を知ることができる。
【0082】
無料で公開されている国土地理院の電子基準点のデータは、例えば翌日にならないとダウンロードできないなど公開されるまで所定のタイムラグがある。上述したドライブレコーダーで取得した第1の情報に基づく後処理基線解析は、通常は降車後に行うことが多い。よって、GPS信号を受信してRAWデータを記録してから、その記録したデータに基づいて位置情報を求めるまでに、一定のタイムラグが許容されるので、電子基準点のデータが公開されるのを待って後処理基線解析を行うとよい。ドライブレコーダーで記録した位置情報は、リアルタイムで解析する必要が無いことが多いといえるので、無料で公開される国土地理院の電子基準点のデータを用いて後処理基線解析を行い正確な移動経路を求めるのに適する。
【0083】
また、リアルタイム性が要求されるケースでは、この種の基準局のGPS信号のRAWデータ等のRTKLIBを用いるのに必要なデータをリアルタイムで公開する有料のサーバー等を利用するとよい。
【0084】
[後処理基線解析結果に基づく情報の表示機能]
上述したように、処理装置31は、第1の情報に基づいてドライブレコーダー2ひいては車両の移動軌跡を精度良く求め、その情報を記憶装置34に記録する。処理装置31は、記憶装置34に記憶された所定エリアの地図情報或いは航空写真を読み出すとともに、読み出した地図情報等のレイヤーの上に、記録した移動軌跡を重ねた状態で出力装置33であるモニタに表示する機能を備えるとよい。ベースとなる地図情報等は、インターネット等を介して他の記憶手段やサーバー等から取得してもよい。
【0085】
このように、実際の地図や写真の上に正確な移動軌跡を重ねて表示することで、ユーザは直感的に、精度良く走行経路を確認することができる。例えば、ベースの地図情報等を拡大表示し、移動軌跡を拡大した地図情報等に合わせて表示することで、例えば、車線変更や、交差点での右左折などの移動軌跡を確認し、例えばドライバーの運行管理等を行うことができる。
【0086】
また、第1の情報に基づいて求めた位置情報は測量と同じであり、例えば1.5GのGPS信号に基づく場合には19cm以内の誤差で高精度なため、事故を起こしたときに車両がどのよう走行していたか、或いは停止していたかなどの状況を精度よく知ることができ、事故検証に役立つ。第1の情報は改ざんされていないことが保証されるので、この移動軌跡についての証拠力も高くなる。第1の情報に基づく位置情報は、例えば1.5Gの信号に基づく場合には19cmの誤差で算出され、移動軌跡が不連続で飛ぶようなこともない。第1の情報は、RINEXの標準フォーマットで記録されており、NMEAデータを記録する際のテキストフォーマットに比べて改ざんがしにくい。さらに、仮に何らかの方法で改ざんが行われた場合、移動軌跡の連続性が得られるようにつじつま合わせが非常に煩雑で変なデータになる。よって、改ざんされたら移動軌跡からわかるので、連続した軌跡になっていれば書き換えが行われず改ざんされていないことの証明になる。従って、第1の情報は実施的に改ざんが行えず、セキュリティに強くなり、例えば、警察の捜査に協力するような場面でも有効な情報提供が行える。
【0087】
[移動軌跡の表示例と実験結果]
図2は、人がドライブレコーダー2を保持した状態で、駐車場内を移動した経路を示すものである。図2に示すように、スタート地点Sから矢印で示す経路に従って徒歩で移動した際に記録した搬送波位相情報等のRAWデータを含む第1の情報と、同時刻で付近の電子基準点で受信したRAWデータ等に基づき、後処理基線解析を行うと、図3(a)に示すように実際の移動経路とに近い軌跡が得られる。なお、移動中に取得した第2の情報であるGPSモジュール14が求めた位置情報(緯度・経度)に基づく移動軌跡は、図3(b)に示すように、実際の移動軌跡からずれたものとなる。図3(a),(b)を比較すると、第1の情報に基づく移動軌跡の高精度が確認できる。この図3(a)に示す図が、航空写真のレイヤーの上に移動軌跡を重ねて状態で出力装置33に表示する機能を実行した際の表示例となる。
【0088】
また、ドライブレコーダー2を実際に車両に実装した状態で、図4に示す経路Kで走行した際に取得した第1の情報と、同時刻で付近の電子基準点で受信したRAWデータ等に基づき、後処理基線解析を行い、移動軌跡を求めた。この経路Kは、建物Tに隣接する構内の駐車場で駐車中の車両を走行させたもので、駐車地点をスタート地点Sとし、駐車場内を一周した後、外に出て一般道を走行した後、構内に戻ってきて駐車位置P1に駐車した。図4中、A地点では、信号待ちで車両が一時停止しており、B地点では構内で行きと帰りでそれぞれ同じ領域を通過しており、C地点で車両を停止して駐車している。
【0089】
この場合において、A地点で一時停止している時間の第1の情報等に基づいて求めた基線解析結果では、図5(a)に示すように、ほぼ同じ位置にいるのに対し、第2の情報であるGPSモジュール14が求めた位置情報(緯度・経度)に基づく移動軌跡は、図5(b)に示すように、一時停止せずに数m以上の距離を移動し、実際の一時停止している車両の位置から大きくずれていることが確認できる。
【0090】
またB地点では、通路幅から車両は行きと帰りでほぼ同じ位置を走行することになる。図6に示すように、後処理基線解析を行った結果の移動軌跡K1は行きと帰りで通る位置の差が小さく、実際の走行軌跡を反映しているのに対し、NMEAデータに基づく移動軌跡K2は行きと帰りのずれが大きいことが確認できる。
【0091】
さらに、図7に示すように、C地点では、後処理基線解析を行った結果の移動軌跡K1は、車両の実際の駐車位置P1に至り、駐車位置が正しく反映されていて高精度の位置情報が得られることが確認できる。これに対し、NMEAデータに基づく移動軌跡K2は、実際の駐車位置P1より手前で止まっており、駐車位置がずれている。これらのことからもNMEAデータによる位置情報は、誤差が多いことが確認できる。
【0092】
上述したように、本実施形態では、処理装置31は、第1の情報以外に第2の情報や映像データ等を関連付けて記憶装置34に記憶する。そこで、処理装置31は、映像を再生するとともに、その映像の記録位置を示す位置情報(例えば、緯度経度)を合わせて(同時に)表示する機能を備える。位置情報の表示は、例えば図8に示すように撮影したフレームの画像40に重ねて配置した位置情報表示部41に表示されるとよい。
【0093】
処理装置31は、第1の情報のRAWデータ等に基づき後処理基線解析により求めた第1現在位置と、GPSモジュール14で求めNMEAデータとして出力された第2現在位置を位置情報表示部41に表示する機能を備えるとよい。選択は、ユーザからの指示により行うようにしてもよいが、処理装置31は、RAWデータ等を用いて求めた第1現在位置が関連づけて記憶されている場合にはそれを優先して位置情報表示部41に表示するように構成するとよい。
【0094】
このように処理装置31は、複数種の現在位置を表示する機能を備えた場合、処理装置31は、現在どちらに基づく時刻を表示しているかがわかるように表示する機能を備えるとよい。わかるように表示とは、例えば表示色を変えたり、アイコン、マーク、文字等の種類を示す情報42を近接配置したりするなど各種の方式を採るとよい。種類を示す情報42は、それぞれに対して対応するものを表示するとよいが、処理装置31は、一方のみ表示し、表示しない場合には他方の種類と理解できるようにしてもよい。
【0095】
処理装置31は、現在再生している映像が、汎用フォーマットに基づくものか独自フォーマットに基づくものかがわかるように表示するとよい。わかるように表示とは、例えば、フレームの画像に重ねて、或いは画像の外に、フォーマットの種別を特定する情報を、アイコン、マーク、文字等で表して表示するとよい。このようにすると、例えばユーザが現在見ている映像が独自フォーマットで各種の証拠分析に使える映像か否か、汎用フォーマットでそのままSNSにアップしたり加工したりできる映像か否かなどを、ユーザが容易に理解できるのでよい。
【0096】
[車両位置の表示機能]
処理装置31は、車両の大きさを特定する情報と、車両におけるドライブレコーダー2の取り付け位置を記憶し、上述した後処理基線解析により求めた移動軌跡から車両の移動状態を解析する機能を備えるとよい。例えば、図3図5から図7等に示すように、移動軌跡は、1秒ごとのドライブレコーダー2の存在位置を示すものであり、例えば時系列で前後にある点同士をつないだ線を描画すると連続した軌跡となる。この移動軌跡は、線状であり、車両の幅等が反映されていないため不明となり、例えば、車線内を走行しているか(白線をはみ出していないか)を特定することができない場合がある。
【0097】
本形態のように車両の大きさを特定する情報として、例えば車幅を登録し、ドライブレコーダー2の車両の幅方向における取付位置を登録すると、例えば、車幅を考慮した実際に車両が走行した領域を求めることができる。例えば、図9に示すように、後処理基線解析で求めた線状の移動軌跡K1の進行方向に対して直交する方向の左右に、車幅と取付位置から求めた車両の左右側面に対応する位置に補助ラインK3を描画する。このようにすると、左右の補助ラインK3の間の領域が、車両が走行した領域とほぼ等しくなる。よって、例えば、白線L1を越えることなく車線内を走行していたか否かなどを、車線と車両の位置関係をcm級で特定することができる。従って、例えば、事故の際、状況確認はドライバー等の証言も活かされるが、それに併せて、白線からの飛び出しの有無などを精度良く検証でき、さらに、イベント録画により独自フォーマットで記録した証拠力の高い映像と組み合わせることで、高精度の事故時の検証を行うことができる。また、撮影した映像では車両が白線からはみ出しているか否かがわからないときも、正確な位置情報からはみ出しの有無を特定できる。これにより、警察や保険会社等に有益な情報を提供できる。
【0098】
また上述した例では、ドライブレコーダー2の取付位置に関する情報を登録するようにしたが、係る登録をする機能は備えていなくてもよい。ドライブレコーダーは、例えばフロントガラスの幅方向の中央、すなわち、車両の幅方向の中央に設置する場合が多い。そこで、車両の幅方向の中央にドライブレコーダーを設置したとして、登録した車幅に基づき補助ラインK3を描画したり、車両が白線からのはみ出しの有無等を検証したりするとよい。また、取付位置を登録する機能を備えている場合に、取付位置の登録が無い場合には、車両の幅方向の中央に取り付けたとして処理を行うようにするとよい。
【0099】
[車両の走行姿勢・向きの検出,表示機能]
上述したドライブレコーダー2のように、GPS信号を受信しRAWデータ等の第1の情報を記録する機器を複数台(ここでは少なくとも3台)用い、それらを車両の所定位置に取り付ける。この所定位置は、同一直線上に位置せず、仮想の三角形の頂点に位置するようにするとよい。このようにすると、第1の情報等に基づき後処理基線解析を行うことで、3台の機器のそれぞれの位置を精度良く求めることができる。よって、3台の取付位置を登録すれば、車両の向きや姿勢を精度良く求めることができる。2台でもある程度の向きを特定できるのでよいが、本形態のように3台とするとより高精度に特定できるのでよい。
【0100】
3台の機器は、全てがドライブレコーダーとしてもよいし、一部をドライブレコーダーとしてもよい。1部または全部にドライブレコーダー2を用いる場合、フロントガラスの中央に取り付けて車両の前方を撮影するドライブレコーダーと、リアガラス付近に取り付けて車両の後方を撮影するドライブレコーダーを備え、さらに、3台目の機器として、例えば助手席側のサイドミラー側に取り付けて斜め前方等を撮影したり、車室内の横、例えばピラー付近や、ダッシュボード上の端などに取り付けて室内を撮影したりするドライブレコーダーとするとよい。3台目の機器は、ドライブレコーダーではなくRAWデータ等を記録する機器でもよい。3台の機器を設置する3点はできるだけ距離が離れるように配置するとよい。
【0101】
上述したように、3台の機器で取得した第1の情報に基づき、それぞれ後処理基線解析を行い、各機器の正確な位置を求める。そして同時刻の3つの機器の位置に基づいて、車両の向きを求めることができる。そして、移動軌跡の表示は、3つの機器に対するそれぞれ線状の移動軌跡が求められるので、それら全てを表示しても良いが、例えば前方用のドライブレコーダーのみのように1つの機器の移動軌跡を表示するとよい。移動軌跡は、例えば、上述した実施形態と同様に、航空写真や地図の上に重ねて表示するとよい。
【0102】
向きの情報の表示は、例えば、移動軌跡上に車両の前後或いは進行方向がわかるアイコン等を表示するとよい。アイコンは、例えば、車両を模したマークや、三角形、五角形や矢印などの向きがわかる図形などを用い、そのアイコンを車両の向きに合わせて表示するとよい。このアイコンの表示は、3つの機器の位置の代表の位置、例えば前方に設置した機器の位置を基準に行うとよい。そして、求めたすべての位置に対応してアイコンを表示してもよいが、例えば前後のアイコンが重ならないなど離散的にアイコンを表示するとよい。また、同時に複数の位置にアイコンを表示するのではなく、1つのアイコンを車両の移動に合わせて移動軌跡に沿って表示するとよい。
【0103】
また、アイコンは、上記例示列挙した実際の車両の大きさと関係ないマーク等に限ることはなく、例えば、同時刻の3つの機器の位置を結ぶ三角形や、3点の機器の車両の取付位置と車両の寸法形状に関する車両情報を登録することで求める車両の外形状を表す略四角形等の枠Wなどとすると、実際に走行した車両のイメージもわくのでよい(図9参照)。特に、車両の外形状を表す略四角形等の枠を用いた場合には、車両と車線との位置関係等も正確にわかるのでより好ましい。
【0104】
また、車体の向きの情報を得るためには、3Dジャイロ、ジャイロと加速度等を記録し、それデータを用いて簡易で向きを特定するようにしてもよいが、本形態のように3つの機器の位置情報を用いることで、より正確に向きを特定できるのでよい。
【0105】
[自車両の周辺の車両に搭載されたドライブレコーダーのデータの利用]
ドライブレコーダー2が記録した情報に基づき、例えば、自車両の周囲に存在する周辺車両を割り出し、周辺車両に搭載されたドライブレコーダーの映像を抽出できるシステムとするとよい。この車両の割り出しは、例えば処理装置31が行うとよい。
【0106】
周辺車両の割り出しは、例えば、複数のドライブレコーダーを設置したり、全周囲が撮影できるドライブレコーダーを1個或いは複数個を設置したり、より好ましくは車内外に装着したりするなどして、道路状況を死角無く映像データとして記録できるようにする。例えば、事故やトラブルが起きた際に、例えばイベント録画した映像データを処理装置31に記憶させる。処理装置31は、例えばその記憶した映像データを画像解析し、例えばその前後で撮影した映像に映り込んだ車両を割り出す。この割り出しは、例えば、ナンバープレート等を解析して行うとよい。本システムを利用するユーザは、予めナンバープレート等の車両を特定する情報を所定のサーバー等に登録する。このようにすると、処理装置31は、サーバーにアクセスし、上記の割り出したナンバープレート等の車両を特定する情報が登録されているか否かを確認し、登録されている場合には、例えば事故やトラブルが起きた時刻等の情報をサーバーに登録し、サーバーが該当する周辺車両のユーザ等に通知を送り、必要な映像データの提供を受ける。
【0107】
このようにすると、自車両と周辺車両に搭載したドライブレコーダーの映像を確認できるシステムとなり、客観的な映像で事故原因や過失割合を算出することができる。また、 現在、事故の際などにおける状況確認はドライバーの証言も活かされているが、自動運転になるとドライバーは運転していないため、状況を把握していないことがある。このように場合に、客観的な映像で事故原因や過失割合を算出できるのでよい。
【0108】
また、周辺車両から提供された映像データは、例えば処理装置31がダウンロードして出力装置33に出力表示して確認し、検証することができるようにするとよい。このように、処理装置31のPCビューア内で映像解析モードと位置解析モードを備えるとよい。
【0109】
また、映像データは、係る処理装置31へのダウンロードを行えないようにする。サーバーを管理する機関は特に問わないが、例えば、本実施形態に係るサービスを提供する事業会社または特定の事業者とするとよい。事業会社または特定の事業者は、警察または保険会社から依頼のあった場合に、映像を提供するとよい。このようにすると、証拠力がより高くなるのでよい。
【0110】
また、周辺車両の割り出しは、上述した映像データを用いるものに限ることはなく、例えば、RAWデータ等の第1の情報に基づいて後処理基線解析により求めた移動軌跡を用いてもよい。例えば、事故やトラブルが起きた際に、その発生時刻のときにいた位置を求める。各ユーザは、定期的或いは不定期で第1の情報を所定のサーバーにアップロードする。サーバーは、例えば事故やトラブルが起きた際に、その発生時刻とその発生位置等の情報を受け付けると、同時刻に周辺にいた周辺車両を割り出すようにしてもよい。
【0111】
[映像収集機能]
上述した実施形態では、サーバー等に映像データ等を収集するようにしたが、ドライブレコーダー2に周辺車両に搭載された他のドライブレコーダーから映像等を収集する機能を備えるとよい。例えば、ドライブレコーダー2に他のドライブレコーダーと無線通信するための通信機能を備え、所定の事象を検知すると、自車のドライブレコーダーが自動で周辺のドライブレコーダーと通信し、事象前後の映像を集計・保存する機能を備えるとよい。所定の事象は、他のドライブレコーダーで記録された映像を必要とする事象であればよい。所定の事象は、例えば、第1の車両が衝突や急ブレーキ等を原因として衝撃を受けたこと、カメラで人が道路に飛び出す等の所定の映像の撮影されたこと、人や他車両等の障害物が撮影されたこと、ユーザが録画ボタンをおしたこと等がある。カメラの映像を用いて行われる場合は、所定の事象は、その映像から画像認識技術を用いて検知されてもよい。収集した映像データ等の保存はドライブレコーダー2の記憶装置(例えば、マイクロSDカード21)や、サーバー等にするとよい。このようにすると、自車のドライブレコーダー2では記録できなかった死角や事故前後の周囲の状況を様々な角度から確認ができ、事故の検証に役立つのでよい。また、リアルタイムで通信し映像データを取得するので、事故の発生直後から各種の確認や検証を行うことができる。
【0112】
[相対位置関係等の検出、事故解析への利用]
上述した各種の実施形態では、搬送波位相情報のRAWデータ等の第1の情報は、絶対位置が機知の基準局で受信したRAWデータ等を用いて自車位置を求めるようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、同時刻に絶対位置が不明の機器が受信した搬送位相情報のRAWデータ等を用い、当該機器との相対位置関係を精度良く求める機能を備えてもよい。自車両の近くに同様の機能を持ったドライブレコーダー等が搭載された車両が存在する場合に、それぞれのドライブレコーダーで同一時刻に記録したRAWデータに基づいて相対距離を求めることができる。この場合に、2つの車両は近い方がよりよい。
【0113】
例えば、事故を起こした車両同士がそれぞれ本機能のドライブレコーダーを搭載していると、車間距離の接近具合を正確に求めることができ、映像データ・車速なども加味して事故解析を行い、どちらが悪いかや過失割合などの検証ができる。
【0114】
また、自車両の位置の移動軌跡は、搬送波位相情報のRAWデータ等の第1の情報等と電子基準点等の絶対位置が機知の基準局が受信他データ等を用いて精度良く求める。そして、例えば映像に映った周辺車両を特定し、その周辺車両に搭載したドライブレコーダーが記録した搬送波位相情報のRAWデータ等があれば、それを用いて自車両との位置関係などを精度良く求めるようにするとよい。
【0115】
これらの相対位置関係等の算出処理は、例えば、上述した処理装置31が行ったり、サーバーで行ったりするとよい。
【0116】
[ドライバーバイタルモニタリングシステム]
例えば、自動運転の車両に、上述した各実施形態のドライブレコーダーを装着するとよい。この場合に、ドライブレコーダー2は、通信機能、カメラによる心拍数計測技術を搭載するとよい。カメラによる心拍数計測技術は、例えば肌の光反射率の変化を利用した非接触バイタルセンシング技術を利用するとよい。
【0117】
ドライブレコーダー2は、例えば、事故を起こし、加速度センサによる強い衝撃やエアバッグの開閉を検知すると、119番に自動で連絡し、GPSモジュール14が求めた現在位置情報、ドライブレコーダーで撮影した映像(例えば全周囲・半天球を撮影できるカメラによる720度の車内外の映像とするとより好ましい)、心拍数を同時に送信する機能を備えるとよい。このようにすると、救急救命士は事前に車内の様子と心拍数の状況が把握できるので、より迅速な対応が可能となる。
【0118】
ドライバーには周辺で事故が起きた際、救護義務が法律で定められているが、自動運転導入後はその意識が低下すると恐れがある。自動運転作動中に、設定をオフにして自らハンドルを握り車両を道路脇に停め、救護するという動きはとっさにできないか、あるいは道路状況を把握していないので事故にすら気づかない可能性もある。つまり事故に遭っても助けられない可能性がある。本システムを導入することで、事故を起こした後の安心も得られる。
【0119】
上述した例では、ドライバーバイタルモニタリングシステムを自動運転車両に搭載するドライブレコーダーに実装することについて説明したが、自動運転技術が実装されていない車両に搭載するドライブレコーダー等に実装してもよい。
【0120】
[その他の変形例]
上述したサーバーを管理する機関は特に問わないが、例えば、本実施形態に係るサービスを提供する事業会社または特定の事業者とするとよい。事業会社または特定の事業者は、警察または保険会社から依頼のあった場合に、映像その他のデータを提供するとよい。サーバーが画像解析、事故状況解析、過失割合推定を行うとよう。各解析処理等は、人工知能を用いて行うとよい。さらにサーバーは、ユーザの家族の連絡先、例えばスマートフォンの電話番号やメールアドレスを記録保持しておき、ユーザの車両に事故等があった場合に、サーバーは、家族の連絡先に情報を通知する機能を備えるとよい。情報の通知は、例えば電話番号にショートメッセージを送ったり、電話をかけて音声メッセージを流したり、メールアドレスにメールを送信したりするとよい。
【0121】
ドライブレコーダー2に実装されるGPSモジュール14は、1周波を受信し、それに基づいて現在位置を求めるものとしたが、最近コストの下がってきた2周波GNSSのRAW記録ができるとよい。例えば、ドライブレコーダー2は、2周波受信機を用い、2周波に対してそれぞれ搬送波位相情報のRAWデータ等を出力するようにするとよい。そして、ドライブレコーダー2は、その2周波のRAWデータ等を記録する。2周波になると受信地点での電離層遅延計算ができるようになり精度が上がる。また、その時その場所でしか記録できない情報になるので改ざんも難しくなり、証拠力がさらに向上する。この2周波のRAWデータ等を処理装置31に与え、移動軌跡を求めると、FIX率も上がりcm級測位に近づくので、車体の大きさ・アンテナ取り付け位置の設定を入れて車線逸脱状態の確認をより高精度に行うことができる。
【0122】
上述した各実施形態等で説明したように、国土地理院の電子基準点で受信したRAWデータ等を利用する場合、リアルタイムでは取得できない。一方、有料のサーバーにアクセスし基準局の位置情報を取得すると、リアルタイムで基準局が受信したRAWデータ等を取得することができる。そこで、ドライブレコーダーに直接或いは間接的にインターネットにつなげる機能を備え、有料のサーバーにアクセスし基準局のRAWデータ等を取得し、基線解析により現在位置をリアルタイムで求める機能を備えるとよい。
【0123】
また、このようにリアルタイムで現在位置を求める機能を、例えば自動運転技術へ適用とするとよい。自動運転をするには現在の位置情報を正確にリアルタイムで求める必要がある場合がある。このRAWデータ等の第1の情報を利用した位置算出アルゴリズムは、例えばカーナビゲーションのように、地図情報等で補正しながら現在位置を求めるものとは違う方式で現在位置を求めるも算出アルゴリズムのため、例えば本機能を単独或いは併用等するとよい。
【0124】
上述した実施形態等では、ドライブレコーダーに適用した例を説明したが、本発明はこれに限ることはなく、各種の機器に適用するとよい。各種の機器としては、映像を記録しない機器とするとよく、例えば、道路脇に設置された自動速度測定装置から出射されたレーダーやレーザーを受信し、それを報知するレーダー探知機とするとよい。例えば、レーダー探知機は、レーザーやレーダーを受信したときの搬送波位相情報等のRAWデータを記録する。このようにすると、上述した後処理基線解析を行うことで、速度を測定された地点が精度よく求めることができる。さらに、例えば、係るRAWデータ等を例えばリングバッファに逐次記録しておき、レーザーやレーダーを受信した際に、直前の所定期間のRAWデータ等を記録することで、正確な移動軌跡を求め、RAWデータを受信した時刻と合わせ、正確な車速を求めることができる。これにより、受信したときの位置情報と、その前後の位置情報の履歴から精度の高い車速情報を求めることができ、スピード取り締まりの誤測定を証明するのに有効なものとなる。
【0125】
例えば、スピード違反を本当にしていたかの確認をする場合、本実施形態では高精度に位置情報の履歴がわかるので、移動速度もわかる。GPSモジュールが求めたGNSSに基づく位置情報の変化は精度上信頼性が無かったが、信頼性が上がり、速度違反していないという証拠になる可能性が出てくる。
【0126】
また、上記のようにリングバッファに一時的に記録するのではなく、例えば、エンジンがONの間RAWデータ等を一時的に記録し続け、その間にレーザーやレーダーの受信があった場合には一時記憶したRAWデータ等を不揮発性メモリ等に記録するとよい。この場合に当該受信がなかった場合には、そのまま電源をOFFする。
【0127】
移動軌跡と時刻情報から車速を求めることについては、ドライブレコーダー2においても同様のことが行える。レーダー探知機のように、レーザーやレーダーを受信したときのRAWデータを記録することはしていないが、高精度に車速と移動軌跡がわかるので、速度違反していないという証拠になる可能性が出てくる。
【0128】
また、別の機器としては、イベントデータレコーダーに適用するとよい。例えば、GPSロガーのように、基準値を超えた加速度を検出した場合など所定の条件を満たした際に、その加速度や位置情報を記録する機能を備えた機器がある。この場合に記録する位置情報を、搬送波位相情報のRAWデータ等の第1の情報とするとよい。この場合に、GPSモジュールで求めた位置情報を合わせて記録するとより好ましい。
【0129】
さらにまた別の機器としては、カーナビゲーションに適用してもよい。例えば、カーナビゲーションが動作中にGPSモジュールで受信した搬送波位相情報等のRAWデータを記録する。これにより、後で正確な走行経路を求め、モニタに表示し、ユーザが確認すること等ができる。
【0130】
移動体は、上述したようにドライブレコーダー、レーダー探知機、イベントレコーダー等の車載機器を搭載する車両に限ることはなく、例えば、ドローンなどの飛行体や、人等各種のものに適用するとよい。移動体が人の場合の機器の一例としては、以下に示すゴルフナビゲーションシステムがある。
【0131】
[ゴルフ管理システム]
ゴルフプレイヤーがゴルフ場で携帯するゴルフナビゲーションシステムは、GPS(全地球測位システム)を利用したゴルフ用の距離計測器である。モニタの有無や、腕時計型や携帯端末型など各種のタイプがあるか、ゴルフ場のコース内の各箇所の位置情報と、GPSモジュールを備え、現在の位置からグリーン上のカップやエッジ、ハザードなど目的までの距離を報知したり、自身のショットの飛距離などを計測したりする機能を備えている。また、ショット位置を記録することで、打数を記録したりする機能を備える。これらの機能により記録した情報は、ゴルフナビゲーションシステムにモニタを備えている場合、そのモニタを介してプレイ中或いはプレイ後に表示し、ユーザはその内容を確認することができる。GPSモジュールで求めた現在位置の履歴情報を記録することで、ゴルフコース内での移動軌跡を知ることもできる。また、所定のインターネットのサイトでは、このゴルフナビゲーションシステムで記録されたラウンドデータの管理が簡単に行え、ゴルフの上達を支援するスコア管理サービスが提供されているものがある。
【0132】
本実施形態におけるゴルフナビゲーションシステムは、例えば通常のゴルフナビゲーションシステムの機能に加え、GPSモジュールが受信したGPS信号の搬送波位相情報のRAWデータ等の第1の情報を記録する機能を備える。この第1の情報の記録は、少なくとも打ったポイントの位置で受信したデータを記録するとよい。通常、ボールを打ったポイントの地点登録は、スイング検知した際や、手動操作された際に受信しているGPS情報に基づいて求めたNMEAデータの現在位置(緯度・経度)を記録するが、このとき、搬送波位相情報等のRAWデータ等も併せて記録する。この地点登録は、搬送波位相情報のRAWデータ等の第1の情報のみでもよいが、リアルタイムで位置を知るためには従前のGNSSのMNEMデータによる位置情報である第2の情報も記録するとよい。また、このようにボールを打った地点登録以外に、常時第1の情報と第2の情報を記録するとよい。このようにすると、ゴルフコース内での移動軌跡を求めることができる。
【0133】
スコア管理サービスは、例えばインターネット上のサーバーとして提供されている。このサービスを利用するユーザは、例えば当該サーバーにアクセスしてスコア管理サービスにユーザ登録をする。そして、ユーザは、例えば予めゴルフナビゲーションシステムで記録したデータをパーソナルコンピュータ等のスコア管理サービスのサーバーにアクセス可能な機器に記憶させておき、サーバーにアクセスしてマイページを開き、ゴルフナビゲーションシステムで記録したデータをサーバーにアップロードする。このときアップロードするデータは、例えば、プレイしたゴルフ場名、コース、日付、ボールを打った地点登録した位置の位置情報、定期的に記録したプレイ中に存在していた位置情報、使用クラブを特定する情報などがある。位置情報は、ゴルフナビゲーションシステムのGPSモジュールが受信して記録した搬送波位相情報を含むRAWデータ等の第1の情報と、GPSモジュールが求めNMEAデータで記録された位置情報(緯度・経度)である第2の情報を有する。
【0134】
図10は、係るスコア管理サービスにおける表示画面の一例の一部を示している。適宜の画面切り替えに指示により、所望の表示仮面を表示する。図示する「起動データ修正」の表示画面は、中央に修正・登録対象のホールの模式図51を表示するホール表示部50を配置する。サーバーは、この模式図51のホールに重ねて、第2の情報に基づく移動軌跡52と、地点登録したショット位置を表示する。ショット位置の表示は、スイング検知に基づいて登録された位置を示す赤丸印のマーク53と、手動地点登録ポイントを示す白丸印のマーク54があり、設定によりいずれか一方或いは双方を表示するとよい。白丸印のマーク54は、何打目かの打数を表す数字を合わせて表示し、丸数字の態様とする。
【0135】
ホールの模式図51の上方には、ホールを特定するホール情報表示部55(図示の例では、ホール番号とパーの打数を表示)を配置し、さらにその上には、入力内容を保存する指示を与える保存ボタン部56と、ホール表示部50に表示するホールを次のホールに切り替えるための切換ボタン部57を配置したレイアウトをとる。
【0136】
また、ホール表示部50の下方には、各種の指示を入力するためのボタン部を配置しており、本実施形態との関係で言うと、移動軌跡表示設定ボタン部58と、位置補正ボタン部59を配置する。移動軌跡表示設定ボタン部58は、先頭に配置したチェックボックスをクリックしてチェックが入ると、図示するように移動軌跡52を表示し、その状態でチェックボックスをクリックしてチェックが外れると移動軌跡52の表示を消す処理を行う。
【0137】
そして、位置補正ボタン部59の先頭に配置されたチェックボックスをクリックすると、地点登録ポイントや移動軌跡を、第1の情報に基づいた精度の高い正確な位置情報に基づくプロットの表示に変える。また、第1の情報に基づく正確な位置情報に基づく表示の状態で、位置補正ボタン部59のチェックボックスがクリックされると、第2の情報に基づく表示に変える。このように、位置補正ボタン部59のクリックに伴い、「第1の情報に基づいて補正された正確な位置(GPS位置補正)」と「ゴルフナビが求めた位置(元データ)」の間でプロットされた位置が移動するトグル動作とするとよい。
【0138】
具体的な処理は、例えば、表示画面に配置した位置補正ボタン部59をクリックしてチェックを入れると、ゴルフ場の近くの電子基準点から、プレイ日のデータを取得し、第1の情報に基づいて各点の正確な位置を求め、その結果を記録する。この修正は、例えば(1)ホールごと、(2)ポイントごと、(3)すべてのホールを一括、(4)登録した過去にプレイしたゴルフ場等について一括、など各種なの対応がとれる。ユーザ設定によりいずれかを選択できるようにするとよい。ショット位置などのポイント毎の修正を行う場合、例えば画面上に表示している地点登録されたポイントをタッチすると、そのポイントについて修正するようにするとよい。
【0139】
また、例えば、ショット位置などのポイント毎の修正を行う場合、プレイ中にリアルタイムで行えるとよいが、本実施形態のように国土地理院の電子基準点を用いる場合には、修正のためのデータの取得が例えば翌日以降などのタイムラグが生じるので、プレイ中におかしい位置情報、修正したいポイントを登録する機能を設け、後でその登録したポイントを修正するとよい。例えば、ゴルフナビゲーションシステムがモニタを備えており、現在位置を表示する機能がある場合、その表示位置が実際の位置とずれている場合に、その場で修正したいポイントを登録するとよく、プレイの関係等からすぐにできない場合でも覚えている内に直すようにするとよい。
【0140】
また、予めスコア管理サービスを提供するサーバーが、位置補正用のゴルフ場付近の電子基準点の基準局の搬送波位相情報のRAWデータ等の位置補正のための情報を取得しておくとよい。そして、位置補正ボタン部59がクリックされると、その取得した情報を利用して位置補正をするとよい。このようにすると、クリックに伴い位置補正が瞬時に行われるのでよい。
【0141】
位置修正するためのデータをダウンロードする基準局は、例えば、ゴルフナビゲーションシステムが求めたNMEAデータで記録した位置情報(緯度・経度)から近くの電子基準点の基準局を決定するとよい。また、スコア管理サービスを提供するサーバーは、ゴルフ場とそれに対応する電子基準点の基準局の関係を特定する情報、例えばテーブルを記憶保持する。サーバーは、処理対象のゴルフ場が決定すると、そのテーブルを参照してデータをダウンロードする基準局を決定するようにするとより好ましい。このようにテーブルに基づき特定の基準局のデータを取得する機能を備えると、基準局の選定が容易・瞬時に行えるのでよい。
【0142】
位置補正ボタン部59は、位置補正するためのデータの取得が有効(プレイ日の翌日等)になったら選択できるようにするとよい。例えば、有効になる前は、位置補正ボタン部59は表示しているが選択できなかったり、そもそも表示しないようにしたりするとよい。また、有効になる前も選択できるようにしてもよいが、係る場合はチェックを入れると、「○○まで待ってくれ」のように警告を出すようにするとよい。これらの機能を備えると、例えばデータ取得が有効になる前に位置補正ボタン部59をクリックして位置補正がされない場合に、故障かなどの疑義を生じてしまう恐れを可及的に抑制でき、いつから補正が可能になるのかがわかるのでよい。
【0143】
上述した実施形態では、位置補正ボタン部59のクリックに伴う切り替えにより補正前と補正後の位置情報に基づく軌跡やショット位置のポイントを表示する機能を備えている係る場合に、どちらを表示しているかがわかるようにするとよい。わかるように表示とは、例えば、文字やアイコンなど区別可能な情報を合わせて表示するとよい。また、切り替えにより位置が動くのではなく、両方を表示し、例えば採用している軌跡を濃く表示し、採用されていない軌跡は薄く表示するというように表示態様を変えるとよい。どちらを表示しているかがわかるように表示態様を変える場合、採用している軌跡を目立つように表示するとよい。
【0144】
ゴルフナビゲーションシステムは、例えば、何番のクラブを使用したかの情報を登録する機能を備える。そこで、クラブの種類ごとの飛距離を求めるに際し、ゴルフナビゲーションシステムが求めた位置情報を使うのと、GPS信号の搬送波位相情報のRAWデータ等を用いて位置補正した位置情報を使うのを選択できる機能を備えるとよい。このようにすると、位置補正した位置情報を使うことで、例えば飛距離のばらつきがGPSモジュールにより求めた位置情報の算出誤差の影響を可及的に排除し、高精度に飛距離のアベレージやばらつき等を求めることができる。また、位置補正する前の位置情報に基づいて飛距離を求める場合、基準局からのデータのダウンロードや位置補正処理などを行わないので、簡易的に迅速に求めることができる。
【0145】
国土地理院のWebサイトでは、位置補正を行うために必要なデータはZIPで圧縮されていて、日時・場所を特定してダウンロードする。そこで、ゴルフ場・コース、記録開始してから終了するまでの時間などのプレイ場所プレイ時間のデータをゴルフナビゲーションシステム本体側で保持する。そして、保持した時刻・位置(ゴルフ場)から取得すべきデータの範囲を決め、それについて国土地理院のサーバーからダウンロードするとよい。このようにすると、過不足のない必要十分なデータを取得することができる。
【0146】
上述した実施形態では、ゴルフナビゲーションシステムで記録したデータを、プレイ後にサーバーにアクセスして位置補正等を行うようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、ゴルフナビゲーションシステムに通信機能を持たせ、現在位置に近い基準局を特定し、現場でその特定した基準局の情報を取得しRTKにより補正するようにしてもよい。正確な位置情報をプレイしながら求められるので、プレイ中或いはプレイ直後に反省等できるのでよい。
【0147】
ゴルフナビゲーションシステムの装置側で修正する場合、ホール単位で一括或いはすべてのホールを一括に位置補正しようとするとCPUの負担が大きく厳しい場合がある。係る場合には、例えば明らかにおかしいなど特定のポイントに絞り込んで修正する機能を備えるとよい。
【0148】
本発明は、衛星測位システム(例えばGPS)における衛星からの信号(例えばGPS信号)を受信する受信部と、所定のデータ(例えば、映像データ)を生成する機能と、前記衛星から受信された信号に含まれる前記機器の位置を計算するために用いられる第1の情報と、前記生成する機能により生成されたデータとを関連付けて所定の出力先に出力する機能と、を有するシステムを提供する。このようにすると、移動体の位置に関する情報の取得または利用に関する技術を提案することができる。第1の情報は、上述した実施形態と同じで良い。
【0149】
独自フォーマットは、例えば、以下のフォーマット形式とするとよい。第1のフォーマット形式は、図11に示すように、マイクロSDカード21のユーザデータ領域に別のシステムで利用可能な状態の映像データ記録領域を確保するフォーマット方式である。この場合、映像データが記録される映像データ記録領域は、通常のファイルシステム(例えば、FAT32)においてはアクセスすることができない。また、映像データ記録領域においては、映像データがシーケンシャルに記録される。そして、映像データ記録領域に記録されている映像データは、データ管理領域において記録される管理情報に基づいて管理されている。例えば、再生機能を有する装置(以下「再生装置」という。)は、管理情報を参照し、映像データ記録領域内の映像データの位置を特定する。ここで管理情報とは、映像データが記録された日時、管理フラグ、映像データが記録されているアドレスを対応付けて記録した情報とするとよい。再生装置は、管理情報に基づいて、映像データ記録領域内における映像データが記録されている位置を特定し、映像データを読み出すことができる。このとき、管理フラグによって再生装置は、映像データの出力を切り替えてもよい。例えば、管理フラグが「1」の場合、再生装置は有効に映像データが記録されていると認識し、映像データを読み出して再生する。また、管理フラグが「0」の場合、再生装置は有効に映像データが記録されていないと認識し、映像データを再生することはできない。管理フラグは、所定の大きさ毎に生成される映像データ毎に記録されてもよい。なお、管理フラグは、映像データの前及び/又は後に付加されていればよい。また、映像データ記録領域は、通常のファイルシステムではアクセスできない領域であるが、通常のファイルシステムでアクセスできる領域であってもよい。この場合、当該領域に大きなシーケンシャルにデータを記録できる領域を1つ確保する。ドライブレコーダー2や再生装置は、シーケンシャルにデータを記録できる領域の中で映像データを読み込んだり、再生したりすることができる。この場合、再生ができない通常のファイルシステムのみ有する装置からは、単一のファイルとしてみえる構成であってもよい。
【0150】
上述した実施形態では、衛星測位システムとしてGPSを用いる場合を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、GLONASS、ガリレオ、準天頂衛星システムなどが用いられてもよい。
【0151】
なお、本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0152】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0153】
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠又は部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としても良いし、その部材の部分としてもよい。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。
【符号の説明】
【0154】
1 :システム
2 :ドライブレコーダー
3 :位置決定装置
11 :カメラ
12 :マイク
13 :異常検知センサ
14 :GPSモジュール
15 :操作ボタン
16 :制御部
17 :一時記憶メモリ
18 :モニタ
19 :スピーカ
20 :メモリカードスロット
21 :マイクロSDカード
31 :処理装置
32 :入力装置
33 :出力装置
34 :記憶装置
40 :画像
41 :位置情報表示部
42 :種類を示す情報
50 :ホール表示部
51 :模式図
52 :移動軌跡
53 :マーク
54 :マーク
55 :ホール情報表示部
56 :保存ボタン部
57 :切換ボタン部
58 :移動軌跡表示設定ボタン部
59 :位置補正ボタン部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11