(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】バケツ
(51)【国際特許分類】
A47J 47/18 20060101AFI20241011BHJP
A47L 13/50 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
A47J47/18 D
A47J47/18 A
A47L13/50
(21)【出願番号】P 2020164814
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】313014789
【氏名又は名称】新輝合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081949
【氏名又は名称】神保 欣正
(72)【発明者】
【氏名】兜木 栄
【審査官】芝井 隆
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-143131(JP,U)
【文献】実開平02-078154(JP,U)
【文献】実開平06-051138(JP,U)
【文献】特開2000-060750(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0069519(KR,A)
【文献】特開2011-087603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 47/18 - 47/19
A47K 1/00 - 3/40
A47L 13/50 - 13/62
B65D 25/20 - 25/26
D06F 1/00 - 1/12
E03C 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バケツの開口部周縁上に、ホースを挿通保持するホース保持部を有するホースホルダーを収容するホースホルダー室の開口を設け、引き出し時にホース保持部がホースホルダー室の開口上に突出するようにホースホルダーを上記ホースホルダー室内に引き出し自在に収容したことを特徴とするバケツ。
【請求項2】
ホースホルダーのホース保持部と対向する位置をホースホルダー室内に枢支することにより、ホースホルダーを回転自在とし、回転による引き出し時にホース保持部がホースホルダー室の開口上に突出するようにした請求項1記載のバケツ
。
【請求項3】
ホースホルダー室にホースホルダーを収容した際にバケツの開口部周縁上よりホースホルダーが突出しないようにした請求項1または2記載のバケツ。
【請求項4】
ホースホルダー室の開口の枢支箇所と対向する側において、本体の開口部周縁にホースホルダー室の開口から連続する切り欠きを設け、収容時に上記切り欠きに嵌まる張り出しをホースホルダーに設けた請求項2記載のバケツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明はバケツに関し、より詳細にはホースを止めるためのホースホルダーを設けたバケツに関する。
【背景技術】
【0002】
バケツにホースで給水する際に便利なようにホースを止めるためのホース保持部を有するホースホルダーを設けたバケツが広く知られている。
【0003】
そして、そのための機構として例えばホースの持ち手にホースホルダーを設けたバケツ(特許文献1)、バケツ本体にホースホルダーを設けたバケツ(特許文献2)が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3059369号
【文献】特開平8-336470号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記のホースの持ち手にホースホルダーを設けたバケツは持ち手の回動に伴ってホースが動くので、例えば持ち手を畳んで給水していたバケツを移動のために持ち手を持って運ぼうとするとホースの先端がバケツ内から移動して水が思わぬ方向に飛散するおそれがあった。
【0006】
一方、バケツ本体にホースホルダーを設けたバケツにおいては前記のような問題は生じないが、ホースホルダーがバケツ本体から突出するのでバケツ同士をスタッキングしたり、被蓋したりする際に支障となるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は以上の従来技術の問題点を解消したバケツを提供することを目的として創作されたものである。すなわち、バケツの開口部周縁上に、ホースを挿通保持するホース保持部を有するホースホルダーを収容するホースホルダー室の開口を設け、引き出し時にホース保持部がホースホルダー室の開口上に突出するようにホースホルダーを上記ホースホルダー室内に引き出し自在に収容したことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、前記のバケツにおいて、ホースホルダーのホース保持部と対向する位置をホースホルダー室内に枢支することにより、ホースホルダーを回転自在とし、回転による引き出し時にホース保持部がホースホルダー室の開口上に突出するようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、前記のバケツにおいて、ホースホルダー室にホースホルダーを収容した際にバケツの開口部周縁上よりホースホルダーが突出しないようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、前記のバケツにおいて、ホースホルダー室の開口の枢支箇所と対向する側において、本体の開口部周縁にホースホルダー室の開口から連続する切り欠きを設け、収容時に上記切り欠きに嵌まる張り出しをホースホルダーに設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願発明のバケツによれば、ホース保持部を有するホースホルダーはバケツ本体に設けられるので、例えば持ち手を畳んで給水していたバケツを移動のために持ち手を持って運んでもホースの先端はバケツ内から移動しないので水が思わぬ方向に飛散することがない。
【0012】
また、ホース保持部を有するホースホルダーは開口部周縁の下に設けられるホースホルダー室に引き出し自在に収容されるので、ホースを使用しない場合はホースホルダーはバケツ本体から突出せず、バケツ同士をスタッキングしたり、被蓋したりする際に支障となることがない。
【0013】
また、請求項2記載の発明のように、ホースホルダーのホース保持部と対向する位置をホースホルダー室内に枢支することにより、ホースホルダーを回転自在とし、回転による引き出し時にホース保持部がホースホルダー室の開口上に突出するようにした場合は、回転角度によりホース保持部の全部が開口上に突出したり一部が突出することになる。つまり、回転角度によりホース保持部の大きさが変わるので、挿通保持されるホースの外径がホース保持部より小さい場合でもホースを挿通した状態でホースホルダーを収容方向に回転させれば、ホースはホース保持部の内壁とバケツの開口部周縁間に挟持されて抜けが防止される。
【0014】
また、請求項4記載の発明のように、ホースホルダー室の開口の枢支箇所と対向する側において、本体の開口部周縁にホースホルダー室の開口から連続する切り欠きを設け、収容時に上記切り欠きに嵌まる張り出しをホースホルダーに設けた場合は、ホースホルダーの収容時に上記張り出しの端面が本体の開口部周縁2端面に露出するので、引き出しにあたってはこの箇所を指先を引っかけるてがかりとして利用することができ、また、この機構は同時にホースホルダーの限度以上のホースホルダー室内への回転を防止するストッパーとしても機能する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本願発明のバケツのホースホルダーを引き出した状態の斜視図。
【
図2】同上、ホースホルダーを収容した状態の斜視図。
【
図3】同上、ホースホルダーを引き出した状態の正面図。
【
図5】同上、ホースホルダーを取り外した状態の要部の斜視図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本願発明のバケツの具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1~3は本願発明のバケツである。ここでは、上部に蓋を被蓋可能な角形のプラスチック製のバケツを例にとって説明することとする。
【0017】
このバケツは開口部周縁2がバケツ本体1に対しフランジ状に張り出した形状を有し、開口部周縁の一側の下方にホースホルダー室11を垂設するとともに、開口部周縁上にホースホルダー室の開口10を配している。この場合、ホースホルダー室11はあくまでも開口部周縁2の巾を利用してその下に垂設されるものであり、バケツの外方に突出するものではない。
【0018】
図中符号20は前記のホースホルダー室11内に引き出し自在に収容されるホースホルダーである。上記ホースホルダー20はホースを挿通保持するホース保持部21を一側に有し、それと対向する位置にホースホルダー室内に設けた枢軸12に枢支するための弧状の切り込み22を有する。これらのホース保持部21および枢軸12はホースホルダー20をホースホルダー室11内に収容した際にホースホルダー室内を向くように位置し、これらの背側がホースホルダー室の開口10側を向くように配される(
図2参照)。従って、ホース保持部21を枢支箇所を回転中心として上側に引き出せばホース保持部21がホースホルダー室の開口10から突出することとなる。
【0019】
なお、ホースを挿通保持するホース保持部21としてここでは一方を開放した弧状のものを例示しているが、円形の孔であってもよいことはもちろんである。
【0020】
なお、前記の場合に引き出しの手がかりとなるように、ホースホルダー室の開口10の枢軸12と対向する側において、本体の開口部周縁2にホースホルダー室の開口から連続する切り欠き13を設け、収容時に上記切り欠き13に嵌まる張り出し23をホースホルダー20に設けている(
図5参照)。こうすることによって、ホースホルダー20の収容時に上記張り出し23の端面が本体の開口部周縁2端面に露出するので、引き出しにあたってはこの箇所を指先を引っかけるてがかりとして利用することができる。また、この機構は同時にホースホルダー20の限度以上のホースホルダー室内への回転を防止するストッパーとしても機能することなる。
【符号の説明】
【0021】
1 バケツの本体
2 本体の開口部周縁
3 持ち手
10 ホースホルダー室の開口
11 ホースホルダー室
12 枢軸
13 切り欠き
20 ホースホルダー
21 ホース保持部
22 切り込み
22 張り出し