(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】路面埋設型広告ブロック
(51)【国際特許分類】
G09F 19/22 20060101AFI20241011BHJP
E01F 9/559 20160101ALI20241011BHJP
G09F 13/20 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
G09F19/22 H
E01F9/559
G09F13/20 G
G09F13/20 L
(21)【出願番号】P 2023122483
(22)【出願日】2023-07-27
【審査請求日】2024-06-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0177318
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523226974
【氏名又は名称】アトラス埋込型信号機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【氏名又は名称】岩谷 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100127568
【氏名又は名称】酒井 善典
(74)【代理人】
【識別番号】100171402
【氏名又は名称】上田 ▲茂▼
(74)【代理人】
【識別番号】100188499
【氏名又は名称】勝又 政徳
(72)【発明者】
【氏名】カク, ス キョン
(72)【発明者】
【氏名】カク, ジェ ホ
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-222867(JP,A)
【文献】特開2012-002968(JP,A)
【文献】特開2015-129379(JP,A)
【文献】特開2006-064933(JP,A)
【文献】実開昭62-100246(JP,U)
【文献】特開2008-083161(JP,A)
【文献】特開2021-196481(JP,A)
【文献】特開2019-070576(JP,A)
【文献】特開2019-132640(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0122569(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00- 9/46
G09F 13/00-13/46
G09F 19/00-27/00
E01F 9/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部(10)は、
多数のLED(11)が一定の間隔をおいて格子状に設置される発光部フレーム(12);
前記LED(11)の光が側面に拡散して干渉を起こさないように、それぞれの前記LED(11)を区画する隔壁(13);
前記発光部フレーム(12)の上側に設置され、前記LED(11)の光を上側に表出させるアウターレンズ(14);及び
前記隔壁(13)の間に設置され、前記LED(11)で生成された散乱光を前記アウターレンズ(14)に向かう直線光に変化させるインナーオプティカルレンズ(15);を
含み、多数の前記LED(11)によって形成され、広告映像を表出する前記発光部(10)と、電源供給部と制御回路を具備し、路面に設置されて前記発光部(10)を支持するメインフレーム(20)を含む路面埋設型広告ブロック
において、
前記インナーオプティカルレンズ(15)を通過した直線光をアウターレンズ(14)の全体面に拡散するためのディフユーザーレンズ(16)が前記アウターレンズ(14)の底部に設置されていることを特徴とする路面埋設型広告ブロック。
【請求項2】
前記隔壁(13)は、前記発光部フレーム(12)の一定の高さに設置され、それぞれの前記LED(11)を区画し、
前記インナーオプティカルレンズ(15)は、上方に向けて凹状に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の路面埋設型広告ブロック。
【請求項3】
前記ディフユーザーレンズ(16)は立体構造で形成されていることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の路面埋設型広告ブロック。
【請求項4】
前記ディフユーザーレンズ(16)は正方形構造で形成され、4.81×4.81mmの大きさに形成されることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の路面埋設型広告ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面埋設型広告ブロックに関するものであり、さらに詳しくは、路面に設置されて広告を表出するが、光学技術を用いてLEDの光を直線光に変換させることで光損失を最小化し、側面に拡散する光を遮断して干渉現象を防ぐことで、電力の消耗を減らし、輝度の向上を図った路面埋設型広告ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
路面埋設型広告ブロックは、路面などの地面に設置して広告を表示するものであり、歩行者に対する広告効果に優れた特徴がある。
【0003】
このような路面埋設型広告ブロックは、多数のLEDにより形成されて広告映像を表出する発光部と、電源供給部と制御回路を備え、路面に設置されて発光部を支持するメインフレームを含んでいる。
【0004】
従来の路面埋設型広告ブロックを構成する発光部(100)は、
図4ないし
図6に図示したように、多数のLED(110)が一定の間隔をおいて格子状に設置される発光部フレーム(120)と、LED(110)の間を区画する隔壁(130)と、発光部フレーム(120)の上側に設置されLED(110)の光を上側に表出させるアウターレンズ(140)を含んでいる。
【0005】
前記の従来の路面埋設型広告ブロックは、発光部からLEDの光がアウターレンズを通して上方に照射されることにより、路面に広告が表示されるようになっている。
【0006】
しかし、前記の従来の路面埋設型広告ブロックは、LEDの光が放射状に発散して円形のピクセルポイントに集光されないなど、光の損失が多いことから輝度が弱く、これにより消費電力が増加するという問題があった。
【0007】
また、LED間を区画する隔壁の高さが低いため、LEDの光が拡散してしまい、隣接するLEDの光と干渉を起こすことから、広告映像が明確に表示されないことがあり、また一つの問題点とされていた。
【0008】
一方、本発明に関連する先行技術を調査した結果、本発明と同一の技術分野の特許文献が見つからず、隣接する技術分野の先行技術として以下の特許文献が検索された。
【0009】
特許文献1は、スマートフォンとタブレットPCを使用し、BluetoothまたはWi-Fi近距離無線通信を介して広告イメージと広告動画を伝送するスマート機器;及び自動車道路の路面に長方形構造で一定の深さに埋設され、信号灯の電源ケーブルを介して電源が供給され、前記スマート機器と前記近距離無線通信を介して広告イメージと広告動画を受信して保存し、広告主の要求に応じて設定された時間帯にLED動画広告とイメージ広告を出力する路面広告板を含み、スマートフォンとBluetoothまたはWi-Fi通信を介してLED広告画像またはLED広告動画をLED路面広告板にアップロードし、LED動画広告と一般パネル広告を表示するLED路面広告板を開示している。
【0010】
特許文献2は、地下鉄または任意の場所の路面に取り付けられる路面広告装置において、厚みが薄い薄型の函体で構成され、下面には挿入溝が形成された導光板を具備し;前記挿入溝内には照明装置が装着され、合成樹脂、レジン等の充填物で密封され;導光板の下面は防水紙で密封され、導光板の上面はラミネートされた広告フィルムとノンスリップシートが順に貼付され;前記導光板の側面と下面を包む形態で構成されるフレームを含めて構成され、歩行者の通行に支障が出ないようにしつつ広告効果を最大化し、施工及び維持管理が容易な超薄型路面広告装置を開示している。
【0011】
特許文献3は、一方の表面に線形または点形の突出部が一定の間隔と幅で凸状に形成されており、当該裏面は当該部分が凹状に形成されている全体的に透明な材質の点字ブロック上部層または表面層、前記上部層の裏面に設置される方向表示または広告紙を取付けられるプレート層で構成されているが、前記上部層と前記プレート層に一体でラミネートコーティング処理を施すことにより、単純な障害者のための誘導表示にとどまらず、障害者以外の人たちには審美感を与えることができ、地下道や大型建物、乗降場または交差点などにおいては、広告効果はもちろん、目的地を案内するための案内板としての役割も果たすことができる路面埋設型広告用点字ブロックを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0122569号公報
【文献】韓国登録実用新案第20-0390883号公報
【文献】韓国登録実用新案第20-0340178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前記の従来技術の問題点を解決するために案出されたものであり、路面に設置されて広告を表出するが、光学技術を利用してLEDの光を直線光に変換させ、光の損失を最小化し、側面に拡散される光を遮断して干渉現象を防止することで、電力の消耗を減らし、輝度の向上を図った路面埋設型広告ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するための本発明は、多数のLEDによって形成されて広告映像が表出される発光部と、電源供給部と制御回路を具備し、路面に設置される発光部を支持するメインフレームを含む路面埋設型広告ブロックにおいて、前記発光部は、多数のLEDが一定間隔をおいて格子状に設置される発光部フレーム;LEDの光が側面に拡散して干渉を起こさないように、それぞれのLEDを区画する隔壁;発光部フレームの上側に設置され、LEDの光を上側に表出させるアウターレンズ;及び前記隔壁の間に設置され、LEDで生成された散乱光をアウターレンズに向けた直線光に変化させるインナーオプティカルレンズ;を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の路面埋設型広告ブロックによれば、前記隔壁は、発光部フレームに一定の高さで設置され、それぞれのLEDを区画し、前記インナーオプティカルレンズは、上方に向けて凹状に形成されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の路面埋設型広告ブロックによれば、前記アウターレンズの底部にLEDの光を拡散させるディフューザーレンズが設置されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の路面埋設型広告ブロックによれば、前記ディフューザーレンズは立体構造で形成されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の路面埋設型広告ブロックによれば、前記ディフューザーレンズは、四角構造で形成され、4.81×4.81mmの大きさに形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の路面埋設型広告ブロックは、発光部にLEDから発散された光を直線光に変化させるインナーオプティカルレンズが備えられているため、光の拡散による損失が最小化されることから、電力損失が減少し、広告映像の輝度が向上する効果がある。
【0020】
また、本発明の路面埋設型広告ブロックによれば、LED間を区画する隔壁が一定の高さで形成され、隔壁の間に上方に向けて凹状のインナーオプティカルレンズが設置されることから、隔壁によって拡散光が遮断され、干渉が発生しなくなることはもちろん、広告映像の品質が向上する効果がある。
【0021】
また、本発明の路面埋設型広告ブロックによれば、アウターレンズの底面にディフューザーレンズが具備されていることから、インナーオプティカルレンズを通過した直線光がアウターレンズの全体面に拡散され、広告映像の品質が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明による路面埋設型広告ブロックが図示された切開斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明による路面埋設型広告ブロックの発光部を示す拡大図である。
【
図3】
図3は、本発明による路面埋設型広告ブロックにおいてLEDから照射された光の経路を示した参考図である。
【
図4】
図4は、従来の路面埋設型広告ブロックの発光部の一部を示した切開斜視図である。
【
図5】
図5は、従来の路面埋設型広告ブロックの発光部を示す拡大図である。
【
図6】
図6は、従来の路面埋設型広告ブロックにおいてLEDから照射された光の経路を示した参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して、本発明による路面埋設型広告ブロックについて説明すると、以下の通りである。
【0024】
本発明において使用される用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であり、これは使用者、運用者の意図または慣習によって異なる場合があることから、これらの用語に対する定義は、本発明の技術的事項に合致する意味と概念により解釈されなければならない。
【0025】
また、本発明の実施例は本発明の権利範囲を限定するものではなく、本発明の請求範囲に提示された構成要素の例示的な事項に過ぎず、本発明の明細書全体にわたる技術思想に含まれ、請求範囲の構成要素から均等物として置換可能な構成要素を含む実施例である。
【0026】
そして、以下の実施形態における選択的な用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために使用されるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。
【0027】
そこで、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不必要に曖昧にする可能性のある関連する公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0028】
本発明の好ましい実施例を説明するための
図1は、本発明による路面埋設型広告ブロックを図示した切開斜視図であり、
図2は、本発明による路面埋設型広告ブロックの発光部を示す拡大図であり、
図3は、本発明による路面埋設型広告ブロックにおいてLEDから照射された光の経路を示す参考図である。
【0029】
本発明による路面埋設型広告ブロックは、
図1ないし
図3に図示したように、多数のLED(11)により形成され、広告映像を表出する発光部(10)と、電源供給部と制御回路を具備し、路面に設置されて発光部(10)を支持するメインフレーム(20)を含んで構成される。
【0030】
そして、前記発光部(10)は、多数のLED(11)と発光部フレーム(12)、隔壁(13)、アウターレンズ(14)及びインナーオプティカルレンズ(15)を含んで構成される。
【0031】
前記LED(11)は、広告映像を形成するための光を発生し、上部に向かって照射するものであり、発光部フレーム(12)に一定の間隔を置いて格子状に設置される。前記発光部フレーム(12)は、メインフレーム(20)の上側に設置されるものであり、底面上側に前記LED(11)が多数設置される。
【0032】
前記隔壁(13)は、それぞれのLED(11)を区画してLED(11)から照射された光が側面に拡散して干渉を起こさないようにするものであり、発光部フレーム(12)の一定の高さに設置する。
【0033】
前記アウターレンズ(14)は、発光部フレーム(12)の上側に設置され、LED(11)の光を上側に表出させるものであり、上部面が底面と同一の高さになるように設置される。そして、前記アウターレンズ(14)は、透光性に優れたPC材質で形成されることが好ましい。
【0034】
前記インナーオプティカルレンズ(15)は、LED(11)で生成された散乱光をアウターレンズ(14)に向かう直線光に変化させるもので、上方に向けて凹状に形成され、前記隔壁(13)の間に設置される。
【0035】
前記ディフューザーレンズ(16)は、アウターレンズ(14)の底部に設置され、LED(11)の光を拡散させるものであり、上部側に行くほどに面積が拡大する立体構造で形成されることが好ましい。そして、直線光を全体面に拡大させるために正方形の断面となるように形成され、4.81×4.81mmの大きさに形成されることがより好ましい。
【0036】
前記のように構成された本発明の路面埋設型広告ブロックは、LEDの上側にインナーオプティカルレンズが具備され、LEDから発散された光を直線光に変化させて上方に照射し、LEDの間に設置される隔壁が外側方向に拡散する光を遮断して他のLEDの光と干渉を起こさないようにすることにより光損失が最小化され、電力消耗量を減らせるようになるのはもちろん、同一の電力を利用したとしても広告映像の輝度を向上させることができるようになる。
【0037】
以上、本発明の技術的思想を例示するためのいくつかの実施例と関連して説明し、図示したが、本発明はこのように説明された通りの構成及び作用のみに限定されるものではなく、本発明の説明に記載された技術的思想の範疇を逸脱することなく、本発明について多数の変更及び修正が可能であることを、通常の技術者たちはよく理解できるであろう。したがって、そのようなすべての適切な変更及び修正と均等物も本発明の範囲に属するものであるとみなされるべきである。
【符号の説明】
【0038】
10...発光部
11...LED
12...発光部フレーム
13...隔壁
14...アウターレンズ
15...インナーオプティカルレンズ
16...ディフューザーレンズ
20...メインフレーム