(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20241011BHJP
【FI】
A63F5/04 611B
A63F5/04 605B
A63F5/04 691A
(21)【出願番号】P 2023176120
(22)【出願日】2023-10-11
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(72)【発明者】
【氏名】谷内田 実紀
(72)【発明者】
【氏名】夏目 浩之
(72)【発明者】
【氏名】山本 卓也
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-064676(JP,A)
【文献】特開2017-086285(JP,A)
【文献】特開2018-161251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が遊技の用に供することができる遊技メダルの貸出若しくは入賞による獲得、又は遊技メダルを遊技の用に供することを電磁的方法のみにより行うスロットマシンであって、
外部装置と接続するための遊技球等貸出装置接続端子板と、
入賞により獲得した前記遊技メダル1枚当たり、規定時間以上のパルス幅を有するパルス信号(以下、アウト信号という)を前記遊技球等貸出装置接続端子板
から出力する、アウト信号出力手段と、
前記入賞により獲得した前記遊技メダルの枚数を、1枚ずつクレジット数に加算するクレジットアップ手段と、を備え、
前記アウト信号出力手段は、
前記アウト信号の出力の開始にあたり、前記入賞により獲得した遊技メダルの枚数と、前記アウト信号の出力周期とに基づき算出した長さのタイマをセットし、該タイマがアップしてから、次の遊技での入賞に伴う前記アウト信号の出力を開始する
一方、
前記クレジットアップ手段は、前記タイマがアップしているか否かにかかわらず、次の遊技での入賞に伴うクレジットアップ処理を実行する、ことを特徴とする、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコホールに設置されているスロットマシンやパチンコ機の収支情報は、ホールコンピュータ(以下、ホールコンという)で一元管理されている。
スロットマシンには、遊技に供するために投入されたメダル枚数であるイン枚数、遊技の結果払出されたメダル枚数であるアウト枚数、および遊技者にとって有利な特賞期間中(例えばボーナスゲーム中)か否かに係る特賞中情報等を外部へ出力する遊技球等貸出装置接続端子板が搭載されている。スロットマシンの遊技球等貸出装置接続端子板を介して出力される信号をホールコンにて受信することにより、パチンコホールの管理者は、ホールコンにて遊技機各台の稼働状況をリアルタイムで把握できるとともに、閉店後には、収支情報を集計した営業情報を確認できるようになっている。
【0003】
スロットマシンから遊技球等貸出装置接続端子板を介して出力される情報は、上記の通りパチンコホールにとって非常に重要な情報であるため、正確性が求められる。
また、スロットマシンは、外部への情報出力端子として、遊技球等貸出装置接続端子板の他に試験端子板を備えているが、該試験端子板を介して出力する情報はスロットマシンの型式試験に用いられるため、遊技球等貸出装置接続端子板を介して出力する情報と同様に、正確性が求められる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の遊技機関連法規の改正により、遊技メダルとしてメダルを使用せず、遊技メダルの貸出若しくは入賞による獲得、又は遊技メダルを遊技の用に供することを電磁的方法のみにより行う、いわゆるスマートパチスロ(以下、スマスロという)のパチンコホールへの設置が可能となった。スマスロでは、従来のスロットマシンに比べて、快適に遊技を楽しむことが可能となっている。
【0006】
ところで、遊技メダルとして実メダルを使用していた従来のスロットマシンのメダル払出処理は、クレジットアップ処理と、ホッパーを駆動して実メダルを払い出す実メダル払出処理の2通りがあり、1枚の実メダルの払出は、ホッパーを駆動し、ホッパーから排出された1枚の実メダルが払出センサによって検出されることで完了するため、一定の時間を要する。一方、クレジットアップ処理においては、クレジットに1加算するごとに、クレジットアップ音を出力するのが一般的であり、クレジットアップ処理でのクレジットアップ音の出力間隔と、実メダル払出処理における実メダル払出の間隔が異なると、遊技者に違和感を与える虞がある。このため、従来のスロットマシンでは、クレジットアップ処理にてクレジットに1加算する間隔を、実メダル払出処理における実メダル1枚の払出に要する時間に合わせて設定していた。
【0007】
これに対し、スマスロでは、従来のスロットマシンの実メダル払出処理がなくなり、従来のスロットマシンのクレジットアップ処理に相当する電磁的なメダルの払出処理のみとなったため、従来のスロットマシンに比べて、メダル払出処理に要する時間の短縮が可能となった。
【0008】
しかしながら、遊技球等貸出装置接続端子板からメダル1枚の払い出しごとに出力するアウト信号の仕様は、従来のスロットマシンと変わりなく、メダル1枚の払い出しごとにパルス幅100msec以上のパルス信号を出力する必要がある。従来のスロットマシンにおいては、実メダル1枚の払出に要する時間が100msecよりも長かったため、アウト信号の出力に要する時間を意識する必要がなかったが、スマスロにおいては、前のゲームの入賞に伴うアウト信号の出力中に、次のゲームで入賞が生じた場合に、アウト信号の出力に要する時間を意識しないと、アウト信号の出力を正確に行えない問題が生じてしまう。
【0009】
そこで、本発明は、前のゲームの入賞に伴うアウト信号の出力中に次のゲームで入賞が生じても、アウト信号を確実に出力することが出来るスマスロを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、本発明について説明する。なお、発明の理解を容易にするため、添付図面の参照符号等を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が表示の形態に限定されるものではない。
【0011】
遊技者が遊技の用に供することができる遊技メダルの貸出若しくは入賞による獲得、又は遊技メダルを遊技の用に供することを電磁的方法のみにより行う、本発明のスロットマシン(1)は、
外部装置と接続するための遊技球等貸出装置接続端子板(20)と、
入賞により獲得した前記遊技メダル1枚当たり、規定時間以上のパルス幅を有するパルス信号(以下、アウト信号という)を前記遊技球等貸出装置接続端子板(20)に出力する、アウト信号出力手段と、を備え、
前記アウト信号出力手段は、連続する2遊技において、
前の遊技にて前記アウト信号の出力を開始してから、当該前の遊技にて入賞により獲得した前記遊技メダルの枚数分の前記アウト信号を出力するのに要する時間が経過した後に、次の遊技での入賞に伴う前記アウト信号の出力を開始する、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前のゲームの入賞に伴うアウト信号の出力中に次ゲームで入賞が生じても、アウト信号を確実に出力することが出来るスマスロを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】スロットマシン1の外観を示す斜視図である。
【
図2】スロットマシン1の遊技球等貸出装置5付近の拡大図である。
【
図3】スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】スロットマシン1をパチンコホール301に設置し、外部装置と接続した状態を示す図である。
【
図5】スロットマシン1の左リール、中リールおよび右リールの各周面(リール帯)に描かれている図柄の配列を示す図である。
【
図6】スロットマシン1の図柄停止位置および入賞ラインについて説明するための図である。
【
図7】スロットマシン1における1遊技の開始から終了までの各種処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】スロットマシン1において、入賞が許容される役について入賞図柄組合せ、および入賞時の特典/配当を示した表である。
【
図9】スロットマシン1における遊技状態の遷移を示す図である。
【
図10】スロットマシン1の通常状態中の内部抽選対象役およびその当選確率を示す表である。
【
図11】スロットマシン1のBBゲーム中の内部抽選対象役およびその当選確率を示す表である。
【
図12】スロットマシン1のCBゲーム中の内部抽選対象役およびその当選確率を示す表である。
【
図13】スロットマシン1のゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】スロットマシン1のクレジットアップ処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】スロットマシン1のアウト信号出力処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<1.用語の定義>
【0015】
本明細書で用いる用語について、以下に説明する。
【0016】
「遊技媒体」とは、遊技機に使用される電磁的なメダル又は遊技球のことをいう。遊技機に電気的又は磁気的に記憶された遊技媒体の数を示す情報のことを「クレジット」といい、その数を「クレジット数」という。
【0017】
「ベット」とは、遊技を開始するために遊技媒体を賭することをいう。ベットされた遊技媒体は遊技の開始とともに消費される。遊技を開始するためにベットされた遊技媒体の数のことを「ベット数」という。「ベットボタン」とは、ベットするために遊技者が操作するための装置のことをいう。
【0018】
「遊技」とは、スタートレバーの操作から、リールの回転および停止を経て、入賞の判定の結果に基づく処理が終了するまでの一連の過程のことをいう。「1遊技」「1回の遊技」とは、その一連の過程の1回分のことをいう。また、「遊技」に代えて「ゲーム」と表記する場合もある。
【0019】
「入賞ライン」とは、役の入賞を判定する対象である所定の図柄位置の組合せのことをいう。ベットに応じて入賞の判定が無効の状態から有効な状態に変化する。
【0020】
「入賞」とは、役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に停止表示することをいう。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0021】
<2.遊技機の外観構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン1の斜視図である。スロットマシン1は、前面が開放された箱型の本体2と、本体2の前面を開閉可能に設けられた前扉3とを備えている。本体2内には、上下方向の中央部より少し上方の位置に、左リールR1、中リールR2、および右リールR3が左右に並べて配置されている。左リールR1、中リールR2、および右リールR3は、ドラム状のリール枠の周面にリール帯を巻着した構成を有しており、リール枠の中心で左右方向に延びる軸を中心に回転可能に設けられている。リール帯には、21個の図柄が周方向に並べて配列されている。
【0022】
前扉3には、操作部4、表示パネルユニット9および液晶表示器16が設けられている。表示パネルユニット9は、左リールR1、中リールR2、および右リールR3と対向する位置に設けられている。表示パネルユニット9の中央部には、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の周面の一部を視認可能にするためのリール窓8が設けられている。
左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転中は、リール窓8内に、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の図柄が次々に現れる(図柄の変動表示)。左リールR1、中リールR2、および右リールR3が停止すると、リール窓8内に、左リールR1、中リールR2、および右リールR3のそれぞれ3個の図柄、合計9個の図柄が表示される(図柄の停止表示)。
【0023】
リール窓8の下方には、獲得枚数表示器10が配置されている。獲得枚数表示器10は、ドット付きの3桁の7セグメント表示器からなる。
【0024】
前扉3には、表示パネルユニット9の下方に、操作部4が設けられている。操作部4には、遊技メダル数表示装置5、1枚ベットボタン7、MAXベットボタン11、スタートレバー12、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、右ストップボタン15R、および精算ボタン17が設けられている。
【0025】
また、操作部4の中央部には、液晶表示器16にて遊技者介入型演出が実行された場合に、操作が促される演出ボタンPB、および十字キーJKが配置されている。
【0026】
さらに、前扉3には、操作部4の下方に、スロットマシン1の機種名などを表示する表示パネル14、遊技中の雰囲気を盛り上げるための効果音などを出力する一対のスピーカ6L,6R、およびトレイ13が配置されている。
【0027】
図2に示す如く、遊技メダル数表示装置5には、スロットマシン1の現在のクレジット数が表示されるクレジット数表示器5aと、後述する専用ユニット60に、クレジットを返却する際に操作する計数ボタン5bとが配置されている。
【0028】
図1に戻り、MAXベットボタン11は、クレジットからのメダルの引き落としにより、ベット数を最大の3枚とすべく操作するボタンである。
【0029】
1枚ベットボタン7は、クレジットからのメダルの引き落としにより、ベット数に1を加算すべく操作するボタンである。
【0030】
スタートレバー12は、遊技を開始する際に操作するレバーである。1遊技の実行に必要なメダル枚数(以下規定数という)がベットされた後、スタートレバー12が操作されると、左リールR1、中リールR2、および右リールR3が回転を開始する。
【0031】
左ストップボタン15Lは左リールR1、中ストップボタン15Cは中リールR2、お右ストップボタン15Rは右リールR3にそれぞれ対応して設けられ、対応するリールR1,R2,R3を停止させる際に操作するボタンである。例えば、左リールR1の回転中に、左ストップボタン15Lが押操作されると、左リールR1の回転が停止する。
【0032】
獲得枚数表示器10には、入賞により獲得したメダルの枚数が表示される。
【0033】
精算ボタン17は、MAXベットボタン11、および1枚ベットボタン7の操作によってベットしたメダル数をクレジットに戻すべく操作するボタンで、メダルがベットされた状態で精算ボタン17を操作すると、操作時点でのベット数がクレジットに加算されてベット数がゼロとなる。
【0034】
表示パネルユニット9の上方には、遊技の進行に合わせた演出画像などを表示するための液晶表示器16が配置されている。
【0035】
液晶表示器16の周辺には、発光による遊技中の雰囲気を盛り上げるための装飾ランプ18L,18C,18Rが設けられている。
【0036】
<3.遊技機の電気的構成>
<3-1.遊技機の電気的構成(主制御装置)>
図3は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【0037】
スロットマシン1は、遊技制御を司る主制御装置100と、遊技に付随する演出の制御を行うサブ制御装置101とを備えている。
【0038】
主制御装置100は、主制御部100aと払出制御部100bとを備え、主制御部100aと払出制御部100bは、それぞれワンチップマイコンで構成しており、払出制御部100bは、クレジット関連処理を専門で司る。一方で、主制御部100aは、クレジット関連処理を除く、遊技制御全般を司る。
【0039】
主制御部100aの入出力ポートには、MAXベットボタン11、1枚ベットボタン7、スタートレバー12、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、右ストップボタン15R、精算ボタン17、獲得枚数表示器10、左リールセンサ54L、中リールセンサ54C、右リールセンサ54R、左リールモータ51L、中リールモータ51C、右リールモータ51R、設定変更スイッチ20、設定変更ボタン21、払出制御部100b、およびサブ制御装置101が接続されている。
【0040】
MAXベットボタン11、1枚ベットボタン7、スタートレバー12、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、右ストップボタン15R、および精算ボタン17の何れかが操作されると、それらに内蔵されたスイッチ(図示せず)から操作信号が出力され、その操作信号が主制御部100aに入力される。
【0041】
スタートレバー12が操作されると、主制御部100aは、左リールモータ51L、中リールモータ51C、右リールモータ51Rに駆動パルス信号を出力し、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転を開始させる。左リールR1、中リールR2、および右リールR3が1回転する度に、それぞれ左リールセンサ54L、中リールセンサ54C、右リールセンサ54Rから検出信号が出力され、その検出信号が主制御部100aに入力される。
主制御部100aは、左リールR1、中リールR2、および右リールR3のリール駆動制御の内容、および左リールセンサ54L、中リールセンサ54C、右リールセンサ54Rからの検出信号に基づいて、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転位置を常に把握している。
【0042】
その後、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、および右ストップボタン15Rの何れかが押操作されると、主制御部100aは、操作されたストップボタン15L,15C,15Rに対応するリールR1,R2,R3の回転位置に基づいて、停止位置を決定し、対応するリールR1,R2,R3の回転位置が停止操作に至ると、リールモータ51L,51C,51Rへの駆動パルス信号の出力を停止し、対応するリールR1,R2,R3を停止させる(リール停止制御)。
【0043】
リール停止制御では、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、および右ストップボタン15Rが操作されてから、それぞれ左リールR1、中リールR2、および右リールR3を所定の最大引込コマ数(例えば、4コマ)以下の範囲で、その回転を停止させる。
【0044】
スタートレバー12の操作によるゲーム開始時に、主制御部100aは、乱数を取得し、複数の役を抽選対象とする内部抽選を実行する。内部抽選によりいずれかの役に当選していなければ、リール停止制御により、リール窓8内に停止表示される9個の図柄(左リールR1、中リールR2、および右リールR3のそれぞれ3個の図柄)が入賞態様をなすことはなく、役が入賞することはない。入賞に対する配当としてメダルが払い出される小役が入賞すると、主制御部100aは、獲得枚数表示器10に払出枚数を表示するとともに、払出制御部100bに払出枚数情報を送信する。
【0045】
設定変更スイッチ20、および設定変更ボタン21は、本体2内に設けられ、1~6までの6段階の設定値から1の設定値を選択することで、スロットマシン1の払出率の高低を設定することが出来るようになっている。設定値が大きいほど、払出率が高くなる。
設定変更スイッチ20は、設定キーを差し込んで時計回りに回転させることでオンとなるキースイッチ、設定変更ボタン21はプッシュボタンにより構成している。
【0046】
設定値の選択(変更)時には、まず、前扉3を開放した状態で、設定変更スイッチ20に設定キーを差し込んで時計回りに回転させ、スロットマシン1の動作モードを設定変更モードに変更する。設定変更モードへ移行すると、獲得枚数表示器10に、現在の設定値が表示される。また、設定変更モードにて、設定変更ボタン21を1回押すごとに、獲得枚数表示器10に表示されている設定値が1~5の場合には1インクリメントされるとともに、6の場合には1に戻るようになっている。このように、獲得枚数表示器10に表示される設定値を確認しつつ、設定変更ボタンを操作することで、所望の設定値の選択が可能となっている。所望の設定値が獲得枚数表示器10に表示された状態で、スタートレバー12を操作することで、設定値の選択(変更)が完了する。そして、設定変更スイッチ20に差し込んだ設定キーを反時計回りに回転させて、動作モードを通常(遊技)モードに復帰させ、設定変更スイッチから、設定キーを抜き取ることで設定選択(変更)作業が完了する。
【0047】
払出制御部100bの入出力ポートには、遊技球等貸出装置接続端子板20と、クレジット数表示器5aと、計数ボタン5bとが接続されている。
クレジット数表示器5aには、現在のクレジット数が表示される。
遊技球等貸出装置接続端子板20には、スロットマシン1に対して遊技メダルの貸出を行うメダル貸出装置60が接続される。
計数ボタン5bは、スロットマシン1のクレジットをメダル貸出装置60へ返却する際に操作するボタンで、計数ボタン5bを単位時間押し続けることで、クレジットから1減算され、1枚の遊技メダルがメダル貸出装置60へ返却される。即ち、計数ボタン5bを押し続ける時間によって、返却するクレジット数の調整が可能となっている。
【0048】
図4は、スロットマシン1をパチンコホール301に設置し、外部装置と接続した状態を示す図である。
スロットマシン1は、遊技に供するために投入処理されたメダル枚数に係るイン情報や、遊技の結果として払出されたメダル枚数に係るアウト情報、遊技者にとって有利な特賞期間中(例えばボーナスゲーム中)か否かに係る特賞中情報等を含む情報(以下、稼働情報という)を、遊技球等貸出装置接続端子板20から出力する。
稼働情報は、スロットマシン1の遊技球等貸出装置接続端子板20に接続されたメダル貸出装置60から、中継基板61を経由して、ホールコン62へ送信される。
【0049】
一方、メダル貸出のためにメダル貸出装置60に投入された金額に関する情報は、メダル貸出装置60から、ホールコン62へ送信されるとともに、管理コンピューター63を経由し、管理コンピューター会社302へ送信される。管理コンピューター会社302は、不正防止に対するセキュリティ強化、およびギャンブル等依存症対策強化のため、遊技機管理センタ303へデータ提供を行う。
【0050】
図3に戻り、主制御部100aは、サブ制御装置101に、制御に必要な信号をコマンドとして送出する。
【0051】
<3-2.遊技機の電気的構成(サブ制御装置)>
サブ制御装置101は、遊技に付随する演出の制御を司る。サブ制御装置101の入出力ポートには、主制御部101a、液晶表示器16、演出ボタンPB、十字キーJK、装飾ランプ18L,18C,18Rおよびスピーカ6L,6Rが接続されている。
【0052】
サブ制御装置101は、主制御部100aからのコマンド、演出ボタンPBの操作および十字キーJKの操作に基づき、遊技に付随する演出等に係る、液晶表示器16の表示内容を制御する。また、前記演出の1構成要素として、装飾ランプ18L,18C,18Rによる光の演出や、スピーカ6L,6Rから出音させるBGMや効果音を制御する。
【0053】
<4.リール配列・停止位置の説明>
図5は、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の図柄の配列を示す図である。
【0054】
左リールR1、中リールR2、および右リールR3のリール帯にはそれぞれ、21個(21コマ)の図柄が配列され、各リールR1~R3の21個の図柄には、それぞれ「1」~「21」の図柄番号が対応づけられている。
【0055】
左リールR1のリール帯には、「チェリー」、「ベル」、「リプレイ」、「ベル」、「オレンジ」、「赤7」、「ベル」、「リプレイ」、「ベル」、「チェリー」、「バー」、「ベル」、「リプレイ」、「ベル」、「リプレイ」、「赤7」、「スイカ」、「ベル」、「リプレイ」、「ベル」、および「バー」の図柄がこの順に配列されており、これらの図柄に、それぞれ図柄番号「1」~「21」が対応づけられている。
【0056】
中リールR2のリール帯には、「チェリー」、「ベル」、「赤7」、「リプレイ」、「オレンジ」、「チェリー」、「ベル」、「バー」、「リプレイ」、「チェリー」、「ベル」、「スイカ」、「リプレイ」、「チェリー」、「ベル」、「赤7」、「リプレイ」、「チェリー」、「ベル」、「スイカ」、および「リプレイ」の図柄がこの順に配列されており、これらの図柄に、それぞれ図柄番号「1」~「21」が対応づけられている。
【0057】
右リールR3のリール帯には、「リプレイ」、「スイカ」、「オレンジ」、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」、「オレンジ」、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」、「オレンジ」、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」、「バー」、「赤7」、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」、「オレンジ」、および「ベル」の図柄がこの順に配列されており、これらの図柄に、それぞれ図柄番号「1」~「21」が対応づけられている。
【0058】
図6は、図柄停止位置および入賞ラインについて説明するための図である。
【0059】
左リールR1が停止すると、リール窓8内で上下に並ぶ図柄停止位置PL1,PL2,PL3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
中リールR2が停止すると、リール窓8内で上下に並ぶ図柄停止位置PC1,PC2,PC3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
右リールR3が停止すると、リール窓8内で上下に並ぶ図柄停止位置PR1,PR2,PR3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0060】
スロットマシン1は、リール窓8内の上段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL1,PC1,PR1を通る上段ラインL2、中段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL2,PC2,PR2を通る中段ラインL1、下段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL3,PC3,PR3を通る下段ラインL3、右下がりの斜めライン上に整列する3つの図柄停止位置PL1,PC2,PR3を通る右下がりラインL4、および右上がりの斜めライン上に整列する3つの図柄停止位置PL3,PC2,PR1を通る右上がりラインL5の計5ラインを有効ラインとするいわゆる5ライン機である。
【0061】
<5.1遊技の説明>
図7は、スロットマシン1の主制御装置100により実行される1ゲームの流れの概略を説明する図である。
【0062】
<5-1.処理の流れ>
<5-1-1.ベット処理>
まず、1枚ベットボタン7、MAXベットボタン11の操作、または再遊技役の入賞に応じて、ベット数を設定する(S101)。
【0063】
具体的に、1枚ベットボタン7が操作されると、主制御装置100は、現在のベット数がそのゲームでの最大規定数以下で、且つクレジットが残っていれば、クレジットを1減算してベット数に1を加算する。また、MAXベットボタン11が操作されると、主制御装置100は、クレジットが残っていれば、クレジットから必要な枚数を減算して、ベット数をそのゲームでの最大規定数に設定する。
また、主制御装置100は、再遊技役が入賞した場合には、クレジットから減算なしに、当該遊技でベットされていたベット数を、次のゲームにて再びベットする自動ベット処理を実行する。
【0064】
<5-1-2.レバー受付処理>
主制御装置100は、ベット数が規定数設定された状態でスタートレバー12の操作を受け付けた場合に遊技を開始させる(S102)。一方で、ベット数が規定数に満たない状態でスタートレバー12が操作されても、遊技を開始しない。
【0065】
<5-1-3.内部抽選処理>
主制御装置100は、遊技の開始にともない乱数値を取得し、該乱数値に基づき、遊技の結果を導出するための情報を抽選により決定する内部抽選処理を実行する(S103)。
【0066】
<5-1-4.リール回転処理>
主制御装置100は、内部抽選処理の実行後に、各リールR1~R3上に配置された図柄を変動表示させるために左リールR1、中リールR2、および右リールR3のそれぞれを回転させる(S104)。
【0067】
なお、前の遊技での左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転の開始から4.1秒間が経過するまでは、次の遊技での左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回胴演出およびリール回転処理が開始されない。これにより、1遊技にかかる時間が4.1秒間以上に保たれる。以下、前のゲームの開始から4.1秒の期間をウェイト期間という。
【0068】
<5-1-5.リール停止処理>
主制御装置100は、リールR1,R2,R3の回転中に、ストップボタン15L,15C,15Rが操作されると、操作されたストップボタン15L,15C,15Rに対応するR1,R2,R3の回転位置と、内部抽選結果とに基づき、停止位置を決定し、決定した停止位置にて、対応するR1,R2,R3の回転動作を停止させる(S105)。
【0069】
<5-1-6.図柄判定処理>
主制御装置100は、全てのリールR1,R2,R3が停止した後に、入賞ライン上に停止表示された図柄組合せが、判定対象として予め定めた複数種類の判定対象図柄組み合わせの何れかに対応する図柄組合せであるか否かを判定する(S106)。
【0070】
<5-1-7.メダル払出処理>
主制御装置100は、複数種類の判定対象図柄組み合わせのうち、小役の入賞図柄組合せが停止表示されたと判定した場合には、入賞した小役の配当枚数分のメダルの払出処理を実行する(S107)。スロットマシン1はスマスロのため、クレジット数に配当枚数を加算するだけで、実メダルの払出しは行わない。
【0071】
<5-1-8.状態移行処理>
主制御装置100は、図柄判定処理の結果、遊技状態を移行させるべき状態移行条件が成立したと判定した場合には、遊技状態を移行させる。
【0072】
<5-2.内部抽選処理の詳細>
次に、スロットマシン1における内部抽選処理の詳細について説明する。内部抽選処理は、予め定められた複数の役から、入賞を許容する役を抽選により決定するための処理である。
【0073】
上述の通り、スロットマシン1は5ライン機であるため、内部抽選での当選役に対応した図柄の組合せが、5本の有効ラインL1~L5のうちの何れかの有効ラインL1~L5上に並ぶと、その当選役の入賞が成立する。内部抽選の抽選対象の役には、ビッグボーナス役(以下、BB役という)、チャンスボーナス役(以下、CB役という)、リプレイ役および小役を含む。BB役およびCB役は、当選した場合に入賞するまで当選状態が維持される、所謂持越し役である。
BB役は、遊技関連規則上の第1種特別役物に係る役物連続作動装置(以下、1種BBともいう)である。
CB役は遊技機関連法規上の第2種特別役物に係る役物連続作動装置(以下、2種BBともいう)である。
【0074】
これに対し、リプレイ役および小役は、全てのリールR1,R2,R3が停止して1回のゲームが終了すると、当選状態が消滅する役である。
また、小役は、入賞に伴いメダルが払い出される役であり、リプレイ役は、入賞に伴い、メダルのベット不要で次ゲームを実行することが出来る役である。
【0075】
<5-2-1.抽選区分>
【0076】
図8に示す如く、スロットマシン1では、BB役、CB役、リプレイ役、ベル役、チェリー役、スイカ役、およびオレンジ役の合計7通りの役を設定している。
【0077】
BB役の入賞図柄組合せは、何れかの有効ラインL1~L5上に「赤7」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。BB役が入賞した場合、該入賞に対する配当はないが、次ゲームからビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームという)が開始される。BBゲームは、BBゲーム中に払い出されたメダル枚数が225枚を超えたゲームで終了する。
【0078】
CB役の入賞図柄組合せは、何れかの有効ラインL1~L5上に、左リールR1および中リールR2については「赤7」、右リールR3については「バー」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。CB役が入賞した場合、該入賞に対する配当はないが、次ゲームからチャレンジボーナスゲーム(以下、CBゲームという)が開始される。CBゲームは、CBゲーム中に払い出されたメダル枚数が90枚を超えたゲームで終了する。
【0079】
リプレイ役の入賞図柄組合せは、何れかの有効ラインL1~L5上に「リプレイ」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。
【0080】
ベル役、チェリー役、スイカ役およびオレンジ役は小役である。ベル役の入賞図柄組合せは、何れかの有効ラインL1~L5上に「ベル」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。ベル役が入賞した場合、配当として13枚のメダルが払い出される。
【0081】
チェリー役の入賞図柄組合せは、何れかの有効ラインL1~L5上に、左リールR1については「チェリー」図柄、中リールR2および右リールR3については各リールに配された何れかの図柄(ANY図柄)が並ぶ図柄組合せに設定している。チェリーが入賞した場合には、配当として1枚のメダルが払い出される。
【0082】
スイカ役の入賞図柄組合せは、何れかの有効ラインL1~L5上に「スイカ」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。スイカ役が入賞した場合、配当として6枚のメダルが払い出される。
【0083】
オレンジ役の入賞図柄組合せは、何れかの有効ラインL1~L5上に「オレンジ」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。オレンジ役が入賞した場合、配当として9枚のメダルが払い出される。
【0084】
また、スロットマシン1において、CBゲーム中を除くゲーム中には、各ストップボタン15L,15C,15Rが操作されてから、対応するリールR1,R2,R3が停止するまでの最大滑りコマ数は、4コマに設定している。
【0085】
図5から分かるように、「ベル」および「リプレイ」図柄はそれぞれ、全てのリールR1、R2、R3において、5コマに1個は必ず配置されている。従って、入賞図柄組合せが「ベル」または「リプレイ」図柄の組合せからなる役、即ち、リプレイ役およびベル役は、各ストップボタン15L,15C,15Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインL1~L5上に引込可能な役、換言すれば、目押し不要で入賞可能な役である。
一方、BB役、CB役、チェリー役、スイカ役およびオレンジ役は、各ストップボタン15L,15C,15Rの操作タイミングによっては取り零しが発生する役、換言すれば、入賞に目押しを要する役である。
【0086】
一方、CBゲーム中には、左リールR1に係る最大滑りコマ数が1コマに変更されるとともに、内部抽選結果にかかわらず、全ての小役、即ち、ベル役、チェリー役、スイカ役およびオレンジ役の入賞が許容される。中リールR2および右リールR3に係る最大滑りコマ数は、通常ゲーム中と同様の4コマである。
【0087】
図5から分かるように、左リールR1には、「ベル」または「チェリー」図柄が、4コマに1個は必ず配置されている。よって、左リールR1に係る最大滑りコマ数が1コマに変更されても、少なくとも「ベル」または「チェリー」の何れかをリール窓8内に停止させることができるので、各ストップボタン15L,15C,15Rの操作タイミングにかかわらず、ベル役またはチェリー役の何れかが入賞可能となっている。従って、CBゲーム中には、各ストップボタン15L,15C,15Rの操作タイミングにかかわらず、ベル役またはチェリー役の何れかが入賞し、その配当が得られる。
【0088】
<5-2-2.遊技状態の遷移>
【0089】
図9は、スロットマシン1における遊技状態遷移を示す図である。スロットマシン1では、通常状態、CB役入賞後のCBゲーム、およびBB役入賞後のBBゲームの3つの遊技状態を有する。通常状態を除く2つの遊技状態、即ちCBゲーム、およびBBゲームを特賞状態という。
【0090】
スロットマシン1は、BBゲーム中には、遊技球等貸出装置接続端子板20を介して、BBゲーム中である旨を示すBB中信号を出力する。具体的にBB中信号は、BBゲーム中にはオン状態とされ、BBゲーム中以外にはオフ状態とされる信号である。
同様に、CBゲーム中には、遊技球等貸出装置接続端子板20を介して、CBゲーム中である旨を示すCB中信号を出力する。CB中信号は、CBゲーム中にはオン状態とされ、CBゲーム中以外にはオフ状態とされる信号である。
【0091】
<5-2-3.抽選値>
【0092】
スロットマシン1の遊技状態毎の内部抽選での対象役、並びに各対象役の設定値1における当選確率を
図10~12に示す。通常状態においては、
図10に示す如く、BB役の当選確率は1/150、CB役の当選確率は1/150、リプレイ役の当選確率は1/7.3、ベル役の当選確率は1/13、チェリー役の当選確率は1/30、スイカ役の当選確率は1/100、オレンジ役の当選確率は1/200に設定している。
【0093】
BBゲーム中においては、
図11に示す如く、ベル役の当選確率は137/150、チェリー役の当選確率は1/25、スイカ役、およびオレンジ役の当選確率はそれぞれ1/50に設定している。上述の如く、BBゲーム中の内部抽選の対象役には、BB役、CB役、およびリプレイ役を含まない。
【0094】
CBゲーム中においては、
図12に示す如く、全小役の当選確率を150/150に設定している。ここで、全小役とは、ベル役、チェリー役、スイカ役、およびオレンジ役を示す。また、CBゲーム中の内部抽選の対象役には、BB役、CB役、およびリプレイ役を含まない。
【0095】
<6.入賞処理に関する詳細説明>
次に、スロットマシン1での入賞処理に関する詳細内容について説明する。
【0096】
<6-1.ゲーム処理の流れ>
【0097】
図13は、主制御装置100にて実行されるゲーム処理の流れを示している。
先ず、ステップS1201にて、スタートレバー12の操作があったか否かを判断し、ノーと判断した場合にはステップS1201にて同じ判断を繰り返す。
ステップS1201にてイエスと判断した場合には、ステップS1202にて規定数のメダルがベット済か否かを判断し、ノーと判断した場合にはステップS1201へ戻る。
【0098】
ステップS1202にてイエスと判断した場合には、ステップS1203にて内部抽選処理を実行する。
【0099】
次のステップS1204ではタイマAの値が4.1秒以上か否かを判断し、ノーと判断した場合はS1204にて同じ判断を繰り返す。イエスと判断した場合には、S1205にて、全リールR1,R2,R3の回転を開始するとともに、タイマAをリセットして、計時を再スタートする。
上記からわかるように、タイマAは、前のゲームで全リールR1,R2,R3の回転を開始したときからの経過時間を計測するタイマで、次のゲームでは、タイマAの計時結果が4.1秒を超えていることを条件に、全リールR1,R2,R3の回転を開始することとしている。これにより、ゲーム間隔を4.1秒以上に制限している。
【0100】
次のステップS1206では、ストップボタン15L,15C,15Rの操作があったか否かを判断し、ノーと判断した場合にはステップS1206にて同じ判断を繰り返す。
ステップS1206にてイエスと判断した場合には、ステップS1207にて、操作のあったストップボタン15L,15C,15Rに対応するリールR1,R2,R3の停止処理を実行し、次のステップS1208にて全てのリールR1,R2,R3が停止したか否かを判断する。ステップS1208にてノーと判断した場合には、ステップS1206に戻る。
【0101】
ステップS1208にてイエスと判断した場合には、ステップS1209にて入賞判定処理を行い、この結果に基づき、ステップS1210にて入賞の有無を判断する。ステップS1210にてイエスと判断した場合には、ステップS1211にて入賞時処理を実行して、ステップS1201へ戻る。ステップS1210にてノーと判断した場合にもS1201へ戻る。
【0102】
入賞時処理では、入賞した役の種別、具体的には、BB役、CB役、小役およびリプレイ役に応じた処理を実行する。BB役、CB役およびリプレイ役入賞時の処理については説明を省略し、以下、小役入賞時の処理について説明する。
【0103】
<6-2.小役入賞時の処理>
【0104】
小役入賞時には、上述したメダル払出処理を実行する。メダル払出処理は、クレジットアップ処理と、アウト信号出力処理からなり、まず、クレジットアップ処理について説明する。
【0105】
<6-2-1.クレジットアップ処理>
クレジットアップ処理では、入賞した小役に応じた配当枚数を、1枚づつクレジット数に加算する。遊技者が、クレジット数の加算を認識できるように、クレジット数に1加算する毎に、クレジット数表示器5aのクレジット数の表示を更新するとともに、クレジットアップ音を出力する処理を、一定のインターバル時間間隔で実行することとしている。
なお、スロットマシン1において、このインターバル時間は、14msecに設定している。遊技機規則上、小役の最大配当枚数は15枚、この最大の15枚分のクレジットアップ処理であっても、略210msec(=14msec×15枚)で終了する。
【0106】
図14は、クレジットアップ処理の流れを示している。クレジットアップ処理では、まず、ステップS1401にて、入賞した小役に対応する配当を払出枚数Nにセットする。具体的に、ベル役,チェリー役,スイカ役,およびオレンジ役の入賞時の配当はそれぞれ、
図8に示した通り、13枚,1枚,6枚,9枚であるため、払出枚数Nにはこれがセットされる。また、獲得枚数表示器10に払出枚数Nを表示する。なお、この表示は、次遊技実行のためのMAXベットボタン11、1枚ベットボタン7、またはスタートレバー12の操作があったときにクリアしている。
【0107】
次のステップ1402では、払出枚数Nから1減算するとともに、クレジット数に1を加算する。次のステップS1403では、クレジットアップ音を出力させ、次のステップS1404では、インターバル時間、即ち14msecの経過を待って、ステップS1405へ移行する。ステップS1405では、払出枚数Nがゼロか否かを判断し、ノーと判断した場合にはステップS1402へ戻る一方、イエスと判断した場合には、クレジットアップ処理を終了してリターンする。
【0108】
<6-2-2.アウト信号出力処理>
【0109】
次に、アウト信号出力処理について説明する。
遊技球等貸出装置接続端子板20からメダル1枚の払い出しごとに出力するアウト信号の仕様は、従来のスロットマシンと変わりなく、メダル1枚の払い出しごとに100msec以上の期間Highとなるパルス信号を出力する必要がある。
本スロットマシン1のアウト信号出力処理は、小役入賞があった遊技でのアウト信号の出力開始時に、払出枚数Nに応じた時間長さのタイマを設定し、そのタイマがタイムアップするまで、次のゲームでのアウト信号の出力を開始しない点に特徴を有している。
これにより、前の遊技でのアウト信号の出力が終わってないにもかかわらず、次の遊技でアウト信号の出力が開始されるという事態を未然に防止している。
【0110】
図15は、アウト信号出力処理の流れを示している。アウト信号出力処理では、まず、ステップS1501にて、入賞した小役に対応する配当を払出枚数Nにセットする。次のステップS1502ではタイマBがタイムアップしているか否かを判断し、イエスと判断されるまで同じ判断を繰り返す。ステップS1502にてイエスと判断された場合、S1503にてタイマBに(110×N)msecをセットして、ステップS1504にてN個のアウト信号を出力してリターンする。
【0111】
なお、本スロットマシン1では、アウト信号のパルス幅を100msec、オフ時間を10msec、即ち、アウト信号出力周期を110msecに設定している。よって、N個のアウト信号出力には、(110×N)msecを要するため、この値をタイマBにセットすることとしている。
【0112】
次に、本スロットマシン1のアウト信号出力方法が効果を発揮する場面について説明する。
【0113】
本スロットマシン1において、払出枚数が最大の小役はベル役であるため、ベル役が2ゲーム続けて入賞し、前のゲームでのベル役入賞時に、タイマAが既にアップしていたと仮定する。入賞後のクレジットアップ処理は、略182msec(=14msec×13枚)で終了し、既にタイマAがアップしているので、ベット操作後のスタートレバー12操作時に、リールR1,R2,R3は回転を開始し、次のゲームが開始される。
ここでは、クレジットアップ処理終了後、ベット操作、スタートレバー12およびストップボタン15L,15C,15R操作が即座に行われ、ベル役が入賞したと仮定する。
【0114】
上述の通り、前のゲームでのアウト信号出力には(110×13)=1430msecを要することになるが、上述のような場合においては、この期間に次ゲームのゲーム進行操作が全て行われて入賞が発生してしまう虞がある。
【0115】
しかしながら、スロットマシン1の信号出力処理は、小役入賞があった遊技でのアウト信号の出力開始時に、払出枚数Nに応じた時間長さのタイマを設定し、そのタイマがタイムアップするまで、次のゲームでのアウト信号の出力を開始しないので、前の遊技でのアウト信号の出力が終わってないにもかかわらず、次の遊技でアウト信号の出力が開始されることはない。従って、アウト信号を正しく送信することができる。
【0116】
また、アウト信号出力処理はバックグラウンドで実行されるため、アウト信号出力処理にてタイマアップ待ちが発生したとしても、遊技者による遊技の進行に遅延を来すことはない。
【0117】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
例えば、タイマBの設定方法については、本スロットマシン1では、周期および払出枚数に基づき設定したが、この方法に限らず、アウト信号をN個出力するのに必要最小限な時間であれば、他の設定方法を用いてもよい。
【符号の説明】
【0118】
1 スロットマシン
R1 左リール
R2 中リール
R3 右リール
12 スタートレバー
15L 左ストップボタン
15C 中ストップボタン
15R 右ストップボタン
16 液晶表示器
100 主制御装置
101 サブ制御装置
【要約】
【課題】遊技の結果、払出されたメダル枚数に係るアウト情報に関し、正確な情報出力が可能なスマスロの提供。
【解決手段】連続する2遊技において、前の遊技にて入賞に伴う、メダル払出信号の出力を開始してから、当該前の遊技にて入賞により獲得した遊技メダルの枚数分のアウト信号を出力するのに要する時間が経過した後に、次の遊技での入賞に伴うアウト信号の出力を開始する。
【選択図】
図15