(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】ダクトパネル
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20241011BHJP
【FI】
F24F7/06 C
(21)【出願番号】P 2024067330
(22)【出願日】2024-04-18
【審査請求日】2024-04-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591221134
【氏名又は名称】株式会社日本医化器械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【氏名又は名称】辻 忠行
(72)【発明者】
【氏名】雉鼻 一郎
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-106246(JP,A)
【文献】特開昭57-204741(JP,A)
【文献】特開平10-281517(JP,A)
【文献】特開2005-061674(JP,A)
【文献】特開平05-033996(JP,A)
【文献】登録実用新案第3177832(JP,U)
【文献】特開2018-159521(JP,A)
【文献】中国実用新案第218269481(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06、13/00-13/078
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天壁から給気が行われる除塵対象室に立設されて、下方から吸引した空気を天壁側へ戻す中空扁平直方体状のダクトパネルであって、
室内側となる表壁の下部、又は底壁に設けられる主吸引口と、
上壁、又は表壁の上部に設けられ、前記主吸引口から吸引した空気を前記天壁側へ戻す送気口と、
前記表壁における前記送気口よりも下方でかつ前記主吸引口よりも上方に設けられる上部吸引口とを備え、
前記上部吸引口の上側に隣接して前記表壁から外側に庇状に延出する水平な庇板を備え、
前記上部吸引口の左右の端縁と、下縁は、表壁と面一に設けられていることを特徴とするダクトパネル。
【請求項2】
前記上部吸引口は、吸引した空気を上方へ案内するよう傾斜する案内板を備え、
前記案内板は、前記上部吸引口の内側にのみ延出するとともに前記上部吸引口の下側に隣接して設けられる請求項1に記載のダクトパネル。
【請求項3】
前記主吸引口は、上方向きに空気を吸引する請求項1、又は請求項2に記載のダクトパ
ネル。
【請求項4】
天壁から給気が行われる除塵対象室に立設されて、下方から吸引した空気を天壁側へ戻す中空扁平直方体状のダクトパネルであって、
室内側となる表壁の下部、又は底壁に設けられる主吸引口と、
上壁、又は表壁の上部に設けられ、前記主吸引口から吸引した空気を前記天壁側へ戻す送気口と、
前記表壁における前記送気口よりも下方でかつ前記主吸引口よりも上方に設けられる上部吸引口と、
前記上部吸引口の上側に隣接して前記表壁に庇状に設けられる庇板と、
を備え、
前記庇板の上側の空間を覆うように、前記表壁に平行に上方から垂下する遮蔽板を備え
るダクトパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、クリーンルームや無菌室、手術室等の除塵対象室に立設し、床面近傍から天井側へ空気を還流するダクトパネルに関し、特に天井から下向きに給気を行い、これを側壁や間仕切りの下部から吸引する乱流式の除塵対象室に設けられるダクトパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
クリーンルーム等の除塵対象室では、特に、室内の空気を吸い込む吸引口を床面に設けられない場合などに、部屋の側壁等に吸引口を設け、該吸引口から吸引した空気を、ダクトを介して二重天井の内側の空間等へ流送したのち、天壁に設けたファンフィルタユニット等により塵埃等を除去しながら室内へ還流するいわゆる乱流式の空気清浄装置が用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
かかる乱流式のクリーンルーム等では、天壁のファンフィルタユニットから側壁等の下部の吸引口へ向かう空気流とは異なる方向の空気流が壁際に生じる、いわゆる誘因現象により壁際に滞留する塵埃が問題となる。
【0004】
例えば、特許文献1では、クリーンルーム内に設けるクリーンブースにおいて、クリーンブースの周囲に垂下するフードの下方から侵入して該フードに沿って上昇する誘引気流を防止するため、該フードの下端近傍に設けた吸引口からブース内の空気を吸引するようにした誘引混入防止装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2では、天壁に主空気吹出口を設け、側壁の下端と床面中央に設けた主空気吸込み口から空気を吸い込むコンベンショナルクリーンルームにおいて、主空気吹出口から吹き出す主気流の支配域外における空気滞留域から空気を吸引すべく、天井に補助空気吸込み口を設けた例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭61-27435号公開公報
【文献】特開昭63-105346号公開公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1のようにフードの下端近傍で空気を吸引する場合も、特許文献2のように天井から空気を吸引する場合も、結局これらの吸引口へ引かれる流れに起因する誘引気流が側壁近傍に発生するため、側壁近傍に滞留する塵埃を十分に除去できないという問題が有る。
本発明は、上記課題に鑑みてなされてものであり、クリーンルーム等の除塵対象室の側壁等に発生する誘引気流を効果的に抑制可能なダクトパネルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた発明は、天壁から給気が行われる除塵対象室に立設されて、下方から吸引した空気を天壁側へ戻す中空扁平直方体状のダクトパネルであって、室内側となる表壁の下部、又は底壁に設けられる主吸引口と、上壁、又は表壁の上部に設けられ、前記主吸引口から吸引した空気を前記天壁側へ戻す送気口と、前記表壁における前記送気口よりも下方でかつ前記主吸引口よりも上方に設けられる上部吸引口とを備え、前記上部吸引口の上側に隣接して前記表壁から外側に庇状に延出する水平な庇板を備え、前記上部吸引口の左右の端縁と、下縁は、表壁と面一に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明のダクトパネルは、送気口よりも下方でかつ主吸引口よりも上方の位置で表壁に
上部吸引口を設けたので、表壁近傍に発生する誘引気流を吸い込むことができ、誘引気流
による塵埃の滞留を抑制することができる。また、上部吸引口の上側に隣接して前記表壁から外側に庇状に延出する水平な庇板を設け、上部吸引口の左右の端縁と、下縁を、表壁と面一に設けたことで、上部吸引口からの負圧を上部吸引口の下側に集中できるので、より効果的に上部吸引口に上方向けの気流を形成できる。
【0010】
前記上部吸引口は、吸引した空気を上方へ案内するよう傾斜する案内板を備えることが好ましい。
こうすることで、ダクトパネルの表面に沿って上部吸引口に流入する気流を形成できるので、ダクトパネルの表面近傍に発生する誘引気流による塵埃の滞留をより効果的に防止でき、また、ダクトパネルの内部において、上部吸引口から吸引された気流と主吸引口から上昇する気流が緩衝することを抑制できる。
【0011】
前記案内板は、前記上部吸引口の内側において前記上部吸引口の下側に隣接して設けられることが好ましい。こうすることで、主吸引口からダクトパネル内を上昇してくる気流のうち、ダクトパネル表壁に沿って上昇する気流を、案内板でダクトパネル内の後方へ案内しながら遮ることができるので、主吸引口からダクトパネル内を上昇してくる気流の上昇を妨げることなく、ダクトパネル内を上昇してくる気流と上部吸引口からの気流との緩衝をより効果的に抑制できる。
【0012】
削除。
【0013】
前記主吸引口は、上方向きに空気を吸引することが好ましい。こうすることで、主吸引口からの負圧と上部吸引口からの負圧が干渉することを抑制できるので、より効果的にダクトパネル表面の誘引気流を抑制できる。
【0014】
本発明のダクトパネルは、前記庇板の上側の空間を覆うように、前記表壁に平行に上方から垂下する遮蔽板を備えることが好ましい。こうすることで、庇板の上方に入り込んだ空気が滞留して、当該滞留した空気とともに当該空間内に塵埃が滞留することを抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明に係るダクトパネルによれば、除塵対象室の側壁に発生する誘引気流を効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るダクトパネルを示す(a)正面図、(b)平面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係るダクトパネルにおける上部吸引口周辺を示す要部正面図である。
【
図7】
図6に示した上部吸引口の側面視拡大断面図である。
【
図8】本発明の第3実施形態に係るダクトパネルにおける送気口周辺を示す要部斜視図である。
【
図9】
図8に示したダクトパネルの要部側面図である。
【
図10】本発明の第4実施形態に係るダクトパネルにおける上部吸引口周辺を示す(a)縦断面図、(b)正面図である。
【
図11】本発明の第5実施形態に係るダクトパネルにおける上部吸引口周辺を示す(a)縦断面図、(b)正面図である。
【
図12】本発明の第6実施形態に係るダクトパネルにおける上部吸引口周辺を示す正面図である。
【
図13】本発明の第7実施形態に係るダクトパネルを除塵対象室Bに設置した様子を示す概観図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、適宜図面を用いながら本発明の実施形態について詳述する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限られるものではない。
【0018】
(第1実施形態)
図1、
図2は、本発明の第1実施形態に係るダクトパネル100を示している。ダクトパネル100は、
図2に示すように、クリーンルームや手術室、無菌室等の特に天井裏空間Aから給気を行い、側壁や間仕切りの下部から吸気する、いわゆる乱流式で除塵を行う除塵対象室Bに設けられ、側壁Cに貼設するように、あるいは側壁Cから離間した位置で間仕切りとして立設され、床面G近傍から吸引した空気を天井裏空間Aへ還流するために用いられる。
【0019】
ダクトパネル100は、塗装鋼板やステンレス鋼板等の金属板を板金加工して中空の扁平直方体状に形成され、
図1、
図2に示すように、表壁1の下部に設けられる主吸引口2と、上壁3に設けられ主吸引口2から吸引した空気を天井裏空間Aへ戻す送気口31と、表壁1において主吸引口2よりも上方に設けられる上部吸引口4とを主に備える他、天壁Fから垂下する遮蔽板5を備えている。ただし、送気口31は表壁1の上端近傍に設けられてもよく、この場合上部吸引口4は、送気口31より下方で、かつ主吸引口2よりも上方に設けられる。
【0020】
主吸引口2は、
図4に示すように、表壁1に穿設される矩形の開口21と、開口21を塞ぐとともに多数のスリット22aを備える蓋部材22と、蓋部材22の内側に設けられるプレフィルタ23と、プレフィルタ23の内側に多数枚が水平かつ平行に配置される傾斜板24,25(傾斜板25は、
図2参照)とを備えている。傾斜板24,25は、ダクトパネル100の手前側(
図4の右側)から奥側(
図4の左側)に向かって上向きに傾斜している。最も下の傾斜板25は、他の傾斜板24,…よりも後方へ長く延びている。主吸引口2に、最も下の傾斜板25のみを設け、他の傾斜板24,…は省略してもよい。ただし、傾斜板25を他の傾斜板24と同じ長さにしてもよい。
【0021】
送気口31は、
図1(b)に示すように、ダクトパネル100の上壁3に穿設された円形貫通孔からなり、左右対称に一対が設けられている。送気口31は、円形管からなるダクトDによりファンフィルタユニットEに連結されている。
【0022】
上部吸引口4は、
図1に示すように、表壁1の上端近傍に穿設された水平方向に延びる長方形状の貫通孔からなる。上部吸引口4は、
図1、
図3に示すように、表壁1の外側に張り出すよう上端縁に沿って設けられる庇状の庇板41と、表壁1の裏側に延出するように下端縁に沿って設けられ、奥側に向かって上がるよう傾斜する案内板42とを備えている。
【0023】
上部吸引口4は、ダクトパネル100における主吸引口2と送気口31、もしくは主吸引口2と天壁Fの間の高さに設けられる。こうすることで、主吸引口2の上方で表壁1近傍に発生する誘引気流を効果的に抑制することができる。また、上部吸引口4は、ダクトパネル100の全高の2分の1よりも高い位置に設けられることが好ましく、こうすることで、主吸引口2から遠くて誘引気流の発生しやすい高さに上部吸引口4を設けることとなるため、より効果的に表壁1近傍に発生する誘引気流を抑制することができる。
【0024】
遮蔽板5は、金属製、又は樹脂製の板材からなり、
図2、
図5に示すように、天壁Fに上端が固設され、天壁Fと庇板41の間の空間B1を遮蔽するように天壁Fから垂下している。こうすることで、庇板41の上方に塵埃が滞留することを抑制できる。図示の例では、遮蔽板5は、庇板41と水平方向の長さが略同一であるが、庇板41より長くてもよく、ダクトパネル100が、除塵対象室Bの壁面に沿って複数並べられる場合は、全ての複数のダクトパネル100に跨るように、例えば、当該側壁の全幅に亘る長さに設けてもよい。
【0025】
次に、本実施形態のダクトパネル100の作用・効果について説明する。除塵対象室Bの空調設備を駆動すると、ファンフィルタユニットEのファンE1が駆動して、
図2に示すように、ダクトD内の空気を吸引して、HEPAフィルターE2を介し除塵対象室B内へ下降気流として給気する。室内に給気された空気は、床面G近傍まで到達したのち、ダクトパネル100の主吸引口2からの負圧によって、床面Gに沿って側壁側へ移動し、主吸引口2からダクトパネル100内に吸引される。
【0026】
主吸引口2は、内側に奥側に向かって上方に傾斜する複数の傾斜板24に沿って主吸引口2よりも下側から空気を吸引するので、表壁1に沿って上部吸引口4へ吸引される気流を妨げることを抑制できる。また傾斜板24によりダクトパネル100内にスムーズに上向きの気流を形成できるので、上部吸引口4から上向きに空気を吸引することを促すことができる。
【0027】
主吸引口2から吸引された空気は、
図2に示すように、ファンE1によりダクトDを介して供給される負圧によって上方に吸引されて、ダクトパネル100の内部空間を送気口31に向かって上昇する。ここで、上部吸引口4の内側に案内板42が突設されているので、主吸引口2から上昇する空気と、上部吸引口4から流入する空気は衝突せず、主吸引口2からの空気をスムーズに上昇させることができ、また、主吸引口2から吸引された空気は、案内板42により流域断面が狭くなるので流速が早まるとともに圧力が低下する。これにより、上部吸引口4は、表壁1にそってスムーズに空気を吸引することができる。
【0028】
上部吸引口4は、表側の上縁に沿って庇板41を備えるので、上部吸引口4へ吸引される空気は、表壁1における上部吸引口4より下側の部分11近傍から吸引される。表壁1に沿って上部吸引口4へ向かう空気は、庇板41に衝突して上部吸引口4へ案内される。そして、上部吸引口4が内部に奥側ほど高くなるよう傾斜する案内板42を備えるので、上部吸引口4へ吸引された空気は、斜め上向きにダクトパネル100内へ流入する。こうして、ダクトパネル100の表壁1近傍に誘引気流が発生することを効果的に抑制できる。
【0029】
主吸引口2、及び上部吸引口4から流入した空気は、ダクトパネル100の上部で合流し、送気口31からダクトDを介してファンフィルタユニットEに流送されて除塵されるとともに天壁Fから除塵対象室Bに給気される。
【0030】
ダクトパネル100の庇板41と天壁Fの間の空間B1は、遮蔽板5により被覆されているので、空間B1に気流とともに塵埃が滞留することを抑制できる。
【0031】
(第2実施形態)
図6、及び
図7は、本発明の第2実施形態に係るダクトパネル200の上部吸引口204周辺を示している。ダクトパネル200は、細長いスリットからなる上部吸引口204を3本備えており、最も上側の上部吸引口204にのみ庇板41が設けられており、また各上部吸引口204に案内板242が設けられている。
なお、第2実施形態以降の実施形態において、第1実施形態と共通する部材は同一記号を付して説明を省略する。
【0032】
(第3実施形態)
図8、及び
図9は、本発明の第3実施形態に係るダクトパネル300の送気口331a,331a周辺を示している。本実施形態のダクトパネル300は、上端にダクト連結部330を備えている。ダクト連結部330は、
図9に示すように、表面331を前方(
図9の左方)へ突出させるようにして、内部に左右(
図8の左右)一対のファン(不図示)を設置可能としている。ダクト連結部330は、送気口331a,331aを介してダクトDに連結される。ファンは例えばシロッコファンからなり、ダクトパネル300内部の空気を吸引して、送気口331a,331aからファンフィルタユニットEへ連結されるダクトDへ流送する。ただし、ダクト連結部330内にファンを設けないこともできる。
【0033】
(第4実施形態)
図10は、本発明の第4実施形態に係るダクトパネル400の上部吸引口404周辺を示している。上部吸引口404は、ダクトパネル400の設置時における天壁Fに近い高さに位置し、天壁Fにより上部吸引口404に空気を案内できるため、庇板を備えていない。
【0034】
(第5実施形態)
図11は、本発明の第5実施形態に係るダクトパネル500の上部吸引口4,…周辺を示している。本実施形態では、上部吸引口4は、ダクトパネル500の高さ方向に3つ並べられている。
【0035】
(第6実施形態)
図12は、本発明の第6実施形態に係るダクトパネル600の上部吸引口604,604周辺を示している。本実施形態では、上部吸引口604は、第5実施形態の3つの上部吸引口4,4,4よりも上下の幅を広くして、高さ方向に2つ並べている。ダクトパネル600では、庇板41は、上側の上部吸引口604にのみ設け、下側の上部吸引口604には設けていない。ただし、上側の上部吸引口604が天壁Fに近いときは、上側の上部吸引口604も庇板41を設けなくてもよい。
【0036】
(第7実施形態)
図13は、本発明の第7実施形態に係るダクトパネル700をベッドやOAV等が設置された無菌室に設けた例を示している。ダクトパネル700は、天壁Fから吊設、又は側壁Cに貼設されて、底壁9が床面Gから離間しており、図示の例のように、下方に障害物がある場合に用いられる。主吸引口702は、ダクトパネルの底壁9に設けられる。
【0037】
(その他の実施形態)
以上、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、例えば、上部吸引口は、第1実施形態の主吸引口2のように、多数のスリットを備えたメッシュ状の蓋を設けてもよいし、内部にプレフィルタを設けてもよい。上部吸引口は、庇板や案内板を備えなくてもよいし、庇板の上に遮蔽板を設けなくてもよい。上部吸引口は、1から3個に限らず、4つ以上設けてもよい。また、主吸引口も上方に空気を吸引するのでなく、下向きや水平に空気を吸引してもよい。主吸引口や上部吸引口は、上向きに空気を吸引するにあたり、案内板や傾斜版によらず、本出願人が特願2017―057671で開示した吸気部における吸気面29のように、主吸引口や上部吸引口自体を手前側に傾けて下向きにすることで、上向きに空気を吸引するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
100,200,300,400,500,600,700 ダクトパネル
1 表壁
2,702 主吸引口
3 上壁
31,331a 送気口
4,204,404,604 上部吸引口
41 庇板
42 案内板
5 遮蔽板
B 除塵対象室
C 側壁
【要約】 (修正有)
【課題】乱流式のクリーンルーム等における側壁近傍に発生する誘引気流を抑制する。
【解決手段】本発明のダクトパネル100は、天壁Fから給気が行われる除塵対象室Bに立設されて、下方から吸引した空気を天壁側へ戻すために用いられる。本発明のダクトパネル100は、中空扁平直方体状をなし、室内側となる表壁1の下部に設けられる主吸引口2と、表壁1の上部に設けられ、主吸引口2から吸引した空気を天壁F側へ戻す送気口31と、表壁1における送気口3よりも下方でかつ主吸引口2よりも上方に設けられる上部吸引口4とを備える。
【選択図】
図2