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特許7570164表示制御装置、表示制御システム及び表示制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御システム及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20241011BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20241011BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/0481
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021017502
(22)【出願日】2021-02-05
(65)【公開番号】P2022120545
(43)【公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 一輝
(72)【発明者】
【氏名】木村 昌登
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-111948(JP,A)
【文献】特開平10-104005(JP,A)
【文献】特開2007-145310(JP,A)
【文献】特開2008-040871(JP,A)
【文献】特開2017-107559(JP,A)
【文献】特開2009-293966(JP,A)
【文献】特開2020-168938(JP,A)
【文献】特開2007-249567(JP,A)
【文献】特開2017-091115(JP,A)
【文献】特開2015-058804(JP,A)
【文献】特開2007-145137(JP,A)
【文献】国際公開第2017/183129(WO,A1)
【文献】特開2018-205932(JP,A)
【文献】特開2020-088741(JP,A)
【文献】国際公開第2017/158768(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01 - 3/04895
B60K 35/00 -35/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者を撮影した画像のデータに基づき、車両の運転者の視線が向かう方向を検出する視線検出部と、
前記運転者の視線が向かう方向を示す視線情報に基づき、前記車両に設けられている複数の表示装置の中から、前記視線が向かう方向に存在する表示装置を、前記運転者に提供される表示情報を表示する第1表示装置として選択する選択部と、
前記車両の周辺状況に関する情報と前記車両の状態に関する情報との少なくとも一つの情報に基づき、前記表示情報を前記運転者に提供することの緊急性の度合いを判定する判定部と、
前記運転者に提供することの緊急性の度合いが、第1表示情報を前記運転者に提供することの緊急性の度合いよりも高いと判定された第2表示情報を、前記第1表示情報が表示されている前記第1表示装置に割り込み表示する表示制御部と、
を備え
前記判定部は、前記車両の周辺状況に関する情報に基づき、前記第1表示装置に前記第2表示情報を表示した場合の視認性の第1度合いと、前記第1表示装置以外の第2表示装置に前記第2表示情報を表示した場合の視認性の第2度合いとをさらに判定し、
前記表示制御部は、
前記第1度合いが前記第2度合いよりも高い場合、前記第1表示装置に前記第2表示情報を表示し、
前記第1度合いが前記第2度合いよりも低い場合、前記第2表示情報を前記第2表示装置に表示し、
前記第2表示情報を前記第2表示装置に表示したことを案内する案内情報を、前記第1表示装置に表示する表示制御装置。
【請求項2】
前記判定部は、ETC車載器にETCカードが未挿入の場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、
前記表示制御部は、ETC車載器にETCカードが未挿入であることを示すガイダンスを、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記判定部は、ETC車載器が利用できない状態の場合、前記緊急性の度合い高いと判定し、
前記表示制御部は、ETC車載器が利用できない状態あることを示すガイダンスを、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1からの何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記判定部は、ETC車載器にETCカードが挿入された場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、
前記表示制御部は、ETCカードが挿入されたことを示すガイダンスを、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1からの何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記車両がETCゲートを通過した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、
前記表示制御部は、前記ETCゲートを通過したときの料金を、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1からの何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記車両がETC2.0においてダウンリンク情報として規定されている警戒情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、
前記表示制御部は、前記警戒情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1からの何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記判定部は、光ビーコンから送信される優先情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、
前記表示制御部は、前記優先情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1からの何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記判定部は、FM多重放送に含まれる緊急情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、
前記表示制御部は、前記緊急情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1からの何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記判定部は、交通事故又は災害に関する情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、
前記表示制御部は、前記交通事故又は災害に関する情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1からの何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記判定部は、前記車両が走行中の車道に逆走車が存在することを注意喚起する情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、
前記表示制御部は、当該情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1からの何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記判定部は、前記車両の走行状態が基準走行状態に比べて安全性が低い状態であることを示す状態情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、
前記表示制御部は、当該状態情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1から1の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記判定部は、前記車両の周囲に存在する物体への前記車両の衝突を回避することを注意喚起する情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、
前記表示制御部は、当該情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1から1の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項13】
前記判定部は、前記車両が車線変更するときの変更先の車線の画像を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、
前記表示制御部は、前記画像を、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1から1の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項14】
前記判定部は、前記車両の周囲に存在する他の車両が、前記車両の走行する車線に割り込みをしたことを示す情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、
前記表示制御部は、当該情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1から1の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項15】
前記判定部は、前記車両に搭載されている燃料の残量が所定の値よりも少ないことを示す燃料残量情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、
前記表示制御部は、前記燃料残量情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する、請求項1から1の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項16】
請求項1から1の何れか一項に記載の表示制御装置と、複数の前記表示装置とを備えた表示制御システム。
【請求項17】
車両の運転者を撮影した画像のデータを受信するステップと、
前記画像のデータに基づき、車両の運転者の視線が向かう方向を検出するステップと、
前記運転者の視線が向かう方向を示す視線情報に基づき、前記車両に設けられている複数の表示装置の中から、前記視線が向かう方向に存在する表示装置を、前記運転者に提供される表示情報を表示する第1表示装置として選択するステップと、
前記車両の周辺状況に関する情報と前記車両の状態に関する情報との少なくとも一つの情報に基づき、前記表示情報を前記運転者に提供することの緊急性の度合いを判定するステップと、
第1表示情報を前記第1表示装置に表示するステップと、
前記運転者に提供することの緊急性の度合いが、前記第1表示情報を前記運転者に提供することの緊急性の度合いよりも高いと判定された第2表示情報を、前記第1表示情報が表示されている前記第1表示装置に割り込み表示するステップと、
を含み、
前記判定するステップは、前記車両の周辺状況に関する情報に基づき、前記第1表示装置に前記第2表示情報を表示した場合の視認性の第1度合いと、前記第1表示装置以外の第2表示装置に前記第2表示情報を表示した場合の視認性の第2度合いとをさらに判定し、
前記第1表示装置に割り込み表示するステップは、
前記第1度合いが前記第2度合いよりも高い場合、前記第1表示装置に前記第2表示情報を表示し、
前記第1度合いが前記第2度合いよりも低い場合、前記第2表示情報を前記第2表示装置に表示し、
前記第2表示情報を前記第2表示装置に表示したことを案内する案内情報を、前記第1表示装置に表示する、
表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御装置、表示制御システム及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に搭載されている複数の表示装置の内、運転者の視線が向けられている表示装置を選択し、選択した表示装置の画面に、運転に必要な情報を表示させる表示制御装置が開示されている。
【0003】
この表示制御装置は、撮影部により撮影された運転者の顔画像に基づいて運転者の視線が向かう方向を検出する視線検出手段と、視線が向かう方向を示す視線情報に基づいて、複数の表示装置の内、運転者が視線を向けている表示装置を、運転に必要な情報を表示させる表示装置として選択する選択手段とを備えている。
【0004】
当該表示制御装置によれば、運転者が視線を向けている表示装置に対して、運転に必要な情報が表示されるため、視線が向けられている車両周囲の状況を把握しながら、運転に必要な情報を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-249567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1に開示されている従来技術では、運転者が視線を向けている表示装置に特定の表示情報が一定時間経過するまで表示され続けるため、安全な運転に必要な緊急性の度合いが高い表示情報を、一定時間経過した後でなければ表示させることができないという課題がある。
【0007】
本開示の非限定的な実施例は、運転者が視線を向けている表示装置に特定の表示情報が表示されている場合でも、緊急性の度合いが高い表示情報を表示させる表示制御装置、表示制御システム及び表示制御方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施例に係る表示制御装置は、車両の運転者を撮影した画像のデータに基づき、車両の運転者の視線が向かう方向を検出する視線検出部と、前記運転者の視線が向かう方向を示す視線情報に基づき、前記車両に設けられている複数の表示装置の中から、前記視線が向かう方向に存在する表示装置を、前記運転者に提供される表示情報を表示する第1表示装置として選択する選択部と、前記車両の周辺状況に関する情報と前記車両の状態に関する情報との少なくとも一つの情報に基づき、前記表示情報を前記運転者に提供することの緊急性の度合いを判定する判定部と、前記運転者に提供することの緊急性の度合いが、第1表示情報を前記運転者に提供することの緊急性の度合いよりも高いと判定された第2表示情報を、前記第1表示情報が表示されている前記第1表示装置に割り込み表示する表示制御部と、を備え、前記判定部は、前記車両の周辺状況に関する情報に基づき、前記第1表示装置に前記第2表示情報を表示した場合の視認性の第1度合いと、前記第1表示装置以外の第2表示装置に前記第2表示情報を表示した場合の視認性の第2度合いとをさらに判定し、前記表示制御部は、前記第1度合いが前記第2度合いよりも高い場合、前記第1表示装置に前記第2表示情報を表示し、前記第1度合いが前記第2度合いよりも低い場合、前記第2表示情報を前記第2表示装置に表示し、前記第2表示情報を前記第2表示装置に表示したことを案内する案内情報を、前記第1表示装置に表示する。
【0009】
本開示の一実施例に係る表示制御システムは、上記の表示制御装置と、複数の前記表示装置とを備える。
【0010】
本開示の一実施例に係る表示制御方法は、車両の運転者を撮影した画像のデータを受信するステップと、前記画像のデータに基づき、車両の運転者の視線が向かう方向を検出するステップと、前記運転者の視線が向かう方向を示す視線情報に基づき、前記車両に設けられている複数の表示装置の中から、前記視線が向かう方向に存在する表示装置を、前記運転者に提供される表示情報を表示する第1表示装置として選択するステップと、前記車両の周辺状況に関する情報と前記車両の状態に関する情報との少なくとも一つの情報に基づき、前記表示情報を前記運転者に提供することの緊急性の度合いを判定するステップと、第1表示情報を前記第1表示装置に表示するステップと、前記運転者に提供することの緊急性の度合いが、前記第1表示情報を前記運転者に提供することの緊急性の度合いよりも高いと判定された第2表示情報を、前記第1表示情報が表示されている前記第1表示装置に割り込み表示するステップと、を含み、前記判定するステップは、前記車両の周辺状況に関する情報に基づき、前記第1表示装置に前記第2表示情報を表示した場合の視認性の第1度合いと、前記第1表示装置以外の第2表示装置に前記第2表示情報を表示した場合の視認性の第2度合いとをさらに判定し、前記第1表示装置に割り込み表示するステップは、前記第1度合いが前記第2度合いよりも高い場合、前記第1表示装置に前記第2表示情報を表示し、前記第1度合いが前記第2度合いよりも低い場合、前記第2表示情報を前記第2表示装置に表示し、前記第2表示情報を前記第2表示装置に表示したことを案内する案内情報を、前記第1表示装置に表示する
【発明の効果】
【0011】
本開示の一実施例によれば、運転者が視線を向けている表示装置に特定の表示情報が表示されている場合でも、緊急性の度合いが高い表示情報を表示させる表示制御装置、表示制御システム及び表示制御方法を提供できる。
【0012】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施の形態に係る表示制御システム100の構成例を示す図
図2】本開示の実施の形態に係る表示制御システム100の動作を説明するためのフローチャート
図3】表示制御処理を説明するためのフローチャート
図4】本開示の実施の形態に係る表示制御システム100のハードウェア構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
(実施の形態)
まず、本開示に係る実施形態を創作するに至った背景について説明する。
【0016】
例えば特許文献1に記載の公知技術などでは、撮影部により撮影された運転者の顔の画像に基づいて検出された運転者の視線が向かう方向を示す視線情報が出力されている場合、複数の表示装置の内、運転者が視線を向けている表示装置に、運転に必要な情報が表示される。
【0017】
このような公知技術では、運転者が視線を向けている表示装置に特定の表示情報が一定時間経過するまで表示され続けるため、安全な運転に必要な緊急性の度合いが高い表示情報を、一定時間経過した後でなければ表示させることができない。
【0018】
このようなことから、運転者が視線を向けている表示装置に特定の表示情報が表示されている場合でも、緊急性の度合いが高い表示情報を表示させることが望まれる。以下、本開示に係る実施形態について説明する。
【0019】
図1は本開示の実施の形態に係る表示制御システム100の構成例を示す図である。
【0020】
図1に示される車両200は、表示制御システム100と、車両200の運転者の視線を逐次検出する視線検出装置10と、車両周辺に存在する物体を監視する周辺監視装置20と、情報収集装置60とを備えている。
【0021】
車両200は、乗用車、貨物車、乗合車などである。
【0022】
(表示制御システム100)
表示制御システム100は、複数の表示装置30A~30Cと、表示制御装置50とを備えている。以下では、複数の表示装置30A~30Cを区別しない場合、「表示装置30」と称する。
【0023】
(視線検出装置10)
視線検出装置10は、車両200の運転者の視線方向を検出し、運転者の視線が向かう方向を示す視線情報を出力する装置である。
【0024】
視線検出装置10は、画像撮影部11、画像処理部12、視線検出部13、及び視線情報出力部14を備えている。
【0025】
(画像撮影部11)
画像撮影部11は、車両内部を撮影するカメラなどである。画像撮影部11は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を備えている。
【0026】
画像撮影部11は、運転者の顔を撮影できる位置に設けられ、運転者の顔を含む画像を撮影し、撮影した画像のデータ(以下、画像データと呼ぶ。)を画像処理部12に逐次出力する。
【0027】
運転者の顔を撮影できる位置は、例えば、車両200のダッシュボード、運転席の計器パネル、車両200の天井などである。
【0028】
なお、画像撮影部11は、1つに限定されず、車両内に複数設けられてもよい。
【0029】
(画像処理部12)
画像処理部12は、画像データを入力すると、画像撮影部11で撮影された画像を二値化処理することにより、二値画像を得る。画像処理部12は、二値画像のデータ(以下、二値画像データと呼ぶ。)を、視線検出部13に入力する。
【0030】
(視線検出部13)
視線検出部13は、二値画像データに基づき視線を検出する。例えば、視線検出部13は、二値画像データを解析することによって運転者の眼球領域を特定するとともに、眼球形状の曲率から眼球の中心座標を求める。
【0031】
また、視線検出部13は、眼球領域から瞳孔領域を特定して黒目の中心座標を求め、上記の眼球の中心座標から黒目の中心座標へと向かう方向を視線方向として定める。
【0032】
さらに、視線検出部13は、眼球の中心位置を始点として、当該始点から視線方向へ延びる直線を視線として特定し、特定した視線を示す情報である視線情報を視線情報出力部14に送信する。
【0033】
(視線情報出力部14)
視線情報出力部14は、視線検出部13から送信された視線情報を、表示制御装置50の情報入力部51に対して出力する。情報入力部51の構成の詳細は後述する。
【0034】
(周辺監視装置20)
周辺監視装置20は、車両周辺に存在する物体を検出するための装置である。
【0035】
周辺監視装置20は、周辺画像撮影部21、画像処理部22、物体検出センサ23、対象物検出部25、及び検出情報出力部26を備えている。
【0036】
(周辺画像撮影部21)
周辺画像撮影部21は、車両周辺の画像を撮影する全方向カメラ、パノラマカメラなどである。以下では車両周辺の画像を、「周辺画像」と称する。周辺画像撮影部21は、視線検出装置10の画像撮影部11と同様に、CCD、CMOSなどの撮像素子を備えている。
【0037】
周辺画像は、例えば、車両200の前方の風景、車両200の側方の風景、車両200の後方の風景などの画像である。風景には、例えば、車両200が走行中の車道に存在する物体が含まれる。車道に存在する物体は、例えば、自動車、建築物、工作物(広告、道路標識、信号機、電信柱など)、人、動物などである。
【0038】
周辺画像撮影部21は、例えば、車外の風景を撮影できる位置に配置される。当該位置は、フロントグリル、サイドミラー、天井、リアバンパーなどである。周辺画像撮影部21は、撮影した周辺画像のデータを画像処理部22に入力する。以下では周辺画像のデータを「周辺画像データ」と称する。
【0039】
(画像処理部22)
画像処理部22は、周辺画像データに基づき、車両200周辺に存在する物体の中から、予め設定された検出対象の物体を検出するための画像処理を行う。以下では、予め設定された検出対象の物体を、「対象物」と称する。
【0040】
対象物は、例えば、乗用車、バイク、バス、タクシー、自転車、歩行者、動物などである。画像処理は、例えばエッジ検出処理などである。画像処理部22は、対象物の画像を対象物検出部25に入力する。
【0041】
(物体検出センサ23)
物体検出センサ23は、車両周辺に存在する物体の位置を検出するためのセンサであり、例えばソナーである。
【0042】
ソナーが例えば一定周波数のパルス状の音波を発振し、パルス状の音波が車両周辺の物体などに当たると反射し、パルス状の音波の一部がソナーに戻る。車両から物体までの距離が長くなるほど、ソナーからパルス状の音波が発振されてからその一部がソナーに戻るまでの時間が長くなる。
【0043】
この関係性を利用して、ソナーは、パルス状の音波を発振してから、物体で反射したエコーがソナーに戻るまでの往復時間を測定することにより、物体までの距離を推定し、推定した距離に基づき、車両を基準にした物体の位置を検出する。
【0044】
また、物体検出センサ23は、検出した物体の位置を示す情報である物体位置情報を対象物検出部25に入力する。
【0045】
(対象物検出部25)
対象物検出部25は、対象の画像と物体位置情報とに基づき、例えば、次のような判定を行う。
【0046】
(1)対象物検出部25は、例えば検出対象の先行車の後端が、車両200の前方に存在し、かつ、当該後端から車両200の先端までの距離が、車両200に対する先行車の相対速度に応じて変化する所定の値(例えば数m~数十m)以上の場合、衝突リスク無し、と判定する。
【0047】
(2)対象物検出部25は、例えば検出対象の先行車の後端が、車両200の前方に存在し、かつ、当該後端から車両200の先端までの距離が上記の所定の値未満の場合、衝突リスク有り、と判定する。
【0048】
このように対象物検出部25は、車両に衝突し得る対象物を検出し、車両に衝突し得る対象物を検出したことを示す情報である対象物検出情報を生成し、検出情報出力部26に送信する。
【0049】
(検出情報出力部26)
検出情報出力部26は、対象物検出部25から送信された対象物検出情報を、表示制御装置50の情報入力部54に対して出力する。情報入力部54の構成の詳細は後述する。
【0050】
(情報収集装置60)
情報収集装置60は、車両200の周辺状況に関する情報と、車両200の状態に関する情報とを収集し、情報入力部54及び判定部53に送信する。
【0051】
情報収集装置60は、例えば、周辺監視部、周辺照度測定部、故障検出部、操作状態検出部、車載器状態検出部、運転関連情報受信部などを含む。
【0052】
(周辺監視部)
周辺監視部は、車両200の周辺を監視して、車両200の周辺物体を検出するための装置である。周辺監視部は、例えば、カメラ、3D-LiDAR(Light Detection And Ranging)、ミリ波レーダ、超音波センサなどである。
【0053】
カメラを周辺監視部として用いる場合、周辺監視部は、車両周辺に存在する物体を撮影した画像を車両200の周辺状況に関する情報として、判定部53に送信する。車両周辺に存在する物体を撮影した画像には、車両200が車線変更するときの変更先の車線の画像を含む。
【0054】
3D-LiDAR、ミリ波レーダ、超音波センサなどを周辺監視部として用いる場合、周辺監視部は、車両周辺に存在する物体の位置を車両200の周辺状況に関する情報として、判定部53に送信する。
【0055】
(周辺照度測定部)
周辺照度測定部は、車両周囲の照度を測定するための装置である。周辺照度測定部は、例えば照度センサである。周辺照度測定部は、測定した照度を車両200の周辺状況に関する情報として、判定部53に送信する。
【0056】
(故障検出部)
故障検出部は、車両に搭載される機器の故障を検出するための装置である。故障検出部は、アクセル故障判定装置、ブレーキ故障判定装置、ドライブシャフト故障判定装置、エンジン故障判定装置、燃料系故障判定装置、ステアリング故障判定装置、空気圧検出装置などを含む。
【0057】
アクセル故障判定装置は、アクセルペダルの操作量を伝達する機構などの故障を診断し、診断結果を車両200の状態に関する情報として、報知制御装置15に送信する。
【0058】
ブレーキ故障判定装置は、ブレーキペダルの操作量を伝達する機構などの故障を診断し、診断結果を車両200の状態に関する情報として、報知制御装置15に送信する。
【0059】
ドライブシャフト故障判定装置は、ドライブシャフトの故障を診断し、診断結果を車両200の状態に関する情報として、報知制御装置15に送信する。
【0060】
エンジン故障判定装置は、エンジンの故障を診断し、診断結果を車両200の状態に関する情報として、報知制御装置15に送信する。
【0061】
燃料系故障判定装置は、燃料供給装置の故障を診断し、診断結果を車両200の状態に関する情報として、報知制御装置15に送信する。
【0062】
ステアリング故障判定装置は、ステアリングの操舵力を伝達する機構の故障を診断し、診断結果を車両200の状態に関する情報として、報知制御装置15に送信する。
【0063】
空気圧検出装置は、タイヤの空気圧を検出して、検出した空気圧を車両200の状態に関する情報として、報知制御装置15に送信する。
【0064】
(操作状態検出部)
操作状態検出部は、運転者による車両200の操作状態を検出するための装置である。操作状態検出部は、例えば、舵角センサ、アクセルペダルセンサ、ブレーキペダルセンサ、シフトセンサなどを含む。
【0065】
舵角センサは、車両200のステアリングホイールの操舵角を検出し、検出した操舵角を車両200の状態に関する情報として、判定部53に送信する。
【0066】
アクセルペダルセンサは、アクセルペダルの踏み込み量を検出し、検出したアクセルペダルの踏み込み量を車両200の状態に関する情報として、判定部53に送信する。
【0067】
ブレーキペダルセンサは、ブレーキペダルの踏み込み量を検出し、検出したブレーキペダルの踏み込み量を車両200の状態に関する情報として、判定部53に送信する。
【0068】
シフトセンサは、シフトレバーの操作位置を検出し、検出した操作位置を車両200の状態に関する情報として、判定部53に送信する。
【0069】
(車載器状態検出部)
車載器状態検出部は、車載器の状態を検出するための装置である。車載器状態検出部は、例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)機器にETCカードが未挿入であることを検出するセンサ、ETC車載器が故障などによって利用できない状態であることを検出するセンサなどを含む。
【0070】
(運転関連情報受信部)
運転関連情報受信部は、運転に関わる情報を受信し、受信した情報などを運転者に提供するための装置である。運転に関わる情報には以下のようなものを例示することができる。
(1)車両200がETCゲートを通過したことを示すガイダンス情報。
(2)ETC2.0(登録商標)においてダウンリンク情報として規定されている警戒情報。
(3)光ビーコンから送信される優先情報。
(4)FM(Frequency Modulation)多重放送に含まれる緊急情報。
(5)交通事故又は災害に関する情報。
(6)車両200が走行中の車道に逆走車が存在することを注意喚起する情報。
(7)車両200に搭載されている燃料の残量が所定の値よりも少ないことを示す燃料残量情報。
(8)車両200の走行状態が基準走行状態に比べて安全性が低い状態であることを示す状態情報。
(9)車両200の周囲に存在する物体への車両200の衝突を回避することを注意喚起する情報。
(10)車両200の周囲に存在する他の車両が、車両200の走行する車線に割り込みをしたことを示す情報。
【0071】
(表示制御装置50)
表示制御装置50は、視線情報、対象物検出情報、車両200の周辺状況に関する情報、及び車両200の状態に関する情報に基づき、車両200に設けられている複数の表示装置30の中から、視線が向かう方向に存在する表示装置30を、運転者に提供される表示情報を表示する第1表示装置として選択する。表示制御装置50は、選択した第1表示装置に表示情報を表示させる。
【0072】
表示情報には、第1表示情報と第2表示情報とが含まれる。
【0073】
(第1表示情報の例)
第1表示情報は、運転者に提供することの緊急性の度合いが、第2表示情報の緊急性の度合いよりも低い表示情報である。
【0074】
第1表示情報には以下のような情報を例示することができる。
(1)ナビゲーションの画面に表示される地図。
(2)オーディオ機器を操作する画像。
(3)スピードメータの画像。
(4)油圧計の画像。
(5)燃料残量計の画像。
(6)タコメーターの画像。
(7)車両進行方向を示す画像。
【0075】
第1表示情報は、例えば第1表示情報作成部58が記憶部52に記憶されている対応関係の情報を参照することによって、表示装置30に再生することができる。第1表示情報作成部58の詳細に関しては後述する。
【0076】
(第2表示情報の例)
第2表示情報は、運転者に提供することの緊急性の度合いが、第1表示情報の緊急性の度合いよりも高い表示情報である。
【0077】
第2表示情報には以下のような情報を例示することができる。
(1)ETC車載器にETCカードが未挿入であることを示すガイダンス。
(2)ETC車載器が利用できない状態あることを示すガイダンス。
(3)ETCカードが挿入されたことを示すガイダンス。
(4)ETCゲートを通過したときの料金のガイダンス。
(5)ETC2.0においてダウンリンク情報として規定されている警戒情報。
(6)光ビーコンから送信される優先情報。
(7)FM多重放送に含まれる緊急情報。
(8)交通事故又は災害に関する情報。
(9)車両200が走行中の車道に逆走車が存在することを注意喚起する情報。
(10)車両200の走行状態が基準走行状態に比べて安全性が低い状態であることを示す状態情報。なお、基準走行状態に比べて安全性が低い状態の具体例については後述する。
(11)車両200の周囲に存在する物体への車両200の衝突を回避することを注意喚起する情報。
(12)車両200が車線変更するときの変更先の車線の画像。
(13)車両200の周囲に存在する他の車両が、車両200の走行する車線に割り込みをしたことを示す情報。
(14)燃料の残量が所定の値よりも少ないことを示す燃料残量情報。
【0078】
第2表示情報は、例えば第2表示情報作成部55が記憶部52に記憶されている対応関係の情報を参照することによって、表示装置30に再生することができる。第2表示情報作成部55の詳細に関しては後述する。
【0079】
表示制御装置50は、情報入力部51、記憶部52、判定部53、情報入力部54、第2表示情報作成部55、表示制御部56、選択部57、及び第1表示情報作成部58を備えている。
【0080】
(情報入力部51)
情報入力部51は、視線情報出力部14から送信された視線情報を入力し、選択部57へ転送する。
【0081】
(記憶部52)
記憶部52は、例えば、座標データ、表示装置30の識別ID(Identifier)、上記の対応関係の情報などを記憶している。座標データは、複数の表示装置30のそれぞれの表示面の車両内における位置を表すデータである。
【0082】
(選択部57)
選択部57は、例えば、視線情報出力部14から視線情報が所定周期で出力されている場合、複数の表示装置30の内、視線が向かう方向に存在する表示装置30を、前述した第1表示情報又は第2表示情報を表示させる第1表示装置として、選択する。
【0083】
具体的には、選択部57は、記憶部52に記憶されている座標データを読み出して、車載メータパネルの正面を基準位置として、運転者の視線上に存在する表示装置30を特定する。
【0084】
そして、選択部57は、特定した表示装置30を、第1表示情報又は第2表示情報を表示させる表示装置として選択する。
【0085】
その後、選択部57は、選択した表示装置30に対応する識別IDを、例えば記憶部52から読み出して、表示制御部56に送信する。表示制御部56の構成の詳細は後述する。
【0086】
(情報入力部54)
情報入力部54は、検出情報出力部26が出力した対象物検出情報と、情報収集装置60から送信される車両200の周辺状況に関する情報と、情報収集装置60から送信される車両200の状態に関する情報とを入力し、第1表示情報作成部58及び第2表示情報作成部55へ転送する。
【0087】
(第1表示情報作成部58)
第1表示情報作成部58は、情報入力部54から送信される車両200の状態に関する情報を受信した場合、記憶部52に記憶されている対応関係の情報を参照することによって、車両200の状態に対応する第1表示情報のデータを読み出して、表示制御部56に送信する。
【0088】
(第2表示情報作成部55)
第2表示情報作成部55は、情報入力部54から送信される対象物検出情報と、車両200の周辺状況に関する情報と、車両200の状態に関する情報とを受信した場合、記憶部52に記憶されている対応関係の情報を参照する。そして、第2表示情報作成部55は、これらの情報に対応する第2表示情報のデータを読み出して、表示制御部56に送信する。
【0089】
(判定部53)
判定部53は、車両200の周辺状況に関する情報と車両200の状態に関する情報との少なくとも一つの情報に基づき、表示情報を運転者に提供することの緊急性の度合いを判定する。
【0090】
判定部53は、第2表示情報を運転者に提供することの緊急性の度合いが、第1表示情報を運転者に提供することの緊急性の度合いよりも高いと判定した場合、割り込み要求信号を、表示制御部56に送信する。例えば、判定部53は、第1表示情報を表示すべき状況と第2表示情報を表示すべき状況とが同時に生じている場合に、上記のように判定し、割り込み要求信号を、表示制御部56に送信する。
【0091】
割り込み要求信号は、第1表示情報が表示されている第1表示装置に、第2表示情報を割り込み表示することを要求する信号である。
【0092】
(判定部53による判定例1)
判定部53は、ETC車載器にETCカードが未挿入の場合、緊急性の度合いが高いと判定して、割り込み要求信号を送信する。この場合、表示制御部56は、ETC車載器にETCカードが未挿入であることを示すガイダンスを、第2表示情報として割り込み表示する。この場合のガイダンスは、例えば「ETCカードが挿入されていません」などの画像メッセージである。
【0093】
(判定部53による判定例2)
判定部53は、ETC車載器が利用できない状態の場合、緊急性の度合いが高いと判定して、割り込み要求信号を送信する。この場合、表示制御部56は、ETC車載器が利用できない状態あることを示すガイダンスを、第2表示情報として割り込み表示する。この場合のガイダンスは、例えば「ETCが利用できません」などの画像メッセージである。
【0094】
(判定部53による判定例3)
判定部53は、ETC車載器にETCカードが挿入された場合、緊急性の度合いが高いと判定して、割り込み要求信号を送信する。この場合、表示制御部56は、ETCカードが挿入されたことを示すガイダンスを、第2表示情報として割り込み表示する。この場合のガイダンスは、例えば「ETCカードが挿入されました」などの画像メッセージである。
【0095】
(判定部53による判定例4)
判定部53は、車両200が正常にETCゲートを通過した場合、緊急性の度合いが高いと判定して、割り込み要求信号を送信する。この場合、表示制御部56は、ETCゲートを正常に通過したことを示すガイダンスを、第2表示情報として割り込み表示する。この場合のガイダンスは、例えば「ETCゲートを通過しました。料金は500円です」などの画像メッセージである。
【0096】
(判定部53による判定例5)
判定部53は、車両200がETC2.0においてダウンリンク情報として規定されている警戒情報を受信した場合、緊急性の度合いが高いと判定して、割り込み要求信号を送信する。警戒情報には、例えば、Jアラート(全国瞬時警報システム)、緊急地震速報、気象警報、避難情報、逆走車両が存在していることを示す情報などが含まれる。この場合、表示制御部56は、「前方に逆走中の車両が存在します」などの画像メッセージを、第2表示情報として割り込み表示する。
【0097】
(判定部53による判定例6)
判定部53は、光ビーコンから送信される優先情報を受信した場合、緊急性の度合いが高いと判定して、割り込み要求信号を送信する。優先情報には、工事情報、安全運転支援情報などが含まれる。この場合、表示制御部56は、「1km先に工事規制区間があります」などの画像メッセージを、第2表示情報として割り込み表示する。
【0098】
(判定部53による判定例7)
判定部53は、FM多重放送に含まれる緊急情報を受信した場合、緊急性の度合いが高いと判定して、割り込み要求信号を送信する。緊急情報には、交通事故情報、災害情報、緊急地震速報などが含まれる。この場合、表示制御部56は、「大きな地震が発生しています。安全な場所に車両を停止してください」などの画像メッセージを、第2表示情報として割り込み表示する。
【0099】
(判定部53による判定例8)
判定部53は、車両200の走行状態が基準走行状態に比べて安全性が低い状態であることを示す走行状態情報を受信した場合、緊急性の度合いが高いと判定して、割り込み要求信号を送信する。
【0100】
基準走行状態に比べて安全性が低い状態は、以下のような状態を例示することができる。
(1)制限速度が60km/hの走行区間を車両200が60km/hを超える速度で走行している場合。
(2)運転車が居眠り運転しているため蛇行運転を継続している場合。
(3)脇見運転などによって車両200が走行車線を逸脱している場合。
(4)車両200の先行車両と車両200との車間距離が所定距離以下に小さくなった場合。
【0101】
この場合、表示制御部56は、「制限速度を超過しています」、「ハンドル操作を行ってください」などの画像メッセージを、第2表示情報として割り込み表示する。
【0102】
(判定部53による判定例9)
判定部53は、車両200の周囲に存在する物体への車両200の衝突を回避することを注意喚起する情報を受信した場合、緊急性の度合いが高いと判定して、割り込み要求信号を送信する。この場合、表示制御部56は、「前方で事故が発生しています。衝突を回避してください」などの画像メッセージを、第2表示情報として割り込み表示する。
【0103】
(判定部53による判定例10)
判定部53は、車両200が車線変更するときの変更先の車線の画像を受信した場合、緊急性の度合いが高いと判定して、割り込み要求信号を送信する。この場合、表示制御部56は、例えば変更先の車線の一定範囲を撮影した画像を、第2表示情報として割り込み表示する。
【0104】
(判定部53による判定例11)
判定部53は、車両200の周囲に存在する他の車両200が、車両200の走行する車線に割り込みをしたことを示す情報を受信した場合、緊急性の度合いが高いと判定して、割り込み要求信号を送信する。この場合、表示制御部56は、「割り込み車両がいます。注意してください」などの画像メッセージを、第2表示情報として割り込み表示する。
【0105】
(判定部53による判定例12)
判定部53は、車両200に搭載されている燃料の残量が所定の値よりも少ないことを示す燃料残量情報を受信した場合、緊急性の度合いが高いと判定して、割り込み要求信号を送信する。この場合、表示制御部56は、「残りの走行可能距離は10kmです。給油してください」などの画像メッセージを、第2表示情報として割り込み表示する。
【0106】
なお、判定部53は、車両200の周辺状況に関する情報と、車両200の状態に関する情報との一方を用いて、表示情報を運転者に提供することの緊急性の度合いを判定してもよいし、これらの情報の双方を用いて、表示情報を運転者に提供することの緊急性の度合いを判定してもよい。
【0107】
(表示制御部56)
表示制御部56は、判定部53から割り込み要求信号が送信されていない場合、選択部57から送信された識別IDに対応する表示装置30に対して、第1表示情報を送信する。
【0108】
表示制御部56は、判定部53から割り込み要求信号が送信されている場合、選択部57から送信された識別IDに対応する表示装置30に対して、第2表示情報を送信することによって、第2表示情報を割り込み表示する。
【0109】
(表示装置30)
表示装置30Aは、情報入力部31及び画像表示部32を備えている。表示装置30Aは、例えば車室内に設けられている例えばセンターディスプレイである。
【0110】
表示装置30Bは、表示装置30Aと同様に構成されている。表示装置30Bは、例えば運転席前に設けられている車載メータパネルである。
【0111】
表示装置30Cは、表示装置30Aと同様に構成されている。表示装置30Cは、例えばヘッドアップディスプレイである。
【0112】
なお、車両200に設けられている表示装置30の種類は、これらに限定されるものではなく、例えば、車載カメラとディスプレイを組み合わせた電子ミラー(例えば、電子ルームミラーや電子サイドミラーなど)などを含んでもよい。
【0113】
また、車両200に設けられている表示装置30の数は3つに限定されず、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
【0114】
(情報入力部31)
情報入力部31は、表示制御部56から送信される第1表示情報のデータ又は第2表示情報のデータを入力し、画像表示部32に転送する。
【0115】
(画像表示部32)
画像表示部32は、第1表示情報のデータ又は第2表示情報のデータに基づき、表示情報に関する画像を生成し、当該画像を画像表示部32の画面に表示する。
【0116】
次に図2及び図3を参照して、表示制御システム100の動作を説明する。
【0117】
図2は本開示の実施の形態に係る表示制御システム100の動作を説明するためのフローチャートである。
【0118】
ステップS11において、画像撮影部11は、運転者の顔の撮影を開始する。撮影された画像データは、画像処理部12を介して、視線検出部13に送信される。その後、ステップS12の処理が実行される。
【0119】
ステップS12において、視線検出部13は、受信した画像データに基づいて、運転者の視線が向かう方向を検出する。
【0120】
視線の検出結果である視線情報は、視線情報出力部14及び情報入力部51を介して、選択部57に送信される。選択部57の処理については後述する。
【0121】
ステップS12の処理と平行して、情報入力部54は、検出情報出力部26が送信した対象物検出情報と、情報収集装置60が送信した車両200の周辺状況に関する情報と、車両200の状態に関する情報とを受信し、これらの情報を、第1表示情報作成部58及び第2表示情報作成部55へ転送する(ステップS13)。その後、ステップS14の処理が実行される。
【0122】
ステップS14において、第1表示情報作成部58は第1表示情報を作成し、第2表示情報作成部55は第2表示情報を作成する。第1表示情報及び第2表示情報は、表示制御部56に送信される。その後、ステップS15に示す表示制御処理が実行される。
【0123】
図3を参照してステップS15に示す表示制御処理について説明する。図3は表示制御処理を説明するためのフローチャートである。
【0124】
ステップS1において、選択部57は、視線が向けられている表示装置30を選択する。その後、ステップS2の処理が実行される。
【0125】
ステップS2において、表示制御部56は、ステップS1で選択された表示装置30に第1表示情報を表示させる。その後、ステップS3の処理が実行される。
【0126】
ステップS3において、判定部53は、車両200の周辺状況に関する情報と車両200の状態に関する情報との少なくとも一つの情報に基づき、表示情報を運転者に提供することの緊急性の度合いを判定する。
【0127】
緊急性が高い場合(ステップS3,YES)、判定部53は、第1表示情報が表示されている第1表示装置に第2表示情報を割り込み表示する割り込み要求信号を、表示制御部56に送信する。ステップS4の処理が実行される。
【0128】
ステップS4において、割り込み要求信号を受信した表示制御部56は、第1表示情報が表示されている表示装置30に第2表示情報を割り込み表示させる。その後、ステップS5の処理が実行される。
【0129】
ステップS5において、表示制御部56は、第2表示情報の割り込み表示が実行された時点から所定時間経過したか否か判断する。
【0130】
所定時間経過していない場合(ステップS5,NO)、ステップS6の処理が実行される。
【0131】
ステップS6において、視線検出部13で検出される視線方向が変化していない場合(ステップS6,NO)、ステップS5以降の処理が繰り返される。
【0132】
ステップS6において、視線検出部13で検出される視線方向が変化した場合(ステップS6,YES)、図2に示すステップS16の処理が実行される。ステップS16の処理に関しては後述する。
【0133】
ステップS5に戻り、所定時間経過した場合(ステップS5,YES)、ステップS7の処理が実行される。
【0134】
ステップS7において、表示制御部56は、第2表示情報を消去する処理を行う。その後、ステップS2以降の処理が繰り返される。
【0135】
ステップS3に戻り、緊急性が低い場合(ステップS3,NO)、ステップS8の処理が実行される。
【0136】
ステップS8において、表示制御部56は、第1表示情報の割り込み表示が実行された時点から所定時間経過したか否か判断する。
【0137】
所定時間経過していない場合(ステップS8,NO)、ステップS9の処理が実行される。
【0138】
ステップS9において、視線検出部13で検出される視線方向が変化していない場合(ステップS9,NO)、ステップS2以降の処理が繰り返される。
【0139】
視線検出部13で検出される視線方向が変化した場合(ステップS9,YES)、図2に示すステップS16の処理が実行される。ステップS16の処理に関しては後述する。
【0140】
ステップS8に戻り、所定時間経過した場合(ステップS8,YES)、ステップS10の処理が実行される。
【0141】
ステップS10において、表示制御部56は、第1表示情報を消去する処理を行う。その後、図2に示すステップS16の処理が実行される。
【0142】
図2に示すステップS16において、表示制御装置50は、ステップS15までの処理が完了したか否かを判定する。
【0143】
ステップS15までの処理が完了していない場合(ステップS16,NO)、表示制御装置50は、ステップS13以降の処理を繰り返す。
【0144】
ステップS15までの処理が完了した場合(ステップS16,YES)、表示制御装置50は、一連の処理を終了する。
【0145】
(判定部53の変形例)
なお判定部53は以下のように構成してもよい。
【0146】
判定部53は、情報収集装置60から送信される車両200の周辺状況に関する情報を受信した場合、車両200の周辺状況に関する情報に基づき、第1表示装置に第2表示情報を表示した場合の視認性の第1度合いが、第1表示装置以外の第2表示装置に第2表示情報を表示した場合の視認性の第2度合いよりも高いか否かをさらに判定するように構成してもよい。
【0147】
判定部53は、例えば、記憶部52に記憶されている対応情報を参照することにより、第1度合いと第2度合いとの高低を判断する。
【0148】
当該対応情報には、例えば、車外の明るさと、天候と、車両速度と、表示装置30の種類と、表示装置30の画面の大きさと、表示装置30の画面位置と、表示情報の内容と、視認性の度合いとが対応付けられている。
【0149】
判定部53は、視認性の第1度合いが視認性の第2度合いよりも高い場合、第1表示装置に第2表示情報を優先して表示させる第1表示要求信号を、表示制御部56に送信する。
【0150】
判定部53は、視認性の第1度合いが視認性の第2度合いよりも低い場合、第2表示情報の表示位置を第1表示装置から第2表示装置に移動させる第2表示要求信号を、表示制御部56に送信する。
【0151】
なお、判定部53は、視認性の第1度合いが視認性の第2度合いよりも低い場合、第2表示情報を、第1表示装置の代わりに、第2表示装置に表示してもよい。
【0152】
第1表示要求信号を受信した表示制御部56は、第1表示装置に第2表示情報を表示させる。
【0153】
第2表示要求信号を受信した表示制御部56は、第2表示情報の送信先を、第1表示装置から第2表示装置に切り替える。
【0154】
例えば、車両200が夜間に走行している場合、車外が暗くなることにより運転者の視野が狭くなる。この場合、ヘッドアップディスプレイ、電子ミラーなど、小さい表示領域の画面を有する表示装置30に表示される画像が見え難くなる場合がある
【0155】
この場合、表示制御部56は、車外の照度、時間帯などを判定することで、視線が向かっている第1表示装置に表示されている第2表示情報を、センターディスプレイ、車載メータパネルなどの大きい表示領域の画面を有する第2表示装置に移動させる。
【0156】
これにより、運転者は第2表示情報を短時間で認識することができる。また、視界が狭い状況でも、センターディスプレイなどの大きい表示領域に表示される内容を正確に認識することができる。
【0157】
なお、表示制御部56は、第2表示情報の表示位置が、第1表示装置から第2表示装置に移動したことを案内する案内情報、又は、第2表示情報を第2表示装置に表示したことを案内する案内情報を、第1表示装置に表示するように構成することが好ましい。
【0158】
この場合、表示制御部56は「センターディスプレイ参照」、「緊急情報をセンターディスプレイに移動しました」などの画像メッセージを、案内情報として第1表示装置に表示させる。
【0159】
この構成により、運転者は、確認中だった第2表示情報の表示位置が、第1表示装置から第2表示装置に移動したことを即座に把握できる。
【0160】
なお、表示制御部56は、第2表示情報の表示位置が、第1表示装置から第2表示装置に移動した場合、例えば、第2表示装置に移動した第2表示情報を点滅させ、又は第2表示装置に移動した第2表示情報の文字の大きさを拡大して表示することによって、第2表示装置に視線を誘導するように構成してもよい。
【0161】
次に、図4を参照して、表示制御システム100のハードウェア構成例について説明する。図4は本開示の実施の形態に係る表示制御システム100のハードウェア構成例を示す図である。
【0162】
車両200は、車載機210として、視線検出装置10、周辺監視装置20、表示制御装置50、表示装置30A、表示装置30B、表示装置30C、情報収集装置60、及びECU220を備えている。
【0163】
ECU220は、補助記憶装置230A、メモリ装置230B、CPU230C、及びインタフェース装置230Dを備える。これらは情報処理装置230を構成し、互いにバスライン230Eで接続される。
【0164】
補助記憶装置230Aは、ECU220の処理に必要なファイル及びデータを格納している、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどである。メモリ装置230Bは、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置230Aからプログラムを読み出して格納する。
【0165】
CPU230Cは、メモリ装置230Bに格納されたプログラムを実行し、プログラムに従ってECU220の各種機能を実現する。
【0166】
インタフェース装置230Dは、例えば、CPU230Cを、視線検出装置10、周辺監視装置20などに接続するインタフェースである。
【0167】
なお、前述した第2表示情報は、上記の表示情報に限定されず、例えば、ドア開閉状態情報、エンジンの水温情報などでもよい。
【0168】
なお、例えば、以下のような態様も本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0169】
(1)表示制御装置は、車両の運転者を撮影した画像のデータに基づき、車両の運転者の視線が向かう方向を検出する視線検出部と、前記運転者の視線が向かう方向を示す視線情報に基づき、前記車両に設けられている複数の表示装置の中から、前記視線が向かう方向に存在する表示装置を、前記運転者に提供される表示情報を表示する第1表示装置として選択する選択部と、前記車両の周辺状況に関する情報と前記車両の状態に関する情報との少なくとも一つの情報に基づき、前記表示情報を前記運転者に提供することの緊急性の度合いを判定する判定部と、前記運転者に提供することの緊急性の度合いが、第1表示情報を前記運転者に提供することの緊急性の度合いよりも高いと判定された第2表示情報を、前記第1表示情報が表示されている前記第1表示装置に割り込み表示する表示制御部と、を備える。
【0170】
(2)前記判定部は、前記車両の周辺状況に関する情報に基づき、前記第1表示装置に前記第2表示情報を表示した場合の視認性の第1度合いと、前記第1表示装置以外の第2表示装置に前記第2表示情報を表示した場合の視認性の第2度合いとをさらに判定し、前記表示制御部は、前記第1度合いが前記第2度合いよりも高い場合、前記第1表示装置に前記第2表示情報を表示し、前記第1度合いが前記第2度合いよりも低い場合、前記第2表示情報を前記第2表示装置に表示する。
【0171】
(3)前記表示制御部は、前記第2表示情報を前記第2表示装置に表示したことを案内する案内情報を、前記第1表示装置に表示する。
【0172】
(4)前記判定部は、ETC車載器にETCカードが未挿入の場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、ETC車載器にETCカードが未挿入であることを示すガイダンスを、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0173】
(5)前記判定部は、ETC車載器が利用できない状態の場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、ETC車載器が利用できない状態あることを示すガイダンスを、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0174】
(6)前記判定部は、ETC車載器にETCカードが挿入された場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、ETCカードが挿入されたことを示すガイダンスを、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0175】
(7)前記判定部は、前記車両がETCゲートを通過した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、前記ETCゲートを通過したときの料金を、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0176】
(8)前記判定部は、前記車両がETC2.0においてダウンリンク情報として規定されている警戒情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、前記警戒情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0177】
(9)前記判定部は、光ビーコンから送信される優先情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、前記優先情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0178】
(10)前記判定部は、FM多重放送に含まれる緊急情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、前記緊急情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0179】
(11)前記判定部は、交通事故又は災害に関する情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、前記交通事故又は災害に関する情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0180】
(12)前記判定部は、前記車両が走行中の車道に逆走車が存在することを注意喚起する情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、当該情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0181】
(13)前記判定部は、前記車両の走行状態が基準走行状態に比べて安全性が低い状態であることを示す状態情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、当該状態情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0182】
(14)前記判定部は、前記車両の周囲に存在する物体への前記車両の衝突を回避することを注意喚起する情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、当該情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0183】
(15)前記判定部は、前記車両が車線変更するときの変更先の車線の画像を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、前記画像を、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0184】
(16)前記判定部は、前記車両の周囲に存在する他の車両が、前記車両の走行する車線に割り込みをしたことを示す情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、当該情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0185】
(17)前記判定部は、前記車両に搭載されている燃料の残量が所定の値よりも少ないことを示す燃料残量情報を受信した場合、前記緊急性の度合いが高いと判定し、前記表示制御部は、前記燃料残量情報を、前記第2表示情報として割り込み表示する。
【0186】
(18)表示制御システムは、上記の表示制御装置と、複数の前記表示装置とを備える。
【0187】
(19)表示制御方法は、車両の運転者を撮影した画像のデータを受信するステップと、前記画像のデータに基づき、車両の運転者の視線が向かう方向を検出するステップと、前記運転者の視線が向かう方向を示す視線情報に基づき、前記車両に設けられている複数の表示装置の中から、前記視線が向かう方向に存在する表示装置を、前記運転者に提供される表示情報を表示する第1表示装置として選択するステップと、前記車両の周辺状況に関する情報と前記車両の状態に関する情報との少なくとも一つの情報に基づき、前記表示情報を前記運転者に提供することの緊急性の度合いを判定するステップと、第1表示情報を前記第1表示装置に表示するステップと、前記運転者に提供することの緊急性の度合いが、前記第1表示情報を前記運転者に提供することの緊急性の度合いよりも高いと判定された第2表示情報を、前記第1表示情報が表示されている前記第1表示装置に割り込み表示するステップと、を含む。
【0188】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、本開示に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0189】
以上、本開示の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術は、本開示において例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれ得る。
【産業上の利用可能性】
【0190】
本開示の一実施例は、表示制御装置、表示制御システム及び表示制御方法に好適である。
【符号の説明】
【0191】
10 視線検出装置
11 画像撮影部
12 画像処理部
13 視線検出部
14 視線情報出力部
15 報知制御装置
20 周辺監視装置
21 周辺画像撮影部
22 画像処理部
23 物体検出センサ
25 対象物検出部
26 検出情報出力部
30 表示装置
30A 表示装置
30B 表示装置
30C 表示装置
31 情報入力部
32 画像表示部
50 表示制御装置
51 情報入力部
52 記憶部
53 判定部
54 情報入力部
55 第2表示情報作成部
56 表示制御部
57 選択部
58 第1表示情報作成部
60 情報収集装置
100 表示制御システム
200 車両
210 車載機
230 情報処理装置
230A 補助記憶装置
230B メモリ装置
230C CPU
230D インタフェース装置
230E バスライン
図1
図2
図3
図4