(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】ヒートシンクおよび冷却装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20241011BHJP
H01L 23/467 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
H05K7/20 H
H01L23/46 C
(21)【出願番号】P 2019236470
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】森谷 茂之
(72)【発明者】
【氏名】竹内 崇
(72)【発明者】
【氏名】市古 雅寛
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 寿晃
(72)【発明者】
【氏名】尾下 慶明
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-218295(JP,A)
【文献】特開2003-023281(JP,A)
【文献】特表2009-516386(JP,A)
【文献】特開2013-205476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H01L 23/467
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に延びる中心軸を中心とする回転により流体の流れを発生させる流体流発生装置と共に用いられるヒートシンクであって、
前記流体流発生装置と上下方向に対向する上面を有する本体部と、
前記上面から上方に延び、複数の流路を区画するフィンと、
を有し、
前記上面には、前記フィンが設けられておらず、前記流体流発生装置と対向する平坦領域が含まれ、
前記フィンは、前記平坦領域の周囲に配置され、
前記複数の流路から得られる複数の流体経路のそれぞれは、
前記流体流発生装置から排出される前記流体が流入する入口と、
前記入口から入った前記流体を外部に排出する出口と、
を有し、
前記複数の流体経路のうちの少なくとも一部は、
前記入口より下流にて第1流体経路と分岐する第1分岐部と、
前記入口が異なる第2流体経路と前記第1分岐部より下流で合流する第1合流部と、
を有し、
前記中心軸と前記上面との交点で互いに交差するとともに前記上面が広がる方向に延びるX軸およびY軸で区画される4つの領域を、前記流体流発生装置の回転方向と逆方向となる順に第1領域、第2領域、第3領域、第4領域とした場合に、
上方からの平面視において、
前記複数の流体経路のそれぞれが有する前記入口は、前記4つの領域の少なくともいずれか一つに設けられ、
前記複数の流体経路のそれぞれが有する前記出口は、前記第1領域に設けられ、
前記複数の流体経路は、
前記入口から前記出口に至るまでに前記第2領域および前記第1領域を通る短距離経路と、
前記入口から前記出口に至るまでに前記第3領域、前記第2領域、および、前記第1領域を通る長距離経路と、
を含み、
前記長距離経路の少なくとも一部が、前記第1分岐部と前記第1合流部とを有する、ヒートシンク。
【請求項2】
前記複数の流体経路のうちの一部は、前記第1合流部に加えて、前記第1分岐部で分かれた前記第1流体経路と合流する第2合流部を更に有する、請求項1に記載のヒートシンク。
【請求項3】
前記複数の流体経路のうちの一部は、前記第1合流部よりも下流に前記流体経路を分岐する第2分岐部を更に有する、請求項1又は2に記載のヒートシンク。
【請求項4】
複数の前記流体経路の間で共用される前記入口および前記出口については、それぞれ数を1つとして数えるとした場合に、
前記長距離経路において、前記出口の数は、前記入口の数と同じ、又は、前記入口の数より少ない、請求項1から3のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項5】
前記長距離経路の少なくとも一部は、前記第4領域に前記入口を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項6】
上下に延びる中心軸を中心とする回転により流体の流れを発生させる流体流発生装置と共に用いられるヒートシンクであって、
前記流体流発生装置と上下方向に対向する上面を有する本体部と、
前記上面から上方に延び、複数の流路を区画するフィンと、
を有し、
前記複数の流路から得られる複数の流体経路のそれぞれは、
前記流体流発生装置から排出される前記流体が流入する入口と、
前記入口から入った前記流体を外部に排出する出口と、
を有し、
前記複数の流体経路のうちの少なくとも一部は、
前記入口より下流にて第1流体経路と分岐する第1分岐部と、
前記入口が異なる第2流体経路と前記第1分岐部より下流で合流する第1合流部と、
を有し、
前記中心軸と前記上面との交点で互いに交差するとともに前記上面が広がる方向に延びるX軸およびY軸で区画される4つの領域を、前記流体流発生装置の回転方向と逆方向となる順に第1領域、第2領域、第3領域、第4領域とした場合に、
上方からの平面視において、
前記入口は、前記4つの領域の少なくともいずれか一つに設けられ、
前記出口は、前記第1領域に設けられ、
前記複数の流体経路の少なくとも一部は、
前記流体が前記流体流発生装置の回転方向と同じ方向に流れる主経路と、
前記流体が流れる方向が前記流体流発生装置の回転方向から逆方向に鋭角に切り替わる部分を有する副経路と、
に区分され。
前記主経路の少なくとも一部が、前記第1分岐部および前記第1合流部を有する、ヒートシンク。
【請求項7】
前記本体部は、下面側に被冷却体を収容する被冷却体収容部を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項8】
前記流体流発生装置は、上下方向と直交する方向に流体を排出する、請求項1から
7のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか1項に記載のヒートシンクと、
前記流体流発生装置と、
を有する、冷却装置。
【請求項10】
前記流体は空気であり、
前記流体流発生装置は、上方から前記空気を流入し、上下方向と直交する方向に前記空気を排出する遠心ファンである、請求項
9に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシンクおよび冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発熱体に熱的に接続するヒートシンクと、ヒートシンクに冷却風を送風する電動ファン装置と、を備える冷却装置が知られる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ヒートシンクは、放熱体の熱を受ける受熱部および複数の放熱フィンと、冷却風が送風される冷却風路と、を備える。冷却風路は、放熱フィンに沿うように形成される。電動ファン装置は遠心式の羽根車を備える。羽根車は、空気を吸い込むとともに、吸い込んだ空気を冷却風路に向けて吐出する。冷却風路を流れる空気は、ヒートシンクと熱交換を行い、発熱体の熱を奪う主要な冷却媒体として機能する。ヒートシンクとの熱交換で温められた空気は、冷却風路の下流端から外部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、放熱フィンの数を多くすると放熱面積が増え、冷却能力が増加することが期待される。しかしながら、単純に放熱フィンを増やして冷却風路の数を増やすと、空気の流れが悪くなる虞がある。特に、入口から出口までの長さが長い冷却風路においては、風路の途中に放熱フィンを配置して風路を分岐させてその数を増やすと、空気の流れが停滞する可能性が高くなる。
【0006】
本発明は、フィンで区画される流路の数を多くして冷却効率を高めつつ、流体の流れが停滞することを抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的なヒートシンクは、上下に延びる中心軸を中心とする回転により流体の流れを発生させる流体流発生装置と共に用いられる。ヒートシンクは、前記流体流発生装置と上下方向に対向する上面を有する本体部と、前記上面から上方に延び、複数の流路を区画するフィンと、を有する。前記複数の流路から得られる複数の流体経路のそれぞれは、前記流体流発生装置から排出される前記流体が流入する入口と、前記入口から入った前記流体を外部に排出する出口と、を有する。前記複数の流体経路のうちの少なくとも一部は、前記入口より下流にて第1流体経路と分岐する第1分岐部と、前記入口が異なる第2流体経路と前記第1分岐部より下流で合流する第1合流部と、を有する。
【0008】
また、本発明の例示的なヒートシンクは、上下に延びる中心軸を中心とする回転により流体の流れを発生させる流体流発生装置と共に用いられる。ヒートシンクは、前記流体流発生装置と上下方向に対向する上面を有する本体部と、前記上面から上方に延び、複数の流路を区画するフィンと、を有する。前記中心軸と前記上面との交点で互いに交差するとともに前記上面が広がる方向に延びるX軸およびY軸で区画される4つの領域を、前記流体流発生装置の回転方向と逆方向となる順に第1領域、第2領域、第3領域、第4領域とする。前記複数の流路から得られる複数の流体経路のそれぞれは、前記流体流発生装置から排出される前記流体が流入する入口と、前記第1領域に設けられ、前記入口から入った前記流体を外部に排出する出口と、を有する。前記複数の流体経路のうち、前記入口から前記出口に至るまでに前記第2領域および前記第3領域を通る長距離経路は、前記第2領域から前記第3領域に亘って延びる長距離流路を用いて構成される。上方からの平面視において、前記長距離流路は、前記交点から離れる方向に向かって複数並ぶ。前記複数の長距離流路のうち、前記第2領域において前記交点から最も離れた場所に位置する最外長距離流路は、前記第2領域および前記第3領域の少なくとも一方に他の前記流路と合流する合流部を有する。
【0009】
本発明の例示的な冷却装置は、上記構成のヒートシンクと、前記流体流発生装置と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
例示的な本発明によれば、フィンで区画される流路の数を多くして冷却効率を高めつつ、流体の流れが停滞することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る冷却装置の平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る流体流発生装置の縦断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る冷却装置の簡易断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係るヒートシンクの平面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係るヒートシンクが有する主経路および副経路について説明するための図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る副経路の詳細について説明するため図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態の主経路における分岐部および合流部について説明するための図である。
【
図9】
図9は、
図8に示す第3主経路および第4主経路に注目した図である。
【
図12】
図12は、第1変形例のヒートシンクの平面図である。
【
図13】
図13は、第1変形例のヒートシンクにおける主経路の詳細について説明する図である。
【
図14】
図14は、第2変形例のヒートシンクの平面図である。
【
図15】
図15は、第2変形例のヒートシンクにおける主経路の詳細について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書では、ヒートシンク1と共に用いられる流体流発生装置2の
図3に示す中心軸Cに平行な方向を「軸方向」、中心軸Cと直交する方向を「径方向」、中心軸Cを中心とする円弧に沿う方向を「周方向」とそれぞれ称する。
【0013】
また、本明細書では、軸方向を上下方向とし、ヒートシンク1に対して流体流発生装置2が設けられる側を上として、各部の形状や位置関係を説明する。ただし、この上下方向の定義により、本発明に係るヒートシンクおよび冷却装置の使用時の向きを限定する意図はない。
【0014】
また、本明細書では、「上流」および「下流」は、原則として、流体流発生装置2を回転させることにより
図2に示す入口131から出口132に向かう流体の流通方向における上流および下流のことを指す。
【0015】
<1.冷却装置>
図1は、本発明の実施形態に係る冷却装置100の平面図である。
図1は、冷却装置100を上から見た図である。
図1に示すように、冷却装置100は、ヒートシンク1と、流体流発生装置2と、を有する。冷却装置100は、カバー3を更に有する。
【0016】
ヒートシンク1は、流体流発生装置2と共に用いられる。ヒートシンク1は、例えばアルミニウム、銅、アルミニウム合金、銅合金等の熱伝導性に優れる金属材料で構成される放熱部材である。
図2は、
図1のカバー3を取り除いた図である。
図2においては、流体流発生装置2は簡略化して示される。
図2に示すように、ヒートシンク1は、本体部10と、フィン11と、を有する。本体部10とフィン11とは同一部材である。
【0017】
本体部10は、上方からの平面視において矩形状である。ただし、本体部10は、矩形状以外であってよく、例えば矩形状以外の多角形状等であってよい。本体部10は、流体流発生装置2と上下方向に対向する上面10aを有する。上面10aは、上下方向と直交する方向に広がる。上面10aは、平坦な面でもよいが、凹凸を有する面であってもよい。上面10aの周縁には、4つの辺のうちの一辺を除いて上方に延びる周壁10bが設けられる。
【0018】
フィン11は、上面10aから上方に延びる。フィン11は、上面10aに複数設けられる。上方からの平面視において、各フィン11の形状は様々である。例えば、上方からの平面視において、或るフィン11は直線状であり、他の或るフィン11は円弧状等の湾曲形状であり、更に他の或るフィン11は直線状の部分と湾曲形状の部分とを有する形状等である。なお、フィン11は、上方からの平面視において、点状であってもよい。点状のフィンは、例えば、円柱状、角柱状、錘状等であってよい。
【0019】
フィン11は、複数の流路12を区画する。流路12は、流体が通る道である。流路12は、2つのフィン11に挟まれた位置に形成される。また、流路12は、フィン11と周壁10bとに挟まれた位置に形成される。本実施形態において、流路12は溝形状である。流路12を流れる流体は、フィン11と接触して、フィン11と熱交換を行う。詳細には、流体はフィン11から熱を奪う。すなわち、フィン11は放熱フィンである。
【0020】
図2において、太い破線は、複数の流路12から得られる複数の流体経路13を模式的に示す。なお、
図2においては、複数の流路12から得られる複数の流体経路13のうちの一部のみが示される。複数の流体経路13のそれぞれは、入口131と出口132とを有する。各流体経路13は、或る入口131から或る出口132へと流体が辿る道である。
【0021】
入口131は、流体流発生装置2から排出される流体が流入する箇所である。出口132は、入口131から入った流体を外部に向けて排出する箇所である。ここで、外部とは、ヒートシンク1の外部である。すなわち、流体経路13は、流体流発生装置2から排出された流体がヒートシンク1の外部に至るまでに辿る道である。各流体経路13を通る流体は、フィン11との間で熱交換を行う。
【0022】
図2に示すように、流体流発生装置2は、上下に延びる中心軸Cを中心とする回転により流体の流れを発生させる。なお、
図2に示す白抜きの矢印は流体の流れを示す。流体流発生装置2においては、流体が流入する方向と流体が排出される方向とが異なる。本実施形態においては、流体が流入する方向は上下方向であり、流体が排出される方向は上下方向と直交する方向である。また、本実施形態においては、中心軸Cを中心として回転する流体流発生装置2の回転方向RDは、時計回り方向である。ただし、流体流発生装置2の回転方向は反時計回り方向であってもよい。流体流発生装置2の回転方向が反時計回り方向である場合、フィン11の配置および形状は変更される。
【0023】
なお、流体は、例えば気体又は液体である。気体は、例えば空気である。液体は、例えば水又はクーラント液である。本実施形態では、流体は空気である。
【0024】
また、流体流発生装置2は、例えばファン又はポンプである。本実施形態では、流体流発生装置2は、上方から空気を流入し、上下方向と直交する方向に空気を排出する遠心ファンである。本構成によると、流体流発生装置2を駆動させることにより、外部から冷却装置100内に空気が取り込まれ、取り込まれた空気が各流体経路13を通りながら熱交換を行い、外部に排出される。この空気の流れによって、被冷却対象の冷却を効率良く行うことができる。
【0025】
図3は、本発明の実施形態に係る流体流発生装置2の縦断面図である。
図3には、理解を容易とするためにヒートシンク1の本体部10の一部も示される。
図3に示すように、流体流発生装置2は、モータ20と、インペラ21と、支持部22と、を有する。
【0026】
モータ20は、シャフト201と、ステータ202と、ロータ203と、を有する。シャフト201は、中心軸Cに沿って上下に延びる。シャフト201は、シャフト201の径方向外方に配置される軸受204に回転可能に支持される。軸受204は、支持部22に支持される有蓋筒状の軸受ホルダ205内に収容されて軸受ホルダ205に保持される。なお、本実施形態では、軸受204はスリーブベアリングであるが、軸受は、他の形態でもよく、例えばボールベアリングであってもよい。
【0027】
ステータ202は、中心軸Cを中心とする環状である。ステータ202は、軸受ホルダ205の径方向外方に配置され、軸受ホルダ205に固定される。ロータ203は、中心軸Cを中心とする円筒状である。ロータ203の径方向内方の面には、環状のマグネット203aが固定される。マグネット203aは、ステータ202の径方向外方に、ステータ202と間隔をあけて配置される。ステータ202に駆動電流を供給することによって、マグネット203aとステータ202との間で回転トルクが発生する。これにより、ステータ202に対してロータ203が回転する。
【0028】
インペラ21は、インペラカップ211と、複数の羽根212と、を有する。インペラカップ211は、中心軸Cを中心とする有底筒状であり、シャフト201に固定される。インペラカップ211の径方向内方の面には、ロータ203が固定される。すなわち、インペラ21は、ロータ203の回転とともに回転する。
【0029】
各羽根212は、インペラカップ211の径方向外方の面から、中心軸Cから離れる方向に延びる。複数の羽根212は、周方向に間隔をあけて配置される。なお、中心軸Cから離れる方向は、径方向と平行であってもよいし、径方向に対して傾いた方向であってもよい。各羽根212が回転することにより空気の流れが生じる。
【0030】
モータ20を支持する支持部22は、カバー3の下面に固定される。このために、本実施形態では、流体流発生装置2は、本体部10の上面10aと上下方向に間隔をあけて配置される。ただし、支持部22は、カバー3と一体化されてもよい。これによれば、部品点数を低減することができ、コストダウンを図ることができる。また、支持部22は、上面10aに取り付けられてもよい。すなわち、流体流発生装置2と上下方向に対向する上面10aは、流体流発生装置2と接触してもよい。
【0031】
図1に示すように、カバー3は、ヒートシンク1の本体部10の上面10aを覆う。カバー3は、例えば鉄・鉄合金等の熱伝導性に優れる金属材料で構成される。カバー3は、例えば、ねじ止め、又は、ろう付け等の固定手法によりヒートシンク1の本体部10に取り付けられる。
【0032】
カバー3の中央部近傍には、上下方向に貫通する円形状のカバー開口部3aが設けられる。カバー3の下面に取り付けられた流体流発生装置2は、カバー開口部3aにより、冷却装置100の外部に露出する。流体流発生装置2の駆動により、カバー開口部3aを介して冷却装置100の外部から内部に流体が流れ込む。また、流体流発生装置2の駆動により、内部に引き込まれた流体は、ヒートシンク1に形成される流体経路13を通って、周壁10bが設けられない部分から冷却装置100の外部に排出される。
【0033】
図4は、本発明の実施形態に係る冷却装置100の簡易断面図である。
図4に示すように、本体部10は、下面10c側に被冷却体を収容する被冷却体収容部101を有する。被冷却体は、冷却対象となる物体であり、
図4に示す例では、発熱体4、および、発熱体4が搭載される基板5が該当する。発熱体4としては、例えば、半導体チップ、トランジスタ等の発熱素子が挙げられる。
【0034】
本実施形態では、被冷却体収容部101は、素子収容部101aと基板収容部101bとを有する。ただし、素子収容部101aと基板収容部101bとのうち、いずれか一方のみが設けられる構成であってもよい。素子収容部101aは、本体部10の下面10cが上方に凹んだ凹部であり、発熱体4である発熱素子の少なくとも一部を収容する。素子収容部101aに収容された発熱体4は、本体部10に接触することが好ましい。なお、発熱体4と本体部10とは、熱的に接触していればよく、例えば、発熱体4と本体部10との間にサーマルグリスが介在する構成であってもよい。基板収容部101bは、基板5を収容する部分であり、基板収容部101bに収容された基板5は、本体部10に熱的に接触することが好ましい。
【0035】
流体流発生装置2の駆動により複数の流体経路13を通過する流体は、ヒートシンク1と熱交換を行い、被冷却体から熱を奪う。これにより、被冷却体が冷却される。ヒートシンク1との熱交換で温められた流体は、流体経路13の出口132を通って冷却装置100の外部に排出される。本実施形態では、流体流発生装置2と共に用いられるヒートシンク1の広い範囲を流体にて冷却することができるために、被冷却体を効率良く冷却することができる。また、本実施形態では、広い範囲を冷却することができるヒートシンク1の下面側に被冷却体を収容する被冷却体収容部101が設けられており、被冷却体の配置に関する制約を低減することができる。
【0036】
<2.ヒートシンクの詳細>
(2-1.流体経路の概要)
図5は、本発明の実施形態に係るヒートシンク1の平面図である。
図5は、ヒートシンク1を上から見た図である。
図5中の破線矢印は流体の流れを示す。本実施形態では、流体の流れは、空気の流れであり、風である。
図5においても、
図2と同様に、複数の流路12から得られる複数の流体経路13のうちの一部が太い破線で模式的に示される。
図5中の白抜きの矢印RDは、流体流発生装置2の回転方向を示す。
【0037】
図5においては、中心軸Cと上面10aとの交点CPで互いに交差するとともに上面10aの広がる方向に延びるX軸およびY軸で区画される4つの領域R1、R2、R3、R4を、流体流発生装置2の回転方向RDと逆方向となる順に第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4とする。上面10aが広がる方向は、上下方向と直交する方向である。回転方向RDは時計回り方向であり、回転方向RDと逆方向は反時計回り方向である。
【0038】
なお、本実施形態では、X軸とY軸とは直交する。ただし、X軸とY軸とは直交しなくてもよい。また、本実施形態では、X軸およびY軸は、本体部10の上面10aを均等に4分割しない。ただし、X軸およびY軸は、本体部10の上面10aを均等に4分割してもよい。
【0039】
図5に示すように、上方からの平面視において、各流体経路13の入口131は、4つの領域R1、R2、R3、R4の少なくともいずれか一つに設けられる。各入口131は、4つの領域R1、R2、R3、R4のいずれか1つの領域のみに設けられてもよいし、複数の領域に跨って設けられてもよい。
【0040】
本実施形態では、第1領域R1から、流体流発生装置2の回転方向RDにしたがった順に、第1入口131a、第2入口131b、第3入口131c、第4入口131d、第5入口131e、第6入口131f、第7入口131g、第8入口131h、第9入口131i、第10入口131j、第11入口131k、および、第12入口131lが設けられる。
【0041】
第1入口131aおよび第2入口131bは、第1領域R1に設けられる。第3入口131c、第4入口131d、第5入口131e、および、第6入口131fは、第4領域R4に設けられる。第7入口131gおよび第8入口131hは、第3領域R3に設けられる。第9入口131iは、第3領域R3および第2領域R2に跨って設けられる。第10入口131j、第11入口131k、および、第12入口131lは、第2領域R2に設けられる。
【0042】
図5に示すように、上方からの平面視において、各流体経路13の出口132は、第1領域R1に設けられる。詳細には、複数の流体経路13の全てについて、出口132は第1領域R1に設けられる。すなわち、本実施形態のヒートシンク1においては、各流体経路13の出口132が特定の方向に偏って設けられる。
【0043】
本実施形態では、第1領域R1において、流体流発生装置2の回転方向RDの上流から下流に向かう順に、第1出口132a、第2出口132b、第3出口132c、第4出口132d、第5出口132e、第6出口132f、第7出口132g、第8出口132h、第9出口132i、第10出口132j、および、第11出口132kが設けられる。
【0044】
なお、本実施形態では、1つの入口131に対して1つの流体経路13のみが得られる構成と、1つの入口131に対して複数の流体経路13が得られる構成とが混在する。ただし、このような構成に限らず、例えば、前者の構成と後者の構成とのうちのいずれか一方のみが設けられる構成としてもよい。前者の構成では、入口131と出口132との関係が常に一対一の関係となる。後者の構成では、例えば、複数の流体経路13で出口132が共用される構成が含まれてよい。また、後者の構成には、複数の流体経路13ごとに出口132が異なる構成が含まれてよい。
【0045】
図5により具体例を挙げると、例えば、第3領域R3に設けられる第7入口131gについては、第7入口131gから第3出口132cに至る1つの流体経路13のみが得られる。第4領域R4に設けられる第6入口131fについては、第6入口131fから第1出口132aに至る流体経路13と、第6入口131fから第2出口132bに至る2つの流体経路13との合計3つの流体経路13が得られる。
【0046】
なお、第1入口131a、第2入口131b、第3入口131c、第4入口131d、第5入口131e、第6入口131f、第10入口131j、および、第11入口131kは、複数の流体経路13間で共用される。また、第1出口132a、第2出口132b、第7出口132g、第8出口132h、第10出口132j、および、第11出口132kは、複数の流体経路13間で共用される。
【0047】
また、本実施形態では、フィン11には、Y字状のフィン11a、11bが含まれる。Y字状のフィン11a、11bを上面10aに設けることにより、ヒートシンク1の剛性を向上することができる。また、Y字状のフィン11a、11bで流路12を構成することにより、流体を異なる方向に導きやすくすることができる。本実施形態では、Y字状のフィン11a、11bの数は2つであるが、2つ以外であってもよい。2つのうちの一方のY字状のフィン11aは、第3領域R3と第4領域R4とに跨って存在する。2つのうちの他方のY字状のフィン11bは、第1領域R1と第4領域R4とに跨って存在する。
【0048】
ヒートシンク1では、上方からの平面視において、第4領域R4に入口131を有する流体経路13のうちの少なくとも一部にて、流体の流れる方向が途中で鋭角に変化する。
図5に示すように、本実施形態では、第4領域R4には、第3入口131c、第4入口131d、第5入口131e、および、第6入口131fの4つの入口131が設けられる。これら4つの入口131のうち、第3入口131cを入口131とする流体経路13と、第4入口131dを入口131とする流体経路13とは、流体の流れる方向が途中で鋭角に変化する。
【0049】
途中とは、入口131から出口132に至るまでの間の位置又は領域を指す。別の言い方をすると、第4領域R4に入口131を有する流体経路13のうちの少なくとも一部にて、流体の流れる方向が入口131より下流において鋭角に変化する。本実施形態では、入口131にて流体の流れる方向は鋭角に変化しない。また、流体の流れる方向が鋭角に変化するとは、或る位置又は狭領域を境界として、当該境界より上流の流体の流通方向と、下流の流体の流通方向とのなす角が鋭角となる状態を指す。狭領域は、各流体経路13において、流体経路13の全長の1/5以下の長さを有する狭い領域である。狭領域は、好ましくは、各流体経路13において、流体経路13の全長の1/8以下の長さを有する狭い領域である。
【0050】
ここで、本実施形態との比較例として、流体経路13が延びる方向が、流体流発生装置2の回転方向RDに沿う方向のみである場合を考える。この場合、第4領域R4に入口131を有する流体経路は、第1領域R1に設けられる出口132までの距離が長くなるために流体の流れが悪くなると考えられる。すなわち、当該流体経路を流れる流体は、冷却への寄与度合いが低くなると考えられる。
【0051】
一方、本実施形態の構成によれば、第4領域R4に入口131を有する流体経路13の少なくとも一部が、流体の流れる方向を鋭角に変化させるように形成される。このために、第4領域R4に入口131を有する流体経路13の少なくとも一部について、出口132までの距離を短くして流体の流れを良くすることができる。すなわち、本構成によれば、第4領域R4に入口131を有する流体経路13を流れる流体の、冷却への寄与度合いを高めることができる。また、本構成によれば、従来デッドスペースとなり易い第4領域R4の広い範囲に流体経路13を形成することができ、流体が流れる範囲を広くして冷却効率を向上することができる。また、本構成では、入口131よりも下流にて流体の流れる方向が鋭角に変化する構成であり、経路の入口で流体の流れる方向が急激に変化する構成に比べて、効率良く流体の流れる方向を変更することができる。
【0052】
(2-2.主経路および副経路)
図6は、本発明の実施形態に係るヒートシンク1が有する主経路13Mおよび副経路13Sについて説明するための図である。
図6は、
図5と同様に、ヒートシンク1を上方から見た平面図である。
図6において、太い実線は、流体経路13の種別を大まかに捉えやすいように設けた線であり、必ずしも流体経路13の種別を区別する境界線を意図しない。また、
図6に太い破線で示す主経路13M、副経路13S、および、補助経路13Aは、それぞれ、複数ある経路の例示にすぎない。
【0053】
本体部10の上面10aに形成される複数の流体経路13の少なくとも一部は、主経路13Mと副経路13Sとに区分される。本実施形態では、複数の流体経路13の一部が主経路13Mと副経路13Sとに区分される。詳細には、複数の流体経路13は、主経路13Mと、副経路13Sと、補助経路13Aとに区分される。
【0054】
主経路13Mは、流体が流体流発生装置2の回転方向RDと同じ方向に流れる流体経路13である。流体が回転方向RDと同じ方向に流れるとは、上方からの平面視において、中心軸Cと流体経路13の注目ポイントとを結ぶ仮想線に対して、前記注目ポイントを流れる流体が流体流発生装置2の回転方向RDと同じ方向に傾いて流れる状態を指す。主経路13Mでは、全範囲、或いは、ほぼ全範囲において、流体が流体流発生装置2の回転方向RDと同じ方向に流れる。例えば、出口132付近において流体の排出方向の調整のために流体の流れる向きが変更された場合に、ほぼ全範囲となる場合がある。本実施形態では、主経路13Mでは、全範囲において、流体が流体流発生装置2の回転方向RDと同じ方向に流れる。
【0055】
本実施形態では、第4領域R4、第3領域R3又は第2領域R2に入口131を有し、出口132が第1出口132a、第2出口132b、第3出口132c、第4出口132d、第5出口132e、第6出口132f、および、第7出口132g(
図5参照)のいずれかとなる流体経路13が主経路13Mとなる。
【0056】
好ましい形態として、本実施形態では、主経路13Mには、入口131を第3領域R3に有する流体経路13の少なくとも一部が含まれる。詳細には、第3領域R3に少なくとも一部が存在する第7入口131g、第8入口131hおよび第9入口131iを入口131に有する複数の流体経路13が主経路13Mに含まれる。これによれば、主経路13Mによって、第1領域R1および第2領域R2だけでなく、第3領域R3も含めた広い範囲を冷却することができる。
【0057】
副経路13Sは、流体が流れる方向が流体流発生装置2の回転方向から逆方向に鋭角に切り替わる部分を有する流体経路13である。流体が回転方向RDと逆方向に流れるとは、上方からの平面視において、中心軸Cと流体経路13の注目ポイントとを結ぶ仮想線に対して、前記注目ポイントを流れる流体が流体流発生装置2の回転方向RDと反対方向に傾いて流れる状態を指す。鋭角に切り替わる部分は、入口131より下流に存在する。鋭角に切り替わる部分は、流体経路13の或る位置又は狭領域である。
【0058】
本実施形態では、第4領域R4又は第1領域R1に入口131を有し、出口132が第10出口132j又は第11出口132k(
図5参照)となる流体経路13が副経路13Sとなる。本構成によれば、主経路13Mを利用してヒートシンク1の広い範囲を冷却しつつ、ヒートシンク1の主経路13Mを配置し難い範囲に副経路13Sを配置してヒートシンク1の更に広い範囲を冷却することができる。
【0059】
好ましい形態として、本実施形態では、副経路13Sには、入口131を第4領域R4に有する流体経路13の少なくとも一部に加えて、入口131を第1領域R1に有する流体経路13の少なくとも一部が含まれる。詳細には、第4領域R4に存在する第3入口131cおよび第4入口131d(
図5参照)を入口131に有する複数の流体経路13が副経路13Sに含まれる。また、第1領域R1に存在する第1入口131aおよび第2入口131b(
図5参照)を入口131に有する複数の流体経路13が副経路13Sに含まれる。このような構成では、第1領域R1からも第4領域R4に流体を送り込むことができ、主経路13Mによって対応し難い第4領域R4の冷却を効率良く行うことができる。
【0060】
補助経路13Aは、流体が流れる方向が流体流発生装置2の回転方向RDから逆方向に切り替わる部分を有する流体経路13である。ただし、補助経路13Aでは、流体が流れる方向は鋭角には切り替わらない。すなわち、補助経路13Aは、主経路13Mおよび副経路13Sとは異なる。流体が流れる方向が回転方向RDから逆方向に切り替わる部分は、入口131より下流に存在する。
【0061】
本実施形態では、第2領域R2に入口131を有し、出口132が第8出口132h又は第9出口132i(
図5参照)となる流体経路13が補助経路13Aとなる。なお、補助経路13Aは設けられなくてもよい。ただし、補助経路13Aが設けられることにより、ヒートシンク1の広い範囲を冷却することができる。
【0062】
上述のように、本実施形態においては、第1領域R1と第4領域R4とに跨って存在するY字状のフィン11bを有する。Y字状のフィン11bは、出口132に向けて直線状に延びる部分を第1領域R1に有する。当該Y字状のフィン11bが設けられることにより、副経路13Sを他の種類の経路と区別して形成することができる。本実施形態では、他の種類の経路は、補助経路13Aである。なお、他の種類の経路と完全に区別する必要がない場合には、Y字状のフィン11bに替えてV字状のフィンが配置されてよい。本実施形態のY字状のフィン11bがV字状のフィンに替えられると、副経路13Sの一部と、補助経路13Aの一部とが合流する。
【0063】
また、本実施形態では、第1領域R1と第4領域R4とに跨って存在するY字状のフィン11bは、出口132に向けて直線状に延びる部分が、複数の出口132が並ぶ方向の中央よりも第4領域R4側に寄って配置される。ただし、この配置は変更されてよい。例えば、出口132に向けて直線状に延びる部分が、複数の出口132が並ぶ方向の中央に配置されてよい。この場合には、補助経路13Aを設けない構成にすることができる。
【0064】
(2-3.副経路の詳細)
図7は、本発明の実施形態に係る副経路13Sの詳細について説明するため図である。
図7は、ヒートシンク1を上方から見た場合の一部を拡大して示した図である。複数の副経路13Sの少なくとも一部は、他の副経路13Sと合流する副経路合流部133を有する。本実施形態では、複数の副経路13Sは、いずれも他の副経路13Sと合流する副経路合流部133を有する。
【0065】
各副経路13Sにおいて、副経路合流部133は入口131よりも下流に設けられる。副経路合流部133は、流路12を区画するフィン11を、入口131から出口132に至る前に途切れさせることにより形成できる。副経路合流部133は、上方からの平面視において、出口132に至る前に途切れたフィン11の下流側の端部である。副経路合流部133においては、流体が複数の流体経路13から集まるために、流量が増加する。このために、流体の流れを鋭角に切り替える部分を有する副経路13Sにおいて、流体の流れが停滞することを抑制することができる。
【0066】
図7に示すように、本実施形態では、各副経路合流部133を通過した流体が集まる合流領域30が存在する。合流領域30の上流には、回転方向RDに従う順に、第1合流前流路12a、第2合流前流路12b、第3合流前流路12c、および、第4合流前流路12dが存在する。合流領域30の下流には、回転方向RDに従う順に第1合流後流路12eおよび第2合流後流路12fが存在する。すなわち、合流前に比べて合流後は、流路12の数が減少する。これにより、流量が不足して流体の流れが停滞することを抑制できる。
【0067】
また、第1合流前流路12aと第2合流前流路12bとは、第3合流前流路12cおよび第4合流前流路12dと合流する前に合流する。すなわち、第1合流前流路12aを流れる流体は、第2合流前流路12bを流れる流体と合流した後に、第3合流前流路12cおよび第4合流前流路12dを流れる流体と合流する。また、第2合流前流路12bを流れる流体は、第1合流前流路12aを流れる流体と合流した後に、第3合流前流路12cおよび第4合流前流路12dを流れる流体と合流する。
【0068】
ただし、これに限らず、例えば、第1合流前流路12a、第2合流前流路12b、第3合流前流路12c、および、第4合流前流路12dを流れる流体が同時に合流する構成としてもよい。本実施形態では、第1合流前流路12aに、上流から下流に向けて流路の上下方向の高さが高くなる段差が存在する。段差は、例えば、本体部10の下面10c側に配置される部品が原因となって生じる。この段差のために、第1合流前流路12aでは流体の流れが低下する可能性がある。本実施形態では、第1合流前流路12aと第2合流前流路12bとが早い段階で合流する構成であるために、前述した流体の流れの低下を抑制することができる。
【0069】
(2-4.主経路の詳細)
図8は、本発明の実施形態の主経路13Mにおける分岐部134a~134dおよび合流部135a~135cについて説明するための図である。
図8は、ヒートシンク1を上から見た図である。
図8において、太い破線は主経路13Mを示す。
【0070】
図8に示すように、主経路13Mには、第1主経路13M1、第2主経路13M2、第3主経路13M3、第4主経路13M4、第5主経路13M5、第6主経路13M6、第7主経路13M7、第8主経路13M8、第9主経路13M9、第10主経路13M10、および、第11主経路13M11が含まれる。
【0071】
第1主経路13M1は、第5入口131eから第1出口132aへ至る流体経路である。第2主経路13M2は、第5入口131eから第2出口132bへ至る流体経路である。第3主経路13M3は、第6入口131fから第1出口132aへ至る流体経路である。第4主経路13M4は、第6入口131fから第2出口132bへ至る2つの流体経路の一方である。第5主経路13M5は、第6入口131fから第2出口132bへ至る2つの流体経路の他方である。上方からの平面視において、第4主経路13M4は、第5主経路13M5よりも交点CPから見て外方に位置する。なお、入口131および出口132の詳細については
図5に示す。
【0072】
第6主経路13M6は、第7入口131gから第3出口132cへ至る流体経路である。第7主経路13M7は、第8入口131hから第4出口132dへ至る流体経路である。第8主経路13M8は、第9入口131iから第5出口132eへ至る流体経路である。第9主経路13M9は、第10入口131jから第6出口132fへ至る流体経路である。第10主経路13M10は、第10入口131jから第7出口132gへ至る流体経路である。第11主経路13M11は、第11入口131kから第7出口132gへ至る流体経路である。なお、入口131および出口132の詳細については
図5に示す。
【0073】
複数の主経路13Mの少なくとも一部は、分岐部と合流部とのうちの少なくとも一方を有する。分岐部では、流体経路13が少なくとも二つに分かれる。合流部では、少なくとも二つの流体経路13が合流する。分岐部および合流部は、上方からの平面視において、流路12を構成するフィン11の端部に生じる。
【0074】
図8に示すように、本実施形態では、複数の主経路13Mの一部が、分岐部134a~134dと合流部135a~135cとのうちの少なくとも一方を有する。
図9~
図11により、分岐部134a~134dおよび合流部135a~135cの詳細について説明する。
【0075】
図9は、
図8に示す第3主経路13M3および第4主経路13M4に注目した図である。
図9に示すように、第3主経路13M3は、2つの分岐部134a、134bと、1つの合流部135aとを有する。第4主経路13M4は、2つの分岐部134a、134bと、2つの合流部135a、135bとを有する。
【0076】
第3主経路13M3および第4主経路13M4は、第6入口131fより下流にて第5主経路13M5と分岐する分岐部134aを有する。換言すると、複数の流体経路13のうちの少なくとも一部は、入口131より下流にて第1流体経路13aと分岐する第1分岐部1341を有する。
図9に示す例では、第5主経路13M5が第1流体経路13aであり、第1流体経路13aの数は1つである。ただし、第1流体経路13aの数は複数であってもよい。また、
図9に示す例では、分岐部134aが第1分岐部1341である。
【0077】
第3主経路13M3および第4主経路13M4は、第5入口131eを入口131とする第1主経路13M1および第2主経路13M2と分岐部134aより下流で合流する合流部135aを有する。換言すると、複数の流体経路13のうちの少なくとも一部は、入口131が異なる第2流体経路13bと第1分岐部1341より下流で合流する第1合流部1351を有する。
図9に示す例では、第1主経路13M1および第2主経路13M2が第2流体経路13bであり、第2流体経路13bの数は2つである。ただし、第2流体経路13bの数は、単数又は3つ以上であってもよい。また、
図9に示す例では、合流部135aが第1合流部1351である。
【0078】
本実施形態によれば、第1分岐部1341によりフィン11で区画される流路12の数を増加させて冷却効率を高められる。本実施形態によれば、冷却効率を高めつつ、第1分岐部1341より下流に設けられる第1合流部1351にて先の流体経路13の分岐の影響で流体の流れが停滞することを抑制することができる。
【0079】
また、第3主経路13M3および第4主経路13M4は、合流部135aよりも下流に流体経路13を分岐する分岐部134bを更に有する。換言すると、複数の流体経路13のうちの一部は、第1合流部1351よりも下流に流体経路13を分岐する第2分岐部1342を有する。
図9に示す例では、分岐部134bが第2分岐部1342である。第2分岐部1342により流体経路13が分岐される。詳細には、第3主経路13M3と第4主経路13M4とが分かれる。本実施形態では、第2分岐部1342の数は1つであるが、第2分岐部1342の数は複数であってもよい。
【0080】
本構成によれば、流体経路13を分岐する第2分岐部1342を設けることにより、流体を流す範囲を広げることができる。これにより、ヒートシンク1における冷却領域を広げることができる。ただし、第2分岐部1342は設けられなくてもよい。この場合には、例えば、第1主経路13M1および第3主経路13M3が設けられない構成とされてよい。
【0081】
また、第3主経路13M3は、合流部135aに加えて、分岐部134aで分かれた第5主経路13M5と合流する合流部135bを更に有する。上述のように、
図9に示す例では、分岐部134aは第1分岐部1341であり、合流部135aは第1合流部1351であり、第5主経路13M5は第1流体経路13aである。すなわち、複数の流体経路13のうちの一部は、第1合流部1351に加えて、第1分岐部1341で分かれた第1流体経路13aと合流する第2合流部1352を更に有する。
図9に示す例では、合流部135bが第2合流部1352である。本構成によれば、第1合流部1351とは異なる第2合流部1352によっても、流体の流れが停滞することを抑制することができる。
【0082】
図10は、
図8に示す第1主経路13M1および第2主経路13M2に注目した図である。
図10に示すように、第1主経路13M1は、1つの分岐部134bと、1の合流部135aとを有する。第2主経路13M2は、1つの分岐部134bと、2つの合流部135a、135bとを有する。
【0083】
詳細には、第1主経路13M1および第2主経路13M2は、第3主経路13M3および第4主経路13M4と合流部135aで合流する。第1主経路13M1および第2主経路13M2は、分岐部134bで分かれる。第2主経路13M2は、合流部135bで第5主経路13M5と合流する。
【0084】
ここで、第2主経路13M2に注目する。第2主経路13M2は、第5入口131eより下流にて第1主経路13M1と分岐する分岐部134bを有する。すなわち、分岐部134bは、上述の第1分岐部1341とみなせる。分岐部134bは、第1分岐部1341および第2分岐部1342としての機能を有する。なお、
図10に示す例では、第1主経路13M1は上述の第1流体経路13aである。
【0085】
また、第2主経路13M2は、第6入口131fを入口131とする第5主経路13M5と第1分岐部1341として機能する分岐部134bより下流で合流する合流部135bを有する。すなわち、合流部135bは、第1合流部1351とみなせる。合流部135bは、第1合流部1351および第2合流部1352としての機能を有する。なお、この場合には、第5主経路13M5は上述の第2流体経路13bである。
【0086】
本実施形態においては、主経路13Mの少なくとも一部が、第1分岐部1341および第1合流部1351を有する。これによると、流体経路13が長くなり易い主経路13Mのための入口131が例えばスペース上の都合等により沢山設けられない場合であっても、第1分岐部1341および第1合流部1351を設けることにより、流体の流れの停滞を抑制しつつ主経路13Mが設けられる範囲を広げることができる。この結果、ヒートシンク1の冷却効率を向上することができる。
【0087】
なお、第1分岐部1341および第1合流部1351は、副経路13Sおよび補助経路13Aに設けられてもよい。
【0088】
また、本実施形態では、複数の流体経路13のうち入口131から出口132に至るまでに第3領域R3および第2領域R2を通る長距離経路13LDの少なくとも一部が、第1分岐部1341と第1合流部1351とを有する。詳細には、長距離経路13LDは、少なくとも、第3領域R3、第2領域R2、および、第1領域R1を通る流体経路13である。長距離経路13LDは、第4領域R4、第3領域R3、第2領域R2、および、第1領域R1を通る流体経路13であってもよい。
【0089】
本実施形態においては、第2主経路13M2、第3主経路13M3、および、第4主経路13M4が、第1分岐部1341および第1合流部1351を有する。第2主経路13M2、第3主経路13M3、および、第4主経路13M4は、第4領域R4、第3領域R3、第2領域R2、および、第1領域R1を通る長距離経路13LDである。
【0090】
流体流発生装置2の回転方向RDに沿って流れる流体については、長距離経路13LDにおいて、入口131から出口132までの距離が長くなるために、流体の流れが停滞しやすい。このために、これまでの常識では、長距離経路13LDにおいては、流体経路13の途中にフィン11を配置して分岐部を構成することが容易ではなかった。しかし、本実施形態では、第1分岐部1341を設けたことによって生じる可能性がある流体の流れの停滞を補う第1合流部1351が設けられている。このために、長距離経路13LDにおいても、途中に分岐部を構成するフィン11を配置することができ、冷却効率を向上することができる。
【0091】
なお、第2領域R2と第1領域R1のみ、或いは、第1領域R1のみを通る短距離経路13SDにおいても、第1分岐部1341および第1合流部1351が設けられてもよい。
図11は、
図8に示す第10主経路13M10に注目した図である。
図11に示すように、本実施形態では、短距離経路13SDである第10主経路13M10が第1分岐部1341および第1合流部1351を有する。詳細には、分岐部134cが第1分岐部1341である。第9主経路13M9が第1流体経路13aである。合流部135cが第1合流部1351である。第11入口134k(
図5参照)を入口とする流体経路13の一つが第2流体経路13bである。なお、分岐部134dは、第1合流部1351の下流に設けられる第2分岐部1342である。
【0092】
また、本実施形態では、複数の流体経路13の間で共用される入口131および出口132については、それぞれ数を1つとして数えるとした場合に、長距離経路13LDにおいて、出口132の数は、入口131の数と同じである。詳細には、長距離経路13LDの入口131には、第5入口131e、第6入口131f、第7入口131g、第8入口131h、および、第9入口131i(
図5参照)が含まれ、長距離経路13LDの入口131の数は5つである。長距離経路13LDの出口132には、第1出口132a、第2出口132b、第3出口132c、第4出口132d、および、第5出口132e(
図5参照)が含まれ、長距離経路13LDの出口132の数も5つである。本構成によれば、長距離経路13LDにおいて、必要以上に経路を分岐させることを防止して、流体の流れが停滞することを抑制することができる。
【0093】
また、本実施形態では、長距離経路13LDの少なくとも一部は、第4領域R4に入口131を有する。詳細には、長距離経路13LDの一部である第1主経路13M1、第2主経路13M2、第3主経路13M3、第4主経路13M4、および、第5主経路13M5が、第4領域R4に入口131を有する。これによれば、第4領域R4を流体の通り道として積極的に使用することができ、冷却効率を向上することができる。
【0094】
<3.変形例>
(3-1.第1変形例)
図12は、第1変形例のヒートシンク1αの平面図である。
図12は、ヒートシンク1αを上方から見た図である。第1変形例のヒートシンク1αも、上述の実施形態と同様に、本体部10αの上面10aαに複数の流路12αを区画するフィン11αを有する。複数の流路12αにより、複数の流体経路13αが得られる。複数の流体経路13αは、主経路13Mαと、副経路13Sαと、補助経路13Aαとに区分される。主経路13Mα、副経路13Sα、および、補助経路13Aαは、それぞれ、複数設けられる。なお、
図12には、複数の流体経路の一部のみが太線で示される。
【0095】
第1変形例においても、主経路13Mαでは、流体が流体流発生装置2の回転方向RDと同じ方向に流れる。副経路13Sαは、流体が流れる方向が流体流発生装置2の回転方向RDから逆方向へと切り替わる部分を有する。第1変形例のヒートシンク1αにおいては、Y字状のフィン11bαの数は1つであり、この点、上述の実施形態と異なる。第1領域R1と第4領域R4とに跨って配置されるY字状のフィン11bαは、副経路13Sαと補助経路13Aαとを区分する。
【0096】
図13は、第1変形例のヒートシンク1αにおける主経路13Mαの詳細について説明する図である。
図13に示すように、主経路13Mαの一部が、第1流体経路13aαとの分岐点を構成する第1分岐部1341αと、第1分岐部1341αより下流に設けられて第2流体経路13bαとの合流点を構成する第1合流部1351αを有する。
【0097】
なお、第1変形例では、第4領域R4、第3領域R3、第2領域R2、および、第1領域R1を通る長距離経路13LDαの一部のみが、第1分岐部1341αおよび第1合流部1351αを有する。また、第1変形例においては、第1合流部1351αよりも下流に第2分岐部を有する主経路13Mαは存在しない。また、第1変形例においては、第1分岐部1341αで分かれた第1流体経路13aαと合流する第2合流部を有する主経路13Mαは存在しない。
【0098】
複数の流体経路13αの間で共用される入口131αおよび出口132αについては、それぞれ数を1つとして数えることとする。この場合、第1変形例においては、長距離経路13LDαにおいて、出口132αの数と入口131αの数とはいずれも6つで、同じである。なお、長距離経路13LDαには、4つの領域R1~R4の全てを通る流体経路13αと、第3領域R3、第2領域R2および第1領域R1を通る流体経路13αとが該当する。
【0099】
図13に示す第1変形例において、長距離経路13LDαは、第2領域R2および第3領域R3に亘って延びる長距離流路121αを用いて構成される。長距離流路121αの上流側の端部は、第3領域R3と第4領域R4との境界上に位置してもよいし、第4領域R4に位置してもよいし、第3領域R3に位置してもよい。長距離流路121αの下流側の端部は、第1領域R1に位置する。
【0100】
上方からの平面視において、長距離流路121αは、交点CPから離れる方向に向かって複数並ぶ。複数の長距離流路121αのうち、第2領域R2において交点CPから最も離れた場所に位置する最外長距離流路121aαは、第2領域R2および第3領域R3の少なくとも一方に他の流路12αと合流する合流部135aαを有する。本変形例では、詳細には、最外長距離流路121aは、第3領域R3に合流部135aαを有する。合流部135aαが設けられることにより、流体の流れが滞ることを抑制することができる。なお、上述の実施形態においても、同様の合流部135a(
図8参照)が存在する。
【0101】
(3-2.第2変形例)
図14は、第2変形例のヒートシンク1βの平面図である。
図14は、ヒートシンク1βを上方から見た図である。第2変形例のヒートシンク1βも、上述の実施形態と同様に、本体部10βの上面10aβに複数の流路12βを区画するフィン11βを有する。複数の流路12βにより、複数の流体経路13βが得られる。複数の流体経路13βは、主経路13Mβと、副経路13Sβと、補助経路13Aβとに区分される。主経路13Mβ、副経路13Sβ、および、補助経路13Aβは、それぞれ、複数設けられる。なお、
図14には、複数の流体経路13βの一部のみが太線で示される。
【0102】
第2変形例においても、主経路13Mβでは、流体が流体流発生装置2の回転方向RDと同じ方向に流れる。副経路13Sβは、流体が流れる方向が流体流発生装置2の回転方向RDから逆方向へと切り替わる部分を有する。第2変形例においても、第1変形例と同様に、副経路13Sβと補助経路13Aβとを区分する1つのY字状のフィン11bβが設けられる。
【0103】
図15は、第2変形例のヒートシンク1βにおける主経路13Mβの詳細について説明する図である。
図15に示すように、主経路13Mβの一部が、第1流体経路13aβとの分岐点を構成する第1分岐部1341βと、第1分岐部1341βより下流に設けられて第2流体経路13bβとの合流点を構成する第1合流部1351βを有する。
【0104】
なお、第2変形例では、第4領域R4、第3領域R3、第2領域R2、および、第1領域R1を通る長距離経路13LDβの一部のみが、第1分岐部1341βおよび第1合流部1351βを有する。また、第2変形例において、第1合流部1351βよりも下流に第2分岐部を有する主経路13Mβは存在しない。
【0105】
第2変形例では、第1分岐部1341βおよび第1合流部1351βを有する主経路13Mβが、第1分岐部1341βで分かれた第1流体経路13aβと合流する第2合流部1352βを有する。第2変形例では、流体経路13を分岐する第3分岐部1343を有する主経路13Mβが存在する。第3分岐部1343の前後には、流体が合流するポイントとなる合流部は存在しない。第3分岐部1343を有する主経路13Mβは、第2領域R2および第1領域R1のみを通る短距離経路13SDβである。短距離経路13SDβでは、長距離経路13LDβに比べて流体の滞留が起こり難いために、合流部を設けることなく分岐部を設けやすい。
【0106】
複数の流体経路13βの間で共用される入口131βおよび出口132βについては、それぞれ数を1つとして数えることとする。この場合、第2変形例では、長距離経路13LDβにおいて、出口132βの数が、入口131βの数より少ない。詳細には、出口132βの数は4つで、入口131βの数は5つである。このために、長距離経路13LDβにおいては、必要以上に流体経路13βが分岐することを防止して、流体の流れが停滞することを抑制することができる。
【0107】
なお、
図15に示す第2変形例においても、最外長距離流路121aβは合流部135aβ、135bβを有する。詳細には、最外長距離流路121aβは、第2領域R2および第3領域R3に他の流路と合流する合流部135aβ、135bβを有する。
【0108】
<4.留意事項>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態および変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、例えば、車載用、家電用、事務機器用等に構成される冷却装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0110】
1、1α、1β・・・ヒートシンク
2・・・流体流発生装置
10、10α、10β・・・本体部
11、11α、11β・・・フィン
12、12α、12β・・・流路
13、13α、13β・・・流体経路
13a、13aα、13aβ・・・第1流体経路
13b、13bα、13bβ・・・第2流体経路
13LD、13LDα、13LDβ・・・長距離経路
13M、13Mα、13Mβ・・・主経路
13S、13Sα、13Sβ・・・副経路
100・・・冷却装置
101・・・被冷却体収容部
131、131α、131β・・・入口
132、132α、132β・・・出口
133・・・副経路合流部
1341、1341α、1341β・・・第1分岐部
1342・・・第2分岐部
1351、1351α、1351β・・・第1合流部
1352、1352β・・・第2合流部
C・・・中心軸
CP・・・交点
R1・・・第1領域
R2・・・第2領域
R3・・・第3領域
R4・・・第4領域
RD・・・回転方向