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特許7570177外部デバイスを介した圧力創傷療法ステータス表示
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】外部デバイスを介した圧力創傷療法ステータス表示
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20241011BHJP
【FI】
A61M27/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019529911
(86)(22)【出願日】2017-12-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 EP2017081959
(87)【国際公開番号】W WO2018108724
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-12-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】62/433,179
(32)【優先日】2016-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/464,173
(32)【優先日】2017-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391018787
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー ピーエルシー
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Building 5,Croxley Park,Hatters Lane,Watford,Hertfordshire WD18 8YE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・ヤーベリー・ハートウェル
(72)【発明者】
【氏名】ダミアン・スミス
【合議体】
【審判長】平瀬 知明
【審判官】村上 哲
【審判官】安井 寿儀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/061146(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0006876(US,A1)
【文献】特表2009-506878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰圧創傷療法システム(200)であって、
陰圧を患者の創傷に加えるように構成された陰圧療法装置(220)であって、
前記創傷上に配置されるように構成された創傷被覆材(100)と、
前記創傷被覆材によって支持される陰圧源と、
一つ以上のプロセッサを備えるコントローラであって、
前記陰圧療法装置の一つ以上の動作データを判定し、
前記一つ以上の動作データを送信するよう構成される、コントローラと、
を備え、
前記創傷被覆材が、前記陰圧源を含む電子機器エリアと、吸収材を含む吸収エリアと、を含む、陰圧療法装置と、
一つ以上のプロセッサを含むコントローラを備える無線通信デバイス(210)であって、前記無線通信デバイスの前記コントローラが、前記陰圧療法装置に通信可能に結合されるよう構成され、前記陰圧療法装置の前記コントローラによって送信される前記一つ以上の動作データを受信し、前記受信した一つ以上の動作データを出力するようにさらに構成される無線通信デバイスと、
を備え、
前記無線通信デバイスが、患者が装着するものであり、前記無線通信デバイスのメモリおよび前記コントローラを囲むハウジングと、ディスプレイであって、前記陰圧療法装置からの少なくとも1つのリアルタイムの動作データを当該ディスプレイに出力するように構成されている、ディスプレイ(230)と、を備える、陰圧創傷療法システム。
【請求項2】
前記陰圧療法装置の前記コントローラが、事象の発生、繰り返しの時間間隔の終了、または前記無線通信デバイスから受信する要求のうちの少なくとも一つに応答して、前記一つ以上の動作データを送信するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記一つ以上の動作データが、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、前記創傷の状態を示す創傷データ、前記被覆材の状態を示す被覆材データ、接続データ、活動データ、または患者データのうちの一つ以上を含む、請求項1または2のいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
前記ディスプレイが、ユーザが選択するための動作データオプションのリストを提供するように構成されている、請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記動作データオプションの選択に応答して、前記無線通信デバイスが、前記陰圧療法装置と通信し、それにより、ユーザが選択した前記動作データオプションに対応する出力を前記ディスプレイに生成することを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記無線通信デバイスが、遠隔コンピュータまたはサーバと通信するようにさらに構成されている、請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
別の創傷の上に配置されるよう構成される別の創傷被覆材と前記別の創傷被覆材によって支持される別の陰圧源とを含む別の陰圧療法装置をさらに備え、前記無線通信デバイスの前記コントローラが、前記別の陰圧療法装置に通信可能に結合されるようにさらに構成される、請求項1~6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記無線通信デバイスの前記コントローラが、
前記別の陰圧療法装置の別のコントローラによって送信される、別の一つ以上の動作データを受信し、
前記受信した一つ以上の動作データと、前記受信した別の一つ以上の動作データとを出力するようさらに構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
一つ以上のプロセッサを備えた別のコントローラを含む別の無線通信デバイスをさらに備え、前記別の無線通信デバイスの前記別のコントローラが、前記陰圧療法装置に通信可能に結合されるように構成される、請求項1~8のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月27日に出願された「PRESSURE WOUND THERAPY STATUS INDICATION VIA EXTERNAL DEVICE,」と題した米国仮特許出願第62/464,173号と、2012年12月12日に出願された「PRESSURE WOUND THERAPY STATUS INDICATION VIA EXTERNAL DEVICE」と題した米国仮特許出願62/433,179号とに対する優先権利益を主張し、それぞれが参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載の実施形態は、例えば、陰圧創傷療法と組み合わせた被覆材を使用して創傷を治療する装置、システム、および方法に関する。
【0003】
大気より低い圧力を創傷環境へ、制御して加えることを伴う陰圧創傷療法は、創傷の治癒速度を向上させるのに有益なメカニズムとして広く認識されている。陰圧創傷療法は、真空補助閉鎖、局所陰圧療法、または減圧創傷療法と称されることもあり、組織の浮腫を減少させ、血流を促し、顆粒組織形成を促し、過度の滲出液を除去することによって、創傷を閉鎖および治癒するのを支援し、細菌量を減少させ、さらに創傷の感染リスクを低減させることができる。さらに、陰圧創傷療法は、創傷の外的な障害を減らすのを可能にし、より迅速な治癒を促す。
【発明の概要】
【0004】
一部の実施形態では、陰圧創傷療法システムは、患者の創傷に陰圧を加えるように構成された陰圧療法装置を含む。陰圧療法装置は、創傷上に配置されるように構成された創傷被覆材と、創傷被覆材によって支持される陰圧源と、一つ以上のプロセッサを含むコントローラとを含み得る。コントローラは、陰圧療法装置の一つ以上の動作データを判定し、その一つ以上の動作データを送信するように構成され得る。陰圧創傷療法システムはさらに、無線通信デバイスを含み得る。無線通信デバイスは、一つ以上のプロセッサを有するコントローラを含み得る。無線通信デバイスのコントローラは、陰圧療法装置に通信可能に結合されるように構成されてもよく、陰圧療法装置のコントローラによって送信される一つ以上の動作データを受信し、受信した一つ以上の動作データを出力するようにさらに構成されてもよい。
【0005】
前述の段落のシステムはまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。陰圧療法装置のコントローラは、事象の発生、時間間隔の終了、および無線通信デバイスから受信する要求のうちの少なくとも一つに応答して、一つ以上の動作データを送信するよう構成され得る。一つ以上の動作データは、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、創傷データ、被覆材データ、接続データ、活動データ、または患者データのうちの一つ以上を含み得る。
【0006】
前述の段落のうちのいずれかのシステムはまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。創傷は、患者の目に見える範囲外または手の届く範囲外にあるエリアにあってもよい。エリアは、患者の背中、肩、脚、腰、足、または臀部のうちの少なくとも一つを含むことができる。エリアは、患者の後部の少なくとも一部分を含み得る。
【0007】
前述の段落のうちのいずれかのシステムはまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。システムは、別の陰圧療法装置を含むことができる。別の陰圧療法装置には、別の創傷の上に配置されるように構成された別の創傷被覆材と、別の創傷被覆材によって支持される別の陰圧源を含み得る。無線通信デバイスのコントローラは、別の陰圧療法装置に通信可能に結合されるようにさらに構成され得る。無線通信デバイスのコントローラは、別の陰圧療法装置の別のコントローラによって送信される、別の一つ以上の動作データを受信し、受信した一つ以上の動作データと、受信した別の一つ以上の動作データとを出力するよう、さらに構成され得る。
【0008】
前述の段落のうちのいずれかのシステムはまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。システムは、別の無線通信デバイスを含むことができる。別の無線通信デバイスは、一つ以上のプロセッサを備えたコントローラを含み得る。別の無線通信デバイスは、陰圧療法装置に通信可能に結合されるように構成され得る。無線通信デバイスは、一つ以上の動作データを出力するように構成されたディスプレイをさらに含み得る。無線通信デバイスは、無線通信デバイスのメモリおよびコントローラを囲むハウジングを含むことができ、ハウジングは患者または介護者によって着用されるようサイズ決めされる。無線通信デバイスは、患者または介護者の手首に装着されることができる。例えば、無線通信デバイスは、腕時計、リストバンド等であり得る。
【0009】
一部の実施形態では、陰圧療法装置と通信するための無線通信デバイスは、一つ以上のプロセッサを含むメモリおよびコントローラを含むことができる。コントローラは、陰圧療法装置の一つ以上の動作データの要求を生成するように構成され得る。陰圧療法装置は、患者の創傷の上に配置されるように構成された創傷被覆材と、創傷被覆材によって支持される陰圧源とを含み得る。陰圧装置は、創傷に陰圧療法をもたらすように構成され得る。要求は、事象の発生、受信したユーザ入力、または時間間隔の終了のうちの少なくとも一つに基づき得る。コントローラはさらに、陰圧療法装置に要求を送信し、陰圧療法装置から一つ以上の動作データを受信し、その一つ以上の動作データを出力するように構成され得る。
【0010】
前述の段落のデバイスはまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。一つ以上の動作データは、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、創傷データ、被覆材データ、接続データ、活動データ、または患者データのうちの一つ以上を含み得る。創傷は、患者の目に見える範囲外または手の届く範囲外にあるエリアにあってもよい。エリアは、患者の背中、肩、脚、腰、足、または臀部のうちの少なくとも一つを含むことができる。エリアは、患者の後部の少なくとも一部分を含み得る。デバイスはさらに、一つ以上の動作データを出力するように構成されたディスプレイを含み得る。
【0011】
前述の段落のいずれかの装置はまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。デバイスは、メモリおよびコントローラを囲むハウジングを含み得る。ハウジングは、患者または介護者によって着用されるようサイズ決めされ得る。ハウジングは、手首に装着されるようサイズ決めされ得る。コントローラはさらに、別の創傷の上に配置されるよう構成された別の創傷被覆材と、別の創傷被覆材によって支持された別の陰圧源とを備える別の陰圧療法装置の一つ以上の動作データの別の要求を生成するよう構成され得る。コントローラは、別の要求を送信するよう、さらに構成することができる。コントローラは、別の陰圧療法装置の一つ以上の動作データを受信するよう、さらに構成することができる。コントローラは、陰圧療法装置の一つ以上の動作データと、別の陰圧療法装置の一つ以上の動作データとを出力するよう、さらに構成され得る。
【0012】
一部の実施形態では、非一過性コンピュータ記憶媒体は、複数の陰圧療法装置と無線通信するための命令を含み得る。プロセッサによって実行される命令によって、プロセッサに、陰圧療法装置の一つ以上の動作データの要求を生成することを含む方法を実行させることができる。陰圧療法装置は、患者の創傷の上に配置されるように構成され、さらには、陰圧療法を創傷にもたらすように構成され得る。要求は、事象の発生、受信したユーザ入力、または時間間隔の終了のうちの少なくとも一つに基づき得る。方法はさらに、陰圧療法装置に要求を送信することと、陰圧療法装置から一つ以上の動作データを受信することと、その一つ以上の動作データを出力することとを含み得る。
【0013】
前述の段落の非一過性コンピュータ記憶媒体はまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。一つ以上の動作データを出力することは、一つ以上の動作データを表示することを含み得る。創傷は、患者の目に見える範囲外または手の届く範囲外にあるエリアにあってもよい。エリアは、患者の背中、肩、脚、腰、足、または臀部のうちの少なくとも一つを含むことができる。エリアは、患者の後部の少なくとも一部分を含み得る。一つ以上の動作データは、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、創傷データ、被覆材データ、接続データ、活動データ、または患者データのうちの一つ以上を含み得る。
【0014】
前述のいずれかの段落の非一過性コンピュータ記憶媒体はまた、本明細書の記載の中でも特に、段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。方法はさらに、患者の別の創傷の上に配置されるよう構成され、さらに、別の創傷に陰圧療法をもたらすよう構成された別の陰圧療法装置の、別の一つ以上の動作データに対する別の要求を生成することを含み得る。方法はさらに、別の陰圧療法装置に別の命令を送信することを含み得る。方法は、別の陰圧療法装置から別の一つ以上の動作データを受信することをさらに含み得る。方法は、一つ以上の動作データおよび別の一つ以上の動作データを出力することをさらに含み得る。別の一つ以上の動作データは、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、創傷データ、被覆材データ、接続データ、活動データ、または患者データのうちの一つ以上を含み得る。
【0015】
一部の実施形態では、陰圧創傷療法システムと通信するための無線通信デバイスが、一つ以上のプロセッサを含むメモリおよびコントローラを含むことができる。コントローラは、複数の陰圧装置と無線通信するように構成され得る。複数の陰圧装置は、患者の上に位置付けられるよう構成され、陰圧療法を複数の創傷にもたらすようにさらに構成され得る。複数の陰圧装置はそれぞれ、患者の創傷の上に配置されるように構成され得る創傷被覆材を含み得る。複数の陰圧装置はそれぞれ、創傷被覆材によって支持される陰圧源と、陰圧源を制御するように構成され得るコントローラとをさらに含み得る。コントローラは、少なくとも第一および第二陰圧装置によって陰圧療法がもたらされることに関連する第一および第二動作データをそれぞれ受信し、受信した動作データに基づいて通知を生成するようにさらに構成され得る。通知は、第一および第二陰圧装置およびそれぞれの第一および第二動作データを識別する情報を含み得る。
【0016】
前述の段落のデバイスはまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。第一および第二動作データは、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、創傷データ、被覆材データ、接続データ、活動データ、または患者データのうちの一つ以上を含み得る。
【0017】
一部の実施形態では、陰圧創傷療法システム内で通信する方法は、患者の手首に位置付けられた無線通信デバイスを使用して、陰圧装置と無線通信することを含み得る。陰圧装置は、患者の創傷の上に位置付けられた創傷被覆材と、創傷被覆材によって支持される陰圧源とを含み得る。陰圧療法デバイスは、陰圧療法を創傷にもたらし得る。無線通信は、事象の発生、受信したユーザ入力、または時間間隔の終了のうちの少なくとも一つに基づき得る。本方法は、陰圧装置によって陰圧療法がもたらされることに関連付けられた一つ以上の動作データを出力することをさらに含み得る。
【0018】
前述の段落の方法はまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。無線通信は、無線通信デバイスで、陰圧療法装置からの一つ以上の動作データを受信することを含み得る。無線通信は、無線通信デバイスで、陰圧療法装置の一つ以上の動作データの要求を生成することをさらに含み得る。要求は、事象の発生、受信したユーザ入力、または時間間隔の終了のうちの少なくとも一つに基づき得る。無線通信は、陰圧療法装置に要求を送信することをさらに含み得る。方法は、別の陰圧療法装置の一つ以上の動作データに対する別の要求を生成することをさらに含み得る。別の陰圧療法装置は、患者の別の創傷の上に位置付けられた別の創傷被覆材と、別の創傷被覆材によって支持された別の陰圧源とを含み得る。別の陰圧療法デバイスは、陰圧療法を別の創傷にもたらし得る。方法は、別の要求を送信することと、別の陰圧療法装置の一つ以上の動作データを受信することと、別の陰圧療法装置の一つ以上の動作データを出力することとをさらに含み得る。創傷は、患者の目に見える範囲外または手の届く範囲外にあるエリアにあってもよい。エリアは、患者の背中、肩、脚、腰、足、または臀部のうちの少なくとも一つを含むことができる。エリアは、患者の後部の少なくとも一部分を含み得る。
【0019】
以下に開示されるポンプの実施形態のいずれも、および、陰圧創傷療法の実施形態のいずれも含むがこれらに限定しないものとし、本出願に開示された配置または実施形態のいずれかの特徴、構成要素、または詳細のいずれも、新しい配置および実施形態を形成するよう本明細書に開示された配置または実施形態のいずれかのその他の特徴、構成要素、または詳細のいずれとも相互に組み合わせ可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A図1Aは、一部の実施形態による陰圧療法装置の斜視図を示す。
図1B図1Bは、図1Aの陰圧療法装置の上面図を示す。
図2図2は、一部の実施形態による陰圧創傷療法システムを示す。
図3図3は、一部の例による陰圧療法装置の電気構成要素の略図を示す。
図4図4は、一部の例による無線通信デバイス(WCD)の電気構成要素の略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書に開示される実施形態は、陰圧療法の装置および方法に関し、陰圧療法装置に通信可能に結合されるように構成される無線通信デバイスを含む。
【0022】
本開示の実施形態は、概して、局所陰圧(TNP)療法システムで使用するように適用可能であることが理解されるであろう。手短に言えば、陰圧創傷治療は、組織の浮腫を減少させ、血流および顆粒組織形成を促し、過度の滲出液を除去することによって、「治癒が困難な」創傷の多くの形態を閉鎖および治癒するのを支援し、細菌負荷(および、それゆえ感染リスク)を低減してもよい。加えて、治療によって、創傷の不安を減らすことが可能になり、より早期の治癒に導く。TNP治療システムはまた、流体を除去し、閉鎖の並列された位置で組織を安定化するのに役立つことで、外科的に閉じられた創傷の治癒を支援してもよい。TNP治療のさらなる有益な使用は、過剰な流体を除去することが重要であり、組織の生存度を確保するために移植片が組織に近接していることが求められる、移植片及びフラップにおいて見出すことができる。
【0023】
本明細書に使用する通り、-XmmHg等、減圧または陰圧レベルは、760mmHg(または1atm、29.93inHg、101.325kPa、14.696psi等)に相当し得る、平常の周囲気圧に対する圧力レベルを表す。したがって、陰圧値-XmmHgは、例えば、760mmHgをXmmHg下回る、すなわち言い換えると、絶対圧力(760-X)mmHgという絶対圧力を反映する。さらに、XmmHgよりも「低い」または「小さい」陰圧は、大気圧により近い圧力に相当する(例えば、-40mmHgは-60mmHgよりも低い)。-XmmHgよりも「高い」または「大きい」陰圧は、大気圧からより遠い圧力に相当する(例えば、-80mmHgは-60mmHgよりも高い)。一部の実施形態では、局所的な周囲気圧は基準点として使用され、そのような局所的な気圧は、必ずしも、例えば、760mmHgでなくてもよい。
【0024】
本開示の一部の実施形態に関する陰圧範囲は、約-80mmHg、または約-20mmHgから-200mmHgの間であり得る。これらの圧力は、760mmHgであり得る、平常の大気圧に対して相対的であることに留意されたい。それゆえ、-200mmHgは、実質的には約560mmHgであろう。一部の実施形態では、圧力範囲は、約-40mmHgと-150mmHgとの間であり得る。代替として、最高-75mmHg、最高-80mmHgまたは-80mmHgを超える圧力範囲が使用され得る。また、他の実施形態では、-75mmHgを下回る圧力範囲が使用され得る。代替として、およそ-100mmHgまたはさらに-150mmHgより上の圧力範囲が、陰圧装置により供給され得る。
【0025】
一部の実施形態では、陰圧創傷療法システムは、陰圧源(ポンプ等)と、その他の電気構成要素と、創傷被覆材とを含む様々な構成要素を有し得る。いくつかの陰圧創傷療法システムは、創傷被覆材から遠い位置に配置された陰圧源を含むが、陰圧源およびその他の電子構成要素が創傷被覆材に組み込まれ得る(例えば、システムの可搬性を向上させるため)のが望ましい場合がある。そのような例では、ユーザインターフェース構成要素(ボタン、スイッチ、スピーカ、スクリーン、等)等もまた、創傷被覆材と組み合わされる。しかし、陰圧創傷療法システムのユーザインターフェース構成要素が創傷被覆材に組み込まれる場合、ユーザの創傷、さらには、創傷被覆材の配置がユーザの目に見える範囲外または手の届く範囲外にある場合(例えば、ユーザの背中、後部、肩、脚、腰、足、または臀部)、陰圧創傷療法システムとインターフェース接続するユーザの能力が限定される場合がある。一部の実施形態では、一体型陰圧療法装置の外側にある、無線通信デバイスは、ユーザまたは別の個人(介護者等)が陰圧創傷療法システムと通信することを可能にすることができる。本明細書に記載される特定の実施形態は無線通信デバイス(WCD)を対象とするか、または無線通信デバイス(WCD)を利用するが、記載された実施形態のいずれかの通信デバイスは、有線通信を支持することができる。
【0026】
一部の実施形態は、創傷被覆材と創傷被覆材によって支持される陰圧源とを含む陰圧療法装置と通信するためのシステム、コンピュータ可読媒体、方法、および装置を対象とする。特定の態様によれば、陰圧創傷療法システムは、陰圧を患者の創傷に加えるように構成された陰圧療法装置を含み得る。陰圧療法デバイスは、創傷の上に配置されるよう構成される創傷被覆材と、創傷被覆材によって支持される陰圧源と、コントローラと、を含み得る。コントローラは、陰圧療法装置の動作データを判定し、その動作データを送信するよう構成されるプロセッサを含み得る。陰圧創傷療法システムは、陰圧療法装置に通信可能に結合され、動作データを受信および出力するように構成された無線通信デバイスをさらに含み得る。
【0027】
本明細書全体を通して、創傷に関して言及することが理解されるであろう。創傷という用語は広く解釈され、皮膚が断裂、切開、もしくは穿孔される、または外傷によって挫傷が引き起こされる開放創および閉鎖創、あるいは患者の皮膚における任意の他の表面もしくは他の状態または欠陥、あるいは減圧治療によって利益を得る他のものを包含することを理解されたい。よって、創傷は、流体が生成されることもされないこともある、組織の任意の損傷領域として広く定義される。そのような創傷の例としては、腹部創傷、または手術、外傷、胸骨切開、筋膜切開、あるいは他の状態のいずれかの結果としての他の大規模または切開性の創傷、裂開創傷、急性創傷、慢性創傷、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、ストーマ、術創、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0028】
図1Aおよび1Bは、陰圧源および/またはその他の電子構成要素を創傷被覆材内に組み込んだ創傷被覆材100を示す。示されるように、陰圧療法装置100は、陰圧源(ポンプ等)および/またはその他の電子構成要素を創傷被覆材内に組み込む。装置100は、創傷の上に配置されるように構成される創傷被覆材として図示されている。創傷被覆材は、電子機器エリア161と、吸収エリア160とを含み得る。被覆材は、創傷接触層(図示なし)と、被覆材のその接触層とその他の層の上方に位置決めされた透湿性フィルム、すなわちカバー層113とを含み得る。創傷被覆材層および、電子機器エリアと吸収エリアの構成要素は、図1Aおよび図1Bに示すように、一つの連続したカバー層113によって覆われ得る。
【0029】
エリア161は、被覆材のカバー層113の下方に位置決めされる電子カセットおよび/または電子ユニットを含み得る。陰圧源は、エリア161内に位置付けられ得る。一部の実施形態では、電子ユニットは、陰圧源および電子構成要素を囲むか、または封入する材料によって取り囲まれ得る。電子ユニットは、エリア160の被覆材層と接触し得、カバー層113によって覆われ得る。電子ユニットは、創傷被覆材が創傷の上に配置されると、創傷に最も近い下面、または創傷に対向する面(図示なし)と、創傷から最も遠い、反対の上面とを含む。
【0030】
電子機器エリア161は、陰圧源(ポンプ等)および、電源、センサ、コネクタ、ユーザインターフェース構成要素(ボタン、スイッチ、スピーカ、スクリーン、等)等といった、創傷被覆材と一体化し得るTNPシステムのいくつかまたはその他すべての構成要素を含み得る。例えば、電子機器エリア161は、図1Aおよび図1Bに示すように、ボタンまたはスイッチ111を含み得る。ボタン又はスイッチ111は、ポンプを動作させる(例えば、ポンプをオン/オフする)ために使用され得る。
【0031】
吸収エリア160は、吸収材112を含み得、創傷部位の上に位置決めされ得る。電子機器エリア161は、吸収エリア160から横にずらして配置すること等によって、創傷部位から離れて配置され得る。図1Aおよび図1Bに示すように、電子機器エリア161は、吸収エリア160に隣接し、且つ、その吸収エリア160と流体連通して位置決めされ得る。一部の実施形態では、電子機器エリア161及び吸収エリア160はそれぞれ、長方形状であってよく、互いに隣接して配置され得る。
【0032】
一部の実施形態では、被覆材材料の追加層は、電子機器エリア161、吸収エリア160、またはその両エリア内に含まれ得る。一部の実施形態では、被覆材は、被覆材の接触層の上方、および、創傷カバー層113の下方に位置決めされた、一つ以上のスペーサ層および/または一つ以上の吸収層を備え得る。
【0033】
動作中、創傷被覆材は、例えば、創傷の上に実質的に流体の密封をもたらすよう、創傷の上に配置される。例えば、カバー層は、組み合わせたエリア161および160を超えて延在し得、創傷を取り囲む皮膚に被覆材を密封する接着剤を含み得る。別の例として、被覆材の底部は接着剤を有することができる。陰圧源は創傷に陰圧をもたらし、結果として流体(滲出物等)が創傷から吸引される。取り除かれた流体は、閉じ込められるか、またはあるいは、吸収材に保存されてもよい。キャニスタを用いずに図示されているが、陰圧装置100は、創傷から取り除かれた少なくともいくらかの流体を保存するように構成されるキャニスタと共に動作し得る。
【0034】
陰圧源および/または電子機器は、図1Aおよび1Bに示されるように、被覆材に埋め込まれるような、創傷被覆材によって保持され得る。その他の実施形態では、陰圧源および/または電子機器のうちの一つ以上は、創傷被覆材に部分的に埋め込まれたり、創傷被覆材の上部、底部、または側面上に位置付けられたりされ得る。陰圧装置の追加的実施形態は、添付AおよびBに記載されており、それぞれが参照によりその全体として組み込まれる。
【0035】
一部の実施例では、陰圧装置100は、一つ以上の動作データを判定および/または記録できる。動作データは、患者データおよび陰圧装置100のデータを含む、多くの形態を取ることができる。例えば、動作データには、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、被覆材データ、接続データ、活動データ、患者データ等を含み得る。このような動作データカテゴリーは重複し得ることに留意されたい。
【0036】
電力ステータスデータは、陰圧装置100の動作状態または電力ステータスに関する、任意のデータを含み得る。例えば、電力ステータスデータには、電池ステータス、電力消費量、電力レベル、動作状態(通常、エラー、等)、システム電力ステータス(オン/オフ、スタンバイ、一時停止、等)を反映するデータを含み得る。
【0037】
エラーデータは、陰圧装置100の誤作動、または、陰圧療法装置の動作異常に関する任意のデータを含み得る。例えば、エラーデータには、被覆材の問題、圧力漏れ、圧力不足、圧力過多、ペアリング/接続の問題、コンプライアンス監視等を反映するデータを含み得る。
【0038】
陰圧データは、陰圧源の動作に関する任意のデータを含むことができる。例えば、陰圧データには、圧力レベル、陰圧源の活動データ、吸引の喪失、圧力過多、圧力不足等を反映するデータを含むことができる。
【0039】
被覆材データには、被覆材の容量、被覆材の飽和レベル、配向/モーションデータ、吸引データ等が含まれ得る。接続データには、通信デバイスのペアリングステータス、接続ステータス等の情報を含むことができる。
【0040】
動作データは、療法期間といった、療法送達情報を含む活動データ(ログ等)、アラームタイプや発生時刻を含むアラームログ、内部エラー情報や送信エラー等を含むエラーログ、時間毎、日毎等で演算され得る療法期間情報、特定の療法プログラムを最初に適用してからの療法期間を含む療法合計時間、生涯の療法情報、シリアル番号やソフトウェアバージョン、電池レベル等といったデバイス情報、位置追跡/デバイス位置情報、患者情報、等を含み得る。
【0041】
患者データは、生理学的データまたは患者創傷データに関する任意のデータを含み得る。例えば、患者データは、血圧、心拍数、患者の活動(例えば、患者が寝返った、動いた、等の表示)等の生理学的データを含むことができる。創傷治癒ステータス、治癒時間の推定、治癒パーセント等の創傷データを反映するデータも含むことができる。
【0042】
創傷治癒ステータスデータは、創傷装置デバイスによって様々な方法で判定され得る。例えば、陰圧療法装置は、創傷エリアの血流を監視し、そのような血流データを収集および記録するように構成され得る。創傷部位での血流速度は、創傷の治癒過程の段階を判定するよう使用され得る(例えば、血流速度が遅ければ、治癒の早期段階を示し得る一方、血流速度が早ければ創傷が完治に近いことを示し得る)。血流データは、陰圧療法装置、WCD、または遠隔装置によって処理され、創傷が治癒過程のどの段階であるかを判定するのに使用できる。このように、WCD、陰圧療法装置、または遠隔デバイスは、創傷が治癒していない、部分的に治癒している、完治している、または、創傷の治癒があるパーセント範囲内(40~50%、50~60%、70~80%、80~90%等)であることを伝達するように構成され得る。別の実施例として、陰圧療法装置は、創傷から取り除く流体量を監視し、治癒過程の段階を判定し得る。一部の状況では、流体除去速度の低下は、創傷が治癒の最中であることを示し得る。
【0043】
図2は、一部の実施形態による陰圧療法装置220と通信するよう構成されたWCD210を備える陰圧創傷療法システム200を示す。図2は、ウェアラブルリストバンドとしてサイズが決められたハウジングを有するWCD210を示しているが、WCD210は、ウェアラブルおよび非ウェアラブルデバイスを含む多くの形態を取ることができる。例えば、WCD110は、携帯電話、タブレット、コンピュータ、MP3プレーヤー、ページャ、腕時計、PDA、ネックレス、リング、アームバンド、ベルト、胸部ストラップ、またはユーザまたは別の個人への表示や警告をもたらすよう構成され得る、任意の装置の形態を取ることができる。さらに、WCDは、例えば、スマートフォンのアプリケーションといった、アプリケーションまたはプログラムの形態を取ることができる。
【0044】
陰圧創傷療法システム200は、患者の創傷に陰圧を加えるよう構成された陰圧療法装置220と、陰圧療法装置220に通信可能に結合されるように構成されたWCD210とを含み得る。陰圧療法装置220は、図1Aおよび1Bの陰圧療法装置100と同一であり得る。図示されるように、陰圧療法装置220は、患者の背中に位置付けられ、これにより装置220を操作するが困難となる。その他の状況では、陰圧療法装置220は、アクセスが困難な、身体の別の場所に位置付けられ得る。例えば、創傷(または陰圧療法装置220)は、患者の目に見える範囲外または手の届く範囲外(例えば、患者の後部、背中、肩、脚、腰、足、または臀部の少なくとも一部分上)のエリアにあり得る。陰圧療法装置220を操作する問題を解決するために、陰圧療法装置220およびWCD210は、無線ネットワーク(Wi-Fiインターネットネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク等)、通信ネットワーク(3Gネットワーク、4Gネットワーク等)によって互いに無線通信するよう、またはその他任意の無線通信方法または有線通信方法で互いに通信するよう構成され得る。
【0045】
一部の事例では、陰圧治療装置220は、動作データ(例えば、動作データは、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、被覆材データ、接続データ、活動データ、患者データ、被覆材データ等を含み得る)をWCD210に通信し得る。例えば、陰圧療法装置220は、(a)ある事象の発生時(検出された操作状況および/またはエラー等)、(b)繰り返しの時間間隔(一分に一回、十分に一回、三十分に一回、2時間に一回、4時間に一回、等)および/または、(c)受信した要求に応じて、動作データを送信し得る。動作データを送信するための一つ以上のトリガおよび/またはパラメータは、患者や介護者といったユーザによって構成され得る。ある「事象」とは、例えば、検出されたエラー、電力ステータスの変化、アラームインジケータ、ユーザによって定義された事象等といった、測定された、追跡された、または算出された動作データの偏差であり得る。
【0046】
陰圧治療装置220は、WCD210によって問い合わせを受け得る。例えば、陰圧療法装置220は、動作データを通信することによって、その問い合わせに応答することができる。通信は、セキュア通信プロトコルで行われ得る。一例として、陰圧療法装置220は、正しいパスワードおよび/またはデータプロトコルで、WCD210にのみ内部データを公開することができる。別の例としては、陰圧療法装置220およびWCD210は、データ通信の前に、安全にペアリングされる。図2の図示例は、単一のWCD210を示すが、陰圧創傷療法システム200は、陰圧療法装置220と通信するように構成された複数のWCD210を含み得ることが理解されよう。例えば、第一WCD210は、陰圧療法装置220による受信の要求を送信できる。第一WCDによって要求を受信することに応答して、陰圧療法装置220は、少なくとも第一WCDおよび第二WCDによって受信可能な動作データを送信することができる。こうした実施例においては、第一WCDが患者等の第一ユーザによって使用され得、第二WCDが介護者等の第二ユーザによって使用され得、またはその逆であってもよい。別の例として、介護者が第一WCDを使用して一つ以上のコマンドを送信し、陰圧療法装置220を操作し得、患者が動作データを受信するためだけに第二WCDを使用してもよい。このように、WCDは、介護者モードおよび患者モードを含む、いくつかの様々なモードで動作することができる。
【0047】
例えば、介護者は、患者の陰圧療法装置220が正しく機能しているかどうかを知ることが望ましい。結果として、介護者は、第一WCDを使用して、患者の陰圧療法装置に要求を送信できる。第一WCDからの要求を受信することに応答して、患者の陰圧療法装置は、介護者によって操作される第一WCDと、例えば患者によって操作される第二WCDのうちの一方、または両方に、動作データを送信できる。
【0048】
陰圧療法装置220は、一つ以上のWCDからの要求を同時に受信、および/または、応答することができる。一部の態様では、一つ以上のWCDは、ハンドオーバ通信を使用して、陰圧療法装置220と通信できる。例えば、陰圧療法装置は、複数のWCDのうちの、どのWCDが最も近く、および/または、陰圧療法装置との最も信頼できる通信接続を有するであろうか、を判定できる。同様に、複数のWCDのうちの各WCDが、この判定を行うことができる。例えば、第二WCDがより好適な接続(例えば、近接性や信頼性等を基に)であると判定すると、陰圧療法装置と通信する第一WCDは、第二WCDへ通信をハンドオーバすることができる。
【0049】
図2の図示例は、単一の陰圧療法装置220を示しているが、一部の態様では、陰圧創傷療法システム200は、患者の様々な創傷および/または様々な患者の創傷を治療するように位置付けられ得る、二つ以上の陰圧療法装置を含み得る。例えば、第一WCDと第一陰圧療法装置と、第一WCDと第二陰圧療法装置との間に、通信リンクを確立することができる。
【0050】
例えば、各患者が陰圧療法装置を使用しており、介護者が複数の患者を監視できることが望ましい場合がある。WCD210は、患者の創傷を治療する第一陰圧療法装置と、患者2の創傷を治療する第二陰圧療法装置と通信し得る(例えば、Bluetooth(登録商標)を介してペアリングする、Wi-Fiを介して接続する、等)。これらの実施例では、WCDは、第一および第二陰圧療法装置と個別に、またはグループとして、通信するように構成され得る。WCDのユーザインターフェースを使用して、看護師は、接続された陰圧療法装置の一方または両方からの動作データを要求するよう選択できる。要求に応じて、各陰圧療法装置は、少なくとも要求された動作データをWCDに送信できる。WCDは、送信データを受信し、保存し、および処理することができ、少なくとも受信したデータに基づいて出力を生成することができる。
【0051】
こうした例では、二つ以上の陰圧療法装置が、患者または装置識別子をその応答とともに含むか、あるいは送信データを送信装置の識別と関連付けることが望ましい場合がある。例えば、患者または装置識別子は、WCDによって受信され、患者または装置固有のデータのログを生成するのに使用され得る。他の例では、識別子はWCDによって使用され、どの情報を表示するかを特定し得る。複数のWCDが陰圧装置とデータ通信する場合、WCDの識別情報は、陰圧療法装置に同様に送信され得る。
【0052】
一部の事例では、複数の陰圧療法装置は、複数のWCDと通信できる。
【0053】
WCD210は、陰圧療法装置220に一つ以上のコマンドまたは命令を送信するように構成され得る。これらの命令は、WCD210のユーザによって作成され得るか、または、WCD210によって自動的に作成され得る。WCD210によって送られた命令は、動作設定(それによって動作データを制御する)またはその他任意の陰圧装置設定を変更できる。例えば、WCD210は、一時停止する、電源を入れる、電源を切る、圧力を増加させる、圧力を減少させる、等の命令を陰圧療法装置220に与え得る。別の例として、WCD210は、陰圧源を作動させて創傷に陰圧を加えるコマンド、陰圧レベルを変更するコマンド、および陰圧源を作動停止するコマンド等を送信することができる。
【0054】
WCD210は、陰圧療法装置220と共に動作するように予めプログラムすることができる。例えば、WCD210は、特定の陰圧装置とのみ通信するよう予めプログラムされてもよい。別の例として、WCD210は、陰圧装置220と通信するように予めプログラムされてもよいが、それに限らず、WCD210は他の接続を受け入れることができる。一部の実施例では、WCD210は、特定の陰圧装置と通信するようには予めプログラムされていないが、陰圧装置と通信するように構成され得る。同様に、陰圧装置220は、WCDと通信するようプログラムされるか、または、プログラムされていなくてもよいが、WCD210と通信するように構成され得る。
【0055】
示されていないが、一部の実施例では、陰圧療法装置220および/またはWCD210は、例えば、クラウドを介して遠隔コンピュータまたはサーバと通信できる。リモートコンピュータまたはサーバは、リモートコンピュータにアクセスするためのデータ記憶プロセッサおよびウェブインターフェースを含み得る。一部の例では、リモートコンピュータまたはサーバは、通信デバイス210として機能することができる。
【0056】
WCD210は、インジケータ、信号および/またはアラームを提供して、データをユーザに通信できる。例えば、WCD210は、一つ以上のスピーカ、ディスプレイ、光源、触覚装置等、および/またはそれらの組み合わせを含み得る。インジケータは、任意の視覚的、聴覚的、触覚的表示を含み得る。例えば、ユーザの目が不自由な場合、WCD210は可聴アラームおよび/または振動を提供するように構成され得る。ユーザの耳が不自由な場合、WCD210は視覚的なアラームおよび/または振動を提供するように構成され得る。一部の実施例では、ユーザは、自身の好みに基づいて表示のタイプを変更することができる。
【0057】
WCDは、例えば図2に示すようなディスプレイ230といった、ディスプレイを備え得る。ディスプレイ230は、タッチスクリーンディスプレイ、またはLCDスクリーンといった他のスクリーンであってもよい。一部の実施例では、ディスプレイは、見るための一つ以上の動作データを選択するオプションをユーザに提供し得る。例えば、ディスプレイは、ユーザが選択するための動作データオプションのリストを提供し得る。動作データオプションのユーザ選択に応答して、WCDは、陰圧療法装置と通信し、ユーザが選択した動作データオプションに対応する出力をディスプレイ上に生成することができる。他の例では、WCDは、少なくとも一つのリアルタイムの動作データを陰圧療法装置からディスプレイへ提供することができる。
【0058】
ディスプレイ230は、一つ以上のインジケータを含み得る。例えば、一つ以上のインジケータのアクティブ(例えば、点灯)インジケータは、陰圧療法装置の一つ以上の動作データを表すことができる。例えば、一つ以上のインジケータの被覆材インジケータは、陰圧療法装置の漏れの有無について表示を提供でき、アクティブ被覆材インジケータは漏れを表すことができる。別の例として、一つ以上のインジケータの被覆材容量インジケータは、創傷被覆材またはキャニスタの流体残容量についての表示を提供でき、アクティブ被覆材容量インジケータは、創傷被覆材またはキャニスタが容量に到達しているか、または近いことを表すことができる。さらに別の例として、一つ以上のインジケータの電池インジケータは、電池等の電源の残量または寿命に関する表示を提供することができ、またアクティブ電池インジケータは低容量を表すことができる。一部の実施形態では、一つ以上のインジケータは、陰圧療法装置の上記事象、または、陰圧療法装置のその他の動作状態または故障状態の、一つ以上の組み合わせを表すことができる。
【0059】
WCD210は、電池電源や、ユーザの身体の熱を電気に変換すること、無線電源伝送、等を含むがこれらに限らない、数多くの方法で電力供給され得る。電池は、例えば、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池等を含む、WCDで使用するための任意の好適な電池であってよく、再充電可能であり得る。電池は、誘導充電を含むがこれに限らない、任意の好適な方法で充電され得る。
【0060】
一部の事例では、WCD210は、ユーザの身体の熱を集め、WCD210の一部またはすべてに電力供給するのに十分な電力に変換することができる。一部の実施例では、WCD210は、身体の熱を電力に変換するヒートシンクを含む。しかしながら、一部の場合では、ヒートシンクによってWCD210が重く、堅く、および/または大きくなり得る。したがって、その他の実施例では、WCD210は、熱電発電機(TEG)を使用して、ユーザの身体と外気との間の温度差を利用することによって電気を生成できる。一部の実施形態では、陰圧療法装置は、本明細書に記載の一つ以上の技術を使用して電力供給することができる。
【0061】
図3は、一部の例による陰圧療法装置220の電気構成要素概略図300を示す。電気構成要素は、ユーザ入力を受け入れ、ユーザに出力を提供し、陰圧療法装置のポンプアセンブリを作動させ、ネットワーク接続を提供する、等のために動作することができる。電気構成要素は、一つ以上のPCB上に取り付けることができる。図示されるように、陰圧療法装置220は複数のプロセッサを含み得る。様々なタスクを様々なプロセッサに配分する、または、割り当てるために、複数のプロセッサを利用することが有利であり得る。
【0062】
陰圧療法装置220は、ユーザ入力を受け入れ、ユーザに出力を提供するための、ディスプレイやボタンといった一つ以上の構成要素を動作させるよう構成されたユーザインターフェースプロセッサまたはコントローラ310を備え得る。陰圧療法装置220への入力および陰圧療法装置220からの出力は、入力/出力(I/O)プロセッサ390によって制御され得る。例えば、I/Oプロセッサ390は、シリアル、パラレル、ハイブリッドポート等の一つ以上のポートからデータを受信し得る。コントローラ310はまた、一つ以上のUSBポート、SDポート、コンパクトディスク(CD)ドライブ、DVDドライブ、FireWireポート、Thunderboltポート、PCI Expressポート等といった一つ以上の拡張モジュール360からデータを受信し、且つ、その一つ以上の拡張モジュール360にデータを提供し得る。
【0063】
コントローラ310は、他のコントローラまたはプロセッサ380と共に、コントローラ310の内部または外部であり得る、一つ以上のメモリ350にデータを格納できる。RAM、ROM、磁気メモリ、固体メモリ、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)等の揮発性および/または不揮発性メモリを含む任意の適切なタイプのメモリを使用し得る。
【0064】
コントローラ310は、低電力プロセッサ等の汎用コントローラであってもよい。その他の例では、コントローラ310は、アプリケーション特有のプロセッサであってもよい。さらに、他の例では、コントローラ310は、陰圧療法装置220の電子アーキテクチャ内で「中央」プロセッサとして構成され得、コントローラ310は、ポンプ制御プロセッサ370、通信プロセッサ330、および一つ以上の追加プロセッサ380といった、他のプロセッサの活動に連携し得る。コントローラ310は、Linux(登録商標)、Windows CE、VxWorksといった好適なオペレーティングシステムを実行し得る。
【0065】
ポンプ制御プロセッサ370は、陰圧療法装置の陰圧源の動作を制御するように構成され得る。ポンプ制御プロセッサは、圧力設定され得るか、またはユーザによって選択され得る陰圧のレベルを制御できる。陰圧源は、膜ポンプ、蠕動ポンプ、回転ポンプ、回転ベーンポンプ、スクロールポンプ、ねじポンプ、液封式ポンプ、圧電気変換器によって操作される膜ポンプ、ボイスコイルポンプ、等の好適なポンプであり得る。
【0066】
一部の事例では、コントローラ310以外の、図3に関連して本明細書に記載されるプロセッサのうちの一つ以上は、使用されず、コントローラ310が、このような省略された一つ以上のプロセッサの一つ以上のタスクを実行する。一部の実施形態では、コントローラ310は、陰圧療法装置220の唯一のプロセッサであり、コントローラ310は、本明細書に記載の他のプロセッサの一つ以上のタスクを実行する。
【0067】
陰圧治療装置220は、少なくとも一つのWCD210と通信するように構成され得る。例えば、陰圧療法装置220は、WCD210と無線通信するように構成された通信プロセッサ320を含み得る。無線通信プロセッサ320は、無線ネットワーク(Wi-Fiインターネットネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク等)、通信ネットワーク(3Gネットワーク、4Gネットワーク等)、またはその他任意の好適な無線接続を介して、無線通信を提供するように構成され得る。
【0068】
通信プロセッサ320は、WCDから一つ以上の要求信号を受信するように構成されたトランシーバまたはレシーバであってもよい。例えば、陰圧療法装置220は、WCD210によって問い合わせを受け得る。この態様では、陰圧療法装置220は、動作データを反映する応答を送ることによって、その問い合わせに応答する。一部の実施例では、通信プロセッサ320は、一つ以上の動作データに少なくとも部分的に基づいて、一つ以上の信号を送信するように構成された、トランシーバまたは一方向のトランスミッタであってもよい。
【0069】
通信プロセッサ320は、例えば、少なくとも一つのWCD210とハンドシェイクして、陰圧療法装置からWCD210にデータを通信するトランシーバであってもよい。したがって、陰圧療法装置220は、少なくとも一つのWCD210からのデータ要求に応答し得る。さらに別の態様では、陰圧療法装置220は、WCD210が陰圧療法装置220をトランスポンダ周波数で放射するのに応答して、事象または動作データを、少なくとも一つのWCD210に反映またはリダイレクトし得る。
【0070】
通信プロセッサ320は、トランシーバを含み得る。陰圧療法装置220は、WCD210からの信号を問い合わせるために注意を向けるよう構成されてもよく、次いで、陰圧療法装置220からWCD210へ事象または動作データをリレーすることができる。あるいは、陰圧療法装置220は、設定した時間間隔で、または、陰圧療法装置220が内部保存の限界近くまでデータを蓄積する場合に、事象または動作データをリレーできる。
【0071】
陰圧療法装置220は、内部メモリ350を含むことができ、また、メモリ350に一つ以上の事象または動作データを格納できる。メモリ250がほぼ飽和状態の場合、陰圧療法装置220は、保存されたデータをWCD210に無線で送信できる。一部の実施形態では、トリガする状態の要求および/または発生を受信することに応答して、保存されたデータはWCD210に送信される。一部の実装では、陰圧療法装置220は、定期的に保存されたデータを送信できる。本開示の範囲を逸脱することなく、他の送信プロトコルを使用することができる。
【0072】
通信プロセッサ320は、セキュア通信ポートとすることができる。一例として、陰圧療法装置220は、正しいパスワードおよび/またはデータプロトコルで、WCD210にのみ内部データを公開できる。別の実施例では、通信プロセッサ320は、赤外線通信ポートであってもよい。一態様では、このようなポートは、セキュア通信プロトコルで、少なくとも一つのWCDと通信するように構成され得る。
【0073】
一部の事例では、陰圧療法装置220は、ユーザインターフェース(すなわち、ディスプレイ、ボタン、等)を含まない。これらの実例では、通信プロセッサ320は、少なくとも一つのWCD210からの命令、ユーザ入力、またはその他のデータを受信するよう構成されたレシーバまたはトランシーバであってよい。一部の実例では、陰圧療法装置220は、ユーザ入力構成要素(オン/オフボタン、Bluetooth(登録商標)ペアリング、等)の制限されたセットを含み得る。
【0074】
図4は、一部の例によるWCD210の電気構成要素の概略図400を示す。示すように、WCD210は、ユーザ入力(タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、ボタン、ボイスコマンド、等)を受け入れ、動作データ要求または動作命令(ポンプ制御、陰圧選択、等)を送信し、動作データを表わす一つ以上の信号を受信し、出力をユーザに提供し(ディスプレイ、表示、信号、および/またはアラーム等を介して)、ネットワーク接続を提供するといったように構成される、一つ以上の構成要素を動作させるよう構成されたユーザインターフェースプロセッサまたはコントローラ411を備え得る。
【0075】
WCD210への入力およびWCD210への出力は、入力/出力(I/O)プロセッサ461によって制御され得る。例えば、I/Oプロセッサは、シリアル、パラレル、ハイブリッドポート等の、一つ以上のポートからデータを受信し得る。コントローラ411は、他のコントローラまたはプロセッサと共に、コントローラ411の内部または外部であり得る、一つ以上のメモリ451にデータを格納できる。RAM、ROM、磁気メモリ、固体メモリ、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)等の揮発性および/または不揮発性メモリを含む任意の適切なタイプのメモリを使用し得る。
【0076】
通信プロセッサ431は、有線および/または無線接続を提供するように構成され得る。通信プロセッサ431は、送受信するために一つ以上のアンテナ441を利用し得る。一部の実施形態では、通信プロセッサ431は、以下のタイプの接続のうちの一つ以上を提供することができる。全地球無線測位システム(GPS)技術、セルラー接続(2G、3G、LTE、4G、等)、Wi-fi接続、インターネット接続、Bluetooth(登録商標)接続、等。
【0077】
通信プロセッサ421は、陰圧療法装置220からの信号(例えば、動作データを表わす信号)を受信するよう構成された一方向のレシーバであってもよい。上述のように、動作データは、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、被覆材データ、接続データ、活動ログ、患者データ、等に関する情報を含み得る。
【0078】
通信プロセッサ421は、陰圧療法装置220へ要求を送信し、且つ、陰圧療法装置220から応答を受信するよう構成されたトランシーバであってもよい。例えば、トランシーバとアンテナを処理セクションと一体化することによって、WCD210は、動作データ情報について陰圧療法装置に問い合わせすることができる。このようにして、WCD210のユーザは、所望の任意の時点で陰圧療法装置の動作データを確認することができる。一実施例では、WCD210は、ユーザからの入力を受信でき、ユーザはより多くの動作データのうちの一つを要求する。WCD210は、少なくとも部分的にユーザ入力に基づいて要求を生成し、陰圧療法装置220に要求を送信することができる。その後、WCD210は、陰圧療法装置220から応答を受信することができ、その陰圧療法装置220から、WCD210はユーザが要求した一つ以上の動作データを解釈できる。
【0079】
WCD210は、陰圧療法装置に制御命令を送信できる。例えば、制御命令を送ることによって、ユーザは、WCD210を使用してポンプを制御し、陰圧レベルを調節し、陰圧療法装置の電力を切り替える、といったことができる。
【0080】
通信プロセッサ421は、通信する陰圧療法装置220とハンドシェイクするトランシーバであってもよい。したがって、WCD210は、データ要求を少なくとも一つの陰圧療法装置220に送信することができる。さらに別の態様では、WCD210は、陰圧療法装置220を、トランスポンダ周波数で放射することができ、それに応じて、陰圧療法装置220は、WCDへの事象または動作データを「反映」できる。
【0081】
WCD210は、陰圧療法装置220に外部通信できるレシーバ421を含み得る。WCD210は、陰圧療法装置220からのデータに注意を向け、その後のリレーまたは使用のためのデータを収集することができる。一部の態様では、WCDは、(a)その要求に応じて、(b)ある事象の発生時(検出されたエラー等)、(c)繰り返しの時間間隔で(十分に一回、三十分に一回、2時間に一回、4時間に一回、等)、動作データを受信し得る。
【0082】
WCD210は、以下のうち一つ以上を実行するために利用され得る。陰圧療法装置220の初期化およびプログラミング、ファームウェアおよび/またはソフトウェアのアップグレード、メンテナンスおよびトラブルシューティング、治療パラメータの選択、および調整、等。
【0083】
一部の事例では、コントローラ411以外の、図4に関連して本明細書に記載されるプロセッサのうちの一つ以上は、使用されず、コントローラ411が、このような省略された一つ以上のプロセッサの一つ以上のタスクを実行する。一部の実施形態では、コントローラ411は、WCD210の唯一のプロセッサであり、コントローラ411は、本明細書に記載の他のプロセッサの一つ以上のタスクを実行する。
【0084】
用語
実施形態によっては、本明細書に記載されるプロセスのいずれかの特定の操作、作用、事象、または機能は、異なる順序で実施され得、また全体として、(プロセスの実践に必要なもの等)、追加、融合、または除外され得る(例えば、本プロセスの実践にすべてが必要となるわけではない)。さらに、特定の実施形態では、動作、作用、機能、または事象は、例えば、マルチスレッド処理、割込処理、または複数のプロセッサもしくはプロセッサコアを通じて、または他のパラレルアーキテクチャー上で、シーケンシャルにではなく、同時に実行することができる。
【0085】
本明細書に記載されるシステムおよびプロセッサは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、または本明細書に記載した目的のために好適なソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアの任意の組み合わせを含み得る。ソフトウェアおよび/またはファームウェアは、非一時的コンピュータ可読媒体に保存されてもよい。ソフトウェアおよび他のプロセッサは、常駐して、サーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、コンピュータ化されたタブレット、PDA、および本明細書に記載した目的に好適な他のコンピューティングデバイス上で実行してもよい。ソフトウェアおよび他のプロセッサは、ローカルメモリを介して、ネットワークを介して、ブラウザを介して、または本明細書に記載された目的に好適な他の手段を介して、アクセス可能であってもよい。本明細書に記載されたデータ構造は、本明細書に記載した目的に好適な、コンピュータファイル、変数、プログラミングアレイ、プログラミング構造、または任意の電子情報記憶スキームまたは方法、またはその任意の組み合わせを備えてもよい。本明細書に記載されたユーザインターフェース要素は、グラフィカルユーザインターフェース、双方向音声応答、コマンドラインインターフェース、および他の好適なインターフェースからの要素を備えてもよい。
【0086】
さらに、図示されたシステムのさまざまな構成要素の処理は、複数の機械、ネットワーク、およびその他の演算リソースにわたって分配され得る。さらに、システムの二つ以上の構成要素を、より少ない構成要素に組み合わせることができる。図示されたシステムの様々な構成要素を、専用コンピュータハードウェアシステムおよび/またはコンピューティングデバイスではなく、一つ以上の仮想マシンに実装することができる。図示されたシステムの様々な構成要素を、専用コンピュータハードウェアシステムおよび/またはコンピューティングデバイスではなく、一つ以上の仮想マシンに実装することができる。同様に、示されるデータレポジトリは、例えば、記憶エリアネットワークまたはその他の分散型記憶システムを含む、物理的および/または論理的データ保存を表すことができる。さらに、一部の実施形態では、図示した構成要素間の接続は、ハードウェア間の実際の接続ではなく、データフローの可能な経路を表す。
【0087】
可能な接続の一部の例が示されているが、図示された構成要素のサブセットのいずれかは、様々な実施の構成要素のその他任意のサブセットと通信できる。添付の出願書類に記載されている可能性のあるものを含む、上記の特許および用途およびその他の参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0088】
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特性、物質、特徴、または群は、本明細書に記載される他の任意の態様、実施形態、または実施例に、これらと両立できないことがない限り、適用可能であることを理解されたい。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)に開示する特徴のすべて、または同様に開示するいずれの方法もしくは過程のステップのすべては、そのような特徴またはステップの少なくとも一部が、互いに排他的である組み合わせを除き、いかなる組み合わせで組み合わせられてもよい。本発明の保護するものは、前述の任意の実施形態の詳細に限定されない。保護するものは、本明細書(添付の任意の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)において開示される特徴のうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及び、または同様に開示される任意の方法またはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0089】
特定の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は、単に例として提示されており、保護範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよい。さらに、本明細書に記載の方法及びシステムの形態において、様々な省略、置換、及び変形がなされ得る。実施形態によっては、図示または開示されたプロセスにおいて実施される実際のステップは、図に示されたステップとは異なりうることを、当業者は認識するであろう。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、開示されるプロセスで実施される実際のステップまたはステップの順序は、図で示したものとは異なっていてもよい。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、図に示した様々な構成要素が、プロセッサ、コントローラ、ASIC、FPGA、または専用ハードウェア上のソフトウェアまたはファームウェアとして実装されてもよい。プロセッサ、ASIC、FPGA等のハードウェア構成要素には論理回路が含まれうる。さらに、上記に開示された特定の実施形態の特徴及び特性は、様々な方法で組み合わせることができ、さらなる実施形態を形成することができるが、その全てが本開示の範囲内に収まることになる。
【0090】
本開示には、特定の実施形態、実施例、および用途が含まれるが、本開示は、具体的に開示された実施形態の範囲を超えて、他の代替の実施形態または使用ならびにその明らかな変更形およびその等価物にまでおよび、これには本明細書に記載された特徴および利点の全てを提供しているとは限らない実施形態が含まれることは、当業者に理解されるであろう。したがって、本開示の範囲は、本明細書における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、本明細書に提示されるまたはこの後に提示される特許請求の範囲によって画定されうる。
【0091】
「し得る(can)」、「できる(could)」、「可能性がある(might)」、または「場合がある(may)」等の条件付き言い回しは、別途具体的に記載されない限り、または使用される文脈の範囲内で別途解釈されない限り、一定の実施形態が、特定の特徴、要素、またはステップを含む一方で、他の実施形態は含まないということの伝達を意図するのが通例である。したがって、こうした条件付き言い回しは、特徴、要素、またはステップが一つまたは複数の実施形態に多少なりとも必要とされるという示唆、またはこれらの特徴、要素、もしくはステップが特定の任意の実施形態に含まれているかどうか、もしくは該実施形態で実施されるべきかどうかを、ユーザ入力または命令の有無にかかわらず決定するためのロジックが、一つまたは複数の実施形態に必然的に含まれているという示唆を必ずしも意図するものではない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」等の用語は、同義語であり、包含的に非限定様式で用いられ、追加の要素、特徴、行為、及び動作等を排除するものではない。また、用語「または(or)」は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)用いられることで、例えば要素の列記をつなぐのに使用される場合、列記の要素のうちの一つ、一部、または全てを意味することになる。同様に、「および(and)/または(or)」という用語は、二つ以上の項目の列挙に関して、言葉の以下の解釈のすべて:列挙内の項目も任意の一つ、列挙内のすべての項目、および列挙内の項目の任意の組み合わせ、を網羅する。さらに、用語「各々」は、本明細書で使用される場合、通常の意味を有するのに加えて、用語「各々」が適用されている一連の要素の任意のサブセットも意味し得る。さらに、本明細書で使用される場合、「本明細書での(herein)」、「上記(above)」、「下記(below)」および類似する言葉は、本出願で使用される場合、本明細書の全体を指し、本明細書の特定の部分を指すものではないことを意味する。
【0092】
語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも一つ」等の連言的言い回しは、別途具体的に記載されない限り、ある項目や用語等が、Xか、Yか、Zのいずれかであり得ることを示唆するのに一般的に用いられる文脈によって、別途解釈されるものである。したがって、こうした連言的言い回しは、特定の実施形態が、少なくとも一つのXと、少なくとも一つYと、少なくとも一つのZとを含むことを必要とするという示唆を必ずしも意図するものではない。
【0093】
本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語等の、本明細書で使用される程度を表す言い回しは、所望の機能を依然として果たすかまたは所望の結果をもたらす所定の値、量、または特性に近い値、量、または特性を表すものである。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、及び「実質的に」という用語は、所定の量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、及び0.01%未満以内の量を意味し得る。別の例として、一定の実施形態において、「概して平行」及び「実質的に平行」という用語は、丁度平行である状態から15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、1度以下、または0.1度以下ずれている値、量、または特性を意味する。
【0094】
本開示の範囲は、特定の実施形態の説明によって制限されることは意図されておらず、付記項によって定義されてもよい。本特許請求の範囲の言い回しは、本特許請求の範囲で用いられている言い回しに基づいて広い意味で解釈されるべきであり、本明細書で説明されている例または本出願の手続きの間に説明される例に限定されるものではなく、それらの例は非排他的なものとして解釈されるべきである。
[付記項1]
陰圧創傷療法システムであって、
陰圧を患者の創傷に加えるように構成された陰圧療法装置であって、
前記創傷上に配置されるように構成された創傷被覆材と、
前記創傷被覆材によって支持される陰圧源と、
一つ以上のプロセッサを備えるコントローラであって、前記コントローラが、
前記陰圧療法装置の一つ以上の動作データを判定し、
前記一つ以上の動作データを送信するよう構成されるコントローラと、を備える陰圧療法装置と、
一つ以上のプロセッサを含むコントローラを備える無線通信デバイスであって、前記無線通信デバイスの前記コントローラが、前記陰圧療法装置に通信可能に結合されるよう構成され、前記陰圧療法装置の前記コントローラによって送信される前記一つ以上の動作データを受信し、前記受信した一つ以上の動作データを出力するようにさらに構成される無線通信デバイスと、を備える、陰圧創傷療法システム。
[付記項2]
前記陰圧療法装置の前記コントローラが、事象の発生、時間間隔の終了、または前記無線通信デバイスから受信する要求のうちの少なくとも一つに応答して、前記一つ以上の動作データを送信するよう構成される、付記項1に記載のシステム。
[付記項3]
前記一つ以上の動作データが、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、創傷データ、被覆材データ、接続データ、活動データ、または患者データのうちの一つ以上を含む、付記項1または2のいずれかに記載のシステム。
[付記項4]
前記創傷が、前記患者の目に見える範囲外または手の届く範囲外のエリアにある、付記項1~3のいずれかに記載のシステム。
[付記項5]
前記エリアが、前記患者の背中、肩、脚、腰、足、または臀部のうち少なくとも一つを含む、付記項4に記載のシステム。
[付記項6]
前記エリアが、前記患者の後部の少なくとも一部分を含む、付記項4または5のいずれかに記載のシステム。
[付記項7]
別の創傷の上に配置されるよう構成される別の創傷被覆材と、前記別の創傷被覆材によって支持される別の陰圧源とをさらに備え、前記無線通信デバイスの前記コントローラが、前記別の陰圧療法装置に通信可能に結合されるようにさらに構成される、付記項1~6のいずれかに記載のシステム。
[付記項8]
前記無線通信デバイスの前記コントローラが、
前記別の陰圧療法装置の別のコントローラによって送信される、別の一つ以上の動作データを受信し、
前記受信した一つ以上の動作データと、前記受信した別の一つ以上の動作データとを出力するようさらに構成される、付記項7に記載のシステム。
[付記項9]
一つ以上のプロセッサを備えた別のコントローラを含む別の無線通信デバイスをさらに備え、前記別の無線通信デバイスの前記別のコントローラが、前記陰圧療法装置に通信可能に結合されるように構成される、付記項1~8のいずれかに記載のシステム。
[付記項10]
前記無線通信デバイスが、前記一つ以上の動作データを出力するように構成されるディスプレイをさらに備える、付記項1~9のいずれかに記載のシステム。
[付記項11]
前記無線通信デバイスが、前記無線通信デバイスのメモリおよび前記コントローラを囲むハウジングを備え、前記ハウジングが前記患者または介護者によって着用されるようサイズ決めされる、付記項1~10のいずれかに記載のシステム。
[付記項12]
陰圧療法装置と通信するための無線通信デバイスであって、
メモリと、
一つ以上のプロセッサを備えるコントローラであって、前記コントローラが、
患者の創傷の上に配置されるように構成される創傷被覆材と、前記創傷被覆材によって支持される陰圧源とを備える陰圧療法装置の一つ以上の動作データのための要求を生成し、前記陰圧装置が、前記創傷に陰圧療法を提供するように構成され、前記要求が、事象の発生、受信したユーザ入力、または時間間隔の終了のうちの少なくとも一つに基づいており、
前記陰圧療法装置に前記要求を送信し、
前記陰圧療法装置から前記一つ以上の動作データを受信し、
前記一つ以上の動作データを出力するよう構成されるコントローラと、を備える、無線通信デバイス。
[付記項13]
前記一つ以上の動作データが、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、創傷データ、被覆材データ、接続データ、活動データ、または患者データのうち一つ以上を備える、付記項12に記載のデバイス。
[付記項14]
前記創傷が、前記患者の目に見える範囲外または手の届く範囲外のエリアにある、付記項12または13のいずれかに記載のデバイス。
[付記項15]
前記エリアが、前記患者の背中、肩、脚、腰、足、または臀部のうち少なくとも一つを含む、付記項14に記載のデバイス。
[付記項16]
前記エリアが、前記患者の後部の少なくとも一部分を含む、付記項14または15のいずれかに記載のデバイス。
[付記項17]
前記一つ以上の動作データを出力するよう構成されるディスプレイをさらに備える、付記項1212~16のいずれかに記載のデバイス。
[付記項18]
前記メモリおよび前記コントローラを囲むハウジングをさらに備え、前記ハウジングが、前記患者または介護者によって着用されるようサイズ決めされる、付記項12~17のいずれかに記載のデバイス。
[付記項19]
前記ハウジングが手首に装着されるようサイズ決めされる、付記項18に記載のデバイス。
[付記項20]
前記コントローラが、
別の創傷の上に配置されるよう構成される別の創傷被覆材と、別の創傷被覆材によって支持された別の陰圧源とを備える別の陰圧療法装置の一つ以上の動作データに対する別の要求を生成し、
前記別の要求を送信し、
前記別の陰圧療法装置から前記一つ以上の動作データを受信し、
前記陰圧療法装置の前記一つ以上の動作データと、前記別の陰圧療法装置の前記一つ以上の動作データを出力するようさらに構成される、付記項12~19のいずれかに記載のデバイス。
[付記項21]
複数の陰圧療法装置と無線通信するための命令を含む非一過性コンピュータ記憶媒体であって、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
患者の創傷の上に配置されるよう構成され、前記創傷に陰圧療法をもたらすようさらに構成される陰圧療法装置の一つ以上の動作データに対する要求を生成させることであって、前記要求が、事象の発生、受信したユーザ入力、または時間間隔の終了のうちの少なくとも一つに基づく、生成させることと、
前記陰圧療法装置に前記要求を送信することと、
前記陰圧療法装置から前記一つ以上の動作データを受信することと、
前記一つ以上の動作データを出力すること、を含む方法を実施させる、非一過性コンピュータ記憶媒体。
[付記項22]
前記一つ以上の動作データを出力することが、前記一つ以上の動作データを表示することを含む、付記項21に記載の非一過性コンピュータ記憶媒体。
[付記項23]
前記創傷が、前記患者の目に見える範囲外または手の届く範囲外のエリアにある、付記項21または22のいずれかに記載の非一過性コンピュータ記憶媒体。
[付記項24]
前記エリアが、前記患者の背中、肩、脚、腰、足、または臀部のうち少なくとも一つを含む、付記項23に記載の非一過性コンピュータ記憶媒体。
[付記項25]
前記エリアが、前記患者の後部の少なくとも一部分を含む、付記項23または24のいずれかに記載の非一過性コンピュータ記憶媒体。
[付記項26]
前記一つ以上の動作データが、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、創傷データ、被覆材データ、接続データ、活動データ、または患者データのうち一つ以上を備える、付記項21~25のいずれかに記載の非一過性コンピュータ記憶媒体。
[付記項27]
前記方法が、
前記患者の別の創傷の上に配置されるよう構成され、前記別の創傷に陰圧療法を提供するようにさらに構成される、別の陰圧療法装置の別の一つ以上の動作データに対する要求を生成することと、
前記別の陰圧療法装置に前記別の要求を送信することと、
前記別の陰圧療法装置から前記別の一つ以上の動作データを受信することと、
前記一つ以上の動作データと前記別の一つ以上の動作データを出力することと、を含む、付記項21~26のいずれかに記載の非一過性コンピュータ記憶媒体。
[付記項28]
前記別の一つ以上の動作データが、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、創傷データ、被覆材データ、接続データ、活動データ、または患者データのうち一つ以上を備える、付記項27に記載の非一過性コンピュータ記憶媒体。
[付記項29]
陰圧創傷療法システムと通信するための無線通信デバイスであって、
メモリと、
一つ以上のプロセッサを備えるコントローラであって、前記コントローラが、
患者の上に位置付けられるように構成され、複数の創傷に陰圧療法を提供するようにさらに構成される複数の陰圧装置と無線通信し、前記複数の陰圧装置がそれぞれ、前記患者の創傷の上に配置されるように構成される創傷被覆材と、前記創傷被覆材によって支持される陰圧源と、前記陰圧源を制御するように構成されるコントローラとを備え、
少なくとも第一および第二陰圧装置によって陰圧療法を提供することに関連付けられた第一および第二動作データをそれぞれ受信し、
前記受信した動作データに基づいて通知を生成することであって、前記通知が、前記第一および第二陰圧装置および前記それぞれの第一および第二動作データを識別する情報を含む、生成するように構成されるコントローラと、を備える、無線通信デバイス。
[付記項30]
前記第一および第二動作データが、電力ステータスデータ、エラーデータ、陰圧データ、創傷データ、被覆材データ、接続データ、活動データ、または患者データのうち一つ以上を備える、付記項29に記載のデバイス。
[付記項31]
陰圧創傷療法システム内で通信する方法であって、
患者の手首に位置付けられた無線通信デバイスを使用して、患者の創傷の上に位置付けられた創傷被覆材と、前記創傷被覆材によって支持される陰圧源とを備える陰圧装置と無線通信することであって、前記陰圧療法デバイスが陰圧療法を前記創傷に提供し、前記無線通信が、事象の発生、受信したユーザ入力、または時間間隔の終了のうちの少なくとも一つに基づく、無線通信することと、
前記陰圧装置によって陰圧療法を提供することと関連付けられた一つ以上の動作データを出力することと、を含む、方法。
[付記項32]
前記無線通信が、
前記無線通信デバイスで、前記陰圧療法装置からの前記一つ以上の動作データを受信することを含む、付記項31に記載の方法。
[付記項33]
前記無線通信が、
前記無線通信デバイスで、前記陰圧療法装置の前記一つ以上の動作データに対する要求を生成することであって、前記要求が、事象の発生、受信したユーザ入力、または時間間隔の終了のうちの少なくとも一つに基づく、生成することと、
前記要求を前記陰圧療法装置に送信することと、をさらに含む、付記項31または32のいずれかに記載の方法。
[付記項34]
前記患者の別の創傷の上に位置付けられた別の創傷被覆材と、前記別の創傷被覆材によって支持された別の陰圧源とを備える別の陰圧療法装置の一つ以上の動作データに対する、別の要求を生成することであって、前記別の陰圧療法デバイスが前記別の創傷に陰圧療法を提供する、生成することと、
前記別の要求を送信することと、
前記別の陰圧療法装置の前記一つ以上の動作データを受信することと、
前記別の陰圧療法装置の前記一つ以上の動作データを出力することと、をさらに含む、付記項31~33のいずれかに記載の方法。
[付記項35]
前記創傷が、前記患者の目に見える範囲外または手の届く範囲外のエリアにある、付記項31~34のいずれかに記載の方法。
[付記項36]
前記エリアが、前記患者の背中、肩、脚、腰、足、または臀部のうち少なくとも一つを含む、付記項35に記載の方法。
[付記項37]
前記エリアが、前記患者の後部の少なくとも一部分を含む、付記項35または36のいずれかに記載の方法。
図1A
図1B
図2
図3
図4