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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】金属切削溝削りツール用のブレード部
(51)【国際特許分類】
   B23B 27/16 20060101AFI20241011BHJP
   B23B 27/04 20060101ALI20241011BHJP
   B23B 27/22 20060101ALI20241011BHJP
   B23B 29/04 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
B23B27/16 B
B23B27/04
B23B27/22
B23B29/04 A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019542155
(86)(22)【出願日】2017-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2017070865
(87)【国際公開番号】W WO2018077508
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-06-17
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】17154542.9
(32)【優先日】2017-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507226695
【氏名又は名称】サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ルンドストレーム, スタッファン
(72)【発明者】
【氏名】アンデルステット, ユーハン
【合議体】
【審判長】本庄 亮太郎
【審判官】刈間 宏信
【審判官】田々井 正吾
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-80080(JP,A)
【文献】特開2015-9360(JP,A)
【文献】実公昭41-12709(JP,Y1)
【文献】特開2002-18605(JP,A)
【文献】特開平6-297210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 27/16 B23B 27/04 B23B 27/22 B23B 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝削りツール(1)用のブレード部(2)及び挿入部(3)であって、
前記ブレード部(2)は、
対向する第1及び第2の面(4、5)であって、ブレード幅(13)が前記第1及び第2の面(4、5)の間の最短距離として定義される、対向する第1及び第2の面(4、5)と、
対向する第3及び第4の面(8、9)と、
第5の面(6)及び対向するブレード部端部(7)であって、前記ブレード幅(13)が前記第5の面(6)から前記ブレード部端部(7)まで一定又は実質的に一定である、第5の面(6)及び対向するブレード部端部(7)と、
前記第3の面(8)と前記第5の面(6)とを分離させる挿入座(10)であって、前記ブレード幅(13)より大きい挿入部幅(14)を画定する主切削エッジ(11)と、関連するスクイ面(12)と、関連する主逃げ面(25)とを含む挿入部(3)を受け入れることができる、挿入座(10)と
を含み、
前記主逃げ面(25)と前記第3の面(8)とが同じ方向(15)又は実質的に同じ方向(15)に向くように、前記挿入部(3)を前記挿入座(10)に装着可能であり、
前記第5の面(6)から前記対向するブレード部端部(7)までの最短距離(16)は、前記第3の面(8)から前記第4の面(9)までの最短距離(17)よりも大きく、
挿入部(3)は、主切削エッジ(11)と、関連するスクイ面(12)と、関連する主逃げ面(25)とを含み、
前記主切削エッジ(11)は、ブレード幅(13)より大きい挿入部幅(14)を画定し、
前記主逃げ面(25)と第3の面(8)とが同じ方向(15)に向くように、前記挿入部(3)が挿入座(10)に装着される、
ことを特徴とする、ブレード部(2)及び挿入部(3)
【請求項2】
前記ブレード部端部(7)はブレード部端面(7)であり、
前記ブレード部(2)は、前記対向する第1及び第2の面(4、5)、前記対向する第3及び第4の面(8、9)、並びに対向する前記第5の面及びブレード部端面(6、7)によって限定された単一本体である、請求項1に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)
【請求項3】
前記第5の面(6)から前記対向するブレード部端部(7)までの距離(16)は、前記第3の面(8)から前記第4の面(9)までの距離(17)よりも3~8倍大きく、
前記第3の面(8)から前記第4の面(9)までの距離(17)は、前記ブレード幅(13)よりも5~20倍大きい、請求項1又は2に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)
【請求項4】
前記対向する第1及び第2の面(4、5)は平行である又は実質的に平行である、請求項1から3のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)
【請求項5】
前記対向する第3及び第4の面(8、9)は平行である又は実質的に平行である、請求項1から4のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)
【請求項6】
前記ブレード部(2)固有の弾性を利用して挿入部(3)が前記挿入座(10)にクランプ留めされるように、前記挿入座(10)が配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)
【請求項7】
前記第3の面(8)は、第6の面(20)と第7の面(21)とを含み、
前記第4の面(9)は、第8の面(22)と第9の面(23)とを含み、
前記第6の面(20)、前記第7の面(21)、前記第8の面(22)、又は前記第9の面(23)の少なくとも1つが断面において、前記対向する第1及び第2の面(4、5)の少なくとも1つに対して90度より大きい角度を形成している、請求項1から6のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)
【請求項8】
前記第3の面(8)は、第6の面(20)と第7の面(21)とを含み、
前記第4の面(9)は、第8の面(22)と第9の面(23)とを含み、
前記第6の面(20)と前記第7の面(21)は断面において、前記対向する第1及び第2の面(4、5)との間で等距離に位置する第1の中央平面(41)の方へ収束し、
前記第8の面(22)と前記第9の面(23)は断面において、前記第1の中央平面(41)の方へ収束する、請求項1から7のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)
【請求項9】
前記挿入部(3)は、上面(26)と、対向する底面(27)と、前面(28)と、対向する後面(29)と、第1の側面(39)と、対向する第2の側面(40)とを含み、
前記上面(26)は前記スクイ面(12)を含み、
前記前面(28)は前記主逃げ面(25)を含み、
挿入座(10)は、第3の面(8)と第5の面(6)とを分離させ、
前記底面(27)の一部と、前記後面(29)の一部とが前記挿入座(10)と接触するように、前記挿入部(3)が前記挿入座(10)に装着され、
前記ブレード部(2)の第2の中央平面(42)は、対向する第3及び第4の面(8、9)の間で等距離又は実質的に等距離にあり、
前記第2の中央平面(42)に平行な平面が、前記挿入部(3)の前記上面(26)及び底面(27)と交差する、請求項1から8のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)。
【請求項10】
前記主切削エッジ(11)が、第1の中央平面(41)に対して対称的に、対向する第1及び第2の面(4、5)の間で等距離又は実質的に等距離に配置されるように、前記挿入部(3)が挿入座(10)に装着される、請求項1から8のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)。
【請求項11】
前記スクイ面(12)は、溝削りにおけるチップ幅が、前記挿入部幅(14)に対して小さくなりうるように配置されたチップ破砕又はチップ制御手段を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)。
【請求項12】
前記スクイ面(12)は、一又は複数の突出部及び/又は一又は複数のくぼみ部の形態のチップ破砕又はチップ制御手段を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)。
【請求項13】
前記ブレード部(2)の第2の中央平面(42)は、前記対向する第3及び第4の面(8、9)の間で等距離又は実質的に等距離にあり、
前記第2の中央平面(42)から主切削エッジ(11)までの距離は、前記第2の中央平面(42)から前記第3の面(8)までの距離よりも大きい、請求項1から10のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)を備える溝削りツール(1)であって、
機械インターフェース(19)に接続させるのに好適な連結部(32)を備え、
第5の面(6)は、前記連結部(32)に対して反対の方向に向いている、
溝削りツール(1)。
【請求項15】
厳密に1つの挿入部(3)を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)を備える溝削りツール(1)。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)を備える溝削りツール(1)であって、
ツールブロック(30)を備え、
ブレード部(2)は、前記ツールブロック(30)にクランプ留めされ、
第3の面(8)の少なくとも一部と、第4の面(9)の少なくとも一部は、前記ツールブロック(30)と接触し、
前記ツールブロック(30)は、機械インターフェース(19)に接続させるのに好適な連結部(32)を含む、
溝削りツール(1)。
【請求項17】
請求項1から13のいずれか一項に記載のブレード部(2)及び挿入部(3)を備える溝削りツール(1)であって、
ツールブロック(30)を備え、
前記ツールブロック(30)は、機械インターフェース(19)に接続させるのに好適な連結部(32)を含み、
前記連結部(32)と前記ブレード部(2)との間の距離を連続範囲にわたって選択することができるように、前記ブレード部(2)を前記ツールブロック(30)にクランプ留め可能である、
溝削りツール(1)。
【請求項18】
ワークピースに所定の溝幅の溝を切削する方法であって、
金属を含み且つ周面(31)を有するワークピース(18)を提供するステップと、
挿入部(3)を備える、請求項14から17のいずれか一項に記載の溝削りツール(1)を提供するステップと、
ブレード幅(13)より大きい挿入部幅(14)を選択するステップと、
機械ツールの機械インターフェース(19)に前記溝削りツール(1)を接続させるステップと、
前記ワークピース(18)をその回転軸(A)の周りで回転方向(24)に回転させるステップと、
前記溝幅が前記挿入部幅(14)と等しくなるように、また、接線切削力(37)が前記機械インターフェース(19)の方へ又は実質的に前記機械インターフェース(19)の方へ向けられるように、前記ツール(1)を送り方向(15)に前記ワークピース(18)の前記回転軸(A)の方へ移動させることによって、前記ワークピース(18)に溝(33)を切削するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削ツールの技術分野に属する。より具体的には、本発明は、金属切削加工で使用される溝削りツールのブレード部の分野に属する。上記加工は、コンピュータまたはコンピュータ化された数値制御、すなわちCNC機械を使用して行われうる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、請求項1の序文に記載のブレード部を参照する。つまり、本発明は、溝削りツール用のブレード部を参照するものであり、ブレード部は、対向する第1及び第2の面であって、ブレード幅は第1及び第2の面との間の最短距離として定義される、対向する第1及び第2の面と、対向する第3及び第4の面と、第5の面及び対向するブレード部端部であって、ブレード幅は第5の面からブレード部端部まで一定又は実質的に一定である、第5の面及び対向するブレード部端部と、第3の面と第5の面とを分離させる挿入座であって、挿入座は、主切削エッジと、関連するスクイ面と、関連する主逃げ面とを含む挿入部を受け入れることができ、主切削エッジはブレード幅より大きい挿入部幅を画定する、挿入座とを含む。
【0003】
金属切削切断、切取り、又は深い溝削りは、難しい工程として長く知られてきた。1つの問題としてチップのつまりが知られている。他の1つの問題は振動であり、振動はとりわけ、ツール破壊の危険性、及び不十分な表面仕上げの原因である。上記工程及び切削ツールは例えば、US5135336に記載されている(図4)。したがって、切断又は深い溝削り工程における振動を低減させることが長年必要とされてきた。
【発明の概要】
【0004】
本発明者らは、振動の危険性を低減するために、更に改善された切削ツールの必要性があることを発見した。本発明者らは、最新式のブレード部については、切削中の切削ツールの偏向が原因で振動が起こりうることを発見した。本発明の目的は、振動が低減したブレード部を提供することである。
【0005】
本目的は、挿入部が、主逃げ面と第3の面とが同じ方向又は実質的に同じ方向に向き、第5の面から対向するブレード部端部までの最短距離が第3の面から第4の面までの最短距離よりも大きくなるように、挿入座に装着可能であることを特徴とする、初期確定されたブレード部を用いて達成される。
【0006】
上記ブレード部により、深い溝削り又は切断の最中の振動の危険性が低減しうる。別の効果は、送り速度の増加、より小さい挿入部幅の選択、面仕上げの向上、及び挿入摩耗の削減の可能性でありうる。溝削りツールが装着されている又はクランプ留めされている機械インターフェースの方へ接線切削力が向けられるように溝削りツールが装着されている又はクランプ留めされている場合は特に、上記のような径方向力に平行な方向よりも接線力に平行な方向に細長くなっている上記ブレード部により、切削中の挿入部の偏向が軽減されうる。上記溝削りツールは、好ましくはマルチタスク機又はミルターン(mill turn)機等の、y軸機能を有する機械ツール又はコンピュータ(又はコンピュータ化された)数値制御(CNC)機械で使用される。上記ブレード部により、ブレード部の重量又はサイズを増加させることなく、振動の危険性の低減を達成することが可能である。上記溝削りツールは、特に切断の深さが挿入部の長さよりも大きく、挿入部の長さが挿入部の前面と後面との間の最短距離として定義されるところでは、比較的深い外部溝付け又は切断に使用されることが好ましい。
【0007】
ブレード部は、単一本体、実体又は装置であってよい。あるいは、ブレード部は、単一本体、実体又は装置の部品又は一部であってよい。
【0008】
ブレード部は、分断又は切断をも含む溝削りに好適である。より正確には、ブレード部は、金属ワークピースがその回転軸の周囲で回転し、切削中のブレード部が回転軸の方へ移動する外部施削に好適である。
【0009】
ブレード部は、対向する第1及び第2の面、又は第1及び第2の側面を含む、あるいは対向する第1及び第2の面、又は第1及び第2の側面によって限定される。ブレード幅は、第1及び第2の面の間の最短距離として定義される。深い溝削り又は切断では、第1及び第2の側面は、溝のそれぞれの第1及び第2の側面又は壁面に向いている。第1及び第2の側面は、好ましくは平坦又は平面である。
【0010】
ブレード部は、対向する第3及び第4の面を更に含む、あるいは対向する第3及び第4の面によって更に限定される。第3の面は、溝削り中は送り方向に向いているため、溝の底面である。第3及び第4の面は平坦又は平面であってよい。ブレード部が単一本体、実体又は装置の形態である場合、第3及び第4の面は断面において、好ましくはV字状、あるいは逆のV字状である。
【0011】
ブレード部は更に、第5の面又は上面と、対向するブレード部端部とを含む、又は第5の面又は上面と、対向するブレード部端部によって更に限定される。
【0012】
ブレード部端部は、特にブレード部が単一本体、実体又は装置の形態である場合、ブレード部端面の形態であってよい。あるいは、ブレード部端部は、ブレード部間の境界線又は限定線として定義することができ、溝内部におさまるような寸法、また更に、溝内部におさまるような寸法でない切削ツール又は溝削りツール又は溝削り装置の後部又は接続部の内部におさまるような寸法である。この場合、ブレード部端部は、ブレード幅の変化によって画定される境界である。
【0013】
ブレード部端部は、側面において直線の形態であってよい。あるいは、ブレード部端部は側面において曲線の形態であってよく、前記曲線は円弧であってよく、側面における前記円の中心は挿入部の主切削エッジと交差している又は実質的に交差している。
【0014】
ブレード幅は、第5の面からブレード部端部まで一定又は実質的に一定である。ブレード幅は、好ましくは1.0~20.0mmの範囲内であり、更にまた好ましくは1.5~12.0mmの範囲内である。
【0015】
ブレード部は、一又は複数の冷却剤又は流体チャネルを含みうる。前記冷却剤又は1つの流体チャネル又は複数の流体チャネルは、好ましくは前記チャネルの中心が対向する第1及び第2の面の間で等距離に位置する第1の中央平面内に延びるように、延びている。
【0016】
前記冷却剤チャネルは、好ましくは第1及び第2の面のうちの少なくとも1つと交差する入口と、第3の面にある出口とを含む。前記冷却剤チャネルは、好ましくは冷却剤又は流体の流れが挿入座に装着された挿入部の切削ゾーン又は主切削エッジの方へ向けられるように配置される。
【0017】
挿入座、又は挿入部受容凹部は、第3の面と第5の面とが分離されるように開く。挿入座により、第3の面と第5の面とが接続される。
【0018】
挿入座は、主切削エッジと、関連するスクイ面と、関連する主逃げ面とを含む挿入部、分断挿入部又は溝削り挿入部を受け入れることができる、又はそのために好適でありうる。スクイ面は、挿入部の上面の一部である。挿入部の上面は、好ましくは一又は複数の突出部及び/又は一又は複数のくぼみ部の形態であることが好ましいチップ形成又はチップ破砕手段を含む。主逃げ面は、実質的に送り方向の方向に、又は送り方向の+/-20度以内に向いている。
【0019】
主切削エッジにより挿入部幅が画定される。溝削りにおいて、溝幅は挿入部幅、すなわち主切削エッジの幅に等しい。主切削エッジは挿入部の最も幅が広い部分である、つまり、主切削エッジの対向する終点を接続している直線は、全ての平行線と等しい長さである、又は好ましくはそれよりも長いものであり、全ての平行線はその終点で挿入部と交差している。
【0020】
挿入部幅はブレード幅よりも大きい。挿入部幅は、好ましくはブレード幅よりも1~25%広く、また更に好ましくは5~15%広い。挿入部幅とブレード幅は平行線に沿って測定される。
【0021】
挿入部は、主逃げ面と第3の面とが同じ方向又は実質的に同じ方向、すなわち同じ方向の+/-20度以内に向くように、挿入座に装着可能である。
【0022】
第5の面から対向するブレード部端部またはブレード部端面までの最短距離は、第3の面から第4の面までの最短距離よりも大きい。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、ブレード部端部はブレード部端面であり、ブレード部は、対向する第1及び第2の面、対向する第3及び第4の面、並びに対向する第5の面及びブレード部端面によって限定される単一本体である。
【0024】
上記ブレード部により、挿入座が摩損したときにブレード部の交換を経済的に行うことが可能である。
【0025】
ブレード部端部はブレード部端面であり、ブレード部は好ましくは一定のブレード幅を有する単一本体である。上記単一本体は、好ましくは切削ブレード又は分断ブレードの形態である場合がある。上記単一本体は、好ましくは鋼鉄等である金属片から作られている、又は代替的に含むことが好ましい。上記単一本体をツールブロックにクランプ留めすることが可能である。
【0026】
対向する第1及び第2の面、又は側面は、好ましくは平行及び平坦である。対向する第3及び第4の面、又は上面及び底面は、好ましくは断面がV字状である、あるいは別の適切な形をしている。対向する第3及び第4の面はクランプ面であり、より正確には、第3及び第4の面はツールブロック又は別のブレード部クランプ装置と接触させるのに好適である。対向する第3及び第4の面は、好ましくは平行である。
【0027】
ブレード部は、挿入座を1つだけ含みうる。あるいは、ブレード部は第2の挿入座を含んでいてよく、第2の挿入座はブレード部端面と第4の面とを分離させ、挿入座と第2の挿入座とは互いに斜め向かいに対向している。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、第5の面から対向するブレード部端部までの距離は、第3の面から第4の面までの距離よりも3~8倍大きく、第3の面から第4の面までの距離は、ブレード幅よりも5~20倍大きい。
【0029】
単一本体の形態であることが好ましい上記ブレード部により、不必要な重量又は材料がブレード部に加わることなく、振動の低減が達成されうる。
【0030】
100~400mmの範囲内にあることが好ましい第5の面から対向するブレード部端部までの最短距離は、第3の面から第4の面までの距離よりも3~8倍大きい。第5の面は、側面においてはまっすぐでないことが好ましい。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、対向する第1及び第2の面は平行又は実質的に平行である。
【0032】
対向する第1及び第2の面は、平行又は実質的に平行であり、平坦、すなわち平行平面において延びていることが好ましい。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、対向する第3及び第4の面は平行又は実質的に平行である。
【0034】
上記ブレード部により、特にブレード部が単一本体の形態である場合に、連結部とブレード部との間の距離を連続範囲にわたって選択することができるように、ブレード部をツールブロックにクランプ留め可能でありうる。
【0035】
対向する第3及び第4の面は、側面において平行又は実質的に平行である。より正確には、対向する第3及び第4の面は、主に平行な方向に延びている。対向する第3及び第4の面は各々、好ましくは2つ以上の傾斜した下部表面を含む。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、挿入座は、ブレード部固有の弾性を利用して挿入座に挿入部がクランプ留めされるように、配置される。
【0037】
上記ブレード部により、挿入部のクランプ留めを、クランプねじ等の他の挿入部クランプ手段に対して経済的で、スペースを節約する方法で行うことが可能である。
【0038】
好ましくは、ブレード部がスロットを含み、スロットが挿入座を含む。好ましくは、対向する第3及び第4の面の間で等距離又は実質的に等距離にあるブレード部の第2の中央平面が、前記スロットと交差している。好ましくは、挿入座に装着された挿入部が、前記第2の中央平面から間隔を置いて配置されている。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、第3の面は第6の面と第7の面とを含み、第4の面は第8の面と第9の面とを含み、第6、第7、第8、又は第9の面のうちの少なくとも1つは断面において、対向する第1及び第2の面ののうちの少なくとも1つに対して90度を超える角度を形成している。
【0040】
上記ブレード部によって、ツールブロックにブレード部をクランプ留めしたときのクランプ留め及び/又は安定性が更に改善される。
【0041】
好ましくは、第1及び第2の面に対して直角をなし、第3及び第4の面と交差する平面の断面において、第6の面は第1の面に対して100~140度の角度を形成し、第7の面は第2の面に対して100~140度の角度を形成し、第8の面は第1の面に対して100~140度の角度を形成し、第9の面は第2の面に対して100~140度の角度を形成している。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、第3の面は第6の面と第7の面とを含み、第4の面は第8の面と第9の面とを含み、第6の面と第7の面は断面において、対向する第1及び第2の面との間で等距離に位置する第1の中央平面の方へ収束し、第8の面と第9の面は断面において、第1の中央平面の方へ収束する。
【0043】
上記ブレード部により、ツールブロックにブレード部をクランプ留めしたときのクランプ留め及び/又は安定性が更に改善される。
【0044】
挿入部を含む本発明の一実施形態によれば、挿入部は、主切削エッジと、関連するスクイ面と、関連する主逃げ面とを含み、主切削エッジはブレード幅より大きい挿入部幅を画定し、主逃げ面と第3の面とが同じ方向に向くように挿入部が挿入座に装着される。
【0045】
挿入部幅がブレード幅より大きい、上記ブレード部及び切削挿入部により、深い溝削り又は切断が可能である。つまり、挿入部は切削中に、ブレード部によって制限されることなく、挿入部幅と等しい幅を有する溝内部に完全に入ることが可能であるということである。
【0046】
主切削エッジにより、挿入部幅が画定される。溝削り又は切断において、溝幅は挿入部幅、すなわち主切削エッジの幅と等しい。主切削エッジは、挿入部の最も広い部分である、つまり、主切削エッジの対向する端点を接続している直線は、挿入部と交差する端点を有する全ての平行線と等しい長さである、あるいは好ましくはそれよりも長い。
【0047】
挿入部幅は、ブレード幅よりも大きい。挿入部幅は、好ましくはブレード幅よりも1~25%広く、また更に好ましくは5~15%広い。挿入部幅とブレード幅は、平行線に沿って測定される。
【0048】
挿入部は、主逃げ面と第3の面とが同じ方向又は実質的に同じ方向、すなわち+/-20度以内に向くように、挿入座に装着可能である。
【0049】
挿入部を含む本発明の一実施形態によれば、挿入部は、主切削エッジと、関連するスクイ面と、関連する主逃げ面とを含み、主切削エッジは、ブレード幅より大きい挿入部幅を画定し、挿入部は、上面と、対向する底面と、前面と、対向する後面と、第1の側面と、対向する第2の側面とを含み、上面はスクイ面を含み、前面は主逃げ面を含み、挿入座は第3の面と第5の面とを分離させ、底面の一部と後面の一部とが挿入座と接触するように、挿入部が挿入座に装着され、ブレード部の第2の中央平面は、対向する第3と第4の面の間で等距離又は実質的に等距離にあり、第2の中央平面に平行な平面が、挿入部の上面及び底面と交差する。
【0050】
好ましくは、挿入部は、上面の一部が挿入座と接触するように、挿入座に装着される。
【0051】
挿入部を含む本発明の一実施形態によれば、挿入部は、主切削エッジと、関連するスクイ面と、関連する主逃げ面とを含み、主切削エッジは、ブレード幅より大きい挿入部幅を画定し、主切削エッジが、第1の中央平面に対して対称的に、対向する第1と第2の面の間で等距離又は実質的に等距離に配置されるように、挿入部が挿入座に装着される。
【0052】
上記ブレード部及び挿入部によって、切削中の側面の逃げが等しい大きさになり、バランスのとれた切断ツールが得られる。
【0053】
挿入部を含む本発明の一実施形態によれば、スクイ面はチップ破砕又はチップ制御手段を含み、チップ破砕又はチップ制御手段は、溝削りにおけるチップ幅が挿入部幅に対して小さくなりうるように配置される。
【0054】
上記実施形態により、チップがつまる危険性が低減する。平坦又は平面のスクイ面ではチップの切削幅が変わらないため、スクイ面は非平面である。
【0055】
挿入部を含む本発明の一実施形態によれば、スクイ面は、一又は複数の突出部及び/又は一又は複数のくぼみ部の形態のチップ破砕又はチップ制御手段を含む。
【0056】
上記配置により、チップがつまる危険性が低減する。単数の及び好ましくは中心の突出部を含む、多数のトポグラフィック配置のスクイ面が可能である。好ましくは、2つ以上のリッジであることが好ましい突出部とくぼみ部との組み合わせが、スクイ面に配置されている。
【0057】
挿入部を含む本発明の一実施形態によれば、ブレード部の第2の中央平面は、対向する第3及び第4の面の間で等距離又は実質的に等距離にあり、第2の中央平面から主切削エッジまでの距離は、第2の中央平面から第3の面までの距離よりも大きい。
【0058】
前記距離の差は、好ましくは0.1~2.0mmであり、また更に好ましくは0.1~1.0mmである。
【0059】
前記距離の差により、ツール段取又は切削条件が理想的な状態から逸脱した場合の、ブレード部の損傷の危険性が低減する。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、溝削りツールはブレード部を備え、溝削りツールは機械インターフェースに接続させるのに好適な連結部を備え、第5の面は連結部に対して反対の方向に向いている。
【0061】
上記溝削りツールによって、振動の危険性が更に低減しうる。
【0062】
好ましくは、連結部は、挿入座に装着された切削挿入部のスクイ面が連結部とは反対の方向に向くように位置付けされる。
【0063】
連結部は、回転施盤等の施削及び溝削りに使用することができる機械ツール、マルチタスク機械、施削機械、又は摺動ヘッド機械に接続させるのに好適である。機械ツールは、好ましくはCNC、すなわちコンピュータまたはコンピュータ化された数値制御の機械である。連結部は、機械スピンドル又はツールリボルバータレット又は刃物台等の機械インターフェースに接続させるのに好適である。連結部は、四角形又は三角形の断面を有していてよい。連結部は、好ましくはISO規格26623-1等による円錐形又は実質的に円錐形であってよい。
【0064】
本発明の一実施形態によれば、溝削りツールはブレード部を備え、溝削りツールは厳密に1つの挿入部を備える。
【0065】
したがって、ブレード部が、側面図において、2つの斜め向かいに対向している挿入座を含んでいたとしても、ブレード部には厳密に1つの挿入部が装着される。
【0066】
本発明の一実施形態によれば、溝削りツールはブレード部を備え、溝削りツールはツールブロックを備え、ブレード部はツールブロックにクランプ留めされ、第3の面の少なくとも一部と、第4の面の少なくとも一部とはツールブロックと接触し、ツールブロックは機械インターフェースに接続させるのに好適な連結部を含む。
【0067】
ツールブロック又は装着ブロック又は装着装置は、ブレード部、特に単一本体の形態のブレード部をクランプ留めするのに好適である。
【0068】
本発明の一実施形態によれば、溝削りツールはブレード部を備え、溝削りツールはツールブロックを備え、ツールブロックは機械インターフェースに接続させるのに好適な連結部を含み、ブレード部は、連結部とブレード部との間の距離を連続範囲にわたって選択することができるように、ツールブロックにクランプ留め可能である。
【0069】
したがって、溝の最大幅を画定するブレード部のオーバーハングは、ある範囲にわたって選ぶ又は選択する又は調節することが可能であるため、振動の危険性が低減する。
【0070】
本発明の一態様によれば、ワークピースに所定の溝幅の溝を切削する方法であって、金属を含み且つ周面を有するワークピースを提供するステップと、挿入部を備える溝削りツールを提供するステップと、ブレード幅より大きい挿入部幅を選択するステップと、機械ツールの機械インターフェースに溝削りツールを接続させるステップと、ワークピースをその回転軸の周りで回転方向に回転させるステップと、溝幅が挿入部幅と等しくなるように、また、接線切削力が機械インターフェースの方へ又は実質的に機械インターフェースの方へ向けられるように、ツールをワークピースの回転軸の方へ送り方向に移動させることによって、ワークピースに溝を切削するステップとを含む。
【0071】
ここで、本発明の異なる実施形態の記載によって、また添付の図面を参照することによって、本発明を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1】ブレード部と挿入部とを備える、最新式の溝削りツールの斜視図である。
図2図1のブレード部の側面図である。
図3図2のブレード部の上面図である。
図4図1の溝削りツールを使用した、最新式の機械加工方法の側面図である。
図5】第1の実施形態に係る、ブレード部を備える溝削りツールを使用した機械加工方法の側面図である。
図6図5のブレード部の側面図である。
図7図6のブレード部の前面図である。
図8図6の区分B-Bの図である。
図9】第1の実施形態に係るブレード部を使用した機械加工方法の上面図である。
図10】第2の実施形態に係る溝削りツールの側面図である。
図11図10の溝削りツールの前面図である。
図12図10の溝削りツールの斜視図である。
図13】第3の実施形態に係る溝削りツールの側面図である。
図14図13の溝削りツールの前面図である。
図15図13の溝削りツールの斜視図である。
図16】第4の実施形態に係る、溝削りツール部分の側面図である。
図17図16の溝削りツール部分の前面図である。
図18図16の溝削りツール部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図9以外の図面は全て、正寸で描かれている。
【0074】
最新式の溝削りツール1、最新式のブレード部2、ブレード部2の挿入座10に装着された最新式の挿入部3を示す図1~4を参照する。溝削り又は分断又は切取り工程等の切削工程中は、溝削りツール1は機械インターフェース19に接続され、金属ワークピース18の回転軸Aの方へ送り方向15に移動する。ワークピース18は、その回転軸Aの周囲で回転方向24に回転する。挿入部3の主切削エッジ11により、ワークピース18の周面31に溝が切削される。接線切削力(図示せず)は、図4において下向きに向けられている。
【0075】
ここで、第1の実施形態に係るブレード部2と、一実施形態に係る方法とを示す図5~9を参照する。溝削りツール1は、一定の又は実質的に一定のブレード幅13を有するブレード部2と、主切削エッジ11によって画定される最大挿入部幅14を有する挿入部3とを備える。挿入部幅14は、ブレード幅13よりも大きい。溝削りツール1は、ツールブロック30を備える。溝削りツール1は、機械ツール(図示せず)の機械インターフェース19に接続される。より正確には、ツールブロック30は、機械インターフェース19に接続された連結部32を含む。
【0076】
ブレード部2は、対向する第1及び第2の面4、5を含む。ブレード幅13は、第1及び第2の面4、5の間の最短距離として定義される。ブレード部2は、対向する第3及び第4の面8、9を含む。ブレード部は、第5の面6と、対向するブレード部端部7とを含む。ブレード幅13は、第5の面6からブレード部端部7まで一定又は実質的に一定である。第5の面6から対向するブレード部端部7までの最短距離16は、第3の面8から第4の面9までの最短距離17よりも大きい。ブレード部端部7は、ブレード部端面7である。ブレード部2は、対向する第1及び第2の面4、5、対向する第3及び第4の面8、9、並びに対向する第5の面6及びブレード部端面7によって限定される単一本体である。第5の面6から対向するブレード部端部7までの距離16は、第3の面8から第4の面9までの距離17よりも3~8倍大きい。第3の面8から第4の面9までの距離17は、ブレード幅13よりも5~20倍大きい。対向する第1及び第2の面4、5は、平行又は実質的に平行である。挿入座10は、ブレード部2固有の弾性を利用して挿入部3が挿入座10にクランプ留めされるように、配置される。
【0077】
対向する第3及び第4の面8、9は、図6に示すように側面図において、平行又は実質的に平行である。例えば図8に示すように、第3の面8は第6の面20と第7の面21とを含み、第4の面9は第8の面22と第9の面23とを含む。第6の面20と第7の面21は断面において、対向する第1及び第2の面4、5の間で等距離に位置する第1の中央平面41の方へ収束する。第8の面22と第9の面23は断面において、第1の中央平面41の方へ収束する。第3及び第4の面8、9の間の距離は、第1の中央平面41で最大である。
【0078】
挿入座10により、第3の面8と第5の面6が分離される。ブレード部2の第2の中央平面42は、対向する第3及び第4の面8、9の間で等距離又は実質的に等距離にある。
【0079】
挿入部3は、主切削エッジ11と、関連するスクイ面12と、関連する主逃げ面25とを含む。主切削エッジ11により、挿入部幅14が画定される。挿入部幅14は、ブレード幅13よりも大きい。挿入部3は、上面26及び対向する底面27、前面28及び対向する後面29、第1の側面39及び対向する第2の側面40を含む。上面26は、スクイ面を含む。前面28は、主逃げ面25を含む。
【0080】
挿入部3は、挿入座10に取り外し可能にクランプ留めされる、着座させられる又は装着される。挿入部3が挿入座10に装着されると、主逃げ面25と第3の面8とは同じ方向15、すなわち送り方向15に向く。挿入部3の主逃げ面25とブレード部の第3の面8とは、同じ方向15又は実質的に同じ方向15に向いている。挿入部3が挿入座10に装着されると、底面27の一部と後面29の一部が挿入座10に接触する。第2の中央平面42に平行な平面は、挿入部3の上面26及び底面27と交差する。挿入部3が挿入座10に装着されると、主切削エッジ11は、第1の中央平面41に対して対称的に、対向する第1及び第2の面4、5の間で等距離又は実質的に等距離に配置され、第5の面6は、連結部32に対して反対の方向に向く。
【0081】
ブレード部2の第3の面8の一部と第4の面9の一部は、ツールブロック30と接触している。ブレード部2は、連結部32とブレード部2との間の距離を連続範囲にわたって選択することができるように、ツールブロック30にクランプ留め可能である。
【0082】
図5及び9に示すように、周面31を有する金属ワークピース18は、その回転軸Aの周りを回転方向24に回転する。
【0083】
ツール1を送り方向15にワークピース18の回転軸Aの方へ移動させることによって、ワークピース18に、挿入部幅14と等しい所定の溝幅、又は主切削エッジ11の幅を有する溝33が切削される。溝幅は、挿入部幅14と等しい、又は実質的に等しい。接線切削力37は、機械インターフェース19の方へ、又は実質的に機械インターフェース19の方へ向けられる。径方向切削力38は、送り方向15とは反対の方向へ向けられる。
【0084】
例えば固形の棒状ワークピース18の切断又は切削において、溝削りツール1の送りは、主切削エッジ11が回転軸Aと交差する又は実質的に交差するように続く。図9は、実際の切断前の状況、主切削エッジ11がまだ回転軸Aと交差しておらず、溝33の底面36が溝33の第1及び第2の側面34、35と接続している状況を示しうる。溝33の第1及び第2の側面34、35は、回転軸Aに対して直角をなしている。第1及び第2の側面34、35の間の距離は、挿入部幅14に等しい。切削中、主切削エッジ11は、直線経路に沿って回転軸Aの方へ移動する。図9では、挿入部3は完全に溝33内部に入っている。切削中、ブレード部2の第2の中央平面42は、回転軸Aにより近づくように移動する。
【0085】
切削中、ブレード部2は、接線切削力37に対して直角をなし且つ回転軸Aに対して直角をなす第2の方向よりも、接線切削力37に平行な第1の方向に細長くなっている。
【0086】
ここで、第2の実施形態に係る溝削りツール1を示す図10~12を参照する。ブレード部2は、溝削りツール1の部品である。つまり、ブレード部2は、溝削りツール1の後部に永久接続され、後部は連結部32を含み、連結部32は円錐形であり、機械インターフェース19に接続可能である。ブレード部の後端部7はしたがって、後端面の形態ではなく、ブレード幅13を有するブレード部2と、ブレード幅より大きい幅を有する後部とを分離する境界の形態である。ブレード部2はしたがって、第1の実施形態のようにツールブロック内で移動可能ではない。したがって、第2の実施形態によれば、最大溝幅が固定される。第5の面6から対向するブレード部端部7までの距離16は、第3の面8から第4の面9までの距離17よりも約10~50%大きい。他のすべての実体のある態様において、ブレード部2は、第1の実施形態に係るブレード部と同様の、又は同一のものである。挿入部3は、上述した挿入部3と同一である。溝削りツール2を、上述した方法において使用することができる。
【0087】
ここで、第3の実施形態に係る溝削りツール1を示す図13~15を参照する。第3の実施形態に係る溝削りツール1は、連結部がシャンクタイプである、又はスクエアシャンクタイプであることのみが、第2の実施形態に係る溝削りツール1と異なっている。つまり、連結部32は、断面が四角形又は三角形の形であるということである。連結部32はまた、連結部32が接続される機械インターフェース19の形状によって他の形状も有しうる。
【0088】
ここで、第4の実施形態に係る溝削りツール部分を示す図13~15を参照する。溝削りツール部分は、実施形態2及び3に記載のブレード部2を備える。溝削りツール部分は、機械インターフェース19に接続可能な第2の又は後部の又は中間の溝削りツール部分(図示せず)に接続可能である。
【0089】
機械ツール(図示せず)は、好ましくはコンピュータプログラム、又はコンピュータ可読媒体あるいはデータストリーム内の命令によって、記載の溝削り又は切削工程を実施するように命令されうる、CNC機械である。
【0090】
本願において、「含む(including)」等の語の使用には制限がなく、「備える、含む(comprising)」等の語と同じ意味を有するものとし、他の構造体、材料又は作動の存在を排除するものではない。同様に、「可能、できる(can)」又は「であってよい、場合もある(may)」等の語の使用には制限がなく、その構造体、材料、又は作動が必要でないことを表すものであるが、上記語を使用しないからといって、その構造体、材料又は作動が必須であることを表しているわけではない。その構造体、材料、又は作動が現時点で必須と考えられる範囲内では、それらはそのように識別される。「上方(upper)」、「下方(lower)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「前方(forward)」及び「後方(rear)」等の語は、現行の図面に示され、当業者によって認知される特徴を指すものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図18