(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】走行体、作業機械、履板および履帯
(51)【国際特許分類】
B62D 55/275 20060101AFI20241011BHJP
B62D 55/26 20060101ALI20241011BHJP
B62D 55/28 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
B62D55/275
B62D55/26 Z
B62D55/28
(21)【出願番号】P 2020073717
(22)【出願日】2020-04-16
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉端 達也
【審査官】大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-101681(JP,U)
【文献】実開昭53-090342(JP,U)
【文献】特開昭52-069128(JP,A)
【文献】特開昭61-089183(JP,A)
【文献】特開昭52-069129(JP,A)
【文献】実開昭52-054531(JP,U)
【文献】国際公開第2017/068688(WO,A1)
【文献】特表2015-525702(JP,A)
【文献】実開昭50-087638(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0267408(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/275
B62D 55/26
B62D 55/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動輪と、
遊動輪と、
前記駆動輪および前記遊動輪に巻き掛けられ、複数の履板を有する履帯と、を備え、
前記履板は、第1面と、前記第1面に対して前記駆動輪および前記遊動輪とは反対側に位置する第2面とを有し、
前記履板は、前記第2面に第1突起部を有し、
前記第1突起部の第1側面は、前記駆動輪または前記遊動輪のいずれか一方に対する前記履板の巻き付き角より大きい角度で前記第1面の垂線に対して傾斜
し、
前記履板は貫通孔を有し、
前記第1突起部の前記第1側面には、前記貫通孔の周囲に沿って窪んだ窪み部が設けられ、
前記窪み部の壁面は、前記第1突起部の先端から前記第1面側に向かって、前記第1面の垂線に対して前記履板の巻き付き角より大きい角度で傾斜する、走行体。
【請求項2】
前記履板は、前記第2面に第2突起部を有し、
前記第1突起部の前記第1側面と対向する前記第2突起部の第2側面は、前記駆動輪および前記遊動輪の双方に対する前記履板の巻き付き角より大きい角度で前記第1面の垂線に対して傾斜する、請求項1に記載の走行体。
【請求項3】
前記第1突起部と前記第2突起部とは凹状の円弧をなす曲線により繋がれている、請求項2に記載の走行体。
【請求項4】
前記第1突起部の前記第1側面は、前記第1突起部の先端から前記第1面側に向かって直線状に延びる第1傾斜面と、前記第1傾斜面に接続されて前記第1面側に向かって曲線状に延びる第2傾斜面とを有する、請求項1または請求項2に記載の走行体。
【請求項5】
前記第1突起部の前記第1側面は、前記第1突起部の先端から前記第1面側に向かって凸状の円弧をなす曲線を有する、請求項1または請求項2に記載の走行体。
【請求項6】
請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の走行体と、
前記走行体に支持された機械本体部と、を備えた、作業機械。
【請求項7】
駆動輪および遊動輪に巻き掛けられる履帯に含まれる履板であって、
第1面と、
前記第1面の反対側に位置し、かつ突起部を有する第2面と、を備え、
前記突起部は、第1側面と、前記第1側面の反対側に位置する第2側面とを有し、
前記第1面の垂線に対して前記第1側面は前記第2側面よりも傾斜しており、
前記第1側面は、側面視において、直線状に延びる第1傾斜面と、前記第1傾斜面の前記第1面側の端部に接続されて曲線状に延びる第2傾斜面とを有
し、
前記履板は貫通孔を有し、
前記突起部の前記第1側面には、前記貫通孔の周囲に沿って窪んだ窪み部が設けられ、
前記窪み部の壁面は、前記突起部の先端から前記第1面側に向かって、前記駆動輪または前記遊動輪のいずれか一方に対する前記履板の巻き付き角より大きい角度で前記第1面の垂線に対して傾斜する、履板。
【請求項8】
第1面と、
前記第1面の反対側に位置する第2面と、を備え、
前記第2面は、第1突起部と、第2突起部とを有し、
前記第1突起部の前記第2突起部側の側面は、側面視において前記第1突起部の先端から前記第1面側に向かって延びる曲線を有し、前記曲線は前記第1面とは反対側に向かって膨らむ、履板。
【請求項9】
請求項
7または請求項
8に記載の履板と、
前記履板に取り付けられた履帯リンクと、を備えた、履帯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、走行体、作業機械、履板および履帯に関する。
【背景技術】
【0002】
履板の接地面側に付着した土砂を容易に落とすことができる履板が、たとえば特開2001-260963号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1に記載の履板では、接地面側に設けられた複数の突起部が円弧部により連結されている。特許文献1には、円弧部に土砂が付着しても、土砂に棒、洗浄水などで力を加えることにより、円弧部の形状により土砂が履板から容易に離脱することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
油圧ショベルなどの作業機械の貸し出しが、レンタル・リース業者により一般的に行なわれている。レンタル・リース業者は、貸し出し後の作業機械を再度貸し出す前に作業機械の洗浄を行なう。特許文献1に記載の技術では、履板に付着した土砂に棒、洗浄水などで力を加えて洗浄する必要がある。このため、履板に付着した土砂などを落とす労力を軽減したいとの要望がある。
【0005】
本開示の目的は、履板に土砂が付着しにくい走行体、作業機械、履板および履帯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の走行体は、駆動輪と、遊動輪と、履帯とを備える。履帯は、駆動輪および遊動輪に巻き掛けられ、複数の履板を有する。履板は、第1面と、第1面に対して駆動輪および遊動輪とは反対側に位置する第2面とを有する。履板は、第2面に第1突起部を有する。第1突起部の第1側面は、駆動輪または遊動輪のいずれか一方に対する履板の巻き付き角より大きい角度で第1面の垂線に対して傾斜する。
【0007】
駆動輪または遊動輪のいずれか一方に対する履板の巻き付き角より大きい角度とは、駆動輪に対する履板の巻き付き角または遊動輪に対する履板の巻き付き角のいずれか一方よりも大きい角度を意味する。
【0008】
本開示の一の履板は、第1面と、第2面とを備える。第2面は、第1面の反対側に位置し、かつ突起部を有する。突起部は、第1側面と、第1側面の反対側に位置する第2側面とを有する。第1面の垂線に対して第1側面は第2側面よりも傾斜している。第1側面は、側面視において、直線状に延びる第1傾斜面と、第1傾斜面の第1面側の端部に接続されて曲線状に延びる第2傾斜面とを有する。
【0009】
本開示の他の履板は、第1面と、第2面とを備える。第2面は、第1面の反対側に位置する。第2面は、第1突起部と、第2突起部とを有する。第1突起部の第2突起部側の側面は、側面視において第1突起部の先端から第1面側に向かって延びる曲線を有し、その曲線は第1面とは反対側に向かって膨らむ。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、履板に土砂が付着しにい走行体、作業機械、履板および履帯を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施の形態1における装軌式作業機械の一例として油圧ショベルの構成を示す側面図である。
【
図2】
図1に示す装軌式作業機械におけるアイドラ付近の構成を拡大して示す部分拡大図である。
【
図3】
図1に示す装軌式作業機械における履帯の構成を示す分解斜視図である。
【
図4】
図1に示す装軌式作業機械における履板の構成を示す斜視図である。
【
図6】履板の巻き付き角を説明するための概念図である。
【
図7】比較例の履板における土砂の付着しやすさを説明するための側面図である。
【
図8】
図4に示す履板における土砂の付着しにくさを説明するための側面図である。
【
図9】本開示の実施の形態2における装軌式作業機械に用いられる履板の構成を示す斜視図である。
【
図10】
図9に示す履板の構成を示す側面図である。
【
図11】
図9に示す履板とボルト部材との構成を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【
図12】
図9に示す履板のボルト部材取付付近の構成を示す部分断面図である。
【
図13】比較例の履板における土砂の付着しやすさを説明するための側面図である。
【
図14】
図9に示す履板における土砂の付着しにくさを説明するための側面図である。
【
図15】本開示の実施の形態3における装軌式作業機械に用いられる履板の構成を示す側面図である。
【
図16】
図15に示す履板を履帯用リンクに取付けた構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0013】
なお、明細書および図面において、同一の構成要素または対応する構成要素には、同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。また、図面では、説明の便宜上、構成を省略または簡略化している場合もある。また、各実施の形態の少なくとも一部は、互いに任意に組み合わされてもよい。
【0014】
(実施の形態1)
<装軌式作業機械の構成>
本開示の思想を適用可能な装軌式作業機械の一例として油圧ショベルの構成について
図1を用いて説明する。なお本開示は以下の油圧ショベル以外のブルドーザなどの装軌式作業機械にも適用可能である。
【0015】
図1は、本開示の実施の形態1における装軌式作業機械の一例として油圧ショベルの構成を示す側面図である。
図1に示されるように、装軌式作業機械(たとえば油圧ショベル)30は、走行体20と、旋回体31(機械本体部)と、作業機32とを主に有している。
【0016】
旋回体31は、前方左側(車両前側)にキャブ31aを有し、後方側(車両後側)にエンジンを収納するエンジンルーム31b、カウンタウェイト31cなどを有している。ここで、車両の前後、左右は、キャブ31a内に着座するオペレータを基準としている。
【0017】
作業機32は旋回体31の前方側に軸支されており、たとえばブーム、アーム、バケット、油圧シリンダなどを有している。
【0018】
走行体20は旋回体31を支持している。旋回体31は走行体20に対して旋回自在である。走行体20により、装軌式作業機械30が自走可能である。走行体20は、履帯10と、スプロケット21(駆動輪)と、アイドラ22(遊動輪)と、下転輪23と、上転輪24と、トラックフレーム25と、旋回装置26とを主に有している。
【0019】
トラックフレーム25の上部に旋回装置26が取り付けられている。旋回装置26はトラックフレーム25に対して旋回可能に構成されている。旋回装置26上には旋回体31が設置されている。これにより旋回体31が走行体20に対して旋回可能に構成されている。
【0020】
トラックフレーム25の両側部の各々には、スプロケット21、アイドラ22、複数の下転輪23および複数の上転輪24の各々が取り付けられている。スプロケット21はトラックフレーム25のたとえば後端部に回転駆動可能に設けられている。アイドラ22はトラックフレーム25のたとえば前端部に回転可能に設けられている。複数の下転輪23はトラックフレーム25の下面側に回転可能に設けられている。複数の上転輪24はトラックフレーム25の上面側に回転可能に設けられている。
【0021】
履帯10は、トラックフレーム25の両側部の各々に配置されている。履帯10は、無端状(環状)に構成されており、スプロケット21およびアイドラ22に巻き掛けられている。また履帯10はスプロケット21とアイドラ22との間に配置された複数の下転輪23および複数の上転輪24により支持されている。
【0022】
履帯10はスプロケット21に噛み合わされている。履帯10は、スプロケット21の回転駆動により回転駆動可能である。履帯10の回転駆動時において、アイドラ22、複数の下転輪23および複数の上転輪24の各々は履帯10に接して従動回転可能である。
【0023】
図2に示されるように、履帯10は、複数の履板(シュー)1と、複数の履帯用リンク13と、複数の連結用ピン12とを有している。複数の履板1のそれぞれが複数の履帯用リンク13に取り付けられている。複数の履帯用リンク13は、連結用ピン12により無端状に連結されている。
【0024】
履帯10がスプロケット21およびアイドラ22に巻き掛けられた状態において、履板1は履帯用リンク13に対してスプロケット21およびアイドラ22の各々の反対側に配置されている。
【0025】
<履帯の構成>
次に、履帯10の構成について
図3を用いて説明する。
【0026】
図3は、
図1に示す装軌式作業機械における履帯の構成を示す分解斜視図である。
図3に示されるように、履帯10は、ブシュ11と、履板取付部材14a、14bと、シール部材15とをさらに有している。
【0027】
履板1は、取付面1Sa(第1面)と、取付面1Saの反対側に位置する接地面1Sb(第2面)とを有している。取付面1Saは、履板1に履帯用リンク13が取り付けられる面である。接地面1Sbは、走行時に地面に接する面である。接地面1Sbは、履帯10がスプロケット21およびアイドラ22に巻き掛けられた状態において、取付面1Saに対してスプロケット21およびアイドラ22の各々の反対側に配置されている。履板1は、取付面1Saから接地面1Sbへ貫通する複数の貫通孔1hを有している。
【0028】
履帯用リンク13は、履板1の取付面1Saに配置されている。履帯用リンク13は、ブシュ孔13aと、ピン孔13bと、貫通孔13hとを有している。履板1は、履板取付部材14a、14bにより履帯用リンク13に取り付けられている。履板取付部材14a、14bとしては、たとえばボルト部材14aとナット部材14bとが用いられる。
【0029】
ボルト部材14aが接地面1Sb側から履板1の貫通孔1hと履帯用リンク13の貫通孔13hとに挿通されている。この状態で、ボルト部材14aは履帯用リンク13側でナット部材14bと螺合されている。これにより履板1の取付面1Saに履帯用リンク13が取り付けられている。
【0030】
1つの履板1には、2つの履帯用リンク13が取り付けられている。1つの履帯10において、複数の履帯用リンク13は2列に配置されている。同じ列において互いに隣り合う一方および他方の履帯用リンク13は、連結用ピン12により互いに連結されている。
【0031】
一方の履帯用リンク13のブシュ孔13aと他方の履帯用リンク13のピン孔13bとが互いに同心となるように配置されている。円筒状のブシュ11は一方の履帯用リンク13のブシュ孔13a内に圧入されている。ブシュ11の端部と他方の履帯用リンク13との間にはシール部材15が配置されている。連結用ピン12はブシュ11内に挿通されている。連結用ピン12は、他方の履帯用リンク13のピン孔13bに圧入されている。このようにして列方向に並んだ一方および他方の履帯用リンク13同士が連結されている。
【0032】
また2列のうち一方の列の履帯用リンク13はブシュ11および連結用ピン12の一方端側に設置されている。2列のうち他方の列の履帯用リンク13は、ブシュ11および連結用ピン12の他方端側に設置されている。これにより、一方の列と他方の列との各履帯用リンク13が互いに連結されている。
【0033】
<履板の構成>
次に、履板1の構成について
図4および
図5を用いて説明する。
【0034】
図4は、
図1に示す装軌式作業機械における履板の構成を示す斜視図である。
図5は、
図4に示す履板の構成を示す側面図である。
図4に示されるように、履板1の取付面1Saは、たとえば平坦な面の部分を有している。履板1は、接地面1Sbに、複数の突起部(グローサ)2a、2bを有している。複数の突起部2a、2bは、たとえば突起部2aと、突起部2bとの2つの突起部からなっている。なお複数の突起部は、3つ以上の突起部からなっていてもよい。
【0035】
複数の突起部2a、2bの各々は交差方向D2に延びている。交差方向D2は、装軌式作業機械30の走行時における履帯10の移動方向D1に交差する(たとえば直交する)方向である。複数の突起部2a、2bの各々は、履板1の交差方向D2の一方端から他方端まで連続して途切れずに延びている。複数の突起部2a、2bは、たとえば互いに平行に延びている。
【0036】
突起部2aと突起部2bとの間に、複数の貫通孔1hが配置されている。接地面1Sbにおいて、複数の貫通孔1hの各々における周囲(たとえ全周)には窪み部1tが設けられている。窪み部1tは、ボルト部材14aの頭部を挿入する部分である。
【0037】
図5に示されるように、突起部2aは、側面2a1と、側面2a2と、先端面2a3とを有している。側面2a2は側面2a1の反対側に位置している。先端面2a3は、突起部2aの先端であって、側面2a1と側面2a2との間に配置されている。先端面2a3は、たとえば取付面1Saにおける平坦面と平行である。
【0038】
側面視において、側面2a1は垂線PL1に対して傾斜している。垂線PL1は、取付面1Saにおける平坦面の垂線であって、突起部2aの先端エッジ部Uaを通る直線である。側面視において、側面2a2は垂線PL2に対して傾斜している。垂線PL2は、取付面1Saにおける平坦面の垂線であって、突起部2aの先端エッジ部Uaと逆側の先端エッジ部を通る直線である。側面視において、側面2a1と側面2a2とは互いに逆向きに傾斜している。
【0039】
本明細書において側面視とは、
図1または
図2に示されるように、1対の履帯10の一方から他方を見る視点を意味する。また側面視とは、
図4に示されるように、交差方向D2から履板1を見る視点を意味する。
【0040】
側面視において、側面2a1は先端面2a3側から取付面1Saへ近づくにしたがって側面2a2(または垂線PL1)から離れるように傾斜している。側面視において、側面2a2は、先端面2a3側から取付面1Saへ近づくにしたがって側面2a1(または垂線PL2)から離れるように傾斜している。これにより先端面2a3から取付面1Sa側に近づくにしたがって、突起部2aにおける移動方向D1の寸法が大きくなっている。
【0041】
側面視において、垂線PL1に対する側面2a1の傾斜角度θa1は、垂線PL2に対する側面2a2の傾斜角度θa2よりも大きい。
【0042】
突起部2bは、側面2b1と、側面2b2と、先端面2b3とを有している。側面2b2は側面2b1の反対側に位置している。先端面2b3は、突起部2bの先端であって、側面2b1と側面2b2との間に配置されている。先端面2b3は、たとえば取付面1Saにおける平坦面と平行である。
【0043】
側面視において、側面2b1は垂線PL3に対して傾斜している。垂線PL3は、取付面1Saにおける平坦面の垂線であって、突起部2bの先端エッジ部Ubを通る直線である。側面視において、側面2b2は垂線PL4に対して傾斜している。垂線PL4は、取付面1Saにおける平坦面の垂線であって、突起部2bの先端エッジ部Ubと逆側の先端エッジ部を通る直線である。側面視において、側面2b1と側面2b2とは互いに逆向きに傾斜している。
【0044】
側面視において、側面2b1は先端面2b3側から取付面1Saへ近づくにしたがって側面2b2(または垂線PL3)から離れるように傾斜している。側面視において、側面2b2は、先端面2b3側から取付面1Saへ近づくにしたがって側面2b1(または垂線PL4)から離れるように傾斜している。これにより先端面2b3から取付面1Sa側に近づくにしたがって、突起部2bにおける移動方向D1の寸法が大きくなっている。
【0045】
側面視において、垂線PL3に対する側面2b1の傾斜角度θb1は、垂線PL4に対する側面2b2の傾斜角度θb2よりも大きい。
【0046】
突起部2aと突起部2bとは凹状の円弧をなす曲面CSにより繋がれている。具体的には凹状の円弧をなす曲面CSは、突起部2aの突起部2b側における先端エッジ部Uaと、突起部2bの突起部2a側における先端エッジ部Ubとの間を繋いでいる。凹状の曲面CSは、取付面1Saに向かって窪んでいる。
【0047】
傾斜角度θa1は、円弧をなす曲面CSの先端エッジ部Uaにおける接線と垂線PL1との間の角度である。傾斜角度θb1は、円弧をなす曲面CSの先端エッジ部Ubにおける接線と垂線PL3との間の角度である。
【0048】
傾斜角度θa1および傾斜角度θb1の各々は、スプロケット21またはアイドラ22のいずれか一方に対する履板1の巻き付き角αよりも大きい角度を有している。ここでスプロケット21またはアイドラ22のいずれか一方に対する履板1の巻き付き角αよりも大きい角度とは、スプロケット21に対する履板1の巻き付き角またはアイドラ22に対する履板1の巻き付き角のいずれか一方よりも大きい角度を意味する。
【0049】
アイドラ22に対する履板1の巻き付き角とスプロケット21に対する履板1の巻き付き角とは互いに同じであってもよく、また互いに異なっていてもよい。アイドラ22に対する履板1の巻き付き角とスプロケット21に対する履板1の巻き付き角とが互いに異なっている場合でも、本明細書では説明の便宜上、それらを総称して巻き付き角αと称する。
【0050】
履板1の巻き付き角αは、以下の式により求められる。
【0051】
履板1の巻き付き角α
=(アイドラ22またはスプロケット21に対する履帯10の巻き付き角A)÷(アイドラ22またはスプロケット21に巻き付く履板1の個数)
≒(巻き付き角A)÷(アイドラ22またはスプロケット21に巻き付く履帯10の円弧長÷履板1の移動方向D1の長さL)
=(巻き付き角A)÷[2×アイドラ22またはスプロケット21の半径r×π×(巻き付き角A÷360)÷履板1の移動方向D1の長さL]
アイドラ22またはスプロケット21の半径rは、アイドラ22またはスプロケット21の回転中心Cから、履板1の取付面1Sa(第1面)に下ろした垂線の長さに準ずる。履板1の移動方向D1の長さLは、連結用ピン12間の長さに準ずる。
【0052】
<効果>
本実施の形態においては、
図5に示されるように突起部2aの側面2a1における傾斜角度θa1は、スプロケット21またはアイドラ22のいずれか一方に対する履板1の巻き付き角αよりも大きい角度を有している。また突起部2bの側面2b1における傾斜角度θb1は、スプロケット21またはアイドラ22のいずれか一方に対する履板1の巻き付き角αよりも大きい角度を有している。これにより履板1に土砂が付着しにくく、履板1に付着した土砂などを落とす労力を軽減できる。以下、そのことを
図6~
図8を用いて説明する。
【0053】
図6は、履板の巻き付き角を説明するための概念図である。
図7は、比較例の履板における土砂の付着しやすさを説明するための側面図である。
図8は、
図4に示す履板における土砂の付着しにくさを説明するための側面図である。
【0054】
なお
図7および
図8においてドットが描かれた領域は土砂を表している。またドットが描かれた領域が土砂を表していることは後述の
図13および
図14においても同様である。
【0055】
図6に示されるように、装軌式作業機械30が、たとえば水平な地面GL上を走行している。履帯10は、たとえば180°の巻き付き角Aでアイドラ22に巻き付けられている。アイドラ22は、たとえば矢印Rで示す時計方向に回転している。履板1Bは地面GLから蹴り上がる直前の状態である。履板1Aは、履板1Bと隣り合い、地面GLから蹴り上がった状態である。
【0056】
側面視において、履板1Aの両端における連結用ピン12の中心とアイドラ22の回転中心Cとのなす角度が履板1Aの巻き付き角αである。この履板1Aの巻き付き角αを二等分する直線CLは履板1Aの取付面1Saにおける平坦面の垂線である。
【0057】
ここで直線CLに平行で、かつ履板1Aの突起部2aにおける先端エッジ部Uaを通る直線PL1を想定する。また地面GLの垂線(たとえば鉛直線)であって履板1Aの先端エッジ部Uaを通る直線VL1を想定する。また地面GLの垂線(たとえば鉛直線)であってアイドラ22の回転中心Cを通る直線VL2を想定する。この直線VL2は履板1Bの取付面1Saにおける平坦面の垂線でもある。
【0058】
ここで巻き付き角αは角度γに等しい。角度γの角は、角度βの角と平行な2直線CL、PL1における同位角の関係にある。このため角度γは角度βに等しい。角度βは、角度θと平行な2直線VL1、VL2における錯角の関係にある。このため角度βは角度θに等しい。上記よりα=γ=β=θの関係が成り立つ。よって直線PL1と直線VL1とがなす角度θは履板1Aの巻き付き角αに等しい。
【0059】
このため履板1Aにおける側面2a1の傾斜角θa1が巻き付き角α(=θ)より大きい場合、履板1Aの側面2a1は直線VL1(たとえば鉛直線)に対して傾斜する。履板1Aの側面2a1は、直線VL1(たとえば鉛直線)に対して、取付面1Saに近づくほど突起部2bに近づくように傾斜する。
【0060】
図7に示されるように、比較例の履板101が
図6における履板1Aと同じ状態にあるとする。比較例の履板101では、突起部102aの側面102a1は、取付面101Saに近づくほど直線VL1(たとえば鉛直線)から側面102a2側へ離れるように直線VL1に対して傾斜している。このため接地面101Sbにおける一部領域Raの鉛直方向真下に突起部102a2が位置する。これにより側面102a1と接地面101Sbの領域Raとがなす角部において土砂が離れにくくなり、履板101に土砂が残存しやすい。
【0061】
これに対して本実施の形態においては
図8に示されるように、
図6の履板1Aと同じ状態にある履板1の側面2a1は、取付面1Saに近づくほど直線VL1(たとえば鉛直線)から突起部2b側へ離れるように直線VL1に対して傾斜している。このため接地面1Sbにおける凹状の曲面CS全体において鉛直方向真下に突起部2a、2bが位置していない。これにより凹状の曲面CSから土砂が離れやすくなり、履板1に土砂が残存しにくくなる。
【0062】
また本実施の形態においては
図5に示されるように、突起部2bにおける突起部2aと対向する側面2b1は、スプロケット21またはアイドラ22のいずれか一方に対する履板1の巻き付き角αより大きい角度で垂線PL3に対して傾斜する。このため作業機械30が前進方向および後進方向のいずれに走行する場合においても、履板1に土砂が残存しにくくなる。
【0063】
また本実施の形態においては
図5に示されるように、突起部2aと突起部2bとは凹状の円弧をなす曲面CSにより繋がれている。これにより突起部2aと突起部2bとの間が滑らかになり、履板1に土砂がさらに残存しにくくなる。
【0064】
(実施の形態2)
次に、本開示の実施の形態2における装軌式作業機械に用いられる履板の構成について
図9~
図12を用いて説明する。
【0065】
図9は、本開示の実施の形態2における装軌式作業機械に用いられる履板の構成を示す斜視図である。
図10は、
図9に示す履板の構成を示す側面図である。
図11は、
図9に示す履板とボルト部材との構成を拡大して示す部分拡大斜視図である。
図12は、
図9に示す履板のボルト部材取付付近の構成を示す部分断面図である。
【0066】
図9に示されるように、本実施の形態における履板1は、実施の形態1の履板1と比較して、突起部2aにおける側面2a1の構成と、突起部2bにおける側面2b1の構成と、側面2a1および側面2b1の間の構成と、窪み部1tの構成とにおいて異なっている。
【0067】
図10に示されるように、突起部2aの側面2a1は、直線傾斜面Saと、曲線傾斜面Caとを有している。直線傾斜面Saは、側面視において、突起部2aの先端エッジ部Uaから取付面1Sa側に向かって直線状に延びている。
【0068】
曲線傾斜面Caは、直線傾斜面Saの取付面1Sa側の端部に接続されている。曲線傾斜面Caは、直線傾斜面Saとの接続部から取付面1Sa側に向かって曲線状(円弧状)に延びている。曲線傾斜面Caは、取付面1Sa側に向かって窪んだ凹状の曲面を有している。
【0069】
直線傾斜面Saは垂線PL1に対して傾斜している。直線傾斜面Saの垂線PL1に対する傾斜角度θa1は、垂線PL2に対する側面2a2の傾斜角度θa2よりも大きい。傾斜角度θa1は、スプロケット21またはアイドラ22のいずれか一方に対する履板1の巻き付き角αよりも大きい。
【0070】
直線傾斜面Saとの接続部における曲線傾斜面Caの垂線PL1に対する傾斜角度は、傾斜角度θa1よりも大きい。
【0071】
突起部2bの側面2b1は、直線傾斜面Sbと、曲線傾斜面Cbとを有している。直線傾斜面Sbは、側面視において、突起部2bの先端エッジ部Ubから取付面1Sa側に向かって直線状に延びている。
【0072】
曲線傾斜面Cbは、直線傾斜面Sbの取付面1Sa側の端部に接続されている。曲線傾斜面Cbは、直線傾斜面Sbとの接続部から取付面1Sa側に向かって曲線状(円弧状)に延びている。曲線傾斜面Cbは、取付面1Sa側に向かって窪んだ凹状の曲面を有している。
【0073】
直線傾斜面Sbは垂線PL3に対して傾斜している。直線傾斜面Sbの垂線PL3に対する傾斜角度θb1は、垂線PL4に対する側面2b2の傾斜角度θb2よりも大きい。傾斜角度θb1は、スプロケット21またはアイドラ22のいずれか一方に対する履板1の巻き付き角αよりも大きい。
【0074】
直線傾斜面Sbとの接続部における曲線傾斜面Cbの垂線PL3に対する傾斜角度は、傾斜角度θb1よりも大きい。
【0075】
曲線傾斜面Caと曲線傾斜面Cbとの間は平坦面BSにより接続されている。平坦面BSは、曲線傾斜面Caから曲線傾斜面Cbまでの全体にわたって平坦な面で構成されている。平坦面BSは、取付面1Saにおける平坦面と略平行である。
【0076】
図9に示されるように、履板1は窪み部1tを有している。窪み部1tは、突起部2a、2bの各々に設けられている。窪み部1tは、貫通孔1hの周囲の一部に沿って突起部2a、2bを窪ませるように設けられている。
【0077】
図11に示されるように、窪み部1tにより、貫通孔1hに挿入されるボルト部材14aの頭部が突起部2aまたは突起部2bと干渉することが避けられる。窪み部1tとボルト部材14aの頭部との間には隙間がある。
【0078】
図12に示されるように、断面の側面視において、窪み部1tの壁面は履板1の取付面1Saにおける平坦面の垂線PL5に対して傾斜している。突起部2bに設けられた窪み部1tは、突起部2bの先端面2b3から取付面1Saに近づくにしたがって突起部2aに近づくように傾斜している。また突起部2aに設けられた窪み部1tは、突起部2aの先端面2a3から取付面1Saに近づくにしたがって突起部2bに近づくように傾斜している。垂線PL5に対する窪み部1tにおける壁面の傾斜角度θcは、スプロケット21またはアイドラ22のいずれか一方に対する履板1の巻き付き角αよりも大きい角度を有している。突起部2aに設けられた窪み部1tの壁面の傾斜角度も、スプロケット21またはアイドラ22のいずれか一方に対する履板1の巻き付き角αよりも大きい角度を有している。
【0079】
なお上記以外の本実施の形態における履板1の構成は、実施の形態1における履板1の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0080】
本実施の形態においては、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0081】
また本実施の形態においては突起部2aの側面2a1を直線傾斜面Saと曲線傾斜面Caとの組合せにより構成しているため、実施の形態1の履板1よりも履板1に用いる材料の量を減らすことが可能となる。
【0082】
また本実施の形態においては突起部2bの側面2b1を直線傾斜面Sbと曲線傾斜面Cbとの組合せにより構成しているため、実施の形態1の履板1よりも履板1に用いる材料の量を減らすことが可能となる。
【0083】
また本実施の形態においては
図12に示されるように、突起部2a、2bの各々に窪み部1tが設けられている。このためボルト部材14aと突起部2a、2bとの間にも土砂が残存しにくくなる。以下、そのことを
図13と
図14とを用いて説明する。
【0084】
図13は、比較例の履板における土砂の付着しやすさを説明するための側面図である。
図14は、
図9に示す履板における土砂の付着しにくさを説明するための側面図である。
図13に示される比較例の履板101は、
図7に示される履板1と同じであり、履板101に土砂が残存しやすい。さらに突起部2aまたは突起部2bとボルト部材14aの頭部との隙間には、土砂が残存しやすい。
【0085】
これに対して本実施の形態においては、
図14に示されるように、窪み部1tの壁面が、直線VL1(たとえば鉛直線)に対して、取付面1Saに近づくほど突起部2bに近づくように傾斜する。このため窪み部1tの壁面の鉛直方向下側には履板1の他の部分は存在しない。これにより突起部2aまたは突起部2bとボルト部材14aの頭部との隙間から土砂が離れやすくなり、履板1に土砂が残存しにくくなる。
【0086】
(実施の形態3)
次に、本開示の実施の形態3における装軌式作業機械に用いられる履板の構成について
図15および
図16を用いて説明する。
【0087】
図15は、本開示の実施の形態3における装軌式作業機械に用いられる履板の構成を示す側面図である。
図16は、
図15に示す履板を履帯用リンクに取付けた構成を示す側面図である。
【0088】
図15に示されるように、本実施の形態における履板1は、実施の形態2の履板1と比較して、突起部2aにおける側面2a1の構成と、突起部2bにおける側面2b1の構成とにおいて異なっている。
【0089】
本実施の形態では、突起部2aの側面2a1は、曲線傾斜面Ccと、曲線傾斜面Caとを有している。曲線傾斜面Ccは、側面視において、突起部2aの先端エッジ部Uaから取付面1Sa側に向かって曲線状(円弧状)に延びている。曲線傾斜面Ccは、取付面1Sa側から突き出した凸状の曲面を有している。曲線傾斜面Ccは、側面視において取付面1Saとは反対側に向かって膨らんでいる。
【0090】
曲線傾斜面Ccは垂線PL1に対して傾斜している。直線傾斜面Saの垂線PL1に対する傾斜角度θa1は、取付面1Saの垂線PL2に対する側面2a2の傾斜角度θa2よりも大きい。傾斜角度θa1は、曲線傾斜面Ccの先端エッジ部Uaにおける接線TL1と垂線PL1とがなす角度である。傾斜角度θa1は、スプロケット21またはアイドラ22のいずれか一方に対する履板1の巻き付き角αよりも大きい。
【0091】
突起部2bの側面2b1は、曲線傾斜面Cdと、曲線傾斜面Cbとを有している。曲線傾斜面Cdは、側面視において、突起部2bの先端エッジ部Ubから取付面1Sa側に向かって曲線状(円弧状)に延びている。曲線傾斜面Cdは、取付面1Sa側から突き出した凸状の曲面を有している。曲線傾斜面Cdは、側面視において取付面1Saとは反対側に向かって膨らんでいる。
【0092】
曲線傾斜面Cdは垂線PL3に対して傾斜している。直線傾斜面Sbの垂線PL3に対する傾斜角度θb1は、取付面1Saの垂線PL4に対する側面2b2の傾斜角度θb2よりも大きい。傾斜角度θb1は、曲線傾斜面Cdの先端エッジ部Ubにおける接線TL2と垂線PL3とがなす角度である。傾斜角度θb1は、スプロケット21またはアイドラ22のいずれか一方に対する履板1の巻き付き角αよりも大きい。
【0093】
図16に示されるように、履板1が履帯用リンク13に取付けられた状態で、曲線傾斜面Ccの曲線(円弧)は、側面視で、ピン孔13bの中心C1を中心とし、かつ先端エッジ部Uaを通る円CI1(二点鎖線)の円弧である。このため側面視において曲線傾斜面Ccは、円CI1の半径R1の曲率半径を有する円弧である。また曲線傾斜面Cdの曲線(円弧)は、側面視で、ブシュ孔13aの中心C2を中心とし、かつ先端エッジ部Ubを通る円CI2(二点鎖線)の円弧である。このため側面視において曲線傾斜面Cdは、円CI2の半径R2の曲率半径を有する円弧である。
【0094】
図15に示されるように、傾斜角度θa1は、円CI1(
図16)の先端エッジ部Uaにおける接線TL1と垂線PL1とのなす角度以下であることが好ましい。また傾斜角度θb1は、円CI2(
図16)の先端エッジ部Ubにおける接線TL2と垂線PL3とのなす角度以下であることが好ましい。
【0095】
なお上記以外の本実施の形態における履板1の構成は、実施の形態2における履板1の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0096】
本実施の形態においては、実施の形態1と同様の構成を得ることができる。
【0097】
また本実施の形態においては
図15に示されるように、傾斜角度θa1は、円CI1の先端エッジ部Uaにおける接線TL1と垂線PL1とのなす角度以下である。このため履板1から土砂が離れやすくなるとともに、突起部2aの必要高さを確保でき、かつ履板1の重量の過剰な増大を抑えることができる。
【0098】
傾斜角度θb1は、円CI2の先端エッジ部Ubにおける接線TL2と垂線PL3とのなす角度以下である。これによっても履板1から土砂が離れやすくなるとともに、突起部2bの必要高さを確保でき、かつ履板1の重量の過剰な増大を抑えることができる。
【0099】
なお上記実施の形態1~3の各々において、突起部2aが請求項における「第1突起部」に該当するときには、突起部2bが請求項における「第2突起部」に該当し、側面2a1が請求項における「第1側面」または「第2突起部側の側面」に該当し、側面2b1が請求項における「第2側面」に該当する。また上記実施の形態1~3の各々において、突起部2bが請求項における「第1突起部」に該当するときには、突起部2aが請求項における「第2突起部」に該当し、側面2b1が請求項における「第1側面」または「第2突起部側の側面」に該当し、側面2a1が請求項における「第2側面」に該当する。
【0100】
また実施の形態2において、突起部2aが請求項における「突起部」に該当するときには、側面2a1が請求項における「第1側面」に該当し、側面2a2が請求項における「第2側面」に該当する。また実施の形態2において、突起部2bが請求項における「突起部」に該当するときには、側面2b1が請求項における「第1側面」に該当し、側面2b2が請求項における「第2側面」に該当する。
【0101】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0102】
1,1A,1B 履板、1Sa 取付面、1Sb 接地面、1h,13h 貫通孔、1t 窪み部、2a,2b 突起部、2a1,2a2,2b1,2b2 側面、2a3,2b3 先端面、10 履帯、11 ブシュ、12 連結用ピン、13 履帯用リンク、13a ブシュ孔、13b ピン孔、14a ボルト部材、14b ナット部材、15 シール部材、20 走行体、21 スプロケット、22 アイドラ、23 下転輪、24 上転輪、25 トラックフレーム、26 旋回装置、30 装軌式作業機械、31 旋回体、31a キャブ、31b エンジンルーム、31c カウンタウェイト、32 作業機、BS 平坦面、Ca,Cb,Cc,Cd 曲線傾斜面、GL 地面、Ra 一部領域、Sa,Sb 直線傾斜面、Ua,Ub 先端エッジ部。