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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】ブロワ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/52 20060101AFI20241011BHJP
   B08B 5/02 20060101ALI20241011BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20241011BHJP
   E01H 1/08 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
F04D29/52 E
B08B5/02 Z
F04D29/66 L
E01H1/08 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020152372
(22)【出願日】2020-09-10
(65)【公開番号】P2022046362
(43)【公開日】2022-03-23
【審査請求日】2023-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大介
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-245570(JP,A)
【文献】特開2017-136675(JP,A)
【文献】特表2014-511953(JP,A)
【文献】特開2016-078005(JP,A)
【文献】特開2013-019277(JP,A)
【文献】特開2019-100312(JP,A)
【文献】特開2014-037818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 1/00-13/16、
17/00-19/02、
21/00-25/16、
29/00-35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータと、
前記電動モータにより駆動されるファンと、
前記電動モータが内部に配置されており、前記ファンの回転により空気が流れる空気通路を有するモータハウジングと、
空気の流れ方向に関して、前記空気通路の下流端に連通しており、空気が流れる下流通路を有する噴出ノズルと、
前記空気の流れ方向に関して、前記空気通路の上流端に連通しており、空気が流れる上流通路を有するリアハウジングと、
前記モータハウジングと前記噴出ノズルとの間に挟まれている第1防振部材と、
前記モータハウジングと前記リアハウジングとの間に挟まれている第2防振部材と、
前記リアハウジングと前記噴出ノズルとが支持されている支持ハウジングと、を備えており、
前記モータハウジングは、前記支持ハウジングと直接的に連結していない、ブロワ。
【請求項2】
前記支持ハウジングは、前記リアハウジングと前記噴出ノズルとが固定されているグリップハウジングをさらに備えており、
前記モータハウジングは、前記グリップハウジングと直接的に連結していない、請求項1に記載のブロワ。
【請求項3】
第3防振部材をさらに備えており、
前記モータハウジングは、前記グリップハウジングに向かって突出する突部を備えており、
前記グリップハウジングは、前記突部を受け入れる受け部を備えており、
前記第3防振部材は、前記突部と前記受け部との間に挟まれている、請求項2に記載のブロワ。
【請求項4】
前記第1防振部材は、弾性材料から成る、請求項1から3のいずれか一項に記載のブロワ。
【請求項5】
外部電源から前記電動モータに電力を供給する電源コードをさらに備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載のブロワ。
【請求項6】
前記電動モータに電力を供給するバッテリをさらに備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載のブロワ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、ブロワに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ブロワが開示されている。ブロワは、電動モータと、電動モータにより駆動するファンと、電動モータが内部に配置されており、ファンの回転により空気が流れる空気通路を有するモータハウジングと、空気の流れ方向に関して、空気通路の下流端に連通しており、空気が流れる下流通路を有する噴出ノズルと、を備えている。噴出ノズルは、モータハウジングに直接的に連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-78005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のブロワでは、電動モータが回転すると、モータハウジングが振動する。噴出ノズルがモータハウジングに直接的に連結されているので、モータハウジングの振動は、噴出ノズルに伝わる。本明細書では、電動モータの回転により発生するモータハウジングの振動が、他部材に伝わることを抑制することができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、ブロワを開示する。ブロワは、電動モータと、電動モータにより駆動されるファンと、電動モータが内部に配置されており、ファンの回転により空気が流れる空気通路を有するモータハウジングと、空気の流れ方向に関して、空気通路の下流端に連通しており、空気が流れる下流通路を有する噴出ノズルと、モータハウジングと噴出ノズルとの間に挟まれている第1防振部材と、を備えている。
【0006】
上記の構成では、電動モータの回転により発生するモータハウジングの振動が噴出ノズルに伝わることを、第1防振部材により抑制することができる。これにより、モータハウジングの振動が他部材に伝わることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施例のブロワ2を後方右側から見た斜視図である。
図2】第1実施例のブロワ2を前方左側から見た斜視図である。
図3】第1実施例の右側グリップハウジング20を取り外したブロワ2のトリガ14の近傍を右側から見た図である。
図4】第1実施例の右側グリップハウジング20を取り外したブロワ2を後方右側から見た斜視図である。
図5】第1実施例の第3防振部材78の近傍を後側から見たブロワ2の断面図である。
図6】第1実施例のグリップハウジング10を取り外したブロワ2の断面図である。
図7】第2実施例のブロワ2を右側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善されたブロワを提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ブロワは、空気の流れ方向に関して、空気通路の上流端に連通しており、空気が流れる上流通路を有するリアハウジングと、モータハウジングとリアハウジングとの間に挟まれている第2防振部材と、をさらに備えていてもよい。
【0012】
上記の構成では、電動モータの回転により発生するモータハウジングの振動がリアハウジングに伝わることを、第2防振部材により抑制することができる。これにより、モータハウジングの振動が他部材に伝わることを抑制することができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ブロワは、リアハウジングと噴出ノズルとが固定されているグリップハウジングをさらに備えていてもよい。モータハウジングは、グリップハウジングと直接的に連結していなくてもよい。
【0014】
上記の構成では、電動モータの回転により発生するモータハウジングの振動が噴出ノズルやリアハウジングに伝わることが抑制されており、かつモータハウジングとグリップハウジングが直接的に連結されていない。このような構成とすることにより、電動モータの回転により発生するモータハウジングの振動が、グリップハウジングに伝わることを抑制することができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ブロワは、第3防振部材をさらに備えていてもよい。モータハウジングは、グリップハウジングに向かって突出する突部を備えていてもよい。グリップハウジングは、突部を受け入れる受け部を備えていてもよい。第3防振部材は、突部と受け部との間に挟まれていてもよい。
【0016】
上記の構成では、グリップハウジングとモータハウジングとが第3防振部材を介して連結される。これにより、グリップハウジングに対するモータハウジングの位置が変化することを抑制することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1防振部材は、弾性材料から成っていてもよい。
【0018】
上記の構成では、第1防振部材が弾性変形することにより、電動モータの回転により発生するモータハウジングの振動が噴出ノズルに伝わることを抑制することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ブロワは、外部電源から電動モータに電力を供給する電源コードをさらに備えていてもよい。
【0020】
上記の構成では、ブロワがバッテリを備えている場合と比較して、ブロワを軽くすることができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ブロワは、電動モータに電力を供給するバッテリをさらに備えていてもよい。
【0022】
上記の構成では、外部電源が作業区域の付近にない場合であっても、ブロワを使用することができる。
【0023】
(第1実施例)
図1から図6を参照して、第1実施例のブロワ2を説明する。ブロワ2は、落ち葉等を吹き集めるために使用される。図1および図2に示すように、ブロワ2は、グリップハウジング10と、電源コード12と、トリガ14と、クルーズコントロールレバー16と、制御部18(図4参照)と、を備えている。なお、以下の説明では、ブロワ2の長手方向を前後方向と呼び、前後方向に直交する方向をブロワ2の上下方向と呼び、前後方向および上下方向に直交する方向をブロワ2の左右方向と呼ぶ。
【0024】
グリップハウジング10は、右側グリップハウジング20と、左側グリップハウジング22と、から構成されている。右側グリップハウジング20は、グリップハウジング10の右半分の外形形状を規定し、左側グリップハウジング22は、グリップハウジング10の左半分の外形形状を規定する。グリップハウジング10は、第1ハウジング26と、第2ハウジング28と、第3ハウジング30と、第4ハウジング32と、を備えている。第1ハウジング26と、第2ハウジング28と、第3ハウジング30と、第4ハウジング32とは、一体的に形成されている。第1ハウジング26は、長手方向に延びている。
【0025】
第2ハウジング28は、第1ハウジング26の上面前部から後方上側に向かって延びている。第3ハウジング30は、第1ハウジング26の上面後部から後方上側に向かって延びている。第4ハウジング32は、第2ハウジング28の後面上部から第3ハウジング30の前面上部に向かって延びている。第4ハウジング32の断面形状は、略円形状である。第4ハウジング32は、作業者により把持される。電源コード12は、第3ハウジング30の後面に接続されている。電源コード12を介して、ブロワ2に電力が供給される。電源コード12は、例えば、作業者により背負われる背負い式のバッテリ、または外部電源に接続される。
【0026】
第3ハウジング30の上面には、主電源スイッチ36と、主電源LED38とが配置されている。主電源スイッチ36は、ブロワ2のオン状態とオフ状態とを切り替えるための作業者からの操作を受け入れる。主電源LED38は、ブロワ2のオン状態とオフ状態を表示する。
【0027】
トリガ14は、第4ハウジング32の前側下部に取り付けられている。作業者は、第4ハウジング32を把持した手の指でトリガ14を操作することができる。図3に示すように、トリガ14は、トリガ操作部42と、トリガ突部44と、スイッチ押し込み部46と、を備えている。トリガ操作部42と、トリガ突部44と、スイッチ押し込み部46とは、一体的に形成されている。トリガ操作部42は、回動軸AX1の周りに回動可能に、第2ハウジング28に支持されている。トリガ操作部42が作業者により押し込み操作されると、トリガ操作部42は、回動軸AX1の周りを回動する。回動軸AX1は、トリガ操作部42の前端部に配置されている。トリガ14が作業者に完全に押し込まれた場合であっても、トリガ操作部42は、第4ハウジング32の下面から下側に突出している。
【0028】
トリガ突部44とスイッチ押し込み部46とは、第2ハウジング28の内部に配置されている。トリガ突部44は、トリガ操作部42の前端部に配置されている。トリガ突部44は、トリガ操作部42の上面に略直交する方向に延びている。スイッチ押し込み部46は、トリガ操作部42の前端部に配置されている。スイッチ押し込み部46は、トリガ操作部42から前方上側に向かって延びている。トリガ突部44とスイッチ押し込み部46とは、トリガ操作部42と一体となって回動軸AX1の周りを回動する。スイッチ押し込み部46が回動すると、スイッチ押し込み部46は、第1スイッチ118を下側に向かって押し込む。また、トリガ突部44が所定の位置を超えて回動すると、板部材124が後側に向かって押されて、第2スイッチ120が押し込まれる。
【0029】
図2に示すように、クルーズコントロールレバー16は、第2ハウジング28と第4ハウジング32との接続箇所近傍の第2ハウジング28に取り付けられている。クルーズコントロールレバー16は、回動軸AX2の周りを回動可能である。クルーズコントロールレバー16は、レバー操作部50と、ストッパ部56(図3参照)と、を備えている。レバー操作部50は、第2ハウジング28の外部に配置されている。レバー操作部50は、作業者により操作される。図3に示すように、ストッパ部56は、第2ハウジング28の内部に配置されている。ストッパ部56は、レバー操作部50が操作されると、回動軸AX2の周りを回動する。ストッパ部56は、トリガ突部44に後側から当接可能である。ストッパ部56がトリガ突部44に当接して所望の位置に固定されている状態では、トリガ突部44は、後側に戻ることができない。これにより、トリガ14が押し込まれた状態に維持される。
【0030】
図4に示すように、第1ハウジング26の内部には、受け部60が形成されている。受け部60は、第1ハウジング26と第2ハウジング28との接続箇所の後側に配置されている。図5に示すように、受け部60は、基部60aと、第1リブ部60bと、第2リブ部60cと、を備えている。基部60aは、左側グリップハウジング22の内面から右側に向かって延びている。基部60aを左側に見たとき、基部60aの前後方向の中央領域が上側に凹んだ形状を有する。基部60aの下端部と右端部とは開いている。第1リブ部60bは、左側グリップハウジング22の内面から右側に向かって延びている。第1リブ部60bは、基部60aの凹んでいる部分に配置されている。第1リブ部60bの右端部は、基部60aの右端部よりも左側に配置されている。第2リブ部60cは、右側グリップハウジング20の内面から左側に向かって延びている。第2リブ部60cの左端部は、基部60aの右端部を閉じる。基部60aと第1リブ部60bと第2リブ部60cとにより、空間60dが画定される。
【0031】
第1ハウジング26の前面には、開口62が形成されている。開口62は、第1ハウジング26と第2ハウジング28との接続箇所の近傍に配置されている。開口62は、グリップハウジング10の内部と外部とを連通する。また、第1ハウジング26の内部には、制御部18が配置されている。制御部18は、前後方向および左右方向に沿って配置されている。制御部18は、第1ハウジング26と第2ハウジング28との接続箇所の近傍に配置されている。上下方向に関して、制御部18は、開口62よりも上側に配置されている。図示省略されているが、制御部18は、マイコンと複数のスイッチング素子とを有する制御基板と、制御基板が取り付けられるケースから構成されている。スイッチング素子は、例えば、IGBTまたはMOSFETである。スイッチング素子は、マイコンに制御されることにより、オン状態とオフ状態とに切り替えられる。
【0032】
ブロワ2は、モータハウジング66と、リアハウジング68と、噴出ノズル70と、カバー部材72と、第1防振部材74と、第2防振部材76と、第3防振部材78と、をさらに備えている。モータハウジング66は、第1ハウジング26の内部に配置されている。リアハウジング68は、モータハウジング66の後端部に連結されており、第1ハウジング26の後端部から後側に向かって突出している。また、リアハウジング68は、第1ハウジング26に固定されている。噴出ノズル70は、モータハウジング66の前端部に連結されており、第1ハウジング26の前端部から前側に向かって突出している。また、噴出ノズル70は、第1ハウジング26に固定されている。
【0033】
図6に示すように、モータハウジング66は、外側筒部材80と、前側壁部80aと、後側壁部80bと、突部80cと、複数のフィン96と、内側筒部材98と、蓋部材100と、を備えている。外側筒部材80は、前後方向に延びる筒形状を有する。外側筒部材80は、内部に空気通路82を有する。前側壁部80aは、外側筒部材80の外周面の前端部近傍から外側に向かって延びている。前側壁部80aは、外側筒部材80の外周面を周方向に沿って延びている。後側壁部80bは、外側筒部材80の外周面の後端部近傍から外側に向かって延びている。後側壁部80bは、外側筒部材80の外周面を周方向に沿って延びている。突部80cは、外側筒部材80の外周面からグリップハウジング10に向かって上側に突出している。突部80cは、前側壁部80aと後側壁部80bとの間の中央に配置されている。図5に示すように、突部80cは、受け部60に受け入れられる。突部80cの上端部は、受け部60の空間60dに配置されている。
【0034】
図6に示すように、第1防振部材74は、外側筒部材80の外周面の前端部に取り付けられている。第1防振部材74は、例えば、弾性材料から成る。第1防振部材74は、例えば、Oリングである。第1防振部材74は、外側筒部材80の外周面を囲んでいる。第1防振部材74は、前側壁部80aに前側から当接している。第2防振部材76は、外側筒部材80の外周面の後端部に取り付けられている。第2防振部材76は、第1防振部材74と同様の材料から成る。第2防振部材76は、例えば、Oリングである。第2防振部材76は、外側筒部材80の外周面を囲んでいる。第2防振部材76は、後側壁部80bに後側から当接している。第3防振部材78は、外側筒部材80の突部80cに取り付けられている。図4に示すように、第3防振部材78の前側と後側とは、基部60aにより覆われている。第3防振部材78は、第1防振部材74と同様の材料から成る。図5に示すように、第3防振部材78は、底部78aと、中間部78bと、頭部78cと、を備えている。中間部78bは、底部78aの上側に配置されている。中間部78bの外周面の直径は、底部78aの外周面の直径よりも小さい。頭部78cは、中間部78bの上側に配置されている。頭部78cの外周面の下端部の直径は、中間部78bの外周面の直径と同一である。頭部78cの外周面の直径は、上側に向かうのにつれて小さくなる。また、第3防振部材78には、上下方向に延びる貫通孔79が形成されている。貫通孔79には、突部80cが挿入されている。第3防振部材78が突部80cに取り付けられている状態で、第3防振部材78は、受け部60の空間60dに挿入されている。第3防振部材78は、突部80cと基部60aとの間に挟まれている。これにより、第3防振部材78が前後方向に移動することが抑制される。また、図5に示すように、第3防振部材78が右側に移動しようとするとき、底部78aが第2リブ部60cに当接し、第3防振部材78が左側に移動しようとするとき、中間部78bが第1リブ部60bに当接する。これにより、第3防振部材78が左右方向に移動することが抑制される。従って、モータハウジング66がグリップハウジング10に対して前後方向に移動することが抑制されるとともに、モータハウジング66がグリップハウジング10に対して前後方向に延びる軸の周りを回転することが抑制される。
【0035】
図6に示すように、リアハウジング68は、後側から前側に向かうにつれて内周面の直径が小さくなる筒形状を有する。リアハウジング68の内周面の前端部での直径は、外側筒部材80の外周面の直径よりも大きい。リアハウジング68は、内部に上流通路84を有する。上流通路84は、空気通路82の上流端に連通している。リアハウジング68の内周面の前端部近傍には、壁部68aが形成されている。壁部68aは、リアハウジング68の内周面から内側に向かって延びている。壁部68aは、リアハウジング68の内周面を周方向に沿って延びている。リアハウジング68の内周面の前端部は、第2防振部材76が当接している。第2防振部材76は、前後方向に関して、リアハウジング68の壁部68aと外側筒部材80の後側壁部80bとの間に挟まれている。第2防振部材76を用いることにより、リアハウジング68と外側筒部材80との間に形成される隙間を埋めることができる。これにより、リアハウジング68の上流通路84からモータハウジング66の空気通路82に流れる空気が、リアハウジング68とモータハウジング66の間の隙間から外側に漏れ出ることが抑制される。図4に示すように、第2防振部材76がリアハウジング68の壁部68aと外側筒部材80の後側壁部80bとの間に挟まれている状態では、第2防振部材76は、第1ハウジング26から離れており、第1ハウジング26に当接していない。リアハウジング68の後端部には、カバー部材72が取り付けられている。カバー部材72は、リアハウジング68の後端開口を覆っている。カバー部材72は、複数の吸気孔72aを有する。複数の72aは、カバー部材72を前後方向に貫通している。複数の吸気孔72aは、ブロワ2の外部とリアハウジング68の上流通路84とを連通している。
【0036】
図6に示すように、噴出ノズル70は、第1噴出ノズル86と、第2噴出ノズル88(図1参照)と、を備えている。第2噴出ノズル88は、第1噴出ノズル86の前部に着脱可能に取り付けられている。第1噴出ノズル86と第2噴出ノズル88とは、筒形状を有する。図6に示すように、第1噴出ノズル86と第2噴出ノズル88とは、内部に下流通路90を有する。下流通路90は、空気通路82の下流端に連通している。第1噴出ノズル86の内周面の後端部での直径は、外側筒部材80の外周面の直径よりも大きい。第1噴出ノズル86の内周面の後端部近傍には、壁部86bが形成されている。壁部86bは、第1噴出ノズル86の内周面から内側に向かって延びている。壁部86bは、第1噴出ノズル86の内周面に沿って延びている。第1噴出ノズル86の内周面の後端部には、第1防振部材74が当接している。第1防振部材74は、前後方向に関して、第1噴出ノズル86の壁部86bと外側筒部材80の前側壁部80aとの間に挟まれている。第1防振部材74を用いることにより、第1噴出ノズル86と外側筒部材80との間に形成される隙間を埋めることができる。これにより、モータハウジング66の空気通路82から第1噴出ノズル86の下流通路90に流れる空気が、第1噴出ノズル86とモータハウジング66の間の隙間から外側に漏れ出ることが抑制される。図4に示すように、第1防振部材74が第1噴出ノズル86の壁部86bと外側筒部材80の前側壁部80aとの間に挟まれている状態では、第1防振部材74は、第1ハウジング26から離れており、第1ハウジング26に当接していない。なお、第1噴出ノズル86の上端部には、開口86aが形成されている。開口86aは、制御部18の下側に配置されている。
【0037】
図6を参照して、複数のフィン96と、内側筒部材98と、蓋部材100とについて説明する。複数のフィン96と内側筒部材98と外側筒部材80とは、一体的に形成されている。複数のフィン96は、外側筒部材80の内周面から外側筒部材80の中心軸に向かって延びている。図示省略しているが、複数のフィン96は、外側筒部材80の内周面の周方向に互いに等間隔に配置されている。
【0038】
内側筒部材98は、外側筒部材80の内部に配置されている。内側筒部材98は、前後方向に延びている。内側筒部材98の外周面には、外側筒部材80の内周面から延びる複数のフィン96が接続されている。内側筒部材98の後端部には、蓋部材100が取り付けられている。蓋部材100は、内側筒部材98の後端開口102を閉じる。蓋部材100の後端部には、複数の孔(図示省略)が形成されている。内側筒部材98の前端部には、コーン104が取り付けられている。コーン104の外周面の直径は、後側から前側に向かうにつれて小さくなる。コーン104の先端部には、先端開口が形成されている。
【0039】
ブロワ2は、電動モータ106と、ファン108と、をさらに備えている。電動モータ106は、例えば、インナロータ型のブラシレスモータである。電動モータ106は、内側筒部材98の内部に配置されている。電動モータ106の動作は、制御部18のマイコン(図示省略)がスイッチング素子(図示省略)のオン状態とオフ状態とを切り替える制御を実行することにより、制御される。第1スイッチ118が押し込まれている場合、電動モータ106は、第1スイッチ118の押し込み量に応じた回転数に制御される。なお、第1スイッチ118の押し込み量が大きくなるにつれて、電動モータ106の回転数が大きくなる。一方、第2スイッチ120が押し込まれている場合、電動モータ106は、所定の回転数に制御される。本実施例では、第2スイッチ120が押し込まれた場合の電動モータ106の回転数は、第1スイッチ118が押し込まれた場合の電動モータ106の回転数の最大値よりも大きい。
【0040】
ファン108は、例えば、軸流ファンである。ファン108は、電動モータ106の駆動により、電動モータ106のシャフト114と一体となって回転する。
【0041】
次に、ブロワ2を用いた送風動作を説明する。ブロワ2がオン状態のときに、作業者によりトリガ14が操作されると、制御部18の制御により、電動モータ106が駆動する。電動モータ106のシャフト114と一体となってファン108が回転する。ファン108が回転すると、ファン108の後側に負圧が発生する。これにより、空気は、カバー部材72の複数の吸気孔72aからリアハウジング68の上流通路84に流入し、外側筒部材80の空気通路82に流れる。その後、空気は、ファン108により、さらに下流側に送り出され、下流通路90を流れ、第2噴出ノズル88の先端開口から流出する。また、ファン108により送り出された空気の一部は、蓋部材100の後端部に形成されている複数の孔(図示省略)から内側筒部材98の内部に侵入し、内側筒部材98の内部を前側に向かって流れた後、コーン104の先端開口から下流通路90に流れる。これにより、電動モータ106が冷却される。さらに、下流通路90を流れる空気の一部は、開口86aを通り、第1噴出ノズル86の外部に流出する。流出した空気は、制御部18の下面と第1噴出ノズル86の外周面との間を流れ、開口62からグリップハウジング10の外部に流出する。これにより、制御部18が冷却される。
【0042】
電動モータ106が駆動している間、電動モータ106は振動している。電動モータ106の振動は、内側筒部材98、複数のフィン96、外側筒部材80の順番に伝わる。これにより、モータハウジング66自体が振動する。しかしながら、本実施例のブロワ2では、第1防振部材74により、モータハウジング66の振動が噴出ノズル70に伝わることが抑制されており、第2防振部材76により、モータハウジング66の振動がリアハウジング68に伝わることが抑制されており、第3防振部材78により、モータハウジング66の振動がグリップハウジング10に伝わることが抑制されている。この結果、第4ハウジング32を把持している作業者に振動が伝わることが抑制される。
【0043】
(効果)
本実施例のブロワ2は、電動モータ106と、電動モータ106により駆動されるファン108と、電動モータ106が内部に配置されており、ファン108の回転により空気が流れる空気通路82を有するモータハウジング66と、空気の流れ方向に関して、空気通路82の下流端に連通しており、空気が流れる下流通路90を有する噴出ノズル70と、モータハウジング66と噴出ノズル70との間に挟まれている第1防振部材74と、を備えている。この構成では、電動モータ106の回転により発生するモータハウジング66の振動が噴出ノズル70に伝わることを、第1防振部材74により抑制することができる。これにより、モータハウジング66の振動が他部材に伝わることを抑制することができる。
【0044】
また、図6に示すように、ブロワ2は、空気の流れ方向に関して、空気通路82の上流端に連通しており、空気が流れる上流通路84を有するリアハウジング68と、モータハウジング66とリアハウジング68との間に挟まれている第2防振部材76と、をさらに備えている。この構成では、電動モータ106の回転により発生するモータハウジング66の振動がリアハウジング68に伝わることを、第2防振部材76により抑制することができる。これにより、モータハウジング66の振動がリアハウジング68に伝わることを抑制することができる。
【0045】
また、ブロワ2は、リアハウジング68と噴出ノズル70とが固定されているグリップハウジング10をさらに備えている。図4に示すように、モータハウジング66は、グリップハウジング10と直接的に連結していない。この構成では、電動モータ106の回転により発生するモータハウジング66の振動が噴出ノズル70やリアハウジング68に伝わることが抑制されており、かつモータハウジング66とグリップハウジング10が直接的に連結されていない。このような構成とすることにより、電動モータ106の回転により発生するモータハウジング66の振動が、グリップハウジング10に伝わることを抑制することができる。
【0046】
また、ブロワ2は、第3防振部材78をさらに備えている。モータハウジング66は、グリップハウジング10に向かって突出する突部80cを備えている。グリップハウジング10は、突部80cを受け入れる受け部60を備えている。図4および図5に示すように、第3防振部材78は、突部80cと受け部60との間に挟まれている。この構成では、グリップハウジング10とモータハウジング66とが第3防振部材78を介して連結される。これにより、グリップハウジング10に対するモータハウジング66の位置が変化することを抑制することができる。
【0047】
また、第1防振部材74は、弾性材料から成る。この構成では、第1防振部材74が弾性変形することにより、電動モータ106の回転により発生するモータハウジング66の振動が噴出ノズル70に伝わることを抑制することができる。
【0048】
また、図1に示すように、ブロワ2は、外部電源から電動モータ106に電力を供給する電源コード12をさらに備えている。この構成では、ブロワ2がバッテリを備えている場合と比較して、ブロワ2を軽くすることができる。
【0049】
(第2実施例)
図6を参照して、第2実施例を説明する。第2実施例では、第1実施例と異なる点のみを説明し、第1実施例と同様の点については、同様の符号を付して説明を省略する。第2実施例は、ブロワ2が電源コード12に替えてバッテリパックBを備えている点で第1実施例と異なる。バッテリパックBは、リチウムイオンバッテリセルを含んでいる。バッテリパックBの電力は、電動モータ106に供給される。バッテリパックBは、第3ハウジング30の後面に着脱可能に取り付けられる。バッテリパックBを第3ハウジング30に対して右側にスライドさせることにより、バッテリパックBは、第3ハウジング30に取り付けられ、バッテリパックBを第3ハウジング30に対して左側にスライドさせることにより、第3ハウジング30から取り外される。なお、変形例では、バッテリパックBを第3ハウジング30に対して下側にスライドさせることにより、バッテリパックBが第3ハウジング30に取り付けられ、バッテリパックBを第3ハウジング30に対して上側にスライドさせることにより、バッテリパックBが第3ハウジング30から取り外されてもよい。また、バッテリパックBは、第1ハウジング26や第2ハウジング28に着脱可能に取り付けられてもよい。なお、変形例では、ブロワ2は、着脱不能な内蔵型のバッテリであってもよい。
【0050】
本実施例のブロワ2は、電動モータ106に電力を供給するバッテリパックBをさらに備えている。バッテリパックBは、バッテリとして機能する。この構成では、外部電源が作業区域の付近にない場合であっても、ブロワ2を使用することができる。
【0051】
一実施形態に係るブロワ2は、第3防振部材78を備えていなくてもよい。この場合、モータハウジング66は、グリップハウジング10に接続されていない。
【符号の説明】
【0052】
2 :ブロワ
10 :グリップハウジング
12 :電源コード
14 :トリガ
16 :クルーズコントロールレバー
18 :制御部
60 :受け部
60a :基部
60b :第1リブ部
60c :第2リブ部
60d :空間
62 :開口
66 :モータハウジング
68 :リアハウジング
68a、86b:壁部
70 :噴出ノズル
72、100:カバー部材
74 :第1防振部材
76 :第2防振部材
78 :第3防振部材
78a :底部78a
78b :中間部78b
78c :頭部
79 :貫通孔
80 :外側筒部材
80a :前側壁部
80b :後側壁部
80c :突部
82 :空気通路
84 :上流通路
86 :第1噴出ノズル
88 :第2噴出ノズル
90 :下流通路
96 :フィン
98 :内側筒部材
106 :電動モータ
108 :ファン
B :バッテリパック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7