(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】連結金具及び連結構造
(51)【国際特許分類】
E06B 9/01 20060101AFI20241011BHJP
E04B 9/26 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
E06B9/01 B
E04B9/26 A
(21)【出願番号】P 2020185663
(22)【出願日】2020-11-06
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000177139
【氏名又は名称】三洋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金井 貴浩
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-292751(JP,A)
【文献】実開昭61-159516(JP,U)
【文献】特開2002-038648(JP,A)
【文献】特開平09-041544(JP,A)
【文献】特開平09-047976(JP,A)
【文献】実開昭59-100011(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/01,9/04
E04B 9/00-9/36
E04B 1/38-1/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に延在するリップ溝形状のバー材に連結される連結金具であって、
前記連結金具は、
建物の基礎部又は基礎部に配置された建築材料に固定される固定部と、
前記固定部の
前記第1の方向に間隔を置いた位置で、前記固定部から離間する第2の方向に
それぞれ立設され
た一対の舌状部と、を有し、
それぞれの前記舌状部には、
前記第1の方向と直交する第3の方向の一方側の縁部
を切り欠いた一方側の係止凹部
及び前記第3の方向の他方側の縁部を切り欠いた他方側の係止凹部がそれぞれ形成
されており、
前記舌状部の先部
には、
前記バー材の
一方側のリップ部と
摺動する、始点及び終点を備えた円弧状のガイド部
が形成
されており、
前記舌状部は他方側の前記係止凹部の先部寄りの隅部の部分を支点として回動するものであり、
前記ガイド部の始点は他方側の先部側に位置し、前記ガイド部の終点は一方側の固定部側に位置し、
前記支点から前記ガイド部の始点までの距離よりも、前記支点から前記ガイド部の終点までの距離が長く形成されており、
前記舌状部の
他方側の
前記係止凹部
が前記バー材の
他方側のリップ部に係合
した状態で、
前記舌状部
が回動さ
れると、
前記舌状部の前記ガイド部
が、前記始点から
前記終点まで
、前記バー材の
一方側のリップ部
と摺動
する関係にあり、
前記舌状部の回動を終えた状態で、前記舌状部の
一方側の前記係止凹部
が前記バー材の
一方側の
前記リップ部
に係止固定
されている、ことを特徴とする連結金具。
【請求項2】
前記舌状部の先部の他方側の縁部に側部係合部
が形成
されており、
前記係止凹部の両方が前記バー材の両リップ部にそれぞれ係止された
状態で、前記側部係合部が前記バー材の
他方側の側板部の内面に接
していることを特徴とする請求項
1に記載の連結金具。
【請求項3】
前記舌状部の先端部に頂部係合部
が形成
されており、
前記係止凹部の両方が前記バー材の両リップ部にそれぞれ係止された
状態で、前記頂部係合部が前記バー材の底板部の内面に接
していることを特徴とする請求項
1又は2に記載の連結金具。
【請求項4】
前記係止凹部の隅部であって、上記舌状部の先部寄りの隅部
が鋭角形状に形成
されており、
前記バー材のリップ部の先端に前記バー材の内部側へ向けて屈曲した屈曲片が形成されており、または前記バー材のリップ部が前記バー材の側板部の頂部から内向きに鋭角状に屈曲して形成されており、
上記舌状部の先部寄りの隅部の部分に、前記バー材のリップ部
の先端部
が突入係止
されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の連結金具。
【請求項5】
建物の前記基礎部としての壁部に、縦向き又は横向きに複数の胴縁を取り付け、
前記胴縁の前部であって、当該胴縁と交差する方向に配置される前記バー材の取り付け箇所に、請求項1乃至4の何れかに記載の連結金具の前記固定部を固定し、
前記バー材を前記交差する方向に配置し、当該バー材の前記リップ部を前記連結金具の前記係止凹部にそれぞれ係止固定して連結
したことを特徴とする連結構造。
【請求項6】
前記バー材をルーバー材又はルーバー材の一部として利用し、前記壁部にルーバーを形成
したことを特徴とする請求項5記載の連結構造。
【請求項7】
建物の基礎部としての天井部に横向きに受け材を配置し、当該受け材に、これと交差する方向に前記バー材をその開口部を下向きにして複数取り付け、
前記バー材の前記リップ部に、請求項
1乃至4の何れかに記載の連結金具の前記係止凹部をそれぞれ係止固定して、前記バー材に複数の前記連結金具を連結し、
天井ボード材を前記バー材の下側に配置し、この状態で、前記バー材に取り付けた前記連結金具の前記固定部に、前記天井ボード材の下部側から挿通させた止着具を止着し、前記天井ボード材を前記連結金具に固定して前記天井部に取り付け
たことを特徴とする連結構造。
【請求項8】
前記天井ボード材の前記止着具を挿通させる箇所に、予め挿通孔部を設けておき、当該挿通孔
部に前記止着具を差し込み挿通させ、当該止着具を前記連結金具の固定部に止着
したことを特徴とする請求項7に記載の連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の基礎部或いは建築用の材料に取り付けられ、これに建築用のバー材を連結するための連結金具及びその連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の下地等において、胴縁等の建築用の材料に他の材料を連結する場合、所定の金具を用いて組付けが行われている。
【0003】
例えば、
図10に示すように、特許文献1には、ルーバー(ルーバー材60)の骨格を構成するストリンガー62の取付装置の記載がある。これは、ストリンガー62を胴縁64に取り付けたストリンガーブラケット66に組付ける場合、先ずストリンガー62の下面側に、下方に開放口68を備える案内レール部材70を配置する。そして、案内レール部材70に連結ボルト72の頭部及び座板を嵌挿し、前記開放口68から垂下して、ストリンガーブラケット66のボルト挿通孔に締付ナット74を締結し、ストリンガー62をストリンガーブラケット66に組み付ける。これにより、簡単な組付作業でストリンガーが組付けられるというものである。
【0004】
また、特許文献2に記載の棒状体の交差連結金具は、棒状体の一方がリップ溝形鋼で、上面板にねじがねじ込まれ、側板は上面板の対角位置に設け、交差連結金具を溝形鋼に跨がせたときに傾斜させ、先端がリップ片の開口部から入るようにし、側板にはリップ片を内側から支持する鍔を備えた切欠きを設けたものであり、十分な固定力を備えるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3194286号公報
【文献】実開平6-37416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、特許文献1,2に係る装置等においては、連結する部材同士の交差箇所の構造に関して、各部材の形状がある程度特定されている。このため、連結部材の形状等が異なる場合或いは、場所により連結構造が特定される場合には、それぞれ異なった金具を準備する必要があり、また取付け方法も異なることから施工も容易ではなくなる。
また熟練した職人不足の問題もあり、建築用の材料同士等の連結に際して施工が容易に行え、また期間が短縮できコスト削減も可能な連結金具等の開発が望まれていた。
【0007】
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであり、建築用の材料同士等の連結が簡単な構造で行えて組付け作業が容易であり、また種々の連結箇所に適用できて汎用性にも優れ、経済性にも優れた連結金具及びこれを用いた連結構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の技術的課題を解決するため、本発明に係る連結金具は
図1等に示すように、
第1の方向に延在するリップ溝形状のバー材4に連結される連結金具であって、前記連結金具は、建物の基礎部3
(図5~図7参照)又は基礎部に配置された建築材料に固定される固定部20と、前記固定部20の
前記第1の方向に間隔を置いた位置で、前記固定部20から離間する第2の方向に
それぞれ立設され
た一対の舌状部22,22と、を有し、
それぞれの前記舌状部22
,22には、
前記第1の方向と直交する第3の方向の一方側の縁部
を切り欠いた一方側の係止凹部24
及び前記第3の方向の他方側の縁部を切り欠いた他方側の係止凹部24がそれぞれ形成
されており、前記舌状部22の先部
には、
前記バー材4の
一方側のリップ部12と
摺動する、始点S及び終点Eを備えた円弧状のガイド部26
が形成
されており、
前記舌状部22は他方側の前記係止凹部24の先部寄りの隅部24aの部分を支点Qとして回動するものであり、前記ガイド部26の始点Sは他方側の先部側に位置し、前記ガイド部26の終点Eは一方側の固定部側に位置し、前記支点Qから前記ガイド部26の始点Sまでの距離mよりも、前記支点Qから前記ガイド部26の終点Eまでの距離nが長く形成されており、前記舌状部22の
他方側の
前記係止凹部24
が前記バー材4の
他方側のリップ部12に係合
した状態で、
前記舌状部22
が回動さ
れると、
前記舌状部22の前記ガイド部26
が、前記始点
Sから
前記終点
Eまで
、前記バー材4の
一方側のリップ部12
と摺動
する関係にあり、前記舌状部22の回動を終えた状態で、前記舌状部22の
一方側の前記係止凹部24
が前記バー材4の
一方側の
前記リップ部12
に係止固定
されている構成である。
【0009】
ここで、建物の基礎部とは壁部、天井部等の躯体等をさし、建築材料とは縦材、横材、胴縁、ルーバー材、野縁材、天井ボード材等の建築材料をさす。
【0010】
また、本発明に係る連結金具は、前記舌状部22の先部の他方側の縁部に側部係合部30を形成し、前記係止凹部24の両方が前記バー材4の両リップ部12にそれぞれ係止されたとき、前記側部係合部30が前記バー材4の側板部の内面に接する構成である。
【0011】
また、本発明に係る連結金具は、前記舌状部22の先端部に頂部係合部28を形成し、前記係止凹部24の両方が前記バー材4の両リップ部12にそれぞれ係止されたとき、前記頂部係合部28が前記バー材4の底板部の内面に接する構成である。
【0012】
また、本発明に係る連結金具は、前記係止凹部24の隅部であって、上記舌状部22の先部寄りの隅部を鋭角形状に形成し、当該鋭角状の部位24aに、前記バー材4のリップ部12の先部に設けた内向きに屈曲する屈曲片16の先端部を突入係止させる構成である。
【0013】
また、本発明に係る連結構造は、建物の前記基礎部3としての壁部に、縦向き又は横向きに複数の胴縁32を取り付け、前記胴縁32の前部であって、当該胴縁と交差する方向に配置される前記バー材4の取り付け箇所に、前記連結金具2の前記固定部20を固定し、前記バー材4を前記交差する方向に配置し、当該バー材4の前記リップ部12を前記連結金具2の前記係止凹部24にそれぞれ係止固定して連結する構成である。
【0014】
本発明に係る連結金具2は、前記バー材4をルーバー材36又はルーバー材の一部として利用し、前記壁部にルーバーを形成する構成である。
【0015】
また、本発明に係る連結構造は、建物の基礎部3としての天井部に横向きに受け材を配置し、当該受け材に、これと交差する方向に前記バー材4をその開口部14を下向きにして複数取り付け、前記バー材4の前記リップ部12に、前記連結金具2の前記係止凹部24をそれぞれ係止固定して、前記バー材4に複数の前記連結金具2を連結し、天井ボード材40を前記バー材4の下側に配置し、この状態で、前記バー材4に取り付けた前記連結金具2の前記固定部20に、前記天井ボード材40の下部側から挿通させた止着具34を止着し、前記天井ボード材40を前記連結金具2に固定して前記天井部に取り付ける構成である。
【0016】
本発明に係る連結金具は、前記天井ボード材40の前記止着具を挿通させる箇所に、予め挿通孔部50を設けておき、当該挿通孔に前記止着具34を差し込み挿通させ、当該止着具34を前記連結金具2の固定部20に止着する構成である。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る連結金具によれば、固定部と舌状部を有し、舌状部の一方の係止凹部を、バー材の一方のリップ部に係合させ、これを支点に、当該舌状部を回動させながら、ガイド部の始点から終点までを、バー材の他方のリップ部に係合しつつ摺動させ、バー材の開口部の間隔をバー材の弾性力に抗して広げ、舌状部の他方の係止凹部をバー材の他方のリップ部に係止させ、舌状部をバー材に係止固定させる構成を採用したから、建物の基礎部と建築材料、或いは建築材料同士の連結組み付けが簡単な構造で行え、このため組付け作業が容易であり、また種々の連結箇所に適用できて汎用性にも優れ、併せて期間が短縮でき併せてコスト削減が図れるなど施工性及び経済性にも優れるという効果を奏する。
【0018】
本発明に係る連結金具によれば、舌状部に側部係合部を形成し、係止凹部の両方がバー材の両リップ部にそれぞれ係止されたとき、側部係合部がバー材の側板部の内面に接するようにし、また舌状部に頂部係合部を形成し、係止凹部の両方が前記バー材の両リップ部にそれぞれ係止されたとき、頂部係合部がバー材の底板部の内面に接するようにしたから、バー材と連結金具との係止固定が正確に行えてガタツキ等も防止されるという効果がある。
【0019】
本発明に係る連結金具によれば、係止凹部の隅部を鋭角形状に形成し、当該鋭角状の部位にバー材のリップ部の屈曲片を突入係止させる構成としたから、係止凹部に対するリップ部の係止固定が強固に行えるという効果がある。
【0020】
本発明に係る連結構造によれば、胴縁の前部であって、胴縁と交差する方向に配置されるバー材の取り付け箇所に連結金具を固定し、バー材を交差する方向に配置しリップ部を連結金具の係止凹部にそれぞれ係止固定して連結する構造を採用したから、連結金具を介して胴縁とバー材との組み付けが簡単な構造で行え、連結組み付け作業が容易かつ迅速に行えて施工期間も短縮できコスト削減が図れるなど、施工性及び経済性にも優れるという効果を奏する。
【0021】
本発明に係る連結構造によれば、天井部に数取り付けたバー材のリップ部に、連結金具を係止固定して連結し、天井ボード材をバー材の下側に配置した状態で、連結金具の固定部に天井ボード材の下部側から止着具を止着し、天井ボード材を天井部に取り付ける構成を採用したから、バー材と天井ボード材との連結組み付けが簡単な構造で行え、組付け作業が容易で期間も短縮でき併せてコスト削減が図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施の形態に係る連結金具及び連結構造を示す図である。
【
図4】連結金具とバー材との連結係止の途中の形態を示す図である。
【
図5】連結金具とバー材との連結構造を示す断面図である。
【
図6】建築材料及び連結構造に係り、(
1)は胴縁の各種形態を、(
2)は種々の止着具を用いた連結金具と胴縁等との連結構造を示す図である。
【
図7】同図(a)(b)(c)は、バー材をルーバーに関する材料として用いた場合の各種連結構造の例を示す図である。
【
図8】実施の形態に係り、胴縁に組付けたバー材を壁部のルーバー材として利用した連結構造を示す図である。
【
図9】実施の形態に係り、バー材を天井部の野縁材として用い、これに連結金具を介して天井ボード材を取り付けた連結構造を示す図である。
【
図10】従来例に係り、ルーバーにおけるストリンガーの取付装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施の形態に係る連結金具2及びその連結構造を示すものである。
この連結金具2は、建物の躯体を構成する壁部或いは天井部等の基礎部3に取り付けられ、又は建築材料として下地材或いは仕上げ材等に取り付けて使用される。建物には、木造、鉄骨、RC等の建物が含まれる。
連結金具2は、建築用の長尺材としてバー材4を係止連結する。このバー材4としては、建築用の縦材、横材、ルーバー材、野縁材等の下地材、仕上げ材が含まれる。
【0024】
前記バー材4は、底板部8、この底板部8の左右部からそれぞれ立設された側板部10,10、及び左右の側板部10の頂部からそれぞれ内向きに屈曲形成されたリップ部12,12からなる。バー材4は断面C型状(リップ溝形状)であり、両リップ部12,12間には内部へ通じる開口部14を有する。
【0025】
バー材4の側板部10は底板部8から直角に立設され、リップ部12の先端には屈曲片16が形成され、この屈曲片16は丸みを帯びた状態で内部側(底板部8)に向けて屈曲形成されている。屈曲片16の丸みを帯びた形状は、バー材4に連結金具2に取り付ける際、連結金具2の回動(摺動を伴う)を円滑に行わせる。
【0026】
なお、バー材4のリップ部12の形状としては、側板部10の頂部から、内向きに直角に屈曲形成された形状の他、内向きに鋭角状に屈曲形成された形状、或いは前記のようにリップ部12の先端をバー材4の内部向きに屈曲形成した屈曲片16を設けた形態等がある。これら何れのリップ部12の形状であっても、連結金具2の係止凹部24との係止連結は可能である。
バー材4の材料は、鋼材(例えば軽量鋼材)以外に、アルミニウム等の軽量金属、或いは合成樹脂材などが用いられる。これらの材料は、適度な弾性を有している。
【0027】
図2にも示すように、連結金具2は、板材を断面コの字状に屈曲成形したものであり、平坦な固定部20、この固定部20の左右の側から直角に立設形成された一対の舌状部22,22からなる。
連結金具2の材料はここでは鋼板材を用いているが、他にステンレス材、アルミニウム等の金属、また塩化ビニル等の合成樹脂材等の使用も可能である。
【0028】
連結金具2の固定部20は、平坦で矩形状であり、中央部には止着具用の孔部21が設けられている。固定部20は、止着具34を用いて建物の基礎部3或いは建築材料等に固定される。前記止着具34としては、例えばビス(木材、鋼材、コンクリート材用等)、ボルト、アンカーボルト等がある。
固定部20の孔部21の形状は、長孔の他、円形のもの等、止着具の種類(ビス、ボルト、アンカーボルト等)の止着形態により種々の形状がある。また、セルフドリリングビス等を用いる場合、或いは接着材等を用いる場合等は、固定部20に敢えて孔部21を設ける必要はない。
【0029】
図3に示すように、連結金具2の舌状部22は、前記固定部20の左右側からそれぞれ一方向に屈曲形成され、各舌状部22の中間部の前後の箇所には、それぞれ縁部を凹状(コの字状)に切り欠いた係止凹部24,24が形成されている。
前記連結金具2の舌状部22には、その先部の一方側の側縁部には、前記バー材4のリップ部12に係合して摺動可能な円弧状のガイド部26が形成されている。このガイド部26は円弧状の縁部であり、連結金具2を回動させて舌状部22をバー材4の内部に突入させる際に、リップ部12を摺動移動する舌状部22のガイドを行い、併せてバー材4の開口部14の間隔(L)を広げる作用がある。
【0030】
舌状部22のガイド部26の形状は、円の中心を(P)とした半径(r)の円弧である。このガイド部26は、係止凹部24の先部寄りの隅部(鋭角状の部位24a)の近くを支点(Q)として回動し、リップ部12と係合しつつ、ガイド部26の始点(S)から終点(E)まで移動する。
【0031】
さらにガイド部26は、前記中心(P)の位置に対して前記支点(Q)の位置を、前記終点(E)から遠ざかる位置に偏移(図中右寄りに)させている。また、前記支点(Q)からガイド部26の縁部の始点(S)までの距離(m)は前記半径(r)と略同程度としている。
このため、前記支点(Q)から始点(S)までの距離(m)に比べて、前記支点(Q)からガイド部26の終点(E)までの距離(n)が長く(m<n)形成されている。
【0032】
なお、舌状部22の支点(Q)からガイド部26の始点(S)までの距離(m)は、バー材4の両リップ部12,12間の距離(L)と同程度か、少し短く形成している。このため、ガイド部26の始点(S)近傍はバー材4のリップ部12には、力を加えなくても自然に係合可能なようにしている。連結の際には、バー材4に対して連結金具2を回動(又は連結金具2に対してバー材4を回動)させながら、ガイド部26を次第にバー材4の内部へと侵入させ、ガイド部26によりバー材4の左右のリップ部12の間隔(L)を広げる。
【0033】
また、連結金具2には、舌状部22の先部側の先端には頂部係合部28が形成されている。さらに、舌状部22の先部の他方側(ガイド部26とは逆側)の縁部には、直線状の辺からなる側部係合部30が形成されている。
【0034】
また、前記係止凹部24はコの字状で、係止凹部24の両側の隅部の内、舌状部22の先部寄りの隅部は鋭角形状に切欠かれた鋭角状の部位24aが形成され、固定部20寄りの隅部は鈍角状に切欠かれた鈍角状の部位24bが形成されている。そして、当該鋭角状の部位24aを形成する辺部として、係止凹部24の両隅部間に形成される奥の辺部24c、及び外向きに形成される外向辺部24dを有する。
【0035】
一方、例えば、バー材4のリップ部12の形状を、側板部10の頂部から、内向きに鋭角状に屈曲形成された形状、或いはリップ部12の先端をバー材4の内部向きに屈曲形成した屈曲片16を設けた形状、つまりリップ部12の先部を、バー材4の内部向きに屈曲形成した形状を採用することができる。
ここで、前記係止凹部24の鋭角状の部位24aに、リップ部12をバー材4の内部向きに屈曲形成した形状のリップ部12の先端部を突入係止させた場合、このリップ部12は鋭角状の部位24aからの脱出が困難となり、係止が強固に行われる。
つまり、リップ部12,12は弾性保持されており、例えば、これを開く方向に移動させようとすれば、当該鋭角状の部位24aを形成する奥の辺部24c、及び外向辺部24dにより移動が阻止される。
【0036】
例えば、
図3に示す係止凹部24には鋭角状の部位24aが形成されており、これにより、係止凹部24の両隅部間の奥の辺部24cにより形成される舌状部22の形状は、固定部20に向かうに従い末広がりの形状である。このため、係止凹部24の範囲内(隅部間)では、両鋭角状の部位24a間における舌状部22の幅が最小となっている。
つまり、連結金具2の両係止凹部24,24に、バー材4の両リップ部12,12を係止させた場合、係止凹部24の鋭角状の部位24aに突入したリップ部12(先部がバー材4の内部向きに屈曲形成)は、鋭角状の部位24aから鈍角状の部位24bに移動する作用があった場合には、両リップ部12,12の幅を広げる力が必要となり、このためリップ部12の動きが拘束され係止状態が維持されることになる。
【0037】
他に、鋭角状の部位24aの形態により、係止凹部24の奥の辺部24cが前記末広がりの形状でない場合(例えば平行な形状)、この場合、必然的に鋭角状の部位24aを形成する外向辺部24dは固定部20側に向いて傾斜する。このため、リップ部12を外向きに開く方向に移動させようとすれば、前記外向辺部24dに移動が阻まれ係止状態が維持される。
何れにしても、係止凹部24に鋭角状の部位24aを形成し、ここにバー材4の内部向きに屈曲形成した形状のリップ部12の先端部を突入係止させた場合、このリップ部12は鋭角状の部位24aからの脱出が困難となり、係止が強固になる。
【0038】
図4は、バー材4に連結金具2を係止連結させる途中の状態を示したものである。
連結金具2をバー材4に係止固定させる場合、バー材4の開口部14から舌状部22の一部を内部に突入させ、開口部14の一方側のリップ部12に、舌状部22のガイド部26とは反対側の係止凹部24を係止させる。そして、開口部14の他方側のリップ部12に、舌状部22のガイド部26の始点(S)を当接係合させ、バー材4に対して、連結金具2を回動させつつ、リップ部12にガイド部26を係合摺動させながら次第にガイド部26をバー材4の内部に侵入させる。
【0039】
連結金具2の回動にともない、バー材4の一方のリップ部12に係止された係止凹部24の隅部を支点(Q)として、他方のリップ部12を始点(S)から摺動するガイド部26は、ガイド部26の縁部の終点(E)に至るに従い、始点(Q)からの距離が次第に長くなる(m<n)。これにより、両リップ部12間の間隔(L)が広がり、舌状部22のガイド部26は、バー材4の弾性に抗してバー材4の開口部14を広げる作用を行う。
【0040】
連結金具2の開口部14を広げる場合、ガイド部26を円弧状に形成することで、バー材4に対する連結金具2の回動操作(摺動)が比較的容易に行え、バー材4の開口部14の間隔を楽に広げられる。つまり、ガイド部26の円弧形状により、前記回動の際、回動角度に対する前記距離が長くなる程度を緩やかに設定でき、開口部14の広がりの程度を調整して、回動の際の力加減を作業に支障のないようにできる。
【0041】
バー材4の弾性を利用して開口部14の幅を広げ、舌状部22の係止凹部24,24をリップ部12,12に係止させた状態では、バー材4の弾性復帰により、舌状部22の両係止凹部24はそれぞれバー材4の各リップ部12に係止固定される。
このように、舌状部22の係止凹部24をバー材4のリップ部12に係止させたときには、バー材4の弾性による復元力により、バー材4の左右のリップ部12の間隔(L)は元の状態に戻る。このため、連結金具2の舌状部22の係止凹部24は確実にバー材4のリップ部12に係止され、容易には外れない。
【0042】
図5に示すように、通常、連結金具2はその固定部20を、ビス等の止着具34により建物の基礎部3等に固定する。そして、この連結金具2にバー材4を係止連結させる。
この場合、連結金具2の両係止凹部24,24にバー材4の両リップ部12,12が係止される際、リップ部12の先部の屈曲片16が係止凹部24の内部に突入し、屈曲片16の先端部16aが係止凹部24の鋭角状の部位24aに突入した状態で係止される。このため、屈曲片16の先端部16aが鋭角状の部位24aに食い込んで、外れガタツキが防止され係止固定が強固になる。
【0043】
また、連結金具2は、その両係止凹部24,24にバー材4の両リップ部12,12を係止させるが同時に、舌状部22の頂部係合部28は、バー材4の底板部8の内面に当接係合する。また、これと同時に、舌状部22の側部係合部30は、バー材4の側板部10の内面に当接係合する。側部係合部30は、その部位が直線状に形成され、側部係合部30の全体がバー材4の側板部10の内面に接する。
これにより、連結金具2がバー材4と連結した際、舌状部22の係止凹部24による係止状態、頂部係合部28及び側部係合部30による当接係合状態により、連結によるガタツキがなく安定した連結状態が維持される。
【0044】
なお、念のため、バー材4と連結金具2との連結箇所において、バー材4の一部箇所にビス等を止着してこれをストッパーとして利用し、バー材4に対する連結金具2の移動を阻止するようにしても良い。或いは、バー材4と連結金具2との連結箇所に接着材を塗布して固定し、連結金具2の移動を阻止するようにしてもよい。
【0045】
連結金具2を先に固定するか、或いはバー材4を先に固定するか、何れの方法を用いるかは連結構造等その用途に応じて異なる。
前者の場合、連結金具2の固定部20を建物の基礎部3等に固定し、バー材4を回動させながら、バー材4の両リップ部12を連結金具2の両係止凹部24にそれぞれ係止固定させ、バー材4を基礎部等に取り付ける。
また、後者の場合には、バー材4を建物の下地材等に固定し、連結金具2を回動させながら舌状部22をバー材4の内部に押し込み、連結金具2の係止凹部24をバー材4のリップ部12に係止固定させる。このように、バー材4と連結金具2のどちらを回動させるかは、相対的な操作である。
【0046】
ここで、連結金具2の種々の使用形態について説明する。例えば、連結金具2を建物の基礎部3、又は基礎部3として壁部に配置された胴縁32等に取り付け、これにバー材4を連結する形態がある。
図6(1)(a~
d)は、前記胴縁32の種々の形状を示したものである。通常、胴縁32としては、鋼材或いはアルミニウム等の金属製の材料、または木製の角材等で構成される。
【0047】
同図(a)は、胴縁32としてL型アングル材を用いた例、(b)は角型パイプ材を用いた例、(c)はコの字型の溝形材を用いた例、(d)はCの字型のリップ溝形材を用いた例を、それぞれ示している。これらの胴縁32は、何れも鋼材等の金属材を成形し又プレス加工等により製造されたものである。
【0048】
図6(2)(a~d)は、種々の止着具34を用い、連結金具2を胴縁32或いは基礎部3に取り付けた形態を示したものである。
例えば同図(a)は、止着具34としてビスを用い、連結金具2を胴縁32に固定する形態である。ビスは、連結金具2の固定部20に設けた孔部21から胴縁32に螺設する。セルフドリルビスを用いた場合、固定部20に孔部21の必要はなく、固定部20から胴縁32の鋼板部にそのまま螺設可能である。
【0049】
同図(b)は、止着具34としてボルトを用い、連結金具2を胴縁32に固定する形態である。この場合、ボルトの挿通のため胴縁32として例えば断面C字状の鋼材を用いる。そして、胴縁32の鋼板部に設けた貫通孔部からボルトを差し込み、連結金具2の固定部20に設けた螺子溝が刻設された孔部21に捩じ込み、連結金具2を固定する。
【0050】
同図(c)は、止着具34としてビスを用い、連結金具2を建物の基礎部3として躯体(RC等)に固定する形態である。この場合、ビスは例えばコンクリート用ビスを用い、基礎部3に連結金具2を螺設する。
同図(d)は、止着具34としてアンカーボルトを用い、連結金具2を基礎部3に固定する形態である。この場合、アンカーボルトはネジ式、打込み式等があり、その胴部を基礎部3のコンクリート孔に埋設し、頭部を連結金具2の固定部20の孔部21から突出させ、この頭部をナットで締結、或いはハンマー等で潰し、基礎部3に連結金具2を固定する。
【0051】
図7(a~c)は、例えばバー材4を、建築用のルーバーに関する材料として用いた例を示したものである。ルーバーを構成するルーバー材36(羽板)は、一定間隔で縦或いは横向きに配置され、日除け、通風、換気、目隠し等を目的とする。
連結金具2は、ボルト等の止着具34を用いて基礎部3に固定され、これにバー材4をルーバー材36として取り付ける。
【0052】
同図(a)は、連結金具2に連結したバー材4自体を、ルーバー材36(羽板)として用いた例を示したものである。同図(b)は、連結金具2に取り付けたバー材4の背部(底板部)に、金属或いは合成樹脂からなる角パイプ材を取り付け、これをルーバー材36としたものである。この場合、予めバー材4の底板部に、ビス35等を用いてルーバー材36を取り付けておく。この状態で、バー材4をルーバー材36とともに連結金具2に連結する。
【0053】
同図(c)は、ルーバー材36(羽板)自体をバー材4として用い、このルーバー材36を直接、連結金具2に取り付けた例を示したものである。このルーバー材36はバー材4と同様、底板部、この底板部の左右部からそれぞれ立設された側板部、及び左右の側板部からそれぞれ内側に屈曲形成されたリップ部12からなる。このルーバー材36の断面は略長方形状であり、リップ部12は、側板部から鋭角状に内側に屈曲形成されている。このルーバー材36を連結金具2に取り付ける手順は、バー材4を連結金具2に取り付ける場合と同様である。
【0054】
次に、建物の基礎部3として壁部或いは天井部の各種施工に連結金具2を用いた連結構造の例を示す。なお、各施工は一人或いは複数人の作業員により行われる。
図8に示す連結構造は、建物の壁部に配置された胴縁32に連結金具2を取り付け、これにバー材4(ルーバー材36)を係止固定する構造であり、バー材4をルーバー材36として利用するものである。
【0055】
詳しくは、建物の窓部周囲の壁部の上下部に、それぞれ横向きに胴縁32を配置し、これら胴縁32の該当箇所に連結金具2を取り付ける。そして、バー材4(ルーバー材36)を胴縁32とは交差(直交)する方向に取り付ける。
ここで用いる胴縁32は断面ロ型であり、この胴縁32にビス等の止着具34を用いて連結金具2を取り付ける。連結金具2は、上下の胴縁32に取り付けられるバー材4の各配置位置にそれぞれ取り付ける。そして、前述した手順で、上下の胴縁32に配置した両連結金具2を跨ぐ状態で、バー材4を各連結金具2にそれぞれ係止固定し連結する。
【0056】
バー材4(ルーバー材36)を連結金具2に取り付ける手順は、基本的には前述した通りである。この場合、バー材4は上下の両連結金具2に同時に係止装着しても良く、また上下の連結金具2間の距離が長いとき等は、各連結金具2に個々に装着してもよい。
バー材4を上下の連結金具2に同時に装着する場合、バー材4のリップ部12の一方を、各連結金具2の舌状部22の係止凹部24にそれぞれ係合させる。そして、バー材4の全体を回動させながら各舌状部22のガイド部26をバー材4のリップ部12に係合させ、ガイド部26を摺動させながらバー材4の内部に押し込み、舌状部22の係止凹部24をバー材4のリップ部12に係止固定させる。これにより、バー材4(ルーバー材36)は上下の連結金具2に係止固定され、全てのバー材4を取り付けてルーバーの施工を完成させる。
【0057】
なお、ここでは胴縁32を横向きに配置しているが、これは他に胴縁を縦向きに配置し、これと交差する方向(横向き)にバー材4(ルーバー材)を配置する形態も可能である。
また、例えば窓部周囲の壁部に、アンカーボルト等を用いて連結金具2を直接取り付け、これら連結金具2にバー材4(ルーバー材36)を取り付ける連結構造も可能である。ガイド部26を、バー材4のリップ部12に係合摺動させる際、この係合部位に潤滑材等を用いて摺動を円滑に行わせるようにしても良い。
【0058】
図9は、連結金具2を用いて建物の天井部に天井ボード材40を敷設する例を示したものである。
例えば、天井部の下地として、天井の躯体からがハンガー42を吊り下げ、これに断面コ字型の受け材44を支持させ、各受け材44を所定間隔で平行に配設する。そして、受け材44の下部に、クリップ46を用いてこれと交差(直交)する方向にバー材4を並べて取り付ける。この場合、受け材44は野縁受け材として用い、バー材4は野縁材として用いる。このバー材4の形状、材質等は前記で説明した通りである。
これらバー材4は、下部側に連結金具2の舌状部22を係止固定させることから、開口部14を下方に向けて配置する。
【0059】
連結金具2の取り付けは前記で説明した通り、バー材4の開口部14の両リップ部12に、それぞれ舌状部22の両係止凹部24を係止固定して連結する。ここで、例えば、一枚の天井ボード材40を2本のバー材4で保持させる場合、これら2本のバー材4に、例えばそれぞれ2個ずつ計4個の連結金具2を配置し、それぞれバー材4に係止固定する。
そして、各連結金具2の下側に天井ボード材40配置し、これを取り付ける。
【0060】
具体的には、連結金具2の固定部20の下方の固定位置を確認し、天井ボード材40を固定部20に押し当て、天井ボード材40に設けた各挿通孔部50の下側からボルト等の止着具34を挿通させる。そして、工具を用いて止着具34を上部の連結金具2の固定部20に設けた孔部21にねじ込み螺設する。
【0061】
天井ボード材40は、止着具34の頭部或いは頭部に設けたワッシャー等と係合し保持される。このように、天井部のバー材4(野縁材)と天井ボード材40との間に、連結金具2を介在させ、天井部に天井ボード材40を敷設する。連結金具2の介在により、天井ボード材40の敷設が容易に行える。
【0062】
なお、連結金具2の固定部20に天井ボード材40を取り付ける際には、予め、天井ボード材40の該当位置に、連結金具2の止着用の挿通孔部50を設けておくと作業が容易に行える。また、連結金具2の孔部21には、例えばボルトを螺合可能なネジ孔を刻設しておくとよい。なお、前記ボルトの他に、ビス(セルフドリルビス等)を用いてもよい。
【0063】
また、連結金具2を用いた天井ボード材40は、他の取り付け方法もある。この場合も、前記と同様天井部にはバー材4(野縁材)を配置しておく。そして、天井ボード材40には、これを支持するバー材4が配置される予想位置に、予め連結金具2を取り付けておく。この連結金具2は、その固定部20を、止着具34(ボルト、ビス等)を用いて天井ボード材40に固定する。止着具34は、固定部20の孔部21を利用し、天井ボード材40の表裏何れの側からでも取り付け可能である。
次に、天井部のバー材4(野縁材)の下から前記天井ボード材40を近づけ、バー材4の弾性を利用しこれを捻じり回動させながら、天井ボード材40に取り付けた連結金具2にバー材4を係止固定させる。この場合、作業は天井ボード材40の上側から行なう。
【0064】
また、前記壁部の施工に係るバー材4(ルーバー材36)を、天井部に取り付けることも可能である。この場合、天井部の受け材44として、前記ルーバー材36の施工の際に用いた胴縁32と同様の形状の横材、例えば断面ロ型の角材を用いてもよい。この角材は、前記ハンガー42等を用い、天井部に水平かつ複数を互いに平行に配置する。
また角材には、施工するルーバー材36の配置間隔に応じた間隔で、その配置位置に連結金具2を取り付ける。連結金具2は、その固定部20を角材の下部面にビス等の止着具34を用いて固定する。
【0065】
そして、連結金具2を介して角材の下部に、これと交差(直交)する方向にバー材4を取り付ける。
この場合、バー材4をルーバー材36として使用し、或いはバー材4の底板部に角パイプ状の材料を取り付けたものをルーバー材36として使用する。バー材4は、例えば平行に配置された一対の角材間に架け渡す。そして、両角材にそれぞれ固定された連結金具2に、バー材4(ルーバー材36)を取り付ける。
【0066】
ここでは、下向きに配置された連結金具2の舌状部22に、バー材4の開口部14のリップ部12を係止固定し連結させる。他のバー材4も同様に取り付けて、天井部にルーバーを施工する。天井部のルーバーは、天井部の美観、或いは天井裏の設備等を隠す目的などに使用される。
このように、前記連結金具2は、建築用の材料同士の連結として胴縁とルーバー材との連結組み付け、或いは野縁材と天井ボード材との連結組み付け等、種々の用途に利用でき、また連結構造が簡単であるため作業も容易であり、このため特に熟練した職人でなくても正確に施工が行なえる。
【0067】
従って、前記実施の形態に係る連結金具及び連結構造によれば、建物の壁部或いは天井部等の種々の連結構造に採用することができ、また連結構造が簡単であるため作業が容易に行え、併せて種々の連結箇所に適用できて汎用性にも優れ、また期間が短縮できコスト削減が図れるなど、施工性及び経済性にも優れるという効果がある。
【符号の説明】
【0068】
2 連結金具
3 基礎部
4 バー材
8 底板部
10 側板部
12 リップ部
14 開口部
16 屈曲片
20 固定部
22 舌状部
24 係止凹部
24a 鋭角状の部位
26 ガイド部
28 頂部係合部
30 側部係合部
34 止着具
36 ルーバー材
40 天井ボード材
50 挿通孔部