(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】物体認識装置および物体認識方法
(51)【国際特許分類】
G01S 13/72 20060101AFI20241011BHJP
G01S 13/931 20200101ALI20241011BHJP
【FI】
G01S13/72
G01S13/931
(21)【出願番号】P 2020210633
(22)【出願日】2020-12-18
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】玉積 英明
(72)【発明者】
【氏名】山本 祥寛
(72)【発明者】
【氏名】立岩 真一
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-002691(JP,A)
【文献】特開2020-041933(JP,A)
【文献】特開2020-177409(JP,A)
【文献】特開2018-179926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/64
G01S 13/00-17/95
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の検出範囲で自機の周囲における物体を検出することによって得られた1または複数の検出点をクラスタリングすることによって、前記物体のサイズおよび位置を含む物体状態情報である観測データを求めるクラスタリング部と、
過去の観測データに基づいて前記物体状態情報を予測した予測データを求める予測部と、
前記クラスタリング部で求めた
今回の観測データと前記予測部で求めた予測データとに基づいて、認識結果としての物体状態情報である認識データを求める認識部と、
前記認識部で認識データを求める前に、前記
今回の観測データにおける物体のサイズと前記予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記
今回の観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正するサイズ補正部とを備え、
前記認識部は、前記認識データにおける物体の位置を求めた後に、さらに、前記サイズ補正部で補正する前での、前記今回の観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの大きい方のサイズを選択し、前記選択したサイズを前記認識データにおける物体のサイズとするように、前記認識データにおける物体のサイズを置き換える、
物体認識装置。
【請求項2】
前記物体状態情報は、前記物体の速度をさらに含み、
前記認識部は、前記
今回の観測データにおける物体の位置、前記予測データにおける物体の位置および速度に基づいて前記認識データにおける物体の速度を求める、
請求項1
に記載の物体認識装置。
【請求項3】
前記物体のサイズは、前記物体が存在する領域を囲む枠のサイズであり、
前記サイズ補正部は、前記枠における、前記自機から最も近い最近接点の位置が、補正の前後で、同一となるように、補正する、
請求項1
または請求項
2に記載の物体認識装置。
【請求項4】
前記物体のサイズは、前記物体が存在する領域を囲む矩形枠のサイズであり、
前記サイズ補正部は、所定の第1座標軸と、前記第1座標軸に直交する第2座標軸と、前記自機の中心位置を座標原点とする座標系を設定した場合に、前記矩形枠の辺が前記第1座標軸または前記第2座標軸と交差する場合、前記交差する辺における前記自機から最も近い最近接辺において、一方象限に延びる第1部分辺の第1長さと他方象限に延びる第2部分辺の第2長さとの比が、補正の前後で、同一となるように、補正する、
請求項1ないし請求項
3のいずれか1項に記載の物体認識装置。
【請求項5】
前記物体のサイズは、前記物体が存在する領域を囲む矩形枠のサイズであり、
前記サイズ補正部は、前記予測データの矩形枠が前記検出範囲を超えて存在する場合、前記検出範囲と交差する辺における前記自機から最も近い第2最近接辺において、前記検出範囲外に延びる第3部分辺の第3長さと前記検出範囲内に延びる第4部分辺の第4長さとの比が、前記予測データと補正後の前記
今回の観測データとで、同一となるように、前記
今回の観測データにおける物体のサイズを補正する、
請求項1ないし請求項
4のいずれか1項に記載の物体認識装置。
【請求項6】
前記サイズ補正部で補正する前に、前記クラスタリング部で求めた
今回の観測データにおける物体のサイズに基づいて、予め定義された複数のサイズ中から1つのサイズを選択し、前記選択したサイズを前記
今回の観測データにおける物体のサイズとするとともに、前記選択したサイズから求めた位置を前記
今回の観測データにおける物体の位置とするように、前記
今回の観測データにおける物体のサイズおよび位置を置き換える置換部をさらに備える、
請求項1ないし請求項
5のいずれか1項に記載の物体認識装置。
【請求項7】
所定の検出範囲で自機の周囲における物体を検出することによって得られた1または複数の検出点をクラスタリングすることによって、前記物体のサイズおよび位置を含む物体状態情報である観測データを求めるクラスタリング工程と、
過去の観測データに基づいて前記物体状態情報を予測した予測データを求める予測工程と、
前記クラスタリング工程で求めた
今回の観測データと前記予測工程で求めた予測データに基づいて、認識結果としての物体状態情報である認識データを求める認識工程と、
前記認識工程で認識データを求める前に、前記
今回の観測データにおける物体のサイズと前記予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記
今回の観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正するサイズ補正工程とを備え、
前記認識工程は、前記認識データにおける物体の位置を求めた後に、さらに、前記サイズ補正工程で補正する前での、前記今回の観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの大きい方のサイズを選択し、前記選択したサイズを前記認識データにおける物体のサイズとするように、前記認識データにおける物体のサイズを置き換える、
物体認識方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自機の周囲に存在する物体を認識する物体認識装置および物体認識方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、安全技術への要求や自動運転技術への要求等から、周囲状況の認識が要望されている。特に例えば車両やロボット等の移動体における衝突回避や車線変更等の場合では、移動体の側方における状況認識が重要である。このため、移動体には、周囲の状況を認識するために、物体を検知する物体認識装置(物体検知装置)が搭載されることが多い。このような物体を検知して認識する技術は、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0003】
この特許文献1に開示されたレーダ装置は、物標による反射波に基づいて前記物標との距離、相対速度および角度のデータのうち少なくとも一つを含む前記物標の観測データを導出する導出部と、前記観測データを予測した予測データを生成する予測部と、前記予測データに基づいて予測範囲を設定する設定部と、前記導出部によって今回導出された観測データが前記予測範囲内である場合に、前記導出部によって前回導出された観測データと前記今回導出された観測データとが時間的に連続する同一物標の観測データであると判定する判定部と、を備える。このような物体の検出では、観測データと予測データとの相関関係の判定によって、検出タイミングごとに物体の同一性が判定される。
【0004】
前記特許文献2に開示された物体検出装置は、車両に搭載され、当該車両周辺の物体を検出する物体検出装置であって、前記車両周辺の物体を検出することによって得られた捕捉点を示す信号を用いて、当該捕捉点それぞれの移動方向を算出する移動方向算出手段と、予め検出対象となる物体の形状に応じた枠および当該物体で想定されている進行方向として当該枠に進行基準方向を設定し、前記捕捉点のうち、前記移動方向に当該進行基準方向を合わせた当該枠内に存在する捕捉点を同じ物体の捕捉点として判定する判定手段とを備える。このような物体の検出では、単一の物体での複数の補足点は、いわゆるグループ化(クラスタリング)によって、1つに纏められるが、前記特許文献2に開示された物体検出装置では、前記物体の形状に応じた枠が設定され、この枠内に入るか否かを判断することによってクラスタリングが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-063130号公報
【文献】特開2010-156567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、例えばレーダ装置等の、物体を検出(センシング)する検出器(センサ)は、予め規定された所定の検出範囲内で物体を検出している。前記検出器の性能限界から、検出範囲内に物体が存在していても、前記物体の一部で検出点が生成され、物体の残部での検出点が漏れてしまうことがある。例えば前記検出器がレーダ装置である場合、この現象は、検出角の端付近で発生し易い。前記物体の一部での検出点に基づきクラスタリングによって物体の検出領域として生成された枠(クラスタ枠)のサイズ(枠サイズ、物体のサイズ(物体の大きさ))は、前記物体の一部での検出点であるから、前回のタイミングで検出した物体のサイズとは異なってしまう。このため、サイズに基づき、前回の検出タイミングで検出した物体と今回の検出タイミングで検出した物体との相関関係を判定する場合、相関関係の判定精度が低下してしまう。物体のサイズの、物体の領域における所定の点(代表点)の位置が物体の位置とされる場合、物体のサイズの検出精度が低下すると、検出結果に基づく物体の領域が真の物体の領域からずれるので、物体の位置の精度も低下してしまい、その結果、前記物体の速度の精度も低下してしまう。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、少なくとも物体のサイズの検出精度および位置の検出精度それぞれの低下を抑制できる物体認識装置および物体認識方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる物体認識装置は、所定の検出範囲で自機の周囲における物体を検出することによって得られた1または複数の検出点をクラスタリングすることによって、前記物体のサイズおよび位置を含む物体状態情報である観測データを求めるクラスタリング部と、過去の観測データに基づいて前記物体状態情報を予測した予測データを求める予測部と、前記クラスタリング部で求めた観測データと前記予測部で求めた予測データとに基づいて、認識結果としての物体状態情報である認識データを求める認識部と、前記認識部で認識データを求める前に、前記観測データにおける物体のサイズと前記予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正するサイズ補正部とを備える。好ましくは、上述の物体認識装置において、前記検出点は、送信波の反射波に基づいて所定の検出範囲で物体を検出するレーダ装置によって得られたものである。好ましくは、上述の物体認識装置において、前記検出点は、ステレオカメラで撮像した1対の画像に基づいて所定の検出範囲で物体を検出する物体検出装置によって得られたものである。
【0009】
このような物体認識装置は、認識データを求める前に、観測データにおける物体のサイズと予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正するので、サイズの違いに起因する、少なくとも物体のサイズの検出精度および位置の検出精度それぞれの低下を抑制できる。
【0010】
他の一態様では、上述の物体認識装置において、前記認識部は、前記認識データにおける物体の位置を求めた後に、さらに、前記サイズ補正部で補正する前での、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの大きい方のサイズを選択し、前記選択したサイズを前記認識データにおける物体のサイズとするように、前記認識データにおける物体のサイズを置き換える。
【0011】
サイズ補正部は、小さい方の物体のサイズに合わせて補正する場合がある。しかし、小さい方の物体のサイズは、検出点が漏れてそのサイズになった場合があり、真のサイズから乖離している虞がある。これに対し、上記物体認識装置は、サイズ補正部で補正する前での、観測データにおける物体のサイズおよび予測データにおける物体のサイズのうちの大きい方のサイズを選択し、この選択したサイズを認識データにおける物体のサイズとするように、前記認識データにおける物体のサイズを置き換えるので、前記場合を回避でき、適切な物体の大きさを持つ認識データを求めることができる。
【0012】
他の一態様では、これら上述の物体認識装置において、前記物体状態情報は、前記物体の速度をさらに含み、前記認識部は、前記観測データにおける物体の位置、前記予測データにおける物体の位置および速度に基づいて前記認識データにおける物体の速度を求める。好ましくは、上述の物体認識装置において、前記認識部は、前記観測データにおける物体の位置および前記予測データにおける物体の位置に基づいて前記認識データにおける物体の位置を求める。好ましくは、上述の物体認識装置において、前記認識部は、サンプリング周期Tで繰り返し前記認識データを求め、時刻tkにおいて、前記観測データにおける物体の位置をxokとし、前記予測データにおける物体の位置をxpkとし、前記認識データにおける物体の位置をxskとし、所定の第1パラメータをαとする場合に、xsk=xpk+α×(xok-xpk)によって、前記認識データにおける物体の位置xskを求める。好ましくは、上述の物体認識装置において、前記認識部は、サンプリング周期Tで繰り返し前記認識データを求め、時刻tkにおいて、前記観測データにおける物体の位置をxokとし、前記予測データにおける物体の位置をxpkとし、前記予測データにおける物体の速度をvpkとし、前記認識データにおける物体の速度をvskとし、所定の第2パラメータをβとする場合に、vsk=vpk+β/T×(xok-xpk)によって、前記認識データにおける物体の速度vskを求める。
【0013】
このような物体認識装置は、検出精度の低下を抑制した物体の位置に基づくことで速度の検出精度の低下を抑制できる。
【0014】
他の一態様では、これら上述の物体認識装置において、前記物体のサイズは、前記物体が存在する領域を囲む枠のサイズであり、前記サイズ補正部は、前記枠における、前記自機から最も近い最近接点の位置が、補正の前後で、同一となるように、補正する。
【0015】
このような物体認識装置は、高い検出精度を持つ最近接点、の位置を、補正の前後で、同一となるように、補正するので、補正後で位置精度を維持またはその低下を抑制できる。
【0016】
他の一態様では、これら上述の物体認識装置において、前記物体のサイズは、前記物体が存在する領域を囲む矩形枠のサイズであり、前記サイズ補正部は、所定の第1座標軸と、前記第1座標軸に直交する第2座標軸と、前記自機の中心位置を座標原点とする座標系を設定した場合に、前記矩形枠の辺が前記第1座標軸または前記第2座標軸と交差する場合、前記交差する辺における前記自機から最も近い最近接辺において、一方象限に延びる第1部分辺の第1長さと他方象限に延びる第2部分辺の第2長さとの比が、補正の前後で、同一となるように、補正する。好ましくは、上述の物体認識装置において、前記第1座標軸は、前記検出範囲の中心線である視認方向に沿って延びている。好ましくは、上述の物体認識装置において、前記第1座標軸は、移動する場合における前記自機の進行方向に沿って延びている。
【0017】
このような物体認識装置は、高い検出精度を持つ傾向にある最近接辺、における象限ごとの各部分辺での各長さの比を、補正の前後で、同一となるように、補正するので、補正後で位置精度を維持またはその低下を抑制できる。
【0018】
他の一態様では、これら上述の物体認識装置において、前記物体のサイズは、前記物体が存在する領域を囲む矩形枠のサイズであり、前記サイズ補正部は、前記予測データの矩形枠が前記検出範囲を超えて存在する場合、前記検出範囲と交差する辺における前記自機から最も近い第2最近接辺において、前記検出範囲外に延びる第3部分辺の第3長さと前記検出範囲内に延びる第4部分辺の第4長さとの比が、前記予測データと補正後の前記観測データとで、同一となるように、前記観測データにおける物体のサイズを補正する。
【0019】
予測データの矩形枠が検出範囲を超えて存在する場合、観測データにおける物体のサイズは、前記検出範囲外の部分で欠損している可能性がある。上記物体認識装置は、予測データの矩形枠の最近接辺における検出範囲内外ごとの各部分辺での各長さの比を、前記予測データと補正後の前記観測データとで、同一となるように、観測データにおける物体のサイズを補正するので、前記欠損を補うことができ、補正後で位置精度を維持またはその低下を抑制できる。
【0020】
他の一態様では、これら上述の物体認識装置において、前記サイズ補正部で補正する前に、前記クラスタリング部で求めた観測データにおける物体のサイズに基づいて、予め定義された複数のサイズ中から1つのサイズを選択し、前記選択したサイズを前記観測データにおける物体のサイズとするとともに、前記選択したサイズから求めた位置を前記観測データにおける物体の位置とするように、前記観測データにおける物体のサイズおよび位置を置き換える置換部をさらに備える。
【0021】
このような物体認識装置は、予め定義された複数のサイズ中から選択したサイズに、前記観測データにおける物体のサイズに置き換えるので、検出点の検出漏れによるサイズの変動を抑制できる。
【0022】
本発明の他の一態様にかかる物体認識方法は、所定の検出範囲で自機の周囲における物体を検出することによって得られた1または複数の検出点をクラスタリングすることによって、前記物体のサイズおよび位置を含む物体状態情報である観測データを求めるクラスタリング工程と、過去の観測データに基づいて前記物体状態情報を予測した予測データを求める予測工程と、前記クラスタリング工程で求めた観測データと前記予測工程で求めた予測データに基づいて、認識結果としての物体状態情報である認識データを求める認識工程と、前記認識工程で認識データを求める前に、前記観測データにおける物体のサイズと前記予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正するサイズ補正工程とを備える。
【0023】
このような物体認識方法は、認識データを求める前に、観測データにおける物体のサイズと予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正するので、サイズの違いに起因する、少なくとも物体のサイズの検出精度および位置の検出精度それぞれの低下を抑制できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明にかかる物体認識装置および物体認識方法は、少なくとも物体のサイズの検出精度および位置の検出精度それぞれの低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施形態における、第1ないし第5検出部を備える場合の物体認識装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】車両に取り付けられた第1ないし第5検出部を説明するための図である。
【
図3】サイズの置換処理を説明するための図である。
【
図4】第1および第2サイズ補正処理を説明するための図である。
【
図5】認識データの生成およびその利用に関する前記物体認識装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図5に示す第1サイズ補正処理、相関処理およびサイズのリセットに関する前記物体認識装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図5に示す第2サイズ補正処理および認識データの生成に関する前記物体認識装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】前記物体認識装置の効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
【0027】
実施形態における物体認識装置は、自機の周囲に存在する物体(所定の範囲で前記自機から視認可能な物体)を認識するための装置である。この物体認識装置は、所定の検出範囲で自機の周囲における物体を検出することによって得られた1または複数の検出点をクラスタリングすることによって、前記物体のサイズおよび位置を含む物体状態情報である観測データを求めるクラスタリング部と、過去の観測データに基づいて前記物体状態情報を予測した予測データを求める予測部と、前記クラスタリング部で求めた観測データと前記予測部で求めた予測データに基づいて、認識結果としての物体状態情報である認識データを求める認識部と、前記認識部で認識データを求める前に、前記観測データにおける物体のサイズと前記予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正するサイズ補正部(第2サイズ補正部)とを備える。そして、本実施形態では、この物体認識装置は、前記観測データで表される物体と前記予測データで表される物体とが同一であるか否かを、前記観測データと前記予測データとの相関処理によって判定する相関部と、前記相関部で相関処理を実施する前に、前記観測データにおける物体のサイズと前記予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正するサイズ補正部(第1サイズ補正部)とをさらに備える。このような物体認識装置は、単独で用いられてもよく、他の装置に搭載されてもよい(組み込まれてもよい)。前記他の装置は、例えば車両やロボット等の移動体移動体であっても、移動体で無くてもよい。ここでは、一例として、前記検出点を得るための検出部をさらに備え、車両(移動体の一例)に搭載された物体認識装置を例に、より具体的に説明する。
【0028】
図1は、実施形態における、第1ないし第5検出部を備える場合の物体認識装置の構成を示すブロック図である。
図2は、車両に取り付けられた第1ないし第5検出部を説明するための図である。
図3は、サイズの置換処理を説明するための図である。
図3Aは、置換前のクラスタ枠を示し、
図3Bは、置換後のクラスタ枠を示す。
図4は、第1および第2サイズ補正処理を説明するための図である。
図4Aおよび
図4Bは、補正対象のクラスタ枠が1つの象限内に存在する場合を示し、
図4Cおよび
図4Dは、補正対象のクラスタ枠が複数の象限にわたって存在する場合を示し、
図4Eおよび
図4Fは、予測データのクラスタ枠が検出部の検出範囲を超えて存在する場合を示す。
図4A、
図4Cおよび
図4Eは、補正前を示し、
図4B、
図4Dおよび
図4Fは、補正後を示す。
【0029】
実施形態における物体認識装置Dは、例えば、
図1に示すように、制御処理部2と、記憶部3とを備える。
図1に示す例では、物体認識装置Dは、さらに、検出点を得るための5個の第1ないし第5検出部1-1~1-5を備えている。
【0030】
第1ないし第5検出部1-1~1-5は、それぞれ、制御処理部2に接続され、制御処理部2の制御に従って、所定の検出範囲で当該物体認識装置Dの周囲における物体を検出し、その検出結果を検出点として制御処理部2に出力する装置である。前記移動体とは、自機の位置を変えることができる装置であり、例えば車両やロボット等である。前記車両は、例えば工場内の部品搬送車、自動車および鉄道車両等である。本実施形態では、上述したように、第1ないし第5検出部1-1~1-5は、移動体の一例である車両VCに搭載される。これら第1ないし第5検出部1-1~1-5は、車両VCの周囲における物体(自車両VCとは異なる他の物体)をより広い範囲で検出できるように、例えば、
図2に示すように、車両VCの前方および各コーナーに配設される。第1検出部1-1は、車両VCの前方部における略中央位置に設けられ、車両VCの進行方向である第1方向PRを中心に所定の第1検出範囲RFで車両VCの周囲における物体を検出する。第2検出部1-2は、前記車両VCにおける一方側の前方端(例えば右前方コーナ)に設けられ、前記一方側の車幅方向より斜め前方の第2方向FRを中心に所定の第2検出範囲RRFで車両VCの周囲における物体を検出する。第3検出部1-3は、前記車両VCにおける前記一方側の後方端(例えば右後方コーナ)に設けられ、前記一方側の車幅方向より斜め後方の第3方向BRを中心に所定の第3検出範囲RRBで車両VCの周囲における物体を検出する。第4検出部1-4は、前記車両VCにおける他方側の前方端(例えば左前方コーナ)に設けられ、前記他方側の車幅方向より斜め前方の第4方向FLを中心に所定の第4検出範囲RLFで車両VCの周囲における物体を検出する。第5検出部1-5は、前記車両VCにおける前記他方側の後方端(例えば左後方コーナ)に設けられ、前記他方側の車幅方向より斜め後方の第5方向BLを中心に所定の第5検出範囲RLBで車両VCの周囲における物体を検出する。ここで、本実施形態では、物体認識装置Dは、車両VCに搭載されるので、車両VC(移動体)の周囲は、本実施形態において、当該物体認識装置Dの周囲(自機の周囲)を意味し、その一例に相当する。同様に、後述の車両VC(移動体)の中心位置は、本実施形態において、当該物体認識装置Dの中心位置(自機の中心位置)を意味し、その一例に相当する。
【0031】
これら第1ないし第5検出部1-1~1-5は、それぞれ、例えば、所定の送信波を送信し、物体で反射した送信波の反射波を受信することにより、前記物体を検出し、前記物体の方向と前記物体までの距離を測定することにより、前記物体の位置(自車両VCに対する前記物体の相対位置(相対方向、相対距離))を測定するレーダ装置である。前記送信波は、例えば、ミリ波帯の電磁波であってよく、あるいは、赤外のレーザ光であってよく、あるいは、超音波であってよい。これら第1ないし第5検出部1-1~1-5は、それぞれ、例えば、ミリ波帯の送信波を第1ないし第5検出範囲RF、RRF、RRB、RLF、RLBで走査しながら送信する送信部と、前記送信波が物体で反射した反射波を受信する受信部と、前記送信波と前記反射波とに基づいて前記物体の方向と前記物体までの距離とを求めることで、前記物体の位置を検出点として求める信号処理部とを備える。前記信号処理部は、前記検出範囲の走査における前記送信波の送信方向から前記物体の方向を求め、前記送信波の送信タイミングと前記反射波の受信タイミングとの時間差に基づいて、前記物体までの距離を求める(TOF(Time-Of-Flight)方式)。なお、第1ないし第5検出部1-1~1-5は、このような構成に限らず、適宜な構成、例えば、複数の受信アンテナを備え、前記複数の受信アンテナが受信した反射波の位相差から前記物体の方向を求める装置であっても良い。そして、本実施形態では、第1ないし第5検出部1-1~1-5の一例としてのレーダ装置は、送信波に対する反射波のドップラーシフトに基づき、自車両VCに対する前記物体の相対速度も求め、制御処理部2へ出力している。
【0032】
物体は、所定の大きさを持つので、1個の物体における、検出部1の空間分解能に応じた各位置(各箇所)から1または複数の反射波が得られるので、これら第1ないし第5検出部1-1~1-5は、それぞれ、1個の物体から1または複数の検出点を検出する。これら第1ないし第5検出部1-1~1-5は、それぞれ、このように検出した1または複数の検出点(物体における相対位置(相対方向、相対距離)および相対速度)を制御処理部2へ出力する。なお、これら第1ないし第5検出部1-1~1-5は、それぞれ、レーダ装置に限らず、他の装置、例えば、ステレオカメラで撮像した1対の画像に基づいて所定の検出範囲で物体を検出する物体検出装置であってもよい。
【0033】
記憶部3は、制御処理部2に接続され、制御処理部2の制御に従って各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、物体認識装置Dの各部1、3を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御する制御プログラムや、第1ないし第5検出範囲RF、RRF、RRB、RLF、RLBで車両VC(移動体)の周囲における物体を検出することによって得られた1または複数の検出点をクラスタリングすることによって、前記物体のサイズおよび位置を含む物体状態情報である観測データを求めるクラスタリングプログラムや、過去の観測データに基づいて前記物体状態情報を予測した予測データを求める予測プログラムや、前記観測データで表される物体と前記予測データで表される物体とが同一であるか否かを、前記観測データと前記予測データとの相関処理によって判定する相関プログラムや、前記相関プログラムで相関処理を実施する前に、前記観測データにおける物体のサイズと前記予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正する第1サイズ補正プログラムや、前記クラスタリングプログラムで求めた観測データと前記予測プログラムで求めた予測データに基づいて、認識結果としての物体状態情報である認識データを求める認識プログラムや、前記認識プログラムで認識データを求める前に、前記観測データにおける物体のサイズと前記予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正する第2サイズ補正プログラムや、前記第1サイズ補正プログラムで補正する前に、前記クラスタリングプログラムで求めた観測データにおける物体のサイズに基づいて、予め定義された複数のサイズ中から1つのサイズを選択し、前記選択したサイズを前記観測データにおける物体のサイズとするとともに、前記選択したサイズから求めた位置を前記観測データにおける物体の位置とするように、前記観測データにおける物体のサイズおよび位置を置き換える置換プログラムや、前記認識プログラムで求めた認識データを利用した所定の処理を実施する認識データ利用プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、例えば物体のサイズの置換で用いる、前記予め定義された複数のサイズ等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。記憶部3は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。そして、記憶部3は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆる制御処理部2のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。
【0034】
制御処理部2は、物体認識装置Dの各部1、3を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、車両VCの周囲に存在する物体を認識するための回路である。制御処理部2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。制御処理部2は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、制御部21、クラスタリング部22、置換部23、第1サイズ補正部24、相関部25、第2サイズ補正部26、認識部27,予測部28および認識データ利用部29を機能的に備える。
【0035】
制御部21は、物体認識装置Dの各部1、3を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、物体認識装置Dの全体制御を司るものである。
【0036】
クラスタリング部22は、第1ないし第5検出範囲RF、RRF、RRB、RLF、RLBで車両VCの周囲における物体を第1ないし第5検出部1-1~1-5により検出することによって得られた1または複数の検出点をクラスタリングすることによって、前記物体のサイズおよび位置を含む物体状態情報である観測データを求めるものである。前記物体状態情報は、本実施形態では、物体のサイズおよび位置(相対方向、相対距離)を含むだけでなく、物体の相対速度を含む。上述したように、物体は、所定の大きさを持つので、1個の物体における、検出部1の空間分解能に応じた各位置(各箇所)から1または複数の反射波が得られるから、これら第1ないし第5検出部1-1~1-5は、それぞれ、1個の物体から1または複数の検出点を検出する。このため、クラスタリング部22は、第1ないし第5検出部1-1~1-5によって検出された検出点をクラスタリング(グループ分け)し、クラスタ(グループ)を1つの物体から得られた検出点の集合として定義する。クラスタリング手法には、例えば最短距離法、群平均法およびウォード法等の種々の手法が知られており、利用できる。なお、第1ないし第5検出部1-1~1-5のそれぞれから出力される検出点は、それぞれ、各検出部1-1~1-5の各配設位置を基準としているので、検出点をクラスタリングする前に、1つの統一した座標系で表され、物体の位置(相対方向、相対距離)および相対速度もこの座標系で表される。クラスタリング部22は、クラスタに、当該クラスタに属する検出点を囲む枠(クラスタ枠)を、当該クラスタに対応付けられた物体が存在する領域を囲む枠として生成し、当該クラスタに属する検出点の代表点を求める。当該クラスタに対応付けられた物体のサイズは、この生成したクラスタ枠のサイズ(枠サイズ)で表され、当該クラスタに対応付けられた物体の位置は、代表点の位置で表され、その速度は、前記代表点の速度で表される。前記代表点は、例えば、クラスタ枠の中心位置や、重心位置等である。本実施形態では、前記代表点は、クラスタ枠の中心位置とされる。クラスタ枠は、予め設定された、例えば円形や扇形等の任意の形状であってよいが、本実施形態では、矩形であり、矩形の枠(矩形枠)である。ここで、物体が検出部1の略真正面や略真側面に位置する場合、前記物体からの複数の検出点は、線状に並ぶため、クラスタリング部22で生成されるクラスタ枠としての矩形には、線分を含むものとする。このような線分のクラスタ枠も、後述するように、置換部23で矩形に置き換えられる。本実施形態では、クラスタ枠は、矩形枠であるので、代表点としての中央位置は、対角線の交点となる。
【0037】
置換部23は、第1サイズ補正部24で補正する前に、クラスタリング部22で求めた観測データにおける物体のサイズに基づいて、予め定義された複数のサイズ中から1つのサイズを選択し、この選択したサイズを前記観測データにおける物体のサイズとするとともに、前記選択したサイズから求めた位置を前記観測データにおける物体の位置とするように、前記観測データにおける物体のサイズおよび位置を置き換えるものである。
【0038】
より具体的には、例えば、サイズは、4個の第1ないし第4サイズ区分XS、S、M、Lに分けられる。第1サイズ区分は、検出部1で検出した物体が例えば歩行者等であることを想定した区分であり、第1サイズ区分のクラスタ枠(第1クラスタ枠)は、長さ1.0[m]で幅1.0[m](1.0[m]×1.0[m])の矩形枠である。第2サイズ区分は、検出部1で検出した物体が例えば自転車等であることを想定した区分であり、第2サイズ区分のクラスタ枠(第2クラスタ枠)は、長さ2.0[m]で幅1.0[m](2.0[m]×1.0[m])の矩形枠である。第3サイズ区分は、検出部1で検出した物体が例えば普通車両等であることを想定した区分であり、第3サイズ区分のクラスタ枠(第3クラスタ枠)は、長さ5.0[m]で幅1.8[m](5.0[m]×1.8[m])の矩形枠である。第4サイズ区分は、検出部1で検出した物体が例えば大型車両等であることを想定した区分であり、第4サイズ区分のクラスタ枠(第4クラスタ枠)は、長さ10[m]で幅2.0[m](10[m]×2.0[m])の矩形枠である。なお、この例では、サイズを4個に区分けしたが、区分けの個数は、任意である。
【0039】
このような第1ないし第4サイズ区分およびそれらの第1ないし第4クラスタ枠が予め定義されて記憶部3に記憶され、置換部23は、まず、クラスタリング部22で求めた観測データにおける物体のサイズ、すなわち、前記物体に対応付けられたクラスタの矩形枠における長さおよび幅のうちの少なくとも一方より大きなサイズ区分のクラスタ枠における長さおよび幅のうちの少なくとも一方を持ち、かつ、サイズの最小なクラスタ枠のサイズ区分を、第1ないし第4サイズ区分の中から選択する。より詳しくは、例えば、置換部23は、クラスタリング部22で求めた、物体に対応付けられたクラスタの矩形枠における長さおよび幅より大きな長さおよび幅を持ち、かつ、サイズの最小なクラスタ枠のサイズ区分を、第1ないし第4サイズ区分の中から選択する。一例では、クラスタリング部22で求めたクラスタの矩形枠が1.2[m]×0.8[m]である場合、第2サイズ区分Sが選択され、クラスタリング部22で求めたクラスタの矩形枠は、2.0[m]×1.0[m]の第2クラスタ枠に置き換えられる。あるいは、例えば、置換部23は、クラスタリング部22で求めた、物体に対応付けられたクラスタの矩形枠における長さより大きな長さを持ち、かつ、サイズの最小なクラスタ枠のサイズ区分を、第1ないし第4サイズ区分の中から選択する。一例では、クラスタリング部22で求めたクラスタの矩形枠が4.4[m]×0[m]である場合、第3サイズ区分Mが選択され、クラスタリング部22で求めたクラスタの矩形枠は、5.0[m]×1.8[m]の第3クラスタ枠に置き換えられる。あるいは、例えば、置換部23は、クラスタリング部22で求めた、物体に対応付けられたクラスタの矩形枠における幅より大きな幅を持ち、かつ、サイズの最小なクラスタ枠のサイズ区分を、第1ないし第4サイズ区分の中から選択する。一例では、クラスタリング部22で求めたクラスタの矩形枠が1.0[m]×0.8[m]である場合、第1サイズ区分XSが選択され、クラスタリング部22で求めたクラスタの矩形枠は、1.0[m]×1.0[m]の第1クラスタ枠に置き換えられる。次に、置換部23は、クラスタリング部22で求めたクラスタの矩形枠における、車両VCから最も近い最近接点の位置が、置き換えの前後で、同一となるように、前記選択したサイズ区分のクラスタ枠を設定する。そして、置換部23は、この設定したクラスタ枠の中心位置を代表点の位置として求める。これによって、前記選択したサイズを前記観測データにおける物体のサイズとするとともに、前記選択したサイズから求めた位置を前記観測データにおける物体の位置とするように、前記観測データにおける物体のサイズおよび位置が置き換えられる。本実施形態では、置換部23は、前記代表点の速度を求め、速度を置き換え得てよいが、速度は、クラスタ枠の置き換えの前後で略変化しないので、速度の置き換えは、省略してよい。このように検出精度が比較的高い最近接点を基準に、クラスタ枠FRを置き換えることで、置き換えの前後で位置精度を維持またはその低下を抑制できる。
【0040】
例えば、
図3Aに示す、クラスタリング部22で求めたクラスタの矩形枠FRb1は、
図3Bに示す、第1ないし第4サイズ区分から選択された第2サイズ区分Sの第2クラスタ枠FRa1に置き換えられ、この置き換えられた第2クラスタ枠FRa1は、クラスタリング部22で求めたクラスタの矩形枠FRb1における、車両VCから最も近い最近接点CS
b1の位置が、置き換えの前後で、同一となるように、点CS
a1(=CS
b1)で設定され、このように設定された第2クラスタ枠FRa1の中心位置CP
a1が求められる。これによって、クラスタリング部22で求めた観測データは、
図3Aに示す矩形枠FRb1およびその中心位置CP
b1から、
図3Bに示す第2クラスタ枠FRa1およびその中心位置CP
a1に置き換えられる。
【0041】
あるいは、例えば、
図3Aに示す、クラスタリング部22で求めたクラスタの矩形枠FRb2(線分のクラスタ枠)は、
図3Bに示す、第1ないし第4サイズ区分から選択された第3サイズ区分Mの第3クラスタ枠FRa2に置き換えられ、この置き換えられた第3クラスタ枠FRa2は、クラスタリング部22で求めたクラスタの矩形枠FRb2における、車両VCから最も近い最近接点CS
b2の位置が、置き換えの前後で、同一となるように、点CS
a2(=CS
b2)で設定され、このように設定された第3クラスタ枠FRa2の中心位置CP
a2が求められる。
【0042】
ここで、
図3に示すように、所定の第1座標軸Xと、前記第1座標軸Xに直交する第2座標軸Yと、前記車両VCの中心位置を座標原点(0、0)とする座標系を設定した場合に、クラスタリング部22で求めたクラスタの矩形枠の辺が前記第1座標軸Xまたは前記第2座標軸Yと交差する場合、前記交差する辺における前記車両VCから最も近い最近接辺において、一方象限に延びる第1部分辺の第1長さと他方象限に延びる第2部分辺の第2長さとの比が、置き換えの前後で、同一となるように、置き換える。前記第1座標軸Xは、例えば、前記検出範囲の中心線である視認方向に沿って延びている(例えば、第1検出部1-1のみの場合に、前記視認方向は、検出範囲RFの中心線PRである)。あるいは、例えば、前記第1座標軸Xは、移動する場合における前記自機の進行方向に沿って延びている。本実施形態では、車両VC(移動体)に搭載されているので、前記第1座標軸Xは、車両VCの進行方向に沿って延びている。
【0043】
この
図3Aに示す矩形枠FRb2の辺S
1S
2は、第2座標軸Yと第2座標軸Y上の最近接点CS
b2で交差しており、この矩形枠FRb2は、前記交差する辺における前記車両VCから最も近い最近接辺S
1S
2において、一方象限に延びる第1部分辺CS
b2S
1の第1長さL1と他方象限に延びる第2部分辺CS
b2S
2の第2長さL2との比(L1:L2)が、置き換えの前後で、同一となるように、クラスタ枠FRa2に置き換えられる。すなわち、クラスタ枠FRa2における前記車両VCから最も近い最近接辺S’
1S’
2において、一方象限に延びる第1部分辺CS
a2S’
1の第1長さL’1、および、他方象限に延びる第2部分辺CS
a2S’
2の第2長さL’2は、それぞれ、L1:L2=L’1:L’2で与えられる長さである。
【0044】
これによって、クラスタリング部22で求めた観測データは、
図3Aに示す矩形枠FRb2およびその中心位置CP
b2から、
図3Bに示す第3クラスタ枠FRa2およびその中心位置CP
a2に置き換えられる。
【0045】
なお、これら上述の場合において、クラスタ枠の各辺は、それぞれ、置き換えの前後で、平行とされる。すなわち、クラスタ枠で表される物体の進行方向が置き換えの前後で維持される。
【0046】
第1サイズ補正部24は、相関部25で相関処理を実施する前に、観測データにおける物体のサイズと予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正するものである。上述したように、観測データにおける物体のサイズと予測データにおける物体のサイズの相違が相関処理で不都合となるので、サイズを補正する補正対象は、観測データにおける物体のサイズと予測データにおける物体のサイズとのどちらでもよい。
【0047】
より具体的には、第1に、第1サイズ補正部24は、クラスタ枠における、車両VC(移動体)から最も近い最近接点の位置が、補正の前後で、同一となるように、補正する。
【0048】
一例では、
図4Aに示すように、観測データにおける物体のクラスタ枠FRb3および予測データにおける物体のクラスタ枠FRb4の場合、ここでは、便宜上、観測データにおける物体のサイズを補正する場合には、
図4Bに示すように、クラスタ枠FRb3における最近接点CS
b3の位置が補正の前後で一致するように、クラスタ枠FRb3は、最近接点CS
a3(=最近接点CS
b3)を持ち、かつ、クラスタ枠FRb4のサイズを持つクラスタ枠FRa3に補正される。これにより、観測データにおける物体の位置は、クラスタ枠FRb3の中心位置CP
b3からクラスタ枠FRa3の中心位置CP
a3に補正される。
図4Bに示す予測データにおける物体のクラスタ枠FRa4は、不補正であるので、
図4Aに示す予測データにおける物体のクラスタ枠FRb4である(クラスタ枠FRb4=クラスタ枠FRa4、クラスタ枠FRb4の中心位置CP
b4=クラスタ枠FRa4の中心位置CP
a4)。
【0049】
第2に、所定の第1座標軸Xと、前記第1座標軸Xに直交する第2座標軸Yと、前記車両VCの中心位置を座標原点(0、0)とする座標系を設定した場合に、クラスタ枠の辺が前記第1座標軸Xまたは前記第2座標軸Yと交差する場合、第1サイズ補正部24は、前記交差する辺における前記車両VCから最も近い最近接辺において、一方象限に延びる第1部分辺の第1長さと他方象限に延びる第2部分辺の第2長さとの比が、補正の前後で、同一となるように、補正する。
図3の場合と同様に、前記第1座標軸Xは、例えば、前記検出範囲の中心線である視認方向に沿って延びている。あるいは、例えば、前記第1座標軸Xは、移動する場合における前記自機の進行方向に沿って延びている。本実施形態では、車両VC(移動体)に搭載されているので、前記第1座標軸Xは、車両VCの進行方向に沿って延びている。この場合も、上記と同様に、第1サイズ補正部24は、クラスタ枠における、車両VCから最も近い最近接点の位置が、補正の前後で、同一となるように、補正する。
【0050】
一例では、
図4Cに示すように、観測データにおける物体のクラスタ枠FRb5および予測データにおける物体のクラスタ枠FRb6の場合、これらクラスタ枠FRb5およびクラスタ枠FRb6それぞれが第2座標軸Yと交差(この例では直交)している。ここでは、便宜上、観測データにおける物体のサイズを補正する場合には、
図4Cに示すように、クラスタ枠FRb5で第2座標軸Yと交差する辺における最近接辺S
3S
4において、一方象限(この例では第1象限)に延びる第1部分辺CP
b5S
3の第1長さa1と他方象限(この例では第4象限)に延びる第2部分辺CP
b5S
4の第2長さa2との比(a1:a2)が、補正の前後で、同一となるように、クラスタ枠FRb5は、
図4Dに示すように、一方象限(この例では第1象限)に延びる第1部分辺CP
a5S’
3の第1長さa’1と他方象限(この例では第4象限)に延びる第2部分辺CP
a5S’
4の第2長さa’2との比(a’1:a’2)が前記比(a1:a2)であって(a’1:a’2=a1:a2)、かつ、第2座標軸Y上の最近接点CS
a5(=最近接点CS
b5)を持ち、かつ、クラスタ枠FRb6のサイズを持つクラスタ枠FRa5に補正される。これにより、観測データにおける物体の位置は、クラスタ枠FRb5の中心位置CP
b5からクラスタ枠FRa5の中心位置CP
a5に補正される。
図4Dに示す予測データにおける物体のクラスタ枠FRa6は、不補正であるので、
図4Cに示す予測データにおける物体のクラスタ枠FRb6である(クラスタ枠FRb6=クラスタ枠FRa6、クラスタ枠FRb6の中心位置CP
b6=クラスタ枠FRa6の中心位置CP
a6)。なお、上述では、これらクラスタ枠FRb5およびクラスタ枠FRb6それぞれが第2座標軸Yと交差(この例では直交)しているが、補正対象のクラスタ枠の辺が第1座標軸Xまたは第2座標軸Yと交差する場合に上述の処理が適用され、補正対象外のクラスタ枠の辺は、第1座標軸Xまたは第2座標軸Yと交差してもよく、前記交差しなくてもよい。
【0051】
第3に、予測データにおける物体のクラスタ枠が検出部1の検出範囲を超えて存在する場合、第1サイズ補正部24は、前記検出範囲と交差する辺における車両VC(移動体)から最も近い第2最近接辺において、前記検出範囲を超えて延びる第3部分辺の第3長さと前記検出範囲内に延びる第4部分辺の第4長さとの比が、前記予測データと補正後の前記観測データとで、同一となるように、前記観測データにおける物体のサイズを補正する。この場合も、第1サイズ補正部24は、クラスタ枠における、車両VCから最も近い最近接点の位置が、補正の前後で、同一となるように、補正するが、前記検出範囲と交差する最近接辺の交点を起点に前記最近接辺を延ばすので、前記最近接点における、前記最近接辺の延長方向と直交する直交方向の位置が補正の前後で、同一となるように、補正する。
【0052】
一例では、
図4Eに示すように、観測データにおける物体のクラスタ枠FRb7および予測データにおける物体のクラスタ枠FRb8の場合、予測データにおける物体のクラスタ枠FRb8は、第3検出部1-3の検出範囲RRBを超えて存在している。この場合では、観測データにおける物体のサイズを補正することが望ましい。
図4Eに示すように、クラスタ枠FRb8で第3検出部1-3の検出範囲RRBと交差する辺における第2最近接辺S
5S
6において、前記検出範囲RRBを超えて延びる第3部分辺BP
1S
5の第3長さb1と前記検出範囲RRB内に延びる第4部分辺BP
1S
6の第4長さb2との比(b1:b2)が、前記予測データと補正後の前記観測データとで、同一となるように、クラスタ枠FRb7は、
図4Fに示すように、第3検出部1-3の検出範囲RRBと交差する辺における第2最近接辺S
7S
8において、前記検出範囲RRBを超えて延びる第3部分辺BP
2S
7の第3長さa’1と前記検出範囲RRB内に延びる第4部分辺BP
2S
8の第4長さa’2との比(a’1:a’2)が前記比(b1:b2)であって(a’1:a’2=b1:b2)、かつ、クラスタ枠FRb7の最近接点CS
b7における、前記第2最近接辺S
7S
8の延長方向と直交する直交方向(この例では第2座標軸Yの方向)の位置に前記第2最近接辺S
7S
8を持ち、かつ、クラスタ枠FRb8のサイズを持つクラスタ枠FRa7に補正される。これにより、観測データにおける物体の位置は、クラスタ枠FRb7の中心位置CP
b7からクラスタ枠FRa7の中心位置CP
a7に補正される。なお、
図4Eに示すクラスタ枠FRb7の最近接点CS
b7は、上述のように、前記最近接点における、前記最近接辺の延長方向と直交する直交方向の位置が補正の前後で、同一となるように、補正するから、補正の前後で第2座標軸Yの座標値が維持される結果、
図4Fに示すクラスタ枠FRa7では、第2座標軸Y上で最近接点CS
a7(車両VCの真横の点)となっている。
図4Fに示す予測データにおける物体のクラスタ枠FRa8は、不補正であるので、
図4Eに示す予測データにおける物体のクラスタ枠FRb8である(クラスタ枠FRb8=クラスタ枠FRa8、クラスタ枠FRb8の中心位置CP
b8=クラスタ枠FRa8の中心位置CP
a8)。
【0053】
なお、これら上述の第1ないし第3の場合において、クラスタ枠の各辺は、それぞれ、補正の前後で、平行とされる。すなわち、クラスタ枠で表される物体の進行方向が補正の前後で維持される。
【0054】
相関部25は、観測データで表される物体と予測データで表される物体とが同一であるか否かを、前記観測データと前記予測データとの相関処理によって判定するものである。
【0055】
より具体的には、例えば、相関部25は、第1サイズ補正部24による補正後において、予測データにおける物体の位置(本実施形態では代表点としてのクラスタ枠FRの中心位置)を中心とした、予め決められた所定の範囲(相関判定範囲)内に、観測データにおける物体の位置(本実施形態では代表点としてのクラスタ枠FRの中心位置)が存在するか否かによって、前記相関処理を実行する。相関部25は、前記相関判定範囲内に前記観測データにおける物体の位置(代表点)が存在する場合には、観測データで表される物体と予測データで表される物体とが同一であると判定し、前記相関判定範囲内に前記観測データにおける物体の位置(代表点)が存在しない場合には、観測データで表される物体と予測データで表される物体とが同一ではないと判定する。観測データで表される物体が全ての、予測データで表される物体と同一ではないと判定すると、相関部25は、この相関の無い観測データで表される物体を新たに認識した物体として扱う。一方、相関部25は、所定の回数、連続して、観測データで表される物体のいずれにも同一であると判定されなかった予測データで表される物体を、車両VCの周囲から外れた物体として扱う。前記相関判定範囲は、同一性を判定する当該物体認識装置Dの仕様に応じて適宜に設定され、例えば、予測データにおける物体のサイズ(本実施形態ではクラスタ枠のサイズ)に設定される。このような相関処理の場合では、補正の前後で代表点を適切に移動させるために、最近接点の位置を補正の前後で維持することが望ましい。
【0056】
あるいは、例えば、相関部25は、第1サイズ補正部24による補正後において、予測データにおける物体と観測データにおける物体との重なり部分の面積(本実施形態では予測データにおける物体のクラスタ枠と観測データにおける物体のクラスタ枠との重なり部分の面積)が、予め決められた所定の閾値(相関判定閾値)以上であるか否かによって前記相関処理を実行する。相関部25は、前記相関判定閾値以上である場合には、観測データで表される物体と予測データで表される物体とが同一であると判定し、前記相関判定閾値未満である場合には、観測データで表される物体と予測データで表される物体とが同一ではないと判定する。前記相関判定閾値は、同一性を判定する当該物体認識装置Dの仕様に応じて適宜に設定される。このような相関処理の場合では、重複部分の面積を評価するので、最近接点の位置を補正の前後で維持することは必ずしも必要ではない。
【0057】
そして、相関部25は、このような相関処理の終了後に、第1サイズ補正部24で補正された物体のサイズを補正前に戻す。本実施形態では、上述のように、観測データにおける物体のサイズ(クラスタ枠FR)が補正されたので、観測データにおける物体のサイズ(クラスタ枠FR)が補正前に戻される。すなわち、置換部23で置き換えられたサイズが観測データにおける物体のサイズとなる。
【0058】
第2サイズ補正部26は、認識部27で認識データを求める前に、観測データにおける物体のサイズと予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正するものである。
【0059】
より具体的な補正方法は、第1サイズ補正部24と同様である。ずなわち、第2サイズ補正部26は、クラスタ枠における、車両VC(移動体)から最も近い最近接点の位置が、補正の前後で、同一となるように、補正する。所定の第1座標軸Xと、前記第1座標軸Xに直交する第2座標軸Yと、前記車両VCの中心位置を座標原点(0、0)とする座標系を設定した場合に、クラスタ枠の辺が前記第1座標軸Xまたは前記第2座標軸Yと交差する場合、第2サイズ補正部26は、前記交差する辺における前記車両VCから最も近い最近接辺において、一方象限に延びる第1部分辺の第1長さと他方象限に延びる第2部分辺の第2長さとの比が、補正の前後で、同一となるように、補正する。予測データにおける物体のクラスタ枠が検出部1の検出範囲を超えて存在する場合、第2サイズ補正部26は、前記検出範囲と交差する辺における車両VC(移動体)から最も近い第2最近接辺において、前記検出範囲を超えて延びる第3部分辺の第3長さと前記検出範囲内に延びる第4部分辺の第4長さとの比が、前記予測データと補正後の前記観測データとで、同一となるように、前記観測データにおける物体のサイズを補正する。
【0060】
認識部27は、クラスタリング部22で求めた観測データと予測部28で求めた予測データとに基づいて、認識結果としての物体状態情報である認識データを求めるものである。認識部27は、観測データにおける物体の位置、予測データにおける物体の位置および速度に基づいて認識データにおける物体の速度を求める。
【0061】
予測部28は、過去の観測データに基づいて物体状態情報を予測した予測データを求めるものである。
【0062】
より具体的には、認識部27および予測部28は、いわゆるカルマンフィルタ等を用いることによって、過去の観測データに基づいて予測データを求め、クラスタリング部22で求め、置換部23で置き換えられた観測データと予測部28で求めた予測データとに基づいて認識データを求める。より詳しくは、本実施形態では、サンプリング周期Tで繰り返し物体が検出され、このサンプリング周期Tで繰り返し認識データが求められる。この繰り返しのサンプリングタイミングの時刻tkにおいて、観測データにおける物体の位置(クラスタ枠の中心位置)をxokとし、予測データにおける物体の位置をxpkとし、認識データにおける物体の位置をxskとし、前記予測データにおける物体の速度をvpkとし、前記認識データにおける物体の速度をvskとし、所定の第1パラメータをαとし、所定の第2パラメータをβとする場合、認識データにおける物体の位置xskおよび速度vskは、次式1および式2で求められ、予測データにおける物体の位置xpkおよび速度vpkは、次式3および式4で求められる。第1および第2パラメータα、βは、いわゆるα-βフィルタにおける位置および速度の予測依存性に対するゲインであり、適宜に設定される。
式1;xsk=xpk+α×(xok-xpk)
式2;vsk=vpk+β/T×(xok-xpk)
式3;xpk=xsk-1+T×vsk-1
式4;vpk=vsk-1
【0063】
一方、時刻tkにおいて、予測データにおける物体のサイズをspkとし、認識データにおける物体のサイズをsskとする場合、予測部28は、予測データにおける物体のサイズspkを、次式5で求める。
式5;spk=ssk-1
【0064】
そして、本実施形態では、認識部27は、上述のように認識データにおける物体の位置を求めた後に、さらに、第2サイズ補正部26で補正する前での、観測データにおける物体のサイズおよび予測データにおける物体のサイズのうちの大きい方のサイズを選択し、この選択したサイズを前記認識データにおける物体のサイズとするように、前記認識データにおける物体のサイズを置き換える。観測データにおける物体のサイズおよび予測データにおける物体のサイズのうちの小さい方は、検出点が漏れてそのサイズになった虞があるため、上述のように、両者のうちの大きい方のサイズに置き換えることで、認識データにおける物体のサイズを真のサイズに近づけることができる。この結果、後述する認識データ利用部29における衝突判定等の精度が向上する。前記物体のサイズの置き換えでは、
図3を用いて上述した置換部23の置き換えと同様に処理される。すなわち、置換部23は、クラスタリング部22で求めた観測データにおける物体のサイズを、上述のように選択したサイズ区分のサイズに、置き換えの前後で最近接点の位置や各象限内の各部分辺における各長さの比が同一となるように、置き換えたが、ここでは、認識部27は、観測データにおける物体のサイズを、第2サイズ補正部26で補正する前での、観測データにおける物体のサイズおよび予測データにおける物体のサイズのうちの大きい方のサイズに、置き換えの前後で最近接点の位置や各象限内の各部分辺における各長さの比が同一となるように、置き換える。
【0065】
このように認識データにおける物体のサイズを置き換えるので、認識部27は、この置き換えた物体のサイズで物体の位置(クラスタ枠の中心位置)を求め、この求めた物体の位置を前記認識データにおける物体の位置とするように、前記認識データにおける物体の位置を置き換える。
【0066】
これによって最終的な認識データにおける物体のサイズ、位置および速度が求められる。
【0067】
認識データ利用部29は、認識部27で求めた認識データを利用した所定の処理を実施するものである。例えば、認識データ利用部29は、車両VCと第1ないし第5検出部1-1~1-5で検出した物体とが衝突するか否かを判定する衝突判定部である。前記衝突判定部は、例えば、車両VCの位置および速度と前記物体の認識データにおけるサイズ、位置および速度とに基づいて前記衝突の有無を判定する。前記衝突判定部は、前記衝突有りと判定した場合に、警報の報知等をしてもよい。あるいは、例えば、認識データ利用部29は、車両VCを自動的に車線変更等を行う自動運転処理を実施する自動運転処理部である。前記自動運転処理部は、例えば車線変更では、カメラの画像から白線を検出し、車両VCの走行車線と変更先の車線とを認識し、車両VCの位置および速度と前記物体の認識データにおけるサイズ、位置および速度とに基づいて車両VCと前記物体との衝突を回避しつつ車線変更する。
【0068】
このような物体認識装置Dにおける制御処理部2および記憶部3は、いわゆるECU(Electronic Control Unit)と呼称されるコンピュータによって構成可能である。
【0069】
なお、第2サイズ補正部26は、前記認識部で認識データを求める前に、前記観測データにおける物体のサイズと前記予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正するサイズ補正部の一例に相当する。
【0070】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図5は、認識データの生成およびその利用に関する前記物体認識装置の動作を示すフローチャートである。
図6は、
図5に示す第1サイズ補正処理、相関処理およびサイズのリセットに関する前記物体認識装置の動作を示すフローチャートである。
図7は、
図5に示す第2サイズ補正処理および認識データの生成に関する前記物体認識装置の動作を示すフローチャートである。
【0071】
このような物体認識装置Dは、車両VCが稼働を始めると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。その制御処理プログラムの実行によって、制御処理部2には、制御部21、クラスタリング部22、置換部23、第1サイズ補正部24、相関部25、第2サイズ補正部26、認識部27、予測部28および認識データ利用部29が機能的に構成される。
【0072】
物体認識装置Dは、車両VC(移動体)の周囲における物体の認識では、
図5に示す次の各動作を所定のサンプリング周期Tで繰り返し実行している。
【0073】
図5において、物体認識装置Dは、今回のサンプリングタイミングの時刻t
kでの、第1ないし第5検出部1-1~1-5で検出した検出点を第1ないし第5検出部1-1~1-5から取得する(S1)。
【0074】
次に、物体認識装置Dは、制御処理部2のクラスタリング部22によって、第1ないし第5検出範囲RF、RRF、RRB、RLF、RLBで車両VC(移動体)の周囲における物体を、処理S1で第1ないし第5検出部1-1~1-5から取得した1または複数の検出点をクラスタリングすることによって、前記物体の観測データを求める(S2)。
【0075】
次に、物体認識装置Dは、制御処理部2の置換部23によって、クラスタリング部22で求めた観測データにおける物体のサイズに基づいて、予め定義された複数のサイズ中から1つのサイズを選択し、この選択したサイズを前記観測データにおける物体のサイズとするとともに、前記選択したサイズから求めた位置を前記観測データにおける物体の位置とするように、前記観測データにおける物体のサイズおよび位置を置き換える(S3)。
【0076】
次に、物体認識装置Dは、制御処理部2の予測部28によって、過去の観測データに基づいて予測データを求める(S4)。本実施形態では、予測データにおける物体のサイズspk、位置xpkおよび速度vpkが、それぞれ、spk=ssk-1、xpk=xsk-1+T×vsk-1、vpk=vsk-1によって求められる。
【0077】
物体認識装置Dは、制御処理部2によって、第1サイズ補正処理、相関処理およびサイズのリセットを実行する(S5)。
【0078】
この処理S5では、より具体的には、
図6に示す各動作が実行される。
【0079】
図6において、物体認識装置Dは、制御処理部2の第1サイズ補正部24によって、観測データにおける物体のサイズと予測データにおける物体のサイズとが異なるか否かを判定する(S51)。この判定では、置換部23によって物体のサイズは、本実施形態では、第1ないし第4サイズ区分のいずれかであるので、サイズ区分で同否が判定される。この判定の結果、両データの各サイズ区分が異なる場合(Yes)には、物体認識装置Dは、次に処理S52を実行した後に、処理S53を実行する。一方、前記判定の結果、両データの各サイズ区分が同じ場合(No)には、物体認識装置Dは、次に、処理S53を実行する。
【0080】
この処理S52では、物体認識装置Dは、第1サイズ補正部24によって、観測データにおける物体のサイズと予測データにおける物体のサイズとが一致するように、本実施形態では、前記観測データにおける物体のサイズを補正する。
【0081】
前記処理S53では、物体認識装置Dは、制御処理部2の相関部25によって、観測データで表される物体と予測データで表される物体とが同一であるか否かを、前記観測データと前記予測データとの相関処理によって判定する。この判定の結果、両データの各物体が同一である場合(Yes)には、物体認識装置Dは、次に処理S54を実行した後に、処理S55を実行する。一方、前記判定の結果、両データの各物体が同一ではない場合(No)には、物体認識装置Dは、次に、処理S55を実行する。
【0082】
この処理S54では、物体認識装置Dは、相関部25によって、前記観測データで表される物体を前記予測データで表される物体に対応付ける。これによって各サンプリングタイミングごとに物体のトラッキング(追跡)が行われる。
【0083】
前記処理S55では、物体認識装置Dは、相関部25によって、サイズをリセットするために、第1サイズ補正部24で補正された物体のサイズを補正前に戻し、処理S5を終了する。
【0084】
図5に戻って、次に、物体認識装置Dは、制御処理部2によって、第2サイズ補正処理、相関処理および認識データの生成を実行する(S6)。
【0085】
この処理S6では、より具体的には、
図7に示す各動作が実行される。
【0086】
図7において、物体認識装置Dは、制御処理部2の第2サイズ補正部26によって、観測データにおける物体のサイズと予測データにおける物体のサイズとが異なるか否かを、本実施形態ではサイズ区分で判定する(S61)。この判定の結果、両データの各サイズ区分が異なる場合(Yes)には、物体認識装置Dは、次に処理S62を実行した後に、処理S63を実行する。一方、前記判定の結果、両データの各サイズ区分が同じ場合(No)には、物体認識装置Dは、次に、処理S63を実行する。
【0087】
この処理S62では、物体認識装置Dは、第2サイズ補正部26によって、観測データにおける物体のサイズと予測データにおける物体のサイズとが一致するように、本実施形態では、前記観測データにおける物体のサイズを補正する。
【0088】
前記処理S63では、物体認識装置Dは、制御処理部2の認識部27によって、本実施形態では、上述の式1を用いて認識データにおける物体の位置xskを求める。
【0089】
次に、物体認識装置Dは、認識部27によって、本実施形態では、上述の式2を用いて認識データにおける物体の速度vskを求める(S64)。
【0090】
次に、物体認識装置Dは、認識部27によって、観測データにおける物体のサイズおよび予測データにおける物体のサイズのうちの大きい方のサイズを選択し、この選択したサイズを前記認識データにおける物体のサイズとするように、前記認識データにおける物体のサイズを置き換える(S65)。
【0091】
そして、物体認識装置Dは、認識部27によって、この処理S65で置き換えた物体のサイズで物体の位置(クラスタ枠の中心位置)を求め、この求めた物体の位置を前記認識データにおける物体の位置とするように、前記認識データにおける物体の位置を置き換え、処理S6を終了する。
【0092】
図5に戻って、次に、物体認識装置Dは、制御処理部2の認識データ利用部29によって、処理S6で求めた認識データを利用した所定の処理を実施する(S7)。
【0093】
このような処理S2ないし処理S7の各処理が、観測データで表される物体ごとに実行され、今般のサンプリングタイミングでの処理を終了する。なお、上述したように、観測データで表される物体が全ての、予測データで表される物体と同一ではないと判定すると、相関部25は、この相関の無い観測データで表される物体を新たに認識した物体として扱う。一方、相関部25は、所定の回数、連続して、観測データで表される物体のいずれにも同一であると判定されなかった予測データで表される物体を、車両VCの周囲から外れた物体として扱う。
【0094】
以上説明したように、実施形態における物体認識装置Dおよびこれに実装された物体認識方法は、第1サイズ補正部24によって、相関処理を実施する前に、観測データにおける物体のサイズと予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正するので、サイズの違いに起因する相関関係の判定精度の低下を、抑制できる。
【0095】
上記物体認識装置Dおよび物体認識方法は、第2サイズ補正部26によって、認識データを求める前に、観測データにおける物体のサイズと予測データにおける物体のサイズとが一致するように、前記観測データにおける物体のサイズおよび前記予測データにおける物体のサイズのうちの少なくとも一方を補正するので、サイズの違いに起因する、少なくとも物体のサイズの検出精度および位置の検出精度それぞれの低下を抑制できる。本実施形態では、速度の検出精度の低下も抑制できる。
【0096】
図8は、前記物体認識装置の効果を説明するための図である。
図8Aは、前回の観測データに基づく予測データを示し、
図8Bは、今回の検出点を示し、
図8Cは、
図8Bに示す検出点に基づきクラスタリングによって得られた観測データを示す。
図8Cに示す観測データは、サイズ区分で置き換える前の観測データである。
【0097】
一般に、例えばレーダ装置等の、物体を検出(センシング)する検出器(センサ、本実施形態では第1ないし第5検出部1-1~1-5が相当する)は、予め規定された所定の検出範囲内で物体を検出している。
図8に示す例では、車両VCの右前方に配置された検出器は、右前方から右側面の中程までの略120度の扇形である検出範囲RRFで物体を検出し、車両VCの右後方に配置された検出器は、右側面の中程から右後方までの略120度の扇形である検出範囲RRBで物体を検出している。前記検出器の性能限界から、検出範囲内に物体が存在していても、例えば、
図8Bに示すように、前記物体の一部での検出点が生成され、物体の残部での検出点が漏れてしまうことがある。特に、検出範囲RRF、RRBの境界付近では、検出精度が低下し易く、検出範囲RRFと検出範囲RRBとの重なり付近でも、このような漏れが生じてしまう場合がある。
図8Cに示す、前記物体の一部での検出点に基づきクラスタリングによって生成されたクラスタ枠は、前記物体の一部での検出点であるから、真のクラスタ枠とは異なってしまう。このため、
図8Aに示す前回の観測データに基づく予測データと、
図8Cに示す、
図8Bに示す検出点に基づきクラスタリングによって得られた観測データとで、サイズに基づき、前回で検出した物体と今回で検出した物体との相関関係を判定する場合、相関関係の判定精度が低下してしまう。例えば、本実施形態のような相関処理によって判定すると、枠サイズに依存する代表点の位置関係が真の位置関係と異なるため、相関関係の判定精度が低下してしまう。
【0098】
しかしながら、実施形態における物体認識装置Dおよび物体認識方法は、上述のように、相関処理を実施する前に、第1サイズ補正部24によってサイズを補正するので、サイズの違いに起因する相関関係の判定精度の低下を、抑制できる。
【0099】
一方、物体のサイズの、物体の領域における所定の点(代表点)の位置が物体の位置とされる場合、上述のように物体のサイズの検出精度が低下すると、検出結果に基づく物体の領域が真の物体の領域からずれるので、物体の位置の精度も低下してしまい、その結果、前記物体の速度の精度も低下してしまう。
【0100】
しかしながら、実施形態における物体認識装置Dおよび物体認識方法は、上述のように、認識データを求める前に、第2サイズ補正部26によってサイズを補正するので、サイズの違いに起因する、物体のサイズの検出精度、位置の検出精度および速度の検出精度それぞれの低下を抑制できる。
【0101】
上記物体認識装置Dおよび物体認識方法は、高い検出精度を持つ最近接点、の位置を、第1サイズ補正部24による補正の前後で、同一となるように、補正するので、補正後で位置精度を維持またはその低下を抑制できる。上記物体認識装置Dおよび物体認識方法は、前記最近接点の位置を、第2サイズ補正部26による補正の前後で、同一となるように、補正するので、補正後で位置精度を維持またはその低下を抑制できる。
【0102】
上記物体認識装置Dおよび物体認識方法は、高い検出精度を持つ傾向にある最近接辺、における象限ごとの各部分辺での各長さの比を、第1サイズ補正部24による補正の前後で、同一となるように、補正するので、補正後で位置精度を維持またはその低下を抑制できる。上記物体認識装置Dおよび物体認識方法は、前記最近接辺における象限ごとの各部分辺での各長さの比を、第2サイズ補正部26による補正の前後で、同一となるように、補正するので、補正後で位置精度を維持またはその低下を抑制できる。
【0103】
予測データの矩形枠が検出範囲を超えて存在する場合、観測データにおける物体のサイズは、前記検出範囲外の部分で欠損している可能性がある。上記物体認識装置Dおよび物体認識方法は、予測データの矩形枠の最近接辺における検出範囲内外ごとの各部分辺での各長さの比を、第1サイズ補正部24により前記予測データと補正後の前記観測データとで、同一となるように、観測データにおける物体のサイズを補正するので、前記欠損を補うことができ、補正後で位置精度を維持またはその低下を抑制できる。上記物体認識装置Dおよび物体認識方法は、予測データの矩形枠の最近接辺における検出範囲内外ごとの各部分辺での各長さの比を、第2サイズ補正部26により前記予測データと補正後の前記観測データとで、観測データにおける物体のサイズを補正するので、前記欠損を補うことができ、補正後で位置精度を維持またはその低下を抑制できる。
【0104】
上記物体認識装置Dおよび物体認識方法は、予め定義された複数のサイズ中から選択したサイズに、前記観測データにおける物体のサイズに置き換えるので、検出点の検出漏れによるサイズの変動を抑制できる。
【0105】
第2サイズ補正部26は、小さい方の物体のサイズに合わせて補正する場合がある。上上記物体認識装置Dおよび物体認識方法は、第2サイズ補正部26で補正する前での、観測データにおける物体のサイズおよび予測データにおける物体のサイズのうちの大きい方のサイズを選択し、この選択したサイズを認識データにおける物体のサイズとするように、前記認識データにおける物体のサイズを置き換えるので、前記場合を回避でき、適切な物体の大きさを持つ認識データを求めることができる。
【0106】
上記物体認識装置Dおよび物体認識方法は、観測データにおける物体の位置、予測データにおける物体の位置および速度に基づいて認識データにおける物体の速度を求めるので、検出精度の低下を抑制した物体の位置に基づくことで速度の検出精度の低下を抑制できる。
【0107】
なお、上述の実施形態では、2次元で説明したが、3次元でも同様に説明できる。この場合、クラスタ枠は、直方体となり、クラスタ枠としての矩形に含まれる線分は、平面となる。
【0108】
また、上述の実施形態では、観測データ、予測データおよび認識データの物体状態情報は、サイズ、位置および速度を含んだが、さらに、加速度を含んでもよい。この場合では、時刻tkにおいて、前記観測データにおける物体の加速度をaokとし、前記予測データにおける物体の加速度をapkとし、前記認識データにおける物体の加速度をaskとし、所定の第3パラメータをγとする場合に、認識データにおける物体の位置xskおよび速度vskは、上述の式1および式2で求められ、前記認識データにおける物体の加速度askは、ask=apk+γ/T2×(xok-xpk)によって求められる。この場合では、予測データにおける物体の位置xpk、速度vpkおよび加速度apkは、xpk=xsk-1+T×vsk-1+(T2/2)×ask-1、vpk=vsk-1+T×ask-1、apk=ask-1によって求める。第3パラメータγは、いわゆるα-β-γフィルタにおける加速度の予測依存性に対するゲインであり、適宜に設定される。
【0109】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【符号の説明】
【0110】
D 物体認識装置
FR(FRb1~FRb8、FRa1~FRa8) クラスタ枠
CP(CPb1~CPb8、CPa1~CPa8) 中央位置(代表点の一例)
CS(CPb1~CPb3、CPb5、CPb7、CPa1~CPa3、CPa5、CPa7) 最近接点
R(RF、RRF、RRB、RLF、RLB) 検出範囲
1-1~1-5 第1ないし第5検出部
2 制御処理部
3 記憶部
21 制御部
22 クラスタリング部
23 置換部
24 第1サイズ補正部
25 相関部
26 第2サイズ補正部
27 認識部
28 予測部
29 認識データ利用部(ex.衝突判定部)