(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】アクティブ面を有するセンサー
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20241011BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20241011BHJP
G01N 21/05 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
H01L27/146 D
G01N21/64 F
G01N21/05
(21)【出願番号】P 2020572711
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(86)【国際出願番号】 US2020033827
(87)【国際公開番号】W WO2020236945
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-09
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500358711
【氏名又は名称】イルミナ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100132252
【氏名又は名称】吉田 環
(72)【発明者】
【氏名】アルビン・エマディ
(72)【発明者】
【氏名】アルナウド・リバル
(72)【発明者】
【氏名】アリ・アガー
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09670445(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0077315(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
G01N 21/64
G01N 21/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板ボンド・パッドを有する基板、
基板上にあり、アクティブ面およびセンサー・ボンド・パッドを有して成るセンサー、
基板上にあり、およびセンサーの側面を覆う成形層、ならびに
成形層
の上
面に接し、および前記アクティブ面
の上
方に
て延在する蓋層
を有して成り、
成形層が基板の上面に対する成形高さを有し、該成形層の成形高さが基板の上面に対するセンサーのアクティブ面の高さよりも高く、
蓋層と成形層とが一括してセンサーのアクティブ面上に空間を形成し、該空間がフロー・チャネルを規定する、装置。
【請求項2】
センサー・ボンド・パッドを基板ボンド・パッドに接続するワイヤ・ボンドを更に有して成り、成形層がワイヤ・ボンドを覆う、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
センサーを通るように延在し、およびセンサー・ボンド・パッドをセンサーの底面にあるセンサー再分配層(RDL)に電気的に接続する、貫通シリコンビア(TSV)を更に有して成り、センサーRDLは基板ボンド・パッドと電気的に接触している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
成形層が第1成形層および第2成形層を有して成り、第1成形層が該第1成形層を通るように延在する貫通成形ビア(TMV)を有して成り、前記装置がセンサー・ボンド・パッドをTMVに接続するセンサー再分配層(RDL)を更に有して成り、および第2成形層がRDLおよび第1成形層上にある、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
センサーのアクティブ面上にパッシベーション層を更に有して成る、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
パッシベーション層が反応凹部を有して成る、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
パッシベーション層上に機能性コーティングを更に有して成る、請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
フロー・チャネルが、センサーのアクティブ面の実質的に全てを包含する、請求項1~7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
フロー・チャネルが、センサーのアクティブ面全体およびセンサーの非アクティブ面の少なくとも一部を包含する、請求項1~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
フロー・チャネルが成形層の水平面を包含する、請求項1~9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
蓋層がインレット・ポートおよびアウトレット・ポートを有して成る、請求項1~10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
成形層の表面が前記インレット・ポートとフロー・チャネル内のセンサーのアクティブ面との間にある、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
基板が1つ以上の誘電体層を有して成り、1つ以上の誘電体層の各々が内部に1つ以上の導電経路を有して成る、請求項1~12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
センサーが、相補型金属酸化物半導体(CMOS)検出デバイスを有して成る、請求項1~13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
装置が生物学的分析、化学分析、又はこれら両方を実施するためのカートリッジの一部である、請求項1~14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
アクティブ面およびセンサー・ボンド・パッドを有して成るセンサーを、基板ボンド・パッドを有して成る基板上に設けること、
センサーの側面を覆う成形層を基板上に設けること、
センサーのアクティブ面の直上にある成形層の一部を選択的に除去すること、および
成形層
の上
面に接し、およびセンサー
のアクティブ面
の上
方に
て延在する蓋層を設けて、センサーのアクティブ面上に空間を形成すること
を含み、
前記空間がフロー・チャネルを規定する、方法。
【請求項17】
センサー・ボンド・パッドの基板ボンド・パッドへのワイヤ・ボンディングを行うことを更に有して成り、成形層がワイヤ・ボンドを覆う、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
センサー・ボンド・パッドからセンサーを通るように延在する貫通シリコンビア(TSV)、および
センサーの底面に再分配層(RDL)
を形成することを更に含み、
センサー・ボンド・パッドはRDLに電気的に接続される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
成形層は第2成形層であり、
前記方法が、
基板に対するセンサーのアクティブ面の高さと実質的に同じである高さの第1成形層、
第1成形層を通じて基板ボンド・パッドへと向かう貫通成形ビア(TMV)、
センサー・ボンド・パッドをTMVに電気的に接続するための、センサーの上面にある再分配層(RDL)、および
RDLおよび第1成形層上にある第2成形層
を形成することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
蓋層にインレット・ポートおよびアウトレット・ポートを形成することを更に含む、請求項16~19のいずれに記載の方法。
【請求項21】
センサーの表面にパッシベーション層を形成することを更に含む、請求項16~20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
パッシベーション層内に反応凹部を形成することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
パッシベーション層に機能性コーティングを形成することを更に含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
基板上にあり、アクティブ面およびセンサー・ボンド・パッドを有して成るセンサー、
センサーを通るように延在し、センサー・ボンド・パッドをセンサーの底面上にある再分配層(RDL)に電気的に接続する貫通シリコンビア(TSV)、
基板上にあり、およびセンサーの側面を覆う成形層、
成形層上にあるインターポーザー層、
基板ボンド・パッドと電気的に接触し、基板を通るように延在する貫通シリコンビア(TSV)、ならびに
インターポーザー層
の上面に接し、アクティブ面
の上
方に
て延在する蓋層
を有して成り、
RDLは基板ボンド・パッドと電気的に接触しており、
成形層が基板の上面に対する成形高さを有し、該成形層の成形高さが基板の上面に対するセンサーのアクティブ面の高さと実質的に同一であり、
蓋層とインターポーザー層とが一括して、センサーのアクティブ面上に、フロー・チャネルを規定する空間を形成する、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この特許出願は、2019年5月21日に出願され、「アクティブ面を有するセンサー」と題された米国仮特許出願第62/850894号に対して優先権を主張し、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
生物学的または化学的研究における様々なプロトコルは、局所的な支持面にまたは事前規定された反応チャンバー内で多数の制御された反応を実施することを含む。次に、指定された反応を観察または検出することができ、その後の分析は、反応に関与する物質の特性を特定または明らかにするのに役立ち得る。例えば、いくつかの複合分析(又は多重分析又はマルチプレックス分析;multiplex assays)では、識別可能なラベル(例えば、蛍光ラベル又は蛍光標識;fluorescent label)を有する未知の分析物(又は検体;analyte)が、制御された条件下で数千の既知のプローブに晒され得る。各既知のプローブは、マイクロプレートの対応するウェル内に置くことができる。ウェル内の既知のプローブと未知の分析物との間で発生する化学反応の観察は分析物の特性を特定または明らかにするのに役立ち得る。このようなプロトコルの他の例には、合成による配列決定(シークエンシング;sequencing)(SBS)又はサイクリック(又は環状;cyclic)アレイ配列決定などの既知のDNA配列決定プロセスが含まれる。
【0003】
いくつかの既存の蛍光検出プロトコルでは、光学システムが、励起光を蛍光標識化された分析物に向け、分析物から放出され得る蛍光信号を検出するために用いられる。しかしながら、そのような光学システムは、比較的高価であり、比較的大きなベンチトップ型の設置面積(又はベンチトップ型のフットプリント;benchtop footprint)を伴う可能性がある。例えば、そのような光学システムは、レンズ、フィルター、および光源の配置を含み得る。他の既存の検出システムでは、制御された反応は、局所的な支持面にて、または蛍光発光を検出するために大きな光学アセンブリを必要としないフロー・セルの事前規定された反応チャンバー内で生じる。このようなシステムのフロー・セルは使い捨ての消耗品として設計され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、フロー・セルが小型で安価なデバイスであることが有益であり得る。 比較的小さなフロー・セルでは、光検出デバイスのできるだけ多くのセンサーアクティブエリアを活用すること、および/またはできるだけ大きいセンサーアクティブエリアを供することが有益であり得る。 既存のアプローチの欠点を克服することができ、本明細書で供される例を通じて追加の利点が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、装置が提供される。 この装置は、基板、基板上にあるセンサー、基板およびセンサーの側面を覆う成形層を有して成る。センサーは、アクティブ面を有するセンサーを有して成る。成形層は、基板の上面に対するセンサーの表面高さよりも高い、基板の上面に対する成形高さを有する。この装置はまた、成形層上およびセンサーのアクティブ面上に蓋層を含む。センサーのアクティブ面、蓋層、および成形層は、センサーのアクティブ面上にフロー・チャネル(又はフロー・チャンネル又は流路;flow channel)を規定する空間を形成する。
【0006】
ある例では、成形層は、センサー・ボンド・パッドを基板ボンド・パッドに接続するワイヤ・ボンドを覆う。
【0007】
ある例では、貫通シリコンビア(又はスルー・シリコン・ビア;through-silicon via)(TSV)は、センサーを通るように延在し、およびセンサー・ボンド・パッドをセンサーの底面にあるセンサー再分配層(redistribution layer)(RDL)に電気的に接続する。センサーRDLは基板ボンド・パッドと電気的に接触している。
【0008】
ある例では、成形層は、第1成形層(または第1の成形層;first molding layer)および第2成形層(または第2の成形層;second molding layer)を含む。第1成形層は、基板ボンド・パッドへと向かう貫通成形ビア(又はスルーモールドビア;through-mold via)(TMV)を含む。センサーの上面にある再分配層(RDL)は、センサー・ボンド・パッドをTMVに電気的に接続する。第2成形層はRDLおよび第1成形層上にある。
【0009】
ある例では、パッシベーション層(又は不動態化層;passivation layer)がセンサーのアクティブ面上にある。そのような例では、機能性(又は機能化された;functionalized)コーティングがパッシベーション層上にある。
【0010】
ある例では、フロー・チャネルは、センサーのアクティブ面の実質的に全てを包含する。
【0011】
ある例では、フロー・チャネルは、センサーのアクティブ面全体およびセンサーの非アクティブ面の一部を包含する。
【0012】
ある例では、フロー・チャネルは成形層の水平面を包含する。
【0013】
ある例では、蓋層は、インレット・ポート(又は入口ポート;inlet port)およびアウトレット・ポート(又は出口ポート;outlet port)を有して成る。
【0014】
ある例では、成形層の表面は、フロー・チャネル内のセンサーのアクティブ面からインレット・ポートを離す。
【0015】
ある例では、基板は、1つ以上の誘電体層(又は誘電層;dielectric layers)を有して成り、1つ以上の誘電体層の各々が内部に1つ以上の導電経路(又は伝導経路又は導電パスウェイ;conductive pathways)を含む。
【0016】
ある例では、センサーは、相補型金属酸化物半導体(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)(CMOS)検出デバイスを有して成る。
【0017】
ある例では、装置は、生物学的分析または化学分析の少なくとも1つのためのカートリッジの一部である。
【0018】
別の態様によれば、装置が提供される。この装置は、基板上にあるセンサー、貫通シリコンビア(TSV)、基板上にありセンサーの側面を覆う成形層を有して成る。センサーは、アクティブ面およびセンサー・ボンド・パッドを有するセンサーを有して成る。貫通シリコンビア(TSV)は、センサーを通るように延在し、センサー・ボンド・パッドをセンサーの底面にある再分配層(RDL)に電気的に接続する。RDLは基板ボンド・パッドと電気的に接触している。成形層は、基板の上面に対する成形高さを有する。成形層の成形高さは、基板の上面に対するセンサーのアクティブ面の高さに実質的に等しい。この装置はまた、成形層上にあるインターポーザー層、基板ボンド・パッドと電気的に接触し基板を通るように延在するシリコン貫通ビア(TSV)を含む。蓋層は、インターポーザー層上およびアクティブ面上にある。センサーのアクティブ面、蓋層、およびインターポーザー層は、センサーのアクティブ面上に空間を形成し、この空間はフロー・チャネルを規定する。
【0019】
別の態様によれば、方法が提供される。 この方法は、基板上に、アクティブ表面を有するセンサーを有して成るセンサーを設けること、基板上に成形層を形成すること、および成形層の上面に蓋層を設けて、蓋層と成形層とによりセンサーのアクティブ面上に空間を形成してフロー・チャネルを規定することを含み、この成形層は、基板の上面に対するセンサーのアクティブ面の高さよりも高い、基板の上面に対する成形高さを有して成る。ある例では、この方法は、センサー・ボンド・パッドの基板ボンド・パッドに対するワイヤ・ボンディングを行うことを含み、成形層がワイヤ・ボンドを覆う。
【0020】
ある例では、この方法は、センサー・ボンド・パッドからセンサーを通るように延在する貫通シリコンビア(TSV)を形成すること、およびセンサーの底面に再分配層(RDL)を形成することを含み、センサー・ボンド・パッドはRDLに電気的に接続される。
【0021】
他の例では、成形層は第2成形層であり、この方法が、基板に対するセンサーのアクティブ面の高さと実質的に同じである高さの第1成形層を形成すること、第1成形層を通じて基板ボンド・パッドへと向かう貫通成形ビア(TMV)を形成すること、センサー・ボンド・パッドをTMVに電気的に接続するためセンサーの上面に再分配層(RDL)を形成すること、およびRDLおよび第1成形層上に第2成形層を形成することを更に含む。
【0022】
ある例では、この方法は、蓋層にインレット・ポートおよびアウトレット・ポートを形成することを更に含む。
【0023】
ある例では、この方法は、センサーの表面にパッシベーション層を形成することを更に含む。そのような例では、この方法は、パッシベーション層内に反応凹部(又は窪み又はレセス;recess)を形成することを更に含む。そのような例では、この方法は、パッシベーション層に機能性コーティングを形成することを更に含む。
【0024】
前述の態様および以下でより詳細に説明する追加の概念(そのような概念が相互に矛盾しないという条件で)のすべての組合せは、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられることを理解されたい。
【0025】
本開示のこれらならびに他の目的、特徴および利点は、添付図面と併せてなされる本開示の様々な態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示のこれらならびに他の目的、特徴および利点は、添付図面と併せてなされる本開示の様々な態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0027】
【
図1】
図1は、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図1は、複数のセンサーを有するセンサー・ウェーハをダイシングする一例の断面図である。センサーは例えばアクティブ面を含む。
【
図2】
図2は、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図2は、本開示の1つ以上の態様に従った、基板上への
図1のセンサー・ダイを取り付ける一例の断面図である。
【
図3】
図3は、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図3は、本開示の1つ以上の態様に従った、
図2のセンサー・ボンド・パッドから基板ボンド・パッドへのワイヤ・ボンドを形成する一例の断面図である。
【
図4】
図4は、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図4は、本開示の1つ以上の態様に従った、
図3の基板上に成形層を形成する一例の断面図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図5Aは、本開示の1つ以上の態様に従った、
図4の構造の上面図である。
【
図5B】
図5Bは、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図5Bは、本開示の1つ以上の態様に従った、
図5Aの破線Xを通る、蓋層取付け後におけるファンアウト構造を示す断面図である。
【
図5C】
図5Cは、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図5Cは、本開示の1つ以上の態様に従った、
図5Aの破線Yを通る、蓋層取付け後における断面図である。
【
図6】
図6は、本開示の1つ以上の態様に従った、
図5Bに開示された装置製造の一例のフロー図である。
【
図7】
図7は、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図7は、複数のセンサーを有するセンサー・ウェーハをダイシングする一例の断面図である。センサーは例えばアクティブ面を有するセンサーを含む。
【
図8】
図8は、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図8は、本開示の1つ以上の態様に従った、基板上への
図7のセンサーを取り付ける一例の断面図である。
【
図9】
図9は、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図9は、本開示の1つ以上の態様に従った、
図8の基板上に成形層を形成する一例の断面図である。
【
図10A】
図10Aは、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図10Aは、本開示の1つ以上の態様に従った、
図9の構造の上面図である。
【
図10B】
図10Bは、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図10Bは、本開示の1つ以上の態様に従った、
図10Aの破線Xを通る、蓋層取付け後におけるファンアウト構造を示す断面図である。
【
図10C】
図10Cは、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図10Cは、本開示の1つ以上の態様に従った、
図10Aの破線Yを通る、蓋層取付け後における断面図である。
【
図11】
図11は、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図11は、本開示の1つ以上の態様に従った、センサーのアクティブ面上に空間をもたらす、
図10A~
図10Cの成形層およびセンサーのアクティブ面上に蓋層を取り付ける一例の断面図である。
【
図12】
図12は、本開示の1つ以上の態様に従った、
図10Bに開示された装置製造の一例のフロー図である。
【
図13】
図13は、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図13は、複数のセンサーを有するセンサー・ウェーハを個々のセンサーにダイシングする一例の断面図である。センサーは例えばアクティブ面を含む。
【
図14】
図14は、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図14は、本開示の1つ以上の態様に従った、基板上への
図13のセンサーを取り付ける一例の断面図である。
【
図15】
図15は、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図15は、本開示の1つ以上の態様に従った、
図14の基板上に第1成形層を形成する一例の断面図である。
【
図16】
図16は、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図16は、本開示の1つ以上の態様に従った、
図15のセンサー・ボンド・パッドおよび第1成形層上に貫通成形ビア(TMV)および上面側再分配層(RDL)を形成する一例の断面図である。
【
図17】
図17は、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図17は、
図16の第1成形層上に第2成形層を形成する一例の断面図である。
【
図18A】
図18Aは、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図18Aは、本開示の1つ以上の態様に従った、
図17の構造の上面図である。
【
図18B】
図18Bは、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図18Bは、本開示の1つ以上の態様に従った、
図18Aの破線Xを通る、蓋層取付け後におけるファンアウト構造を示す断面図である。
【
図18C】
図18Cは、本開示に開示される装置を製造する様々な段階の一例の断面図である。
図18Cは、本開示の1つ以上の態様に従った、
図18Aの破線Yを通る、蓋層取付け後における断面図である。
【
図19】
図19は、本開示の1つ以上の態様に従った、
図18Bに開示された装置製造の一例のフロー図である。
【
図20】
図20は、本開示の1つ以上の態様に従った、ファンアウト構造を示す、センサーのアクティブ面上にフロー・チャネルを規定するための成形層および蓋層を形成する一例の断面図である。
【
図21】
図21は、本開示の1つ以上の態様に従った、
図20に開示された装置製造の一例のフロー図である。
【
図22】
図22は、本開示の1つ以上の態様に従った、ファンアウト構造を示す、センサーのアクティブ面上にフロー・チャネルを規定するための成形層および蓋層を形成する一例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の態様ならびに本開示の特定の特徴、利点、および詳細を、添付の図面に示される非限定的な例を参照して、以下でより完全に説明する。関連する詳細を不必要に曖昧にしないために、既知の材料、製造ツール、処理技術などの説明は省略する。しかしながら、本開示の態様を示す間の詳細な説明および特定の例は、限定としてではなく例示のみとして与えられることを理解されたい。基礎となる本発明の概念の精神および/または範囲内の様々な置換、修正、追加、および/または配置は、本開示から当業者には明らかであろう。
【0029】
本明細書および特許請求の範囲を通じて使用される近似する言語は、関連する基本機能の変更をもたらすことなく許容可能に変化し得る任意の定量的表現を修正するために適用され得る。従って、「約」または「実質的に」などの1つまたは複数の用語によって変更された値またはパラメータは、特定された正確な値に限定されない。例えば、これらの用語は、値またはパラメータの±5%未満、より大きい、または等しい、例えば、±2%未満、より大きい、または等しい、±1%未満、より大きい、または等しい、±0.5%未満、より大きい、または等しい、±0.2%未満、より大きい、または等しい、±0.1%未満、より大きい、または等しい、±0.05%未満、より大きい、または等しい等を指し得る。例えば、「実質的に全て」という用語は、全てより5%少ない、全てより2%少ない、全てより1%少ない、全てより0.5%少ない、または全てより0.1%少ない、全てのものを包含することができる。別の例として、「実質的に等しい」という用語は、値に等しい、値の±5%、値の±2%、値の全ての±1%、値の±0.5%、または値の±0.1%ものを包含することができる。場合によっては、近似する言語は、値を測定するための機器の精度に対応し得る。場合によっては、近似する言語は、値を測定するための機器の精度に対応し得る。
【0030】
本明細書で使用される用語は、特定の例を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。さらに、用語“comprise”(および「comprises」および「comprising」などの任意のcompriseの形態;含む又は有して成る)、用語“have”(および「has」および「having」などの任意のhaveの形態)(有する)、用語“include”(および「includes」および「including」などの任意のincludeの形態;含む又は有して成る)、用語“contain”(および「contains」および「containing」などの任意のcontainの形態)(含む又は有して成る)は、制限のない連結動詞である。結果として、1つ以上のステップまたは要素を「含む(又は有して成る)」又は「有する」方法またはデバイスは、これらの1つ以上のステップまたは要素を有するが、これらの1つ以上のステップまたは要素のみを所有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「含む(又は有して成る)」又は「有する」方法のステップまたはデバイスの要素は、これらの1つ以上の特徴を有するが、これらの1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。さらに、特定の方法で構成されたデバイスまたは構造は、少なくともその方法で構成されるが、挙げられていない方法で構成されてよい。
【0031】
さらに、「接続する(connect)」、「接続された(connected)」、「接触する(contact)」などの用語は、様々なことなる(又は発散する又は分岐する;divergent)配置およびアセンブリ(又は組立て;assembly)技術を包含するために本明細書では広く定義されている。これらの配置および技術は、(1)ある構成要素と別の構成要素との間に介在する構成要素がない(すなわち、構成要素同士が直接物理的に接触している)ある構成要素と別の構成要素との直接の接続と、(2)ある構成要素と別の構成要素との間に1つ以上の構成要素が存在し、(両者の間に1つ以上の追加の構成要素が存在するにもかかわらず)他の構成要素に接続又は他の構成要素と接触する構成要素が他の構成要素と(例えば電気的に、流体的に、物理的に、光学的になど)何らかの方法で動作接続しているという条件下での、ある構成要素と別の構成要素との接続とを含むが、これらに限定されるものではない。相互に直接の物理的接触をしている構成要素同士は、互いに電気的接触および/または流体接触している場合もあれば、そうでない場合もあることを理解されたい。さらに、電気的に接続されているか流体接続されている2つの構成要素は、直接物理的に接触していてもしていなくてもよく、1つ以上の他の構成要素が2つの構成要素間に配置されていてもよい。
【0032】
本明細書で使用される「フロー・セル」は、反応構造体の複数の反応部位と連絡しているものであって、反応構造体上に延在する蓋を有し、蓋と反応構造体との間にフロー・チャネルを形成するためのデバイスを含むことができ、反応部位にまたはその近くで発生する指定された反応を検出するように構成された検出デバイスを含むことができる。フロー・セルは、電荷結合デバイス(CCD;Charge-Coupled Device)または相補型金属酸化物半導体(CMOS;Complementary Metal-Oxide Semiconductor)の(光)検出デバイスなどの固相光検出またはイメージング(又は画像化;imaging)デバイスを含み得る。1つの特定の例として、フロー・セルは、流体的および/または電気的にバイオアッセイ(又は生物学的システム;bioassay)システムに連結するように構成され得る、(統合されたポンプを有する)カートリッジに流体的および電気的に連結するように構成され得る。カートリッジおよび/またはバイオアッセイシステムは、所定のプロトコル(例えば、合成による配列決定(又はシークエンシング;sequencing)に従ってフロー・セルの反応部位に反応溶液を送達し、複数の画像化事象(又はイベント;event)を行うことができる。例えば、カートリッジおよび/またはバイオアッセイシステムは、1つ以上の反応溶液をフロー・セルのフロー・チャネルを通して、それによって反応部位に沿って方向づけることができる。反応溶液の少なくとも1つは、同じまたは異なる蛍光ラベルを有する4つのタイプのヌクレオチドを含み得る。ヌクレオチドは、反応部位にある対応するオリゴヌクレオチドなどのフロー・セルの反応部位に結合し得る。次に、カートリッジおよび/またはバイオアッセイシステムは、励起光源(例えば、発光ダイオード(LEDs)などの固相光源)を使用して反応部位を照らすことができる。励起光は、波長の範囲を含む、所定の波長または複数の波長を有し得る。入射励起光によって励起された蛍光ラベルは、フロー・セルの光センサーによって検出され得る放出信号(例えば、励起光とは潜在的に相互に異なる波長又は複数の波長の光)を提供し得る。
【0033】
本明細書に記載のフロー・セルは、様々な生物学的または化学的プロセスを実施するように構成され得る。より具体的には、本明細書に記載のフロー・セルは、指定された反応を示す事象、性質、品質、または特徴を検出することが望まれる様々なプロセスおよびシステムで使用することができる。例えば、本明細書に記載のフロー・セルは、光検出デバイス、バイオセンサー、およびそれらの構成要素、ならびにバイオセンサーで動作するバイオアッセイシステムを含むか、またはそれらと統合され得る。
【0034】
フロー・セルは、個別にまたは集合的に検出され得る複数の指定された反応を促進するように構成され得る。フロー・セルは、複数の指定された反応が並行して起こる多数のサイクルを実施するように構成され得る。例えば、フロー・セルは、酵素操作と光または画像の検出/取得の反復サイクルを通じて、DNA特性(又は特徴又は機能;feature)の高密度アレイを配列解析(又は配列決定又はシーケンスする;sequence)ために使用され得る。したがって、フロー・セルは、反応溶液中の試薬または他の反応成分をフロー・セルの反応部位に送達する1つ以上のマイクロ流体チャネルと流体連通し得る。反応部位は、均一または繰り返しパターンなどの所定の形態で提供されまたは離隔され得る。あるいは、反応部位はランダムに分布していてもよい。反応部位のそれぞれは、関連する反応部位からの光を検出する1つ以上の光ガイドおよび1つ以上の光センサーに関連付けることができる。一例では、光ガイドは、光の特定の波長をフィルタリングするための1つ以上のフィルターを含む。光ガイドは、例えば、フィルター材料が特定の波長(または波長範囲)を吸収し、少なくとも1つの所定の波長(または波長範囲)が通過することを可能にするような吸収フィルター(例えば、有機吸収フィルター)であり得る。あるフロー・セルでは、反応部位は反応凹部またはチャンバー内に配置され得る。反応凹部またはチャンバーはその中の指定された反応を少なくとも部分的に区画化し得る。
【0035】
本明細書で使用される「指定された反応」は、目的の分析物などの、目的の化学的または生物学的物質の化学的、電気的、物理的、または光学的特性(または性質)の少なくとも1つの変化を含む。特にフロー・セルでは、指定された反応は、例えば、蛍光標識化された生体分子と目的の分析物との一体化などの肯定的な(又は積極的な又は前向きな;positive)結合事象である。より一般的には、指定された反応は、化学変換、化学変化、または化学相互作用であり得る。指定された反応は、電気的特性の変化でもあり得る。特にフロー・セルでは、指定された反応には、蛍光標識化された分子と分析物との一体化が含まれる。分析物はオリゴヌクレオチドであり得、蛍光標識化された分子はヌクレオチドであり得る。励起光が標識化されたヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドに向けられ、フルオロフォア(又は蛍光色素又は蛍光団又は蛍光物質;fluorophore)が検出可能な蛍光信号を放出する場合、指定された反応を検出し得る。フロー・セルの別の例では、検出された蛍光は化学発光または生物発光の結果である。指定された反応はまた、例えば、ドナーフルオロフォアをアクセプターフルオロフォアに近づけることによって蛍光(またはフェルスター)共鳴エネルギー移動(FRET)を増加させ、ドナーとアクセプターフルオロフォアを離すことによってFRETを減少させ、クエンチャーをフルオロフォアから離すことによって蛍光を増加させ、または、クエンチャーとフルオロフォアを同じ場所に配置して蛍光を減少させ得る。
【0036】
本明細書で使用される「電気的に結合された」とは、電源、電極、基板の導電性部分、液滴、導電性トレース、ワイヤ、他の回路セグメントの任意の組合せ間における電気エネルギーの伝達を指す。「電気的に結合された」という用語は、直接または間接接続に関連して用いることができ、流体仲介物、エアギャップなどの様々な仲介物を通り得る。
【0037】
本明細書で使用される「反応溶液」、「反応成分」または「反応物」は、少なくとも1つの指定された反応を得るために使用され得る任意の物質を含む。例えば、潜在的な反応成分には、例えば、試薬、酵素、サンプル、他の生体分子、およびバッファー液(または緩衝液;buffer solutions)が含まれる。反応成分は、溶液中で本明細書に開示されるフロー・セル内の反応部位に送達され得、および/または反応部位にて固定化され(又は静止され;immobilized)得る。反応成分は、フロー・セルの反応部位にて固定化された目的の分析物などの別の物質と直接的または間接的に相互作用し得る。
【0038】
本明細書で使用される「反応部位」という用語は、少なくとも1つの指定された反応が起こり得る局所的な領域である。反応部位は、物質が反応部位に固定化され得る反応構造体または基板の支持面を含み得る。例えば、反応部位は、その上に核酸のコロニーなどの反応成分を有する(フロー・セルのチャネル内に配置され得る)反応構造体の表面を含み得る。あるフロー・セルでは、コロニー内の核酸は、同じ配列を有する、例えば、一本鎖または二本鎖のテンプレートのクローンコピー(clonal copies)を有する。しかしながら、あるフロー・セルでは、反応部位は、例えば、一本鎖または二本鎖の形態で、単一の核酸分子のみを含み得る。
【0039】
以下では、理解を容易にするために原寸に比例して描かれていない図面を参照する。同じまたは類似の構成要素を示すために、異なる図全体を通じて同じ参照番号を使用する。
【0040】
図1は、本開示の1つ以上の態様に従った、内部に複数のセンサーを含むセンサー・ウェーハ100の一例の断面図である。センサーは、例えば、アクティブ面115、非アクティブ面116、およびセンサー・ボンド・パッド(またはセンサー接合パッド;sensor bond pads)126を含む。破線105は、センサー・ウェーハ100の別個のセンサー121、123、および125へのダイシングを示す。
【0041】
一例では、センサー表面は、アクティブ面(又はアクティブ表面又は活性面又は活性表面;active surface)および非アクティブ面(又は非アクティブ表面又は非活性面又は非活性表面;inactive surface)から構成され得る。本明細書で使用される「センサー表面」という用語は、アクティブ面および非アクティブ面を指す。本明細書で使用される「アクティブ面」という用語は、感知がアクティブ(又は積極的に;actively)に行われるセンサーの表面または表面の一部を指す。「アクティブ面」および「アクティブ・センサー表面」という用語は、本明細書では交換可能に使用され得る。例えば、デジタル・イメージ・センサーのアクティブ面は、光を感知するためのフォトサイト(photosites)またはピクセル(又は画素;pixels)を含む表面である。センサーの機能の非限定的な例には、例えば、(感知される波長の所定範囲を有するなどの)光感知、(生物学的または化学物質などの)1つ以上の物質の存在の検出、(イオン濃度などの)物質の濃度の変化の検出が含まれる。生物学的または化学物質には、生体分子、目的のサンプル、目的の分析物、および、検出、特定、または分析するために使用できるまたは研究または分析するための中間体として機能することができる他の化合物が含まれる。一例では、アクティブ面は連続領域であり、別の例では、アクティブ面は、センサー表面における別々の領域を含み得る。本明細書で使用される「非アクティブ面」という用語は、感知を実施するように構成されていないセンサーの表面またはその表面の一部を指す。一例では、非アクティブ面は、アクティブな表面を取り囲み、センサー表面の周囲に沿って延在する連続領域である。別の例では、非アクティブ面は、1つ以上のアクティブ面に隣接するセンサー表面にある別々の領域を含み得る。非アクティブ面は、例えば、
図1に示されるようなセンサー・ボンド・パッド126を含み得る。
【0042】
本明細書で使用される「センサー」は、例えば、1つ以上の半導体材を含み得、例えば、相補型金属酸化物半導体(CMOS)検出デバイス(例えば、CMOSイメージャ(又は画像装置又は撮像装置;imager))または電荷結合デバイス(CCD)、別のタイプの画像検出デバイスの形態をとり得る。CMOS検出デバイスの回路には、クロックおよびタイミング生成回路、アナログからデジタルへの変換器などのパッシブ電子要素、ならびに光子(光)を電子に変換しその後電圧に変換するための光検出器のアレイが含まれ得る。センサーは、後刻に切断されるシリコン基板(例えば、シリコン・ウェーハ)に形成され得る。センサーの厚さは、センサーが形成されるシリコン・ウェーハのサイズに依存し得る。このサイズは、シリコン・ウェーハが円形である一例における直径を指し得る。例えば、直径51mmの標準的なシリコン・ウェーハは約275マイクロメートル(μm)の厚さを有する一方、直径300mmの標準的なシリコン・ウェーハは約775ミクロンの厚さを有し得る。さらに、ウェーハは、研削または化学機械研磨(CMP)などの技術によって、所望の厚さに薄くすることができる。本明細書で使用される「センサーのアクティブ領域」とは、感知のために反応成分と接触し得るセンサー表面を指す。この例は平面センサーデバイスを含むが、代わりに非平面デバイス、またはそれらの組合せを使用できることが理解されよう。センサーは、追加の構成要素を含み得る。例えば、センサーはまた、本明細書に記載されるように、光フィルター、反応チャンバー、パッシベーション層、および機能化コーティングなどを含み得る。
【0043】
本明細書で使用される「CMOS検出デバイス」および「CMOSイメージャ」は、CMOS技術を使用して製造されるセンサーまたはCMOS要素を含むセンサーを指す。ここで、CMOS技術を使用して製造される半導体デバイスの製造の一例を供する。例えば、まずp型半導体基板を用いて、NMOS(負のチャネル金属酸化物半導体)領域を保護する一方、N型ウェルをPMOS(正のチャネル金属酸化物半導体)領域に形成する。これは、例えば、1つ以上のリソグラフィープロセスを用いて達成することができる。次に、薄いゲート酸化膜およびゲート(例えば、ポリシリコン)を、NMOS領域およびPMOS領域の両方に形成する。ダミーゲートのいずれかの側にあるNMOS領域のp型基板にN+型ドーパント領域を形成し(即ち、ソースおよびドレインを形成し)、PMOS領域にボディコンタクトとしてのn+型ドーパントの1つの領域(ここではウェル)を形成する。これは、例えばマスクを使用して達成することができる。次に、マスキングとドーピングの同じプロセスを使用して、PMOS領域にソースとドレインを形成し、NMOS領域にボディコンタクトを形成することができる。次に、NMOSおよびPMOSトランジスタのさまざまな領域(つまり、ボディ、ソース、ドレイン、およびゲート)への端子を形成するためのメタライゼーションを行う。
【0044】
用語の「相補的」という態様は、CMOS技術を使用して製造された集積回路(IC)にn型およびp型の両方の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFETs)を含めることを指す。各MOSFETには、酸化物などのゲート誘電体を備えた金属ゲート(即ち、名前の「金属酸化物」の部分)とゲート下の半導体材(名前の「半導体」に対応)を有する。ICは製造後に切り出される半導体基板またはウェーハの一部に形成される。CMOS技術を使用して製造されたICは、例えば高いノイズ耐性と低い静的消費電力(トランジスタの1つが常にオフ)を特徴としている。
【0045】
一例では、CMOS検出デバイスは、例えば、ピクセルとも呼ばれる数百万の光検出器を含み得る。各ピクセルは、光から電荷を蓄積するフォトセンサー、蓄積された電荷を電圧に変換する増幅器、およびピクセル選択スイッチを含む。各ピクセルはまた、例えば、より多くの光を取り込むための個々のマイクロレンズを含み得るか、または、例えば、ノイズ低減などの画像を改善するための他の強化事項を有し得る。一例では、CMOS検出デバイスは、長さが約9200μm、幅が約8000μm、および厚さが約600~1000μmである。一例では、CMOS検出デバイスの厚さは680μmである。CMOS検出デバイスはピクセルアレイを含むことができる。一例では、ピクセルアレイは4384×3292ピクセルであり、全体の寸法は7272μm×5761μmである。
【0046】
一例では、センサーは、反応部位でまたは反応部位に近接して発生する指定された反応を検出するように構成された複数の反応部位を有する反応構造を含むバイオセンサーを含む。センサーは、固相光検出または画像化デバイス(例えば、CCDまたはCMOS光検出デバイス)、および任意には、これに取り付けられたフロー・セルを含み得る。フロー・セルは、反応部位と流体連絡して反応溶液を反応部位に向ける少なくとも1つのフロー・チャネルを含み得る。複数の反応部位は、反応構造体に沿ってランダムに分布しているか、または所定の方法で(例えば、マイクロアレイなどのマトリックスに並んで)配置することができる。反応部位はまた、指定された反応を区画化するように構成された空間領域または空間容積を少なくとも部分的に規定する反応チャンバーまたは凹部を含み得る。反応凹部は、周囲の環境または他の空間領域から少なくとも部分的に離され得る。例えば、反応凹部は、ナノウェルがフロー・チャネルと流体連絡可能となっているナノウェルであることができる。ナノウェルは、検出表面の内面によって規定されるくぼみ、ピット、ウェル、溝、キャビティまたは窪みを含み、開口部又はアパーチャを有する、即ち側が開放されている。
【0047】
1つの特定の例として、センサーは、バイオアッセイシステムに流体連結および電気的に連結するように構成される。バイオアッセイシステムは、所定のプロトコル(例えば、合成による配列決定)に従って反応部位に反応溶液を送達し、複数の画像化事象を実施し得る。例えば、バイオアッセイシステムは、反応溶液を反応部位に沿って流れるように方向づけることができる。反応溶液の少なくとも1つは、同じまたは異なる蛍光ラベルを有する4つのタイプのヌクレオチドを含み得る。ヌクレオチドは、反応部位にある対応するオリゴヌクレオチドなどの反応部位に結合し得る。次に、バイオアッセイシステムは、励起光源(例えば、発光ダイオード(LED)などの固相光源)を使用して反応部位を照らし得る。励起光は、波長の範囲を含む、所定の波長または複数の波長を有し得る。入射励起光によって励起された蛍光ラベルは、光センサーによって検出され得る放出信号(例えば、励起光とは潜在的に相互に異なる波長又は複数の波長の光)を供し得る。
【0048】
図2は、本開示の1つ以上の態様に従った、
図1のセンサー・ウェーハ100からのセンサー、例えばセンサー121、123、125の準備およびセンサーの基板130への配置の一例の断面図である。以下の説明では、センサー121を参照する。一例として、基板130は、ウェーハ形態またはパネル形態であり得る。一例では、基板130は、内部を通る1つ以上の導電性経路を有する、誘電体層、または多層誘電体を含むか、またはその形をとることができる。別の例では、基板は、代わりに、導電性経路のない誘電体層の形態をとることができる。誘電体層で使用できる誘電体材料の非限定的な例には、低誘電体材料(二酸化ケイ素よりも低い誘電率、約3.9)、例えばガラス強化エポキシラミネート、ポリアミド、フッ素ドープ二酸化ケイ素、炭素ドープ二酸化ケイ素、および多孔二酸化ケイ素など、ならびに、高誘電体材料(約3.9を超える誘電率)、例えば窒化シリコン(SiNx)および二酸化ハフニウムなどが含まれる。センサー121は、例えば、センサーに低または超低応力および高温安定性を提供し得るダイアタッチ接着剤ペーストまたはフィルム(die-attach adhesive paste or film)を使用して、基板130に取り付けられ得る。ダイアタッチペーストの例には、MasterBond社(USA)のSupreme 3HTND-2DAおよびEP3HTSDA-1、およびHenkel社(USA)のLOCTITE ABLESTIK ATB-F100Eが含まれる。ダイアタッチ接着フィルムの例は、Henkel社(USA)のLOCTITE ABLESTIKCDF100である。一例では、センサーは、基板に直接取り付けられ得るが、他の例では、構造、コーティング、または層が、基板とセンサーとの間に介在され得る。センサー121は、アクティブ面115、非アクティブ面116、およびセンサー・ボンド・パッド126を含む。一例では、基板130を通る導電経路は、上面側基板ボンド・パッド(または上面側基板接合パッド;topside substrate bond pads)145、電気ビア150、および底面側基板ボンド・パッド(または底面側基板接合パッド;bottomside substrate bond pads)155を含む。一例では、上面側基板ボンド・パッド145は、プリント回路基板(PCB)またはセラミック材料を含み得るランドグリッドアレイ(LGA)の一部である。したがって、センサー121は、底面側基板ボンド・パッドに電気的に接続される。一例では、センサーの表面は、1つ以上の反応凹部106を含む。一例では、反応凹部106はナノウェルである。一例では、基板130は多数の金属層を含み得る。
【0049】
一例では、パッシベーション層が、有害な反応成分からセンサーを保護し、ウェーハレベルの化学組成(又は化学又は化学的性質又は化学反応;chemistries)のための支持面または基板として機能するために、センサー表面に提供される。パッシベーション層は、単一の層または複数の層を含み得る。複数の層の例では、異なる層は同じまたは異なる材料を含み得る。一例では、パッシベーション層は、二酸化ケイ素などの酸化物、または酸窒化ケイ素を含む。別の例では、パッシベーション層は、五酸化タンタル(Ta2O5)などの金属酸化物を含む。別の例では、パッシベーション層は、窒化ケイ素(SixNy)などの低温膜を含み得る。例えば、パッシベーション層は、サブ層の少なくとも1つが五酸化タンタル(Ta2O5)を含み、サブ層の少なくとも1つが低温膜を含む、複数の層を含み得る。ある態様では、パッシベーション層は、約5ナノメートル~約500ナノメートルの範囲内の厚さを有する。パッシベーション層は、実質的に平坦な表面を有し得るか、またはチャネルおよび/または反応凹部などの特徴を含むようにパターン化され得る。パッシベーション層は、例えば、プラズマ強化CVD(PECVD)または低圧CVD(LPCVD)などの化学蒸着(CVD)プロセスによって形成することができる。一例では、反応凹部106はパッシベーション層に形成される。基板における反応凹部106は、センサー表面上のパッシベーション層または他の基板にパターン化およびエッチングされ得るよう、基板における反応凹部106は、例えば、半導体製造技術を使用して製造することができる。反応凹部は、所望の反応を実施するための反応部位を含む反応領域を規定し得る。
【0050】
図3は、センサーを基板に電気的に接続するためのワイヤ・ボンドを形成する一例の断面図である。
図3に示されるように、ワイヤ・ボンド140は、単一のビア150を介して、又は基板130の複数の金属層を通るように延在するいくつかのビアを介して、底面側基板ボンド・パッド155に電気的に接続される上面側基板ボンド・パッド145にセンサー・ボンド・パッド126を接続する。ワイヤ・ボンドは、アルミニウム、銅、銀、金、またはそれらの任意の組合せなどの1つ以上の金属から構成され得る。ワイヤ・ボンド内の金属は、元素形態、合金形態、または複合形態であり得る。例えば、ワイヤ・ボンディングは、例えば共晶金属結合を形成することを含み得る。
【0051】
図4は、基板130上に形成された成形層160の一例の断面図である。一例では、成形層は、基板に直接形成され、別の例では、中間構造(例えば、コーティングまたは層)が成形層と基板の間に介在することができる。成形層160は、基板ボンド・パッド145を含む基板130の表面を覆う。成形層はまた、センサー121、ワイヤ・ボンド140、およびセンサー・ボンド・パッド126の側面も覆う。センサーの形状に応じて、成形層は、センサーの異なる側面を異なる範囲または同じ範囲で覆うことができる。成形層160は、センサーのアクティブ面、例えばセンサー121のアクティブ面115に対応する開口部またはアパーチャ118を有する。
図4の例では、アパーチャ118は、アクティブ面115および非アクティブ面116の一部を包含する。別の例(例えば、
図22に示される例)では、アパーチャ118は非アクティブ面116の一部を包含しない(即ち、晒さない)。センサー表面上の成形層160の一部、即ち成形オーバーハング161は、製造中にセンサーからの型のより都合のよい取り外しを可能にするために(例えば、45度以上に)角度付けされ得る。この例では、成形オーバーハング161の厚さは、センサー・ボンド・パッドからセンサーの周囲または外縁に移動するにつれて増加する。しかしながら、別の例では、成形オーバーハングの厚さは実質的に均一であり得る。成形層160は、(
図5A~
図5Cに示されるように)成形層160の上面に蓋層を配置可能とするために十分に平坦である上面を有するように構成される。成形層160は、基板130の上面に対するセンサー121のアクティブ面115の高さ(即ち「アクティブ面高さ」)よりも高い、基板130の上面に対する高さ(即ち「成形高さ」)となるように形成される。
図4を参照すると、成形高さは「h
2」で示され、アクティブ面高さは「h
1」で示される。一例では、成形高さは、アクティブ面高さよりも約40マイクロメートル~約200マイクロメートル高い。一例では、成形高さは、アクティブ面高さよりも約75マイクロメートル高い。別の例では、成形高さは、アクティブ面高さよりも約100マイクロメートル高い。従って、成形層の厚さは、
図5に関連する内容を以下にて説明するように、センサー表面115上の蓋層の高さを調整するように制御される。
【0052】
成形層160の材料の非限定的な例には、例えば、エポキシまたはプラスチック成形化合物(例えば、フェノール硬化剤、シリカ、触媒、顔料、および離型剤)が含まれる。成形層の形成中、センサー表面は、例えば、成形層を設けた後に除去してアクティブ面上にアパーチャ(例えば、
図4のアパーチャ118)を供する保護層(例えば、成形ピンなどの機械的固定具)で保護され得る。又は、成形層を等角的に堆積しその後センサーまで下方に平坦化させる。等角的堆積および平坦化の一例では、成形層を構造体上に包括的に堆積させ、続いて、センサー表面上の所望の厚さまで平坦化プロセス(例えば、化学機械研磨(CMP))を行うことができる。また、この例では成形層を単一層として記載しているが、成形層は複数の層から構成されてもよいことは理解されよう。例えば、成形層160は、複数の材料を用いて複数のステップで形成することができる。
【0053】
図5Aは、センサー121、123および125を示す
図4の構造体の上面図の一例である。
図2~4と関連づけて上記にて説明したように、センサー121は、アクティブ面115、センサー・ボンド・パッド126、ボンド・ワイヤ140、および基板ボンド・パッド145を含む。
図5Bは、本開示の1つ以上の態様に従った、フロー・セルの形成のために成形層160上への蓋層170取付け後における、
図5Aの破線Xを通る断面図である。一例では、蓋層170は、成形層160と直接接触している。別の例では、蓋層170および成形層160は、直接接触しておらず、
図11の例に示されるように中間層(例えば、スペーサーまたはインターポーザー層)、コーティング、またはフィルムにより離される。蓋層170の配置は、例えば、(ピック・アンド・プレース・マシン(pick-and-place machines)として知られている)相対的に精密なロボット・マシンを使用して達成することができ、その結果、センサー121のアクティブ面115上に空間181がもたらされる。一例では、成形層160上およびセンサー表面上の蓋層170の配置は、フロー・チャネルを規定するセンサーのアクティブ面上に空間181を形成する。
【0054】
このように、成形層160は、蓋層170とセンサー表面との間のスペーサーとして機能する。一例では、アクティブ面上の空間181は、フロー・セルのフロー・チャネル180を規定する。
図5Bに示す例では、フロー・チャネル180は、センサー121のアクティブ面115全体、ならびにセンサー121の非アクティブ面116の一部を包含する。本明細書で使用される「フロー・チャネル」は、フロー・チャネルを規定する空間181を形成する表面を“包含する”ために言及されるものである。例えば、
図5Bを参照すると、フロー・チャネル180は、アクティブ面115および非アクティブ面116の一部を包含する。同様に、フロー・チャネル180は、空間181を形成する成形層160の一部および蓋層170の一部を包含する。一例では、フロー・チャネル180は、センサー121のアクティブ面115の実質的に全て包含する。別の例では、フロー・チャネル180は、センサー121のアクティブ面115の約半分より多くを包含する。
【0055】
図5Cは、本開示の1つ以上の態様に従った、フロー・セルの形成のために成形層160上への蓋層170取付け後における、
図5Aのセンサー123を通る破線Yを通る断面図である。蓋層170は、フロー・チャネル180への流体の流入および流出を供するインレット・ポート(又は入口ポート)およびアウトレット・ポート(又は出口ポート)175を含む。インレット・ポートおよびアウトレット・ポートのそれぞれは、フロー(又は流れ;flow)の方向に応じて、インレット(又は入口)またはアウトレット(又は出口)のいずれかとして機能することができる。
図5Cを参照すると、2つのポート175のいずれかが、インレット・ポートまたはアウトレット・ポートとして機能することができる。
図5Cに示されるように、フロー・チャネルは、センサー123のアクティブ面115全体、センサー123の非アクティブ面116全体、および成形層160の一部を包含する。フロー・チャネル180によって囲まれた成形層160の水平部分、即ち、成形層表面162は、インレット/アウトレット・ポート175とセンサーのアクティブ面との間に距離を供する。これにより、成形層表面162は、インレット/アウトレット・ポート175とセンサーのアクティブ面との間にある。従って、ポート175からフロー・チャネル180に流入する流体は、センサーのセンサー表面に到達する前に、より均一な流れに到達することができ、この事は指定された反応の検出およびアクティブ・センサー表面のより効率的な利用のために望ましい。一例では、フロー・チャネル180は、センサー123のアクティブ面115の実質的に全てを包含する。別の例では、フロー・チャネル180は、センサー123のアクティブ面115の約半分より多くを包含する。
【0056】
センサーのアクティブ面上ではなく、センサー115のアクティブ面の外側の領域における成形層の形成は、ファンアウト・パッケージング・プロセスと呼ばれ得る。本明細書に記載のファンアウト・パッケージング・プロセスは、例えば、アクティブ・センサー表面の利用を改善する電気経路および蓋方法を提供することによって、アクティブ・センサー表面のより大きな利用を提供する。蓋層は、センサーからの感知動作を引き起こす可能性のある入射光または他の波と反応せず、透過性のある材料を含み得る。蓋層材料は、例えば、フロー・セル内の蛍光反応の検出を容易にするために、低い自家蛍光を有するか、または非蛍光性を有することが望ましい。蓋層170の材料は、低自家蛍光プラスチックまたはガラスであり得る。一例では、蓋層はアルミノケイ酸塩ガラスであり得る。別の例では、蓋層は、ホウケイ酸ガラス(例えば、米国コーニング社のEagle XG(登録商標)ガラスなどのアルカリ土類ボロアルミノケイ酸塩ガラス)であり得る。別の例では、蓋層は、浮遊ホウケイ酸ガラス(例えば、ドイツSchott AG社によるBorofloat(登録商標)33ガラス)であり得る。蓋層の厚さは、例えば、約300μm~約1000μmであり得る。物質、例えば、生物学的または化学的物質は、センサーのアクティブ面による感知のためにフロー・チャネル180に導入され得る。
【0057】
一例では、センサーのアクティブ面は、相対的に均一な低い粗さを有する、即ち、アクティブ面は適切な製造プロセスによって許容されるのと同じくらい滑らかである。別の例では、液体用の複数のチャネルが、空間内のセンサー上にて二次層で存在する場合がある。任意の二次層は、例えば、センサー表面に、上記のようなガラスを含み得る。そのような二次層は、流体交換を低減可能とするために、場合によっては、流体の最小限若しくは全くない同伴または流体の閉じ込めを可能とするために、センサーのアクティブ面の粗さに実質的に等しい粗さ、およびアクティブ面とのシームレスな界面を有し得る。
【0058】
本開示に従った
図5Bの装置を製造するためのプロセス600の一例を、
図6のフロー図に基づき説明する。一例では、
図1に基づく上記のウェーハ上にセンサーを製造する。その例はCMOS検出デバイスに関するものであるが、他のタイプのアクティブ・ピクセル・センサーを使用することもできる。例えば、電荷結合デバイス(CCD)、ならびに、NMOSイメージ・センサー・テクノロジー(ライブMOSセンサーとして知られている)および光を回折して波長(色)の様々な組合せが異なるフォトサイトに当たる点でベイヤー・カラーフィルター・アレイ(小さなマイクロフィルターのアレイ)とは異なるさまざまなカラーフィルター(マイクロカラースプリッターなど)を備えたイメージセンサー等の他の技術を使用することができる。ライブMOSセンサーは、CMOS検出デバイスの低電力ニーズを備えたフルフレーム転送(FFT)CCDセンサーに匹敵する画質を提供し、場合によっては、長期間にわたって高品質のイメージング機能を有することができる。各フォトダイオードから対応するマイクロレンズまでの距離を短くする(より高密度で高解像度のセンサーを作成する)単純化された回路は、光が高い入射角でフォトダイオードに当たった場合でも、優れた感度と画質を促進し得る。一例では、センサーの製造は、センサーを有害な反応成分から保護し、ウェーハレベルの化学組成の支持面として機能するために、センサー表面にパッシベーション層(
図2に関連して上記で説明したように)の形成を含むことができる。
【0059】
ウェーハレベル化学(即ち、「機能性コーティング」)が、生体分子(または生物学的または化学物質)の固定化を容易にするために、センサー表面の全部または一部に適用され得る。機能性コーティングは、複数の機能性分子を含み得、ある態様では、基板上のパッシベーション層の表面に共有結合されたポリマー・コーティングを含む。ポリ(N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-アクリルアミド共有結合体)(poly(N-(5-azidoacetamidylpentyl)acrylamide-co-acrylamide、PAZAM)等のポリマー・コーティングは、分子アレイおよびフロー・セルなどの基板の形成と操作に使用される。パッシベーション層は、PAZAM等の共有結合ポリマーでコーティングされたビーズを使用することによって、少なくとも1つの領域でコーティングされ得、ある態様では、基板表面に付着されたポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するのに使用され得る。ある例では、核酸が反応凹部の表面(例えば、ナノウェル)などの機能化されたセンサー表面に固定化することができる。天然ヌクレオチドおよび天然ヌクレオチドと相互作用するように構成された酵素を利用することができる。天然ヌクレオチドには、例えば、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドが含まれる。天然ヌクレオチドは、一リン酸(又はモノ リン酸)、二リン酸(又はジ リン酸)、又は三リン酸(又はトリ リン酸)の形態(mono-, di-, or tri-phosphate form)であり得、アデニン(A)、チミン(T)、ウラシル(U)、グアニン(G)またはシトシン(C)から選択される塩基を有することができる。しかしながら、非天然ヌクレオチド、修飾ヌクレオチドまたは前述のヌクレオチドの類似体を利用することができることは理解されよう。
【0060】
工程610で、1つ以上のセンサーを基板上に設ける。例として、センサーは、ダイシング処理され単数化されるセンサー・ウェーハから提供され得る。基板上のセンサーの設置は、例えば、リソグラフィおよびめっきプロセスを含み得る準備を含み、当該設置は、例えば、(ピック・アンド・プレース・マシンとして知られている)精密ロボット・マシンを使用して達成され得る。一例では、パネル化を行って、センサーと支持層を連結することができる。パネル化には、例えば、キャリアラミネーション、センサーのダイへの取付け、ダイを支持層上に配置し、成形コンパウンドで固定すること、成形コンパウンドの平坦化(または「トップグラインド(top grind)」)、および裏面フィルムラミネーションが含まれ得る。
【0061】
次に、工程620で、センサー・ボンド・パッド(例えば、
図4のセンサー・ボンド・パッド126)を、基板ボンド・パッド(例えば、
図4の基板ボンド・パッド145)にワイヤ・ボンディングする。工程630で、成形層を基板上にするが、アクティブ・センサー表面上には形成しない。成形層の形成は、例えば、成形層を堆積した後に除去する保護層(例えば、成形ピンなどの機械的固定具)でセンサー表面を覆う/保護することを含み得る。一例として、成形層を液体または固体の形態で堆積し、圧縮成形を使用して形成し得る。
【0062】
工程630で、蓋層を成形層上およびセンサー表面上に設けてフロー・チャネルを規定する。蓋層の設置については、例えば、表面実装プロセスを使用して行うことができる。この例では、蓋層の設置をウェーハレベルで実施し、別の例では、ダイシング後に蓋層の設置を行うことができる。表面実装プロセスでは、例えば、上記の精密ロボット・マシンを使用して成形層上に蓋層を位置づけ、任意の方法で(例えば、エポキシを使用して)取り付ける。このようなマシンは、表面実装デバイスをプリント回路基板または同様の構造に設けるために使用され得る。そのようなマシンは、例えば、蓋層の設置を供するために三次元で操作される空気圧式吸引カップ(又は空気圧式吸引盤;pneumatic suction cups)を使用することができる。成形層は、蓋層と直接接触していてもよく、又は、代替的にはコーティング、フィルム、または他の材料層によって離されていてもよい。蓋層の組成は、
図4に関連して上記で説明したようにすることができる。例として、蓋層は、成形層に結合されたガラス・ウェーハであり得る。工程600に続いて、例えば、1つ以上のフロー・セル・センサーをそれぞれ含む個々のダイに基板をダイシングすることができる。
【0063】
図7は、本開示の1つ以上の態様に従った、その上に複数のセンサーを含むセンサー・ウェーハ700の一例の断面図である。センサーは、例えば、アクティブ面715およびセンサー・ボンド・パッド726を含む。破線705は、センサー・ウェーハ700の別個のセンサー(即ち、
図8に示されるセンサー721、723、および725)へのダイシングを示す。センサー721は、センサー・ボンド・パッド726を含む。センサー・ボンド・パッド726は、センサー721を通るように延在し、かつセンサー721(本明細書では「センサーRDL」と呼ばれる)の底面または裏側に配置されたセンサー再分配層(RDL)728にセンサー・ボンド・パッド726を電気的に接続させる、貫通シリコンビア(TSV)727で電気的に接続されている。従って、センサー721は、センサー・ボンド・パッド726およびTSV727を介してRDL728に電気的に接続されている。TSV727は、タングステンまたは他の同様の材料などの遷移金属から構成され得る。センサーRDL728は、タングステン、銅、金、ニッケル、または他の同様の材料などの金属から構成され得る。一例では、上記のように、反応凹部706は、センサー表面に形成されたパッシベーション層内またはパッシベーション層によって形成することができる。反応凹部706は、センサー表面上のパッシベーション層または他の基板にパターン化およびエッチングされ得るように、例えば半導体製造技術を使用して製造することができる。反応凹部は、所望の反応を実施するための反応部位を含む反応領域を規定し得る。一例では、反応凹部706はナノウェルである。
【0064】
図8は、本開示の1つ以上の態様に従った、基板730への
図7のダイシングしたセンサーの設置の一例の断面図である。以下の説明のために、センサー721を参照する。一例として、基板730は、ウェーハ形態またはパネル形態であり、内部を通る1つ以上の導電経路を有する誘電体層の形態をとり得る。誘電体材料の非限定的な例は、
図2の基板130に関連して上記で記載したものである。例えば、センサーに低または超低応力および高温安定性を提供し得るダイアタッチ接着剤ペーストまたはフィルムを使用して、センサー721は基板730に取り付けられ得る。一例では、センサーは、基板に直接取り付けられ得るが、他の例では、構造体、コーティング、または層が、基板とセンサーとの間に介在され得る。センサー721は、アクティブ面715、非アクティブ面716、およびセンサー・ボンド・パッド726を含む。一例では、基板730を通る導電経路は、上面側基板ボンド・パッド729、電気ビア750、および底面側基板ボンド・パッド755を含む。一例では、上面側基板ボンド・パッド729は、プリント回路基板(PCB)またはセラミック材料を含み得るランド・グリッド・アレイ(LGA)の一部である。センサーRDL728は、例えば、ボール・グリッド・アレイ(ball grid array)、キャピラリー・アンダーフィル(capillary underfill)、はんだ、ダイアタッチ材料(die attach material)、またはフィルムにより、基板ボンド・パッド729に電気的に接続されている。
【0065】
図9は、基板730上に形成された成形層760の一例の断面図である。一例では、成形層は基板に直接接して形成され、別の例では、中間構造(例えば、コーティングまたは層)が成形層と基板の間に介在され得る。成形層760は、基板730の表面およびセンサー721の側面を覆う。成形層760は、センサーのアクティブ面、例えばセンサー721のアクティブ面715に対応する開口部またはアパーチャ718を有する。一例では、
図9に示されるように、成形オーバーハング761は、センサーからの型材のより都合のよい取り外しを可能にするために(例えば、45度以上に)角度付けされる。別の例では、成形オーバーハングは実質的に均一の厚さを有し得る。成形層760は、(
図10A~
図10Cに示されるように)成形層760の上面に蓋層を配置可能とするために十分に平坦である上面を有するように構成される。成形層760は、基板730の上面に対するセンサー721のアクティブ面の高さ(即ち「アクティブ面高さ」)よりも高い、基板730の上面に対する高さ(即ち「成形高さ」)となるように形成される。
図9を参照すると、成形高さは「h
2」で示され、アクティブ面高さは「h
1」で示される。一例では、成形高さは、アクティブ面高さよりも約40マイクロメートル~約200マイクロメートル高い。一例では、成形高さは、アクティブ面高さよりも約75マイクロメートル高い。別の例では、成形高さは、アクティブ面高さよりも約100マイクロメートル高い。成形層760の材料および製造の非限定的な例は、
図4に関連して上記で説明されたものである。上記のように、この例では、成形層760は単一層として記載されているが、成形層は複数のステップで形成された複数の層を含み得ることは理解されよう。
【0066】
図10Aは、センサー721、723および725を示す
図9の構造体の上面図の一例である。
図7~9と関連づけて上記にて説明したように、センサー721は、アクティブ面715、センサー・ボンド・パッド726、ボンド・ワイヤ740、および基板ボンド・パッド745を含む。
図10Bは、本開示の1つ以上の態様に従った、フロー・セルの形成のために成形層760上への蓋層170取付け後における、
図10Aの破線Xを通る断面図である。一例では、蓋層770は、成形層760と直接接触している。別の例では、蓋層770および成形層760は、直接接触しておらず、
図11の例に示されるように中間層(例えば、スペーサーまたはインターポーザー層)、コーティング、またはフィルムにより離される。蓋層770の配置は、例えば、(ピック・アンド・プレース・マシン(pick-and-place machines)として知られている)相対的に精密なロボット・マシンを使用して達成することができ、その結果、センサー721のアクティブ面715上にギャップまたは空間781がもたらされる。このように、成形層760は、蓋層770とセンサー表面との間のスペーサーとして機能する。一例では、アクティブ面上の空間781は、フロー・セルのフロー・チャネル780を規定する。一例では、フロー・チャネル780は、センサー721のアクティブ面715全体、ならびにセンサー721の非アクティブ面716の一部を包含する。一例では、フロー・チャネル780は、センサー721のアクティブ面715の実質的に全て包含する。別の例では、フロー・チャネル780は、センサー721のアクティブ面715の約半分より多くを包含する。
【0067】
図10Cは、本開示の1つ以上の態様に従った、フロー・セルの形成のために成形層760上への蓋層770取付け後における、
図10Aのセンサー723を通る破線Yを通る断面図である。蓋層770は、フロー・チャネル780への流体の流入および流出を供するインレット・ポート(又は入口ポート)およびアウトレット・ポート(又は出口ポート)775を含む。
図10Cに示されるように、フロー・チャネルは、センサー723のアクティブ面715全体、センサー723の非アクティブ面716全体、および成形層760の一部を包含する。フロー・チャネル780によって囲まれた成形層760の水平部分、即ち、成形層表面762は、インレット/アウトレット・ポート775とセンサーのアクティブ面との間に距離を供する。これにより、成形層表面762は、インレット/アウトレット・ポート775とセンサーのアクティブ面との間にある。従って、ポート775からフロー・チャネル780に流入する流体は、センサーのセンサー表面に到達する前に、より均一な流れに到達することができ、この事は指定された反応の検出およびアクティブ・センサー表面のより効率的な利用のために望ましい。一例では、フロー・チャネル780は、センサー723のアクティブ面715の実質的に全てを包含する。別の例では、フロー・チャネル780は、センサー723のアクティブ面715の約半分より多くを包含する。
【0068】
図11は、成形層1160がアクティブ面高さに実質的に等しい成形高さにまで形成される代替構造体1100を示す。スペーサーまたはインターポーザー層1165が成形層1160上に形成され、蓋1170を支持し、その結果、センサー1121のアクティブ面1115上にフロー・チャネル1180を規定するギャップまたはスペース1181がもたらされる。この例では、インターポーザー層1165の厚さは、センサー面1115上にある蓋層の高さを調整するように制御される。
【0069】
図10Bに示す本開示の装置を製造するためのプロセス1200の一例を
図12のフロー図に基づき説明する。例として、上記に示す
図6のプロセス600に関連させてセンサーを準備し得る。工程1210では、貫通シリコンビア(TSV)をウェーハ内に形成して、センサー・ボンド・パッドを介したセンサーへの電気的接続を供する。工程1220では、センサー再分配層(RDL)を、TSVに電気的に接続されているセンサー・ウェーハの底面または裏側に形成する。これは、まず、センサーRDLをセンサー・ウェーハの底面上に配置し、次に、センサーRDLを所定の形状にリソグラフィでパターン化しエッチングすることによって行うことができる。続いて、一例では、ウェーハレベルの化学組成をセンサー表面の全てまたは一部に適用し、
図6に関連して上記のように機能性コーティングを供し得る。
【0070】
工程1230で、1つ以上のセンサーを基板上に配置する、例えば
図6に関連して上記で説明するように1つ以上のセンサーを取って基板に配置し続いてパネル化を行う。基板上へのセンサーの設置により、センサーRDLを、ランド・グリッド・アレイ(LGA)の一部であり得る基板ボンド・パッドと電気的に接触させる。工程1240では、センサー表面上に開口部またはアパーチャを残しつつ、成形層を基板およびセンサーの側面上に形成する。成形層の形成は、例えば、成形層の形成後に除去する保護層(例えば、成形ピンなどの機械的固定具)でセンサー表面を覆う/保護することを含み得る。成形層については、アクティブ面高さよりも高い成形高さまで形成する。これにより、成形層の厚さは、センサー表面上の蓋層の高さを調整するように制御される。一例として、成形層については、液体または固体の形態で堆積し、圧縮成形で形成し得る。工程1250では、例えば、表面実装プロセスを使用して、成形層上およびセンサー表面上に蓋層を設けて、フロー・チャネルを規定する。又は、
図11に関連して上記で説明したように、スペーサーまたはインターポーザー層が、成形層上に形成されて、蓋層を支持することができる。これにより、蓋層は成形層と必ずしも直接接触しない。プロセス1200後、それぞれが1つ以上のフロー・セル・センサーを含む個々のダイへと基板をダイシング処理することができる。
【0071】
図13は、本開示の1つ以上の態様に従った、その上に複数のセンサーを含むセンサー・ウェーハ1300の一例の断面図である。センサーは、例えば、アクティブ面1315、非アクティブ面1316、およびセンサー・ボンド・パッド1326を含む。破線1305は、別個のセンサー(即ち、
図14に示されるセンサー1321、1323、および1325)へのセンサー・ウェーハ1300のダイシング部分(dicing)を示す。一例では、(
図15に示される)反応凹部1306は、上記のようにセンサー表面に形成されたパッシベーション層内またはパッシベーション層によって形成される。一例では、反応凹部1306はナノウェルである。
【0072】
図14は、本開示の1つ以上の態様に従った、
図13のセンサー・ウェーハ1300からのダイシング処理されたセンサーの、即ちセンサー1321、1323および1325の基板1330への設置を示す断面図である。下記の説明については、センサー1321を参照する。例として、基板1330は、ウェーハ形態またはパネル形態であることができる。センサー1321は、例えば、センサーに低または超低応力および高温安定性を提供し得るダイアタッチ接着剤ペーストまたはフィルムを使用して、基板1330に取り付けられ得る。一例では、センサーは、基板に直接取り付けられ得るが、他の例では、構造体、コーティング、または層が、基板とセンサーとの間に介在され得る。センサー1321は、アクティブ面1315およびセンサー・ボンド・パッド1326を含む。一例では、基板1330を通る導電経路は、上面側基板ボンド・パッド1345、電気ビア1350、および下面側基板ボンド・パッド1355を含む。一例では、上面側基板ボンド・パッド1345は、プリント回路基板(PCB)またはセラミック材料を含み得るランド・グリッド・アレイ(LGA)の一部である。
【0073】
図15は、基板上に形成された第1成形層、即ち第1成形層1360の一例の断面図である。一例では、成形層は基板に直接形成され、別の例では、中間構造(例えば、 コーティングまたは層)を成形層と基板との間に介在させることができる。 第1成形層1360は、基板ボンド・パッド1345を含む基板1330の表面を覆い、かつセンサー1321の側面を覆う。センサーの形態に応じて、成形層は、異なる程度でまたは同じ程度でセンサーの異なる側面を覆うことができる。成形層1360は、センサー1321のアクティブ面1315の高さに実質的に等しい高さまで形成され、センサー表面上には延在しない。
【0074】
図16を参照すると、貫通成形ビア(TMV)1327は、第1成形層1360を通って基板ボンド・パッド1345へと向かって(又は基板ボンド・パッド1345まで;to to the substrate bond pad 1345)形成される。TMV1327は、例えば、レーザードリル(又は孔開け又は掘削;drilling)によって作製することができる。TMV1327は、タングステン、銅、金、またはニッケルなどの金属で充填され得る。センサー再分配層(RDL)1328は、センサー・ボンド・パッド1326をTMV1327に電気的に接続するためにセンサー1321の上面(および第1成形層1360の上面)に形成される。
【0075】
図17は、RDL1328および第1成形層1360上に第2成形層1365の追加を示す。第1成形層と同様に、ある例では、第2成形層は薄いフィルムまたはラミネートである。第2成形層1365は、蓋層を成形層1365の上に設置可能とするのに十分平坦な上面を有するように構成される。第2成形層1365は、基板1330の上面に対するセンサー1321のアクティブ面の高さ(即ち、「h
1」によって表されたアクティブ面高さ)よりも高い基板1330の上面に対する成形高さ(即ち、「h
2」によって表された高さ)を有する。一例では、成形高さは、アクティブ面高さよりも約40マイクロメートル~約200マイクロメートル高い。一例では、成形高さは、アクティブ面高さよりも約75マイクロメートル高い。別の例では、成形高さは、アクティブ面高さよりも約100マイクロメートル高い。これにより、第2成形層の厚さは、
図18に関連して下記で説明するように、センサー表面1315上の蓋層の高さを調整するように制御される。成形オーバーハング1361は、センサーからの型のより都合のよい取り外しを可能にするために、(例えば、45度以上で)角度付けされ得る。第1成形層および第2成形層は、
図4および
図5の成形層160に関連して上記で説明された材料および技術に従って形成され得る。他の例では、第2成形層1360は薄膜またはラミネートである。
【0076】
図18Aは、基板1330上のセンサー1321、1323、および1325を示す、
図17の構造体の上面図の一例である。センサー1321は、
図7~9に関連して上記で説明したように、アクティブ面1315、センサー・ボンド・パッド1326、ボンド・ワイヤ1340、および基板ボンド・パッド1345を含む。
図18Bは、本開示の1つ以上の態様に従った、フロー・セルするために第2成形層1365上に蓋層1370の設置後の
図18Aの破線「X」を通る断面図である。一例では、蓋層1370は、第2成形層1365と直接接触している。別の例では、蓋層1370と第2成形層1365は、直接接触しておらず、中間層(例えば、スペーサーまたはインターポーザー層)、コーティングまたはフィルムによって離されている。蓋層1370の設置は例えば(ピック・アンド・プレース・マシンとしても知られた)相対的に精密なロボット・マシンを使用して達成することができ、その結果、センサー1321のアクティブ面1315上にギャップまたはスペース1381がもたらされる。これにより、第2成形層1365は、蓋層1370とセンサー面との間のスペーサーとして機能する。一例では、アクティブ面上の空間1381は、フロー・セルのフロー・チャネル1380を規定する。一例では、フロー・チャネル1380は、センサー1321のアクティブ面1315全体、およびセンサー1321の非アクティブ面1316の一部を包含する。一例では、フロー・チャネル1380は、センサー1321のアクティブ面1315の実質的に全てを包含する。別の例では、フロー・チャネル1380は、センサー1321のアクティブ面1315の約半分より多くを包含する。
【0077】
図18Cは、本開示の1つ以上の態様に従った、フロー・セルを形成するために、第2成形層1365上への蓋層1370の設置後の
図18Aのセンサー1323を通る破線「Y」を通る断面図である。蓋層1370は、フロー・チャネル1380への流体の流入および流出を提供するインレット・ポートおよびアウトレット・ポート1375を含む。
図18Cに示されるように、フロー・チャネルは、センサー1323のアクティブ面1315全体、センサー1323の非アクティブ面1316全体、ならびに第1成形層1360の一部を包含する。フロー・チャネル1380によって包含される成形層1360の水平部分、即ち成形層面1362は、インレット・ポート/アウトレット・ポート1375とセンサーのアクティブ面との間に距離を提供する。これにより、成形層面1362は、インレット・ポート/アウトレット・ポート1375とセンサーのアクティブ面との間にある。これにより、ポート1375から流体チャネル1380に流入する流体は、センサーのセンサー表面に到達する前により均一な流れに到達することができ、この事は、指定された反応の検出およびアクティブ・センサー表面のより効率的な利用に望ましい。一例では、フロー・チャネル1380は、センサー1323のアクティブ面1315の実質的に全てを包含する。別の例では、フロー・チャネル1380は、センサー1323のアクティブ面1315の約半分より多くを包含する。
【0078】
図18Bに示される本開示の装置を製造するためのプロセス1900の一例を、
図19のフロー図に基づき説明する。ある例では、上記で
図1に関連して説明したようにウェーハにセンサーを製造する。プロセス600および1200に関連して上記で説明したように、一例では、パッシベーション層をセンサー表面に供して、センサーを有害な反応成分から保護し、ウェーハレベル化学組成の支持面として機能させることができる。さらに、ウェーハレベルの化学組成をセンサー表面の全部または一部に適用して、プロセス600および1200に関連して上記で説明したように機能性コーティングを供することができる。工程1910では、単一のセンサーを基板に取り付ける、即ち
図6に関連して上記で述べたように、単一のセンサーを取って基板に設置してパネル化する。工程1920では、センサー表面上ではなく基板およびセンサーの側面上に第1成形層を形成する。成形層の形成には、例えば、成形層形成後に除去する保護層(例えば、成形ピンなどの機械的固定具)でセンサー表面を覆う/保護することが含まれ得る。一例として、成形層を液体または固体の形態で堆積し、圧縮成形で形成し得る。第1成形層については、センサー表面の高さに実質的に等しい高さまで形成し、この事は例として平坦化によって達成することができる。
【0079】
工程1930では、貫通成形ビア(TMV)を、第1成形層を通して基板の上面にある基板ボンド・パッドに到達するように形成する。TMVは、レーザードリルまたは同等のプロセスによって形成できる。TMVは、タングステン、銅、金、又はニッケルなどの金属で充填することができる。工程1940では、センサーの上面にセンサー再分配層(RDL)を形成して、センサー・ボンド・パッドをTMVに電気的に接続させる。これは、まずセンサー表面上にセンサーRDLを配置し、その後センサーRDLを所定の形状にリソグラフィでパターン化し、エッチングすることにより行うことができる。工程1950では、第2成形層を堆積する。第2成形層の組成および製造は、第1成形層の組成および製造と同様であり得る。第2成形層については、アクティブ面の高さよりも高い成形高さまで形成して、センサー上にフロー・チャネルを規定するための空間を形成する。工程1960では、例えば、表面実装プロセスを使用して、蓋層を第2成形層上に設ける。または、
図11に関連して上記で説明したように、スペーサーまたはインターポーザー層は、成形層上に形成され、蓋層を支持することができる。そのため、ある例における蓋層は、第2成形層と直接接触しない。一例では、プロセス1900後に、それぞれが1つ以上のフロー・セル・センサーを含む個々のダイへと基板をダイシング処理することができる。
【0080】
図20は、本開示の1つ以上の態様に従った、構造体2000の一例の断面図である。センサー2021、2023、および2025は、上記のように基板2030に取り付けられている。下記の説明のために、センサー2021を参照する。一例として、基板2030の構造および組成は、
図2の基板130に関連して説明した通りであり得る。センサー2021は、例えば、センサーに低または超低応力および高温安定性を提供し得るダイアタッチ接着剤ペーストまたはフィルムを使用して、基板2030に取り付けられ得る。一例では、センサーは、基板に直接取り付けられ得るが、他の例では、構造体、コーティング、または層が、基板とセンサーとの間に介在され得る。センサー2021は、アクティブ面2015、非アクティブ面2016、およびセンサー・ボンド・パッド2026を含む。一例では、基板2030を通る導電経路は、上面側基板ボンド・パッド2045、電気ビア2050、および下面側基板ボンド・パッド2055を含む。一例では、上面側基板ボンド・パッド2045は、プリント回路基板(PCB)またはセラミック材料を含み得るランド・グリッド・アレイ(LGA)の一部である。一例では、基板2030は、多数の金属層を含み得る。
【0081】
成形層2060は、基板ボンド・パッド2045を含む基板2030の表面を覆う。一例では、成形層は、基板に直接形成され、別の例では、中間構造(例えば、コーティングまたは層)が成形層と基板との間に介在され得る。成形層はまた、センサー2021の側面およびセンサー・ボンド・パッド2026を覆う。成形層2060は、センサーのアクティブ面、例えばアクティブ面2015に対応する開口部またはアパーチャ2018を有する。
図20の例では、アパーチャ2018は、アクティブ面2015および非アクティブ面2016の一部を包含する。別の例では、アパーチャ2018は、非アクティブ面2016を包含しない(即ち晒さない)。センサー表面上の成形層2060の一部、即ち成形オーバーハング2061は、製造中にセンサーから型をより都合よく取り外しすることを可能にするために(例えば、45度以上で)角度付けされ得る。この例では、成形オーバーハング2061の厚さは、センサー・ボンド・パッドからセンサーの周囲または外縁に移動するにつれて増加する。しかしながら、別の例では、成形オーバーハング2061の厚さは実質的に均一であり得る。成形層2060は、蓋層2070を成形層2060の上面に設置することを可能にするのに十分に平坦な上面を有するように構成される。成形層2060は、アクティブ面の高さ「h
1」よりも高い成形高さ「h
2」にまで形成される。一例では、成形高さは、アクティブ面高さよりも約40マイクロメートルから約200マイクロメートル高い。
【0082】
一例では、蓋層2070は成形層2060と直接接触している。別の例では、蓋層2070と成形層2060は、直接接触しておらず、中間層によって離されている。蓋層2070の組成および配置は
図5Bに関連して上記で説明したものであり得る。従って、成形層2060は、蓋層2070とセンサー表面との間のスペーサーとして機能する。一例では、アクティブ面上の空間2081は、フロー・セルのフロー・チャネル2080を規定する。
図20に示す例では、フロー・チャネル2080は、センサー2021のアクティブ面2015全体、およびセンサー2021の非アクティブ面2016の一部を包含する。一例では、フロー・チャネル2080は、センサー2021のアクティブ面2015の実質的に全てを包含する。別の例では、フロー・チャネル2080は、センサー2021のアクティブ面2015の約半分より多くを包含する。
【0083】
本開示に従った、
図20の装置を製造するためのプロセス2100の一例を、
図21のフロー図に基づき説明する。工程2110では、1つ以上のセンサーを基板上に設ける、例えば、
図6と関連して上記で説明したように、1つ以上のセンサーを取って基板に設置して、続いてパネル化する。工程2120では、センサー表面上に開口部またはアパーチャを残しつつ、成形層を基板上およびセンサーの側面上に形成する。成形層の形成は、例えば、成形層の堆積後に除去する保護層(例えば、成形ピンなどの機械的固定具)でセンサー表面を覆う/保護することを含み得る。一例では、成形ピンは、成形層を堆積させる間にセンサー表面を覆う/保護する。工程2125では、アクティブ・センサー面の直上(または真上;directly over)の成形層の一部を選択的に除去する。成形層については、アクティブ面高さよりも高い成形高さまで形成する。これにより、成形層の厚さはセンサー面上の蓋層の高さを調整するように制御される。一例として、成形層については、液体または固体の形態で堆積させ、圧縮成形で形成し得る。工程2130では、例えば表面実装プロセスを使用して、成形層およびセンサー表面上に蓋層を設置して、フロー・パスを規定する。この段階で蓋層が設置される「成形層」とは、選択的な除去前の初期の成形層を指す。具体的には、この例での蓋層は、選択的除去後に残る成形層の一部、ならびにセンサー面上の空間を覆い得る。または、
図11に関連して上記で説明したように、スペーサーまたはインターポーザー層が、成形層上に形成され、蓋層を支持し得る。従って、蓋層は成形層と必ずしも直接接触していない。一例では、プロセス2100後に、それぞれが1つ以上のフロー・セル・センサーを含む個々のダイに基板をダイシング処理することができる。
【0084】
図22は、本開示の1つ以上の態様に従った、構造体2200の一例の断面図である。センサー2221、2223、および2225は、上記のように基板2230に取り付けられている。
図22の例では、フロー・チャネル2280は、アクティブ面2215の全体を包含するが、非アクティブ面2216のいずれも包含しない。成形層は、基板2230の表面、センサー2221の側面、非アクティブ面2216、センサー・ボンド・パッド2226、および基板ボンド・パッド2245を覆う。従って、非アクティブ面2216は、空間2281またはフロー・チャネル2280によって包含されない。さらに、アパーチャ2218は、非アクティブ面2216を包含しない(即ち、晒さない)。一例では、基板2230を通る導電性経路は、上面側基板ボンド・パッド2245、電気ビア2250、および底面側基板ボンド・パッド2255を含む。一例では、上面側基板ボンド・パッド2245は、プリント回路基板(PCB)またはセラミック材を含み得るランド・グリッド・アレイ(LGA)の一部である。一例では、基板2230は、多数の金属層を含み得る。一例では、成形層は基板に直接形成され、別の例では、中間構造体(例えば、コーティングまたは層)が成形層と基板との間に介在され得る。成形層2260は、センサーのアクティブ面、例えばアクティブ面2215に対応する開口部またはアパーチャ2218を有する。成形層2260は、蓋層2270が成形層2260の上面に配置可能にするのに十分に平坦である上面を有するように構成される。成形層2260は、これは、アクティブ面高さ「h
1」よりも高い成形高さ「h
2」まで形成される。一例では、成形高さはアクティブ面高さよりも約40マイクロメートル~約200マイクロメートル高い。一例では、蓋層2270は成形層2260と直接接触している。別の例では、蓋層2270および成形層2260は、直接接触しておらず、中間層によって離されている。蓋層2270の組成および設置は、
図5Bに関連して上記で説明したものであり得る。
【0085】
上記の説明は、例示を意図するものであり限定的なものではないことを理解されたい。例えば、上記の例(および/またはその態様)は互いに組み合わせて使用することができる。さらに、特定の状況または材料を、その範囲から逸脱することなく様々な例の教示に適合させるために、多くの変更を行うことができる。材料の寸法およびタイプが本明細書で説明され得るが、それらは様々な例のいくつかのパラメータを規定することを意図し、それらは決してすべての例に限定されるものではなく単なる例示である。上記の記載を検討すると、他の多くの例が当業者にとって明らかであろう。従って、さまざまな例の範囲は、添付のクレームを参照して、そのようなクレームが権利を与えられている同等物の全範囲とともに決定する必要がある。
【0086】
添付の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、単に参照ラベルとして使用され、それらのオブジェクトに数値的、構造的または他の要件を課すことを意図しない。「規定された」という用語の形式には、要素が部分的に規定されている関係と、要素が完全に規定されている関係が含まれる。さらに、特定の例に従い、上記の全てのそのような目的または利点が達成され得るとは必ずしも限らないことを理解されたい。従って、例えば、当業者は、本明細書に記載のデバイス、システム、および方法が、本明細書で教示または示唆され得るように必ずしも他の目的または利点を達成することなく、本明細書で教示される1つの利点または利点のグループを達成または最適化する方法で具体化または実行され得ることを認識するであろう。
【0087】
本開示は限られた数の例のみに関連して詳細に説明されているが、本開示はそのような開示された例に限定されないことを容易に理解されるべきである。むしろ、本開示は、これまでに説明されていないが、開示の精神および範囲に対応する、任意の数の変更、修正、置換、または同等の取り決めを組み込むように修正することができる。さらに、様々な例が記載されているが、本開示の態様は、1つの例のみまたは記載された例のいくつかを含み得ることが理解されるべきである。また、いくつかの開示は、特定の数の要素を有するもので説明されているが、例は、特定の数の要素より少ないまたは多い要素で実施できることが理解されよう。
【0088】
前述の概念および上記でより詳細に説明された追加の概念の全ての組合せは、そのような概念が相互に矛盾しないという条件で、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられることを理解されたい。特に、本開示の末尾にあるクレームされた主題の全ての組合せは、本明細書に開示された本発明の主題の一部であると考えられる。