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特許7570256コメント配信システム、コメント配信サーバ、端末、コメント配信方法、およびプログラム
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  • 特許-コメント配信システム、コメント配信サーバ、端末、コメント配信方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】コメント配信システム、コメント配信サーバ、端末、コメント配信方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20241011BHJP
【FI】
H04L67/02
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021035134
(22)【出願日】2021-03-05
(62)【分割の表示】P 2020127116の分割
【原出願日】2020-07-28
(65)【公開番号】P2022024982
(43)【公開日】2022-02-09
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】598138327
【氏名又は名称】株式会社ドワンゴ
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】横畑 聡士
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-157795(JP,A)
【文献】国際公開第2013/027304(WO,A1)
【文献】特表2019-534590(JP,A)
【文献】特開2019-097768(JP,A)
【文献】特開2010-152813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画に対して入力されたコメントを受信し、フィルタリングする第1手段と、
時間当たりのフィルタリング後のコメント量に応じて、受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させるか、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させるか、の判定を行い、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させると判定された場合に、受信したコメントのそれぞれを、前記動画に重畳して表示させるコメントと、そうでないコメントと、に分類する第2手段と、
前記動画を表示させる第3手段と、
前記動画に重畳して表示させるコメントとして分類されたコメントを前記動画に重畳して表示させる第4手段と、を備えるシステム。
【請求項2】
動画に対して入力されたコメントを受信する第1手段と、
受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させるか、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させるか、の判定を行い、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させると判定された場合に、受信したコメントのそれぞれを、前記動画に重畳して表示させるコメントと、そうでないコメントと、に分類する第2手段と、
前記動画を表示させる第3手段と、
前記動画に重畳して表示させるコメントとして分類されたコメントを前記動画に重畳して表示させる第4手段と、を備え、
前記第2手段は、
前記判定を行うか否かの指定を受け付け、
前記判定を行うとの指定を受け付けた場合には前記判定を行い、
前記判定を行わないとの指定を受け付けた場合には、受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させることとするシステム。
【請求項3】
動画に対して入力されたコメントを受信する第1手段と、
受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させるか、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させるか、の判定を行い、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させると判定された場合に、受信したコメントのそれぞれを、前記動画に重畳して表示させるコメントと、そうでないコメントと、に分類する第2手段と、
前記動画を表示させる第3手段と、
前記動画に重畳して表示させるコメントとして分類されたコメントを前記動画に重畳して表示させる第4手段と、を備え、
前記第2手段は、
前記動画のうち、第1区間に表示されるコメントについては、前記判定を行い、
前記動画のうち、第2区間に表示させるコメントについては、その全てを前記動画に重畳して表示させることとするシステム。
【請求項4】
前記第1区間および前記第2区間は、前記動画の配信者によって指定される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
動画に対して入力されたコメントを受信する第1手段と、
受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させるか、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させるか、の判定を行い、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させると判定された場合に、受信したコメントのそれぞれを、前記動画に重畳して表示させるコメントと、そうでないコメントと、に分類する第2手段と、
前記動画を表示させる第3手段と、
前記動画に重畳して表示させるコメントとして分類されたコメントを前記動画に重畳して表示させ、そうでないコメントとして分類されたコメントを動画表示領域とは異なる領域に表示させるる第4手段と、を備えるシステム。
【請求項6】
前記第4手段は、前記動画に重畳して表示させるコメントとして分類されたコメントを前記動画表示領域とは異なる領域にも表示させる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記動画を配信する動画配信サーバと、
前記動画に対して入力されたコメントを配信するコメント配信サーバと、
前記動画および前記コメントを受信して表示する端末と、を備え、
前記第1手段は、前記コメント配信サーバに設けられ、
前記第2手段は、前記コメント配信サーバまたは前記端末に設けられ、
前記第3手段および前記第4手段は、前記端末に設けられ、
前記動画配信サーバが前記動画を前記端末に配信し、前記コメント配信サーバが前記コメントを前記端末に配信することにより、前記端末には、前記動画と、前記動画に重畳して表示させるコメントとして分類されたコメント、が表示される、請求項1乃至6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
動画に対して入力されたコメントを受信し、フィルタリングする第1手段と、
時間当たりのフィルタリング後のコメント量に応じて、受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させるか、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させるか、の判定を行い、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させると判定された場合に、受信したコメントのそれぞれを、前記動画に重畳して表示させるコメントと、そうでないコメントと、に分類する第2手段と、
前記コメントを配信する第3手段と、を備えるコメント配信装置。
【請求項9】
動画に対して入力されたコメントを受信する第1手段と、
受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させるか、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させるか、の判定を行い、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させると判定された場合に、受信したコメントのそれぞれを、前記動画に重畳して表示させるコメントと、そうでないコメントと、に分類する第2手段と、
前記コメントを配信する第3手段と、を備え、
前記第2手段は、
前記判定を行うか否かの指定を受け付け、
前記判定を行うとの指定を受け付けた場合には前記判定を行い、
前記判定を行わないとの指定を受け付けた場合には、受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させることとするコメント配信装置。
【請求項10】
動画に対して入力されたコメントを受信する第1手段と、
受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させるか、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させるか、の判定を行い、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させると判定された場合に、受信したコメントのそれぞれを、前記動画に重畳して表示させるコメントと、そうでないコメントと、に分類する第2手段と、
前記コメントを配信する第3手段と、を備え、
前記第2手段は、
前記動画のうち、第1区間に表示されるコメントについては、前記判定を行い、
前記動画のうち、第2区間に表示させるコメントについては、その全てを前記動画に重畳して表示させることとするコメント配信装置。
【請求項11】
動画に対して入力されたコメントを受信する第1手段と、
受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させるか、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させるか、の判定を行い、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させると判定された場合に、受信したコメントのそれぞれを、前記動画に重畳して表示させるコメントと、動画表示領域とは異なる領域に表示させるコメントと、に分類する第2手段と、
前記コメントを配信する第3手段と、を備えるコメント配信装置。
【請求項12】
第1手段が、動画に対して入力されたコメントを受信し、フィルタリングし、
第2手段が、時間当たりのフィルタリング後のコメント量に応じて、受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させるか、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させるか、の判定を行い、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させると判定された場合に、受信したコメントのそれぞれを、前記動画に重畳して表示させるコメントと、そうでないコメントと、に分類し、
第3手段が、前記コメントを配信する、コメント配信方法。
【請求項13】
第1手段が、動画に対して入力されたコメントを受信し、
第2手段が、受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させるか、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させるか、の判定を行い、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させると判定された場合に、受信したコメントのそれぞれを、前記動画に重畳して表示させるコメントと、そうでないコメントと、に分類し、
第3手段が、前記コメントを配信し、
前記第2手段は、
前記判定を行うか否かの指定を受け付け、
前記判定を行うとの指定を受け付けた場合には前記判定を行い、
前記判定を行わないとの指定を受け付けた場合には、受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させることとする、コメント配信方法。
【請求項14】
第1手段が、動画に対して入力されたコメントを受信し、
第2手段が、受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させるか、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させるか、の判定を行い、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させると判定された場合に、受信したコメントのそれぞれを、前記動画に重畳して表示させるコメントと、そうでないコメントと、に分類し、
第3手段が、前記コメントを配信し、
前記第2手段は、
前記動画のうち、第1区間に表示されるコメントについては、前記判定を行い、
前記動画のうち、第2区間に表示させるコメントについては、その全てを前記動画に重畳して表示させることとする、コメント配信方法。
【請求項15】
第1手段が、動画に対して入力されたコメントを受信し、
第2手段が、受信したコメントの全てを前記動画に重畳して表示させるか、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させるか、の判定を行い、受信したコメントの一部のみを前記動画に重畳して表示させると判定された場合に、受信したコメントのそれぞれを、前記動画に重畳して表示させるコメントと、動画表示領域とは異なる領域に表示させるコメントと、に分類し、
第3手段が、前記コメントを配信する、コメント配信方法。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1乃至7のいずれかに記載のシステムにおける第1乃至第4手段として機能させるコメント配信プログラム。
【請求項17】
コンピュータを、請求項8乃至11のいずれかに記載のコメント配信装置における第1乃至第3手段として機能させるコメント配信プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コメント配信システム、コメント配信サーバ、端末、コメント配信方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して配信される動画を視聴し、動画に対してコメントを投稿できるサービスが広く利用されている。投稿されたコメントは、動画の表示領域外に設けられたコメント欄に表示されたり、動画の表示領域内で動画に重畳させて表示されたりする。リアルタイムで動画が配信される、いわゆる生放送番組では、視聴者が投稿したコメントを配信者が読み上げることで視聴者と配信者との間でコミュニケーションを取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6295494号公報
【文献】特開2011-118730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、人気番組では、多数の視聴者から大量のコメントが投稿されるので、画面上に重畳表示されたコメントが重なりあって読みにくくなってしまう。
【0005】
特許文献1では、画面上とコメント欄の両方にコメントが表示されるので、コメント欄で投稿されたコメントを確認できるが、大量のコメントが投稿された場合、配信者はコメント欄内の全てのコメントを読み上げることはできない。その結果、番組の視聴者が少ない場合には配信者とコミュニケーションを取ることができていた視聴者が離れて行ってしまう可能性がある。
【0006】
特許文献2では、投稿されたコメントの属性情報に基づいて配信するコメントを抽出し、抽出されたコメントのみが配信されるので、大量のコメントが投稿された場合であっても、配信されるコメントを視聴者の把握可能な程度の数に抑えることができる。しかしながら、配信するコメントを間引くと、投稿されるコメントの量で番組の盛り上がりを可視化できなくなるという問題がある。また、コメントが間引かれて配信されないので、コメントを投稿する意欲をなくしたり、番組を視聴しなくなったりする可能性がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、コメントを投稿する意欲を失わせることなく、コメントを適切に処理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様のコメント配信システムは、動画を配信する動画配信サーバと、前記動画に対して入力されたコメントを配信するコメント配信サーバと、前記動画および前記コメントを受信して表示する端末を備えるコメント配信システムであって、前記コメント配信サーバは、コメントを受信する受信部と、前記コメントを前記動画の表示領域内と前記動画の表示領域外のコメント欄に表示する第1コメントと前記コメント欄のみに表示する第2コメントに分類する分類部と、前記第1コメントと前記第2コメントを配信する配信部を備え、前記端末は、前記動画を受信して表示する動画表示部と、前記第1コメントと前記第2コメントを受信するコメント受信部と、前記第1コメントと前記第2コメントを前記動画の表示領域外のコメント欄に表示するとともに、前記第1コメントを前記動画の表示領域内に表示するコメント表示部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コメントを投稿する意欲を失わせることなく、コメントを適切に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態のコメント配信システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、コメント配信サーバの構成の一例を示す図である。
図3図3は、視聴者端末の構成の一例を示す図である。
図4図4は、表示画面の一例を示す図である。
図5図5は、表示画面の一例を示す図である。
図6図6は、コメント配信サーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7図7は、視聴者端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
[システムの構成]
図1は、本実施形態のコメント配信システムの構成の一例を示す図である。同図に示すコメント配信システムは、コメント配信サーバ1、動画配信サーバ2、視聴者端末3、および配信者端末4で構成される。各装置はネットワークを介して通信可能に接続される。図1では、視聴者端末3を2台のみ図示しているが、これに限るものではない。視聴者は多数存在し、多数の視聴者端末3が接続される。また、配信者端末4を1台のみ図示しているが、実際には多数の配信者が存在し、多数の配信者端末4が接続される。視聴者は自身の見たい配信者の番組を選択して視聴できる。
【0013】
配信者端末4は、番組を配信する配信者が使用する端末であり、撮影した動画をリアルタイムに動画配信サーバ2へアップロードする。例えば、配信者端末4は、配信者端末4に接続したカメラで撮影した映像をリアルタイムに動画配信サーバ2へアップロードする。配信者端末4は、ゲーム機などの外部の装置から入力した映像を動画配信サーバ2へアップロードしてもよい。
【0014】
動画配信サーバ2は、配信者端末4から受信した動画をリアルタイムに視聴者端末3へ配信する。つまり、配信者は生放送番組を配信している。生放送番組の配信はストリーミング配信ともいう。ここでは、生放送番組を例に説明するが、本発明は、動画配信サーバ2が生放送番組を録画して時間をずらして動画を配信するタイムシフト配信にも適用可能である。
【0015】
視聴者端末3は、番組を視聴する視聴者が使用する端末であり、動画配信サーバ2から動画を受信して表示する。視聴者が視聴者端末3を操作して見たい番組を選択すると、視聴者端末3は、動画の配信要求を動画配信サーバ2へ送信する。動画配信サーバ2は、配信要求を受信すると、要求された動画の視聴者端末3への送信を開始する。
【0016】
コメント配信サーバ1は、視聴者が動画に対して入力したコメントを視聴者端末3から受信し、受信したコメントを、リアルタイムで同じ動画の配信を受けている視聴者端末3とその動画を配信している配信者端末4へ配信する。コメント配信サーバ1は、視聴者端末3から受信したコメントを動画ごとに管理している。動画配信サーバ2は、視聴者端末3から配信要求を受信すると、視聴者端末3を識別する情報と要求された動画を識別する情報をコメント配信サーバ1へ通知する。コメント配信サーバ1は、動画に対応するコメントの視聴者端末3への送信と視聴者端末3からのコメントの受信を開始する。コメントの配信については特許文献1に記載の技術を用いることができる。
【0017】
コメント配信サーバ1は、受信したコメントを、動画の表示領域内に表示するコメント(以下、第1コメントと称する)と動画の表示領域内に表示しないコメント(以下、第2コメントと称する)に分類し、第1コメントと第2コメントを視聴者端末3と配信者端末4へ配信する。
【0018】
視聴者端末3は、受信したコメントが第1コメントの場合は、動画の表示領域内と動画の表示領域外のコメント欄の両方にコメントを表示する。視聴者端末3は、受信したコメントが第2コメントの場合は、コメント欄のみにコメントを表示する。つまり、視聴者端末3は、コメント欄に全てのコメント(第1コメントと第2コメント)を表示するが、動画の表示領域内には、第1コメントのみを表示する。配信者端末4も同様に、第1コメントは動画の表示領域内とコメント欄の両方に表示し、第2コメントはコメント欄のみに表示する。
【0019】
[サーバ構成と端末の構成]
次に、コメント配信サーバ1と視聴者端末3の構成例について説明する。
【0020】
図2は、コメント配信サーバ1の構成の一例を示す図である。同図に示すコメント配信サーバ1は、コメント受信部11、コメント分類部12、コメント配信部13、およびコメント蓄積部14を備える。
【0021】
コメント受信部11は、視聴者端末3からコメントを受信し、受信したコメントをコメント蓄積部14に蓄積する。
【0022】
コメント蓄積部14は、動画ごとに、コメントの内容、コメント投稿者の情報、およびコメント投稿時刻を蓄積する。コメントの内容は、基本的に文字列であるが、いわゆるスタンプなどの画像であってもよい。コメント投稿者の情報は、例えば、投稿者名または投稿者の識別子である。コメント投稿者は視聴者でもある。コメント投稿時刻は、例えば、視聴者がコメントを送信したときの動画の再生時間(タイムスタンプ)である。これらの情報は、受信したコメントに含まれている。受信したコメントは、どの動画に対するコメントであるかを示す識別子を含む。上記の情報に加えて、コメントを受信した順番を示すコメント番号、コメントの表示態様を指定するコメント表示方法を蓄積してもよい。
【0023】
コメント分類部12は、分類基準に基づき、受信したコメントつまりコメント蓄積部14に蓄積されたコメントを第1コメントと第2コメントに分類する。コメントの分類結果は、コメント蓄積部14に保存する。例えば、第1コメントとして分類されたコメントにフラグを立てる。分類基準として、例えば、投稿者の属性、コメントの属性を用いることができる。
【0024】
コメント配信部13は、コメント蓄積部14からコメントを読み出し、第1コメントまたは第2コメントの種別を含めて、コメントを視聴者端末3および配信者端末4に配信する。生放送番組の場合は、番組の進行に応じて次々とコメントが蓄積されるので、コメント配信部13は、新たに蓄積されたコメントを読み出して配信する。
【0025】
タイムシフト配信では、コメント配信部13は、コメント蓄積部14に蓄積したコメントを動画の再生時刻タイムスタンプに従って送出する。
【0026】
図3は、視聴者端末3の構成の一例を示す図である。同図に示す視聴者端末3は、動画表示部31、コメント受信部32、操作入力部33、およびコメント送信部34を備える。なお、配信者端末4も視聴者端末3と同様の構成を備えて、配信された動画およびコメントを表示する。
【0027】
動画表示部31は、視聴者によって指定された動画の配信要求を動画配信サーバ2へ送信し、動画配信サーバ2から配信される動画を受信して表示する。
【0028】
コメント受信部32は、視聴中の動画に対して入力されたコメントをコメント配信サーバ1から受信し、動画表示部31に表示させる。
【0029】
動画表示部31は、コメントをコメント欄に表示するとともに、コメントが第1コメントの場合は、コメントを動画上に重畳させて表示する。
【0030】
操作入力部33は、視聴者からの操作を入力する。例えば、操作入力部33は、動画を選択する操作、動画に対する操作、および動画に対するコメントを入力する。
【0031】
コメント送信部34は、操作入力部33で入力されたコメントをコメント配信サーバ1へ送信する。送信するコメントは、コメントの内容、視聴中の動画を識別する情報、視聴者を識別する情報、およびコメント入力時のタイムスタンプを含む。コメントは、表示態様などの付加情報を含んでもよい。
【0032】
配信者端末4は、動画に重畳表示された第1コメントを読み上げてもよい。例えば、配信者のプレイするゲームを実況する番組を配信する場合、配信者はゲーム画面から目が離せないので、配信者端末4にインストールした読み上げソフトにより、コメントを読み上げさせる。コメントを読み上げた音声は動画とともに配信される。コメントの量が多くなった場合、動画に重畳表示されるコメントが間引かれるので、読み上げソフトは大きく遅れることなくリアルタイムにコメントを読み上げることができる。
【0033】
なお、コメント配信サーバ1と視聴者端末3が備える各部は、演算処理装置、記憶装置等を備えたコンピュータにより構成して、各部の処理がプログラムによって実行されるものとしてもよい。このプログラムはコメント配信サーバ1と視聴者端末3が備える記憶装置に記憶されており、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0034】
なお、コメント配信サーバ1の機能の一部を視聴者端末3が備えてもよい。例えば、コメント分類部12を視聴者端末3が備え、受信したコメントを基準に従って分類してもよい。
【0035】
[表示画面]
図4を参照し、視聴者端末3での表示例について説明する。図4の表示画面100は、動画表示領域110、コメント欄120、およびコメント入力欄130で構成される。
【0036】
動画表示領域110には、配信される動画が表示されるとともに、第1コメントが動画上に重畳して表示される。なお、図示していないが、動画表示領域110内に、音量の調節、動画の再生ボタン、動画の一時停止ボタン、および表示の最大化ボタンなどの操作ボタンを備えてもよいし、動画のタイトル、動画再生時間、および動画の再生時間長などの動画に関する情報を表示してもよい。
【0037】
動画表示領域110では、コメントが右端から出現し、任意の移動スピードで左端に向かって移動する。コメントの出現位置、移動方向、および移動スピードは、視聴者端末3が任意に設定してもよいし、コメントの付加情報で指定されてもよい。なお、動画表示領域110内でのコメントの表示方法をこれに限るものではない。
【0038】
コメント欄120には、第1コメントと第2コメントが時系列順に表示される。つまり、コメント欄120には、視聴者端末3が受信した全てのコメントの内容が時系列順に表示される。コメント欄120に表示されたコメントのうち第1コメントと分類されたコメントは、動画表示領域110にも表示される。図4の例では、符号121で示すコメントが第1コメントであり、コメント欄120と動画表示領域110の両方に表示されている。コメント欄120では、第1コメントと第2コメントが区別できるように色、サイズ、フォントなどの表示態様を変えて表示してもよいし、第1コメントと第2コメントが区別できないように同じ表示態様で表示してもよい。第1コメントは、動画表示領域110内に表示されている間のみコメント欄120での表示態様を第2コメントの表示態様と変えてもよい。
【0039】
視聴者がマウスカーソルをコメント欄120のコメントに合わせると、そのコメントの情報が表示されてもよい。例えば、マウスカーソルで選択されたコメントの投稿時刻および投稿者名などの情報をポップアップして表示する。
【0040】
視聴者端末3は、新たなコメントを受信すると、コメント欄120に表示されているコメントの下に新たなコメントを追加して表示する。コメント欄120の最下部までコメントが表示されている場合は、表示されているコメントを上にスクロールさせて、新たなコメントをコメント欄120の最下部に表示する。大量のコメントが投稿されている場合、速いスピードでコメント欄120のコメントがスクロールする。動画表示領域110に表示するコメントを間引いても、コメントがスクロールする速度で番組の盛り上がりを可視化できる。視聴者は、コメント欄120のスクロールバーを操作し、コメント欄120のコメントを任意の方向にスクロールさせて過去のコメントを確認することができる。
【0041】
コメント入力欄130には、視聴者が動画に対するコメントを入力する。入力したコメントは、コメント配信サーバ1へ送信され、コメント配信サーバ1によって配信される。コメント配信サーバ1によって配信された自身のコメントは、他の視聴者が入力したコメントと同様に、第1コメントまたは第2コメントに分類されて、コメント欄120と動画表示領域110に表示される。
【0042】
図5は、スマートフォンなどの縦長の表示面を持つ携帯端末を視聴者端末3として用いたときの表示画面の一例である。縦長の表示画面100では、動画表示領域110、コメント欄120、およびコメント入力欄130を縦に並べて表示する。
【0043】
[サーバと端末の動作]
次に、コメント配信サーバ1と視聴者端末3の動作について説明する。
【0044】
図6は、コメント配信サーバ1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。コメント配信サーバ1は、視聴者端末3に対してコメントの配信を開始しているものとする。
【0045】
ステップS11にて、コメント配信サーバ1は、視聴者端末3からコメントを受信する。ここで受信するコメントは、視聴中のいずれかが視聴中の動画に対して入力したコメントである。
【0046】
ステップS12にて、コメント配信サーバ1は、動画に重畳して表示するコメントを間引くか否か判定する。つまり、コメント配信サーバ1は、受信したコメントを第1コメントと第2コメントに分類するか否か判定する。コメント配信サーバ1は、時間当たりのコメント量が少ない場合は、受信した全てのコメントを動画に重畳して表示し、時間当たりのコメント量が基準を超えた場合に、動画に重畳して表示するコメントを間引くと判定する。例えば、1秒当たりのコメント数が10以上の場合に、コメントを間引くと判定する。コメントを間引かない場合は、処理をステップS14に進める。
【0047】
コメントを間引く場合、ステップS13にて、コメント配信サーバ1は、分類基準に基づき、受信したコメントを間引くコメント(第2コメント)と間引かないコメント(第1コメント)に分類する。コメントの分類の詳細については後述する。
【0048】
ステップS14にて、コメント配信サーバ1は、コメントの分類結果に関わらず、受信した全てのコメントを対応する動画を視聴中の視聴者端末3へ配信する。このとき、コメント配信サーバ1は、ステップS13でコメントを分類した場合、分類結果を付与してコメントを配信する。例えば、第2コメントに動画に重畳して表示しない情報を付与する。なお、コメント配信サーバ1は、生放送番組では、配信者端末4にも視聴者端末3と同様に全てのコメントを配信する。
【0049】
なお、ステップS11のコメント受信時に、不適切な内容のコメントをフィルタリングしてもよい。例えば、ステップS11にて、不適切な内容のコメントを受信した場合、コメント配信サーバ1は、受信したコメントを破棄し、そのコメントに対する処理を終了する。
【0050】
また、ステップS12において、コメントを間引く処理を行うか否かは、配信者が指定してもよい。配信者は、コメントを間引かない区間を設定できるようにする。ステップS12のコメントを間引く条件に当てはまる場合であっても、配信者がコメントを間引かない設定を行っているときは、処理をステップS14に進める。例えば、配信者が歌っている区間をコメントを間引かない区間と設定することで、配信者が歌っているときに盛り上げる手段である、コメントによる弾幕および文字を組み合わせて絵を表現するコメントアートへの間引き処理の影響を抑えることができる。
【0051】
あるいは、配信者の状況に応じて、ステップS12のコメントを間引く条件に当てはまる場合であっても、コメントを間引かないと判定してもよい。例えば、配信している動画から配信者の視線を検出し、配信者が画面を見ていないときは、ステップS12のコメントを間引く条件に当てはまる場合であっても、コメントを間引かないと判定する。あるいは、動画から配信者の顔の大きさを検出し、顔の領域が基準よりも小さければ、配信者は配信者端末4から離れているのでコメントを読んでいないとみなし、ステップS12のコメントを間引く条件に当てはまる場合であっても、コメントを間引かないと判定する。
【0052】
図7は、視聴者端末3の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0053】
ステップS21にて、視聴者端末3は、コメント配信サーバ1からコメントを受信する。
【0054】
ステップS22にて、視聴者端末3は、受信したコメントをコメント欄に表示する。
【0055】
ステップS23にて、視聴者端末3は、受信したコメントを動画に重畳して表示するか否か判定する。動画に重畳して表示しないコメントの場合、つまり受信したコメントが第2コメントに分類されている場合は、処理を終了する。
【0056】
動画に重畳して表示するコメントの場合、つまり受信したコメントが第1コメントに分類されている場合は、ステップS24にて、視聴者端末3は、動画に重畳させてコメントを表示する。
【0057】
[コメントの分類基準]
コメントの分類基準として、コメント投稿者の属性情報を用いることができる。
【0058】
例えば、コメント投稿者の属性情報として会員種別(一般会員、有料会員など)を用いてもよい。コメント配信サーバ1は、コメント投稿者の会員種別に応じてコメントに優先度を付与し、優先度の高い順に、所定数になるまで間引かないコメントを抽出する。優先度ごとにコメント数の比率を決めてもよい。例えば、コメント配信サーバ1は、所定数Aになるまで有料会員のコメントを抽出し、所定数Bになるまで一般会員のコメントを抽出する。抽出したコメントを第1コメントとする。これにより、会員種別に応じて、コメントが動画上に重畳表示されやすくなる。
【0059】
あるいは、コメント投稿者の属性情報として、配信者の番組への参加度(過去の視聴回数、過去のコメント数)を用いてもよい。コメント配信サーバ1は、配信者ごとに、視聴者の視聴履歴(コメント履歴を含めてもよい)を保持しておく。コメント配信サーバ1は、コメント投稿者の視聴履歴に応じてコメントに優先度を付与し、優先度の高い順に、所定数になるまで間引かないコメントを抽出する。視聴回数やコメント数が多い視聴者のコメントは優先度を高くする。初めての視聴者や初めてコメントする視聴者のコメントの優先度を高くしてもよい。配信者または配信システムが視聴者を優良視聴者としてフラグ付けしてもよい。
【0060】
コメント投稿者の属性情報として、性別や年齢などの視聴者本人の属性情報を用いてもよい。例えば、配信者は、優先したい投稿者の属性(性別や年齢)をコメント配信サーバ1に登録しておく。コメント配信サーバ1は、コメント投稿者の属性に応じてコメントに優先度を付与し、優先度の高い順に、所定数になるまで間引かないコメントを抽出する。
【0061】
また、コメントの分類基準として、コメントの属性情報を用いてもよい。例えば、視聴者端末3から対価の支払いとともにコメントを投稿できるようする。コメント配信サーバ1は、対価が支払われたコメントを第1コメントに分類する。視聴者は、対価を支払うことにより、間引かれることなく、コメントを動画上に重畳表示させることができる。
【0062】
コメントの分類基準として、コメントの内容を用いてもよい。例えば、コメントが所定の文字数以上で意味を成しているものを第1コメントに分類したり、コメントが番組を盛り上げるための動画上をにぎやかにする文字列であるものを第1コメントに分類したりする。
【0063】
以上説明したように、本実施形態のコメント配信システムは、動画を配信する配信者端末4および動画配信サーバ2と、動画に対して入力されたコメントを配信するコメント配信サーバ1と、動画およびコメントを受信して表示する視聴者端末3を備える。コメント配信サーバ1は、コメントを受信するコメント受信部11と、コメントを動画の表示領域内と動画の表示領域外のコメント欄に表示する第1コメントとコメント欄のみに表示する第2コメントに分類するコメント分類部12と、第1コメントと第2コメントを配信するコメント配信部13を備える。視聴者端末3は、動画を受信して表示する動画表示部31と、第1コメントと第2コメントを受信するコメント受信部32を備え、動画表示部31は、第1コメントを動画の表示領域内とコメント欄の両方に表示し、第2コメントをコメント欄のみに表示する。これにより、動画表示領域内に重畳表示されるコメントが間引かれるので、大量のコメントが投稿されてもコメントを読むことができ、投稿されたコメントの全てがコメント欄に表示されるので、コメント欄に表示されるコメントの量で番組の盛り上がりを可視化でき、コメントが無駄になることがない。
【0064】
本実施形態のコメント配信サーバ1は、コメントの投稿者の会員種別に応じてコメントを第1コメントまたは第2コメントに分類することにより、有料会員の契約を促進できる。
【0065】
本実施形態のコメント配信サーバ1は、コメントの属性またはコメントの内容に基づいてコメントを第1コメントまたは第2コメントに分類することにより、動画上にコメントを重畳表示させて番組を盛り上げる弾幕およびコメントアートへの影響を抑えることができる。
【符号の説明】
【0066】
1…コメント配信サーバ
11…コメント受信部
12…コメント分類部
13…コメント配信部
14…コメント蓄積部
2…動画配信サーバ
3…視聴者端末
31…動画表示部
32…コメント受信部
33…操作入力部
34…コメント送信部
4…配信者端末
100…表示画面
110…動画表示領域
120…コメント欄
130…コメント入力欄
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7