(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
A01D 34/68 20060101AFI20241011BHJP
【FI】
A01D34/68 L
(21)【出願番号】P 2021077543
(22)【出願日】2021-04-30
【審査請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タナポーン・ポートーン
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅樹
【審査官】小林 直暉
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-204433(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0206569(US,A1)
【文献】特開2011-051560(JP,A)
【文献】特開2006-094796(JP,A)
【文献】特開2012-000051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に接地して動作する作業機であって、
作業部と、
前記作業部が設けられている本体ハウジングと、
前記本体ハウジングに回動可能に取付けられているアーム部、及び、ユーザが把持可能な把持部を有するハンドルユニットと、
前記本体ハウジングに設けられており、ユーザによって操作可能な操作部と、
前記本体ハウジングに設けられている突起部と、
を備え、
前記ハンドルユニットは、前記アーム部が前記本体ハウジングに対して倒されている収納位置と、前記アーム部が前記本体ハウジングに対して倒されていない作業位置と、の間を移動可能であり、
前記突起部は、ユーザの前記操作部への操作に連動して、規制位置であって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から
前記作業位置
に移動する場合に、前記ハンドルユニットの前記アーム部に接触する前記規制位置と、非規制位置であって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から前記作業位置に移動する場合に、前記ハンドルユニットの前記アーム部に接触しない前記非規制位置と、の間を移動可能であり、
前記ハンドルユニットが前記収納位置に位置しており、かつ、前記突起部が前記規制位置に位置している状態において、前記突起部によって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から前記作業位置に移動することが規制されており、
前記ハンドルユニットが前記収納位置に位置しており、かつ、前記突起部が前記規制位置に位置している状態において、ユーザが前記操作部を操作することに連動して、前記突起部が前記規制位置から前記非規制位置に移動することで、前記ハンドルユニットを前記収納位置から前記作業位置に移動させることができるように構成されて
おり、
前記突起部は、上下方向、及び、前記ハンドルユニットが前記収納位置にある時の前記本体ハウジングの前記アーム部の長手方向軸に直交する特定方向の第1側の第1の端部に設けられており、
前記操作部は、前記突起部よりも前記特定方向の第2側に設けられており、
前記第2側は、第1側の反対側であり、
前記作業機は、さらに、
前記操作部及び前記突起部と別体であり、前記突起部を、前記非規制位置から前記規制位置に付勢する付勢部材を備え、
前記突起部の下面が、前記ハンドルユニットの前記アーム部に対応する形状を有している、
作業機。
【請求項2】
前記ハンドルユニットは、さらに、前記本体ハウジングに回動可能に取付けられている第2のアーム部を備え、
前記作業機は、さらに、
前記本体ハウジングに設けられており、ユーザによって操作可能な第2の操作部と、
前記本体ハウジングに設けられている第2の突起部と、
を備え、
前記第2の突起部は、前記本体ハウジングの前記第2側の第2の端部に設けられており、
前記第2の操作部は、第1の操作部と前記第2の突起部との間に設けられており、
前記第2の突起部は、ユーザの前記第2の操作部への操作に連動して、第2の規制位置であって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から前記作業位置に移動する場合に、前記ハンドルユニットの前記第2のアーム部に接触する前記第2の規制位置と、第2の非規制位置であって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から前記作業位置に移動する場合に、前記ハンドルユニットの前記第2のアーム部に接触しない前記第2の非規制位置と、の間を移動可能であり、
前記付勢部材は、前記第2の突起部を、前記第2の非規制位置から前記第2の規制位置に付勢し、
前記ハンドルユニットが前記収納位置に位置しており、かつ、前記突起部が前記規制位置に位置しており、かつ、前記第2の突起部が前記第2の規制位置に位置している状態において、前記突起部及び前記第2の突起部によって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から前記作業位置に移動することが規制されており、
前記ハンドルユニットが前記収納位置に位置しており、かつ、前記突起部が前記規制位置に位置しており、かつ、前記第2の突起部が前記第2の規制位置に位置している状態において、ユーザが前記操作部、及び、前記第2の操作部を操作することに連動して、前記突起部が前記規制位置から前記非規制位置に移動するとともに、前記第2の突起部が前記第2の規制位置から前記第2の非規制位置に移動することで、前記ハンドルユニットを前記収納位置から前記作業位置に移動させることができるように構成されている、
請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
地面に接地して動作する作業機であって、
作業部と、
前記作業部が設けられている本体ハウジングと、
前記本体ハウジングに回動可能に取付けられているアーム部、及び、ユーザが把持可能な把持部を有するハンドルユニットと、
前記本体ハウジングに設けられており、ユーザによって操作可能な操作部と、
前記本体ハウジングに設けられている突起部と、
を備え、
前記ハンドルユニットは、前記アーム部が前記本体ハウジングに対して倒されている収納位置と、前記アーム部が前記本体ハウジングに対して倒されていない作業位置と、の間を移動可能であり、
前記突起部は、ユーザの前記操作部への操作に連動して、規制位置であって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から
前記作業位置に前記移動する場合に、前記ハンドルユニットの前記アーム部に接触する前記規制位置と、非規制位置であって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から前記作業位置に移動する場合に、前記ハンドルユニットの前記アーム部に接触しない前記非規制位置と、の間を移動可能であり、
前記ハンドルユニットが前記収納位置に位置しており、かつ、前記突起部が前記規制位置に位置している状態において、前記突起部によって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から前記作業位置に移動することが規制されており、
前記ハンドルユニットが前記収納位置に位置しており、かつ、前記突起部が前記規制位置に位置している状態において、ユーザが前記操作部を操作することに連動して、前記突起部が前記規制位置から前記非規制位置に移動することで、前記ハンドルユニットを前記収納位置から前記作業位置に移動させることができるように構成されて
おり、
前記操作部は回転軸周りに回転する操作部であり、
前記突起部は、ユーザが前記操作部を回転させることに連動して、前記規制位置と前記非規制位置との間を移動可能である、
作業機。
【請求項4】
前記操作部と前記突起部とは一体的に形成されている、請求項1
から3のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項5】
前記突起部は、前記規制位置において、前記本体ハウジングから、
上下方向、及び、前記ハンドルユニットが前記収納位置にある時の前記アーム部の長手方向軸に
直交する特定方向に突出している、請求項1から
4のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項6】
前記突起部の上面には、前記突起部が前記非規制位置と前記規制位置との間を移動する方向において、前記非規制位置側から前記規制位置側に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜部が設けられている、請求項1から
5のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項7】
前記作業機は、さらに、
前記作業部を駆動させる原動機を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、地面に接地する作業部と、作業部が設けられている本体ハウジングと、本体ハウジングに回動可能に取付けられているアーム部、及び、ユーザが把持可能な把持部を有するハンドルユニットと、本体ハウジングに固定されている突起部と、を備える作業機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業機において、ハンドルユニットは、アーム部が本体ハウジング上に載置されている収納位置と、アーム部が本体ハウジング上に載置されていない作業位置と、の間を移動可能である。ハンドルユニットが収納位置に位置している状態では、突起部によって、ハンドルユニットが収納位置から作業位置に移動することが規制される。特許文献1の作業機では、突起部が本体ハウジングに固定されているために、ハンドルユニットを作業位置から収納位置に移動させる際、又は、ハンドルユニットを収納位置から作業位置に移動させる際に、アーム部が突起部に接触しながら、突起部を乗り越える必要がある。突起部が本体ハウジングに固定されているために、アーム部が損傷し得る。
【0005】
本明細書では、ハンドルユニットのアーム部の損傷を抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される作業機は、地面に接地して動作する。作業機は、作業部と、前記作業部が設けられている本体ハウジングと、前記本体ハウジングに回動可能に取付けられているアーム部、及び、ユーザが把持可能な把持部を有するハンドルユニットと、前記本体ハウジングに設けられており、ユーザによって操作可能な操作部と、前記本体ハウジングに設けられている突起部と、を備え、前記ハンドルユニットは、前記アーム部が前記本体ハウジングに対して倒されている収納位置と、前記アーム部が前記本体ハウジングに対して倒されていない作業位置と、の間を移動可能であり、前記突起部は、ユーザの前記操作部への操作に連動して、規制位置であって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から前記作業位置に移動する場合に、前記ハンドルユニットの前記アーム部に接触する前記規制位置と、非規制位置であって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から前記作業位置に移動する場合に、前記ハンドルユニットの前記アーム部に接触しない前記非規制位置と、の間を移動可能であり、前記ハンドルユニットが前記収納位置に位置しており、かつ、前記突起部が前記規制位置に位置している状態において、前記突起部によって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から前記作業位置に移動することが規制されており、前記ハンドルユニットが前記収納位置に位置しており、かつ、前記突起部が前記規制位置に位置している状態において、ユーザが前記操作部を操作することに連動して、前記突起部が前記規制位置から前記非規制位置に移動することで、前記ハンドルユニットを前記収納位置から前記作業位置に移動させることができるように構成されていてもよい。
【0007】
上記の構成によると、突起部は、ユーザの操作部への操作に連動して、規制位置と非規制位置との間を移動可能である。このため、例えば、ユーザが、操作部を操作して、突起部を非規制位置に移動させてから、ハンドルユニットを作業位置から収納位置、又は、収納位置から作業位置に移動させることで、アーム部が突起部に接触することを抑制することができる。従って、ハンドルユニットのアーム部の損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施例において、ハンドルユニット6が作業位置に位置している状態の芝刈機2を右方上方前方から見た斜視図である。
【
図2】第1実施例において、ハンドルユニット6が作業位置に位置している状態の芝刈機2を右方から見た右側面図である。
【
図3】第1実施例において、ハンドルユニット6が作業位置に位置している状態の芝刈機2を上方から見た上面図である。
【
図5】第1実施例の右操作ユニット62を右方上方前方から見た斜視図である。
【
図6】第1実施例において、集草容器12が取外されており、ハンドルユニット6が収納位置に位置している状態の芝刈機2を右方から見た右側面図である。
【
図7】第1実施例において、集草容器12が取外されており、ハンドルユニット6が収納位置に位置している状態の芝刈機2を上方から見た上面図である。
【
図8】
図7のVIII-VIII線に沿った断面図である。
【
図9】第1実施例の芝刈機2において、ハンドルユニット6の第1右アーム100の左側面及び第1左アーム104の右側面が、右操作ユニット62の突起部78及び左操作ユニット64の突起部に接触している状態の前方断面図である。
【
図10】第1実施例の芝刈機2において、ハンドルユニット6が収納位置に位置しており、かつ、右操作ユニット62、及び、左操作ユニット64が非規制位置に位置している状態の前方断面図である。
【
図11】
図3のXI-XI線に沿った断面図である。
【
図12】第1実施例のグリップユニット110、第2右アーム102、及び、第2左アーム106を右方上方前方から見た斜視図である。
【
図13】第1実施例の芝刈機2の制御的構成を示す図である。
【
図14】第2実施例において、右側の移動ユニット272が規制位置に位置している状態の右方断面図である。
【
図15】第2実施例において、右側の移動ユニット272が規制位置に位置している状態の上方断面図である。
【
図16】第2実施例において、右側の移動ユニット272が非規制位置に位置している状態の右方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された作業機を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0010】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0011】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0012】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機は、地面に接地して動作する。作業機は、作業部と、前記作業部が設けられている本体ハウジングと、前記本体ハウジングに回動可能に取付けられているアーム部、及び、ユーザが把持可能な把持部を有するハンドルユニットと、前記本体ハウジングに設けられており、ユーザによって操作可能な操作部と、前記本体ハウジングに設けられている突起部と、を備え、前記ハンドルユニットは、前記アーム部が前記本体ハウジング上に対して倒されている収納位置と、前記アーム部が前記本体ハウジング上に対して倒されていない作業位置と、の間を移動可能であり、前記突起部は、ユーザの前記操作部への操作に連動して、規制位置であって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から作業位置に移動する場合に、前記ハンドルユニットのアーム部に接触する前記規制位置と、非規制位置であって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から作業位置に移動する場合に、前記ハンドルユニットのアーム部に接触しない前記非規制位置と、の間を移動可能であり、前記ハンドルユニットが前記収納位置に位置しており、かつ、前記突起部が前記規制位置に位置している状態において、前記突起部によって、前記ハンドルユニットが前記収納位置から前記作業位置に移動することが規制されており、前記ハンドルユニットが前記収納位置に位置しており、かつ、前記突起部が前記規制位置に位置している状態において、ユーザが前記操作部を操作することに連動して、前記突起部が前記規制位置から前記非規制位置に移動することで、前記ハンドルユニットを前記収納位置から前記作業位置に移動させることができるように構成されていてもよい。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機は、さらに、突起部を、非規制位置から規制位置に付勢する付勢部材を備えてもよい。
【0014】
ハンドルユニットが作業位置から収納位置に移動された後においては、突起部によって、ハンドルユニットが収納位置から作業位置に移動させることが規制されていることが望ましい。上記の構成によると、ハンドルユニットが作業位置に位置している状態において、付勢部材によって、突起部材が規制位置に付勢されている。ハンドルユニットが作業位置から収納位置に移動される際に、突起部は、規制位置から非規制位置に移動される。そして、ハンドルユニットのアーム部が突起部を通過した後に、付勢部材によって、突起部が非規制位置から規制位置に移動する。このため、ハンドルユニットを作業位置から収納位置に移動させたにも関わらず、ハンドルユニットが収納位置から作業位置に移動することが規制されていない状況が発生することを抑制することができる。従って、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0015】
1つ又はそれ以上の実施形態において、操作部と突起部とは一体的に形成されていてもよい。
【0016】
上記の構成によると、連結機構などを利用して、操作部と突起部とを連結しなくてもよい。従って、作業機の部品点数を低減することができる。
【0017】
1つ又はそれ以上の実施形態において、突起部は、規制位置において、本体ハウジングから、ハンドルユニットが収納位置にある時のアーム部の長手方向軸に対して垂直な方向に突出していてもよい。
【0018】
上記の構成によると、突起部がアーム部の長手方向軸に対して傾斜している構成と比較して、ハンドルユニット6が収納位置から作業位置に移動することをしっかりと規制することができる。
【0019】
1つ又はそれ以上の実施形態において、突起部の上面には、突起部が非規制位置と規制位置との間を移動する方向において、非規制位置側から規制位置側に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜部が設けられていてもよい。
【0020】
突起部の上面に傾斜部が設けられていない場合、ユーザは、突起部が規制位置に位置している状態において、ハンドルユニットを作業位置から収納位置に移動させることができない。即ち、ユーザは、操作部を操作して、突起部を規制位置から非規制位置に移動させた後に、ハンドルユニットを作業位置から収納位置に移動させる必要がある。上記の構成によると、突起部が規制位置に位置している状態において、ハンドルユニットを作業位置から収納位置に移動させようとすると、ハンドルユニットのアーム部が突起部の上面の傾斜部に接触する。この場合、ハンドルユニットのアーム部が突起部の上面の傾斜部に接触することによって、突起部を規制位置から非規制位置に移動させる方向に力が作用する。このため、突起部が規制位置から非規制位置に移動する。従って、ユーザは、突起部が規制位置に位置している状態において、ハンドルユニットを作業位置から収納位置に移動させる場合に、操作部を操作して、突起部を規制位置から非規制位置に移動させなくてもよい。従って、ユーザは、ハンドルユニットを作業位置から収納位置に容易に移動させることができる。この結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0021】
1つ又はそれ以上の実施形態において、操作部は回転軸周りに回転する操作部であり、突起部は、ユーザが操作部を回転させることに連動して、規制位置と非規制位置との間を移動可能であってもよい。
【0022】
上記の構成によると、ユーザは、操作部を回転させることで、突起部を移動させることができる。従って、作業機の操作性を向上させることができる。
【0023】
1つ又はそれ以上の実施形態において、作業機は、さらに、作業部を駆動させる原動機を備えてもよい。
【0024】
上記の構成によると、ユーザが作業機を移動させることに連動して作業部が駆動する構成と比較して、作業部をより強力に駆動させることができる。
【0025】
(第1実施例)
図1~
図13を参照して、第1実施例の芝刈機2について説明する。芝刈機2は、地面に接地して動作する。
図1に示すように、芝刈機2は、本体ユニット4と、ハンドルユニット6と、を備えている。本体ユニット4の前部には、一対の車輪8が設けられている。
図2に示すように、本体ユニット4の後部には、左右方向に延びるローラ10が設けられている。また、本体ユニット4の後部には、集草容器12が着脱可能に取付けられている。
【0026】
(本体ユニット4の構成)
図1~
図3に示すように、本体ユニット4は、本体ハウジング20と、バッテリカバー24と、を備えている。本体ハウジング20の下部には、刈刃26(
図13参照)が設けられている。刈刃26は、地面に対向している。本体ハウジング20には、刈刃26を駆動させるためのモータ28(
図13参照)が収容されている。モータ28は、ブラシレスDCモータであってもよいし、ブラシ付きDCモータであってもよいし、ACモータ等の他の種類のモータであってもよい。本体ハウジング20は、第1本体ハウジング21と、第2本体ハウジング22と、で構成されている。第2本体ハウジング22は、第1本体ハウジング21の上部に取付けられている。
図4に示すように、第1本体ハウジング21の上部には、上方に突出するボス部30、32が設けられている。また、第2本体ハウジング22には、下方に突出する突出部40、42が、第1本体ハウジング21のボス部30、32に対向する位置に設けられている。突出部40、42には、第2本体ハウジング22を上下方向に貫通する貫通孔40a、42aが設けられている。貫通孔40a、42aを貫通したボルトBがボス部30、32に螺合されることによって、第1本体ハウジング21と第2本体ハウジング22とが連結される。
【0027】
図1~
図3に示すように、バッテリカバー24は、第2本体ハウジング22の後部に取付けられている。バッテリカバー24の内部には、バッテリ取付部(図示省略)が設けられている。ユーザは、バッテリカバー24を開放することで、本体ユニット4に対してバッテリパック50(
図13参照)を着脱することができる。
【0028】
本体ユニット4は、さらに、操作ユニット60を備えている。
図4に示すように、操作ユニット60は、本体ユニット4の右側に設けられている右操作ユニット62と、本体ユニット4の左側に設けられている左操作ユニット64と、バネ66と、を備えている。右操作ユニット62及び左操作ユニット64は、第1本体ハウジング21と第2本体ハウジング22との間に取付けられている。右操作ユニット62の形状は、前後方向及び上方方向を含む平面を挟んで、左操作ユニット64と面対称の関係にある。以下では、右操作ユニット62の構成を説明し、左操作ユニット64については、右操作ユニット62と同様の構成に対して同じ符号を付して説明を省略する。
【0029】
図5に示すように、右操作ユニット62は、操作部70と、第1摺動部72と、接続部74と、第2摺動部76と、突起部78と、バネ受部80(
図4参照)と、を備えている。操作部70、第1摺動部72、接続部74、第2摺動部76、突起部78、及び、バネ受部80は、一体的に形成されている。操作部70は、第1摺動部72の上面から上方に延びている。
図4に示すように、バネ受部80は、第1摺動部72の裏面(上面の反対側の面)から下方に延びている。
図5に示すように、接続部74は、第1摺動部72と第2摺動部76とを接続している。接続部74の上面は、左方から右方に向かうにつれて下方側に傾斜している。第2摺動部76の上面は、第1摺動部72の上面よりも下方に位置している。第1摺動部72の上面、及び、第2摺動部76の上面は、前後方向及び左右方向を含む平面と平行である。突起部78は、第2摺動部76の右端部から右方に延伸している。突起部78の下面78aは、後述するハンドルユニット6の第1右アーム100に対応する形状を有している。突起部78の上面は、平坦部78bと、傾斜部78cと、で構成されている。平坦部78bは、前後方向及び左右方向を含む平面と平行である。傾斜部78cは、内側から外側に向かうにつれて下方側に傾斜している。例えば、突起部78の右端部における傾斜部78cは、左方から右方に向かうにつれて下方側に傾斜している。接続部74及び第2摺動部76には、左右方向に延びる貫通孔82が設けられている。貫通孔82の前後方向の幅は、第2本体ハウジング22の突出部40(
図4参照)の前後方向の幅よりも大きい。
【0030】
図4を参照して、右操作ユニット62の本体ハウジング20への取付手順について説明する。まず、第1本体ハウジング21のボス部30の上方に右操作ユニット62の貫通孔82が位置するように、右操作ユニット62を第1本体ハウジング21上に載置する。そして、貫通孔82の下方に位置する第1本体ハウジング21のボス部30と第2本体ハウジング22の突出部40とを位置合わせして、ボス部30にボルトBを螺合する。これにより、右操作ユニット62が本体ハウジング20に取付けられる。貫通孔82の前後方向の幅が第2本体ハウジング22の突出部40の前後方向の幅よりも大きいために、右操作ユニット62は左右方向に摺動することができる。同様の手順で、左操作ユニット64を本体ハウジング20に取付けることができる。
【0031】
バネ66は、左右方向において、右側の右操作ユニット62のバネ受部80と左側の左操作ユニット64のバネ受部80との間に設けられている。バネ66は、右操作ユニット62を、右操作ユニット62の突起部78が後述するハンドルユニット6の第1右アーム100に接触しない位置(以下では、「非規制位置」と記載する)(
図10参照)から、突起部78が後述する第1右アーム100に接触する位置(以下では、「規制位置」と記載する)(
図4、
図8参照)に付勢する。なお、突起部78は、規制位置において、本体ハウジング20から右方に突出している。また、突起部78は、非規制位置において、本体ハウジング20内に完全に収容されていてもよいし、一部が本体ハウジング20から右方に突出していてもよい。また、突起部78の上面の傾斜部78cは、突起部78が規制位置と非規制位置との間を移動する方向(本実施例では左右方向)において、非規制位置側から規制位置側に向かうにつれて下方に傾斜している。
【0032】
(ハンドルユニット6の構成)
図1~
図3、
図8~
図10、
図12に示すように、ハンドルユニット6は、第1右アーム100と、第2右アーム102(
図12参照)と、第1左アーム104と、第2左アーム106(
図12参照)と、補強アーム108と、グリップユニット110と、を備えている。第1右アーム100の一端100a及び第1左アーム104の一端104aは、本体ユニット4に回動可能に取付けられている。ハンドルユニット6は、本体ハウジング20に対して、第1右アーム100及び第1左アーム104が倒されている収納位置(
図6、
図7参照)と、本体ハウジング20に対して、第1右アーム100及び第1左アーム104が倒されていない作業位置(
図1~
図3参照)と、の間を移動可能である。例えば、作業位置において、グリップユニット110は、本体ハウジング20の後方に位置しており、かつ、本体ハウジング20の上方に位置している。また、例えば、収納位置において、グリップユニット110は、本体ハウジング20よりも前方に位置している。
【0033】
第1右アーム100の他端100b及び第1左アーム104の他端104bには、それぞれ、ロック部材112、114が設けられている。
図8に示すように、第2右アーム102は、第1右アーム100の内部に収容されている。第2左アーム106は、第1左アーム104の内部に収容されている。
図12に示すように、グリップユニット110は、第2右アーム102及び第2左アーム106に取付けられている。作業者は、ロック部材112、114をロック位置からアンロック状態に操作して、グリップユニット110を引き上げることで、第2右アーム102及び第2左アーム106を第1右アーム100及び第1左アーム104から引き出すことができる。
図1~
図3に示すように、補強アーム108は、ロック部材112、114の間を左右方向に延びている。
【0034】
グリップユニット110は、グリップハウジング120と、レバー122と、ロックオフボタン124と、を備えている。作業者が、ロックオフボタン124を押し込んだ状態で、レバー122を引き上げると、バッテリパック50(
図13参照)からモータ28(
図13参照)に電力が供給される。一方、作業者が、ロックオフボタン124を押し込んでいない状態で、レバー122を引き上げても、バッテリパック50(
図13参照)からモータ28(
図13参照)に電力は供給されない。即ち、作業者が、ロックオフボタン124を押し込んだ状態で、レバー122を引き上げた場合に、刈刃26(
図13参照)が駆動される。
【0035】
図11に示すように、グリップハウジング120の内側において、グリップハウジング120とロックオフボタン124との間には、ゴムなどの弾性部材126が設けられている。弾性部材126によって、グリップハウジング120内に水が浸入することが防止される。
【0036】
続いて、
図4、
図8~
図10を参照して、ハンドルユニット6を作業位置(
図1~
図3参照)から収納位置(
図6、
図7参照)に移動させるための手順について説明する。以下では、ハンドルユニット6の第1右アーム100及び操作ユニット60の右操作ユニット62の動作について説明するが、第1左アーム104及び左操作ユニット64の動作も同様である。
【0037】
ユーザは、
図1~
図3の状態のハンドルユニット6を本体ユニット4(詳細には本体ハウジング20)に向けて倒す。そして、ハンドルユニット6の第1右アーム100が操作ユニット60の突起部78の上面の右端部(即ち傾斜部78c)に接触する。この場合、突起部78を規制位置から非規制位置に移動させる方向(即ち、左方向)に力が作用する。これにより、
図9に示すように、突起部78が非規制位置に移動する。そして、
図8に示すように、第1右アーム100が、突起部78を通過する。第1右アーム100が突起部78を通過した後に、バネ66によって、突起部78が非規制位置から規制位置に移動される。このようにして、ハンドルユニット6が作業位置から収納位置に移動される。
【0038】
続いて、
図4、
図8、
図10を参照して、ハンドルユニット6を収納位置(
図6、
図7参照)から作業位置(
図1~
図3参照)に移動させるための手順について説明する。以下では、ハンドルユニット6の第1右アーム100及び操作ユニット60の右操作ユニット62の動作について説明するが、第1左アーム104及び左操作ユニット64の動作も同様である。
【0039】
上述のように、突起部78は、第2摺動部76の右端部から右方に延伸している。即ち、ハンドルユニット6が収納位置に位置しており、かつ、突起部78が規制位置に位置している状態において、突起部78は、第1右アーム100の長手方向軸A1(
図7参照)に対して垂直な方向に延びている。この場合、突起部78によって、ハンドルユニット6が収納位置から作業位置に移動することが規制されている。従って、
図6~
図8の状態において、ユーザは、ハンドルユニット6のグリップハウジング120を把持して、ハンドルユニット6を本体ハウジング20から引き上げることができない。
【0040】
ユーザは、まず、右操作ユニット62の操作部70を左方向に操作する。なお、ユーザは、右操作ユニット62の操作部70の操作と同時的に、左操作ユニット64の操作部70を右方向に操作する。
図10に示すように、ユーザの操作部70への操作に連動して、突起部78が左方向に移動して、規制位置から非規制位置に移動する。これにより、ユーザは、ハンドルユニット6のグリップハウジング120を把持して、ハンドルユニット6を本体ハウジング20から引き上げることができる。即ち、ハンドルユニット6を収納位置から作業位置に移動させることができる。ユーザは、ハンドルユニット6が突起部78を通過すると、操作部70から手を離す。この場合、
図4に示すように、バネ66によって、突起部78が非規制位置から規制位置に移動する。このようにして、ハンドルユニット6が収納位置から作業位置に移動される。なお、本実施例では、ユーザが操作部70を操作する方向と突起部78が移動する方向とは一致している。このため、ユーザは、突起部78が移動する方向を容易に把握することができる。
【0041】
以上のように、一実施形態に係る芝刈機2は、
図1~
図13に示すように、刈刃26と、刈刃26が設けられている本体ハウジング20と、本体ハウジング20に回動可能に取付けられている第1右アーム100及び第1左アーム104、及び、ユーザが把持可能なグリップユニット110を有するハンドルユニット6と、本体ハウジング20に設けられており、ユーザによって操作可能な操作部70と、本体ハウジング20に設けられている突起部78と、を備える。ハンドルユニット6は、第1右アーム100及び第1左アーム104が本体ハウジング20に対して倒されている収納位置(
図6、
図7参照)と、第1右アーム100及び第1左アーム104が本体ハウジング20に対して倒されていない作業位置(
図1~
図3参照)と、の間を移動可能である。突起部78は、ユーザの操作部70への操作に連動して、ハンドルユニット6が収納位置から作業位置に移動する場合に、ハンドルユニット6の第1右アーム100及び第1左アーム104に接触する規制位置(
図8参照)と、ハンドルユニット6が収納位置から作業位置に移動する場合に、ハンドルユニット6の第1右アーム100及び第1左アーム104に接触しない非規制位置(
図10参照)と、の間を移動可能である。ハンドルユニット6が収納位置に位置しており、かつ、突起部78が規制位置に位置している状態(
図8参照)において、突起部78によって、ハンドルユニット6が収納位置から作業位置に移動することが規制されている。
図10に示すように、ハンドルユニット6が収納位置に位置しており、かつ、突起部78が規制位置に位置している状態において、ユーザが操作部70を操作することに連動して、突起部78が規制位置から非規制位置に移動することで、ハンドルユニット6を収納位置から作業位置に移動させることができる。上記の構成によると、突起部78は、ユーザの操作部70への操作に連動して、規制位置と非規制位置との間を移動可能である。このため、例えば、ユーザが、操作部70を操作して、突起部78を非規制位置に移動させてから、ハンドルユニット6を、作業位置から収納位置、又は、収納位置から作業位置に移動させることで、第1右アーム100及び第1左アーム104が突起部78に接触することを抑制することができる。従って、ハンドルユニット6の第1右アーム100及び第1左アーム104の損傷を抑制することができる。
【0042】
また、仮に、突起部が本体ハウジング20に固定されている場合、第1右アーム100及び第1左アーム104が突起部を乗り越える必要がある。この場合、第1右アーム100及び第1左アーム104が突起部を乗り越えるために、第1右アーム100及び第1左アーム104が変形する必要がある。上記の構成によると、第1右アーム100及び第1左アーム104は、突起部78を乗り越えなくてもよい。従って、第1右アーム100及び第1左アーム104を変形しにくくすることができる。例えば、補強アーム108の位置を本体ハウジング20側に近い位置に調整することで、第1右アーム100及び第1左アーム104を変形しにくくしてもよいし、第1右アーム100及び第1左アーム104の剛性を高めることで、第1右アーム100及び第1左アーム104を変形しにくくしてもよい。即ち、第1右アーム100及び第1左アーム104の耐久性を向上させることができる。
【0043】
一実施形態に係る芝刈機2は、
図4に示すように、突起部78を、非規制位置から規制位置に付勢するバネ66を備えている。ハンドルユニット6を作業位置から収納位置に移動させた後においては、突起部78によって、ハンドルユニット6が収納位置から作業位置に移動させることが規制されていることが望ましい。上記の構成によると、ハンドルユニット6が作業位置に位置している状態において、バネ66によって、突起部78が規制位置に付勢されている。ハンドルユニット6が作業位置から収納位置に移動される際に、突起部78は、規制位置から非規制位置に移動される。そして、ハンドルユニット6の第1右アーム100及び第1左アーム104が突起部78を通過した後に、バネ66によって、突起部78が非規制位置から規制位置に移動される。このため、ハンドルユニット6を作業位置から収納位置に移動させたにも関わらず、ハンドルユニット6が収納位置から作業位置に移動することが規制されていない状況が発生することを抑制することができる。従って、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0044】
一実施形態に係る芝刈機2において、
図5に示すように、操作部70と突起部78とは一体的に形成されている。上記の構成によると、連結機構などを利用して、操作部70と突起部78とを連結しなくてもよい。従って、芝刈機2の部品点数を低減することができる。
【0045】
一実施形態に係る芝刈機2において、
図7に示すように、突起部78は、規制位置において、本体ハウジング20から、ハンドルユニット6が収納位置にある時の第1右アーム100及び第1左アーム104の長手方向軸A1に対して垂直な方向に突出している。上記の構成によると、突起部78が第1右アーム100及び第1左アーム104の長手方向軸A1に対して傾斜している構成と比較して、ハンドルユニット6が収納位置から作業位置に移動することをしっかりと規制することができる。
【0046】
一実施形態に係る芝刈機2において、
図4に示すように、突起部78の上面には、突起部78が非規制位置から規制位置に移動する方向(本実施例では左右方向)において、非規制位置側から規制位置側に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜部78cが設けられている。突起部78の上面に傾斜部78cが設けられていない場合、ユーザは、突起部78が規制位置に位置している状態において、ハンドルユニット6を作業位置から収納位置に移動させることができない。即ち、ユーザは、操作部70を操作して、突起部78を規制位置から非規制位置に移動させた後に、ハンドルユニット6を作業位置から収納位置に移動させる必要がある。上記の構成によると、突起部78が規制位置に位置している状態において、ハンドルユニット6を作業位置から収納位置に移動させようとすると、ハンドルユニット6の第1右アーム100及び第1左アーム104が突起部78の上面の傾斜部78cに接触する。この場合、突起部78を規制位置から非規制位置に移動させる方向に力が作用する。このため、突起部78が規制位置から非規制位置に移動する。従って、ユーザは、突起部78が規制位置に位置している状態において、ハンドルユニット6を作業位置から収納位置に移動させる場合に、操作部70を操作して、突起部78を規制位置から非規制位置に移動させなくてもよい。従って、ユーザは、ハンドルユニット6を作業位置から収納位置に容易に移動させることができる。この結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0047】
一実施形態に係る芝刈機2は、
図13に示すように、刈刃26を駆動させるモータ28を備えている。上記の構成によると、ユーザが芝刈機2を移動させることに連動して刈刃26が駆動する構成と比較して、刈刃26をより強力に駆動させることができる。
【0048】
(対応関係)
芝刈機2が、「作業機」の一例である。刈刃26が、「作業部」の一例である。第1右アーム100、及び、第1左アーム104が、「アーム部」の一例である。グリップユニット110が、「把持部」の一例である。バネ66が、「付勢部材」の一例である。モータ28が、「原動機」の一例である。
【0049】
(第2実施例)
続いて、
図14~
図16を参照して、第2実施例の芝刈機について説明する。第2実施例の芝刈機は、本体ハウジング220、及び、操作ユニット260の構成が、第1実施例の芝刈機2の本体ハウジング20、及び、操作ユニット60の構成と異なる。以下では、第2実施例の本体ハウジング220、及び、操作ユニット260についてのみ説明する。
【0050】
図14~
図16に示すように、本体ハウジング220の右部には、本体ハウジング220を左右方向に貫通する貫通孔220aが設けられている。
【0051】
図14、
図15に示すように、操作ユニット260は、本体ハウジング220に取付けられている。操作ユニット260は、操作部262と、第1シャフト部264と、回転部266と、2個の被係合部268、270と、2個の移動ユニット272、274と、を備える。
図14に示すように、操作部262は、回転軸A2周りに回転可能な部材である。第1シャフト部264は、操作部262の下部に連結されている。第1シャフト部264は、本体ハウジング220の上部に設けられている貫通孔(図示省略)を通過している。
図15に示すように、回転部266は、第1シャフト部264から、前後方向に延びている。回転部266の前端部には、被係合部268が設けられており、回転部266の後端部には、被係合部270が設けられている。被係合部268、270は、移動ユニット272、274が係合される部材である。
【0052】
詳細は後述するが、移動ユニット272は、
図14、
図15に示される位置と、
図16に示される位置と、の間を移動可能である。以下では、
図14、
図15に示される位置の移動ユニット272について説明する。移動ユニット272の形状は、前後方向及び上方方向を含む平面を挟んで、移動ユニット274と面対称の関係にある。以下では、右側の移動ユニット272の構成を説明し、左側の移動ユニット274については説明を省略する。移動ユニット272は、係合部280と、第2シャフト部282と、摺動部284と、バネ290と、バネ受部292と、を備えている。係合部280は、被係合部268に係合する。第2シャフト部282は、係合部280の右端部から右方に延びている。第2シャフト部282の右端部は、摺動部284に連結されている。摺動部284は、シャフト連結部286と、突起部288と、を備える。シャフト連結部286には、第2シャフト部282が連結されている。突起部288は、シャフト連結部286の右端部から右方に延伸している。突起部288の下面は、平坦部288aで構成されている。なお、突起部288の下面は、ハンドルユニット6の第1右アーム100に対応する形状を有していてもよい。また、突起部288の上面は、平坦部288bと、傾斜部288cと、で構成されている。平坦部288a、288bは、前後方向及び左右方向を含む平面と平行である。傾斜部288cは、内側から外側に向かうにつれて下方側に傾斜している。バネ受部292は、左右方向において、第1シャフト部264とシャフト連結部286との間に設けられている。バネ受部292は、本体ハウジング220内に固定されている。シャフト連結部286とバネ受部292との間には、バネ290が設けられている。バネ290は、移動ユニット272を、突起部288がハンドルユニット6の第1右アーム100に接触しない位置(以下では、「非規制位置」と記載する)(
図16参照)から、突起部288がハンドルユニット6の第1右アーム100に接触する位置(以下では、「規制位置」と記載する)(
図14、
図15参照)に付勢する。
【0053】
続いて、
図14~
図16を参照して、第2実施例のハンドルユニット6を作業位置から収納位置に移動させるための手順について説明する。以下では、第1右アーム100及び右側の移動ユニット272の動作について説明するが、第1左アーム104及び左側の移動ユニット274の動作も同様である。
【0054】
ユーザは、
図14、
図15の状態のハンドルユニット6を本体ユニット4(詳細には本体ハウジング220)に向けて倒す。そして、ハンドルユニット6の第1右アーム100が移動ユニット272の突起部288の上面の右端部(即ち傾斜部288c)に接触する。この場合、突起部288を規制位置から非規制位置に移動させる方向(即ち、左方向)に力が作用する。これにより、移動ユニット272が第1円周方向V1(
図15参照)に回転する。そして、突起部288が非規制位置(
図16参照)に移動する。そして、第1右アーム100が、突起部288を通過する。第1右アーム100が突起部288を通過すると、バネ290によって、操作部262が第2円周方向V2(
図15参照)に回転させられる。そして、突起部288が非規制位置から規制位置(
図14、
図15参照)に移動する。このようにして、ハンドルユニット6が作業位置から収納位置に移動される。なお、突起部288は、非規制位置において、本体ハウジング220内に完全に収容されていてもよいし、一部が本体ハウジング220(詳細には、貫通孔220a)から左方に突出していてもよい。
【0055】
続いて、
図14~
図16を参照して、第2実施例のハンドルユニット6を収納位置から作業位置に移動させるための手順について説明する。以下では、ハンドルユニット6の第1右アーム100及び移動ユニット272の動作について説明するが、第1左アーム104及び移動ユニット274の動作も同様である。
【0056】
ユーザは、まず、操作部262を第1円周方向V1(
図15参照)に回転させる。この場合、ユーザの操作部262への操作に連動して、移動ユニット272の突起部288が規制位置から非規制位置に移動する(
図16参照)。本実施例では、ユーザの操作部262への操作に連動して、移動ユニット274の突起部も規制位置から非規制位置に移動する。これにより、ユーザは、ハンドルユニット6のグリップハウジング120を把持して、ハンドルユニット6を本体ハウジング220から引き上げることができる。即ち、ハンドルユニット6を収納位置から作業位置に移動させることができる。ユーザは、ハンドルユニット6が突起部288を通過すると、操作部262から手を離す。この場合、バネ290によって、操作部262が第2円周方向V2(
図15参照)に回転させられる。そして、突起部288が規制位置から非規制位置に移動する。このようにして、ハンドルユニット6が収納位置から作業位置に移動される。第2実施例の芝刈機でも、第1実施例の芝刈機2と同様の効果を奏することができる。
【0057】
一実施形態に係る芝刈機において、操作部262は回転軸A2周りに回転する操作部であり、突起部288は、ユーザが操作部262を回転させることに連動して、規制位置と、非規制位置と、の間を移動可能であってもよい。上記の構成によると、ユーザは、操作部262を回転させることで、突起部288を移動させることができる。従って、芝刈機2の操作性を向上させることができる。
【0058】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0059】
(第1変形例)「作業機」は、芝刈機2に限定されず、耕運機、スカリファイヤ、スイーパなどであってもよい。
【0060】
(第2変形例)芝刈機2は、バネ66を有していなくてもよい。本変形例では、芝刈機2は、右操作ユニット62、及び、左操作ユニット64の移動を規制するためのロック機構を備えているとよい。
【0061】
(第3変形例)芝刈機2において、操作部70と突起部78とが別体であってもよい。本変形例では、芝刈機2は、操作部70と突起部78とを連結するための連結機構を備えていればよい。例えば、操作部70がボタン式の操作部であってもよい。この場合、突起部78がアクチュエータによって移動されるように構成されていればよい。本変形例では、ユーザが操作部を操作することによって、アクチュエータが駆動され、突起部78が規制位置と非規制位置との間を移動する。
【0062】
(第4変形例)芝刈機2の突起部78は、規制位置において、第1右アーム100の長手方向軸A1に対して傾斜していてもよい。
【0063】
(第5変形例)芝刈機2の突起部78の上面に、傾斜部78cが設けられていなくてもよい。
【0064】
(第6変形例)芝刈機2は、モータ28を有していなくてもよい。本変形例では、刈刃26は、ユーザが芝刈機2を移動させること、即ち、車輪8及びローラ10が回転することに連動して駆動される。
【0065】
(第7変形例)「原動機」は、エンジンであってもよい。
【0066】
(第8変形例)芝刈機2は、バッテリパック50を有してなくてもよい。本変形例では、芝刈機2は、AC電源の電源コードを接続するプラグを備えていればよい。
【0067】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0068】
2 :芝刈機
4 :本体ユニット
6 :ハンドルユニット
8 :車輪
10 :ローラ
12 :集草容器
20 :本体ハウジング
21 :第1本体ハウジング
22 :第2本体ハウジング
24 :バッテリカバー
26 :刈刃
28 :モータ
30 :ボス部
32 :ボス部
40 :突出部
40a :貫通孔
42 :突出部
42a :貫通孔
50 :バッテリパック
60 :操作ユニット
62 :右操作ユニット
64 :左操作ユニット
66 :バネ
70 :操作部
72 :第1摺動部
74 :接続部
76 :第2摺動部
78 :突起部
78a :下面
78b :平坦部
78c :傾斜部
80 :バネ受部
82 :貫通孔
100 :第1右アーム
100a :一端
100b :他端
102 :第2右アーム
104 :第1左アーム
104a :一端
104b :他端
106 :第2左アーム
108 :補強アーム
110 :グリップユニット
112 :ロック部材
114 :ロック部材
120 :グリップハウジング
122 :レバー
124 :ロックオフボタン
126 :弾性部材
220 :本体ハウジング
220a :貫通孔
260 :操作ユニット
262 :操作部
264 :第1シャフト部
266 :回転部
268 :被係合部
270 :被係合部
272 :移動ユニット
274 :移動ユニット
280 :係合部
282 :第2シャフト部
284 :摺動部
286 :シャフト連結部
288 :突起部
288a :平坦部
288b :平坦部
288c :傾斜部
290 :付勢部材
292 :バネ受部
A1 :長手方向軸
A2 :回転軸
B :ボルト