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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/68 20060101AFI20241011BHJP
【FI】
A01D34/68 L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021077545
(22)【出願日】2021-04-30
(65)【公開番号】P2022171119
(43)【公開日】2022-11-11
【審査請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智陽
【審査官】小林 直暉
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-204433(JP,U)
【文献】特開2013-000027(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0269073(US,A1)
【文献】特開2009-219428(JP,A)
【文献】特開2014-147353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機であって、
本体部と、
前記本体部に設けられている作業部と、
原動機と、
前記本体部に取付けられており、ユーザが把持するハンドル部と、
ユーザによって操作されるトリガ部材と、
ユーザによって前記トリガ部材が操作されることに応じて、前記トリガ部材によるオン操作を受け付け、前記原動機を駆動させるスイッチ部と、
ロック部材と、を備え、
前記ハンドル部は、作業状態と非作業状態との間で移行可能であり、
前記ロック部材は、
ユーザによる前記トリガ部材の操作を規制しない非規制位置と、ユーザによる前記トリガ部材の操作を規制することに応じて、前記トリガ部材による前記オン操作を規制する規制位置と、の間を移動可能であり、
前記ハンドル部が前記作業状態である場合に、前記非規制位置に位置しており、
前記ハンドル部が前記非作業状態である場合に、前記規制位置に位置しており、
前記ハンドル部が前記作業状態から前記非作業状態に移行することに応じて、前記非規制位置から前記規制位置に移動する、
作業機。
【請求項2】
作業機であって、
本体部と、
前記本体部に設けられている作業部と、
原動機と、
前記本体部に取付けられており、ユーザが把持するハンドル部と、
ユーザによって操作され、前記原動機を駆動させるためのトリガ部材と、
ロック部材と、を備え、
前記ハンドル部は、作業状態と非作業状態との間で移行可能であり、
前記ロック部材は、
ユーザによる前記トリガ部材の操作を規制しない非規制位置と、ユーザによる前記トリガ部材の操作を規制する規制位置と、の間を移動可能であり、
前記ハンドル部が前記作業状態である場合に、前記非規制位置に位置しており、
前記ハンドル部が前記非作業状態である場合に、前記規制位置に位置しており、
前記ハンドル部が前記作業状態から前記非作業状態に移行することに応じて、前記非規制位置から前記規制位置に移動し、
前記ロック部材は、前記ハンドル部が移行することに応じて移動可能なロックピンであり、
前記ハンドル部は、前記ロックピンが摺動可能なロック溝を備えており、
前記規制位置において、前記ロックピンの一部が前記ロック溝から突出することによって、ユーザによる前記トリガ部材の操作を規制し、
前記非規制位置において、前記ロックピンの全体が前記ロック溝内に収容されている、
作業機。
【請求項3】
作業機であって、
本体部と、
前記本体部に設けられている作業部と、
原動機と、
前記本体部に取付けられており、ユーザが把持するハンドル部と、
ユーザによって操作され、前記原動機を駆動させるためのトリガ部材と、
ロック部材と、を備え、
前記ハンドル部は、作業状態と非作業状態との間で移行可能であり、
前記ロック部材は、
ユーザによる前記トリガ部材の操作を規制しない非規制位置と、ユーザによる前記トリガ部材の操作を規制する規制位置と、の間を移動可能であり、
前記ハンドル部が前記作業状態である場合に、前記非規制位置に位置しており、
前記ハンドル部が前記非作業状態である場合に、前記規制位置に位置しており、
前記ハンドル部が前記作業状態から前記非作業状態に移行することに応じて、前記非規制位置から前記規制位置に移動し、
前記ハンドル部が前記作業状態である場合に、前記ロック部材の自重が、前記ロック部材を前記規制位置から前記非規制位置に移動させる方向に作用し、
前記ハンドル部が前記非作業状態である場合に、前記ロック部材の自重が、前記ロック部材を前記非規制位置から前記規制位置に移動させる方向に作用する、
作業機。
【請求項4】
前記ロック部材は、前記ハンドル部が前記非作業状態から前記作業状態に移行することに応じて、前記規制位置から前記非規制位置に移動する、請求項1から3のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項5】
前記ロック部材は、前記規制位置において、ユーザによる前記トリガ部材の操作を直接的に規制する、請求項1から4のいずれか一項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、本体部と、本体部に設けられている作業部と、原動機と、本体部に取付けられており、ユーザが把持するハンドル部と、ユーザによって操作され、原動機を駆動させるためのトリガ部材と、ロック部材と、を備える作業機が開示されている。ハンドル部は、作業状態と非作業状態との間で移行可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2019/269073号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業機は、ハンドル部が作業状態であるのか否かを判定するためのスイッチ部と、原動機の動作を制御する制御装置と、を備えている。制御装置は、ハンドル部が作業状態であることを示す信号をスイッチ部から受信している状態において、ユーザによってトリガ部材が操作される場合に、原動機を駆動させる。制御装置は、ハンドル部が作業状態であることを示す信号をスイッチ部から受信していない状態において、ユーザによってトリガ部材が操作される場合に、原動機を駆動させない。このように、特許文献1の作業機では、スイッチ部を利用して、ハンドル部が非作業状態である状態において、原動機が意図せず駆動されないようにしている。スイッチ部を利用する構成の場合、スイッチ部に接続される信号線なども必要となるため、作業機の構成が複雑化するとともに、コストが押し上げられる。
【0005】
本明細書は、簡単化された構成によって、ハンドル部が非作業状態である状態において、原動機が意図せず駆動することを抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する作業機は、本体部と、前記本体部に設けられている作業部と、原動機と、前記本体部に取付けられており、ユーザが把持するハンドル部と、ユーザによって操作され、前記原動機を駆動させるためのトリガ部材と、ロック部材と、を備え、前記ハンドル部は、作業状態と非作業状態との間で移行可能であり、前記ロック部材は、ユーザによる前記トリガ部材の操作を規制しない非規制位置と、ユーザによる前記トリガ部材の操作を規制する規制位置と、の間を移動可能であり、前記ハンドル部が前記作業状態である場合に、前記非規制位置に位置しており、前記ハンドル部が前記非作業状態である場合に、前記規制位置に位置しており、前記ハンドル部が前記作業状態から前記非作業状態に移行することに応じて、前記非規制位置から前記規制位置に移動してもよい。
【0007】
上記の構成によると、ハンドル部が作業状態である場合に、ロック部材が非規制位置に位置しているために、ユーザは、トリガ部材を操作して原動機を駆動させることができる。一方、ハンドル部が非作業状態である場合に、ロック部材が規制位置に位置しているために、ユーザは、トリガ部材を操作することができず、原動機を駆動させことができない。また、ロック部材は、ハンドル部が作業状態から非作業状態に移行することに応じて、非規制位置から規制位置に移動する。このため、ハンドル部が非作業状態である状態において、トリガ部材が誤って操作されることを抑制することができる。従って、ロック部材という簡単な構成によって、ハンドル部が非作業状態である状態において、原動機が意図せず駆動することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】実施例において、ハンドルユニット6が作業状態であり、かつ、走行用スイッチレバー48が操作されていない状態の芝刈機2を前方右方上方から見た斜視図である。
図1B】実施例において、下アーム部40、上アーム部43、及び、グリップ44を前方右方上方から見た斜視図である。
図2図1Aの状態の芝刈機2を右方から見た右側面図である。
図3図1Aの状態の芝刈機2を上方から見た上面図である。
図4図3のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図3のV-V線に沿った断面図である。
図6】実施例において、ハンドルユニット6が作業状態であり、かつ、走行用スイッチレバー48が操作されている状態の芝刈機2を右方から見た右側面図である。
図7図6の状態の芝刈機2の右方断面図である。
図8】実施例において、集草容器12が取外されており、ハンドルユニット6が非作業状態であり、かつ、走行用スイッチレバー48が操作されていない状態の芝刈機2を右方から見た右側面図である。
図9図8の状態の芝刈機2の右方断面図である。
図10】実施例において、集草容器12が取外されており、ハンドルユニット6が非作業状態であり、かつ、走行用スイッチレバー48が操作されている状態の芝刈機2を右方から見た右側面図である。
図11図10の状態の芝刈機2の右方断面図である。
図12】実施例において、ハンドルユニット6の長手方向が平面Fに平行に配置されており、走行用スイッチレバー48が操作されていない状態の芝刈機2の右方断面図である。
図13】芝刈機2の制御的な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された作業機を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0010】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0011】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0012】
1つまたはそれ以上の実施形態において、本体部と、前記本体部に設けられている作業部と、原動機と、前記本体部に取付けられており、ユーザが把持するハンドル部と、ユーザによって操作され、前記原動機を駆動させるためのトリガ部材と、ロック部材と、を備え、前記ハンドル部は、作業状態と非作業状態との間で移行可能であり、前記ロック部材は、ユーザによる前記トリガ部材の操作を規制しない非規制位置と、ユーザによる前記トリガ部材の操作を規制する規制位置と、の間を移動可能であり、前記ハンドル部が前記作業状態である場合に、前記非規制位置に位置しており、前記ハンドル部が前記非作業状態である場合に、前記規制位置に位置しており、前記ハンドル部が前記作業状態から前記非作業状態に移行することに応じて、前記非規制位置から前記規制位置に移動してもよい。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ロック部材は、ハンドル部が非作業状態から作業状態に移行することに応じて、規制位置から非規制位置に移動してもよい。
【0014】
上記の構成によると、ユーザがハンドル部を非作業状態から作業状態に移行させることで、トリガ部材を操作できるようになる。従って、ユーザがハンドル部を非作業状態から作業状態に移行させた後に、ロック部材を規制位置から非規制位置に移動させる必要がある構成と比較して、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ロック部材は、ハンドル部が移行することに応じて移動可能なロックピンであってもよい。ハンドル部は、ロックピンが摺動可能なロック溝を備えていてもよい。規制位置において、ロックピンの一部がロック溝から突出することによって、ユーザによるトリガ部材の操作を規制し、非規制位置において、ロックピンの全体がロック溝内に収容されていてもよい。
【0016】
上記の構成によると、ロックピンという簡易な部材を利用して、ハンドル部が非作業状態である状態において、トリガ部材が誤って操作されることを抑制することができる。従って、より簡単な構成で、ハンドル部が非作業状態である状態において、原動機が意図せず駆動することを抑制することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ハンドル部が作業状態である場合に、ロック部材の自重が、ロック部材を規制位置から非規制位置に移動させる方向に作用し、ハンドル部が非作業状態である場合に、ロック部材の自重が、ロック部材を非規制位置から規制位置に移動させる方向に作用してもよい。
【0018】
上記の構成によると、ハンドル部が作業状態から非作業状態に移行されると、ロック部材の自重が、ロック部材を非規制位置から規制位置に移動させる方向に作用する。即ち、ロック部材が非規制位置から規制位置に自動的に移動する。このため、例えば、ロック部材を非規制位置から規制位置に移動させるための付勢部材などを設けなくてもよい。従って、より簡単な構成で、ハンドル部が非作業状態である状態において、原動機が意図せず駆動することを抑制することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ロック部材は、規制位置において、ユーザによるトリガ部材の操作を直接的に規制してもよい。
【0020】
例えば、ロック部材が、ユーザによるロック部材とは異なる部材(例えば、ロックオフ部材)の操作を規制することによって、ユーザによるトリガ部材の操作を規制することが考えられる。この構成の場合、ロック部材とは異なる部材とトリガ部材を連結するための機構が必要となる。このため、作業機の構成が複雑化する。上記の構成によると、ロック部材がユーザによるトリガ部材の操作を直接的に規制するために、ロック部材とは異なる部材とトリガ部材を連結するための機構等が不要である。従って、より簡単な構成で、ハンドル部が非作業状態である状態において、原動機が意図せず駆動することを抑制することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ハンドル部は、さらに、ユーザが操作可能なロックオフ部材を備えていてもよい。ロックオフ部材がユーザによって操作されている状態において、トリガ部材を操作可能であってもよい。
【0022】
上記の構成によると、ハンドル部が非作業状態である状態において、ロック部材、及び、ロックオフ部材によって、ユーザによるトリガ部材の操作が規制される。従って、ハンドル部が非作業状態である状態において、原動機が意図せず駆動することをより確実に抑制することができる。
【0023】
(実施例)
図1A図13を参照して、実施例の芝刈機2について説明する。芝刈機2は、地面に接地して動作する。図1A図3に示すように、芝刈機2は、本体ユニット4と、ハンドルユニット6と、を備えている。本体ユニット4は、一対の前輪8と、一対の後輪10(図3参照)と、を備えている。以下の説明では、一対の前輪8、及び、一対の後輪10が地面に接地している状態の芝刈機2について説明する。本体ユニット4の後方には、集草容器12が着脱可能に取り付けられている。ハンドルユニット6は、本体ユニット4の後方上部に取り付けられており、本体ユニット4から後方上方に向けて延びている。
【0024】
(本体ユニット4の構成)
図1Aに示すように、本体ユニット4は、本体ハウジング20と、バッテリカバー22と、を備えている。バッテリカバー22は、本体ハウジング20の上部に設けられている。バッテリカバー22は、開閉式のカバーである。ユーザは、バッテリカバー22を開放することで、本体ハウジング20に対してバッテリパック24(図13参照)を着脱することができる。本実施例では、2つのバッテリパック24が本体ハウジング20に取付けられる。
【0025】
本体ハウジング20には、刈刃26(図13参照)と、送風ファン28(図13参照)と、芝刈用モータ30(図13参照)と、走行用モータ32(図13参照)と、制御ユニット34(図13参照)と、が収容されている。刈刃26は、本体ハウジング20の下部に設けられており、地面に対向している。刈刃26及び送風ファン28は、上下方向に延びる駆動シャフト(図示省略)を介して、芝刈用モータ30に接続されている。芝刈用モータ30が駆動すると、刈刃26及び送風ファン28が回転する。これにより、刈刃26が、地面に生える芝草を刈り取る。刈り取られた芝草は、送風ファン28の回転によって生じる空気の流れによって、集草容器12へ搬送される。後輪10は、左右方向に延びる第1シャフト(図示省略)を介して、減速ギヤ(図示省略)に接続されている。減速ギヤは、走行用モータ32に接続されている第2シャフト(図示省略)に接続されている。走行用モータ32が駆動すると、後輪10が回転する。これにより、芝刈機2が前方に移動する。制御ユニット34は、バッテリパック24から、芝刈用モータ30及び走行用モータ32に供給される電力を制御することで、芝刈用モータ30及び走行用モータ32の動作を制御する。芝刈用モータ30及び走行用モータ32は、ブラシレスDCモータであってもよいし、ブラシ付きDCモータであってもよいし、ACモータ等の他の種類のモータであってもよい。
【0026】
(ハンドルユニット6の構成)
図1Aに示すように、ハンドルユニット6は、下アーム部40と、グリップユニット42と、を備える。下アーム部40の基端部分40a(本体ユニット4側の端部)は、ネジBによって、本体ユニット4の本体ハウジング20に固定されている。図1Aに示すように、グリップユニット42は、つまみ部41によって、下アーム部40の先端部分40b(本体ユニット4とは反対側の端部)に固定されている。
【0027】
図1A図3に示すように、グリップユニット42は、上アーム部43(図1B参照)と、グリップ44と、芝刈用スイッチレバー46と、走行用スイッチレバー48と、右スイッチユニット50と、左スイッチユニット52と、を備える。図1Bに示すように、上アーム部43の基端部分43a(本体ユニット4側の端部)は、つまみ部41によって、下アーム部40の先端部分40bに固定されている。グリップ44は、上アーム部43の先端部分43b(本体ユニット4とは反対側の端部)に固定されている。図1Aに示すように、右スイッチユニット50及び左スイッチユニット52は、上アーム部43に固定されている。芝刈用スイッチレバー46及び走行用スイッチレバー48は、右スイッチユニット50及び左スイッチユニット52に回動可能に取付けられている。
【0028】
図2図3に示すように、ハンドルユニット6は、ネジBが緩められている状態において、本体ハウジング20に対して左右方向に延びる回動軸A1周りに回動することができる。また、ハンドルユニット6の上アーム部43は、つまみ部41が緩められている状態において、下アーム部40に対して左右方向に延びる回動軸A2周りに回動することができる。ユーザは、ハンドルユニット6を、芝刈を行うのに適した位置にハンドルユニット6が位置している状態(以下では、「作業状態」と記載する)と、芝刈を行うのに適していない位置にハンドルユニット6が位置している状態(以下では、「非作業状態」と記載する)と、の間で移行させることができる。本実施例の芝刈機2は、図2に示すように、上アーム部43の先端部分43b(図1B参照)が基端部分43aよりも後方に位置しており、かつ、先端部分43bが基端部分43aよりも上方に位置するように上アーム部43が傾斜している状態において芝刈が行われることが想定されている。具体的には、本実施例では、上アーム部43の傾斜角αが所定角度(例えば、10°)よりも大きい状態(例えば、図1A図2図3図6の状態)が、芝刈を行うのに適した状態(即ち作業状態)である。傾斜角αは、回動軸A1を含む上下方向に延びる平面Fに対して、上アーム部43が後方側に傾斜している角度である。また、上アーム部43の傾斜角αが、所定角度以下である状態(例えば、図8図10の状態)が、芝刈を行うのに適していない状態(即ち非作業状態)である。図8図10において、傾斜角αは、「-90°」である。また、図示省略しているが、下アーム部40が図1A図2に示す状態である状態において、上アーム部43が、下アーム部40に対して倒されている状態も非作業状態である。
【0029】
芝刈用スイッチレバー46は、左スイッチユニット52内に収容されているバネ(図示省略)によって、グリップ44から前方に離反する方向に付勢されている。図3に示すように、右スイッチユニット50には、ロックオフボタン54が設けられている。ロックオフボタン54は、芝刈用スイッチレバー46の操作の規制及び該操作の規制の解除を行うためのボタンである。ロックオフボタン54が押し込まれていない状態では、芝刈用スイッチレバー46の操作が規制される。ロックオフボタン54が押し込まれることによって、芝刈用スイッチレバー46の操作の規制が解除される。また、右スイッチユニット50には、芝刈用スイッチレバー46が操作されたことを検出するための芝刈用スイッチ機構(図示省略)が収容されている。ユーザが右手でロックオフボタン54を押し込んでいる状態で、左手で芝刈用スイッチレバー46を操作すると、芝刈用スイッチ機構によって、芝刈用スイッチレバー46が操作されたことが検出される。そして、芝刈用スイッチレバー46が操作されたことを検出したことを示す信号が制御ユニット34(図13参照)に送信される。そして、制御ユニット34によって、芝刈用モータ30が駆動され、刈刃26及び送風ファン28が駆動される。ユーザが芝刈用スイッチレバー46の操作を解除すると、制御ユニット34によって、芝刈用モータ30の駆動が停止され、刈刃26及び送風ファン28の駆動が停止される。
【0030】
続いて、走行用スイッチレバー48と、右スイッチユニット50、及び、左スイッチユニット52と、の接続について説明する。
【0031】
図4に示すように、左スイッチユニット52は、スイッチハウジング60と、連結ユニット62と、回動ユニット64と、ロックピン66と、走行用スイッチ機構68と、を備えている。走行用スイッチ機構68は、走行用スイッチレバー48が操作されたことを検出するための機構である。図3図4に示すように、連結ユニット62は、グリップ44とスイッチハウジング60とを連結させる連結部70と、円筒状の第1突出部72と、第2突出部74と、付勢部材76と、を備えている。第1突出部72及び第2突出部74は、連結部70から右方に延びている。第2突出部74は、第1突出部72の内側に設けられている。第2突出部74の外表面には、外表面から半径方向の外側に突出する複数の突出部74aが設けられている。付勢部材76は、第1突出部72と第2突出部74との間に設けられている。付勢部材76は、例えば、ねじりばねである。第1突出部72には、開口部72aが設けられている。付勢部材76の一部は、開口部72aから外側に突出している。付勢部材76は、回動ユニット64を、スイッチハウジング60に対して、図4の反時計方向に付勢する。
【0032】
図4に示すように、回動ユニット64は、左右方向に延びる回動軸A3周りに回動可能に第1突出部72に取付けられている。回動ユニット64は、円筒部80と、円筒部80に接続されているスイッチレバー接続部82と、円筒部80に接続されているスイッチ操作ユニット84と、を備えている。円筒部80の内径は、第1突出部72の外径よりもわずかに大きい。円筒部80には、第1突出部72の開口部72aと対向する位置に開口部80aが設けられている。付勢部材76の一部は、開口部80aから外側に突出している。スイッチレバー接続部82には、走行用スイッチレバー48が接続されている。スイッチ操作ユニット84は、円筒部80から半径方向の外側に延伸する延伸部86と、延伸部86の途中から、円筒部80の円周方向に沿って延伸するフランジ部88と、を備えている。延伸部86には、延伸部86の延伸方向(即ち円筒部80の半径方向)に延びるロック溝87が設けられている。ロック溝87は、開口部87aと、開口部87aと反対側の底部87bと、を備えている。ロックピン66は、円筒部80の半径方向に摺動可能にロック溝87内に収容されている。ロックピン66は、円柱形上を有していてもよいし、角柱形状を有していてもよい。詳細は後で詳しく説明するが、ロックピン66は、ロックピン66の全体がロック溝87内に収容されている非規制位置(図4図7参照)と、ロックピン66の一部が開口部87aからロック溝87の外側に突出している規制位置(図9図11図12参照)と、の間を移動可能である。ユーザが、走行用スイッチレバー48を操作することに応じて、回動ユニット64が、回動軸A3を中心に回動する。付勢部材76は、回動ユニット64を、非規制位置(図4図7参照)から規制位置(図9図11図12参照)に付勢する。
【0033】
図4図7を参照して、スイッチハウジング60について説明する。図4に示すように、スイッチハウジング60の後部には、延伸部86が通過する開口部90が設けられている。スイッチハウジング60内には、第1壁部92、第2壁部94、第3壁部96、及び、第4壁部98が設けられている。第1壁部92は、走行用スイッチレバー48に対して操作が行われていない状態(図4の状態)において、延伸部86の第1外周面86aに当接する。また、第2壁部94は、走行用スイッチレバー48に対して操作が行われている状態(図7の状態)において、延伸部86の第2外周面86bと当接する。なお、延伸部86の第2外周面86bには、走行用スイッチ機構68側に突出する突出部86cが設けられている。第3壁部96、及び、第4壁部98は、延伸部86よりも円筒部80の半径方向の外側において、円筒部80の円周方向に沿った形状を有する。第4壁部98は、第3壁部96よりも円筒部80の半径方向の内側に設けられている。円筒部80の円周方向において、第1壁部92と第4壁部98の端部98aとの間の角度は、第1壁部92と走行用スイッチ機構68の端部68aとの間の角度よりも小さい。
【0034】
図5に示すように、右スイッチユニット50は、連結ユニット162と、回動ユニット164と、を備えている。連結ユニット162は、グリップ44と右スイッチユニット50とを連結させる連結部170と、円筒状の第1突出部172と、第2突出部174と、を備えている。第1突出部172及び第2突出部174は、連結部170から左方に延びている。第2突出部174は、第1突出部172の内側に設けられている。第2突出部174の構成は、左スイッチユニット52の第2突出部74(図4参照)の構成と同様である。第1突出部172には、開口部172aが設けられている。回動ユニット164は、回動軸A3周りに回動可能に第1突出部172に取付けられている。回動ユニット164は、円筒部180と、円筒部180に接続されているスイッチレバー接続部182と、を備えている。円筒部180の内径は、第1突出部172の外径よりもわずかに大きい。スイッチレバー接続部182には、走行用スイッチレバー48が接続されている。ユーザが、走行用スイッチレバー48を操作することに応じて、回動ユニット164が、回動軸A3を中心に回動する。
【0035】
ユーザによって走行用スイッチレバー48が操作されていない状態(即ち、図1A図2図3の状態)において、走行用スイッチレバー48は、左スイッチユニット52(詳細には、付勢部材76)によって、グリップ44から後方に離反する方向に付勢されている。ユーザが走行用スイッチレバー48をグリップ44側に押し込む操作を実行すると、回動ユニット64、164が、回動軸A3を中心に回動する。具体的には、図4の回動ユニット64において、スイッチレバー接続部82が上方に回動するとともに、延伸部86が下方に回動する(図4参照)。この場合、図6に示すように、走行用スイッチレバー48がグリップ44に接触する。そして、図7に示すように、延伸部86の突出部86cが走行用スイッチ機構68の端部68aを下方に押し込む。これにより、左スイッチユニット52は、走行用スイッチレバー48に加えられた操作を検出し、それに対応する信号を制御ユニット34(図13参照)に送信する。そして、制御ユニット34によって、走行用モータ32が駆動され、後輪10が駆動される。ユーザが走行用スイッチレバー48の操作を解除すると、制御ユニット34によって、走行用モータ32の駆動が停止され、後輪10の駆動が停止される。
【0036】
(ロックピン66の位置)
続いて、図4図9図12を参照して、ユーザによってハンドルユニット6が本体ユニット4に向けて倒される時のロックピン66の位置について説明する。なお、図12は、ハンドルユニット6が本体ユニット4に向けて倒されている途中において、ハンドルユニット6の長手方向軸が平面F(図2参照)と平行な状態の芝刈機2の右方断面図である。この状態において、上アーム部43の傾斜角α(「0°」)は、所定角度以下であるために、ハンドルユニット6は非作業状態である。
【0037】
図4に示す状態では、ロックピン66は、円筒部80の半径方向の外側の第1端部66aが、第1端部66aとは反対側の第2端部66bよりも上方に位置するように傾斜している。ロック溝87は、開口部87aが底部87bよりも上方に位置するように傾斜している。この状態において、ロックピン66の自重は、ロックピン66をロック溝87の開口部87aから底部87bに移動させる方向に作用する。このため、ロックピン66の第2端部66bがロック溝87の底部87bに当接する。従って、ロックピン66の全体がロック溝87に収容される。即ち、ハンドルユニット6が作業状態である状態において、ロックピン66は、非規制位置に位置する。なお、ロックピン66は、ハンドルユニット6が図1A図2図3に示す位置にある場合に、走行用スイッチレバー48が操作されているのか否かに関わらず、非規制位置に位置する。
【0038】
図12に示す状態では、ロックピン66は、第1端部66aが第2端部66bよりも下方に位置するように傾斜している。ロック溝87は、開口部87aが底部87bよりも下方に位置するように傾斜している。この状態において、ロックピン66の自重は、ロックピン66をロック溝87の底部87bから開口部87aに移動させる方向に作用する。このため、ロックピン66の一部が、ロック溝87から飛び出る。そして、ロックピン66の第1端部66aがスイッチハウジング60の第3壁部96に当接する。即ち、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、ロックピン66は、規制位置に位置する。なお、ロックピン66は、ハンドルユニット6の長手方向軸が平面F(図2参照)と平行な状態である場合に、走行用スイッチレバー48が操作されているのか否かに関わらず、規制位置に位置する。
【0039】
図9に示す状態では、ロックピン66は、第1端部66aが第2端部66bよりも下方に位置するように傾斜している。ロック溝87は、開口部87aが底部87bよりも下方に位置するように傾斜している。この状態において、ロックピン66の自重は、ロックピン66をロック溝87の底部87bから開口部87aに移動させる方向に作用する。このため、図12の場合と同様に、ロックピン66の一部が、ロック溝87から飛び出て、ロックピン66の第1端部66aがスイッチハウジング60の第3壁部96に当接する。即ち、ロックピン66は、規制位置に位置する。なお、ロックピン66は、ハンドルユニット6が図8に示す位置にある場合に、走行用スイッチレバー48が操作されているのか否かに関わらず、規制位置に位置する。
【0040】
このように、ロックピン66は、ハンドルユニット6が作業状態である状態において、非規制位置に位置する。また、ロックピン66は、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、規制位置に位置する。このため、ハンドルユニット6が作業状態から非作業状態に移行されることによって、ロックピン66が非規制位置から規制位置に自動的に移動する。また、ハンドルユニット6が非作業状態から作業状態に移行されることによって、ロックピン66が規制位置から非規制位置に自動的に移動する。
【0041】
(ロックピン66の効果)
続いて、ロックピン66の効果について説明する。上述のように、ハンドルユニット6が作業状態である場合、ロックピン66は非規制位置に位置する。この場合、図6図7に示すように、ユーザによって走行用スイッチレバー48が操作されると、回動ユニット64が回動軸A3を中心に回動して、延伸部86の突出部86cが走行用スイッチ機構68の端部68aを下方に押し込む。この結果、制御ユニット34によって、走行用モータ32が駆動され、後輪10が駆動される。一方、ハンドルユニット6が非作業状態である場合、ロックピン66は規制位置に位置する。この場合、図10図11に示すように、ユーザによって走行用スイッチレバー48が操作されると、回動ユニット64が回動軸A3を中心に回動して、ロックピン66が第4壁部98の端部98aに接触する。即ち、図10に示すように、走行用スイッチレバー48は、グリップ44に接触する手前で押し止められる。また、図11に示すように、延伸部86の突出部86cが走行用スイッチ機構68の端部68aをわずかに下方に押し込むが、左スイッチユニット52は、走行用スイッチレバー48に加えられた操作を検出しない。このため、左スイッチユニット52は、走行用スイッチレバー48に加えられた操作を検出したことを示す信号を制御ユニット34に送信しない。従って、走行用モータ32、及び、後輪10が駆動されない。
【0042】
ハンドルユニット6が非作業状態である場合、ユーザが芝刈機2を前進させることを所望している可能性は低い。特に、図10に示すように、ハンドルユニット6が本体ハウジング20に対して完全に倒されている場合は、芝刈機2が収納されている状態である。この状態において、走行用スイッチレバー48は、本体ハウジング20、芝刈用スイッチレバー46等よりも前方に位置している。即ち、芝刈機2において、走行用スイッチレバー48が最も前方に位置している。このため、芝刈機2を操作することを意図していないユーザが走行用スイッチレバー48に誤って接触する可能性がある。本実施例では、図11に示すように、ハンドルユニット6が非作業状態である場合、ロックピン66は規制位置に位置している。このため、ユーザが走行用スイッチレバー48に誤って接触したとしても、左スイッチユニット52は、走行用スイッチレバー48に加えられた操作を検出することはない。従って、芝刈機2が意図せず前進することを抑制することができる。
【0043】
(本実施例の効果)
一実施形態に係る芝刈機2は、図1A図13に示すように、本体ハウジング20と、本体ハウジング20に設けられている刈刃26と、走行用モータ32と、本体ハウジング20に取付けられており、ユーザが把持するハンドルユニット6と、ユーザによって操作され、走行用モータ32を駆動させるための走行用スイッチレバー48と、ロックピン66と、を備えている。ハンドルユニット6は、作業状態と非作業状態との間で移行可能である。ロックピン66は、ユーザによる走行用スイッチレバー48の操作を規制しない非規制位置(図4図7参照)と、ユーザによる走行用スイッチレバー48の操作を規制する規制位置(図9図11図12)と、の間を移動可能である。ロックピン66は、ハンドルユニット6が作業状態である場合(図1A図2図3図6)に、非規制位置に位置しており、ハンドルユニット6が非作業状態である場合(図8図10)に、規制位置に位置しており、ハンドルユニット6が作業状態から非作業状態に移行することに応じて、非規制位置から規制位置に移動する。上記の構成によると、ハンドルユニット6が作業状態である場合に、走行用スイッチレバー48が非規制位置に位置しているために、ユーザは、走行用スイッチレバー48を操作して走行用モータ32を駆動させることができる。一方、ハンドルユニット6が非作業状態である場合に、走行用スイッチレバー48が規制位置に位置しているために、ユーザは、走行用スイッチレバー48材を操作することができず、走行用モータ32を駆動させことができない。また、ロックピン66は、走行用スイッチレバー48が作業状態から非作業状態に移行することに応じて、非規制位置から規制位置に移動する。このため、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、走行用スイッチレバー48が誤って操作されることを抑制することができる。従って、ロックピン66という簡単な構成によって、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、走行用モータ32が意図せず駆動することを抑制することができる。
【0044】
一実施形態に係る芝刈機2において、図4図9図12に示すように、ロックピン66は、ハンドルユニット6が非作業状態から作業状態に移行することに応じて、規制位置から非規制位置に移動する。上記の構成によると、ユーザがハンドルユニット6を非作業状態から作業状態に移行させることで、走行用スイッチレバー48を操作できるようになる。従って、ユーザがハンドルユニット6を非作業状態から作業状態に移行させた後に、ロックピン66を規制位置から非規制位置に移動させる必要がある構成と比較して、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0045】
一実施形態に係る芝刈機2において、図4に示すように、ハンドルユニット6は、ロックピン66が嵌合可能なロック溝87を備えている。図11に示すように、規制位置において、ロックピン66の一部がロック溝87から突出することによって、ユーザによる走行用スイッチレバー48の操作が規制される。図4図7に示すように、非規制位置において、ロックピン66の全体がロック溝87内に収容される。上記の構成によると、ロックピン66という簡易な部材を利用して、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、走行用スイッチレバー48が誤って操作されることを抑制することができる。従って、より簡単な構成で、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、走行用モータ32が意図せず駆動することを抑制することができる。
【0046】
一実施形態に係る芝刈機2において、図4に示すように、ハンドルユニット6が作業状態である場合に、ロックピン66の自重が、ロックピン66を規制位置から非規制位置に移動させる方向に作用する。また、図9図12に示すように、ハンドルユニット6が非作業状態である場合に、ロックピン66の自重が、ロックピン66を非規制位置から規制位置に移動させる方向に作用する。上記の構成によると、ハンドルユニット6が作業状態から非作業状態に移行されると、ロックピン66の自重が、ロックピン66を非規制位置から規制位置に移動させる方向に作用する。即ち、ロックピン66が非規制位置から規制位置に自動的に移動する。この場合、例えば、ロックピン66を非規制位置から規制位置に移動させるための付勢部材などを設けなくてもよい。従って、より簡単な構成で、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、走行用モータ32が意図せず駆動することを抑制することができる。
【0047】
一実施形態に係る芝刈機2において、図11に示すように、ロックピン66は、規制位置において、ユーザによる走行用スイッチレバー48の操作を直接的に規制する。上記の構成によると、ロックピン66がユーザによる走行用スイッチレバー48の操作を直接的に規制するために、ロック部材とは異なる部材と走行用スイッチレバー48を連結するための機構等が不要である。従って、より簡単な構成で、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、走行用モータ32が意図せず駆動することを抑制することができる。
【0048】
(対応関係)
芝刈機2が、「作業機」の一例である。走行用モータ32が、「原動機」の一例である。走行用スイッチレバー48が、「トリガ部材」の一例である。ロックピン66が、「ロック部材」の一例である。一つの側面では、ハンドルユニット6が、「ハンドル部」の一例である。また、別の側面では、上アーム部43及びグリップ44が、「ハンドル部」の一例である
【0049】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0050】
(第1変形例)「作業機」は、スカリファイヤ、スイーパ、電動台車等であってもよい。これらの作業機の場合、ハンドル部が本体部から引き上げられている状態が作業状態で、ハンドル部が本体部に対して倒されている状態が非作業状態である。また、別の変形例では、「作業機」は、草刈機、アースオーガ等であってもよい。例えば、草刈機の場合、刈刃(「作業部」の一例)が、本体部とハンドル部との接続部よりも下方に位置している状態が作業状態であり、刈刃が、当該接続部よりも上方に位置している状態が非作業状態である。
【0051】
(第2変形例)「ロック部材」は、ロックピン66に限定されず、粒状物等によって構成されていてもよい。本変形例では、スイッチハウジング60には、粒状物を収容する収容部が設けられている。そして、ハンドルユニット6が作業状態である状態において、全ての粒状物が収容部内に収容されている。一方、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、粒状物の全部又は一部が収容部から飛び出る。収容部から飛び出た粒状物によって、走行用スイッチレバー48の操作が規制される。
【0052】
(第3変形例)芝刈機2は、走行用スイッチレバー48の操作の規制及び当該操作の規制の解除を行うためのロックオフ部材を備えていてもよい。例えば、左スイッチユニット52のスイッチハウジング60にロックオフ部材が設けられているとよい。この場合、ロックオフ部材がユーザによって操作されている状態において、走行用スイッチレバー48を操作可能であればよい。上記の構成によると、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、走行用モータ32が意図せず駆動することをより確実に抑制することができる。
【0053】
(第4変形例)芝刈機2は、走行用スイッチレバー48の操作の規制及び当該操作の規制の解除を行うためのロックオフ部材と、ユーザによるロックオフ部材の操作を規制しない非規制位置と、ユーザによるロックオフ部材の操作を規制する規制位置と、の間を移動可能なロック部材と、を備えていてもよい。本変形例では、芝刈機2は、ロックピン66を備えていなくてもよい。ロック部材は、ハンドルユニット6が作業状態である状態において、非規制位置に位置しており、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、規制位置に位置しているとよい。そして、ロック部材は、ハンドルユニット6が作業状態から非作業状態に移動されることに応じて、非規制位置から規制位置に移動すればよい。本変形例では、ロックオフ部材が操作されていない状態では、走行用スイッチレバー48の操作が規制される。このため、ユーザによるロックオフ部材の操作を規制することによって、ユーザによる走行用スイッチレバー48の操作を規制することができる。このような構成によっても、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、走行用モータ32が意図せず駆動することを抑制することができる。また、別の変形例では、芝刈機2は、上記のロック部材とロックピン66との両方を備えていてもよい。
【0054】
(第5変形例)芝刈機2の芝刈用モータ30、芝刈用スイッチレバー46が、それぞれ、「原動機」、「トリガ部材」の一例であってもよい。本変形例では、芝刈機2は、ユーザによる芝刈用スイッチレバー46の操作を規制しない非規制位置と、ユーザによる芝刈用スイッチレバー46の操作を規制する規制位置と、の間を移動可能なロック部材を備えていればよい。当該ロック部材は、ハンドルユニット6が作業状態である状態において、非規制位置に位置しており、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、規制位置に位置しているとよい。ロック部材は、ハンドルユニット6が作業状態から非作業状態に移動されることに応じて、非規制位置から規制位置に移動すればよい。また、別の変形例では、芝刈機2は、ユーザによるロックオフボタン54(「ロックオフ部材」の一例)の操作を規制しない非規制位置と、ユーザによるロックオフボタン54の操作を規制する規制位置と、の間を移動可能なロック部材を有していてもよい。当該ロック部材は、ハンドルユニット6が作業状態である状態において、非規制位置に位置しており、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、規制位置に位置しており、ハンドルユニット6が作業状態から非作業状態に移動されることに応じて、非規制位置から規制位置に移動すればよい。上述のように、ロックオフボタン54が押し込まれていない状態では、芝刈用スイッチレバー46の操作が規制される。このため、ユーザによるロックオフボタン54の操作を規制することによって、ユーザによる芝刈用スイッチレバー46の操作を規制することができる。このような構成によっても、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、芝刈用モータ30が意図せず駆動することを抑制することができる。
【0055】
(第6変形例)芝刈機2は、ロックピン66を付勢する付勢部材を備えていてもよい。例えば、ハンドルユニット6が非作業状態である状態において、ロックピン66を非規制位置から規制位置に付勢する付勢部材であればよい。
【符号の説明】
【0056】
2 :芝刈機
4 :本体ユニット
6 :ハンドルユニット
8 :前輪
10 :後輪
12 :集草容器
20 :本体ハウジング
22 :バッテリカバー
24 :バッテリパック
26 :刈刃
28 :送風ファン
30 :芝刈用モータ
32 :走行用モータ
34 :制御ユニット
40 :下アーム部
40a :基端部分
40b :先端部分
41 :つまみ部
42 :グリップユニット
43 :上アーム部
43a :基端部分
43b :先端部分
44 :グリップ
46 :芝刈用スイッチレバー
48 :走行用スイッチレバー
50 :右スイッチユニット
52 :左スイッチユニット
54 :ロックオフボタン
60 :スイッチハウジング
62 :連結ユニット
64 :回動ユニット
66 :ロックピン
66a :第1端部
66b :第2端部
68 :走行用スイッチ機構
68a :端部
70 :連結部
72 :第1突出部
72a :開口部
74 :第2突出部
74a :突出部
76 :付勢部材
80 :円筒部
80a :開口部
82 :スイッチレバー接続部
84 :スイッチ操作ユニット
86 :延伸部
86a :第1外周面
86b :第2外周面
86c :突出部
87 :ロック溝
87a :開口部
87b :底部
88 :フランジ部
90 :開口部
92 :第1壁部
94 :第2壁部
96 :第3壁部
98 :第4壁部
98a :端部
162 :連結ユニット
164 :回動ユニット
170 :連結部
172 :第1突出部
172a :開口部
174 :第2突出部
180 :円筒部
182 :スイッチレバー接続部
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13