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特許7570310粉体生成物を連続処理するシステムのための粉体ブレンダ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】粉体生成物を連続処理するシステムのための粉体ブレンダ
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/60 20220101AFI20241011BHJP
   B01J 2/00 20060101ALI20241011BHJP
   B01F 27/2323 20220101ALI20241011BHJP
   B01F 27/705 20220101ALI20241011BHJP
   B01F 35/00 20220101ALI20241011BHJP
   B01F 35/52 20220101ALI20241011BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20241011BHJP
【FI】
B01F23/60
B01J2/00 A
B01F27/2323
B01F27/705
B01F35/00
B01F35/52
B01F35/71
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021190109
(22)【出願日】2021-11-24
(65)【公開番号】P2022084552
(43)【公開日】2022-06-07
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】20210022.8
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513277289
【氏名又は名称】フェッテ コンパクティング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】クルッカート マーテン
(72)【発明者】
【氏名】グリモンプレ ヴァウター
(72)【発明者】
【氏名】コルベ スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンデルプッテン ヨリス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーヘイエン ヨゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ノヴィコヴァ アンナ
(72)【発明者】
【氏名】ブークス ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】シューターズ クリス
(72)【発明者】
【氏名】フォーゲラー ヤン
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03924835(US,A)
【文献】特開2004-162436(JP,A)
【文献】実開平01-167325(JP,U)
【文献】特開平09-313910(JP,A)
【文献】特開2011-136256(JP,A)
【文献】実開昭51-003470(JP,U)
【文献】特開2006-334566(JP,A)
【文献】実開平04-057230(JP,U)
【文献】特開平09-031554(JP,A)
【文献】特開平09-290908(JP,A)
【文献】特開2018-047481(JP,A)
【文献】特開2015-163580(JP,A)
【文献】特公昭42-006117(JP,B1)
【文献】特公昭42-018974(JP,B1)
【文献】実公昭47-036614(JP,Y1)
【文献】特公昭45-028475(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第109621769(CN,A)
【文献】特開2009-195869(JP,A)
【文献】特開昭63-062532(JP,A)
【文献】特開昭57-110326(JP,A)
【文献】特開2002-239360(JP,A)
【文献】特表2016-523717(JP,A)
【文献】米国特許第6969491(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 23/60
B01J 2/00
B01F 27/2323
B01F 27/705
B01F 35/00
B01F 35/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体生成物を連続処理するシステム用の粉体ブレンダであって、前記粉体ブレンダ(38、38’)は、水平な混合チューブ(39)を備え、この水平な混合チューブは、前記混合チューブ(39)で混合される粉体生成物用の少なくとも1つの入口(42、44、45)と、混合された粉体生成物を放出するための少なくとも1つの出口(46)とを有し、前記混合チューブ(39)には、少なくとも2つの混合装置が前記混合チューブ(39)の長手方向軸に沿って連続的に配置され、かつ少なくとも2つのアクチュエータ(56、58)が前記少なくとも2つの混合装置を互いに異なる作動をさせるように設けられており、
前記少なくとも2つの混合装置が、前記少なくとも2つのアクチュエータ(56、58)によってその長手方向軸を中心に回転する少なくとも2つの混合シャフト(60、64)を備え、
前記少なくとも2つの混合シャフト(60、64)の互いに対向する端部が、互いを支持していることを特徴とする、粉体ブレンダ。
【請求項2】
前記少なくとも2つのアクチュエータ(56、58)が、前記少なくとも2つの混合装置を互いに独立して作動させるために設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の粉体ブレンダ。
【請求項3】
前記少なくとも2つの混合シャフト(60、64)がそれぞれ、前記粉体生成物を混合するための混合ブレード(62、66)を備えることを特徴とする、請求項2に記載の粉体ブレンダ。
【請求項4】
前記少なくとも2つの混合シャフト(60、64)が、異なる形状、向き、および/または位置のブレード(62、66)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の粉体ブレンダ。
【請求項5】
前記ブレード(62、66)の少なくとも一部が、その形状、向きおよび/または位置に関して適合可能であることを特徴とする、請求項4に記載の粉体ブレンダ。
【請求項6】
前記少なくとも2つのアクチュエータ(56、58)が、前記少なくとも2つの混合シャフト(60、64)の回転速度および/または回転方向が互いに異なるように、好ましくは互いに独立して作動するように設計されていることを特徴とする、請求項1から5のうちの一項に記載の粉体ブレンダ。
【請求項7】
前記混合シャフト(60、64)の少なくとも1つが異なる混合シャフトと交換するように構成可能および/または取り外し可能であることを特徴とする、請求項1から6のうちの一項に記載の粉体ブレンダ。
【請求項8】
前記少なくとも2つの混合装置のうちの第1の混合装置を、前記少なくとも2つの混合装置のうちの第2の混合装置の上流に配置し、かつ前記第1の混合装置と前記第2の混合装置の間および/または前記第2の混合装置の下流に、調整可能なオーバーフロー装置を前記混合チューブ(39)内に配置して、調整可能な質量の粉体生成物を前記オーバーフロー装置に流すことを特徴とする、請求項1から7のうちの一項に記載の粉体ブレンダ。
【請求項9】
前記オーバーフロー装置が、少なくとも1つのオーバーフロー・プレート(76、78)、好ましくは少なくとも2つのオーバーフロー・プレート(76、78)を備えており、少なくとも1つのオーバーフロー・プレート(76、78)は回転可能であり、前記オーバーフロー装置上を流れる前記粉体生成物の質量は、前記少なくとも1つのオーバーフロー・プレート(76、78)を回転させることによって調節可能であることを特徴とする、請求項8に記載の粉体ブレンダ。
【請求項10】
少なくとも1つの入口(42、44、45)が、前記混合チューブ(39)の上側に配置され、かつ/または、前記少なくとも1つの出口(46)が前記混合チューブ(39)の下側に配置されていることを特徴とする、請求項1から9のうちの一項に記載の粉体ブレンダ。
【請求項11】
前記混合チューブ(39)が、少なくとも2つの入口(42、44、45)を備え、少なくとも1つの第1の入口(42、44)は前記少なくとも2つの混合装置のうちの一方の上に配置されており、少なくとも1つの第2の入口(44、45)は前記少なくとも2つの混合装置のうちの他方の上に配置されていることを特徴とする、請求項1から10のうちの一項に記載の粉体ブレンダ。
【請求項12】
前記混合チューブ(39)が、その長さとその直径との比が少なくとも5、好ましくは少なくとも7であることを特徴とする、請求項1から11のうちの一項に記載の粉体ブレンダ。
【請求項13】
前記粉体ブレンダが、前記混合チューブ(39)内の前記粉体生成物の質量を計測するために、さらに少なくとも1つのセンサ、好ましくはロードセル・センサなどの重量センサを備えていることを特徴とする、請求項1から12のうちの一項に記載の粉体ブレンダ。
【請求項14】
粉体ブレンダ(38、38’)が、前記混合チューブ内に粉体生成物が存在しない状態で、本質的に安定した状態で、ブレンダ支持部に支持されていることを特徴とする、請求項1から13のうちの一項に記載の粉体ブレンダ。
【請求項15】
粉体生成物を処理するシステムのための供給混合システムであって、前記供給混合システム(10)は、粉体生成物用の少なくとも2つのシステム入口(28)と、それぞれがシステム入口(28)に接続されている入口(34)を有する少なくとも2つの供給投与装置とを備え、請求項1から14のうちの一項に記載の少なくとも1つの粉体ブレンダ(38、38’)をさらに備え、前記供給投与装置はそれぞれ前記粉体ブレンダ(38、38’)の少なくとも1つの入口(42、44)に接続されている出口を有する、供給混合システム。
【請求項16】
粉体生成物を処理するシステムであって、請求項15に記載の供給混合システム(10)を備え、製造機(12)をさらに備え、前記製造機(12)は前記粉体ブレンダ(38、38’)前記少なくとも1つの出口(46)に接続されている入口(14)を備え、前記製造機(12)は出口(18)を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体生成物を連続処理するシステム用の粉体ブレンダに関し、この粉体ブレンダは、水平な混合チューブを備え、この水平な混合チューブは、混合チューブで混合される粉体生成物用の少なくとも1つの入口と、混合された粉体生成物を放出するための少なくとも1つの出口とを有する。本発明はまた、粉体生成物を連続処理するシステム用の供給混合システム、および粉体生成物を連続処理するシステムに関する。
【0002】
錠剤またはカプセル剤のような固形剤形または経口固形剤形(OSD)は、たとえば回転式錠剤プレス機などの錠剤プレス機、またはカプセル充填機で製造可能である。連続製造ラインでは、たとえば少なくとも1つの有効医薬品成分(API)と少なくとも1つの賦形剤の粉体混合物が、混合装置によって連続的に提供され、たとえば錠剤プレス機やカプセル充填機に供給される。これから混合装置で混合される粉体生成物は、連続製造ラインの入口に連続的に供給可能である。供給装置および投与装置を設けて、処理する成分を供給したり投与したりしてもよい。このような製造プロセスは、直接処理とも呼ばれ、特に錠剤プレス機に関しては、直接圧縮プロセスとも呼ばれるが、これは、直接処理に適さない製品の流動性や圧縮性などの加工性を改善したり、生成混合物の分離を回避したりするために、乾式造粒機や湿式造粒機、あるいは強力乾燥機などのさらなる装置や処理工程を用いる造粒プロセスとは対照的である。
【0003】
固形剤形を連続的に製造するためのシステムおよび方法は、たとえば、欧州特許第2 427 166 B1号または欧州特許公開第3 013 571A1号から知られている。
【0004】
ここで問題となるタイプのシステムは、通常、様々な粉体生成物を粉体ブレンダに供給し、かつ粉体生成物を混合して生成混合物にするための供給混合システムを含み、この生成混合物は、粉体生成物を連続処理するシステムの製造機で後に処理される。実際には、たいてい2つを超えるフィーダを備えた2つを超える供給投与装置が設けられているのは、たいてい2つを超える粉体生成物が、たとえば1つ以上の有効医薬成分(API)、1つ以上の賦形剤、および/または1つ以上の潤滑剤が、粉体混合装置で混合されるからである。
【0005】
粉体生成物を連続処理するシステムとしては、水平な混合チューブを備える粉体ブレンダが知られている。チューブは、混合チューブでこれから混合される異なる粉体生成物用の入口が少なくとも1つある。混合のために、混合装置が、たとえば電動モータなどの対応する駆動装置によってその縦軸を中心に回転する混合スクリュなどの混合チューブに配置される。混合された生成混合物は、続いて、粉体ブレンダの出口から放出される。
【0006】
本発明の目的は、異なる混合プロセスに関して自由度が高く、かつ同時に、最適な混合の均一性や均質性を実現する、粉体ブレンダ、供給混合システム、および粉体生成物を連続処理するシステムを提供することである。
【0007】
本発明は、請求項1による粉体ブレンダで、上記の目的を解決する。本発明はまた、請求項17による供給混合システムおよび請求項18による粉体生成物を連続処理するシステムで、本目的を解決する。有利な実施形態は、独立請求項や明細書および図面に示されている。
【0008】
前述のタイプの粉体ブレンダに関して、本発明は、混合チューブには少なくとも2つの混合装置が混合チューブの長手方向軸に沿って連続的に配置され、かつ少なくとも2つのアクチュエータが少なくとも2つの混合装置を互いに別々に、好ましくは互いに独立して作動させるために設けられており、少なくとも2つの混合装置が、少なくとも2つのアクチュエータによってその長手方向軸を中心に回転する少なくとも2つの混合シャフトを備え、少なくとも2つの混合シャフトの互いに対向する端部が、互いを支持しているという点で、本目的を解決する。

【0009】
本発明の粉体ブレンダは、対応するシステムにおいて処理用の粉体生成物を混合する。このシステムでは、たとえば固形剤形を製造することができる。この固形剤形は、特に、経口固形剤形(OSD)であってもよい。これらは、たとえばシステム入口を通ってシステムに供給された乾燥粉体生成物から製造可能である。本発明の粉体ブレンダはまた、たとえば造粒機を設けてもよい。本発明は直接処理システムに関するものであってもよい。特に、錠剤プレス機を含むシステムでは、このことは、直接圧縮システムとも呼ばれる。粉体ブレンダでは、たとえば1つ以上の有効医薬成分(API)、1つ以上の賦形剤、および/または1つ以上の潤滑剤などの粉体生成物が、好ましくは連続的に混合される。粉体ブレンダは、連続粉体ブレンダであってもよく、たとえば乾式粉体ブレンダであってもよい。粉体ブレンダ内で製造された生成混合物は、したがって、乾燥粉体生成混合物であってもよい。乾燥粉体生成混合物は、非結合型の乾燥粉体生成混合物や結合型の乾燥粉体混合物であってもよく、乾燥粉体混合物は、乾式集塊化(dry agglomeration)、乾式凝集法、または乾式造粒法のいずれかによって結合される。粉体ブレンダは、少量の液体添加のための液体添加物を含み、乾式集塊化プロセス、および/または乾式凝集プロセス、および/または乾式造粒プロセス、たとえば水分活性化乾式造粒プロセスを備えることもできる。このようにして、乾式粉体混合プロセスを乾式集塊化プロセスおよび/または乾式凝集プロセスおよび/または乾式造粒プロセスと組み合わせることによって、さらに有利な自由度が達成され、乾燥粉体混合物を生成するだけでなく、その必要ではあるが不利である乾燥処理工程を伴う湿式造粒プロセスを使用する必要なしに、混合物の粒径を増大させる。つぎに、粒径が大きくなることによって、流動性の向上や、ブレンダまたはブレンドコンベヤまたはそれに続く処理工程での分離の防止、塵埃の低減、投与混合システムの防塵システムや錠剤プレス機またはカプセル充填機による製品ロスの低減など、乾燥粉体混合物の品質を向上させることができる。混合ステップの直後に、たとえば粉体生成物を錠剤プレス機内で圧縮することによって錠剤を製造するなど、固形剤形は製造機で連続的に製造することができる。また、粉体ブレンダで製造された生成混合物は、たとえば湿式造粒機などの造粒機や、中間バルク容器(IBC)に供給してもよい。本発明の粉体ブレンダ、本発明の供給混合システム、ならびに粉体生成物を処理するための本発明のシステムは、連続システムであってもよい。本発明のシステムおよび方法には、本発明のシステムに含まれる処理工程の断続的な処理用部品が含まれる可能性がある。
【0010】
粉体ブレンダは、連続的に作動する任意のタイプの混合装置であってもよく、供給と放出とは、好ましくは連続的な生成物の流れである。本発明のシステムおよび方法には、迅速な断続的な処理用部品や処理工程などの断続的な処理用部品または処理工程が含まれる可能性がある。本発明のシステムおよび方法は、たとえばミニバッチ・ブレンディングまたはミニバッチ・ブレンダを含んでいてもよい。混合装置の1つまたは複数の入口は、混合チューブの上側に設けられていてもよい。出口は混合チューブの下側に配置されていてもよい。しかし、混合チューブ側に入口および/または出口を設けることも可能である。
【0011】
本発明の粉体ブレンダは、本質的に水平な混合チューブ、すなわち、粉体ブレンダが運転用に設置された場合にその縦軸が本質的に水平線に沿って延びるチューブを有する。この本質的に水平な混合チューブの設置は、混合チューブの通常運転状態または定常運転状態を指す。たとえば、混合チューブを運転開始段階中に傾斜させて、運転開始時の粉体混合の混合均一性および/または均一性を改善することができるように、混合チューブは移動可能であってもよい。同様に、たとえば運転停止段階中に混合チューブを下降させて、運転終了時に混合チューブを確実により良好に空にすることもできる。混合チューブ内では、異なる粉体生成物が混合される。
【0012】
本発明によると、少なくとも2つの混合装置が混合チューブの縦軸に沿って混合チューブに連続して配置されており、それによって、混合チューブの長手方向に連続して配置されている少なくとも2つの混合領域を画定する。少なくとも2つのアクチュエータが、少なくとも2つの混合装置を互いに異なる作動をさせるように、好ましくは互いに独立して作動させるために設けられている。この少なくとも2つのアクチュエータは、たとえば、少なくとも2つの混合装置を異なる速度および/または混合強度で作動させるアクチュエータを備えていてもよい。この異なる作動は、たとえば、アクチュエータの1つが2つの混合装置を駆動するための駆動装置であり、1つのアクチュエータが2つの共通に駆動する混合装置に異なる速度をもたらすギアである場合、固定された関係であってもよい。このようなギアは、2つの混合装置の速度に異なる関係を提供するために、調節可能であり、あるいは交換可能である。しかし、より良く調整するためには、たとえば、製造プロセス中にも、少なくとも2つのアクチュエータが少なくとも2つの混合装置を互いに独立して作動させるように設計されている場合に好ましい。この目的のために、この少なくとも2つのアクチュエータが、少なくとも2つの混合装置を互いに別々に駆動させるための少なくとも2つの駆動装置であってもよい。粉体ブレンダは、少なくとも混合装置のアクチュエータや粉体ブレンダの操作を制御するように設計されている制御ユニットを備えていてもよい。このような制御は、たとえば、アクチュエータの速度、アクチュエータによって発生するトルク、混合チューブ内での混合粉体の平均滞留時間、混合チューブ内で測定された混合均一性、混合チューブの出口で測定された混合均一性、ブレンダ内での粉体の質量、または混合物の均一性のような、混合の特定の定められた動作パラメータおよび/または特定の品質属性を検出するセンサの測定結果をもとにして行われてもよい。
【0013】
アクチュエータは、電気回転モータ、電磁回転モータ、磁歪回転モータ、圧電回転モータまたは空気回転モータのような回転運動を誘発することが可能であり、あるいは、アクチュエータは、電気リニアモータ、電磁リニアモータ、磁歪リニアモータ、圧電リニアモータまたは空圧リニアモータのような線形運動を誘発することが可能である。回転運動は連続的であってもよい。回転運動はまた、混合物の均一性を改善するために、連続運動に重ねて回転運動の振動を含むこともできる。線形運動は、粉体ブレンダで使用される場合は振動式線形運動であってもよいが、線形振動としても知られており、この線形振動は、混合チューブ内の粉体の純前進運動を発生させると同時に、混合作用を発生させる。
【0014】
本発明の粉体ブレンダによって、混合プロセスに関して高い自由度がもたらされる。たとえば、連続して配置された2つの混合装置の回転速度を個別に制御したり、かつ/または、たとえば、連続的に配置された各混合シャフトに対して異なる混合ブレードの構成を選択したりすることによって、所望の混合プロセスを自由にかつ目標となる方法で選択することができる。このようにして、異なるプロセス、特に異なる粉体生成物に対しての混合性能が最適化できる。このことは、混合チューブの縦軸に沿って2つの混合領域を連続して一列に混合チューブ内に設けることによって達成される。すべての混合成分を均一に分配し分散することができ、最適な混合の均一性および均質性を保証することができる。たとえば、粉体ブレンダの上流に配置され、ブレンダに粉体生成物を供給するフィーダが場合によって供給が変動することは、混合物の均質性に不利な影響を及ぼすこととなるが、本発明によりほとんど阻止することができ、したがって減衰させることができる。粉体ブレンダの一般的な設計の1つは、広範囲におよぶ混合プロセス、特に様々な特性を有する成分の混合プロセスに適している。混合結果は、たとえば第2の混合領域に吸込口を設け、第2の混合領域の動作パラメータを調整することによって、自由な方法で最適化することができる。
【0015】
混合プロセスは、まず、単一成分の凝集粒子を分解し、単一成分を確実に良好に分散する高剪断力混合プロセスから最適に構成されている。この第1のステップでは、個々の粉体成分の小さな凝集粒子を切断し、粒子スケールでの均一な混合を確保する。この第1のステップに続いて、第2のステップとして、低剪断力混合プロセスを行い、単一成分を確実に粉体混合物に良好に分散させる。第2のステップでは、粉体が部分的に前後に移動して、異なる材料を粉体ブレンダに供給するフィーダの供給変動が均一になるようにする。単一成分の良好な分散と良好な分布の両方を達成することによってのみ、目標となる最適な粉体の均質性に到達することができる。第3のステップでは、ここでも、分散物を生成する単一の成分ではなく、乾燥粉体混合物に対してより高剪断を誘発して、少量の液体を添加するかしないかにかかわらず、不利な乾燥ステップを伴わずに、乾燥集塊または乾燥凝集体、または乾燥造粒体を生成することができる。
【0016】
2つの混合装置を本発明による混合チューブに連続して配置することによって、この最適な混合プロセスを最も有利に実現することができる。たとえば、ブレンダ・シャフトの高速回転やブレンダ・シャフトの切削ブレードのような第1の高剪断混合プロセスに関する最適な動作パラメータを選択して、凝集粒子を破壊することができる。さらに有利には、凝集粒子を形成する傾向を有する成分を混合チューブの第2の吸込口に投与することができ、切断ブレードをその吸込口の下に配置することができる。この実施形態によって、そうでなければ脱凝集に必要な粉体ミルを回避することができる。第2の混合装置は、ブレンダ・シャフトの低回転速度のような低剪断混合プロセスや、ブレンダ・シャフトおよびピンの高回転速度のような高剪断集塊化ステップあるいは凝集ステップあるいは造粒ステップ、または乾式集塊化や乾式凝集または乾式造粒に適した任意の他のパドル形状のような、第2の混合ステップに最適な動作パラメータを有することができる。本発明のように、2つの混合装置を連続して1つの混合チューブに加えることによって、より簡単な機械的構造を達成することができ、より低い技術的リスクやより低いコストを伴うより堅牢な設計を得ることができる。それはまた、独立したブレンダ同士の不利な接続部を回避する。このようなブレンダの接続部は、脱混合のリスクがある。
【0017】
一実施形態によると、少なくとも2つの混合装置が、少なくとも2つの混合シャフトを備えていてもよく、このシャフトは少なくとも2つのアクチュエータによって、その縦軸を中心に回転する。この少なくとも2つの混合シャフトは、混合チューブの縦軸に沿って、すなわち平行に、特に混合チューブの縦軸に沿って連続して配置されている。この少なくとも2つの混合シャフトはそれぞれ、粉体生成物を混合するための混合ブレードをさらに備えていてもよい。この2つの混合装置は、したがって混合スクリュでもよい。これらの実施形態によって、特に良好で均一な混合結果を得ることができる。
【0018】
混合装置を特定の混合プロセスに最適に適合させるために、混合スクリュは刃の形状、向き、および/または位置が異なっていてもよい。このことによって、所与の粉体調合物に必要な混合プロセスを正確に行うことのできる自由度が高くなる。さらに自由度を最大限にするために、少なくとも一部のブレードは、その形状、向きおよび/または位置に関して適合可能であり得る。
【0019】
さらなる実施形態によると、少なくとも2つの混合シャフトが同軸に配置されている。この実施形態によって、所望の混合プロセスの乱れが特に小さくなる。
【0020】
少なくとも2つの混合シャフトがさらに、たとえば混合チューブの中央部など、互いに対向する端部に互いに支持されていてもよい。たとえば、2つの混合シャフトを相互に支持するために、ベアリングまたはブッシュを2つの混合シャフトの交点に設けることができる。少なくとも2つの混合シャフトは、反対方向に回転するように配置されることが好ましい。少なくとも2つの混合シャフトを互いに支持することによって、これらはたとえば、混合チューブの中央など、互いに対向する端部で混合チューブ上に支持する必要はなくなる。このように混合チューブで支持することによって、望ましくない粉体の蓄積のために混合結果が不利となるリスクがある。
【0021】
さらなる実施形態によると、2つの混合シャフトを相互に支持するために、混合シャフトは中空であってもよく、中心ロッドを2つの混合シャフトに挿入してもよい。中心ロッドはベアリングを用いて混合シャフトに接続する必要はなく、2つの混合シャフト内で浮遊していてもよい。2つの混合装置の異なる要素の接続を避けることによって、より容易にかつより迅速に分解することができるが、このことは混合装置の洗浄に必要である。粉体生成物からベアリングを密封するために一般的に必要であり、洗浄が困難でもあるベアリングやシールのような部品を避けることによって、より容易にかつより良好に洗浄が可能となる。粉体ブレンダの部品の分解が速くなり、かつ洗浄が容易になることによって、ある粉体混合物から別の粉体混合物へより迅速に切り替えることができる。
【0022】
2つの混合シャフトが互いに支持することによって、支持ブラケットや支持ロッドのような、混合シャフトから固定式混合チューブまでの固定式支持要素は不要である。混合シャフトと混合チューブとの間の固定要素は、粉体の蓄積とそれに続く粉体の脱落の原因として知られており、粉体混合物が不均一かつ不均質になる可能性がある。また、混合シャフトと混合チューブとの間の固定要素は、粉体生成物の良好な分散や分布に不利な影響を及ぼし得る。
【0023】
混合プロセスの自由度を最大化するさらなる実施形態によると、少なくとも2つのアクチュエータが、少なくとも2つの混合シャフトの回転速度および/または回転方向を互いに異なるように、好ましくは互いに独立して作動するように設けられていてもよい。
【0024】
自由度を最大化するさらなる実施形態によると、混合シャフトの少なくとも1つが異なる混合シャフトと交換するように構成可能および/または取り外し可能であってもよい。構成可能とは、たとえば、混合ブレードを取り外したり、その位置および/または向きを調整したりすることができることを意味してもよい。たとえばクイックリリース接続部を設けることによって、少なくとも1つの混合シャフトを異なる混合シャフトと容易に交換できるようにすると、粉体ブレンダで実施できる混合プロセスの範囲がさらに広がる。
【0025】
自由度を最大化するさらなる実施形態によると、混合チューブが、異なる直径の異なる混合チューブと交換するために取り外し可能であってもよい。また、第1および/または第2の混合装置、たとえば第1および/または第2の混合シャフトは取り外し可能であり、異なる第1および/または第2の混合装置、たとえば第1および/または第2の混合シャフトと交換することが可能である。粉体ブレンダの任意の部品、たとえば混合チューブ、ならびに/または第1および/もしくは第2の混合装置は、工具なしで容易に取り外しや交換が可能であり、容易に交換したり容易に洗浄や修理をしたりすることが可能になるように構成することができる。
【0026】
たとえば混合シャフトの直径を大きくし、結果として混合チューブの直径を大きくすることによって、所定の回転速度に対してより高速のブレンダ・ブレードの先端速度を得ることができる。より高速のブレンダ・ブレード先端の速度は、脱集塊化を改善し、結果として凝集した粉体成分が粉体混合物へ分散することを改善することができる。より高速のブレンダ・ブレードの先端速度はまた、粉体混合物の乾式集塊化や乾式凝集化や乾式造粒化を改善することができる。本発明によって、混合チューブの2つの異なる直径を使用するのが簡単になる。ある粉体混合物について、単一成分の分散を改善する必要がある場合、第2の混合装置の前に、第1の混合装置に所望の粉体の分散を得るために、より大きな直径を使用してもよい。ある粉体混合物について、乾式集塊化または乾式凝集化または乾式造粒化が有利である場合、第1の混合装置の後に、第2の混合装置に、所望の粒径を得て乾燥粉体混合物の結合を増大するために、より大きな直径を使用してもよい。混合チューブの直径を小さくし、結果的に混合シャフトの直径を小さくすることによって、より小さなスループット(kg/分)となる、より小さな滞留容積および結果として粉体混合物の滞留質量(kg)を達成することができ、所望の滞留時間(分)を維持しながら良好な粉体の混合品質を確保する。混合装置の容積がより小さいことは、混合装置の内部の表面上に残留し、かつ通常は製造動作の終了時に混合装置の底部に残留している粉体による製品損失がより少ないというさらなる利点を有する。これにより、結果として混合装置は、少量の製品損失が必須である、少量の粉体混合物(製剤開発や臨床製造、希少疾病用医薬品の製造、および将来の個別化医薬品の製造で一般的に必要とされているような)を処理するのに特に適するようになる。本発明によれば、互いに連続して配置されている2つの混合装置を使用することによって、2つの異なる混合チューブの直径の最適な組み合わせを使用することが非常に容易になり、上述の利点を得ることができる。
【0027】
連続混合のための先行技術のシステムでは、ブレンダの出口にある堰を使用して、空のブレンダから制御しながら高速で起動することが提案されている。まず、堰が開口すると、ブレンダ内が所望の粉体質量に達するまでブレンダを充填する。このことによって、均一に混合できるまでの時間が短縮され、空のブレンダで開始するときに必要な粉体量が低減する。2つの混合装置の利点は、第2の混合装置が反対方向に回転可能であり、ブレンダ内の所望の粉体質量に達するまで粉体を出口から遠ざける堰として機能することである。第2に、連続運転中においても、第2の混合シャフトの速度を独立して調整することによって、第2の混合装置内の粉体質量を制御することができる。それによって、第2の混合装置内の調整可能な粉体質量はプロセスにとって有利である、というのは、第2の混合装置内の粉体量が低剪断混合量を決定するからである。
【0028】
さらなる実施形態によると、少なくとも2つの混合装置のうちの第1の混合装置を、少なくとも2つの混合装置のうちの第2の混合装置の上流に配置してもよく、かつ第1の混合装置と第2の混合装置の間および/または第2の混合装置の下流に、調整可能なオーバーフロー装置を混合チューブ内に配置して、調整可能な質量の粉体生成物をオーバーフロー装置に流してもよい。オーバーフロー装置は、たとえば堰や、オーバーフロー・プレートや、オーバーフロー・バルブであってもよい。オーバーフロー装置、たとえば堰や、オーバーフロー・プレートや、オーバーフロー・バルブを作動させるために、1つ以上の適切なアクチュエータ、たとえば駆動装置を設けてもよい。このようなオーバーフロー装置では、混合シャフト速度とは関係なく質量を調節することができる。通常、より高速の混合シャフト速度(たとえば、総平均パドル角が前方にある場合)は、より短い粉体滞留時間をもたらし、それによって、所与の粉体質量流量に対するブレンダ内の粉体質量がより少なくなる。調整可能なオーバーフロー装置は、高速の混合シャフト速度、およびその結果として生じる粉体混合物への高剪断および/または高衝撃を可能にしつつ、粉体質量を十分多くに調整することが可能である。このようなオーバーフロー装置は、製造プロセスの開始時に使用されるだけでなく、たとえばミニバッチ混合などのために、開状態や閉状態で断続的に使用されてもよい。たとえば、オーバーフロー装置は、少なくとも1つのオーバーフロー・プレート、好ましくは少なくとも2つのオーバーフロー・プレートを備えていてもよく、少なくとも1つのオーバーフロー・プレートは回転可能であり、オーバーフロー装置上を流れる粉体生成物の質量は、少なくとも1つのオーバーフロー・プレートを回転させることによって調節可能である。当然ながら、複数のオーバーフロー・プレートが設けられている場合は、オーバーフロー・プレートの両方またはすべてが回転可能であってもよい。このようなオーバーフロー・プレートは、たとえば半円状であってもよい。したがって、混合チューブ内の同じ位置に互いに隣接して、かつ/または互いに対向して配置されている2つの調節可能なオーバーフロー・プレートを設けることが可能となる。このような二重プレートの実装は、調整可能なオーバーフロー・プレートとしても、粉体の流れを完全に遮断することができる粉体遮断弁としても機能することが可能である。たとえば、オーバーフロー・プレートとして半円プレートを使用することが可能である。これらの2つの半円は、互いに回転すると1つの完全な円板になり、混合チューブを効果的に閉止することが可能である。
【0029】
すでに説明したように、本発明の粉体ブレンダは、連続的な製造プロセスに適している。しかしながら、本発明の粉体ブレンダは、半連続的または非連続的な製造プロセスにも特に適している。たとえば、本発明の粉体ブレンダは、ミニバッチ混合によく適している。本発明の粉体ブレンダを半連続またはミニバッチモードで使用する場合、混合チューブおよび/またはブレンダ出口および/またはブレンダ出口ホッパは、粉体生成物で間欠的に充填したり空にしたりすることができる。同様に、ブレンダが間欠的に放出する間にブレンダ入口が遮断されると、ブレンダ入口またはブレンダの入口ホッパ/ファンネルが間欠的に充填され、ついでブレンダを装填する間に空にすることができる。粉体レベルが上昇したり下降したりすると、フィーダ出口内部の圧力が変動し、その結果、フィーダへの力が変動し、ロス・イン・ウェイト式フィーダの信号に乱れが生じ、それにより、ロス・イン・ウェイト式フィーダが、粉体を不正確に投与するか、望ましくない摂動を与えるか、あるいは摂動がある限界を超えたときにロス・イン・ウェイト式フィーダが警報状態になるかのいずれかとなる。ミニバッチ混合の場合、混合チューブの入口および出口に通気チューブを設けてもよい。また、ミニバッチ混合操作では、混合チューブの1つ以上の入口に粉体生成物を供給するファンネルまたはホッパが、入口バッファとして機能してもよい。ブレンダ出口ホッパについても同様であり、出口バッファとして機能してもよい。ミニバッチ混合の場合、粉体ブレンダの入口および/または出口が、充填弁および/または放出弁を備えていてもよい。これらは、バタフライ弁、スライド弁、ボール弁、またはピンチ弁などの従来の弁であってもよく、あるいは、たとえば2つの回転可能なオーバーフロー・プレートを使用する上述の遮断弁であってもよい。したがって、これらは調整可能なオーバーフロー装置として、同時に遮断弁として使用可能である。また、第1および/または第2の混合シャフトを、たとえば、つる巻線やオーガ、または後方に押す混合ブレードを用いて、後方に回転させることで、混合チューブにおける粉体の搬送を遮断することも可能である。ミニバッチ混合ステップは、有利には、その動作中に、すなわちその動作の開始段階で1回だけ追加することができる。開始段階では、供給投与装置は、供給投与装置を始動させることによって、ミニバッチモードでも効果的に使用され、それによって供給投与装置に粉体を充填し、第1の混合装置に必要量の粉体を正確に投与した後、この第1のミニバッチについては、供給投与装置を再び停止する。上記のように開始段階でミニバッチを使用することにより、開始段階での個々の成分をより高精度で投与することができ、その結果、不均一な粉体混合物に起因する開始のロスを低減することができる。動作の開始段階でのミニバッチモードのさらなる利点は、供給混合システムがここで粉体を充填され、第1の粉体混合物を処理していることであり、このことは処理システムのプライミング(priming)としても知られている。
【0030】
粉体ブレンダの少なくとも1つの入口が、混合チューブの上側に配置されていてもよく、かつ/または、その少なくとも1つの出口が混合チューブの下側に配置されていてもよい。入口を混合チューブの上部に配置することによって、粉体生成物が重力を介して混合チューブに入る。同じように、出口を混合チューブの下部に配置することによって、生成混合物が重力によって混合チューブから放出される。このことは、特に簡単な構成につながる。1つまたは複数の入口、および/または出口は、縦軸を混合チューブの縦軸に対して垂直にして配置可能である。特に、1つまたは複数の入口、および/または出口は、垂直な縦軸を用いて配置可能である。しかしながら、1つまたは複数の入口、および/または出口は、垂直方向に対してある傾斜で、たとえば垂直方向に対してある角度をなして、たとえば10度から30度程度の角度で配置することも可能である。入口および/または出口を完全に垂直ではなくわずかに傾斜させて配置することには、粉体ブレンダの高さをさらに低くすることができるという利点がある。
【0031】
概して、たとえばすべての粉体生成物が少なくとも2つの混合装置のうちの一方の上に配置されている1つの入口を通って供給される場合、混合チューブがこの1つの入口のみを備えていてもよい。さらなる実施形態によると、混合チューブが少なくとも2つの入口を備えていてもよく、少なくとも1つの第1の入口は少なくとも2つの混合装置のうちの一方の上に配置されており、少なくとも1つの第2の入口は少なくとも2つの混合装置のうちの他方の上に配置されている。第2の混合領域を堰として使用する場合、生成物を第1の混合領域のみに放出することも可能である。このようにして、異なる粉体生成物が効率的にかつ目標を定めた方法で、異なる混合プロセスを受けることができる。第1の混合装置、したがって第1の混合領域は、第2の混合装置、したがって第2の混合領域の上流に配置可能であり、すなわち、混合チューブに入る粉体生成物は、まず第1の混合装置を通過し、次に第2の混合装置を通過する。したがって、混合チューブの出口は第2の混合領域に配置され、第2の混合装置は、たとえば第2の混合領域の下流端に配置される。たとえば、APIや賦形剤は少なくとも1つの第1の入口に導入可能であるので、第1の混合装置が配置されている第1の混合領域に入る。たとえば、潤滑剤は少なくとも1つの第2の入口に導入可能であるので、第2の混合領域に入る。当然ながら、1つを超える第1の入口、および/または1つを超える第2の入口を設けてもよい。たとえば、さらに混合の自由度を向上させるために、2つの入口を第1の混合装置の上に設けて粉体生成物を第1の混合領域に供給してもよいし、かつ/または、2つの入口を第2の混合装置の上に設けて粉体生成物を第2の混合領域に供給してもよい。このような自由度によって、プロセスを所与の調合物に合わせて最適化することが可能である。砕けやすい材料が第2の混合装置に供給され、それによって、第1の混合装置は、両方の流れが第2の混合装置内で穏やかに混合される前に、凝集性材料の高剪断混合を行う。多くの粉体群があり、特定の混合ステップが必要である。たとえば、機械的応力に感応性のある被覆ペレットが、別の凝集性材料および合理的な流動性賦形剤と混合しなければならない場合があるため、穏やかに混合するためにペレットを追加した後、凝集性材料と合理的な流動性賦形剤とをまず高剪断ミクロ混合しなければならない。本発明による2つの混合装置によって、この複雑な混合プロセスを完全に実行することが可能である。
【0032】
さらなる実施形態によると、混合チューブは、その長さとその直径との比が少なくとも5、好ましくは少なくとも7であってもよい。このような長さ対直径の比は、特に効率的な混合に役立ち、特に均一な混合結果をもたらすことが証明されている。
【0033】
粉体ブレンダが、混合チューブ内の粉体生成物の質量を計測するために、さらに少なくとも1つのセンサ、特にはロードセル・センサなどの重量センサを備えていてもよい。このような重量センサは、たとえば混合チューブの下に設けられていてもよく、重量センサは、重量センサ上の混合チューブの重量によって重量センサの測定信号を決定する。たとえば、以前のキャリブレーション・プロセスに基づいて、適切に混合されていない、混合チューブ内に滞留する粉体生成物の潜在的な蓄積を検出することが可能である。制御ユニットを設けて、たとえば混合シャフトのアクチュエータを制御して、滞留した粉体生成物の蓄積を除去し、かつ/または混合チューブ内の質量を制御することができ、逆混合量や混合強度を決定する。この目的のために、制御ユニットはたとえば混合装置のうちの少なくとも1つの回転速度および/または回転方向を変更することが可能である。
【0034】
さらなる実施形態によると、粉体ブレンダが、混合チューブ内に粉体生成物が存在しない状態で、本質的に安定した状態で、あるいはその重心でブレンダ支持部に支持されてもよい。したがって、混合チューブが空の状態では、粉体ブレンダは、たとえばブレンダ・フレームを介して、ブレンダ支持部上で本質的に質量が安定化されるかあるいは旋回する。その支持部は、旋回点や旋回線を形成し、その旋回点や旋回線の両側で重量が実質的に等しい。このような粉体ブレンダのピボット式またはバランス式の支持部が有する利点は、たとえば、粉体ブレンダの下、たとえば混合チューブの下やブレンダ・フレームの下に配置された、たとえばロードセル・センサのような重量センサが、混合チューブが空である場合、すなわち自重がまったくないか非常に小さい場合に、荷重をまったく測定しないか極めて少ない荷重しか測定しないということである。より詳しくは、たとえば混合チューブや混合装置を介するブレンダの自重は、バランスがとられ、重量センサが粉体生成物の有用な重量のみを測定するように補償される。この補償は、たとえば駆動装置などのアクチュエータのような他の部品によって行うことができる。粉体生成物が混合チューブ内に存在する場合、重量センサは本質的に粉体生成物の有用な重量のみを測定する。これによって、重量測定の精度が高くなる、というのは、より小さい重量範囲を有する重量センサのようなより高感度の重量センサを使用することができるからである。
【0035】
本発明は、粉体生成物を処理する、好ましくは粉体生成物を連続処理するシステムのための供給混合システムで上述の課題をさらに解決し、この供給混合システムは、粉体生成物用の少なくとも2つのシステム入口と、それぞれがシステム入口に接続されている入口を有する少なくとも2つの供給投与装置とを備え、本発明による少なくとも1つの粉体ブレンダをさらに備え、供給投与装置はそれぞれ粉体ブレンダの少なくとも1つの入口に接続されている出口を有する。
【0036】
供給混合システムの一般的な設計は、すでに上述した通りである。すでに示したように、システム入口を介して供給された粉体生成物は、たとえばAPI、賦形剤、および/または潤滑剤であってもよい。この供給混合システムは、処理する2つを超える異なる粉体生成物のための2つを超えるシステム入口を有していてもよい。供給投与装置は、たとえば、ロス・イン・ウェイト式フィーダを備えていてもよい。このようなロス・イン・ウェイト式フィーダは、概して当業者に知られているので、詳細を説明する必要はない。概して、これらは、重量センサの測定結果に基づいて粉体生成物を供給し投与する。供給投与装置は通常、フィーダを駆動する駆動装置などの、フィーダを作動させるアクチュエータを備える。たいてい、各供給投与装置は1つのシステム入口に接続されており、このシステム入口を通ってそれぞれの粉体生成物がシステムに導入される。すでに説明したように、粉体ブレンダは1つ以上の入口を備えていてもよい。異なる供給投与装置の出口は、粉体ブレンダの同じ入口に接続されていてもよい。しかし、異なる供給投与装置の出口が粉体ブレンダの異なる入口に接続されることもまた可能である。
【0037】
本発明の供給混合システムは、2つを超える供給投与装置、たとえば3つ、4つ、5つ、6つやそれ以上の供給投与装置を備えていてもよい。供給投与装置は、一列に配置されてもよい。より詳しくは、供給投与装置は実質的に直線に沿って、特に水平な線に沿って配置されてもよく、したがって円形の設置とはならない。当然ながら、供給投与装置の数に応じて、これらを2列以上に配置することもまた可能である。2列以上の供給投与装置が設けられると、その列はたとえば平行な水平軸に沿って配置されてもよい。
【0038】
一実施形態によると、供給混合システムが、フィーダに粉体生成物を自動的に補充する自動補充システムをさらに備えていてもよい。さらなる実施形態によると、自動補充システムがそれぞれ水平な補充スクリュを備えていてもよく、その補充スクリュはそれぞれ供給投与装置の上に、特に供給投与装置のフィーダの上に配置されている。自動補充システムは、システム入口と供給投与装置との間、特に供給投与装置のフィーダとの間に配置されている。システム入口を介して導入された粉体生成物は、自動補充システムに、特にその水平な補充スクリュに供給され、この補充スクリュは電動モータなどの駆動装置によって駆動する。それによって、粉体生成物が供給投与装置に、特にフィーダに供給され、そこから粉体生成物が粉体ブレンダに供給される。自動補充システムは、システム入口を介して粉体生成物のタンクと接触していてもよく、必要に応じてフィーダを自動的に補充する役割をしてもよい。
【0039】
さらなる実施形態によると、少なくとも1つのファンネルまたはホッパが、供給投与装置、特にフィーダと粉体ブレンダとの間に設けられていてもよく、この少なくとも1つのファンネルまたはホッパは、供給投与装置の少なくとも2つの出口に接続されているファンネル入口またはホッパ入口を有し、粉体ブレンダの入口に接続されている出口を有する。ファンネルまたはホッパは、たとえば、出口よりも入口が大きい円錐形であってもよい。このようなファンネルまたはホッパを設けることによって、異なる供給投与装置の出口から粉体ブレンダの1つの入口に、特に簡単な方法で生成物の流れを合流させることができる。
【0040】
また、本発明は、粉体生成物を処理するシステム、好ましくは粉体生成物を連続処理するシステムで上記の目的をさらに解決するが、このシステムは、本発明による供給混合システムを備え、製造機をさらに備え、この製造機は粉体ブレンダの少なくとも1つの出口に接続されている入口を備え、製造機は出口を備える。
【0041】
そのシステムは上記にすでに大まかに説明している。供給混合システムと製造機とを同じ高さに、特に同じ床の高さに配置することが可能である。したがって、このシステムは、ワンフロア・システムであってもよい。しかし、たとえば、供給投与システムを製造機の上方、特に上階の高さに配置することも可能であり、したがって2階建てのシステムを効果的に提供できる。製造機は、粉体ブレンダ内で生成された生成混合物を連続的に処理し、処理された生成物を出口で放出する。上述のように、このシステムは連続的に作動するシステムである。このシステムは、封じ込めレベルが生成物毒性レベルOEB 3以上(たとえばSMEPAC(製薬機器の粒子封じ込め性能評価(Standardized Measurement of Equipment Particulate Airborne Concentration))試験によって測定される)である封じ込めシステムであってもよい。
【0042】
生成物搬送装置が、粉体ブレンダの出口と製造機の入口との間の接続部に位置していてもよく、この生成物搬送装置は、生成混合物を粉体ブレンダの出口から製造機の入口まで搬送する。
【0043】
さらなる一実施形態によると、粉体生成物の連続処理は直接処理による固形剤形の連続製造であってもよく、製造機は生成混合物から固形剤形を連続製造するものであってもよく、製造機の出口は製造された固形剤形を放出する出口である。製造機は、好ましくは錠剤プレス機またはカプセル充填機であってもよい。したがって、固形剤形は錠剤またはカプセル剤であってもよい。錠剤プレス機は、特に、回転式錠剤プレス機であってもよい。しかしながら、この製造機は、造粒装置などの異なる製造機であってもよい。システムはまた、複数の製造機および/または複数の供給混合システムを備えていてもよい。
【0044】
本発明の実施形態を、図面を参照しつつ以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】粉体生成物を連続処理する本発明のシステム。
図2図1に示すシステムの供給混合システムの斜視図。
図3図1に示すシステムの供給混合システムの部分断面斜視図。
図4図2および図3に示す供給混合システムの粉体ブレンダの斜視図。
図5】部分的にハウジングを除去した、図4の粉体ブレンダを示す図。
図6図4に示す粉体ブレンダの断面図。
図7図5に対応するさらなる実施形態による粉体ブレンダを示す図。
【0046】
図面において、同一の参照番号は同一の部分を示すものとする。
【0047】
図1に示す粉体生成物を連続処理するシステムは、直接処理により固形剤形を連続製造するためシステムである。このシステムは、供給混合システム10と製造機12とを備え、製造機12は、たとえば回転式錠剤プレス機などの錠剤プレス機やカプセル充填機であってもよい。製造機12は、生成物搬送装置のホース16と接続されている入口14を備え、生成物搬送装置は生成混合物を供給混合システム10から製造機12の入口14まで搬送し、この生成混合物は錠剤やカプセル剤などの固形剤形へと連続的に処理される。製造された固形剤形は、製造機12の出口18を介して放出される。製造機12は、窓22を備えた製造機ハウジング20を備える。供給混合システム10は、2つのドア26を有するシステム・ハウジング24を備え、このドア26は図2では開口しており供給混合システム10の内部が視認できる。図1に示すシステムは、供給混合システム10と製造機12とを同じ高さに、特に同じ床の高さに配置するワンフロア配置である。
【0048】
図2および図3では、6つのシステム入口28が確認でき、これらを介して異なる粉体生成物が供給混合システム10内に導入可能である。システム入口28は6つの自動補充システムにつながり、そのシステムのそれぞれは、水平な補充スクリュ30を備えている。図2および図3に確認できるように、供給投与装置、特にフィーダ32は、1列に、特に水平な直線に沿って配置されている。供給投与装置、特にフィーダ32は、それぞれ補充スクリュ30とフィーダ32との間に配置されている入口34を備える。供給投与装置、特にフィーダ32は、それぞれ粉体生成物を供給する出口36をさらに備え、粉体生成物は入口28および補充スクリュ30を介して粉体ブレンダ38に供給される。粉体ブレンダ38は、異なる粉体生成物を所望の生成混合物に混合するための水平な混合チューブ39を備える。図に示す例では、ファンネルまたはホッパ40がフィーダ32と粉体ブレンダ38との間に配置されており、このファンネルまたはホッパ40は6つのフィーダ32のうちの4つからの生成物の流れを結合して1つの生成物の流れにして粉体ブレンダ38の第1の入口42に入れる。ファンネルまたはホッパ40は、ファンネルまたはホッパ40内の粉体の流れを促進する振動装置41を備えていてもよい。粉体ブレンダ38はさらに入口44を備え、これを通ってさらなるフィーダ32からの粉体の流れがたとえば垂直チューブ74を介して粉体ブレンダ38内に導入可能である。空気を周囲に排出する通気管45が、粉体ブレンダ38の入口42の反対側の端部に設けられている。類似の通気管47が、ファンネルまたはホッパ40の上部に設けられている。粉体ブレンダ38は、生成された生成混合物がブレンダ出口ホッパ48に供給される出口46をさらに備え、このブレンダ出口ホッパ48から生成混合物がさらなる処理のためにホース16を介して製造機12の入口14に搬送される。ブレンダ出口ホッパ48はミニバッチ混合プロセスに使用可能である。
【0049】
図2と、図3では左側に確認できる処理領域を、図2では分離壁50の後ろに位置されており図3では右側に確認できる技術領域から分離する分離壁50が、システム・ハウジング24内に設けられている。この分離壁50は、処理領域と技術領域との間を封じ込めたり防塵したりして分離してもよい。処理領域では、自動補充システムや供給投与装置や粉体ブレンダの処理用部品が、処理される粉体生成物と直接接触するように配置されている。技術領域では、自動補充システムや供給投与装置や粉体ブレンダの技術用部品が、粉体生成物と直接接触しないように配置されている。この場合は目下、これらの技術用部品は、本実施例では補充スクリュ30を駆動させる駆動装置52として示されている、補充スクリュ30を作動させるアクチュエータ52と、本実施例ではフィーダ32を駆動させる駆動装置54として示されている、フィーダ32を作動させるアクチュエータ54と、本実施例では粉体ブレンダ38を駆動させる第1の駆動装置56および第2の駆動装置58として示されている、粉体ブレンダ38を作動させる第1のアクチュエータ56および第2のアクチュエータ58とを備える。駆動装置52、54、56、58は、たとえば電動モータを備えていてもよい。駆動装置52、54、56、58などの技術用部品と、補充スクリュ30、フィーダ32、および粉体ブレンダ38などの処理用部品との接続部は、壁を貫通する技術で分離壁50を通って配置されている。より簡単に設置しメンテナンスをするために、これらの接続部はクイックリリース式接続であってもよい。システム・ハウジング24が保護ハウジング24をもたらす一方で、分離壁50は、粉体生成物が取り扱われる処理領域と、粉体生成物が存在してはならない技術領域とを確実に分離する。このようにして、一方では技術領域と比較して処理領域の本質的な封じ込めが達成でき、他方では保護ハウジング24を介して周囲に対して封じ込めをすることができる。また、概して上記で説明したように、製造機12のハウジング20が周囲に対して封じ込めをすることができる。
【0050】
図4から図6より確認できることは、粉体ブレンダ38の水平な混合チューブ39では、混合ブレード62を有する第1の混合シャフト60と、こちらも混合ブレード66を有する第2の混合シャフト64とが配置されていることである。混合シャフト60、64は、図5では水平方向に走る粉体ブレンダ38の混合チューブ39の縦軸に沿って、同軸に連続して配置されている。この場合は目下、第1の混合シャフト60および第2の混合シャフト64が粉体ブレンダ38の混合チューブ39の縦軸に沿って2つの連続した混合領域を画定しており、本実施例では、混合領域はほぼ同じ長さで示されている。当然ながら、その長さは異なっていてもよい。第1の駆動装置56は第1の混合シャフト60をその縦軸を中心として回転させる役割をし、第2の駆動装置58は第2の混合シャフト64をその縦軸を中心として回転させる役割をする。駆動装置56、58は、第1の混合シャフト60および第2の混合シャフト64を互いに独立して駆動させるように設計されている。特に、第1の混合シャフト60および第2の混合シャフト64を異なる回転速度および/または異なる回転方向に駆動させることが可能である。この場合は目下、粉体ブレンダ38の混合チューブ39に導入された粉体生成物が、混合チューブ39を通って、まず第1の混合シャフト60によって画定されている第1の混合領域を通って、次に第2の混合シャフト64によって画定されている第2の混合領域を通って、したがって図6では右から左に搬送される。混合チューブ39を通って搬送された後は、混合された粉体混合物は出口46を介して放出される。
【0051】
混合シャフト60、64の回転を互いに独立して制御する能力により、プロセス、特にこれから処理される粉体生成物に柔軟に適応することが可能となり、混合均一性などの混合結果を最適化する。混合シャフト60、64のうちの1つまたは両方が、混合ブレードの幾何学的形状が異なり得る異なる混合シャフトと容易に取り外しや交換ができるようにクイックリリース接続部を備えていてもよく、したがって、粉体ブレンダ38を異なる混合プロセスに容易に適応させることができる。
【0052】
粉体ブレンダ38が、混合チューブ39内の粉体生成物の質量を計測するロードセルをさらに備えていてもよい。本発明のシステムの制御ユニットは、たとえば製造機12に一体化されているが、ロードセル・センサの計測結果に基づいて、駆動装置56、58を、したがって混合シャフト60、64を制御することが可能である。図3に具体的に確認できるように、混合チューブ39を有する粉体ブレンダ38が、支持プレート70にブレンダ・フレーム68を介して支持されている。その支持位置は、参照番号72で駆動装置56と第1の混合シャフト60との接続部として確認でき、対応する支持位置は、図3では示されていないが駆動装置58と第2の混合シャフト64との間に存在する。支持プレート70上にブレンダ・フレーム68を介して支持されるので、混合チューブが空のとき、すなわち混合チューブ内に粉体生成物が存在しないときには、ロードセル・センサが負荷を測定しないかまたはわずかな負荷しか測定しない。図3では、駆動装置56、58、フレーム68、およびそれぞれの接続部を含む粉体ブレンダ38の質量は、図3では支持位置72の左右である、支持位置72の両側でほぼ等しい。このような配置によって、より高感度のロードセル・センサを使用することが可能となり、したがって、測定がより高精度となる。ロードセル・センサは、たとえば、混合チューブ39の上や下、またはブレンダ・フレーム68の上や下に設けることができる。
【0053】
図7は、本発明の供給混合システムのうちの粉体ブレンダ38’のさらなる実施形態を示す。図7に示されている粉体ブレンダ38’は、図4から図6に示されている粉体ブレンダ38におおよそ相当する。これは、図2および図3に示されている本発明の供給混合システム10や、図1に示されている粉体生成物を連続処理するための本発明のシステムにおいて、図4から図6に示されている粉体ブレンダ38として同様に使用可能である。
【0054】
図7に示されている粉体ブレンダ38’は、図4から図6に示されている粉体ブレンダ38とわずかに異なるのは、調整可能なオーバーフロー装置が、第1および第2の混合装置間の混合チューブ39内に配置されており、調整可能な質量の粉体生成物をオーバーフロー装置に流すことができる点である。図7に示されている本実施例におけるオーバーフロー装置は、2つの回転可能なオーバーフロー・プレート76、78を備え、どちらも半円形である。オーバーフロー・プレート76、78の少なくとも一方を回転させることによって、オーバーフロー・プレート76、78を流れる粉体の質量を調整することが可能である。たとえば、図7に示すように、オーバーフロー・プレート76、78の回転位置が2つの半円体が全円体となるような位置にあれば、オーバーフロー・プレート76、78上の粉体生成物の流れを完全に遮断することができる。オーバーフロー・プレート76、78の少なくとも1つを全円体から回転させることによって、調節可能な量の粉体生成物がオーバーフロー・プレート76、78を通過することができる。
【符号の説明】
【0055】
10…供給混合システム
12…製造機
14…製造機の入口
16…ホース
18…製造機の出口
20…製造機ハウジング
22…窓
24…システム・ハウジング
26…ドア
28…システム入口
30…補充スクリュ
32…フィーダ
34…フィーダの入口
36…フィーダの出口
38、38’…粉体ブレンダ
39…混合チューブ
40…ファンネルまたはホッパ
42、44…粉体ブレンダの入口
46…粉体ブレンダの出口
45、47…通気管
48…ブレンダ出口ホッパ
50…分離壁
52…補充スクリュ用アクチュエータ/駆動装置
54…フィーダ用アクチュエータ
56…粉体ブレンダ用第1のアクチュエータ
58…粉体ブレンダ用第2のアクチュエータ
60…第1の混合シャフト
62…第1の混合シャフト用混合ブレード
64…第2の混合シャフト
66…第2の混合シャフト用混合ブレード
68…ブレンダ・フレーム
70…支持プレート
72…支持位置
74…垂直チューブ
76、78…オーバーフロー・プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7