(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】合板を修復するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B27G 1/00 20060101AFI20241011BHJP
G01N 21/898 20060101ALI20241011BHJP
B27M 3/00 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
B27G1/00
G01N21/898 Z
B27M3/00 B
(21)【出願番号】P 2021512209
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(86)【国際出願番号】 FI2019050598
(87)【国際公開番号】W WO2020053475
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-06-27
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502384266
【氏名又は名称】ラウテ・オーワイジェイ
【氏名又は名称原語表記】RAUTE OYJ
【住所又は居所原語表記】RAUTETIE 2, FI‐15550 NASTOLA, FINLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】カウラネン エルッキ
(72)【発明者】
【氏名】マキネン アンッティ
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-112304(JP,U)
【文献】特開2008-201074(JP,A)
【文献】特開昭50-064408(JP,A)
【文献】米国特許第04614555(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27G 1/00
G01N 21/898
B27M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの合板パネルを修復するためのシステムであって、前記システムは、
前記システムに合板パネルを入力するための入力セクション(A)と、
前記システムから前記合板パネルを出力するための出力セクション(B)と、
を備え、
前記入力セクション(A)および前記出力セクション(B)の少なくとも1つが、前記合板パネルのスタック(180)のための支持構造(190)を備え、
前記システムは、
前記システムの中で停止した合板パネルを走査する可動検出装置(120)と、
修復操作のために停止した前記合板パネルの前記修復操作を実行する修復装置(130)と、
前記修復操作のために前記合板パネルを前記スタック(180)の上に保持するための保持装置(150)と、
合板パネルを前記入力セクション(A)から前記出力セクション(B)に輸送する輸送装置(160)
であって、前記システムのフレーム構造に配置されたレールに沿って前記入力セクション(A)と前記出力セクション(B)との間を移動するように配置され、輸送中の前記合板パネルを把持するための複数の把持装置を備える、輸送装置(160)と、
前記可動検出装置(120)で得られた情報に基づいて、前記合板パネルの欠陥の検出に応答して、前記修復装置(130)への制御信号を生成するための制御装置(140)と、
をさらに備え、
前記可動検出装置(120)および前記修復装置(130)は、前記入力セクション(A)および前記出力セクション(B)のいずれかに配置され、
前記可動検出装置(120)は、前記合板パネルが前記入力セクション(A)から前記出力セクション(B)へ輸送される方向に移動可能である、
システム。
【請求項2】
前記可動検出装置(120)は、前記入力セクション(A)および前記出力セクション(B)のうちの少なくとも1つで、前記合板パネルを走査するように配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記可動検出装置(120)が、前記合板パネルの前記スタックの最上部または最下部にある前記合板パネルを走査するように配置される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記可動検出装置(120)が、走査中に前記合板パネルの上を少なくとも部分的に移動するように配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記修復装置(130)が、前記入力セクション(A)および前記出力セクション(B)の少なくとも1つで、前記修復操作を実行するように配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記修復装置(130)が、前記合板パネルの前記スタックの最上部また最下部にある前記合板パネルに対して、前記修復操作を実行するように配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記修復装置(130)が、前記可動検出装置(120)で走査されるのと同じ位置で前記合板パネルに対して前記修復操作を実行するように配置される、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムが、前記システムの中で前記合板パネルの位置を調整するために、巻上装置(210)をさらに備える、請求項1
~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムが、合板パネルのスタックを前記システムの前記入力セクション(A)に搬送するためのコンベヤ装置(200)をさらに備える、請求項1
~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムが、合板パネルのスタックを前記システムの前記出力セクション(B)から搬送するためのコンベヤ装置(200)をさらに備える、請求項1
~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
少なくとも1つの合板パネルを修復するための方法であって、
システムの入力セクション(A)の中で、複数の合板パネルを受け取るステップと、
輸送装置(160)によって、前記合板パネルを1つずつ前記入力セクション(A)から出力セクション(B)に輸送するステップ
であって、前記輸送装置(160)が、前記システムのフレーム構造に配置されたレールに沿って前記入力セクション(A)と前記出力セクション(B)との間を移動するように配置され、前記輸送装置(160)が、輸送中の前記合板パネルを把持するための複数の把持装置を備える、ステップと、
可動検出装置(120)によって、前記システムの中で停止した合板パネルを走査するステップと、
修復装置(130)によって、制御装置(140)からの制御信号の受信に応答して、修復操作を、前記修復操作のために停止した前記合板パネルに対して実行するステップであって、前記制御装置(140)は、前記可動検出装置(120)で得られた情報に基づいて、前記合板パネルの欠陥の検出に応答して、前記修復装置(130)への前記制御信号を生成するように構成されている、ステップと、
保持装置(150)によって、前記修復操作のために前記合板パネルをスタック(180)の上に保持するステップと、
を含み、
前記可動検出装置(120)および前記修復装置(130)は、前記入力セクション(A)および前記出力セクション(B)のいずれかに配置され、
前記可動検出装置(120)は、前記合板パネルが前記入力セクション(A)から前記出力セクション(B)へ輸送される方向に移動可能であり、
前記方法は、
前記システムの前記入力セクション(A)および前記システムの前記出力セクション(B)のうちの少なくとも1つにおいて、支持構造(190)を用いて、前記複数の前記合板パネルを、スタックとして取り扱うステップ
をさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、木製品の製造の技術分野に関する。より具体的には、本発明は、合板製品の修復に関する。
【背景技術】
【0002】
合板の製造は、複数の段階からなるプロセスである。全体像では、主な段階は、丸太からのベニヤシートの準備、ベニヤシートからの合板の準備、および合板の仕上げである。合板の仕上げは、修復フェーズで構成され、その修復フェーズで、合板の品質を検査し、検査中に見つかった欠陥を修復するために必要な措置を講じる。欠陥のいくつかの非限定的な例は、節、節穴、亀裂、割れ目、色のずれなどである。
【0003】
従来技術の解決策では、合板パネルの修復は、生産ラインタイプの修復解決策で実行される。そこで、合板パネルはコンベヤラインで検査装置に運ばれる。検査装置は、例えば、問題の合板パネルを走査し、走査したデータを分析して、少なくとも1つの修復ツールに向けた修復コマンドを生成する。修復ツールは、修復中のパネルが生産ラインで前進するときに合板パネルの欠陥に適用可能な修復操作を実行し、修復が実行されると、合板パネルは生産ラインの最後で、すなわち、修復ラインで、スタックに集められる可能性がある。この種のアプローチは、特許文献1で採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来技術の解決策の欠点は、従来技術による修復ラインを取得するのが高価なことであるが、特にすべての費用を考慮に入れると、使用するのも高価なことである。費用の一部は、修復ラインの設置に要する床面積が広いことが必要なために、発生する。さらに、修復ラインの設置は困難で挑戦的である。したがって、少なくとも部分的に上記の欠点を軽減する木製パネルの修復を確立するために、代替の解決策を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下は、様々な発明の実施形態のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された概要を提示する。概要は、本発明の広範な概観ではない。本発明の主要または重要な要素を特定することも、本発明の範囲を区切ることも意図されていない。以下の概要は、本発明の例示的な実施形態のより詳細な説明への前置きとして、本発明のいくつかの概念を簡略化された形で提示するに過ぎない。
【0007】
本発明の目的は、少なくとも1つの合板パネルを修復するためのシステムおよび方法を提示することである。
【0008】
本発明の目的は、それぞれの独立特許項によって定義されるシステムおよび方法によって達成される。
【0009】
第一の態様によれば、少なくとも1つの合板パネルを修復するためのシステムが提供され、前記システムは、前記システムに合板パネルを入力するための入力セクションと、前記システムから前記合板パネルを出力するための出力セクションと、を備え、前記システムは、前記入力セクションおよび前記出力セクションの少なくとも1つが、前記合板パネルのスタックのための支持構造を備え、前記システムは、前記システムの中で合板パネルを走査する検出装置と、前記合板パネルの前記修復操作を実行する修復装置と、前記合板パネルを前記入力セクションから前記出力セクションに輸送する輸送装置と、前記検出装置で得られた情報に基づいて、前記合板パネルの欠陥の検出に応答して、前記修復装置への制御信号を生成するための制御装置と、をさらに備える。
【0010】
前記検出装置は、前記入力セクションおよび前記出力セクションのうちの少なくとも1つで、前記合板パネルを走査するように配置され得る。
【0011】
前記検出装置は、前記合板パネルの前記スタックの最上部または最下部にある前記合板パネルを走査するように配置され得る。
【0012】
前記検出装置は、走査中に前記合板パネルの上を少なくとも部分的に移動するように配置され得る。
【0013】
代替または追加として、前記修復装置は、前記入力セクションおよび前記出力セクションの少なくとも1つで前記修復操作を実行するように構成され得る。
【0014】
前記修復装置は、また、前記合板パネルの前記スタックの最上部また最下部にある前記合板パネルに対して、前記修復操作を実行するように配置され得る。
【0015】
前記修復装置は、前記検出装置で走査されるのと同じ位置で前記合板パネルに対して前記修復操作を実行するように構成され得る。
【0016】
前記輸送装置は、前記システムのフレーム構造に配置されたレールに沿って前記入力セクションと前記出力セクションとの間を移動するように配置され得る。
【0017】
例えば、前記輸送装置は、輸送中の前記合板パネルを把持するための複数の把持装置を備え得る。
【0018】
前記システムは、前記合板パネルを保持するためのホルダ装置をさらに備え得る。
【0019】
前記システムは、前記システムの中で前記合板パネルの位置を調整するための巻上装置をさらに備え得る。
【0020】
代替または追加として、前記システムは、合板パネルのスタックを前記システムの前記入力セクションに搬送するためのコンベヤ装置をさらに備え得る。
【0021】
前記システムは、合板パネルのスタックを前記システムの前記出力セクションから搬送するためのコンベヤ装置をさらに備え得る。
【0022】
第二の態様によれば、少なくとも1つの合板パネルを修復するための方法が提供され、前記方法は、システムの入力セクションの中で、複数の合板パネルを受け取るステップと、前記合板パネルを1つずつ前記入力セクションから出力セクションに輸送するステップと、検出装置によって、前記システムの中で合板パネルを走査するステップと、修復装置によって、制御装置からの制御信号の受信に応答して、修復操作を、前記合板パネルに対して実行するステップであって、前記制御装置は、前記検出装置で得られた情報に基づいて、前記合板パネルの欠陥の検出に応答して、前記制御装置への前記制御信号を生成するように構成されている、ステップと、を含み、前記方法は、前記システムの前記入力セクションおよび前記システムの前記出力セクションのうちの少なくとも1つにおいて、支持構造を用いて、スタックとして前記複数の前記合板パネルを取り扱うステップをさらに含む。
【0023】
「数」という表現は、本明細書で、1から始まる任意の正の整数、例えば、1、2、または3を指す。
【0024】
「複数」という表現は、本明細書で、2から始まる任意の正の整数、例えば、2、3、または4を指す。
【0025】
構造および操作方法の両方に関する本発明の様々な例示的で非限定的な実施形態は、追加の目的およびその利点とともに、特定の例示的で非限定的な実施形態の以下の説明を、添付の図面に関連して読むと最もよく理解されるであろう。
【0026】
この文書では、「備える」および「含む」という動詞は、引用されていない機能の存在を除外することも、要求することもないオープンな制限として使用される。従属請求項に記載されている特徴は、特に明記しない限り、相互に自由に組み合わせることができる。さらに、本文書全体において、「1つの(aまたはan)」、すなわち、単数形の使用は、複数を除外しないことを理解されたい。
【0027】
本発明の実施形態は、添付の図面の図において、限定としてではなく、例として示されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施形態による合板パネル修復システムを概略的に示す。
【
図3A】本発明のさらに別の実施形態を概略的に示す。
【
図3B】本発明のさらに別の実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明で提供される特定の例は、添付の特許請求の範囲の枠および/または適用可能性を制限するものとして解釈されるべきではない。以下の説明に記載されている例のリストとグループは、特に明記されていない限り、網羅的なものではない。
【0030】
図1は、本発明の実施形態による合板パネル修復システムを概略的に示す。合板パネル修復システムとは、システムに入力された合板パネルが所定の欠陥を含むかどうかを決定するのに必要な装置と、1つまたは複数の所定の欠陥があると決定された場合に合板パネルに対して少なくとも1つの修復操作を実行するのに必要な装置とを備えるエンティティを指すことができる。システムは、少なくとも2つのセクション、すなわち、入力セクション(
図1に記号Aで参照)と、出力セクション(
図1に記号Bで参照)を備える。合板パネルは、セクションA、Bの間で、典型的には入力セクションAから出力セクションBに輸送される。本発明の実施形態によるシステムは、フレーム構造110を含み得、その中に、以下で説明するようなシステムに属する装置の少なくとも一部が、固定式または可動式のいずれかで取り付けることができる。
図1に概略的に示すような修復システムの非限定的な例では、入力セクションは、合板パネルの修復が実行され得る側であるように配置されている。合板パネルの修復は、修復システムが、修復中の合板パネルを走査することができる検出装置120を備えることを必要とし得、走査によって得られたデータを分析することによって、問題の合板パネルに関して修復操作を行うかどうかを決定することができる。適用可能な検出装置120の非限定的な例は、カメラなどの画像捕捉装置、またはレーザプロファイルセンサであり得る。検出装置120は、合板パネルに関する必要な情報を得るために走査中に合板パネルの上を移動するように配置され得るように、フレーム構造110内に移動可能に配置され得る。例えば、
図1に示す非限定的な例では、検出装置120は、入力セクションAの上を移動するように配置され得る。さらに、システムは、少なくとも1つの修復装置130、すなわち、検出された欠陥を修復できるツールを備え得る。修復装置130は、例えば、検出された欠陥を機械的に修正するためのツールと、欠陥または修正された欠陥に物質を入力するためのツールを備え得る。例えば、修復装置130は、パテ埋め装置であり得る。言い換えれば、修復システムは、入力セクションにおいて、修復中の合板パネルが検出装置120で走査され、走査によって生成されたデータが分析されるように動作するように構成され得る。合板パネルに所定の欠陥があることの検出に応答して、修復操作を実行するために、修復装置130への制御信号が生成され得る。修復システムの全体的な制御、したがって、走査操作の制御、分析、および修復装置130の制御は、制御装置140によって実行され得る。制御装置140は、通信可能に、また操作可能に、システムに属する他のエンティティに結合され得る。エンティティと制御装置140との間の通信は、例えば、既知の通信技術を適用することによって、有線方式または無線方式のいずれかで実装することができる。さらに、いくつかの実施形態では、修復システムは、修復中の合板パネルを所定の位置に保持することができる1つまたは複数の保持装置150を備えることができる。これは、走査操作が実行されるときだけでなく、修復装置130が正しい位置で合板パネルの修復操作の実行を達成するために、修復装置130の制御信号が生成されるときにも、重要である。さらに、修復操作中に、合板パネルを1つまたは複数の装置で所定の位置に保持する必要がある場合がある。有利なことに、走査操作と修復操作の両方が合板パネルに対して実行されるので、この両操作の間、パネルは正確に同じ位置に留まる。代替また追加として、合板パネルが走査操作と修復操作との間に移動するかどうかを監視し、その運動量を決定するようにシステムを構成するように配置することもできる。このようにして、修復装置130への制御信号を生成するための位置の変化を考慮に入れることが可能である。位置の変化の測定は、任意の適用可能な測定装置またはシステムを用いて実行され得る。適用可能な保持装置150の非限定的な例は、プレスフットであり得、プレスフットは、制御装置
140の制御下で修復中の合板パネルを保持し、例えば、修復操作の準備ができたとき、合板パネルを解放するように配置され得る。さらに、合板パネル修復システムは、合板パネルを入力セクションAと出力セクションBとの間で輸送するための輸送装置160を備えることができる。
図1に概略的に示すようなシステムの実施において、輸送装置160は、輸送される合板パネルを把持することができる複数の把持装置を有する装置を用いて実施することができる。グリッパ装置は、合板パネルに到達するために垂直方向に移動することができ、問題の物体を把持するための真空吸引または真空カップなどの手段を有することができるようなものであり得る。さらに、輸送装置160の実施は、フレーム構造110に取り付けられたレールに基づくことができ、そのレールに沿って、輸送装置160を移動させることができる。輸送装置160は、輸送装置160の運動を引き起こす力を生成して、合板パネルの輸送を達成するために、電気モータなどの運動生成装置を備える。言い換えれば、輸送装置160は、合板パネルを入力セクションAと出力セクションBとの間で、典型的には入力セクションAから出力セクションBに輸送し、そこで輸送された合板パネルを解放するように制御され得る。
【0031】
本発明によるシステムは、システムの少なくとも1つのセクションA、Bにおいて、スタック内の合板パネルの処理を可能にする。言い換えれば、システムは、非限定的な例として
図1に示されるように、入力セクションのスタック180において、必要に応じて修復される合板パネルを受け入れるように構成され得るように配置され得る。したがって、システムは、
図1の実施形態では、合板パネルのスタックの最上部の合板パネルを修復するように構成することができる。ここで、スタックとは、複数の合板パネルを含むパイルを指す。少なくとも走査フェーズおよび修復フェーズを含む修復の準備ができたら、輸送装置160は、最上部のパネルを入力セクションAから出力セクションBに輸送するように構成され得る。スタック180内の次の合板パネルの走査は、走査が少なくとも部分的に輸送と同時に同期され得るように開始され得るか、あるいは修復された合板パネルが出力セクションにあるときに開始され得る。
図1の実施形態では、出力セクションBに輸送された合板パネルは、支持構造によって受け取られ、したがって、修復を経た合板パネルからスタックを形成することができる。支持構造は、非限定的な例として、シザーリフトなどのプラットフォーム、または合板パネルを収集するための専用ラックを指す場合がある。
【0032】
図1の実施形態によるシステムは、1つまたは複数のコンベヤ装置200などのさらなるエンティティを備えることができ、それによって、合板パネルをシステムに搬送し、搬出することができる。適用可能なコンベヤ装置200の非限定的な例は、
図1に概略的に示されるようなチェーンコンベヤであり得る。合板パネルは、
図1の非限定的な例に示されているように、スタックで少なくとも一方向に(すなわち、システムへ、またはシステムから、あるいはその両方へ)輸送され得る。また、システムは、入力セクションまたは出力セクションのいずれかに、1つまたは複数の巻上装置210をさらに備えることができる。巻上機は、合板パネル、または合板パネルのスタックを受け取り、その高さを少なくとも垂直方向に調整して、説明したような修復操作を実行できるように構成することができる。言い換えれば、走査操作および修復操作を実行できるように、高さを調整することができる。さらに、高さの調整は、スタックの高さの変化に応じて、高さが連続的に調整されるように制御することができる。言い換えれば、スタックの上位層は、ほぼ同じレベルに維持され得る。これを達成するために、合板パネルのスタックの上面のレベルを決定することができるデータを取得するために、例えば、フレーム構造にセンサを配置することができる。
【0033】
図1に概略的に示されている本発明の実施形態では、修復、すなわち走査操作および修復操作は、修復システムの入力セクションに配置されている。しかしながら、本発明は、また、走査および修復、したがって、検出装置120および修復装置130がシステムの出力セクションに配置され得るように実施され得る。そのような実施形態では、合板パネルは、入力セクションから出力セクションに搬送され得、修復は、記載されたような走査操作および修復操作を実行することによって、実行される。当然、必要な保持装置は、出力セクションに配置することができる。実施形態では、合板パネルは、スタック内の合板パネルをシステムから輸送するために、スタック内の出力セクションに集めることができる。さらに、入力セクションは、
図1の実施形態と同様の方法で実施することができ、そこで、修復される合板パネルがスタックでシステムに運ばれる。あるいは、合板パネルは、システムの輸送装置が入力合板パネルを把持し、それを修復のために出力セクションに搬送するように、コンベヤ装置を用いてシステムに入力されるように配置され得る。
【0034】
図1の実施形態における合板パネルのスタック180の入力は、システムの操作レベル、すなわち、修復に関与する装置が操作可能である操作レベルの下に配置される。この実施形態では、高さは、巻上装置
210で調整することができる。別の実施形態によれば、修復用の合板パネルの入力は、合板パネルがシステムの操作レベルより上に入力されるように、例えば、合板パネルのスタックが操作レベルより上に巻き上げられ、最下部の合板パネルが修復のために取られるような方法で、配置することもできる。そのような実施形態では、走査装置120および修復装置130は、それらがスタック内の最下部の合板パネルに対して走査操作および修復操作を実行できるように配置することができる。例えば、位置決めは、それらが
図1の実施形態に対して上下逆になるように実施され得る。巻上装置210の構造は、有利なことに、合板パネルのスタック、特にそれらの底面が、修復に関与する装置によってアクセス可能であるようなものであり得る。さらに、輸送装置170は、スタック180から最下部の合板パネルを解放し、それを出力セクションに輸送することができるように実施され得る。同様に、出力セクションで修復が行われるようにシステムが実装されている場合、120および130などの必要な装置は、上記と同じ方法でそこに配置して、そこに集められた最下部の合板パネルを修復することができる。そのような実施形態では、出力セクションは、輸送された合板パネルが出力セクションのスタックの最下部の合板パネルとして配置され得るように、出力セクションの支持構造にある合板パネルの高さを調整する巻上機が配置されるように構成される。
【0035】
図1に示される実施形態では、コンベヤ装置200は、合板パネルのスタック180をシステムの側面から搬送するように配置されている。すなわち、コンベヤ装置200の運動方向は、システムの輸送装置160の運動方向に対して横方向である。しかしながら、本発明は、そのような配置に限定されるだけでなく、フレーム構造110の端部からシステムとの間で合板パネルのスタックを搬送するために、少なくとも1つのコンベヤ装置200を配置することができる。コンベヤ装置200と輸送装置160の運動方向は、互いに平行である。すでに述べたように、本発明は、修復システムの複数の実装に適用することができる。実装に関するさらなる例は、本発明の実施形態を2つの観点から説明する
図2Aおよび
図2Bに概略的に示されている。
図2Aは、実施形態の側面図を示しているが、
図2Bは、同じ実施形態を鳥瞰図で提供している。概略的に示されている実施形態は、修復が第一のセクションAで実行されるようなものである。合板パネルは、コンベヤ装置200を備えた巻上装置210に搬送されるスタック180として入力することができ、最上部の合板パネルは、検出装置120で走査され、修復操作がある場合、それは、修復装置130で実行される。修復に応じて、合板パネルは、システムのフレーム構造110に沿って移動するように構成された輸送装置160を用いて出力セクションBに輸送される。
図2Aおよび
図2Bに概略的に示す実施形態では、修復された合板パネルは、第二のコンベヤ装置220を用いて、システムから取り出される。したがって、輸送装置160は、問題の合板パネルを入力セクションAから出力セクションBに輸送し、出力セクションの合板パネルを解放するように構成され得、その合板パネルがコンベヤ装置220に、例えば、コンベヤ装置220のベルト上に横たわるようになる。
【0036】
図3Aおよび
図3Bは、そのような実施形態を概略的に示し、この実施形態では、走査操作および修復操作が出力セクションBで実行される。
図3Aおよび
図3Bに概略的に示すように、修復中の合板パネルは、すでに出力セクションBに入り、修復が行われた合板パネルのスタックの上に保持され得る。言い換えれば、修復中の合板パネルがスタックの上に保持されたときに、修復を行うことができ、それに応じて修復が完了したときに、問題の合板パネルが最上部の合板パネルとしてスタックに置かれる。この種の配置には、次の合板パネルがその上に配置される前に、前の合板パネルの修復に使用された物質が乾燥などに設定された時間を調整できるという利点がある。したがって、
図3Aおよび
図3Bに開示す実施形態では、システムからの合板パネルの出力は、スタックで実行される。合板パネルがコンベヤ装置を用いてシステムから出力されるシステムでも、同じ配置を行うことができる(
図2Aおよび
図2Bを参照)。そのような実施形態では、コンベヤ装置は停止され、その結果、走査操作および修復操作は、停止された合板パネルに対して実行され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、修復は、問題の合板パネルの両側で実行されなければならない。これを達成するために、システムは、スタック回転装置をさらに備えることができ、スタック回転装置は、修復された合板パネルのスタックを入力として受け取るように構成され得、このスタックは、向きを変えられ、合板パネルの向きを変えられたスタックは、修復用の入力セクションに入力され得る。
【0038】
したがって、上記のシステムは、少なくとも1つの合板パネルを修復するための方法を実行するように構成することができ、この方法では、システムの入力セクションAに複数の合板パネルを受け入れる。複数の合板パネルは、例えば、スタックとして、またはコンベヤ装置を介して1つずつ受け入れる。この方法では、合板パネルを1つずつ、入力セクションAから出力セクションBに輸送することができる。さらに、この方法では、少なくとも1つの合板パネル、典型的にはシステムに入るすべての合板パネルを、システムの検出装置120で走査することができ、修復操作は、修復装置130を用いて、制御装置140からの制御信号の受信に応答して合板パネルに対して実行され得る。制御装置140は、合板パネルの欠陥の検出に応答して、修復装置120への制御信号を生成するように構成されている。欠陥の検出は、検出装置120で得られた情報に基づいて、例えば、得られた情報を分析することによって、実行することができる。この方法は、複数の合板パネルが、システムの入力セクション(A)およびシステムの出力セクション(B)のうちの少なくとも1つにおいて、スタックとして取り扱うステップをさらに含む。スタックとして合板パネルを取り扱うステップは、例えば、パネルがスタック内のシステムに入り、前述のステップの少なくとも一部が合板パネルに対して実行されることを意味し得る。代替または追加として、スタックは出力セクションで、例えば、その中の支持構造を利用することによって、確立され得る。明確にするために、方法に開示されるステップは、入力セクションAまたは出力セクションBのいずれかで実行され得る。したがって、スタックでの修復、輸送、および取り扱いの相互の順序は、本発明によって厳密に制限されない。この方法に関連するさらなる態様は、システムの説明に記載されてきた。
【0039】
上記の説明から明らかになるように、本発明は、合板パネルを修復することが可能なシステムに関する。修復は、少なくとも検出操作および修復操作を含む。システムは、そのシステムの少なくとも1つのセクションにおいて、そのセクションがシステム全体のサブパートを意味し、修復中の合板パネルが合板パネルのスタックで取り扱われるという発明の考え方に基づいている。セクションは、入力セクションまたは出力セクションのいずれかであり得、合板パネルは、その言及されたセクション間で輸送される。システムは、修復を実行するための装置および/または機能などの必要なエンティティを備える。修復を実行するように構成されたエンティティが本明細書の説明ではシステムと呼ばれる場合でも、合板パネルの修復を実行するために、説明されてきたように、必要な要素およびエンティティを備える装置として理解され得る。
【0040】
上記の説明で提供された特定の例は、添付の特許請求の範囲の適用性および/または解釈を制限するものとして解釈されるべきではない。上記の説明で提供されている例のリストおよびグループは、特に明記されていない限り、網羅的なものではない。