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特許7570319先進大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】先進大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器
(51)【国際特許分類】
   F28B 1/06 20060101AFI20241011BHJP
【FI】
F28B1/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021512657
(86)(22)【出願日】2019-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 US2019049878
(87)【国際公開番号】W WO2020051411
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】62/728,269
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/730,764
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/562,778
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518276368
【氏名又は名称】エバプコ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Evapco, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100100479
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 三喜夫
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・バグラー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ピエール・リベール
(72)【発明者】
【氏名】マーク・フーバー
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0363358(US,A1)
【文献】米国特許第03814177(US,A)
【文献】特開平07-310993(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0345166(US,A1)
【文献】国際公開第2018/037043(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0027679(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28B 1/06
F28B 7/00
F28B 9/00
F25B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業用蒸気製造施設に接続された大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器であって、
複数の熱交換器バンドルを経由して空気を引き込むファンを備え、各熱交換器バンドルは、長手軸および該長手軸に対して垂直な横軸を有し、
各熱交換器バンドルは、2次凝縮器と、1次凝縮器と、前記2次凝縮器および前記1次凝縮器内の各チューブの上端に接続され流体連通している上部ボンネットと、前記1次凝縮器内の各チューブの下端に接続され流体連通している1次下部ボンネットと、前記2次凝縮器内の各チューブの下端に接続され流体連通している、前記1次下部ボンネット内にある内部2次チャンバと、を含み、
各前記1次下部ボンネットは、その底面に蒸気入口を有し、
大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器は、前記熱交換器バンドルの中間点で前記熱交換器バンドルの長手軸に対して垂直な軸に沿って配置され、前記熱交換器バンドルの下方に設置された蒸気分配マニホールドを備え、
前記蒸気分配マニホールドは、両端で閉じているシリンダを含み、その上面において前記蒸気入口に接続するように構成された複数の接続部を有する、大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器。
【請求項2】
前記1次凝縮器は、前記2次凝縮器に隣接する2つの1次凝縮器を含む、請求項1に記載の大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器。
【請求項3】
各前記熱交換器バンドルは、複数の可撓性吊り下げ支持体によってフレームから懸架されている、請求項1に記載の大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器。
【請求項4】
前記可撓性吊り下げ支持体は、それぞれ、一端において第1接続スリーブに接続され、第2端において第2接続スリーブに接続された中央ロッドを含み、
前記第1接続スリーブは、前記フレームに接続され、前記第2接続スリーブは、前記熱交換器バンドルのチューブシートに接続される、請求項3に記載の大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器。
【請求項5】
前記1次凝縮器内の前記チューブは、2.0m~2.8mの長さ、120mmの断面高さ、および4~10mmの断面幅を有する、請求項1に記載の大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器。
【請求項6】
前記チューブは、5.2~7mmの断面幅を有する、請求項5に記載の大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器。
【請求項7】
前記チューブは、6.0mmの断面幅を有する、請求項6に記載の大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器。
【請求項8】
前記1次凝縮器内の前記チューブは、前記チューブの平坦な側面に装着されたフィンを有し、前記フィンは、9~10mmの高さを有し、1インチあたり5~12個のフィンの間隔で配置される、請求項1に記載の大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器。
【請求項9】
前記1次凝縮器内の前記チューブは、前記チューブの平坦な側面に装着されたフィンを有し、前記フィンは、18mm~20mmの高さを有し、隣接チューブと接触する隣接チューブとの間の空間を広げており、前記フィンは、1インチあたり5~12個のフィンの間隔で配置される、請求項1に記載の大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器。
【請求項10】
前記2次凝縮器は、前記熱交換バンドルに沿って中央に配置され、各端部に前記1次凝縮器の2つの異なるセクションが隣接している、請求項1に記載の大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器。
【請求項11】
請求項1に記載の大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器を組み立てる方法であって、
凝縮器セクションフレームおよび前記熱交換器バンドルを含む、凝縮器セクションを地上レベルで組み立てるステップと、
前記凝縮器セクションを、前記熱交換器バンドルの下方にある蒸気分配マニホールドを支持するのに充分な地上高さで支持するステップと、
ファンデッキおよびファンアセンブリを備えたプレナムセクションを地上レベルで組み立てるステップと、
前記組み立てた凝縮器セクションおよび蒸気分配マニホールドを持ち上げ、対応する下部構造の上部に戴置するステップと、
前記組み立てたプレナムセクションを持ち上げ、前記凝縮器セクションの上部に戴置するステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大規模な野外設置型(field-erected)空冷式工業用蒸気凝縮器に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な大規模な野外設置型空冷式工業用凝縮器は、大型ファンの上方にAフレーム配置で配置された熱交換バンドルで構成され、ファンごとに1つのAフレームを備える。各チューブバンドルは、通常、35~45個の垂直に配向した平坦化フィン付きチューブを含み、各チューブは、長さ約11メートル、高さ200mmであり、半円形状の前縁と後縁を備え、外幅は18~22mmである。各Aフレームは、通常、片側当り5~7本のチューブバンドルを含む。
【0003】
上述した典型的なAフレームACCはまた、第1ステージまたは「1次」凝縮器バンドル(時々、コンデンサ(Kondensor)のKバンドルと称される)および第2ステージまたは「2次」凝縮器(時々、デフレグメータ(Dephlegmator)のDバンドルと称される)の両方を含む。熱交換器バンドルの約80%~90%は、第1ステージまたは1次凝縮器である。蒸気は、1次凝縮器バンドルの上部に入り、凝縮液と一部の蒸気は底部から出る。第1ステージでは、蒸気と凝縮液が熱交換器バンドルを下に進行し、このプロセスは一般に並流(co-current)凝縮ステージと称される。第1ステージの構成は熱効率が良い。しかしながら、非凝縮性ガスを除去する手段は提供していない。非凝縮性ガスを第1ステージのバンドルを通して掃引するために、熱交換器バンドルの10%~20%が第2ステージまたは2次凝縮器として構成され、典型的には1次凝縮器の間に散在しており、これは、下側凝縮液マニホールドから蒸気を引き出す。この配置では、蒸気および非凝縮性ガスは、2次凝縮器の底部に引き込まれるときに、第1段凝縮器を通って進行する。ガスの混合物が2次凝縮器を上に進行すると、蒸気の残りは凝縮し、凝縮液が底部に排出されるとともに、非凝縮性ガスを上部で濃縮する。このプロセスは、一般に逆流(counter-current)凝縮ステージと称される。2次凝縮器の上部は、システムから非凝縮性ガスを除去する真空マニホールドに取り付けられる。
【0004】
標準的な先行技術のACC配置の変形例が、例えば、米国特許出願公開第2005/0204611号および米国特許出願第2015/0330709号に開示されている。これらの出願は、同じフィン付きチューブを示すが、大幅に短縮化されており、一連の小さなAフレーム(典型的にはファンごとに5~6個のAフレーム)に配置される。この論理の一部は、蒸気側の圧力降下を減少させることであり、これは、夏の条件では全体的な能力に小さい影響を有するが、冬の条件ではより大きな影響を及ぼす。この論理のもう1つは、工場で上部蒸気マニホールドダクトをバンドルの各々に溶接して、一緒に出荷することであり、これにより高価な現場溶接の労力を節約している。蒸気マニホールドが工場で取り付けられ、チューブバンドルとともに出荷されるこの配置の正味の効果は、出荷コンテナにマニホールドを収容するためのチューブ長さの短縮である。
【0005】
先行技術のACC配置に対する追加の変形例が、例えば、米国特許出願公開第2017/0363357号および米国特許出願第2017/0363358号に開示されている。これらの出願は、10mm以下の断面高さを有するACCでの使用のための新しいチューブ構造を開示する。米国特許出願公開第2017/0363357号はまた、1次凝縮器バンドルがバンドルの長手軸に沿って水平に配置され、2次バンドルが横軸に対して平行に配置される熱交換器バンドルを有する新しいACC配置を開示する。米国特許出願公開第2017/0363358号は、全てのチューブバンドルが2次バンドルであるACC配置を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここに提示する本発明は、発電所などのための大規模な野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器のための新しく改良された設計であり、先行技術のACCに対して著しい改良および利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、熱交換器パネルは、熱交換器パネルの中央に位置決めされた一体型2次凝縮器セクションで構成され、互いに同一でも同一でなくてもよい1次凝縮器セクションが隣接する。下部ボンネットが、1次凝縮器チューブの下端に蒸気を配給するために、下部チューブシートの底面に接続された熱交換器パネルの下部全長に沿って走る。この配置において、凝縮の第1ステージが逆流動作で発生する。チューブの上部は、上部チューブシートに接続され、これは、その上面で上部ボンネットに接続される。凝縮していない蒸気および非凝縮物は、1次凝縮器チューブから上部ボンネットに流れ込み、熱交換器パネルの中央に向かって流れ、そこで2次凝縮器セクションチューブの上部に入る。この配置において、凝縮の第2ステージが並流動作で発生する。非凝縮物および凝縮液は、2次チューブの底から流出し、下部ボンネットの内側に設置された内部2次チャンバの中に流れ込む。非凝縮物および凝縮液は、出口ノズルを介して下部ボンネット2次チャンバから引き出され、凝縮液は引き出されて送られ、1次凝縮器セクションから収集された水と合流する。
【0008】
代替の実施形態によれば、熱交換器パネルは、単一ステージ凝縮器熱交換パネルとして構成してもよく、熱交換器パネルの全てのチューブは、下部ボンネットから蒸気を受け入れて下部ボンネットに凝縮液を配給し、非凝縮物は上部ボンネットを介して排出される。
【0009】
本発明の更なる実施形態によれば、ACCの各セルまたは各モジュールは、単一のライザーによって供給され、これは、熱交換器パネルの長手軸に対して垂直であり、各熱交換器パネルの中心点の下方にある、バンドル支持フレームワークから真下に懸架された大型水平シリンダまたは上側蒸気分配マニホールドにその蒸気を配給する。上側蒸気分配マニホールドは、バンドルの中心点の単一箇所において各熱交換器パネルの下部ボンネットに蒸気を供給する。
【0010】
本発明の更なる実施形態によれば、凝縮器セクションフレームおよび熱交換器パネルは、地上レベルで事前に組み立てられる。そして、凝縮器セクションフレームは、凝縮器セクションフレームの下側から上側蒸気分配マニホールドを懸架するのに充分な高さのアセンブリ固定具の上に支持される。これとは別に、プレナムセクション(対応する凝縮器セクション/セル用のファンデッキおよびファンセットを含む)も同様に地上レベルで組み立てられる。続いてまたは同時に、対応する凝縮器セクション/セル用の下部構造をその最終場所に組み立ててもよい。そして、上部蒸気分配マニホールドが懸架された凝縮器セクションは、全体で持ち上げて下部構造の上部に配置してもよく、続いて、完成したプレナムセクションサブアセンブリも同様に持ち上げて配置する。
【0011】
この新しいACC設計は、先行技術の断面構成および面積(200mm×18~22mm)を有するチューブと共に使用してもよい。代替として、この新しいACC設計は、米国特許出願公開第2017/0363357号および米国特許出願第2017/0363358号に記載された設計を有するチューブ(200mm×10mm以下)と共に使用してもよく、その開示内容はその全体としてここに組み込まれる。
【0012】
更なる代替の実施形態によれば、本発明の新しいACC設計は、オフセットフィンを有する100mm×5mm~7mmのチューブと共に使用してもよい。
【0013】
更なる実施形態によれば、本発明の新しいACC設計は、200mm×5mm~7mmのチューブまたは200mm×17~20mmのチューブと共に使用してもよく、チューブは、好ましくは、1インチあたり5~12個のフィン(fpi)、好ましくは9~12fpi、最も好ましくは1インチあたり9.8フィンで配置された「アローヘッド(矢じり)」タイプのフィンを有する。
【0014】
更なる実施形態によれば、本発明の新しいACC設計は、9.8フィン/インチで配置された「アローヘッド」タイプのフィンを有する120mm×5mm~7mmのチューブと共に使用してもよい。更に別の実施形態によれば、本発明の新しいACC設計は、9.8フィン/インチで配置された「アローヘッド」タイプのフィンを有する140mm×5mm~7mmのチューブと共に使用してもよい。120mm構成および140mm構成は、200mm構成と全く同じ容量の増加は出せないが、120mm構成および140mm構成は両方とも200mm設計と比べて材料および重量を削減している。
【0015】
上述したアローヘッドタイプのフィンの構造の開示については、2017年2月6日出願の米国出願番号第15/425454号の開示内容がその全体としてここに組み込まれる。
【0016】
さらに他の実施形態によれば、本発明の新しいACC設計は、オフセットフィンとほぼ同様に機能し、より容易に入手可能であり、製造するのがより容易である「ルーバー型」フィンを有するチューブと共に使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】先行技術の大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器の熱交換部分の斜視図である。
図2】先行技術の大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器の熱交換部分の部分分解接近図であり、蒸気分配マニホールドに対するチューブの向きを示す。
図3】本発明の一実施形態に係る熱交換器パネルの側面図である。
図4図3に示す熱交換器パネルの上面図である。
図5図3に示す熱交換器パネルの底面図である。
図6】ラインC-Cに沿った、図3に示す熱交換器パネルの断面図である。
図7】ラインD-Dに沿った、図3に示す熱交換器パネルの断面図である。
図8】ラインE-Eに沿った、図3に示す熱交換器パネルの断面図である。
図9】本発明の代替実施形態に係る熱交換器パネルおよび上側蒸気分配マニホールドの側面図である。
図10A図9のラインA-Aに沿った断面図である。
図10B図10Aに示す実施形態の代替実施形態である。
図11】本発明の実施形態に係る平坦シールドプレートを備えた、図9に示すタイプの下部ボンネットの断面図である。
図12】本発明の実施形態に係る屈曲シールドプレートを備えた、図9に示すタイプの下部ボンネットの断面図である。
図13A】新しい蒸気配給および分配構成を備えた本発明の実施形態に係る大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器の側面図である。
図13B図13Aに示す大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器の平面図である。
図14図13A図13Bに示す大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器の1つのセルの接近側面図である。
図15図13A図13Bおよび図14に示す大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器の1つのセルの更なる接近側面図である。
図16】本発明の実施形態に係る上側蒸気分配マニホールドおよび熱交換器パネルとの接続部の立面図であり、2次下部ボンネットからの凝縮液配管を含む。
図17図13~15に示す大規模野外設置型空冷式工業用蒸気凝縮器の1つのセルの更なる接近側面図であり、2つのペアの熱交換器パネルの端面図を示す。
図18A】低温位置にある本発明の実施形態に係るハンガーロッドを示す一組の機械製図である。
図18B】高温位置にある図18Aのハンガーロッドを示す一組の機械製図である。
図19A】低温位置にある本発明の異なる実施形態に係るハンガーロッドを示す一組の機械製図である。
図19B】高温位置にある図19Aのハンガーロッドを示す一組の機械製図である。
図20A】単一の事前組立て式の凝縮器セクションモジュールの上面斜視図を示し、そこから懸架された上側蒸気分配マニホールドを含む。
図20B】単一の事前組立て式の凝縮器セクションモジュールの底面斜視図を示し、そこから懸架された上側蒸気分配マニホールドを含む。
図21A図20A図20Bに示す凝縮器セクションモジュールに対応する単一セル用のファンデッキおよびファン(プレナム)サブアセンブリの上面斜視図を示す。
図21B図20A図20Bに示す凝縮器セクションモジュールに対応する単一セル用のファンデッキおよびファン(プレナム)サブアセンブリの底面斜視図を示す。
図22図20A図20Bに示す凝縮器セクションモジュールに対応する単一セル用のタワーフレームの斜視図を示す。
図23図22のタワーフレームの上に持ち上げられた、図20A図20Bの事前組立て式の凝縮器セクションモジュール配置を示す。
図24図23のタワーセクションおよび凝縮器セクションモジュールの上に設置された、図21A図21Bのファンデッキおよびファン(プレナム)サブアセンブリの配置を示す。
【0018】
添付図面中の構成は、下記の参照番号が付与される。
2 熱交換器パネル 10 上部チューブシート
4 1次凝縮器セクション 12 上部ボンネット
6 2次凝縮器セクション 14 下部チューブシート
7 チューブ 15 持ち上げ/支持アングル
8 凝縮器バンドル 16 下部ボンネット
18 蒸気入口/凝縮液出口 34 ACCセルのストリート/列
20 シールドプレート 36 フレーム(チューブバンドルセクションの)
21 穿孔 37 凝縮器セクションモジュール
22 波形(scalloped)エッジ 40 デフレクタシールド
24 2次下部ボンネット 42 凝縮液配管
26 ノズル(2次下部ボンネット用) 50 ハンガー(吊り下げ具)
54 ハンガーロッド
27 ACCセル/モジュール 56 ハンガースリーブ
28 上側蒸気マニホールド 58 ハンガー固定ディスクまたはノブ
29 Y字状ノズル 60 ハンガー凹部
30 ライザー(riser)(LSMからUSM) 62 下部構造モジュール
31 タービン排気ダクト 64 プレナムセクションモジュール
32 下側蒸気分配マニホールド
【発明を実施するための形態】
【0019】
図3~8を参照して、本発明の熱交換器パネル2は、一体化され中央配置の2次凝縮器セクション6に隣接する2つの1次凝縮器セクション4を含む。各熱交換器パネル2は、複数の分離した凝縮器バンドル8からなり、中央配置の2次セクション6を構成する凝縮器バンドル8の第1サブセットおよび、各隣接1次セクション4を構成する異なる凝縮器バンドル8の第2サブセットを備える。1次セクションおよび2次セクションのチューブ7の寸法および構造は、好ましくは同一である。その上部では、1次および2次セクション4,6の両方のチューブ7の全てが上部チューブシート10に接続され、その上に、熱交換器パネル2の上部の全長に達する中空の上部ボンネット12が載る。1次および2次セクション46の全てのチューブ7の下部は、下部ボンネット16の上部を形成する下部チューブシート14に接続される。下部ボンネット16は、同様に、熱交換器パネル2の全長に達する。下部ボンネット16は、1次セクション4のチューブ7と直接流体連通しているが、2次セクション6のチューブとは連通していない。下部ボンネット16は、その全長の中心点において単一の蒸気入口/凝縮液出口18が装着され、これは熱交換器パネル2のための全ての蒸気を受け入れ、1次セクション4から回収された凝縮液の出口として機能する。下部ボンネット16の下部は、ボンネット16の両端から熱交換器パネル2の中央にあるの蒸気入口/凝縮液出口18に向かう水平に対して、好ましくは1度~5度、好ましくは約3度の角度で下向きに傾斜している。好ましい実施形態によれば、図9~12を参照して、下部ボンネット16は、蒸気の流れから凝縮液の流れを区分するシールドプレート20を含んでもよい。シールド20は、穿孔21及び/又は波形(scalloped)エッジ22を有してもよく、またはシールド20の上部に落下する凝縮液がシールド下方の空間に入り、シールドの下方で入口/出口18に向かって流れるのを許容する他の開口または構成を有してもよい。下部ボンネット16の端部から見た場合、シールドプレート20は、蒸気の流れに対して下部ボンネット16によって提供される断面を最大化するように、略水平の角度(水平と、水平から交差方向に12度との間)で固定される。シールドプレート20は、図11に示すように平坦でもよく、図12に示すように屈曲してもよい。上部チューブシート12および下部チューブシート14は、熱交換器2を持ち上げ及び/又は支持するための持ち上げ/支持アングル15を装着してもよい。
【0020】
内部2次チャンバまたは2次下部ボンネット24は、2次セクション6のチューブ7だけと直接流体連通するように下部ボンネット16の内側に装着され、2次セクション6の全長に達するが、好ましくはそれを超えない。この2次下部ボンネット24には、非凝縮物および凝縮液を引き出すノズル26が装着される。
【0021】
熱交換器パネル2のための蒸気入口/凝縮液出口18および、同じACCセル/モジュール27内の全ての熱交換器パネルのための蒸気入口/凝縮液出口18は、熱交換器パネル2の下方に懸架され、その中間点で熱交換器パネル2の長手軸に対して垂直に延びる、大型シリンダまたは上側蒸気分配マニホールド28に接続される。例えば、図13図15図20A図20Bを参照。上側蒸気分配マニホールド28は、セル/モジュール27の幅を横断して延びて、両端で閉じられる。その下部中央では、上側蒸気分配マニホールド28は、単一のライザー(立上げ部)30に接続され、これはその底部で下側蒸気分配マニホールド32に接続される。上側蒸気分配マニホールド28の上面が各熱交換器パネル2の中心点の下方を通過する場合、上側蒸気分配マニホールド28にはY字状ノズル29が装着され、これは熱交換器パネル2の各隣接ペアの下部にある蒸気入口/凝縮液出口18に接続している。
【0022】
この構造によれば、ACCの各セル27は、単一のライザー30から蒸気を受け入れる。単一のライザー30は、各熱交換器パネルの中心点の真下に懸架された単一の上側蒸気分配マニホールド28に蒸気を供給し、そして上側部蒸気分配マニホールド28は、単一の蒸気入口/凝縮液出口18を介して、セル27内の熱交換器パネル2の各々に蒸気を供給する。
【0023】
従って、工業プロセスからの蒸気は、地上レベルまたはその近くで、またはサイトレイアウトに適した任意の高さにあるタービン排気ダクト31に沿って移動する。蒸気ダクト31が本発明のACCに接近すると、ACCの各ストリート(セルの列)34に1つずつ、複数のサブダクト(下側蒸気分配マニホールド32)に分割される。各下側蒸気分配マニホールド32は、セル34の個々のストリートの下方を進行し、各セル27の中心点で単一のライザー30を上向きに延ばす。例えば、図13A図13Bを参照。単一ライザー30は、凝縮器セクションモジュール37のフレーム36から懸架された上側蒸気分配マニホールド28の底部に接続する。図13図15。上側蒸気分配マニホールド28は、複数のY字状ノズル29を経由して、熱交換器パネル2の各隣接ペアのボンネット入口/出口18のペアに蒸気を配給する。図15図17。蒸気は、下部ボンネット16に沿って移動し、1次セクション4のチューブ7を通って上昇し、空気が1次凝縮器セクション4のフィン付きチューブ7を通過する際に凝縮する。凝縮した水は、1次セクション4の同じチューブ7を下向きに移動し、蒸気に対して逆流し、下部ボンネット16に集まり、最終的に上側蒸気分配マニホールド28および下側蒸気分配マニホールド32およびタービン排気ダクト31を通って凝縮液回収タンク(不図示)に排出される。好ましい実施形態によれば、下部ボンネット16と上側蒸気分配マニホールド28との間の接続部は、流入する蒸気から排出/落下する凝縮液を分離するデフレクタシールド40を装着してもよい。
【0024】
凝縮していない蒸気および非凝縮物は、上部ボンネット12に集められ、熱交換器パネル2の中心に引き寄せられ、そこで形成された凝縮液と並流して2次セクション6のチューブ7を下へ移動する。非凝縮物は、下部ボンネット16の内側に設置された2次下部ボンネット24の中に引き込まれ、出口ノズル26を通って排出される。2次セクション6で形成された追加の凝縮水も2次下部ボンネット24に集まり、出口ノズル26も通過し、そして凝縮液配管42を通って上側蒸気分配マニホールド28に移動し、1次凝縮器セクション4から収集された水に合流する。
【0025】
本発明の他の特徴によれば、熱交換器パネル2は、複数の可撓性ハンガー50によって、凝縮器セクションモジュール37のフレームワーク36から懸架される。ハンガー50は、熱負荷と天候に基づいた熱交換器パネル2の膨張および収縮を許容する。図17は、ハンガー50が凝縮器セクションモジュール37のフレーム36にどのように接続されるかを示し、図18A図18B図19Aおよび図19Bは、ハンガーの2つの実施形態の詳細を示す。各実施形態によれば、ハンガー50は、それらの重量の支持を提供しながら、熱交換器パネル2が膨張または収縮可能にするように構築される。4つのハンガー50が各熱交換器パネル2に使用される。一実施形態によれば、ハンガー50は、両端にスリーブ56を備えたロッド54で構成される。スリーブ56は、ロッド54の上に装着され、ロッド54の各端部にある固定ディスクまたはノブ58によって個々の端部から外れるのを防止し、これらは個々のスリーブの内面上にある対応する形状の凹部60に嵌合するが、凹部はスリーブの端までは延びていない。ハンガー50の一端は、凝縮器セクションモジュール37のフレーム36に接続され、ハンガーの他端は、上部チューブシート10または下部チューブシート14上の持ち上げ/支持アングル15または他の装着点に装着される。スリーブ56は、好ましくは、構築の際に正しいハンガー長さの設定を可能にするように調整可能である。いったん設定されると、熱交換器パネル2の動きは、ハンガー50の上部および下部にあるボールジョイントおよびハンガー50の角変位によって調整される。
【0026】
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明のACCは、モジュール方式で構築される。種々の実施形態によれば、下部構造62、凝縮器セクションモジュール37およびプレナムセクション64は、地上で別々に同時に組み立ててもよい。一実施形態によれば、凝縮器セクションフレームは、凝縮器セクションフレームワークの下側から上側蒸気分配マニホールド28を懸架するのにちょうど充分な高さであるスティック構築式の下部構造の上に持ち上げてもよい。そして、熱交換器パネル2は、好ましくは地面レベルまたはそのすぐ上で、凝縮器セクションモジュール37のフレーム36の中に降ろされ、上側蒸気分配マニホールド28に取り付けられる。図20A図20Bを参照。いったん完成すると、装着された上側蒸気分配マニホールド28を備えた組み立て凝縮器セクションモジュール37を持ち上げて、対応する完成した下部構造62(図22図23)の上部に戴置でき、続いて、完成した対応するプレナムセクション64(図21A図21B)を持ち上げて、凝縮器セクションモジュール37の上部に戴置できる(図24)。ここで説明する組み立ては、同一平面で行われるものとして記載しているが、計画および建設スキームが許容すれば、種々のモジュールの組み立ては最終位置で行ってもよい。
【0027】
ここでのフィンのタイプおよび寸法の説明は、本発明を限定することを意図していない。ここで説明した本発明のチューブは、本発明の範囲から逸脱することなく、任意のタイプのフィンと共に使用できる。
図1
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図10A
図10B
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図12
図13A
図13B
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図18A
図18B
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図19B
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図20B
図21A
図21B
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