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特許7570322移動の自由が制限され流体中に懸濁する装飾物を含む装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】移動の自由が制限され流体中に懸濁する装飾物を含む装置
(51)【国際特許分類】
   A44C 25/00 20060101AFI20241011BHJP
【FI】
A44C25/00 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021518435
(86)(22)【出願日】2019-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 IB2019058385
(87)【国際公開番号】W WO2020070667
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-09-05
(31)【優先権主張番号】62/740,251
(32)【優先日】2018-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/828,672
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/854,997
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514022235
【氏名又は名称】プレシフレックス エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100141829
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 牧人
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【弁理士】
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】レギネッリ, サンドロ
(72)【発明者】
【氏名】バーク, トラルフ
(72)【発明者】
【氏名】グーベルマン, ジーン
(72)【発明者】
【氏名】ローネル, ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ウルヴェ, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ジャカール, アラン
(72)【発明者】
【氏名】マフリ, リュック
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-194958(JP,A)
【文献】特開2009-085758(JP,A)
【文献】特開2012-130634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 3/00、25/00
G04B 45/00
A63H 23/08、33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1606、1608、1706、1708、1806、1906、2006、2106)中に機械的かつ移動可能に懸濁し、少なくとも1つの機械的固定要素(104、202、304、404、506、606、704、706、804、806、1220、1820、1920、2020、2030、2120、2130)により当該機械的固定要素に対し可動に保持される少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)を含むシステム(100、200、300、400、500、600、700、800、1200、1600、1700、1800、1900、2000、2100)を規定する透明な液体で全て充填された空洞を備える携帯可能または着用可能なアニメーションカプセルであり、前記液体は、前記少なくとも1つの機械的固定要素が前記空洞の重力に対する向きに関わらず前記液体中で実質的に不可視となるように、機械的固定要素の少なくとも1つとほぼ同じ屈折率を有し、前記システムは、重力に対する向きの変化により前記少なくとも1つの装飾要素の動きを生じさせるように構成され
前記少なくとも1つの機械的固定要素(104、202、304、404、506、606、704、706、804、806)が前記少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)の制限された動きを可能にする少なくとも1つの可撓性膜(1220、1320、1324、1326、1420、1424、1426、1520、1620、1720、1820、1920)である、携帯可能または着用可能なアニメーションカプセル。
【請求項2】
前記少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)が、金属、クリスタル、ダイヤモンドでコーティングされた前記可撓性膜(1220、1320、1324、1326、1420、1424、1426、1520、1620、1720、1820、1920)の部分である、請求項に記載のアニメーションカプセル。
【請求項3】
前記少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)が前記可撓性膜(1220、1320、1324、1326、1420、1424、1426、1520、1620、1720、1820、1920)に密封された1つ以上の液体またはゲルである、請求項に記載のアニメーションカプセル。
【請求項4】
前記少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)が少なくとも1つのイメージを形成する、請求項1~3のいずれか1項に記載のアニメーションカプセル。
【請求項5】
重力に対する前記システム(100、200、300、400、500、600、700、800、1200、1600、1700、1800、1900、2000、2100)の向きの変化により前記少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)の動きが生じ、前記イメージに動きが付される、請求項に記載のアニメーションカプセル。
【請求項6】
周囲液体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1606、1608、1706、1708、1806、1808、1906、2006、2106)内で自由に移動する少なくとも1つの可動要素が前記少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)の一部に衝突または一時的に静止することで前記少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)の前記動きを増加させる、請求項に記載のアニメーションカプセル。
【請求項7】
前記少なくとも1つの可動要素の少なくとも1つは、前記液体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1606、1608、1706、1708、1806、1808、1906、2006、2106)とほぼ同じ屈折率を共有する、請求項に記載のアニメーションカプセル。
【請求項8】
個人の装身具である装飾物に動きを付すことを含み、請求項1に記載のアニメーションカプセルを用いる方法。
【請求項9】
前記システムの動作は、前記液体の動きを誘発する加速力または減速力を引き起こし、前記液体は前記少なくとも1つの装飾要素の動きを引き起こす、請求項1に記載のアニメーションカプセル。
【請求項10】
前記システムの動きが、前記液体に含まれる少なくとも1つの固体要素の動きを誘発する加速力または減速力を引き起こし、前記少なくとも1つの固体要素が、前記少なくとも1つの装飾要素の動きを引き起こす、請求項1に記載のアニメーションカプセル。
【請求項11】
前記少なくとも1つの装飾要素の動きは、前記システムを装着した着用者によって誘発され、前記着用者が前記液体および/または前記少なくとも1つの固体要素を攪拌する、請求項1、9または10のいずれか1項に記載のアニメーションカプセル。
【請求項12】
取付柱(104、412、2022)に回転可能に取付けられた機械的固定要素(104、202、304、404、506、606、704、706、804、806、1220、1820、1920、2020、2030、2120、2130)の中心から外れた位置に取付けられた少なくとも1つの装飾要素を有しており、さらに、前記少なくとも1つの装飾要素は、屈折率が空洞(100、200、300、400、414、500、600、700、800、1200、1600、1700、1800、1900、2000、2100)を満たす液体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1606、1608、1706、1708、1806、1808、1906、2006、2106)の屈折率とほぼ同じであることによって、実質的に不可視とされている、請求項1に記載のアニメーションカプセル。
【請求項13】
流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1606、1608、1706、1708、1806、1906、2006、2106)中に機械的かつ移動可能に懸濁し、少なくとも1つの機械的固定要素(104、202、304、404、506、606、704、706、804、806、1220、1820、1920、2020、2030、2120、2130)により当該機械的固定要素に対し可動に保持される少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)を含むシステム(100、200、300、400、500、600、700、800、1200、1600、1700、1800、1900、2000、2100)を規定する透明な液体で全て充填された空洞を備える携帯可能または着用可能なアニメーションカプセルであり、前記液体は、前記少なくとも1つの機械的固定要素が前記空洞の重力に対する向きに関わらず前記液体中で実質的に不可視となるように、機械的固定要素の少なくとも1つとほぼ同じ屈折率を共有し、前記システムは、加速力または減速力に対する前記システムの向きの変化が、前記少なくとも1つの装飾要素の動きを引き起こすように構成され
前記少なくとも1つの機械的固定要素(104、202、304、404、506、606、704、706、804、806)が前記少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)の制限された動きを可能にする少なくとも1つの可撓性膜(1220、1320、1324、1326、1420、1424、1426、1520、1620、1720、1820、1920)である、携帯可能または着用可能なアニメーションカプセル。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本発明は、2018年10月2日に出願された米国仮出願第62/740,251号、2019年5月31日に出願された米国仮出願第62/854,997号、及び2019年4月3日に出願された米国仮出願第62/828,672号の便益を主張し、参照として組み込まれると共にそれに依拠し、保護を求めるものとされる特徴を定義するためにその内容はその全てが発明の根底にある技術的課題の解決に寄与するものと理解され、本文書で言及される特徴には特に重要なものもあるとされる。
【著作権および法的告知】
【0002】
本特許文書に開示されるものの一部には著作権保護の対象となる資料が含まれている。出願人は、特許商標庁の特許記録として特許開示されている特許文書に関してはいずれの者によるファクシミリ複製に異論はないが、そうでない場合はいかなる場合もすべての著作権を留保する。また、本願に記載される第三者の特許又は記事は、先行技術を理由として本発明がその資料を先行する権利がないことを承認するものとして考慮すべきでない。
【背景技術】
【0003】
本発明は宝飾品などの着用可能な装身具に関する。
【0004】
ほとんどの装身具は半永久的な形状および装飾を備える物である。
【0005】
装身具の外観を変化できるようにして、それらをより生き生きさせる新しい方法が必要とされている。
【発明の開示】
【0006】
個人の装身具のために、一目見て生き生きとした装飾を創出する手段を提供するシステムおよび方法/装置を提供する。システムは、機械的固定要素により流体中に機械的かつ移動可能に懸濁する少なくとも1つの装飾要素を含む装飾的で着用可能な装置である。流体は機械的固定または可動要素の少なくとも1つとほぼ同じ屈折率を共有する。
【0007】
本発明の目的は、装飾物に動きを付すこと(animate)にある。
【0008】
本発明の別の目的は、動くと外観を変化させる装置の提供にある。
【0009】
本発明のまた別の目的は、物への不可視で一部移動可能な固定の提供、およびその結果としての魅力的な効果の提供にある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面は、本発明の対象の異なる実施形態を例示するものである。
図1A】本発明の固定装置の断面図である。
図1B】本発明の第1代替固定装置の一連の断面図である。
図1C】本発明の第2代替固定装置の一連の断面図である。
図2】本発明の要素を使用する時計面の平面概略図である。
図3A】本発明に係る動きを付された顔の装飾の平面概略図である。
図3B図3Aの装飾の断面図である。
図4A】本発明に係る動きを付された顔の別の装飾の平面概略図である。
図4B図4Aの装飾の断面図である。
図5A】本発明に係る動きを付された顔のまた別の装飾の平面概略図である。
図5B図5Aの装飾の断面図である。
図5C図5Aの装飾の別の断面図である。
図5D】本発明に係る動きを付された顔の別の装飾の平面概略図である。
図5E】本発明に係る動きを付された顔のまた別の装飾の平面概略図である。
図6A】本発明に係る動きを付された顔のまた別の装飾の平面図である。
図6B図6Aの装飾を180度回転させた図の平面図である。
図6C図6Aの装飾の右側面図である。
図6D図6Aの固定が不可視である図の平面図である。
図6E図6A~6Dの装置内で懸濁する装飾の平面図である。
図7A】本発明に係る動きを付された顔のまた別の装飾の断面図である。
図7B図7Aの装飾要素が左に移動する図である。
図8A】台上の別の固定の側面図である。
図8B図8Aの固定が傾けられていることを示す別の固定の側面図である。
図9】本発明のもう1つ別の固定装置の平面図である。
図10】本発明のまた別の固定装置の平面図である。
図11A-11B】異なるメッセージを伝える本発明の固定装置の概略図である。
図12】本発明の別の実施形態の平面概略図である。
図13A-13E】本発明の実施形態を作り出す方法の断面概略図である。
図14A-14F】本発明の別の実施形態を作り出す方法の断面概略図である。
図15A-15D】本発明の実施形態を作り出す方法で使用されうる代替ツールの断面概略図である。
図16A-16C】本発明のまた別の実施形態の断面概略図である。
図17A-17C】本発明のアニメーション方法の断面概略図である。
図18A-18B】本発明の別のアニメーション方法の断面概略図である。
図19】本発明の別の実施形態の断面概略図である。
図20A-E】本発明のまた別の実施形態の断面概略図である。
【0011】
図面に示される要素は単純化及び明確性のために開示され、必ずしも正寸で描かれていないことは当業者には明らかである。例えば本発明の様々な実施形態の理解をより深めるために、図面のいくつかの要素の寸法はその他の要素に対して強調して描かれていることもある。さらに、本件で用いられる「第1」、「第2」やその類の用語はとりわけ類似する要素を区別するために使用され、必ずしも順次的または時系的な順番を示すものではない。また、明細書及び/又は請求項における「正面」、「背面」、「平面」、「底面」やその類の用語は便宜的な目的で使用され、必ずしも限定的な相対位置を総合的に表わすものではない。このような用語は例えば本願で開示される様々な実施形態が明確に図示又は説明される以外の配向でも操作可能であるような適切な状況下では置き換えられてもよいことを当業者は理解されたい。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0012】
以下の説明は本質的に例示的であり、本願が出願された時点で発明者が知り得た本発明の最良の態様を説明するもので、本発明の範囲をいかなる意味でも制限するものではない。その結果として、本願で開示される例示的な実施形態における全ての要素の配置及び/又は機能は、本願発明の精神および範疇から逸脱することなく変更を加えることが可能である。
【0013】
本発明に係るシステムは、機械的固定要素により流体中に機械的かつ移動可能に懸濁する少なくとも1つの装飾要素を含み、流体は機械的固定または可動要素の少なくとも1つとほぼ同じ屈折率を共有する。
【0014】
次に図1Aから1Cを参照すると、システム100は1つ以上の浮遊装飾要素102を備え、浮遊要素は移動または傾斜の自由が制限されている。浮遊装飾要素102は可動式柱またはスタンドオフ104を含んでもよい(バルク材料から機械加工されて機械的に所定位置に維持されるようにするか、または凹部106に個別に組み付けられる)。動きは、凹部106(動きに十分な透過性を可能にする緩いアリ溝相互接続内など)の端110のジオメトリにより、例えば全平面方向の一定角度まで制限される。当該柱104はより大きな上部112を有してもよく、これを金114でコーティングして、例えば他の当該浮遊装飾要素102と並置されると光反射からパイエットまたはグリッター効果を得るようにしてもよい。また、柱104を本明細書に記載の他種金属でコーティングしてもよい。また、柱と周囲流体116間の反応を回避するために保護層(非開示だが隔離されるよう表面を被覆する)を適応してもよい。異なる種類の層の組合わせが可能である。また、個々の貴金部分または装飾を、当該柱104またはその上部112に配置してもよい。
【0015】
特に図1Bおよび1Cを参照すると、浮遊装飾要素102の傾斜は柱104下のジオメトリの特徴(傾斜面120、120’、120’’など)により強化または促進できる。加えて、代替的に柱/凹部の形状の組み合わせを用いるか組み合わせるかして、傾斜方向を予め決めるようにする。
【0016】
特に図1Cを参照すると、浮遊装飾要素102は底板130と天板132との間に保持されてもよい。底板130および天板132は、着用者にほぼ不可視であるように、有利にも周囲流体116の屈折率と似た屈折率を有する材料からなる。
【0017】
柱および支持部の材料は、屈折率整合液を見いだすことができるガラスまたは透明な高分子材料からなる。
【0018】
次に図2を参照すると、ガラスチェーンメッシュ202のシステム200は、屈折率整合液206を見いだすことができるバルクガラス材料から機械加工される。ガラスチェーンメッシュ202はノット224と枠212とに接続するリンク222を含む。フレームブリッジ214は、針、または温度などの別の表示器を備える時計面216の境界を画定する。
【0019】
メッシュ202は同じバルク材料からなる枠内で懸濁する。このようにメッシュリンク222を構成することで、メッシュ連動ノット224は平面上を限定的に移動できる。当該ノット224はより大きな表面を含むように構成されてもよく、これはコーティングしてもよいし他の物を取り付けてもよい。リンクやノットに装飾要素204を取り付けてイメージを形成してもよい。
【0020】
次に図3Aから3Bを参照すると、システム300において装飾移動部分302はチャネル312によりガイドされる。基板310は透過材料からなり、チャネル312は例えばレーザでエッチングしてもよい。チャネル312を基板310で作り出すための代替工程では、化学エッチング、スパーク支援化学エッチング、機械エッチング、射出形成、ホットエンボス、またはこれら工程の任意の組み合わせを用いてもよい。装飾移動部分302は、チャネル312に摺動可能な任意の材料からなる支持部304で構成される。任意の貴金要素306を支持部304に取り付けてもよい。
【0021】
流体326は、基板310の屈折率に整合する空洞314を充填して、チャネル312を不可視にする。例えば、クリスタル316は空洞314を閉塞し、透過材料からなる。また、流体326は液体でもよく、システム上の潤滑剤として作用してもよい。液体は透明でも着色されてもよい。
【0022】
重力が作動原理である。しかし、重力は加速力および減速力を生み出すその他の任意の作動原理に置換できる。
【0023】
移動部分302およびチャネル312からなるそれらの摺動路のジオメトリは、システムがある位置で動かなくなってしまわないように選択される。
【0024】
装飾移動部分302の支持部304は、移動部分がチャネル312内で回動でき、その結果貴金要素306の向きが変わるように、任意で円形である。他方、支持部304の形状は、装飾移動部分302の回転を制限するように任意で設計される。
【0025】
次に図4Aから4Bを参照すると、システム400において装飾移動部分402は柱412を中心に回転してガイドされる。基板410は透過材料からなり、柱412は例えばレーザでエッチングしてもよい。柱412を基板410で作り出すための代替工程では、化学エッチング、スパーク支援化学エッチング、機械エッチング、射出形成、ホットエンボス、またはこれら工程の任意の組み合わせを用いてもよい。装飾移動部分402は任意で支持部404で構成され、任意の貴金要素406を取り付けてもよい。支持部404は同じ透過材料からなってもよい。支持部404を貴金要素406で隠してもよい。
【0026】
流体426は、透過材料の屈折率に整合する空洞414を充填して、柱412および支持部404を不可視にする。また、流体426は液体でもよく、システム上の潤滑剤として作用してもよい。液体426は透明でも着色されてもよい。
【0027】
重力が作動原理である。しかし、重力はその他の任意の加速力および減速力に置換できる。
【0028】
回転部分のジオメトリは、システムがある位置で動かなくなってしまわないように選択されねばならない。回転部分の支持部404は基板410のエッチングされた構造でその動きを制限されてもよい。
【0029】
図4Aの鼻416で示すように、柱412が定義する回転軸の反対側で回転部分がより大きい質量を有すると、直感に反する動きを作ることができる。
【0030】
次に図5Aから5Eを参照すると、システム500において固体装飾要素502は細繊維506に固定され、流体510に囲まれている。繊維506は周囲流体510と同じかほぼ同じ屈折率を有し、実質的に不可視である。流体は液体でもよい。流体は透明でも着色されてもよい。繊維506の捻転により固体装飾要素502が繊維の周囲でわずかにねじれ、動き効果が与えられる。
【0031】
一実施形態では、流体510のフロー512は第1可撓性チャンバ514の収縮により生じる。第1可撓性チャンバ514の収縮により変位した流体510は第2可撓性チャンバ516を充填し、第1可撓性チャンバ514の圧力が開放されると繊維506は元の状態に戻り、反対方向のフローが生じる。第1可撓性チャンバ514は、手動または機械システム520によって作動できる。もちろん、本明細書に開示の可撓性チャンバ514、516の位置決めは一例であり、異なる配置をしてもよい。
【0032】
次に図6Aから6Eを参照すると、システム600は1つ以上の繊維606を有するチャンバを含み、繊維はチャンバの側壁に取り付けられ、互いに、または所定の間隔で間隔を空け、そのすべてが流体610に囲まれている。繊維606は、不可視であるように、流体610と同じ屈折率を有する。流体は透明でも着色されてもよい。可動固体装飾要素602は、繊維606に沿って移動でき、孔620によりガイドされて、それらを介して繊維606に連結される。任意で、流体と似た屈折率を有して作られたいくつかの停止要素622が繊維606の特定場所に固定され、繊維606に沿う可動装飾要素602の変位が制限される。装置の向きおよび停止要素の位置に応じて、可動装飾要素602は予め定められた形に配置される。例えば、装置が垂直の場合は水平に、装置が上下反転する場合はランダム配置となる。一実施形態では、該1つ以上の可動装飾要素602は貴金要素630からなってもよく、または貴金要素を1つ以上の可動要素に取り付けてもよい。可動装飾要素は定義された向きを保証するため、2つの繊維によりガイドされてもよい。
【0033】
次に図7Aから7B、および図8A、8Bを参照すると、システム700は着用可能な装身具に統合可能で、装飾要素702を含む。システムは、重力、装身具を着用する使用者の動き、外力、周囲流体726の動きを作動させる使用者、またはガイド要素706を動かす機械的トランスミッションにより付勢される1つ以上の方向で移動してもよく、当該機械的トランスミッションは使用者または時計システムで起動してもよく、当該時計システムは電気式または機械式動力でもよく、電子制御でもよい。装飾要素702はアタッチメント704によりガイド要素706に取り付けられる。当該アタッチメント704は完全剛性でもよく、それによりある程度の動き自由(1つ以上の方向へのたわみ)が生まれる。ガイド要素706は、不可視であるように、周囲流体726と同じ屈折率を有してもよい。ガイド要素706はガイドフィーチャ724で支持部722に取り付けられ、支持部は例えば装飾イメージ背景に取り付けられる。支持部722は、不可視であるように、周囲流体726と同じ屈折率を有してもよい。周囲流体726は液体でもよい。周囲流体726は透明でも着色されてもよい。ガイド要素706のためのガイドフィーチャ724により、1つ以上の自由な動き方向が生まれる。装飾要素702は、重力、周囲流体の動き、ガイド要素706上の機械的作用、またはそれらを任意で組み合わせて動かしてもよい。
【0034】
図7Aから7Bには、支持部724に対する装飾要素702の制限された自由直線運動の一例が示されている。図8Aから8Bには、支持部724に対する装飾要素702の制限された自由回転運動の一例が示されている。
【0035】
次に図9および10を参照すると、装飾要素802はチャネル804によりガイドされ、使用者がプーリ820、スライダ822、その他の任意の適切な機構(本明細書に非開示)で生成する動きを伝達する伝達要素806により移動される。また、動きは、使用者が生成する代わりに時計システムで生成してもよく、当該時計システムは電気式または機械式動力であり、電子制御でもよい。装飾要素802をチャネル804内でガイドすることで、システム800が重力に対して動いたり、システム800がその着用者により任意の方向で加速したりすると、複数方向である程度の自由が生まれ、より生き生きとした挙動を装飾要素802に与えることができる。装身具810の可視領域に存在するトランスミッション機構の部分は、不可視であるように、周囲流体の屈折率と似た屈折率を有する材料からなってもよい。例えば、伝達要素806は有利にもガラス繊維からなってもよい。周囲流体は液体でもよい。周囲流体は透明でも着色されてもよい。装身具812の不可視領域に存在するトランスミッション機構の部分は、その機能に適切な任意の材料からなってもよい。
【0036】
システムは所与のイメージに「生き生きした」印象を提供する、つまりイメージは同じままでありながらその部品がランダムに移動するだけでなく、システムの異なる向き、またはアニメーションの起動によって作動する可動要素の位置に応じて、予め定められた異なるイメージを生成するように構成されてもよい。図11Aおよび11Bに、口の向きがイメージを変化させる一例が示されている。
【0037】
次に図12を参照すると、システム1200は、任意で、流体カプセルの外枠1212に取り付けられた膜1220として実現される。膜1220は任意で連続的で、外枠1212に沿うシステムを閉塞し、または局所的にその剛性を改変したり周囲流体1206の循環を可能にしたりするために開口1222を有してもよい。膜1220の材料は、観察者/使用者の目に不可視であるように、周囲流体1206の屈折率に極めて近似の屈折率、好ましくは周囲流体1206の屈折率と同じ屈折率を有するように、任意で選択される。当該膜は、パリレン、ガラス、シリコンなどの、同じ材料または異なる材料の複数の層からなってもよい。装飾要素1204は膜1220に取り付けられ、1つ以上のイメージ1202をともに形成する。
【0038】
本願の全体において、イメージとは造形的表現でも非造形的表現でもよいことを理解されたい。装飾要素1204は、ポリマー、金属、貴金属からなってもよく、クリスタル、ダイヤモンド、被密封液体またはゲルでもよく、または1つ以上のイメージ1202を生成するのに適した任意の装飾要素でもよい。装飾要素1204は様々な大きさまたは形状でもよい。追加バラスト要素1224は、観察者/使用者の目に不可視であるように、膜1220をバラストするために、周囲流体1206の屈折率に極めて近似の屈折率、好ましくは周囲流体1206の屈折率と同じ屈折率を有する材料からなってもよい。重力に対するシステムの動き、使用者/着用者が動かす場合はシステムの加速、または流体1206の動きにより生じた膜1220の動きは、装飾要素1204に伝播し、動きを付されたイメージ1202の外観を与える。
【0039】
次に図13Aから13Eを参照すると、装飾および/またはバラスト要素1304を含む膜1320は、以下の方法で提供されてもよい。
a.図13A:形状ツール1330が外枠1312に設置される。
b.図13B:第1膜1324が枠と形状ツール1330とに成膜する。当該膜は、パリレン、ポリマー、ガラス、シリコンなどの、同じ材料または異なる材料の複数の層からなってもよい。成膜工程には、CVD(化学気相蒸着)、PVD(物理的蒸着)、または実質的に規則的な層、好ましくはコンフォーマル層を成膜できる任意の適切な工程が含まれる。
c.図13C:装飾および/またはバラスト要素1304が第1膜1324上の予め定められた場所に設置され、望ましい1つ以上のイメージを形成する。
d.図13D:第2膜1326が装飾および/またはバラスト要素1304と第1膜1324とに成膜する。第1膜1324と第2膜1326が統合し、装飾および/またはバラスト要素1304を含む均質な膜1320を形成するように、第2膜1326のための材料および工程は第1膜1324のための材料および工程と極めて類似である。
e.図13E:形状ツール1330が取り外され、膜を枠1312に取り付けられるのみにする。
このような知識は当産業で周知であるため、工程の各ステップのすべての詳細が本明細書に記載されているわけではないことに注意されたい。洗浄、抗付着表面処理などの工程が上記方法で用いられねばならないことは明白である。
【0040】
次に図14Aから14Fを参照すると、装飾および/またはバラスト要素1404を含み、開口1422を有する膜1420は、以下の方法で提供されてもよい。
a.図14A:形状ツール1430が枠1412に設置される。
b.図14B:第1膜1424が枠と形状ツール1430とに成膜する。当該膜は、パリレン、ポリマー、ガラス、シリコンなどの、同じ材料または異なる材料の複数の層からなってもよい。成膜工程には、CVD(化学気相蒸着)、PVD(物理的蒸着)、または実質的に規則的な層、好ましくはコンフォーマル層を成膜できる任意の適切な工程が含まれてもよい。
c.図14C:装飾および/またはバラスト要素1404が第1膜1424上の予め定められた場所に設置され、望ましい1つ以上のイメージを形成する。
d.図14D:第2膜1426が装飾および/またはバラスト要素1404と第1膜1424とに成膜する。第1膜1424と第2膜1426が統合し、装飾および/またはバラスト要素1404を含む均質な膜1420を形成するように、第2膜1426のための材料および工程は第1膜1424のための材料および工程と極めて類似である。
e.図14E:レーザ切断、化学エッチング、型押し、または当産業で周知のその他の任意の適切な工程などの工程を用いて、開口1422が膜で切断されてもよい。
f.図14F:形状ツール1430が取り外され、膜が枠1412に取り付けられるのみにする。
このような知識は当産業で周知であるため、工程の各ステップのすべての詳細が本明細書に記載されているわけではないことに注意されたい。洗浄、抗付着表面処理などの工程が上記方法で用いられねばならないことは明白である。
【0041】
次に図15Aから15Dを参照すると、形状ツール1530は、膜1520の特定のフィーチャおよびジオメトリを得るのに適切な異なるジオメトリを有してもよい。ツールにより、膜1520を片側で平坦またはほぼ平坦にすることができ(図15B)、ほぼ平坦でない膜が提供され(図15C)、より高い可撓性を有する領域1524、または1つ以上のイメージに動きを付すために適切な上記の任意の組み合わせが提供される。
【0042】
次に図16Aから16Cを参照すると、動きを付された1つ以上のイメージを有する流体カプセル1600を提供するために、複数のシステム構成が用いられてもよい。流体カプセルは、少なくとも枠1612と、使用者/着用者がアニメーションを見られるように少なくとも一部が透明な上部ガラス1614と、不透明か一部または全部が透明であって使用者/着用者が流体カプセル1600を見通せる下部1616と、で形成される。装飾要素1604を含む膜1620はカプセル1600内部の任意の高さに設置されてカプセル1600を2つ以上の体積に切離してもよく、それらを異なる流体1606、1608で充填してもよい。第1流体1606は第2流体1608と、異なる屈折率、異なる色、異なる濃度、異なる粘性、異なる磁気または電気特性、その他の任意の物性特性差など、異なる物性を有してもよい。流体は非混和性でもよい。装飾要素1604は性質が固体でもよいが、流体、液体、ゲルからなってもよく、または流体、液体、ゲル、1つ以上の固体要素を組み合わせてもよく、膜1620に密封される。
【0043】
次に図17Aから17Cを参照すると、流体アニメーションカプセル1700は、少なくとも枠1712と、使用者/着用者がアニメーションを見られるように少なくとも一部が透明な上部ガラス1714と、不透明か一部または全部が透明であって使用者/着用者が流体カプセル1700を見通せる下部1716と、で形成される。当該流体カプセル1700を、濃度、粘性、屈折率、色、電気または磁気特性、その他の任意の物性特性差など、異なる物理特性を有する2つ以上の異なる流体1706、1708で充填してもよい。流体は非混和性でもよい。重力に対してカプセル1700の向きを変えたり、使用者/着用者がカプセルに加速を加えたりすると、流体1706、1708の動きにより膜1720に変形が生じる。
【0044】
次に図18Aから18Bを参照すると、流体アニメーションカプセル1800は、少なくとも枠1812と、使用者/着用者がアニメーションを見られるように少なくとも一部が透明な上部ガラス1814と、不透明か一部または全部が透明であって使用者/着用者が流体カプセル1800を見通せる下部1816と、で形成される。また、膜1820の変形は、異なる物理特性を有する複数の流体1806、1808を用いる組み合わせにより得られるが(流体は非混和性でもよい)、固定支持部1840の利用や、移動すると膜を変形させる可動固体要素1850の追加によっても得られる。当該固定支持部1840または可動固体要素1850は、動きを付された1つ以上のイメージに関与するように意図的に可視でもよく、または着用者/使用者に不可視であるように、周囲流体1806、1808に似た屈折率を有する材料からなってもよい。
【0045】
次に図19を参照すると、流体アニメーションカプセル1900は、少なくとも枠1912と、使用者/着用者がアニメーションを見られるように少なくとも一部が透明な上部ガラス1914と、不透明か一部または全部が透明であって使用者/着用者が流体カプセル1900を見通せる下部1916と、で形成される。膜1920は、開口1922と、フラップ1952を形成する領域と、を含んでもよい。フラップ1952は極めて可撓性の高い領域を構成し、可動固体要素1950が一時的に静止またはその上を通過したり、周囲流体1906が開口1922を介して移動したりすると、容易に変形する。このように膜1920の局所的な変形は増加してもよく、それによりアニメーション効果が向上する。膜1920のフラップ表面および/またはノンフラップ部分表面は装飾要素を運搬してもよく、プリント、または金属やその他の任意の装飾方法でコーティングしてもよい。可動固体要素1950は、動きを付された1つ以上のイメージに関与するように意図的に可視でもよく、または着用者/使用者に不可視であるように、周囲流体1906に似た屈折率を有する材料からなってもよい。可動固体要素1950は重力に対する流体アニメーションカプセルの向きの変化により移動する。可動固体要素1950のいくつかまたはすべては重力に対して反対方向に移動する傾向にある周囲流体1906の濃度に著しく劣る濃度を有してもよく、可動固体要素1950のいくつかまたはすべては重力に従って移動する傾向にある周囲流体1906の濃度に著しく優る濃度を有してもよい。
【0046】
次に図20A~20Eを参照すると、システム2000は流体2006に浸漬しており、ベースプレート2030に保持された1つ以上の浮遊要素2020を含み、浮遊要素は移動または傾斜の自由が制限されている。浮遊要素2020は柱2022およびスタンドオフ2024を含んでもよく、保持プレート2030を構成するバルク材料の同じ部分から機械加工されるか、または複数の部分から組み立てられる。保持プレート2030は開口2032を有し、浮遊要素2020の移動する自由が制限されるように浮遊要素の柱2022よりも大きい寸法を有する。スタンドオフ2024は、動きに十分な透過性を可能にする緩いアリ溝相互接続内など、例えば全平面方向の一定角度まで、浮遊要素が開口2032から落下してしまうのを回避するのに十分大きい。浮遊要素2020の表面2016は装飾要素2014を運搬してもよく、プリント、または金属やその他の任意の装飾方法でコーティングしてもよい。チャネル2060は第2プレート2062を追加してベースプレート2030の背後に提供される。可動要素2050はチャネル2060に含まれ、重力、周囲流体2006の濃度、およびそれら自身の濃度に対するシステム2000の向きの組み合わせに従って自由に移動する。チャネル2060の寸法は、可動要素2050の少なくとも一部が可動要素2020のスタンドオフ2024に接触するように最適化され、それにより浮遊要素2020がランダムに動き、浮遊要素2020の一般的な動きによって一目見て生き生きとした絵が生成される。また、第2プレート2062およびチャネル2060は浮遊要素2020上部に取り付けられ、この場合可動要素2050は通過中、装飾要素2014に直接接触し、それにより浮遊要素2020がランダムに動き、浮遊要素2020の一般的な動きによって一目見て生き生きとした絵が生成される。ベースプレート2030、第2プレート2062、浮遊要素2020、および可動要素2050は、観察者にほぼ不可視であるように、周囲液体2006の屈折率とほぼ同じ屈折率を有する材料からなってもよい。この場合浮遊要素2020の装飾2014は観察者には不可視で懸濁しているように見える。
【0047】
特に図20Dを参照すると、浮遊要素2020の傾斜は柱長さ(2022’、2022’’)を変えることで強化または促進される。加えて、柱/スタンドオフの形状の組み合わせを代替的に用い、組み合わせることで、傾斜方向を予め決定する。
【0048】
特に図20Eを参照すると、浮遊要素2020は、関節2070により互いに連結された2つの部分からなってもよい。関節2070により、浮遊要素2020の表面2016は、柱2022の向きに対して異なる向きを有することができる。
【0049】
次に図21A~21Cを参照すると、システム2100は流体2106に浸漬しており、ロッド2122およびピボット2134、または図20Aで説明される緩いアタッチメント同様の物を介してベースプレート2130に保持された1つ以上の浮遊要素2120を含み、浮遊要素2120の傾斜する自由が制限されるようにする。ロッド2122およびピボット2134は、保持プレート2130を構成するバルク材料の同じ部分から機械加工されるか、または複数の部分から組み立てられる。浮遊要素2120の表面2116は装飾要素2114を運搬してもよく、プリント、または金属その他の任意の装飾方法でコーティングしてもよい。チャネル2160は第2プレート2162を追加してベースプレート2130の背後に提供される。可動要素2150はチャネル2160に含まれ、重力、周囲流体2106の濃度、およびそれら自身の濃度に対するシステム2100の向きの組み合わせに従って自由に移動する。漏斗形状2124としてのロッドは可動要素2150の通過に適している。ロッド2122はチャネル内に突出し、その寸法およびチャネル2160の寸法は可動要素2150の少なくとも一部が漏斗2124を強制的に通過するように最適化され、それにより浮遊要素2120がランダムに動き、浮遊要素2120の一般的な動きによって一目見て生き生きとした絵が生成される。可動要素の通過時間に影響するように漏斗2124の大きさは可動要素2150の大きさに対して最適化され、アニメーションの速度を調整する。システム2100では、異なる浮遊要素2120がその漏斗の大きさにより異なるアニメーションタイミングを有してもよい。ベースプレート2130、第2プレート2162、浮遊要素2120、および可動要素2150は、観察者にほぼ不可視であるように、周囲液体2106の屈折率とほぼ同じ屈折率を有する材料からなってもよい。この場合浮遊要素2120の装飾2114は観察者には不可視で懸濁しているように見える。
【0050】
いくつかの可動要素はシステムの不可視部分に隠れてもよく、アニメーションが作動すると現れる。
【0051】
いくつかの可動要素はシステムの任意位置で互いに隠れてもよく、アニメーションが作動すると隠れた可動要素が突然現れる。
【0052】
いくつかの要素はそれらが互いに重なる場合に色を変えてもよく、例えば半透明の青い部分上に半透明の黄色い部分が重なると緑色が現れる。
【0053】
本願で開示および説明される特定の実施形態は、本発明の代表的および最適な態様を示すものであって、本発明の範囲を制限することを意図したものでは決してないことを理解されたい。
【0054】
利点として、本システムおよび方法/装置は、個人の装身具のための一目見て生き生きとした装飾を作り出す。
【0055】
別の利点として、本発明は装飾物に動きを付す。
【0056】
別の利点として、本発明は動くとその外観を変化させる。
【0057】
また別の利点として、本発明は物への不可視で一部可動な固定を提供し、それにより魅力的な効果を提供する。
【0058】
当業者には理解されるように、本発明はシステム、装置又は方法として具現化することが可能である。
【0059】
また、本願のシステムは、本願と同様の機能を有する全ての物品、サービス又は情報の使用、販売及び/又は流通を意図したものである。
【0060】
本願の明細書及び図面は限定するためではなく例示的なものとして理解されたく、本願で説明される全ての改良は、本願の請求する発明の範囲に包含されることを意図される。従って、本願発明の範囲は、上記された単なる例示案からではなく、添付される請求項(すでに存在している、又は後に補正あるいは追加される請求項、又はそれに法的に相当する物)によって判断されるべきである。全ての方法又は工程の請求項で記載されるステップは、特に記載のない限りいかなる順序であっても実行可能であり、請求項に記載される特定の順序に限定されるものではない。さらに、装置の請求項で記載される要素及び/又は部品は、本願と本質的に同様の成果をもたらす様々な置換で組立又は操作的に構成されることも可能である。総じて、本願発明は請求項で記載される特定の構成に限定されるものではない。
【0061】
本願で記載される便益、利点や解決法は、全ての請求項の必須、重要あるいは不可欠な特徴又は要素であると考慮されるべきでない。
【0062】
本願で用いられる「からなる」、「から構成される」やその他の同様の言い回しは、要素の非限定的な一覧を表すために用いられ、その要素一覧から構成される本発明の装置、工程、方法、物品、又は構成は記載される要素のみを含むわけではなく、本明細書に記載されるその他の要素を含むことも可能である。また、「を含む」、「を含んでなる」または「を本質的に含む」といった言い回しは、別段に指定のない限り、列挙される要素のみに発明の範囲を限定する意図で用いられるものではない。本発明の実施に用いられる上記された要素、材料又は構造の組み合わせ及び/又は改良は、本発明の一般原則から逸脱することなく、当業者によってその他の設計に変更または適応することも可能である。
【0063】
上記で挙げられた特許及び記事は、別段の記載のない限り、本開示に反しない範囲において参照することにより本件に組み入れられる。
【0064】
本発明は以下の特徴セットを備えるものとして要約できる。
1.機械的固定要素(104、202、304、404、506、606、704、706、804、806、1220、1820、1920、2020、2030、2120、2130)により流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1606、1608、1706、1708、1806、1906、2006、2106)中に機械的かつ移動可能に懸濁する少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)を含むシステム(100、200、300、400、500、600、700、800、1200、1600、1700、1800、1900、2000、2100)であり、該流体が機械的固定要素の少なくとも1つとほぼ同じ屈折率を共有するシステム。
2.該機械的固定要素(104、202、304、404、506、606、704、706、804、806)が該装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)の制限された動きを可能にする緩い機械的連結である、特徴セット1に記載のシステム。
3.該機械的固定要素(104、202、304、404、506、606、704、706、804、806)が該装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)の制限された動きを可能にする少なくとも1つの可撓性膜(1220、1320、1324、1326、1420、1424、1426、1520、1620、1720、1820、1920)である、特徴セット1に記載のシステム。
4.該装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)が、金属、クリスタル、ダイヤモンド、その他の任意の装飾要素でコーティングされた該可撓性膜(1220、1320、1324、1326、1420、1424、1426、1520、1620、1720、1820、1920)の部分である、特徴セット3に記載のシステム。
5.該装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)が該可撓性膜(1220、1320、1324、1326、1420、1424、1426、1520、1620、1720、1820、1920)に密封された1つ以上の液体またはゲルである、特徴セット3に記載のシステム。
6.該少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)が少なくとも1つのイメージを形成する、特徴セット2、3、4、または5に記載のシステム。
7.重力に対する該システム(100、200、300、400、500、600、700、800、1200、1600、1700、1800、1900、2000、2100)の向きの変化により該装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)の動きが生じ、該イメージに動きが付される、上記特徴セットのいずれかに記載のシステム。
8.該周囲流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1606、1608、1706、1708、1806、1808、1906、2006、2106)内で自由に移動する少なくとも1つの可動要素が該少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)の一部に衝突または一時的に静止することで該少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1204、1304、1404、1604、2014、2114)の該動きを増加させる、特徴セット7に記載のシステム。
9.該少なくとも1つの可動要素の少なくとも1つが該流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1606、1608、1706、1708、1806、1808、1906、2006、2106)とほぼ同じ屈折率を共有する、特徴セット8に記載のシステム。
10.個人の装身具などの装飾物に動きを付すことを含み、特徴セット1に記載のシステムを用いる方法。
11.本明細書、従属請求項、(参照として本明細書に組み込まれる)要約書、および/または図面に記載のシステムおよび/または方法。
【0065】
本発明の他の特徴及び実施形態は添付の請求項において説明される。
【0066】
本発明の実現のために用いられる材料は、適切で本発明の作業温度範囲に準拠するように選択される。当該材料は、例えば、金属、ポリマーまたはガラス、特にサファイアガラスである。同様に、本発明の実現のために用いられる構造の場合には、例えば、ベローズ、チップ、または真性膜などの当該構造が、適切で本発明の作業温度範囲に準拠するように選択される。
【0067】
本願システムは熱補償システムを含んでもよく、該システムは液体の熱膨張および/または収縮に適応する機構を含み、温度上昇の場合は液体のシステム外への漏出を生じうる許容不能な高圧の発生を、また低温の場合は液体内での魅力的でない気泡の発生を回避する。このような熱補償は、着用者に一部または全部が不可視でもよい。このようなシステムは2015年4月7日に同一出願人により出願されたPCT出願第PCT/IB2015/000448号「透明な空洞内での液体の吸収/膨張/収縮/動きのためのシステムおよび方法」に開示され、その内容は参照として組み込まれると共に、それに依拠する。
【0068】
また、本発明は、電力消費要素を作動させるために使用者により電力供給される小型携帯可能装置を収容および使用してもよく、それは好ましくは着用可能で、力学エネルギー貯蔵を利用し、バッテリーやその他の電気化学貯蔵装置を必要とせずに、限られた時間、バックライト、イルミネーション、その他の特殊効果目的のために、要求に応じて起動する小型特殊効果要素を組み入れる。装置は、手動ばね負荷機構と、渦巻ばねと、手動トリガ機構と、回転速度を上げるためのトランスミッションと、小型ジェネレータと、トランスミッタまたは光源、好ましくは発光ダイオードなどの少なくとも1つの電力消費要素と、を含む。このような装置は2016年3月7日に同一出願人により出願されたPCT出願第PCT/IB2016/000249号「使用者により電力供給される小型照明装置、システム、およびその使用法」に開示され、その内容は参照として組み込まれると共に、それに依拠する。
【0069】
さらに、本発明は、新規性、進歩性及び産業上の利用性を具備すると考慮される本明細書、添付の請求項及び/又は図面において説明された全ての特徴の可能な全ての組み合わせから構成されることを考慮されたい。
【0070】
著作権は出願人またはその譲受人によって保有され、1つまたは複数の請求項で定義される権利の第三者への明示的なライセンス付与に関しては、本発明を残りの請求項に定義されるように使用する黙示的なライセンスは一切許諾されていない。さらに、一般または第三者に対して、この添付物および本願に含まれる全てのコンピュータープログラムを含め、本願明細書に基づいて二次的著作物を作成する明示的または黙示的なライセンスは許諾されていない。
【0071】
本発明の付加的な特徴及び機能性は添付の請求項及び/又は要約書において説明される。それらの請求項及び/又は要約書は参照として本明細書にその全てが組み込まれ、提出された出願の一部と考慮されたい。
【0072】
上述された発明の実施形態において、様々な変更及び改良を加えることが可能である。本発明の特定の具体的な実施形態が開示及び説明されたが、幅広い変更、改良及び置換が上述の実施形態では考慮される。上記の説明には多くの特定事項が含まれるが、発明の範囲を限定するものとしてではなく、むしろ1つ又はその他の好適な実施形態の例示であると考慮されたい。場合によっては、本発明のいくつかの特徴は、対応する他の特徴を使用することなく用いられる。従って、上述の説明は広義に解釈され、単なる例示として理解され、本発明の精神及び範囲は本出願で最終的に発行される請求項によってのみ限定されるべきである。


図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A-6B】
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図21A
図21B
図21C