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特許7570345精神障害のための治療の診断および推奨の方法および利用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】精神障害のための治療の診断および推奨の方法および利用
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/20 20180101AFI20241011BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20241011BHJP
   G16H 50/00 20180101ALI20241011BHJP
   G16H 10/20 20180101ALI20241011BHJP
【FI】
G16H50/20
A61B10/00 H
G16H50/00
G16H10/20
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021558492
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2020057670
(87)【国際公開番号】W WO2020188051
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】62/820,490
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520143786
【氏名又は名称】ケンブリッジ コグニション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】グレンジャー,キリ
(72)【発明者】
【氏名】バーネット,ジェニファー
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-130454(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0046114(US,A1)
【文献】Kiri T. Granger et.al.,Enhanced latent inhibition in high schizotypy individuals,Personality and Individual Differences 91 (2016) 31-39,[検索日:2024年4月4日] URL<https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0191886915300611>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61B 10/00-10/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非侵襲的なコンピュテーショナルデバイスによるテストを利用して精神障害の臨床試験のために個体を群に割り付ける方法であって、前記方法が、コンピュータソフトウェアにより指令されるコンピュータによって自動的に行われ、前記方法が、
a.前記個体が潜在抑制評定を実施することができるように、前記コンピュテーショナルデバイスおよびそれに連結されたグラフィカルユーザインターフェースを用いて、前記潜在抑制評定を前記個体に提示することであって、前記潜在抑制評定が事前暴露フェーズおよびテストフェーズを含み、
i.前記事前暴露フェーズが、
第一の刺激群の各刺激にどのように応答するかについての第一の指示セットを前記個体に提示することであって、前記第一の指示セットが、定義された手法で前記第一の刺激群の各刺激に応答することを前記個体に要求する事前暴露フェーズ指令を含むこと、
前記第一の刺激群無作為な順序前記個体に提示することであって、各刺激が250ミリ秒~1,250ミリ秒の時間にわたって提示され、各刺激の間に10ミリ秒~500ミリ秒の間隔時間を含み、前記第一の刺激群が少なくとも1つの事前暴露刺激および1つ以上の中性刺激を含む複数の刺激を含むこと、
を含み、
ii.前記テストフェーズが、
第二の刺激群の各刺激にどのように応答するかについての第二の指示セットを前記個体に提示することであって、前記第二の指示セットが、標的刺激の発生を予想することを前記個体に要求するテストフェーズ指令を含むこと、
前記第二の刺激群を前記個体に提示することであって、各刺激が250ミリ秒~1,250ミリ秒の時間にわたって提示され、各刺激の間に10ミリ秒~500ミリ秒の間隔時間を含み、前記第二の刺激群が前記少なくとも1つの事前暴露刺激、非事前暴露刺激、前記標的刺激および前記1つ以上の中性刺激を含む複数の刺激を含むこと、
前記複数の刺激からの各刺激への前記個体の標的予想応答に関連する時間を測定すること、
により前記第二の刺激群の提示に従って前記グラフィカルユーザインターフェースとの前記個体の相互作用を記録および分析することであって、前記標的刺激への応答が前記第二の指示セットによる前記刺激の提示時間および各刺激間の間隔時間の合計より短いことが、前記個体が前記標的刺激の発生を予想したことの指標であり、前記標的刺激への応答が前記第二の指示セットによる前記刺激の提示時間および各刺激間の間隔時間の合計以上であることが、前記個体が前記標的刺激の発生を予想することができなかったことの指標であること、
を含むこと、
b.前記標的刺激への前記応答が発生した提示数のカウント、前記標的刺激への応答数の中心傾向、または前記標的刺激への応答数の中心傾向からの距離のうちの1つ以上を解析する1つ以上の統計解析において標的予想応答に関連する前記時間をモデル化すること、および前記個体が、潜在抑制スコアから減弱された潜在抑制応答を呈するか、正常な潜在抑制応答を呈するか、または増強された潜在抑制応答を呈するかを判定すること、により前記個体の潜在抑制応答を測定して前記潜在抑制スコアを計算すること、ならびに
c.前記臨床試験に選定された群に前記個体を割り付けること、
を含む、方法。
【請求項2】
ステップ(a)(i)が、前記第一の刺激群からの各刺激への前記個体の応答を測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記個体が、前記第一の指示セットに従った前記第一の刺激群の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%に応答すれば、前記方法が、ステップ()(ii)の前記テストフェーズに進む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ()(ii)において、前記事前暴露刺激の提示後と前記非事前暴露刺激の提示後とで、前記標的刺激に同数の提示が発生する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ()(ii)において、前記非事前暴露刺激の提示後と前記事前暴露刺激の提示後とでは、前記標的刺激に非同数の提示が発生する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(b)において、前記潜在抑制スコアが、1つ以上の反応時間を判定すること、予想応答の数を判定すること、予想応答のパーセント値を判定すること、または正確度-感度dスコアを判定すること、により計算される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(b)において、前記個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、前記潜在抑制スコアを潜在抑制スコアの標準範囲を含む参照スコアと比較することをさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
割り付けが、前記個体の前記潜在抑制スコアが減弱された潜在抑制応答の指標か、正常な潜在抑制応答の指標か、または増強された潜在抑制応答の指標か、に基づく、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
作業記憶を評価することをさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記精神障害として、統合失調症スペクトラム障害、強迫性障害、不安障害、双極性障害、または認知症が挙げられる、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実行するためにプログラミングされたコンピュータ。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を操作するコンピュータ。
【請求項13】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実行するように適合されたシステム。
【請求項14】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実行するコンピュータプログラムが保存または他の方法で記録されている記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(e)に規定された、2019年3月19日出願の米国特許仮出願第62/820,490号への、優先権の利益および出願日を主張するものであり、該仮特許出願の内容全体は、全体として参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
精神障害は、個体において異常な思考および知覚を引き起こす重度の精神分裂を特徴とする心の異常な状態である。これらの分裂は一般に、3群に分類される。第一は、個体が現実でないものを見る、聞くおよび信じる幻覚、ならびに個体が奇妙で固執する思考、行動および感情を有する妄想などの精神病症状である。第二は、個体が情報を吸収および解釈し、その情報を基にして意思決定することが難しく、注意を持続することができなくなり作業記憶欠損を有する、実行機能の問題を含む、認知症状が挙げられる。最後は、情動鈍麻または平坦な情動(固定した表情、単調な声)、日常生活における喜びの欠如(うつのようなアンヘドニア)および意欲の欠如(意欲消失)、予定の行動を開始および持続する能力の低下、発語の貧困(失語)および発語の希薄(相互作用を促した場合でも)をはじめとする、正常な感情および行動が欠如または低減する、陰性症状である。そのため精神障害に罹患した個体は、現実のものを認識することが難しい。精神障害には、1つの特定の原因はない。
【0003】
精神障害は、心の健康状態、身体の疾病もしくは傷害、物質乱用、心的外傷、遺伝的体質、またはそれらの任意の組み合わせの結果であり得る。精神障害の複雑な性質および原因の多様性を考慮すると、個体における精神障害の根底的原因を診断することは非常に困難である。精神障害は、世界人口の少なくとも1%に影響を及ぼし、生涯を通した身体障害性の疾病である。米国では、人口の約3%に、ある時点で精神障害が現れることになる。
【0004】
ヘルスケアの専門家が現在直面している一問題は、心の健康状態による精神障害の診断において、最初に、他の潜在的原因を排除する必要がある、ということである。例えば、中枢神経系疾患、脳腫瘍、感染症、てんかん、毒素暴露もしくは睡眠不足のような身体の疾病もしくは傷害;アルコール、マリファナ、LSD、もしくはアンフェタミンのような物質乱用;死亡、戦争もしくは性的暴行のような心的外傷;または他の健康問題を引き起こす場合などにおいて、心の健康状態が、精神障害の理由になり得る。この原因が、心の健康状態に関連する場合、早期治療が最良の回復見込みとなるため、早期診断が重要になる。研究により、精神障害に見舞われた個体が治療を受けるのが早期であるほど、個体の長期の生活の質が良好になることが示されている。
【0005】
ヘルスケアの専門家が直面している別の問題が、精神障害を治療するために認可された唯一の薬物がドーパミン受容体ブロッカーのようなドーパミン作動系抗精神病薬(APD)である、ということである。しかしそのようなAPDは、妄想および幻覚などの精神障害の精神病症状を治療するに過ぎない。APDは、個体が普通の生活を送るための機能を最も奪い、生活の質に最も影響を及ぼすような、陰性症状または認知症状への効果を有さない。医薬業界による近年の少なからぬ努力にもかかわらず、精神障害に関連する認知および陰性症状に取り組む新規なメカニズムは、いまだ認可されておらず、多くの後期減退が存在している。認知および陰性症状は、全ての精神障害にほぼ例外なくあてはまるため、APDの無効性は、精神障害に罹患した個体に大きな個人的および社会的犠牲をもたらす社会的および機能的転帰不良の助長要因である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
残念ながら、精神障害は現在、予防することができない。このため、診断が決定されて適切な治療法が開始されるのが早急であるほど、個体の転帰は良好になる。例えば早期治療は、精神障害に関連する全ての症状の予防に役立ち、できるだけ早急に援助を求めることで、個人の生活、家族および人間関係を支援することができる。加えて、精神障害のより正確な診断が、正しい薬剤を処方する上でヘルスケア提示者をより良好に支援することができる。例えば精神障害の根底にある原因、精神障害に関連する症状、病態に関与するメカニズム、および特有のAPDへの応答に関する大きな異質性があれば、最良の薬剤が同定されるまで、治療法が何度も試行錯誤される。したがって、精神障害を診断するためのより良好でより正確な方法を開発することが、この病気に罹患した個体を効果的に治療するために重要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
一態様において、本明細書は、非侵襲的なコンピュテーショナルデバイスによるテストを利用して精神障害の臨床試験のために個体または患者を群に割り付けるシステムおよび方法を開示している。開示された群割り付けシステムおよび方法は、a)コンピュテーショナルデバイスで実行する潜在抑制テストプログラムを個体に実施させること;b)個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算し、個体が減弱された潜在抑制応答を呈するか、正常な潜在抑制応答を呈するか、または増強された潜在抑制応答を呈するかを判定すること;およびc)臨床試験により選定された群に個体を割り付けること、を含む。開示された潜在抑制テストプログラム手順は、事前暴露フェーズおよびテストフェーズを含む。
【0008】
別の態様において、本明細書は、非侵襲的なコンピュテーショナルデバイスによるテストを利用して個体の精神障害を判定するシステムおよび方法を開示する。開示された精神障害判定システムおよび方法は、a)コンピュテーショナルデバイスで実行する潜在抑制テストプログラムに個体についての情報を入力すること;b)コンピュテーショナルデバイスで実行する潜在抑制テストプログラムを個体に実施させること;c)個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算し、個体が減弱された潜在抑制応答を呈するか、正常な潜在抑制応答を呈するか、または増強された潜在抑制応答を呈するかを判定すること;およびd)個体の精神障害を計算すること、を含む。開示された情報は、これが精神障害のための最初の評定か、もしくは後続の評定か、個体が現在、精神病症状に見舞われているか否か、個体が精神障害歴を有するか否か、そして/または個体が抗精神病薬治療の抵抗歴を有するか否か、をはじめとする個体の病歴を含む。開示された潜在抑制テストプログラムは、事前暴露フェーズおよびテストフェーズを含む手順を含む。
【0009】
別の態様において、本明細書は、非侵襲的なコンピュテーショナルデバイスによるテストを利用して精神障害の個体を治療するための治療法を推奨するシステムおよび方法を開示する。開示された治療法推奨システムおよび方法は、a)コンピュテーショナルデバイスで実行する潜在抑制テストプログラムに個体についての情報を入力すること;b)コンピュテーショナルデバイスで実行する潜在抑制テストプログラムを個体に実施させること;c)個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算し、個体が減弱された潜在抑制応答を呈するか、正常な潜在抑制応答を呈するか、または増強された潜在抑制応答を呈するかを判定すること;およびd)個体を治療するための推奨治療法を計算すること、を含む。開示された情報は、これが精神障害のための最初の評定か、もしくは後続の評定か、個体が現在、精神病症状に見舞われているか否か、個体が精神障害歴を有するか否か、そして/または個体が抗精神病薬治療の抵抗歴を有するか否か、をはじめとする個体の病歴を含む。開示された潜在抑制テストプログラムは、事前暴露フェーズおよびテストフェーズを含む手順を含む。開示された推奨治療法は、例えばi)治療法の推奨がないこと、あるいはii)認知機能向上剤で治療すること、抗精神病薬で治療すること、クロザピンもしくは治療抵抗性精神病症状のための代替薬で治療すること、またはそれらの任意の組み合わせを包含する。
【0010】
添付の図面は、本発明の態様を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本明細書で開示された例示的コンピュータシステムの略図である。
図2】本発明のコンピュータ実装評定法のフローチャートである。
図3図2の本発明のコンピュータ実装評定法の事前暴露部分のフローチャートである。
図4図2の本発明のコンピュータ実装評定法のテスト部分のフローチャートである。
図5図2の本発明のコンピュータ実装評定法の潜在抑制スコア部分のフローチャートである。
図6】本明細書に開示されたシステムおよび方法を用いた潜在抑制に基づくスコアに従った診断および治療推奨のマトリックスである。
図7】本明細書に開示されたシステムおよび方法を用いた潜在抑制および作業記憶に基づくスコアに従った診断および治療推奨のマトリックスである。
【0012】
上記の図面は、以下の記載においてさらに詳細に定義される例示的実施形態の少なくとも1つにおいて本発明の態様を示している。異なる図において同じ数字で参照される本発明の特色、要素および態様は、同一、均等、または類似の特色、要素、または態様を1種または複数の実施形態に従って表している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
記載
我々はそれぞれ、日常生活全体で感情、感覚、および音感の流入を経験する。我々が、無視すること、および注意を払うことを常時意識して決定しなければならないなら、急速に刺激過多となろう。しかし我々のほとんどは、潜在抑制と呼ばれる行動現象を利用して過去に標識された次に来る刺激のこの一定の流れの気づきをスクリーニングし、遮断することができる。
【0014】
潜在抑制は、異なる、または同一の中立的状況における同一刺激について既に過去に学習している場合の、刺激の関連性を学習する能力の低減を指す。そのため、既知または無関連刺激は、新奇または関連刺激に比較して意味または要点を会得するのにより長い時間を要する。この工程は、我々の注意を低減させ、またはそのような良性刺激を無視させて(注意のフィルタリング)、新奇または関連刺激に選択的に注意を向けさせることが可能となる。したがって潜在抑制は、無関連刺激を無視する能力の尺度と見なすことができる。過去に無関連であった刺激を無視するこの傾向は、無意識であり、つまり脳はこの工程を自動的に実行しており、感覚の過重負担を予防するためであると考えられる。
【0015】
潜在抑制は、連合学習の正常な変調である。潜在抑制の基本的思考は、既知のものを学びほぐすことよりも、新奇のものを学習することの方が容易であることが多い、ということである。特に、何かを認識する、または何かを他のものに関連づけることを学習すると、その意味が変化した場合にそれを学びほぐすことが困難になる。多くの場合、既知のものに既になされた関連性に再度割り付けることよりも、新奇なものに関連づけることの方が容易である。過去の学習には、干渉効果が生じる。
【0016】
関連刺激と無関連刺激とを識別できないことが実証される個体は、潜在抑制の機能障害を有する。1)無関連刺激を無視することができない減弱された潜在抑制欠損;および2)無関連刺激が関連するようになった時にそれに気づくことができない増強された潜在抑制欠損、という二極の潜在抑制欠損が存在する。
【0017】
分裂または低減された潜在抑制欠損としても知られる通り、減弱された潜在抑制欠損を発現する個体には、新奇刺激(非事前暴露の手がかり)に比較して過去に無関連であった刺激(事前暴露の手がかり)で学習がより遅いということはない。過去に暴露された無関連刺激を無視することができない個体。無関連な情報に集中し、それを無視することができないために、関連性にかかわらず全ての刺激に注意を向け続ける個体。
【0018】
強化された、または持続的な潜在抑制欠損としても知られる通り、増強された潜在抑制欠損を発現する個体には、新奇刺激(非事前暴露の手がかり)に比較して過去に無関連であった刺激(事前暴露の手がかり)への学習の低減が大きい。関連するようになっても、無関連刺激の無視を止めることができない個体。個体は、行動に柔軟性がない、または注意の状態が変わらないことを示す。過去に無関連であった刺激に対して無関心になりやすい。
【0019】
潜在抑制アッセイは、個体の潜在抑制が正常範囲内で機能しているかどうかを判定するために開発された。これらのアッセイは一般に、2つの試験計画、即ち、参加者間計画および参加者内計画のうちの一方に含まれる。
【0020】
潜在抑制アッセイの参加者間計画では、参加者は、事前暴露群または非事前暴露群のどちらかに配分される。両群とも、事前暴露刺激に慣れた状態で事前暴露フェーズに参加する(多くの場合、マスキングパラダイムと併せて)。テストフェーズでは、事前暴露群の参加者は、事前暴露刺激と標的アウトカムの間の関連性を学習する能力(事前暴露状態)について評定されるが、非事前暴露群の参加者は、同一の標的アウトカムを有する事前暴露刺激と新奇刺激の間の関連性を学習する能力(非事前暴露状態)について評定される。事前暴露群の参加者が非事前暴露群の参加者より手がかり-標的の関連性の学習が遅い場合に、潜在抑制が実証される。
【0021】
参加者間計画を利用した潜在抑制アッセイで用いられた手順には、いくつかの限界があり、最も顕著なことは、事前暴露群および非事前暴露群の両者が異なる参加者で構成されていて、全群を通して同一状態で患者をマッチングすることが困難であるということであり、そのため患者における潜在抑制の影響を参加者の相対的対照群で認められたパフォーマンスレベルに比較する場合、交絡が生じる。
【0022】
潜在抑制アッセイの参加者内計画では、全ての参加者が、事前暴露刺激に慣れた/無関連の状態で事前暴露フェーズに参加する(多くの場合、マスキングパラダイムと併せて)。参加者内計画は、テストフェーズをさらに含む。テストフェーズでは、参加者は、事前暴露刺激と標的アウトカムとの関連性(事前暴露状態)、および同じ標的アウトカムを有する新奇刺激との関連性(非事前暴露状態)を学習する能力で測定される。
【0023】
参加者内計画は、同一個体内で比較された事前暴露および非事前暴露刺激の両方についてのパフォーマンスおよび学習を可能にする点で、参加者間計画を超える利点を有する。参加者間計画では、異なる参加者が、事前暴露または非事前暴露群のどちらかに割り付けられ、その後、パフォーマンスについて比較されるため、参加者間計画は、個体ごとの潜在抑制の測定ができず、2群を通して同一症状の参加者および患者をマッチングさせることが困難である。
【0024】
しかし、現行の参加者内計画に依存する潜在抑制アッセイで用いられる手順には、いくつかの限界があり、その最も顕著なことは、潜在抑制以外の学習現象と連携する手順を作成する指令を通して、刺激-標的の予期がテストフェーズの前に確定されることである。例えば、標的アウトカムは、事前暴露刺激が提示された時に出現すること(そして出現しないこと)を予期したため、事前暴露フェーズの際の標的出現の予期を行うことにより、(潜在抑制の代わりに)条件付き抑制の効果が学習される。事前暴露の際に手がかりが標的の非存在を予測するため、テスト段階で手がかり-標的関連性の学習の低減が存在すれば、条件付き抑制が発生する。この陰性予測誤差は、事前暴露刺激と標的アウトカムとの抑制的関連性の形成をもたらし、潜在抑制以外の理由で後の学習を緩徐にする。
【0025】
加えて、テストフェーズからの標的アウトカムを手がかりとペアリングせずに事前暴露フェーズで暴露することで、代わりの制限である学習された無関連性を確定する。事前暴露フェーズでは手がかりが標的アウトカムの希少な予測因子であるため、学習された無関連性は、学習の低減が存在する場合に発生する。この陰性予測誤差は、事前暴露刺激と標的アウトカムの非存在の間の正の関連性の形成をもたらし、潜在抑制以外の理由で後の学習を緩徐にする。
【0026】
本明細書は、条件付き抑制および学習された無関連性の交絡をはじめとする、現行の参加者内潜在抑制のパラダイムに関連づけられた問題に取り組む潜在抑制を測定するシステムおよび方法を開示する。開示されたシステムおよび方法は、一部として、事前暴露フェーズの前に標的アウトカムへの指令または明白な暴露のどちらかを通して標的刺激の予期を設定しないことにより、潜在抑制を確実にする。このことは、一部として、事前暴露フェーズで全ての刺激を関連すると確定することにより実現され、標的刺激の予期は、テスト段階の前しか導入されない。これは、条件付き抑制および学習された無関連性の認知-行動効果をはじめとする他の学習効果の影響/観察を排除する。現行の潜在抑制テストの計画および解釈問題を克服することにより、開示されたシステムおよび方法は、統合失調症の認知説明の開発と、診断およびスクリーニングツールとしての潜在抑制評定の有用性と、を増強する。
【0027】
一般にコンピュータネットワークは、当該技術分野で周知であり、多くの場合、1つまたは複数のクライアントコンピュータおよび1つまたは複数のサーバを有し、それにより様々な開示された実施形態の方法およびシステムのいずれかが実行されてもよい。特にこの実施例でのコンピュータシステムまたはサーバは、本明細書の図に関連して議論されるコンピュータ化された方法を実施するのに必要となるコンピュータシステムおよび物理的構成要素のいずれかを表してもよく、特にイーコマースサーバー、ウェブサイト、データベース、ウェブブラウザおよび/またはウェブ分析アプリケーションがインスタンス化され得るサーバ(クラウド、アレイなど)、クライアント、または他のコンピュータシステムを表してもよい。
【0028】
図1に示される通り、本発明のコンピュータシステム20は、少なくとも1つの実施形態例において、関連のデータベース24およびクライアントコンピューティングデバイス26(患者コンピュータまたは患者コンピューティングデバイスと称される場合もある)を有する任意選択による示された例示的サーバ22と、患者応答デバイス28(患者コンピューティングデバイス26と別々であっても、または組み込まれていてもよい)と、を含む。システム20は、別々の構成要素として記載されているが、本システムは、単一デバイスの中に組み込まれていてもよく、その場合、患者コンピュータ26は、ラップトップ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、または専用のデバイスであり得、データベース24は、ローカルに患者コンピュータ26内で保存され、そして/またはサービスプロバイダーのデバイス(医師、臨床医など)などの1つもしくは複数の他のデバイスに通信されている。本システム20内の各コンピューティングデバイスは、当業者に概ね知られており、それぞれが、プロセッサと、情報を通信するためのバスと、該プロセッサにより実行される情報および指令を保存するため、そしてプロセッサによる指令の実行の際に一時的変数または他の中間情報を保存するためにバスに連結された主記憶装置と、プロセッサのための静的情報および指令を保存するための静的記憶装置または他の非一過性コンピュータ可読媒体と、を含んでいてもよく、ハードディスクなどの記憶装置が、情報および指令を保存するために設けられて、バスに連結されていてもよい。サーバ22およびクライアントコンピュータ26が、情報を表示するために場合によりディスプレイに連結されていてもよい。しかしサーバ22の場合、そのようなディスプレイは、存在しなくてもよく、サーバの全ての管理が、リモートクライアントを介していてもよい。さらにサーバ22およびクライアントコンピュータ26は、キーボード、マウス、タッチパッド、マイクロフォンおよび同様のものなど、情報およびコマンド選択をプロセッサに通信するために入力デバイスへの接続を場合により含んでいてもよい。その上、クライアントコンピュータ26は、スピーカなど、情報およびコマンド選択を患者Pまたはセラピストに通信するために出力デバイスへの接続を場合により含んでいてもよい。
【0029】
最初に、サーバ22とクライアントコンピュータ26のそれぞれの通信が、現在知られている、または後に開発される任意の有線または無線式通信プロトコル(またはプロトコルの組み合わせ)を用いて実現され得ることが、留意されなければならない。そのため、特定の例示的プロトコルが、例示目的で本明細書において言及されるとしても、本発明は、任意の1つの特有のタイプの通信プロトコルに限定されると読み取られるべきでない。同じく、用語「患者デバイス」(およびユーザを記載するコンピューティングデバイスのための同等の名称)は、デスクトップコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、バーチャルリアリティーシステム、パーソナルデータアシスタント、ゲームデバイス、無人端末、アクセス制御デバイス、加盟店端末装置(「POI」)システムなどの現在知られている、または後に開発される任意のタイプのコンピューティングまたは電子デバイスを含む意図があることが、留意されなければならない。
【0030】
サーバ22およびクライアントコンピュータ26はまた、サーバおよび/またはクライアントコンピュータへの、またはそれからの双方向有線および/または無線式データ通信を提供するために、バスに連結された通信インターフェースを含んでいてもよい。例えば通信インターフェースは、ローカルエリアネットワーク、公共ネットワーク、イントラネット、プライベートネットワーク(例えば、VPN)、またはインターネットをはじめとする他のネットワークを介して信号を送信および受信してもよい。
【0031】
本明細書で例証された実施例では、サーバ22(任意選択による第三者のサーバおよび/またはモバイルappバックエンドサービスなどを含む)および/またはクライアントコンピュータ26の1つもしくは全てのハードドライブが、プロセッサにより実行される際に図2図5の方法に記載された作業をプロセッサに実施させる、実行可能な指令でコード化されている。サーバ22は、インターネット、イントラネットまたは他のネットワークを通してクライアントコンピュータ26に通信して、HTMLコード、テキスト、画像および同様のものなどの情報および/またはグラフィックスをスクリーンに表示させ、音響をスピーカから放出させる。サーバ22は、情報を有するURLサイトをホスティングしてもよく、URLサイトが、クライアントコンピュータ26によりアクセスされてもよい。クライアントコンピュータ26に伝達された情報は、クライアントデバイス26でコード化されたソフトウエアを利用して、以下に記載される方法に従って保存および操作されてもよい。コンピューティングデバイスは、ラップトップとして略図で示されているが、コンピューティングデバイスが、デスクトップ、タブレット、セルラーデバイス(例えば、iOSデバイス、ANDROIDデバイス、WINDOWSデバイスおよび同様のものなどのスマートフォン)、または現在知られている、もしくは後に開発される任意の他のコンピューティングデバイスを含んでいてもよい。さらに、患者応答デバイス28が、ハンドヘルドの応答デバイスとして例証されているが、患者Pは、タッチスクリーン(例えば、ボタンなどのユーザインターフェース要素にタッチすること)、音声入力(例えば、マイクロフォンに発語し、応答を既知の音声認識システムなどにより解析)、キーボード入力(応答言語もしくは一連の文字をタイピングする、または特有のキーに接触して応答を登録することなど)、または現在知られている、もしくは後に開発される他の入力手段との相互作用をはじめとする多数の方法でシステム20に応答を入力し得る。
【0032】
また図1を見ると、コンピューティングデバイスは、実行可能なプログラムおよび/またはブラウザインスタンスを実行することが可能な多くの利用可能なコンピューティングデバイスの1つであってもよい。例えばそれらは、タブレットコンピュータ、もしくはコンピュータ能力を有する携帯電話デバイス、ラップトップ、デスクトップまたは他のコンピューティングデバイスなどのモバイルデバイスであってもよい。本発明の方法のための実行可能な指令は、クライアントデバイス26上のユーザインターフェースに表示されるウェブまたは他のアプリケーションをホスティングするサーバ22にインストールされていてもよい。あるいは本発明の方法の全てまたは少なくとも一部のための実行可能な指令は、クライアントデバイス26にローカルにインストールされていて、作成された様々なデータセットがローカルに保存されていてもよい。実施形態例では、クライアントデバイス26は、FIREFOX、CHROME、SAFARI、INTERNET EXPLORERおよび同様のものなどのウェブブラウザインスタンスを通して、またはデスクトップアプリケーションを通してグラフィカルユーザインターフェースにアクセスし、それと相互作用する。ウェブアプリケーションは、アプリケーションホスティング能力を有するアプリケーションサーバでホスティングされる。別の実施形態例では、クライアントデバイス26は、モバイルウェブブラウザで実行するウェブアプリケーションまたはモバイルアプリケーション(一般に「app」と呼ばれる)のどちらかを通してグラフィカルユーザインターフェースにアクセスし、それと相互作用し得る。
【0033】
あるいは本発明の方法の全てまたは少なくとも一部を実行するための実行可能な指令は、クライアントデバイス26でローカルにインストールされていてもよい。例えばクライアントデバイス26は、本発明の方法の全てまたは一部を実行するために、スマートフォンデバイスのアプリケーションをローカルでインストールすることが要求されていてもよい。実施形態例では、実行可能なアプリケーションファイルが、クライアントデバイス26にインストールされており、そのためメッセージは、サーバ22と送受信することができ(または任意の追加的デバイスがシステム20に接続されていれば、デバイス間で送受信することができ)、サーバは、メッセージをクライアントデバイス26に送信、受信、および/または中継することができる。メッセージは、英数字テキスト、画像、動画、リンクその他などの様々な形態のデータで構成されていてもよい。さらに別の実施形態例では、一方が、コンピュータデバイスにインストールされたアプリケーションを有していてもよく、他方は、ブラウザインスタンスを通してメッセージを送受信する。
【0034】
本明細書は、3種のシステムおよびコンピュータ実装評定法:1)精神障害に関する臨床試験に参加する群に個体を割り付けるシステムおよび方法;2)個体が精神障害に罹患し得るかどうか、そしてどのタイプの精神障害に罹患し得るかを判定するシステムおよび方法;ならびに3)精神障害の個体を治療するための治療法を推奨するシステムおよび方法、を開示する。3種全ての開示されたシステムおよびコンピュータ実装評定法は、非侵襲的なコンピュテーショナルデバイスによるテストを利用する。加えて、以下に詳細に議論される通り、非侵襲的なコンピュテーショナルデバイスによるテストの幾つかの態様には、3種全ての開示されたシステムおよび方法に共通するものもあれば、開示されたシステムおよび方法3種のうち2種のみに存在する態様、1種に存在する態様もある。
【0035】
図2は、本発明のコンピュータ実装評定法200の実施形態例を示しており、方法200を実行する際の任意選択によるステップを広範囲に示す。本発明の方法200は、別個のモジュールもしくは別々のアプリケーションを利用して、または本発明の方法200の全ステップを実施することが可能な単一のアプリケーションを起動して、実施されてもよい。大まかに記載すると、本発明の潜在抑制テスト法200は、アプリケーション300の事前暴露部分を始動するステップ300と、アプリケーションのテスト部分を始動するステップ400と、アプリケーションの潜在抑制スコアリング部分を始動するステップ500と、を含む。潜在抑制スコアおよび/またはアウトカム評定が、計算されたら、臨床試験群割り付けを決定する方法208、患者の精神障害を判定する方法210および適切な患者の治療法を決定する方法212のうちの1つまたは複数が、選択的または自動的に実装され得る。
【0036】
本明細書に開示された精神障害判定法および治療法推奨法は、個体に関する情報を潜在抑制テストプログラムに入力して、コンピュテーショナルデバイスで実行するステップを含む。本明細書に開示された群割り付け法は、個体に関する情報を潜在抑制テストプログラムに入力して、コンピュテーショナルデバイスで実行するステップを場合により含んでいてもよい。典型的にはこの情報は、個体の病歴および現在の状態を含む。本明細書に開示された情報としては、これが個体の最初の評定か、もしくは後続の評定か、個体が現在、精神病症状に見舞われているか否か、個体が精神障害歴を有するか否か、そして個体が抗精神病薬治療の抵抗歴を有するか否か、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書に開示された群割り付け法、精神障害判定法、および治療法推奨法は、一部として、コンピュテーショナルデバイスを実行する潜在抑制テストプログラムを個体に実施させるステップを含む。一実施形態において、潜在抑制テストプログラムは、事前暴露フェーズおよびテストフェーズを含む手順を含む。
【0038】
図3のフローチャートに移ると、アプリケーションの事前暴露フェーズまたは部分の実施形態例300が、より詳細に示されている。アプリケーションを始動した後、例えば患者コンピューティングデバイス26のモニターまたはスクリーンに患者Pへの指令を表示することにより、事前暴露(P.E.)指令が、患者コンピューティングデバイス26に表示される302。本発明のコンピュータ法において患者コンピューティングデバイス26により受信/伝送された任意のデータは、(例えば、患者コンピュテーティングデバイス26のハードドライブに保存された)ローカルデータベースから/ローカルデータベースに通信され得るか、またはローカルイントラネット上の、もしくはインターネットを通して、もしくは他の公知の伝送手段を通して、リモートサーバから/リモートサーバに通信され得る。P.E.指令は、事前暴露フェーズ300を正常に終了させるために本発明の方法200の事前暴露部分の際に患者Pにより従われるべきルールのセットを確定する。1つまたは複数の実施形態において、刺激が表示される期間、刺激を表示する間の時間間隔、用いられる特有の事前暴露データセット(複数のデータセットが利用可能な場合など)などのP.E.指令の特定のパラメータが、評定を管理する専門家により設定され得る。本発明の方法200は、指令、刺激、または他のデータを通信の形態として、患者コンピューティングデバイス26を通して患者Pに「表示すること」を記載しているが、通信の形態は、音声通信など様々であり得(例えば、コンピュータ上のスピーカを通してなど)、したがってコンピュータのスクリーンまたは他の表示手段に表示することに限定されない。例えば本明細書に開示された事前暴露フェーズは、本明細書に開示された潜在抑制テストプログラムを実施しながら個体に提示されることになる第一の刺激群の各刺激にどのように応答するかについての第一の指示セットを個体に提示することを含む。この実施形態の態様では、本明細書に開示された第一の指示セットは、本明細書に開示された事前暴露フェーズの際に個体に提示されることになる第一の刺激群の各刺激にどのように応答するかを個体に知らせる事前暴露フェーズの指令を含む。
【0039】
事前暴露データセットは、アプリケーションによりデータベースから取得される。アプリケーションは、ステップ304において、患者コンピューティングデバイス26からの入力として要求される応答のタイプを判定する。一実施形態において、事前暴露フェーズの指令は、n-バック指令を含む。n-バック応答が要求される308と、アプリケーションは、n-ポジション前に表示された過去P.E.刺激(過去のマッチングP.E.刺激)と表示されたP.E.刺激のマッチングのために患者コンピューティングデバイス26からの入力を要求する(この場合の「n」は、0、1、2、3、4・・・など、評定のデータセットおよび計画に応じて任意の所定の数であり得る)。アプリケーションは、データベースから取得したP.E.刺激データセット内の各刺激の表示の開始後、所定の時間間隔内で患者コンピューティングデバイス26からの入力を要求する306。「n」の値は一般に、用いられる特有のP.E.データセットに関係するが、1つまたは複数の実施形態例において専門家により設定されてもよい。
【0040】
この実施形態の態様において、第一の刺激群がスクリーンに出現したら(0-バック)、事前暴露フェーズの指令が、そのうちの1つの刺激に応答するように個体に要求する。この実施形態の別の態様において、現行の刺激が第一の刺激群の配列において1ポジション前(1-バック)に示された刺激と同じである場合のみ、事前暴露フェーズの指令が、第一の刺激群の現行の刺激に応答するように個体に要求する。この実施形態のさらに別の態様において、現行の刺激が第一の刺激群の配列において2ポジション前(2-バック)に示された刺激と同じである場合のみ、事前暴露フェーズの指令が、第一の刺激群の現行の刺激に応答するよう個体に要求する。この実施形態の別の態様において、個体は、刺激が提示されたことを、口頭で確認されること、またはキーパッド上のボタンを押すこと、もしくはマウスのようなコントロールデバイスをクリックすることで応答をコンピュテーショナルデバイスに物理的に入力することを含むが、これらに限定されない特殊な手法で、各刺激に応答するように求められる。
【0041】
本明細書で開示された事前暴露フェーズは、個体に第一の刺激群を提示することを含む。アプリケーションは、P.E.刺激データセット内のP.E.刺激のそれぞれに所定の順序で(または場合により、1つもしくは複数の実施形態例で無作為な順序で)連続して表示させる310。x刺激は、ΔtPEnの期間にΔtInの時間間隔を入れながら表示される(ここでΔtInは、0秒以上であり得る)。ΔtPEnおよびΔtInは、P.E.フェーズ全体で概ね一定しているが、その回数は、1つまたは複数の実施形態例において変動され得る。P.E.刺激データセットは、1つまたは複数の事前暴露刺激、1つもしくは複数の中性刺激、そして場合により他の刺激を含む。患者応答入力が検出される312と、ΔtPEn、ΔtPEn+ΔtInであり得る応答に許容される期間、または患者応答が適宜、入力される他の所定の期間中に応答が検出されるかどうかが判定される。示された実施形態例の方法において、各期間にアプリケーションは、患者(「ユーザ」)応答入力が、検出されるかどうかを判定する(例えば、応答クリッカー、キーボード入力、音声応答入力などから)。患者応答入力が、検出されなければ、アプリケーションは、その非応答を特有の反復「n」の正しい応答のデータセットに比較して、非応答が正しいかどうかを判定し(ステップ314)、その後、ステップ316でP.E.結果データセットに非応答を正しいまたは誤りと記録する。同様に患者応答入力が検出されたら、アプリケーションは、その応答を特有の反復「n」の正しい応答のデータセットと比較して、応答が正しいかどうかを判定し318(例えば、応答は、n刺激前に表示された過去のマッチングP.E.刺激に関連する期間に受けとった)、その後、ステップ320でP.E.結果データセットに応答を正しいまたは誤りと記録する。もちろんこの比較は、直ちに行う必要はなく、アプリケーションは、将来のある時点で実行される後の分析など、任意の時点での比較のために応答と各応答の時間のデータセットを集めることができる。P.E.刺激データセット内の全てのP.E.刺激が、表示されるまで(ステップ324)、アプリケーションは、反復322においてP.E.刺激を表示し続けることになる。あるいはP.E.刺激データセット内のP.E.刺激の数が、アプリケーションによりアクセスされて(例えば、既知の数が、入力されるか、またはデータセットに関連づけられるなど)、そこでアプリケーションは、既知の数まで、継続的なP.E.刺激を表示することができる。全てのP.E.刺激が表示されて、任意の患者応答の期間が終了した後、P.E.結果データセットで開示されたアルゴリズムの1つまたは複数を用いて、アプリケーションがP.E.結果を計算する、ステップ326。P.E.結果は、テストフェーズと併せて用いられ得、そして/またはテスト段階と共に進めるかどうかを判定するために用いられ得るため、計算されたP.E.の結果が所定のパラメータ内であるか328、またはこの評定を管理もしくは分析する専門家により設定されたパラメータ内であるかどうかが判定される。アプリケーションは、自動的に評定のテストフェーズに進むことができ332、またはアプリケーションは、P.E.フェーズの終了時330もしくはいつでも評定を完了することができ、またはアプリケーションは停止して、管理者/専門家からの手動の指令入力を待ち受けることができる。
【0042】
この実施形態の態様において、本明細書に開示された第一の刺激群に属する刺激は、無作為な順序で個体に提示される。このステップにおいて、第一の刺激群は、標的刺激を含まないため、情報のない個体が、標的刺激とは任意の関連性のない事前暴露刺激に慣らされる。1-バックまたは2-バック計画が用いられ、0-バック計画が用いられない場合、事前暴露フェーズの手順もまた、作業記憶を評定するために用いられる。この第一の刺激群を提示する目的は、条件付き学習および学習された無関連性の効果を軽減することである。標的刺激は、事前暴露フェーズで提示されないため、条件付き学習は、軽減される。これは、標的刺激の予期が、実際には提示されない事前暴露フェーズで提示されるのを回避し、それにより条件付き学習を軽減する。標的刺激は、事前暴露フェーズで提示されないため、学習された無関連性もまた、軽減される。これは、標的刺激と事前暴露刺激との任意の関連性を回避する。
【0043】
第一の刺激群からの各刺激の個体への提示は、定義された期間に実施される。一般に、第一の刺激群からの刺激を個体に提示するために定義された期間は、刺激が個体に提示されていることを個体が知覚し得るのに充分長い持続時間となる必要がある。この実施形態の態様において、第一の刺激群からの刺激を提示するために定義された期間は、例えば約10ミリ秒~約10,000ミリ秒、約100ミリ秒~約5,000ミリ秒、約250ミリ秒~約2,500ミリ秒、約500ミリ秒~約1,500ミリ秒、約750ミリ秒~約1,250ミリ秒の間、または約1,000ミリ秒であり得る。
【0044】
この実施形態の他の態様において、第一の刺激群からの刺激を提示するために定義された期間は、例えば約10ミリ秒、約50ミリ秒、約100ミリ秒、約150ミリ秒、約200ミリ秒、約250ミリ秒、約300ミリ秒、約350ミリ秒、約400ミリ秒、約450ミリ秒、約500ミリ秒、約550ミリ秒、約600ミリ秒、約650ミリ秒、約700ミリ秒、約750ミリ秒、約800ミリ秒、約850ミリ秒、約900ミリ秒、約950ミリ秒、約1,000ミリ秒、約1,100ミリ秒、約1,200ミリ秒、約1,300ミリ秒、約1,400ミリ秒、約1,500ミリ秒、約1,600ミリ秒、約1,700ミリ秒、約1,800ミリ秒、約1,900ミリ秒、約2,000ミリ秒、約2,500ミリ秒、または約3,000ミリ秒であり得る。この実施形態のさらに他の態様において、第一の刺激群からの刺激を提示するために定義された期間は、例えば少なくとも10ミリ秒、少なくとも50ミリ秒、少なくとも100ミリ秒、少なくとも150ミリ秒、少なくとも200ミリ秒、少なくとも250ミリ秒、少なくとも300ミリ秒、少なくとも350ミリ秒、少なくとも400ミリ秒、少なくとも450ミリ秒、少なくとも500ミリ秒、少なくとも550ミリ秒、少なくとも600ミリ秒、少なくとも650ミリ秒、少なくとも700ミリ秒、少なくとも750ミリ秒、少なくとも800ミリ秒、少なくとも850ミリ秒、少なくとも900ミリ秒、少なくとも950ミリ秒、少なくとも1,000ミリ秒、少なくとも1,100ミリ秒、少なくとも1,200ミリ秒、少なくとも1,300ミリ秒、少なくとも1,400ミリ秒、少なくとも1,500ミリ秒、少なくとも1,600ミリ秒、少なくとも1,700ミリ秒、少なくとも1,800ミリ秒、少なくとも1,900ミリ秒、少なくとも2,000ミリ秒、少なくとも2,500ミリ秒、または少なくとも3,000ミリ秒であり得る。この実施形態のさらに他の態様において、第一の刺激群からの刺激を提示するために定義された期間は、例えば多くとも10ミリ秒、多くとも50ミリ秒、多くとも100ミリ秒、多くとも150ミリ秒、多くとも200ミリ秒、多くとも250ミリ秒、多くとも300ミリ秒、多くとも350ミリ秒、多くとも400ミリ秒、多くとも450ミリ秒、多くとも500ミリ秒、多くとも550ミリ秒、多くとも600ミリ秒、多くとも650ミリ秒、多くとも700ミリ秒、多くとも750ミリ秒、多くとも800ミリ秒、多くとも850ミリ秒、多くとも900ミリ秒、多くとも950ミリ秒、多くとも1,000ミリ秒、多くとも1,100ミリ秒、多くとも1,200ミリ秒、多くとも1,300ミリ秒、多くとも1,400ミリ秒、多くとも1,500ミリ秒、多くとも1,600ミリ秒、多くとも1,700ミリ秒、多くとも1,800ミリ秒、多くとも1,900ミリ秒、多くとも2,000ミリ秒、多くとも2,500ミリ秒、または多くとも3,000ミリ秒であり得る。
【0045】
この実施形態のさらに他の態様において、第一の刺激群からの刺激を提示するために定義された期間は、例えば約10ミリ秒~約100ミリ秒、約10ミリ秒~約200ミリ秒、約10ミリ秒~約300ミリ秒、約10ミリ秒~約400ミリ秒、約10ミリ秒~約500ミリ秒、約10ミリ秒~約600ミリ秒、約10ミリ秒~約700ミリ秒、約10ミリ秒~約800ミリ秒、約10ミリ秒~約900ミリ秒、約10ミリ秒~約1,000ミリ秒、約10ミリ秒~約1,100ミリ秒、約10ミリ秒~約1,200ミリ秒、約10ミリ秒~約1,300ミリ秒、約10ミリ秒~約1,400ミリ秒、約10ミリ秒~約1,500ミリ秒、約10ミリ秒~約1,600ミリ秒、約10ミリ秒~約1,700ミリ秒、約10ミリ秒~約1,800ミリ秒、約10ミリ秒~約1,900ミリ秒、約10ミリ秒~約2,000ミリ秒、約10ミリ秒~約3,000ミリ秒、約100ミリ秒~約200ミリ秒、約100ミリ秒~約300ミリ秒、約100ミリ秒~約400ミリ秒、約100ミリ秒~約500ミリ秒、約100ミリ秒~約600ミリ秒、約100ミリ秒~約700ミリ秒、約100ミリ秒~約800ミリ秒、約100ミリ秒~約900ミリ秒、約100ミリ秒~約1,000ミリ秒、約100ミリ秒~約1,100ミリ秒、約100ミリ秒~約1,200ミリ秒、約100ミリ秒~約1,300ミリ秒、約100ミリ秒~約1,400ミリ秒、約100ミリ秒~約1,500ミリ秒、約100ミリ秒~約1,600ミリ秒、約100ミリ秒~約1,700ミリ秒、約100ミリ秒~約1,800ミリ秒、約100ミリ秒~約1,900ミリ秒、約100ミリ秒~約2,000ミリ秒、約100ミリ秒~約3,000ミリ秒、約250ミリ秒~約300ミリ秒、約250ミリ秒~約400ミリ秒、約250ミリ秒~約500ミリ秒、約250ミリ秒~約600ミリ秒、約250ミリ秒~約700ミリ秒、約250ミリ秒~約800ミリ秒、約250ミリ秒~約900ミリ秒、約250ミリ秒~約1,000ミリ秒、約250ミリ秒~約1,100ミリ秒、約250ミリ秒~約1,200ミリ秒、約250ミリ秒~約1,300ミリ秒、約250ミリ秒~約1,400ミリ秒、約250ミリ秒~約1,500ミリ秒、約250ミリ秒~約1,600ミリ秒、約250ミリ秒~約1,700ミリ秒、約250ミリ秒~約1,800ミリ秒、約250ミリ秒~約1,900ミリ秒、約250ミリ秒~約2,000ミリ秒、約250ミリ秒~約3,000ミリ秒、約500ミリ秒~約600ミリ秒、約500ミリ秒~約700ミリ秒、約500ミリ秒~約800ミリ秒、約500ミリ秒~約900ミリ秒、約500ミリ秒~約1,000ミリ秒、約500ミリ秒~約1,100ミリ秒、約500ミリ秒~約1,200ミリ秒、約500ミリ秒~約1,300ミリ秒、約500ミリ秒~約1,400ミリ秒、約500ミリ秒~約1,500ミリ秒、約500ミリ秒~約1,600ミリ秒、約500ミリ秒~約1,700ミリ秒、約500ミリ秒~約1,800ミリ秒、約500ミリ秒~約1,900ミリ秒、約500ミリ秒~約2,000ミリ秒、約500ミリ秒~約3,000ミリ秒、約750ミリ秒~約800ミリ秒、約750ミリ秒~約900ミリ秒、約750ミリ秒~約1,000ミリ秒、約750ミリ秒~約1,100ミリ秒、約750ミリ秒~約1,200ミリ秒、約750ミリ秒~約1,300ミリ秒、約750ミリ秒~約1,400ミリ秒、約750ミリ秒~約1,500ミリ秒、約750ミリ秒~約1,600ミリ秒、約750ミリ秒~約1,700ミリ秒、約750ミリ秒~約1,800ミリ秒、約750ミリ秒~約1,900ミリ秒、約750ミリ秒~約2,000ミリ秒、約750ミリ秒~約3,000ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,100ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,200ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,300ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,400ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,500ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,600ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,700ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,800ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,900ミリ秒、約1,000ミリ秒~約2,000ミリ秒、約1,000ミリ秒~約3,000ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,300ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,400ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,500ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,600ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,700ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,800ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,900ミリ秒、約1,250ミリ秒~約2,000ミリ秒、約1,250ミリ秒~約3,000ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,600ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,700ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,800ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,900ミリ秒、約1,500ミリ秒~約2,000ミリ秒、約1,500ミリ秒~約3,000ミリ秒、約2,000ミリ秒~約3,000ミリ秒、または約2,500ミリ秒~約3,000ミリ秒であり得る。
【0046】
第一の刺激群からの刺激の提示は、刺激が事前暴露フェーズを実施する個体に提示されない時間間隔を場合により含んでいてもよい。これらの間隔は単に、各刺激の提示の間のギャップである。第一の刺激群からの各刺激の提示の間の時間間隔は、定義された期間に実施される。一実施形態において、第一の刺激群からの各刺激の提示には、時間間隔が含まれない。別の実施形態において、時間間隔は、各刺激の提示の間に存在する。この実施形態の態様において、第一の刺激群からの刺激の提示の間の時間間隔は、例えば約1ミリ秒~約10,000ミリ秒、約5ミリ秒~約1,000ミリ秒、約10ミリ秒~約500ミリ秒、約15ミリ秒~約250ミリ秒、約20ミリ秒~約100ミリ秒、約25ミリ秒~約75ミリ秒の間、または約50ミリ秒であり得る。
【0047】
この実施形態の他の態様において、第一の刺激群からの刺激の提示の間の時間間隔は、例えば約10ミリ秒、約50ミリ秒、約100ミリ秒、約150ミリ秒、約200ミリ秒、約250ミリ秒、約300ミリ秒、約350ミリ秒、約400ミリ秒、約450ミリ秒、約500ミリ秒、約550ミリ秒、約600ミリ秒、約650ミリ秒、約700ミリ秒、約750ミリ秒、約800ミリ秒、約850ミリ秒、約900ミリ秒、約950ミリ秒、約1,000ミリ秒、約1,100ミリ秒、約1,200ミリ秒、約1,300ミリ秒、約1,400ミリ秒、約1,500ミリ秒、約1,600ミリ秒、約1,700ミリ秒、約1,800ミリ秒、約1,900ミリ秒、約2,000ミリ秒、約2,500秒、または約3,000ミリ秒であり得る。この実施形態のさらに他の態様において、第一の刺激群からの刺激の提示の間の時間間隔は、例えば少なくとも10ミリ秒、少なくとも50ミリ秒、少なくとも100ミリ秒、少なくとも150ミリ秒、少なくとも200ミリ秒、少なくとも250ミリ秒、少なくとも300ミリ秒、少なくとも350ミリ秒、少なくとも400ミリ秒、少なくとも450ミリ秒、少なくとも500ミリ秒、少なくとも550ミリ秒、少なくとも600ミリ秒、少なくとも650ミリ秒、少なくとも700ミリ秒、少なくとも750ミリ秒、少なくとも800ミリ秒、少なくとも850ミリ秒、少なくとも900ミリ秒、少なくとも950ミリ秒、少なくとも1,000ミリ秒、少なくとも1,100ミリ秒、少なくとも1,200ミリ秒、少なくとも1,300ミリ秒、少なくとも1,400ミリ秒、少なくとも1,500ミリ秒、少なくとも1,600ミリ秒、少なくとも1,700ミリ秒、少なくとも1,800ミリ秒、少なくとも1,900ミリ秒、少なくとも2,000ミリ秒、少なくとも2,500秒、または少なくとも3,000ミリ秒であり得る。この実施形態のさらに他の態様において、第一の刺激群からの刺激の提示の間の時間間隔は、例えば多くとも10ミリ秒、多くとも50ミリ秒、多くとも100ミリ秒、多くとも150ミリ秒、多くとも200ミリ秒、多くとも250ミリ秒、多くとも300ミリ秒、多くとも350ミリ秒、多くとも400ミリ秒、多くとも450ミリ秒、多くとも500ミリ秒、多くとも550ミリ秒、多くとも600ミリ秒、多くとも650ミリ秒、多くとも700ミリ秒、多くとも750ミリ秒、多くとも800ミリ秒、多くとも850ミリ秒、多くとも900ミリ秒、多くとも950ミリ秒、多くとも1,000ミリ秒、多くとも1,100ミリ秒、多くとも1,200ミリ秒、多くとも1,300ミリ秒、多くとも1,400ミリ秒、多くとも1,500ミリ秒、多くとも1,600ミリ秒、多くとも1,700ミリ秒、多くとも1,800ミリ秒、多くとも1,900ミリ秒、多くとも2,000ミリ秒、多くとも2,500秒、または多くとも3,000ミリ秒であり得る。
【0048】
この実施形態のさらに他の態様において、第一の刺激群からの刺激の提示の間の時間間隔は、例えば約10ミリ秒~約100ミリ秒、約10ミリ秒~約200ミリ秒、約10ミリ秒~約300ミリ秒、約10ミリ秒~約400ミリ秒、約10ミリ秒~約500ミリ秒、約10ミリ秒~約600ミリ秒、約10ミリ秒~約700ミリ秒、約10ミリ秒~約800ミリ秒、約10ミリ秒~約900ミリ秒、約10ミリ秒~約1,000ミリ秒、約10ミリ秒~約1,100ミリ秒、約10ミリ秒~約1,200ミリ秒、約10ミリ秒~約1,300ミリ秒、約10ミリ秒~約1,400ミリ秒、約10ミリ秒~約1,500ミリ秒、約10ミリ秒~約1,600ミリ秒、約10ミリ秒~約1,700ミリ秒、約10ミリ秒~約1,800ミリ秒、約10ミリ秒~約1,900ミリ秒、約10ミリ秒~約2,000ミリ秒、約10ミリ秒~約3,000ミリ秒、約100ミリ秒~約200ミリ秒、約100ミリ秒~約300ミリ秒、約100ミリ秒~約400ミリ秒、約100ミリ秒~約500ミリ秒、約100ミリ秒~約600ミリ秒、約100ミリ秒~約700ミリ秒、約100ミリ秒~約800ミリ秒、約100ミリ秒~約900ミリ秒、約100ミリ秒~約1,000ミリ秒、約100ミリ秒~約1,100ミリ秒、約100ミリ秒~約1,200ミリ秒、約100ミリ秒~約1,300ミリ秒、約100ミリ秒~約1,400ミリ秒、約100ミリ秒~約1,500ミリ秒、約100ミリ秒~約1,600ミリ秒、約100ミリ秒~約1,700ミリ秒、約100ミリ秒~約1,800ミリ秒、約100ミリ秒~約1,900ミリ秒、約100ミリ秒~約2,000ミリ秒、約100ミリ秒~約3,000ミリ秒、約250ミリ秒~約300ミリ秒、約250ミリ秒~約400ミリ秒、約250ミリ秒~約500ミリ秒、約250ミリ秒~約600ミリ秒、約250ミリ秒~約700ミリ秒、約250ミリ秒~約800ミリ秒、約250ミリ秒~約900ミリ秒、約250ミリ秒~約1,000ミリ秒、約250ミリ秒~約1,100ミリ秒、約250ミリ秒~約1,200ミリ秒、約250ミリ秒~約1,300ミリ秒、約250ミリ秒~約1,400ミリ秒、約250ミリ秒~約1,500ミリ秒、約250ミリ秒~約1,600ミリ秒、約250ミリ秒~約1,700ミリ秒、約250ミリ秒~約1,800ミリ秒、約250ミリ秒~約1,900ミリ秒、約250ミリ秒~約2,000ミリ秒、約250ミリ秒~約3,000ミリ秒、約500ミリ秒~約600ミリ秒、約500ミリ秒~約700ミリ秒、約500ミリ秒~約800ミリ秒、約500ミリ秒~約900ミリ秒、約500ミリ秒~約1,000ミリ秒、約500ミリ秒~約1,100ミリ秒、約500ミリ秒~約1,200ミリ秒、約500ミリ秒~約1,300ミリ秒、約500ミリ秒~約1,400ミリ秒、約500ミリ秒~約1,500ミリ秒、約500ミリ秒~約1,600ミリ秒、約500ミリ秒~約1,700ミリ秒、約500ミリ秒~約1,800ミリ秒、約500ミリ秒~約1,900ミリ秒、約500ミリ秒~約2,000ミリ秒、約500ミリ秒~約3,000ミリ秒、約750ミリ秒~約800ミリ秒、約750ミリ秒~約900ミリ秒、約750ミリ秒~約1,000ミリ秒、約750ミリ秒~約1,100ミリ秒、約750ミリ秒~約1,200ミリ秒、約750ミリ秒~約1,300ミリ秒、約750ミリ秒~約1,400ミリ秒、約750ミリ秒~約1,500ミリ秒、約750ミリ秒~約1,600ミリ秒、約750ミリ秒~約1,700ミリ秒、約750ミリ秒~約1,800ミリ秒、約750ミリ秒~約1,900ミリ秒、約750ミリ秒~約2,000ミリ秒、約750ミリ秒~約3,000ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,100ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,200ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,300ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,400ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,500ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,600ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,700ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,800ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,900ミリ秒、約1,000ミリ秒~約2,000ミリ秒、約1,000ミリ秒~約3,000ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,300ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,400ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,500ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,600ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,700ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,800ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,900ミリ秒、約1,250ミリ秒~約2,000ミリ秒、約1,250ミリ秒~約3,000ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,600ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,700ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,800ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,900ミリ秒、約1,500ミリ秒~約2,000ミリ秒、約1,500ミリ秒~約3,000ミリ秒、約2,000ミリ秒~約3,000ミリ秒、または約2,500ミリ秒~約3,000ミリ秒であり得る。
【0049】
第一の刺激群は、複数の刺激を含む。この実施形態の態様において、本明細書に開示された第一の刺激群は、少なくとも1つの事前暴露刺激、1つもしくは複数の中性刺激、または少なくとも1つの事前暴露刺激と1つもしくは複数の中性刺激の両方を含む。事前暴露刺激は、事前暴露フェーズで提示された刺激であり、テストフェーズの際に既知刺激を表すものとする。それは、テストフェーズの際の標的刺激の発生の予測因子である。中性刺激は、事前暴露刺激、非事前暴露刺激、または標的刺激との関連性が少ない、手がかりのない刺激であり、そのため、どの刺激が次に発生するかを予想するために個体により正確に用いることができない。
【0050】
本明細書に開示された事前暴露フェーズは、第一の刺激群からの各刺激への個体の応答を測定することを場合により含み得る。これらの応答の測定は、第一の指示セットの応諾の評定であり、個体参加の性質の評定を援助する。この実施形態の態様において、個体が、例えば第一の指示セットに従って第一の刺激群の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%に応答すれば、個体は、本明細書に開示された潜在抑制テストプログラムのテストフェーズに進むことが許容される。
【0051】
図4のフローチャートに移ると、アプリケーション400のテストフェーズまたは部分の実施形態例が、より詳細に示されている。テスト指令が、ステップ402で患者コンピューティングデバイス26に表示され、標的刺激に関係する応答入力を入力するよう患者Pに要求する。テストデータセットは、アプリケーションによりデータベースから取得され、ここでのテストデータセットは、少なくとも1つの標的刺激、少なくとも1つの手がかり刺激を含む複数の非標的刺激を含み、非標的刺激は、少なくとも1つの事前暴露刺激、非事前暴露刺激および1つまたは複数の中性刺激をさらに含み得る。
【0052】
本明細書に開示されたテストフェーズは、本明細書に開示された潜在抑制テストプログラムを実施しながら個体に提示される第二の刺激群の各刺激にどのように応答するかについての第二の指示セットを個体に提示することを含む。この実施形態の態様において、本明細書に開示された第二の指示セットは、本明細書に開示されたテストフェーズの間に個体に提示される第二の刺激群の各刺激にどのように応答するかについて個体に知らせるテストフェーズ指令を含む。この実施形態の態様において、第二の指示セットは、本明細書に開示された標的刺激の出現を予想し、それに応じて幾つかの手法で応答するために個体に知らせるテストフェーズ指令を含む。例えば、次に提示されることになる標的刺激を個体がどのように予想するかは、次に発生することになる標的刺激を口頭で述べることにより、またはキーパッド上のボタンを押すこと、もしくはマウスのようなコントロールデバイスをクリックすることで、そのような予想をコンピュテーショナルデバイスに入力して物理的に応答することにより、示すことができる。
【0053】
本明細書に開示されたテストフェーズは、第二の刺激群を個体に提示することを含む。この第二の刺激群を提示する目的は、事前暴露および非事前暴露刺激への標的刺激の関連性の学習率を測定することにより個体の潜在抑制を測定することである。この実施形態の態様において、本明細書に開示された第二の刺激群に属する刺激は、擬似無作為順で個体に提示される。この実施形態の別の態様において、本明細書に開示された第二の刺激群に属する刺激は、所定の順序で個体に提示される。この実施形態の態様において、本明細書に開示された第二の刺激群に属する刺激を個体に提示する所定の順序は、事前暴露刺激の提示の直後と非事前暴露刺激の提示の直後とに発生する同数の標的刺激の提示を含む。この実施形態の他の態様において、事前暴露刺激/標的刺激の組み合わせおよび非事前暴露刺激/標的刺激の組み合わせの提示は、特有の中性刺激の提示の直後に発生する標的刺激の提示に比べ、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、または8倍の回数で発生する。
【0054】
このアプリケーションは、テスト刺激データセットにおけるテスト刺激のそれぞれを所定の順序で連続して表示させる、406。各xテスト刺激は、時間間隔ΔtInを入れて期間ΔtTnに表示され、ここでΔtInは、0秒以上であり得る。ΔtTnおよびΔtInは、テストフェーズ全体で概ね一定しているが、その回数は、1つまたは複数の実施形態例で変動され得る。この実施形態例では、最初に、非標的テスト刺激が、患者コンピュータ26に表示される、ステップ408。しかし、テストフェーズは、標的刺激の表示を予測する患者の能力を判定するように設計されているため、テストフェーズは、1つまたは複数実施形態例において、標的刺激を最初に表示するように変動されてもよいが、これは一般に好ましくない。ステップ410では、アプリケーションは、「x」テスト刺激(例えば、テスト刺激データセット内の配列の次のテスト刺激)を患者コンピュータ26に表示させる。x刺激が、標的刺激であるなら、ステップ414において、アプリケーションは、過去の標的刺激を介在させずに、標的刺激の導入までに過去の手がかり刺激の導入からの時間経過ΔtLnを計算する。基本的に、いったん手がかり刺激が表示されると、次の標的刺激が現れたらすぐに、適時に応答時間が終了する。患者Pに標的刺激の出現を予測させるために、ユーザ応答入力が、経過時間ΔtLnの際に検出されなければならない、ステップ420。患者応答入力は、経過時間ΔtLnの際に検出されると(ステップ426)、応答時間ΔtRnが、手がかり刺激の導入から患者応答入力が検出された時間まで計算される。ステップ424では、患者応答入力が、経過時間ΔtLnに検出されず、標的刺激が表示されるまで検出されない、または標的刺激表示提示が終了した後も検出されない場合には、時機外れの応答(ステップ428)または非応答(ステップ430)となる。応答が決定されたのが、適時であるか、時機外れであるか、または非応答であるかにかかわらず、ユーザ応答入力(またはその欠如)が、テスト結果データセットに記録される、ステップ428、430、432。x刺激が、標的刺激でないなら(ステップ412)、上記のP.E.フェーズの反復とよく似ているが、アプリケーションにより、テスト刺激データセット内の全てのテスト刺激が配列内に表示されたかどうかが判定される、ステップ416。テスト刺激データセット内のテスト刺激の全てが、表示されたわけでなければ、配列内の次のテスト刺激が呼び出され(418)、ステップ410の表示のために、次の反復を開始する。テスト刺激データセット内の全てのテスト刺激が表示されたら、アプリケーションがアプリケーションの潜在抑制スコアフェーズの判定に自動的に進むことができる、ステップ434。
【0055】
この実施形態の態様において、テストフェーズは、事前暴露刺激/標的刺激の組み合わせで20回の発生が提示されること、非事前暴露刺激/標的刺激の組み合わせで20回の発生が提示されること、および4種の異なる中性刺激が提示されて特有の中性刺激/標的刺激の組み合わせで5回の発生が提示されて総数20回となることを含む。この実施形態の他の態様において、テストフェーズは、事前暴露刺激/標的刺激の組み合わせで30回の発生が提示されること、非事前暴露刺激/標的刺激の組み合わせで30回の発生が提示されること、および3種の異なる中性刺激が提示されて特有の中性刺激/標的刺激の組み合わせで10回の発生が提示されて総数30回となることを含む。この実施形態の他の態様において、テストフェーズは、事前暴露刺激/標的刺激の組み合わせで30回の発生が提示されること、非事前暴露刺激/標的刺激の組み合わせで30回の発生が提示されること、および4種の異なる中性刺激が提示されて特有の中性刺激/標的刺激の組み合わせで7回または8回の発生が提示されて総数30回となること(即ち、2種の異なる中性刺激が7回提示され、標的刺激の直前に他の2種の中性刺激が8回提示されること)を含む。この実施形態のさらに他の態様において、テストフェーズは、事前暴露刺激/標的刺激の組み合わせで40回の発生が提示されること、非事前暴露刺激/標的刺激の組み合わせで40回の発生が提示されること、および4種の異なる中性刺激が提示されて特有の中性刺激/標的刺激の組み合わせで19回の発生が提示されて総数40回となることを含む。
【0056】
第一の刺激群からの各刺激の個体への提示は、定義された期間に実施される。一般に、第一の刺激群からの刺激を個体に提示するために定義された期間は、刺激が個体に提示されていることを個体が知覚し得るのに充分長い持続時間となる必要がある。この実施形態の態様において、第二の刺激群からの刺激を提示するために定義された期間は、例えば約10ミリ秒~約10,000ミリ秒、約100ミリ秒~約5,000ミリ秒、約250ミリ秒~約2,500ミリ秒、約500ミリ秒~約1,500ミリ秒、約750ミリ秒~約1,250ミリ秒の間、または約1,000ミリ秒であり得る。
【0057】
この実施形態の他の態様において、第二の刺激群からの刺激を提示するために定義された期間は、例えば約10ミリ秒、約50ミリ秒、約100ミリ秒、約150ミリ秒、約200ミリ秒、約250ミリ秒、約300ミリ秒、約350ミリ秒、約400ミリ秒、約450ミリ秒、約500ミリ秒、約550ミリ秒、約600ミリ秒、約650ミリ秒、約700ミリ秒、約750ミリ秒、約800ミリ秒、約850ミリ秒、約900ミリ秒、約950ミリ秒、約1,000ミリ秒、約1,100ミリ秒、約1,200ミリ秒、約1,300ミリ秒、約1,400ミリ秒、約1,500ミリ秒、約1,600ミリ秒、約1,700ミリ秒、約1,800ミリ秒、約1,900ミリ秒、約2,000ミリ秒、約2,500ミリ秒、または約3,000ミリ秒であり得る。この実施形態のさらに他の態様において、第二の刺激群からの刺激を提示するために定義された期間は、例えば少なくとも10ミリ秒、少なくとも50ミリ秒、少なくとも100ミリ秒、少なくとも150ミリ秒、少なくとも200ミリ秒、少なくとも250ミリ秒、少なくとも300ミリ秒、少なくとも350ミリ秒、少なくとも400ミリ秒、少なくとも450ミリ秒、少なくとも500ミリ秒、少なくとも550ミリ秒、少なくとも600ミリ秒、少なくとも650ミリ秒、少なくとも700ミリ秒、少なくとも750ミリ秒、少なくとも800ミリ秒、少なくとも850ミリ秒、少なくとも900ミリ秒、少なくとも950ミリ秒、少なくとも1,000ミリ秒、少なくとも1,100ミリ秒、少なくとも1,200ミリ秒、少なくとも1,300ミリ秒、少なくとも1,400ミリ秒、少なくとも1,500ミリ秒、少なくとも1,600ミリ秒、少なくとも1,700ミリ秒、少なくとも1,800ミリ秒、少なくとも1,900ミリ秒、少なくとも2,000ミリ秒、少なくとも2,500ミリ秒、または少なくとも3,000ミリ秒であり得る。この実施形態のさらに他の態様において、第二の刺激群からの刺激を提示するために定義された期間は、例えば多くとも10ミリ秒、多くとも50ミリ秒、多くとも100ミリ秒、多くとも150ミリ秒、多くとも200ミリ秒、多くとも250ミリ秒、多くとも300ミリ秒、多くとも350ミリ秒、多くとも400ミリ秒、多くとも450ミリ秒、多くとも500ミリ秒、多くとも550ミリ秒、多くとも600ミリ秒、多くとも650ミリ秒、多くとも700ミリ秒、多くとも750ミリ秒、多くとも800ミリ秒、多くとも850ミリ秒、多くとも900ミリ秒、多くとも950ミリ秒、多くとも1,000ミリ秒、多くとも1,100ミリ秒、多くとも1,200ミリ秒、多くとも1,300ミリ秒、多くとも1,400ミリ秒、多くとも1,500ミリ秒、多くとも1,600ミリ秒、多くとも1,700ミリ秒、多くとも1,800ミリ秒、多くとも1,900ミリ秒、多くとも2,000ミリ秒、多くとも2,500ミリ秒、または多くとも3,000ミリ秒であり得る。
【0058】
この実施形態のさらに他の態様において、第二の刺激群からの刺激を提示するために定義された期間は、例えば約10ミリ秒~約100ミリ秒、約10ミリ秒~約200ミリ秒、約10ミリ秒~約300ミリ秒、約10ミリ秒~約400ミリ秒、約10ミリ秒~約500ミリ秒、約10ミリ秒~約600ミリ秒、約10ミリ秒~約700ミリ秒、約10ミリ秒~約800ミリ秒、約10ミリ秒~約900ミリ秒、約10ミリ秒~約1,000ミリ秒、約10ミリ秒~約1,100ミリ秒、約10ミリ秒~約1,200ミリ秒、約10ミリ秒~約1,300ミリ秒、約10ミリ秒~約1,400ミリ秒、約10ミリ秒~約1,500ミリ秒、約10ミリ秒~約1,600ミリ秒、約10ミリ秒~約1,700ミリ秒、約10ミリ秒~約1,800ミリ秒、約10ミリ秒~約1,900ミリ秒、約10ミリ秒~約2,000ミリ秒、約10ミリ秒~約3,000ミリ秒、約100ミリ秒~約200ミリ秒、約100ミリ秒~約300ミリ秒、約100ミリ秒~約400ミリ秒、約100ミリ秒~約500ミリ秒、約100ミリ秒~約600ミリ秒、約100ミリ秒~約700ミリ秒、約100ミリ秒~約800ミリ秒、約100ミリ秒~約900ミリ秒、約100ミリ秒~約1,000ミリ秒、約100ミリ秒~約1,100ミリ秒、約100ミリ秒~約1,200ミリ秒、約100ミリ秒~約1,300ミリ秒、約100ミリ秒~約1,400ミリ秒、約100ミリ秒~約1,500ミリ秒、約100ミリ秒~約1,600ミリ秒、約100ミリ秒~約1,700ミリ秒、約100ミリ秒~約1,800ミリ秒、約100ミリ秒~約1,900ミリ秒、約100ミリ秒~約2,000ミリ秒、約100ミリ秒~約3,000ミリ秒、約250ミリ秒~約300ミリ秒、約250ミリ秒~約400ミリ秒、約250ミリ秒~約500ミリ秒、約250ミリ秒~約600ミリ秒、約250ミリ秒~約700ミリ秒、約250ミリ秒~約800ミリ秒、約250ミリ秒~約900ミリ秒、約250ミリ秒~約1,000ミリ秒、約250ミリ秒~約1,100ミリ秒、約250ミリ秒~約1,200ミリ秒、約250ミリ秒~約1,300ミリ秒、約250ミリ秒~約1,400ミリ秒、約250ミリ秒~約1,500ミリ秒、約250ミリ秒~約1,600ミリ秒、約250ミリ秒~約1,700ミリ秒、約250ミリ秒~約1,800ミリ秒、約250ミリ秒~約1,900ミリ秒、約250ミリ秒~約2,000ミリ秒、約250ミリ秒~約3,000ミリ秒、約500ミリ秒~約600ミリ秒、約500ミリ秒~約700ミリ秒、約500ミリ秒~約800ミリ秒、約500ミリ秒~約900ミリ秒、約500ミリ秒~約1,000ミリ秒、約500ミリ秒~約1,100ミリ秒、約500ミリ秒~約1,200ミリ秒、約500ミリ秒~約1,300ミリ秒、約500ミリ秒~約1,400ミリ秒、約500ミリ秒~約1,500ミリ秒、約500ミリ秒~約1,600ミリ秒、約500ミリ秒~約1,700ミリ秒、約500ミリ秒~約1,800ミリ秒、約500ミリ秒~約1,900ミリ秒、約500ミリ秒~約2,000ミリ秒、約500ミリ秒~約3,000ミリ秒、約750ミリ秒~約800ミリ秒、約750ミリ秒~約900ミリ秒、約750ミリ秒~約1,000ミリ秒、約750ミリ秒~約1,100ミリ秒、約750ミリ秒~約1,200ミリ秒、約750ミリ秒~約1,300ミリ秒、約750ミリ秒~約1,400ミリ秒、約750ミリ秒~約1,500ミリ秒、約750ミリ秒~約1,600ミリ秒、約750ミリ秒~約1,700ミリ秒、約750ミリ秒~約1,800ミリ秒、約750ミリ秒~約1,900ミリ秒、約750ミリ秒~約2,000ミリ秒、約750ミリ秒~約3,000ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,100ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,200ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,300ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,400ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,500ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,600ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,700ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,800ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,900ミリ秒、約1,000ミリ秒~約2,000ミリ秒、約1,000ミリ秒~約3,000ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,300ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,400ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,500ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,600ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,700ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,800ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,900ミリ秒、約1,250ミリ秒~約2,000ミリ秒、約1,250ミリ秒~約3,000ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,600ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,700ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,800ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,900ミリ秒、約1,500ミリ秒~約2,000ミリ秒、約1,500ミリ秒~約3,000ミリ秒、約2,000ミリ秒~約3,000ミリ秒、または約2,500ミリ秒~約3,000ミリ秒であり得る。
【0059】
第二の刺激群からの刺激の提示は、刺激がテストフェーズを実施する個体に提示されない時間間隔を含む。事前暴露フェーズと同様に、これらの間隔は、単に各刺激の提示の間のギャップである。第一の刺激群からの各刺激の提示の間の時間間隔は、定義された期間に実施される。したがって、これらの間隔が任意選択である事前暴露フェーズとは異なり、テストフェーズでは、刺激の間の時間間隔は、強制的である。これらの実施形態の態様において、第二の刺激群からの刺激の提示の間の時間間隔は、例えば約1ミリ秒~約10,000ミリ秒、約5ミリ秒~約1,000ミリ秒、約10ミリ秒~約500ミリ秒、約15ミリ秒~約250ミリ秒、約20ミリ秒~約100ミリ秒、約25ミリ秒~約75ミリ秒の間、または約50ミリ秒であり得る。この実施形態の態様において、第二の刺激群からの刺激の提示の間の時間間隔は、例えば約10ミリ秒~約10,000ミリ秒、約50ミリ秒~約1,000ミリ秒、約100ミリ秒~約500ミリ秒、約150ミリ秒~約250ミリ秒、約100ミリ秒~約200ミリ秒、約125ミリ秒~約175ミリ秒の間、または約150ミリ秒であり得る。
【0060】
この実施形態の他の態様において、第二の刺激群からの刺激の提示の間の時間間隔は、例えば約10ミリ秒、約50ミリ秒、約100ミリ秒、約150ミリ秒、約200ミリ秒、約250ミリ秒、約300ミリ秒、約350ミリ秒、約400ミリ秒、約450ミリ秒、約500ミリ秒、約550ミリ秒、約600ミリ秒、約650ミリ秒、約700ミリ秒、約750ミリ秒、約800ミリ秒、約850ミリ秒、約900ミリ秒、約950ミリ秒、約1,000ミリ秒、約1,100ミリ秒、約1,200ミリ秒、約1,300ミリ秒、約1,400ミリ秒、約1,500ミリ秒、約1,600ミリ秒、約1,700ミリ秒、約1,800ミリ秒、約1,900ミリ秒、約2,000ミリ秒、約2,500ミリ秒、または約3,000ミリ秒であり得る。この実施形態のさらに他の態様において、第二の刺激群からの刺激の提示の間の時間間隔は、例えば少なくとも10ミリ秒、少なくとも50ミリ秒、少なくとも100ミリ秒、少なくとも150ミリ秒、少なくとも200ミリ秒、少なくとも250ミリ秒、少なくとも300ミリ秒、少なくとも350ミリ秒、少なくとも400ミリ秒、少なくとも450ミリ秒、少なくとも500ミリ秒、少なくとも550ミリ秒、少なくとも600ミリ秒、少なくとも650ミリ秒、少なくとも700ミリ秒、少なくとも750ミリ秒、少なくとも800ミリ秒、少なくとも850ミリ秒、少なくとも900ミリ秒、少なくとも950ミリ秒、少なくとも1,000ミリ秒、少なくとも1,100ミリ秒、少なくとも1,200ミリ秒、少なくとも1,300ミリ秒、少なくとも1,400ミリ秒、少なくとも1,500ミリ秒、少なくとも1,600ミリ秒、少なくとも1,700ミリ秒、少なくとも1,800ミリ秒、少なくとも1,900ミリ秒、少なくとも2,000ミリ秒、少なくとも2,500ミリ秒、または少なくとも3,000ミリ秒であり得る。この実施形態のさらに他の態様において、第二の刺激群からの刺激の提示の間の時間間隔は、例えば多くとも10ミリ秒、多くとも50ミリ秒、多くとも100ミリ秒、多くとも150ミリ秒、多くとも200ミリ秒、多くとも250ミリ秒、多くとも300ミリ秒、多くとも350ミリ秒、多くとも400ミリ秒、多くとも450ミリ秒、多くとも500ミリ秒、多くとも550ミリ秒、多くとも600ミリ秒、多くとも650ミリ秒、多くとも700ミリ秒、多くとも750ミリ秒、多くとも800ミリ秒、多くとも850ミリ秒、多くとも900ミリ秒、多くとも950ミリ秒、多くとも1,000ミリ秒、多くとも1,100ミリ秒、多くとも1,200ミリ秒、多くとも1,300ミリ秒、多くとも1,400ミリ秒、多くとも1,500ミリ秒、多くとも1,600ミリ秒、多くとも1,700ミリ秒、多くとも1,800ミリ秒、多くとも1,900ミリ秒、多くとも2,000ミリ秒、多くとも2,500ミリ秒、または多くとも3,000ミリ秒であり得る。
【0061】
この実施形態のさらに他の態様において、第二の刺激群からの刺激の提示の間の時間間隔は、例えば約10ミリ秒~約100ミリ秒、約10ミリ秒~約200ミリ秒、約10ミリ秒~約300ミリ秒、約10ミリ秒~約400ミリ秒、約10ミリ秒~約500ミリ秒、約10ミリ秒~約600ミリ秒、約10ミリ秒~約700ミリ秒、約10ミリ秒~約800ミリ秒、約10ミリ秒~約900ミリ秒、約10ミリ秒~約1,000ミリ秒、約10ミリ秒~約1,100ミリ秒、約10ミリ秒~約1,200ミリ秒、約10ミリ秒~約1,300ミリ秒、約10ミリ秒~約1,400ミリ秒、約10ミリ秒~約1,500ミリ秒、約10ミリ秒~約1,600ミリ秒、約10ミリ秒~約1,700ミリ秒、約10ミリ秒~約1,800ミリ秒、約10ミリ秒~約1,900ミリ秒、約10ミリ秒~約2,000ミリ秒、約10ミリ秒~約3,000ミリ秒、約100ミリ秒~約200ミリ秒、約100ミリ秒~約300ミリ秒、約100ミリ秒~約400ミリ秒、約100ミリ秒~約500ミリ秒、約100ミリ秒~約600ミリ秒、約100ミリ秒~約700ミリ秒、約100ミリ秒~約800ミリ秒、約100ミリ秒~約900ミリ秒、約100ミリ秒~約1,000ミリ秒、約100ミリ秒~約1,100ミリ秒、約100ミリ秒~約1,200ミリ秒、約100ミリ秒~約1,300ミリ秒、約100ミリ秒~約1,400ミリ秒、約100ミリ秒~約1,500ミリ秒、約100ミリ秒~約1,600ミリ秒、約100ミリ秒~約1,700ミリ秒、約100ミリ秒~約1,800ミリ秒、約100ミリ秒~約1,900ミリ秒、約100ミリ秒~約2,000ミリ秒、約100ミリ秒~約3,000ミリ秒、約250ミリ秒~約300ミリ秒、約250ミリ秒~約400ミリ秒、約250ミリ秒~約500ミリ秒、約250ミリ秒~約600ミリ秒、約250ミリ秒~約700ミリ秒、約250ミリ秒~約800ミリ秒、約250ミリ秒~約900ミリ秒、約250ミリ秒~約1,000ミリ秒、約250ミリ秒~約1,100ミリ秒、約250ミリ秒~約1,200ミリ秒、約250ミリ秒~約1,300ミリ秒、約250ミリ秒~約1,400ミリ秒、約250ミリ秒~約1,500ミリ秒、約250ミリ秒~約1,600ミリ秒、約250ミリ秒~約1,700ミリ秒、約250ミリ秒~約1,800ミリ秒、約250ミリ秒~約1,900ミリ秒、約250ミリ秒~約2,000ミリ秒、約250ミリ秒~約3,000ミリ秒、約500ミリ秒~約600ミリ秒、約500ミリ秒~約700ミリ秒、約500ミリ秒~約800ミリ秒、約500ミリ秒~約900ミリ秒、約500ミリ秒~約1,000ミリ秒、約500ミリ秒~約1,100ミリ秒、約500ミリ秒~約1,200ミリ秒、約500ミリ秒~約1,300ミリ秒、約500ミリ秒~約1,400ミリ秒、約500ミリ秒~約1,500ミリ秒、約500ミリ秒~約1,600ミリ秒、約500ミリ秒~約1,700ミリ秒、約500ミリ秒~約1,800ミリ秒、約500ミリ秒~約1,900ミリ秒、約500ミリ秒~約2,000ミリ秒、約500ミリ秒~約3,000ミリ秒、約750ミリ秒~約800ミリ秒、約750ミリ秒~約900ミリ秒、約750ミリ秒~約1,000ミリ秒、約750ミリ秒~約1,100ミリ秒、約750ミリ秒~約1,200ミリ秒、約750ミリ秒~約1,300ミリ秒、約750ミリ秒~約1,400ミリ秒、約750ミリ秒~約1,500ミリ秒、約750ミリ秒~約1,600ミリ秒、約750ミリ秒~約1,700ミリ秒、約750ミリ秒~約1,800ミリ秒、約750ミリ秒~約1,900ミリ秒、約750ミリ秒~約2,000ミリ秒、約750ミリ秒~約3,000ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,100ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,200ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,300ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,400ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,500ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,600ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,700ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,800ミリ秒、約1,000ミリ秒~約1,900ミリ秒、約1,000ミリ秒~約2,000ミリ秒、約1,000ミリ秒~約3,000ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,300ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,400ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,500ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,600ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,700ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,800ミリ秒、約1,250ミリ秒~約1,900ミリ秒、約1,250ミリ秒~約2,000ミリ秒、約1,250ミリ秒~約3,000ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,600ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,700ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,800ミリ秒、約1,500ミリ秒~約1,900ミリ秒、約1,500ミリ秒~約2,000ミリ秒、約1,500ミリ秒~約3,000ミリ秒、約2,000ミリ秒~約3,000ミリ秒、または約2,500ミリ秒~約3,000ミリ秒であり得る。
【0062】
第二の刺激群は、複数の刺激を含む。この実施形態の態様において、本明細書に開示された第二の刺激群は、少なくとも1つの事前暴露刺激、非事前暴露刺激、標的刺激、および1つまたは複数の中性刺激を含む。非事前暴露刺激は、事前暴露フェーズの間に提示されない刺激であり、テストフェーズの間だけ発生する新奇刺激を表す。それは、標的刺激の発生の予測因子である。標的刺激は、事前暴露フェーズの間に提示されない刺激であり、テストフェーズの間だけ発生する新奇刺激を表す。それは、個体がテストフェーズの際に発生を予想しようする刺激である。標的刺激は、事前暴露または非事前暴露刺激の後だけ個体により正しく予想され得るが、中性刺激の後には正しく予想され得ない。事前暴露刺激および中性刺激は、事前暴露フェーズ手順で提示されるものと同様である。
【0063】
本明細書に開示された群割り付け法、精神障害判定法、および治療法推奨法は、本明細書に開示された第二の刺激群からの各刺激への個体の標的予想応答に関連する時間を測定する。開示された第二の指示セットに従って、提示時間と間隔時間の合計未満の本明細書に開示された標的刺激の応答は、個体が標的刺激の発生を予想したことの指標になる。この実施形態の態様において、個体は、標的刺激の発生を予想することをスコア化され、提示時間と間隔時間の合計が、例えば550ミリ秒未満、750ミリ秒未満、950ミリ秒未満、1,050ミリ秒未満、1,150ミリ秒未満、1,350ミリ秒未満、1,550ミリ秒未満、1,750ミリ秒未満、1,950ミリ秒未満、2,150ミリ秒未満、2,350ミリ秒未満、または2,550ミリ秒未満であれば、個体は、標的刺激の発生を予想したことになる。
【0064】
本明細書に開示された第二の指示セットに従って、提示時間と間隔時間の合計以上の本明細書に開示された標的刺激の応答は、個体が標的刺激の発生を予想することができなかったことの指標になる。この実施形態の態様において、個体は、標的刺激の発生を予想することができないことをスコア化され、提示時間と間隔時間の合計が、例えば550ミリ秒以上、750ミリ秒以上、950ミリ秒以上、1,050ミリ秒以上、1,150ミリ秒以上、1,350ミリ秒以上、1,550ミリ秒以上、1,750ミリ秒以上、1,950ミリ秒以上、2,150ミリ秒以上、2,350ミリ秒以上、2,550ミリ秒以上であれば、個体は、標的刺激の発生を予想することができなかったことになる。
【0065】
本明細書に開示された群割り付け法、精神障害判定法、および治療法推奨法は、個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算し、個体が減弱された潜在抑制応答、正常な潜在抑制応答または増強された潜在抑制応答を呈するかどうかを判定するステップを含む。アプリケーション500の潜在抑制スコアフェーズが、図5により詳細に示される。テスト結果データセットからの患者Pのテストデータが、データベースから取得される、ステップ502。患者Pの潜在抑制スコアLISは、応答時間tRn、そして場合により非応答または時機外れの応答などのテスト結果データセットの少なくとも一部に対する潜在抑制アルゴリズムを用いて判定される、ステップ504。データセット内の外れ値が、手動で、または自動的に排除されて、評定の正確性を改善してもよい。計算された潜在抑制スコアLISは、参照潜在抑制スコアLISに比較されて、患者Pのためのアウトカムの評定を判定する、ステップ505。ステップ506において、アプリケーションは、LIS=LIS、即ち厳密に等しい、または互いの所定範囲内であるかどうかを判定する。LIS=LISであれば、患者Pは、正常な潜在抑制応答を有すると分類される、ステップ508。ステップ510において、アプリケーションは、LIS>LISであるかどうかを判定する。LIS>LISであれば、患者Pは、増強された潜在抑制応答を有すると分類される、ステップ512。ステップ514では、アプリケーションは、LIS<LISであるかどうかを判定する。LIS<LISであれば、患者Pは、減弱された潜在抑制応答を有すると分類される、ステップ516。患者Pのアウトカム評定データは、患者データセットに記録される、ステップ518。
【0066】
図2に認められるとおり、本発明は、その一態様において、潜在抑制課題を実施するためのアルゴリズムを広範囲に呼び出す方法200である。アルゴリズムは、複数のソフトウエア要素により実行される1つまたは複数のデータ処理機能に具現化される。潜在抑制課題は、事前暴露フェーズ(本明細書では事前暴露部分300と称される)と、テストフェーズ(本明細書ではテキスト部分400と称される)と、測定およびアプリケーションフェーズ(本明細書では潜在抑制スコアリング部分500と称される)と、で実施され、ここで潜在抑制スコアは、刺激の提示への患者の応答をモデル化するために計算され、患者の臨床試験群割り付け、患者の精神障害、および患者の適切な治療法を決定するために用いられる。測定およびアプリケーションフェーズが作業記憶スコアを計算することを含み得ること、ならびに潜在抑制スコアまたは作業記憶スコアのどちらかまたは両方がアルゴリズムにより計算され得ることが、理解されなければならない。図3は、事前暴露フェーズにおけるステップのフローチャートであり、図4は、テストフェーズにおけるステップのフローチャートである。図5は、患者の臨床試験群割り付けを決定するステップのフローチャートであり、図6および図7は、潜在抑制スコアに従う診断および治療推奨のマトリックスである。
【0067】
アルゴリズムは、複数のデータ処理モジュールを実行するように構成された1つまたは複数のサーバなどのハードウエア構成要素により実行されてもよい。ハードウエア構成要素およびソフトウエア要素は、1つまたは複数のプロセッサに加え、複数の追加的ソフトウエア要素およびハードウエア構成要素も含み得る計算環境内の構成要素である。1つまたは複数のプロセッサ、ならびに様々なソフトウエアおよびハードウエアが、潜在抑制課題を実施するアルゴリズムの一部であり複数のデータ処理モジュール内に具現化される、本明細書に記載された分析機能を少なくとも実施する少なくとも1つのコンピュータ可読非一時的記憶媒体内に保存されたプログラム指導ルーチン、サブルーチン、および他のソフトウエア要素を実行するように構成されている。
【0068】
アルゴリズムは、一般的概要として、新たに導入された標的刺激が新奇の非標的刺激と関連づけられることを患者が検出する度合いを、それが既知の非標的刺激に関連づけられることを検出することに対比して評定する、潜在抑制課題の事前暴露フェーズおよびテストフェーズを実行しながら、複数の特異的機能を実施する。潜在抑制課題は、患者をいくつかの非標的刺激に慣れさせる馴化または事前暴露ブロックで開始する。次に、メインおよびテストブロックは、標的刺激の導入に加え、添加された新奇の非標的刺激を認める。
【0069】
事前暴露およびテキストブロックは、タッチ応答機能を有するグラフィカルユーザインターフェースを介して提示される。スクリーンのレイアウト、提示およびボタン操作に関係しては、潜在抑制課題は、非トレーニングフェーズでの持続的注視の迅速視覚情報処理テスト(RVP)と類似している。
【0070】
潜在抑制課題アルゴリズムの事前暴露およびテストブロックにおいて、刺激は、テキスト値に制限され、典型的な課題バリアントでは、各刺激は、単一の大文字である。クオーテーションが、バリアントを示すために本明細書で用いられてもよく、その選択は、実装の構成可能なファセットを示すために用いられる。これらは、ソフトウエアコードでは「変数」と等しく、少なくとも一部がテストの管理者の目的に応じて、呼び出され得る、または呼び出され得ない本発明で実施されるアルゴリズムの異なる部分を表す。いずれにしても、受け入れた値は、有効な課題バリアントにより指定されるか、またはその中でオーバーライドされなければ、表1、表2および表3に与えられた値により指定される。
【表1】
【表2】
【表3】
【0071】
事前暴露ブロックは、表1、表2および表3に示される通り、3モードのうちの1つで動作してもよい。モードは、デフォルトモード、標準モード、およびワンバックモードであってもよい。これらのモードのそれぞれで提示された値は、以下の通り、潜在抑制アルゴリズムによる事前暴露の提示を規定する。表1、表2および表3の変数名は、「preInstructions」など、課題の異なる部分を指す。
【0072】
変数に複数の(i)の値が存在する表1、表2および表3を参照すると、変数の値が異なるそれぞれの(i)について、別の列が用いられている。明確にするために、凡例「PE」および「NPE」はそれぞれ、事前暴露および非事前暴露刺激(即ち、それぞれ標的刺激の前に最も頻繁に発生するように構成された既知刺激および非既知刺激)を指摘している。
【0073】
事前暴露フェーズでは、タッチ可能なスクリーンの下部中央に描画されたボタンを含む、グラフィカルユーザインターフェースでボタンを操作する。ボタンを押圧するために、患者は、(最初はタッチしていないものとして現れる)ボタンをタッチする、その後、タッチされたことを示すようにボタンが再描画される。患者が、ボタンをタッチしなくなる、またはボタンを境界の外側までドラッグすると、アルゴリズムは、ボタンをタッチしていない状態に戻すようにボタンを再描画する。潜在抑制課題に及ぼす他の影響は存在しない。この事前暴露フェーズの次のステップでは、ボタンは、およそ5mm厚の見えない縁に囲まれている(典型的なタブレットスクリーンと比べて)。しかしそのような縁の任意のサイズが表示され得ることが、理解されなければならない。いずれにしても、この縁のタッチは、ボタンのタッチと見なされる。
【0074】
各ブロックの前に、指示が、タッチスクリーンインターフェースに表示される。矢印のボタンは、典型的には指示の下に出現し、タッチスクリーンの下部に表示される。患者がそれをタップすると、アルゴリズムが指示を削除し、事前暴露刺激提示のブロックが開始する。
【0075】
スクリーン上のテキストを特有のフォントで表示するための選択された変数に応じて、事前暴露刺激の開始を合図するボタンが最初に患者に表示されても、またはされなくてもよい。例えば「preMethod」が、「1バック」または「2バック」の変数で選択されるとボタンが表示される、またはボタンが表示されない。いずれにしても、連続刺激提示が、開始される。提示された刺激は、順次、各定義された刺激(i)のための刺激(i)の発生を表す「preOccurrences(i)」で構成された、無作為にシャッフルされたリストから描画される(i>0)。「avoidRepeats」が、選択されたら、同じ刺激が1つの行に2回提示されることのないよう、リストはさらに修正される。これは、各刺激を順次、精査することにより実現され、それが事前の刺激の反復になる場合には、それを配列内の、反復にはならない(即ち、同じ刺激の後続または事前ではない)無作為な新しい場所に移動させる。
【0076】
各刺激は、典型的にはミリ秒で表される、変数に応じて事前設定された期間の表示のために提示される。例えば「stimulusDisplay」が変数であれば、事前設定された期間は、1000ミリ秒である。刺激はその後、相殺され、「postStimulusBlank」に特異的な期間などの別の事前設定された期間に刺激は表示されない。刺激のサイズは、例えば変数「stimulusTextHeight」に指定された、事前設定された高さである。
【0077】
患者によりボタンが押圧されると、押圧されたボタンは、知覚された提示に関連づけられる。「preemptDelay」msがスクリーンに表示された後、次の刺激後の「preemptDelay」msがスクリーンに表示されるまで、所与の提示は、「preemptDelay」msから知覚された提示である。ブロック内の最初の刺激からの「preemptDelay」msの前に、そしてブロック内の最後の刺激の後の「preemptDelay」msから、知覚された提示は存在せず、タッチスクリーン上で患者によりなされた任意の押圧は、無視される。事前暴露ブロックは、ブロックの最後の刺激が相殺された後に、「preemptDelay」msを終了する。
【0078】
潜在抑制課題アルゴリズムのメインまたはテストブロックまたはフェーズは、以下に記載される差異を除き、事前暴露ブロックと同様の手法で実行される。このフェーズでは、ボタンは常に、患者に表示される。
【0079】
アルゴリズムのこのテストフェーズで提示される刺激は順次、各定義された刺激(i)(i>0)のための刺激(i)の「mainOccurrencesNoTarget(i)」発生と、各定義された刺激(i)(i>0)のための刺激(i)の「mainOccurrencesThenTarget(i)」発生と、から構成された無作為にシャッフルされたリストから描画され、各発生の直後に「targetStimulus」が単回発生する。シャッフルの際、「targetStimulus」に続く刺激が移動されるかどうかにかかわらず、標的は刺激と共に移動されるため、それは依然としてシャッフルされた配列内の移動された刺激に続く、ということに留意されたい。
【0080】
事前暴露フェーズの際と同様に、「avoidRepeats」が、デフォルトである場合、同じ刺激が1つの行に2回提示されないように、刺激のリストがさらに修正されるが、移動された刺激が元の配列内の標的に続けば、標的はその刺激とともに移動されるため、それは依然として修正された配列の移動された刺激に続く。
【0081】
事前暴露およびテストブロックのための変数およびデフォルトの議論に戻ると、事前暴露ブロック内の「preInstructions」内の刺激の提示の際、患者は、テキストで提示され、以下のような例があり得る。
この課題では、スクリーンに現れる文字列が見えます。
現れた文字が、配列の最後から2ポジション前に提示された文字と同じである時は毎回、スクリーンの下部の応答ボタンを押してください。
他の場合は、応答しないでください。
この課題が終了したら、新しい指示セットが与えられます。開始する準備ができたら、下の矢印を押してください。
【0082】
メインまたはテストブロックの際、異なるテキストが、「preInstructions」の際にタッチスクリーンに出現する。患者は、例えば以下のように読み取れるテキストが提示される。
この課題では、スクリーンに現れる文字列が見えます。
文字Xの出現を予測してください。
Xが出現すると思う時に、スクリーンにXが出現するより前に、配列内の応答ボタンを押してください。
それができなければ、Xの文字が見えたらできるだけ早く応答ボタンを押してください。Xを予測する規則は1つより多いかもしれません。
できるだけ正確になるように努めて欲しいですが、誤って操作しても心配いりません。
課題を理解し、開始する準備ができたら、下の矢印を押してください。
【0083】
上のテキストについて、変数の様々なもののために示されるテキストを区切る場合に記号が用いられ、記号
【数1】
がソフトウエアコードに出現すると、これは新しくスクリーン上で区切られなければならないことを示している(記号がスクリーン上で患者に表示されないことに留意)。これらは、テキストが本明細書でどのように折り返されているかかわらず、テキストがスクリーン上で折り返されることになる唯一のポイントになる。
【0084】
テストフェーズの際、潜在抑制課題アルゴリズムは、提示された刺激への患者の応答を測定する。アルゴリズム内の課題バリアントに利用可能な応答時間を測定するためのプロトコルが、以下に定義される。クオーテーションマークの変数は、測定プロトコルの構成可能な選択肢を示す。これは、ソフトウエアコード内の「変数」と等しく、鍵括弧に囲まれていれば、テキストを読む時に変数の実際の値に代用される。これらの変数がとる値は、課題バリアントの測定定義において有効に指定される。課題が中止された場合は常に測定が計算不能になることに、留意されたい。
【0085】
「知覚された提示」は、関係する対象の相互作用がプリエンプト期間に発生した場合以外の、対象に表示された提示を指し、その場合それは、過去の提示を指す。最初の提示のプリエンプト期間の際の任意の相互作用は、無視される。これは、持続的注視の迅速視覚情報処理テスト(RVP)でとられたアプローチと一致する。
【0086】
アルゴリズムは、刺激応答潜在性として測定された応答時間をモデル化するために利用可能ないくつかの分析機能を有する。これらの分析機能は、カウント、平均、中央値および標準偏差をはじめとするそのようなモデルのための統計解析を適用し、アルゴリズムは、患者の応答時間をモデル化する際にこれらの分析機能の1つまたは複数を利用してもよい。これらの統計解析を総合して、患者の応答の量での、または応答の中心傾向およびそのような中心傾向からの距離に関係する、正常な、減弱された、または増強された潜在抑制の指標である患者応答における行動範囲を評価するために用いられる。
【0087】
選択されたタイプの知覚された提示へのメイン(事前暴露でない)ブロックの際の刺激応答潜在性が、刺激提示から対象による最初のボタンタップまで測定される。本発明が、カウント機能を適用する場合、アルゴリズムは、提示内の厳密な反応時間に関わらず、そのような応答が発生した提示の数をカウントする。本発明が、平均、中央値、または標準偏差機能を適用する場合、モデルは、応答総数でこれらの計算を実施する。
【0088】
潜在応答刺激のための提示タイプは、複数の異なる形態で発生してもよい。これは、フィルター、事前標的刺激が事前暴露で示された事前暴露(P.E.)刺激、事前標的刺激が事前暴露で示されていない非事前暴露(N.P.E.)刺激、標的、P.E.後標的、N.P.E.後標的、およびフィルター後標的を挙げることができる。
【0089】
メイン(事前暴露でない)ブロックの際の標的応答潜在性は、各P.E./N.P.E.標的期間の際に行われる最初のボタンタップから測定される。P.E./N.P.E.標的期間は、P.E./N.P.E.刺激の知覚された提示の開始から次の標的刺激の知覚された提示の終了まで実行され、P.E./N.P.E.刺激の始まりから測定される。再びアルゴリズムは、標的応答潜在性として測定される応答時間をモデル化するために利用可能ないくつかの分析機能を有する。これらの分析機能は、カウント、平均、中央値および標準偏差をはじめとする統計解析を適用し、アルゴリズムは、標的刺激への患者の応答時間をモデル化する際にこれらの分析機能の1つまたは複数を利用してもよい。
【0090】
標的刺激のための提示タイプは、先に注記された通り、事前暴露(P.E.)または非事前暴露(N.P.E.)刺激のどちらかである。P.E.刺激では、事前標的刺激は、事前暴露で示されたものであり、次の標的の際の任意のボタンの押圧も含まれる。N.P.E.刺激では、事前標的刺激は、事前暴露で示されなかったものであり、P.E.と同様に、次の標的の際の任意の押圧も含まれる。
【0091】
作業記憶の評定は、事前暴露ヒットおよび事前暴露フォールスアラームを評価する必要がある。図3から、n-バック応答がnポジション前に提示された刺激への応答に関係すること、および指令がn-バック応答を必要としても、またはしなくてもよく、そのため応答入力が、表示された各P.E.刺激に必要とされてもよく、またはn-バック応答は、nポジション前に提示された過去のP.E.刺激にマッチングするP.E.刺激に必要とされることに、留意されたい。事前暴露ヒットは、患者がボタンをタップした、事前暴露ブロックの際にn-バックの「go」の知覚された提示の数をカウントすることにより評価される。これが、n-バックのない事前暴露ブロックの場合にはゼロになることに、留意されたい。事前暴露フォールスアラームは、患者がボタンをタップした、事前暴露ブロックの際にn-バック「stop」の知覚された提示の数をカウントすることにより評価される。これもまた、n-バックのない事前暴露ブロックの場合にはゼロになることに、留意されたい。
【0092】
応答時間を評価するために用いられる提示のタイプまたは分析機能に関わらず、アルゴリズムは、これらの分析機能から得られた情報を利用して、潜在抑制スコアおよび作業記憶スコアを計算する。これらのそれぞれが、先に注記された通り、患者のための臨床試験群割り付け、患者の精神障害、および患者への適切な治療法を決定するために本発明で利用されてもよい。
【0093】
患者の潜在抑制スコアは、PE刺激の標的応答潜在性を測定すること、NPE刺激の標的応答潜在性を測定すること、およびその2つの差、言い換えればP.E.マイナスN.P.E.をコンピュータ計算すること、により計算されてもよい。これは、潜在抑制を測定するために適用された分析機能に関わらず実施されてもよい。
【0094】
患者の作業記憶スコアは、ヒットの総数およびフォールスアラームの総数をコンパイルすること、その2つの差、言い換えればヒットマイナスフォールスアラームをコンピュータ計算すること、により計算されてもよい。潜在抑制スコアと同様に、これは、潜在抑制を測定するために適用された分析機能に関わらず実施されてもよい。
【0095】
本発明は、機械学習の1つまたは複数の技術を組み入れ、機械学習のそのような技術を識別して、提示された刺激への患者の反応のモデル化から発現された刺激潜在応答および標的潜在応答を分析する独自のルールを適用してもよい。機械学習は、データを評価してそのデータから学習し、十分な情報を得た上で学習したことに基づいて判定を下すように展開されたアルゴリズムを備えた、人工知能のアプリケーションである。そのような十分な情報を得た上で判定を下すことにより解決される特有の問題に焦点を当てた特殊な機械学習モデルが開発され得る。本発明において、アルゴリズムは、そのような技術を適用し、テキストの表示への過去の応答に基づいて特質を推論することにより、潜在抑制スコアおよび作業記憶スコアにより判定されたアウトカムに改良を加えるように構成されていてもよい。それゆえ本発明は、機械学習の1つまたは複数の技術を適用して、患者の臨床試験群割り付け、患者の精神障害、および患者への適切な治療法について得られた決定に改良を加えてもよい。
【0096】
ステップ1000において、アプリケーションは、さらなる評定のために患者データセットから患者Pのアウトカム評定データを取得する。さらなる評定のためのアウトカム評定データとの使用のために、患者の個人データ(病歴、個人のデータなど)が、ステップ1002において患者データセットから入力および/または取得される。ステップ600では、アプリケーションアルゴリズムが、アウトカム評定データおよび患者個人データの一方または両方に適用されて、精神障害に関する臨床試験に参加する群への患者Pの割り付けを決定する。ステップ700において、アプリケーションアルゴリズムが、アウトカム評定データおよび患者個人データの一方または両方に適用されて、もしあるならば、患者の精神障害のタイプを判定する。ステップ800において、アプリケーションアルゴリズムが、アウトカム評定データおよび患者個人データの一方または両方に適用されて、適切な患者の治療法を決定する。ステップ600、700および800のうちの1つまたは複数からの評定データが、データベース内の患者データセットに記録される。
【0097】
一実施形態において、潜在抑制スコアは、1つまたは複数の反応時間を利用して計算される。この実施形態の態様において、潜在抑制スコアは、i)標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均時間を計算すること;ii)標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均時間を計算すること;およびiii)第一の平均時間から第二の平均時間を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される。
【0098】
この実施形態の態様において、潜在抑制スコアは、1つまたは複数の反応時間を利用して、i)標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均時間を計算すること;ii)標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均時間を計算すること;およびiii)第二の平均時間から第一の平均時間を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される。
【0099】
この実施形態の態様において、潜在抑制スコアは、1つまたは複数の反応時間を利用して、i)標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均時間を計算すること;ii)標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予測応答に基づいて第二の平均時間を計算すること;およびiii)第一の平均時間が第二の平均時間より遅いか、または速いかを判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される。
【0100】
この実施形態の態様において、潜在抑制スコアは、1つまたは複数の反応時間を利用して、i)非事前暴露刺激に基づく各標的予想応答時間を事前暴露刺激に基づく標的予想応答時間とペアリングすること;ii)非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間が、事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べ速いかどうかを計算すること;およびiii)(a)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて高い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、(b)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて低い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、または(c)(a)および(b)の両方、を判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される。
【0101】
一実施形態において、潜在抑制スコアは、予想応答数を利用して計算される。この実施形態の態様において、潜在抑制スコアは、i)標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均予想応答数を計算すること;ii)標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均予想応答数を計算すること;およびiii)第一の平均予想応答数から第二の平均予想応答数を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される。
【0102】
この実施形態の態様において、潜在抑制スコアは、予想応答数を利用して、i)標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均予想応答数を計算すること;ii)標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均予想応答数を計算すること;およびiii)第二の平均予想応答数から第一の平均予想応答数を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される。
【0103】
この実施形態の態様において、潜在抑制スコアは、予想応答数を利用して、i)標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均予想応答数を計算すること;ii)標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予測応答に基づいて第二の平均予想応答数を計算すること;およびiii)第一の平均予想応答数が第二の平均予想応答数より低いか、または高いかを判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される。
【0104】
この実施形態の態様において、潜在抑制スコアは、予想応答数を利用して、i)非事前暴露刺激に基づく各標的予想応答を事前暴露刺激に基づく標的予想応答とペアリングすること;ii)非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間が、事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べ速いかどうかを計算すること;およびiii)(a)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて高い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、(b)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて低い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、または(c)(a)および(b)の両方、を判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される。
【0105】
一実施形態において、潜在抑制スコアは、予想応答のパーセントを利用して計算される。この実施形態の態様において、潜在抑制スコアは、予想応答パーセントを利用して、i)標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答パーセントを計算すること;ii)標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の予想応答パーセントを計算すること;およびiii)第一の予想応答パーセントから第二の予想応答パーセントを差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される。
【0106】
この実施形態の態様において、潜在抑制スコアは、予想応答のパーセントを利用して、i)標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答パーセントを計算すること;ii)標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の予想応答パーセントを計算すること;およびiii)第二の予想応答パーセントから第一の予想応答パーセントを差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される。
【0107】
この実施形態の態様において、潜在抑制スコアは、予想応答のパーセントを利用して、i)標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答パーセントを計算すること;ii)標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予測応答に基づいて第二の予想応答パーセントを計算すること;およびiii)第一の予想応答パーセントが第二の予想応答パーセントより低いか、または高いかを判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される。
【0108】
一実施形態において、潜在抑制スコアは、潜在抑制スコアを潜在抑制スコアの標準範囲を含む参照スコアと比較することにより計算される。参照スコアは、正常な個体から得られた値、異なるタイプの患者から得られた値、および/または1つもしくは複数の過去のテストで同じ個体から得られた値に基づき得る。標準範囲の潜在抑制スコアは、複数の健常個体に基づき得る。この実施形態の態様において、複数の健常個体は、例えば約20名以上の個体、約30名以上の個体、約40名以上の個体、約50名以上の個体、約60名以上の個体、約70名以上の個体、約80名以上の個体、約90名以上の個体、または約100名以上の個体であり得る。計算された潜在抑制スコアが参照スコアより上だと、増強された潜在抑制応答の指標である。計算された潜在抑制スコアが参照スコアの標準範囲内だと、正常な潜在抑制応答の指標である。計算された潜在抑制スコアが参照スコア未満だと、減弱された潜在抑制応答の指標である。
【0109】
一実施形態において、潜在抑制スコアは、正確度-感度dスコアを利用して計算される。この実施形態の態様において、潜在抑制スコアは、正確度-感度dスコアを利用して、i)標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答dスコアを計算すること;ii)標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の予想応答dスコアを計算すること;およびiii)第一の予想応答dスコアから第二の予想応答dスコアを差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される。第一のdスコアおよび第二のdスコアは、i)正しく識別されたバック標的の数の合計をバック標的の総数で割ることにより、ヒット率を計算すること;ii)誤ってバック標的として識別された刺激の応答数をバック標的の総数で割ることにより、フォールスアラーム率を計算すること;ならびにiii)z変換をヒット率およびフォールスアラーム率に適用し、得られた変換ヒット率から得られた変換フォールスアラーム率を差し引いてdスコアを得ること、により計算される。
【0110】
本明細書に開示された群割り付け法、精神障害判定法、および治療法推奨法は、個体の作業記憶を評価することをさらに含んでいてもよい。一実施形態において、現行の刺激が第一の刺激群の配列の1ポジション前に示された刺激と同じである場合のみ、第一の刺激群の現行の刺激に応答するように個体に要求する指令を提示することにより、作業記憶が本明細書に開示された事前暴露フェーズで評価され得る。一実施形態において、現行の刺激が第一の刺激群の2ポジション前に示された刺激と同じである場合のみ、第一の刺激群の現行の刺激に応答するように個体に要求する指令を提示することにより、作業記憶が本明細書に開示された事前暴露フェーズで評価され得る。
【0111】
一実施形態において、作業記憶は、i)提示バック刺激に基づいて提示された事前暴露応答の数をカウントすること;ii)提示バック刺激に基づいて個体により正しく選択された事前暴露応答の数をカウントすること;およびiii)個体により正しく選択された事前暴露応答のパーセントを計算し、50%以上が作業記憶の指標であること、により評価される。
【0112】
一実施形態において、作業記憶は、i)提示バック刺激に基づいて個体により誤って選択された事前暴露応答の数をカウントすること;およびii)個体により誤って選択された事前暴露応答のパーセントを計算し、50%以上が損傷された作業記憶の指標であること、により評価される。
【0113】
一実施形態において、作業記憶は、個体により誤って選択された事前暴露応答の平均反応時間を計算することにより評価される。
【0114】
一実施形態において、作業記憶は、バック刺激の提示に基づいて提示された事前暴露応答のdスコアを計算することにより評価される。
【0115】
潜在抑制スコアが、本明細書に開示された群割り付け法、精神障害判定法、または治療法推奨法により計算されたら、この計算は、アウトカム評定を行う基本原理として用いられる。各方法は、アウトカム評定を作成するが、その評定の詳細は、方法に固有である。
【0116】
本明細書に開示された群割り付け法に関係して、アウトカム評定は、臨床試験により選定された群に個体を割り付けるステップを含む。一実施形態において、個体の潜在抑制スコアが減弱された潜在抑制応答の指標か、正常な潜在抑制応答の指標か、または増強された潜在抑制応答の指標か、に基づいて個体が群に割り付けられる。一実施形態において、作業記憶が測定される場合も、個体の潜在抑制スコアが減弱された潜在抑制応答の指標か、正常な潜在抑制応答の指標か、または増強された潜在抑制応答の指標か、そして個体が作業記憶に欠損を呈するか否か、に基づいて個体が群に割り付けられる。
【0117】
本明細書に開示された精神障害判定法に関連して、アウトカム評定は、個体の精神障害を計算することを含む(図6)。
【0118】
一実施形態において、本明細書に開示された精神障害判定法のアウトカム評定は、個体が精神障害の超ハイリスクを有するかどうかに関係する。この実施形態の態様において、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有することを示す。この実施形態の他の態様において、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないことを示す。この実施形態のさらに他の態様において、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有することを示す。
【0119】
この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有することを示す。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないことを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有することを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないことを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有することを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないことを示す。
【0120】
一実施形態において、本明細書に開示された精神障害判定法のアウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患しているかどうかに関係する。この実施形態の態様において、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していることを示す。この実施形態の他の態様において、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していないことを示す。この実施形態のさらに他の態様において、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していることを示す。
【0121】
この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していることを示す。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していることを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していないことを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していないことを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があること、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していると予測されることを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していることを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないこと、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していると予測されることを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していることを示す。
【0122】
一実施形態において、本明細書に開示された精神障害判定法のアウトカム評定は、個体が精神障害に罹患しているかどうかに関係する。この実施形態の態様において、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していることを示す。この実施形態の他の態様において、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していないことを示す。この実施形態のさらに他の態様において、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していることを示す。
【0123】
この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していることを示す。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していることを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報は、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していないことを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していないことを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合においても、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していることを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していることを示す。
【0124】
一実施形態において、本明細書に開示された精神障害判定法のアウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患しているかどうかに関係する。この実施形態の態様において、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有することを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していないことを示す。この実施形態の態様において、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有することを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示す。この実施形態の態様において、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していると予測されることを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示す。
【0125】
この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示す。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示す。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示す。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示す。
【0126】
本明細書に開示された治療法推奨法に関連して、アウトカム評定は、個体を治療するための推奨治療法を含む(図7)。この実施形態の態様において、推奨治療法は、i)治療法の推奨がないこと;あるいはii)認知機能向上剤で治療すること、抗精神病薬で治療すること、クロザピンもしくは治療抵抗性精神病症状のための代替薬で治療すること、または任意のそれらの組み合わせを含む。
【0127】
この実施形態の態様において、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有することを示し、治療法推奨は、認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の他の態様において、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないことを示し、治療法推奨は、提供されない。この実施形態のさらに他の態様において、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有することを示し、治療法推奨は、認知機能向上剤で治療することを含む。
【0128】
この実施形態の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有することを示し、治療法推奨は、認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないことを示し、治療法推奨は、提供されない。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有することを示し、治療法推奨は、認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないことを示し、治療法推奨は、提供されない。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有することを示し、治療法推奨は、認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないことを示し、治療法推奨は、提供されない。
【0129】
この実施形態の態様において、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算され、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していることを示し、治療法推奨は、抗精神病薬で治療することを含む。この実施形態の他の態様において、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算され、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していないことを示し、治療法推奨は、現行の治療を維持することを含む。この実施形態の他の態様において、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算され、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していることを示し、治療法推奨は、認知機能向上剤で治療することを含む。
【0130】
この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していることを示し、治療法推奨は、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していることを示し、治療法推奨は、抗精神病薬で治療することを含む。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していないことを示し、治療法推奨は、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していないことを示し、治療法推奨は、現行の治療を維持することを含む。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していることを示し、治療法推奨は、認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していることを示し、治療法推奨は、認知機能向上剤で治療することを含む。
【0131】
この実施形態の態様において、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の他の態様において、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していないことを示し、治療法推奨は、現行の治療を維持することを含む。この実施形態のさらに他の態様において、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、認知機能向上剤で治療することを含む。
【0132】
この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、抗精神病薬で治療することを含む。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していないことを示し、治療法推奨は、現行の治療を維持することに加え、認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態のさらに他の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していないことを示し、治療法推奨は、現行の治療を維持することを含む。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の他の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む。
【0133】
この実施形態の態様において、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有することを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の他の態様において、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有することを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、クロザピンまたは治療抵抗性精神病症状のための代替薬および認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態のさらに他の態様において、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有することを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、クロザピンまたは治療抵抗性精神病症状のための代替薬および認知機能向上剤で治療することを含む。
【0134】
この実施形態の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の態様において、作業記憶が測定される場合も、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、クロザピンまたは治療抵抗性精神病症状のための代替薬および認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の態様において、作業記憶が測定される場合も、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、クロザピンまたは治療抵抗性精神病症状のための代替薬および認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損があることを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、クロザピンまたは治療抵抗性精神病症状のための代替薬および認知機能向上剤で治療することを含む。この実施形態の態様において、作業記憶が測定される場合も、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損がないことを示す場合、アウトカム評定は、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していることを示し、治療法推奨は、クロザピンまたは治療抵抗性精神病症状のための代替薬および認知機能向上剤で治療することを含む。
【0135】
この実施形態の態様において、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが後続の評定であることを示す場合、アウトカム評定は、計算された潜在抑制スコアが1つまたは複数の過去の潜在抑制スコアを上回る改善であったことを示し、治療法推奨は、現行の治療の薬物用量を増加させることを含む。この実施形態の他の態様において、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが後続の評定であることを示す場合、アウトカム評定は、計算された潜在抑制スコアが1つまたは複数の過去の潜在抑制スコアを上回る改善であったことを示し、治療法推奨は、現行の治療を維持することを含む。この実施形態のさらに他の態様において、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが後続の評定であることを示す場合、アウトカム評定は、計算された潜在抑制スコアが1つまたは複数の過去の潜在抑制スコアと同様またはより悪化したことを示し、治療法推奨は、現行の治療の薬物用量を減少させることを含む。
【0136】
この実施形態の態様において、減弱された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが後続の評定であることを示す場合、アウトカム評定は、計算された潜在抑制スコアが1つまたは複数の過去の潜在抑制スコアと同様またはより悪化したことを示し、治療法推奨は、異なる治療を含む。この実施形態の他の態様において、正常な潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、これが後続の評定であることを示す場合、アウトカム評定は、計算された潜在抑制スコアが1つまたは複数の過去の潜在抑制スコアと同様であったことを示し、治療法推奨は、現行の治療を維持することを含む。この実施形態のさらに他の態様において、増強された潜在抑制応答がこの方法により計算されて、この方法に入力された情報が、計算された潜在抑制スコアの場合にこれが後続の評定であることを示す場合、アウトカム評定は、計算された潜在抑制スコアが1つまたは複数の過去の潜在抑制スコアと同様またはより悪化したことを示し、治療法推奨は、異なる治療を含む。
【0137】
本明細書の態様は、認知機能向上剤を開示する。一実施形態において、本明細書に開示された認知機能向上剤としては、イオンチャネル型(ionotropphic)受容体のアゴニスト、アンタゴニスト、部分アゴニスト、ポジティブアロステリックモジュレータ、ネガティブアロステリックモジュレータ、サイレントアロステリックモジュレータ、またはインバースアゴニストが挙げられる。イオンチャネル型受容体の例示的例としては、ニコチン性アセチルコリン(nAch)受容体、イオンチャネル型ガンマアミノ酪酸(GABA)受容体、イオンチャネル型グルタミン(Glu)受容体、またはイオンチャネル型セロトニン(5-HT)受容体が挙げられるが、これらに限定されない。nAch受容体の非限定的例としては、α4β2 nAch受容体、α3β4 nAch受容体、およびα7 nAch受容体が挙げられる。イオンチャネル型GABA受容体の非限定的例としては、GABA受容体およびGABAA-ρ受容体が挙げられる。イオンチャネル型グルタミン受容体の非限定的例としては、N-メチル-D-アスパラギン酸受容体、カイニン酸受容体、およびα-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸受容体が挙げられる。イオンチャネル型5-HT受容体の非限定的例としては、5-HT受容体が挙げられる。
【0138】
一実施形態において、本明細書に開示された認知機能向上剤としては、代謝調節型受容体のアゴニスト、アンタゴニスト、部分アゴニスト、ポジティブアロステリックモジュレータ、ネガティブアロステリックモジュレータ、サイレントアロステリックモジュレータ、またはインバースアゴニストが挙げられる。代謝調節型受容体の例示的例としては、ムスカリンアセチルコリン(mAch)受容体、カンナビノイド(CB)受容体、ドーパミン(DA)受容体、エンドルフィン受容体、代謝調節型ガンマアミノ酪酸(GABA)受容体、代謝調節型グルタミン(Glu)受容体、ノルエピネフリン(NE)受容体、オキシトシン受容体、および代謝調節型セロトニン(5-HT)受容体が挙げられるが、これらに限定されない。mAch受容体の非限定的例としては、M mAch受容体、M mAch受容体、M mAch受容体、M mAch受容体およびM mAch受容体が挙げられる。CB受容体の非限定的例としては、CB1受容体およびCB2受容体が挙げられる。DA受容体の非限定的例としては、DA受容体、DA受容体、DA受容体、DA受容体、またはDA受容体、およびそれらのヘテロダイマーが挙げられる。エンドルフィン受容体の非限定的例は、μオピオイド受容体、μオピオイド受容体およびμオピオイド受容体である。代謝調節型GABA受容体の非限定的例としては、GABA受容体が挙げられる。代謝調節型Glu受容体の非限定的例としては、Glu受容体、Glu受容体、Glu受容体、Glu受容体、Glu受容体、Glu受容体、Glu受容体、およびGlu受容体が挙げられる。NE受容体の非限定的例としては、αアドレナリン作動性受容体、αアドレナリン作動性受容体、βアドレナリン作動性受容体、βアドレナリン作動性受容体、およびβアドレナリン作動性受容体が挙げられる。代謝調節型5-HT受容体の非限定的例としては、5-HT受容体、5-HT受容体、5-HT受容体、5-HT受容体、5-HT受容体、および5-HT受容体が挙げられる。
【0139】
一実施形態において、本明細書に開示された認知機能向上剤としては、ホスホジエステラーゼ(PDE)のアゴニスト、アンタゴニスト、部分アゴニスト、ポジティブアロステリックモジュレータ、ネガティブアロステリックモジュレータ、サイレントアロステリックモジュレータ、またはインバースアゴニストが挙げられる。PDEの例示的例としては、PDE、PDE、PDE、PDE、PDE、PDE、PDE、PDE、PDE、およびPDE10が挙げられるが、これらに限定されない。
【0140】
本明細書の態様は、抗精神病薬を開示する。一実施形態において、抗精神病薬としては、ドーパミンアンタゴニストが挙げられる。ドーパミンアンタゴニストの例示的例としては、クロルプロマジン、ハロペリドール、ロキサピン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、チオチキセン、チオリダジンおよびトリフルオペラジンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0141】
一実施形態において、抗精神病薬としては、セロトニン・ドーパミンアンタゴニストが挙げられる。セロトニン・ドーパミンアンタゴニストの例示的例としては、オランザピン、パリペリドン、クエチアピンおよびリスペリドンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0142】
一実施形態において、抗精神病薬としては、部分ドーパミンアゴニストが挙げられる。部分ドーパミンアゴニストの例示的例としては、アリピプラゾールが挙げられるが、これに限定されない。
【0143】
本明細書に開示された群割り付け法、精神障害判定法、および治療法推奨法は、多様な精神障害に罹患した個体を割り付けるのに有用になり得る。例示的な精神障害としては、統合失調症スペクトラム障害、強迫性障害、不安障害、双極性障害、または認知症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0144】
他の実施形態において、群割り付け法は、以下の通り記載され得る:
1.非侵襲的なコンピュテーショナルデバイスによるテストを利用して精神障害の臨床試験のために個体を群に割り付ける方法であって、
a.コンピュテーショナルデバイスおよびそれに連結されたグラフィカルユーザインターフェースを用いて、事前暴露フェーズおよびテストフェーズを含む潜在抑制評定を個体に実施させ;ここで、
i.事前暴露フェーズが
第一の刺激群の各刺激にどのように応答するかについての第一の指示セットを個体に提示し、第一の指示セットが、定義された手法で第一の刺激群の各刺激に応答することを個体に要求する事前暴露フェーズ指令を含むこと;
第一の刺激群の無作為な順序を個体に提示し、各刺激が10ミリ秒~10,000ミリ秒の間、提示され、第一の刺激群が少なくとも1つの事前暴露刺激および1つまたは複数の中性刺激を含む複数の刺激を含むこと、
を含み;
ii.テストフェーズが
第二の刺激群の各刺激にどのように応答するかについての第二の指示セットを個体に提示し、第二の指示セットが、標的刺激の発生を予想することを個体に要求するテストフェーズ指令を含むこと;
第二の刺激群を個体に提示し、各刺激が10ミリ秒~10,000ミリ秒の間、提示され、各刺激の間に0ミリ秒~10,000ミリ秒の間隔を含み、第二の刺激群が少なくとも1つの事前暴露刺激、非事前暴露刺激、標的刺激および1つまたは複数の中性刺激を含む複数の刺激を含むこと、
複数の刺激からの各刺激への個体の標的予想応答に関連する時間を測定すること、
により第二の刺激群の提示に従ってグラフィカルユーザインターフェースとの個体の相互作用を記録および分析し、標的刺激への応答が第二の指示セットによる提示時間と間隔時間の合計より短いことが、個体が標的刺激の発生を予想したことの指標であり、標的刺激への応答が第二の指示セットによる提示時間と間隔時間の合計以上であることが、個体が標的刺激の発生を予想することができなかったことの指標であること、
を含むこと;
b.標的刺激への応答が発生した提示数のカウント、標的刺激へのその応答数の中心傾向、または標的刺激へのその応答数の中心傾向からの距離のうちの1つまたは複数を解析する1つまたは複数の統計解析において標的予想応答に関連する時間をモデル化すること、および個体が、潜在抑制スコアから減弱された潜在抑制応答を呈するか、正常な潜在抑制応答を呈するか、または増強された潜在抑制応答を呈するかを判定すること、により個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算すること;ならびに
c.臨床試験に選定された群に個体を割り付けること、
を含む、方法。
【0145】
2.第一の刺激群が、スクリーンに出現したら、事前暴露フェーズの指令が、第一の刺激群の刺激に応答するよう個体に要求する、実施形態1の方法。
【0146】
3.現行の刺激が、第一の刺激群の配列内の1ポジション前に示された刺激と同じである場合のみ、事前暴露フェーズの指令が、第一の刺激群の現行の刺激に応答するよう個体に要求する、実施形態1の方法。
【0147】
4.現行の刺激が、第一の刺激群の配列内の2ポジション前に示された刺激と同じである場合のみ、事前暴露フェーズの指令が、第一の刺激群の現行の刺激に応答するよう個体に要求する、実施形態1の方法。
【0148】
5.各刺激が、100ミリ秒~5,000ミリ秒、250ミリ秒~2,500ミリ秒、500ミリ秒~1,500ミリ秒、750ミリ秒~1,250ミリ秒、または1,000ミリ秒の間、提示される、実施形態1~実施形態4のいずれか1つの方法。
【0149】
6.ステップ(b)(i)が、各刺激の間の間隔をさらに含む、実施形態1~実施形態5のいずれか1つの方法。
【0150】
7.各刺激の間の間隔が、1ミリ秒~10,000ミリ秒、5ミリ秒~1,000ミリ秒、10ミリ秒~500ミリ秒、15ミリ秒~250ミリ秒、20ミリ秒~100ミリ秒、25ミリ秒~75ミリ秒、または50ミリ秒である、実施形態6の方法。
【0151】
8.ステップ(a)(i)が、第一の刺激群からの各刺激への個体の応答を測定することをさらに含む、実施形態1~実施形態7のいずれか1つの方法。
【0152】
9.個体が、第一の指示セットに従った第一の刺激群の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%に応答すれば、プログラムが、ステップ(b)(ii)のテストフェーズに進む、実施形態1~実施形態8のいずれか1つの方法。
【0153】
10.ステップ(a)(ii)において、提示時間と間隔時間の合計が、550ミリ秒未満、750ミリ秒未満、950ミリ秒未満、1,050ミリ秒未満、1,150ミリ秒未満、1,350ミリ秒未満、1,550ミリ秒未満、1,750ミリ秒未満、1,950ミリ秒未満、2,150ミリ秒未満、2,350ミリ秒未満、または2,550ミリ秒未満であれば、個体が、標的刺激の発生を予想した、実施形態1~実施形態9のいずれか1つの方法。
【0154】
11.ステップ(a)(ii)において、提示時間と間隔時間の合計が、550ミリ秒以上、750ミリ秒以上、950ミリ秒以上、1,050ミリ秒以上、1,150ミリ秒以上、1,350ミリ秒以上、1,550ミリ秒以上、1,750ミリ秒以上、1,950ミリ秒以上、2,150ミリ秒以上、2,350ミリ秒以上、または2,550ミリ秒以上であれば、個体が、標的刺激の発生を予想することができなかった、実施形態1~実施形態10のいずれか1つの方法。
【0155】
12.ステップ(b)(ii)において、事前暴露刺激の提示後と非事前暴露刺激の提示後とで、標的刺激に同数の提示が発生する、実施形態1~実施形態11のいずれか1つの方法。
【0156】
13.ステップ(b)(ii)において、非事前暴露刺激の提示後と事前暴露刺激の提示後とでは、標的刺激に非同数の提示が発生する、実施形態1~実施形態11のいずれか1つの方法。
【0157】
14.事前暴露刺激の提示後に発生する標的刺激の非同数の提示が、非事前暴露刺激の提示後に発生する標的刺激の提示数の±10%、±20%、±30%、±40%、±50%である、実施形態13の方法。
【0158】
15.ステップ(b)において、潜在抑制スコアが、1つまたは複数の反応時間を判定することにより計算される、実施形態1~実施形態14のいずれか1つの方法。
【0159】
16.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均時間を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均時間を計算すること;および第一の平均時間から第二の平均時間を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態15の方法。
【0160】
17.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均時間を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均時間を計算すること;および第二の平均時間から第一の平均時間を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態15の方法。
【0161】
18.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均時間を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予測応答に基づいて第二の平均時間を計算すること;および第一の平均時間が第二の平均時間より遅いか、または速いかを判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態15の方法。
【0162】
19.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、非事前暴露刺激に基づく各標的予想応答時間を事前暴露刺激に基づく標的予想応答時間とペアリングすること;非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間が、事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べ速いかどうかを計算すること;および(i)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて高い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、(ii)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて低い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、または(iii)(i)および(ii)の両方、を判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態15の方法。
【0163】
20.ステップ(b)において、潜在抑制スコアが、予想応答の数を判定することにより計算される、実施形態1~実施形態14のいずれか1つの方法。
【0164】
21.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均予想応答数を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均予想応答数を計算すること;および第一の平均予想応答数から第二の平均予想応答数を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態20の方法。
【0165】
22.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均予想応答数を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均予想応答数を計算すること;および第二の平均予想応答数から第一の平均予想応答数を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態20の方法。
【0166】
23.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均予想応答数を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予測応答に基づいて第二の平均予想応答数を計算すること;および第一の平均予想応答数が第二の平均予想応答数より低いか、または高いかを判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態20の方法。
【0167】
24.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、非事前暴露刺激に基づく各標的予想応答を事前暴露刺激に基づく標的予想応答とペアリングすること;非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間が、事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べ速いかどうかを計算すること;および(i)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて高い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、(ii)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて低い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、または(iii)(i)および(ii)の両方、を判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態20の方法。
【0168】
25.ステップ(b)において、潜在抑制スコアが、予想応答のパーセント値を判定することにより計算される、実施形態1~実施形態14のいずれか1つの方法。
【0169】
26.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答パーセントを計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の予想応答パーセントを計算すること;および第一の予想応答パーセントから第二の予想応答パーセントを差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態25の方法。
【0170】
27.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答パーセントを計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の予想応答パーセントを計算すること;および第二の予想応答パーセントから第一の予想応答パーセントを差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態25の方法。
【0171】
28.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答パーセントを計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予測応答に基づいて第二の予想応答パーセントを計算すること;および第一の予想応答パーセントが第二の予想応答パーセントより低いか、または高いかを判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態25の方法。
【0172】
29.ステップ(b)において、潜在抑制スコアが、正確度-感度dスコアを判定することにより計算される、実施形態1~実施形態14のいずれか1つの方法。
【0173】
30.第一のdスコアおよび第二のdスコアが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答dスコアを計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の予想応答dスコアを計算すること;および第一の予想応答dスコアから第二の予想応答dスコアを差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される、実施形態29の方法。
【0174】
31.第一のdスコアおよび第二のdスコアが、正しく識別されたバック標的の数の合計をバック標的の総数で割ることにより、ヒット率を計算すること;誤ってバック標的として識別された刺激の応答数をバック標的の総数で割ることにより、フォールスアラーム率を計算すること;ならびにz変換をヒット率およびフォールスアラーム率に適用し、得られた変換ヒット率から得られた変換フォールスアラーム率を差し引いてdスコアを得ること、により計算される、実施形態29の方法。
【0175】
32.ステップ(b)において、個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、潜在抑制スコアを潜在抑制スコアの標準範囲を含む参照スコアと比較することをさらに含む、実施形態1~実施形態31のいずれか1つの方法。
【0176】
33.参照スコアが、正常な個体から得られた値、異なるタイプの患者から得られた値、および/または1つもしくは複数の過去のテストで同じ個体から得られた値に基づく、実施形態32の方法。
【0177】
34.標準範囲の潜在抑制スコアが、20名以上、30名以上、40名以上、50名以上、60名以上、70名以上、80名以上、90名以上、または100名以上の健常個体に基づく、実施形態32または実施形態33の方法。
【0178】
35.計算された潜在抑制スコアが参照スコアより上だと、その潜在抑制スコアが、増強された潜在抑制応答の指標であり、計算された潜在抑制スコアが参照スコアの標準範囲内だと、その潜在抑制スコアが、正常な潜在抑制応答の指標であり、計算された潜在抑制スコアが参照スコア未満だと、その潜在抑制スコアが、減弱された潜在抑制応答の指標である、実施形態32~実施形態34のいずれか1つの方法。
【0179】
36.割り付けが、個体の潜在抑制スコアが減弱された潜在抑制応答の指標か、正常な潜在抑制応答の指標か、または増強された潜在抑制応答の指標か、に基づく、実施形態1~実施形態35のいずれか1つの方法。
【0180】
37.作業記憶を評価することをさらに含む、実施形態1~実施形態36のいずれか1つの方法。
【0181】
38.現行の刺激が、第一の刺激群の配列内の1ポジション前に示された刺激と同じである場合のみ、第一の刺激群の現行の刺激に応答するよう個体に要求する指令を提示することにより、作業記憶が事前暴露フェーズで評価される、実施形態37の方法。
【0182】
39.現行の刺激が、第一の刺激群の配列内の2ポジション前に示された刺激と同じである場合のみ、第一の刺激群の現行の刺激に応答するよう個体に要求する指令を提示することにより、作業記憶が事前暴露フェーズで評価される、実施形態37の方法。
【0183】
40.割り付けが、個体の潜在抑制スコアが減弱された潜在抑制応答の指標か、正常な潜在抑制応答の指標か、または増強された潜在抑制応答の指標か、そして個体が作業記憶に欠損を呈するか否か、に基づく、実施形態37~実施形態39のいずれか1つの方法。
【0184】
41.作業記憶が、提示バック刺激に基づいて提示された事前暴露応答の数をカウントすること;提示バック刺激に基づいて個体により正しく選択された事前暴露応答の数をカウントすること;および個体により正しく選択された事前暴露応答のパーセントを計算し、50%以上が作業記憶の指標であること、により計算される、実施形態37の方法。
【0185】
42.作業記憶が、提示バック刺激に基づいて個体により誤って選択された事前暴露応答の数をカウントすること;および個体により誤って選択された事前暴露応答のパーセントを計算し、50%以上が損傷された作業記憶の指標であること、により計算される、実施形態37の方法。
【0186】
43.作業記憶が、個体により誤って選択された事前暴露応答の平均反応時間を計算することにより計算される、実施形態37の方法。
【0187】
44.作業記憶が、バック刺激の提示に基づいて提示された事前暴露応答のdスコアを計算することにより計算される、実施形態37の方法。
【0188】
45.精神障害として、統合失調症スペクトラム障害、強迫性障害、不安障害、双極性障害、または認知症が挙げられる、実施形態1~実施形態44のいずれか1つの方法。
【0189】
他の実施形態において、精神障害判定法は、以下の通り記載され得る:
1.非侵襲的なコンピュテーショナルデバイスによるテストを利用して個体の精神障害を判定する方法であって、
a.場合により
i.これが最初の評定か、もしくは後続の評定か;
ii.個体が現在、精神病症状に見舞われているか否か;
iii.個体が精神障害歴を有するか否か;および/または
iv.個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有するか否か、
を含む個体の情報を、コンピュテーショナルデバイスで実行する潜在抑制テストプログラムに入力すること、
b.コンピュテーショナルデバイスで実行する潜在抑制テストプログラム、およびそれに連結された、ユーザが相互作用するグラフィカルユーザインターフェースを用いて、事前暴露フェーズおよびテストフェーズを含む潜在抑制評定を個体に実施させ;ここで、
i.事前暴露フェーズが
第一の刺激群の各刺激にどのように応答するかについての第一の指示セットを個体に提示し、第一の指示セットが、定義された手法で第一の刺激群の各刺激に応答することを個体に要求する事前暴露フェーズ指令を含むこと;
第一の刺激群の無作為な順序を個体に提示し、各刺激が10ミリ秒~10,000ミリ秒の間、提示され、第一の刺激群が少なくとも1つの事前暴露刺激および1つまたは複数の中性刺激を含む複数の刺激を含むこと、
を含み;
ii.テストフェーズが
第二の刺激群の各刺激にどのように応答するかについての第二の指示セットを個体に提示し、第二の指示セットが、標的刺激の発生を予想することを個体に要求するテストフェーズ指令を含むこと;
第二の刺激群を個体に提示し、各刺激が10ミリ秒~10,000ミリ秒の間、提示され、各刺激の間に0ミリ秒~10,000ミリ秒の間隔を含み、第二の刺激群が少なくとも1つの事前暴露刺激、非事前暴露刺激、標的刺激および1つまたは複数の中性刺激を含む複数の刺激を含むこと、
複数の刺激からの各刺激への個体の標的予想応答に関連する時間を測定すること、
により第二の刺激群の提示に従ってグラフィカルユーザインターフェースとの個体の相互作用を記録および分析し、標的刺激への応答が第二の指示セットによる提示時間と間隔時間の合計より短いことが、個体が標的刺激の発生を予想したことの指標であり、標的刺激への応答が第二の指示セットによる提示時間と間隔時間の合計以上であることが、個体が標的刺激の発生を予想することができなかったことの指標であること、
を含むこと;
c.標的刺激への応答が発生した提示数のカウント、標的刺激へのその応答数の中心傾向、または標的刺激へのその応答数の中心傾向からの距離のうちの1つまたは複数を解析する1つまたは複数の統計解析において標的予想応答に関連する時間をモデル化すること、および個体が、潜在抑制スコアから減弱された潜在抑制応答を呈するか、正常な潜在抑制応答を呈するか、または増強された潜在抑制応答を呈するかを判定すること、により個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算すること;ならびに
d.個体の精神障害を計算すること、
を含む、方法。
【0190】
2.(a)(iv)のために入力された情報が、個体が抗精神病薬に抵抗性であるか否かを含む、実施形態1の方法。
【0191】
3.第一の刺激群が、スクリーンに出現したら、事前暴露フェーズの指令が、第一の刺激群の刺激に応答するよう個体に要求する、実施形態1または実施形態2の方法。
【0192】
4.現行の刺激が、第一の刺激群の配列内の1ポジション前に示された刺激と同じである場合のみ、事前暴露フェーズの指令が、第一の刺激群の現行の刺激に応答するよう個体に要求する、実施形態1または実施形態2の方法。
【0193】
5.現行の刺激が、第一の刺激群の配列内の2ポジション前に示された刺激と同じである場合のみ、事前暴露フェーズの指令が、第一の刺激群の現行の刺激に応答するよう個体に要求する、実施形態1または実施形態2の方法。
【0194】
6.各刺激が、100ミリ秒~5,000ミリ秒、250ミリ秒~2,500ミリ秒、500ミリ秒~1,500ミリ秒、750ミリ秒~1,250ミリ秒、または1,000ミリ秒の間、提示される、実施形態1~実施形態5のいずれか1つの方法。
【0195】
7.ステップ(b)(i)が、各刺激の間の間隔をさらに含む、実施形態1~実施形態6のいずれか1つの方法。
【0196】
8.各刺激の間の間隔が、1ミリ秒~10,000ミリ秒、5ミリ秒~1,000ミリ秒、10ミリ秒~500ミリ秒、15ミリ秒~250ミリ秒、20ミリ秒~100ミリ秒、25ミリ秒~75ミリ秒、または50ミリ秒である、実施形態7の方法。
【0197】
9.ステップ(b)(i)が、第一の刺激群からの各刺激への個体の応答を測定することをさらに含む、実施形態1~実施形態8のいずれか1つの方法。
【0198】
10.個体が、第一の指示セットに従った第一の刺激群の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%に応答すれば、プログラムが、ステップ(b)(ii)のテストフェーズに進む、実施形態1~実施形態9のいずれか1つの方法。
【0199】
11.ステップ(b)(ii)において、提示時間と間隔時間の合計が、550ミリ秒未満、750ミリ秒未満、950ミリ秒未満、1,050ミリ秒未満、1,150ミリ秒未満、1,350ミリ秒未満、1,550ミリ秒未満、1,750ミリ秒未満、1,950ミリ秒未満、2,150ミリ秒未満、2,350ミリ秒未満、または2,550ミリ秒未満であれば、個体が、標的刺激の発生を予想した、実施形態1~実施形態10のいずれか1つの方法。
【0200】
12.ステップ(b)(ii)において、提示時間と間隔時間の合計が、550ミリ秒以上、750ミリ秒以上、950ミリ秒以上、1,050ミリ秒以上、1,150ミリ秒以上、1,350ミリ秒以上、1,550ミリ秒以上、1,750ミリ秒以上、1,950ミリ秒以上、2,150ミリ秒以上、2,350ミリ秒以上、または2,550ミリ秒以上であれば、個体が、標的刺激の発生を予想することができなかった、実施形態1~実施形態11のいずれか1つの方法。
【0201】
13.ステップ(b)(ii)において、事前暴露刺激の提示後と非事前暴露刺激の提示後とで、標的刺激に同数の提示が発生する、実施形態1~実施形態12のいずれか1つの方法。
【0202】
14.ステップ(b)(ii)において、非事前暴露刺激の提示後と事前暴露刺激の提示後とでは、標的刺激に非同数の提示が発生する、実施形態1~実施形態12のいずれか1つの方法。
【0203】
15.事前暴露刺激の提示後に発生する標的刺激の非同数の提示が、非事前暴露刺激の提示後に発生する標的刺激の提示数の±10%、±20%、±30%、±40%、±50%である、実施形態14の方法。
【0204】
16.ステップ(c)において、潜在抑制スコアが、1つまたは複数の反応時間を判定することにより計算される、実施形態1~実施形態15のいずれか1つの方法。
【0205】
17.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均時間を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均時間を計算すること;および第一の平均時間から第二の平均時間を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態16の方法。
【0206】
18.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均時間を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均時間を計算すること;および第二の平均時間から第一の平均時間を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態16の方法。
【0207】
19.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均時間を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予測応答に基づいて第二の平均時間を計算すること;および第一の平均時間が第二の平均時間より遅いか、または速いかを判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態16の方法。
【0208】
20.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、非事前暴露刺激に基づく各標的予想応答時間を事前暴露刺激に基づく標的予想応答時間とペアリングすること;非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間が、事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べ速いかどうかを計算すること;(i)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて高い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、(ii)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて低い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、または(iii)(i)および(ii)の両方、を判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態16の方法。
【0209】
21.ステップ(c)において、潜在抑制スコアが、予想応答の数を判定することにより計算される、実施形態1~実施形態15のいずれか1つの方法。
【0210】
22.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均予想応答数を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均予想応答数を計算すること;および第一の平均予想応答数から第二の平均予想応答数を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態21の方法。
【0211】
23.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均予想応答数を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均予想応答数を計算すること;および第二の平均予想応答数から第一の平均予想応答数を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態21の方法。
【0212】
24.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均予想応答数を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予測応答に基づいて第二の平均予想応答数を計算すること;および第一の平均予想応答数が第二の平均予想応答数より低いか、または高いかを判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態21の方法。
【0213】
25.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、非事前暴露刺激に基づく各標的予想応答を事前暴露刺激に基づく標的予想応答とペアリングすること;非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間が、事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べ速いかどうかを計算すること;および(i)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて高い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、(ii)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて低い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、または(iii)(i)および(ii)の両方、を判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態21の方法。
【0214】
26.ステップ(c)において、潜在抑制スコアが、予想応答のパーセント値を判定することにより計算される、実施形態1~実施形態15のいずれか1つの方法。
【0215】
27.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答パーセントを計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の予想応答パーセントを計算すること;および第一の予想応答パーセントから第二の予想応答パーセントを差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態26の方法。
【0216】
28.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答パーセントを計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の予想応答パーセントを計算すること;および第二の予想応答パーセントから第一の予想応答パーセントを差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態26の方法。
【0217】
29.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答パーセントを計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予測応答に基づいて第二の予想応答パーセントを計算すること;および第一の予想応答パーセントが第二の予想応答パーセントより低いか、または高いかを判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態26の方法。
【0218】
30.ステップ(c)において、潜在抑制スコアが、正確度-感度dスコアを判定することにより計算される、実施形態1~実施形態15のいずれか1つの方法。
【0219】
31.第一のdスコアおよび第二のdスコアが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答dスコアを計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の予想応答dスコアを計算すること;および第一の予想応答dスコアから第二の予想応答dスコアを差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される、実施形態30の方法。
【0220】
32.第一のdスコアおよび第二のdスコアが、正しく識別されたバック標的の数の合計をバック標的の総数で割ることにより、ヒット率を計算すること;誤ってバック標的として識別された刺激の応答数をバック標的の総数で割ることにより、フォールスアラーム率を計算すること;ならびにz変換をヒット率およびフォールスアラーム率に適用し、得られた変換ヒット率から得られた変換フォールスアラーム率を差し引いてdスコアを得ること、により計算される、実施形態30の方法。
【0221】
33.ステップ(c)において、個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、潜在抑制スコアを潜在抑制スコアの標準範囲を含む参照スコアと比較することをさらに含む、実施形態1~実施形態32のいずれか1つの方法。
【0222】
34.参照スコアが、正常な個体から得られた値、異なるタイプの患者から得られた値、および/または1つもしくは複数の過去のテストで同じ個体から得られた値に基づく、実施形態33の方法。
【0223】
35.標準範囲の潜在抑制スコアが、20名以上、30名以上、40名以上、50名以上、60名以上、70名以上、80名以上、90名以上、または100名以上の健常個体に基づく、実施形態33または実施形態34の方法。
【0224】
36.潜在抑制スコアが、参照スコアより上だと、その潜在抑制スコアが、増強された潜在抑制応答の指標であり、潜在抑制スコアが、参照スコアの標準範囲内だと、その潜在抑制スコアが、正常な潜在抑制応答の指標であり、潜在抑制スコアが、参照スコア未満だと、その潜在抑制スコアが、減弱された潜在抑制応答の指標である、実施形態33~実施形態35のいずれか1つの方法。
【0225】
37.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有すると予測される;
b.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないと予測される;または
c.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有すると予測され、治療抵抗性の精神障害を有している可能性がある、
実施形態1~実施形態36のいずれか1つの方法。
【0226】
38.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していると予測される;
b.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していないと予測される;または
c.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が精神障害の初回エピソードに罹患していると予測され、治療抵抗性の精神障害を有している可能性がある、
実施形態1~実施形態36のいずれか1つの方法。
【0227】
39.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が精神障害に罹患していると予測される;
b.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が精神障害に罹患していないと予測される;または
c.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が精神障害に罹患していると予測される、
実施形態1~実施形態36のいずれか1つの方法。
【0228】
40.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有することを示す場合に、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していると予測される;
b.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有することを示す場合に、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していると予測される;または
c.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有することを示す場合に、個体が治療抵抗性の精神障害に罹患していないと予測される、
実施形態1~実施形態36のいずれか1つの方法。
【0229】
41.作業記憶を評価することをさらに含む、実施形態1~実施形態36のいずれか1つの方法。
【0230】
42.現行の刺激が、第一の刺激群の配列内の1ポジション前に示された刺激と同じである場合のみ、第一の刺激群の現行の刺激に応答するよう個体に要求する指令を提示することにより、作業記憶が事前暴露フェーズで評価される、実施形態41の方法。
【0231】
43.現行の刺激が、第一の刺激群の配列内の2ポジション前に示された刺激と同じである場合のみ、第一の刺激群の現行の刺激に応答するよう個体に要求する指令を提示することにより、作業記憶が事前暴露フェーズで評価される、実施形態41の方法。
【0232】
44.割り付けが、個体の潜在抑制スコアが減弱された潜在抑制応答の指標か、正常な潜在抑制応答の指標か、または増強された潜在抑制応答の指標か、そして個体が作業記憶に欠損を呈するか否か、に基づく、実施形態41~実施形態43のいずれか1つの方法。
【0233】
45.作業記憶が、提示バック刺激に基づいて提示された事前暴露応答の数をカウントすること;提示バック刺激に基づいて個体により正しく選択された事前暴露応答の数をカウントすること;および個体により正しく選択された事前暴露応答のパーセントを計算し、50%以上が作業記憶の指標であること、により計算される、実施形態41~実施形態44のいずれか1つの方法。
【0234】
46.作業記憶が、提示バック刺激に基づいて個体により誤って選択された事前暴露応答の数をカウントすること;および個体により誤って選択された事前暴露応答のパーセントを計算し、50%以上が損傷された作業記憶の指標であること、により計算される、実施形態41~実施形態44のいずれか1つの方法。
【0235】
47.作業記憶が、個体により誤って選択された事前暴露応答の平均反応時間を計算することにより計算される、実施形態41~実施形態44のいずれか1つの方法。
【0236】
48.作業記憶が、バック刺激の提示に基づいて提示された事前暴露応答のdスコアを計算することにより計算される、実施形態41~実施形態44のいずれか1つの方法。
【0237】
49.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有すると予測される;
b.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないと予測される;
c.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有すると予測される;
d.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないと予測される;
e.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有すると予測される;または
f.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないと予測される;
実施形態41~実施形態48のいずれか1つの方法。
【0238】
50.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していると予測される;
b.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していると予測される;
c.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していると予測される;
d.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していないと予測される;
e.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していると予測される;または
f.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していると予測される;
実施形態41~実施形態48のいずれか1つの方法。
【0239】
51.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していると予測される;
b.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していると予測される;
c.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していると予測される;
d.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していないと予測される;
e.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していると予測される;または
f.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していると予測される;
実施形態41~実施形態48のいずれか1つの方法。
【0240】
52.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していると予測される;
b.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していると予測される;
c.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していないと予測される;
d.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していないと予測される;
e.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していると予測される;または
f.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していると予測される;
実施形態41~実施形態48のいずれか1つの方法。
【0241】
53.精神障害として、統合失調症スペクトラム障害、強迫性障害、不安障害、双極性障害、または認知症が挙げられる、実施形態1~実施形態52のいずれか1つの方法。
【0242】
54.実施形態1~実施形態53のいずれかの方法を実行するためにプログラミングされたコンピュータ。
【0243】
55.実施形態1~実施形態53のいずれかの方法を操作するコンピュータ。
【0244】
56.実施形態1~実施形態53のいずれかの方法を実行するように適合されたシステム。
【0245】
57.実施形態1~実施形態53のいずれかの方法を実行するコンピュータプログラムが保存または他の方法で記録された記憶媒体。
【0246】
他の実施形態において、治療法推奨法は、以下の通り記載され得る:
1.非侵襲的なコンピュテーショナルデバイスによるテストを利用して精神障害の個体を治療するための治療法を推奨する方法であって、
a.場合により
i.これが最初の評定か、もしくは後続の評定か;
ii.個体が現在、精神病症状に見舞われているか否か;
iii.個体が精神障害歴を有するか否か;および/または
iv.個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有するか否か、
を含む個体についての情報を、コンピュテーショナルデバイスで実行する潜在抑制テストプログラムに入力すること、
b.コンピュテーショナルデバイスで実行する潜在制止抑制テストプログラム、およびそれに連結された、個体が相互作用するグラフィカルユーザインターフェースを用いて、事前暴露フェーズおよびテストフェーズを含む潜在抑制評定を個体に実施させ;ここで、
i.事前暴露フェーズが
第一の刺激群の各刺激にどのように応答するかについての第一の指示セットを個体に提示し、第一の指示セットが、定義された手法で第一の刺激群の各刺激に応答することを個体に要求する事前暴露フェーズ指令を含むこと;
第一の刺激群の無作為な順序を個体に提示し、各刺激が10ミリ秒~10,000ミリ秒の間、提示され、第一の刺激群が少なくとも1つの事前暴露刺激および1つまたは複数の中性刺激を含む複数の刺激を含むこと、
を含み;
ii.テストフェーズが
第二の刺激群の各刺激にどのように応答するかについての第二の指示セットを個体に提示し、第二の指示セットが、標的刺激の発生を予想することを個体に要求するテストフェーズ指令を含むこと;
第二の刺激群を個体に提示し、各刺激が10ミリ秒~10,000ミリ秒の間、提示され、各刺激の間に0ミリ秒~10,000ミリ秒の間隔を含み、第二の刺激群が少なくとも1つの事前暴露刺激、非事前暴露刺激、標的刺激および1つまたは複数の中性刺激を含む複数の刺激を含むこと、
複数の刺激からの各刺激への個体の標的予想応答に関連する時間を測定すること、
により第二の刺激群の提示に従ってグラフィカルユーザインターフェースとの個体の相互作用を記録および分析し、標的刺激への応答が第二の指示セットによる提示時間と間隔時間の合計より短いことが、個体が標的刺激の発生を予想したことの指標であり、標的刺激への応答が第二の指示セットによる提示時間と間隔時間の合計以上であることが、個体が標的刺激の発生を予想することができなかったことの指標であること、
を含むこと;
c.標的刺激への応答が発生した提示数のカウント、標的刺激へのその応答数の中心傾向、または標的刺激へのその応答数の中心傾向からの距離のうちの1つまたは複数を解析する1つまたは複数の統計解析において標的予想応答に関連する時間をモデル化すること、および個体が、潜在抑制スコアから減弱された潜在抑制応答を呈するか、正常な潜在抑制応答を呈するか、または増強された潜在抑制応答を呈するかを判定すること、により個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算すること;ならびに
d.i)治療法推奨なし;あるいはii)認知機能向上剤で治療すること、抗精神病薬で治療すること、クロザピンもしくは治療抵抗性精神病症状のための代替薬、またはそれらの任意の組み合わせ、のどちらかを含む、個体を治療するための推奨治療法を計算すること、
を含む、方法。
【0247】
2.(a)(iv)のために入力された情報が、個体が抗精神病薬に抵抗性であるか否かを含む、実施形態1の方法。
【0248】
3.第一の刺激群が、スクリーンに出現したら、事前暴露フェーズの指令が、第一の刺激群の刺激に応答するよう個体に要求する、実施形態1または実施形態2の方法。
【0249】
4.現行の刺激が、第一の刺激群の配列内の1ポジション前に示された刺激と同じである場合のみ、事前暴露フェーズの指令が、第一の刺激群の現行の刺激に応答するよう個体に要求する、実施形態1または実施形態2の方法。
【0250】
5.現行の刺激が、第一の刺激群の配列内の2ポジション前に示された刺激と同じである場合のみ、事前暴露フェーズの指令が、第一の刺激群の現行の刺激に応答するよう個体に要求する、実施形態1または実施形態2の方法。
【0251】
6.各刺激が、100ミリ秒~5,000ミリ秒、250ミリ秒~2,500ミリ秒、500ミリ秒~1,500ミリ秒、750ミリ秒~1,250ミリ秒、または1,000ミリ秒の間、提示される、実施形態1~実施形態5のいずれか1つの方法。
【0252】
7.ステップ(b)(i)が、各刺激の間の間隔をさらに含む、実施形態1~実施形態6のいずれか1つの方法。
【0253】
8.各刺激の間の間隔が、1ミリ秒~10,000ミリ秒、5ミリ秒~1,000ミリ秒、10ミリ秒~500ミリ秒、15ミリ秒~250ミリ秒、20ミリ秒~100ミリ秒、25ミリ秒~75ミリ秒、または50ミリ秒である、実施形態7の方法。
【0254】
9.ステップ(b)(i)が、第一の刺激群からの各刺激への個体の応答を測定することをさらに含む、実施形態1~実施形態8のいずれか1つの方法。
【0255】
10.個体が、第一の指示セットに従った第一の刺激群の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%に応答すれば、プログラムが、ステップ(b)(ii)のテストフェーズに進む、実施形態1~実施形態9のいずれか1つの方法。
【0256】
11.ステップ(b)(ii)において、提示時間と間隔時間の合計が、550ミリ秒未満、750ミリ秒未満、950ミリ秒未満、1,050ミリ秒未満、1,150ミリ秒未満、1,350ミリ秒未満、1,550ミリ秒未満、1,750ミリ秒未満、1,950ミリ秒未満、2,150ミリ秒未満、2,350ミリ秒未満、または2,550ミリ秒未満であれば、個体が、標的刺激の発生を予想した、実施形態1~実施形態10のいずれか1つの方法。
【0257】
12.ステップ(b)(ii)において、提示時間と間隔時間の合計が、550ミリ秒以上、750ミリ秒以上、950ミリ秒以上、1,050ミリ秒以上、1,150ミリ秒以上、1,350ミリ秒以上、1,550ミリ秒以上、1,750ミリ秒以上、1,950ミリ秒以上、2,150ミリ秒以上、2,350ミリ秒以上、2,550ミリ秒以上であれば、個体が、標的刺激の発生を予想することができなかった、実施形態1~実施形態11のいずれか1つの方法。
【0258】
13.ステップ(b)(ii)において、事前暴露刺激の提示後と非事前暴露刺激の提示後とで、標的刺激に同数の提示が発生する、実施形態1~実施形態12のいずれか1つの方法。
【0259】
14.ステップ(b)(ii)において、非事前暴露刺激の提示後と事前暴露刺激の提示後とでは、標的刺激に非同数の提示が発生する、実施形態1~実施形態13のいずれか1つの方法。
【0260】
15.事前暴露刺激の提示後に発生する標的刺激の非同数の提示が、非事前暴露刺激の提示後に発生する標的刺激の提示数の±10%、±20%、±30%、±40%、±50%である、実施形態14の方法。
【0261】
16.ステップ(c)において、潜在抑制スコアが、1つまたは複数の反応時間を判定することにより計算される、実施形態1~実施形態15のいずれか1つの方法。
【0262】
17.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均時間を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均時間を計算すること;および第一の平均時間から第二の平均時間を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態16の方法。
【0263】
18.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均時間を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均時間を計算すること;および第二の平均時間から第一の平均時間を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態16の方法。
【0264】
19.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均時間を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予測応答に基づいて第二の平均時間を計算すること;および第一の平均時間が第二の平均時間より遅いか、または速いかを判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態16の方法。
【0265】
20.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、非事前暴露刺激に基づく各標的予想応答時間を事前暴露刺激に基づく標的予想応答時間とペアリングすること;非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間が、事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べ速いかどうかを計算すること;(i)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて高い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、(ii)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて低い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、または(iii)(i)および(ii)の両方、を判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態16の方法。
【0266】
21.ステップ(c)において、潜在抑制スコアが、予想応答の数を判定することにより計算される、実施形態1~実施形態15のいずれか1つの方法。
【0267】
22.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均予想応答数を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均予想応答数を計算すること;および第一の平均予想応答数から第二の平均予想応答数を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態21の方法。
【0268】
23.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均予想応答数を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の平均予想応答数を計算すること;および第二の平均予想応答数から第一の平均予想応答数を差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態21の方法。
【0269】
24.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の平均予想応答数を計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予測応答に基づいて第二の平均予想応答数を計算すること;および第一の平均予想応答数が第二の平均予想応答数より低いか、または高いかを判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態21の方法。
【0270】
25.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、非事前暴露刺激に基づく各標的予想応答を事前暴露刺激に基づく標的予想応答とペアリングすること;非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間が、事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べ速いかどうかを計算すること;および(i)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて高い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、(ii)事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間に比べて低い、非事前暴露刺激に基づくペアリングされた標的予想応答時間の総数、または(iii)(i)および(ii)の両方、を判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態21の方法。
【0271】
26.ステップ(c)において、潜在抑制スコアが、予想応答のパーセント値を判定することにより計算される、実施形態1~実施形態15のいずれか1つの方法。
【0272】
27.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答パーセントを計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の予想応答パーセントを計算すること;および第一の予想応答パーセントから第二の予想応答パーセントを差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態26の方法。
【0273】
28.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答パーセントを計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の予想応答パーセントを計算すること;および第二の予想応答パーセントから第一の予想応答パーセントを差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態26の方法。
【0274】
29.個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答パーセントを計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予測応答に基づいて第二の予想応答パーセントを計算すること;および第一の予想応答パーセントが第二の予想応答パーセントより低いか、または高いかを判定することにより潜在抑制スコアを計算すること、をさらに含む、実施形態26の方法。
【0275】
30.ステップ(c)において、潜在抑制スコアが、正確度-感度dスコアを判定することにより計算される、実施形態1~実施形態15のいずれか1つの方法。
【0276】
31.第一のdスコアおよび第二のdスコアが、標的刺激が非事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第一の予想応答dスコアを計算すること;標的刺激が事前暴露刺激の提示後に提示された時に測定された各標的予想応答に基づいて第二の予想応答dスコアを計算すること;および第一の予想応答dスコアから第二の予想応答dスコアを差し引くことにより潜在抑制スコアを計算すること、により計算される、実施形態30の方法。
【0277】
32.第一のdスコアおよび第二のdスコアが、正しく識別されたバック標的の数の合計をバック標的の総数で割ることにより、ヒット率を計算すること;誤ってバック標的として識別された刺激の応答数をバック標的の総数で割ることにより、フォールスアラーム率を計算すること;ならびにz変換をヒット率およびフォールスアラーム率に適用し、得られた変換ヒット率から得られた変換フォールスアラーム率を差し引いてdスコアを得ること、により計算される、実施形態30の方法。
【0278】
33.ステップ(c)において、個体の潜在抑制応答を測定して潜在抑制スコアを計算することが、潜在抑制スコアを潜在抑制スコアの標準範囲を含む参照スコアと比較することをさらに含む、実施形態1~実施形態32のいずれか1つの方法。
【0279】
34.参照スコアが、正常な個体から得られた値、異なるタイプの患者から得られた値、および/または1つもしくは複数の過去のテストで同じ個体から得られた値に基づく、実施形態33の方法。
【0280】
35.標準範囲の潜在抑制スコアが、20名以上、30名以上、40名以上、50名以上、60名以上、70名以上、80名以上、90名以上、または100名以上の健常個体に基づく、実施形態33または実施形態34の方法。
【0281】
36.潜在抑制スコアが、参照スコアより上だと、その潜在抑制スコアが、増強された潜在抑制応答の指標であり、潜在抑制スコアが、参照スコアの標準範囲内だと、その潜在抑制スコアが、正常な潜在抑制応答の指標であり、潜在抑制スコアが、参照スコア未満だと、その潜在抑制スコアが、減弱された潜在抑制応答の指標である、実施形態33~実施形態35のいずれか1つの方法。
【0282】
37.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有すると予測され、治療法推奨が、抗精神病薬で治療することを含む;
b.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないと予測され、治療法推奨は、提示されない;または
c.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有すると予測され、治療法推奨が、認知機能向上剤で治療することを含む、
実施形態1~実施形態36のいずれか1つの方法。
【0283】
38.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していると予測され、治療法推奨が、抗精神病薬で治療することを含む;
b.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していないと予測され、治療法推奨が、現行の治療を維持することを含む;または
c.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していると予測され、治療法推奨が、クロザピンもしくは治療抵抗性精神病症状のための代替薬および認知機能向上剤で治療することを含む、
実施形態1~実施形態36のいずれか1つの方法。
【0284】
39.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していると予測され、治療法推奨が、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む;
b.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していないと予測され、治療法推奨が、現行の治療を維持することを含む;または
c.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないことを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していると予測され、治療法推奨が、現行の治療のアドオン治療法として認知機能向上剤で治療することを含む、
実施形態1~実施形態36のいずれか1つの方法。
【0285】
40.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有することを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していると予測され、治療法推奨が、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む;
b.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有することを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していないと予測され、治療法推奨が、現行の治療を維持することを含む;または
c.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有することを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していると予測され、治療法推奨が、クロザピンもしくは治療抵抗性精神病症状のための代替薬および認知機能向上剤で治療することを含む、
実施形態1~実施形態36のいずれか1つの方法。
【0286】
41.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算され、ステップ(a)における情報が、これが後続の評定であることを示す場合、治療法推奨が、現行の治療の薬物用量を増加させることを含む;
b.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算され、ステップ(a)における情報が、これが後続の評定であることを示す場合、治療法推奨が、現行の治療および用量を維持することを含む;または
c.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算され、ステップ(a)における情報が、これが後続の評定であることを示す場合、治療法推奨が、現行の治療の薬物用量を減少させることを含む、
実施形態1~実施形態36のいずれか1つの方法。
【0287】
42.作業記憶を評価することをさらに含む、実施形態1~実施形態36のいずれか1つの方法。
【0288】
43.現行の刺激が、第一の刺激群の配列内の1ポジション前に示されたバック刺激と同じである場合のみ、第一の刺激群の現行の刺激に応答するよう個体に要求する指令を提示することにより、作業記憶が事前暴露フェーズで評価される、実施形態42の方法。
【0289】
44.現行の刺激が、第一の刺激群の配列内の2ポジション前に示されたバック刺激と同じである場合のみ、第一の刺激群の現行の刺激に応答するよう個体に要求する指令を提示することにより、作業記憶が事前暴露フェーズで評価される、実施形態42の方法。
【0290】
45.割り付けが、個体の潜在抑制スコアが減弱された潜在抑制応答の指標か、正常な潜在抑制応答の指標か、または増強された潜在抑制応答の指標か、そして個体が作業記憶に欠損を呈するか否か、に基づく、実施形態42~実施形態44のいずれか1つの方法。
【0291】
46.作業記憶が、提示バック刺激に基づいて提示された事前暴露応答の数をカウントすること;提示バック刺激に基づいて個体により正しく選択された事前暴露応答の数をカウントすること;および個体により正しく選択された事前暴露応答のパーセントを計算し、50%以上が作業記憶の指標であること、により計算される、実施形態42~実施形態45のいずれか1つの方法。
【0292】
47.作業記憶が、提示バック刺激に基づいて個体により誤って選択された事前暴露応答の数をカウントすること;および個体により誤って選択された事前暴露応答のパーセントを計算し、50%以上が損傷された作業記憶の指標であること、により計算される、実施形態42~実施形態45のいずれか1つの方法。
【0293】
48.作業記憶が、個体により誤って選択された事前暴露応答の平均反応時間を計算することにより計算される、実施形態42~実施形態45のいずれか1つの方法。
【0294】
49.作業記憶が、バック刺激の提示に基づいて提示された事前暴露応答のdスコアを計算することにより計算される、実施形態42~実施形態45のいずれか1つの方法。
【0295】
50.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有すると予測され、治療法推奨が、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む;
b.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないと予測され、治療法推奨は、提示されない;
c.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有すると予測され、治療法推奨が、認知機能向上剤で治療することを含む;
d.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないと予測され、治療法推奨は、提示されない;
e.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有すると予測され、治療法推奨が、認知機能向上剤で治療することを含む;または
f.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていないこと、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が現在、精神障害の超ハイリスクを有さないと予測され、治療法推奨は、提示されない;
実施形態42~実施形態49のいずれか1つの方法。
【0296】
51.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していると予測され、治療法推奨が、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む;
b.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していると予測され、治療法推奨が、抗精神病薬で治療することを含む;
c.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していると予測され、治療法推奨が、現行の治療を維持することおよび認知機能向上剤でさらに治療することを含む;
d.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していないと予測され、治療法推奨が、現行の治療を維持することを含む;
e.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していると予測され、治療法推奨が、クロザピンもしくは治療抵抗性精神病症状のための代替薬および認知機能向上剤で治療することを含む;または
f.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、これが最初の評定であること、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有さないこと、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、精神障害の初回エピソードに罹患していると予測され、治療法推奨が、認知機能向上剤で治療することを含む;
実施形態42~実施形態49のいずれか1つの方法。
【0297】
52.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していると予測され、治療法推奨が、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む;
b.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していると予測され、治療法推奨が、抗精神病薬で治療することを含む;
c.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していると予測され、治療法推奨が、現行の治療を維持することに加え、認知機能向上剤で治療することを含む;
d.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していないと予測され、治療法推奨が、現行の治療を維持することを含む;
e.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していると予測され、治療法推奨が、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む;または
f.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有さないこと、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、精神障害に罹患していると予測され、治療法推奨が、認知機能向上剤で治療することを含む;
実施形態42~実施形態49のいずれか1つの方法。
【0298】
53.ステップ(d)において、
a.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していると予測され、治療法推奨が、抗精神病薬および認知機能向上剤で治療することを含む;
b.減弱された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していると予測され、治療法推奨が、抗精神病薬で治療することを含む;
c.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していないと予測され、治療法推奨が、現行の治療を維持することおよび認知機能向上剤でさらに治療することを含む;
d.正常な潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していないと予測され、治療法推奨が、現行の治療を維持することを含む;
e.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損があることを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していると予測され、治療法推奨が、クロザピンもしくは治療抵抗性精神病症状のための代替薬および認知機能向上剤で治療することを含む;または
f.増強された潜在抑制応答がステップ(c)において計算されて、ステップ(a)における情報が、個体が現在、精神病症状に見舞われていること、個体が精神障害歴を有すること、および個体が抗精神病薬治療への抵抗歴を有すること、および作業記憶に欠損がないことを示す場合に、個体が、治療抵抗性の精神障害に罹患していると予測され、治療法推奨が、クロザピンもしくは治療抵抗性精神病症状のための代替薬および認知機能向上剤で治療することを含む;
実施形態42~実施形態49のいずれか1つの方法。
【0299】
54.精神障害として、統合失調症スペクトラム障害、強迫性障害、不安障害、双極性障害、または認知症が挙げられる、実施形態1~実施形態53のいずれか1つの方法。
【0300】
55.認知機能向上剤が、イオンチャネル型受容体のアゴニスト、アンタゴニスト、部分アゴニスト、ポジティブアロステリックモジュレータ、ネガティブアロステリックモジュレータ、サイレントアロステリックモジュレータ、またはインバースアゴニストである、実施形態1~実施形態54のいずれか1つの方法。
【0301】
56.イオンチャネル型受容体が、ニコチン性アセチルコリン(nAch)受容体、イオンチャネル型ガンマアミノ酪酸(GABA)受容体、イオンチャネル型グルタミン(Glu)受容体、またはイオンチャネル型セロトニン(5-HT)受容体である、実施形態55の方法。
【0302】
57.nAch受容体が、α4β2 nAch受容体、α3β4 nAch受容体、α7 nAch受容体である、実施形態56の方法。
【0303】
58.イオンチャネル型GABA受容体が、GABA受容体またはGABAA-ρ受容体である、実施形態56の方法。
【0304】
59.イオンチャネル型グルタミン受容体が、N-メチル-D-アスパラギン酸受容体、カイニン酸受容体、またはα-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸受容体である、実施形態56の方法。
【0305】
60.イオンチャネル型5-HT受容体が、5-HT受容体である、実施形態56の方法。
【0306】
61.認知機能向上剤が、代謝調節型受容体のアゴニスト、アンタゴニスト、部分アゴニスト、ポジティブアロステリックモジュレータ、ネガティブアロステリックモジュレータ、サイレントアロステリックモジュレータ、またはインバースアゴニストである、実施形態1~実施形態54のいずれか1つの方法。
【0307】
62.代謝調節型受容体が、ムスカリンアセチルコリン(mAch)受容体、カンナビノイド(CB)受容体、ドーパミン(DA)受容体、エンドルフィン受容体、代謝調節型ガンマアミノ酪酸(GABA)受容体、代謝調節型グルタミン(Glu)受容体、ノルエピネフリン(NE)受容体、オキシトシン受容体、代謝調節型セロトニン(5-HT)受容体である、実施形態61の方法。
【0308】
63.mAch受容体が、M mAch受容体、M mAch受容体、M mAch受容体、M mAch受容体、またはM mAch受容体である、実施形態62の方法。
【0309】
64.CB受容体が、CB1受容体またはCB2受容体である、実施形態62の方法。
【0310】
65.DA受容体が、DA受容体、DA受容体、DA受容体、DA受容体、またはDA受容体、およびそれらのヘテロダイマーである、実施形態62の方法。
【0311】
66.エンドルフィン受容体が、μオピオイド受容体、μオピオイド受容体、またはμオピオイド受容体である、実施形態62の方法。
【0312】
67.代謝調節型GABA受容体が、GABA受容体である、実施形態62の方法。
【0313】
68.代謝調節型Glu受容体が、Glu受容体、Glu受容体、Glu受容体、Glu受容体、Glu受容体、Glu受容体、Glu受容体、またはGlu受容体である、実施形態62の方法。
【0314】
69.NE受容体が、αアドレナリン作動性受容体、αアドレナリン作動性受容体、βアドレナリン作動性受容体、βアドレナリン作動性受容体、またはβアドレナリン作動性受容体である、実施形態62の方法。
【0315】
70.代謝調節型5-HT受容体が、5-HT受容体、5-HT受容体、5-HT受容体、5-HT受容体、5-HT受容体、または5-HT受容体である、実施形態62の方法。
【0316】
71.認知機能向上剤が、ホスホジエステラーゼ(PDE)のアゴニスト、アンタゴニスト、部分アゴニスト、ポジティブアロステリックモジュレータ、ネガティブアロステリックモジュレータ、サイレントアロステリックモジュレータ、またはインバースアゴニストである、実施形態1~実施形態54のいずれか1つの方法。
【0317】
72.PDEが、PDE、PDE、PDE、PDE、PDE、PDE、PDE、PDE、PDE、またはPDE10である、実施形態71の方法。
【0318】
73.抗精神病薬が、ドーパミンアンタゴニス、セロトニン・ドーパミンアンタゴニスト、または部分ドーパミンアゴニストである、実施形態1~実施形態72のいずれか1つの方法。
【0319】
74.ドーパミンアンタゴニストとして、クロルプロマジン、ハロペリドール、ロキサピン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、チオチキセン、チオリダジンおよびトリフルオペラジンが挙げられる、実施形態73の方法。
【0320】
75.セロトニン・ドーパミンアンタゴニストとして、オランザピン、パリペリドン、クエチアピンおよびリスペリドンが挙げられる、実施形態74の方法。
【0321】
76.部分ドーパミンアゴニストとして、アリピプラゾールが挙げられる、実施形態74の方法。
【0322】
77.実施形態1~実施形態76のいずれかの方法を実行するためにプログラミングされたコンピュータ。
【0323】
78.実施形態1~実施形態76のいずれかの方法を操作するコンピュータ。
【0324】
79.実施形態1~実施形態76のいずれかの方法を実行するように適合されたシステム。
【0325】
80.実施形態1~実施形態76のいずれかの方法を実行するコンピュータプログラムが保存または他の方法で記録された記憶媒体。
【0326】
実施例
以下の非限定的実施例は、ここに企図される代表的実施形態のより完全な理解を容易にするに例示目的のみで提供される。これらの実施例は、本明細書に開示された方法および使用に関係するものを含む本明細書に記載された実施形態のいずれかを限定するものと解釈されるべきでない。
【0327】
実施例1
事前暴露フェーズの指令
この実施例は、本明細書に開示された事前暴露フェーズの際の第一の刺激群の各刺激にどのように応答するかについての第一の指示セットの際に個体に与えられた例示的な事前暴露フェーズ指令を提供している。
【0328】
0-バック事前暴露フェーズの指令 この課題では、スクリーンに現れる文字列が見ます。現れたそれぞれの文字を声に出し読んでください。この課題が終了したら、新しい指示セットを与えられます。開始する準備ができたら、スクリーン上のボタンを押してください。
【0329】
1-バック事前暴露フェーズの指令 この課題で、スクリーンに現れる文字列が見えます。現れた文字が直前に提示された文字と同じである時は毎回、スクリーンの下部の応答ボタンを押してください。他の場合には、応答しないでください。この課題が終了したら、新しい指示セットが与えられます。開始する準備ができたら、スクリーン上のボタンを押してください。
【0330】
2-バック事前暴露フェーズの指令 この課題では、スクリーンに現れる文字列が見えます。現れた文字が配列の最後から2ポジション前に提示された文字と同じである時は毎回、スクリーンの下部の応答ボタンを押してください。他の場合には、応答しないでください。この課題が終了したら、新しい指示セットが与えられます。開始する準備ができたら、スクリーン上のボタンを押してください。
【0331】
実施例2
テストフェーズの指令
この実施例は、本明細書に開示された事前暴露フェーズの際に第二の刺激群の各刺激にどのように応答するかについての第二の指示セットの際に個体に与えられた例示的なテストフェーズ指令を提供している。
【0332】
テストフェーズの指令 この課題では、スクリーンに現れる文字列が見えます。文字「X」の出現を予測してください。「X」が出現すると思う時に、スクリーンに「X」が出現するより前に、配列内の応答ボタンを押してください。それができなければ、「X」の文字が見えたらできるだけ早く応答ボタンを押してください。「X」を予測する規則は1つより多いかもしれません。できる限り正確になるように努めて欲しいですが、誤って操作しても心配いりません。課題を理解し、開始する準備ができたら、スクリーン上のボタンを押してください。
【0333】
実施例3
精神病の超ハイリスク(UHR)/発症危険状態(ARMS)と分類された個体のための参加者選択/スクリーニングツールとしての潜在抑制課題アッセイ
精神病の超ハイリスク(UHR)として分類された個体のおよそ30%は、2年以内にその疾病を発症し、精神病に利用可能な一定範囲の薬理学的および心理社会的介入があるが、UHRの個体への臨床応答には大きな個体変動があり、誰が本格的な精神病エピソードに転換し得るかを判定する方法はない。精神病への転換のリスクが高い個体をよりよく識別し得るバイオマーカが求められている。潜在抑制は、精神障害の異なる症状のモデルとして詳細に検査されてきており、テストでの減弱が高レベルのドーパミンおよび精神病状態に関連し、テストでの増強が低レベルのグルタミン酸/アセチルコリンならびに陰性および認知状態に関連することが実証されている。潜在抑制は、精神病に移行するリスクの高い患者を予見層別化し、それにより、症状を改善する、または精神病の発病を遅延/予防することを目的とした特有の治療に応答する可能性が高い患者を識別する、認知バイオマーカとして用いられる。
(i)潜在抑制の減弱:潜在抑制スコアが、精神病の収束/発病があることを示し、高度のドーパミン作動性機能障害が、精神病症状の根底にあることから、移行リスクが高く、ドーパミン作動系の抗精神病薬治療、例えばドーパミンアンタゴニストへの応答性の見込みが潜在的に大きいことの指標。ドーパミン作動系抗精神病薬での治療が推奨される。
(ii)潜在抑制の増強:潜在抑制スコアが、認知/陰性症状を示し、非ドーパミン作動性機能障害が、精神病症状の根底にあることから、移行リスクが高く、ドーパミン作動系抗精神病薬治療に対して非応答となる見込みが潜在的に大きいことの指標。個体が精神病に転換しておりドーパミン作動系抗精神病薬治療への治療抵抗性の見込みが大きいが、非ドーパミン作動系の薬物治療に応答する可能性があるなら、認知機能向上剤での治療が推奨される。
(iii)正常範囲内の潜在抑制:精神病への移行リスクが低いことの指標であり、UHRとしての診断は根拠がないと思われる。薬物治療は推奨されない。
【0334】
実施例4
精神病の超ハイリスク(UHR)/発症危険状態(ARMS)と分類された個体のための参加者選択/スクリーニングツールとしての作業記憶潜在抑制アッセイ
上記と同様のものに加え、潜在抑制課題の事前暴露フェーズの際に作業記憶評定を行う。作業記憶の評定は、潜在抑制を通して注意ゲートの機能障害を実証することに加え、個体が作業記憶の欠損に見舞われているかどうかを判定することが可能であるという追加的利点を有する。潜在抑制および作業記憶の両方に欠損を有すると予測される個体は、患者が受ける適切な診断および/または治療に関する信頼を高め、追加的情報を提供することになる。
(i)減弱された潜在抑制および作業記憶の欠損:移行リスクが高く、ドーパミン作動系の抗精神病薬治療、例えばドーパミンアンタゴニストへの応答性の見込みが潜在的に大きいことの指標であり、潜在抑制スコアが、精神病の収束/発病があることを示し、高度のドーパミン作動性機能障害が、精神病症状の根底にある。作業記憶欠損の追加的所見から、未治療であれば機能的転帰に影響を及ぼし始める可能性がある認知欠損が認められる。ドーパミン作動系抗精神病薬および認知機能向上剤での治療が推奨される。
(ii)増強された潜在抑制および作業記憶の欠損:潜在抑制スコアが、認知/陰性症状を示し、非ドーパミン作動性機能障害が、精神病および認知障害の症状の根底にあることから、移行リスクが高く、ドーパミン作動系抗精神病薬治療に対して非応答となる見込みが潜在的に大きいことの指標。作業記憶欠損の追加的所見から、未治療であれば機能的転帰に影響を及ぼし始める可能性がある認知欠損が認められる。さらなる認知低下および精神病発病を予防するために、作業記憶欠損および非ドーパミン作動系の薬物治療に応答する可能性およびドーパミン作動系抗精神病薬治療への抵抗性の見込みが大きいことにより、認知機能向上剤での治療が推奨される。
(iii)潜在抑制が減弱されるか、増強されるか、または正常であるが、作業記憶が欠損を示さない場合、個体は、薬物治療法で直ちに治療する代わりにモニタリングされるべきである。治療推奨は、非欠損課題における正常性の範囲に基づいて行われ得る。
【0335】
実施例5
初回エピソード精神病(FEP)および抗精神病治療応答の予測のための潜在抑制アッセイ
これらの患者は、初回精神病エピソードに見舞われたことがあり、抗精神病薬の治療歴がないか、または抗精神病薬治療(または代替治療法)への極わずかな暴露を有する。これらの患者は一般に、発病から3年以内にFEPとして分類され、患者の最大3分の1は、精神病状態の根底に代替的な非ドーパミン作動性神経生物学的作用を有するために、現在利用可能な抗精神病薬治療または他の心理社会的治療法に効果的に応答しない。UHR人口と類似して、潜在抑制は、患者を予見層別化して、現在見舞われている臨床症状を緩和または改善することを目的とした抗精神病薬の投薬(または代替治療法)に応答する可能性が高い患者を識別する、認知バイオマーカとして用いられる。
(i)減弱された潜在抑制:潜在抑制スコアが、精神病症状の根底に高度のドーパミン作動性機能障害があることを示すため、ドーパミン作動系の抗精神病薬治療、例えばドーパミンアンタゴニストへの応答性の見込みの大きい個体の指標。ドーパミン作動系抗精神病薬での治療が推奨される。
(ii)増強された潜在抑制:潜在抑制スコアが、認知/陰性症状を示し、非ドーパミン作動性機能障害が、精神病および認知障害の症状の根底にあることから、ドーパミン作動系抗精神病薬治療に対して非応答となる見込みが大きい個体の指標。ドーパミン作動系抗精神病薬治療への抵抗性の見込みが大きいことにより、クロザピン治療または認知機能向上剤治療での治療抵抗性精神病症状のための代替薬による早期実施が推奨される。
(iii)正常な潜在抑制:個体における精神病の陽性症状および認知/陰性症状の管理が極わずかであることの指標。モニタリングを含む現行の治療計画の維持が推奨される。
【0336】
実施例6
初回エピソード精神病(FEP)および抗精神病治療応答の予測のための作業記憶潜在抑制アッセイ
上記と同様のものに加え、潜在抑制課題の事前暴露フェーズの際に作業記憶評定を行う(作業記憶潜在抑制:WMLI)。作業記憶の評定は、潜在抑制を通して注意ゲートの機能障害を実証することに加え、個体が作業記憶の欠損に見舞われているかどうかを判定することが可能であるという追加的利点を有する。潜在抑制および作業記憶の両方に欠損を有すると予測される個体は、患者が受ける適切な診断および/または治療に関する信頼を高め、追加的情報を提供することになる。
(i)減弱された潜在抑制および作業記憶の欠損:潜在抑制スコアが、精神病症状の根底に高度のドーパミン作動性機能障害があることを示すため、ドーパミン作動系の抗精神病薬治療、例えばドーパミンアンタゴニストへの応答性の見込みが大きい個体の指標。作業記憶欠損の追加的所見から、未治療であれば機能的転帰に影響を及ぼし始める可能性がある認知欠損が認められる。ドーパミン作動系抗精神病薬および認知機能向上剤での治療が推奨される。
(ii)増強された潜在抑制および作業記憶の欠損:潜在抑制スコアが、認知/陰性症状を示し、非ドーパミン作動性機能障害が、精神病および認知障害の症状の根底にあることから、ドーパミン作動系抗精神病薬治療に対して非応答となる見込みが大きい個体の指標。作業記憶欠損の追加的所見から、未治療であれば機能的転帰に影響を及ぼし始める可能性がある認知欠損が認められる。作業記憶の欠損および非ドーパミン作動系薬物治療に応答する可能性およびドーパミン作動系抗精神病薬治療への抵抗性の見込みが大きいことにより、クロザピン治療または認知機能向上剤治療での治療抵抗性精神病症状のための代替薬による早期実施が推奨される。
(iii)正常な潜在抑制および作業記憶の欠損:個体における精神病の陽性症状の管理の指標であるが、作業記憶欠損が認知障害を示す。精神病の現行の治療計画の維持と、機能的転帰および日常生活への障害を最小限に抑えるために作業記憶欠損による追加的な認知機能向上剤治療が推奨される。
(iv)潜在抑制または作業記憶のみが異常である他の例では、個体のための治療推奨は、非欠損課題の正常性の範囲に基づいて行われる。
【0337】
実施例7
慢性治療応答性統合失調症の直接治療の潜在抑制アッセイ
これらは、およそ3年間にわたる疾病期間での抗精神病薬治療への良好な応答を示した患者である。良好な応答を示す患者は、精神病症状が軽度であるか、または全くない。しかしこれらの患者は、高度の陰性症状および重度の認知機能障害を呈する可能性があり、長期間持続すると、再発のリスクが上昇し、機能的転帰および日常生活に支障をきたす。これらの認知および陰性症状は、患者のうちでも非常に異質であり得る。潜在抑制は、精神病症状がコントロールされているかどうかを判定し、治療の根拠になり得る認知欠損に見舞われたそれらの患者を識別するための認知バイオマーカとして用いられる。潜在抑制スコアは、患者がどの治療に応答する可能性が高いかを判定するために用いられる。
(i)減弱された潜在抑制:潜在抑制スコアが、高度のドーパミン作動性機能障害が精神病症状の根底にあることを示すため、ドーパミン作動系の抗精神病薬治療、例えばドーパミンアンタゴニストへの応答性の見込みが大きい個体の指標。ドーパミン作動系抗精神病薬および認知症状をコントロールする認知機能向上剤での治療が推奨される。服薬の不遵守についてモニタリングして、精神病が表面上、安定していれば、この群で予期されなかった減弱として抗精神病薬の投薬を考慮する。
(ii)増強された潜在抑制:潜在抑制スコアが、陽性症状の管理を示しているが、認知/陰性症状が顕著であるため、ドーパミン作動系抗精神薬治療に若干応答する個体の指標。ドーパミン作動系抗精神病薬に加えて、認知症状をコントロールするための認知機能向上剤での継続的治療が推奨される。
(iii)正常な潜在抑制:個体における精神病の陽性症状および認知/陰性症状の管理が極わずかであることの指標。モニタリングを含む現行の治療計画の維持が推奨される。
【0338】
実施例8
慢性治療応答性統合失調症の直接治療の作業記憶潜在抑制アッセイ
上記と同様のものに加え、潜在抑制課題の事前暴露フェーズの際に作業記憶評定を行う(作業記憶潜在抑制:WMLI)。作業記憶の評定は、潜在抑制を通して注意ゲートの機能障害を実証することに加え、個体が作業記憶の欠損に見舞われているかどうかを判定することが可能であるという追加的利点を有する。潜在抑制および作業記憶の両方に欠損を有すると予測される個体は、患者が受ける適切な診断および/または治療に関する信頼を高め、追加的情報を提供することになる。
(i)減弱された潜在抑制および作業記憶の欠損:潜在抑制スコアが、高度のドーパミン作動性機能障害が精神病症状の根底にあることを示すため、ドーパミン作動系の抗精神病薬治療、例えばドーパミンアンタゴニストへの応答性の見込みが大きい個体の指標。作業記憶欠損の追加的所見から、未治療であれば機能的転帰に影響を及ぼし始める可能性がある認知欠損の存在が認められる。ドーパミン作動系抗精神病薬および認知症状をコントロールするための認知機能向上剤での治療が推奨される。服薬の不遵守についてモニタリングして、精神病が表面上、安定していれば、この群で予期されなかった減弱として抗精神病薬の投薬を考慮する。
(ii)増強された潜在抑制および作業記憶の欠損:潜在抑制スコアが、陽性症状の管理を示すが、認知/陰性症状が顕著であるため、ドーパミン作動系抗精神薬治療に若干応答する個体の指標。作業記憶欠損の追加的所見から、未治療であれば機能的転帰に影響を及ぼし始める可能性がある認知欠損の存在が確認される。ドーパミン作動系抗精神病薬と、陰性/認知症状をコントロールするための追加的な認知機能向上剤での治療が推奨される。
(iii)正常な潜在抑制および作業記憶の欠損:個体における精神病の陽性症状の管理の指標であるが、作業記憶欠損で認知障害が認められる。精神病の現行の治療計画の維持と、機能的転帰および日常生活への障害を最小限に抑えるために作業記憶欠損による追加的な認知機能向上剤治療が推奨される。
(iv)潜在抑制または作業記憶のみが異常である他の例では、個体のための治療推奨は、非欠損課題の正常性の範囲に基づいて行われる。
【0339】
実施例9
慢性治療抵抗性統合失調症(TRS)の潜在抑制アッセイ
統合失調症患者の3分の1は、抗精神病薬に応答しない。患者が精神病エピソードの際に治療されず放置された期間が長いほど、継続的な治療への応答性が低く、したがって治療がより困難になる。TRS患者は、異なる神経生物学的プロファイルを有し、高ドーパミン作動性というよりむしろ、正常なドーパミン作動性レベルを有するが、低レベルのグルタミン酸/アセチルコリンを有し得る。現在、APDに治療抵抗性を有する患者に対する唯一の有効な薬剤はクロザピンであるが、この薬剤は、いくらかの不快な副作用を有するため、患者にとってより忍容性のある薬剤が望ましい(そして開発中である)。減弱された潜在抑制は、高ドーパミン作動性活性の予測因子であるが、増強された潜在抑制は、正常なドーパミン作動性/グルタミン酸作動性活性の予測因子であり、そのため潜在抑制は、非TRS患者に対比してTRSを診断/識別し、続いて治療するために用いられ得る。潜在抑制は、表現型として治療抵抗性と予測される患者を予め選択し、効果的に治療する方法として用いられ得る。
(i)減弱された潜在抑制:潜在抑制スコアが、非生物学的土台(例えば、服薬の不遵守、娯楽的薬物乱用、他の物質乱用)による抗精神病薬治療抵抗性を示すため、ドーパミン作動系抗精神病薬治療、例えばドーパミンアンタゴニストへの若干の非応答性(即ち、治療抵抗性)を示す個体の指標。ドーパミン作動系抗精神病薬と、認知症状をコントロールして治療有効性を増強するための追加的な認知機能向上剤での治療が推奨される。服薬の不遵守についてモニタリングして、精神病が表面上、安定していれば、この群で予期されなかった減弱として抗精神病薬の投薬量の調整を考慮する。
(ii)増強された潜在抑制:潜在抑制スコアが、認知/陰性症状を示し、非ドーパミン作動性機能障害が、精神病および認知障害の症状の根底にあるため、ドーパミン作動系抗精神薬治療に無応答の個体の指標。認知機能向上剤治療での治療抵抗性精神病症状および非ドーパミン作動系薬剤治療に応答する可能性およびドーパミン作動系抗精神病薬治療への抵抗性の見込みが大きいことにより、クロザピン治療または代替薬での早期実施が推奨される。
(iii)正常な潜在抑制:個体における精神病の陽性症状の管理および認知/陰性症状が極わずかであることの指標。モニタリングを含む現行の治療計画の維持が推奨される。正常性の範囲が、極端である場合、クロザピンまたは治療抵抗性精神病症状のための代替薬および症状低減のための認知機能向上剤が考慮される。
【0340】
実施例10
慢性治療抵抗性統合失調症(TRS)のための作業記憶潜在抑制アッセイ
上記と同様のものに加え、潜在抑制課題の事前暴露フェーズの際に作業記憶評定を行う(作業記憶潜在抑制:WMLI)。作業記憶の評定は、潜在抑制を通して注意ゲートの機能障害を実証することに加え、個体が作業記憶の欠損に見舞われているかどうかを判定することが可能である追加的利点を有する。潜在抑制および作業記憶の両方に欠損を有すると予測される個体は、患者が受ける適切な診断および/または治療に関する信頼を高め、追加的情報を提供することになる。
(i)減弱された潜在抑制および作業記憶の欠損:潜在抑制スコアが、非生物学的土台(例えば、服薬の不遵守、娯楽的薬物乱用、他の物質乱用)による抗精神病薬治療抵抗性を示すことによる、ドーパミン作動系抗精神病薬治療、例えばドーパミンアンタゴニストへの若干の非応答性(即ち、治療抵抗性)を示す個体の指標。作業記憶欠損の追加的所見から、未治療であれば機能的転帰に影響を及ぼし始める可能性がある認知欠損が認められる。ドーパミン作動系抗精神病薬と、認知症状を緩和して治療有効性を増強するための追加的な認知機能向上剤での治療が推奨される。投薬の不遵守についてモニタリングして、精神病が表面上、安定していれば、この群で予期されなかった減弱として抗精神病薬の投薬量の調整を考慮する。
(ii)増強された潜在抑制および作業記憶の欠損:潜在抑制スコアが、認知/陰性症状を示し、非ドーパミン作動性機能障害が、精神病および認知障害の症状の根底にあることから、ドーパミン作動系抗精神病薬治療に対して無応答となる個体の指標。作業記憶欠損の追加的所見から、未治療であれば機能的転帰に影響を及ぼし始める可能性がある認知欠損が認められる。クロザピン治療または治療抵抗性精神病症状のための代替薬と、認知および陰性症状を緩和してクロザピン治療または治療抵抗性精神病症状のための代替薬の有効性を増強するための追加的な認知機能向上剤治療の早期実施が推奨される。
(iii)正常な潜在抑制および作業記憶の欠損:個体における精神病の陽性症状の管理の指標であるが、作業記憶欠損が認知障害を示す。精神病の現行の治療計画の維持と、機能的転帰および日常生活への障害を最小限に抑えるための作業記憶欠損による追加的な認知機能向上剤治療が推奨される。
(iv)潜在抑制または作業記憶のみが異常である他の例では、個体のための治療推奨は、非欠損課題の正常性の範囲に基づいて行われる。
【0341】
実施例11
APD抗精神病薬の作用における潜在抑制アッセイ
抗精神病薬試験は現在、相対的症状を改善するための薬剤の有効性を判定する主要な評価項目および/または主観的方法として陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)に依存している。潜在抑制の評定は、治療への応答性を測定する客観的方法として用いられよう。
(i)減弱された潜在抑制:精神病に見舞われていて、ドーパミン作動系抗精神病薬治療に応答する見込みが大きい個体の指標。潜在抑制の減弱が、抗精神病薬試験の過程で持続する場合には、該当する化合物は、精神病を改善する効果がないと見なされ得るか、または投与量を増加させる必要があり得る。
(ii)増強された潜在抑制:潜在抑制が過去に減弱された時にAPDに応答した個体の指標であり、APDの用量を正常な潜在抑制に達するように減少させる必要があり得る。潜在抑制スコアが、非ドーパミン作動性機能障害が精神病および認知障害の症状の根底にあることを示すため、潜在抑制が、この試験の開始から増強された場合には、これは、ドーパミン作動系抗精神病薬治療に無応答である見込みが大きい個体の指標である。この例では、この患者は、該当する化合物への非応答者と見なされよう。
(iii)正常な潜在抑制:個体の精神病の陽性症状の管理および認知/陰性症状が極わずかであることの指標。このスコアが、過去に減弱または増強された潜在抑制であれば、この化合物は、効果的と見なされ得る。
(iv)最初の評定から潜在抑制スコアが不変であれば、治療に対して非応答と見なされてもよい。
【0342】
締めくくりに、本明細書の態様が具体的実施形態を参照することにより強調されているが、これらの開示された実施形態が本明細書に開示された主題の原理の例示にすぎないことを当業者が即座に察知するであろうことが、理解されなければならない。それゆえ、明示的に言及されない限り、開示された主題が本明細書に記載された特有の化合物、組成物、物品、装置、方法論、プロトコル、および/または試薬などに限定されないことが、理解されるべきである。加えて、特定の変更、改良、配列、改変、追加、減算およびそれらの部分的組み合わせが、本明細書の主旨を逸脱することなく本明細書内の教示に従ってなされ得ることは、当業者に認識されよう。それゆえ、以下に添付された実施形態およびその後に導入される実施形態が、真の主旨および範囲内であれば、全てのそのような変更、改良、配列、改変、追加、減算およびそれらの部分的組み合わせを含むと解釈されることが意図される。
【0343】
本発明を実行するための本発明者らに知られる最良の態様を含む、本発明の特定の実施形態が、本明細書に記載される。もちろん、これらの記載された実施形態への変更は、前述の記載を読むことで当業者に明白であろう。本発明者らは、当業者が適宜、そのような変更を利用することを予期し、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されたこと以外の方法で実践されることを意図している。したがって本発明は、適用法で認められる通り、本明細書に添付された実施形態で挙げられた主題の全ての改良および均等物を包含する。さらに、上記の実施形態の全ての可能な変更におけるそれらの任意の組み合わせは、本明細書に他に示されない限り、または文脈に矛盾したことが明記されない限り、本発明に包含される。
【0344】
本発明の代替的実施形態、要素、またはステップの群分けは、限定ととらえられるべきでない。各群の構成要素は、個別に、または本明細書に開示された他の群の構成要素との任意の組み合わせで、参照および実施されてもよい。群の1つまたは複数の構成要素が、簡便性および/または特許性の理由で群に含まれても、または群から削除されてもよいことは、予想される。任意のそのような包含または削除が行われる場合、本明細書は、改良された群を含み、したがって添付の実施形態で用いられた全てのマーカッシュ群の記述を満たすと見なされる。
【0345】
他に示されない限り、本明細書および実施形態で用いられた特徴、項目、量、パラメータ、特性、期間などを表す全ての数字は、用語「約」により全ての例が修正されると理解されなければならない。本明細書で用いられる場合、用語「約」は、そのように修飾された特徴、項目、量、パラメータ、特性、または期間が言及された特徴、項目、量、パラメータ、特性、または期間の値のプラス10%上下またはマイナス10%上下の範囲を包含することを意味する。したがって、反することが示されない限り、本明細書および添付の実施形態で表された数値パラメータは、変動し得る近似値である。例えば質量分析装置は、所与の分析物の質量を判定する際にわずかに変動し得るため、イオンの質量、またはイオンの質量/電荷比の文脈での用語「約」は、+/-0.50原子質量単位を指す。控えめに言っても、そして実施形態の範囲の均等物の原理の適用を限定するつもりはなく、各数値の表示は、少なくとも報告された有効数字の数に照らして、そして通常の丸めの技術を適用することにより、解釈されるべきである。
【0346】
実施形態または実施形態の態様に関する用語「してもよい(may)」または「することができる(can)」の使用はまた、代わりの意味「しなくてもよい(may not)」または「することができない(cannot)」を伴う。そのため、実施形態または実施形態の態様が本発明の主題の一部として含まれてもよい、または含まれ得ることを本明細書が開示する場合、否定的限定または排他的但し書きもまた、明示的に意味され、つまり実施形態または実施形態の態様は、本発明の主題の一部として含まれなくてもよい、または含まれ得ないということになる。類似の手法で、実施形態または実施形態の態様に関する用語「場合により」の使用は、そのような実施形態または実施形態の態様が本発明の主題の一部として含まれてもよい、または本発明の主題の一部として含まれなくてもよいことを意味する。そのような否定的限定または排他的但し書きが適用されるかどうかは、否定的限定または排他的但し書きが実施される主題の中に挙げられるどうかに基づくであろう。
【0347】
本発明の広範囲を表す数値範囲および値が近似値であるにもかかわらず、具体例で表された数値範囲および値は、可能な限り正確に報告されている。しかし本来、任意の数値範囲または値は、各テスト測定で見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含む。本明細書の値の数値範囲の列挙は、単にその範囲に含まれる各分離した数値を個別に参照する簡略的方法として役立つものと意図される。本明細書に他に示されない限り、数値範囲の各個別の値は、それが本明細書に個別に列挙されたかの如く、本明細書に組み入れられる。
【0348】
本発明を記載する文脈(特に、以下の実施形態の文脈)で用いられる用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」および類似の対象は、他に本明細書に示されない限り、または文脈に矛盾することが明記されない限り、単数または複数の両方を含むと解釈されなければならない。同定された要素のための、「第一」、「第二」、「第三」などの序数標識は、それらの要素を区別するために用いられており、そのような要素の必要とされる数または限定された数を示すまたは暗示するものではなく、他に具体的に言及されない限り、そのような要素の特有の位置または順序を示すものではない。本明細書に記載された全ての方法は、他に本明細書に示されない限り、または文脈に矛盾することが明記されない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書で提示されたあらゆる例または例示的言語(例えば「など」)の使用は、単に本発明をより上手く例証するものであり、他の方法で実施される本発明の範囲の限定を課すものではない。本明細書内の言語は、本発明の実践に必須の任意の実施されない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0349】
実施形態で用いられる場合には、出願されるか、または補正として添付されるかにかかわらず、非限定的移行語「含むこと(comprising)」、「含む(comprise)」および「含む(comprises)」などの変形例、ならびに「包含すること(including)」、「含有すること(containing)」、および「有すること(having)」のような同等のそれらの非限定的移行句は、全ての明示的に列挙された要素、限定、ステップ、整数、および/または特色を単独で、または列挙されていない主題と組み合わせて包含し、示された要素、限定、ステップ、整数および/または特色は、必須であるが、他の示されていない要素、限定、ステップ、整数および/または特色が、追加されて、実施形態の範囲内の構築物を形成してもよい。本明細書に開示された具体的実施形態はさらに、「含むこと」の代わりまたは補正として、限定的移行句「からなること(consisting of)」、「から本質的になること(consisting essentially of)」(または「からなる(consist of)」、「からなる(consists of)」、「から本質的になる(consist essentially of)」、および「から本質的になる(consists essentially of)」などのそれらの変形例)を用いて実施形態でさらに限定されてもよい。実施形態で用いられる場合に、出願されるか、または補正として添付されるかにかかわらず、限定的移行句「からなること」は、実施形態に明示的に列挙されていない任意の要素、限定、ステップ、整数、または特色を排除する。限定的移行句「から本質的になること」は、実施形態の範囲を、明示的に列挙された要素、限定、ステップ、整数、および/または特色、ならびに具体化された主題の基本的かつ新規な特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさない任意の他の要素、限定、ステップ、整数、および/または特色に限定する。したがって非限定的移行句「含むこと」の意味は、具体的に列挙された要素、限定、ステップ、および/または特色、ならびに任意選択による追加的な未指定のものの全てを包含することと定義されることである。限定的移行句「からなること」の意味は、実施形態に具体的に列挙されたそれらの要素、限定、ステップ、整数、および/または特色を包含することのみと定義されることであり、限定的移行句「から本質的になること」の意味は、実施形態に具体的に列挙されたそれらの要素、限定、ステップ、整数、および/または特色、ならびに実施される主題の基本的かつ新規な特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさないそれら要素、限定、ステップ、整数、および/または特色を包含することのみと定義されることである。それゆえ、非制限的移行句「含むこと」(およびそれと同等の非制限的移行句)は、その意味の中で、限定的例として、限定的移行句「からなること」および「から本質的になること」により指定され実施される主題を包含する。本明細書に記載される、または語句「含むこと」で実施されるそのような実施形態は、語句「から本質的になること」および「からなること」について、本明細書で明示的に、または本質的に明確に記載され、有効化され、そして支持される。
【0350】
本明細書で引用および識別された全ての特許、特許公報および他の参考資料は、例えば本発明に関連して用いられ得るそのような発行物に記載された組成物および方法論を、記載および開示すること目的として全体として参照により本明細書に個別に、かつ明示的に組み入れられる。これらの発行物は、本出願の出願日以前のそれらの開示のためだけに提示されている。これに関するものはいずれも、本発明者らが、過去の発明を考慮して、または任意の他の理由で、そのような開示に先行して権利を与えられないことの承認ではなく、またはそのような承認と解釈されるべきではない。これらの文書の日付に関する全ての言及またはその内容に関する表現は、本出願者に利用可能な情報に基づき、これらの文書の日付および内容の正確さに関する任意の承認をなすものではない。
【0351】
最後に、本明細書で用いられる用語法は、特有の実施形態を記載することのみを目的とし、本発明の範囲の限定を意図するものではなく、その範囲は、実施形態のみにより定義される。したがって本発明は、図示および記載されたものに限定されない。
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図7