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特許7570347オートインジェクタ用のカセット及び関連方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】オートインジェクタ用のカセット及び関連方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20241011BHJP
   A61M 5/24 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
A61M5/20
A61M5/24 500
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021559105
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 US2020027576
(87)【国際公開番号】W WO2020214492
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-04-07
(31)【優先権主張番号】62/835,249
(32)【優先日】2019-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラハバリ,アジタ
(72)【発明者】
【氏名】ダソジュ,スニータ
(72)【発明者】
【氏名】トサリニ,アンジェロ
(72)【発明者】
【氏名】アントニーニ,アントーニオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャザエリ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】サッカー,ハープリート
(72)【発明者】
【氏名】コールズ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】イン,ドーシュヨン
(72)【発明者】
【氏名】アシャニ,アリレザ
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/020000(WO,A1)
【文献】特表2014-516634(JP,A)
【文献】特表2010-502340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
A61M 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイス用のカセットであって、
近位端と遠位端とを有するスリーブと、
前記スリーブ内に配置されたシリンジであって、前記スリーブの前記遠位端に隣接する遠位開口部を有するバレルを含む前記シリンジと、
前記バレル内に摺動可能に配置されたプランジャストッパと、
前記シリンジを前記スリーブ内に固定するために前記バレルの前記遠位開口部に隣接する前記スリーブの前記遠位端に連結された端部キャップと、
前記プランジャストッパの直径に略等しい直径を有する前記プランジャストッパの遠位側に配置されたスペーサであって、前記バレル内を摺動可能に移動させるように構成され、前記バレル内を摺動可能に移動させるような大きさに作られ、且つ前記バレル内を摺動して前記プランジャストッパに係合するようにドライブ機構のプランジャロッドによって係合されるように適合された前記スペーサと
を含む、カセット。
【請求項2】
前記スペーサは、前記プランジャストッパと前記端部キャップとの間に配置される、請求項1に記載のカセット。
【請求項3】
前記スペーサは、前記バレルの前記遠位端に隣接して配置される、請求項1又は2に記載のカセット。
【請求項4】
前記端部キャップは、薬物送達前に前記スペーサを前記バレルに固定する、請求項1~3のいずれか一項に記載のカセット。
【請求項5】
前記スペーサは、プランジャロッドを内部に受け入れるような大きさに作られた後方開口空洞を有するカップ状本体を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のカセット。
【請求項6】
前記本体は、前記空洞内に内方に延びる複数のリブを更に含む、請求項5に記載のカセット。
【請求項7】
前記スペーサは、質量力に抗するように前記バレルの内面に摩擦係合するような大きさに作られる、請求項1~6のいずれか一項に記載のカセット。
【請求項8】
前記スペーサは、前記スペーサを前記バレルに沿って移動させるときに空気が前記スペーサを通過して流れることを可能にする通気孔を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のカセット。
【請求項9】
前記通気孔は、前記スペーサの外周の周りに配列された径方向突出部間に延びる複数の通路を含む、請求項8に記載のカセット。
【請求項10】
前記通気孔は、前記スペーサの外面に凹設された1つ又は複数の縦方向チャネルを含む、請求項8又は9に記載のカセット。
【請求項11】
前記端部キャップは、内側破断部分を含み、且つ前記スペーサは、前記破断部分に固定される、請求項1~10のいずれか一項に記載のカセット。
【請求項12】
前記スペーサは、前記破断部分を覆うように成形される、請求項11に記載のカセット。
【請求項13】
前記破断部分は円盤を含み、且つ前記スペーサの端壁は、前記円盤を覆うように成形される、請求項11又は12に記載のカセット。
【請求項14】
前記破断部分は、前記円盤の縁部から後方に延びる側壁を更に含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のカセット。
【請求項15】
前記スリーブは、少なくとも1つの受容部を含み、且つ前記端部キャップは、前記シリンジの遠位端に接触するように適合されたエラストマー製のバンパと、前記少なくとも1つの受容部に挿入するための少なくとも1つのアーム部材とを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のカセット。
【請求項16】
前記シリンジ内に治療薬を更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のカセット。
【請求項17】
前記治療薬は、Epogen(登録商標)、Aranesp(登録商標)、Enbrel(登録商標)、Neulasta(登録商標)、Neupogen(登録商標)、Nplate(登録商標)、Vectibix(登録商標)、Sensipar(登録商標)、Xgeva(登録商標)、Prolia(登録商標)、IL-17受容体Aに対する抗体、アンジオポエチン2の拮抗薬、TNF遮断薬若しくはTNF阻害剤、エタネルセプト、アダリムマブ、セルトリズマブ、ゴリムマブ、又はインフリキシマブである、請求項16に記載のカセット。
【請求項18】
オートインジェクタ用のカセットを準備するための方法であって、
プランジャストッパをシリンジのバレル内に配置することと、
前記シリンジをスリーブ内に配置することと、
前記バレル内に摺動可能に受け入れられるような大きさに作られたスペーサを前記プランジャストッパの後方に装着することと、
前記シリンジを前記スリーブ内に固定するために端部キャップを前記スリーブに連結することと
を含む、方法。
【請求項19】
前記スペーサを前記プランジャストッパの後方に装着することは、前記スペーサを前記シリンジの前記バレル内において前記プランジャストッパの後方に配置することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記スペーサを前記プランジャストッパの後方に装着することは、前記端部キャップを前記スリーブに連結することによって前記スペーサが前記バレルと整合されるように、前記スペーサを前記端部キャップに連結することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記スペーサを前記スリーブ用の前記端部キャップに連結することは、前記端部キャップの破断部分を覆うように前記スペーサを成形することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記シリンジに治療薬を充填することを更に含む、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記プランジャストッパに係合するようにプランジャロッドが前記バレルを通して前記スペーサを駆動するように、前記スペーサの後方開口空洞内に前記オートインジェクタの前記プランジャロッドを受け入れることを更に含む、請求項18~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
複数の利用可能なスペーサから前記スペーサを選択することを更に含み、前記複数の利用可能なスペーサの各々は異なる寸法を有する、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2019年4月17日に出願の米国仮特許出願第62/835,249号明細書に対する優先権を主張するものであり、その全内容が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、薬物送達デバイスに関し、より詳細には、オートインジェクタデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
事前充填皮下シリンジは、家庭用市場にいくつかの利点をもたらす。これらの利点は、事前充填シリンジが各薬剤に関して正確な所要の投与量で用意され得ることを含む。更に、事前充填シリンジは、単にシリンジのプランジャストッパを前進させることによって、容易に操作される。使用される特定の薬剤の費用は別にして、事前充填シリンジは同様に経済的に製造される。結果として、これら全ての利点は、事前充填シリンジを商業的に魅力的なものにする。
【0004】
それにもかかわらず、事前充填シリンジは、市場において重大な欠点も有する。具体的には、多くの使用者は、露出した針を恐れるか、又は注入を本質的に実行することができないと感じる。露出した針に対する嫌悪と、関連し得る健康上及び安全性の問題のため、使用者から針を隠すとともに注入作業を自動化して使用者が注入を実行するのを補助するという特定の目的で、様々な種類のインジェクタ及び他のデバイスが開発されている。そのようなインジェクタの1つは、事前充填シリンジを内部に有するカートリッジを受け入れる再使用可能なオートインジェクタである。使用者は、オートインジェクタを所望の注入位置において正しい向きに配置して、使用者の入力を作動させ、オートインジェクタの1つ又は複数のドライブが、針を皮下位置に挿入するようにシリンジを移動させ、プランジャロッドがプランジャストッパに係合してシリンジのバレルを通してプランジャストッパを駆動することでシリンジから薬物の用量を排出する。
【0005】
様々な範囲のバレル直径を有する異なるシリンジは、同一のオートインジェクタにおいて使用することができる。かかるシリンジ用のプランジャストッパは、同様の直径範囲を有する。しかしながら、様々なプランジャストッパに係合するために使用されるプランジャロッドのサイズ及び幾何学形状は、変わらないままである傾向がある。より小さな直径のバレル及びプランジャストッパに好適なプランジャロッドが、より大きな直径のプランジャストッパとともにより大きな直径のバレル内で使用される場合には、不十分な動作をもたらすことがあり、その逆もまた然りである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、スリーブと、スリーブ内に配置された、遠位開口部を備えたバレルを有するシリンジと、バレル内に摺動可能に配置されたプランジャストッパと、シリンジをスリーブ内に固定するためにスリーブに連結するように適合された端部キャップと、バレル内を摺動可能に移動させるような大きさに作られたスペーサとを含む、薬物送達デバイス用のカセットが開示される。スペーサは、バレル内を摺動してプランジャストッパに係合するようにプランジャロッドによって係合されるように、遠位開口部に隣接してプランジャストッパの遠位側に配置される。
【0007】
いくつかの形態では、スペーサは、プランジャロッドを内部に受け入れるような大きさに作られた後方開口空洞を備えたカップ状本体を有することができる。更なる形態では、本体は、空洞内に内方に延びる複数のリブを含むことができる。
【0008】
いくつかの形態では、スペーサは、スペーサをバレルに沿って移動させたときに空気がスペーサを通過して流れることを可能にする通気孔を含むことができる。更なる形態では、通気孔は、スペーサの外周の周りに配列された径方向突出部とスペーサの外面に凹設された1つ又は複数の縦方向チャネルとの間に延びる複数の通路を含むことができる。
【0009】
いくつかの形態では、端部キャップは、内側破断部分を含むことができ、且つスペーサは、破断部分に固定することができる。更なる形態では、スペーサは、破断部分を覆うように成形することができ、すなわち、破断部分は円盤とすることができ、且つスペーサの端壁は、円盤を覆うように成形することができる。なお更なる形態では、破断部分は、円盤の縁部から後方に延びる側壁部分を含むことができる。
【0010】
いくつかの形態では、カセットは、以下の態様、すなわち、スペーサは、質量力に抗するようにバレルの内面に摩擦係合するような大きさに作ることができる、スリーブは、少なくとも1つの受容部を含むことができ、且つ端部キャップは、シリンジの遠位端に接触するように適合されたエラストマー製のバンパと、少なくとも1つの受容部に挿入するための少なくとも1つのアーム部材とを含むことができる、カセットは、シリンジ内に治療薬を含むことができる、のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0011】
いくつかの形態では、カセットは、ハウジングを更に含むことができ、スリーブは、ハウジング内に配置され、且つ第1の位置と第2の位置との間を移動可能である。更なる形態では、カセットは更に、オートインジェクタと組み合わせて提供することができる。
【0012】
第2の態様によれば、プランジャストッパをシリンジのバレル内に配置することと、シリンジをスリーブ内に配置することと、バレル内を摺動可能に移動させるような大きさに作られたスペーサをプランジャストッパの後方に装着することと、シリンジをスリーブ内に固定するために端部キャップをスリーブに連結することとを含む、オートインジェクタ用のカセットを準備するための方法が開示される。
【0013】
いくつかの形態では、スペーサをプランジャストッパの後方に装着することは、端部キャップをスリーブに連結することによってスペーサがバレルと整合されるように、スペーサを端部キャップに連結することを含むことができる。更なる形態では、スペーサを端部に連結することは、端部キャップの破断部分を覆うようにスペーサを成形することを含むことができる。
【0014】
いくつかの形態では、方法は、シリンジに治療薬を充填すること、及び/又はプランジャストッパに係合するようにプランジャロッドがバレルを通してスペーサを駆動するように、スペーサの後方開口空洞内にオートインジェクタのプランジャロッドを受け入れることを更に含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】オートインジェクタとカセットとを含むオートインジェクタ装置の例示的な実施形態の側面図である。
図2】外部ハウジング、内部スリーブ、シリンジ、シールド除去機、係止キャップ、及びカバーを示す、図1のカセットの例示的な実施形態の分解斜視図である。
図3図1のカセットの上から見下ろした正面斜視図である。
図4図1のカセットの側断面図である。
図5】スリーブ及びシリンジ用の例示的な係止キャップの正面斜視図である。
図6図5の係止キャップを伴う、スリーブ及びシリンジの一部分の後面斜視図である。
図7図6のスリーブ、シリンジ、及び係止キャップの一部分の側面図である。
図8】スリーブ及び第2の例示的な係止キャップの一部分の正面斜視図である。
図9】第1の例示的なスペーサを伴う、スリーブ、シリンジ、及び係止キャップの一部分の側断面図である。
図10図9のスペーサの斜視図である。
図11】第2の例示的なスペーサを伴う、スリーブ、シリンジ、及び係止キャップの一部分の側断面図である。
図12図11のスペーサの斜視図である。
図13】第3の例示的なスペーサを伴う、スリーブ、シリンジ、及び係止キャップの一部分の斜視図である。
図14図13のスリーブ、シリンジ、係止キャップ、及びスペーサの一部分の側断面図である。
図15図13の係止キャップの第1の例示的なスペーサ部材の斜視図である。
図16図15のスペーサ部材及び図13のスペーサの斜視図である。
図17】第4の例示的なスペーサを伴う、スリーブ、シリンジ、及び係止キャップの一部分の斜視図である。
図18図17のスリーブ、シリンジ、係止キャップ、及びスペーサの一部分の側断面図である。
図19図17の係止キャップの第2の例示的なスペーサ部材の斜視図である。
図20図19のスペーサ部材及び図17のスペーサの斜視図である。
図21】突起を備えた底面を示す図1のカセットの下から見上げた正面斜視図である。
図22】突起と掛止機構とを示す図21のカセットの底面図である。
図23図1のオートインジェクタの正面図である。
図24図1のオートインジェクタの立面図である。
図25図1のオートインジェクタの後面図である。
図26図1のオートインジェクタの第2の側面の立面図である。
図27図1のオートインジェクタの第1の端部の立面図である。
図28図1のオートインジェクタの第2の端部の立面図である。
図29図1のオートインジェクタ及びカセットの側断面図である。
図30図1のオートインジェクタ用の例示的な電動式挿入ドライブ330の上から見下ろした側面斜視図である。
図31図30の電動式挿入ドライブの下から見上げた斜視図である。
図32図1のオートインジェクタ用の電動式排出ドライブのプランジャロッド、送りねじ、及びナットの分解側面斜視図である。
図33図32のプランジャロッド、送りねじ、及びナットの組立状態の側面斜視図である。
図34図30図33の電動式排出ドライブの一部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
カセットのシリンジのプランジャストッパと薬物送達デバイスのプランジャロッドとの間の中間部材を提供するためにスペーサを利用する、薬物送達デバイス用のカセット及び関連方法について本明細書で説明する。スペーサは、有利には、薬物送達デバイスのプランジャロッド用の大きさに作られたプランジャロッド受入空洞と、プランジャストッパ、特に環状遠位面を有するプランジャストッパに係合するような大きさに作られた端壁とを備えることができる。本明細書で説明するスペーサは、バレル内でプランジャストッパに係合するようにシリンジのバレルに挿入されるような大きさに作られ、最小限の余剰摩擦しか生じさせないままで、径方向に固定された向きを維持し質量力による移動に抗することができる。スペーサは、2つの物体をバレル内で互いに相対移動させたときにスペーサとプランジャストッパとの間に空気が閉じ込められないように、通気機能部を更に含むことができる。薬物排出動作では、スペーサは、プランジャストッパの遠位側に配置され、バレル内を摺動してプランジャストッパに係合するようにプランジャロッドによって係合される。いくつかの変形例では、カセットは、シリンジを内部に固定するためにスリーブに連結する端部キャップを含むことができ、スペーサは、端部キャップに連結させることができる。
【0017】
図1は、本開示によるオートインジェクタ装置100の例示的な実施形態の立面図を示す。オートインジェクタ装置100は、オートインジェクタ300とカセット200とを含む。オートインジェクタ300は、開位置では、(図示のように)カセット扉308へのカセット200の挿入を可能にし、且つ閉位置(例えば、図24)では、カセット200をそれぞれオートインジェクタ300の挿入ドライブ330及び排出ドライブ340(図29)と整合させる、カセット扉308を含んでもよい。オートインジェクタ300は、手持ち式の操作のために作製され適合され、且つ再使用可能であってもよい。カセット200は、所定用量の医薬品が事前充填され得る、シリンジ260(例えば、図2)を収納して保護するように作製され適合されてもよい。カセット200は、オートインジェクタ300を用いたシリンジの容易な使用を促進し且つ可能にし、使用前後の針刺しを防止するのに役立つ。その上、カセット200は、一回の使い捨て用に作製され適合されてもよい。
【0018】
図2は、本開示による、カセット200の例示的な実施形態の分解斜視図を示す。カセット200は、外部ハウジング210と、外部ハウジング210内を摺動可能に移動可能な内部スリーブ220と、内部スリーブ220内に配置された又は内部スリーブ220によって保持されたシリンジ260と、シリンジ260の保護針シールド266を除去するためのシールド除去機240とを含んでもよい。外部ハウジング210は、近位端壁214と開口遠位端216とを含んでもよい。外部ハウジング210の近位端壁214は、開口214Aを通してシールド除去機240を受け入れるサイズ及び形状を有する開口214Aを含んでもよい。内部スリーブ220は、近位端壁222と開口遠位端224とを含んでもよい。内部スリーブ220の近位端壁222は、開口222Aを通してシリンジ260の保護針シールド266を受け入れるサイズ及び形状を有する開口222Aを含んでもよい。カセット200は、内部スリーブ220の開口遠位端224を閉じてシリンジ260を内部スリーブ220内に固定又は係止するための端部キャップ又は係止キャップ230を更に含んでもよい。カセット200は、外部ハウジング210の開口遠位端216を閉じるためのカバー250を更に含んでもよい。カバー250は、カセット200の外部ハウジング210内に、内部スリーブ220と医薬品267を収容するシリンジ260とを包み込むことによって耐改ざん性を与え、また、カセット200の外観を完成させる。
【0019】
図3は、カセット200の上から見下ろした正面斜視図を示す。カセット200の外部ハウジング210は、その各側壁211に細長い開口部又は窓212を含んでもよい。窓212は、互いに反対側に配置され、互いに整合されてもよい。更に、カセット200の内部スリーブ220は、透明ポリカーボネートなどの、透明な剛性材料から作られてもよい。透明な内部スリーブ220との組み合わせでの外部ハウジング210の側壁211における窓212は、内部スリーブ220内に収納されたシリンジ260の視認を可能にする(図4)。外部ハウジング210の窓212を通して視認できる内部スリーブ220の壁部分は、充填容量表示部(図示せず)を含んでもよい。カセット200の外部ハウジング210はまた、ピン215、又はカセット200がカセット扉308に誤った方向及び/若しくは向きで挿入されるのを防ぐ他の任意の好適な機械的構造を含んでもよい。カセット扉308へのカセットの挿入の適切な方向及び向きを示すための「矢印」アイコンがシールド除去機240又は外部ハウジング210上に提供されてもよい(図示せず)。
【0020】
図4は、カセット200の側断面図を示す。見て分かるように、内部スリーブ220は、オートインジェクタ300の動作中にオートインジェクタ300の挿入ドライブ330(図29)によって係合され得る、内部スリーブピン268を含んでもよい。挿入ドライブ330によって駆動されたときに、ピン268は、内部スリーブ220をカセット200の外部ハウジング210内に移動させる。内部スリーブ220は、シリンジ260を内部に受け入れるような大きさ及び形状に作られてもよい。
【0021】
引き続き図4を参照すると、シリンジ260は、流体チャンバ262を画定するバレル261を含んでもよい。流体チャンバ262には、所定用量の医薬品267が事前充填されてもよい。医薬品267は、医薬品267の温度に依存する粘度を有してもよい。シリンジ260は、バレル261の近位端に取り外し可能に又は強固に配置された注入針265と、バレル261の遠位端に配置された外側に延びるフランジ263とを更に含んでもよい。注入針265は、シリンジバレル261の流体チャンバ262から放出された所定用量の医薬品267の投与を可能にするために、流体チャンバ262と連通していてもよい。シリンジ260は、バレル261の流体チャンバ262内に配置された、所定用量の医薬品267が注入針265を通して分注され得るように所定用量の医薬品267をチャンバ261から排出するための、可動プランジャストッパ264を更に含んでもよい。前述した保護針シールド266は、注入針265を覆い、非剛性材料で作られてもよい。例示的な一実施形態では、シリンジ260は、標準的な1mL長さのガラスシリンジを含んでもよい。係止キャップ230は、内部スリーブ220の遠位端224を閉じ、近位端壁222の内面と内部スリーブ220の開口部222Aとの接合部に形成された内縁面に対してシリンジバレル261の近位端261Pを強固に固定し、その結果、シリンジ260は、オートインジェクタ300の動作中に、外部ハウジング210内を進むときに内部スリーブ220とともに移動する。
【0022】
図5図7に示す、係止キャップ230は、カセット200の組み立て中に設定され得る所定の力でシリンジ260を内部スリーブ220内に係止する。係止キャップ230は、外面2310と内面2311とを有する略平坦な環状本体231と、本体231の内面2311から離れる方向に本体231から垂下する相対向するアーム232とを含んでもよい。アーム232の各々は、鉤状端部234を備えた切り欠き部材233を含んでもよい。いくつかの実施形態では、切り欠き部材233は、ばね状であってもよい。部材233は、アーム232から外方に本体231に向かって延びてもよい。本体231は、金属又は硬質プラスチック材料から作ることができる。軟質エラストマー製のリング状バンパ235は、本体231の内面2311に貼り付けられてもよい。本体231及びバンパ235は、オートインジェクタ300の電動式排出ドライブ340(図34)によって作動させるプランジャロッド342が、オートインジェクタ300の動作中に、係止キャップ230を通過し、プランジャストッパ264に係合してシリンジバレル261の流体チャンバ262を通してプランジャストッパ264を移動させることを可能にするような寸法に作ることができる開口部236を画定してもよい。係止キャップ230は、図6及び図7に示すように、バンパ235がフランジ263の上面263Tに係合するスナップ嵌め方式で、係止キャップ230の相対向するアーム232間にシリンジ260のフランジ263を受け入れるような寸法に作られてもよい。係止キャップ230のアーム232は、シリンジ260が内部スリーブ220内に組み付けられたときに、内部スリーブ220の遠位端に形成された相対向する受け入れ受容部220Rに挿入されてもよい。アーム232の鉤状部234は、受け入れ受容部220Rの内面を把持して係止キャップ230を適所に係止し、それにより、シリンジ260を内部スリーブ220内に係止保持する。係止キャップ230のアーム232は、カセット200内への組み付け中及び使用中にシリンジ260に加わる力の量を(所定値に)制限するように選択された距離だけ内部スリーブ220の受容部220Rに挿入されてもよい。
【0023】
図8は、番号230’が付された係止キャップの代替的な実施形態を示す。係止キャップ230’は、図5図7の係止キャップ230と同様であるが、切り欠き部材233を除外して、代わりに、各アーム262の端部に鉤状構成234’を提供する。
【0024】
図9図20に示すように、スリーブ220、係止キャップ230、及びシリンジ260の構成は、排出ドライブ340のプランジャロッド342とプランジャストッパ264との間に配置されるスペーサ400であって、バレル261内を移動させるような大きさに作られるスペーサ400を含むことができる。スペーサ400は、オートインジェクタ300内においてプランジャロッド342が再使用可能な単一のサイズを有することができる一方で、バレル261及びプランジャストッパ264のサイズを所望通りにスケーリングできるように、プランジャストッパ264の遠位側又は後方に位置し、有利にはアダプタとして働く。例えば、図9図11図14、及び図18に示すように、組み立て時のスペーサ400は、周囲空気で簡単に満たすことができる間隙又は空間によって、プランジャストッパ264から離間して配置される。すなわち、いくつかの変形例では、スペーサ400は、プランジャストッパ264の直径に略等しく、任意選択的にバレル261の内径に略等しい直径を有する。そのように、スペーサ400の位置は、加えられた適切な量の軸方向の力の下でスペーサ400がバレル261内を軸方向に移動できるときの薬物送達中にバレル261内で径方向に固定される。それゆえ、カセットが組み立てられるときに、スペーサ400は、任意の所与の用途のためにシリンジバレルのサイズ及びプランジャストッパのサイズと一致する直径を有するように、各々が異なる直径及び/又は幾何学形状を有する、複数の利用可能なスペーサから選択することができる。
【0025】
スペーサ400は、円形端壁404と、端壁404から後方に延びる環状側壁406とを有するカップ状本体402を含む。本体402は、プランジャロッド342がバレル261を通してスペーサ400を駆動できるように、プランジャロッド342の端部を内部に受け入れるような大きさに作られた空洞408を画定する。所望であれば、図12図13、及び図17の形態で示すように、本体402は、側壁406から空洞408内に内方に突出する、図示の4つのリブなどの、複数のリブ410を更に含むことができる。リブ410は、材料費及び重量を低減する一方でプランジャロッド342の端部に係合し且つ/又はこの端部の径方向移動を制限するために利用することができる。いくつかの変形例では、スペーサ400は、外面412がバレル261の内面に摩擦係合して、重力及び慣性などの、質量力による移動に抗するような大きさに作ることができる。好ましくは、この形態では、スペーサ400は、質量力による移動に抗するが、質量力による移動に抗するのに必要とされる摩擦を超えない最小限の又は過剰でない摩擦をもたらすような大きさに作ることができる。更に、外面412は、好ましくは、スペーサ400の縦方向長さに沿って且つ/又は縦方向に離間した箇所でバレル261に係合することによって、スペーサ400を正しい向きに配置して、スペーサ400をバレル261内に径方向に固定する。
【0026】
図示の形態では、プランジャストッパ264は、後方開口空洞264Aと環状遠位端面264Bとを画定するカップ状構成を有することができる。スペーサ端壁404の前面413は、プランジャストッパ264の遠位端面264Bに係合するような大きさに作られる。これにより、プランジャロッド342と、プランジャストッパ264との、特にプランジャストッパ264の空洞264Aとの相対的サイズの間に生じる問題が有利に取り除かれる。
【0027】
図示のように、スペーサ400は、薬物排出動作前にはプランジャストッパ264から離れて位置することができる。このような構成では、スペーサ400は、プランジャストッパ264に向けて駆動されなければならず、スペーサ400は、プランジャストッパ264とスペーサ400との間に空気が閉じ込められないように、スペーサ400の外面412内に又は外面412に沿って1つ又は複数の通気孔414を含むことができる。通気孔412は、プランジャストッパ264に係合するようにスペーサ400がバレル261を通して駆動されるときに空気がスペーサ400の周囲を流れることを可能にする。一形態では、スペーサ本体402は、外面412から外方に延びてバレル261の内面に係合する突出部416を含むことができる。この形態では、プランジャストッパ264の直径に略等しく、任意選択的にバレル261の内径に略等しいスペーサ400の直径は、突出部416間に延びるとともにスペーサ400の両側で整合された突出部416の深さを含む、スペーサ400の外径に相当することができる。より具体的な例として、図10は、突出部416のそれぞれの外面から測定されたときのスペーサ400の直径Dを示す。図12に示すものなどの、本明細書で説明する他の例示的なスペーサ400は、同様に構成された直径Dを有することができることが理解されるであろう。図示の形態では、突出部416は、本体402の外周の周りにリング状に配列され、突出部416間の通路418が通気孔412として働くように、互いに間隔をおいて配置される。バレル261内においてスペーサ400を正しい向きに配置するために、本体402は、図示のように、端壁404及び側壁406の遠位端420に隣接して配置できる、突出部416の2つのリングを含むことができる。突出部416の縦方向厚さは、スペーサ本体402とバレル261との間に生じる摩擦の量を制御するように修正することができる。図16に示すような追加の又は代替的な形態では、スペーサ本体402は、通気孔412として働くように外面412に凹設された1つ又は複数の縦方向チャネル422を含むことができる。チャネル422は、例えば、スペーサ400に更なる通気をもたらすために、突出部416のうちの隣り合う突出部416間の外面412に沿って延びることができる。
【0028】
図9図12に示す、いくつかの実施形態では、スペーサ400は、薬物排出動作前にバレル261内において格納位置に配置することができる。これらの実施形態におけるスペーサ400の格納位置は、プランジャストッパ264の遠位側にあるが、バレル261内にある。スペーサ400は、図示のようにプランジャストッパ264から間隔をおいて配置することができ、又は端壁404がプランジャストッパ264の遠位端面264Bに係合するまでバレル261に挿入することができる。図9及び図10の第1の実施形態では、スペーサ400は、各々4つの突出部416の2つのリングを含み、空洞408内にリブ410を含まない。この実施形態は、空洞408が、プランジャロッド342の端部342を、その周囲に最小限の、例えば、約1mm~約5mm又は約1mm~3mmの間隔を空けて、空洞408内に受け入れるような大きさに作られるような、比較的小さな直径を有するバレル261に特に好適であることがある。図11及び図12の第2の実施形態では、スペーサは、各々4つの突出部416の2つのリングと、プランジャロッド端部342EFの受け入れのための断面積を低減するための、空洞408内における4つのリブ410とを含む。この実施形態は、空洞408が、プランジャロッド端部342EFよりもはるかに大きな、例えば5mmよりも大きな直径を有するような、比較的大きな直径を有するバレル261に特に好適であることがある。いくつかの例では、より小さな直径のバレルは、最大約7mm又は約6.35mmの内径を有することができ、より大きな直径のバレルは、7mmよりも大きな又は約8.65の内径を有することができる。薬物投与量に関して、より小さな直径のバレルは、1mLの薬物を受け入れる容積を有することができ、より大きな直径のバレルは、2.25mLの薬物を受け入れる容積を有することができる。所望であれば、特により大きな直径のスペーサ400の場合に、スペーサ400は、端壁404に更なる剛性を与えて薬物排出動作中の望ましくない変形を最小限に抑えるために、端壁404内に配置された又は埋め込まれた剛性インサート424を含むことができる。インサート424は、好ましくは、前面413と端壁404の縁部とから間隔をおいて配置することができる。図示の例では、インサート424は、プラスチック、金属、又は他の十分な剛性を有する材料の円盤とすることができる。
【0029】
図13図20に示す、他の実施形態では、スペーサ400は、端部キャップ230に連結させることができ、スリーブ220への端部キャップ230の固定によって、スペーサ400がバレル261と整合される。具体的には、端部キャップ230は、環状本体231に固定されるスペーサ部材450を含むことができる。図示のように、スペーサ部材450は、端部キャップ230のアーム232間に嵌まるような大きさに作られた環状外側部分454を備えた本体452を有し、その結果、環状外側部分454をバンパ235と環状本体231との間に装着することができる。これに従って、環状外側部分454は、バンパ235及びスペーサ部材450を環状本体231に固定する締結具458を受け入れるための、環状外側部分454を貫通する複数の開口部456を含むことができる。図示のように、スペーサ部材本体452は、破断部分460を更に含む。破断部分460は、外側部分458から径方向内方に間隔をおいて配置され、スペーサ部材450の主面に略垂直な方向に力が加えられたときに破断するように構成される、図示の4つのブリッジなどの、複数のブリッジ462に取り付けられる。
【0030】
図13図16に示す第1の形態では、破断部分460は、円盤状の平面状本体464を有し、スペーサ400の端壁404は、側壁406が端部キャップ230から離れて後方に延びるように破断部分460に固定される。図示の形態では、端壁404の前面413は、接着剤、超音波溶接などを含む、任意の好適な方法によって円盤状本体464に固定することができ、その結果、スペーサ本体402全体が、スペーサ部材450の後方にあり、薬物排出動作前の格納位置においてバレル261の完全に外側に配置される。別の形態では、端壁404は、破断部分460を覆うように成形することができる。破断部分460は、成形プロセス中にスペーサ400の材料を受け入れる開口部を内部に含み、構成要素を互いに固定するのを補助することができる。
【0031】
図17図20に示す第2の形態では、破断部分460は、環状上壁468と、円盤状又は環状底壁470と、上壁468と底壁470との間に延びる複数のリブ472、例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上のリブを有する側壁部分とを備えた籠状本体466を有する。底壁470は、上壁468から縦方向に間隔をおいて配置され、環状上壁468の内径よりも小さな大きさに作られた直径を有する。図示の形態では、リブ472は各々、リブ472が上壁468から下方に、リブ472を径方向内方に曲げて底壁470に接続するエルボ部分474まで延びるような、エルボ部分474を有する。この形態では、スペーサ本体402は、上壁468がスペーサ側壁406の遠位面426に隣接するか又は遠位面426と同一平面上にあり、底壁470が端壁404内に埋め込まれ、且つリブ472が側壁406及び該当する場合には端壁404内に埋め込まれた状態で、籠状本体466を覆うように成形することができる。図示のように、スペーサ遠位面426は、端部キャップ230の環状本体231に当接することができる。この形態では、籠状本体466が端部キャップの環状本体231から前方に延びるので、端部キャップ230がスリーブ220に固定されたときに、スペーサ400は、図18に示すように、バレル261の内部に部分的に突出することができる。
【0032】
本明細書で説明するスペーサ400のいずれかをハウジング210とともに利用してカセット200の一部分を形成できることが理解されるであろう。更に、スペーサ400を内部に有するカセット200は、本明細書で説明するようにオートインジェクタ300に挿入することができる。そのように、薬物排出動作中に、スペーサ400に係合してバレル261を通してスペーサ400を駆動し、プランジャストッパ264に係合し、その後、バレル261を通してスペーサ400及びプランジャストッパ264を駆動してシリンジ260から薬物の用量を排出するために、オートインジェクタ300を通してプランジャロッド342を縦方向に駆動することができる。構成要素の2つ又は全ては、薬物排出動作前に格納位置において互いに接触することができ、又はプランジャロッド342の移動によって互いに離間させ且つ接触させることができる。
【0033】
図21及び図22を参照すると、カセット200の外部ハウジング210は、カセット200を識別する情報、例えば、カセット200内に収容されたシリンジ260の内容物及び/又は他のカセット/シリンジの特徴に関する情報を提供するカセット識別構成を含んでもよい。例示的な一実施形態では、カセット識別構成は、カセット200の外部ハウジング210の底面210Bに設けられた1つ若しくは複数の隆起又は突起210Pを含んでもよい。突起210Pは、カセット200がオートインジェクタ300の扉308に挿入されて扉308が閉じられたときに、オートインジェクタ300内の検出器(図示せず)によって感知されてもよく、又はこの検出器に係合してもよい。検出器370は、オートインジェクタ300内に収容されたマイクロプロセッサ(例えば、図29に示すマイクロプロセッサ350)に電気的に連結されてもよく、これにより、オートインジェクタ300は、カセット識別構成を読み取り、それにより、カセット200を識別することが可能となる。例示的な一実施形態では、所定の数の突起210Pは、所定の箇所において外部ハウジング210の底面210Bに位置してもよく、検出器370は、複数のキーのキーパッド(図示せず)を含んでもよい。複数のキーのうちの特定のキーは、カセット200がオートインジェクタ300に挿入されたときに、突起210Pの箇所及び数に応じて、カセット突起210Pによって作動させてもよい。突起210Pの1つによって作動させる各キーは、オートインジェクタ300がカセット200を識別することを可能にする情報を提供してもよい。いくつかの実施形態では、カセット識別構成は、カセット200において提供される医薬品の薬物送達プロファイルを識別する。したがって、有効なカセットの挿入及び認識、並びにカセット識別構成によって提供される情報の認識時に、カセット200において提供される医薬品の薬物送達プロファイルに相応する利用可能な予め設定された薬物排出速度範囲が、オートインジェクタ300によって自動的に登録されてもよい。利用可能な速度範囲は、シリンジの充填容量と、粘度などの、医薬品の特徴とによって決まる。例えば、限定的ではないが、カセット識別構成が複数の突起210Pを含む場合には、1つの突起が1mLの充填を示してもよく、2つの突起が0.5mLの充填を示してもよく、追加の突起が、医薬品及び/又は特徴を識別するために設けられてもよい。
【0034】
図22はまた、カセット200の外部ハウジング210の底壁210Bに設けられ得る掛止機構218を示す。掛止機構218は、平行に延びる1対の弾性係止アーム218a、218bを含んでもよい。係止アーム218a及び218bは、それぞれ、係止戻り止めスロット219a及び219bを画定する。内部スリーブ220のピン268は、シリンジ260が、定位置であって、シリンジ260の注入針265が針隠し位置においてカセット200内に隠された状態の定位置にあるときに、掛止機構218の戻り止めスロット219a、219bに係合し、それにより、内部スリーブ220をカセット200の外部ハウジング210内の所定位置に掛止又は係止してもよい。注入サイクル中に、オートインジェクタ300の挿入ドライブ330(図29)は、弾性係止アーム218a、218bを離間するように広げ、内部スリーブピン268を掛止機構218の戻り止めスロット219a、219bから掛止解除又は解放し、それにより、シリンジ260を収容する掛止解除された内部スリーブ220を挿入ドライブ330によって自由に移動させることを可能にし、この挿入ドライブ330は、内部スリーブピン268を押して、内部スリーブ220を外部ハウジング210に対して、注入針265が針隠し位置にある定位置から、注入部位において注入針265が皮膚に貫通することを可能にする針延出位置に注入針265がある注入位置に移動させる。注入サイクルの終了時に、挿入ドライブ330は、内部スリーブピン268を戻り止めスロット219a、219b内に戻るように引っ張り、それにより、注入針265が針隠し位置にある定位置に(シリンジ260を収容する)内部スリーブ220を戻す。
【0035】
同様の構造及び動作のカセットは、以下の特許出願、すなわち、米国特許出願公開第2009/0292246号明細書及び米国特許出願公開第20100022955号明細書、並びに国際公開第2009/143255号パンフレットにおいて詳細に説明されており、これらの特許出願の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
再び図2図4を参照すると、カバー250は、カセット200の遠位端を閉じるために、カセット200の外部ハウジング210の遠位端に取り付けられる。カバー250は、外部ハウジング210の遠位端216の形状と一致する形状を有する略平面部材であってもよい。カバー250は、カバー250の内面251から延びる2つ以上の係止アーム253であって、外部ハウジング210の側壁211を貫通して延びる対応する受容部255に係止係合する2つ以上の係止アーム253を含んでもよい。加えて、外部ハウジング210内に、外部ハウジング210上に、又は外部ハウジング210を貫通して形成された任意の戻り止め構造又は他の好適な係止構成(図示せず)が、カバー250を取り付けるために使用されてもよい。カバー250は、係止キャップ230によって画定された開口部236と軸方向に整合される開口部254を更に含んでもよい。カバー250における開口部254は、係止キャップ230の開口部236と同様に、オートインジェクタ300の電動式排出ドライブ340(図29)によって作動させるプランジャロッド342が、オートインジェクタ300の動作中に、カバー250を通過し、プランジャストッパ264に係合してシリンジバレル261の流体チャンバ262を通してプランジャストッパ264を移動させることを可能にするような寸法に作られてもよい。
【0037】
ここで図23図28を参照すると、オートインジェクタ300は、ハンドル部304と、ハンドル部304と直列のカセット受入部306とを有するケーシング302を含んでもよい。手先の器用さの課題に関して患者を補助するために、オートインジェクタケーシング302のハンドル部304は、柔らかいグリップ領域305Sを有する人間工学的形状のハンドル305を画定してもよい。カセット受入部306は、上記のカセット扉308(図24及び図26)を含む。カセット扉は、開位置(図1)ではカセット200を受け入れ、カセット200を挿入及び排出ドライブと整合させ、閉位置ではオートインジェクタ300の他の構造及び構成要素と整合させる。カセット扉308は、カセット200の挿入入口点を示す「カセット」アイコンを含んでもよい。ケーシング302のカセット受入部306は、その中にカセット200が正しく設置された状態でカセット扉308が閉じられたときにカセット200の窓212(図3)と整合する窓310A、310Bをその相対向する側面に含んでもよい。1つ以上の実施形態では、窓310A、310Bは二層式であってもよい。使用者がオートインジェクタ300の窓310A、310Bを通して注入サイクルを観察することができる、即ち、シリンジ内容物(以後、「薬物」)排出プロセス中はもとよりカセット200内におけるシリンジの移動中にシリンジ260のプランジャストッパ264の初期位置及び最終位置を観察することができるように、カセット窓212、及びカセット200の内部スリーブ220内に配置されたシリンジ260を一様にバックライト照明するために、1つ以上の照明(図示せず)がケーシング302内に提供されてもよい。
【0038】
引き続き図23図24図26、及び図28を参照すると、オートインジェクタ300は、ユーザインタフェース312及びオーディオスピーカ(図示せず)を更に含んでもよい。ユーザインタフェース312(図23に最も良く示される)はケーシング302のカセット受入部306に位置してもよく、様々な視覚インジケータを提供する。オーディオスピーカは、ケーシング302内に配置されてもよく、様々な可聴インジケータを提供する。オーディオスピーカは、ケーシング302のカセット受入部306に形成されたスピーカ開口314を通して聞こえる程度に外部環境と通信してもよい。ユーザインタフェース312及びオーディオスピーカによって生じる視覚インジケータ及び可聴インジケータは、オートインジェクタ300の使用準備が整ったときに、注入プロセスの経過、注入完了、あらゆるエラーの発生、及び他の情報を使用者に知らせることができる。オートインジェクタ300は、設定/ミュートスイッチ315、速度選択スイッチ316、開始ボタン307、及び取出ボタン317のうちの1つ以上を更に含んでもよい。設定/ミュートスイッチ315(図24)は、ケーシング302のカセット受入部306に位置してもよい。ミュートスイッチ315は、使用者がエラー音以外の全ての合成音をオン及びオフにすることを可能にし、使用者が注入プロセスを開始してミュートスイッチをオフに変更した場合に音が即座に消されるように、リアルタイムで応答するように作製され適合されてもよい。ミュートスイッチ315はまた、オーディオスピーカを消音するために「ミュート」アイコンに向かって摺動するように作製され適合されてもよい。「ミュート」状態を確認するための光インジケータが提供されてもよい。速度選択スイッチ316(図23及び図24)は、ケーシング302のカセット受入部306に位置してもよい。速度選択スイッチ316は、個人的な患者の好みに適応するための複数の予め設定された薬物送達(排出)速度の中から使用者が選択することを可能にするように作製され適合されてもよい。速度選択スイッチ316は3つのスイッチ位置を含んでもよい。速度選択スイッチの他の実施形態は、2つのスイッチ位置又は4つ以上のスイッチ位置を含んでもよい。更に他の実施形態では、速度選択スイッチは無限可変型のものであってもよい。いくつかの実施形態では、注入前のスイッチ316の位置の変更によって注入中の薬物排出速度が変化し、その一方で、注入中の速度選択スイッチ316の位置の変更では注入速度はリアルタイムで変化しない。オートインジェクタ300はまた、使用者が薬物送達の異なる速度を実験することを可能にするための1つ以上のデモカセットを備えてもよい。ハンドル305の自由端部における開始ボタン307。ボタン307は、ボタン307上の親指の配置を最適化するための凹み3071を含んでもよい。ボタン307は、照明効果が信号としてボタンを照明することを可能にする半透明材料で作られてもよい。取出ボタン317(図26)は、ケーシング302のカセット受入部306に位置してもよい。取出ボタン317は、ボタン317上の指の配置を最適化するための凹み3171を含んでもよい。いくつかの実施形態では、取出ボタン317は、注入プロセス中の偶発的な入力を排除するようにプログラムされ得る、オートインジェクタ300のマイクロプロセッサ(例えば、図29に示すマイクロプロセッサ350)によって制御されてもよい。
【0039】
図27を再び参照すると、ケーシング302のカセット受入部306とカセット扉308は、オートインジェクタ300の近位端壁318を形成してもよい。近位端壁318は、シールド除去機240の取り外し後に又はオートインジェクタ300がカセット200を収容していないときにオートインジェクタ300を支持面上に容易に配置するための広く平らで安定した基部として構成されてもよい。カセット扉308によって形成される近位端壁318の部分は、カセット200がオートインジェクタ300内に設置されるときに、シールド除去機240をカセット200から取り外し、孔308Aを通して取り出すことを可能にするような大きさ及び形状に作られた孔308Aを含んでもよい。シールド除去機240が開口308Aを通過するとすぐに、拡張可能な部分的カラー構造245の舌部245Tが外方に拡張するか又は広がり、それにより、シールド除去機240及びそれに取り付けられた針シールド266がカセット扉308の開口308Aに再び挿入されるのを防止する。オートインジェクタ300の近位端壁は標的灯320を更に含んでもよい。標的灯320は、シールド除去機240がカセット200から取り外され、孔308Aを通して取り出されるとオンにされ、それによりシールド除去機240が取り外されたことを視覚的に示すように作製され適合されてもよい。オンにされると、標的灯は使用者が注入部位を可視化し且つ選択するのを補助する。
【0040】
図29は、オートインジェクタ300と、その中に設置されたカセット200とを含む、オートインジェクタ装置100の側断面図を示す。オートインジェクタ300のケーシング302は、シリンジ260を収容するカセット200を受け入れるためのシャーシ301と、電動式挿入ドライブ330と、電動式排出ドライブ340と、マイクロプロセッサ350(先に説明した)と、ドライブ330、340とマイクロプロセッサ350とに電力を供給するためのバッテリ360と、皮膚センサ380(先に説明した)とを収納してもよい。
【0041】
マイクロプロセッサ350には、マイクロプロセッサ350によって実行されたときにオートインジェクタ300の様々な動作及び機能を制御及び監視することを可能にする特定の命令がプログラムされてもよい。例えば、限定的ではないが、マイクロプロセッサが、注入サイクル及び処理フローの各ステップを制御及び監視し、それにより、針挿入、薬物排出、及び針後退を自動化し、オートインジェクタ300と医薬品投与との正確で一貫性があり且つ信頼性がある動作を確実にするように、マイクロプロセッサには、電動式挿入ドライブ330及び排出ドライブ340を制御するための命令がプログラムされてもよい。マイクロプロセッサにはまた、使用者への可聴フィードバック及び視覚フィードバックを制御するための命令がプログラムされてもよい。自動パワーオンセルフテストで、オートインジェクタ300の動作及び残りのバッテリ充電を確認する。
【0042】
再び図29を参照すると、電動式挿入ドライブ330は、針挿入サイクル及び針後退サイクルを実行する。図30及び図31は、それぞれ、電動式挿入ドライブ330の実施形態の上から見下ろした側面斜視図及び下から見上げた側面斜視図を示す。挿入ドライブ330は、挿入ドライブモータ331と、ドライブリンク又はラック332と、挿入ドライブモータ331の回転運動を伝達してラック332を駆動するための、複数の歯車3331、3332、3333、3334を含む挿入ドライブ歯車列333とを含んでもよい。ラック332は、上面332Tと底面332Bとを含んでもよい。ラック332の上面332Tは、離間して配置された第1の突出部3321及び第2の突出部3322をそれぞれ含んでもよい。ラック332の底面332Bは、ラック歯334を含んでもよい。ラックのラック歯334は、歯車列333の歯車3334に係合する。針挿入サイクル中に、ラック332の第1の突出部3321は、カセット200の内部スリーブ220の内部スリーブピン268を外部カセットハウジング210の掛止部218から掛止解除し(図22)、次いで、内部スリーブピン268に係合してピン268を押して、シリンジ260を収容する内部スリーブ220をカセット200の外部ハウジング内で前方に、定位置から、シリンジ260の注入針265がカセット200から延出して注入部位において皮膚に挿入される針延出位置に駆動する。針後退サイクル中に、ラック332の第2の突出部3322は、内部スリーブピン268に係合し、次いで、内部スリーブピン268を引っ張り、シリンジ260を収容する内部スリーブ220をカセット200の外部ハウジング内で後方に再び定位置まで駆動し、それにより、シリンジ260の注入針265を注入部位において皮膚から引き抜き、(薬物排出後に)注入針265をカセット200内に再び後退させ、ここで、針は、安全な取り扱い及び廃棄のためにカセット200内で保護され係止される。針の挿入位置決め及びタイミングは、オートインジェクタのマイクロプロセッサ350によって監視及び制御される。エラーが発生した場合に、エラーは、スピーカからの可聴警報とともにユーザインタフェース312(図23)に表示される。挿入ドライブ330は、オートインジェクタ装置100が、医薬品を所定の針注入深さで皮下(SC)に送達することを可能にする。この針深さパラメータは、挿入ドライブ330が内部スリーブ220/シリンジ260をカセット200の外部ハウジング210内の機械的硬質停止部まで前方に移動させたときに達成される。機械的硬質停止部は、患者の皮膚の方向へのシリンジ260の移動を制限し、所望の所定の仕様通りの針の深さを確保する。モータ331の動きを監視することによって、不完全な針挿入の検出が可能となり、この検出によって、可聴及び視覚警報を伴う、針の後退及び注入サイクルの終了が引き起こされる。
【0043】
図29に示す電動式排出ドライブ340は、医薬品が排出されてシリンジ260が空にされる薬物排出サイクルを実行する。図32及び図33は、電動式排出ドライブ340の実施形態を示す側面斜視図である。図32は、電動式排出ドライブ340のプランジャロッド/ドライブねじ構成の実施形態の分解側面斜視図を示す。図33は、図32に示すプランジャロッド/ドライブねじ構成の組立状態の側面斜視図を示す。図34は、電動式挿入ドライブ330の歯車列の実施形態の斜視図を示す。排出ドライブ340は、排出ドライブモータ341と、プランジャロッド342と、送りねじ343と、排出ドライブ歯車列344とを含んでもよい。プランジャロッド342は、送りねじ343及び排出ドライブ歯車列344を介して排出ドライブモータ341によって駆動される。図32及び図33に示すように、プランジャロッド342は、プッシャ342Pを含んでもよく、送りねじ343は、ナット345を含んでもよい。ナット345は、プランジャロッド342を送りねじ343に機械的に連結する。ナット345は、送りねじ343の雄ねじ山343Tに螺合する雌ねじ山345Tを含んでもよい。ナット345はまた、プランジャロッド342のプッシャ342Pを強固に保持するホルダ345Hを含んでもよい。図34に示すように、排出ドライブ歯車列344は、複数の歯車3441、3442、3443、3444、3445、3446を含んでもよい。排出ドライブ歯車列344の歯車3441及び3446は、それぞれ、排出ドライブモータ341及び送りねじ343に連結され、それにより、排出ドライブ歯車列344が、挿入ドライブモータ331の回転運動を伝達して、送りねじ343を駆動することを可能にする。送りねじ343が回転すると、(送りねじ343と螺合された)ナット345は、(送りねじの回転方向に応じて)送りねじ343に沿って前方又は後方に移動し、このナット345は、プランジャロッド342をオートインジェクタ300内で前方及び後方に駆動する。プランジャロッド342を前方に移動させることによって、プランジャロッド342の端面342EFがカセット200内に、次いで、シリンジ260のシリンジバレル261内に入れられる。次いで、プランジャロッド342は、薬物排出サイクル中にシリンジ260から所定用量の医薬品を放出するために、シリンジ260のプランジャストッパ264に係合し、プランジャストッパ264をシリンジバレル261の端部に押し付ける。薬物排出に関連する時間だけでなく、排出ドライブ340の構成要素の位置も、マイクロプロセッサ350によって監視されてもよい。エラーが発生した場合に、エラーは、可聴警報とともにユーザインタフェース312に表示することができる。マイクロプロセッサ350は、工場で設定された異なる薬物送達プロファイル(ストローク、速度、加速度)を記憶することが可能であってもよい。複数の特有の薬物送達プロファイルは、特定のカセット構成に関連付けられてもよい。カセット200の外部ハウジング210上のカセット識別構成は、充填された医薬品に特有の好適な薬物送達プロファイルをオートインジェクタ300が識別することを可能にする。有効なカセット200の挿入及び認識時に、利用可能な予め設定された薬物排出速度範囲が、オートインジェクタ300によって自動的に登録されてもよい。利用可能な速度範囲は、シリンジの充填容量と、粘度などの、医薬品の特徴とによって決まる。
【0044】
使用者は、速度選択スイッチ316を使用して特定の医薬品に対する複数の異なる選択肢から所望の薬物排出速度(医薬品を排出してシリンジ260を空にする時間として定義される)を選択してもよい。薬物排出サイクルの開始時に、プランジャロッド342のストロークは、プランジャストッパ264がシリンジバレル261の端部に達することを確実にするために制御及び監視されてもよく、これにより、完全な用量投与が確実となる。排出プロセス中にエラーが発生した(例えば、プランジャロッドが完全なストロークを達成するのに失敗した)場合に、オートインジェクタ300は、薬物の排出を直ちに終了させ、針をカセット200内に後退させ、可聴及び視覚警報を提供してもよい。
【0045】
注入サイクルは、可聴信号と視覚信号の両方によって示されてもよい。オートインジェクタ300の光は、使用者に対して注入の進捗を示すように、注入サイクル中に上から下に順に消灯してもよい。注入サイクルの完了時に、オートインジェクタ300は、シリンジ針を使い捨てカセット200内に再び後退させ、次いでカセット扉308を自動的に開き、使用者によるカセット200の取り外しを可能にする。カセット扉308の開口部はまた、注入サイクルが完了したことを使用者に示すインジケータであってもよい。
【0046】
注入サイクル中にエラーが発生した場合に、使用者(操作者又は患者)にエラーの発生を知らせて適切な行為を促すために、オートインジェクタ300は、様々な可聴及び視覚信号を備えていてもよい。
【0047】
図29に示すバッテリ360は、非交換式、非充電式バッテリであってもよい。他の形態では、バッテリ360は、交換式バッテリ及び/又は充電式バッテリとすることができる。バッテリ360は、薬物送達要件を満たすのに適切な寿命及び耐用年数にわたって十分な電力を提供することが可能であるべきである。注入サイクルを成功させるのに十分なバッテリ電力が利用できることを確実にするために、オートインジェクタ300を起動させた時点でパワーオンセルフテストが自動的に実行される。オートインジェクタ300のユーザインタフェース312は、注入前にバッテリ360に問題が発生した場合に、視覚及び可聴警報を提供してもよい。マイクロプロセッサ350は、定められた耐用年数が終了した時点で、又は注入サイクルを成功させるのに十分にバッテリ360が充電されていない場合に、オートインジェクタ300を無効にするようにプログラムされてもよい。
【0048】
上記の記載では、薬物送達デバイスに関連する様々なデバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び使用方法について説明している。デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、方法、又は薬物送達デバイスは、以下に特定される薬物、並びにそれらのジェネリック及びバイオシミラー同等品を含むがそれらに限定されない薬物を更に含むことができ、又はこれらとともに使用することができる。本明細書で使用される場合、薬物という用語は、他の類似の用語と交換可能に使用でき、伝統的及び非伝統的な医薬品、栄養補助食品、サプリメント、生物学的製剤、生物学的活性剤及び組成物、大分子、バイオシミラー、生物学的同等物、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、小分子、及びジェネリック医薬品を含む、任意の種類の薬剤又は治療用材料を指すために使用することができる。非治療的な注入可能材料も包含される。薬物は、液体形態、凍結乾燥形態、又は凍結乾燥形態から再構成されたものであってもよい。以下の例示的な薬物のリストは、網羅的又は限定的であると考えるべきではない。
【0049】
薬物はリザーバに収容される。場合によっては、リザーバは、治療のために薬剤が充填又は事前充填される一次容器である。一次容器は、バイアル、カートリッジ、又は事前充填シリンジとすることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバに顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子が充填されてもよく、又は、薬物送達デバイスを顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子とともに使用することができる。そのようなG-CSF剤として、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)及びNeupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)を含むが、それらに限定されない。
【0051】
他の実施形態では、薬物送達デバイスは、液体又は凍結乾燥形態であり得る、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を収容してもよく、又はこれとともに使用されてもよい。ESAは、赤血球産生を刺激する任意の分子である。いくつかの実施形態では、ESAは、赤血球産生刺激タンパク質である。本明細書で使用される場合、「赤血球産生刺激タンパク質」は、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことによって、エリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球産生刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体、若しくは誘導体、エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体、又はエリスロポエチン受容体に結合し、活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球産生刺激タンパク質としては、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコールエポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンイオタ、エポエチンオメガ、エポエチンデルタ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタ、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、並びにそれらの分子又は変異体又は類似体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0052】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体、又は誘導体を含む、以下で説明する特定のタンパク質がある。完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディなどとも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など;ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、関連タンパク質など;特に、IL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活動を抑制する、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Ang2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;NGF特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;CD22特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、特に、ヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖二硫化物の二量体、例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体などの、ヒトCD22特異IgG抗体を特に含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体などであるがそれに限定されない、ヒトCD22特異抗体;抗IGF-1R抗体を含むがそれに限定されない、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など;B7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1と活性化T細胞上のB7RP-1の自然受容体であるICOSとの相互作用を抑制するものを含むがそれに限定されない、B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など(「B7RP-1」、B7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称される);例えば146B7などの、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されない、特にヒト化モノクローナル抗体などの、IL-15特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ヒトIFN γ特異抗体を含むがそれに限定されない、及び完全ヒト抗IFN γ抗体を含むがそれに限定されない、IFN γ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TALL-1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、並びに他のTALL特異結合タンパク質;副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;肝細胞増殖因子/分散因子(HGF/SF)を中和する完全ヒトモノクローナル抗体などのHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、タンパク質など;TGF-β特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アミロイドβタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質を含むがそれらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質を含むがそれに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、又はエリスロポエチン)、GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-1a)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体)、Betaseron(登録商標)(インターフェロン-β)、Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、MLN0002(抗α4β7 mAb)、MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb)、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ)、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1)、Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb)、Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Humira(登録商標)(アダリムマブ)、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(登録商標)(デノスマブ)、Prolia(登録商標)(デノスマブ)、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF-受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Nplate(登録商標)(ロミプロスチム)、リロツムマブ、ガニツマブ、コナツムマブ、ブロダルマブ、溶液中のインスリン、Infergen(登録商標)(インターフェロンalfacon-1)、Natrecor(登録商標)(ネシリチド、遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP)、Kineret(登録商標)(アナキンラ)、Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF)、LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb)、Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb)、Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン)、Raptiva(登録商標)(エファリズマブ)、Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP870)、Soliris(商標)(エクリズマブ)、ペキセリズマブ(抗補体C5)、Numax(登録商標)(MEDI-524)、Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ)、Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ)、Trabio(登録商標)(レルデリムマブ)、TheraCim hR3(ニモツズマブ)、Omnitarg(ペルツズマブ、2C4)、Osidem(登録商標)(IDM-1)、OvaRex(登録商標)(B43.13)、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1)、NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11)、Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体)、Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体)、Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb)、Tarceva(登録商標)(エルロチニブ)、Roferon-A(登録商標)(インターフェロンalfa-2a)、Simulect(登録商標)(バシリキシマブ)、Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ)、Synagis(登録商標)(パリビズマブ)、146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb)、Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌防御抗原mAb)、ABthrax(商標)、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSA mAb)、IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(登録商標)(エゼチマイブ)、Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig)、抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ)、抗CD23 mAb(ルミリキシマブ)、BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬)、CNTO148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb)、HGS-ETR1(マパツズマブ、ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb)、HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb)、HuMax-EGFR(ザルツムマブ)、M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb)、MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb、及びVEGFR-1(IMC-18F1)、抗BR3mAb、抗C.ディフィシル毒素A並びに毒素B C mAbs MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388)、抗CD22 dsFv-PE38抱合体(CAT-3888及びCAT-8015)、抗CD25 mAb(HuMax-TAC)、抗CD3 mAb(NI-0401)、アデカツムマブ、抗CD30 mAb(MDX-060)、MDX-1333(抗IFNAR)、抗CD38 mAb(HuMax CD38)、抗CD40L mAb、抗Cripto mAb、抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019)、抗CTLA4 mAb、抗エオタキシン1 mAb(CAT-213)、抗FGF8 mAb、抗ガングリオシドGD2 mAb、抗ガングリオシドGM2 mAb、抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029)、抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001)、抗HepC mAb(HuMax HepC)、抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-1103)、抗IGF1R mAb、抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam)、抗IL12 mAb(ABT-874)、抗IL12/IL23 mAb(CNTO1275)、抗IL13 mAb(CAT-354)、抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC)、抗IL5受容体mAb、抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO95)、抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100)、BMS-66513、抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307)、抗メソテリンdsFv-PE38抱合体(CAT-5001)、抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538))、抗PDGFRα抗体(IMC-3G3)、抗TGFβ mAb(GC-1008)、抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2)、抗TWEAK mAb、抗VEGFR/Flt-1 mAb、及び抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)。
【0053】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ロモソズマブ、ブロソズマブ、又はBPS804(Novartis)などであるがそれらに限定されないスクレロスチン抗体、他の実施形態では、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)を収容してもよく、又はこれらとともに使用されてもよい。このようなPCSK9特異抗体としては、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)が挙げられるが、それらに限定されない。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、又はパニツムマブを収容してもよく、又はこれらとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、OncoVEXGALV/CD;OrienX010;G207、1716;NV1020;NV12023;NV1034;及びNV1042を含むがそれらに限定されない、黒色腫又は他の癌の治療用のIMLYGIC(登録商標)(タリモジーンラハーパレプベック)又は別の腫瘍溶解性HSVが充填されてもよく、又はデバイスは、これらとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、TIMP-3などであるがそれらに限定されないメタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)を収容してもよく、又はこれとともに使用されてもよい。エレヌマブ、並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子などであるがそれらに限定されないヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体もまた、本開示の薬物送達デバイスを用いて送達されてもよい。加えて、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)などであるがそれに限定されない二重特異性T細胞誘導(BiTE(登録商標))抗体を、本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、アペリン又はその類似体などであるがそれらに限定されないAPJ大分子アゴニストを収容してもよく、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、治療的有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体が本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれとともに使用される。
【0054】
薬物送達デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び方法を、例示的な実施形態の観点から説明してきたが、それらは例示的な実施形態に限定されるものではない。本詳細説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現行の技術又は本特許の申請日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多くの代替的な実施形態を実施することができるが、このような実施形態はなお、本明細書に開示される本発明を定義する請求項の範囲内に含まれる。
【0055】
当業者であれば、本明細書に開示される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく上記の実施形態に対して多種多様な修正、変更、及び組み合わせを施すことができ、そうした修正、変更、及び組み合わせは本発明の概念の範囲にあると解釈されるべきであることを理解するであろう。
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