(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 9/32 20060101AFI20241011BHJP
G06F 21/64 20130101ALI20241011BHJP
【FI】
H04L9/32 200B
H04L9/32 200E
G06F21/64
(21)【出願番号】P 2022015805
(22)【出願日】2022-02-03
【審査請求日】2023-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】川出 まり恵
【審査官】青木 重徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-233690(JP,A)
【文献】特開2006-127133(JP,A)
【文献】特開2021-015429(JP,A)
【文献】特開2011-013712(JP,A)
【文献】特表2014-517972(JP,A)
【文献】特表2009-526322(JP,A)
【文献】三浦 広平 ほか,プライバシーを考慮したディジタルコンテンツ転々流通システムのBitcoin 2.0による実現,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2016年05月26日,Vol.116 No.71,pp.29-32
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 9/32
G06F 21/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザの情報と、第2ユーザの情報とをユーザ情報として記憶する記憶部と、
デジタルコンテンツを前記第2ユーザに譲渡する前記第1ユーザの第1端末装置から受信した要求に応じて、前記デジタルコンテンツの暗号化のための第1秘密鍵と、当該第1秘密鍵と対になる第1公開鍵とを生成し、前記第1公開鍵と、前記デジタルコンテンツと、前記第2ユーザの情報とに基づいて、第1電子証明書を生成する制御部と、
記憶された前記第2ユーザの情報に基づいて、前記第1秘密鍵及び前記第1電子証明書を前記第2ユーザの第2端末装置に送信する通信部と
を備え、
前記制御部は、
前記要求に応じて、前記デジタルコンテンツ、前記第1ユーザ、及び前記第2ユーザの情報と、前記デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む情報を前記デジタルコンテンツの登記情報として前記記憶部に記憶
し、
前記デジタルコンテンツが、コンテンツ種別、容量、所有者条件、及び所有者の身元確認有無を含む所定の登記条件を満たすことに応じて、前記第1電子証明書を生成する、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記通信部を介して受信した前記第2ユーザの識別情報と、記憶された前記登記情報とに基づいて、前記第2ユーザが前記デジタルコンテンツの正当な所有者であるか否かを判断する、請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2ユーザが前記デジタルコンテンツの正当な所有者であると判断された後、前記第1電子証明書を生成する、請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
第1ユーザの情報と、第2ユーザの情報とをユーザ情報として記憶する記憶部と、
デジタルコンテンツを前記第2ユーザに譲渡する前記第1ユーザの第1端末装置から受信した要求に応じて、前記デジタルコンテンツの暗号化のための第1秘密鍵と、当該第1秘密鍵と対になる第1公開鍵とを生成し、前記第1公開鍵と、前記デジタルコンテンツと、前記第2ユーザの情報とに基づいて、第1電子証明書を生成する制御部と、
記憶された前記第2ユーザの情報に基づいて、前記第1秘密鍵及び前記第1電子証明書を前記第2ユーザの第2端末装置に送信する通信部と
を備え、
前記制御部は、
前記要求に応じて、前記デジタルコンテンツ、前記第1ユーザ、及び前記第2ユーザの情報と、前記デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む情報を前記デジタルコンテンツの登記情報として前記記憶部に記憶し、
前記通信部を介して外部装置から受信した前記デジタルコンテンツの識別情報に基づいて、当該デジタルコンテンツの前記登記情報の少なくとも一部を前記外部装置に送信する
、情報処理装置。
【請求項5】
第1ユーザの情報と、第2ユーザの情報とをユーザ情報として記憶する記憶部と、
デジタルコンテンツを前記第2ユーザに譲渡する前記第1ユーザの第1端末装置から受信した要求に応じて、前記デジタルコンテンツの暗号化のための第1秘密鍵と、当該第1秘密鍵と対になる第1公開鍵とを生成し、前記第1公開鍵と、前記デジタルコンテンツと、前記第2ユーザの情報とに基づいて、第1電子証明書を生成する制御部と、
記憶された前記第2ユーザの情報に基づいて、前記第1秘密鍵及び前記第1電子証明書を前記第2ユーザの第2端末装置に送信する通信部と
を備え、
前記記憶部は、前記デジタルコンテンツの少なくとも一部に基づく真正データを記憶し、
前記通信部は、前記第2端末装置から検証対象データとして、前記デジタルコンテンツを受信し、
前記制御部は、
前記要求に応じて、前記デジタルコンテンツ、前記第1ユーザ、及び前記第2ユーザの情報と、前記デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む情報を前記デジタルコンテンツの登記情報として前記記憶部に記憶し、
前記真正データと前記検証対象データとに基づいて、前記検証対象データの真正性を検証する
、情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記要求に基づいて算出された手数料に関する情報を前記第1端末装置に送信する、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、第3ユーザの情報を前記ユーザ情報として記憶し、
前記制御部は、前記通信部を介して受信した前記第2ユーザの識別情報と、前記登記情報とに基づいて、前記第2ユーザが前記デジタルコンテンツの所有者であると判断した場合、前記第2ユーザの前記第2端末装置から受信した要求に応じて、前記デジタルコンテンツの暗号化のための第2秘密鍵と、当該第2秘密鍵と対になる第2公開鍵とを生成し、前記第2公開鍵と、前記デジタルコンテンツと、前記第3ユーザの情報とに基づいて、第2電子証明書を生成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通信部は、記憶された前記第3ユーザの情報に基づいて、前記第2電子証明書を前記第3ユーザの第3端末装置に送信する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2端末装置から受信した前記要求に応じて、前記デジタルコンテンツ、前記第1ユーザ、前記第2ユーザ、及び前記第3ユーザの情報と、前記デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む情報を前記デジタルコンテンツの登記情報として前記記憶部に記憶する、請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記記憶部は、前記登記情報とは別に、デジタルコンテンツの登記サービスのユーザの情報として、前記ユーザ情報を記憶する、請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
記憶部が、第1ユーザの情報と、第2ユーザの情報とをユーザ情報として記憶することと、
制御部が、デジタルコンテンツを前記第2ユーザに譲渡する前記第1ユーザの第1端末装置から受信した要求に応じて、前記デジタルコンテンツの暗号化のための第1秘密鍵と、当該第1秘密鍵と対になる第1公開鍵とを生成し、前記第1公開鍵と、前記デジタルコンテンツと、前記第2ユーザの情報とに基づいて、第1電子証明書を生成することと、
通信部が、記憶された前記第2ユーザの情報に基づいて、前記第1秘密鍵及び前記第1電子証明書を前記第2ユーザの第2端末装置に送信することと、
前記制御部が、前記要求に応じて、前記デジタルコンテンツ、前記第1ユーザ、及び前記第2ユーザの情報と、前記デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む情報を前記デジタルコンテンツの登記情報として前記記憶部に記憶することと、
前記デジタルコンテンツが、コンテンツ種別、容量、所有者条件、及び所有者の身元確認有無を含む所定の登記条件を満たすことに応じて、前記第1電子証明書を生成することと、
を含む情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
第1ユーザの情報と、第2ユーザの情報とをユーザ情報として記憶する記憶部と、
デジタルコンテンツを前記第2ユーザに譲渡する前記第1ユーザの第1端末装置から受信した要求に応じて、前記デジタルコンテンツの暗号化のための第1秘密鍵と、当該第1秘密鍵と対になる第1公開鍵とを生成し、前記第1公開鍵と、前記デジタルコンテンツと、前記第2ユーザの情報とに基づいて、第1電子証明書を生成する制御部と、
記憶された前記第2ユーザの情報に基づいて、前記第1秘密鍵及び前記第1電子証明書を前記第2ユーザの第2端末装置に送信する通信部と
を備え、
前記制御部は、
前記要求に応じて、前記デジタルコンテンツ、前記第1ユーザ、及び前記第2ユーザの情報と、前記デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む情報を前記デジタルコンテンツの登記情報として前記記憶部に記憶
し、
前記デジタルコンテンツが、コンテンツ種別、容量、所有者条件、及び所有者の身元確認有無を含む所定の登記条件を満たすことに応じて、前記第1電子証明書を生成する、情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル写真、デジタルデザイン、及びゲームアイテムなどのデジタルコンテンツの流通及び普及が進んでいる。特許文献1には、デジタルコンテンツの流通に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、デジタルコンテンツは、容易にコピー可能であるなどの理由により、デジタルコンテンツの所有者の正当性を判断することが困難である場合がある。
【0005】
本発明の目的は、デジタルコンテンツの所有者の正当性を判断することに関する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る情報処理装置は、第1ユーザの情報と、第2ユーザの情報とをユーザ情報として記憶する記憶部と、デジタルコンテンツを前記第2ユーザに譲渡する前記第1ユーザの第1端末装置から受信した要求に応じて、前記デジタルコンテンツの暗号化のための第1秘密鍵と、当該第1秘密鍵と対になる第1公開鍵とを生成し、前記第1公開鍵と、前記デジタルコンテンツと、前記第2ユーザの情報とに基づいて、第1電子証明書を生成する制御部と、記憶された前記第2ユーザの情報に基づいて、前記第1秘密鍵及び前記第1電子証明書を前記第2ユーザの第2端末装置に送信する通信部とを備え、前記制御部は、前記要求に応じて、前記デジタルコンテンツ、前記第1ユーザ、及び前記第2ユーザの情報と、前記デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む情報を前記デジタルコンテンツの登記情報として前記記憶部に記憶する。
【0007】
一態様に係る情報処理方法は、情報処理装置において実行される情報処理方法であって、記憶部が、第1ユーザの情報と、第2ユーザの情報とをユーザ情報として記憶することと、制御部が、デジタルコンテンツを前記第2ユーザに譲渡する前記第1ユーザの第1端末装置から受信した要求に応じて、前記デジタルコンテンツの暗号化のための第1秘密鍵と、当該第1秘密鍵と対になる第1公開鍵とを生成し、前記第1公開鍵と、前記デジタルコンテンツと、前記第2ユーザの情報とに基づいて、第1電子証明書を生成することと、通信部が、記憶された前記第2ユーザの情報に基づいて、前記第1秘密鍵及び前記第1電子証明書を前記第2ユーザの第2端末装置に送信することと、前記制御部が、前記要求に応じて、前記デジタルコンテンツ、前記第1ユーザ、及び前記第2ユーザの情報と、前記デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む情報を前記デジタルコンテンツの登記情報として前記記憶部に記憶することと、を含む情報処理方法。
【0008】
一態様に係るプログラムは、コンピュータを、第1ユーザの情報と、第2ユーザの情報とをユーザ情報として記憶する記憶部と、デジタルコンテンツを前記第2ユーザに譲渡する前記第1ユーザの第1端末装置から受信した要求に応じて、前記デジタルコンテンツの暗号化のための第1秘密鍵と、当該第1秘密鍵と対になる第1公開鍵とを生成し、前記第1公開鍵と、前記デジタルコンテンツと、前記第2ユーザの情報とに基づいて、第1電子証明書を生成する制御部と、記憶された前記第2ユーザの情報に基づいて、前記第1秘密鍵及び前記第1電子証明書を前記第2ユーザの第2端末装置に送信する通信部とを備え、前記制御部は、前記要求に応じて、前記デジタルコンテンツ、前記第1ユーザ、及び前記第2ユーザの情報と、前記デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む情報を前記デジタルコンテンツの登記情報として前記記憶部に記憶する、情報処理装置として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、デジタルコンテンツの所有者の正当性を判断することに関する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態におけるシステムの概要を説明するための概念図である。
【
図2】一実施形態におけるシステム構成の一例を示す概念図である。
【
図3】一実施形態におけるサーバ装置の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図4】一実施形態における制御部の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図5】一実施形態におけるシステムによる例示的な処理の概要を説明するためのシーケンス図である。
【
図6】一実施形態におけるシステムによる例示的な処理の概要を説明するためのシーケンス図である。
【
図7】一実施形態におけるシステムによる例示的な処理の概要を説明するためのシーケンス図である。
【
図8】一実施形態におけるシステムによる例示的な処理の概要を説明するためのシーケンス図である。
【
図9】一実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【0012】
以下に、本発明の一実施形態におけるシステムについて、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形し、又は各実施例を組み合わせる等して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0013】
[システムの概要]
図1を参照して、本実施形態に係るシステムの概要を説明する。システム1は、デジタルコンテンツの真正性を証明することを支援するためのシステムである。また、システム1は、デジタルコンテンツの所有者の正当性を証明することも可能である。本実施形態においてデジタルコンテンツは、デジタル写真、デジタルデザイン、及びゲームアイテムなどを含む。システム1は、いわばデジタルコンテンツの登記所のように機能する。以下に、システム1のユースケースの例を概略的に説明する。
【0014】
例えば、ある事業者(第1ユーザ)がデジタルコンテンツをあるユーザ(第2ユーザ)に提供又は販売(譲渡)する場合において、事業者は、当該デジタルコンテンツの所有者を第2ユーザとする登録の申請をシステム1に対して行う(S1)。システム1は、当該申請に応じて、デジタルコンテンツの所有者を第2ユーザとして登録し、当該デジタルコンテンツに関する電子証明書を発行する(S2)。発行された電子証明書は、システム1から第2ユーザに送信される。事業者は、譲渡対象のデジタルコンテンツを第2ユーザに送信する(S3)。第2ユーザが、システム1に対して確認要求を行うと、システム1は、デジタルコンテンツに関して登録された情報に基づいて、第2ユーザが事業者から受信したデジタルコンテンツの真正性、又は当該デジタルコンテンツの所有者が第2ユーザであることの正当性を判断する(S4)。
【0015】
その後、例えば、第2ユーザが他のユーザ(第3ユーザ)にデジタルコンテンツを譲渡する場合、第2ユーザは、当該デジタルコンテンツの所有者を第3ユーザに変更するように当該デジタルコンテンツの登録内容の変更の申請をシステム1に対して行う(S5)。当該変更に応じてシステム1は、デジタルコンテンツの所有者を第3ユーザとして登録し、所有者を第3ユーザとする当該デジタルコンテンツに関する電子証明書を発行する。当該電子証明書は、システム1から第3ユーザに送信される。第2ユーザは、譲渡対象のデジタルコンテンツを第3ユーザに送信する(S6)。第3ユーザは、システム1に対して確認要求を行うことにより、第2ユーザから受信したデジタルコンテンツの真正性、及び当該デジタルコンテンツの所有者が第3ユーザであることの正当性をデジタルコンテンツに関して登録された情報に基づいて確認することができる(S7)。
【0016】
[システムの構成]
図2を参照して、本実施形態におけるシステム1の構成の一例を説明する。システム1は、サーバ装置10、及び端末装置20(20a、20b、20c)を備える。各装置は、ネットワークNを介して相互に通信可能に構成されている。
【0017】
サーバ装置10は、サーバコンピュータなどの情報処理装置である。サーバ装置10は、1つの情報処理装置(又はコンピュータ。以下同様。)によって構成されてもよいし、クラウドコンピューティング技術又は分散コンピューティング技術等を使用して複数の情報処理装置によって構成されてもよい。
【0018】
端末装置20は、パーソナルコンピュータ、モバイルデバイス、又は専用端末などの情報処理装置により構成される。端末装置20は、クラウドコンピューティング技術を使用して構成されたサーバ装置10と通信可能に構成されてもよい。端末装置20は、デジタルコンテンツを所有又は譲渡するユーザ(上記の事業者を含む。)などにより使用される。
【0019】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。ネットワークNには、例えば、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)など、任意のネットワークが含まれる。
【0020】
図2に示す例において、システム1は、1つのサーバ装置10、及び3つの端末装置20を含んで構成されているが、システム1に含まれる装置の数はこれに限定されず、システム1は、任意の数の装置を含んでもよい。例えば、システム1は、3つを超えて端末装置20を含んでもよい。なお、以降の説明において、サーバ装置10、又は端末装置20のいずれかの処理として記載されている処理の少なくとも一部が他の装置により実行されてもよい。例えば、サーバ装置10による処理として記載されている処理の一部が、端末装置20で実行されてもよいし、端末装置20による処理として記載されている処理の一部が、サーバ装置10で実行されてもよい。
【0021】
[機能構成]
図3を参照して、サーバ装置10が有する機能を説明する。サーバ装置10は、主な機能構成として、通信部11、データベース12、及び制御部13を有する。
【0022】
サーバ装置10は、一般的な情報処理装置又は専用装置などの情報処理装置が有する他の機能構成を有してもよい。サーバ装置10が有する機能構成は、例えば、サーバ装置10が有するCPU(Central Processing Unit)などの制御装置が、記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み実行することによって、コンピュータプログラム(ソフトウェア)とハードウェアの協働により実現される。
【0023】
サーバ装置10において、通信部11は、外部装置との通信により各種情報を受信及び送信する。例えば、通信部11は、外部装置との通信により、デジタルコンテンツ、及び当該デジタルコンテンツの登録に必要な情報を受信する。また、通信部11は、サーバ装置10によりデジタルコンテンツに基づいて生成された秘密鍵、公開鍵、暗号化されたデジタルコンテンツ、及び電子証明書を外部装置に送信してもよく、また、要求に応じて、サーバ装置10に記憶されたその他の情報を外部装置に送信してもよい。
【0024】
データベース12は、通信部11が受信した情報、及びサーバ装置10により生成された情報を含む、各種の情報を記憶する。データベース12は、例えば、上記の第1ユーザの情報と、第2ユーザの情報と、第3ユーザの情報とをシステム1のユーザ情報として記憶する。データベース12は、さらに上記ユーザ情報とは別に、デジタルコンテンツの登記情報として当該デジタルコンテンツに関する情報を記憶する。デジタルコンテンツの登記情報は、例えば、デジタルコンテンツ、並びに当該デジタルコンテンツの譲渡人及び譲受人(例えば、上記の第1ユーザ、第2ユーザ、及び第3ユーザ)に関する情報と、デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む。データベース12は、デジタルコンテンツを記憶してもよい。データベース12が記憶するその他の情報の例は後述する。
【0025】
制御部13は、サーバ装置10により実行される各種の処理を制御する。当該処理には、例えば、デジタルコンテンツの登録、当該登録内容の更新、デジタルコンテンツの暗号化、当該暗号化及び復号のための鍵(公開鍵及び秘密鍵)の生成、並びに電子証明書の生成などが含まれる。より詳細な例として、制御部13は、デジタルコンテンツが第1ユーザから第2ユーザに譲渡される場合において、第1ユーザの端末装置20aから受信した要求に応じて、当該デジタルコンテンツの暗号化のための秘密鍵と、当該秘密鍵と対(ペア)になる公開鍵とを生成し、当該デジタルコンテンツと、当該公開鍵と、データベース12に記憶された第2ユーザの情報とに基づいて、電子証明書を生成してもよい。この場合において、通信部11は、データベース12に記憶された第2ユーザの情報に基づいて、制御部13により生成された秘密鍵と、デジタルコンテンツに関する電子証明書とを第2ユーザの端末装置20bに送信してもよい。
【0026】
以上のように本実施形態によれば、データベース12は、第1ユーザ及び第2ユーザの情報を記憶する。さらに、データベース12は、デジタルコンテンツを第2ユーザに譲渡する第1ユーザの端末装置20aからの要求に応じて、デジタルコンテンツ、第1ユーザ、及び第2ユーザに関する情報と、当該デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む登記情報を記憶する。制御部13は、第1端末装置から受信した上記要求に応じて、デジタルコンテンツの暗号化のための第1秘密鍵と、当該第1秘密鍵と対になる第1公開鍵とを生成し、第1公開鍵と、デジタルコンテンツと、第2ユーザの情報とに基づいて、第1電子証明書を生成する。さらに、通信部11は、データベース12に記憶された第2ユーザの情報に基づいて、第1秘密鍵及び第1電子証明書を第2ユーザの端末装置20bに送信する。
【0027】
その結果、本実施形態によれば、デジタルコンテンツの第1ユーザから第2ユーザへの譲渡に応じて、当該デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報を含む登記情報がデータベース12で記憶管理されるため、上記譲渡の後、デジタルコンテンツの所有者の正当性を適切に判断又は確認することが可能である。また、デジタルコンテンツに基づいて生成された第1電子証明書が第2ユーザの端末装置20bに送信されるため、第1電子証明書を用いて、第1ユーザから譲渡されたデジタルコンテンツの真正性を判断することが可能である。
【0028】
また、本実施形態において制御部13は、デジタルコンテンツが第2ユーザから他のユーザ(例えば、第3ユーザ)にさらに譲渡された場合において、当該デジタルコンテンツの登録内容を更新し、電子証明書を再度発行可能である。詳細には、次のとおりである。データベース12は、第3ユーザの情報を記憶している。制御部13は、通信部11を介してデジタルコンテンツの登録内容の更新要求と共に第2ユーザの識別情報と、データベース12に記憶された登記情報(デジタルコンテンツの識別情報及び当該デジタルコンテンツの所有者であるユーザの識別情報を含む。)とを受信する。制御部13は、当該第2ユーザの識別情報と、当該登記情報とに基づいて、第2ユーザが対象となるデジタルコンテンツの所有者であるか否かを判断する。制御部13は、第2ユーザが対象となるデジタルコンテンツの所有者であると判断した場合、第2ユーザの端末装置20bから受信した要求に応じて、当該デジタルコンテンツの暗号化のための第2秘密鍵と、当該第2秘密鍵と対になる第2公開鍵とを生成する。さらに、制御部13は、少なくとも、第2公開鍵と、当該デジタルコンテンツと、第3ユーザの情報とに基づいて、第2電子証明書を生成する。その後、第2ユーザは当該コンテンツの所有者ではないため、制御部13は、第1電子証明書を失効させる。
【0029】
その結果、本実施形態によれば、制御部13は、第2ユーザが対象となるデジタルコンテンツの所有者であると判断した場合に、第2ユーザの端末装置20bからの要求に応じて、譲渡後の所有者である第3ユーザの情報等に基づいて、第2電子証明書を生成する。その結果、デジタルコンテンツの譲渡前の正当な所有者からの要求に基づいて、デジタルコンテンツを譲り受けたユーザを所有者とする当該デジタルコンテンツに関する電子証明書を生成することが可能となる。
【0030】
さらに、通信部11は、データベース12に記憶された第3ユーザの情報に基づいて、第2秘密鍵及び第2電子証明書を第3ユーザの端末装置20cに送信する。
【0031】
また、制御部13は、デジタルコンテンツが上記のとおり第2ユーザから第3ユーザに譲渡された場合において、端末装置20bから受信した要求に応じて、当該デジタルコンテンツ、第1ユーザ、第2ユーザ、及び第3ユーザに関する情報と、上記譲渡に応じて更新されたデジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む情報を登記情報としてデータベース12に記憶する。
【0032】
図4を参照して、制御部13に含まれる機能構成を説明しつつ、制御部13による機能の詳細を説明する。
図4に示すように、制御部13は、ユーザ情報登録部131、デジタルコンテンツ登録部132、履歴照会部133、及び手数料算出部134を含む。
【0033】
ユーザ情報登録部131は、端末装置20から受信した要求に応じて、上記の事業者(第1ユーザ)、第2ユーザ、及び第3ユーザなど、システム1のユーザの情報をユーザ情報として登録するために、当該情報をデータベース12に記憶し、又は記憶された当該情報を更新若しくは削除する。例えば、ユーザが事業者である場合、ユーザ情報は、事業者名、所在地、連絡先(アドレス情報を含む)、責任者名、担当者名、法人情報、及びシステム1へのログイン情報(例えば、ユーザ識別情報(ID)及びパスワード)などの全部又は一部を含んでもよい。ユーザが個人である場合(例えば、第2ユーザ又は第3ユーザの場合)、ユーザ情報は、氏名、仮名情報(例えば、ハンドルネーム)、住所、電話番号、連絡先(アドレス情報を含む)、及びシステム1へのログイン情報(例えば、ユーザ識別情報(ID)及びパスワード)などの全部又は一部を含んでもよい。ユーザ情報登録部131は、デジタルコンテンツの登記情報とは別に、デジタルコンテンツの登記サービスのユーザの情報として、上記ユーザ情報を記憶する。
【0034】
デジタルコンテンツ登録部132は、端末装置20から受信した要求に応じて、デジタルコンテンツをシステム1に登録するために、当該デジタルコンテンツ及び当該デジタルコンテンツに関する情報を当該デジタルコンテンツの登記情報としてデータベース12に記憶する。当該デジタルコンテンツに関する情報は、例えば、デジタルコンテンツの識別情報、デジタルコンテンツの種別(例えば、画像、テキストデータ、動画、音声、又はプログラムソースコード)、データ容量、登録件数(一つのデジタルコンテンツについて、正当に所有者を登録することが可能な件数)、所有権の移転条件(例えば、所有権の移転可否、又は所有権の移転可能回数)、所有者条件(例えば、個人のみ所有可能、又は個人若しくは事業者が所有可能)、所有者の身元確認方法、所有者の認証方法、所有者情報、所有権の移転履歴情報、公開鍵識別子情報(後述する公開鍵の識別情報)、及び登記簿公開可否(データベース12に記憶されたデジタルコンテンツに関する情報の公開の可否)の全部又は一部を含んでもよい。データベース12は、登記情報として、登録対象のデジタルコンテンツそのもの、又は当該デジタルコンテンツの少なくとも一部に基づくデータ(例えば、デジタルコンテンツの一部のデータ、又はデジタルコンテンツのハッシュ値など)を記憶してもよい。
【0035】
デジタルコンテンツ登録部132は、登録の要求を受けたデジタルコンテンツに関する電子証明書を生成し、データベース12に記憶する。具体的には、デジタルコンテンツ登録部132は、デジタルコンテンツの暗号化のための秘密鍵と、当該秘密鍵と対になる公開鍵とを生成し、当該公開鍵と、当該デジタルコンテンツと、当該デジタルコンテンツの所有者であるユーザの情報とに基づいて、電子証明書を生成してもよい。本実施形態におおて、デジタルコンテンツ登録部132により生成される電子証明書は、例えば、上記公開鍵、上記デジタルコンテンツ(又は、上記デジタルコンテンツの一部又はハッシュ値などの上記デジタルコンテンツに基づく情報)、上記所有者のユーザ情報、及び認証局の電子署名を含んでもよい。
【0036】
デジタルコンテンツ登録部132により生成された秘密鍵及び電子証明書は、通信部11を介して、デジタルコンテンツの所有者であるユーザの端末装置20に送信される。デジタルコンテンツの一部が電子証明書に含まれる場合、電子証明書が端末装置20に送信される際に、デジタルコンテンツにおける当該部分の場所を示す情報も送信されてもよい。端末装置20は、以前の所有者から譲渡されたデジタルコンテンツと、電子証明書に含まれるデジタルコンテンツ等とに基づいて、譲渡されたデジタルコンテンツの真正性を判断することができる。
【0037】
譲渡されたデジタルコンテンツの真正性の判断方法の変形例として、譲渡されたデジタルコンテンツが端末装置20(例えば、端末装置20b)からサーバ装置10に送信され、サーバ装置10は、当該デジタルコンテンツと、データベース12に登録されたデジタルコンテンツとを照合又は比較することにより、譲渡されたデジタルコンテンツの真正性を判断してもよい。詳細には、データベース12は、デジタルコンテンツの少なくとも一部に基づくデータ(例えば、デジタルコンテンツの一部のデータ、又はデジタルコンテンツのハッシュ値など)を真正データとして記憶し、通信部11は、端末装置20bから検証対象データとして、デジタルコンテンツ又はその一部に基づくデータを受信する。制御部13は、上記真正データと上記検証対象データとを照合又は比較し、当該照合又は比較の結果に基づいて、検証対象データの真正性を検証してもよい。
【0038】
また、端末装置20のユーザは、端末装置20がサーバ装置10から受信した電子証明書に含まれる所有者のユーザ情報を端末装置20の表示装置に表示させることにより、対象となるデジタルコンテンツの正当な所有者を確認又は検証することができる。また、ユーザ操作に応じて、端末装置20が対象となるデジタルコンテンツの識別情報と共に、所有者情報の要求をサーバ装置10に送信し、サーバ装置10が当該要求に応じて、対象となるデジタルコンテンツの所有者情報をデータベース12から取得して、端末装置20に送信してもよい。ユーザは、端末装置20が受信した当該所有者情報を参照することにより、対象となるデジタルコンテンツの正当な所有者を確認することができる。
【0039】
正当な所有者の確認又は検証方法の変形例として、まず、ユーザ操作に応じて、端末装置20がユーザの識別情報と、対象となるデジタルコンテンツの識別情報と共に、所有者の判断要求をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、受信した識別情報と、データベース12に記憶されたデジタルコンテンツに関する情報(デジタルコンテンツの識別情報及び所有者情報を含む)とを照合又は比較することにより、受信した識別情報に対応するユーザが対象となるデジタルコンテンツの正当な所有者であるか否かを判断してもよい。サーバ装置10は、正当な所有者を判断したことに応じて、デジタルコンテンツの正当な所有者を示す所有者証明書を生成して発行し、当該所有者の端末装置20に送信してもよい。
【0040】
デジタルコンテンツ登録部132は、上記のようにデータベース12に記憶されたデジタルコンテンツに関する情報に基づいて、受信した識別情報に対応するユーザ(例えば、第2ユーザ)が対象となるデジタルコンテンツの正当な所有者であると判断した後、対応するユーザ(例えば、第2ユーザ)を所有者とするデジタルコンテンツに関する電子証明書を生成してもよい。
【0041】
デジタルコンテンツの登録に関し、デジタルコンテンツ登録部132は、登録の要求を受けたデジタルコンテンツが所定の登記条件を満たすことに応じて、デジタルコンテンツをシステム1に登録するようにしてもよい。所定の登記条件は、デジタルコンテンツに関する情報に対して設定されてもよい。例えば、所定の登記条件は、デジタルコンテンツの種別が所定の種別であり(例えば、画像、テキストデータ、動画、音声、又はプログラムソースコード)、データ容量が所定サイズ(例えば、10メガバイト以下)であり、所有者が所定の種別(例えば、事業者)であり、所有者の身元確認ができているという条件の少なくともいずれかを含んでもよい。デジタルコンテンツ登録部132は、登録の要求を受けたデジタルコンテンツが所定の登記条件を満たすことに応じて、当該デジタルコンテンツに関する電子証明書を生成してもよい。
【0042】
デジタルコンテンツ登録部132は、上記のとおり生成した秘密鍵によりデジタルコンテンツを暗号化し、当該暗号化されたデジタルコンテンツを当該デジタルコンテンツの所有者であるユーザ又は他のユーザの端末装置20に送信してもよい。
【0043】
履歴照会部133は、端末装置20などの外部装置から通信部11が受信した閲覧要求に応じて、データベース12から対応する登記情報を取得し、通信部11に出力する。通信部11は、参照要求を送信した外部装置に当該登記情報を送信する。例えば、履歴照会部133は、通信部11を介して外部装置から受信したデジタルコンテンツの識別情報に基づいて、当該デジタルコンテンツの登記情報の少なくとも一部をデータベース12から取得し、当該取得した情報を通信部11を介して上記外部装置に送信する。当該外部装置のユーザは、受信した登記情報の少なくとも一部を当該外部装置の表示部を介して参照可能である。
【0044】
上記閲覧請求に応じて履歴照会部133によりデータベース12から取得される情報には、デジタルコンテンツの所有者情報、及び当該デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報(過去の移転の日付情報を含む。)など、データベース12に登記情報として記憶された情報が含まれる。また、データベース12は、請求された閲覧要求の履歴、デジタルコンテンツの正当な所有者の判断履歴、デジタルコンテンツの真正性の判断履歴、及びデジタルコンテンツの不正な登録要求の履歴の情報を記憶し、履歴照会部133は、上記閲覧請求に応じて、これらの履歴を通信部11を介して外部装置に送信してもよい。所有者の判断履歴及び真正性の判断履歴は、当該判断の結果を含んでもよい。
【0045】
手数料算出部134は、サーバ装置10が端末装置20から受信した上記の要求に応じて、当該端末装置20のユーザに対する手数料を算出し、当該手数料の情報を端末装置20に送信する。手数料が算出される要求には、例えば、上記ユーザ情報の登録要求、上記デジタルコンテンツの登録の要求、上記デジタルコンテンツの登録内容の更新要求、上記閲覧要求などが含まれる。手数料算出部134は、上記要求に基づいて算出された手数料の請求のために当該手数料に関する情報を対応するユーザ(すなわち、要求を行ったユーザ)の端末装置20に送信する。
【0046】
データベース12は、手数料を課金する条件(例えば、ユーザ情報の登録要求など、課金される要求の種別)、及び課金額(例えば、デジタルコンテンツの取引額に応じた金額、又は定額など)に関する情報を記憶してもよい。この場合、手数料算出部134は、データベース12に記憶された情報に基づいて、手数料を算出してもよい。また、手数料算出部134は、端末装置20から受信した処理要求に応じて、ユーザに請求した手数料の精算のための処理を実行してもよい。
【0047】
[処理フロー]
図5から
図8を参照して、システム1における処理フローを説明する。以下に説明する各処理ステップは、例えば、サーバ装置10及び端末装置20が有する制御部が、記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み実行することによって、コンピュータプログラム(ソフトウェア)とハードウェアの協働により実現される。
【0048】
システム1において実行される処理の詳細は既に説明しているため、以下の処理フローの説明において、既に説明した内容については簡略化又は省略する。
【0049】
図5を参照して、システム1において実行されるユーザ登録及びデジタルコンテンツ登録の処理について説明する。
【0050】
まず、端末装置20aは、ユーザ操作に応じて、事業者(第1ユーザ)に関する情報をユーザ情報としてシステム1に登録する要求をサーバ装置10に送信する(S11)。サーバ装置10は、端末装置20aから受信したユーザ登録要求に応じて、第1ユーザに関する情報をユーザ情報としてシステム1に記憶する。
【0051】
端末装置20bは、ユーザ操作に応じて、第2ユーザに関する情報をユーザ情報としてシステム1に登録する要求をサーバ装置10に送信する(S12)。サーバ装置10は、端末装置20bから受信したユーザ登録要求に応じて、第2ユーザに関する情報をユーザ情報としてシステム1に記憶する。
【0052】
次に、第1ユーザがデジタルコンテンツを第2ユーザに譲渡する場合に、第2ユーザを当該デジタルコンテンツの所有者として登録するために、第1ユーザの端末装置20aは、ユーザ操作に応じて、当該コンテンツに関する情報とともに、コンテンツ登録要求をサーバ装置10に送信する(S13)。
【0053】
サーバ装置10は、端末装置20aから受信したコンテンツ登録要求に応じて、登録の対象(譲渡の対象)となるデジタルコンテンツ、第1ユーザ、及び第2ユーザに関する情報と、当該デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む情報を当該デジタルコンテンツの登記情報として記憶部に記憶する(S14)。さらに、サーバ装置10は、当該デジタルコンテンツの暗号化のための第1秘密鍵と、当該第1秘密鍵と対になる第1公開鍵とを生成する(S15)。サーバ装置10は、生成された第1公開鍵と、上記デジタルコンテンツと、譲渡後の所有者である第2ユーザの情報とに基づいて、第1電子証明書を生成する(S16)。
【0054】
次に、サーバ装置10は、記憶部に記憶された第2ユーザの情報に基づいて、第1秘密鍵及び第1電子証明書を第2ユーザの端末装置20bに送信する(S17)。その後、譲渡の対象となるデジタルコンテンツが端末装置20a又はサーバ装置10から端末装置20bに送信される。
【0055】
図6を参照して、システム1において実行されるデジタルコンテンツの所有者確認の処理について説明する。
【0056】
まず、端末装置20bは、端末装置20bの第2ユーザの識別情報と、所有者確認の対象となるデジタルコンテンツの識別情報と共に、デジタルコンテンツの所有者確認の要求をサーバ装置10に送信する(S21)。サーバ装置10は、受信した第2ユーザ及びデジタルコンテンツの識別情報と、サーバ装置10の記憶部に記憶された登記情報とを照合又は比較し、第2ユーザが当該デジタルコンテンツの所有者であるか否かを判断する(S22)。サーバ装置10は、所有者の判断の結果を端末装置20bに送信する(S23)。所有者の判断の結果は、例えば、第2ユーザが対象となるデジタルコンテンツの所有者であるか否かの情報を含む。
【0057】
なお、S21において、サーバ装置10に第2ユーザの識別情報が送信され、S22において、サーバ装置10は、記憶された登記情報を参照して、第2ユーザの識別情報に基づいて、第2ユーザが所有するデジタルコンテンツを判断してもよい。この場合、S23において、サーバ装置10は、第2ユーザが所有するデジタルコンテンツの情報を端末装置20bに送信する。
【0058】
また、S23において、サーバ装置10は、デジタルコンテンツの正当な所有者を示す所有者証明書を生成して発行し、端末装置20bに送信してもよい。
【0059】
図7を参照して、システム1において実行されるデジタルコンテンツの真正性検証の処理について説明する。
【0060】
まず、端末装置20bは、ユーザ操作に応じて、デジタルコンテンツの真正性の確認要求と共に、真正性の検証対象のデジタルコンテンツ(又は当該デジタルコンテンツの少なくとも一部に基づくデータ、
図7の説明において以下同様。)を検証対象データとしてサーバ装置10に送信する(S31)。
【0061】
サーバ装置10は、登録されたデジタルコンテンツの少なくとも一部に基づくデータを真正データとして記憶部に記憶しており、S31で端末装置20bから受信した検証対象データと、真正データとを比較することにより、検証対象のデジタルコンテンツの真正性を検証(判断)する(S32)。例えば、検証対象のデジタルコンテンツが登録されたデジタルコンテンツから改変等行われていたことが検出された場合、検証対象のデジタルコンテンツは真正ではないと判断される。
【0062】
サーバ装置10は、S32における検証の結果情報を端末装置20bに送信する。当該結果情報は、検証対象のデジタルコンテンツは真正であるか否かを示す情報を含む。
【0063】
図8を参照して、システム1において実行されるデジタルコンテンツの所有権が第2ユーザから第3ユーザに移転される場合における当該移転登録(コンテンツ登録の更新)の処理について説明する。
【0064】
まず、端末装置20bは、ユーザ操作に応じて、第2ユーザの識別情報及び所有権の移転対象であるデジタルコンテンツの識別情報と共に、デジタルコンテンツの所有権の移転登録処理要求(登録更新要求)をサーバ装置10に送信する(S41)。サーバ装置10は、受信した第2ユーザ及びデジタルコンテンツの識別情報と、サーバ装置10の記憶部に記憶された登記情報とを照合又は比較し、第2ユーザが当該デジタルコンテンツの所有者であるか否かを判断する(S42)。
【0065】
S42で第2ユーザが所有権移転対象のデジタルコンテンツの所有者であると判断された場合、サーバ装置10は、S41で第2ユーザの端末装置20bから受信した要求に応じて、上記デジタルコンテンツ、第1ユーザ、第2ユーザ、及び第3ユーザに関する情報と、上記デジタルコンテンツの所有権の移転履歴情報とを含む情報をデジタルコンテンツの更新後の登記情報として記憶部に記憶する(S43)。
【0066】
さらに、サーバ装置10は、上記デジタルコンテンツの暗号化のための第2秘密鍵と、当該第2秘密鍵と対になる第2公開鍵とを生成し(S44)、第2公開鍵と、上記デジタルコンテンツと、所有権の移転後の所有者である第3ユーザの情報とに基づいて、第2電子証明書を生成する(S45)。
【0067】
次に、サーバ装置10は、記憶部に記憶された第3ユーザの情報に基づいて、第2秘密鍵及び第2電子証明書を第3ユーザの端末装置20cに送信する(S46)。その後、譲渡の対象となるデジタルコンテンツが端末装置20b又はサーバ装置10から端末装置20cに送信される。
【0068】
[ハードウェア構成]
図9を参照して、サーバ装置10及び端末装置20をコンピュータ800により実現する場合における、コンピュータ800のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0069】
図9に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。コンピュータ800は、図示しないが、各種アクチュエータ(例えば、モータ)、又は各種センサを含んでもよい。
【0070】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における各種の処理を制御する制御部である。
【0071】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0072】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。なお、記憶装置805は、メモリ803と同じデバイスであってよい。
【0073】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0074】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0075】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0076】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0077】
[変形例]
上記実施形態におけるシステム1(又は、サーバ装置10、若しくは端末装置20)を実装するためのプログラムは、CD-ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0078】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0079】
1 システム
10 サーバ装置
20 端末装置
N ネットワーク